(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099135
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】扉連結型ロッカー
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002847
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】512331533
【氏名又は名称】株式会社LEC
(74)【代理人】
【識別番号】100148714
【弁理士】
【氏名又は名称】川浪 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100092668
【弁理士】
【氏名又は名称】川浪 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100154232
【弁理士】
【氏名又は名称】幸田 京子
(72)【発明者】
【氏名】山田 輝
(72)【発明者】
【氏名】山田 めぐみ
【テーマコード(参考)】
3B067
【Fターム(参考)】
3B067AA01
3B067AA05
3B067AA11
3B067DA00
(57)【要約】
【課題】扉の連結強度を向上することが可能な扉連結型ロッカーを提供する。
【解決手段】扉連結型ロッカー100は、下段ロッカー100aと、下段ロッカー上に積み上げて連結された上段ロッカー100bと、下段扉パネル10aと上段扉パネル10bとを連結する扉連結具30及び支軸70とを具備し、下段扉パネル及び上段扉パネルは、扉連結具に対向する面に第1及び第2の開口部11a、11bを有し、扉連結具は、本体部40と、本体部から下段扉パネル及び上段扉パネルの方向にそれぞれ突出する第1及び第2の突起部50a、50bとを有し、第1及び第2の突起部は第1及び第2の開口部にそれぞれ嵌め込まれることで、下段扉パネルと上段扉パネルとが連結されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下段扉パネルを有する下段ロッカーと、
前記下段ロッカー上に積み上げて連結され、上段扉パネルを有する上段ロッカーと、
前記下段扉パネル及び前記上段扉パネル間に設けられ、前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとを連結する扉連結具と、
前記下段扉パネル及び前記上段扉パネル間の端部に設けられ、前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとを連結する支軸と
を具備し、
前記下段扉パネルは、前記扉連結具に対向する面に第1の開口部を有し、
前記上段扉パネルは、前記扉連結具に対向する面に第2の開口部を有し、
前記扉連結具は、本体部と、前記本体部から前記下段扉パネルの方向に突出する第1の突起部と、前記本体部から前記上段扉パネルの方向に突出する第2の突起部とを有し、
前記第1の突起部は前記第1の開口部に嵌め込まれ、前記第2の突起部は前記第2の開口部に嵌め込まれることで、前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとが連結されていることを特徴とする扉連結型ロッカー。
【請求項2】
前記第1の突起部は、第1の突起本体部と、前記第1の突起本体部から前記支軸の方向に突出する第1の突出部と、前記第1の突出部の前記本体部に対向する面に設けられた第1の凸部とを有し、
前記第2の突起部は、第2の突起本体部と、前記第2の突起本体部から前記支軸の方向に突出する第2の突出部と、前記第2の突出部の前記本体部に対向する面に設けられた第2の凸部とを有し、
前記下段扉パネルは、前記第1の開口部から前記支軸の方向に開口する第1の溝を有し、
前記上段扉パネルは、前記第2の開口部から前記支軸の方向に開口する第2の溝を有し、
前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとを連結する際、前記第1の凸部は前記第1の溝に嵌め込まれ、前記第2の凸部は前記第2の溝に嵌め込まれることを特徴とする請求項1に記載の扉連結型ロッカー。
【請求項3】
前記第1の突起部は、前記第1の突出部の根元に形成された第1のストッパ溝を有し、
前記第2の突起部は、前記第2の突出部の根元に形成された第2のストッパ溝を有し、
前記下段扉パネルは、前記第1の開口部と前記第1の溝との境界部分に形成された第1のストッパ凸部を有し、
前記上段扉パネルは、前記第2の開口部と前記第2の溝との境界部分に形成された第2のストッパ凸部を有し、
