(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099236
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】ハンドル装置
(51)【国際特許分類】
E05B 83/16 20140101AFI20240718BHJP
E05B 17/20 20060101ALI20240718BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20240718BHJP
E05B 41/00 20060101ALI20240718BHJP
E05B 5/00 20060101ALN20240718BHJP
【FI】
E05B83/16 K
E05B17/20 A
E05B65/00 D
E05B41/00 B
E05B5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003034
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山本 高千代
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH06
2E250UU03
2E250VV01
(57)【要約】
【課題】扉側のロックプレートをボックス側の受け部に確実に係合離脱させ、施解錠する。
【解決手段】本装置Hは、ハンドル3をベース1に押し戻すワンアクションにより、ロックプレート9が受け部に対して締め付け係合されるとともに、この締め付け係合がハンドル3側のロック爪とベース側のロック爪係合部との弾性係合によりロックされ、このロックは、アクチュエーター7の施錠動作によりストッパー6がハンドル3側のロック爪に係合して、施錠され、アクチュエーター7の解錠動作により、解錠される。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋、扉のパネルの正面に固定される固定台座、及び前記固定台座から前記パネルの背面方向に延びる軸筒部を有するベースと、
前記固定台座から前記軸筒部に進退可能にかつ回転可能に挿通され、かつ第1のばね手段により常態として扉パネルの背面方向に後退付勢される施錠軸と、
一端を前記施錠軸に回動軸を介して前記ベースに対して起伏回動可能に取り付けられるハンドルと、
前記ハンドルの他端側で前記ベースの前記軸筒部の周囲に凹部及び凸部からなり、当該凹部と当該凸部との間に前記軸筒部に向けて延びるロック爪係合部と、
前記ハンドルの他端側に前記ロック爪係合部に向けて回動可能に軸支され、前記ロック爪係合部に係脱可能に取り付けられるロック爪、及び前記ハンドルの他端側に設けられて前記ロック爪に作動連結され、前記ロック爪を前記ロック爪係合部に対して離脱方向に回動するロック爪解除操作部と、
前記ロック爪を前記ロック爪係合部に向けて回動付勢し、常態として前記ロック爪を前記ロック爪係合部に係合させる第2のばね手段と、
前記ロック爪係合部の近傍で前記ロック爪係合部に係合状態の前記ロック爪に係脱可能に配置され、前記ロック爪の回動を規制、規制解除するストッパーと、
前記ストッパーに作動連結され、前記ストッパーを前記ロック爪に係合させる施錠動作と前記ストッパーを前記ロック爪から離脱させる解錠動作とを実行するアクチュエーターと、
を備え、
前記施錠軸の前記パネルの背面側の端部にロックプレートが蓋、扉により開閉される筐体に設けられる受け部に対して係脱可能に取り付けられて、
前記ハンドルを前記ロック爪解除操作部の操作とともに前記ベースから引き起こすワンアクションにより、前記ロック爪と前記ロック爪係合部との弾性係合が外れてロック解除されるとともに、前記ロックプレートと前記受け部との締め付け係合が解除され、反対に、前記ハンドルを前記ベースに押し戻すワンアクションにより、前記ロックプレートが前記受け部に対して締め付け係合されるとともに、当該締め付け係合が、前記ロック爪と前記ロック爪係合部との弾性係合により、ロックされ、
前記ロック爪と前記ロック爪係合部とのロックは、前記アクチュエーターの施錠動作により、前記ストッパーが前記ロック爪に係合して、施錠され、前記アクチュエーターの解錠動作により、解錠される、
ことを特徴とするハンドル装置。
【請求項2】
固定台座は、全体が正面部に開口及び開口周縁に沿ってフランジを有するケース状に形成され、前記固定台座の上面部と背面部との間で、前記上面部中央から連続して断面円弧状に延びる一対の曲面部と、これら曲面部の下端から下面部に向けて略垂直に延びる一対の平面部とからなる一対のハンドルガイド部が設けられて、軸筒部が、前記固定台座の上面部と背面部との間で前記背面部から、一端側が前記一対のハンドルガイド部の各曲面部間に筒状に突出され、他端側を前記固定台座の背面部から外部に筒状に突出されて、当該軸筒部に施錠軸がコイルスプリングを介して挿通され、ハンドルは、逆T字形に形成されて、前記固定台座の開口内に前記一対のハンドルガイド部の下方に嵌合配置可能に横方向に延びるハンドルグリップと、前記固定台座の開口内の前記一対のハンドルガイド部間に嵌合配置可能に前記ハンドルグリップの長さ方向中央から縦方向に延びるハンドルレバーとを有してなり、前記ハンドルレバーが前記施錠軸の一端に連結される請求項1に記載のハンドル装置。
【請求項3】
固定台座の一対のハンドルガイド部の各平面部間にロック爪係合部取付部がブロック状に突出され、当該ロック爪係合部取付部に、薄形のブロックからなるロック爪係合部が取り付けられて、前記ロック爪係合部の下部が前記ロック爪係合部取付部の下部から下方に突出されて凸部となし、前記ロック爪係合部と前記固定台座の背面部との間にロック爪を嵌合係止可能に凹部となし、これら凹部と凸部との間に前記ロック爪係合部の背面が軸筒部に向けて延び、前記ロック爪の係止面をなし、ロック爪解除操作部は、ハンドルレバーに回動軸を介して取り付けられて、ハンドルグリップの内面と前記ロック爪係合部との間に回動可能に配置され、ロック爪は、前記ロック爪解除操作部の中央から後方に向けて断面略L字形に突出され、後端に上方に向けて凸の爪部を有し、前記ロック爪解除操作部と前記ハンドルグリップの内面との間に第2のばね手段としてコイルスプリングを介装されて、常態として前記ロック爪解除操作部が前記ロック爪とともに前記ハンドルグリップの内面から前記ロック爪係合部に向けて回動付勢される請求項2に記載のハンドル措置。
【請求項4】
ストッパーは、一端側が半円柱形をなすロック爪ロック部と、前記ロック爪ロック部の他端から同心的に延びる回動軸部と、前記回動軸部の外周面から当該回動軸部の軸心に対して直角に延びる作動レバー部と、前記作動レバー部の頂部で前記ロック爪ロック部とは反対側の面に前記ロック爪ロック部とは反対方向に延びるアクチュエーター係合部とを有してなり、前記固定台座の背面部の下部中央にストッパー取付部が設けられて、当該ストッパー取付部に回動可能に取り付けられ、前記ロック爪ロック部の半円柱形の一端側が前記固定台座の背面部の内側に配置され、他端側の前記アクチュエーター係合部が前記固定台座の背面部の外側に配置され、アクチュエーターは電動式で正転方向又は逆転方向に回動可能な回動軸を有し、前記ストッパーのアクチュエーター係合部と前記アクチュエーターの回動軸がリンク機構を介して作動連結される請求項1に記載のハンドル装置。
【請求項5】
