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特開2024-99145生産管理装置、生産管理方法及び生産管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099145
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】生産管理装置、生産管理方法及び生産管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240718BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240718BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002867
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福山 像吾
(72)【発明者】
【氏名】岩井 義樹
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA01
3C100AA32
3C100AA45
3C100BB14
3C100BB17
3C100BB36
3C100BB39
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】工数の見積もり精度を向上できる生産管理装置、生産管理方法及び生産管理プログラム。
【解決手段】加工予定部品の暫定段取り工数を取得する暫定工数取得処理と、前記加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数を含む実績情報を取得する実績情報取得処理と、前記加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴を取得する履歴取得処理と、前記実績段取り工数と前記入出庫履歴から前記暫定段取り工数に対する補正条件を算出する補正条件算出処理と、前記補正条件に基づいて前記暫定段取り工数を補正する工数補正処理とを実行可能に構成されており、補正後の前記暫定段取り工数を前記加工予定部品の段取り工数として使用するよう構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工予定部品の暫定段取り工数を取得する暫定工数取得処理と、
前記加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数を含む実績情報を取得する実績情報取得処理と、
前記加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴を取得する履歴取得処理と、
前記実績段取り工数と前記入出庫履歴から前記暫定段取り工数に対する補正条件を算出する補正条件算出処理と、
前記補正条件に基づいて前記暫定段取り工数を補正する工数補正処理と
を実行可能に構成されており、
補正後の前記暫定段取り工数を前記加工予定部品の段取り工数として使用するよう構成されている
生産管理装置。
【請求項2】
前記実績情報は、前記実績段取り工数毎の段取り作業の少なくとも作業日と、前記実績段取り工数毎の前記段取り作業に係る前記加工予定部品と同じ部品の作成数とを含み、
前記入出庫履歴は、前記仕掛り在庫の少なくとも入出庫日と、前記入出庫日毎の前記仕掛り在庫の在庫数とを含み、
前記補正条件算出処理において、前記暫定段取り工数と、前記実績段取り工数と、前記加工予定部品と同じ部品の前記作成数と、前記段取り作業の直前の前記仕掛り在庫の前記在庫数とを参照して前記暫定段取り工数に対する前記補正条件を算出する
請求項1に記載の生産管理装置。
【請求項3】
前記補正条件算出処理において、前記実績段取り工数と、前記実績段取り工数に係る前記段取り作業の直前の前記仕掛り在庫の前記在庫数とに応じて前記暫定段取り工数の補正値を決定し、前記加工予定部品の前記仕掛り在庫の前記在庫数に応じて前記補正値を変更する
請求項2に記載の生産管理装置。
【請求項4】
前記暫定段取り工数は、前記加工予定部品の標準段取り工数である
請求項1又は2に記載の生産管理装置。
【請求項5】
前記暫定段取り工数は、前記加工予定部品の標準段取り工数を前記実績段取り工数に基づいて補正した工数である
請求項1又は2に記載の生産管理装置。
【請求項6】
前記実績段取り工数毎に前記標準段取り工数に対する工数の増減率を算出し、前記増減率の平均値に基づいて、前記標準段取り工数を補正するよう構成されている
請求項5に記載の生産管理装置。
【請求項7】
前記暫定段取り工数は、前記加工予定部品の標準段取り工数を前記加工予定部品の段取り作業を担当予定の作業者の作業者別実績情報に基づいて補正した工数である
請求項1又は2に記載の生産管理装置。
【請求項8】
前記作業者別実績情報は、前記作業者が前記段取り作業を担当した前記加工予定部品と異なる部品の前記実績段取り工数を含む
請求項7に記載の生産管理装置。
【請求項9】
加工予定部品の暫定段取り工数を取得する暫定工数取得工程と、
前記加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数を含む実績情報を取得する実績情報取得工程と、
前記加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴を取得する履歴取得工程と、
前記実績段取り工数と前記入出庫履歴から前記暫定段取り工数に対する補正条件を算出する補正条件算出工程と、
前記補正条件に基づいて前記暫定段取り工数を補正する工数補正工程と
を備え、
補正後の前記暫定段取り工数を前記加工予定部品の段取り工数として使用する
生産管理方法。
【請求項10】
加工予定部品の暫定段取り工数を取得する暫定工数取得処理と、
前記加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数を含む実績情報を取得する実績情報取得処理と、
前記加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴を取得する履歴取得処理と、
前記実績段取り工数と前記入出庫履歴から前記暫定段取り工数に対する補正条件を算出する補正条件算出処理と、
前記補正条件に基づいて前記暫定段取り工数を補正する工数補正処理と
を生産管理装置に実行させ、
補正後の前記暫定段取り工数を前記加工予定部品の段取り工数として使用する
生産管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産管理装置、生産管理方法及び生産管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象製品の設計データから区分け種類毎の部品個数と、部品に依存しない作業単位の発生回数および機種に依存しない共通の作業単位とを抽出する設計データ抽出手段と、予め収集された作業単位の各原単位工数と、作業単位の発生回数の積を計算することより、対象製品の製造に必要な基準工数を求める基準工数算出手段とを備えた加工工数見積り装置がある(特許文献1等)。
【0003】
