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特開2024-991無線方式テストチャンバーの構成要素の配列を決定するためのコンピュータ実装方法およびシステム
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  • 特開-無線方式テストチャンバーの構成要素の配列を決定するためのコンピュータ実装方法およびシステム 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000991
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】無線方式テストチャンバーの構成要素の配列を決定するためのコンピュータ実装方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20231226BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20231226BHJP
   H04B 17/00 20150101ALI20231226BHJP
【FI】
G01S7/40 178
G01S7/03 200
H04B17/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023100579
(22)【出願日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】10 2022 115 432.7
(32)【優先日】2022-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2022 118 058.1
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】506012213
【氏名又は名称】ディスペース ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】dSPACE GmbH
【住所又は居所原語表記】Rathenaustr.26,D-33102 Paderborn, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ディルク ベルネック
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヒムラー
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ハップ
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、無線方式テストチャンバー(12)の構成要素の配列(10)を決定するためのコンピュータ実装方法およびシステム(1)を提供する。
【解決手段】無線方式テストチャンバー(12)内の構成要素相互の最適化された配列(10)の位置データおよび/または無線方式テストチャンバー(12)内の最適化された配列の位置データのグループ(11)を決定するステップ(S2)と、無線方式テストチャンバー(12)内のテストすべき装置(14)、特にレーダーセンサ、反射器(16)、および目標シミュレータ(18)もしくは該目標シミュレータ(18)の送受信装置(18a)の最適化された配列の位置および/または無線方式テストチャンバー(12)内の最適化された配列のグループ(11)の位置を含んだ第2のデータセット(DS2)を出力するステップ(S3)と、を含んでいる、コンピュータ実装方法およびシステム(1)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線方式テストチャンバー(12)、特にCATRチャンバーの構成要素の配列(10)を決定するためのコンピュータ実装方法であって、前記コンピュータ実装方法は、
前記無線方式テストチャンバー(12)内のテストすべき装置(14)、特にレーダーセンサ、反射器(16)、および目標シミュレータ(18)もしくは前記目標シミュレータ(18)の送受信装置(18a)の初期配列の位置を含んだ第1のデータセット(DS1)を提供するステップ(S1)であって、前記目標シミュレータ(18)は、前記反射器(16)によって反射された特にコリメートされたテスト信号(TS)を前記テストすべき装置(14)に送信し、前記テストすべき装置(14)から到来する前記テスト信号(TS)を受信するステップ(S1)と、
前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素相互の最適化された配列(10)の位置データおよび/または前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素のグループ(11)の最適化された配列(10)の位置データを決定するステップ(S2)と、
