(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099234
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】ヘルメット、及び日除け部材固定用治具
(51)【国際特許分類】
A42B 3/04 20060101AFI20240718BHJP
A42B 1/009 20210101ALI20240718BHJP
A42B 1/205 20210101ALI20240718BHJP
【FI】
A42B3/04
A42B1/009
A42B1/205 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003032
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】514216188
【氏名又は名称】有限会社スダモールド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須田 重夫
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107BA02
3B107BA03
3B107BA07
3B107BA08
3B107CA02
3B107CA03
3B107DA01
3B107DA17
3B107DA18
3B107DA21
3B107EA19
(57)【要約】
【課題】日射の方向の変化に応じて日射を遮断し、これにより装用者の装用感を向上させることが出来るヘルメット、及び日除け具固定用治具を提供する。
【解決手段】このヘルメットは、ヘルメット本体と、前記ヘルメット本体の表面に設けられ日除け部材を固定する日除け部材固定用治具とを備える。前記日除け部材固定用治具は、前記ヘルメット本体の表面の一部に設置され回転軸を構成する回転軸部材と、前記回転軸部材の回転軸に対し回転可能に構成され、前記ヘルメット本体の表面の形状と略一致する曲面形状を有する曲面板状部材とを備える。前記曲面板状部材は、前記回転軸部材とは離間した位置において、日除け部材を取り付けるための日除け部材固定具を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメット本体と、
前記ヘルメット本体の表面に設けられ日除け部材を固定する日除け部材固定用治具と
を備え、
前記日除け部材固定用治具は、
前記ヘルメット本体の表面の一部に設置され回転軸を構成する回転軸部材と、
前記回転軸部材の回転軸に対し回転可能に構成され、前記ヘルメット本体の表面の形状と略一致する曲面形状を有する曲面板状部材と
を備え、
前記曲面板状部材は、前記回転軸部材とは離間した位置において、日除け部材を取り付けるための日除け部材固定具を備える
ことを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
前記回転軸部材は、
前記ヘルメット本体の表面側に設けられる第1部材と、
前記ヘルメット本体の裏面側に設けられ前記ヘルメットに形成された孔部を介して前記第1部材と嵌合する第2部材と
を備え、
前記回転軸部材は、前記ヘルメット本体に対し回転可能に構成される、請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
前記回転軸部材は、前記回転軸の周りの周方向に延びるように形成される嵌合溝を備え、
前記曲面板状部材は、前記嵌合溝において前記第1部材と嵌合するコの字状の凹部を備える
ことを特徴とする、請求項2に記載のヘルメット。
【請求項4】
前記第1部材は、前記日除け部材を取り付けるための日除け部材固定具を更に備える、請求項2に記載のヘルメット。
【請求項5】
ヘルメットの表面の一部に設置可能に構成され回転軸を構成する回転軸部材と、
前記回転軸部材の回転軸に対し回転可能に構成され、前記ヘルメットの表面の形状と略一致する曲面形状を有する曲面板状部材と
を備え、
前記曲面板状部材は、前記回転軸部材とは離間した位置において、日除け部材を取り付けるための日除け部材固定具を備えることを特徴とする日除け部材固定用治具。
【請求項6】
前記回転軸部材は、
前記ヘルメットの表面側に設けられる第1部材と、
前記ヘルメットの裏面側に設けられ前記ヘルメットに形成された孔部を介して前記第1部材と嵌合する第2部材と
を備え、
前記回転軸部材は、前記ヘルメットに対し回転可能に構成される、請求項5に記載の日除け部材固定用治具。
【請求項7】