従来の加工工数見積もり装置は、例えば、対象製品に類似した製品について、基準工数を求めるとともに、実際の製造に要した実績工数を求め、類似した製品の実績工数を基準工数で割ることにより、実勢係数を求める実勢係数算出手段と、対象製品の基準工数に実勢係数を乗ずることにより、対象製品の加工工数を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-127012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際の工数は、例えば、手作業による製造工程における作業者や、段取り作業時にいくつある在庫の中から加工の対象となる部品を探すか等、作業ごとに異なる環境によって工数が左右されてしまう。すなわち、従来の加工工数見積もり装置では、単に製品の実績工数を基準工数で割った実勢係数を対象製品の基準工数に乗ずるだけあり、各製造工程の作業者や在庫状況等の環境要因を考慮することができないため、工数の見積もりの精度が悪いという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、工数の見積もり精度を向上できる生産管理装置、生産管理方法及び生産管理プログラムである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る生産管理装置は、加工予定部品の暫定段取り工数を取得する暫定工数取得処理と、前記加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数を含む実績情報を取得する実績情報取得処理と、前記加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴を取得する履歴取得処理と、前記実績段取り工数と前記入出庫履歴から前記暫定段取り工数に対する補正条件を算出する補正条件算出処理と、前記補正条件に基づいて前記暫定段取り工数を補正する工数補正処理とを実行可能に構成されており、補正後の前記暫定段取り工数を前記加工予定部品の段取り工数として使用するよう構成されている。
【0008】
本発明の一態様に係る生産管理方法は、加工予定部品の暫定段取り工数を取得する暫定工数取得工程と、前記加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数を含む実績情報を取得する実績情報取得工程と、前記加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴を取得する履歴取得工程と、前記実績段取り工数と前記入出庫履歴から前記暫定段取り工数に対する補正条件を算出する補正条件算出工程と、前記補正条件に基づいて前記暫定段取り工数を補正する工数補正工程とを備え、補正後の前記暫定段取り工数を前記加工予定部品の段取り工数として使用する。
【0009】
本発明の一態様に係る生産管理プログラムは、加工予定部品の暫定段取り工数を取得する暫定工数取得処理と、前記加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数を含む実績情報を取得する実績情報取得処理と、前記加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴を取得する履歴取得処理と、前記実績段取り工数と前記入出庫履歴から前記暫定段取り工数に対する補正条件を算出する補正条件算出処理と、前記補正条件に基づいて前記暫定段取り工数を補正する工数補正処理とを生産管理装置に実行させ、補正後の前記暫定段取り工数を前記加工予定部品の段取り工数として使用する。
【0010】
本発明の一態様に係る生産管理装置、生産管理方法及び生産管理プログラムによれば、実績段取り工数と入出庫履歴から暫定段取り工数に対する補正条件を算出し、補正条件に基づいて暫定段取り工数を補正するため、工数の見積もり精度を向上できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様に係る生産管理装置、生産管理方法及び生産管理プログラムによれば、工数の見積もり精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施形態に係る製造支援システムを示す概略図である。
図2図2は、本実施形態の生産管理装置を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本実施形態のサーバを示す機能ブロック図である。
図4図4は、本実施形態の生産管理装置の制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本実施形態の標準段取り工数の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態の実績段取り工数の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態の工数補正部の標準段取り工数の補正の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態の工数補正部の標準段取り工数の補正の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態の標準加工工数の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態の実績加工工数の一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態の工数補正部の標準加工工数の補正の一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態の工数補正部の標準加工工数の補正の一例を示す図である。
図13図13は、本実施形態の標準段取り工数の一例を示す図である。
図14図14は、本実施形態の標準段取り工数の一例を示す図である。
図15図15は、本実施形態の特定の作業者に係る実績段取り工数の一例を示す図である。
図16図16は、本実施形態の工数補正部の標準段取り工数の補正の一例を示す図である。
図17図17は、本実施形態の工数補正部の標準段取り工数の補正の一例を示す図である。
図18図18は、本実施形態の標準加工工数の一例を示す図である。
図19図19は、本実施形態の標準加工工数の一例を示す図である。
図20図20は、本実施形態の特定の作業者に係る実績加工工数の一例を示す図である。
図21図21は、本実施形態の工数補正部の標準加工工数の補正の一例を示す図である。
図22図22は、本実施形態の工数補正部の標準加工工数の補正の一例を示す図である。
図23図23は、本実施形態の暫定段取り工数の一例を示す図である。
図24図24は、本実施形態の実績段取り工数の一例を示す図である。
図25図25は、本実施形態の入出庫履歴の一例を示す図である。
図26図26は、本実施形態の工数補正部の暫定段取り工数の補正の一例を示す図である。
図27図27は、本実施形態の工数補正部の暫定段取り工数の補正の一例を示す図である。
図28図28は、本実施形態の工数補正部の暫定段取り工数の補正の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
[本実施形態に係る製造支援システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る製造支援システムを示す概略図である。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る製造支援システム1を概説する。本実施形態に係る製造支援システム1は、一又は複数の部品を含む製品の製造工程のスケジュール及び進捗状況を管理する製造支援システムである。製造支援システム1は、概略的には、図1に示すように、生産管理装置10と、サーバ50と、加工機70とを備える。これらの装置は、相互に通信可能に接続されている。
【0015】
製品の製造工程は、例えば、1枚の定尺の金属板(以下、本実施形態においてシート)を任意の形状に切り出すブランク加工を行うブランク工程や、ブランク工程後にシート上の仕掛り品を仕分ける仕分け工程、二次工程、組立工程、検査工程等の製品が完成するまでの各工程を含む。二次工程は、例えば、曲げ加工や、塗装、バリ取り等を含む。組立工程は、溶接や、ねじ止め等を含む。
【0016】
本実施形態において、仕掛り品は、製造工程下にあってまだ商品として完成していない製品及び部品とする。また、本実施形態において、製品は、工場内の全ての製造工程を経て、取引先に納品可能な状態の品とする。さらに、本実施形態において、部品は、製品を構成する品とする。
【0017】
また、製造支援システム1は、加工機70に依らず作業者が加工を実施する工程の各作業場で使用される一又は複数の実績登録端末90を更に備える。生産管理装置10、サーバ50、加工機70、実績登録端末90は、ローカルネットやイントラネット等のプライベートネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。無線通信により接続する場合、製造支援システム1は、一又は複数のアクセスポイントAPを更に備えてもよい。
