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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009921
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】人工肺システム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20240116BHJP
   A61M 1/36 20060101ALI20240116BHJP
   A61M 60/113 20210101ALI20240116BHJP
   A61M 60/38 20210101ALI20240116BHJP
【FI】
A61M1/16 107
A61M1/36 119
A61M60/113
A61M60/38
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023175943
(22)【出願日】2023-10-11
(62)【分割の表示】P 2022003826の分割
【原出願日】2015-11-18
(31)【優先権主張番号】62/081,747
(32)【優先日】2014-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515293665
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・メリーランド・ボルティモア
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF MARYLAND, BALTIMORE
(71)【出願人】
【識別番号】517175220
【氏名又は名称】ブリーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Breethe, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ジョンジュン・ウー
(72)【発明者】
【氏名】バートリー・グリフィス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・エヌ・ウェルズ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】携帯可能な人口肺システムを使う歩き回る患者のために、機械的に酸素供給を提供するためのシステムと方法を提供する。
【解決手段】血液酸素付加装置100と共に使用するための酸素供給ユニットは、酸素濃縮器と、炭酸ガス吸収装置を備える。オンライン操作モードにおいて、酸素濃縮器からの酸素豊富なガスは、濃縮器から再利用されたガスの減少した流れと共に血液酸素付加装置310に供給される。酸素供給ユニットが電池によってのみ電力が供給されるオフライン操作モードにおいて、血液酸素付加装置からの再利用された大きなガスの流れは、炭酸ガス吸収装置を通って、酸素濃縮器からの量が減った酸素豊富なガスと組み合わされる。酸素供給ユニットは、肺機能が損傷された患者へ移動性の血液酸素化を供給する血液ポンプ320と人工肺を組み合わせて使われてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液酸素供給のための酸素豊富なガスを提供する方法であって、
電池電源または外部電源で選択的に酸素濃縮器を操作し、
前記酸素濃縮器を外部電源で操作しているとき、前記酸素濃縮器から不純物を除去せずに血液酸素付加装置へ酸素を供給し、
前記酸素濃縮器を電池で操作しているとき、前記酸素濃縮器からの酸素を二酸化炭素が除去された酸素ガスの流れと組み合わせ、血液酸素付加装置へ前記組み合わせたガスの流れを供給する方法。
【請求項2】
さらに前記血液酸素付加装置から受けた二酸化炭素が高められたガスの流れから二酸化炭素を除去することによって、前記二酸化炭素が除去されたガスの流れを作り出す請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸素濃縮器は、前記二酸化炭素が除去されたガスの流れと組み合わせるための毎分0.5リットルから毎分1リットルの範囲の流れを供給する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記二酸化炭素が除去されたガスの流れは毎分4.5リットルから毎分9リットルである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
不純物を除去せずに前記酸素濃縮器からの酸素を毎分2リットルから毎分6リットルの割合で供給される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記酸素濃縮器からの前記酸素を前記血液酸素付加装置から二酸化炭素が高められたガスの流れと組み合わせることを有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記二酸化炭素が高められたガスの流れは、毎分3リットルから毎分6リットルの割合で流れる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
酸素豊富なガスの流れを受け、二酸化炭素が高められたガスの流れを発生する血液酸素付加装置のための酸素供給ユニットであって、
空気から酸素豊富なガスの流れを作り出す酸素濃縮器と、
二酸化炭素が高められたガスの流れから二酸化炭素を取り除く炭酸ガス吸収装置と、
電池または外部電力供給から電力を選択的に供給する電力制御装置と、
