(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099209
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】釣り用スナップ
(51)【国際特許分類】
A01K 91/04 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
A01K91/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002982
(22)【出願日】2023-01-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】513132450
【氏名又は名称】有限会社オフィス・ユーカリ
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】石 川 優 美 子
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307EA04
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、フィッシング時の釣り糸の切断を防止することができる釣り用スナップを提供するものである。
【解決手段】
釣り用スナップSは、弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップSであって、釣り糸3が止着される環状の第1環状部1と、釣り用の仕掛けに設けられた連結環4に挿通係合される環状の第2環状部2と、第2環状部2に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、第1環状部1に離脱可能に係合するフック部21と、を備え、第1環状部1の釣り糸3が止着される部位Xが、複数の線材で構成されているものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップであって、
釣り糸が止着される環状の第1環状部と、
釣り用の仕掛けに設けられた連結環に挿通係合される環状の第2環状部と、
前記第2環状部に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、前記第1環状部に離脱可能に係合するフック部と、を備え、
前記第1環状部の前記釣り糸が止着される部位が、複数の線材で構成されている
ことを特徴とする釣り用スナップ。
【請求項2】
弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップであって、
釣り糸が止着される環状の第1環状部と、
釣り用の仕掛けに設けられた連結環に挿通係合される環状の第2環状部と、
前記第2環状部に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、前記第1環状部に離脱可能に係合するフック部と、を備え、
前記第1環状部の中途に前記線材を複数回旋回する旋回部が設けられ、
前記第1環状部が上側に配置され前記第2環状部が下側に配置された姿勢において、前記第1環状部の頂部の内側に前記旋回部が位置し、
前記釣り糸が止着される部位が前記旋回部である
ことを特徴とする釣り用スナップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用スナップに係り、特に、フィッシング時の釣り糸の切断を防止することができる釣り用スナップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハリス、錘、ルアー、エギ等の仕掛けを装着させるために、主に金属線材を屈曲させて形成した釣用スナップが用いられている(特許文献参照)。
この釣り用スナップは、弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップであって、釣り糸が止着される環状の第1環状部と、釣り用の仕掛けに設けられた連結環に挿通係合される環状の第2環状部と、前記第2環状部に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、前記第1環状部に離脱可能に係合するフック部と、を備え、前記第1環状部が上側に配置され前記第2環状部が下側に配置された姿勢において、前記第2環状部は、前記フック部が前記第1環状部に係合した状態で前記フック部の屈曲部から下方へ延びる湾曲部を有し、前記湾曲部は、ストレート部を有しておらず、前記屈曲部から前記第2環状部上の予め定められた特定位置まで外向きに湾曲した形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の釣り用スナップにあっては、第1環状部の釣り糸が止着される部位が、単一の線材で構成されているため、釣り糸にかかる荷重が大きく、フィッシング時、釣り糸が切断するという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を除去するようにした釣り用スナップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の釣り用スナップは、弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップであって、釣り糸が止着される環状の第1環状部と、釣り用の仕掛けに設けられた連結環に挿通係合される環状の第2環状部と、前記第2環状部に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、前記第1環状部に離脱可能に係合するフック部と、を備え、前記第1環状部の前記釣り糸が止着される部位が、複数の線材で構成されているものである。
【0007】
また、請求項2記載の釣り用スナップは、弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップであって、釣り糸が止着される環状の第1環状部と、釣り用の仕掛けに設けられた連結環に挿通係合される環状の第2環状部と、前記第2環状部に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、前記第1環状部に離脱可能に係合するフック部と、を備え、前記第1環状部の中途に前記線材を複数回旋回する旋回部が設けられ、前記第1環状部が上側に配置され前記第2環状部が下側に配置された姿勢において、前記第1環状部の頂部の内側に前記旋回部が位置し、前記釣り糸が止着される部位が前記旋回部である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の釣り用スナップによれば、第1環状部の前記釣り糸が止着される部位が、複数の線材で構成されているため、従来の第1環状部の釣り糸が止着される部位が、単一の線材で構成されているものに比べ、釣り糸にかかる荷重が小さくなり、フィッシング時の釣り糸の切断を防止することができる。