前記回転軸部材は、前記回転軸の周りの周方向に延びるように形成される嵌合溝を備え、
前記曲面板状部材は、前記嵌合溝において前記第1部材と嵌合するコの字状の凹部を備える
ことを特徴とする、請求項6に記載の日除け部材固定用治具。
【請求項8】
前記第1部材は、前記日除け部材を取り付けるための日除け部材固定具を更に備える、請求項6に記載の日除け部材固定用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘を取り付け可能なヘルメット、及び日除け部材をヘルメットに固定するための日除け部材固定用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルメットは、土木作業現場、工場、農場などの作業現場の他、いわゆる日曜大工、アウトドアのレジャー(釣り、キャンプ他)などの幅広い用途で使用されている。ヘルメットはその構造上、帽子に比べ通気性が悪く、蓄熱しやすく、それが装用者の不快感に繋がるという問題がある。このため、ヘルメットにおいて日除け機能を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
しかし、従来の日除け機能付きのヘルメットは、日除け部材がヘルメットに固定されており、特定の方向からの日射を避けることができるのみであるという問題がある。すなわち、例えば防波堤での釣りの間にヘルメットを装着する場合において、釣りの開始時は装用者は後方から日射を受けるが、時間が経つと太陽が移動し、側方から日射を受けることになる。このような場合に、従来の日除け機能ヘルメットでは、十分に日射を遮断することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-115275号公報
【特許文献2】特開2014-181427号公報
【特許文献3】特開2006-219791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、日射の方向の変化に応じて日射を遮断し、これにより装用者の装用感を向上させることが出来るヘルメット、及び日除け具固定用治具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係るヘルメットは、ヘルメット本体と、前記ヘルメット本体の表面に設けられ日除け部材を固定する日除け部材固定用治具とを備える。前記日除け部材固定用治具は、前記ヘルメット本体の表面の一部に設置され回転軸を構成する回転軸部材と、前記回転軸部材の回転軸に対し回転可能に構成され、前記ヘルメット本体の表面の形状と略一致する曲面形状を有する曲面板状部材とを備える。前記曲面板状部材は、前記回転軸部材とは離間した位置において、日除け部材を取り付けるための日除け部材固定具を備える。
【0007】
このヘルメットにおいて、前記回転軸部材は、前記ヘルメット本体の表面側に設けられる第1部材と、前記ヘルメット本体の裏面側に設けられ前記ヘルメットに形成された孔部を介して前記第1部材と嵌合する第2部材とを備え、前記回転軸部材は、前記ヘルメット本体に対し回転可能に構成することができる。また、前記回転軸部材は、前記回転軸の周りの周方向に延びるように形成される嵌合溝を備え、前記曲面板状部材は、前記嵌合溝において前記第1部材と嵌合するコの字状の凹部を備えたものとすることができる。
【0008】
また、本発明に係る日除け部材固定用治具は、ヘルメットの表面の一部に設置可能に構成され回転軸を構成する回転軸部材と、前記回転軸部材の回転軸に対し回転可能に構成され、前記ヘルメットの表面の形状と略一致する曲面形状を有する曲面板状部材とを備える。この曲面板状部材は、前記回転軸部材とは離間した位置において、日除け部材を取り付けるための日除け部材固定具を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、日射の方向の変化に応じて日射を遮断し、これにより装用者の装用感を向上させることが出来るヘルメット、及び日除け具固定用治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係るヘルメット1の全体構造の概略を説明する斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係るヘルメット1の構造を説明する斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態に係る日除け部材固定用治具20の構造を説明する斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