【0018】
図2は、本実施形態の生産管理装置を示す機能ブロック図である。
生産管理装置10は、デスクトップパソコン(desktop personal computer)やノートパソコン(laptop computer)、タブレット(tablet)端末等の電子計算機であり、図2に示すように、入力部110と、表示部120と、制御部130と、記憶部140とを含む。生産管理装置10は、概略的には、受注情報と、製品情報と、製品及び部品の製造工程情報と、各製造工程の進捗情報との管理を行う。また、生産管理装置10は、製品の製作手配を行う。
【0019】
さらに、生産管理装置10は、各製品の一連の製造工程の生産スケジュールと、各製造工程の工程スケジュールとを作成し、生産スケジュール、工程スケジュール及び各工程の負荷量を管理する。本実施形態において、生産管理装置10は、各製品に含まれる部品の製造工程毎の工数を算出し、各工程の日ごとの工程スケジュールに製品及び部品の工数を山積みすることで各製造工程の工程スケジュール及び負荷量を管理する。
【0020】
本実施形態において、工数は、製品及び部品の生産(加工)に要する時間とする。工数は、段取り工数と加工工数を含み、段取り工数及び加工工数の合算で示される。段取り工数は、在庫置き場から作業場に仕掛り品を運搬したり、後述するブランク加工機70aにシートを供給したり、後述する二次加工機70bの曲げ加工機に金型をセットしたりする等のその製造工程で加工(作成)する仕掛り品の数に依らず1回限り実施する作業の工数である。
【0021】
また、加工工数は、加工作業ごとの工数であり、仕掛り品の数(作成数)を乗じて算出する。例えば、ブランク工程において、一枚のシートを加工して同じ部品(仕掛り品)を複数個作製する場合、部品1個を切り出すためにかかる時間に作成数を乗じたものが加工工数となる。
【0022】
入力部110は、例えば、キーボード(Keyboard)、マウス(Mouse)、タッチパッド(Touchpad)、ジョイスティック(Joystick)等の入力機器により構成されており、入力部110を操作することにより、生産管理装置10において通常必要とされる情報入力の機能に加え、例えば、工程スケジュールの作成や、工数の補正等の操作をすることができる。このような構成を備えることにより、生産管理装置10は、入力部110を介して手動により工程スケジュールの作成や工数の補正等の操作ができる。
【0023】
表示部120は、表示装置としてのディスプレイ(Display)を有しており、生産管理装置10において通常必要とされる画面表示の機能に加え、例えば、工程スケジュール画面等を表示する。また、表示部120は、入力部110の機能を有するタッチパネル(Touch screen)で構成され得る。表示部120がタッチパネルで構成された場合は、ユーザは、例えば、表示部120を操作することにより、工数の補正指示等の各種の情報を生産管理装置10に対して入力可能となる。
【0024】
なお、入力部110及び表示部120の構成は、上述した構成に限定されず、これら入力部110及び表示部120に代わり、同等の機能を有する構成であれば(例えば、遠隔から利用可能な表示手段や入力手段等)、これに限定されるものではない。
【0025】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)を有する統合型演算処理装置により構成される。制御部130は、図2に示すように、暫定工数取得部131と、実績情報取得部133と、在庫情報取得部135、工数補正部137とを含む。
【0026】
図4は、本実施形態の生産管理装置の制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
暫定工数取得部131は、図4に示すように、加工予定部品の暫定段取り工数PMaを取得する暫定工数取得処理(図4のS1)を実行可能に構成されている。具体的には、暫定工数取得部131は、加工予定部品の各製造工程の暫定工数PMをサーバ50の後述する標準工数データベース51から取得する。本実施形態において、暫定工数PMは、加工予定部品の各製造工程の暫定的な工数であり、暫定段取り工数PMaと暫定加工工数PMbを含む。暫定段取り工数PMaは、段取り作業の暫定的な工数である。
【0027】
暫定工数取得部131が取得する暫定段取り工数PMaは、加工予定部品の標準段取り工数52aであってもよいし、加工予定部品の標準段取り工数52aを実績段取り工数55aに基づいて補正した工数(後述する補正済標準段取り工数52a′)であってもよい。さらに、暫定工数取得部131が取得する暫定段取り工数PMaは、加工予定部品の標準段取り工数52aを加工予定部品の段取り作業を担当予定の作業者の作業者別実績情報に基づいて補正した工数(補正済標準段取り工数52a′)であってもよい。
【0028】
同様に、暫定工数取得部131が取得する暫定加工工数PMbは、加工予定部品の標準加工工数52bであってもよいし、加工予定部品の標準加工工数52bを実績加工工数55bに基づいて補正した工数(後述する補正済標準加工工数52b′)であってもよい。さらに、暫定工数取得部131が取得する暫定加工工数PMbは、加工予定部品の標準加工工数52bを加工予定部品の加工作業を担当予定の作業者の作業者別実績情報に基づいて補正した工数(補正済標準加工工数52b′)であってもよい。
【0029】
なお、暫定工数取得処理において、暫定工数取得部131は、暫定段取り工数PMaを少なくとも取得すればよく、暫定加工工数PMbを取得しなくてもよい。
【0030】
実績情報取得部133は、図4に示すように、加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数55aを含む実績情報54を取得する実績情報取得処理(図4のS2)を実行可能に構成されている。具体的には、実績情報取得部133は、サーバ50の後述する加工実績データベース53から実績情報54を取得する。本実施形態において、実績情報取得部133が取得する実績情報54は、加工予定部品と同じ部品の製造工程毎の実績工数55を含む。
【0031】
本実施形態において、実績工数55は、その製造工程の過去に記録された実際の工数を意味する。実績工数55は、実績段取り工数55aと実績加工工数55bを含む。
【0032】
また、実績情報取得部133が取得する実績情報54は、実績工数55毎の段取り作業及び加工の少なくとも作業日と、実績工数55毎の段取り作業及び加工に係る加工予定部品と同じ部品の作成数とを含む。さらに、実績情報取得部133が取得する実績情報54は、各製造工程を担当した作業者の作業者情報を含む。
【0033】
本実施形態において、「少なくとも作業日を含む」とは、作業をした日付を少なくとも含み、作業をした日付に加えてより詳細な時間まで含んでもよいことを意味する。
【0034】
なお、実績情報取得処理において、実績情報54は、少なくとも実績段取り工数55aを含むものであればよく、実績加工工数55bを含まなくてもよい。
【0035】
また、実績情報取得部133は、工数補正部137が標準段取り工数52aを補正するために必要な実績情報54をサーバ50の加工実績データベース53から取得可能に構成されている。
【0036】
在庫情報取得部135は、図4に示すように、加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴57を取得する履歴取得処理(図4のS3)を実行可能に構成されている。在庫情報取得部135が取得する入出庫履歴57は、仕掛り在庫の少なくとも入出庫日57bと、入出庫日57b毎の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とを含む。また、在庫情報取得部135が取得する入出庫履歴57は、仕掛り在庫の入出庫数57cを含む。
【0037】
本実施形態において、仕掛り在庫は、前の製造工程が完了し、次の製造工程の作業がされるまでの間保管されている仕掛り品の在庫である。また、本実施形態において、入庫は、前の製造工程が完了した仕掛り品が在庫置き場に運び込まれたことを意味し、出庫は、仕掛り品がその在庫置き場から次の製造工程のために運び出されたことを意味する。
