IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ユーシンの特許一覧

<>
  • 特開-ドアインナハンドル装置 図1
  • 特開-ドアインナハンドル装置 図2
  • 特開-ドアインナハンドル装置 図3
  • 特開-ドアインナハンドル装置 図4
  • 特開-ドアインナハンドル装置 図5
  • 特開-ドアインナハンドル装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099166
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】ドアインナハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/267 20170101AFI20240718BHJP
   B60Q 3/62 20170101ALI20240718BHJP
   B60Q 3/70 20170101ALI20240718BHJP
   B60Q 3/78 20170101ALI20240718BHJP
   B60Q 3/85 20170101ALI20240718BHJP
【FI】
B60Q3/267
B60Q3/62
B60Q3/70
B60Q3/78
B60Q3/85
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002898
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】三浦 玲貴
(72)【発明者】
【氏名】高岡 真之輔
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA07
3K040CA05
3K040EA05
3K040EB03
3K040FB02
3K040GB07
3K040GB08
3K040GC14
3K040GC16
(57)【要約】
【課題】利便性を向上する。
【解決手段】ドアインナハンドル装置10では、アームレスト20におけるポケット部22よりも車幅方向内側部分がインナハンドル部24として構成されている。インナハンドル部24の内部には、操作表示ユニット30が設けられており、操作表示ユニット30は、アームレスト20から露出された表示部64Aを有するインジケータ部60を有している。そして、表示部64Aによって、サイドドア80の開閉の可否を表示する。このため、乗員Pが車両Vから降車するときに、サイドドア80の開閉の可否を確認することができる。したがって、利便性を向上することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアのインナパネルから車室内側へ膨出され、車両上側へ開放された凹状のポケット部を有すると共に、前記ポケット部よりも車室内側部分がインナハンドル部として構成された膨出部と、
前記膨出部に設けられ、前記膨出部から視認可能に露出された表示部を有するインジケータ部と、
を備え、
前記表示部によって、前記車両用ドアの開閉可否を表示するドアインナハンドル装置。
【請求項2】
作動することで前記車両用ドアをラッチ状態又はアンラッチ状態に切替えるラッチ装置と、
前記インナハンドル部の内部に設けられ、操作されることで前記ラッチ装置を作動させる操作部と、
を備え、
前記表示部は、前記車両用ドアのラッチ状態又はアンラッチ状態を表示する請求項1に記載のドアインナハンドル装置。
【請求項3】
前記インジケータ部は、
光源と、
前記表示部を有すると共に、前記光源によって発光された光を前記表示部へ導く導光部材と、
を含んで構成されている請求項2に記載のドアインナハンドル装置。
【請求項4】
前記光源が異なる色に発光することで、前記表示部が前記車両用ドアの開閉の可否を表示する請求項3に記載のドアインナハンドル装置。
【請求項5】
前記操作部は、
スイッチと、
前記ポケット部の内周部から操作可能に露出され、操作されることで前記スイッチを押圧する操作ボタンと、
を含んで構成されている請求項3に記載のドアインナハンドル装置。
【請求項6】
前記操作ボタンが、前記ポケット部の内周面よりも前記インナハンドル部の内部に凹んでいる請求項5に記載のドアインナハンドル装置。
【請求項7】
前記操作ボタンが、車両前後方向から見て、車両下側へ向かうに従い車室内側へ傾斜している請求項6に記載のドアインナハンドル装置。
【請求項8】
前記インナハンドル部の内部には、基板が設けられており、
前記光源が前記基板の一側面に設けられ、前記スイッチが前記基板の他側面に設けられている請求項5に記載のドアインナハンドル装置。
【請求項9】