前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記テストすべき装置(14)、特に前記レーダーセンサ、前記反射器(16)、および前記目標シミュレータ(18)もしくは前記目標シミュレータ(18)の前記送受信装置(18a)の最適化された配列の位置および/または前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素のグループ(11)の最適化された配列(10)の位置を含んだ第2のデータセット(DS2)を出力するステップ(S3)と、
を含んでいるコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素相互の最適化された配列(10)の位置データを決定する前記ステップ(S2)は、前記テストすべき装置(14)、特に前記レーダーセンサの投影面(P)における、初期配列に対して変更された配向を有する、前記反射器(16)の最適化された配列の位置を決定するステップを含む、
請求項1記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記反射器(16)の最適化された配列の位置を決定するステップは、前記反射器(16)を、前記反射器(16)の中心軸線(M)周りで予め設定された角度(α)だけ、特に1~20°の角度範囲内で回転させるステップを含む、
請求項2記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素相互の最適化された配列(10)の位置データを決定する前記ステップ(S2)は、レーダーセンサの送受信アンテナ(14a)の最適化された配列の位置を決定するステップを含み、前記配列は、前記反射器(16)の静穏ゾーン(30)に位置する、
請求項1から3までのいずれか1項記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記レーダーセンサの前記送受信アンテナ(14a)の最適化された配列の位置を決定する前記ステップは、前記テストすべき装置(14)、特に前記レーダーセンサの投影面(P)において前記レーダーセンサの前記送受信アンテナ(14a)をシフトさせるステップを有する、
請求項4記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素相互の最適化された配列(10)の位置データを決定する前記ステップ(S2)は、前記テストすべき装置(14)、特に前記レーダーセンサの前記テスト信号(TS)が前記反射器(16)の中央に入射するように、前記反射器(16)に対するレーダーセンサの送受信アンテナ(14a)の配向を決定するステップを有する、
請求項1から5までのいずれか1項記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記反射器(16)に対する前記レーダーセンサの前記送受信アンテナ(14a)の配向を決定する前記ステップは、前記レーダーセンサの前記送受信アンテナ(14a)を、前記レーダーセンサの中心軸線周りで回転させるステップを有する、
請求項6記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記無線方式テストチャンバー(12)内の最適化された配列の前記グループ(11)の位置データを決定する前記ステップ(S2)は、前記無線方式テストチャンバー(12)内の最適化された配列の前記グループ(11)を、予め設定された回転軸線周りで予め設定された回転角度だけ回転させるステップを含む、
請求項1から7までのいずれか1項記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記無線方式テストチャンバー(12)内の最適化された配列の前記グループ(11)を、予め設定された回転軸線周りで予め設定された回転角度だけ回転させる前記ステップは、前記無線方式テストチャンバー(12)内の最適化された配列の前記グループ(11)を、前記無線方式テストチャンバー(12)内の最適化された配列の前記グループ(11)の長手方向軸線および/または横方向軸線周りに回転させるステップを含む、
請求項8記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
無線方式テストチャンバー(12)、特にCATRチャンバーの構成要素の配列(10)を決定するためのシステム(1)であって、前記システム(1)は、
無線方式テストチャンバー(12)内のテストすべき装置(14)、特にレーダーセンサ、反射器(16)、および目標シミュレータ(18)もしくは前記目標シミュレータ(18)の送受信装置(18a)の初期配列の位置を含んだ第1のデータセット(DS1)を提供するように構成されたデータメモリ(20)であって、前記目標シミュレータ(18)は、前記反射器(16)によって反射された特にコリメートされたテスト信号(TS)を前記テストすべき装置(14)に送信し、前記テストすべき装置(14)から到来数する前記テスト信号(TS)を受信するように構成されているデータメモリ(20)と、
前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素相互の最適化された配列(10)の位置データおよび/または前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素のグループ(11)の最適化された配列(10)の位置データを決定するように構成された計算ユニット(22)と、