【0038】
なお、在庫置き場は、在庫棚や自動倉庫のような在庫の保管を目的とした保管場所に限らず、各作業場に設けられた仕掛品を仮置きしておく単なるスペースであってもよい。
【0039】
本実施形態において、「少なくとも入出庫日を含む」とは、入出庫をした日付を少なくとも含み、入出庫をした日付に加えてより詳細な時間まで含んでもよいことを意味する。
【0040】
工数補正部137は、加工予定部品の標準段取り工数52aを実績段取り工数55aに基づいて補正可能に構成されている。具体的には、工数補正部137は、実績段取り工数毎に標準段取り工数52aに対する工数の増減率を算出し、増減率の平均値に基づいて、標準段取り工数52aを補正するよう構成されている。工数補正部137は、補正した標準段取り工数52aを補正済標準段取り工数52a′としてサーバ50の標準工数データベース51に保存する。
【0041】
図5は、本実施形態の標準段取り工数の一例を示す概略図である。図6は、本実施形態の実績段取り工数の一例を示す概略図である。図7は、本実施形態の工数補正部の標準段取り工数の補正の一例を示す図である。
例えば、図5に示すように、溶接工程の標準段取り工数52aが100秒の部品「A001」がある。部品「A001」の実績情報54は、図6に示すように、4つある。各実績情報54の溶接工程の実績段取り工数55aは、上から順に、80秒、120秒、130秒、90秒となっている。工数補正部137は、図7に示すように、標準段取り工数52aに対する各実績段取り工数55aの工数の増減率を算出する。
【0042】
図8は、本実施形態の工数補正部の標準段取り工数の補正の一例を示す図である。
標準段取り工数52aに対する各実績段取り工数55aの工数の増減率は、上から順に、-20%、+20%、+30%、-10%となる。これらの工数の増減率の平均値は、+5%であり、工数補正部137は、図8に示すように、この平均値+5%を部品「A001」の溶接工程の標準段取り工数52aの補正値として使用し、標準段取り工数52aを補正する。部品「A001」の溶接工程の補正後の標準段取り工数52a(補正済標準段取り工数52a′)は、105秒となる。
【0043】
同様に、工数補正部137は、加工予定部品の標準加工工数52bを実績加工工数55bに基づいて補正可能に構成されている。具体的には、工数補正部137は、実績加工工数55b毎に標準加工工数52bに対する工数の増減率を算出し、増減率の平均値に基づいて、標準加工工数52bを補正するよう構成されている。工数補正部137は、補正した標準加工工数52bを補正済標準加工工数52b′としてサーバ50の標準工数データベース51に保存する。
【0044】
図9は、本実施形態の標準加工工数の一例を示す概略図である。図10は、本実施形態の実績加工工数の一例を示す概略図である。
例えば、図9に示すように、溶接工程の標準加工工数52bが40秒/個の部品「A001」がある。部品「A001」の実績情報54は、図10に示すように、4つある。各実績情報54の溶接工程の実績加工工数55bは、上から順に、360秒、800秒、460秒、640秒となっている。また、各実績情報54の部品「A001」の作成数は、上から順に、10個、20個、10個、20個となっている。
【0045】
図11は、本実施形態の工数補正部の標準加工工数の補正の一例を示す図である。
工数補正部137は、図11に示すように、標準加工工数52bに対する各実績加工工数55bの工数の増減率を算出する。具体的には、まず、工数補正部137は、部品「A001」の各実績加工工数55bを部品「A001」の作成数で割り、部品「A001」の1個当たりの実績加工工数55bを算出する。各実績情報54の部品「A001」の1個当たりの実績加工工数55bは、上から順に、36秒/個、40秒/個、46秒/個、32秒/個である。
【0046】
図12は、本実施形態の工数補正部の標準加工工数の補正の一例を示す図である。
そして、標準加工工数52bに対する各実績加工工数55bの工数の増減率は、上から順に、-10%、±0%、+15%、-20%となる。これらの工数の増減率の平均値は、-3.75%であり、工数補正部137は、図12に示すように、この平均値-3.75%を部品「A001」の溶接工程の標準加工工数52bの補正値として使用し、標準加工工数52bを補正する。部品「A001」の溶接工程の補正後の標準加工工数52b(補正済標準加工工数52b′)は、38.5秒/個となる。
【0047】
また、工数補正部137は、加工予定部品の標準段取り工数52aを加工予定部品の段取り作業を担当予定の作業者の作業者別実績情報に基づいて補正可能に構成されている。作業者別実績情報は、作業者が段取り作業を担当した加工予定部品と異なる部品の実績段取り工数55aを含む。具体的には、作業者別実績情報は、複数の実績情報54から実績情報54に含まれる作業者情報が加工予定部品の段取り作業を担当予定の作業者である実績情報54のみを抽出したものである。
【0048】
図13及び図14は、本実施形態の標準段取り工数の一例を示す図である。
例えば、図13に示すように、実績情報54がない新規の部品「G001」がある。部品「G001」の溶接工程の標準段取り工数52aは、120秒である。また、図14に示すように、部品「G001」と異なる部品である部品「A001」~「F001」がある。部品「A001」~「F001」の溶接工程の標準段取り工数52aは、それぞれ、100秒、100秒、120秒、130秒、140秒、150秒である。
【0049】
図15は、本実施形態の特定の作業者に係る実績段取り工数の一例を示す図である。図16は、本実施形態の工数補正部の標準段取り工数の補正の一例を示す図である。
部品「G001」の段取り作業を担当予定の溶接作業者Aに係る部品「A001」~「F001」の実績情報54(作業者別実績情報)は、図15に示すように、6つある。溶接作業者Aに係る部品「A001」~「F001」の溶接工程の実績段取り工数55aは、部品「A001」から順に、80秒、100秒、132秒、143秒、126秒、120秒となっている。工数補正部137は、図16に示すように、標準段取り工数52aに対する各実績段取り工数55aの工数の増減率を算出する。
【0050】
図17は、本実施形態の工数補正部の標準段取り工数の補正の一例を示す図である。
標準段取り工数52aに対する溶接作業者Aに係る部品「A001」~「F001」の実績段取り工数55aの工数の増減率は、部品「A001」から順に、-20%、±0%、+10%、+10%、-10%、-20%となる。これらの工数の増減率の平均値は、-5%であり、工数補正部137は、図17に示すように、この平均値-5%を部品「G001」の溶接工程の標準段取り工数52aの補正値として使用し、部品「G001」の標準段取り工数52aを補正する。部品「G001」の溶接工程の補正後の標準段取り工数52a(補正済標準段取り工数52a′)は、114秒となる。
【0051】
同様に、工数補正部137は、加工予定部品の標準加工工数52bを加工予定部品の加工作業を担当予定の作業者の作業者別実績情報に基づいて補正可能に構成されている。作業者別実績情報は、作業者が加工作業を担当した加工予定部品と異なる部品の実績加工工数55bを含む。具体的には、作業者別実績情報は、複数の実績情報54から実績情報54に含まれる作業者情報が加工予定部品の加工作業を担当予定の作業者である実績情報54のみを抽出したものである。
【0052】
図18及び図19は、本実施形態の標準加工工数の一例を示す図である。
例えば、図18に示すように、実績情報54がない新規の部品「G001」がある。部品「G001」の溶接工程の標準加工工数52bは、40秒/個である。また、図19に示すように、部品「G001」と異なる部品である部品「A001」~「F001」がある。部品「A001」~「F001」の溶接工程の標準加工工数52bは、それぞれ、10秒/個、20秒/個、30秒/個、40秒/個、50秒/個、60秒/個である。
【0053】
図20は、本実施形態の特定の作業者に係る実績加工工数の一例を示す図である。
