(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099113
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】プログラム、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240718BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002818
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】517201127
【氏名又は名称】playground株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭史
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】イベントへの参加の動機付けを効果的に行うプログラム、方法及びシステムを提供する。
【解決手段】デジタルコンテンツについて所有者の情報が分散型台帳に記録される非代替性トークンであるNFTを管理するシステムにおいて、その発行処理に用いられるプログラムは、NFTのうち、ユーザが使用するユーザ端末から、ファン活動の一環として発行される準公式NFTの発行を求める発行申請を受け付けるステップS632と、発行申請に係るユーザについて、その所有者が新たに準公式NFTを発行する権限を保有するかどうかを判定するステップS633と、発行申請に係るユーザが、権限を保有していると判定した際に、発行申請を承認するステップS635と、を管理サーバに実行させる。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、デジタルコンテンツについて所有者の情報が分散型台帳に記録される非代替性トークンであるNFTを管理するシステムの処理に用いられるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記NFTのうち、ユーザが使用するユーザ端末から、ファン活動の一環として発行される準公式NFTの発行を求める発行申請を受け付けるステップと、
前記発行申請に係るユーザについて、その所有者が新たに前記準公式NFTを発行する権限を保有するかどうかを判定するステップと、
前記発行申請に係るユーザが、前記権限を保有していると判定した際に、前記発行申請を承認するステップと、を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記権限は、
各種のイベントに関する電子チケットの使用の検出に応じて、前記電子チケットの所有者に対して付与され、前記イベントへの当該所有者の来場履歴を証明する機能を有し、前記非代替性トークンである来場証明と関連付けられている、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記発行申請を承認するステップに先立って、
前記プロセッサに、
前記発行申請に係るユーザが所有する前記権限と、前記発行申請に係る新たな前記準公式NFTに紐づけられたデジタルコンテンツと、の関連性を評価するステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記関連性を評価するステップでは、
前記デジタルコンテンツとしての画像データについて、同一性の高い画像が既に公開されていないかどうかを判定する画像処理を行い、前記画像データが、前記発行申請に係るユーザが所有する前記権限が付与されたイベントにおいて撮影されたものかどうかを判定する、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プロセッサに、さらに、
イベントに関する電子チケットの使用を検出するステップと、
前記電子チケットの使用の検出に応じて、前記電子チケットの所有者に対して、前記イベントへの参加の証明として、前記権限を示す応援証明NFTを付与するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記応援証明NFTを付与するステップでは、
前記電子チケットの使用が検出された時刻に応じて、前記電子チケットの所有者に対して付与する前記応援証明NFTの種類を特定する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記プロセッサに、さらに
前記電子チケットに係る前記イベントの会場からの退出を検出するステップを実行させ、
前記応援証明NFTを付与するステップでは、
前記イベントの会場からの退出が検出された時刻に応じて、前記電子チケットの所有者に対して付与する前記応援証明NFTの種類を特定する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プロセッサに、さらに
前記電子チケットに係る前記イベントの終了までのユーザの行動情報を取得するステップと、
取得した前記ユーザの行動に応じて、前記電子チケットの所有者に対して、所定の発行条件に応じた種類の前記応援証明NFTを付与するステップと、を実行させる、請求項5に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プロセッサに、さらに、
前記応援証明NFTの保有状態の集計の指示を受け付けるステップと、
評価対象ユーザについて、前記保有状態を集計するステップと、
集計した前記保有状態に基づいて、前記評価対象ユーザをスコアリングするステップと、を実行させる、請求項5に記載のプログラム。
【請求項10】
前記プロセッサに、さらに、
ユーザの操作に応じて、当該ユーザが保有する前記応援証明NFTを、他のユーザが閲覧可能なデジタル環境下において一覧表示するステップを実行させる請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサを備え、デジタルコンテンツについて所有者の情報が分散型台帳に記録される非代替性トークンであるNFTを管理するシステムの処理に用いられる方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記NFTのうち、ユーザが使用するユーザ端末から、ファン活動の一環として発行される準公式NFTの発行を求める発行申請を受け付けるステップと、
前記発行申請に係るユーザについて、その所有者が新たに前記準公式NFTを発行する権限を保有するかどうかを判定するステップと、
前記発行申請に係るユーザが、前記権限を保有していると判定した際に、前記発行申請を承認するステップと、を実行する方法。
【請求項12】
プロセッサを備え、デジタルコンテンツについて所有者の情報が分散型台帳に記録される非代替性トークンであるNFTを管理するシステムであって、
前記システムは、前記プロセッサが、
前記NFTのうち、ユーザが使用するユーザ端末から、ファン活動の一環として発行される準公式NFTの発行を求める発行申請を受け付ける手段と、
前記発行申請に係るユーザについて、その所有者が新たに前記準公式NFTを発行する権限を保有するかどうかを判定する手段と、
前記発行申請に係るユーザが、前記権限を保有していると判定した際に、前記発行申請を承認する手段と、を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、イベントのチケットを発券するシステムが知られている。
特許文献1には、イベントのチケットの購入により特典を提供することで、チケットの購入を促すシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、チケットの購入者に対して特典を付与しても、ファンであるユーザとしては、特典が入手できれば、その後にイベントに参加しなくてもよく、特典目当てにチケットを購入し、特典を入手した後に転売するといったことも可能となる。
【0005】
ところで、イベントの主催者の立場としては、イベント会場への来場者が多いことは、イベントの盛り上がり向上、イベントの出演者の知名度向上、イベント自体の話題性向上、関連物販の販売促進、スポンサーシップ獲得等の直接的な利益が多い。このため、チケットが売れさえすれば、来場者が少なくてもよいわけではなく、イベント会場への実際の来場者が多いことが、イベントの主催者にとって望ましい状況となる。このため、イベントへの参加の動機付けを効果的に行うことが求められていた。
【0006】
本開示の目的は、イベントへの参加の動機付けを効果的に行うことができるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、プロセッサを備え、デジタルコンテンツについて所有者の情報が分散型台帳に記録される非代替性トークンであるNFTを管理するシステムの処理に用いられるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、NFTのうち、ユーザが使用するユーザ端末から、ファン活動の一環として発行される準公式NFTの発行を求める発行申請を受け付けるステップと、発行申請に係るユーザについて、その所有者が新たに応援NFTを発行する権限を保有するかどうかを判定するステップと、発行申請に係るユーザが、権限を保有していると判定した際に、発行申請を承認するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、イベントへの参加の動機付けを効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本実施形態に係るNFT管理システムの全体構成を示す図である。
【
図3】
図1に示すユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示すチケット管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示す検札装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示すアイテム管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】
図1に示す応援NFT管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図8】
図1に示すP2P分散システムの構成を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るユーザデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るイベントデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るチケットデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る公式応援アイテムマスタデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る特典データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図14】本実施形態に係る応援NFTを説明する図であり、
図14Aは、応援NFT種別データベースのデータ構造の一例を示す図、
図14Bは、応援NFT種別DBに基づいて発行される応援NFTに関する情報を説明する図である。
【
図15】本実施形態に係るライセンスNFTを説明する図であり、
図20Aは、ライセンスNFTと関連する準公式応援アイテムデータベースのデータ構造の一例を示す図、
図20Bは、ライセンスNFTに関する情報を説明する図である。
【
図16】本実施形態に係る発行条件データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図17】本実施形態に係るアカウントデータベースを例示する図である。
【
図18】本実施形態に係るウォレットデータベースを例示する図である。
【
図19】P2P分散システムにより実現される分散型台帳の構造を示す概念図である。
【
図21】チケットの発券処理のフローを示す図である。
【
図22】チケットの検札処理のフローを示す図である。
【
図23】来場証明NFTの発行処理のフローを示す図である。
【
図24】イベント会場内での応援証明NFTの発行処理のフローを示す図である。
【
図25】準公式応援アイテムNFTの発行処理のフローを示す図である。
【
図26】ライセンスNFTの発行処理のフローを示す図である。
【
図27】応援証明NFTの集計処理のフローを示す図である。
【
図28】コレクションルームの表示処理のフローを示す図である。
【
図29】変形例1に係る分散型台帳の構造を示す概念図である。
【
図30】変形例2に係るシステム1の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(1)本発明の概要と、説明に用いる語句の定義
まず、本発明の概要と、説明に用いる語句の定義について説明する。
システム1は、ユーザが、ファンとして何らかの特定の概念(例えば、特定の人物、グループ、キャラクタ、作品、ブランド、カテゴリ、スポーツチーム、テーマパーク等を含む、以下、「対象概念」という)を応援する活動を促進するシステムである。
【0012】
システム1は、対象概念を応援するファンの活動に対して、NFT(非代替性トークン:Non Fungible Token)を、ファン活動を行ったことの証明として当該ファンに対して発行して付与することで、イベントへの参加やイベントでのグッズ購入等、イベント主催者にとって望ましいファン活動を促進する。
ここで、NFTとは、デジタルコンテンツと紐づけられ、所有者の情報が後述する分散型台帳(ブロックチェーン)50上に記録されたトークンである。
すなわちNFTは、例えば資産価値のあるデジタルコンテンツと紐づけられたトークンであり、例えばイベント参加などのファン活動の証明として、チケットの使用者(来場者、言い換えればチケットの所有者)に対して付与されるデジタルデータを指す。
【0013】
NFTに紐づけられるデジタルコンテンツとしては、例えば、画像データ、動画データ、音源データの他、SNS(Social Networking Service)上でコメントされたテキストデータ等も含まれる。
一般に、デジタルコンテンツのデータは任意に複写することができる。一方、当該デジタルコンテンツの元データは、仮にデータ自体が複写されて転用されたとしても、前述のとおり所有者の情報が分散型台帳に記録されている場合には、元データの真正の所有者が誰であるかを確認することができる。
【0014】
すなわちNFTは、所有者の情報を明確にすることができるため、取引の対象として扱われ、デジタルコンテンツの内容に応じた資産価値を有する。このため、NFTは、ユーザ同士の合意に基づいて、任意に譲渡することができる。NFTの譲渡においては、一般的な取引と同様に、金銭その他の価値の供与とともに行われてもよいし、無償で行われてもよい。以降の説明において、NFTを単にトークンと称することがある。
【0015】
ここで、システム1が適用されるイベントの内容は、例えば以下が含まれる。
・コンサート、ライブなどの音楽イベント
・球技、水泳、格闘技などのスポーツイベント(プロリーグ、アマチュア競技会を含む)
・現実のイベント会場で行われるゲーム大会
・舞台演劇、漫才、落語、その他の芸能を含む演芸イベント
・見本市、物産展、フリーマーケットなどの展示会
・万博、地方博覧会などの博覧会
・美術展、博物展などの展覧会
・公営賭博
・地域での祭り、記念行事のような自治体主催のイベント
・学園祭、サークルや団体の発表会
・アミューズメントパークで行われる各種のイベント
・デパート又は公共エリアにおいて期間限定で開催される催事
なお、イベントの内容としては、上記に限定されない。またイベントは、定期的に継続して行われてもよいし、不定期で行われてもよいし、常に開催されていてもよい。
以降の説明では、イベントとして、スポーツイベントを主に例にあげて説明する。
【0016】
次に、
図1を用いて、本実施形態においてシステム1に管理されるNFTの種類について定義する。なお、以下の説明において、対象概念の運営者(興行主、球団など)が発行主体となるNFT(公式NFT)に対して、ユーザ(ファン)が発行主体となるNFTを、準公式NFTと呼ぶことがある。
【0017】
・応援NFT:NFTのうち、ファンが応援する特定の対象概念への応援活動(ファン活動)に関連するNFTであり、本発明のシステム1が特に扱うNFTの総称を指す。
応援NFTは、取得のトリガーとなる応援活動の有無により、応援証明NFTと、応援アイテムNFTと、に区別される。ここで、取得のトリガーとは、当該応援NFTをユーザが取得するために、(言い換えれば、発行主体からの発行を受けるために)、ユーザが満たすべき応援活動に関する条件である。すなわち、応援証明NFTの取得のトリガーは、当該NFTの発行条件と同義である。
【0018】
応援証明NFTの発行条件には、対象概念への何らかの応援活動が設定されているため、課金による購入対象となるNFTの購入、当該NFTの発行に関する抽選への参加、又はユーザ間での当該NFTでの取引等といった、当該NFTの取得を主たる目的とする行為は、応援証明NFTの発行条件には該当しない。
応援証明NFTの発行条件としては、例えば、対象概念に関するイベント参加、グッズ購入、ファンクラブ入会、又は対象概念に関する情報の拡散(SNSでの情報発信等)等のファンとしての応援活動に該当する各種の行為が挙げられる。
【0019】
次に、応援NFTの一態様である応援証明NFTについて説明する。
・応援証明NFT:発行条件として設定された何らかの応援活動を行ったことを条件に、ユーザに対して発行される応援NFTであり、発行条件である応援活動を行ったことを証明する機能を有する。
【0020】
応援証明NFTは、一義的には応援活動の証明としての役割であるため、原則として発行を受けたユーザ(取得者)から他のユーザへの移転は不可となっている。すなわち、応援証明NFTの基本的価値は、「誰が、いつ、どのような応援活動をしたか」を記録して証明することにある。
【0021】
一方、NFTとしての性質を利用し、応援証明NFTに対して紐づけられたデジタルコンテンツが、ユーザに対する特典として扱われることもある。また、応援証明NFTを保有していることに対して、対象概念の運営者から、何らかの特典が付加されることもある。
付加される特典は、応援証明NFTの発行時点において予め設定されていることもあるし、応援証明NFTの発行後に事後的に設定されることもある。
【0022】
ここで、応援証明NFTに対して付加される特典の一例を以下に示す。
・特典画像や特典映像などのNFTとして紐づけられた各種のデジタルコンテンツ
・現実又は仮想グッズの引換券(紙、電子クーポンを含む)
・当該イベントに関連して提供される各種サービスの優待券(イベント会場で使用できるビール券など)
・将来のイベントのチケット、グッズ又はこれらの引換券、割引券等
・優先的なチケット又はグッズの購入権限
・ファン交流会、MVP投票権などのファンイベントへの参加券
・VIP席などの優待チケット
・楽屋への訪問チケット
・ファン活動をする上で有利な各種の権限(詳細は後述)
【0023】
応援証明NFTは、発行条件となる応援活動の内容により、さらに細分化されている。応援証明NFTの種類について以下に例示する。
・来場証明NFT:発行条件が、ユーザによる対象概念に関連するイベント会場への来場である応援証明NFT。来場証明NFTを保有することで、該当するイベントに参加したユーザであることが証明される。なお、来場証明NFTには、例えばコンサートツアーの全公演に参加したこと(コンプリート)を発行条件とするように、複数の来場証明NFTを保有することが発行条件となる応援証明NFTが含まれる。
【0024】
・参加企画証明NFT:発行条件が、ユーザによる対象概念に関連する企画(例えば、イベント会場内で開催される選手とファンの交流企画、又は特設のウェブサイト上で開催される人気投票企画等)への参加である応援証明NFT。参加企画証明NFTを保有することで、当該企画に参加したユーザであることが証明される。なお、参加企画証明NFTには、複数の関連する全ての企画に参加したこと(コンプリート)を発行条件とするように、複数の参加企画証明NFTを保有することが発行条件となる応援証明NFTが含まれる。
【0025】
・グッズ購入証明NFT:発行条件が、ユーザによる対象概念に関連するグッズの購入である応援証明NFT。グッズ購入証明NFTを保有することで、当該グッズを購入したユーザであることが証明される。なお、グッズ購入証明NFTには、一連のシリーズとして設定された複数のグッズを全て購入すること(コンプリート)や一定金額以上の購入を発行条件とすることが発行条件となる応援証明NFTが含まれる。
【0026】
・貢献証明NFT:発行条件が、ユーザによるファン活動のうち、友だちの勧誘やSNS上でのシェア、各種企画の運営支援など、特に対象概念の活動に顕著に貢献したと評価される行動である応援証明NFT。貢献証明NFTを保有することで、発行条件となる何等かの顕著に貢献したとされる応援活動を行ったユーザであることが証明される。なお、貢献証明NFTには、複数の貢献証明NFTを保有することを条件として、さらにユーザに対して発行される応援証明NFTが含まれる。
【0027】
なお、前述の応援証明NFTの種類はあくまで例示であり、各種のファン活動に対して、応援証明NFTを設定することができる。また、異なる種類の応援証明NFTを保持していることを発行条件として、何らかのグレードの高い応援証明NFTを設定することもできる。例えば、以下の全ての条件を満たすことを発行条件とする応援証明NFTを設定してもよい。
・特定のイベント会場に来場すること(来場証明NFTを取得)
・会場内で開催される指定イベントに参加すること(企画参加証明NFTを取得)
・会場内の物販ブースで指定グッズを購入すること(グッズ購入証明NFTを取得)
【0028】