前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記テストすべき装置(14)、特に前記レーダーセンサ、前記反射器(16)、および前記目標シミュレータ(18)もしくは前記目標シミュレータ(18)の前記送受信装置(18a)の最適化された配列の位置および/または前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素のグループ(11)の最適化された配列(10)の位置を含んだ第2のデータセット(DS2)を出力するように構成された出力ユニット(24)と、
を含んでいるシステム(1)。
【請求項11】
無線方式テストチャンバー(12)、特にCATRチャンバー内の構成要素をテストするためのコンピュータ実装方法であって、前記コンピュータ実装方法は、
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により、前記無線方式テストチャンバー(12)内のテストすべき装置(14)、特にレーダーセンサ、反射器(16)、および目標シミュレータ(18)もしくは前記目標シミュレータ(18)の送受信装置(18a)相互の最適化された配列の位置および/または前記無線方式テストチャンバー(12)内の最適化された配列のグループ(11)の位置を含んだ第2のデータセット(DS2)を使用して、前記無線方式テストチャンバー(12)内の前記構成要素をテストするステップを有する、
コンピュータ実装方法。
【請求項12】
構成要素をテストするための無線方式テストチャンバー(12)、特にCATRチャンバーであって、前記無線方式テストチャンバー(12)は、
前記無線方式テストチャンバー(12)内に配置された構成要素、特にレーダーセンサ、反射器(16)、および目標シミュレータ(18)もしくは前記目標シミュレータ(18)の送受信装置(18a)を含み、
前記無線方式テストチャンバー(12)は、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法により、前記無線方式テストチャンバー(12)内のテストすべき装置(14)、特にレーダーセンサ、反射器(16)、および目標シミュレータ(18)もしくは前記目標シミュレータ(18)の送受信装置(18a)相互の最適化された配列の第2のデータセット(DS2)および/または前記無線方式テストチャンバー(12)内の最適化された配列のグループ(11)の第2のデータセット(DS2)を使用して前記構成要素をテストするように構成されている、
無線方式テストチャンバー(12)。
【請求項13】
無線方式テストチャンバー(12)は、ロボット(28)を含んでいるかまたはロボット(28)に動作可能に接続されており、前記ロボット(28)は、レーダーセンサを、テストプロセスの際に前記レーダーセンサの投影軸線周りで予め設定された角度だけ回転させるように構成されている、
請求項12記載の無線方式テストチャンバー(12)。
【請求項14】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、請求項1から9および11記載の方法のいずれか1項を実行するためのプログラムコードを伴うコンピュータプログラム。
【請求項15】
コンピュータ可読データ担体であって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、請求項1から9および11記載の方法のいずれか1項を実施するためのコンピュータプログラムのプログラムコードを伴うコンピュータ可読データ担体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Over-the-air-テストチャンバー(以下「無線方式テストチャンバー」とも称する)、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するためのコンピュータ実装方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するためのシステムに関する。
【0003】
さらに、本発明は、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーにおいて構成要素をテストするためのコンピュータ実装方法に関する。
【0004】
その上さらに、本発明は、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーに関する。
【背景技術】
【0005】
レーダーセンサ用のEnd-of-Line(以下「生産ライン最終」とも称する)-CATRテストシステムは、車両に使用される量産型レーダーセンサの自動化された検査および較正を実施する。
【0006】
量産型自動車用レーダーセンサのための生産ライン最終検査台では、完全に組み立てられたモジュールの機能性を検査し、特に小型で反射の少ない吸収体チャンバー内でレーダー目標シミュレーションを用いて自動化された較正を行うことが必要である。レーダーセンサ(Radar under Test;以下「テスト対象レーダー」とも称する)の動作パラメータの測定およびその較正は、定められた検査経過において行われ、そこでは、レーダーセンサが、高精度な駆動装置を用いてその照射中心軸線周りで水平方向および垂直方向に回転させられる。