アクチュエーターは、固定台座の背面部に固定され、前記固定台座の一側に延びるジョイントプレートに取り付けられて、前記固定台座の一側に水平方向に並列に配置される請求項1に記載のハンドル装置。
【請求項6】
固定台座に、アクチュエーターの動作に連動してアクチュエーターのロック動作又はロック解除動作又はその両方を表示する表示部が装着される請求項1に記載のハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具箱、荷箱を含む各種のボックスや各種のキャビネットなどの各種の筐体にヒンジ結合されて開閉される形式の蓋や扉のロック、ロック解除及び施解錠に使用するハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、活線工事などの電気工事作業に使用される高所作業車の車体上には、工具ボックスが搭載され、この工具ボックスに電気工事などに用いる工具や機材などが収納される。
【0003】
この種の工具ボックスが特許文献1により提案されている。この文献1の工具ボックスは、横長の箱からなり、一方の側面(車体の側方に位置する側面)に扉が開閉自在に枢着される。扉の左右の上方にはそれぞれ、ハンドル装置としてラッチ式の平面ハンドルが取り付けられ、この平面ハンドルで、扉を施解錠し、箱の側面を開放又は遮蔽するようになっている。
【0004】
このような工具ボックスに使用されるラッチ式の平面ハンドルは、一般に、扉パネルの取り付け用開口に扉パネルの正面側から嵌め込み固着されるケース形のベースと、枢軸ピンによりベースに枢着されて、ベースに引き起こし可能に収容される、背面側に操作突子を有する操作ハンドルと、ベースの背面部との間に一定の間隔を置いてベースに固着されるベースプレートと、枢軸ピンと直角に配置されてベースプレートの正面側に設けられる、筒状のラッチガイドと、ラッチガイドに進退可能に収容され、ベースプレートの端部より突出して箱側の受金に係合される、中間部に受け溝を有するラッチと、を備えて構成され、操作ハンドルの背面側の操作突子がラッチの中間部の受け溝に係合される。
このようにして操作ハンドルをベースから引き出し回転させると、操作突子によりラッチが後退されて受金から離脱され、この操作ハンドルで扉パネルを引けば、扉パネルが開くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のラッチ式の平面ハンドルでは、操作ハンドルの操作突子がラッチの受け溝に遊び嵌めされるため、扉パネルを閉めると、ラッチが受金に対して半掛かり(半施錠)や不掛かり(不施錠)でも、操作ハンドルはベース内に没入(収納)されてしまい、ラッチと受金が不完全な係合状態(施錠状態)でも、使用者は扉が完全に閉められたものと誤認するおそれがある、という問題がある。なお、高所作業車に搭載される工具ボックスでは、扉パネルが既述のように不完全に閉じられた状態では、車体の振動など外力により、扉パネルが開くおそれがあり、ハンドル装置による扉パネルの確実な施錠が求められる。
【0007】
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、この種のハンドル装置において、簡易な操作で、筐体側の受け部に対する蓋側、扉側の係合手段を、筐体側の受け部に確実に係合離脱させ、これを確実にロック、ロック解除し、さらに施錠、解錠するようにして、蓋、扉を完全に閉めること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、
蓋、扉のパネルの正面に固定される固定台座、及び前記固定台座から前記パネルの背面方向に延びる軸筒部を有するベースと、
前記固定台座から前記軸筒部に進退可能にかつ回転可能に挿通され、かつ第1のばね手段により常態として扉パネルの背面方向に後退付勢される施錠軸と、
一端を前記施錠軸に回動軸を介して前記ベースに対して起伏回動可能に取り付けられるハンドルと、
前記ハンドルの他端側で前記ベースの前記軸筒部の周囲に凹部及び凸部からなり、当該凹部と当該凸部との間に前記軸筒部に向けて延びるロック爪係合部と、
前記ハンドルの他端側に前記ロック爪係合部に向けて回動可能に軸支され、前記ロック爪係合部に係脱可能に取り付けられるロック爪、及び前記ハンドルの他端側に設けられて前記ロック爪に作動連結され、前記ロック爪を前記ロック爪係合部に対して離脱方向に回動するロック爪解除操作部と、
前記ロック爪を前記ロック爪係合部に向けて回動付勢し、常態として前記ロック爪を前記ロック爪係合部に係合させる第2のばね手段と、
前記ロック爪係合部の近傍で前記ロック爪係合部に係合状態の前記ロック爪に係脱可能に配置され、前記ロック爪の回動を規制、規制解除するストッパーと、
前記ストッパーに作動連結され、前記ストッパーを前記ロック爪に係合させる施錠動作と前記ストッパーを前記ロック爪から離脱させる解錠動作とを実行するアクチュエーターと、
を備え、
前記施錠軸の前記パネルの背面側の端部にロックプレートが蓋、扉により開閉される筐体に設けられる受け部に対して係脱可能に取り付けられて、
前記ハンドルを前記ロック爪解除操作部の操作とともに前記ベースから引き起こすワンアクションにより、前記ロック爪と前記ロック爪係合部との弾性係合が外れてロック解除されるとともに、前記ロックプレートと前記受け部との締め付け係合が解除され、反対に、前記ハンドルを前記ベースに押し戻すワンアクションにより、前記ロックプレートが前記受け部に対して締め付け係合されるとともに、当該締め付け係合が、前記ロック爪と前記ロック爪係合部との弾性係合により、ロックされ、
前記ロック爪と前記ロック爪係合部とのロックは、前記アクチュエーターの施錠動作により、前記ストッパーが前記ロック爪に係合して、施錠され、前記アクチュエーターの解錠動作により、解錠される、
ことを要旨とする。
【0009】
また、このハンドル装置は各部が次のように具体化されることが好ましい。
(1)固定台座は、全体が正面部に開口及び開口周縁に沿ってフランジを有するケース状に形成され、前記固定台座の上面部と背面部との間で、前記上面部中央から連続して断面円弧状に延びる一対の曲面部と、これら曲面部の下端から下面部に向けて略垂直に延びる一対の平面部とからなる一対のハンドルガイド部が設けられて、軸筒部が、前記固定台座の上面部と背面部との間で前記背面部から、一端側が前記一対のハンドルガイド部の各曲面部間に筒状に突出され、他端側を前記固定台座の背面部から外部に筒状に突出されて、当該軸筒部に施錠軸がコイルスプリングを介して挿通され、ハンドルは、逆T字形に形成されて、前記固定台座の開口内に前記一対のハンドルガイド部の下方に嵌合配置可能に横方向に延びるハンドルグリップと、前記固定台座の開口内の前記一対のハンドルガイド部間に嵌合配置可能に前記ハンドルグリップの長さ方向中央から縦方向に延びるハンドルレバーとを有してなり、前記ハンドルレバーが前記施錠軸の一端に連結される。
【0010】
この場合、固定台座の一対のハンドルガイド部の各平面部間にロック爪係合部取付部がブロック状に突出され、当該ロック爪係合部取付部に、薄形のブロックからなるロック爪係合部が取り付けられて、前記ロック爪係合部の下部が前記ロック爪係合部取付部の下部から下方に突出されて凸部となし、前記ロック爪係合部と前記固定台座の背面部との間にロック爪を嵌合係止可能に凹部となし、これら凹部と凸部との間に前記ロック爪係合部の背面が軸筒部に向けて延び、前記ロック爪の係止面をなし、ロック爪解除操作部は、ハンドルレバーに回動軸を介して取り付けられて、ハンドルグリップの内面と前記ロック爪係合部との間に回動可能に配置され、ロック爪は、前記ロック爪解除操作部の中央から後方に向けて断面略L字形に突出され、後端に上方に向けて凸の爪部を有し、前記ロック爪解除操作部と前記ハンドルグリップの内面との間に第2のばね手段としてコイルスプリングを介装されて、常態として前記ロック爪解除操作部が前記ロック爪とともに前記ハンドルグリップの内面から前記ロック爪係合部に向けて回動付勢されることが望ましい。