前記表示部が、前記インナハンドル部の上面又は車室内側面から露出しており、前記表示部の少なくとも一部が、車両前後方向において、前記操作ボタンと同じ位置に配置されている請求項5に記載のドアインナハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアインナハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の照明装置では、タッチスイッチが車両用ドアのドアトリムに設けられており、ドアトリムにおけるポケット部の開口部に乗員の手を接触させることで、照明装置が作動して、ポケット部の内部が照明される。
【0003】
また、車両用ドアでは、電動のラッチ装置によって車両用ドアをラッチ状態又はアンラッチ状態に切替えるものある。この場合には、ラッチ装置を作動させるための操作部が、車両用ドアに設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4444933号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載の車両用ドアに電動のラッチ装置を適用した場合には、例えば、タッチスイッチへの操作によってラッチ装置を作動させることで、車両用ドアをラッチ状態又はアンラッチ状態に切替えることができる。このため、乗員が降車するときには、車両用ドアをアンラッチ状態にして、乗員が把持するポケット部の縁部を車室外側へ押出すことで、車両用ドアを開くことができる。これにより、ポケット部の縁部をインナハンドル部として機能させつつ、乗員に対する利便性を向上することができる。
【0006】
しかしながら、この場合でも、例えば、車両用ドアがアンラッチ状態に切替わる前に、乗員がインナハンドルを車室外側へ押すと、車両用ドアを開けることができないため、利便性が低下する。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して、利便性を向上することができるドアインナハンドル装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、車両用ドアのインナパネルから車室内側へ膨出され、車両上側へ開放された凹状のポケット部を有すると共に、前記ポケット部よりも車室内側部分がインナハンドル部として構成された膨出部と、前記膨出部に設けられ、前記膨出部から視認可能に露出された表示部を有するインジケータ部と、を備え、前記表示部によって、前記車両用ドアの開閉可否を表示するドアインナハンドル装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るドアインナハンドル装置が適用された車両を模式的に示す車幅方向外側から見た側面図である。
図2図1に示される車両のサイドドアの車室内側から見た側面図である。
図3図2に示されるサイドドアのアームレストに設けられたインナハンドル部周辺を示す後側から見た断面図(図2の3-3線断面図)である。
図4図3に示される操作表示ユニットの車幅方向外側且つ車両後側から見た斜視図である。
図5】第2実施形態に係るドアインナハンドル装置を示す図3に対応する断面図である。
図6】第3実施形態に係るドアインナハンドル装置を示す図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、図1図4を用いて、第1実施形態に係るドアインナハンドル装置10について説明する。図1及び図2に示されるように、ドアインナハンドル装置10は、車両(自動車)Vにおける車両用ドアとしてのサイドドア80に設けられており、サイドドア80は、車両Vの車幅方向両側部にそれぞれ配置されている。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印INは、それぞれ車両Vの車両上側、車両前側、車幅方向内側(車室内側)を示しており、車幅方向は、サイドドア80の厚み方向と一致している。以下の説明において、上下、前後の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、車両上下方向、車両前後方向を示すものとする。
【0012】
以下、車両Vの右側部に設けられたサイドドア80を用いて、ドアインナハンドル装置10について説明する。サイドドア80では、その前端部が、図示しないヒンジ機構によって上下方向を軸方向として車両Vの車体に回動可能に連結されており、サイドドア80の開閉時には、サイドドア80が前端部を中心として回動される。図2に示されるように、ドアインナハンドル装置10は、サイドドア80の車室内側部分を構成するインナパネル82に設けられている。ドアインナハンドル装置10は、膨出部としてのアームレスト20と、操作表示ユニット30(広義には、操作表示装置として把握される要素である)と、を備えている。
【0013】