【0007】
検査ピースもしくはテスト対象レーダーは、テストシステムに手動でまたはロボットによって、ライトカーテンにより保護された検査ピース収容部に載置される。そこではセンサの固定が行われ、バーコードを用いてセンサタイプの制御、ならびにセンサ位置の制御が行われる。続いて、電気的端子が機械的に接触接続され、センサが吸収体チャンバー内に移動し、吸収体チャンバーが吸収体隔壁を用いて閉鎖される。
【0008】
この吸収体チャンバー内には、その照射中心軸線周りで相対運動を実行するロボット、放物線状の表面輪郭を有する反射器、ならびに反射器の焦点内の目標シミュレータの送受信アンテナが存在している。
【0009】
反射器は、この場合、レーダーセンサから放出されたレーダー波を集束させ、目標シミュレータの受信アンテナに偏向させる。レーダー目標シミュレータは、レーダー波を目標に定め、そのように操作されたレーダー波を、反射器を介してエコーとして検査ピースにフィードバックする。その際に生じる平らな波面は、センサ固有の遠距離場距離に依存しないため、CATR手法を用いることにより、非常に大きなテストチャンバー(多くの場合10mを超える長さ)の代わりにコンパクトな構造形態が可能である。
【0010】
レーダーセンサの検査および較正の間、レーダーセンサは、その照射中心周りで水平方向(方位角方向)および垂直方向(仰角方向)に回転され、これによって、それぞれの角度でパワーレベルを伴うアンテナ線図が捕捉される。その際、レーダーセンサの送受信アンテナでは、特徴付けと測定とが行われる。適正に識別された目標およびその特性などの機能的な結果は、それぞれの検査ピースの捕捉特徴と同様に、テスト結果として出力することができる。
【0011】
米国特許第10536228号明細書では、テストチャンバーの低床においてテストすべき装置を検査するためのテストシステムが開示されており、このテストシステムは、検査チャンバーの低床または側壁に取り付けられた測定アンテナを含み、ここで、この測定アンテナは、出射する検査信号をテストすべき装置に送信し、テストすべき装置から到来する検査信号を受信するよう設計されており、また当該テストシステムは、テストチャンバーの天井に取り付けられた反射器を含み、ここで、この反射器は、測定アンテナから送信されるテスト信号をテストすべき装置の方向にコリメートし、それによって、テストすべき機器の均質な照射が達成されるように設計されている。さらに当該反射器は、テストすべき機器から送信されるテスト信号を測定アンテナの方向に集束するように設計されており、ここでは、検査ピースと反射器との間で高周波が相互に平行に走行するが、テストチャンバーの側壁は検査信号によってカバーされておらず、反射器は、検査ピースから照射された高周波を測定アンテナに集束し、ここでは、出射するテスト信号と到来するテスト信号との信号経路は、検査すべき機器と反射器との間で垂直方向に延在している。
【0012】
したがって、既存の無線方式テストチャンバー内の構成要素をテストするための方法およびシステムでは、底面積、構造高さ、およびDUTの動きという開発パラメータに関する最適なCATR配列の決定が可能となるように改善を行う必要性が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
それゆえ、本発明の課題は、底面積、構造高さ、およびDUTの動きという開発パラメータに関する最適なCATR配列を可能にさせる、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するためのコンピュータ実装方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、本発明による、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するためのコンピュータ実装方法によって解決される。
【0015】
本方法は、無線方式テストチャンバー内のテストすべき装置、特にレーダーセンサ、反射器、および目標シミュレータもしくは該目標シミュレータの送受信装置の初期配列の位置を含んだ第1のデータセットを提供するステップを含み、ここで、目標シミュレータは、反射器によって反射された特にコリメートされたテスト信号を、テストすべき装置に送信し、該テストすべき装置から到来するテスト信号を受信する。反射器は、ここでは放物面鏡として構成されている。
【0016】
初期配列とは、ここでは、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバー内の構成要素のこれまでの配列もしくは従来から使用されている配列に対応したものである。
【0017】
さらに、本方法は、無線方式テストチャンバー内の構成要素相互の最適化された配列の位置データおよび/または無線方式テストチャンバー内の構成要素のグループの最適化された配列の位置データを決定するステップを含んでいる。
【0018】