【0009】
また、請求項2記載の釣り用スナップによれば、第1環状部の中途に前記線材を複数回旋回する旋回部が設けられ、前記第1環状部が上側に配置され前記第2環状部が下側に配置された姿勢において、前記第1環状部の頂部の内側に前記旋回部が位置し、前記釣り糸が止着される部位が前記旋回部であるため、従来の第1環状部の釣り糸が止着される部位が、単一の線材で構成されているものに比べ、釣り糸にかかる荷重が小さくなり、フィッシング時の釣り糸の切断を防止することができ、第1環状部の中途に前記線材を複数回旋回する旋回部が設けられているため、第1環状部の強度が増し、引いては、釣り用スナップの強度向上の効果をも有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本願発明の一実施例の釣り用スナップを釣り糸とルアーに接続した状態を撮影した写真である。
【
図6】
図6は、
図3の釣り用スナップの第1環状部からフック部を離脱させた状態撮影した写真である。
【
図9】
図9は、
図2の釣り用スナップを背面側から写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施例の釣り用スナップを図面(
図1乃至
図9)を参照して説明する。
【0012】
図1に示すSは、弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップで、釣り用スナップSは、詳しくは、ハリス、錘、ルアー、エギ等の仕掛けを装着させるために、主に金属線材を屈曲させて形成したもので、釣り用スナップSの材料は、例えば、18Cr-12Ni-0.06Cの組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼(IS規格のSUS304WPS)が望ましい。
【0013】
釣り用スナップSは、
図1に示すように、釣り糸3が止着される環状の第1環状部1と、釣り用の仕掛けに設けられた連結環4(例えば、ルアーのラインアイレット)に挿通係合される環状の第2環状部2と、この第2環状部2に設けられ、線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、第1環状部1に離脱可能に係合するフック部21とを備えている。
第1環状部1に係合するフック部21を外して(
図6及び
図7参照)、第2環状部2に連結環4を係合し、その後、第1環状部1にフック部21を係合する(
図1参照)。
【0014】
第1環状部1の釣り糸3が止着される部位X(
図1参照)が、複数の線材で構成されている(第1環状部1の部位A、B、C、D、E
図8参照)。
そのため、従来の第1環状部の釣り糸が止着される部位が、単一の線材で構成されているものに比べ、釣り糸3にかかる荷重が小さくなり、フィッシング時の釣り糸3の切断を防止することができる。
【0015】
なお、第1環状部1の中途に線材を複数回旋回する旋回部10(第1環状部1の部位A、B、C、D、E
図8参照)が設けられ、 第1環状部1が上側に配置され第2環状部2が下側に配置された姿勢において、第1環状部1の頂部の内側に旋回部10が位置し、釣り糸4が止着される部位Xが旋回部10である(
図1参照)。
【0016】
そのため、従来の第1環状部の釣り糸が止着される部位が、単一の線材で構成されているものに比べ、釣り糸3にかかる荷重が小さくなり、フィッシング時の釣り糸3の切断を防止することができ、また、第1環状部1の中途に線材を複数回旋回する旋回部10が設けられているため、第1環状部1の強度が増し、引いては、釣り用スナップSの強度向上の効果をも有する。
なお、本発明の一実施例の釣り用スナップSは、例えば、図示しないワイヤーフォーミングマシンで一体製造できるものである。
【符号の説明】
【0017】
S 釣り用スナップ
1 第1環状部
2 第2環状部
3 釣り糸
4 連結環(例えば、ルアーのラインアイレット)
X 釣り糸が止着される部位
10 旋回部
21 フック部
【手続補正書】
【提出日】2023-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップであって、
釣り糸が止着される環状の第1環状部と、
釣り用の仕掛けに設けられた連結環に挿通係合される環状の第2環状部と、
前記第2環状部に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、前記
第1環状部に離脱可能に係合するフック部と、を備え、
前記第1環状部の前記釣り糸が止着される部位が、複数の線材で構成され、
前記第2環状部は、単一の線材で構成されている
ことを特徴とする釣り用スナップ。
【請求項2】
弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップであって、
釣り糸が止着される環状の第1環状部と、
釣り用の仕掛けに設けられた連結環に挿通係合され、単一の線材で旋回しない環状の
第2環状部と、
前記第2環状部に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、前記
第1環状部に離脱可能に係合するフック部と、を備え、
前記第1環状部の中途に前記線材を複数回旋回する旋回部が設けられ、
前記第1環状部が上側に配置され前記第2環状部が下側に配置された姿勢において、
前記第1環状部の頂部の内側に前記旋回部が位置し、
前記釣り糸が止着される部位が複数回旋回する前記旋回部である
ことを特徴とする釣り用スナップ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項1記載の釣り用スナップは、弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップであって、釣り糸が止着される環状の第1環状部と、釣り用の仕掛けに設けられた連結環に挿通係合される環状の第2環状部と、前記第2環状部に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、前記第1環状部に離脱可能に係合するフック部と、を備え、前記第1環状部の前記釣り糸が止着される部位が、複数の線材で構成され、前記第2環状部は、単一の線材で構成されているものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、請求項2記載の釣り用スナップは、弾性を有する線材を屈曲させて形成された釣り用スナップであって、釣り糸が止着される環状の第1環状部と、釣り用の仕掛けに設けられた連結環に挿通係合され、単一の線材で旋回しない環状の第2環状部と、前記第2環状部に設けられ、前記線材の端部を屈曲してフック形状に形成され、前記第1環状部に離脱可能に係合するフック部と、を備え、前記第1環状部の中途に前記線材を複数回旋回する旋回部が設けられ、前記第1環状部が上側に配置され前記第2環状部が下側に配置された姿勢において、前記第1環状部の頂部の内側に前記旋回部が位置し、前記釣り糸が止着される部位が複数回旋回する前記旋回部である。