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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099252
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】車両用変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/04 20100101AFI20240718BHJP
【FI】
F16H57/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003055
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國松 秀樹
【テーマコード(参考)】
3J063
【Fターム(参考)】
3J063AA01
3J063AB02
3J063AC03
3J063BA11
3J063CD41
3J063XD03
3J063XD23
3J063XD42
3J063XD56
3J063XD72
3J063XF14
3J063XF15
(57)【要約】
【課題】低車速域でオイルガターに供給されるオイルの量を増やすことができる車両用変速機を提供すること。
【解決手段】自動変速機2は、オイル供給油路47の途中から余剰分のオイルを取り入れて捕集部81Aに分配するオイル分配油路65を有する。リングギヤ11の軸方向から見て、捕集部81Aがリングギヤの車両前側の上方に配置される。オイル分配油路65は、捕集部81Aの車両後方側の上方の位置にリリーフ孔64を有し、オイル供給油路47から取り入れたオイルをリリーフ孔64から排出するリリーフ油路60と、リリーフ孔64の下方位置から捕集部81Aの上方位置にわたって配置され、リリーフ孔64から排出されるオイルを受け取って捕集部81Aに案内するオイル案内部材90と、を有する。オイル案内部材90は、リリーフ孔64の下方位置から捕集部81Aの上方位置に向かって低くなるように傾斜して配置されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動装置のリングギヤに掻き揚げられたオイルを捕集する捕集部を有し、前記捕集部で捕集したオイルを一時的に貯留して第1被供給部位に供給するオイルガターと、
車両走行時に回転する回転部材から駆動力を得て作動する機械式のオイルポンプと、
前記差動装置、前記オイルガターおよび前記オイルポンプを収納する変速機ケースと、
前記オイルポンプが吐出するオイルを前記第1被供給部位よりも上方に配置された第2被供給部位に供給するオイル供給油路と、を備える車両用変速機であって、
前記オイル供給油路の途中から余剰分のオイルを取り入れて前記捕集部に分配するオイル分配油路を有することを特徴とする車両用変速機。
【請求項2】
前記リングギヤの軸方向から見て、前記捕集部が前記リングギヤの車両前側の上方に配置され、
前記オイル分配油路は、
前記捕集部の車両後方側の上方の位置にリリーフ孔を有し、前記オイル供給油路から取り入れたオイルを前記リリーフ孔から排出するリリーフ油路と、
前記リリーフ孔の下方位置から前記捕集部の上方位置にわたって配置され、前記リリーフ孔から排出されるオイルを受け取って前記捕集部に案内するオイル案内部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機。
【請求項3】
前記オイル案内部材は、前記リリーフ孔の下方位置から前記捕集部の上方位置に向かって低くなるように傾斜して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用変速機。
【請求項4】
前記オイル案内部材は、上方に開口する形状に形成され、かつ、前記変速機ケースの壁面に沿って延伸していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の車両用変速機は、トランスミッションケースの上部にオイルガターを備えており、オイルガターは、ファイナルドリブンギヤの回転によって掻き上げられたオイルを一時的に貯留し、潤滑の必要な部位に供給している。このオイルガターは、オイル導入部、オイル通路部及びオイル排出部を備え、オイル導入部は、第1のオイル溝および第2のオイル溝の上方において隔壁の壁面に沿ってファイナルドリブンギヤに向かい開口している。オイル通路部は、第2のカウンタ軸の上方においてオイル導入部から第2のカウンタ軸の軸線方向の他端部に向かって延び、オイル排出部は、オイル通路部に導かれるオイルを第1の側壁側カウンタ軸受部および第2の側壁側カウンタ軸受部に供給する。
【0003】