【0011】
またこの場合、ストッパーは、一端側が半円柱形をなすロック爪ロック部と、前記ロック爪ロック部の他端から同心的に延びる回動軸部と、前記回動軸部の外周面から当該回動軸部の軸心に対して直角に延びる作動レバー部と、前記作動レバー部の頂部で前記ロック爪ロック部とは反対側の面に前記ロック爪ロック部とは反対方向に延びるアクチュエーター係合部とを有してなり、前記固定台座の背面部の下部中央にストッパー取付部が設けられて、当該ストッパー取付部に回動可能に取り付けられ、前記ロック爪ロック部の半円柱形の一端側が前記固定台座の背面部の内側に配置され、他端側の前記アクチュエーター係合部が前記固定台座の背面部の外側に配置され、アクチュエーターは電動式で正転方向又は逆転方向に回動可能な回動軸を有し、前記ストッパーのアクチュエーター係合部と前記アクチュエーターの回動軸がリンク機構を介して作動連結されることが望ましい。
【0012】
(2)アクチュエーターは、固定台座の背面部に固定され、前記固定台座の一側に延びるジョイントプレートに取り付けられて、前記固定台座の一側に水平方向に並列に配置される。
【0013】
(3)固定台座に、アクチュエーターのロック動作又はロック解除動作に連動してアクチュエーターのロック動作又はロック解除動作又はその両方を表示する表示部が装着される。
【発明の効果】
【0014】
本発明のハンドル装置によれば、上記の構成により、ハンドルをロック爪解除操作部の操作とともにベースから引き起こすワンアクションにより、ロック爪とロック爪係合部との弾性係合が外れてロック解除されるとともに、ロックプレートと受け部との締め付け係合が解除され、反対に、ハンドルをベースに押し戻すワンアクションにより、ロックプレートが受け部に対して締め付け係合されるとともに、当該締め付け係合が、ロック爪とロック爪係合部との弾性係合により、ロックされ、ロック爪とロック爪係合部とのロックは、アクチュエーターの施錠動作により、ストッパーがロック爪に係合して、施錠され、アクチュエーターの解錠動作により、解錠されるので、ハンドルの簡易な操作で、筐体側の受け部に対する蓋側、扉側のロックプレートを、筐体側の受け部に確実に係合離脱させ、これを確実にロック、ロック解除し、さらに施錠、解錠することができ、これにより、蓋、扉を完全に閉めることができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るハンドル装置の全体構成を示す図(斜視図)
【
図2】同装置の全体構成を示す図((a)は正面図(b)は背面図(c)は平面図(d)は側面図)
【
図4】同装置の特にベースの構成を示す図(正面図)
【
図5】同装置の特に回動ストッパーの構成を示す図(正面図)
【
図6】同装置の特に施錠軸の構成を示す図(斜視図)
【
図7】同装置の特にハンドルの構成を示す図(斜視図)
【
図8】同装置の特にロック爪係合部の構成を示す図(斜視図)
【
図9】同装置の特にロック爪及びロック爪解除操作部の構成を示す図(斜視図)
【
図10】同装置の特にストッパーの構成を示す図((a)は正面側の斜視図(b)は側面図(c)は背面側の斜視図)
【
図11】同装置の特にロックプレートの構成を示す図(斜視図)
【
図12】同装置の使用例を示す図((a)は正面図(b)は背面図)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1、
図2はハンドル装置の全体構成を示し、
図3はハンドル装置の内部構成を示している。
図4乃至
図11はそれぞれ、ハンドル装置の各部の構成を示している。
【0017】
なお、この発明のハンドル装置は、既述のとおり、工具箱、荷箱を含む各種のボックスや各種のキャビネットなどの各種の筐体にヒンジ結合される蓋や扉の開閉、ロック、ロック解除及び施解錠に使用されるもので、この実施の形態では、例えば高所作業車などの車両に搭載される工具ボックスの扉の開閉、ロック、ロック解除及び施解錠に用いるものとして例示している。ここで、工具ボックスは、特に図示していないが、特許文献1に示されているように、一側面に開口を有する横長のボックス本体と、ボックス本体の開口を開閉可能にボックス本体の開口下部にヒンジを介して連結される横長の扉(パネル)とを備える。このハンドル装置は、扉(パネル)上部の左右両側に形成される開口に嵌め込まれて、扉に一体的に取り付けられる。
【0018】
図1、
図2及び
図3に示すように、このハンドル装置H(以下、本装置Hという。)は、ベース1と、ベース1に第1のばね手段S1を介して装着される施錠軸2と、施錠軸2に回動軸3Pを介してベース1に対して起伏回動可能に取り付けられるハンドル3と、ベース1に一体的に形成されるロック爪係合部4と、ハンドル3に第2ばね手段S2を介して取り付けられるロック爪5A、及びロック爪解除操作部5Bと、ベース1にロック爪係合部4に近接して配置されるストッパー6と、ストッパー6に作動連結されるアクチュエーター7と、を備えて構成される。
【0019】
図1、
図2に示すように、ベース1は、扉のパネルの正面に固定される固定台座11、及び固定台座11からパネルの背面方向に延びる軸筒部13Aを有する。
【0020】
この場合、固定台座11は軸筒部13Aとともに一体に形成される。
図1、
図2及び
図4に示すように、固定台座11は、全体が正面部に開口110及び開口110全周縁に沿ってフランジ111を有するケース状に形成される。固定台座11の全体形状は任意で、この場合は、横長の四角形のケース状で、上面部11U、下面部11D、左右の各側面部11L、11R、正面部11F(開口110)、背面部11B、を有する。ここで上面部11Uは左右方向中央が上方に凸の断面円弧状の曲面11U1に形成され、その両側が左右の各側面部11L、11Rに向けて緩やかな下り傾斜面11U2に形成される。下面部11Dは全体が下方に凸の断面円弧状の緩やかな曲面に形成される。左右の各側面部11L、11Rは縦に長い平面に形成される。正面部11Fは開口110とその周囲のフランジ111とからなる。開口110は、既述の上面部11U、下面部11D、左右の各側面部11L、11Rに囲まれてなり、全体として概ね横に長い四角形で、上縁部中央に開口110の一部をなす上方に凸の円弧状の開口部110Uを併せて有する。この開口部110Uは上面部11U中央の曲面11U1下の内部空間の正面側の開口端となる。フランジ111は、上縁、下縁が全体として断面円弧状の緩やかな曲面形状で、左右の各縁は略直線形状になっている。なお、フランジ111の背面四隅にはそれぞれ、ねじ孔を有する取付ボスが突設される。背面部11Bは、正面部11Fの開口110の外形と概ね同じ形状に形成される。
【0021】
この固定台座11にはさらに、
図4に示すように、正面部11Fと上面部11Uと背面部11Bとの間に一体に、一対のハンドルガイド部12、軸筒部・ロック爪係合部取付部13、ハンドル回動規制部14、ストッパー取付部15、及びパイロットランプ取付部16が併せて設けられる。