部品「G001」の加工作業を担当予定の溶接作業者Aに係る部品「A001」~「F001」の実績情報54(作業者別実績情報)は、図20に示すように、6つある。溶接作業者Aに係る部品「A001」~「F001」の溶接工程の実績加工工数55bは、部品「A001」から順に、120秒、360秒、900秒、440秒、1050秒、1890秒となっている。また、各実績情報54に含まれる部品「A001」~「F001」の作成数は、部品「A001」から順に、10個、20個、30個、10個、20個、30個である。
【0054】
図21は、本実施形態の工数補正部の標準加工工数の補正の一例を示す図である。
工数補正部137は、図21に示すように、標準加工工数52bに対する各実績加工工数55bの工数の増減率を算出する。具体的には、まず、工数補正部137は、部品「A001」~「F001」の各実績加工工数55bを部品「A001」~「F001」の作成数で割り、部品「A001」~「F001」の1個当たりの実績加工工数55bを算出する。各実績情報54の部品「A001」~「F001」の1個当たりの実績加工工数55bは、部品「A001」から順に、12秒/個、18秒/個、30秒/個、42秒/個、52.5秒/個、63秒/個である。
【0055】
図22は、本実施形態の工数補正部の標準加工工数の補正の一例を示す図である。
そして、標準加工工数52bに対する溶接作業者Aに係る部品「A001」~「F001」の実績加工工数55bの工数の増減率は、部品「A001」から順に、+20%、―10%、±0%、+10%、+5%、+5%となる。これらの工数の増減率の平均値は、+5%であり、工数補正部137は、図22に示すように、この平均値+5%を部品「G001」の溶接工程の標準加工工数52bの補正値として使用し、部品「G001」の標準加工工数52bを補正する。部品「G001」の溶接工程の補正後の標準加工工数52b(補正済標準加工工数52b′)は、42秒/個となる。
【0056】
なお、上述した標準段取り工数52a及び標準加工工数52bの補正は、実績情報54がない新規の部品の標準段取り工数52a及び標準加工工数52bの補正だけでなく、実績情報54がある部品の標準段取り工数52a及び標準加工工数52b、又は補正済標準段取り工数52a′及び補正済標準加工工数52b′の補正にも適用可能である。
【0057】
さらに、工数補正部137は、図4に示すように、実績段取り工数55aと入出庫履歴57から暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出する補正条件算出処理(図4のS4)と、補正条件に基づいて暫定段取り工数PMaを補正する工数補正処理(図4のS5)とを実行可能に構成されている。
【0058】
補正条件算出処理において、実績段取り工数55aは、実績情報取得部133が取得した加工予定部品と同じ部品の実績情報54に含まれる実績段取り工数55aである。また、入出庫履歴57は、在庫情報取得部135が取得した加工予定部品と同じ部品の入出庫履歴57である。さらに、暫定段取り工数PMaは、暫定工数取得部131が取得した加工予定部品の標準段取り工数52a又は補正済標準段取り工数52a′である。
【0059】
具体的には、補正条件算出処理において、工数補正部137は、加工予定部品の暫定段取り工数PMaと、加工予定部品と同じ部品の実績段取り工数55aと、加工予定部品と同じ部品の作成数と、加工予定部品と同じ部品の段取り作業の直前の仕掛り在庫数57aとを参照して暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出する。
【0060】
また、補正条件算出処理において、工数補正部137は、加工予定部品と同じ部品の実績段取り工数55aと、加工予定部品と同じ部品の実績段取り工数55aに係る段取り作業の直前の仕掛り在庫数57aとに応じて暫定段取り工数PMaの補正値を決定し、加工予定部品の仕掛り在庫数57aに応じてその補正値を変更する。
【0061】
図23は、本実施形態の暫定段取り工数の一例を示す図である。図24は、本実施形態の実績段取り工数の一例を示す図である。
例えば、図23に示すように、溶接工程の暫定段取り工数PMaが300秒の部品「X001」がある。部品「X001」は、加工予定部品である。部品「X001」の実績情報54は、図24に示すように、2つある。各実績情報54の溶接工程の実績段取り工数55aは、300秒及び360秒となっている。また、各実績情報54の段取り作業の作業日時は、12月3日の17時と、12月10日の17時となっている。さらに、各実績情報54に含まれる部品「X001」の作成数は、それぞれ100個となっている。
【0062】
図25は、本実施形態の入出庫履歴の一例を示す図である。
部品「X001」の仕掛り在庫の入出庫履歴57は、図25に示す通りであり、12月3日の17時に仕掛り在庫を100個出庫しており、12月3日の17時時点の仕掛り在庫数57aは、0個となっている。また、12月10日の17時に仕掛り在庫を100個出庫しており、12月10日の17時時点の仕掛り在庫数57aは、100個となっている。これらの部品「X001」の仕掛り在庫の出庫個数は、各実績情報54の部品「X001」の作成数と一致しており、段取り作業のために部品「X001」の仕掛り在庫が出庫されている。すなわち、各実績情報54に係る段取り作業の直前の部品「X001」の仕掛り在庫数57aは、100個及び200個となっている。
【0063】
図26は、本実施形態の工数補正部の暫定段取り工数の補正の一例を示す図である。
まず、工数補正部137は、図26に示すように、暫定段取り工数PMaに対する各実績段取り工数55aの工数の増減率を算出する。暫定段取り工数PMaに対する各実績段取り工数55aの工数の増減率は、±0%及び+20%となる。次に、工数補正部137は、各実績情報54に含まれる部品「X001」の作成数と、各実績情報54に係る段取り作業の直前の部品「X001」の仕掛り在庫数57aと、算出した増減率とを参照し、補正値及び補正条件を算出する。
【0064】
部品「X001」の仕掛り在庫数57aが100個の時、すなわち、部品「X001」の仕掛り在庫数57aが部品「X001」の作成数と一致する時は、暫定段取り工数PMaに対する実績段取り工数55aの工数の増減率が±0%である。一方で、部品「X001」の仕掛り在庫数57aが200個の時、すなわち、部品「X001」の仕掛り在庫数57aが部品「X001」の作成数よりも多い時は、暫定段取り工数PMaに対する実績段取り工数55aの工数の増減率が+20%である。
【0065】
この場合、工数補正部137は、12月10日の実績情報54から部品「X001」の仕掛り在庫数57aと部品「X001」の作成数との差が100個あることによって実績段取り工数55aが暫定段取り工数PMaに対して20%増加したと判断する。そして、工数補正部137は、仕掛り在庫数57aの余剰分1個当たりの工数の増加率+0.2%/個を部品「X001」の仕掛り在庫数57aが部品「X001」の作成数よりも多い時の補正値として算出する。また、工数補正部137は、暫定段取り工数PMaに仕掛り在庫の余剰数と補正値の積を足した値を補正後の暫定段取り工数PMaとして算出する。
【0066】
一方で、工数補正部137は、12月3日の実績情報54から部品「X001」の仕掛り在庫数57aと部品「X001」の作成数との差がないため、暫定段取り工数PMaと実績段取り工数55aの差がなかったと判断する。そして、工数補正部137は、部品「X001」の仕掛り在庫数57aが部品「X001」の作成数と同じ時の補正値は、なしとする。
【0067】
図27及び図28は、本実施形態の工数補正部の暫定段取り工数の補正の一例を示す図である。
したがって、工数補正部137は、図27に示すように、部品「X001」の仕掛り在庫数57aが加工予定の作成数と一致すると判定した場合、暫定段取り工数PMaを補正する必要がないと判断し、部品「X001」の暫定段取り工数PMaを補正せずにそのまま部品「X001」の溶接工程の段取り工数とする。一方で、工数補正部137は、図28に示すように、部品「X001」の仕掛り在庫数57aが加工予定の作成数よりも多いと判定した場合、暫定段取り工数PMaを補正する必要があると判断し、補正値+0.2%/個に基づいて部品「X001」の暫定段取り工数PMaを補正する。
【0068】