態に係る日除け部材固定用治具20の構造を説明する斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態に係る日除け部材固定用治具20の構造を説明する斜視図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態に係る日除け部材固定用治具20の構造を説明する斜視図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態に係るヘルメット1の使用形態を説明する概略図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態に係る日除け部材固定用治具20の構造を説明する斜視図である。
【
図9】本発明の第2の実施の形態に係る日除け部材固定用治具20の構造を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
【0012】
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1~
図7を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るヘルメット1を説明する。まず
図1の斜視図を参照して、このヘルメット1の全体構造の概略を説明する。このヘルメット1は、ヘルメット本体10と、ヘルメット本体10の頂部付近に形成された孔部H1(
図2参照)を介してヘルメット本体10に取り付けられる日除け部材固定用治具20とを備える。
【0014】
日除け部材固定用治具20に取り付けられる日除け部材は、一例としては、一般に入手可能な傘である(柄の長さは、一般的な傘よりも短い長さに切断又は調整されるのが好ましい)。ただし、日除けが可能な、傘と同様の構造を有する他の種類の日除け部材を用いることも可能であり、日除け部材固定用治具20に取り付け可能な柄と、その柄に取り付けられる日射遮断部材を備えた日除け部材であれば十分である。ヘルメットの直径が25cm~30cm程度であるので、傘の直径は30~50cm程度が好適であり、柄の長さは20~40cm程度が好適である。
【0015】
ヘルメット1は、一般的にホームセンター等で入手可能な公知の構造のヘルメットであってよい。ただし、その頂部には、日除け部材固定用治具20を取り付けるための孔部H1が設けられている(
図2参照)。そして、日除け部材固定用治具20は、孔部H1を介してヘルメット本体10の表面に取り付けられて回転軸を構成する回転軸部材21と、この回転軸部材21に取り付けられ(一部を固定され)、回転軸部材21の回転軸(
図1では、孔部H1の中心)を中心に回転可能な曲面板状部材22とを備える。
【0016】
図3~
図6を参照して、日除け部材固定用治具20の構成の詳細を説明する。日除け部材固定用治具20の回転軸部材21は更に、ヘルメット本体10の表面側に設けられる第1部材211と、ヘルメット本体10の裏面側に設けられ孔部H1を介して第1部材211と嵌合可能に構成される第2部材212とを備える。第1部材211と第2部材212がヘルメット本体10の孔部H1を介して嵌合することで、回転軸部材21は、ヘルメット本体10に対して、回転軸を中心に回転可能とされる。
【0017】
第1部材211は、ヘルメット本体10の表面の法線方向に延びる、高さ2~5cm程度、直径1.5~4cm程度の円柱状の形状を有しており、その上端から下方に向かって形成された挿入孔213と、固定ネジ214を備えている。第1部材211の長さ、直径等を含むサイズは、取り付けられる日除け部材の柄の太さ、長さ、傘の大きさ等に従って変更可能であり、特定のサイズに限定されるものではない。挿入孔213は、回転軸(孔部H1の中心軸)に対し水平に延びるよう形成されているのが好適であるが、これに限定されるものではない。
【0018】
挿入孔213は、上端から1.5cm~4cmほどの深さを有するものとすることができ、例えば傘の柄が挿入される。固定ネジ214は、第1部材211の側面に、挿入孔213に到達可能に螺合している。固定ネジ214が螺合することで、傘の柄が第1部材211に対し固定され得る。すなわち、第1部材211は、後述する日除け部材固定部222と同様に、傘等の日除け部材を固定するための日除け部材固定部を構成する。
【0019】
日除け部材固定用治具20の曲面板状部材22は摺動曲面板221、日除け部材固定部222を備えて構成され、回転軸部材21の回転軸に対し回転可能に構成される。摺動曲面板221は、回転軸部材21の第1部材211に固定されて、回転軸部材21とともに回転軸の周りに回転可能に構成される。