特許文献1に記載の技術によれば、車両の低速走行時にファイナルドリブンギヤの回転によって掻き上げられるオイルの量が少ない場合に、ファイナルドリブンギヤにより掻き上げられたオイルは、オイルガターよりも第1の隔壁側カウンタ軸受部および第2の隔壁側カウンタ軸受部に優先して導入され、第2のカウンタ軸の下方に設置される第1のカウンタ軸の軸線方向の一端部を通して第1のカウンタ軸のオイル通路にオイルが導入される。したがって、オイル通路を通して1速段用のカウンタギヤおよび2速段用のカウンタギヤにオイルを速やかに、かつ確実に供給できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-227321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、車両の低速走行時にオイルガターを介さずに潤滑必要部位に直接供給されるオイルの量を増やすようになっているが、車速に影響されずに潤滑必要部位にオイルを安定して供給するためには、低車速域でオイルガターに供給されるオイルの量を増やし、オイルガターを介してオイルを潤滑必要部位に供給することが望ましく、改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、低車速域でオイルガターに供給されるオイルの量を増やすことができる車両用変速機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明は、差動装置のリングギヤに掻き揚げられたオイルを捕集する捕集部を有し、前記捕集部で捕集したオイルを一時的に貯留して第1被供給部位に供給するオイルガターと、車両走行時に回転する回転部材から駆動力を得て作動する機械式のオイルポンプと、前記差動装置、前記オイルガターおよび前記オイルポンプを収納する変速機ケースと、前記オイルポンプが吐出するオイルを前記第1被供給部位よりも上方に配置された第2被供給部位に供給するオイル供給油路と、を備える車両用変速機であって、前記オイル供給油路の途中から余剰分のオイルを取り入れて前記捕集部に分配するオイル分配油路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明によれば、低車速域でオイルガターに供給されるオイルの量を増やすことができる車両用変速機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の背面図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の左側面図である。
図3図3は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のライトケースの左側面図である。
図4図4は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のレフトケースの右側面図である。
図5図5は、図4のV-V方向の矢視断面斜視図である。
図6図6は、図4のVI-VI方向の矢視断面図である。
図7図7は、図4のVII-VII方向の矢視断面図である。
図8図8は、図4のVIII-VIII方向の矢視断面図である。
図9図9は、図8のIX-IX方向の矢視断面図である。
図10図10は、図9のX-X方向の矢視断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、差動装置のリングギヤに掻き揚げられたオイルを捕集する捕集部を有し、捕集部で捕集したオイルを一時的に貯留して第1被供給部位に供給するオイルガターと、車両走行時に回転する回転部材から駆動力を得て作動する機械式のオイルポンプと、差動装置、オイルガターおよびオイルポンプを収納する変速機ケースと、オイルポンプが吐出するオイルを第1被供給部位よりも上方に配置された第2被供給部位に供給するオイル供給油路と、を備える車両用変速機であって、オイル供給油路の途中から余剰分のオイルを取り入れて捕集部に分配するオイル分配油路を有することを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、低車速域でオイルガターに供給されるオイルの量を増やすことができる。
【実施例0011】
以下、本発明の一実施例に係る車両用変速機について、図面を用いて説明する。図1から図10は、本発明の一実施例に係る車両用変速機を示す図である。
【0012】
図1から図10において、上下前後左右方向は、車両に配置された状態の車両用変速機を基準とし、車両の前後方向を前後方向、車両の左右方向(車幅方向)を左右方向、車両の上下方向(車両の高さ方向)を上下方向とする。
【0013】
図1図2に示すように、車両の図示しないエンジンルームには内燃機関としてのエンジン1と、エンジン1に連結される自動変速機2とが設けられている。本実施例の自動変速機2は、車両用変速機を構成する。
【0014】
自動変速機2は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両において、横置きに配置されるエンジン1に取付けられている。
【0015】