具体的には、部品「X001」の仕掛り在庫数57aが300個であり、加工予定の作成数は、100個であるため、仕掛り在庫の余剰数は、200個ある。したがって、300+200×0.002=420秒が補正後の暫定段取り工数PMaとなり、工数補正部137は、420秒を部品「X001」の溶接工程の段取り工数とする。
【0069】
記憶部140は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有すると共に、様々なデータを読み書き可能に記憶する。記憶部140は、図2に示すように、生産管理プログラム141を格納する。また、記憶部140は、生産管理装置10の各部の制御に必要なプログラムを格納する。
【0070】
生産管理プログラム141は、加工予定部品の暫定段取り工数PMaを取得する暫定工数取得処理と、加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数55aを含む実績情報54を取得する実績情報取得処理と、加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴57を取得する履歴取得処理と、実績段取り工数55aと入出庫履歴57から暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出する補正条件算出処理と、補正条件に基づいて暫定段取り工数PMaを補正する工数補正処理とを生産管理装置10に実行させ、補正後の暫定段取り工数PMaを加工予定部品の段取り工数として使用する。
【0071】
図3は、本実施形態のサーバを示す機能ブロック図である。
サーバ50は、HDD、SSD等の記憶媒体を有し、図3に示すように、標準工数データベース51と、加工実績データベース53と、生産技術管理データベース56とを格納する。サーバ50に保存された各種データは、生産管理装置10、加工機70及び実績登録端末90から参照される。サーバ50の標準工数データベース51、加工実績データベース53及び生産技術管理データベース56以外の構成は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0072】
標準工数データベース51は、複数の標準工数52を含む。標準工数52は、段取り作業の工数である標準段取り工数52aと、加工作業の工数である標準加工工数52bとを有する。また、標準工数データベース51は、生産管理装置10の制御部130の工数補正部137が補正した複数の補正済標準工数52′を含む。補正済標準工数52′は、補正済標準段取り工数52a′と補正済標準加工工数52b′を有する。
【0073】
なお、標準工数52については、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0074】
加工実績データベース53は、複数の実績情報54を含む。実績情報54は、過去に加工された製品及び部品の各製造工程の加工実績を有する。実績情報54は、例えば、各製造工程の実績工数55と、各製造工程の作業日と、各製造工程の製品及び部品の作成数と、各製造工程の作業者情報とを有する。実績工数55は、段取り作業の実際に記録された工数である実績段取り工数55aと、加工作業の実際に記録された工数である実績加工工数55bとを有する。
【0075】
加工機70による製造工程の実績段取り工数55a及び実績加工工数55bは、加工機70の加工実績から取得し得る。また、作業者による手作業の製造工程の実績段取り工数55a及び実績加工工数55bは、実績登録端末90の加工実績から取得し得る。
【0076】
作業日は、単にその製造工程の作業がされた日付だけでもよいし、日付に加えて作業がされた詳細な時間を含んでもよい。作業者情報は、作業者の氏名や、作業者の社員番号等の個人を特定可能な情報を有するものであれば、種々の任意の構成を採用可能である。
【0077】
生産技術管理データベース56は、仕掛り在庫の入出庫履歴57を含む。また、生産技術管理データベース56は、生産管理装置10で作成された生産スケジュール及び工程スケジュールと、加工機70で使用されるシートデータ及び加工プログラムとを含む。入出庫履歴57は、仕掛り在庫数57aと、入出庫日57bと、入出庫数57cとを有する。入出庫日57bは、単に仕掛り在庫が入庫又は出庫された日付だけでもよいし、日付に加えて仕掛り在庫が入庫又は出庫された詳細な時間を含んでもよい。
【0078】
加工機70は、NC制御によってシートを加工するブランク加工機70aや、ブランク加工後の個々の仕掛品を加工する二次加工機70b等である。ブランク加工機70aは、例えば、レーザ加工機、タレットパンチプレス(turret punch press)、プラズマ加工機、ウォータージェット加工機等である。二次加工機70bは、例えば、プレスブレーキ等の曲げ加工機、NCフライス盤、NC旋盤、マシニングセンタ等である。加工機70は、生産管理装置10及びサーバ50と通信可能に構成されている。
【0079】
また、加工機70は、加工開始時、加工中断時、及び加工完了時に加工実績をサーバ50に送信する。加工実績は、例えば、シート毎の加工開始時、加工中断時、及び加工完了時のそれぞれに対応する時刻と、それらの時刻から算出される実績加工工数55bと、実績段取り工数55a等の情報を含む。実績段取り工数55aは、加工機70の操作盤若しくは実績登録端末90から段取り作業の「開始」と「完了」を作業者が入力することで登録される。また、実績段取り工数55aの取得方法は、上述した構成に限定されず、特定の操作状況、例えば、加工機70の操作盤で金型の段取り画面を表示している時間等を段取り時間として自動計測し、その時間が実績段取り工数55aとして登録されてもよい。
【0080】
ブランク加工機70aは、例えば、サーバ50に格納された生産技術管理データベース56からシートデータを読み込むことで加工を行う。二次加工機70bは、例えば、サーバ50に格納された生産技術管理データベース56から加工プログラムを読み込むことで加工を行う。
【0081】
実績登録端末90は、デスクトップパソコンやノートパソコン、タブレット端末等の電子計算機であり、ネットワークを介して生産管理装置10やサーバ50等と接続している。実績登録端末90は、入力部(図示せず)及び表示部(図示せず)を備え、作業者は、入力部を介して表示部に表示される作業記録画面上で加工実績を記録可能に構成されている。
【0082】
[本実施形態に係る生産管理方法]
次に、本実施形態に係る生産管理装置10による生産管理方法について説明する。本実施形態に係る生産管理方法は、概略的には、加工予定部品の暫定段取り工数PMaを取得する暫定工数取得工程と、加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数55aを含む実績情報54を取得する実績情報取得工程と、加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴57を取得する履歴取得工程と、実績段取り工数55aと入出庫履歴57から暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出する補正条件算出工程と、補正条件に基づいて暫定段取り工数PMaを補正する工数補正工程とを備え、補正後の暫定段取り工数PMaを加工予定部品の段取り工数として使用する。
【0083】
本実施形態に係る生産管理方法について図4を参照して詳述する。なお、本実施形態において、補正済標準工数52′は、事前にサーバ50の標準工数データベース51に格納されているものとして説明するが、これに限定されない。また、本実施形態において加工予定部品は、同じ部品の実績情報54が存在する所謂既存品であるものとして説明する。
【0084】
加工予定部品がその加工予定部品と同じ部品の実績情報54が存在しない所謂新規品の場合、生産管理装置10は、加工予定部品の標準工数52を新たに算出し、その標準工数52を加工予定部品の工数として使用する。また、生産管理装置10は、加工予定部品の各製造工程の作業を担当予定の作業者が決まっている場合は、標準工数52を加工予定部品の作業を担当予定の作業者の作業者別実績情報に基づいて補正した補正済標準工数52′を加工予定部品の工数として使用する。