本方法は、さらに、無線方式テストチャンバー内のテストすべき装置、特にレーダーセンサ、反射器、および目標シミュレータもしくは該目標シミュレータの送受信装置の最適化された配列の位置および/または無線方式テストチャンバー内の構成要素のグループの最適化された配列の位置を含んだ第2のデータセットを出力するステップを含む。
【0019】
本発明は、さらに、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するためのシステムに関する。
【0020】
本システムは、無線方式テストチャンバー内のテストすべき装置、特にレーダーセンサ、反射器、および目標シミュレータもしくは該目標シミュレータの送受信装置の初期配列の位置を含んだ第1のデータセットを提供するように構成されたデータメモリを含み、ここで、目標シミュレータは、反射器によって反射された特にコリメートされたテスト信号をテストすべき装置に送信し、テストすべき装置から到来するテスト信号を受信するように構成されている。
【0021】
さらに、本システムは、無線方式テストチャンバー内の構成要素相互の最適化された配列の位置データおよび/または無線方式テストチャンバー内の構成要素のグループの最適化された配列の位置データを決定するよう構成された計算ユニットを含む。
【0022】
本システムは、その上さらに、無線方式テストチャンバー内のテストすべき装置、特にレーダーセンサ、反射器、および目標シミュレータもしくは該目標シミュレータの送受信装置の最適化された配列の位置および/または無線方式テストチャンバー内の構成要素のグループの最適化された配列の位置を含んだ第2のデータセットを出力するように構成された出力ユニットを含む。
【0023】
計算ユニットおよび出力ユニットは、例えば、1つのユニットもしくは装置に統合されてよい。
【0024】
本発明は、その上さらに、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバー内の構成要素をテストするためのコンピュータ実装方法に関する。
【0025】
本方法は、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するための本発明による方法により、無線方式テストチャンバー内のテストすべき装置、特にレーダーセンサ、反射器、および目標シミュレータもしくは該目標シミュレータの送受信装置の最適化された配列の位置および/または無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループの位置を含んだ第2のデータセットを使用して、無線方式テストチャンバー内の構成要素をテストするステップを含む。
【0026】
本発明は、その上さらに、構成要素をテストするための無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーに関する。
【0027】
本無線方式テストチャンバーは、無線方式テストチャンバー内に配置された構成要素、特にレーダーセンサ、反射器、および目標シミュレータを含み、ここで、無線方式テストチャンバーは、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するための本発明による方法により、無線方式テストチャンバー内のテストすべき装置、特にレーダーセンサ、反射器、および目標シミュレータもしくは該目標シミュレータの送受信装置の最適化された配列の第2のデータセットおよび/または無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループの位置を含む第2のデータセットを使用して構成要素をテストするように構成されている。
【0028】
本発明は、さらに、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本発明による方法の少なくとも1つを実行するためのプログラムコードを伴うコンピュータプログラムに関する。
【0029】
その上さらに、本発明は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本発明による方法の少なくとも1つを実施するためのコンピュータプログラムのプログラムコードを伴うコンピュータ可読データ担体にも関している。
【0030】
本発明の1つの考察は、CATRチャンバーの設計において、チャンバー内のCATR配列の基本要素の位置決めを、相互に異なるように位置決めするとともに、グループ全体としても回転により最適に配列できるようにすることで、より多くの自由度を可能にすることにある。
【0031】
本発明は、さらに、底面積、構造高さ、およびテスト対象レーダーの動きという開発パラメータに関する最適なCATR配列を見つけ出すことを可能にする。その際には、CATR配列の最適化のもとで決定される構成要素の配列が相互に空間内で確定される。
【0032】
本発明のさらなる実施形態は、さらなる従属請求項および図面を参照した以下の説明の対象である。
【0033】
好適な発展形態によれば、本方法は、さらに、無線方式テストチャンバー内の構成要素相互の最適化された配列の位置データを決定するステップが、テストすべき装置、特にレーダーセンサの投影面における、初期配列に対して変更された配向を有する、反射器の最適化された配列の位置を決定するステップを有することを含む。