自動変速機2は、例えば、AMT(Automated Manual Transmission)から構成されている。自動変速機2は変速機ケース3を備えており、変速機ケース3は、レフトケース4とライトケース5を備えている。
【0016】
レフトケース4とライトケース5の合わせ面にはフランジ部4A、5Aが形成されており、レフトケース4とライトケース5は、フランジ部4Aとフランジ部5Aがボルト30Aによって締結されることにより、一体化されている。
【0017】
フランジ部5Aと反対側のライトケース5にはフランジ部5Bが形成されており、フランジ部5Bは、図示しないボルトによってエンジン1の図示しないシリンダブロックに締結されている。
【0018】
図3に示すように、ライトケース5には縦壁5Wが設けられている。変速機ケース3は、縦壁5Wによって、図示しない摩擦クラッチを収容するクラッチ室8A(図1参照)と、変速機構6を収容するギヤ室8B(図1参照)とに仕切られている。ギヤ室8Bは、レフトケース4とライトケース5とにより形成される。
【0019】
なお、縦壁5Wは、クラッチ室8Aとギヤ室8Bとを仕切る隔壁部分とフランジ部5Bの後方で隔壁に連絡される縦壁部分とを含んで構成されている。
【0020】
ギヤ室8Bには変速機構6および差動装置10が収容されている。差動装置10は、変速機構6の後方に配置されている。
【0021】
図1に示すように、レフトケース4には、変速機構6を上下方向および前後方向から取り囲む円筒状の周壁4Bが設けられている。周壁4Bは左方に膨出している。
【0022】
ライトケース5には、変速機構6を上下方向および前後方向から取り囲む円筒状の周壁5Cが設けられており、周壁5Cの左端部にはフランジ部5Aが形成されている。
【0023】
自動変速機2は、摩擦クラッチを介してエンジン1の駆動力を変速機構6に入力し、同期装置の作動により変速機構6において変速を行い、変速された回転(回転速度)を差動装置10により、図示しない左右のドライブシャフトを介して図示しない左右の駆動輪に伝達する。
【0024】
図3に示すように、変速機構6は、それぞれ平行に延びる入力軸21、カウンタ軸22、リバース軸23および中間軸24を備えている。
【0025】
入力軸21は、摩擦クラッチを介してエンジン1の図示しないクランク軸に連結可能となっており、入力軸21にはエンジン1から摩擦クラッチを介して駆動力が伝達される。
【0026】
カウンタ軸22は、入力軸21よりも後斜め下方に配置されており、リバース軸23は、入力軸21の前斜め下方に配置されている。カウンタ軸22とリバース軸23は略同じ高さ位置に配置されている。
【0027】
入力軸21の左端部には、6速入力ギヤ21Fが設けられている。また、入力軸21には、図示しない1速入力ギヤ、2速入力ギヤ、3速入力ギヤ、4速入力ギヤ、5速入力ギヤおよびリバース入力ギヤが設けられている。
【0028】
カウンタ軸22の左端部には、6速カウンタギヤ22Fが設けられている。また、カウンタ軸22には、1速カウンタギヤ22Aと、図示しない2速カウンタギヤ、3速カウンタギヤ、4速カウンタギヤ、5速カウンタギヤ、リバースカウンタギヤおよびファイナルドライブギヤが設けられている。
【0029】
1速カウンタギヤ22Aから6速カウンタギヤ22Fは、同一の変速段を構成する1速入力ギヤから6速入力ギヤ21Fにそれぞれ常時噛み合っている。
【0030】
リバース軸23にはリバースアイドラギヤ23Aが設けられており、リバースアイドラギヤ23Aは、車両の後進時にリバース軸23に沿って軸方向に移動し、リバース入力ギヤとリバースカウンタギヤに噛み合う。
【0031】
変速機構6には、図示しない1-2速段用の同期装置、3-4速段用の同期装置、5-6速段用の同期装置が設けられている。これらの同期装置およびリバースアイドラギヤ23Aは、図示しないシフトフォークによって操作されることにより、入力軸21上の各入力ギヤ、カウンタ軸22上の各カウンタギヤ、リバース軸23上のリバースアイドラギヤ23Aを介するいずれか1つの所定の変速段を成立させる。
【0032】
AMTとしての自動変速機2には電気式または油圧式の図示しない変速用のアクチュエータとクラッチ用のアクチュエータが設けられている。
【0033】
変速用のアクチュエータは、運転者によって操作される図示しないシフトレバーがリバースポジション、ニュートラルポジションおよびドライブポジションの各ポジションに操作されると、図示しないECU(Electronic Control Unit)から出力される制御信号に基づいて、図示しないシフトアンドセレクト軸をシフト方向およびセレクト方向に操作する。
【0034】
シフトアンドセレクト軸は、セレクト方向に移動したときに、いずれか1つのシフタ軸に係合し、シフト方向に移動したときに係合したシフタ軸を入力軸21の軸方向に移動させて同期装置およびドグクラッチを操作することにより、所定の変速段を成立させる。
【0035】