前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとを連結する際、前記第1のストッパ凸部は前記第1のストッパ溝に嵌め込まれ、前記第2のストッパ凸部は前記第2のストッパ溝に嵌め込まれることを特徴とする請求項2に記載の扉連結型ロッカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に積み重ねたロッカーの扉を連結した扉連結型ロッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
収容家具は、学校、オフィス、工場、病院、娯楽施設等において広く使用されている。収容家具は、例えば下駄箱、キャビネット、ロッカーのように、主要部材として、天板、地板(底板)、側板、背板を組み合わせて箱形構造に構成され、物品等の収納、保管等に用いられている。
【0003】
このような収容家具では、設置場所や用途によって、様々な大きさのロッカーが利用されている。例えば、貴重品や靴等には小型のロッカーが使用され、コート等の衣類には大型のロッカーが使用されている。このため、ロッカーの大きさに応じて、様々な大きさのロッカーの扉が製造されている。
【0004】
一方、収納スペースの大きさに応じた扉を用いず、上下方向に配列された複数の扉を連結することで1つの扉を形成する例が知られている。このような収納家具の具体例として、特許文献1及び特許文献2に記載されたものがある。特許文献1及び特許文献2には、複数の扉を連結することによって形成された長尺の扉を有する収納家具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6560129号公報
【特許文献2】特開2019-72426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、大型ロッカーの扉は、長尺の金型を用いて製造するため、この大きさに応じた金型を作成しなければならない。このため、生産効率が悪いと共に、コストもかかることが懸念されている。
また、特許文献1及び特許文献2は、複数の扉の連結が簡易的な構造のため、連結強度が乏しい恐れがある。
そこで、本発明は、扉の連結強度を向上することが可能な扉連結型ロッカーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による扉連結型ロッカーは、下段扉パネルを有する下段ロッカーと、前記下段ロッカー上に積み上げて連結され、上段扉パネルを有する上段ロッカーと、前記下段扉パネル及び前記上段扉パネル間に設けられ、前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとを連結する扉連結具と、前記下段扉パネル及び前記上段扉パネル間の端部に設けられ、前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとを連結する支軸とを具備し、前記下段扉パネルは、前記扉連結具に対向する面に第1の開口部を有し、前記上段扉パネルは、前記扉連結具に対向する面に第2の開口部を有し、前記扉連結具は、本体部と、前記本体部から前記下段扉パネルの方向に突出する第1の突起部と、前記本体部から前記上段扉パネルの方向に突出する第2の突起部とを有し、前記第1の突起部は前記第1の開口部に嵌め込まれ、前記第2の突起部は前記第2の開口部に嵌め込まれることで、前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとが連結されている。
【0008】
前記扉連結型ロッカーにおいて、前記第1の突起部は、第1の突起本体部と、前記第1の突起本体部から前記支軸の方向に突出する第1の突出部と、前記第1の突出部の前記本体部に対向する面に設けられた第1の凸部とを有し、前記第2の突起部は、第2の突起本体部と、前記第2の突起本体部から前記支軸の方向に突出する第2の突出部と、前記第2の突出部の前記本体部に対向する面に設けられた第2の凸部とを有し、前記下段扉パネルは、前記第1の開口部から前記支軸の方向に開口する第1の溝を有し、前記上段扉パネルは、前記第2の開口部から前記支軸の方向に開口する第2の溝を有し、前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとを連結する際、前記第1の凸部は前記第1の溝に嵌め込まれ、前記第2の凸部は前記第2の溝に嵌め込まれてもよい。
【0009】