【0034】
それにより、好適には、反射器の再配向が、無線方式テストチャンバー内の構成要素のよりコンパクトな配列を可能にさせる。
【0035】
さらなる好適な発展形態によれば、本方法は、反射器の最適化された配列の位置を決定するステップが、反射器を、該反射器の中心軸線周りで予め設定された角度だけ、特に1~20°の角度範囲内で回転させるステップを有すること含む。
【0036】
それにより、好適には、無線方式テストチャンバー内の反射器の最適化された照射角度が達成可能になる。
【0037】
さらなる好適な発展形態によれば、本方法は、無線方式テストチャンバー内の構成要素相互の最適化された配列の位置データを決定するステップが、レーダーセンサの送受信アンテナの最適化された配列の位置を決定するステップを含み、その配列は反射器の静穏ゾーンに位置することを含む。この静穏ゾーンには、近似的な遠距離場条件が存在する。これにより、構成要素相互の最適な配列が可能になる。
【0038】
さらなる好適な発展形態によれば、本方法は、レーダーセンサの送受信アンテナの最適化された配列の位置を決定するステップが、テストすべき装置、特にレーダーセンサの投影面においてレーダーセンサの送受信アンテナをシフトさせるステップを有することを含む。
【0039】
テストすべき装置の投影面においてレーダーセンサの送受信アンテナをシフトさせることは、好適には、送受信アンテナを最適な受信範囲に配置することを可能にさせる。
【0040】
さらなる好適な発展形態によれば、本方法は、無線方式テストチャンバー内の構成要素相互の最適化された配列の位置データを決定するステップが、テストすべき装置、特にレーダーセンサのテスト信号が反射器の中央に入射するように、反射器に対するレーダーセンサの送受信アンテナの配向を決定するステップを有することを含む。これにより、好適には、その他の構成要素に対する反射器の最適な位置決めが達成可能になる。
【0041】
さらなる好適な発展形態によれば、本方法は、反射器に対するレーダーセンサの送受信アンテナの配向を決定するステップが、レーダーセンサの送受信アンテナを、レーダーセンサの中心軸線周りで回転させるステップを有することを含む。
【0042】
それにより、レーダーセンサの送受信アンテナの再配向が、好適には、無線方式テストチャンバー内の構成要素のよりコンパクトな配列を可能にさせる。
【0043】
さらなる好適な発展形態によれば、本方法は、無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループの位置データを決定するステップが、無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループを、予め設定された回転軸線周りで予め設定された回転角度だけ回転させるステップを含むことを含んでいる。
【0044】
無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループを回転させることにより、好適には、無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループのよりコンパクトな別の配列を達成可能にすることが達成できる。
【0045】
さらなる好適な発展形態によれば、本方法は、無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループを、予め設定された回転軸線周りで予め設定された回転角度だけ回転させるステップが、無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループを、無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループの長手方向軸線および/または横方向軸線周りに回転させるステップを含むことを含んでいる。
【0046】
それにより、好適には、無線方式テストチャンバー内の最適化された配列のグループの位置決めに関する最大限の融通性が達成可能になる。
【0047】
さらなる好適な発展形態によれば、本方法は、無線方式テストチャンバーが、ロボットを含んでいるかまたはロボットに動作可能に接続されており、該ロボットは、レーダーセンサを、テストプロセスの際にレーダーセンサの投影軸線周りで予め設定された角度だけ回転させるように構成されていることを含む。
【0048】
それにより、好適には、無線方式テストチャンバー内の異なる配向でのレーダーセンサのテストが可能になる。さらに、好適には、レーダーセンサの水平方向および垂直方向の照射特徴および/または受信特徴を求めることができる。
【0049】
本明細書で説明した方法の特徴は、例えば様々な環境において他の車両タイプのテストをするような他の仮想環境にも同様に適用可能である。
【0050】
本発明およびその利点のより良好な理解のために、ここでは、添付の図面と併せて以下の説明が参照される。
【0051】
以下では本発明を、図面の概略的な描写に示される例示的な実施形態に基づきより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1a】本発明の好適な実施形態による、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するためのコンピュータ実装方法のフローチャートである。