各種の応援証明NFTは、基本的には興行主や球団といった対象概念を運営する事業者によって発行される。それらの対象概念を運営する事業者が、当該対象概念へのファンによる応援活動の恩恵を受ける者であり、ファンの応援活動を証明する立場になるためである。一方、応援証明NFTを、ファンであるユーザが自主的に発行することも許容されうる。その場合には、ファンにより発行された応援証明NFTは、準公式応援証明NFTとして区別される。
【0029】
次に、取得のトリガー(発行条件)が、何らかの応援活動ではない応援NFTについて説明する。
・応援アイテムNFT:応援NFTのうち、対象概念に関連するコレクションアイテムとして設定されるNFTを指す。例えば、プロスポーツの選手画像のトレーディングカードの電子版が、応援アイテムNFTに該当する。この場合には、デジタルデータである選手画像に対して、所有者に関する情報がブロックチェーン上に記録されている。
【0030】
応援アイテムNFTでは、ファンの収集欲求を刺激するようなコレクション性のあるデジタルコンテンツ(選手画像、又は当該選手のプレー動画、インタビュー動画等)が紐づけられている。
また、デジタルコンテンツとは別に、応援証明NFTと同様に、応援アイテムNFTを保有していることに対して、対象概念の運営者から、何らかの特典が付加されることがある。付加される特典は、応援証明NFTの発行時点において予め設定されていることもあるし、応援証明NFTの発行後に事後的に設定されることもある。
応援アイテムNFTに対して付加される特典については、応援証明NFTの場合と同様に、各種の特典を設定することができる。
【0031】
応援アイテムNFTは、基本的に興行主や球団といった対象概念を運営する事業者によって発行される。対象概念を運営する事業者が、当該対象概念についての各種の収集アイテムとして応援アイテムNFTを発行する権能を有しているためである。
一方、応援アイテムNFTについては、ファンであるユーザが、対象概念を運営する事業者の承認を得て、ファン活動の一環として発行してもよい。以下の説明では、発行承認を得たユーザによって発行される、いわば準公式の応援アイテムNFTを、準公式応援アイテムNFT(本発明の準公式NFT)と呼ぶ。
【0032】
すなわち、準公式応援アイテムNFTには、ファン活動の一環として発行されるNFTであり、例えば、ユーザが参加したイベントに依拠して創作したデジタルコンテンツを含む創作物について、その所有者の情報がブロックチェーン上で管理される非代替性トークンである。
そして、システム1では、ユーザによるファン活動が一定の要件を満たした場合に、対象概念の運営者(例えば、興行主、球団など)から、当該対象概念についての新たな準公式応援アイテムNFTの発行が承認される権利が設定される。
【0033】
具体的な準公式応援アイテムNFTの対象となるデジタルコンテンツとしては、例えば以下が挙げられる。
・ユーザが参加したイベントで撮影した選手画像
・ユーザが参加したイベントで撮影した動画
・ユーザが参加したイベントについて作成したスケッチ
なお、デジタルコンテンツとしては、画像や動画に限定されず、デザインや音楽に関するデジタルデータも含まれる。
【0034】
また、準公式応援アイテムNFTに紐づけられる創作物は、デジタルコンテンツに限られない。例えば、NFTが関連付けられた当該チームに関する準公式のオリジナルステッカー(物理アイテム)を、準公式応援アイテムNFTとして、ユーザが発行することができる。
【0035】
その他の応援NFTとしては、ライセンスNFTが含まれる。ライセンスNFTとは、特定のユーザが他のユーザに向けて、何らかの準公式の応援アイテムを提供するライセンスを興行主から許諾されていることを証明する機能を有するNFTである。この場合において、準公式の応援アイテムには、以下が含まれる。
・物理アイテム(Tシャツやユニフォーム等の特定のユーザが製造した各種の応援グッズ)
・準公式応援アイテムNFT
・準公式の応援アイテムとして提供デジタルデータ(ファンによる試合観戦レポート等)
【0036】
次に、前述した定義を踏まえ、システム1の概要について説明する。
例えば従来技術では、ファンの応援行動に報いるために特典となるサービスを提供する方法として、顧客管理システム(CRM)とその他のサービスに関する各種のシステムとの間でAPI連携を行うことが一般的であった。
【0037】
この場合には、それぞれのシステムが管理するデータを連携することで、他のシステムで利用可能な特典となるポイントを付与したり、クーポンコードを介して何らかの特典を付与したりする処理が行われる。
【0038】
このような方式では、特典となるサービス提供に供するシステムと、顧客管理システムとの間でのAPI連携を、特典として提供するサービスが管理されるシステムごとに行う必要があった。
また、特典を提供されるユーザに関する情報が特定のサーバで管理されることになり、当該サーバへの不正アクセスによる情報の改ざんなど、不正が行われるおそれが懸念されていた。
システム連携を行わない場合にはクーポンコード等を用いる手法が取られてきたが、ユーザの手間が増えるほか、ユーザが用意に二次流通できるなど、多くの課題を抱えていた。
【0039】
それに対して、システム1は、運営主は、応援行動の履歴データに対してその証明となる応援証明NFTを当該応援活動の主体であるユーザに付与し、応援証明NFTの付与の履歴が、改ざんが困難であるブロックチェーン環境上に公開される。
この状態において、任意のサービスを提供するサーバ装置は、公開された各ユーザのNFTの保有状況を参照することができる。
【0040】
そしてサーバ装置は、例えばNFTの保有状況に応じて、各種の特典となるサービスを、当該保有状況に該当するユーザに対して提供する。例えば、予め設定された何らかの応援証明NFTを保有していることを条件として、他の特別な応援アイテムNFTを購入可能とすることができる。
このため、従来技術のように、外部システムごとに個別に顧客管理システムとの連携を行う必要がなく、簡単且つセキュアにファンであるユーザの応援行動に基づいた特典となるサービスを提供することができる。
【0041】
他の例を説明すると、システム1は、特定の試合を観戦した電子チケットデータの使用履歴に基づき、イベントに参加したユーザに対して「来場証明NFT」を付与する。
そして、応援アイテムNFTとしてのデジタルトレーティングカード(公式)を管理するアイテム管理システムは、ブロックチェーン上に公開された情報を参照する。
そして、アイテム管理システムは、当該来場証明NFTを保有していることを条件として、当該保有状況に該当するユーザに対して、何らかの応援アイテムNFTとしてのデジタルトレーティングカードを、販売(又は無償譲渡)することができる。
【0042】
そして、このような一連の処理において、チケットの使用履歴を管理するチケット管理システムと、デジタルトレーティングカードを管理するアイテム管理システムと、の間での個別のシステム連携は必要とされない。
よって、アイテム管理システムは、簡易な技術的構成により、例えば来場者限定のデジタルトレーティングカードを、ファンであるユーザに対して販売することができ、効率的にファン活動を促進させることができる。
【0043】
また、システム1では、NFT発行サーバが、ファンであるユーザが、自身が撮影した写真を用いた準公式応援アイテムNFTである準公式のデジタルトレーティングカードの発行を希望する際に、ブロックチェーン上に公開された情報を参照する。
【0044】
そして、NFT発行サーバは、以下の条件が確認された場合に、当該ユーザが撮影した写真を用いた準公式のデジタルトレーティングカードの発行を承認する。
・新たな準公式応援アイテムNFTの発行を希望するユーザが、発行権限として設定された来場権限NFTを保有している場合
・準公式応援アイテムNFTに紐づけられる写真が、本人が当該試合で撮影された写真に該当する蓋然性が一定以上あると判定された場合
【0045】
そして、前述の説明と同様に、このような一連の処理において、チケットの使用履歴を管理するチケット管理システムと、NFT発行サーバと、の間での個別のシステム連携は必要とされない。
よって、NFT発行サーバは、簡易な技術的構成により、準公式応援アイテムNFTの発行権限を判定することができ、効率的にファン活動を促進させることができる。
以下に、このようなシステム1の構成について説明する。
【0046】
(2)NFT管理システム1の全体構成
本実施形態に係るNFT管理システム1(以下、単にシステム1という)の全体構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るシステム1の全体構成を示すブロック図である。
図2に示すように、システム1は、ユーザ端末10と、チケット管理サーバ20と、検札装置30と、アイテム管理サーバ40と、応援NFT管理サーバ50と、P2P分散システムと、を備える。
ユーザ端末10、チケット管理サーバ20、検札装置30、およびP2P分散システムは、ネットワーク(例えば、インターネットまたはイントラネット)NWを介して接続されている。
【0047】
ユーザ端末10は、情報処理装置である。ユーザ端末10は、チケット管理サーバ20に対して各種のイベントに関するチケット情報を要求するように構成される。ユーザ端末10は、チケット購入端末と言い換えることもできる。
【0048】
以降の説明において、情報処理装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ(例えば、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、またはそれらの組み合わせ)、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、またはスマートグラス)、などの種々のコンピュータを含み得る。本実施形態では、ユーザ端末10は、ネットワークNWに接続可能なモバイルコンピュータであるスマートフォンを例に挙げて説明する。
【0049】
ここで、チケット情報とは、各種興行等への参加の証票となるチケットに関する情報である。具体的には、チケット情報は、チケットを識別する情報、チケットが証明する権限に関する情報(例えば、チケットの対象となる興行に関する情報)、チケットの購入者の氏名、特徴量(例えば、顔の特徴量)に関する情報、チケットの購入者に関する情報(例えばユーザID)、もしくはそれらの組み合わせ、またはそれらを符号化したコード情報(例えば、QRコード(登録商標)、または他の1次元もしくは2次元コード)を含み得る。
【0050】
チケットは、ユーザが保持するユーザ端末10に表示されたチケット情報の画像(つまり電子チケット)であってもよい。或いは、チケットは、チケット情報が印刷された紙またはその他の媒体であってもよい。
【0051】
チケット管理サーバ20は、チケットに関する情報を管理する情報処理装置である。チケット管理サーバ20は、ユーザ端末10からの要求に応じて、発券(つまりチケット情報の発行)を行うように構成される。また、チケット管理サーバ20は、発行したチケット情報を管理するように構成される。
【0052】
検札装置30は、例えば、各種のイベント会場の検札所に配置される情報処理装置である。検札所は、イベント会場とその外部空間との境界に相当する。検札装置30は、イベント会場に対して入場しようとする人物(以降、「来場者」とする)によって提示されたチケットについてのチケット情報を参照し、来場者の入場の可否を判定するように構成される。
【0053】
ここで、イベント会場は、屋内であってもよいし、屋外であってもよい。すなわち、検札装置30が使用される場所としては、興行会場(例えば、コンサート会場、観劇会場、試合会場、展覧会場、店舗またはそれらの組み合わせ)、公共交通機関、オフィス、店舗、テーマパーク、その他の施設であり得る。
【0054】
また検札装置30は、例えば、興行がサーバ空間において公開されるオンラインイベントである場合には、当該イベントへのアクセスを管理する情報処理装置である。検札装置30は、オンラインイベントにアクセスをして当該イベントに相当するコンテンツを視聴する人物(以降、「来場者」とする)によって提示されたチケットの保持するチケット情報を参照し、来場者の視聴の可否を判定するように構成される。すなわち、オンラインイベントの場合には、当該イベントに参加可能な状態とするために所定のサイト、または所定の仮想空間にアクセスすることを、イベント会場に来場する行為とする。
【0055】
アイテム管理サーバ40は、対象概念に関する各種の応援アイテムに関する情報を管理する情報処理装置である。アイテム管理サーバ40が管理する応援アイテムには、例えば以下が含まれる。
・イベント会場の物販ブースにおいて販売される物理アイテム(Tシャツやユニフォーム等の各種の応援グッズ)
・興行主、又は興行主から委託又は許諾を受けた事業者が提供するECサイトにおいて販売される物理アイテム
・興行主、又は興行主から委託又は許諾を受けた事業者が提供するECサイトにおいて販売される電子アイテム(応援アイテムNFTを含む)
なお、アイテム管理サーバ40は、応援アイテムの販売を行う事業者ごとに設けられ、システム1が複数のアイテム管理サーバ40を備えてもよい。
【0056】
応援NFT管理サーバ50は、対象概念に関する各種の応援NFTの発行を管理する情報処理装置である。応援NFT管理サーバ50が管理する応援NFTには、以下が含まれる。
・興行主が発行する公式の応援証明NFT
・興行主、又は興行主から委託された事業者がユーザに対して提供するNFT管理プラットフォームにおいて、興行主名義で発行される応援コレクションNFT(公式)
・前述のNFT管理プラットフォームにおいて、ユーザが、自身が創作したデジタルコンテンツについて発行する準公式応援アイテムNFT
・興行主が発行するライセンスNFT
【0057】
なお、応援NFT管理サーバ50は、応援NFTを発行する事業者ごとに設けられ、システム1が複数の応援NFT管理サーバ50を備えてもよい。また、応援NFT管理サーバ50は、公式NFTと準公式NFTとのうちの一方のみを扱う情報処理装置であってもよい。
【0058】
P2P分散システムは、複数の情報処理装置によりP2Pネットワークが構築されたシステムである。P2P分散システムは、分散型台帳、分散型アプリケーション60、および分散型データストレージ70としての機能を実現する。
【0059】
分散型台帳は、P2P分散システムを構成する情報処理装置の協働した処理により、NFTに関する取引履歴を、暗号技術を用いて分散的に処理、記録するデータベースである。NFTがユーザ間で移転されると、新たなトランザクションデータがブロックチェーンのブロックに記録されることで、NFTの所有者の情報が更新される。以降の説明において、新たなNFTについて、ユーザの情報に関するトランザクションデータがブロックチェーンのブロックに記録されることを、「当該NFTを当該ユーザに対して付与する」と表現する。
【0060】
分散型アプリケーション60は、P2P分散システムにおいて動作するデジタルアプリケーションである。分散型アプリケーション60として、例えば分散型台帳に紐づけられたスクリプトに従った処理を自律的に実行するスマートコントラクトを用いることができる。すなわち、分散型アプリケーション60は、同じユーザーインターフェースのバックグラウンドで動作する相互運用可能なスマートコントラクトの束により実現することができる。
【0061】
分散型データストレージ70は、P2P分散システムを構成する情報処理装置間でデータを共有して記憶する記憶領域である。P2P分散システムの各情報処理装置のストレージにアップロードされたファイルは、暗号化されるとともに断片化し、キャッシュファイルとして各情報処理装置間に分散して記憶される。分散して記憶されたキャッシュファイルは、特定のハッシュ値を指定してつなぎ合わせることで、元のファイルが復元される。分散型データストレージ70としては、例えばIPFSやSwarm等が挙げられる。
【0062】
(2-1)ユーザ端末10の構成
ユーザ端末10の構成について説明する。
図3は、本実施形態のチケット購入端末の構成を示すブロック図である。
【0063】
図3に示すように、ユーザ端末10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、を備える。ユーザ端末10は、入力デバイス15および出力デバイス16の少なくとも1つと接続可能である。
【0064】
記憶装置11は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク)の組合せである。
【0065】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0066】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0067】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、ユーザ端末10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
【0068】
入出力インタフェース13は、入力デバイス15から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス16に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0069】
入力デバイス15は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、物理ボタン、センサ(例えば、カメラ、バイタルセンサ、またはそれらの組み合わせ)、または、それらの組合せである。
【0070】
出力デバイス16は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、印刷装置、またはそれらの組み合わせである。
【0071】
通信インタフェース14は、ユーザ端末10と外部装置(例えば、チケット管理サーバ20、検札装置30、アイテム管理サーバ40、応援NFT管理サーバ50、またはP2P分散システム90の少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0072】
(2-2)チケット管理サーバ20の構成
チケット管理サーバ20の構成について説明する。
図4は、本実施形態のチケット管理サーバ20の構成を示すブロック図である。
【0073】
図4に示すように、チケット管理サーバ20は、記憶装置21と、プロセッサ22と、入出力インタフェース23と、通信インタフェース24とを備える。チケット管理サーバ20は、入力デバイス25および出力デバイス26の少なくとも1つと接続可能である。
【0074】
記憶装置21は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置21は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク)の組合せである。
【0075】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0076】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0077】
プロセッサ22は、記憶装置21に記憶されたプログラムを起動することによって、チケット管理サーバ20の機能を実現するように構成される。プロセッサ22は、コンピュータの一例である。
【0078】
入出力インタフェース23は、入力デバイス25から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス26に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0079】
入力デバイス25は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、センサ、または、それらの組合せである。
【0080】
出力デバイス26は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、またはそれらの組み合わせである。
【0081】
通信インタフェース24は、チケット管理サーバ20と外部装置(例えば、ユーザ端末10、検札装置30、アイテム管理サーバ40、応援NFT管理サーバ50、またはP2P分散システム90の少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0082】
(2-3)検札装置30の構成
検札装置30の構成について説明する。
図5は、本実施形態の検札装置30の構成を示すブロック図である。
【0083】
図5に示すように、検札装置30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。検札装置30は、入力デバイス35および出力デバイス36の少なくとも1つと接続可能である。
【0084】
記憶装置31は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージの組合せである。
【0085】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0086】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ
【0087】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、検札装置30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、コンピュータの一例である。
【0088】
入出力インタフェース33は、入力デバイス35から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス36に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0089】
入力デバイス35は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、センサ(例えば、カメラ、バイタルセンサ、またはそれらの組み合わせ)、または、それらの組合せである。
図5に示すように、入力デバイス35としては、例えば可視光カメラ352が含まれる。