前記扉連結型ロッカーにおいて、前記第1の突起部は、前記第1の突出部の根元に形成された第1のストッパ溝を有し、前記第2の突起部は、前記第2の突出部の根元に形成された第2のストッパ溝を有し、前記下段扉パネルは、前記第1の開口部と前記第1の溝との境界部分に形成された第1のストッパ凸部を有し、前記上段扉パネルは、前記第2の開口部と前記第2の溝との境界部分に形成された第2のストッパ凸部を有し、前記下段扉パネルと前記上段扉パネルとを連結する際、前記第1のストッパ凸部は前記第1のストッパ溝に嵌め込まれ、前記第2のストッパ凸部は前記第2のストッパ溝に嵌め込まれてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、扉の連結強度を向上することが可能な扉連結型ロッカーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1(a)乃至(d)は、本発明の一実施形態に係る扉連結型ロッカーの前面図、背面図、左側面図及び右側面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る扉連結型ロッカーの斜視図を示す。
【
図3】
図3(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るロッカーの連結式扉パネルの外面及び内面についての正面図を示す。
【
図4】
図4(a)乃至(g)は、本発明の一実施形態に係る連結式扉パネルの扉連結具の上面図、左側面図、外面図、右側面図、底面図、内面図及び斜視図を示す。
【
図5】
図5(a)乃至(i)は、本発明の一実施形態に係る連結式扉パネルにおける扉連結具の突起部の上面図、左側面図、内面図、右側面図、底面図、外面図及び斜視図を示す。
【
図6】
図6(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る扉パネルの外面及び内面についての斜視図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る連結式扉パネルの内面の一部拡大図を示す。
【
図8】
図8(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る連結式扉パネルの内面の支軸周辺の拡大図を示す。
【
図9】
図9(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るロッカーの連結式扉パネルの外面及び内面についての連結工程図を示す。
【
図10】
図10(a)及び(b)は、
図9(a)及び(b)に続く、本発明の一実施形態に係るロッカーの連結式扉パネルの外面及び内面についての連結工程図を示す。
【
図11】
図11(a)及び(b)は、
図10(a)及び(b)に続く、本発明の一実施形態に係るロッカーの連結式扉パネルの外面及び内面についての連結工程図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。但し、これらの実施形態はいずれも例示であり、本発明についての限定的解釈を与えるものではない。尚、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、共通する参照符号を付す。
【0013】
[1]扉連結型ロッカー
図1(a)乃至(d)は、本発明の一実施形態に係る扉連結型ロッカーの前面図、背面図、左側面図及び右側面図を示す。
図2は、本発明の一実施形態に係る扉連結型ロッカーの斜視図を示す。以下、本実施形態に係る扉連結型ロッカーについて説明する。
【0014】
図1(a)乃至(d)、
図2に示すように、本実施形態の扉連結型ロッカー100は、下段ロッカー100aと上段ロッカー100b(これらをロッカー100と称することもある)とを有し、これらのロッカー100a及び100bが上下に積み上げられた多段式構造になっている。
【0015】
ロッカー100は、扉パネル10(10a及び10b)、右側面パネル21(21a及び21b)、左側面パネル22(22a及び22b)、背面パネル23(23a及び23b)、底面パネル24、上面パネル25、扉連結具30及びロッカー連結具60を備えている。
【0016】
上述する各パネルは略長方形であり、これらが連結固定され、略直方体のロッカー100を構成する。ここで、「略長方形」とは、完全な長方形に加えて、ロッカー100の機能を発揮できる限りにおいて変更が加えられたもの、例えば一部に曲線部を有するもの等を含むという意味であり、「略直方体」についても同様とする。
【0017】