(1)前記電力制御装置が前記外部電力供給から電力を供給する場合、不純物を除去せずに、前記酸素濃縮器から前記血液酸素付加装置へ酸素豊富なガスを供給し、(2)前記電力制御装置が前記電池から電力を供給する場合、前記酸素濃縮器からの酸素豊富なガスを前記炭酸ガス吸収装置からの二酸化炭素が除去されたガスを組み合わせるように構成されたバルブ付きの網状管、を備える酸素供給ユニット。
【請求項9】
さらに、前記酸素濃縮器、前記炭酸ガス吸収装置、前記電力制御装置、前記バルブ付きの網状管は、筐体の中に配置される請求項8に記載の酸素供給ユニット。
【請求項10】
前記筐体は、前記筐体が使用者によって引いたり押したりできるように構成された車輪を備える請求項9に記載の酸素供給ユニット。
【請求項11】
前記酸素濃縮器は、電気的に駆動される内部コンプレッサを有する圧力スイング酸素濃縮器を備える請求項8に記載の酸素供給ユニット。
【請求項12】
前記炭酸ガス吸収装置は、吸収媒体を有するキャニスタを含む請求項8に記載の酸素供給ユニット。
【請求項13】
前記吸収媒体は、ソーダ石灰、Litholyme(登録商標)、Sodasorb(登録商標)、Medisorb(登録商標)、Sodasorb(登録商標)LF、及びAmsorb(登録商標)を備える請求項12に記載の酸素供給ユニット。
【請求項14】
前記バルブ付きの網状管は、前記炭酸ガス吸収装置を前記流れが通る前の二酸化炭素が高められたガスの流れから水分を取り除く除湿機を備える請求項8に記載の酸素供給ユニット。
【請求項15】
前記バルブ付き網状管は、さらに前記二酸化炭素が高められたガスの流れを流すためのポンプを備える請求項14に記載の酸素供給ユニット。
【請求項16】
前記バルブ付きの網状管は、さらに前記酸素豊富なガスが前記炭酸ガス吸収装置によって流れることができるバイパスラインを備える請求項15に記載の酸素供給ユニット。
【請求項17】
請求項8に記載の酸素供給ユニットと、患者が身につけるように構成されたポンプ血液人工肺ユニットを備える装置。
【請求項18】
さらに、酸素豊富な流れの管、二酸化炭素が高められた流れの管、及び血液を送り出す前記人工肺ユニットのポンプを前記酸素供給ユニットの前記電力制御装置と接続する電線を含むアンビリカルケーブルを備える請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願がここで言及することにより包含される、2014年11月19日に出願された、米国特許仮出願62/081747の利益を権利主張する。
【0002】
本発明は、国立衛生研究所によって与えられた認可番号HL118372の下で政府の助成によってなされた。政府は発明に明白な権利を有する。
【0003】
本発明は、一般的に、血液を酸化するためのシステム及び方法に関する。さらに特には、本発明は、歩き回る患者の血液を酸化するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
肺不全は、急性的に、または慢性的に起こる。肺の病気は、米国で3番目の死亡要因であり、6人の内の1人の死亡の原因となる。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、最も一般的な肺の病気の1つであり、米国で4つの主要な死因である。成人呼吸窮迫症候群(ARDS)は、年に190,000人の患者を苦しめており、平均的な生存者は、30から50%の間である(Rubenfeld et al. N Engl J Med 2005;353:1685-93)。もし肺疾患が起きたならば、人工呼吸器かまたは膜型人工肺(ECMO)により体に必要な酸素を維持するために、血液を酸化することを実施するに違いない。人工呼吸器は、短い期間の支援のために効果的であり、さらにしばしば使われる長期間続く周期的な容積、気道の圧力は、肺に損傷を与えるかもしれない。
【0005】
ECMOシステムは、それらが生理的な気体の交換を厳密にまねるため、魅力的な人工呼吸器に代わるものであり、拡張されたECMO支援は、複数の装置の交換を通して可能である。しかしながら実際には、これらのシステムは、それらの操作の複雑さ、苦しさ、及び患者が移動性を減らされることによって限定されている。患者は、しばしば、寝たきりになり、結果として筋肉が衰える。
【0006】
最近、歩行可能なECMO支援が利用可能なポンプや人工肺を使う多数の施設で実施されており、患者は歩き回り、外出することができるようになった。彼らは、食べたり、運動することもできる。最新のECMOシステムが提供する利益にもかかわらず、それらはまだとても大きい。それらは人工肺の動作する寿命のせいで、拡張された使用も限られている。上記に記載された限定を考慮すると、拡張された使用に適合する携帯可能な人工肺システムを使う歩き回る患者のために、機械的に酸素供給を提供するためのシステムと方法がこの分野で必要とされる。
【0007】
本発明の主題に関連する特許と公開された出願は、米国公開特許公報2013296633(特許文献1)、米国公開特許公報2011040241(特許文献2)、米国特許7682327(特許文献3)、米国特許6935344(特許文献4)、米国特許6503450(特許文献5)、米国特許5308320(特許文献6)、米国特許4548597(特許文献7)、米国特許4610656(特許文献8)及び米国特許3927981(特許文献9)を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国公開特許公報2013296633
【特許文献2】米国公開特許公報2011040241
【特許文献3】米国特許7682327
【特許文献4】米国特許6935344
【特許文献5】米国特許6503450