【0090】
入力デバイス35は、単独で、またはプロセッサ32との協働により、チケット認証情報の取得手段を実現する。
【0091】
チケット認証情報の取得手段は、来場者によるチケットの提示時に、来場者の入場可否の判定に必要な情報(以下、「認証情報」とする)を読み取る。認証情報は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・チケット情報
・来場者の特徴量(例えば、顔の特徴量/声紋/掌紋)に関する情報
【0092】
チケットには、チケット情報の読み取りのためのチケット情報領域が定められている。チケット情報領域には、チケット情報が表示、または印刷されている。
【0093】
チケット認証情報の取得手段は、可視光カメラ352と、当該可視光カメラ352によって撮影された画像を解析してチケット情報の画像を抽出する。そして、チケット認証情報の取得手段は、当該チケット情報の画像からチケット情報を復元するアプリケーションとの組み合わせにより、チケット情報を取得する。チケット情報の取得において、OCR(Optical Character Recognition)処理、または復号処理などの情報処理が必要に応じて行われる。
【0094】
チケット認証情報の取得手段は、可視光カメラ352と、当該可視光カメラ352によって撮影された画像を解析して来場者の顔の画像を抽出する。そして、チケット認証情報の取得手段は、当該来場者の顔の画像から特徴量を計算するアプリケーションとの組み合わせにより、来場者の顔の特徴量に関する情報を取得できる。
【0095】
チケットおよび来場者は、同一の可視光カメラ352によって同時にまたは順次撮影されてもよいし、一方が可視光カメラ352によって撮影され他方が図示されない他の可視光カメラによって撮影されてもよい。
【0096】
出力デバイス36は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、警報装置、電動式のゲート、またはそれらの組み合わせである。
【0097】
通信インタフェース34は、検札装置30と外部装置(例えば、ユーザ端末10、チケット管理サーバ20、アイテム管理サーバ40、応援NFT管理サーバ50、またはP2P分散システム90の少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0098】
(2-4)アイテム管理サーバ40の構成
アイテム管理サーバ40の構成について説明する。
図6は、本実施形態のアイテム管理サーバ40の構成を示すブロック図である。
【0099】
図6に示すように、アイテム管理サーバ40は、記憶装置41と、プロセッサ42と、入出力インタフェース43と、通信インタフェース44とを備える。アイテム管理サーバ40は、入力デバイス45および出力デバイス46の少なくとも1つと接続可能である。
【0100】
記憶装置41は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置41は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク)の組合せである。
【0101】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0102】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0103】
プロセッサ42は、記憶装置41に記憶されたプログラムを起動することによって、アイテム管理サーバ40の機能を実現するように構成される。プロセッサ42は、コンピュータの一例である。
【0104】
入出力インタフェース43は、入力デバイス45から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス46に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0105】
入力デバイス45は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、センサ、または、それらの組合せである。
【0106】
出力デバイス46は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、またはそれらの組み合わせである。
【0107】
通信インタフェース44は、チケット管理サーバ20と外部装置(例えば、ユーザ端末10、検札装置30、応援NFT管理サーバ50、またはP2P分散システム90の少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0108】
(2-5)応援NFT管理サーバ50の構成
応援NFT管理サーバ50の構成について説明する。
図7は、本実施形態の応援NFT管理サーバ50の構成を示すブロック図である。
【0109】
図7に示すように、応援NFT管理サーバ50は、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54とを備える。応援NFT管理サーバ50は、入力デバイス55および出力デバイス56の少なくとも1つと接続可能である。
【0110】
記憶装置51は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク)の組合せである。
【0111】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0112】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0113】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動することによって、応援NFT管理サーバ50の機能を実現するように構成される。プロセッサ52は、コンピュータの一例である。
【0114】
入出力インタフェース53は、入力デバイス55から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス56に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0115】
入力デバイス55は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、センサ、または、それらの組合せである。
【0116】
出力デバイス56は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、またはそれらの組み合わせである。
【0117】
通信インタフェース54は、チケット管理サーバ20と外部装置(例えば、ユーザ端末10、検札装置30、アイテム管理サーバ40、またはP2P分散システム90の少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0118】
(2-6)P2P分散システム90の構成
図8は、P2P分散システム90の構成を示す図である。P2P分散システム90は、ノードとして機能する信号処理装置90A~90Eを備える、分散型システムである。
【0119】
信号処理装置90A~90Eは、ネットワークにそれぞれ接続された、例えば、パーソナルコンピュータである。本実施形態では、ネットワークは、LANであってもよく、インターネット、および通信事業者が提供する通信網等の公開されているネットワークであってもよい。信号処理装置90A~90Eは、ネットワークと、例えば、有線または無線により接続されている。信号処理装置90A~90Eは、ピア・ツー・ピア方式を利用して互いに通信する。
【0120】
P2P分散システム90を構成する信号処理装置90A~90Eは、分散型台帳を、ブロックチェーン技術を用いて実現している。信号処理装置90A~90Eのいずれか1つの信号処理装置90Aは、記録すべきNFTの取引に関するデータを取得する。信号処理装置90Aは、取得したデータを含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。
信号処理装置90Aは、追加したブロックの情報を他の信号処理装置90Aへ送信する。他の信号処理装置90B~90Eは、受信したブロックの正しさを検証し、正しさが検証されると、ブロックチェーンに追加する。信号処理装置90A~90Eは、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する。これにより、信号処理装置90A~90Eにより、同一の分散型台帳が保存されることになる。なお、保存されるデータは、適宜に暗号化されてもよい。
【0121】
P2P分散システム90を構成する信号処理装置90A~90Eは、分散型アプリケーション60を、ブロックチェーン技術を用いて実現している。信号処理装置90A~90Eのいずれか1つの信号処理装置90Aは、分散型台帳に紐づけられたスクリプトに従った処理を自律的に実行する。
信号処理装置90Aは、追加したブロックの情報を他の信号処理装置90Aへ送信する。他の信号処理装置90B~90Eは、実行された処理の正しさを検証し、正しさが検証されると、当該処理が承認される。これにより、信号処理装置90A~90Eにより、ひとつの処理が実行される。なお、保存されるデータは、適宜にハッシュ関数を用いて暗号化されてもよい。
【0122】
なお、P2P分散システム90の構成は、
図8に示されるものに限定されない。例えば、P2P分散システム90が備える信号処理装置90Aの台数は、2台以上であれば何台でも構わない。
【0123】
信号処理装置90Aは、記憶装置91と、プロセッサ92と、入出力インタフェース93と、通信インタフェース94と、を備える。信号処理装置90Aは、入力デバイス95および出力デバイス96の少なくとも1つと接続可能である。
【0124】
記憶装置91は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置91は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク)の組合せである。
【0125】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0126】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0127】
プロセッサ92は、記憶装置91に記憶されたプログラムを起動することによって、信号処理装置90Aの機能を実現するように構成される。プロセッサ92は、コンピュータの一例である。
【0128】
入出力インタフェース93は、入力デバイス95から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス96に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0129】
入力デバイス95は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、物理ボタン、センサ(例えば、カメラ、バイタルセンサ、またはそれらの組み合わせ)、または、それらの組合せである。
【0130】
出力デバイス96は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、印刷装置、またはそれらの組み合わせである。
【0131】
通信インタフェース94は、信号処理装置90Aと外部装置(例えば、ユーザ端末10、チケット管理サーバ20、検札装置30、アイテム管理サーバ40、又は応援NFT管理サーバ50の少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0132】
(3)データ構造
本実施形態で用いられるデータの構造について説明する。まず、チケット管理サーバ20に記憶されている以下のデータベースについて説明する。
・ユーザデータベース(以下、ユーザDBという)
・イベントデータベース(以下、イベントDBという)
・チケットデータベース(以下、チケットDBという)
【0133】
(3-1)ユーザDB
ユーザDBについて説明する。ユーザDBは、チケットを購入するユーザに関する情報を格納するデータベースである。
図9は、ユーザDBのデータ構造の一例を示す図である。
【0134】
図9に示すように、ユーザDBは、「ユーザID」フィールドと、「ログインPASS」フィールドと、「ユーザ氏名」フィールドと、「ユーザ属性」フィールドと、「連絡先」フィールドと、「特徴量」フィールドと、を含む。
【0135】
「ユーザID」フィールドには、ユーザIDが格納される。ユーザIDは、チケット管理サーバ20が提供するチケット販売プラットフォームにおいて、ユーザを識別する情報である。
【0136】
「ログインPASS」フィールドには、ユーザがチケット管理サーバ20が提供するチケット販売プラットフォームにログインをする際に入力が要求されるログインパスワードに関する情報が格納される。
【0137】
「ユーザ氏名」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザの氏名が格納される。
【0138】
「ユーザ属性」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザの属性を示す情報が格納される。ユーザの属性としては、年齢、生年月日、性別、職業、国籍、居住地区、家族構成、居住地、その他のユーザの個人情報に基づく属性情報が格納される。
【0139】
「連絡先」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザの連絡先を示す情報が格納される。連絡先情報としては、例えば、メールアドレス、電話番号、SNS(Social Networking Service)もしくは他のメッセージング可能なアプリケーションのアカウント情報、またはそれらの組み合わせである。連絡先情報は、ここで挙げた例に限られず、ユーザ端末10を介して来場者にリアルタイムに通知を送信するために利用可能な任意の種別の情報を含むことができる。
【0140】
「特徴量」フィールドは、ユーザIDに対応するユーザの顔の特徴量が格納される。ユーザの顔の特徴量は、ユーザの顔を撮影した画像から抽出される。
なお、
図9に示すユーザDBの構造はあくまで例示であり、その他の情報を格納してもよい。また、ユーザDBは、前述した各フィールドのうちのいずれかを含まなくてもよい。
【0141】
(3-2)イベントDB
イベントDBの構成例について説明する。
図10は、チケット管理サーバ20が記憶するイベントDBのデータ構造の一例を示す図である。イベントDBには、チケットにより参加が許可されるイベントに関する情報が格納される。
【0142】
図10に示すように、イベントDBは、「イベントID」フィールドと、「イベント名称」フィールドと、「イベント種別」フィールドと、「出演者」フィールドと、「会場」フィールドと、「イベント主催者」フィールドと、「開催日時」フィールドと、を含む。
【0143】
「イベントID」フィールドには、イベントを識別するための識別情報が格納される。イベントIDは、各種のイベントごとに固有の値となる。
【0144】
「イベント名称」フィールドは、イベントIDに該当するイベントの名称が格納される。イベント名称は、イベントIDによって識別されるイベントの名称を示す情報である。
【0145】
「イベント種別」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの種別に関する情報が格納される。イベント種別に関する情報は、イベントIDによって識別されるイベントの概要を示す情報である。例えば、イベント種別として、「プロ野球」「アニメ試写会」「オンラインライブ」等が挙げられる。
【0146】
「出演者」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの出演者に関する情報が格納される。出演者情報は、イベントIDによって識別されるイベントへの出演者を示す情報である。出演者情報には、個人または団体(グループ名、チーム名、バンド名等)が含まれる。「出演者」フィールドには、ファン活動により応援される対象概念の情報が含まれ得る。
【0147】
「会場」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの会場に関する情報が格納される。
【0148】
「イベント主催者」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの主催者に関する情報が格納される。イベント主催者に関する情報とは、例えば、当該イベントの興行主又は運営会社を示す情報である。イベント主催者に関する情報は、イベント主催者の名称の他、イベント主催者の所在地、および当該イベントに関する担当者の連絡先の情報を含んでもよい。
【0149】
「開催日時」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの開催日時が格納される。
なお、
図10に示すイベントDBの構造はあくまで例示であり、その他の情報を格納してもよい。例えば、イベントDBは、開場時刻、開演時刻、終演時刻、または閉場時刻などの当日の運営スケジュールに関する情報を格納してもよい。また、イベントDBは、例えば「イベント種別」フィールドなど、前述した各フィールドのうちのいずれかを含まなくてもよい。
【0150】
(3-3)チケットDB
チケットDBの構成例について説明する。
【0151】
図11に示すチケットデータベースには、チケット情報が格納される。
図11に示すように、チケットDBは、「チケットID」フィールドと、「イベントID」フィールドと、「座席番号」フィールドと、「応援証明NFT種別ID」フィールドと、「所有者ID」フィールドと、「ステータスID」フィールドと、を含む。
【0152】
「チケットID」フィールドには、チケットIDが格納される。チケットIDは、チケットを識別するための情報である。
【0153】
「イベントID」フィールドには、チケットIDに対応するイベントのイベントIDが格納される。
【0154】
「座席番号」フィールドには、チケットIDに対応する座席を識別する情報が格納される。座席番号とは、イベント会場において割り当てられた座席(「区域」の一例)に関する情報である。なお、オンラインイベントのように座席がない場合には、座席番号IDはなくてもよい。
【0155】
「活動種別ID」フィールドには、チケットIDに対応するチケットを使用することで認められる応援活動の種別を識別する識別情報が格納される。チケットDBに記録される活動種別IDはイベントごとに設定されており、イベントDBに記録されていてもよい。活動種別IDは、後述する応援証明NFTの発行条件と対応する情報となっている。
【0156】
「所有者ID」フィールドには、チケットIDに対応するチケットの所有者を示すユーザIDが格納される。チケット所有者とは、一次的にはチケット購入者を指す。チケット所有者は、チケットの購入後の譲渡により、譲渡先のユーザになる。
【0157】
「ステータスID」フィールドには、チケットIDに対応するチケットの状態を示す情報が格納される。チケットの状態としては、「使用前」、「使用後」が含まれる。チケットのもぎり後に、チケットの状態は「使用後」に書き換えられる。
【0158】
次に、アイテム管理サーバ40に記憶されている以下のデータベースについて説明する。
・応援アイテムマスタデータベース(以下、応援アイテムマスタDBという)
・特典データベース(以下、特典アイテムDBという)
【0159】
(3-4)応援アイテムマスタDB
次に、応援アイテムマスタDBの構成例について説明する。
図12は、応援アイテムマスタDBのデータ構造の一例を示す図である。応援アイテムマスタDBは、ユーザに対して提供される各種の公式応援アイテムの情報を管理するデータベースである。
【0160】
図12に示すように、応援アイテムマスタDBは、「アイテムマスタID」フィールドと、「アイテム内容」フィールドと、「販売場所」フィールドと、「販売価格」フィールドと、「活動種別ID」フィールドと、を含む。
【0161】
「アイテム種別ID」フィールドには、応援アイテムの種別を識別する識別情報が格納される。アイテム種別IDは、応援アイテムの種別ごとに固有値となる。
【0162】
「アイテム内容」フィールドには、アイテム種別に対応するアイテムの内容を示す情報が格納される。
【0163】
「販売場所」フィールドには、アイテム種別に対応するアイテムが販売される場所の情報が格納される。
【0164】
「販売価格」フィールドには、アイテム種別に対応するアイテムの販売価格が格納される。
【0165】
「活動種別ID」フィールドには、アイテム種別に対応するアイテムを購入することにより認められる応援活動の種別を識別する識別情報が格納される。活動種別は、応援活動毎に設定されており、後述する応援証明NFTの発行条件と対応する情報となっている。
【0166】
(3-5)特典DB
次に、特典DBの構成例について説明する。
図13は、特典DBのデータ構造の一例を示す図である。特典DBは、応援NFTに紐づけられる各種の情報を管理するデータベースである。
【0167】
図13に示すように、特典DBは、「特典ID」フィールドと、「特典内容フィールド」と、を含む。
【0168】
「特典ID」フィールドには、特典ごとに固有値となる特典の識別情報が格納される。
【0169】
「特典内容」フィールドには、特典IDに対応する特典の内容に関する情報が格納される。
【0170】
次に、応援NFT管理サーバ50に記憶されている以下のデータベースについて説明する。
・応援NFT種別データベース(以下、応援NFT種別DBという)
・準公式応援アイテムデータベース(以下、準公式応援アイテムDBという)
・発行条件データベース(以下、発行条件DBという)
【0171】
(3-6)応援NFT種別DB
応援NFT種別DBの構成例について説明する。なお、応援証明NFTおよび応援アイテムNFTの双方を含むものとして、応援NFTを例に挙げてデータ構造を説明する。このため、来場証明NFTなどの各種の応援証明NFTも、このデータベースの構造に準じて各データベースが構築されてもよいし、応援NFT種別DBにおいて一括管理されてもよい。