扉パネル10、右側面パネル21、左側面パネル22及び背面パネル23は、ロッカー100の収容領域の垂直面を構成する方向に(主面が垂直に)配置される。右側面パネル21及び左側面パネル22は、互いに対向して配置される。扉パネル10及び背面パネル23は、互いに対向して配置される。
【0018】
底面パネル24及び上面パネル25は、ロッカー100の収容領域の水平面を構成する方向に(主面が水平に)配置される。底面パネル24及び上面パネル25は、互いに対向して配置される。
【0019】
背面パネル23は、それぞれの辺が、右側面パネル21、左側面パネル22、底面パネル24、上面パネル25の1辺と連結固定することが可能である。
【0020】
ロッカー連結具60は、例えばコの字形状となっており、下段ロッカー100aと上段ロッカー100bとを連結させている。具体的には、ロッカー連結具60は、右側面パネル21a及び21b、左側面パネル22a及び22b、背面パネル23a及び23bを連結させている。
尚、ロッカー100a及び100b間においては、仕切り板(図示せず)の有無は問わない。
【0021】
このような本実施形態におけるロッカー100a及び100bを2段に積み重ねた多段式構造のロッカー100では、下段ロッカー100aの扉パネル10aと上段ロッカー100bの扉パネル10bとの間に扉連結具30が設けられ、この扉連結具30によって下段扉パネル10aと上段扉パネル10bが連結されている。これにより、連結式扉パネル10が構成されている。
【0022】
本実施形態の連結式扉パネル10は、扉連結具30によって連結された下段扉パネル10aと上段扉パネル10bが1枚の扉となり、右側面パネル21側の連結部分を回転軸として開閉可能に設置されている。尚、連結式扉パネル10の回転軸は、左側面パネル22側に設けることも可能である。
【0023】
[2]連結式扉パネル
図3(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るロッカーの連結式扉パネルの外面及び内面についての正面図を示す。
図4(a)乃至(g)は、本発明の一実施形態に係る連結式扉パネルの扉連結具の上面図、左側面図、外面図、右側面図、底面図、内面図及び斜視図を示す。
図5(a)乃至(i)は、本発明の一実施形態に係る連結式扉パネルにおける扉連結具の突起部の上面図、左側面図、内面図、右側面図、底面図、外面図及び斜視図を示す。
図6(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る扉パネルの外面及び内面についての斜視図を示す。
図7は、本発明の一実施形態に係る連結式扉パネルの内面の一部拡大図を示す。以下、本実施形態に係るロッカーの連結式扉パネルについて説明する。
【0024】
図3(a)及び(b)に示すように、連結式扉パネル10は、下段扉パネル10a、上段扉パネル10b、扉連結具30、支軸70を有している。
扉連結具30及び支軸70が下段扉パネル10a及び上段扉パネル10b間に設けられ、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bに嵌合されることにより、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bからなる2枚のパネルが1枚の扉として機能する。
【0025】
[2-1]扉連結具
図4(a)乃至(g)に示すように、扉連結具30は、本体部40、突起部50a及び50b(50)を有している。
本体部40において、ロッカー100の表側の面は下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bの表面と一致するように平坦であり、裏側の面は空洞41を有し、複数のリブ42が形成されている(
図4(f)参照)。リブ42は、突起部50a及び50b間に多く形成することで、扉連結具30の強度を向上させている。
【0026】
本体部40の支軸70側の端部には、係合部43が形成されている。この係合部43は、本体部40の表面から一部が突出した形状を有し、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bの開閉の回転を妨げすに、支軸70を表面から隠す機能を有している。
【0027】
突起部50は、本体部40から下段扉パネル10aの方向に突出する第1の突起部50aと、本体部40から上段扉パネル10bの方向に突出する第2の突起部50bとを有している。
第1の突起部50aと第2の突起部50bとは、本体部40を挟んで対向する同じ位置に配置されている。これにより、突起部50の取り付けが容易であり、突起部50の強度も向上させることができる。但し、第1の突起部50aと第2の突起部50bとは、本体部40を挟んで異なる位置にずらして配置することも可能である。
