(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099095
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】床用目地装置
(51)【国際特許分類】
E04B 1/68 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
E04B1/68 100A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002786
(22)【出願日】2023-01-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000110365
【氏名又は名称】ドーエイ外装有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】後藤 英夫
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001EA01
2E001FA54
2E001GA12
2E001PA01
(57)【要約】
【課題】 様々な方向の揺れ動きに対応でき、かつ、目地部を塞ぐことができる床用目地装置を提供すること
【解決手段】一方の躯体と他方の躯体間の目地部を塞ぐ床用目地装置であって、前記一方の躯体に設けられた第1の目地プレート支持部と、前記他方の躯体に設けられた第2の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部に一端部側が支持され、前記第2の目地プレート支持部に他端部側が支持され、前記目地部を塞ぐ目地プレートと、前記他方の躯体に設けられ、左右方向に伸縮可能で前記目地プレートの底面を支持できる複数個の支持筒と、前記複数個の支持筒の突出端部を支持する支持機構とで構成され、前記支持機構は、一方の躯体に設けられた前後方向に延在する第1のガイド部と、前記第1のガイド部に前後方向に摺動可能に設けられ、左右方向に延在する複数の第2のガイド部と、前記第2のガイド部に左右方向に摺動可能に設けられ、前記複数個の支持筒の突出端部を支持する複数の支持台とで構成されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の躯体と他方の躯体間の目地部を塞ぐ床用目地装置であって、前記一方の躯体に設けられた第1の目地プレート支持部と、前記他方の躯体に設けられ、前記目地部と反対側の端部が乗り上げ傾斜面に形成された第2の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部に一端部側が支持され、前記第2の目地プレート支持部に他端部側が支持され、前記目地部を塞ぐ目地プレートと、前記他方の躯体に設けられ、左右方向に伸縮可能で前記目地プレートの底面を支持できる複数個の支持筒と、前記複数個の支持筒の突出端部を支持する支持機構とで構成され、
前記支持機構は、前記一方の躯体に設けられた前後方向に延在する第1のガイド部と、前記第1のガイド部に前後方向に摺動可能に設けられ、左右方向に延在する複数の第2のガイド部と、前記第2のガイド部に左右方向に摺動可能に設けられ、前記複数個の支持筒の突出端部を支持する複数の支持台とで構成される床用目地装置。
【請求項2】
前記支持台は、前記複数個の支持筒の突出端部側を接続するように設けられたバー状の支持バーと、前記支持バーの底面を支持するように設けられた複数個の支持台本体とで構成されることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
【請求項3】
前記目地プレートは、通常時においては、一端部側が前記第1の目地プレート支持部に支持されるとともに、他端部側が第2の目地プレート支持部に支持され、地震によって前記目地部が広くなった場合には、一端部側が前記第1の目地プレート支持部に支持されるとともに、他端部側が支持筒に支持されることを特徴とする請求項1に記載の床用目地装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられた躯体の間の目地部を塞ぐ床用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、他人の敷地や公道等との境界付近や壁面が近接する場所のような、目地プレートのスライド幅を十分に確保できない場所に形成された目地部を塞ぐ床用目地装置としては、「目地部を介して設けられた左右の床躯体の目地部の幅寸法とほぼ同じ幅寸法が境界線までにあるように形成された一方の床躯体と、この一方の床躯体の上面に所定間隔で固定され、複数個の支持筒より前記目地部へ、該目地部の幅寸法分だけ常時突出するように取付けられた作動杆を有する目地プレート支持機構と、この目地プレート支持機構の支持筒の上面に位置するように、該支持筒あるいは前記一方の床躯体に固定された、前記目地部側の下端部が目地部方向に突出する傾斜面に形成された固定目地プレートと、前記一方の床躯体と前記目地部を介して位置する突出部を有し、かつ前記固定目地プレートの上面位置とほぼ同じ上面位置となる他方の床躯体と、この他方の床躯体の目地部側の突出部に後端部が上方への移動が可能に取付けられ、先端部が前記目地プレート支持機構に支持されて前記目地部を覆う目地プレートと、前記目地プレート支持機構の作動杆の突出位置を規制するストッパーと、前記目地プレート支持機構の作動杆の先端部に