【0020】
そして、摺動曲面板221は、ヘルメット本体10の表面形状に略一致した曲面形状を有する。一例として、摺動曲面板221は、回転軸部材21付近の第1曲面部と、回転軸部材21とは離間した位置にあって、第1曲面部を周方向に沿って折り曲げた形状を有する第2曲面部とを備えた形状とすることができる。
【0021】
日除け部材固定部222は、摺動曲面板221の第2曲面部から、ヘルメット本体10の表面に対し略垂直方向に延びるように形成されている。日除け部材固定部222は、回転軸部材21の第1部材211と略同一の構造であってよく、その中心付近を挿入孔223が貫通し、その側面には固定ネジ224が螺合している。
【0022】
日除け部材固定部222は、回転軸部材21とは離間した位置において、日除け部材を取り付けるための日除け部材固定具として機能する。日除け部材固定部222は、高さ2~5cm程度、直径1.5~4cm程度の円柱状の形状を有したものとすることができる。また、挿入孔223は、上端から1.5cm~4cmほどの深さを有するものとすることができ、後述する日除け部材の一部(例えば傘の柄)が挿入される。固定ネジ224は、日除け部材固定部222の側面に、挿入孔223に到達可能に螺合している。
【0023】
摺動曲面板221が上記のような曲面形状を有することにより、摺動曲面板221は、回転軸部材21の周りに回転した場合でも、常にヘルメット本体10の表面と大きな設置面積を有するため、日除け部材への風等の影響なく安定的に日除け部材を保持することができる。
【0024】
回転軸部材21について
図4及び
図5を参照して更に詳細に説明する。
図4は、第1部材211と第2部材212が嵌合した状態を示していて、
図5は、嵌合前の両者が分離した状態を示している。第2部材212は基部2121と、孔挿入部2122と、第1部材挿入部2123とを備えている。
【0025】
基部2121は、第2部材212の下端部であり、孔部H1よりも大きな直径を有している。基部2121は、回転軸部材21のヘルメット本体10への装着完了時において、ヘルメット本体10の裏面側(装用者側)に位置する。孔挿入部2122は、孔部H1よりも僅かに小さい直径を有しており、孔部H1に挿入される。第1部材挿入部2123は、第1部材211の下方に設けられる孔(図示せず)に挿入される。第1部材211への第2部材212の挿入・嵌合後は、孔挿入部2122と第1部材211との間に、回転軸の周りに周方向に延びる溝C1が形成され、この溝C1に摺動曲面板221が嵌合する。
【0026】
図6に示すように、摺動曲面板221は、上述の溝C1に嵌合するコの字状凹部V1を備えている。このコの字状凹部V1で溝C1を挟むようにすることで、回転軸部材21に曲面板状部材22が固定される。
【0027】
次に、第1の実施の形態のヘルメット1及び日除け部材固定用治具20の動作を
図7を参照して説明する。日除け部材としての傘UBの柄を日除け部材固定部222に固定すると、傘UBは回転軸AX(孔部H1の中心)に対して傾斜してヘルメット1に対し固定される。
図7(a)に示すように、摺動曲面板221を回転させてその長手方向がヘルメット1の後方に向くようにすると、傘UBはヘルメット1に対して後方に傾斜する。これにより、ヘルメット1の装用者は、自身の後方からの日射を効果的に回避することができる。なお、摺動曲面板221の回転は、例えば日除け部材固定部222又は傘UBの柄を装用者が指で挟んで周方向に移動させることで行うことができる。
【0028】
一方、時間が経過して日射がヘルメット1の装用者の前方から来るようになった場合には、
図7(b)に示すように、摺動曲面板221を矢印ARのように回転させて摺動曲面板221をヘルメット1の前方に向けるようにすればよい。これにより、傘UBはヘルメット1に対して前方に傾斜し、ヘルメット1の前方からの日射を効果的に回避することができる。
【0029】
図示は省略するが、日射が側方から来ている場合には、摺動曲面板221の向きを、ヘルメット本体10の側方を向くようにすれば、傘の向きを側方に対し傾斜したものとし、側方からの日射を効果的に避けることができる。この摺動曲面板221は、360°任意の方向に回転させることができ、日射の方向に合わせて摺動曲面板221を回転させ、傘UBの向きを変化させることができる。このような動作は、特に防波堤釣りのように長時間同じ場所にいる場合において極めて有効である。その他、屋外での作業やレジャーにおいて長時間日射にさらされる場合に、効果的に日射を遮断することができる。