【0028】
第1の突起部50aは、本体部40の下段扉パネル10a側に3つ設けられ、第2の突起部50bは、本体部40の上段扉パネル10b側に3つ設けられている。つまり、第1の突起部50a及び第2の突起部50bは、それぞれ同じ数(本実施形態では3つ)だけ配置されている。但し、第1の突起部50a及び第2の突起部50bは、異なる数にしてもよいし、個数も種々変更可能である。
【0029】
第1の突起部50a及び第2の突起部50bは、本実施形態ではそれぞれ3つ設けられているが、全体的に支軸70側に少し寄せて配置されている。これにより、扉の開閉によってがたつきの発生が生じ易い支軸70側を、より強固な連結にすることができる。但し、第1の突起部50a及び第2の突起部50bは、本体部40の長軸方向に均一に配置することも可能である。
【0030】
図4、
図5(a)乃至(i)に示すように、突起部50は、突起本体部51、突出部52、スライド凸部53、ストッパ溝54、リブ56を有している。
突起本体部51は、扉連結具30の本体部40の下面及び上面(下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bに対向する面)に設けられている。突起本体部51の根元には、本体部40のリブ42が多く設けられ、突起部50の折れ等を防止し、強度を向上させている。
【0031】
突出部52は、突起本体部51から支軸70の方向に突出している。つまり、第1の突起部50aの突出部52と第2の突起部50bの突出部52は、同じ方向(支軸70の方向)に突出している。
【0032】
スライド凸部53は、突出部52における本体部40に対向する面に設けられている。スライド凸部53は、本体部40に向かって突起が形成されているが、本体部40と離間して接していない。スライド凸部53は、突出部52の幅よりも細く、突出部52の突出方向に延びている。
【0033】
ストッパ溝54は、突出部52の根元に例えば曲線を描いて形成されている。ストッパ溝54は、スライド凸部53の延在方向に対して垂直な方向に延びている。
【0034】
突起部50は、平坦な面と、空洞55を有する面とで構成されている。突起部50の空洞55を有する面は、複数のリブ56が形成されている。これにより、コストの低減を図りつつ、突起部50の強度を高めることができる。
【0035】
突起部50のリブ56が視認できるリブ面50Rは、本体部40のリブ42が視認できるリブ面40Rと反対に配置されている(
図4(f)及び(g)参照)。これらリブ面40R、50Rは、美観性の向上を図るため、できるだけ人目に触れないように配置されている。つまり、本体部40のリブ面40Rは、ロッカー100の内側に配置され、突起部50のリブ面50Rは、扉パネル10側に配置されている。
【0036】
[2-2]扉パネル
図6(a)及び(b)、
図7に示すように、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bは、開口部11(11a及び11b)、スライド溝12(12a及び12b)、ストッパ凸部13(13a及び13b)、取っ手部14(14a及び14b)、貫通孔15(15a及び15b)、支軸孔16(16a及び16b)をそれぞれ有している。
【0037】
開口部11は、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bにおける扉連結具30に対向するフレーム面にそれぞれ形成されている。開口部11は、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bに、突起部50a及び50bの数に対応した数(本実施形態では3つ)がそれぞれ設けられている。但し、開口部11の数は、突起部50a及び50bの数に応じて種々変更することが可能である。
【0038】
開口部11は、突起部50の突起本体部51及び突出部52を合わせた大きさが通る大きさを有している。これにより、扉連結の際、開口部11に突起部50が挿入可能になる。
【0039】
スライド溝12は、開口部11から支軸70の方向に開口している。このスライド溝12の幅は、開口部11の幅よりも細くなっている。スライド溝12は、スライド凸部53の大きさに対応した大きさを有している。これにより、扉連結の際、スライド溝12にスライド凸部53が挿入可能になる。
【0040】
ストッパ凸部13は、開口部11とスライド溝12との境界部分に形成され、フレーム面より例えばラウンド状に突出している。ストッパ凸部13は、ストッパ溝54に係合可能な大きさを有している。
【0041】