図1b】本発明の好適な実施形態による、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するためのコンピュータ実装方法のフローチャートである。
図1c】本発明の好適な実施形態による、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するためのコンピュータ実装方法のフローチャートである。
図2】本発明の好適な実施形態による、無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーの構成要素の配列を決定するためのシステムを示した図である。
図3】本発明の好適な実施形態による、構成要素をテストするための無線方式テストチャンバー、特にCATRチャンバーを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
特段の明記がない限り、同一の参照符号は、図面の同一の要素を示す。
【0054】
図1aは、本発明の好適な実施形態による、無線方式テストチャンバー12、特にCATRチャンバーの構成要素の配列10を決定するための、コンピュータ実装方法のフローチャートを示す。
【0055】
図3に示すように)無線方式テストチャンバー12は、開口部26、特に吸収体隔壁を有する。
【0056】
本方法は、無線方式テストチャンバー12内のテストすべき装置14、特にレーダーセンサ、反射器16、および目標シミュレータ18もしくは該目標シミュレータ18の送受信装置の初期配列の位置を含んだ第1のデータセットDS1を提供するステップS1を含み、ここで、目標シミュレータ18は、反射器16によって反射された、特にコリメートされたテスト信号TSをテストすべき装置14に送信し、テストすべき装置14から到来するテスト信号TSを受信する。
【0057】
テストすべき装置14は、この場合、静穏ゾーン30に配置される。したがって、干渉のない測定を可能にすることができる。
【0058】
さらに、本方法は、無線方式テストチャンバー12内の構成要素相互の最適化された配列10の位置データおよび/または無線方式テストチャンバー12内の構成要素のグループ11の最適化された配列10の位置データを決定するステップS2を含む。
【0059】
本方法は、その上さらに、無線方式テストチャンバー12内のテストすべき装置14、特にレーダーセンサ、反射器16、および目標シミュレータ18もしくは該目標シミュレータ18の送受信装置の最適化された配列の位置および/または無線方式テストチャンバー12内の構成要素のグループ11の最適化された配列10の位置を含んだ第2のデータセットDS2を出力するステップS3を含む。
【0060】
無線方式テストチャンバー12内の構成要素相互の最適化された配列10の位置データを決定するステップS2は、テストすべき装置14、特にレーダーセンサの投影面Pにおける、初期配列に対して変更された配向を有する、反射器16の最適化された配列の位置を決定するステップを含む。
【0061】
さらに、反射器16の最適化された配列の位置を決定するステップは、反射器16を、反射器16の中心軸線M周りで予め設定された角度だけ、特に1~20°の角度範囲内で回転させるステップを含む。
【0062】
図1bは、本発明の好適な実施形態による、無線方式テストチャンバー12、特にCATRチャンバーの構成要素の配列10を決定するためのコンピュータ実装方法のフローチャートを示す。
【0063】
無線方式テストチャンバー12内の構成要素相互の最適化された配列10の位置データを決定するステップS2は、レーダーセンサの送受信アンテナ14aの最適化された配列の位置を決定するステップをさらに含み、この配列は反射器16の静穏ゾーン30に位置する。
【0064】
その上さらに、レーダーセンサの送受信アンテナ14aの最適化された配列の位置を決定するステップは、テストすべき装置14、特にレーダーセンサの投影面Pにおけるレーダーセンサの送受信アンテナ14aをシフトさせるステップを含む。
【0065】
さらに、目標シミュレータ18もしくは目標シミュレータ18の送受信アンテナを、事前に回転させた反射器16の焦点Bへシフトさせるステップが行われる。
【0066】
図1cは、本発明の好適な実施形態による、無線方式テストチャンバー12、特にCATRチャンバーの構成要素の配列10を決定するためのコンピュータ実装方法のフローチャートを示す。
【0067】
無線方式テストチャンバー12内の構成要素相互の最適化された配列10の位置データを決定するステップS2は、テストすべき装置14、特にレーダーセンサのテスト信号TSが反射器16の中央に入射するように、反射器16に対するレーダーセンサの送受信アンテナ14aの配向を決定するステップをさらに含んでいる。
【0068】
その上さらに、反射器16に対するレーダーセンサの送受信アンテナ14aの配向を決定するステップは、レーダーセンサの送受信アンテナ14aを、レーダーセンサの中心軸線周りで回転させるステップを含む。
【0069】