(アームレスト20について)
図2及び図3に示されるように、アームレスト20は、前後方向を長手方向とする略直方体状に形成されている。アームレスト20は、インナパネル82に組付けられて、インナパネル82から車幅方向内側へ膨出している。アームレスト20は、乗員Pの肘掛け部として機能するように、インナパネル82の上端側部分に位置している。アームレスト20の前後方向中間部には、ポケット部22が設けられており、ポケット部22は上側へ開放された凹状に形成されている。
【0014】
アームレスト20におけるポケット部22よりも車幅方向内側部分は、インナハンドル部24として構成されており、乗員Pがインナハンドル部24を把持して、サイドドア80の開閉を行うようになっている。インナハンドル部24は、後述する操作表示ユニット30を配置可能に中空状に形成されている。インナハンドル部24における車幅方向外側の壁部には、上端部において、略矩形状のボタン孔24Aが貫通形成されており、ボタン孔24Aによってポケット部22の内部とインナハンドル部24の内部とが連通されている。インナハンドル部24における車幅方向内側の壁部には、上端部において、インジケータ孔24Bが貫通形成されており、インジケータ孔24Bは、前後方向を長手方向とする長孔状に形成されている。車幅方向から見て、インジケータ孔24Bが、ボタン孔24Aに重なるように位置している。
【0015】
(操作表示ユニット30について)
図2図4に示されるように、操作表示ユニット30は、アームレスト20におけるインナハンドル部24の上端部内に設けられている。操作表示ユニット30は、ハウジング32と、操作部50と、インジケータ部60と、を含んで構成されている。
【0016】
ハウジング32は、操作表示ユニット30の外郭を構成している。ハウジング32は、全体として中空の略段付き直方体状に形成されており、図示しないブラケットによってインナハンドル部24に固定されている。ハウジング32は、内側ハウジング部材34及び外側ハウジング部材36を有しており、これらハウジング部材が互いに組付けられて、ハウジング32が形成されている。
【0017】
内側ハウジング部材34は、車幅方向外側へ開放された略矩形凹状に形成されている。内側ハウジング部材34の底壁(車幅方向内側の壁)には、後述するライトガイド64を配置するためのライトガイド保持部34Aが設けられている。ライトガイド保持部34Aは、車幅方向を軸方向とする略矩形筒状に形成されており、内側ハウジング部材34の底壁から車幅方向両側へ突出している。ライトガイド保持部34Aは、インナハンドル部24の車幅方向内側の壁部に隣接して配置されている。
【0018】
外側ハウジング部材36は、車幅方向を軸方向とする略段付き矩形筒状に形成されている。外側ハウジング部材36の車幅方向中間部には、段差部36Aが形成されており、外側ハウジング部材36における車幅方向内側部分の外形が車幅方向外側部分の外形よりも大きくなっている。内側ハウジング部材34及び外側ハウジング部材36の組付状態では、内側ハウジング部材34が外側ハウジング部材36の車幅方向内側部分内に嵌入されている。
【0019】
ハウジング32の内部には、基板38が設けられており、基板38は、車幅方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。基板38の外周部が、内側ハウジング部材34の車幅方向外側端部と外側ハウジング部材36の段差部36Aとによって車幅方向両側から挟まれて、基板38がハウジング32に固定されている。基板38は、後述する操作部50及びインジケータ部60の共通部品として構成されている。基板38の車幅方向内側面の下端部には、コネクタ40が設けられており、コネクタ40からハウジング32の外部へ延出されたハーネス42によって、基板38が車両Vの制御部72に電気的に接続されている。
【0020】
操作部50は、操作ボタン52と、スイッチ54と、前述した基板38と、を含んで構成されている。操作ボタン52は、車幅方向内側へ開放された略矩形凹状に形成され、外側ハウジング部材36の車幅方向外側部分に車幅方向にスライド可能に外挿されている。具体的には、操作ボタン52は、初期位置(図3に示される位置)から車幅方向内側へスライド可能に構成されている。操作ボタン52の車幅方向外側面が、操作面52Aとして構成されている。操作面52Aは、ボタン孔24Aによってポケット部22側(車幅方向外側)へ操作可能に露出されており、操作ボタン52の初期位置では、操作面52A(操作ボタン52)がポケット部22の内周面よりも車幅方向内側(インナハンドル部24の内部側)に凹んだ位置に配置されている。操作ボタン52には、スイッチ押圧部52Bが一体に形成されている。スイッチ押圧部52Bは、車幅方向に延在された柱状に形成され、操作ボタン52における車幅方向外側壁部の略中央部から車幅方向内側へ延出されている。