【0022】
一対のハンドルガイド部12は、固定台座11の上面部11Uと背面部11Bとの間で、上面部11U中央の曲面11U1の両端から連続してこの曲面11U1の断面円弧状の延長上に断面円弧状に延びる一対の曲面部121と、これら曲面部121の下端から下面部11Dに向けて略垂直に延びる一対の平面部122とからなる。
【0023】
軸筒部・ロック爪係合部取付部13は、固定台座11の上面部11Uと背面部11Bとの間に、背面部11Bから、一端側が一対のハンドルガイド部12の各曲面部121間に各曲面部121の背面部11B側から正面部11F方向中間まで円筒状に突出され、他端側を背面部11Bから外部に円筒状に突出される軸筒部13Aと、一対のハンドルガイド部12の各平面部122間に各平面部122の背面部11B側から正面部11F方向中間まで突出されるブロック状(直方体状)のロック爪係合部取付部13Bとからなる。軸筒部13Aの中心に円形の軸挿通孔131が形成され、この軸筒部131の正面側の一端面の内周縁に沿って正面視略C字形の凸状にハンドル回動ガイド部141が突出形成される。ハンドル回動ガイド部141の両端は下面部11Dに向けられ、この両端間に後述するハンドル3の回動角度を許容する所定の角度(この場合、90°)が設定される。このハンドル回動ガイド部141は後述するハンドル回動規制部14の一部をなす。ロック爪係合部取付部13Bの正面中央部に四角形の溝132が形成され、この溝132の正面底部にねじ孔133が設けられて、ここに後述するロック爪係合部4(
図3参照)が取り付けられる。
【0024】
図3、
図4及び
図5に示すように、ハンドル回動規制部14は、各ハンドルガイド部12内の軸筒部13Aのハンドル回動ガイド部141と、このハンドル回動ガイド部141内に取り付けられる回動ストッパー142とからなる。ハンドル回動ガイド部141は既述のとおりである。回動ストッパー142は円形の平板で、中心に角形(四角形)の孔1420が形成され、外周の一部に小さな角形(五角形)の突起1421が突出形成されてなる。この回動ストッパー142は各ハンドルガイド部12間の軸筒部13Aの正面(正面側端面)でハンドル回動ガイド部141内に組み入れられ、突起1421がハンドル回動ガイド部141の両端間に突出配置される。かくして回動ストッパー142がハンドル回動ガイド部141内で90°の角度範囲内で回動可能に配置される。
【0025】
図4に示すように、ストッパー取付部15は、後述するストッパー6(
図10参照)を固定台座11に取り付けるためのもので、固定台座11の背面部11Bでロック爪係合部取付部13Bの直下に後述するストッパー6のロック爪ロック部61が挿通可能に円形の孔が穿たれてなる。
【0026】
図2、
図4に示すように、パイロットランプ取付部16は、後述するパイロットランプ16pを取り付けるためのもので、固定台座11のフランジ111に、この場合、フランジ111の上部の角部近傍に、パイロットランプが挿通可能に、円形の孔が穿たれるとともに、この孔に連通してフランジ111の背面側に円筒部が突出されてなる。
【0027】
図3に示すように、施錠軸2は、固定台座11の軸筒部13Aに進退可能にかつ回転可能に挿通され、かつ第1のばね手段S1により常態として扉のパネルの背面方向に後退付勢される。
【0028】
この場合、施錠軸2は、
図6に示すように、正面側になる一端側の所定の長さ範囲が四角柱状で一端の両側面間に取付軸挿通孔20を有するハンドル連結軸部21と、ハンドル連結軸部21に、このハンドル連結軸部21の四角柱の断面内に内接される小径の円形形状で溝幅の小さい溝を介して連続するハンドル連結軸部21の断面よりも少し大きい外径の円柱形状の中間小径軸部22と、中間小径軸部22に連続する中間小径軸部22の断面よりも少し大きい外径の円柱形状の中間大径軸部23と、中間大径軸部23に連続して中間大径軸部23の外径よりも小さく菱形状に斜めに延びる四角柱状のロックプレート取付軸部24とからなり、ロックプレート取付軸部24の端面から中間小径軸部22まで施錠軸2の軸心上にねじ孔25が形成される。このようにして施錠軸2が、
図3に示すように、軸筒部・ロック爪係合部取付部13の軸筒部13Aに挿通され、中間の中間小径軸部22及び中間大径軸部23が軸筒部13Aに配置され、一端のハンドル連結軸部21が軸筒部13Aから背面部11Bの内側に正面部11F方向に突出され、他端のロックプレート取付軸部24が軸筒部13Aから背面部13Bの外側に突出されるようになっている。
かくして施錠軸2は、外周面に第1のばね手段S1としてコイルスプリング(以下、コイルスプリングS1という。)を巻装され、固定台座11の正面部11Fの開口110内の軸筒部13Aの正面側端面のハンドル回動ガイド部141に回動ストッパー142を配置されて、軸筒部13Aに挿通される。これにより、施錠軸2周囲のコイルスプリングS1が一端を軸筒部13Aのハンドル回動ガイド部141の背面側に係止され、他端が施錠軸2の中間大径軸部23に係止されて、施錠軸2は軸筒部13A内に軸筒部13Aの前後方向に進退可能に配置され、かつコイルスプリングS1により常態として固定台座11の背面部11B方向に後退付勢され、施錠軸2の中間大径軸部23、ロックプレート取付軸部24が軸筒部13Aの背面側から外部に突出される。
【0029】
図3に示すように、ハンドル3は、一端を施錠軸2に回動軸3Pを介してベース1に対して起伏回動可能に取り付けられる。
【0030】
この場合、ハンドル3は、
図7に示すように、逆T字形に形成されて、横方向に延びるハンドルグリップ31と、ハンドルグリップ31の長さ方向中央から縦方向に延びるハンドルレバー32とを有してなる。ハンドルグリップ31は、固定台座11の開口110内に一対のハンドルガイド部12の下方に嵌合配置可能に細長い四角形のプレートからなり、その内面に、長さ方向に亘って細長い四角形の凹状に形成されてロック爪取付部310が設けられ、さらにこのロック爪取付部310の長さ方向中央に円形の凹状に形成されてばね受け部311(
図3参照)が設けられる。ハンドルレバー32は、固定台座11の開口110内の一対のハンドルガイド部12間に嵌合配置可能に一対の細長い四角形のレバーからなり、各レバーの上端部に施錠軸2のための取付軸挿通孔320が対称的に形成されて施錠軸2の軸受321をなし、下部側に後述するロック爪5Aのための取付軸挿通溝323が形成されてロック爪5Aの軸受322をなす。かくして、ハンドル3は、
図3に示すように、上部の各軸受321が施錠軸2の一端のハンドル連結軸部21の両側面に配置され、これら軸受321とハンドル連結軸部21の各取付軸挿通孔320、20間にハンドルピンである回動軸3Pが挿着されて、施錠軸2の一端に連結され、ベース1に対して起伏可能にかつ回動可能に取り付けられる。
【0031】
図3に示すように、ロック爪係合部4は、ハンドル3の他端側でベース1の軸筒部13Aの周囲に凹部4C0及び凸部4C1からなり、これら凹部4C0と凸部4C1との間に軸筒部13Aに向けて延びる。
【0032】
この場合、ロック爪係合部4は、
図8に示すように、比較的薄形の四角形のブロックからなり、正面にU字形に溝を形成され、正面の溝底部の中央にねじ挿通孔40が設けられる。このロック爪係合部4は、
図3に示すように、ロック爪係合部取付部13Bの正面に配置され、ロック爪係合部4のねじ挿通孔40からねじN4を通され、ロック爪係合部取付部13Bのねじ孔133(