下方へ突出する支持杆をスライド移動可能に支持する、前記他方の床躯体の突出部の下部に入り込む前記一方の床躯体の目地部側に固定された支持体とからなることを特徴とする床用目地装置」が知られている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、このような床用目地装置では、支持杆を支持する部位や部材(支持体)が、支持杆が固定されている躯体と同じ躯体であるため、前後左右方向の揺れ動きを吸収することができるが、支持杆を支持する部位や部材(支持体)が、支持杆が固定されている躯体と異なる躯体となる場合には、前後方向にスムーズに摺動できないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、様々な方向の揺れ動きに対応でき、かつ、目地部を塞ぐことができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の床用目地装置は、一方の躯体と他方の躯体間の目地部を塞ぐ床用目地装置であって、前記一方の躯体に設けられた第1の目地プレート支持部と、前記他方の躯体に設けられた第2の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部に一端部側が支持され、前記第2の目地プレート支持部に他端部側が支持され、前記目地部を塞ぐ目地プレートと、前記他方の躯体に設けられ、左右方向に伸縮可能で前記目地プレートの底面を支持できる複数個の支持筒と、前記複数個の支持筒の突出端部を支持する支持機構とで構成され、前記支持機構は、一方の躯体に設けられた前後方向に延在する第1のガイド部と、前記第1のガイド部に前後方向に摺動可能に設けられ、左右方向に延在する複数の第2のガイド部と、前記第2のガイド部に左右方向に摺動可能に設けられ、前記複数個の支持筒の突出端部を支持する複数の支持台とで構成されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の床用目地装置の前記支持台は、前記複数個の支持筒の突出端部側を接続するように設けられたバー状の支持バーと、前記支持バーの底面を支持するように設けられた複数個の支持台本体とで構成されることを特徴とする。
請求項3に記載の床用目地装置の前記目地プレートは、通常時においては、一端部側が前記第1の目地プレート支持部に支持されるとともに、他端部側が第2の目地プレート支持部に支持され、地震によって前記目地部が広くなった場合には、一端部側が前記第1の目地プレート支持部に支持されるとともに、他端部側が支持筒に支持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1及び請求項3に記載の発明においては、支持筒及びこの支持筒を支持する支持機構を有しているので、第2の目地プレート支持部を長く形成しなくても目地プレートを支持することができ、境界付近や壁面近傍に形成された目地部を確実に塞ぐことができる。
(2)また、目地部の下部に複数個の支持筒を設けているので、地震によって目地部が広くなるように左右の躯体が揺れ動いたとしても、大きく目地部が開口することを防止できる。
(3)第1のガイド部及び第2のガイド部により、支持機構が一方の躯体に対して左右方向だけでなく、前後方向にも摺動することができる。
したがって、様々な方向の揺れ動きに対応することができる。
(3)請求項2に記載の発明においても、前記(1)~(2)と同様な効果が得られるとともに、効率よく支持筒を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1乃至
図8は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図9乃至
図10は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
【
図1】第1の実施形態を示す床用目地装置の平面図(通常時)。
【
図6】地震で目地部が狭くなった正面視側からの動作説明図。
【
図7】地震で目地部が広くなった正面視側からの動作説明図。
【
図8】地震で躯体が異なる前後方向に揺れ動いた状態の平面視側からの動作説明図。
【
図9】第2の実施形態を示す床用目地装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至
図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた一方の躯体3及び他方の躯体4間に設置された床用目地装置である。
【0012】
なお、左右方向とは
図1(平面視)における左右方向(第2のガイド部25の長手方向)であり、前後方向とは
図1における上下方向(第1のガイド部24の長手方向)、上下方向とは
図2における上下方向をいう。
【0013】
また、本発明において躯体とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
【0014】
本実施形態の床用目地装置1は、
図1乃至
図3に示すように、一方の躯体3に設けられた第1の目地プレート支持部5と、他方の躯体4に設けられた第2の目地プレート支持部6と、前記第1の目地プレート支持部5に一端部側が支持され、前記第2の目地プレート支持部6に他端部側が支持され、前記目地部2を塞ぐ目地プレート7と、前記他方の躯体4に設けられ、左右方向(長手方向)に伸縮可能で前記目地プレート7の底面を支持できる複数個の支持筒8と、前記複数個の支持筒8の突出端部を支持する支持機構9とで構成されている。