【0085】
まず、生産管理装置10は、客先からの製品の製作依頼に応じて受注情報を作成し、製品の製作手配をする。次に、生産管理装置10の制御部130の暫定工数取得部131は、製作手配に含まれる部品及び製品(以下、本実施形態において、加工予定部品とする)の暫定工数PMを取得する(図4のS1:暫定工数取得工程)。暫定工数PMは、暫定段取り工数PMaを含む。
【0086】
具体的には、生産管理装置10の制御部130の暫定工数取得部131は、サーバ50の標準工数データベース51に格納されている加工予定部品の標準工数52又は補正済標準工数52′を加工予定部品の暫定工数PMとして取得する。暫定工数取得部131は、加工予定部品と同じ部品の実績情報54があり、その実績情報54に基づいて補正された加工予定部品の補正済標準工数52′がある場合は、実績工数55に基づいて補正された加工予定部品の標準工数52(補正済標準工数52′)を取得する。
【0087】
また、生産管理装置10の制御部130の暫定工数取得部131は、加工予定部品と同じ部品の実績情報54がなく、各製造工程の作業を担当予定の作業者が決まっている場合は、作業者別実績情報に基づいて補正した加工予定部品の標準工数52(補正済標準工数52′)を取得する。
【0088】
暫定工数取得工程後又は暫定工数取得工程と同時に、生産管理装置10の制御部130の実績情報取得部133は、加工予定部品と同じ部品の実績情報54をサーバ50の加工実績データベース53から取得する(図4のS2:実績情報取得工程)。実績情報取得部133が取得する実績情報54は、加工予定部品と同じ部品の各製造工程の実績段取り工数55aと、各製造工程を担当した作業者の作業者情報と、各製造工程の作業日と、加工予定部品と同じ部品の作成数とを含んでいる。
【0089】
さらに、生産管理装置10の制御部130の在庫情報取得部135は、サーバ50の生産技術管理データベース56から加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴57を取得する(図4のS3:履歴取得工程)。在庫情報取得部135が取得する入出庫履歴57は、仕掛り在庫の入出庫日57bと、入出庫日57b毎の仕掛り在庫数57aと、入出庫日57b毎の仕掛り在庫の入出庫数57cとを含んでいる。
【0090】
なお、履歴取得工程は、実績情報取得工程後に実行されてもよいし、実績情報取得工程と同時に実行されてもよいし、実績情報取得工程より前に実行されてもよい。また、暫定工数取得工程、実績情報取得工程及び履歴取得工程は、同時に実行されてもよい。
【0091】
暫定工数取得工程、実績情報取得工程及び履歴取得工程の完了後、生産管理装置10の制御部130の工数補正部137は、実績段取り工数55aと入出庫履歴57から暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出する(図4のS4:補正条件算出工程)。具体的には、工数補正部137は、加工予定部品の暫定段取り工数PMaと、加工予定部品と同じ部品の実績段取り工数55aと、加工予定部品と同じ部品の作成数と、加工予定部品と同じ部品の段取り作業の直前の仕掛り在庫数57aとを参照して暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出する。
【0092】
より具体的には、生産管理装置10の制御部130の工数補正部137は、暫定段取り工数PMaに対する各実績段取り工数55aの工数の増減率を算出する。そして、工数補正部137は、各実績情報54に係る段取り作業が行われる直前の仕掛り在庫数57aと、各実績情報54に係る算出した工数の増減率との関係から暫定段取り工数PMaの補正条件及び補正値を算出する。また、工数補正部137は、加工予定部品の仕掛り在庫数57aに応じて補正値を変更する。
【0093】
その後、生産管理装置10の制御部130の工数補正部137は、算出した補正条件及び補正値を基に、加工予定部品の仕掛り在庫数57aと、加工予定部品の作成数とに応じて暫定段取り工数PMaを補正する(図4のS5:工数補正工程)。そして、生産管理装置10は、補正後の暫定段取り工数PMaを加工予定部品の段取り工数として使用し、各工程の日ごとの工程スケジュールに加工予定部品の工数を山積みして工程スケジュールを作成する。以上の工程により、本実施形態に係る生産管理装置10による一連の生産管理方法が実行される。
【0094】
なお、生産管理装置10は、新たな製作手配をする度に以上の一連の生産管理方法を実行してもよいし、複数の製作手配について纏めて実行してもよい。また、生産管理装置10は、既に工程スケジュールに組み込まれている工数を一連の生産管理方法により補正し、工程スケジュールを修正することも可能である。
【0095】
[本実施形態に係る生産管理装置、生産管理方法及び生産管理プログラムの利点]
以上説明したように、本実施形態に係る生産管理装置10は、加工予定部品の暫定段取り工数PMaを取得する暫定工数取得処理と、加工予定部品と同じ部品の一又は複数の実績段取り工数55aを含む実績情報54を取得する実績情報取得処理と、加工予定部品と同じ部品の仕掛り在庫の入出庫履歴57を取得する履歴取得処理と、実績段取り工数55aと入出庫履歴57から暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出する補正条件算出処理と、補正条件に基づいて暫定段取り工数PMaを補正する工数補正処理とを実行可能に構成されており、補正後の暫定段取り工数PMaを加工予定部品の段取り工数として使用するよう構成されている。
【0096】
そして、本実施形態に係る生産管理装置10は、このような構成を備えることにより、実績段取り工数55aと入出庫履歴57から暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出し、補正条件に基づいて暫定段取り工数PMaを補正することで、仕掛り在庫の在庫状況を加味した補正条件が算出される。そして、その補正条件に基づいて暫定段取り工数PMaが補正されるため、工数の見積もり精度を向上できるという利点を有している。
【0097】
また、本実施形態に係る生産管理装置10において、実績情報54は、実績段取り工数55a毎の段取り作業の少なくとも作業日と、実績段取り工数55a毎の段取り作業に係る加工予定部品と同じ部品の作成数とを含み、入出庫履歴57は、仕掛り在庫の少なくとも入出庫日57bと、入出庫日57b毎の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とを含み、補正条件算出処理において、暫定段取り工数PMaと、実績段取り工数55aと、加工予定部品と同じ部品の作成数と、段取り作業の直前の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とを参照して暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出する。このような構成を備えることにより、仕掛り在庫数57aと部品の作成数の差異を加味して補正条件が算出されるため、工数の見積もり精度をより向上することができるという利点を有している。
【0098】
さらに、本実施形態に係る生産管理装置10は、補正条件算出処理において、実績段取り工数55aと、実績段取り工数55aに係る段取り作業の直前の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とに応じて暫定段取り工数PMaの補正値を決定し、加工予定部品の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)に応じて補正値を変更する。このような構成を備えることにより、加工予定部品の仕掛り在庫数57aに応じて暫定段取り工数PMaの最適な補正が可能であり、工数の見積もり精度をより向上することができるという利点を有している。
【0099】
またさらに、本実施形態に係る生産管理装置10において、暫定段取り工数PMaは、加工予定部品の標準段取り工数52aである。このような構成を備えることにより、工数の見積もりにかかる時間を短くすることができるという利点を有している。