図4参照)に締結されて取り付けられる。このロック爪係合部4の下部はロック爪係合部取付部13Bの下部から下方に突出されて、凸部4C1をなし、このロック爪係合部4と固定台座11の背面部11Bとの間がロック爪5Aを嵌合係止可能に凹部4C0をなし、これら凹部4C0と凸部4C1との間、つまり、ロック爪係合部4の背面が軸筒部13Aに向けて延び、この背面がロック爪5Aの係止面になっている。
【0033】
図3に示すように、ロック爪5Aは、ハンドル3の他端側にロック爪係合部4に向けて回動可能に軸支され、ロック爪係合部4に係脱可能に取り付けられる。ロック爪解除操作部5Bは、ハンドル3の他端側に設けられてロック爪5Aに作動連結され、ロック爪5Aをロック爪係合部4に対して離脱方向に回動可能に設けられる。
第2のばね手段S2は、ロック爪5Aをロック爪係合部4に向けて回動付勢し、常態としてロック爪5Aをロック爪係合部4に係合可能に設けられる。
【0034】
図3に示すように、ロック爪解除操作部5Bは、ハンドルレバー32に回動軸51を介して取り付けられて、ハンドルグリップ31の内面とロック爪係合部4との間に回動可能に配置され、ロック爪5Aは、ロック爪解除操作部5Bの中央から後方に向けて断面略L字形に突出され、後端に上方に向けて凸の爪部5A2(
図9参照)を有し、ロック爪解除操作部5Bとハンドルグリップ31の内面との間に第2のばね手段S2としてコイルスプリング(以下、コイルスプリングS2という。)を介装されて、常態としてロック爪解除操作部5Bが爪部5A2とともにハンドルグリップ31の内面からロック爪係合部4に向けて回動付勢される。
【0035】
この場合、ロック爪5Aは、
図9に示すように、ロック爪解除操作部5Bとともに一体に形成される。ロック爪解除操作部5Bは操作バー5B1と取付部5B2とを有してなる。操作バー5B1はハンドルグリップ31のロック爪取付部310と略同じ長さでこのロック爪取付部310から少し突出可能な平面視細長い四角形のプレートからなり、長辺の一端縁部、この場合、前端縁部がハンドルグリップ31のロック爪取付部310に嵌合可能に断面四角形に上方に向けて少し凸状に形成される。この前端縁部の前面中央には円形の凹状にばね受け部50が併せて形成される。取付部5B2は操作バー5B1の平面で長さ方向中央に上方に向けて断面略台形の凸状に形成され、上部左右両側に左右両側方に向けて回転軸51が突出される。ロック爪5Aは操作バー5B1の長辺の他端縁部、この場合、後端縁部の中央に設けられる。このロック爪5Aは、操作バー5B1の後端縁部の中央から後方に向けて断面略L字形に突出され、操作バー5B1の後端縁部の中央から延びる基部5A1と、この基部5A1の後端から上方に向けて凸の爪部5A2とを有してなる。基部5A1はロック爪係合部4に向けて延びる細長い略四角形に形成される。爪部5A2は、基部5A1の後縁部から上方に、つまりロック爪係合部4に向けて延びる断面略四角形の凸形状に形成され、この爪部5A2がロック爪係合部4と固定台座11の背面部11Bとの間の凹部4C0に嵌合係止可能で、ロック爪係合部4背面の係止面に係止可能になっている。このロック爪5A、ロック爪解除操作部5Bは、取付部5B2がハンドルレバー32の一対のレバー間に配置され、回転軸51を取付軸挿通溝323に通されて、軸受322に取り付けられ、操作バー5B1前面のばね受け部50にコイルスプリングS2の一端が装着され、コイルスプリングS2の他端をハンドルグリップ31のロック爪取付部310のばね受け部311に装着されて、このロック爪取付部310に沿って配置される。かくしてロック爪5A、ロック爪解除操作部5Bは、取付部5B2の回転軸51を回動支点として各軸受322間に回動可能に取り付けられ、ロック爪5A、ロック爪解除操作部5Bとロック爪取付部310との間のコイルスプリングS2により常態としてロック爪取付部310から後方でかつ上方に向けて、すなわち、ロック爪係合部4に向けて回動付勢され、ロック爪係合部4に係合してハンドル3がロック可能になっている。また、このハンドル3のロックは、ロック爪解除操作部5Bの引き操作、すなわち、ロック爪解除操作部5Bをハンドルグリップ31に向けて引くことにより、解除可能になっている。
【0036】
図3に示すように、ストッパー6は、ロック爪係合部4の近傍でロック爪係合部4に係合状態のロック爪5Aに係脱可能に配置され、ロック爪5Aの回動を規制可能にかつ規制解除可能に設けられる。
【0037】
この場合、ストッパー6は、
図10に示すように、一端側が半円柱形でその軸心と平行な平面がその一端縁部を断面半円形の外周面に向けて斜めに形成され、他端が円柱形をなすロック爪ロック部61と、ロック爪ロック部61の他端から同心的に延びる円柱形状の回動軸部62と、回動軸部62の外周面からこの回動軸部62の軸心に対して直角に、頂部を半円形とする略扇形状に延びる作動レバー部63と、作動レバー部63の頂部でロック爪ロック部61とは反対側の面にロック爪ロック部61とは反対方向に円柱形状に延びるアクチュエーター係合部64と、を有してなる。このストッパー6は、
図3に示すように、固定台座11の背面部11Bの下部中央に設けられたストッパー取付部15(
図4参照)、すなわち、円形の孔から背面部11Bの内側に、ロック爪ロック部61の半円柱形の一端側が回動可能に通されて取り付けられ、他端側のアクチュエーター係合部64が固定台座11の背面部11Bの外側に配置される。かくして、ストッパー6が回動されて、ロック爪ロック部61の平面が上方向に水平に向けられると、この平面が斜めの一端縁部を含めて、ロック爪5Aをロック爪係合部4へ又はその反対に回動案内して、ロック爪5Aがロック爪係合部4に係脱可能になっていて、ロック爪ロック部61の平面が斜めの一端縁部を含めて、所定の一側方向に垂直に向けられると、この一端側の半円柱形の部分が障害物になって、ロック爪5Aとロック爪係合部4が係合された状態ではロック爪5Aのロック爪係合部4の外部への回動を規制し、ロック爪5Aとロック爪係合部4が係合解除された状態ではロック爪5Aのロック爪係合部4への回動を規制して、ロック爪5Aがロック爪係合部4へ係脱不能になっている。
【0038】
図2(b)に示すように、アクチュエーター7は、ストッパー6に作動連結され、ストッパー6をロック爪5A(
図3参照)に係合させる施錠動作とストッパー6をロック爪5A(
図3参照)から離脱させる解錠動作とを実行するようになっている。アクチュエーター7は、固定台座11の背面部11Bに固定され、固定台座11の一側に延びるジョイントプレート8に取り付けられて、固定台座11の一側に水平方向に並列に配置される。
【0039】
この場合、アクチュエーター7は、一般に知られている電動式のアクチュエーターで、
図2(b)に示すように、背面部から回転軸71が突出され、図示されない操作部の施錠操作により、回転軸71が正転方向に回転駆動され、操作部の解錠操作により、回転軸71が逆転方向に回転駆動されるようになっている。
【0040】
また、この場合、アクチュエーター7は、
図1、