【特許文献6】米国特許5308320
【特許文献7】米国特許4548597
【特許文献8】米国特許4610656
【特許文献9】米国特許3927981
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
技術により、以前に利用可能な酸素供給システムに1以上の長所を提供する、人工肺システムを使う、歩き回る患者の機械的な酸素供給を提供する。本発明のシステムが特に携帯可能なシステムとして特に適している一方、固定されたシステムまたは部分的に固定されたシステムとして使われてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の第1の形態において、血液酸素供給装置は、電源と酸素源を提供するポンプ人工肺装置ユニットと供給パックと接続する複数の管腔カニューレを含む。ポンプ人工肺装置ユニットは、装置の残りから使い捨て及び取り外し可能であるように構成される。
【0011】
発明の一態様において、ポンプ人工肺ユニットは、置き換えられる必要なしに、30日以上続けて血液に酸素を供給するように構成される。
【0012】
発明の別の態様において、血液は、酸素化されていない血液を持ち去るための第1の管と、患者の循環システムへ酸素化された血液を戻す第2の管を備える2つの管のカテーテルを用いて、患者から持ち去られ、患者に戻される。カテーテルはさらにカニューレが直接心臓の右心室に挿入されることを可能にするための自己封止の機構を備えてもよい。
【0013】
本発明のさらに別の態様において、供給パックは、患者がユニットを引くことをできるための車輪を含む携帯可能なユニットである。
【0014】
別の変形例において、供給パックは、患者がバックパックや小型かばんとしてパックを身につけることができる1以上のストラップを有する。
【0015】
別の変形例において、酸素源は、酸素発生器、酸素タンクまたは両方の組み合わせであってもよい。
【0016】
実施形態の第2の形態において、歩き回る患者に人工呼吸器を提供する方法により、患者の循環システムから酸素化されていない血液を持ち去り、本体に設置されたポンプと血液酸素付加装置の中に血液を通し、患者の循環システムに新しく酸素化された血液を戻すことを含み、ポンプは携帯可能なパックに分離して収納されたポンプモータとコントローラと接続し、血液酸素付加装置は、分離して収納された携帯可能な源から酸素を供給されることを、提供する。方法は、任意に、ポンプモータ、コントローラ及び酸素源を収納するための携帯可能なパックの使用を含む。また、以降で記載されるように、ポンプ及び/または血液酸素付加装置は、患者のウエストの周りに身につけられたベルトで持ち運ばれてもよい。
【0017】
別の態様において、本発明は、使い捨ての炭酸ガス吸収装置ユニットと組み合わせた圧力スイング型の酸素濃縮器を使って、毎分0.5~3リットルを典型的な範囲とする酸素流量を供給することができる、肺補助人工肺装置のためのコンパクトで、軽量な酸素供給ユニットを提供する。酸素供給ユニットは、電池電源(オフライン操作)を使って、または、ACまたはプラグに差し込んだ電流(オンライン操作)を使って動作する。吸収装置は、酸素濃縮器が酸素を作り出するより酸素を再生利用する動力を必要としないので、炭酸ガス吸収装置の使用により、電池の寿命が延びる。システムが外部電源からの電力を与えられる間、炭酸ガス吸収装置を使わないことは、しかしながら、電源が制限を受けず、炭酸ガス吸収装置の寿命を延ばすことができ(吸収媒体が消費されていない)るため、より小さな吸収装置の使用ができ及び/または吸収装置の交換の頻度が減らすことができるため、好ましい。このような方法で、酸素供給ユニットの大きさと重さは、最小化することができ、電池操作時間は最大化される。
【0018】
オフラインまたは電池操作の間、酸素供給ユニットから酸素豊富なガスが、酸素を二酸化炭素と交換し、増加した二酸化炭素容量を有する排出ガスを作り出す血液酸素付加装置に入る。二酸化炭素の量は、しかしながら、多くない。環境の中に高い水準の酸素をまだ含むこの排出ガスを取り除くよりむしろ、ガスは、二酸化炭素を取り除くために不純物を除く、典型的には、水蒸気を取り除いた後、酸素供給ユニットに戻されることができる。不純物を除かれたガスは、血液酸素付加装置の前の通過中に移された、酸素の量を置き換えるために、十分な酸素濃縮ユニットから濃縮された酸素を少ない流量で添加して、また血液酸素付加装置に再利用される。このような方法で、酸素が高く豊富なガスの流量は、毎分5~10リットルのオーダーにおいて、消費電力を減らし、電池寿命を延ばすために酸素濃縮器から毎分0.5~1リットルの酸素のみを使って、血液酸素付加装置に提供されることができる。
【0019】
患者は、酸素供給ユニットにプラグを差す(オンライン操作)ことができる場合、消費電力は、もはや関係なく、酸素濃縮器の出力は、増加し、炭酸ガス吸収装置の中を通る流れが迂回される。吸収媒体の消費が、それゆえオンライン操作の間避けられ、吸収装置の大きさを小さくすることができ、及び/または、吸収装置の使用寿命を延ばすことができ、交換頻度を最小化する。酸素供給ユニットの大きさは、さらに使い捨ての炭酸ガス吸収装置のキャニスタと組み合わせた相対的に毎分0.5~3リットルと低い出力の酸素濃縮器を使用することによって最小化され、本発明の2つの操作モードを有する酸素供給ユニットを、炭酸ガス吸収装置が一定の操作に適合する大きさにされなければならない、同等の電池搭載のみのシステムより、全体の大きさと総重量において安く、小さく、軽くする。
【0020】