【0021】
スイッチ54は、基板38の車幅方向外側面に設けられており、操作ボタン52のスイッチ押圧部52Bの車幅方向内側に隣接配置されている。スイッチ54は、プッシュスイッチとして構成されており、乗員Pによって操作ボタン52が初期位置から車幅方向内側へ押されることで、スイッチ押圧部52Bがスイッチ54を押圧するようになっている。スイッチ54は、制御部72に電気的に接続されており、操作に応じた信号を制御部72に出力する。
【0022】
インジケータ部60は、光源としてのLED62と、導光部材としてのライトガイド64と、前述した基板38と、を含んで構成されている。LED62は、基板38の車幅方向内側面に設けられており、ハウジング32におけるライトガイド保持部34Aの車幅方向外側に位置している。LED62は、制御部72に電気的に接続されており、制御部72によって発光すると共に、発光された光を車幅方向内側(車室内側)へ照射するようになっている。
【0023】
ライトガイド64は、光を透過可能な材料(実施形態では、透明な樹脂材)によって形成されている。ライトガイド64は、車幅方向に延在された略矩形柱状に形成され、ライトガイド保持部34A内に嵌入されて、ハウジング32に保持されている。ライトガイド64は、LED62の車幅方向内側に隣接されている。ライトガイド64の車幅方向内側端部は、表示部64Aとして構成されている。表示部64Aは、ライトガイド保持部34Aよりも車幅方向内側へ突出し、インジケータ孔24B内に配置されて、インナハンドル部24から車室内側へ露出している。これにより、LED62によって発光された光が、ライトガイド64によって表示部64Aに導かれて、表示部64Aが照明される構成になっている。また、車幅方向から見て、表示部64Aの全体が操作ボタン52に重なるように、前後方向において、表示部64Aが操作ボタン52と同じ位置に配置されている。
【0024】
また、車両Vには、サイドドア80をラッチ状態又はアンラッチ状態に切替えるラッチ装置70が設けられている。ラッチ装置70は、モータ等の駆動部を有する電動の施錠装置として構成されており、制御部72に電気的に接続されている。具体的には、操作部50のスイッチ54からの出力信号に基づいて制御部72がラッチ装置70を作動させることで、サイドドア80がラッチ状態又はアンラッチ状態に切替わるようになっている。
【0025】
また、制御部72は、サイドドア80の状態(ラッチ状態又はアンラッチ状態)に基づいて、LED62を異なる色に発光させるように、LED62を発光制御する。詳しくは、サイドドア80のアンラッチ状態では、制御部72によってLED62が緑色に発光され、サイドドア80のラッチ状態では、制御部72によってLED62が赤色に発光されるようになっている。これにより、表示部64Aがサイドドア80の状態に基づく色に照明(表示)されて、サイドドア80の状態を表示部64Aによって報知するようになっている。
【0026】
(作用及び効果)
次に、乗員Pの車両Vからの降車時におけるドアインナハンドル装置10への操作手順を説明しつつ、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
【0027】
乗員Pの車両Vからの降車時には、指をポケット部22内に挿入して、サイドドア80のインナハンドル部24を上側から把持する。ここで、サイドドア80がラッチ状態である場合には、制御部72によってLED62が赤色に発光している。これにより、インジケータ部60の表示部64Aが赤色に照明されて、サイドドア80がラッチ状態であることを乗員Pが認識する。このため、乗員Pが、ポケット部22内に挿入された指によって、操作ボタン52を車幅方向内側へ押してスイッチ54を押圧する。よって、制御部72が、スイッチ54から制御部72へ出力される信号に基づいて操作ボタン52への操作を検出して、ラッチ装置70を作動させる。その結果、サイドドア80がラッチ状態からアンラッチ状態に切替わる。すなわち、サイドドア80の開閉が許可された状態になる。
【0028】
サイドドア80がアンラッチ状態に切替ると、制御部72によって、LED62の発光色を赤から緑に切替える。これにより、インジケータ部60の表示部64Aが緑色に照明されて、サイドドア80がアンラッチ状態であることを乗員Pが認識する。よって、乗員Pがインナハンドル部24を車幅方向外側へ押出すことで、サイドドア80が開かれる。
【0029】