図2に示すように、ジョイントプレート8を介して、固定台座11に取り付けられ、ジョイントアーム83を介して、ストッパー6に作動連結される。ジョイントプレート8は、アクチュエーター取付部82と、固定台座取付部81とからなり、これらは連結部811を介して一体に形成される。アクチュエーター取付部82はアクチュエーター7の正面よりも少し大きい横に長い長方形のフレーム状に形成される。このアクチュエーター取付部82の一側部に連結部811が直角に形成されて、この連結部811に固定台座取付部81が固定台座11の背面部11Bに対応する平板状にかつ固定台座11から施錠軸2の中間大径軸部23、ロックプレート取付軸部24が突出可能にこの部分が切り欠かれて形成される。このジョイントプレート8のアクチュエーター取付部82にアクチュエーター7が取付ねじを介して取り付けられ、固定台座取付部81が固定台座11の背面部11Bに取付ねじを介して取り付けられる。かくして固定台座11の一方の側部にアクチュエーター7が一体的に設けられる。ジョイントアーム83は細長いバーからなり、両端に軸挿通孔831、832を有する。このジョイントアーム83は、アクチュエーター7の回転軸71と固定台座11に取り付けられたストッパー6のアクチュエーター係合部64との間に配置され、一端の軸挿通孔831がアクチュエーター7の回転軸71にリンクプレート84を介してリンク結合され、他端の軸挿通孔832にストッパー6のアクチュエーター係合部64が連結されて、アクチュエーター7とストッパー6が作動連結される。
【0041】
さらに、このアクチュエーター7には、図示されないコントローラーを介して、図示されない操作部が電気的に接続され、この操作部が、この場合、高所作業車の運転席の近傍、車体の適宜の位置など任意の位置に取り付けられる。なお、操作部はアクチュエーターに有線で接続されてもよく、無線で接続されてもよい。無線の場合、スマートフォンが用いられてもよい。
【0042】
また、
図1、
図2に示すように、固定台座11には、アクチュエーター7の動作に連動してアクチュエーター7の施錠動作又は解錠動作又はその両方を表示する表示部16Pが装着される。
【0043】
この場合、表示部16Pにパイロットランプ16pが採用される。パイロットランプ16pは、固定台座11のフランジ111の上部の角部近傍に設けられたパイロットランプ取付部16に埋設される。また、この場合、パイロットランプ16pは、操作部の操作により、アクチュエーター7が解錠動作を実行したときに点灯し、施錠動作を実行したときに消灯されるようになっている。
【0044】
かくしてこのアクチュエーター7では、操作部の施錠操作により、施錠動作が実行される。すなわち、アクチュエーター7の回転軸71が逆転方向に回転駆動され、この回転軸71の回転によりジョイントアーム83が引かれて、ストッパ6ーが逆転方向に回動され、ストッパー6のロック爪ロック部61の平面が一方の側方向に垂直に向けられて、ストッパー6が施錠状態になる。これにより、
図3を参照すると、ストッパー6は、ロック爪5Aとロック爪係合部4が係合された状態では、ロック爪5Aのロック爪係合部4の外部への回動を規制し、ロック爪5Aとロック爪係合部4が係合解除された状態では、ロック爪5Aのロック爪係合部4への回動を規制して、ロック爪5Aがロック爪係合部4に係脱不能になる。このとき、パイロットランプ16pは消灯される。反対に、アクチュエーター7は、操作部の解錠操作により、解錠動作が実行される。すなわち、アクチュエーター7の回転軸71が正転方向に回転駆動され、この回転軸71の回転によりジョイントアーム83が押されて、ストッパー6が正転方向に回動され、ストッパー6のロック爪ロック部61の平面が上方向に水平に向けられて、ストッパー6は解錠状態になる。これにより、
図3を参照すると、ストッパー6は、ロック爪6をロック爪係合部4へ又はその反対に回動案内して、ロック爪6がロック爪係合部4に係脱可能になる。このとき、パイロットランプ16pは点灯される。
【0045】
そして、
図1、
図2に示すように、施錠軸2のパネルの背面側の端部には、ロックプレート9が扉により開閉されるボックス本体に設けられる受け部(図示省略)に対して係脱可能に取り付けられる。ここでロックプレート9は、
図11に示すように、先端が台形で、基端が半円形の細長い略扇形形状に形成され、基端側に施錠軸2のロックプレート取付軸部24が嵌合可能に四角形(正方形)の取付孔90が菱形状に斜めに形成される。このロックプレート9は、
図2に示すように、基端側の取付孔90に施錠軸2のロックプレート取付軸部24が通され、このロックプレート取付軸部24にワッシャーを介してナットN9が締結されて、固定される。
【0046】
このようにして本装置Hは、
図3を参照すると、ハンドル3をロック爪解除操作部5Bの操作とともにベース1から引き起こすワンアクションにより、ロック爪5Aとロック爪係合部4との弾性係合が外れてロック解除されるとともに、ロックプレート9と(ボックス本体側の)受け部との締め付け係合が解除され、反対に、ハンドル3をベース1に押し戻すワンアクションにより、ロックプレート9が(ボックス本体側の)受け部に対して締め付け係合されるとともに、当該締め付け係合が、ロック爪5Aとロック爪係合部4との弾性係合により、ロックされるようになっている。そして、このロック爪5Aとロック爪係合部4とのロックは、アクチュエーター7の施錠動作により、ストッパー6がロック爪5Aに係合して、施錠され、アクチュエーター7の解錠動作により、解錠されるようになっている。
この場合、ハンドル3を握り、同時にロック爪解除操作部5Bを手前に引いて、ベース1から引き起こすワンアクションで、ハンドル3の端部でロック爪5Aとロック爪係合部4との弾性係合が外れて、ハンドル3のロックが解除されるとともに、ロックプレート9と受け部との締め付け係合が解除される。続けて、ハンドル3を所定の一方向に90°回動することにより、ロックプレート9が受け部に対向する位置から外れて受け部から完全に離脱される。反対に、ハンドル3を所定の他方向に90°回動することにより、ロックプレート9が受け部に対向する位置に戻され、受け部に対して係合可能となる。続けて、ハンドル3をベース1に押し戻すだけのワンアクションにより、ロックプレート9が受け部に対して締め付け係合され、このハンドル3のロックプレート9と受け部との締め付け係合は、ハンドル3の端部で、ロック爪5Aとロック爪係合部4が弾性係合されて、ロックされる。そして、このロック爪5Aとロック爪係合部4とのロックは、アクチュエーター7の施錠動作により、ストッパー6がロック爪5Aに係合して、施錠される。反対に、アクチュエーター7の解錠動作により、ストッパー6がロック爪5Aから離脱して、解錠される。
【0047】
図12に本装置Hの使用例を示している。
図12中、実線のロックプレート9は水平の状態で、アクチュエーター7の施錠動作による扉の施錠状態を示し、
図12中、2点鎖線のロックプレート9は垂直の状態で、アクチュエーター7の解錠動作による扉の解錠状態を示している。
なお、この場合、本装置Hは、対にして、高所作業車の工具ボックスの扉(パネル)上部の左右両側に形成される扉の各開口に嵌め込まれるとともに、本装置Hのフランジ111の背面四隅の各取付ボスが各開口の四隅に形成される各孔に通され、各取付ボスに取付ねじが締結されて、扉に一体的に取り付けられる。
そして、この初期状態では、本装置Hは、ハンドル3がベース1の固定台座11内の一対のハンドルガイド部12間に倒伏して嵌め込まれ、これにより、施錠軸2がコイルスプリングS1の付勢力に抗して固定台座11の開口110面まで引っ張られ、この施錠軸2のロックプレート取付軸部24に取り付けられたロックプレート9が、