本発明の特定の方法に従って、血液酸素付加装置のために有益な酸素豊富ガスの流れは、電池電源または外部電源、典型的には、電送網または特定の場所の発電機からの配線電源から酸素濃縮器を選択的に操作することによって作り出される。酸素濃縮器からの酸素は、酸素濃縮器が外部電源で操作されているとき、血液酸素付加装置へ不純物を取り除かれずに供給されるであろう。対照的に、酸素濃縮器からの酸素は、酸素濃縮器が電池で操作されているとき、二酸化炭素が除去された酸素ガスの流れに組み合わされ、組み合わされたガスの流れは、血液酸素付加装置に供給される。このような方法で、同時に利用される炭酸ガス吸収装置の寿命を延ばし、及び/または、大きさを小さくする一方で、電池寿命を、延ばすことができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、二酸化炭素が除去されたガスの流れは、血液酸素付加装置から受けた二酸化炭素が高くされたガスの流れから二酸化炭素を除去することによって作り出される。通常、酸素濃縮器は、二酸化炭素が除去されたガスの流れに組み合わせるために、毎分約0.5リットル(LPM)から1LPMの範囲で流れを供給する。通常、二酸化炭素が除去されたガスの流れは、4.5LPMから9LPMの範囲である。
【0022】
酸素濃縮器からの酸素が、不純物を除去することなしに血液酸素付加装置に供給された実施形態において、酸素は、2LPMから6LPMの範囲の流量で供給される。そのような場合には、酸素濃縮器からの酸素は、さらに血液酸素付加装置から二酸化炭素が高められたガスの流れと組み合わされてもよい。これらの場合において、高い酸素流量が酸素濃縮器によって提供されるので、オフライン操作と同様に、二酸化炭素が高められたガスの流れから不純物を取り除く必要はない。二酸化炭素が高められたガスの流れは、通常、3LPMから6LPMの割合で、酸素濃縮器からの酸素に組み合わされるであろう。
【0023】
本発明の特定の装置によれば、血液酸素付加装置と一緒に使うための酸素供給ユニットは、酸素濃縮器と、炭酸ガス吸収装置、電源制御装置及びバルブ付きの網状管を備える。酸素濃縮器は、空気から濃縮された酸素の流れを作り出すように構成され、典型的には、内部電動コンプレッサによって駆動される圧力スイング型の酸素濃縮器を備える。炭酸ガス吸収装置は、血液酸素付加装置からの二酸化炭素が高められたガスの流れの再利用された流れを受け、その流れから二酸化炭素を取り除きまたはスクラブするように構成され、典型的には実質的にすべての二酸化炭素を取り除く。血液酸素付加装置からの再利用された二酸化炭素が高められたガスの流れは、酸素が90%をはるかに超えて本来存在していると思われるので、二酸化炭素が取り除かれるとすると、血液酸素付加装置をガスの流れが前に通っている間に取り除かれたものを置き換えるために、十分な酸素濃縮器から酸素の量を組み合わせた後、血液酸素付加装置に戻すのに適している。電力制御装置は、電池電源または外部電力供給、典型的には、ほとんどの場所で利用可能なAC壁コンセントから電力を選択的に供給するように構成されている。バルブ付きの網状管は、電力制御装置が外部電力供給から酸素供給ユニットへ電力を供給するとき、不純物を取り除くことなしに、酸素濃縮器から血液酸素付加装置へ酸素豊富なガスを供給するように構成される。バルブ付き網状管はさらに電源制御装置が電池から電力を供給するとき、炭酸ガス吸収装置から再利用されている二酸化炭素が除去されたガスを酸素濃縮器からの酸素豊富なガスに組み合わせるように構成されている。そのような2つのモードの操作は、本発明の方法に関連した上記に記載されている電源効率の利点と吸収媒体の消費の削減を有する。
【0024】
本発明の酸素供給ユニットは、典型的に、外郭構造や筐体の中に封入されているだろう、そして、外郭構造や筐体は、典型的に、筐体が使用者によって引いたり押したりできるように構成された車輪を備える。その代わりに、筐体は、バックパックとして(任意に患者以外の個人によって)身につけられ、車いすに取り付けられ、車、飛行機またはその他の乗り物、またはそのようなものに取り付けられように構成されもよい。まだ、さらにその代わりに、筐体は、固定された配置用に構成されてもよい。
【0025】
炭酸ガス吸収装置は、ソーダ石灰のような商業的に利用可能な吸収媒体を有する従来のキャニスタの吸収装置であってもよく、適当な媒体は、Litholyme(登録商標)、Sodasorb(登録商標)、Medisorb(登録商標)、Sodasorb(登録商標)LF及びAmsorb(登録商標)といった商標を使って商業的に利用可能である。
【0026】
本発明の酸素供給ユニットのバルブ付き網状管は、典型的に、さらに、炭酸ガス吸収装置にそのガスの流れの流路を通る前に二酸化炭素が高められたガスの流れから、水分を取り除くために除湿機を備えるだろう。役立つ除湿機は、商業的に入手可能なNafion(登録商標)ガスドライヤを含む。バルブ付きの網状管は、通常、さらに、炭酸ガス吸収装置を通る二酸化炭素が高められたガスの流れを流し、相対的に高い圧力である濃縮器からの酸素ガスの流れをガスの流れに組み合わせるポンプを備える。バルブ付きの網状管のその他の特徴は、オンライン操作の間、酸素豊富なガスが炭酸ガス吸収装置によって流れることができるバイパスラインを含む。さらに他の特徴は、最低限の難しさで、炭酸ガス吸収装置のキャニスタが酸素供給ユニットから取り除かれ置き換えられることができる切断を含む。
【0027】
本発明の酸素供給ユニットは、上記に記載されたように、患者によって身につけられるように構成された血液を送り出す人工肺と組み合わされてもよい。血液と酸素豊富な空気の流れが人工肺を通って流れたとき、血液ポンプ人工肺ユニットは、典型的に、酸素-二酸化炭素交換ができる半透過膜マトリックスを有する血液酸素付加装置を含む。これらのシステムは、典型的に、さらに酸素供給ユニットを血液ポンプ人工肺に接続するアンビリカルコードや、ケーブルを備えるだろう。アンビリカルコードは、血液ポンプ人工肺から酸素供給ユニットへ二酸化炭素が高められたガスを戻すのと同様に、酸素供給ユニットから血液を送り出す人工肺へ酸素豊富なガスを供給するための管を含むだろう。アンビリカルケーブルは、まださらに、酸素供給ユニットから血液ポンプ人工肺へ電力及び/または制御信号を供給する電線を含む。