【0015】
一方の躯体3は、例えば
図2に示すように、本実施形態においては地盤に形成された(地震時には地盤と同調して揺れ動く)構造物であり、目地部2側の床面又は壁面には第1の目地プレート支持部5が形成されている。また、目地部2の下部には免震ピット10が形成されている。
【0016】
第1の目地プレート支持部5は、例えば
図2に示すように、本実施形態では一方の躯体3の目地部2側の床面に前後方向に延在するように形成された凹所状の部位で、後述する目地プレート7の一端部の前後側の両端部に設けられた杭ケース11に挿入される係止杭12が設けられている。なお、一方の躯体3の目地部2側の壁面に略アングル状又は略クランク状等の金属製の部材を固定し、第1の目地プレート支持部5としてもよい。
【0017】
他方の躯体4は、例えば
図2に示すように、前記一方の躯体3の免震ピット10に設けられた免震ゴム等の免震装置13を介して設けられた構造物であり、目地部側の床面には第2の目地プレート支持部6が形成されている。この第2の目地プレート支持部6に連続するように床面4aが形成されており、この床面4aの端部(目地部2と左右方向反対側の部位)には、本実施形態においては立ち上がるように壁面4bが形成されている。また、第2の目地プレート支持部6の下部には、一方の躯体3側に突出するように複数個の支持筒8が設けられている。
【0018】
第2の目地プレート支持部6は、例えば
図2に示すように、他方の躯体4の目地部2側の端部に形成された前後方向に延在する横倒れ凹所状の部位で、目地部2と反対側の端部には、地震によって目地部2が狭くなった場合に、目地プレート7が乗り上げる乗り上げ傾斜面14が形成されている。
【0019】
なお、本実施形態においては、他方の躯体4の目地部側の床面に凹所状の第2の目地プレート支持部6を一体的に形成しているが、例えば、他方の躯体4の床面に乗り上げ傾斜面14を有する固定プレート等を固定し、固定プレート等が固定されていない部分の目地部側の床面を第2の目地プレート支持部6としてもよいし、支持筒8の筒部材20の上面を第2の目地プレート支持部6としてもよい。
【0020】
目地プレート7は、
図1に示すように、通常時においては、その一端部が第1の目地プレート支持部5に支持されると共に、その他端部が第2の目地プレート支持部6に直接又は間接的に(支持プレートを介して)支持された状態で目地部2の前後方向に複数個隙間なく設けられている。
【0021】
この目地プレート7は、
図4に示すように、面視長方形状で金属材製の目地プレート本体15と、この目地プレート本体15の一端部の両側部に設けられた前記杭ケース11と、目地プレート本体15内へ充填されたモルタルあるいはコンクリート等の充填部材16と、この充填部材16の上面に貼り付けられた大理石等のタイルやレンガ等の化粧板17と、目地プレート本体15の他端部側にヒンジ部材18を介して取り付けられたカバープレート19とで構成されている。
【0022】
なお、目地プレート7の一端部側にもヒンジ部材18を介してカバープレート19を備えることにより、隙間や段差が生じることを防止することができる。
【0023】
また、目地プレート7としては本実施形態のような浅皿状の目地プレート本体を用いるものだけでなく、公知の様々な目地プレートを用いることができる。
【0024】
支持筒8は、他方の躯体4に固定された角パイプ状の筒部材20と、前記筒部材20に出没可能に設けられ、その上面で目地プレート7の底面を支持可能な支持筒本体21と、前記支持筒本体21を常時一方の躯体側へ付勢する付勢具22と、支持筒本体21が所定の部位よりも一方の躯体側へ変位(突出)しないように、支持筒本体21の突出長さを制限するストッパー23とで構成されている。ストッパー23は、本実施形態においては、一端部が支持筒本体21に固定され、他端部が他方の躯体4に固定されたワイヤーを用いているが、例えば、筒部材20と支持筒本体21にそれぞれ係合片等を設け、所定の長さまで支持筒本体21が突出した場合には、係合片が当接し、それ以上支持筒本体21が突出しないように制御するストッパー23等としてもよい。
【0025】
この支持筒8は、本実施形態においては、前後方向に略隙間なく設けられており、地震によって目地部2が広くなるように左右の躯体3、4が揺れ動いた場合であっても、目地部2を略隙間なく塞ぐことができる。なお、例えば人や物が目地部に落下することが想定されない場所、車両のみが通行するような場所等、設置場所によっては前後方向にある程度の間隙を有して複数個の支持筒8を設けてもよい。
【0026】
なお、支持筒本体21の上面と第2の目地プレート支持部6の間に段差が生じる場合には、段差を解消する傾斜面等を支持筒8又は目地プレート7に設けることが望ましい。
【0027】
支持機構9は、
図5に示すように、目地部2の下部の一方の躯体3に設けられた前後方向に延在するレール状の1対の第1のガイド部24と、前記第1のガイド部24に係合し前後方向に摺動可能に設けられ、左右方向に延在する複数のレール状の第2のガイド部25と、前記第2のガイド部25に左右方向に摺動可能に設けられ、前記複数個の支持筒8の突出端部を支持する支持台26とで構成されている。
【0028】