【0172】
図14は、応援NFTを説明する図であり、
図14Aは、応援NFT種別DBのデータ構造の一例を示す図、
図14Bは、応援NFT種別DBに基づいて発行される応援NFTに関する情報を説明する図である。
【0173】
図14Aに示す応援NFT種別DBは、応援NFTを発行する際のマスタとなる応援NFTの種別に関する情報を管理するデータベースである。
図14Aに示すように、応援NFT種別DBは、「応援NFT種別ID」フィールドと、「特典ID」フィールドと、「デジタルコンテンツアドレス」フィールドと、「取得条件(トリガー)」フィールドと、「権限内容」フィールドと、「移転可否」フィールドと、を含む。
【0174】
「応援NFT種別ID」フィールドには、応援NFTの種別ごとに固有値となる応援NFTの種別に関する識別情報が格納されている。
【0175】
「特典ID」フィールドには、応援NFT種別IDに相当する応援NFT種別に相当する応援NFTに対して、設定されているユーザへの特典に関する特典IDが格納されている。
【0176】
「デジタルコンテンツアドレス」フィールドには、応援NFT種別IDに対応する応援NFT種別に相当する応援NFTについて、紐づけられているデジタルコンテンツのアドレス情報(リソース情報)が格納されている。
【0177】
「取得条件」フィールドには、応援NFT種別IDに対応する応援NFT種別に相当する応援NFTについて、ユーザが取得するための条件が格納されている。例えば、応援証明NFTの場合には、発行条件(取得のトリガー)となる応援活動が記録されている。一方、応援アイテムNFTの場合には、取引価格などの取得条件が格納されている。これらの取得条件は、応援NFT種別ごとに定義されている。
【0178】
「権限内容」フィールドには、応援NFT種別IDに対応する応援NFT種別に相当する応援NFTを保有している場合に認められる権限が設定されている。本実施形態では、応援NFTのうち、入場チケットの使用を取得条件として付与される来場証明NFTに対して、以下の権限が設定されている。
・準公式応援アイテムNFTを発行できる権限
・ライセンスNFTの発行を受ける権限
なお、権限の内容についてはこれらの例に限られず、任意に設定することができる。
また、権限となる応援NFTは来場証明NFTに限定されない。
【0179】
「移転可否」フィールドには、応援NFT種別IDに対応する応援NFT種別に相当する応援NFTについて、一次的に取得したユーザが他のユーザに移転できるかどうかに関する属性が格納されている。すなわち、応援NFTの発行主体からユーザに対して発行された応援NFTを、譲渡等により他のユーザに移転できるかどうかが、応援NFT種別ごとに定義されている。
基本的には、応援証明NFTは移転が不可となっており、応援アイテムNFTは、移転可となっている。なお、応援証明NFTを移転可としてもよいし、応援アイテムNFTを移転不可としてもよい。
【0180】
図14Bに示すように、応援NFT種別DBに基づいて発行された応援NFTは、以下の情報を保有している。こちらも、応援証明NFTおよび応援アイテムNFTの双方を含むものとして、応援NFTを例に挙げてデータ構造を説明する。
このため、来場証明NFTなどの各種の応援証明NFTも、このデータベースの構造に準じてデータが管理されるものとする。
【0181】
・台帳ID:当該応援NFTに関する情報が記録された分散型台帳の識別情報
・応援NFT種別ID:該当する応援NFT種別の識別情報
・特典ID:応援NFT種別DBにおいて対応する値
・デジタルコンテンツアドレス:応援NFT種別DBにおいて対応する値
・取得条件:応援NFT種別DBにおいて対応する値
・移転可否:応援NFT種別DBにおいて対応する値
・取得者情報:当該応援NFTについて発行主体からの発行を受けたユーザ(最初に取得をしたユーザ)に関する情報
・発行日:当該応援NFTについて発行主体が発行をした日時
【0182】
ここで、取得者情報には、以下の情報が含まれる。
・取得者を識別する情報(ユーザID、氏名、ニックネーム、ハンドルネーム等)
・取得者が所属する団体、グループに関する情報
・取得者の属性に関する情報(ユーザDBに格納される各種の属性情報)
・取得者のファンスコア(後述するファンスコアリング処理による評価結果)
【0183】
すなわち、応援NFTが取得条件を満たしたユーザに対して発行された際(当該ユーザにより取得された際)に、応援NFT種別DBの情報をベースにして、取得者情報などが追記された、取得者ごとにユニークな応援NFTが発行される。このため、例えば来場証明NFTを例に挙げると、応援NFT種別として一律のデジタルコンテンツアドレスが紐づけられている場合には、一見すると、同じデジタル画像が紐づけられた来場証明NFTを、各来場者が取得したように見受けられる。しかしながら、来場証明NFTに記録された取得者情報は固有値となるため、それぞれの来場証明NFTがユニークな情報を保持していることになる。
【0184】
具体的な例として、著名人がイベント会場に来場した場合に、当該著名人に対して発行される来場証明NFTには、当該著名人が取得したものであることが取得者情報として記録されるため、一般ユーザが当該イベント会場に来場して取得した来場証明NFTと比べると、少なくとも当該著名人のファンにとっては希少価値を有することになる。
このため、一律して何らかのデジタルデータを、来場者に対して特典として送信するような特典の付与方法と比べると、各ユーザに固有のコンテンツを提供しているという点において明確な違いがあることになる。
【0185】
また、例えば取得者の属性やファンスコアを含む取得者情報に応じて、応援NFTに紐づけられるデジタルコンテンツを変容させることもできる。具体的には、以下の処理を行うことができる。
・取得者のユーザーネームや取得時間、座席番号等の取得者/取得方法/チケット情報等の固有情報をデジタルコンテンツに記載する。これにより、トークン上のデータに加え、見た目上も唯一無二のものであることが明示的となり、取得者にとって思い出的な価値が高まる。
【0186】
・複数のアーティストが出演する音楽フェスにおいて、会場に来場したユーザがいずれかの出演アーティストのファンクラブ会員である場合には、来場証明NFTに対して当該アーティストに関連するデジタルコンテンツ(例えば未公開音源)を紐づける。一方、来場したユーザが、いずれのアーティストのファンクラブ会員でもない場合は、来場証明NFTに対して、ランダムに選択された出演アーティストに関連するデジタルコンテンツを紐づける。
・複数のチームから選抜された選手が参加する試合(オールスターゲーム、世界大会等)において、来場したユーザが特定のチームに関するファンスコアが基準値よりも高い場合には、来場証明NFTに対して、該当するチームに関連するデジタルコンテンツ(例えばファインプレー動画)を紐づける。一方、来場したユーザが、いずれのファンスコアも基準値を超えない場合には、ランダムに選択したリームに関連するデジタルコンテンツを紐づける。
【0187】
次に、応援NFTに紐づけられた特典の配布方法について説明する。
応援NFTをユーザに対して発行した際に、既に特典が決まっている場合には、応援NFT種別DBの特典ID欄に該当する特典の特典IDが記録されており、応援NFTの台帳には、その値が引き継がれる。
一方、応援NFTをユーザに対して発行した際に、未だ特典が決まっていない場合には、応援NFT種別DBの特典IDは空欄となる。後日、特典対象が決まった際に、応援NFT種別を軸に応援NFTの保有者が抽出され、特典が割り当てられる。その際、特典ID欄に付与対象となる特典IDを追記するように更新を行ってもよい。
(3-7)準公式応援アイテムDB
準公式応援アイテムDBの構成例について説明する。
図15は、ライセンスNFTを説明する図であり、
図15Aは、準公式応援アイテムDBのデータ構造の一例を示す図、
図15Bは、準公式応援アイテムDBと関連して発行されるライセンスNFTに関する情報を説明する図である。
【0188】
準公式応援アイテムDBは、ライセンスNFTを発行する際に新たなレコードが記録され、特定のユーザにより他のユーザに対して提供される準公式応援アイテムに関する情報を管理するデータベースである。
図15Aに示すように、準公式応援アイテムDBは、「準公式応援アイテムID」フィールドと、「ライセンスID」フィールドと、「アイテム内容」フィールドと、「提供主体ユーザ」フィールドと、を含む。
【0189】
「準公式応援アイテムID」フィールドには、特定のファンにより他のファンに対して提供される準公式応援アイテムごとに固有値となる準公式応援アイテムの識別情報が格納される。
【0190】
「ライセンスID」フィールドには、準公式応援アイテムIDに相当する準公式応援アイテムついて、提供主体となるユーザに対して、他のユーザへの提供を許諾するライセンスに関する識別情報が格納されている。
【0191】
「アイテム内容」フィールドには、準公式応援アイテムIDに相当する準公式応援アイテムの内容に関する情報が格納されている。
【0192】
「提供主体ユーザ」フィールドには、準公式応援アイテムIDに相当する準公式応援アイテムを他のユーザに対して提供することができるユーザ(ライセンスの許諾を受けたユーザ)に関する情報が格納されている。
なお、準公式応援アイテムDBは、その他の情報を格納してもよい。
【0193】
図15Bに示すように、準公式応援アイテムDBと関連して発行されるライセンスNFTは、以下の情報を保有している。
・台帳ID:当該ライセンスNFTに関する情報が記録された分散型台帳の識別情報
・ライセンスID:該当するライセンスの識別情報
・デジタルコンテンツアドレス:準公式応援アイテムDBにおいて対応する値
・有効期限:該当するライセンスの有効期限
・移転可否:基本的には不可
・取得者情報:準公式応援アイテムにおける提供主体ユーザに関する情報
・発行日:当該ライセンスNFTが発行された日時
【0194】
ここで、取得者情報には、以下の情報が含まれる。
・取得者を識別する情報(ユーザID、氏名、ニックネーム、ハンドルネーム等)
・取得者が所属する団体、グループに関する情報
・取得者の属性に関する情報(ユーザDBに格納される各種の属性情報)
・取得者のファンスコア(後述するファンスコアリング処理による評価結果)
【0195】
すなわち、後述するライセンス発行の処理によりライセンスNFTが発行された際に、ライセンスの発行申請として入力された情報に基づいて、準公式応援アイテムDBの情報が更新される。同時に、準公式応援アイテムDBを参照して、ライセンスNFTが発行される。
【0196】
(3-8)発行条件DB
図16は、発行条件DBのデータ構造の一例を示す図である。発行条件DBは、各種の応援証明NFTが付与される条件である発行条件が格納されたデータベースである。
【0197】
図16に示すように、発行条件DBは、「条件ID」フィールドと、「発行対象活動種別ID」フィールドと、「付帯条件」フィールドと、「発行対象応援NFT種別ID」フィールドと、を備えている。
【0198】
「条件ID」フィールドには、応援証明NFTの発行条件の識別情報が格納されている。
【0199】
「発行対象活動種別ID」フィールドには、条件IDに対応する応援証明NFTの発行のトリガーとなるユーザの応援活動に関する活動種別IDが格納されている。
【0200】
「付帯条件」フィールドには、条件IDに対応する応援証明NFTの発行において、さらに追加で要求される発行条件(付帯条件)に関する情報が格納されている。例えば、入場チケットの使用に対して、特定の活動種別IDが設定されている。この特定の活動種別が紐づけられた発行条件について、複数の異なる付帯条件が設定されていることで、例えばユーザの属性に応じて、発行するべき応援証明NFTの種別を変更することができる。
【0201】
例えば、
図16の例では、以下の付帯条件が記載されている。
・年齢が20歳以上
・性別が女性
・何時までに入場したか
・一度でのグッズの購入金額が閾値以上
このような追加で要求される発行条件である付帯条件の内容について以下に詳述する。
【0202】
付帯条件の第1例を以下に示す。
1)ユーザ属性に基づいて設定される付帯条件の例
・ユーザの年齢の範囲(高齢者又は子供の参加を促したいイベントの場合)
・ユーザの性別(男性又は女性の参加を促したいイベントの場合)
・家族構成(ファミリーでの参加を促したいイベントの場合)
・ペット連れの有無(ペット同伴での参加を促したいイベントの場合)
【0203】
ここで、ユーザの属性に基づいて設定された付帯条件に対しては、ユーザDBに記録される各種のユーザ属性を用いて、付帯条件への該否を判定することができる。また、ペット連れの有無など、ユーザDBに記録されない属性情報については、入場時に別途ユーザ端末10から入力された情報(例えば同伴するペットの画像データ)を用いて、付帯条件への該否を判定することができる。
このように、システム1では、イベント主催者が優待したい属性のユーザに対して、応援証明NFTを発行するための付帯条件を設定することができる。これにより、例えば、「ファミリーで来場した証明」といった、単純な来場証明と比較して、ユーザの行動態様に即した付加価値のある証明を発行することができる。
【0204】
付帯条件の第2例を以下に示す。
2)ユーザ行動に基づいて設定される付帯条件の例
・会場時間帯のうち、指定された時刻までに来場していること
・退場時間帯のうち、指定された時刻までに退場していること
・イベント会場に来場した順番のうち、指定された順番以内に来場していること
・当該イベントに関連するグッズ又はコンテンツを予め購入していること
・当該イベント会場内において、販売されているグッズのうち、指定されたものを購入したこと
・当該イベントに関して、自身のSNSで何らかの情報発信をしていること
・1つのシリーズとなる複数のイベントのうち、指定された回数に参加していること
・一定の人数以上でイベント会場に参加していること
【0205】
ここで、ユーザの行動に基づいて設定された付帯条件に対しては、以下の情報を用いて付帯条件への該否を判定することができる。
・チケットのもぎり時刻、および退出時に検札装置30にチケットをかざした時刻
・チケットのもぎり処理により作成されたチェックインデータ(来場の順番)
・イベント開始時までのユーザアカウントでの物品の購入履歴
・イベント会場内のグッズ購入の際に、ユーザ端末が読み取った二次元コード
・予め登録されたユーザのSNSアカウントからの発信情報
・これまでのイベント参加履歴
・予め登録されたユーザグループが保有するチケット情報(座席情報)、購入履歴、もぎり時刻の時間帯
このように、システム1では、イベント主催者の希望する行動態様をとるユーザに対して、応援証明NFTを発行することができる。
【0206】
「発行対象応援NFT種別ID」フィールドには、条件IDに対応する発行対象活動種別IDに該当する行動をユーザがとった場合において、さらに付帯条件を満たした場合に、ユーザに対して付与される(発行対象となる)応援証明NFTの種別に関する識別情報が格納されている。
【0207】
次に、P2P分散システムの分散型データストレージ70に記憶される以下のデータベースについて説明する。
・アカウントデータベース(以下、アカウントDBという)
・ウォレットデータベース(以下、ウォレットDBという)
【0208】
なお、前述した分散型データストレージ70の構成を踏まえると、実際には、断片化されたキャッシュデータを、P2P分散システムを構成する信号処理装置90A~90Eそれぞれが記憶していることになる。以下の
図17および
図18の説明では、理解の補助のために、特定のハッシュ値により復元された元のファイルの状態で各データベースを図示し、その内容を説明する。
【0209】
(3-9)DappsアカウントDB
図17は、DappsアカウントDBのデータ構造の一例を示す図である。DappsアカウントDBは、分散型アプリケーション(Dapps)60が提供するNFT管理のプラットフォームにおけるユーザのアカウント情報を管理するデータベースである。
【0210】
図17に示すように、DappsアカウントDBは、「DappアカウントID」フィールドと、「DappログインPASS」フィールドと、「ユーザ名称」フィールドと、「連絡先」フィールドと、を含む。
【0211】
「DappアカウントID」フィールドには、分散型アプリケーション(Dapps)60が提供するNFT管理プラットフォームにおけるユーザIDが格納される。
【0212】
「DappログインPASS」フィールドには、DappアカウントIDに対応するユーザが、NFT管理プラットフォームにログインする際に入力が要求されるログインパスワードが格納される。
【0213】
「ユーザ名称」フィールドには、DappアカウントIDに対応するユーザの名称を示す情報が格納される。ユーザの名称を示す情報には、氏名のほかにユーザ自身が登録したハンドルネームなどが含まれる。
【0214】
「連絡先」フィールドには、DappアカウントIDに対応するユーザの連絡先を示す情報が格納される。連絡先情報としては、例えば、メールアドレス、電話番号、SNS(Social Networking Service)もしくは他のメッセージング可能なアプリケーションのアカウント情報、またはそれらの組み合わせである。連絡先情報は、ここで挙げた例に限られず、ユーザ端末10を介してユーザに対してリアルタイムに通知を送信するために利用可能な任意の連絡手段に関する情報を含むことができる。
【0215】
(3-10)ウォレットDB
図18は、ウォレットDBのデータ構造の一例を示す図である。ウォレットDBは、分散型台帳において所有者が管理されるNFTの保有状態が格納されたデータベースである。
【0216】
図18に示すように、ウォレットDBは、「ウォレットID」フィールドと、「ウォレットPASS」フィールドと、「DappアカウントID」フィールドと、を備えている。
【0217】
「ウォレットID」フィールドには、分散型台帳において公開鍵となるウォレットの識別情報が格納される。
【0218】
「ウォレットPASS」フィールドには、ウォレットIDに対応するウォレットに対して、分散型台帳において秘密鍵となるパスワード情報が格納される。ウォレットのパスワード情報を用いることで、ウォレットに紐づけられたNFTの移転を行うことができる。
【0219】
「DappアカウントID」フィールドには、ウォレットIDに対応するウォレットの持ち主に相当するユーザのDappアカウントIDが格納される。
【0220】
(3-11)応援NFTに関する情報
次に、分散型台帳において管理される応援NFTに関する情報について説明する。なお、応援証明NFTおよび応援アイテムNFTの双方を含むものとして、応援NFTを例に挙げてデータ構造を説明する。このため、来場証明NFTなどの各種の応援証明NFTも、このデータ構造に準じてデータが管理されるものとする。
【0221】
図19は、分散型台帳において管理される応援NFTに関する情報を示す図である。
図19に示すように、分散型台帳は、分散型データストレージ70に記録されたデジタルコンテンツと関連付けられている。
【0222】
NFTは分散型台帳により管理されている。NFTは、後述する所有権の移転に伴う取引履歴を参照可能となっている。あるNFTに関する全ての取引履歴を参照することで、当該トークンの歴代の所有者を特定することができる。
【0223】
分散型台帳は、以下のブロックを含む複数の台帳(ブロックチェーン)により構成されている。
・分散型アプリケーション60としてのスマートコントラクトの処理を実行するためのスクリプトを含むコントラクトデータが記録されたブロック
・各NFTに関する情報が記録されたブロック
・ハッシュ値およびトランザクションデータを少なくとも含むブロック
分散型台帳には、ユーザ間でのNFTの移転に伴い、新たなトランザクションデータが生成され、
図8に示す信号処理装置90A~90Eによる検証の後に、新たなブロックが追加される。
【0224】
分散型台帳には、NFTに関する各種の情報が格納されている。NFTに関する各種の情報には、以下の項目が含まれる。
図14での説明と同一であるため、詳細の説明の一部を省略する。
・台帳ID(トークンID)
・応援NFT種別ID
・特典ID
・デジタルコンテンツアドレス
・取得条件
・移転可否
・取得者情報
・発行日時
【0225】
台帳IDは、分散型台帳における一つのトークンを対象として取引履歴を識別する情報である。台帳IDはトークンごとに設定され、同じくトークンごとに固有値となるトークンIDを用いることができる。すなわち、台帳IDをトークンIDとして使用してもよいし、トークンIDを台帳IDとして使用してもよい。また、台帳IDに対して固有の値をとるトークンIDを別途設けてもよい。
【0226】
応援NFT種別は、台帳IDに対応するブロックチェーンにより管理される応援NFTの種別を示す情報であり、応援NFT種別DBにおいて定義される応援NFTの種別に関する識別情報である。
【0227】
特典IDは、台帳IDに対応するブロックチェーンにより管理される応援NFTを保有することで、ユーザに対して提供される特典の識別情報である。特典としては、例えば、以下の内容が含まれ、特典DBにおいて定義されている。
・特典画像や特典映像などの各種のデジタルコンテンツ
・現実又は仮想グッズの引換券(紙、電子クーポンを含む)
・当該イベントに関連して提供される各種サービスの優待券
・将来のイベントのチケット、グッズ又はこれらの割引券
・優先的なチケット又はグッズの購入権限
・ファン交流会、MVP投票権などのファンイベントへの参加券
・VIP席などの優待チケット
・楽屋への訪問チケット
・ファン活動をする上で有利な各種の権限
【0228】
ここで、ファン活動をする上で有利な各種の権限には、以下の内容が含まれる。
・ファンイベントなどの特別イベントに参加する権限
・ファン活動の対象概念についての仮想又は現実の公認グッズを作成する権限
・ファン活動の対象概念についての公認の紹介文を編集する権限
・新たに準公式応援アイテムNFTを発行する権限
【0229】
そして、準公式応援アイテムNFTを発行する権限とは、対象概念の運営者(例えばイベント主催者)から、当該対象概念についての新たな準公式応援アイテムNFTを発行することを認められる権利である。