【0028】
本発明の、さらに他の態様、特徴、利点は、単に発明を実行するために熟考された最良の方法を含む、多数の特定の実施形態、実施を描くことによって、次に続く詳細な説明、からすぐに明らかになる。本発明は、他の、異なる実施形態でもでき、そのいくつかの詳細は、発明の精神及び範囲から逸脱しないすべての、様々な明白な事項で変更されうる。したがって、図及び説明は、実際は制限するものとしてではなく、説明に役立つものとして見なされるべきである。
【0029】
この明細書で言及されたすべての公開、特許、特許出願は、ここで、あたかもそれぞれ、個々の公開、特許、特許出願が、特に、個々に、言及することにより編入されて指し示されているかのように、同じ範囲まで、言及することにより編入される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】酸素供給ユニットとポンプ人工肺の組み合わせを含む歩行用の血液ポンプ人工肺システムの1実施形態を描く。
図2】循環システムから酸素化されていない血液を取り除き、酸素化された血液を導入する管の1実施形態を描く、
図3】ポンプ人工肺ユニットの1実施形態を描く。
図4A】酸素タンクの代わりに酸素濃縮器を含む本発明の歩行用の酸素供給ユニットの別の実施形態を描く。
図4B】歩行用の酸素供給ユニットへ接続するのに適している供給パイプラインを示している患者の腰のベルトに固定されているポンプ人工肺ユニットを描く。
図5A】選択的な炭酸ガス吸収装置及び電池、プラグ差し込み操作を含んでいる図4の酸素供給ユニットの操作を描いている。
図5B】選択的な炭酸ガス吸収装置及び電池、プラグ差し込み操作を含んでいる図4の酸素供給ユニットの操作を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の新規な特徴は、添付された特許請求の範囲に特に説明される。本発明の特徴及び利点のよりよい理解は、発明の原理が利用される、説明に役立つ実施形態を説明する次に続く詳細な説明に言及することによって得られるだろう。本発明は、符号が同様の要素を参照するように、添付している図面の図において、制限の目的ではなく、実施例の目的で描かれる。
【0032】
方法とシステムは、歩き回る患者の機械的な酸素供給を長期にわたって記載される。次に続く説明において、説明の目的、多数の具体的詳細は、本発明の完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、本発明がこれらの具体的詳細なしに実行されうることは、当業者にとって明白であろう。他の例では、よく知られた構造及び装置は不必要に本発明を曖昧にすることを避けるためにブロック図形式で示される。
【0033】
本発明のシステムは、血液の酸素供給を必要としている人が、もはや寝たきりにならない能力を与えるための長期にわたる解決策を提供する。システムは、複数の管のカニューレを通して患者の循環システムと通じるポンプ人工肺ユニットを備える。ポンプ人工肺ユニットは、延長された期間の間、血液を酸素化する能力がある。携帯可能な供給パックは、システムに必要な電力と酸素の源を提供する。
【0034】
今図を参照すると、図1は、携帯可能な血液酸素付加装置システム、100の1実施形態を描く。システム100は、複数の管のカニューレ120、血液酸素付加装置310、血液ポンプ320、及び携帯可能な供給パック130を備える。複数の管のカニューレ120の1つの実施例の実施形態は、さらに、図2に描かれる。この実施例では、カニューレ120は、排出カニューレ及び戻りカニューレを有する細長い本体210を備える。排出カニューレ及び戻りカニューレは、両方が細長い本体の長さに延びる、内側管腔を有する。排出カニューレ220は、近位終端222と遠位終端224を有する。戻りカニューレ230も、近位終端232と遠位終端234を有する。排出と戻りカニューレの近位終端は、ポンプと血液酸素付加装置の組み合わせ310/320と接続するように構成される。カニューレの終端とポンプ人工肺ユニットの間の接続は、取り外し可能である。排出カニューレ220は、心臓の右心室から酸素化されていない血液を受け、ポンプ人工肺に送り返すように構成される。戻りカニューレは、ポンプ人工肺ユニットから肺動脈へ酸素化された血液を戻すように構成される。カニューレ120はさらにカニューレが挿入された心臓から血液が漏出することを防ぐために遠位終端の近くで自己封止機構240を備える。いくつかの実施形態において、自己封止機構240は細長い本体から取り外し可能である。
【0035】
図3は、ポンプ人工肺ユニットの1実施例の形態を描く。ユニットは、血液酸素付加装置310と血液ポンプ320を備える。血液酸素付加装置は、分野で知られたどのような血液酸素付加装置であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、変わらない血液の流れと酸素拡散を提供する血液酸素付加装置が好ましい。描かれた実施形態において、血液ポンプ320は、排出カニューレ220から酸素化されていない、血液を受けるように構成された、注入口322を含む。酸素化されていない血液は、血液ポンプから出て、血液酸素付加装置注入口312を通って血液酸素付加装置の中へ入る。ガス注入口314で酸素源から受けた酸素は、血液酸素付加装置を通っているときに血液中に拡散される。一回、酸素化されると、血液は、戻りカニューレ230とつながる抜け口316を通る。排出ガスは、抜け口318を通って解放される。血液ポンプは、下記に記載された供給パックに設置された電動機と接続する。この接続はいくつかの実施形態でポンプにおいて取り外し可能である。