以上説明したように、ドアインナハンドル装置10では、アームレスト20におけるポケット部22よりも車幅方向内側部分がインナハンドル部24として構成されている。インナハンドル部24の内部には、操作表示ユニット30が設けられており、操作表示ユニット30は、アームレスト20から露出された表示部64Aを有するインジケータ部60を有している。そして、表示部64Aによって、サイドドア80の開閉の可否を表示する。具体的には、ラッチ装置70によるサイドドア80のラッチ状態では、表示部64Aが赤色に照明され、ラッチ装置70によるサイドドア80のアンラッチ状態では、表示部64Aが緑色に照明される。このため、乗員Pが車両Vから降車するときに、サイドドア80のアンラッチ状態又はラッチ状態を確認することができる。換言すると、乗員Pが、サイドドア80のアンラッチ状態の確認後に、インナハンドル部24を車幅方向外側へ押出して、サイドドア80を開くことができる。その結果、サイドドア80のラッチ状態時でのインナハンドル部24に対する押し操作を回避することができる。したがって、利便性を向上することができる。
【0030】
また、操作表示ユニット30の操作部50が、インナハンドル部24の内部に設けられており、操作部50が操作されることで、ラッチ装置70が作動して、サイドドア80がラッチ状態又はアンラッチ状態に切替わる。具体的には、操作部50の操作ボタン52が押されると、操作ボタン52のスイッチ押圧部52Bがスイッチ54を押圧する。これにより、制御部72によってラッチ装置70が作動して、サイドドア80がラッチ状態又はアンラッチ状態に切替わる。そして、表示部64Aが、ラッチ装置70によるサイドドア80のラッチ状態又はアンラッチ状態を表示する。これにより、乗員Pが、サイドドア80の状態を確認しつつ、操作部50への操作の要否を判別することができる。したがって、利便性を一層向上することができる。
【0031】
また、操作部50における操作ボタン52は、ボタン孔24Aからポケット部22の内部へ操作可能に露出されている。すなわち、操作ボタン52がアームレスト20の外表面から露出していない。このため、操作ボタン52が不用意に押圧されることを抑制できる。しかも、操作ボタン52は、ポケット部22の内周面よりもインナハンドル部24の内部側へ凹んでいる。これにより、操作ボタン52をポケット部22の内部から操作するように構成しても、ポケット部22の内周部に接触した乗員Pの指によって、操作ボタン52の位置を容易に認識することができる。
【0032】
また、インジケータ部60は、LED62と、表示部64Aを有するライトガイド64と、を含んで構成されている。そして、LED62によって発光された光がライトガイド64によって表示部64Aへ導かれて、表示部64Aが異なる色に照明されることで、サイドドア80の開閉の可否を表示する。これにより、簡易な構成で、サイドドア80の開閉可否を乗員Pに報知することができる。
【0033】
また、操作表示ユニット30では、インジケータ部60のLED62が基板38の車幅方向内側面に設けられ、操作部50のスイッチ54が基板38の車幅方向外側面に設けられている。このため、基板38を操作部50及びインジケータ部60の共通部品として構成することができる。したがって、操作表示ユニット30及びドアインナハンドル装置10のコストダウンに寄与することができる。
【0034】
また、車幅方向から見て、表示部64Aが操作ボタン52と重なっており、前後方向において、表示部64Aが操作ボタン52と同じ位置に配置されている。これにより、インナハンドル部24内に設けられた操作ボタン52の前後位置を、表示部64Aによって把握することができる。したがって、操作部50に対する操作性を向上することができる。
【0035】
(第2実施形態)
次に、図5を用いて第2実施形態のドアインナハンドル装置100について説明する。ドアインナハンドル装置100は、以下に示す点を除いて、第1実施形態のドアインナハンドル装置10と同様に構成されている。なお、図5では、第1実施形態のドアインナハンドル装置10と同様に構成されている部材には、同一の符号を付している。
【0036】
すなわち、ドアインナハンドル装置100では、操作表示ユニット30におけるハウジング32のライトガイド保持部34Aが、内側ハウジング部材34の上壁及び外側ハウジング部材36における車幅方向内側部分の上壁に形成されて、ハウジング32から上側へ延出されている。また、ライトガイド64は、後側から見て、略L字形柱状に形成されている。具体的には、ライトガイド64は、ライトガイド64の下端部を構成し且つ車幅方向に延在された第1ライトガイド部64Bと、第1ライトガイド部64Bの車幅方向内側端部から上側へ延出された第2ライトガイド部64Cと、を含んで構成されている。そして、第1ライトガイド部64BがLED62の車幅方向内側に隣接配置され、第2ライトガイド部64Cがライトガイド保持部34A内に嵌入されて、ライトガイド64がハウジング32に保持されている。第1ライトガイド部64Bの車幅方向内側端には、傾斜面64Dが形成されており、傾斜面64Dは、後側から見て車幅方向内側へ向かうに従い上側へ傾斜している。また、第2ライトガイド部64Cの上端部が表示部64Aとして構成されており、表示部64Aがライトガイド保持部34Aから上側へ突出している。よって、ドアインナハンドル装置100では、アームレスト20のインジケータ孔24Bが、表示部64Aの位置に対応して、インナハンドル部24の上壁に形成されており、表示部64Aがインナハンドル部24の上面から露出している。