【0230】
トランザクションデータには、当該ブロックチェーンにより管理されるNFTの所有者のウォレットIDが含まれている。最新のブロックのトランザクションデータに含まれるウォレットIDを特定することで、現在のNFTの所有者を特定することができる。
【0231】
なお、分散型台帳は、パブリックなブロックチェーンとプライベートなブロックチェーンとを用いてもよい。この場合には、通常の取引はプライベートなブロックチェーン上で取引履歴を記録し、定期的にパブリックなブロックチェーンに対して最新情報を反映するなど、複数階層を伴うような構成であってもよい。
【0232】
(4)実施形態の概要
本実施形態の概要について説明する。
図20は、本実施形態の概要の説明図である。
まず、イベント参加時の概要について説明する。
【0233】
(4-1)来場証明となる応援証明NFTの発行
図20に示すように、システム1では、イベント参加をしたユーザに対して、ユーザ端末10に表示されたイベントチケットの検札を行う。
次に、適切に検札が行われたユーザに対して、来場した証明として、来場証明NFTを付与する。
【0234】
具体的には、来場証明NFTには、選手によるファインプレーを撮影した画像のような、希少性がありファンの収集意欲を掻き立てる選手画像が、デジタルコンテンツとして紐づけられている。応援証明NFTに紐づけられるデジタルコンテンツとしては、選手画像に限られず、以下の例が挙げられる。
・来場したこと(イベントに参加したこと)を証明する証明書
・イベントに関連する対象概念のファンであることを証明する証明書
・ファンの収集意欲を掻き立てる動画、音声、イラストなどの各種デジタルコンテンツ
また、システム1では、来場行為に限られず、各種の発行条件を満たしたユーザに対して応援証明NFTが付与される。
【0235】
さらにシステム1では、このように、ユーザに対してファン活動の証明として付与される応援証明NFTのうち、来場証明NFTに対して、新たに準公式応援アイテムNFTを発行する権限が認められている。
この点について、ユーザが野球チームの応援のために来場したスタジアムにおいて、撮影した選手画像を例に挙げて、新たな準公式応援アイテムNFTが発行する処理の概要を説明する。
【0236】
例えば、スタジアムに来場したユーザは、自身が応援するチームの選手の写真を撮影する。ユーザは、撮影した画像データがデジタルコンテンツとして紐づけられたNFTを発行し、他のユーザに移転が可能なNFT管理プラットフォームにアップロードする。当該画像データは、ファンの間で取引の対象として扱われる。
【0237】
前述のように、NFTは、デジタルコンテンツの内容に応じた資産価値を有するため、ユーザが撮影した画像データが、他のファンにとって収集意欲を掻き立てるものであれば、金銭的価値と交換される形で、他のファンに譲渡される。譲渡されたNFTは、新たな所有者の情報が分散型台帳に記録されながら、その後も取引にファン同士の取引に応じて転々とファンの間で移転されていく。
【0238】
ここでファンであるユーザが、自身が応援する対象概念(例えばお気に入りの選手)についての新たな準公式応援アイテムNFTを発行する動機としては、主に以下の二つが挙げられる。
・新たに発行した準公式応援アイテムNFTの取引により金銭的な利益を受けたいという動機
・対象概念への応援のために、世間に対して対象概念に関するデジタルコンテンツ(又は対象概念そのもの)を流布したいという動機
【0239】
準公式応援アイテムNFTでは、分散型台帳において所有者の情報の履歴が全て記録されるため、当該NFTを発行したユーザは、いつごろからファン活動をしていたかを第三者に対して準公式応援アイテムNFTの発行者情報により証明することができる。
このため、準公式応援アイテムNFTは、ファンとしての活動の長さを示すファン活動歴を証明するツールとしても機能する。すなわち、仮に金銭的な利益を目的としていなくとも、熱心なファンにとっては、自身が応援する対象概念について、何らかのデジタルコンテンツを創作し、新たな準公式応援アイテムNFTとして発行する行為には十分な動機付けがあることになる。
【0240】
また、準公式応援アイテムNFTは、対象概念に対してファンが応援したいというファン活動の一環として発行されるものではあるが、ファン活動を伴わずに入手したデジタルコンテンツについて、新たに発行されることは抑制する必要がある。具体的には、例えばインターネット環境において共有されている何らかの画像データを用いて、イベントに参加していないユーザが、自由に準公式応援アイテムNFTを発行すると、適切なファン活動が阻害される恐れがある。このため、システム1では、「イベント会場に来場していなければ、準公式応援アイテムNFTを発行できない」という設計となっている。このため、システム1では、準公式応援アイテムNFTの発行について、その権限を有することを課している。
【0241】
(4-2)ユーザによる新たな準公式応援アイテムNFTの発行
次に、このようなユーザによる新たな準公式応援アイテムNFTの発行について説明する。
ユーザは、自身が撮影した選手画像について準公式応援アイテムNFTの発行申請を行う。準公式応援アイテムNFTの発行申請は、例えばイベントの後日に行われる。ユーザは、イベント会場で自身が撮影した写真についての画像データから、特にファンに対して収集意欲を惹起する画像を選択し、新たな準公式応援アイテムNFTとして発行するための申請を行う。
【0242】
システム1は、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請を行ったユーザに対して、発行権限の有無の判定を行う。すなわち、システム1は、新たな準公式応援アイテムNFTの発行を申請したユーザが、発行権限となる来場証明NFTを保有しているかどうかを確認する。これにより、システム1は、当該応援証明NFTが付与されたイベントに適切に参加していたかどうかを確認することとなる。
システム1は、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請を行ったユーザが、適切に準公式応援アイテムNFTを発行する権限である来場証明NFTを保有していると判定した場合には、発行申請を承認し、当該選手画像についての新たな準公式応援アイテムNFTを発行する。
【0243】
これにより、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請を行ったユーザが、自身がイベントで撮影した画像データについて、その所有者の情報が分散型台帳に記録された準公式応援アイテムNFTが新たに発行される。この際、分散型台帳には、新たな台帳(ブロックチェーン)が作成される。新たな台帳で管理されるNFTに関する情報について説明する。
【0244】
図20の下段に示すように、準公式応援アイテムNFTでは、分散型台帳に記録されるトークンに関する各種の情報には、以下の項目が含まれる。
・台帳ID(トークンID):台帳(当該準公式応援アイテムNFT)を識別する識別情報
・デジタルコンテンツアドレス:当該準公式応援アイテムNFTと紐づけられた画像データのアドレス情報
・取引価格:当該準公式応援アイテムNFTの購入に要する費用
・移転可否:準公式応援アイテムNFTを他のユーザに移転できるかどうかに関する属性が格納されている。基本的には移転可となる。
・発行者情報:当該準公式応援アイテムNFTを発行したユーザに関する情報(ユーザID、氏名、ニックネーム、ハンドルネームの他、当該ユーザを示す特定の標章を含む)
・発行日時:当該準公式応援アイテムNFTを発行した日時
【0245】
なお、発行者情報には、以下の情報が、権限となる来場証明NFTの取得者情報から引き継がれてもよい。
・発行者を識別する情報(ユーザID、氏名、ニックネーム、ハンドルネーム等)
・発行者が所属する団体、グループに関する情報
・発行者の属性に関する情報(ユーザDBに格納される各種の属性情報)
・発行者のファンスコア(後述するファンスコアリング処理による評価結果)
このようなシステム1の処理について、以下に具体的に説明する。
【0246】
(5)システム1の制御処理
本実施形態におけるシステム1の制御処理について説明する。
【0247】
(5-1)発券処理
図21は、本実施形態の発券処理のフローチャートである。
【0248】
図21に示すように、ユーザ端末10は、ユーザ登録の受付を行う(ステップS100)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、ユーザからの入力に基づいて、ユーザDBに格納されるユーザに関する各種の情報を取得する。この際、特徴量としては、ユーザがユーザ端末10に内蔵されたカメラを用いて撮影した顔画像の情報を受け付ける。ユーザ端末10のプロセッサ12は、取得された顔画像に対して画像処理を行い、特徴量に関する情報を抽出する。
プロセッサ12は、取得したユーザに関する情報を、チケット管理サーバ20に対して送信する。
【0249】
ステップS100の後に、チケット管理サーバ20は、ユーザ情報の登録を行う(ステップS200)。
具体的には、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、ステップS100においてユーザ端末10から送信されたユーザに関する情報を、ユーザDBに格納する。これにより、ユーザDBに新たなレコードが記録される。
【0250】
ステップS200の後に、ユーザ端末10は、チケット購入操作の受付(ステップS101)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、入力デバイス15に対してなされた購入操作を、入出力インタフェース13を介して受け付ける。
ユーザ端末10の操作者は、チケットの購入者に限られず、購入者の代わりにユーザ端末10を操作する者(例えばチケット販売所の係員)であってもよい。
購入操作は、例えば、ユーザIDの入力、興行の選択、日時の選択、座席種別の選択、購入ボタン(ボタンオブジェクトまたは物理ボタン)の押下、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0251】
ステップS101の後に、ユーザ端末10は、発券の要求(ステップS102)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS110において受け付けた購入操作の内容と、ステップS111において取得した特徴量とを参照して発券要求を生成する。発券要求は、一例として発券を要求するチケットの種別を特定する情報(例えば、興行、日時および座席種別を特定する情報)と、チケットの購入者の特徴量およびユーザIDとを含む。プロセッサ12は、通信インタフェース14を介して、チケット管理サーバ20へ発券要求を送信する。
【0252】
ステップS102の後に、チケット管理サーバ20は、発券処理(ステップS201)を行う。具体的には、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、ユーザ端末10から送信された購入者の情報に基づいて、販売するチケットを割り当てる。
【0253】
ステップS201の後に、チケット管理サーバ20は、データベースの更新(ステップS202)を実行する。
具体的には、プロセッサ22は、未発行のチケットIDに関連付けて、発券要求に含まれるユーザIDをチケットDBに新規登録する。
【0254】
ステップS202の後に、チケット管理サーバ20は、チケット情報の提供(ステップS203)を実行する。
具体的には、プロセッサ22は、ステップS202におけるデータベースの更新内容を参照して、チケット情報を生成する。チケット情報は、ステップS202において新規登録したチケットIDを含む。さらに、チケット情報は、ステップS202において特定したチケット購入者のユーザIDを含むことができる。チケット情報に含まれる情報の一部または全部は例えばQRコード(登録商標)または他のコード情報に符号化されてもよい。プロセッサ22は、生成したチケット情報を、チケットの購入者に提供する。一例として、プロセッサ22は、通信インタフェース24を介してユーザ端末10へ送信する。
【0255】
ステップS203の後に、ユーザ端末10は、チケット情報の保存(S103)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS203において提供されたチケット情報を取得する。プロセッサ12は、取得したチケット情報を記憶装置11に保存する。これにより、プロセッサ12は、必要に応じて、チケット情報を表示できる。さらに、プロセッサ12は、オプションとして、以下の少なくとも1つを実行してもよい。
・出力デバイス16(印刷装置)に、チケット情報を紙またはその他の媒体へ印刷させる。
・通信インタフェース14に、チケット情報をチケットの購入者のユーザ端末10へ送信させる。
これにより、チケットの発券処理が終了する。
【0256】
(5-2)検札処理
本実施形態の検札処理について説明する。
図22は、本実施形態の検札処理のフローチャートである。
【0257】
図22に示すように、イベント会場に来場したユーザは、ユーザ端末10を操作して、ユーザ端末10にチケットを表示させる(ステップS111)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12が、記憶装置11に記憶したチケット情報を表示する。
【0258】
ステップS111の後に、検札装置30は、認証情報として、チケット情報と来場者の顔画像の読み取り(S311)を実行する。
具体的には、来場者によるチケットの提示時に、プロセッサ32は、可視光カメラ352と協働して、チケット情報、および来場者の顔画像を読み取る。この際、可視光カメラ352が来場者の顔画像を読み取り、チケット情報は他のリーダ装置により読み取ってもよい。
【0259】
ステップS311において、プロセッサ32は、可視光カメラ352の撮影した画像を来場者向けに出力デバイス36(ディスプレイ)に表示してもよい。これにより、来場者に、チケットと来場者の顔画像が同時に撮影されている様子をフィードバックし、チケットの位置や姿勢の微調整を促すことができる。
【0260】
ステップS311の後に、検札装置30は、入場可否の判定(S312)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS311において読み取ったチケット情報を参照して、来場者の入場可否を判定する。
具体的には、プロセッサ32は、読み取ったチケット情報をチケットDBに照会し、チケット情報が入場する権限のある適切なチケット情報であるかどうかを判定する。
【0261】
また、プロセッサ32は、ステップS311において読み取った来場者の顔画像を参照して、来場者の本人確認を行う。
具体的には、プロセッサ32は、読み取った顔画像の特徴量を画像処理により取得する。また、プロセッサ32は、読み取ったチケット情報について、チケットDBに記録されている所有者IDを特定する。
次に、プロセッサ32は、特定した所有者IDを用いてユーザDBを参照し、当該チケットの所有者とされるユーザについて、ユーザDBに記録されている特徴量と、ステップS311において取得した来場者の顔画像の特徴量と、を比較する。両者の特徴量が一定以上の類似度を備えていると判断されると、本人確認がOKとなる。
【0262】
ステップS312の後に、検札装置30は、判定結果の出力を行う(ステップS313)。
例えば、プロセッサ32は、ステップS312において、読み取ったチケット情報が適切なチケット情報ではない場合、あるいは、本人確認がNGとなった場合には、検札装置30は、入場エラー処理を実行する(ステップS314)。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS313において来場者の入場を拒否すると判定した場合に、以下の少なくとも1つの処理を行う。
・警報の発報(例えば、ランプの点灯、所定音の出力、所定画面の表示、またはそれらの組み合わせにより、来場者の入場が拒否されたことを本人および係員に知覚させるとともに、係員にアフターケアを促す)
・ゲートの閉鎖(例えば、電動式のゲートのバー、またはフラップドアを閉じて来場者の入場を物理的に阻害する)
なお、検札装置30付近の滞留を防ぐ観点から、係員によるアフターケアは、来場者を対象空間に便宜的に入場させてから行われてもよい。係員によるアフターケアは、来場者がチケットの真の購入者であるか否かを判断するためのやり取りを含むことができる。一例として、係員は、来場者の属性情報、来場者の連絡先情報、チケットの購入場所、チケットの購入時期、またはそれらの組み合わせを来場者から聞き取り、チケット情報と照合してもよい。
ステップS314の後に、
図22の検札処理は終了する。
【0263】
一方、ステップS313において、読み取ったチケット情報が適切なチケット情報であることが確認でき、かつ本人確認がOKとなった場合には、検札装置30は、入場の許可、いわゆる「もぎり処理」を実行する(ステップS315)。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS312において来場者の入場を承認すると判定した場合に、以下の少なくとも1つの処理を行う。
・入場が許可されたことの報知(例えば、ランプの点灯、所定音の出力、所定画面の表示、またはそれらの組み合わせにより、来場者の入場が許可されたことを本人および係員に知覚させる)
・ゲートの開放(例えば、電動式のゲートのバー、またはフラップドアを開いて来場者の進入を促す)
【0264】
プロセッサ32は、ステップS315の際に、チェックインリストを作成、または更新してもよい。
チェックインリストは、各来場者に対する検札処理の結果一覧に関する情報である。チェックインリストは、一例として以下の要素の少なくとも1つを含む。
・チェックイン時刻
・チェックインの順番
・来場者の提示したチケットのチケットID
・チケットIDに関連付けられるユーザID
・ユーザIDに関連付けられるユーザ名
・入場可否の判定(ステップS312)の結果(入場許可/入場拒否)
・イベント会場においてユーザに割り当てられた区域(例えば指定席)
ステップS315において、プロセッサ32は、チケット管理サーバ20に対してもぎり処理の結果を送信する。作成または更新したチェックインリストを共有することで、プロセッサ32は、チケット管理サーバ20に対してもぎり処理の結果を送信してもよい。
【0265】
ステップS315の後に、チケット管理サーバ20は、チケットの使用を検出する(ステップS211)。
具体的には、チケット管理サーバ20のプロセッサ32は、共有されたチェックインリストに基づいてチケットDBの「ステータス」フィールドを更新することで、使用されたチケットを把握する。
これにより、チケットの検札処理が終了する。
【0266】
(5-3)来場証明NFTの発行処理
本実施形態における来場証明となる来場証明NFTの発行の処理について説明する。
図23は、イベント会場への来場証明となる来場証明NFTの発行処理のフローチャートである。なお、この説明では、来場証明NFTをユーザに対して発行することを、ユーザに対する「当該NFTの付与」と表現する。
【0267】
図23に示すように、来場証明NFTの発行処理では、チケット管理サーバ20が、応援NFT管理サーバ50に対して、ユーザの来場を通知する(ステップS212)。
具体的には、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、応援NFT管理サーバ50に対して、ユーザの来場通知として、以下の情報を送信する。
・検札されたチケットデータ
・検札されたチケットに紐づけられた活動種別ID
・検札されたチケットを使用したユーザに関する情報(属性、行動、連絡先など)
なお、それ以外の情報をプロセッサ22が応援NFT管理サーバ50に対して送信してもよいし、このうちのいずれかの情報をプロセッサ22が応援NFT管理サーバ50に対して送信しなくてもよい。
【0268】
ステップS212の後に、応援NFT管理サーバ50は、ユーザ端末10に対して取得申請リソースを通知する(ステップS611)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、来場証明NFTを新たに発行する処理を実行するためのURL(mintURL)をユーザ端末10の連絡先に対して送信する。なお、この処理はあくまで一例であり、mintURLを介することなく、直接、ユーザのウォレットに対して、当該ユーザに対して発行する来場証明NFTを付与してもよい。
【0269】
ステップS611の後に、ユーザ端末10は、取得申請リソースを受領する(ステップS111)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、ステップS611において応援NFT管理サーバ50から、例えば電子メールに添付されてmintURLを受領する。
【0270】
ステップS111の後に、ユーザ端末10は、来場証明NFTの取得申請を行う(ステップS112)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、ユーザから、電子メールに添付された取得申請リソースとしてのmintURLをクリックする操作を受け付けることで、mintURLが示すリソース情報にアクセスする。これにより、応援NFT管理サーバ50に対して取得申請が送信される。
【0271】
また、この際、必要に応じて、ユーザがユーザ端末10を操作して、応援NFT管理サーバ50が提供するNFT管理プラットフォームへのログイン操作が行われてもよい。当該ログイン操作は、ログイン状態が保持されている場合には省略することができる。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、ユーザから入力される「DappアカウントID」および「DappアカウントPASS」の情報を受け付ける。プロセッサ12は、入力された情報を、P2P分散システムに対して送信する。
【0272】