【0036】
供給パック130は電源132、電動機136、及び1以上の酸素源138を収納する。供給パックは、すぐに使用者によって動かされ、運ばれることができる携帯可能なシステムであるように構成される。いくつかの実施形態において、収納する供給パックは、使用者がユニットを引くことができるように車輪と取っ手を含む。しかしながら、供給パックは、バックパック、小型のかばん、またはウェストポーチのような身につけられるケースに収納されてもよい。電源132は、長い期間、携帯可能に使用するために構成される。どのような種類の電池、再充電可能、不可能の両方の選択肢を含んで、システムの電源に使われることができる。
【0037】
酸素は、酸素発生器134または酸素源138によって、患者に供給されてもよい。いくつかの実施形態において、供給パックは、予備として使われるかもしれない酸素源だけでなく酸素発生器を含む。酸素源138は、一般的に、システムの中に解放された酸素の体積及び割合を制御するための抜け口における調整器を含む圧縮されたガスタンクである。酸素タンクの連続がいくつかの実施形態において使われるかもしれない。供給パックに収納された酸素源またはタンクの数と大きさは使用者の要求次第であろう。電動機136は、電源132により電力を与えられ、ポンプ人工肺ユニット110を操作する。コントローラは、供給パックからポンプに伸びるケーブルを通してポンプ320と接続する。コントローラは、使用者が必要とする酸素を維持するためにモータの速度を変える原因となる。
【0038】
血液酸素付加装置は、ガスの移動を許す膜で起こる血栓症が原因で、周期的に変えられる必要がある。いくつかの実施形態において、ポンプ人工肺ユニットは、より費用のかかる電動機を置き換える必要なしに、ポンプ人工肺ユニットの置き換えを可能にさせるために、電動機から分離する。ポンプ人工肺ユニットは、30日またはそれ以上連続した使用をする能力がある。ポンプ人工肺ユニットを置き換える場合、カニューレは注入口322及び抜け口316から取り除かれる。電動機も、ポンプから取り外され、酸素源は、314において取り外される。他の実施形態において、血液酸素付加装置は、定期的に置き換えられなければならないシステムの唯一の要素である。
【0039】
本発明の別の実施態様は、困っている歩き回る患者に永久の機械的な酸素供給を提供する方法を提供する。方法は、(a)ポンプ及び血液酸素付加装置における注入口を通って、患者の循環システムから酸素化されていない血液を向かわせ、(b)前記患者の循環システムに酸素化した血液を戻し、ポンプと血液酸素付加装置は、パックに収納された携帯可能な電源と酸素源を備える携帯可能なシステムの一部である。方法の1つの変形例として、血液酸素付加装置は、30日以上の間、連続して血液を酸素化する能力がある。
【0040】
図4Aを参照すると、本発明の原理にしたがって構成された、酸素供給ユニットの別の実施形態が、典型的に、移動と再配置を容易にすることができるように、車輪404が取り付けられたフレーム402を備える。外郭構造または筐体406は、典型的に酸素濃縮器408、電池410、炭酸ガス吸収装置412、再循環ポンプ414、除湿機416、制御ユニット418を含む、複数のシステム部品を入れるために提供される。酸素濃縮器は、典型的には、1LPMから3.5LPMの所望の流れの範囲で濃縮された酸素の流れを提供するために選ばれた商業的なユニットであってもよい。典型的に、酸素濃縮器は、空気を酸素が高く濃縮された流れと窒素が高く濃縮された流れに分ける圧力スイング原理を用いるだろう。酸素が高く濃縮された流れは、使われ、窒素の流れは大気に解放されて戻されるであろう。電池は、どのような従来の再充電可能な電池であってもよく、典型的にはリチウムイオンバッテリまたはそのようなものである。炭酸ガス吸収装置は、典型的に、ここで以前に記載されたように、ソーダ石灰またはその他の吸収媒体で満たされたキャニスタを備えるだろう。再循環ポンプは、下記に更に詳細に記載されるように、血液酸素付加装置から吸収装置に二酸化炭素が高められたガスを供給するために使われるであろう。除湿機は、典型的に、例えばNafion(登録商標)ガスドライヤのような、血液酸素付加装置から再循環された二酸化炭素が高められた流れから水分を凝結するコイルである。いくつかの実施形態において、ドライヤ416は、実線で示されるように、酸素濃縮器408上に配置される。いくつかの実施形態において、ドライヤ416aは破線で示されたように、酸素濃縮器の下に配置され、それゆえ、ドライヤチューブを濃縮器によって作り出された熱いガスに直接さらす。後者の配置は、ドライヤを濃縮器の上にする必要がある取り付けを避ける時に利点があり、さらにコンパクトな配置ができる。コントロールユニットは、典型的に、操作者のインターフェースを提供し、図5A及び5Bに関して下記にさらに詳細に記載されているように、バルブシステム及び電力分配システムを管理する操作電気回路及び論理回路も含む。アンビリカルコード420は、患者によって身につけられる血液を送り出す血液酸素付加装置(またはポンプ人工肺ユニット)440(図4B)へ便利に取り付けるために提供する。アンビリカルコードは酸素が豊富なガスライン422、二酸化炭素が高められたガスライン424、及び1つまたは複数の電源、コントロールライン426を含む。加えて、差し込み電源線428は、ユニットをACまたはその他の外部電源の中に差し込むことができる時に、使用するために提供されるであろう。