【0030】
なお、傘UBを日除け部材固定部222ではなく、第1部材211に取り付けることも可能である。その場合、第1部材211は回転軸に沿って形成されているので、摺動曲面板221が回転したとしても傘UBの傾斜角度は変化しない。日射が略垂直方向から来る12時前後の時間帯においては、第1部材211に傘UBを取り付けることも有効である。また、雨天の場合には、第1部材211に傘UBを取り付けることが有効である。このように、傘UBを選択的に第1部材211又は日除け部材固定部222に取り付けることができるようにされており、屋外の天候等に応じて傘UBを有効に使用することが可能になる。
【0031】
以上説明したように、第1の実施の形態のヘルメット1及び日除け部材固定用治具20によれば、日射の方向の変化に応じて日射を遮断し、これによりヘルメットの装用者の装用感を向上させることが出来る。
【0032】
[第2の実施の形態]
次に、
図8~
図9を参照して、本発明の第2の実施の形態のヘルメット1及び日除け部材固定用治具20を説明する。
図8は、第2の実施の形態の日除け部材固定用治具20の構成を説明する斜視図であり、
図9は使用形態を示す斜視図である。第1の実施の形態と同一の構成要素については、
図8~
図9でも同一の参照符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
【0033】
この第2の実施の形態の日除け部材固定用治具20は、
図8に示すように、日除け部材である傘を取り付けるための固定ユニット23を追加で備えている。この固定ユニット23は、基部231と、日除け部材固定部232とから構成されている。
【0034】
基部231は、
図9に示すように、コの字状凹部V2を備えている。このコの字状凹部V2が第1部材211の溝C2に嵌合することで、固定ユニット23が第1部材211に対し固定される。なお、傘は、挿入孔232Aに傘の柄を挿入し、固定ネジ232Bを締めることにより固定ユニット23に対し固定される。
【0035】
固定ユニット23は、溝C2を介して第1部材211に固定する代わりに、溝C3を介して日除け部材固定部222に固定されてもよい。どちらに固定する場合でも回転軸部材21が回転することにより、傘の角度が変化し、日射の方向に対応して日射を遮断することができる。
【0036】
[その他]
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0037】
例えば、前述の実施の形態では、摺動曲面板221の形状を、周方向の一方向で折り曲げた形状を有するものとしたが、摺動曲面板221の形状はこれに限定されるものではなく、ヘルメット本体10の表面と複数点において接触可能となっていれば様々な形状が採用し得る。
【0038】
また、日除け部材固定部222及び第1部材211に対する傘UBの固定は固定ネジ224、214を用いる例を説明したが、固定が可能であれば形態は不問である。例えば、
図10に示すように、傘UBの柄UBXの端部に円柱部材251を固定し、この円柱部材251が日除け部材固定部222に固定されるようにしてもよい。
【0039】
円柱部材251の周囲には、突起部252が設けられ、この突起部252が日除け部材固定部222の内周に形成された嵌合溝241に嵌合する。嵌合溝241の下端を突起部252が通過するまで円柱部材251を挿入し、その後任意の方向に回転させることで、傘UBの柄UBXを日除け部材固定部222に固定することができる。また、傘UBの角度の調整を行うため、第1部材211や日除け部材固定部222が更にボールジョイント等を備えることも可能である。
【0040】
なお、上記の実施の形態では、回転軸部材21自体がヘルメット本体10に対し回転可能な構成としたが、本発明はこれに限定されず、回転軸部材21自体はヘルメット本体10に固定され、曲面板状部材22が回転軸部材21を中心に回転可能とされていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…ヘルメット
10…ヘルメット本体
20…日除け部材固定用治具
21…回転軸部材
22…曲面板状部材
211…第1部材
212…第2部材
213、223…挿入孔
214、224…固定ネジ
221…摺動曲面板
222…日除け部材固定部
C1、C2、C3…溝
V1…コの字状凹部
AX…回転軸
2121…基部
2122…孔挿入部
2123…第1部材挿入部
241…嵌合溝
251…円柱部材
252…突起部