【0100】
また、本実施形態に係る生産管理装置10において、暫定段取り工数PMaは、加工予定部品の標準段取り工数52aを実績段取り工数55aに基づいて補正した工数(補正済標準段取り工数52a′)である。このような構成を備えることにより、標準段取り工数52aを補正する場合と比べて工数の見積もり精度をより一層向上することができるという利点を有している。
【0101】
さらに、本実施形態に係る生産管理装置10は、実績段取り工数55a毎に標準段取り工数52aに対する工数の増減率を算出し、増減率の平均値に基づいて、標準段取り工数52aを補正するよう構成されている。このような構成を備えることにより、見積もり精度をさらに向上することができるという利点を有している。
【0102】
またさらに、本実施形態に係る生産管理装置10において、暫定段取り工数PMaは、加工予定部品の標準段取り工数52aを加工予定部品の段取り作業を担当予定の作業者の作業者別実績情報に基づいて補正した工数(補正済標準段取り工数52a′)である。このような構成を備えることにより、実際の環境要因を考慮した補正済標準段取り工数52a′を基礎として補正することができ、工数の見積もり精度をより一層向上することができるという利点を有している。
【0103】
また、本実施形態に係る生産管理装置10において、作業者別実績情報は、作業者が段取り作業を担当した加工予定部品と異なる部品の実績段取り工数55aを含む。このような構成を備えることにより、新規の部品の段取り工数を補正する場合であっても、標準段取り工数52aを作業担当者の過去の実績情報54から補正した補正済標準段取り工数52a′を基礎として補正することができ、標準段取り工数52aを補正する場合と比べて工数の見積もり精度をより一層向上することができるという利点を有している。
【0104】
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上述した実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0105】
例えば、上述した実施形態において、実績情報54は、実績段取り工数55a毎の段取り作業の少なくとも作業日と、実績段取り工数55a毎の段取り作業に係る加工予定部品と同じ部品の作成数とを含み、入出庫履歴57は、仕掛り在庫の少なくとも入出庫日57bと、入出庫日57b毎の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とを含み、補正条件算出処理において、暫定段取り工数PMaと、実績段取り工数55aと、加工予定部品と同じ部品の作成数と、段取り作業の直前の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とを参照して暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出するものとして説明したが、これに限定されない。実績情報54は、実績段取り工数55a毎の段取り作業の少なくとも作業日と、実績段取り工数55a毎の段取り作業に係る加工予定部品と同じ部品の作成数とを含まなくてもよい。また、入出庫履歴57は、仕掛り在庫の少なくとも入出庫日57bと、入出庫日57b毎の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とを含まなくてもよい。さらに、生産管理装置10は、補正条件算出処理において、暫定段取り工数PMaと、実績段取り工数55aと、加工予定部品と同じ部品の作成数と、段取り作業の直前の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とを参照して暫定段取り工数PMaに対する補正条件を算出しなくてもよい。
【0106】
上述した実施形態において、生産管理装置10は、補正条件算出処理において、実績段取り工数55aと、実績段取り工数55aに係る段取り作業の直前の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とに応じて暫定段取り工数PMaの補正値を決定し、加工予定部品の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)に応じて補正値を変更するものとして説明したが、これに限定されない。生産管理装置10は、補正条件算出処理において、実績段取り工数55aと、実績段取り工数55aに係る段取り作業の直前の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)とに応じて暫定段取り工数PMaの補正値を決定しなくてもよい。また、生産管理装置10は、加工予定部品の仕掛り在庫の在庫数(仕掛り在庫数57a)に応じて補正値を変更しなくてもよい。
【0107】
上述した実施形態において、暫定段取り工数PMaは、加工予定部品の標準段取り工数52a又は、加工予定部品の標準段取り工数52aを実績段取り工数55aに基づいて補正した工数(補正済標準段取り工数52a′)又は、加工予定部品の標準段取り工数52aを加工予定部品の段取り作業を担当予定の作業者の作業者別実績情報に基づいて補正した工数(補正済標準段取り工数52a′)であるものとして説明したが、これに限定されない。暫定段取り工数PMaは、上述したいずれかの段取り工数以外の段取り工数であってもよい。
【0108】
上述した実施形態において、生産管理装置10は、実績段取り工数55a毎に標準段取り工数52aに対する工数の増減率を算出し、増減率の平均値に基づいて、標準段取り工数52aを補正するよう構成されているものとして説明したが、これに限定されない。生産管理装置10は、実績段取り工数55a毎に標準段取り工数52aに対する工数の増減率を算出し、増減率の平均値に基づいて、標準段取り工数52aを補正しなくてもよい。
【0109】
上述した実施形態において、作業者別実績情報は、作業者が段取り作業を担当した加工予定部品と異なる部品の実績段取り工数55aを含むものとして説明したが、これに限定されない。作業者別実績情報は、作業者が段取り作業を担当した加工予定部品と異なる部品の実績段取り工数55aを含まなくてもよい。作業者別実績情報は、作業者が段取り作業を担当した加工予定部品と同じ部品の実績段取り工数55aを含んでもよい。
【0110】
上述した実施形態において、製造支援システム1は、サーバ50を備えるものとして説明したが、これに限定されず、製造支援システム1は、サーバ50を備えなくてもよい。また、生産管理装置10は、サーバ50の代わりにサーバ50の各データベースを記憶部140に含んでもよい。
【0111】
上述した実施形態において、製造支援システム1は、実績登録端末90を備えるものとして説明したが、これに限定されず、製造支援システム1は、実績登録端末90を備えなくてもよい。
【0112】
上述した実施形態において、工数補正部137による工数の補正は、全て溶接工程を例に説明したが、これに限定されず、工数補正部137は、種々の任意の工程の工数を補正可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 製造支援システム
10 生産管理装置
50 サーバ
51 標準工数データベース
52 標準工数
52′ 補正済標準工数
52a 標準段取り工数
52a′ 補正済標準段取り工数
52b 標準加工工数
52b′ 補正済標準加工工数
53 加工実績データベース
54 実績情報
55 実績工数
55a 実績段取り工数
55b 実績加工工数
56 生産技術管理データベース
57 入出庫履歴
57a 仕掛り在庫数
57b 入出庫日
57c 入出庫数
70 加工機
70a ブランク加工機
70b 二次加工機
90 実績登録端末
110 入力部
120 表示部
130 制御部
131 暫定工数取得部
133 実績情報取得部
135 在庫情報取得部
137 工数補正部
140 記憶部
141 生産管理プログラム
AP アクセスポイント
PM 暫定工数
PMa 暫定段取り工数
PMb 暫定加工工数
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