取っ手部14は、扉パネル10の左側(左側面パネル22側)の辺の近傍に配置されている。本実施形態のように2枚の扉パネル10を連結する場合、一方の扉パネル10の取っ手部14を蓋部材で閉じることも可能である(
図1及び
図2参照)。尚、取っ手部14の位置や形状等は、種々変更可能である。
【0042】
貫通孔15は、扉パネル10表面の右下部に複数個設けられている。扉パネル10に貫通孔15を形成することで、パネル材の使用量を低減することができ、製造コストを低減することができる。また、ロッカー100の内部の通気性が確保され、衣類等の長期保存が可能となる。さらに、複数配置された貫通孔15は、ロッカー100の意匠性にも寄与し、例えば、本実施形態のように桜の花びら模様にすることで意匠性を向上させることができる。また、ロッカー100の内部に保存する内容物によって貫通孔15の形成パターンを変えることで、扉パネル10を開けることなく内容物の特定が可能となる。
【0043】
支軸孔16は、扉パネル10のフレームの支軸70側の端部に形成されている。例えば、支軸孔16aは開口しており、支軸孔16bは凹部で構成されている。この支軸孔16により、支軸70が着脱可能になっている。
【0044】
上述する本実施形態の連結式扉パネル10では、下段扉パネル10aと上段扉パネル10bとを連結する際、突起部50aは開口部11aに挿入され、突起部50bは開口部11bに挿入される。スライド凸部53aはスライド溝12aに嵌め込まれ、スライド凸部53bはスライド溝12bに嵌め込まれる。ストッパ凸部13aはストッパ溝54aに嵌め込まれ、ストッパ凸部13bはストッパ溝54bに嵌め込まれる。
【0045】
[2-3]支軸
図8(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る連結式扉パネルの内面の支軸周辺の拡大図を示す。
図8(a)及び(b)に示すように、支軸70は、軸対称形状(円柱)をなし、連結式扉パネル10の連結部分を構成する。支軸70の一端70aは、径が細くなっている。支軸70は、扉パネル10と一体成形せず、別部品として構成されている。支軸70は、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10b間の端部に設けられた支軸孔16a、16bに着脱可能で嵌め込まれる。
【0046】
支軸70を支軸孔16a、16bにそれぞれ嵌合することで、連結式扉パネル10が構成され、この扉パネル10は、回動可能に底面パネル24及び上面パネル25に連結される。従って、利用者は、取っ手部14を把持し、扉パネル10における支軸70側を回転軸として扉パネル10を開閉することが可能である。
【0047】
尚、扉パネル10は、必要に応じて施錠機構を備えてもよい。また、ロッカー100の内部の通気性については、必要に応じ、扉パネル10及び背面パネル23以外のパネルにも貫通孔を設けてもよい。
【0048】
[3]その他のパネル
図2に示すように、右側面パネル21は、凹部21-1を有している。凹部21-1は、右側面パネル21の表面に設けられている。凹部21-1は、ロッカー100を持ち運ぶ際に手を引っ掛けることで運びやすさを向上させることができる。凹部21-1の数は、1つでも複数でもよく、本実施形態のように例えば3つ設けることで、利用者の身体の大きさに応じて、手を掛ける位置を選択することが可能となっている。凹部21-1の位置は、図示する配置に限定されず、種々変更可能である。
尚、左側面パネル22も、右側面パネル21と同様の構造である。
【0049】
図1(b)に示すように、背面パネル23は、貫通孔23-1を有している。貫通孔23―1は、背面パネル23に複数個設けられている。背面パネル23に貫通孔23―1を形成することで、パネル材の使用量を低減することができ、製造コストを低減することができる。また、ロッカー100の内部の通気性が確保され、衣類等の長期保存が可能となる。
尚、本実施形態において、例えば建物の壁等に接して配置する場合等、壁を背面パネル23として利用することで、背面パネル23を省略することも可能である。
【0050】
図2に示すように、上面パネル25は、溝部25―1を有している。溝部25―1は、上面パネル25の上面における左右及び背面側の端に設けられている。溝部25―1は、上段に積層するロッカー100と固定するためのジョイント部材(図示せず)が嵌め込まれてもよい。但し、多段式の最上段のロッカー100等では、上面パネル25の溝部25―1に溝隠し用の蓋部材(図示せず)を取り付けてもよい。
尚、底面パネル24も、上面パネル25と同様の構造を有している。
【0051】
[4]ロッカー材料