その後、応援NFT管理サーバ50は、ログイン操作を認証する。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、入力された「DappアカウントID」および「DappアカウントPASS」が、アカウントデータベースに記録されている情報と一致するかどうかを検証する。一致するアカウント情報が確認されれば、応援NFT管理サーバ50は、ユーザによるログインを承認する。
【0273】
ステップS112の後に、応援NFT管理サーバ50は、来場証明NFTの取得申請を受領する(ステップS612)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、ステップS212においてチケット管理サーバ20から送信された来場通知に関する情報と、ステップS112においてユーザ端末10から送信された取得申請に含まれる情報と、を用いて、ユーザに対して付与する来場証明NFTに関する応援NFT種別ID(来場証明NFT種別ID)を特定する。
【0274】
ステップS613の後に、応援NFT管理サーバ50は、来場証明NFTの取得申請の認証を行う(ステップS613)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、ステップS612において受領した取得申請に含まれるチケットIDからチケットDBを参照して対応する活動種別IDを特定し、発行条件DBを参照して、特定した活動種別IDと一致する発行対象活動種別IDが記録された発行条件を特定する。この際、発行条件として追加で付帯条件が設定されている場合には、ユーザの属性、行動について、付帯条件を満たすかどうかを判定する。すなわち、システム1では、ステップS612において特定したユーザに対して付与するべき応援NFT種別ID(来場証明NFT種別ID)を特定する。
【0275】
例えば、行動判定の対象となるユーザの行動態様には、以下のいずれかが含まれ得る。
・ユーザのイベント会場に来場時刻、退場時刻、来場の順番
・自身のSNSアカウントでのイベントに関する発信
・当該イベントに関連するグッズの購入実績
・当該イベントに関連するイベントへの過去の参加実績
・当該イベント会場への来場時刻
・当該イベント会場からの退場時刻
・当該イベントへの同伴者の有無
【0276】
すなわち一例として、応援NFT管理サーバ50は、電子チケットの使用が検出された時刻に応じて、付与する来場証明NFTの種類を変更することができる。
また、応援NFT管理サーバ50は、検札装置30が検出したイベント会場からの退出が検出された時刻に応じて、ユーザに対して付与する来場証明NFTの種類を変更することができる。
【0277】
また、応援NFT管理サーバ50は電子チケットに係るイベントの終了までのユーザの行動を検出し、検出されたユーザの行動に応じて、電子チケットの所有者に対して付与する来場証明NFTの種類を変更することができる。
応援NFT管理サーバ50は、ユーザのイベント会場内でのグッズ購入などの情報をユーザ端末10による決済情報等から取得する。応援NFT管理サーバ50は、ユーザの行動履歴が、発行条件を満たしているかどうかを判定し、発行条件を満たす条件IDを特定する。応援NFT管理サーバ50は、ステップS612において特定したユーザに対して付与するべき来場証明NFTの種別を、特定した条件IDに対応する発行対象応援NFT種別IDに変更する。
【0278】
なおステップS613における属性・行動判定では、判定結果により、ステップS612において特定したユーザに対して付与するべき来場証明NFTの種別を変更することなく、既に特定した来場証明NFTの種別とは別に、他の応援証明NFTを付加的に発行してもよい。
【0279】
ステップS613の後に、応援NFT管理サーバ50は、来場証明NFTの発行処理を実行する(ステップS614)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、ステップS613において特定した条件IDと対応する発行対象応援NFT種別IDに相当する来場証明NFTを、ユーザに対して付与する。
この際、ステップS612において特定した来場証明NFTと、ステップS613において特定した発行対象応援NFT種別IDに相当する応援NFTと、の双方を、ユーザに対して付与してもよい。
【0280】
来場証明NFTを発行する際には、応援NFT管理サーバ50は、応援NFT種別DBを参照して、該当する来場証明NFTに関する各種の情報を取得し、P2P分散システム90に対して送信する。P2P分散システムの分散型アプリケーション60は、新たに作成した分散型台帳の台帳に対して、NFTに関する情報として取得者に関する情報と、発行日時を記録する。
【0281】
そして、分散型アプリケーション60は、ウォレットDBを参照して、取得者となるユーザのDappアカウントIDに該当するウォレットIDを特定し、分散型台帳において新たに発行された台帳に対して、新たなトランザクションデータ(TX)として、来場証明NFTが付与されたユーザのウォレットIDを、所有者情報として、最新のブロックに記録させる(ステップS511)。
これにより、付与対象である来場証明NFTの所有者の情報が記録される。言い換えれば、この処理により、当該来場証明NFTが、イベント会場に来場したユーザに付与される。来場証明NFTとともに応援NFTが付与される場合は、応援NFTについても同様の処理により、来場したユーザに対して付与される。
【0282】
ステップS614の後に、ユーザ端末10は、応援NFT管理サーバ50から送信された来場証明NFTに関する付与通知を受領する(ステップS113)。
以上により、来場証明NFTの付与の処理が終了する。
【0283】
(5-4)イベント会場でのユーザ行動に基づく応援証明NFTの発行処理
【0284】
本実施形態におけるイベント会場でのユーザ行動に基づく応援証明NFTの発行処理について説明する。
図24は、来場証明NFTの発行処理のフローチャートである。
【0285】
図24に示すようにイベント会場において、検出装置は、ユーザの行動を検出する(ステップS121)。検出装置とは、ユーザ行動を検出して応援NFT管理サーバ50に対して送信する情報処理装置である。
検出装置によるユーザ行動の検出方法を以下に例示する。
・イベント会場内のレジ端末(検出装置)でユーザの会員証を読み取ったうえで購入情報を取得する処理
・特定エリアのカメラ(検出装置)でユーザの生体情報を取得する処理
・Web/SNS管理システム(検出装置)でユーザの、上の行動を検知する処理
・イベント会場内で、ユーザがイベントグッズの購入又は購入品の引き取りをした際に、販売者から提示された二次元コードをユーザ端末10(検出装置)により読み取る処理
・イベント会場内で、ユーザがイベントグッズの購入又は購入品の引き取りをした際に、ユーザ端末10(検出装置)に送信されたリソース情報(例えばURL情報)をクリックする操作を受け付ける処理
・イベント会場内でのユーザの動きをユーザ端末10(検出装置)に搭載された加速度センサで検出する処理
・イベント会場内でのユーザの位置情報の変化を、ユーザ端末10(検出装置)に搭載されたGPSアンテナにより検出する処理
・イベント会場内にてユーザが使用する物品(例えばペンライト等)について、当該物品の使用態様に関する情報を当該物品との近距離無線通信により通信端末(検出装置)が取得する処理
・イベント会場内の所定のエリアに立ち入った際に、検札装置30(検出装置)が当該エリアに掲載されている二次元コードを読み取る処理
・イベント会場内の所定のエリアに立ち入った際に、検札装置30(検出装置)が当該エリアに設定されている無線通信端末と無線通信を行う処理
なお、ユーザ端末10によるユーザ行動の検出は、これらの例に限られない、検出装置は、応援証明NFTの発行条件として設定されているあらゆるユーザの行動に対して、実施可能な処理を用いて検出を行うことができる。
なお、以下の説明では、応援アイテムの購入をトリガーとして応援証明NFTが付与される処理を説明するが、システム1では、前述した様々なユーザによる応援活動をトリガーとして、応援証明NFTを付与することができる。この場合には、検出装置により検出されるユーザの行動に対応して、活動種別IDが別途設定されていることとなる。
【0286】
ステップS121の後に、検出装置は、ステップS121において検出したユーザ行動を応援NFT管理サーバ50に向けて送信する(ステップS122)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、取得したユーザの行動に関する情報を、通信インタフェース14を介して、応援NFT管理サーバ50に向けて送信する。
【0287】
ステップS122の後に、応援NFT管理サーバ50は、ユーザ端末10から送信されたユーザ行動を取得する(ステップS622)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、検出装置から送信された、ユーザの行動を示す各種の情報を取得する。例えば、特定の応援アイテムをユーザが購入した行動を、レジ端末(検出装置)から送信された購入履歴情報から取得する。
【0288】
ステップS622の後に、応援NFT管理サーバ50は、ステップS622において取得したユーザの行動の判定を行う(ステップS623)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、購入履歴に含まれる購入した物品のアイテム種別から、応援アイテムマスタDBを参照して活動種別IDを特定する。その後、応援NFT管理サーバ50は、発行条件DBを参照して、特定した活動種別IDと一致する発行対象活動種別IDが記録された発行条件を特定する。この際、発行条件として追加で付帯条件が設定されている場合には、ユーザの属性、行動について、付帯条件を満たすかどうかを判定する。応援NFT管理サーバ50は付帯条件を満たす発行条件に紐づけられた発行対象応援NFT種別IDを特定する。
【0289】
ステップS623の後に、応援NFT管理サーバ50は、ステップS623において該当する発行対象応援NFT種別IDを特定した場合には、対応する応援証明NFTを付与する処理を実行する(ステップS624)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、ステップS623において、ユーザ行動が付帯条件を満たすと判定した条件IDと対応する発行対象応援NFT種別IDに相当する応援証明NFTを、ユーザに対して付与する。
【0290】
応援証明NFTを発行する際には、分散型アプリケーション60は、応援NFT種別DBを参照して、該当する応援NFTに関する各種の情報を取得し、P2P分散システム90に対して送信する。P2P分散システムの分散型アプリケーション60は、新たに作成した分散型台帳の台帳に対して、NFTに関する情報として取得者に関する情報と、発行日時を記録する。
【0291】
そして、分散型アプリケーション60は、ウォレットDBを参照して、取得者となるユーザのDappアカウントIDに該当するウォレットIDを特定し、分散型台帳において新たに発行された台帳に対して、新たなトランザクションデータ(TX)として、来場証明NFTが付与されたユーザのウォレットIDを、所有者情報として、最新のブロックに記録させる(ステップS521)。
これにより、付与対象である応援証明NFTの所有者の情報が分散型台帳に記録される。言い換えれば、この処理により、当該応援証明NFTが、イベント会場に来場したユーザに付与される。
【0292】
ステップS624の後に、ユーザ端末10は、応援NFT管理サーバ50から送信された応援証明NFTに関する付与通知を受領する。
以上により、ユーザのイバンと会場でのユーザ行動に基づく応援証明NFTの付与の処理が終了する。
【0293】
なお、
図24の説明では、ユーザ端末10が、ユーザの行動を検出することをトリガーとして応援証明NFTが付与される処理を説明しているが、応援証明NFTの付与の処理については、この態様に限られない。
例えば、ユーザの属性に基づいて、応援証明NFTの発行条件が設定されている場合には、応援NFT管理サーバ50は、チケットへのもぎり処理をトリガーとして、ユーザDBに格納されたユーザ属性の情報を参照する。そして、応援NFT管理サーバ50は、もぎり処理が行われた来場者のユーザ属性と、応援証明NFTの発行条件として設定されているユーザ属性とが一致するかどうかの判定を行う。
【0294】
また、予め設定された1つ以上の応援証明NFTの獲得を、別の応援証明NFTの発行条件として設定してもよい。例えば、イベント会場内で販売されるイベントグッズのうち、ユニフォームの購入により付与される応援証明NFTと、キャップの購入により付与される応援証明NFTと、の両方を獲得したユーザに対して、新たな応援証明NFTを付与してもよい。
【0295】
また、イベント会場内でのユーザ行動の検出においては、既に検札時に所有者と来場者の同一性の確認が行われているので、再度の本人確認は省略している。しかしながら、イベント会場内の様々なエリアにおいて付与されるそれぞれの応援証明NFTの付与の認証において、再度の本人確認を行ってもよい。また、イベント会場内での本人確認の際に、来場証明として付与された来場証明NFTに紐づけられた認証情報に含まれる本人確認情報を、再度の本人確認の際に参照してもよい。
【0296】
(5-5)準公式応援アイテムNFTの発行処理
本実施形態における準公式応援アイテムNFTの発行処理について説明する。
図25は、準公式応援アイテムNFTの発行処理のフローチャートである。
【0297】
図25に示すように、新たな準公式応援アイテムNFTの発行処理では、ユーザ端末10が、新たな準公式応援アイテムNFTに係るデジタルコンテンツの登録処理を受け付ける(ステップS131)。
具体的には、ユーザ端末10は、ユーザ端末10のカメラにより撮影された画像データのうち、ユーザにより選択された画像データを、準公式応援アイテムNFTに紐づけられるデジタルコンテンツとして、応援NFT管理サーバ50に対して送信する。
【0298】
ステップS131の後に、応援NFT管理サーバ50は、ユーザ端末10から送信されたデジタルコンテンツの保存指示を行う(ステップS631)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、P2P分散システム90における分散型データストレージ70に対して、ユーザ端末10から送信された画像データを記録させる。
【0299】
ステップS631の後に、分散型データストレージ70は、応援NFT管理サーバ50から送信された画像データを保存する(ステップS731)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、当該画像データを暗号化して断片化された複数のキャッシュファイルとしたうえで、P2P分散システムを構成する各情報処理装置間に分散して記憶させる。なお、この説明では予めデジタルコンテンツデータを分散型ファイルストレージに記憶される構成を示しているが、後述するステップS635において準公式応援アイテムNFTの発行が承認された後に、外部サーバに記憶していたデジタルコンテンツデータを分散型ファイルストレージに記憶されてもよい。また、準公式応援アイテムNFTに係るデジタルコンテンツデータは、任意の外部サーバに保存した状態のまま、準公式応援アイテムNFTを発行してもよい。
【0300】
ステップS731の後に、ユーザ端末10は、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請を受け付ける(ステップS132)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、ユーザからの操作に基づいて、既に分散型データストレージ70に記録された画像データのうち、新たに発行するNFTに紐づけられる画像データの選択を受け付ける。プロセッサ12は、選択された画像データを識別する情報とともに、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請を応援NFT管理サーバ50に対して送信する。
【0301】
ステップS132の後に、応援NFT管理サーバ50は、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請を受領する(ステップS632)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請として、例えば以下の情報を受け付ける。これらの情報は、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請としてユーザから入力された情報に基づく。
・発行を希望するユーザのDappアカウント情報
・発行を希望するNFTに紐づけられる画像データの識別情報
・当該画像データが撮影されたイベントの日付、名称などの情報
・準公式応援アイテムNFTの発行枚数
【0302】
ステップS632の後に、応援NFT管理サーバ50は、発行申請の認証として、ユーザの権限の有無の確認を行う(ステップS633)。ここで、本実施形態では、新たな準公式応援アイテムNFTの発行をする権限を示す応援証明NFTとして、来場証明NFTが設定されている。このため、適切な権限を設定された来場証明NFTを発行申請に係るユーザが保有しているかについて、応援NFT管理サーバ50は確認を行う。
【0303】
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、P2P分散システム90にアクセスし、分散型台帳に記録された発行申請に係るユーザのウォレットIDが所有者情報として記録された台帳を確認する。これにより、応援NFT管理サーバ50は、当該ユーザが保有する全ての来場証明NFTを特定する。そして、保有する来場証明NFTにおいて、分散型台帳に記録された権限の内容を確認し、ユーザから入力された画像データが撮影されたイベントについて、新たな準公式応援アイテムNFTの発行についての権限を含んでいるかどうかを確認する。
【0304】
ステップS633の後に、応援NFT管理サーバ50は、NFTの発行申請に係る画像データに対するコンテンツの評価を行う(ステップS634)。コンテンツの評価とは、発行申請に係るユーザが所有する権限を示す来場証明NFTと、発行申請に係る新たな準公式応援アイテムNFTに紐づけられたデジタルコンテンツと、の関連性を評価する。具体的には、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請に係るデジタルコンテンツ(この場合は画像データ)が、権限を示す応援証明NFTを付与されたイベントに依拠して創作されたかどうかについて検証する。
【0305】
応援NFT管理サーバ50は、NFTの発行申請に係る画像データについて、同一性(類似度)の高い画像が既にインターネット上に公開されていないかどうかを判定する画像処理を行う。この画像処理はインターネットからアクセスできる情報を対象として行われる。
応援NFT管理サーバ50は、NFTの発行申請に係る画像データと同一性の高い画像が既に公開されている場合には、当該画像データは、権限となる来場証明NFTを付与されたイベントに依拠して創作されたものではないと判断する。
一方、応援NFT管理サーバ50は、NFTの発行申請に係る画像データと同一性の高い画像が確認されなかった場合には、権限となる来場証明NFTを付与されたイベントに依拠して創作されたものと判断する。
【0306】
また、応援NFT管理サーバ50は、以下の情報を用いて、権限となる来場証明NFTとデジタルコンテンツの関連性の有無を判定してもよい。
・当該デジタルコンテンツの創作時間(画像の撮影時刻)とイベント上映時間の比較
・ユーザの座席情報と、撮影された画像から推測される撮影位置との比較
【0307】
ステップS634の後に、応援NFT管理サーバ50は、発行申請を承認する(ステップS635)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、ユーザ端末10に対して、発行申請に係る画像データについて、新たな準公式応援アイテムNFTとして発行できる旨(発行承認)をユーザ端末10に対して送信する。
【0308】
ステップS635の後に、ユーザ端末10は応援NFT管理サーバ50から送信された発行承認を受領する(ステップS133)。
【0309】
ステップS635の後に、応援NFT管理サーバ50は、新たな準公式応援アイテムNFTの発行処理を実行する(ステップS636)。
準公式応援アイテムNFTを発行する際には、応援NFT管理サーバ50は、P2P分散システム90に対して、トークンに関する以下の情報を送信する。
・デジタルコンテンツアドレス:分散型データストレージ70に記録された申請に係る画像データのアドレス情報
・取引価格:イベント主催者により設定された価格、又はユーザが指定する価格
・移転可否:基本的には移転可(発行主体となるユーザが選択してもよい)
・発行者情報:発行申請に係るユーザに関する情報
・発行日時:準公式応援アイテムNFTが発行された日時
【0310】
そして、分散型アプリケーション60は、ウォレットDBを参照して、発行者となるユーザのDappアカウントIDに該当するウォレットIDを特定し、分散型台帳において新たに発行された台帳に対して、新たなトランザクションデータ(TX)として、準公式応援アイテムNFTが付与されたユーザのウォレットIDを、所有者情報として、最新のブロックに記録させる(ステップS531)。
【0311】
これにより、新たな準公式応援アイテムNFTの所有者の情報が記録される。言い換えれば、この処理により、イベント会場でファンが撮影した選手画像について、所有者の情報が分散型台帳で管理される非代替性トークンとして、新たな準公式応援アイテムNFTが、発行申請をしたユーザに対して付与される。すなわち、準公式応援アイテムNFTは、発行されたタイミングにおいて、発行者が所有者となる。
なお、新たに発行された準公式応援アイテムNFTについては、前述したように発行後に発行者であるユーザに対して付与することなく、NFT管理プラットフォーム(マーケットプレイス)において販売されてもよい。この場合には、準公式応援アイテムNFTに関する発行者情報は、発行申請を行ったユーザとなるが、当該準公式応援アイテムNFTの分散型台帳におけるトランザクションデータには、発行元である興行主に関する情報が所有者情報として記録される。なお、この場合には、トランザクションデータに所有者情報が記録されなくてもよい。