図12中、実線で示すように、工具ボックスのボックス本体に設けられる受け部に締め付け係合され、この締め付け係合の状態は、ハンドル3の端部で、ロック爪5Aとロック爪係合部4がコイルスプリングS2により弾性係合されて、ロックされる。このロック状態はさらに、アクチュエーター7の施錠動作により、ストッパー6のロック爪ロック部61の平面が一方の側方向に垂直に向けられて、施錠される。このストッパー6により、ロック爪5Aとロック爪係合部4が係合された状態ではロック爪5Aのロック爪係合部4の外部への回動が規制され、ロック爪5Aがロック爪係合部4から離脱できない。なお、このとき、パイロットランプ16pは消灯される。このようにして工具ボックスの扉は施錠状態になる。
【0048】
この扉の施錠状態から、操作部の解錠操作により、アクチュエーター7の解錠動作が実行されると、アクチュエーター7の回転軸71が正転方向に回転駆動され、これにより、ジョイントアーム83が押し出されて、ストッパー6が正転方向に回動され、ストッパー6のロック爪ロック部61の平面が上方向に水平に向けられて、ストッパー6による施錠が解除される。このとき、パイロットランプ16pが点灯されて、ユーザーに扉の解錠状態が表示され、扉の解錠状態がユーザーに注意喚起される。このようにして扉は解錠状態になる。この扉の解錠状態で、ハンドル3のワンアクションにより、すなわち、ハンドル3を握り、ロック爪解除操作部5Bを引いて、ベース1の固定台座11内の一対のハンドルガイド部12間から引き起こすことにより、ハンドル3の端部でロック爪5Aとロック爪係合部4とのコイルスプリングS2による弾性係合が外れて、ハンドル3がロック解除されるとともに、施錠軸2がコイルスプリングS1の付勢力により固定台座11の正面部11Fの開口110面から背面部11B方向に押し出され、この施錠軸2のロックプレート取付軸部24に取り付けられたロックプレート9が、工具ボックスのボックス本体に設けられる受け部から離間して対向され、締め付け係合が解除される。続けて、ハンドル3を所定の一方向に回動すると、施錠軸2が同方向に回動され、この施錠軸2の回動により、ロックプレート9が、
図12中、2点鎖線で示すように、ボックス本体の受け部に対向する位置から上方に向けて90°外れた位置に回動され、ボックス本体の受け部から完全に離脱される。これにより、扉側のロックプレート9とボックス本体側の受け部との係合が外れて、扉が開閉可能となる。したがって、ハンドル3を使って扉を手前に引けば、ボックス本体の開口が開放される。
【0049】
そして、この扉の開閉後、扉を閉めて、ハンドル3を所定の他方向、つまり、戻す方向に回動すると、施錠軸2が同方向に回動され、この施錠軸2の回動により、ロックプレート9がボックス本体の受け部に対して上方に向けて90°外れた位置から対向する位置に回動され、ボックス本体の受け部に係合可能になる。続けて、ハンドル3のワンアクションにより、すなわち、ハンドル3をベース1の固定台座11内の一対のハンドルガイド部12間に押し戻すだけで、施錠軸2がコイルスプリングS1の付勢力に抗して固定台座11の背面部11Bから正面部11Fの開口110面に引張られ、この施錠軸2のロックプレート取付軸部24に取り付けられたロックプレート9が、
図12中、実線で示すように、工具ボックスのボックス本体に設けられた受け部に締め付け係合されるとともに、ハンドル3の端部でロック爪5Aとロック爪係合部4がコイルスプリングS2により弾性係合されて、ハンドル3がロックされる。このとき、ロック爪5Aとロック爪係合部4とのコイルスプリングS2による弾性係合はユーザーがクリック感と共に確認できるので、このロック爪5Aとロック爪係合部4との係合を操作上確認することができる。そして、操作部の施錠操作により、アクチュエーター7の施錠動作が実行されると、ストッパー6のロック爪ロック部61の平面が一方の側方向に垂直に向けられて、施錠され、このロック爪5Aとロック爪係合部4との係合状態が固定される。このストッパー6により、ロック爪5Aとロック爪係合部4が係合された状態は、ロック爪5Aのロック爪係合部4の外部への回動を規制されて、ロック爪5Aがロック爪係合部4から離脱することができないため、このロック爪5Aとロック爪係合部4との係合は確実に保持される。このとき、パイロットランプ16pは消灯される。このようにして扉は施錠状態となる。
【0050】
以上説明したように、本装置Hでは、ハンドル3をロック爪解除操作部5Bの引き操作とともにベース1から引き起こすワンアクションにより、ロック爪5Aとロック爪係合部4との弾性係合が外れてハンドル3がロック解除されるとともに、ロックプレート9と受け部との締め付け係合が解除され、反対に、ハンドル3をベース1に押し戻すだけのワンアクションにより、ロックプレート9が受け部に対して締め付け係合されるとともに、当該締め付け係合が、ロック爪5Aとロック爪係合部4との弾性係合により、ロックされ、このロック爪5Aとロック爪係合部4とのロックが、アクチュエーター7の施錠動作により、ストッパー6がロック爪5Aに係合されて、施錠され、アクチュエーター7の解錠動作により、解錠されるので、ハンドル3の簡易なワンアクション操作で、ボックス本体側の受け部に対する扉側のロックプレート9を、ボックス本体側の受け部に確実に係合離脱させ、これを確実にロック、ロック解除し、さらに施錠、解錠することができる。これにより、扉をボックス本体に確実にロックし、施錠することができ、扉を完全に閉めることができる。
したがって、本装置Hによれば、従来のように、扉側のロックプレート9とボックス本体側の受け部との不完全な係合状態をなくすことができ、ユーザーが扉の不完全な施錠状態を誤認することもない。
【0051】
また、本装置Hによれば、さらに次の各構成により、次のような顕著な利点を有する。
(1)固定台座11は、全体が正面部11Fに開口110及び開口110全周縁に沿ってフランジ111を有するケース状に形成され、固定台座11の上面部11Uと背面部11Bとの間で、上面部11U中央から連続して断面円弧状に延びる一対の曲面部121と、これら曲面部121の下端から下面部11Dに向けて略垂直に延びる一対の平面部122とからなる一対のハンドルガイド部12が設けられる。軸筒部13Aは、固定台座11の上面部11Uと背面部11Bとの間で背面部11Bから、一端側が一対のハンドルガイド部12の各曲面部121間に円筒状に突出され、他端側を固定台座11の背面部11Bから外部に円筒状に突出され、この軸筒部13Aに施錠軸2がコイルスプリングS1を介して挿通される。ハンドル3は、逆T字形に形成されて、固定台座11の開口110内に一対のハンドルガイド部12の下方に嵌合配置可能に横方向に延びるハンドルグリップ31と、固定台座11の開口110内の一対のハンドルガイド部12間に嵌合配置可能にハンドルグリップ31の長さ方向中央から縦方向に延びるハンドルレバー32とを有してなり、ハンドルレバー32は施錠軸2の一端に連結される。
このようにしたことで、ハンドル3が固定台座11とともに扉のパネルの平面内に収納されて、ハンドル3を扉の外側に突出することなしに、扉に略面一にコンパクトに収納することができる。この高所作業車の工具ボックスにおいては、ハンドル3が邪魔にならず、車体の外側に突出しないことで、安全性も確保することができる。また、ハンドル3を固定台座11の一対のハンドルガイド部12間に倒伏することで、施錠軸2に取り付けられたロックプレート9がボックス本体の受け部に確実に案内されて、これらロックプレート9とボックス本体の受け部とを確実に締め付け係合させることができる。さらに、ハンドル3が逆T字形を呈することで、ハンドルグリップ31を手で握りやすく、操作性を良好にすることができる。