【0037】
そして、第2実施形態においても、ラッチ装置70によるサイドドア80のラッチ状態では、表示部64Aが赤色に照明され、ラッチ装置70によるサイドドア80のアンラッチ状態では、表示部64Aが緑色に照明されて、表示部64Aによって、サイドドア80の開閉の可否を表示する。このため、乗員Pが車両Vから降車するときに、サイドドア80のアンラッチ状態又はラッチ状態を確認することができる。したがって、第2実施形態のドアインナハンドル装置100も第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0038】
(第3実施形態)
次に、図6を用いて第3実施形態のドアインナハンドル装置200について説明する。ドアインナハンドル装置200は、以下に示す点を除いて、第2実施形態のドアインナハンドル装置100と同様に構成されている。なお、図6では、第2実施形態のドアインナハンドル装置100と同様に構成されている部材には、同一の符号を付している。
【0039】
すなわち、第3実施形態のドアインナハンドル装置200では、第2実施形態のドアインナハンドル装置100における操作表示ユニット30を、傾斜させた状態に配置して、インナハンドル部24に固定している。具体的には、操作表示ユニット30が後側から見て、下側へ向かうに従い車幅方向内側へ傾斜している。このため、操作ボタン52の操作面52Aも、後側から見て、下側へ向かうに従い車幅方向内側へ傾斜している。また、外側ハウジング部材36には、下側の段差部36Aから車幅方向外側斜め下方側へ延びるカバー壁36Bが形成されており、カバー壁36Bの先端部が、ボタン孔24Aの下側縁部に近接して配置されている。
【0040】
また、第3実施形態では、表示部64Aが、車幅方向を長手方向とし且つ上下方向を厚み方向とする略矩形プレート状に形成されており、第2ライトガイド部64Cの上端部が表示部64Aの車幅方向内側部分に接続されている。すなわち、上側から見た表示部64Aの面積が、第2実施形態と比べて大きく設定されている。これに伴い、インジケータ孔24Bが、車幅方向を長手方向とする長孔状に形成されている。また、表示部64Aの上面には、操作ボタン52の位置を示すマーク(本実施形態では、文字と矢印とを組み合わせたマーク)が印刷されている。
【0041】
そして、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、ラッチ装置70によるサイドドア80のラッチ状態では、表示部64Aが赤色に照明され、ラッチ装置70によるサイドドア80のアンラッチ状態では、表示部64Aが緑色に照明されて、表示部64Aによって、サイドドア80の開閉の可否を表示する。このため、乗員Pが車両Vから降車するときに、サイドドア80のアンラッチ状態又はラッチ状態を確認することができる。したがって、第3実施形態のドアインナハンドル装置200も第1実施形態及び第2実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0042】
また、第3実施形態では、操作表示ユニット30の操作ボタン52が後側から見て下側へ向かうに従い車幅方向内側へ傾斜している。これにより、操作ボタン52のボタン孔24Aからの凹み量を下側へ向かうに従い大きくすることができる。よって、例えば、乗員Pがポケット部22に収容したものを回収するときなどに、不用意に操作ボタン52を押圧することを回避することができる。また、操作ボタン52のボタン孔24Aからの凹み量を、第1実施形態及び第2実施形態よりも大きくすることができる。その結果、操作ボタン52の位置を一層容易に把握することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 ドアインナハンドル装置
20 アームレスト(膨出部)
22 ポケット部
38 基板
50 操作部
52 操作ボタン
54 スイッチ
60 インジケータ部
62 LED(光源)
64 ライトガイド(導光部材)
64A 表示部
80 サイドドア(車両用ドア)
82 インナパネル
100 ドアインナハンドル装置
200 ドアインナハンドル装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6