本実施形態のロッカー100を構成する各パネル(扉パネル10、右側面パネル21、左側面パネル22、背面パネル23、底面パネル24及び上面パネル25)、扉連結具30、ロッカー連結具60及び支軸70の材質としては、例えば、スチール、アルミニウム、銅等の金属、木材を用いることもできるが、ABS樹脂やPH樹脂等の合成樹脂を用いることが好ましい。
【0052】
このようにすることで、軽量で耐久性に優れ、組立作業の負担が軽減され、廃棄も容易となる。また、このような樹脂のプラスチック製のロッカー100は錆びることがないため、プール施設、水を扱う工場、学校や銭湯等の水場付近での使用にも適している。プラスチック製の各パネルは、例えば、環境に配慮した再生資源を含むプラスチックや再生可能プラスチック、生分解プラスチック等を用いることが好ましい。
【0053】
[5]連結式扉パネルの連結方法
本実施形態のロッカー100は、ロッカー100を複数個(例えば2個)縦方向に積み上げ、扉パネル10を連結している。
【0054】
図9(a)及び(b)、
図10(a)及び(b)、
図11(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るロッカーの連結式扉パネルの外面及び内面についての連結工程図を示す。以下、本実施形態に係るロッカーの連結式扉パネルの連結方法について説明する。
【0055】
まず、
図9(a)及び(b)に示すように、連結式扉パネル10として、下段扉パネル10a、上段扉パネル10b、扉連結具30、支軸70が用意される。
【0056】
次に、
図10(a)及び(b)は、扉連結具30と下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bとが連結固定される前の状態を示す。この状態では、まず、支軸70の両端が支軸孔16a、16bにそれぞれ挿通される。そして、扉連結具30の突起部50aが下段扉パネル10aの開口部11aに嵌め込まれ、扉連結具30の突起部50bが上段扉パネル10bの開口部11bに嵌め込まれる。
【0057】
この際、扉連結具30の本体部40の端部(支軸70と反対側の端部)は、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bの側面から突出している。そして、扉連結具30は、扉連結具30と下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bとが嵌め込まれた第1の位置に配置されている。この第1の位置は、連結固定前の準備位置に相当する。
【0058】
次に、
図11(a)及び(b)は、扉連結具30と下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bとが連結固定された後の状態を示す。つまり、扉連結具30の本体部40を支軸70の方向にスライド移動させることで、扉連結具30が下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bと連結固定される。
【0059】
具体的には、突起部50aのスライド凸部53aはスライド溝12aに嵌め込まれ、突起部50bのスライド凸部53bはスライド溝12bに嵌め込まれる。ここで、スライド溝12a及び12bは、スライド凸部53a及び53bの移動をガイドしている。
この際、下段扉パネル10aのストッパ凸部13aは突起部50aのストッパ溝54aに嵌め込まれ、上段扉パネル10bのストッパ凸部13bは突起部50bのストッパ溝54bに嵌め込まれる。
【0060】
この状態における扉連結具30は、扉連結具30と下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bとが連結固定された第2の位置に配置されている。この第2の位置は、連結固定位置に相当する。
このような連結式扉パネルの連結方法により、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bからなる2枚のパネルが1枚の扉として機能する連結式扉パネル10が完成する。
【0061】
尚、本実施形態では、2段のロッカー100a及び100bを積み上げ、2枚の扉パネル10a及び10bの連結について説明したが、これに限定されない。例えば、3段のロッカーを積み上げ、3枚の扉パネルを連結することも可能である。また、3段のロッカーを積み上げ、そのうちの2枚の扉パネルだけを連結することも可能である。
【0062】
[5]効果