【0052】
この場合、固定台座11の一対のハンドルガイド部12の各平面部122間にロック爪係合部取付部13Bがブロック状に突出される。このロック爪係合部取付部13Bに、薄形のブロックからなるロック爪係合部4が取り付けられて、ロック爪係合部4の下部がロック爪係合部取付部13Bの下部から下方に突出されて凸部4C1となす。ロック爪係合部4と固定台座11の背面部11Bとの間にロック爪5Aを嵌合係止可能に凹部4C0となす。そして、これら凹部4C0と凸部4C1との間にロック爪係合部4の背面が軸筒部13Aに向けて延び、ロック爪5Aの係止面をなす。ロック爪解除操作部5Bは、ハンドルレバー32に回動軸51を介して取り付けられて、ハンドルグリップ31の内面とロック爪係合部4との間に回動可能に配置され、ロック爪51Aは、ロック爪解除操作部5Bの中央から後方に向けて断面略L字形に突出され、後端に上方に向けて凸の爪部5A2を有し、ロック爪解除操作部5Bとハンドルグリップ31の内面との間にコイルスプリングS2を介装されて、常態としてロック爪解除操作部5Bがロック爪5A2とともにハンドルグリップ31の内面からロック爪係合部4に向けて回動付勢される。
このようにしたことで、ロック爪係合部4とロック爪5Aとを簡単な構造でありながら、確実に係脱することができる。また、ロック爪係合部4とロック爪5Aが係合する際に、クリック感が得られるので、ユーザーはロック爪係合部4とロック爪5Aとの係合を確実に認識することができる。
【0053】
またこの場合、ストッパー6は、一端側が半円柱形をなすロック爪ロック部61と、ロック爪ロック部61の他端から同心的に延びる回動軸部62と、回動軸部62の外周面からこの回動軸部62の軸心に対して直角に延びる作動レバー部63と、作動レバー部63の頂部でロック爪ロック部61とは反対側の面にロック爪ロック部61とは反対方向に延びるアクチュエーター係合部64とを有してなる。このストッパー6は、固定台座11の背面部11Bの下部中央にストッパー取付部15が設けられて、このストッパー取付部15に回動可能に取り付けられ、ロック爪ロック部61の半円柱形の一端側が固定台座11の背面部11Bの内側に配置され、他端側のアクチュエーター係合部64が固定台座11の背面部11Bの外側に配置される。アクチュエーター7は電動式で正転方向又は逆転方向に回動可能な回動軸71を有する。これらストッパー6のアクチュエーター係合部64とアクチュエーター7の回動軸71はリンク機構(ストッパー6の作動レバー部63、アクチュエーター係合部64、ジョイントアーム83、リンクプレート84からなるリンク機構)を介して作動連結される。
このようにしたことで、ストッパー6が回動されて、ロック爪ロック部61の平面が上方向に水平に向けられると、この平面がロック爪5Aをロック爪係合部4へ又はその反対に回動案内して、ロック爪5Aがロック爪係合部4に係脱可能となり、ロック爪ロック部61の平面が一側方向に垂直に向けられると、この一端側の半円柱形の部分が障害物になって、ロック爪5Aとロック爪係合部4が係合された状態ではロック爪5Aのロック爪係合部4の外部への回動を規制し、ロック爪5Aとロック爪係合部4が係合解除された状態ではロック爪5Aのロック爪係合部4への回動を規制するので、簡単な構造でありながら、ロック爪5Aとロック爪係合部4が係合された状態を確実に固定し、施錠することができる。
【0054】
また、アクチュエーター7は、固定台座11の背面部11Bに固定され、固定台座11の一側に延びるジョイントプレート8に取り付けられて、固定台座11の一側に水平方向に並列に配置される。
このようにしたことで、本装置H全体として薄形にして、ボックス本体内に大きく突出することなく、コンパクトに取り付けることができる。
【0055】
さらに、固定台座11に、アクチュエーター7の動作に連動してアクチュエーター7のロック動作又はロック解除動作又はその両方を表示する表示部16P、この場合、パイロットランプ16pが装着される。
このようにしたことで、ユーザーが本装置Hのロック状態、ロック解除状態を確実に認識することができる。これにより、本装置Hの誤操作を確実に防止することができる。
【0056】
なお、この実施の形態では、アクチュエーター7が固定台座11の一側に水平に並列に設けられるものとしたが、このアクチュエーター7は固定台座11の背面部11B側に並列に配設されて、アクチュエーター7の回動軸71とストッパー6がリンク機構を介して取り付けられてもよく、また、この両者が直結されてもよい。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0057】
また、この実施の形態では、アクチュエーター7が電動式で回動軸71を有するものとしたが、このアクチュエーター7は電動式で作動レバーが進退可能に設けられるものとし、この作動レバーがストッパーに作動連結されてもよい。なお、このアクチュエーターは手動方式で機械式でもよい。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
さらに、この実施の形態では、本装置Hを高所作業車の工具ボックスの扉(パネル)に取り付けられるものとして例示したが、工具箱、荷箱を含む各種のボックスや各種のキャビネットなどの各種の筐体にヒンジ結合されて開閉される形式の蓋や扉の施解錠に広く適用され、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0059】
H ハンドル装置(本装置)
1 ベース
11 固定台座
110 開口
110U 開口部
111 フランジ
11U 上面部
11U1 曲面
11U2 傾斜面
11D 下面部
11L 側面部
11R 側面部
11F 正面部
11B 背面部
12 ハンドルガイド部
121 曲面部
122 平面部
13 軸筒部・ロック爪係合部取付部
13A 軸筒部
131 軸挿通孔
13B ロック爪係合部取付部
132 溝
133 ねじ孔
14 ハンドル回動規制部
141 ハンドル回動ガイド部
142 回動ストッパー
1420 孔
1421 突起
15 ストッパー取付部
16 表示部取付部(パイロットランプ取付部)
16P 表示部
16p パイロットランプ
2 施錠軸
20 取付軸挿通孔
21 ハンドル連結軸部
22 中間小径軸部
23 中間大径軸部
24 ロックプレート取付軸部
25 ねじ孔
S1 コイルスプリング(第1のばね手段)
3P 回動軸
3 ハンドル
31 ハンドルグリップ
310 ロック爪取付部
311 ばね受け部
32 ハンドルレバー
320 取付軸挿通孔
321 軸受
322 軸受
323 取付軸挿通溝
4 ロック爪係合部
40 ねじ挿通孔
N4 ねじ
4C0 凹部
4C1 凸部
S2 コイルスプリング(第2のばね手段)
5A ロック爪
5A1 基部
5A2 爪部
5B ロック爪解除操作部
5B1 操作バー
50 ばね受け部
5B2 取付部
51 回転軸
6 ストッパー
61 ロック爪ロック部
62 回動軸部
63 作動レバー部
64 アクチュエーター係合部
7 アクチュエーター
71 回転軸
8 ジョイントプレート
81 固定台座取付部
811 連結部
82 アクチュエーター取付部
83 ジョイントアーム
831 軸挿通孔
832 軸挿通孔
84 リンクプレート
9 ロックプレート
90 取付孔
N9 ナット