【0312】
ステップS636の後に、ユーザ端末10は、応援NFT管理サーバ50から送信された準公式応援アイテムNFTに関する付与通知を受領する(ステップS134)。
これにより、新たな準公式応援アイテムNFTの発行処理が終了する。
【0313】
(5-6)ライセンスNFTの発行処理
本実施形態におけるライセンスNFTの発行処理について説明する。
図26は、ライセンスNFTの発行処理のフローチャートである。
ライセンスNFTとは、特定のユーザが他のユーザに向けて、何らかの準公式の応援アイテムを提供するライセンスを興行主から許諾されていることを証明する機能を有するNFTである。
【0314】
図26に示すように、ライセンスNFTの発行処理では、まず、ユーザ端末10が、新たな準公式応援アイテムを販売するライセンスの発行申請を受け付ける(ステップS141)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、ユーザからの操作に基づいて、以下の情報の入力を受け付ける。
・発行を希望するユーザのDappアカウント情報
・ユーザが販売する応援アイテムの内容
・申請するライセンスの権限となる来場証明NFT(応援証明NFT)に関する情報
ユーザ端末10のプロセッサ12は、入力された情報を応援NFT管理サーバ50に対して送信する。
【0315】
ステップS132の後に、応援NFT管理サーバ50は、ライセンスNFTの申請を受領する(ステップS641)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、ライセンスNFTの発行申請として、ユーザ端末から送信された情報を受け付ける。
【0316】
ステップS641の後に、応援NFT管理サーバ50は、発行申請の認証として、ユーザの権限の有無の確認を行う(ステップS642)。ここで、本実施形態では、新たなライセンスNFTの発行をする権限を示す応援証明NFTとして、来場証明NFTが設定されている。このため、適切な権限を設定された来場証明NFTを発行申請に係るユーザが保有しているかについて、応援NFT管理サーバ50は確認を行う。
【0317】
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、発行申請に係るユーザのウォレットIDから、当該ユーザが保有する全ての来場証明NFTを特定する。そして、保有する来場証明NFTにおいて、分散型台帳に記録された権限の内容を確認し、ユーザから入力された応援アイテムについて、新たなライセンスNFTの発行についての権限を含んでいるかどうかを確認する。
【0318】
ステップS642の後に、応援NFT管理サーバ50は、ユーザが権限を保有していることが確認された場合に、発行申請を承認する(ステップS643)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、ユーザ端末10に対して、新たなライセンスNFTを発行できる旨(発行承認)をユーザ端末10に対して送信する。
また、応援NFT管理サーバ50は、準公式応援アイテムDBに新たなレコードを記録する。準公式応援アイテムの内容に応じて準公式応援アイテムIDが選択され、新たに採番されたライセンスIDに紐づくようにそれぞれのデータが記録される。
【0319】
ステップS643の後に、ユーザ端末10は応援NFT管理サーバ50から送信された発行承認を受領する(ステップS142)。
【0320】
ステップS643の後に、応援NFT管理サーバ50は、新たなライセンスNFTの発行処理を実行する(ステップS644)。
ライセンスNFTを発行する際には、応援NFT管理サーバ50は、P2P分散システム90に対して、トークンに関する以下の情報を送信する。
・デジタルコンテンツアドレス:ライセンスNFTに係るライセンス証としての画像データのアドレス情報
・有効期限:ライセンスNFTに係るライセンスの有効期限
・移転可否:基本的には移転不可。移転可とすることで資産性を持たせることも可能
・取得者情報:発行申請に係るユーザに関する情報
・発行日時:ライセンスNFTが発行された日時
【0321】
そして、P2P分散システム90の分散型アプリケーション60は、ウォレットDBを参照して、発行者となるユーザのDappアカウントIDに該当するウォレットIDを特定し、分散型台帳において新たに発行された台帳に対して、新たなトランザクションデータ(TX)として、ライセンスNFTが付与されたユーザのウォレットIDを、所有者情報として、最新のブロックに記録させる(ステップS541)。
【0322】
これにより、新たなライセンスNFTの所有者の情報が記録される。言い換えれば、この処理により、ファンが準公式応援アイテムとして販売を開始する応援アイテムの販売に関するライセンスとして、所有者の情報が分散型台帳で管理される非代替性トークンであるライセンスNFTが、ライセンス申請をしたユーザに対して付与される。すなわち、ライセンスNFTは、発行されたタイミングにおいて、発行者が所有者となる。
【0323】
ステップS646の後に、ユーザ端末10は、応援NFT管理サーバ50から送信されたライセンスNFTに関する付与通知を受領する(ステップS143)。
これにより、ライセンスNFTの発行処理が終了する。
【0324】
このように発行されたライセンスNFTを保有しているユーザは、ライセンスとして許諾された範囲において準公式応援アイテムを他のユーザに対して提供することができる。この際、例えば物理アイテムとしての準公式応援アイテムの一部に、ライセンスNFTを示す情報を付与することで、当該準公式応援アイテムが、適切にライセンスを受けたものであることを証明することができる。
また、ライセンスNFTの画像にライセンスIDを表示することで、ライセンスNFTにより許諾された内容(許諾された範囲において準公式応援アイテムを提供可能であること)を証明することができる
【0325】
(6)その他の機能
次に、システム1のその他の機能について説明する。
まず、その他の機能の第1例として、ファンスコアリングの機能について説明する。ファンスコアリングの機能では、ユーザが保有する来場証明NFTの種類および量に基づいて、ファンとしての活動スコア(ファンスコア)の評価を行う機能である。このようなファンスコアリング処理について以下に説明する。
【0326】
(6-1)ファンスコアリング処理
図27は、ファンスコアリング処理のフローを示す図である。
図27に示すように、ファンスコアリング処理では、まず、ユーザ端末10が、ユーザからの集計指示を受け付ける(ステップS151)。
具体的には、ユーザは、任意のタイミングで自身が保有する応援証明NFTの保有状態について、集計指示をユーザ端末10に対して入力する。ユーザ端末10のプロセッサ12は、入力された集計指示を、応援NFT管理サーバ50に対して送信する。
【0327】
ステップS151の後に、応援NFT管理サーバ50は、集計指示を受領する(ステップS651)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、集計指示として以下の情報を受領する。
・集計指示の対象となるユーザのDappアカウントID
【0328】
ステップS651の後に、応援NFT管理サーバ50は、集計処理を実行する(ステップS652)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、集計指示の対象となるユーザのDappアカウントIDについて、ウォレットDBを参照して、分散型台帳で管理される所有者情報を示すウォレットIDを特定する。この際、一つのユーザのDappアカウントIDに対して、複数のウォレットIDが紐づけられていてもよい。応援NFT管理サーバ50は、特定したウォレットIDが、最新の所有者として記録されている分散型台帳の台帳IDを特定することで、集計対象となるユーザが保有している来場証明NFTを集計する。
【0329】
ステップS652の後に、応援NFT管理サーバ50は、スコアリングを実行する(ステップS653)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、集計対象となるユーザが保有していた来場証明NFTについて、それぞれの希少性、入手の困難性の観点、および保有している量の観点などから、集計対象となるユーザについてファンとしてのスコアを算定する。スコアの算定については、NFTごとに予め付与されたスコアを集計する方法であってもよいし、全てのユーザの保有状況から相対的に算定する方法であってもよい。
【0330】
また、スコアリングはファン活動の対象となる対象概念ごとに算定することが好ましい。すなわち、特定の野球チーム、特定のアイドルグループ、特定のお笑いコンビなど、予め設定された対象概念のカテゴリに沿って、応援NFT管理サーバ50は、ファンスコアを算定することができる。
【0331】
ステップS653の後に、応援NFT管理サーバ50は、集計結果をユーザ端末10に対して出力する(ステップS654)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、少なくとも以下の情報をユーザに対して集計結果として出力する。
・ユーザが現時点で保有している来場証明NFTの内容(種類・数)
・ユーザが保有している来場証明NFTにより認められる権限の内容
・ユーザの対象概念ごとのファンとしてのスコア値
【0332】
ステップS654の後に、ユーザ端末10は、集計結果をユーザに対して提示する(ステップS152)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、応援NFT管理サーバ50から送信された集計結果に関する情報をディスプレイなどの出力デバイス16に対して出力することで、集計結果をユーザに対して提示する。ユーザは集計結果を確認することで、自身の応援証明NFTの保有状態、および自身に認められる権限を把握することができる。また、ユーザは、自身の対象概念におけるファンとしての成績(ファンスコア)を確認することができる。
以上により、ファンスコアリング処理が終了する。
【0333】
また、応援NFT管理サーバ50は、応援証明NFTの集計処理およびスコアリングの結果に応じて、新たな応援証明NFTを当該ユーザに対して付与してもよい。例えば、同じシリーズとして企画された複数のイベントについての来場証明NFTを保有していることを条件に、特別イベントに参加する権限を有する応援証明NFTを付与してもよい。また、同じシリーズの応援グッズの購入により付与される複数の応援証明NFTを保有していることを条件に、希少性の高い限定グッズの引換券(又は現物アイテム)と紐づけられた応援証明NFTを付与してもよい。
【0334】
次に、その他の機能の第2例として、コレクションルームの表示処理について説明する。コレクションルームとは、自身が保有する応援証明NFTを、他のユーザが閲覧可能なデジタル環境下において一覧表示することで、他のユーザに対して共有するための展示エリアである。
コレクションルームの表示処理では、ユーザの操作に応じて、当該ユーザが保有する応援証明NFTをそれぞれの内容に即したオブジェクトとしてレンダリングする処理を行う。
【0335】
(6-2)コレクションルームの表示処理
図28は、コレクションルームの表示処理のフローを示す図である。
図28に示すように、コレクションルームの表示処理では、まず、ユーザ端末10が、ユーザからの展示指示を受け付ける(ステップS161)。
具体的には、ユーザは、任意のタイミングで自身が保有するNFTについて、他のユーザが閲覧可能な展示エリアに展示する指示をユーザ端末10に対して入力する。ユーザ端末10のプロセッサ12は、入力された展示指示を、応援NFT管理サーバ50に対して送信する。
【0336】
応援NFT管理サーバ50は、ユーザ端末10から送信された展示指示を受領する(ステップS661)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、展示指示として以下の情報を受領する。
・展示指示の対象となるユーザのDappアカウントID
【0337】
ステップS661の後に、応援NFT管理サーバ50は、展示処理を実行する(ステップS662)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、既に集計されたユーザが保有する来場証明NFTについて、それぞれの対象概念の内容、希少性、獲得に要する費用などの各種の属性に応じた独自のデザインで表現されるオブジェクトとしてレンダリングする。例えば、応援NFT管理サーバ50は、野球の試合に関する来場証明NFTであれば、以下の情報を含むオブジェクトを作成する。
・イベント会場となったスタジアムの外観
・試合を行った野球チームのエンブレム
・試合の開催日
・試合結果
なお、この説明では、保有状況の集計が既に行われている前提での処理を行ったが、個別に集計を行ってもよい。
【0338】
ステップS662の後に、応援NFT管理サーバ50は、展示内容として、作成したオブジェクトを出力する(ステップS663)。
具体的には、応援NFT管理サーバ50は、レンダリングした応援証明NFTを示すオブジェクトを、他のユーザが閲覧可能な展示エリアに出力表示する。応援NFT管理サーバ50は、ユーザが保有する全ての応援証明NFTを示すオブジェクトが出力された展示エリアに関するリソース情報(例えばURL)を、ユーザ端末10に対して送信する。
【0339】
ステップS663の後に、ユーザ端末10は、展示内容をユーザに対して提示する(ステップS162)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、ユーザからの指示に応じて、応援NFT管理サーバ50から受信したリソース情報(例えばURL)にアクセスする。これにより、当該展示エリアに展示された応援証明NFTに関するオブジェクトが、ユーザ端末10の出力デバイス16に対して表示されることで、展示エリア内の展示内容がユーザに対して提示される。ユーザは、展示内容を確認することで、自身が保有するNFTの保有状況を視覚的に捉えることができる。
【0340】
また、当該展示エリアには、他のユーザもアクセス可能となっている。このため、展示エリアのリソース情報を、ユーザ自身が例えばSNSなどを用いて公開することで、自身のこれまでのファン活動を不特定多数のユーザに対して公開することができる。
以上により、コレクションルームの表示処理が終了する。
【0341】
このような展示エリアは、2次元のサイトであってもよいし、3次元の空間であってもよい。また、2次元のサイトでの表示態様と、3次元の空間での表示態様を切り替え可能な構成であってもよい。具体的には、特定の応援証明NFTが何らかのスポーツ選手に紐づいた特典である場合に、2次元表示としては、展示エリアであるサイトに、当該選手の画像データを、応援証明NFTを示すオブジェクトとして表示する。そして、ユーザが、3次元表示に切り替えた際には、展示エリアである仮想空間内に、当該選手を3Dモデルとしてレンダリングして表示する。このように、同一の応援証明NFTを示すブジェクトについて、2次元表示と3次元表示という異なる表示態様を行うことで、コレクションルームの視覚的な効果を向上することができる。
【0342】
まこの場合には、応援証明NFTに対して、二次元データに関するデジタルコンテンツアドレス、三次元データに関するデジタルコンテンツと、が紐づけられており、ユーザからの表示指示に関する操作に応じて、応援NFT管理サーバ50が表示対象とするデジタルコンテンツアドレスを切り替えることで、表示態様を変容してもよい。
【0343】
また、応援証明NFTの保有状態が所定の条件を満たすことで、追加の応援証明NFTを当該ユーザに対して付与してもよい。
また、応援証明NFTの保有状態に合わせて、特典として、以下の情報が変化してもよい。
・コレクションルームの名称、デザイン
・当該ユーザのファンとしてのハンドルネームや称号、通り名、敬称
・特定の応援証明NFTを示すオブジェクトの表示態様
【0344】
また、前述した保有状態の集計およびコレクションサイトの表示処理は、応援証明NFTに限られず、応援アイテムNFTに対して実行してもよい。
【0345】
(7)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0346】
(7-1)変形例1(分散型台帳へのコンテンツデータの保存)
変形例1では、NFTに紐づけられるコンテンツデータが管理される区画が、前述した実施形態と異なっている。
図29は、分散型台帳の他の構造例を示す図である。
図29に示すように、変形例に係る分散型台帳では、デジタルコンテンツのデータ(例えば画像データ)が、ブロックチェーンの一部として組み込まれている。この場合には、新たな準公式応援アイテムNFTに係るコンテンツデータは、
図25に示すステップS731に示すように、分散型データストレージ70に保存させることなく、分散型台帳に保存されることとなる。
【0347】
(7-2)変形例2(来場証明NFTによる抽選)
変形例2では、来場証明NFTを保有しているユーザに対して、応援NFTの発行を受ける抽選に参加する権利を設定している。
図40は、変形例2に係るシステム1の概要を示す図である。なお、前述した実施形態と同一の構成についてはその説明を省略する。
【0348】
この変形例では、来場証明NFTの保有を条件として、応援アイテムNFTの付与に関する抽選への参加が認められる。抽選の結果に対して、個別に設定された特典が紐づけられている。すなわち、来場証明NFTの保有が、応援証明NFTを獲得する抽選に参加する権利として設定されている。なお、来場証明NFTに、個別の抽選券NFTが付加されており、抽選券NFTについては、ユーザ間で取引可能としてもよい。
なお、この説明では来場証明NFTを保有することで参加できる抽選システムとして、仮想の抽選システムを例に挙げるが、現実の抽選装置を用いて、参加に際して、来場証明NFTの提示を要求してもよい。
【0349】
図30に示すように、この変形例では、応援NFT管理サーバ50は、仮想抽選システム61としての機能をさらに実現する。仮想抽選システム61は、来場証明NFTを有するユーザからの抽選への参加を認める。応援NFT管理サーバ50は、予め設定されている複数の応援アイテムNFTのうち、ユーザからの試行に対して無作為、又は所定の当選確率に従って割り当てた応援アイテムNFTを、当該ユーザに対して付与する。応援NFT管理サーバ50は、応援アイテムNFTの付与と併せて、紐づけられる特典としてのクーポンなどの電子チケットを、各ユーザに配布してもよい。
【0350】
また、応援NFT管理サーバ50は、ユーザの属性や行動により、来場時に付与する来場証明NFTの種類を複数設定してもよい。この場合には、応援NFT管理サーバ50は、ユーザが獲得した来場証明NFTの種類により、仮想抽選システム61における抽選の試行回数、又は抽選における希少性の高い応援アイテムNFTの当選確率を変化させてもよい。
例えば、未成年者が来場した場合は、2回の抽選を可能とし、成人が来場した場合は、1回の抽選を可能とすることができる。また、未成年者が来場した場合は、より希少性の高い応援アイテムNFTが当選する確率を上げるといった設定が可能である。
【0351】
また、ユーザの属性および行動に限られず、例えば、前述したファンスコアリングの結果である、これまでの応援証明NFTの保有実績に応じて、抽選の試行回数、又は抽選における希少性の高い応援アイテムNFTの当選確率を変化させることもできる。
【0352】
また、この変形例では、抽選をユーザが試行するのではなく、イベント主催者が抽選を試行する形式にしてもよい。すなわち来場証明NFTのトークンIDを当選番号として用いて、複数設定された当選級ごとの応援アイテムNFTを、所定の時刻に自動で試行される抽選により、各ユーザに割り当ててもよい。
また、ユーザの属性、行動、および応援証明NFTの保有実績に応じて、当選確率を変化さえてもよい。
【0353】
抽選を介して付与される応援アイテムNFTは、例えば来場者限定の応援アイテムNFTというように、来場者限定の特典であることを強調する名称としてもよい。
また、例えば、来場証明NFTと紐づけられる画像を証明書形式の無機質なデザインにし、抽選を介して付与される応援アイテムNFTと紐づけられる画像を、選手画像などのファンに対して収集意欲を惹起するデザインとしてもよい。
【0354】
また、基本的に、応援アイテムNFTは単独で移転可能であるが、来場証明NFTは移転不可となっている。これを踏まえて、来場証明NFTと、当該来場証明NFTを保有することで参加した抽選において獲得した応援アイテムNFTと、の双方を保有している場合には、応援アイテムNFTを本人のイベント参加により獲得したことを示す、特別な双方獲得表示を行ってもよい。このような獲得表示があることで、ファンにとっては、希少性の高い応援アイテムNFTを自身のファン活動で獲得したことを証明することができ、ファンとしての承認欲求を満たすことができる。
【0355】
この変形例では、このような抽選形式での応援アイテムNFTの付与を採用することで、抽選によりどのような応援アイテムNFTが付与されるかをユーザが把握することができず、イベント参加による特典の付与にゲーム性を与えることができる。
【0356】
(7-3)NFTに関する情報の他の例
各応援NFTに関する情報の他の例を説明する。
来場証明NFTのトークンに関する各種情報として、「イベント結果」が記録されてもよい。「イベント結果」には、該当するイベントの結果に関する情報が含まれる。イベントの結果に関する情報としては、例えば以下の内容が含まれる。
・スポーツイベントの場合における試合の進行および結果に関する情報
・音楽イベントの場合における演奏曲リスト
・各種イベントにおける来場者人数
【0357】
また、応援証明NFTおよび準公式応援アイテムNFTに関する情報として、「認証情報」が記録されてもよい。
認証情報は、当該応援証明NFTの発行が承認される根拠となった認証に用いられた情報である。来場証明NFTの認証情報は、例えば以下の情報を含む。