無線方式テストチャンバー12内の最適化された配列の位置データを決定するステップS2は、図1cに示されていない代替的な実施形態によれば、無線方式テストチャンバー12内の最適化された配列のグループ11を、予め設定された回転軸線周りで予め設定された回転角度だけ回転させるステップをさらに含む。
【0070】
上述の代替的実施形態は、例えば、図1a~図1cで説明した実施形態と組み合わせたり、もしくは統合させたりすることも可能である。
【0071】
無線方式テストチャンバー12内の最適化された配列のグループ11を、予め設定された回転軸線周りで予め設定された回転角度だけ回転させるステップは、無線方式テストチャンバー12内の最適化された配列のグループ11を、無線方式テストチャンバー12内の最適化された配列のグループ11の長手方向軸線および/または横方向軸線周りに回転させるステップをさらに含んでいる。
【0072】
図2は、本発明の好適な実施形態による、無線方式テストチャンバー12、特にCATRチャンバーの構成要素の配列10を決定するためのシステム1の図を示す。
【0073】
このシステム1は、無線方式テストチャンバー12内のテストすべき装置14、特にレーダーセンサ、反射器16、および目標シミュレータ18もしくは該目標シミュレータ18の送受信装置の初期配列の位置を含んだ第1のデータセットDS1を提供するように構成されたデータメモリ20を含み、ここで、目標シミュレータ18は、反射器16によって反射された特にコリメートされたテスト信号TSをテストすべき装置14に送信し、テストすべき装置14から到来するテスト信号TSを受信するよう構成されている。
【0074】
さらに、このシステム1は、無線方式テストチャンバー12内の構成要素相互の最適化された配列10の位置データおよび/または無線方式テストチャンバー12内の構成要素のグループ11の最適化された配列10の位置データを決定するよう構成された計算ユニット22を含む。
【0075】
このシステム1は、その上さらに、無線方式テストチャンバー12内のテストすべき装置14、特にレーダーセンサ、反射器16、および目標シミュレータ18もしくは該目標シミュレータ18の送受信装置の最適化された配列の位置および/または無線方式テストチャンバー12内の構成要素のグループ11の最適化された配列10の位置を含んだ第2のデータセットDS2を出力するように構成された出力ユニット24を含む。
【0076】
図3は、本発明の好適な実施形態による、構成要素をテストするための無線方式テストチャンバー12、特にCATRチャンバーの図を示す。
【0077】
構成要素をテストするためのこの無線方式テストチャンバー12、特にCATRチャンバーは、無線方式テストチャンバー12内に配置された構成要素、特にレーダーセンサ、反射器16、および目標シミュレータ18を含み、ここで、無線方式テストチャンバー12は、本発明による方法により、無線方式テストチャンバー12内のテストすべき装置14、特にレーダーセンサ、反射器16、および目標シミュレータ18もしくは該目標シミュレータ18の送受信装置の最適化された配列の第2のデータセットDS2および/または無線方式テストチャンバー12内の最適化された配列のグループ11の位置を含んだ第2のデータセットDS2を使用して構成要素をテストするように構成されている。
【0078】
図3に示されている実施形態によれば、目標シミュレータ18は、無線方式テストチャンバー12外に配置されている。この目的のために、無線方式テストチャンバー12内には、送受信装置18a、特に送受信アンテナが設けられており、この送受信アンテナは、無線方式テストチャンバー12外に配置された目標シミュレータ18とケーブル接続を介して、または無線で接続される。代替的に、目標シミュレータ18は、例えば無線方式テストチャンバー12内に配置されてもよい。
【0079】
無線方式テストチャンバー12は、さらにロボット28を含んでいるかまたはロボット28に動作可能に接続されており、このロボット28は、レーダーセンサを、テストプロセスの際にレーダーセンサの投影軸線周りで予め設定された角度αだけ回転させるように構成されている。
【0080】
本明細書では、特定の実施形態が図示され説明されてきたが、当業者であるならば、多くの代替的実施形態および/または等価的な実施形態が存在することは理解されよう。例示的な実施形態は、単なる例示に過ぎず、いかなるやり方でも範囲、適用性、または構成を限定するために用いられるものではないことに留意されたい。
【0081】
むしろ、前述の要約および詳細な説明は、少なくとも1つの例示的な実施形態を実施するための便利なガイドを当業者に提供し、この場合、要素の機能範囲および配列における様々な変更は、添付の請求の範囲およびそれらの法的等価物の範囲から逸脱することなく行うことが可能なことは理解されるであろう。
【0082】
一般に、本出願は、本明細書に開示された実施形態の変更もしくは適合化または変形を網羅することを意図している。例えば、方法ステップの順序は、変更することが可能である。さらに本方法は、少なくとも部分的に順次連続してまたは並行して実施することが可能である。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
【外国語明細書】