【0041】
今、図4Bを参照すると、ポンプ人工肺ユニット440は、例えば患者のウエストのベルトに、患者Pによって身につけられてもよい。ポンプ人工肺ユニット440は、血液酸素付加装置442と血液ポンプ444を含むであろう。ポンプ444は、患者から静脈の血液を受け、血液酸素付加装置442の中に静脈の血液を供給する。血液酸素付加装置442からの酸素化された血液は、患者の血管系の動脈側へ戻される。例えば、カニューレ450は、ここで言及することにより組み込まれている、すべて開示された、2015年11月13日に出願された「自己封止カニューレ」のための、同時係属の出願PCT/US2015/060127に記載されている、患者へ、及び患者から血液を供給するために使われてもよい。
【0042】
図5Aを参照すると、酸素供給ユニット400の部品の配置は、さらに詳細に記載されるであろう。酸素濃縮器408は、筐体406の中に取り付けられ、空気の流入を受けるために周囲の環境に接続される。電力は、電力制御ユニット418から酸素濃縮器408へ供給され、電池410からまたはコード線428から電力を受けてもよい。図5Aに示されるように、電力は、コード線428が接続されていないときに、電池410からくる。電力制御装置は、自動的に、コード線428にAC電流源に接続されるかまたはそうでないかに基づいて電源を検波するように構成されてもよい。酸素供給ユニット400は、AC電源に接続されていないとき、線424を通って入る二酸化炭素が高められたガスは、除湿機416を通り、第2のバルブ502及びクイック分離接続金具504を通って、炭酸ガス吸収装置412へ二酸化炭素が高められたガスを向かわせるコントロールバルブ500へ再循環ポンプ414によって汲み上げられる。放出されるT型接続金具503は、任意に、周囲の環境へシステムから余分な二酸化炭素が高められたガスを排気するために提供される。放出された二酸化炭素が高められたガスの体積は、酸素濃縮器408から正味の流入する体積に等しいであろう。他の余分なガスの排出機構も使われてもよい。しばしば、血液酸素付加装置ユニット442を抜け出た二酸化炭素ガスライン424に凝結された水蒸気と少量の血漿を含む、液体があるであろう。セパレータ(図示せず)は、典型的に、酸素供給ユニット400の一部として提供されるか、または、あるいはこれらの液体を取り除くために供給ライン424に提供されるであろう。
【0043】
ポンプ414からの二酸化炭素が高められたガスは、T型の接合506を通って酸素濃縮器408からの酸素を組み合わせる。以前に記載したように、4.5LPMから6LPMの二酸化炭素が高められたガスは、典型的に、酸素濃縮器408から約1LPMの酸素豊富なガスを加えて炭酸ガス吸収装置を通るであろう。相対的に供給された量を、ポンプ414を通して制御することができる。炭酸ガス吸収装置412からの不純物が除去された酸素豊富なガスは、ガスが血液酸素付加装置442に戻る酸素豊富なガスライン422の中を通ることができる、クイック分離508及びさらに制御バルブ510を通って出て行く。ガスの流れは、血液供給ユニット400がAC電源から切断されて残る限りは、このパターンで続くであろう。この効率的な操作モードにおいて、電池寿命は、典型的に、少なくとも数時間続き、4時間、5時間、6時間、さらに長く続くかもしれない。
【0044】
患者が、ACまたは他の外部電力が利用可能である場所に届いた時点で、使用者は、図5Bに示されるように、AC電源に電源線をプラグに差し込める。線電流が利用可能になるとすぐに、酸素供給ユニット400の操作は、炭酸ガス吸収媒体を保存するために、変えられ、吸収装置の寿命を延ばし、及び/または、吸収装置の大きさを小さくする。特に、酸素濃縮器からの酸素は、今バルブ500及び510によって前に分離したバイパスライン520によって炭酸ガス吸収装置を迂回するであろう。バルブ500及び510は、今、バイパスライン520を通って酸素豊富なガスを通すことができるように再構成される。同様に、バルブ502と510は、炭酸ガス吸収装置を通った流れをふさぐように配置される。この形態における一方、炭酸ガス吸収装置412は、クイック切断素子504及び508を使って、取り除かれ、置き換えられてもよい。オンライン操作の間、酸素濃縮器からの酸素豊富なガスの体積を、典型的に、2.5LPMから3.5LPMの範囲で、増加してもよい。ライン424を通って入った二酸化炭素が高められたガスは、しかしながら、典型的には3LPMから6LPMの範囲において、低い流量であるが、酸素豊富なガスに再利用され、混合され続けるであろう。混合は、バルブ500で起き、相対的な流れの体積は、再びポンプ414を用いて制御される。組み合わされた酸素豊富なガスの流れと二酸化炭素が高められたガスの流れは、バイパスライン520を通り、それらが酸素豊富なガスライン422に入り、血液酸素付加装置442へ戻ることができるバルブ510を通って流れる。
【0045】
本発明の好ましい実施形態は、ここで記載され、示される一方、そのような実施形態が実施例の手段によってのみ提供されることは通常の知識を有するものにとって明白であろう。多数の変形、変更、置換は、今、本発明から逸脱せずに通常の知識を有するものが気づくであろう。ここで記載された本発明の実施形態への様々な変更例は、本発明の実施に用いられるであろう。次に続く請求項は本発明の範囲を定義し、これらの請求項及びそれらの等価なものの範囲の中の方法と構造は、それらによって含められることを目的とする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2023-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血中酸素化のために酸素の豊富なガスを提供する方法であって、