第1のガイド部24は、本実施形態においては、一方の躯体3の免震ピット10の床面10a又は一方の躯体3の壁面3aに固定状態で設けられ、上面が開口した断面視略コ字状の金属製のレール部材で、地震による左右の揺れ動き幅よりも大きな寸法のものを用いることが望ましい。なお、本実施形態においては、1対の第1のガイド部24を設けているが、1つの第1のガイド部24又は3つ以上の第1のガイド部24を設けてもよい。
【0029】
第2のガイド部25は、本実施形態においては、前記1対の第1のガイド部24にそれぞれローラーや滑り材、ベアリング等の滑動部材27を介して前後方向に摺動可能に設けられ、上面が開口した断面視略コ字状の金属製のレール部材で、前後方向に所定間隔を有して複数個設けられている。この第2のガイド部25には、前記支持台26が取り付けられる。
【0030】
支持台26は、1対の第2のガイド部25に左右方向に摺動可能に設けられ、かつ、前後方向に所定間隔を有して複数個設けられた支持台本体28と、前記支持台本体28にその下端部がそれぞれ取り付けられた接続部材29と、前後方向に延在し、前記複数個の支持筒の突出端部側を接続するように設けられたバー状の支持バー30とで構成されている。この支持バー30には複数個の支持筒の突出端部側の底面が固定されるとともに、複数個の接続部材29の上端部が固定状態で接続されている。
【0031】
支持台本体28の底面には滑動部材27が取り付けられており、この滑動部材27が第2のガイド部25に係合し、左右方向に摺動可能となっている。本実施形態においては、1対の第2のガイド部25に対して1つの支持台本体28が取り付けられている。
【0032】
なお、支持バー30を用いず、1つの支持台本体28と1つ又は複数個の支持筒本体21を直接又は接続部材29を介して接続し、支持筒本体21の突出端部側を支持してもよい。また、支持バー30は、本実施形態においては中実の角材を用いているが、パイプ状の部材や無垢材等を用いてもよい。さらに、1本の支持バー30を通しで使用してもよく、複数の支持バー30を長手方向に連結して用いてもよい。
【0033】
地震で躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が狭くなると、
図6に示すように、目地プレート7は第2の目地プレート支持部6の乗り上げ傾斜面14を乗り上げ、支持筒本体21が筒部材20の内部に没入し、地震による揺れ動きを吸収する。
【0034】
この時支持機構9は、支持台26(支持台本体28、接続部材29及び支持バー30)が第2のガイド部25に沿って支持筒本体21と同調して左右方向に摺動し、揺れ動きを吸収する。
【0035】
地震による揺れ動きが終了すると、付勢具22の付勢力により支持筒本体21は押圧され、所定の位置に復帰すると共に、目地プレート7及び支持機構9(支持台26)も通常状態に復帰する。
【0036】
地震で躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が広くなると、
図7に示すように、支持筒本体21はワイヤー23によって突出量が制限され、支持台26は第2のガイド部25に同調して左右方向に摺動し、揺れ動きを吸収する。
【0037】
また、目地プレート7は、一端部側が前記第1の目地プレート支持部5に支持されるとともに、他端部側が支持筒8の支持筒本体21に支持された状態で左右方向に摺動し、地震による揺れ動きを吸収する。この支持筒本体21は支持台26に支持されるため、目地プレート7等の荷重を確実に支持することができる。
地震で躯体3、4が異なる前後方向に揺れ動くと、
図8に示すように、目地プレート7の他端部が第2の目地プレート支持部6上を前後方向にスライド移動し、その揺れ動きを吸収する。
【0038】
この時、支持台26及び第2のガイド部25は、第1のガイド部24に沿って前後方向に摺動し、地震による揺れ動きを吸収する。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、
図9及び
図10に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0039】
図9及び
図10に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、免震ピット10の床面10aに凹所状に形成した溝を第1のガイド部24Aとした支持機構9Aにした点で、このような支持機構9Aを備えた目地プレート支持台8Aを用いた床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
なお、本発明の実施形態において、浅皿状の目地プレート本体に充填部材を充填したものを目地プレートとして用いたが、その他の公知の目地プレートを用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0042】
1、1A:床用目地装置、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5:第1の目地プレート支持部、 6:第2の目地プレート支持部、
7:目地プレート、 8:支持筒、
9、9A:支持機構、 10:免震ピット、
11:杭ケース、 12:係止杭、
13:免震装置、 14:乗り上げ傾斜面、
15:目地プレート本体、 16:充填部材、
17:化粧板、 18:ヒンジ部材、
19:カバープレート、 20:筒部材、
21:支持筒本体、 22:付勢具、
23:ストッパー、 24、24A:第1のガイド部、
25:第2のガイド部、 26:支持台、
27:滑動部材、 28:支持台本体、
29:接続部材、 30:支持バー。