本実施形態に係る扉連結型ロッカー100は、下段のロッカー100aと、この下段のロッカー100a上に積み上げて連結された上段のロッカー100bとを有する多段式ロッカーである。このロッカー100において、扉連結具30により、下段扉パネル10aと上段扉パネル10bとが連結され、1枚の扉が構成されている。これにより、通常の大きさの扉を連結することで大型ロッカーの扉として機能させることができるため、大型の扉の金型を用いることなく、大型ロッカーを作ることができる。従って、生産効率を向上でき、コストも低減することができる。さらに、大型ロッカーの場合であっても大きな扉を用いる必要がないため、梱包及び運搬の効率性を向上できる。
【0063】
また、本実施形態に係る扉連結型ロッカー100において、扉連結具30は、本体部40と、本体部40から下段扉パネル10aの方向に突出する第1の突起部50aと、本体部40から上段扉パネル10bの方向に突出する第2の突起部50bとを有している。そして、第1の突起部50aは、下段扉パネル10aの開口部11aに嵌め込まれ、第2の突起部50bは、上段扉パネル10bの開口部11bに嵌め込まれる。これにより、下段扉パネル10aと上段扉パネル10bとが連結されている。従って、扉連結具30により、下段扉パネル10aと上段扉パネル10bとを容易かつ強固に係合させることができ、連結強度の高い連結型扉を形成することできる。
【0064】
また、本実施形態に係る扉連結型ロッカー100において、扉連結具30の突起部50a及び50bは、突起本体部51と、突起本体部51から支軸70の方向に突出する突出部52と、突出部52の本体部40に対向する面に設けられたスライド凸部53とをそれぞれ有している。また、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bは、開口部11a及び11bから支軸70の方向に開口するスライド溝12a及び12bをそれぞれ有している。そして、下段扉パネル10aと上段扉パネル10bとを連結する際、突起部50a及び50bを開口部11a及び11bに嵌め込んだ後、本体部40を支軸70の方向にスライド移動させることで、スライド凸部53はスライド溝12a及び12bにそれぞれ嵌め込まれる。これにより、下段扉パネル10aと上段扉パネル10bとの連結をより強固にすることが可能になる。また、ロッカー100の長期の使用により、振動等によって下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bの連結が緩むことを防止することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る扉連結型ロッカー100において、扉連結具30の突起部50a及び50bは、突出部52の根元に形成されたストッパ溝54を有し、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bは、開口部11a及び11bとスライド溝12a及び12bとの境界部分にストッパ凸部13a及び13bを有している。このため、下段扉パネル10aと上段扉パネル10bとの連結にあたり、本体部40を支軸70の方向にスライド移動させた際、ストッパ凸部13a及び13bがストッパ溝54に嵌め込まれるため、下段扉パネル10a及び上段扉パネル10bの連結強度をより高めることができる。また、ロッカー100の長期の使用による下段扉パネル10a及び上段扉パネル10b間の連結の緩みも、さらに抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、2枚の扉を連結する例を挙げたが、種々変更可能であり、3枚以上の扉を連結することも可能である。このため、扉サイズのバリエーションも向上できる。
【0067】
尚、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0068】
10…連結式扉パネル
10a…下段扉パネル
10b…上段扉パネル
11、11a、11b…開口部
12、12a、12b…スライド溝
13、13a、13b…ストッパ凸部
14、14a、14b…取っ手部
15、15a、15b…貫通孔
16、16a、16b…支軸孔
21、21a、21b…右側面パネル
21-1…凹部
22、22a、22b…左側面パネル
23、23a、23b…背面パネル
23-1…貫通孔
24…底面パネル
25…上面パネル
25―1…溝部
30…扉連結具
40…本体部
41…空洞
42…リブ
43…係合部
50、50a、50b…突起部
51…突起本体部
52…突出部
53…スライド凸部
54…ストッパ溝
55…空洞
56…リブ
60…ロッカー連結具
70…支軸
70a…支軸の一端
100…扉連結型ロッカー
100a…下段ロッカー
100b…上段ロッカー