酸素供給ユニットを、電池の電力で操作する第1の操作モードと外部電源で操作する第2の操作モードの2つの操作モードの一つを選択的に操作するステップと、
前記酸素供給ユニットを前記第1の操作モードで操作しているとき、不純物を除去せずに前記酸素供給ユニットから血液酸素付加装置へ酸素を供給するステップと、
前記酸素供給ユニットを前記第2の操作モードで操作しているとき、前記酸素供給ユニット内で酸素濃縮器からの酸素を前記酸素供給ユニット内の二酸化炭素除去装置からの二酸化炭素が除去された酸素ガスの流れと組み合わせ、前記組み合わせたガスの流れを前記血液酸素付加装置に供給するステップであって、前記酸素供給ユニットを前記第1の操作モードで操作しているとき、前記二酸化炭素除去装置が前記酸素供給ユニットから取り外すことができる、ステップと、
前記酸素供給ユニットを前記第1の操作モードで操作しているとき、前記二酸化炭素除去装置を交換するステップと、を備えた方法。
【請求項2】
前記血液酸素付加装置から受けた二酸化炭素が高濃度のガスの流れから二酸化炭素を除去することによって、前記二酸化炭素が除去されたガスの流れを生成する、請求項1の方法。
【請求項3】
前記酸素濃縮器が0.5LPMから1LPMの範囲の流れを供給して、前記二酸化炭素が除去されたガスの流れと組み合わせる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記二酸化炭素が除去されたガスの流れが、4.5LPMから9LPMである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記酸素濃縮器からの二酸化炭素が除去されていない酸素が、2LPMから6LPMで供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記酸素濃縮器からの前記酸素を前記血液付加装置からの二酸化炭素が高められたガスの流れと組み合わせることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記二酸化炭素が高められたガスの流れが3LPMから6LPMの速度で流れる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
酸素が豊富なガスの流れを受けて二酸化炭素が高められたガスの流れを生成する血液酸素付加装置のための酸素供給ユニットであって、
酸素濃縮器と、
二酸化炭素除去装置と、
電池で操作する第1の操作モードと外部電源で操作する第2の操作モードの2つの操作モードの一つで電力を供給するように構成された電力制御部と、
(1)前記電力制御部が前記第1の操作モードで操作されるとき、前記酸素濃縮器から前記血液酸素付加装置へ酸素の豊富なガスを供給し、
(2)前記電力制御部が前記第2の操作モードで操作されるとき、前記酸素濃縮器からの酸素が豊富なガスと前記二酸化炭素除去装置からの二酸化炭素が除去されたガスと組み合わせる、ように構成されたバルブ付きの網状管と、
前記酸素供給ユニットが前記第1の操作モードで操作されるとき、前記二酸化炭素除去装置は前記酸素供給ユニットから取り除くことができる、酸素供給ユニット。
【請求項9】
前記バルブ付きの網状管がさらに、前記二酸化炭素除去装置の入口の近くにある第1の急速切断器と、前記二酸化炭素除去装置の出口の近くにある第2の急速切断器を備えている、請求項8に記載の酸素供給ユニット。
【請求項10】
前記二酸化炭素除去装置を通る流れを選択的に許可し禁止するために、前記第1の急速切断器の近くに配置されたバルブを備えている、請求項9に記載の酸素供給ユニット。
【請求項11】
筐体を有し、
前記酸素濃縮器と、前記二酸化炭素除去装置と、前記電力制御部と、前記バルブ付きの網状管が前記筐体内に配置されている、請求項8に記載の酸素供給ユニット。
【請求項12】
前記筐体が、前記筐体がユーザによって引かれ得る又は押され得るように構成されたホイールを備えている、請求項11に記載の酸素供給ユニット。
【請求項13】
前記酸素濃縮器は、電子的に駆動される内部コンプレッサを有する圧力スイング酸素濃縮器を備えている、請求項8に記載の酸素供給ユニット。
【請求項14】
前記二酸化炭素除去装置が、吸収媒体を有するキャニスタを含む、請求項8に記載の酸素供給ユニット。
【請求項15】
前記吸収媒体が、ソーダ石灰、Litholyme(登録商標), Sodasorb(登録商標), Medisorb(登録商標)LF及び Amsorb(登録商標)を含む、請求項14に記載の酸素供給ユニット。
【請求項16】
前記弁付き管ネットワークが、前記流れが前記二酸化炭素除去装置を通過する前に、前記二酸化炭素が高められたガスの流れから水分を除去する除湿器を備えている、請求項8に記載の酸素供給ユニット。
【請求項17】
前記弁付きネットワークがさらに、前記二酸化炭素が高められたガスの流れを流すためのポンプを備えている、請求項16に記載の酸素供給ユニット。
【請求項18】
前記バルブ付きの網状管がさらに、酸素が豊富なガスを、前記二酸化炭素除去装置をバイパスする通路を通して流すことができるバイパスラインを備えている、請求項17に記載の酸素供給ユニット。
【請求項19】
請求項8に記載の酸素供給ユニットと、
患者に装着されるように構成されたポンプ式血液酸素付加ユニットとを備えた、システム。
【請求項20】
酸素が豊富な流れ管と、二酸化炭素が高められた流れ管と、前記ポンプ式血液酸素付加ユニットの前記ポンプを前記酸素供給ユニットの前記電力制御部に接続する電気ラインとを備えている、請求項19に記載のシステム。
【外国語明細書】