・チケット所有者とチケット使用者の同一性の確認結果(本人確認情報)
・認証の根拠となった認証コードの判定結果
・認証の根拠となったユーザ行動に対する判定結果(判定条件と評価対象のユーザ行動)
・認証の根拠となったユーザ属性に対する判定結果(判定条件と評価対象のユーザ属性)
【0358】
すなわち、認証情報は、認証に用いられたユーザの特徴量、属性、および行動に関する情報を含むため、トークンごとに固有の値となる。このため、仮に応援証明NFTとして、同じデジタルコンテンツに対して複数の応援証明NFTが紐づけられていた場合であっても、NFTに関する情報としてユーザ固有の認証情報を含むため、それぞれの応援証明NFTは固有のものとなり、希少性を有する。
【0359】
また、準公式応援アイテムNFTの認証情報としては、発行権限の根拠となった来場証明NFTの保有状態に関する情報が含まれてもよい。
また、認証情報には、発行の根拠となった権限を示す応援証明NFTに関する情報、又は当該応援証明NFTが発行された応援活動に関する情報が含まれてもよい。また、準公式応援アイテムNFTのデジタルコンテンツ上に認証情報を表示してもよい。
【0360】
また、チケット管理サーバ20、アイテム管理サーバ40、および応援NFT管理サーバ50に記録されている情報が、それぞれのNFTに直接書き込まれてもよい。
【0361】
(8)小括
以上説明したように、システム1では、実際にチケットを使用したこと(=イベント会場への来場、またはオンラインでのイベント視聴)により、使用者に対してデジタルコンテンツなどの特典が紐づけられ、特定のファン活動をしたことの証明となる応援証明NFT(来場証明NFT)を提供することができる。
このため、特典を得るためにチケットを購入して特典を得たのちに、チケットを転売するということができず、実際にチケットを使用してイベントに参加する必要がある。これにより、応援証明NFTを収集したいユーザの来場が促され、イベントへの参加の動機付けを効果的に行うことができる。
【0362】
また、システム1では、来場者と所有者との同一性がチェックされるので、チケットの購入により応援証明NFTを取得し、その後にチケットを他人に譲渡するといったチケットの買い占め、および転売行為を効果的に抑制することができる。
【0363】
また、システム1では、チケットの所有者の顔を撮影した画像を用いて、チケットの所有者と使用者の同一性を確認するので、他人になりすまして使用するといったことが行いにくく、確認結果の精度を確保することができる。
【0364】
また、システム1では、特典が、取引の対象として扱われるNFTを介してユーザに提供されるので、ユーザ同士が、自身が取得した応援証明NFTを、自由に取引の対象とすることができ、応援証明NFTの収集意欲を向上することができる。
【0365】
また、システム1では、応援証明NFTを所有する人に、イベントのチケット等の特典を提供することにより、NFTの価値をさらに高めることができる。
また、システム1では、応援証明NFTの所有状態が所定の条件を満たす場合に、追加の応援証明NFTを付与するので、NFTの収集意欲、ひいてはイベントへの参加意欲を一層効果的に向上することができる。
【0366】
また、システム1では、ユーザ端末10から、新たな準公式応援アイテムNFTの発行を求める発行申請を受け付けた際に、発行申請に係るユーザが、準公式応援アイテムNFTを発行する権限を保有するかどうかを判定する。そして、システム1では、発行申請に係るユーザが、準公式応援アイテムNFTを発行する権限を保有していると判定した際に、発行申請を承認する。
このため、準公式応援アイテムNFTを発行するユーザについてのみ、新たな準公式応援アイテムNFTの発行を承認することが可能となり、ファンにとって、準公式応援アイテムNFTを発行する権限となる来場証明NFTを獲得する動機付けを与えることができる。これにより、より一層のイベント参加の動機付けをファンであるユーザに対して行うことができる。
【0367】
また、システム1では、発行申請を承認する際に、発行の権限となる来場証明NFTと、発行申請に係る新たな準公式応援アイテムNFTに紐づけられるデジタルコンテンツと、の関連性を評価する。このため、当該来場証明NFTが付与されたイベントと無関係なデジタルコンテンツについて、新たな準公式応援アイテムNFTの発行をすることを防ぎ、ファン活動の一環として行われるべき準公式応援アイテムNFTの発行を、適切に管理することができる。
【0368】
また、システム1では、関連性を評価する際に、デジタルコンテンツとしての画像データについて、同一性の高い画像が既に公開されていないかどうかを判定する画像処理を行う。そして、当該画像データが、発行申請に係るユーザが所有する来場証明NFTが付与されたイベントにおいて撮影されたものかどうかを判定する。このため、例えばネット環境下に既に公開されている画像について、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請を受け付けた場合には、準公式応援アイテムNFTの発行に関する適切な運用を阻害する行為として検出し、新たな準公式応援アイテムNFTの発行申請を却下することができる。
【0369】
また、システム1では、来場証明NFTを付与するステップでは、電子チケットの使用が検出された時刻に応じて、電子チケットの所有者に対して付与する来場証明NFTの種類を変更する。
このため、例えばスポーツイベントのように、来場者が多く、来場時刻がばらつくようなイベントにおいて、早めに来場したユーザに対して、収集意欲を刺激する価値の高い特典が紐づけられた来場証明NFTを付与する発行条件を設定する。これにより、ユーザに対して、イベント主催者が所望する早期の来場を促すことができる。
【0370】
また、システム1では、電子チケットに係るイベント会場からの退出を検出し、来場証明NFTを付与する際には、イベント会場からの退出が検出された時刻に応じて、電子チケットの所有者に対して付与する来場証明NFTの種類を変更する。
このため、例えば遅い時間帯のイベントのように、終演後、イベント会場から早く来場者に退場をしてもらいたいような場合において、早めに退場したユーザに対して、収集意欲を刺激する価値の高い証明となる来場証明NFTを付与する発行条件を設定する。これにより、ユーザに対して、イベント主催者が所望する早期の退場を促すことができる。
【0371】
また、システム1では、電子チケットに係るイベントの終了までのユーザの行動を検出し、応援証明NFTを付与する際には、検出されたユーザの行動に応じて、付与する応援証明NFTの種類を変更する。このため、応援証明NFTを付与する条件として、各種のユーザの行動を設定しておくことで、イベント主催者が来場者に対して所望する行動を促すことができる。
【0372】
また、システム1では、応援証明NFTの保有状態の集計の指示を受け付けることで、評価対象ユーザについて、応援証明NFTの保有状態を集計する。そして、システム1では、集計した保有状態に基づいて、評価対象ユーザをスコアリングする。このため、ユーザのファンとしての承認欲求を刺激して、応援証明NFTの収集意欲を促進することができる。
【0373】
また、システム1では、ユーザの操作に応じて、当該ユーザが保有する応援証明NFTを、他のユーザが閲覧可能なデジタル環境下において一覧表示する。このため、ユーザが、自身が保有する応援証明NFTを収集アイテムとして他のユーザに開示することができ、ユーザのファンとしての承認欲求を更に効果的に刺激して、応援証明NFTの収集意欲を、より一層効果的に促進することができる。
【0374】
(9)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10と接続されてもよい。記憶装置21は、ネットワークNWを介して、チケット管理サーバ20と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、検札装置30と接続されてもよい。
【0375】
上記の検札処理は、
図22のように検札装置30が単独で行ってもよいし、検札装置30と他の装置(例えばチケット管理サーバ20)とが協働して行ってもよい。
【0376】
また、チケットの使用者と来場者の同一性の確認に用いられる特徴量について、顔の特徴量に代えて、他のバイオメトリクス(例えば、指紋、掌紋、虹彩、静脈、筋電位など)に関する特徴量を用いて来場者の入場の可否を判定してもよい。
また、赤外線、RFID、音波、レーザ型の一次元バーコードリーダー等のその他のセンサにより、ユーザ固有の情報を取得してもよい。
また、複数種類の特徴量を用いて来場者の入場の可否を判定してもよい。
【0377】
また、チケットの所有者と、来場者の同一性の確認は、チケット情報へのアクセスの際に要求される本人認証により行ってもよい。具体的には、ユーザがチケット情報を表示させる際に入力するアカウント情報、SMS認証、端末ID認証、応援NFT管理サーバ50が提供するNFT管理プラットフォームのアカウント認証、ウォレットアカウントのアカウント認証などにより、チケットの所有者と、来場者の同一性の確認を行ってもよい。
【0378】
また、チケット購入時に応援NFT管理サーバ50が提供するNFT管理プラットフォームのアカウント情報の登録が済んでいること、又はウォレットアカウント情報の登録が済んでいることを要求してもよい。これにより、他人になりすましをする不正行為を効果的に防止することができる。
【0379】
また、上記実施形態では、チケットの所有者と、来場者の同一性の確認(本人確認)を行ったうえで、応援証明NFTである来場証明NFTを付与する処理を説明したが、この限りではない、応援証明NFTの付与の認証において、本人確認は省略してもよい。
【0380】
また、上記実施形態では、使用者がイベント会場に来場する態様について説明した。しかしながら、例えばイベントがオンラインイベントの場合には、使用者がユーザ端末10に表示される視聴ボタンを押下することで、
図22に示すチケットの表示処理(ステップS111)が実行される。
【0381】
すなわち、チケットが、情報通信を介して提供されるイベントに関するものである場合には、チケットを用いてユーザが情報通信の提供を受けることをチケットの使用と呼び、チケットの使用の検出は、情報通信の提供の開始により実行される。
また、検札装置30は、入場可否の判定(
図22に示すステップS312)に代えて、視聴可否の判定を行う。
【0382】
また、上記実施形態では、チケット管理サーバ20が、チケット情報をユーザ端末10に送信する例を示した。しかしながら、チケット管理サーバ20は、チケット情報の代わりに、当該チケット情報の保存されたリソースを参照するためのリソース情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))をユーザ端末10へ送信してもよい。来場者は、自らのユーザ端末10によってリソース情報の示すリソースにアクセスすることで、当該ユーザ端末10のディスプレイにチケット情報を表示させることができる。
【0383】
また、上記実施形態では、チケット情報に含まれる情報の一部または全部は例えばQRコード(登録商標)を含む二次元コード、または他のコード情報に符号化される例を示した。一例として、チケットは、チケットIDと参照用文字列とがQRコード(登録商標)を含むことができる。
【0384】
チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、発券処理時に、例えば、チケットID、イベントID(チケットの対象となるイベントを識別する情報)、およびチケットの購入者の顔の特徴量とを引数として所定の関数の演算を行うことで、参照用文字列を生成する。
検札装置30の記憶装置31には、検札の対象となる興行に対応する興行IDと上記関数とが保存されている。
【0385】
検札装置30のプロセッサ32は、検札処理時に、チケットから読み取ったチケットIDと、記憶装置31から読み出した興行IDと、チケット使用者の顔の特徴量とを引数として、記憶装置31から読み出した関数の演算を行うことで、認証対象文字列を生成する。検札装置30は、チケットから読み取った参照用文字列を認証対象文字列と比較することで、チケットの使用者と所有者の同一性を判定する。
この例によれば、検札装置30の記憶装置31にユーザの個人的な情報を保存することなく、チケットの不正転売を抑制することができる。
【0386】
また、応援証明NFTの付与に際して、チケットへのもぎり後にユーザ端末10に送信されたシリアルコードの入力を要求し、シリアルコードへの認証に基づいて、来場者に対して応援証明NFTの付与を行ってもよい。シリアルコードとは、応援証明NFTの付与を承認するために設定された、所定の文字列で構成された識別子である。シリアルコードを用いることで、識別子の入力を受け付けて応援証明NFTを付与するので、他人による応援証明NFTの不正取得を効果的に防止することができる。
【0387】
この場合には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、チケット管理サーバ20から送信されたシリアルコードを受領して、記憶装置11に記憶する。シリアルコードの受領は、例えば該当するイベントチケットである電子チケットの券面にシリアルコードを記載する態様であってもよい。つまり、電子チケットの券面が、シリアルコードを含むように書き換えられてもよい。
【0388】
また、シリアルコードの付与は、チケット管理サーバ20から行われる態様に限られない。例えば、ユーザ端末10内に事前にダウンロードされたチケットデータのなかにシリアルコードを非表示の状態で記載する。そして、検札装置30によるもぎりが実行されたことをトリガーとして、ユーザ端末10内でシリアルコードを表示させる処理をおこなってもよい。
【0389】
また、上記実施形態では、新たな準公式応援アイテムNFTの発行をする権限を示す応援証明NFTとして、来場証明NFTが設定されている構成を示したが、この限りではない。準公式応援アイテムNFTを発行する権限を示す応援証明NFTは、来場証明NFTに限定されず、ユーザの属性、行動を条件として付与されるその他の応援証明NFTであってもよい。
【0390】
また、準公式応援アイテムNFTに紐づけられる創作物は、デジタルコンテンツに限られない。例えば、年間30試合以上、対象概念としてのスポーツチームの観戦をした人に発行される応援証明NFTを保有していることで、NFTが関連付けられた当該チームに関する準公式のオリジナルステッカー(物理アイテム)を独自に製作して販売できるといった権利であってもよい。
【0391】
また、上記実施形態では、応援証明NFTの発行条件が、ユーザ属性、ユーザのイベント来場を含む各種の行動、およびユーザの応援証明NFTの保有状態といういずれもユーザ自身に起因する事項に基づいて設定されていたが、この限りではない。
すなわち、システム1における応援証明NFTの発行条件は、ユーザ自身に起因しない事項に基づいて設定されてもよい。その一例を以下に示す。
【0392】
・イベントの結果に関する事項(試合の勝敗結果、観客動員数、得点数など)
この場合には、イベント中の試合の応援を促進することができる。
・特定の選手の活躍に関する事項(ホームラン、ゴール、ファインプレーなど)
この場合には、当該選手の応援を促進することができる。
・イベント当日の天候に関する事項(悪天時の特典として)
この場合には、悪天によるイベント参加者の減少を抑制することができる。
【0393】
発行条件としては、「イベント会場への入場」に加えて「イベント会場内のブース企画に参加」「ライブ配信視聴」などであってもよい。これにより、来場証明だけでなく、「スポンサー企画参加証明」「ライブ配信視聴証明」などといった、応援記録を実現できる。また、発行条件DBは、購入履歴に関する情報とつながることで「グッズ購入」「寄付」などをトリガーとした応援記録を発行することもできる。
【0394】
本発明で管理するチケットとしては、各種のイベントに参加するためのチケットの他、以下のチケットが含まれてもよい。
・店舗において各種のサービスの提供を受けるための各種クーポン等
・鉄道や航空機等の交通機関を利用するためのチケット
・テーマパークや美術館などの各種施設を利用するためチケット
・オンラインイベントを視聴するためのチケット
また、チケットとしてはこれらに限られず、商品又は役務の提供を受ける権限を有する様々な証票が含まれてもよい。
【0395】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組合せ可能、またはその一部を省略可能である。
【0396】
(10)付記
実施形態および変形例で説明した事項を、以下に付記する。
【0397】
(付記1)
プロセッサを備え、デジタルコンテンツについて所有者の情報が分散型台帳に記録される非代替性トークンであるNFTを管理するシステムの処理に用いられるプログラムであって、
プログラムは、プロセッサに、
ユーザが使用するユーザ端末から、ファン活動の一環として発行されるNFTである準公式応援アイテムNFTの発行を求める発行申請を受け付けるステップ(ステップS632)と、
発行申請に係るユーザについて、その所有者が新たに準公式応援アイテムNFTを発行する権限を保有するかどうかを判定するステップ(ステップS633)と、
発行申請に係るユーザが、権限を保有していると判定した際に、発行申請を承認するステップ(ステップS635)と、を実行させるプログラム。
【0398】
(付記2)
権限は、
各種のイベントに関する電子チケットの使用の検出に応じて、電子チケットの所有者に対して付与され、イベントへの当該所有者の来場履歴を証明する機能を有し、非代替性トークンである来場証明と関連付けられている、請求項1に記載のプログラム。
【0399】
(付記3)
発行申請を承認するステップ(ステップS635)に先立って、
プロセッサに、
発行申請に係るユーザが所有する権限と、発行申請に係る新たな準公式応援アイテムNFTに紐づけられたデジタルコンテンツと、の関連性を評価する(ステップS634)ステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【0400】
(付記4)
関連性の有無を判定するステップ(ステップS634)では、
デジタルコンテンツとしての画像データについて、同一性の高い画像が既に公開されていないかどうかを判定する画像処理を行い、画像データが、発行申請に係るユーザが所有する権限が付与されたイベントにおいて撮影されたものかどうかを判定する、請求項3に記載のプログラム。
【0401】
(付記5)
プロセッサに、さらに、
イベントに関する電子チケットの使用を検出するステップ(ステップS211)と、
電子チケットの使用の検出に応じて、電子チケットの所有者に対して、イベント参加の証明として、権限を示す応援証明NFTを付与するステップ(ステップS614)と、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【0402】
(付記6)
応援証明NFTを付与するステップ(ステップS614)では、
電子チケットの使用が検出された時刻に応じて、電子チケットの所有者に対して付与する応援証明NFTの種類を特定する、請求項5に記載のプログラム。
【0403】
(付記7)
プロセッサに、さらに
電子チケットに係るイベント会場からの退出を検出するステップを実行させ、
応援証明NFTを付与するステップ(ステップS614)では、
イベント会場からの退出が検出された時刻に応じて、電子チケットの所有者に対して付与する応援証明NFTの種類を特定する、請求項5に記載のプログラム。
【0404】
(付記8)
プロセッサに、さらに
電子チケットに係るイベントの終了までのユーザの行動情報を取得するステップ(ステップS622)と、
取得したユーザの行動に応じて、電子チケットの所有者に対して、所定の発行条件に応じた種類の応援証明NFTを付与するステップ(ステップS624)と、を実行させる、請求項5に記載のプログラム。
【0405】
(付記9)
プロセッサに、さらに、
応援証明NFTの保有状態の集計の指示を受け付けるステップ(ステップS651)と、
評価対象ユーザについて、保有状態を集計するステップ(ステップS652)と、
集計した保有状態に基づいて、評価対象ユーザをスコアリングするステップ(ステップS653)と、を実行させる、請求項5に記載のプログラム。
【0406】
(付記10)
プロセッサに、さらに、
ユーザの操作に応じて、当該ユーザが保有する応援証明NFTを、他のユーザが閲覧可能なデジタル環境下において一覧表示するステップ(ステップS662)を実行させる請求項9のプログラム。
【0407】
(付記11)
プロセッサを備え、デジタルコンテンツについて所有者の情報が分散型台帳に記録される非代替性トークンであるNFTを管理するシステムの処理に用いられる方法であって、
プログラムは、プロセッサが、
ユーザが使用するユーザ端末から、ファン活動の一環として発行されるNFTである準公式応援アイテムNFTの発行を求める発行申請を受け付けるステップ(ステップS632)と、
発行申請に係るユーザについて、その所有者が新たに準公式応援アイテムNFTを発行する権限を保有するかどうかを判定するステップ(ステップS633)と、
発行申請に係るユーザが、権限を保有していると判定した際に、発行申請を承認するステップ(ステップS635)と、を実行する方法。
【0408】
(付記12)
プロセッサを備え、デジタルコンテンツについて所有者の情報が分散型台帳に記録される非代替性トークンであるNFTを管理するシステムであって、
プログラムは、プロセッサが、
ユーザが使用するユーザ端末から、ファン活動の一環として発行されるNFTである準公式応援アイテムNFTの発行を求める発行申請を受け付ける手段と、
発行申請に係るユーザについて、その所有者が新たに準公式応援アイテムNFTを発行する権限を保有するかどうかを判定する手段と、
発行申請に係るユーザが、権限を保有していると判定した際に、発行申請を承認する手段と、を備えるシステム。
【符号の説明】
【0409】
1 :NFT管理システム
10 :ユーザ端末
20 :チケット管理サーバ
30 :検札装置
40 :アイテム管理サーバ40
50 :応援NFT管理サーバ
90 :P2P分散システム