クラッチ用のアクチュエータは、変速時に自動でクラッチを機械的に切断/締結してエンジン1からの駆動力の伝達状態を切り替える。さらに、自動でクラッチを切断/締結するだけでなく、運転者によって図示しないクラッチペダルが踏み込まれると、クラッチを機械的に切断させてエンジン1から入力軸21に入力される駆動力を遮断するようにしてもよい。
【0036】
また、クラッチ用のアクチュエータは、運転者によってクラッチペダルの踏み込みが解除されると、クラッチを機械的に締結してエンジン1から入力軸21に駆動力を伝達可能とするようにしてもよい。
【0037】
差動装置10は、リングギヤ11と、リングギヤ11が固定されたデフケース12とを有している。また、差動装置10は、図示しないピニオンシャフトと、このピニオンシャフトに回転自在に支持された図示しない一対のピニオンギヤと、ピニオンギヤに噛み合う図示しない一対のサイドギヤとを有している。サイドギヤは、それぞれ左右のドライブシャフトに連結されている。
【0038】
差動装置10のリングギヤ11は、カウンタ軸22上のファイナルドライブギヤに噛み合っている。差動装置10は、左右の駆動輪の差動を許容しつつ、ファイナルドライブギヤからリングギヤ11に伝えられた回転を左右の駆動輪に伝達する。
【0039】
中間軸24にはファイナルドライブギヤ24Aと、モータ出力ギヤ24Bとが設けられている。ファイナルドライブギヤ24Aは、モータ出力ギヤ24Bよりも小径に形成されている。中間軸24のファイナルドライブギヤ24Aもカウンタ軸22のファイナルドライブギヤと同様に差動装置10のリングギヤ11と噛み合っている。
【0040】
リングギヤ11の下端部は、1速カウンタギヤ22A等の変速機ケース3に収容されたギヤの中で最も下方に位置している。
【0041】
ライトケース5の周壁5Cの後部には膨出壁5Fが設けられており、膨出壁5Fは、ライトケース5の前側の周壁5Cの上壁5Eよりも上方に湾曲するように膨出している。
【0042】
変速機ケース3の底部にはオイルが貯留されており、リングギヤ11はオイルに浸かっている。このため、車両の前進時にリングギヤ11が図3の反時計回りに回転すると、リングギヤ11によって掻き上げられたオイルは、矢印O1で示すように、後壁5Iから膨出壁5Fに沿って流れる。
【0043】
ライトケース5の周壁5Cは、上壁5Eおよび膨出壁5Fと、上下方向で上壁5Eおよび膨出壁5Fに対向する下壁5Gと、上壁5Eの前端部と下壁5Gの前端部とに連絡される前壁5Hと、膨出壁5Fの後端部と下壁5Gの後端部とに連絡される後壁5Iとを含んで構成されている。
【0044】
図1に示すように、ライトケース5の後部には筒状の収容部5Dが形成されており、収容部5Dは、縦壁5Wからレフトケース4と離れる方向(右方)に膨出している。収容部5Dの膨出方向の先端部(右端部)は、図示しない軸受を介してデフケース12(図3参照)の右端部を回転自在に支持している。
【0045】
レフトケース4の外周面の上部には、円筒状のモータ収容壁4Mが設けられている。モータ収容壁4Mは、レフトケース4の周壁4Bの上壁4Eよりも上側で、かつライトケース5の膨出壁5Fよりも上側に湾曲するように膨出している。モータ収容壁4Mの左端部には、ボルト30Gによってモータケース26が取付けられている。
【0046】
モータ収容壁4Mの左端部は、開口端となっており、モータ収容壁4Mの左端部は、モータケース26によって閉塞されている。モータ収容壁4Mの右端部は、隔壁50(図4参照)により覆われており、この隔壁50およびモータ収容壁4Mとモータケース26とに囲まれた空間は、モータ室8Cを形成している。モータ室8Cには、第2被供給部位としてのモータジェネレータ27が収容されている。モータ室8Cはギヤ室8Bよりも上方に配置されている。したがって、モータジェネレータ27は、変速機構6および差動装置10よりも上方に配置されている。
【0047】
図3に示すように、モータジェネレータ27は、その軸線上に、モータ軸27Bと、モータ軸27Bの右端部に設けられたモータ入力ギヤ27Cとを有する。
【0048】
モータ入力ギヤ27Cは、モータ出力ギヤ24Bに噛み合っており、モータジェネレータ27によるモータ走行時、またはエンジン1とモータジェネレータ27とによるハイブリッド走行時に、モータジェネレータ27の駆動力は、モータ入力ギヤ27Cからモータ出力ギヤ24Bを介して中間軸24に伝達される。
【0049】
モータジェネレータ27の駆動力は、中間軸24からファイナルドライブギヤ24Aを介してリングギヤ11に伝達される。
【0050】
また、モータジェネレータ27は、車両減速時に差動装置10のリングギヤ11によって駆動されることにより、図示しないバッテリに充電する電力を生成する発電機としても機能する。
【0051】
図4に示すように、レフトケース4の周壁4Cの後部には膨出壁4Fが設けられており、膨出壁4Fは、周壁4Cの上壁4Eよりも上方に湾曲するように膨出している。
【0052】
レフトケース4の周壁4Cは、上壁4Eおよび膨出壁4Fと、上下方向で上壁4Eおよび膨出壁4Fに対向する下壁4Gと、上壁4Eの前端部と下壁4Gの前端部とに連絡される前壁4Hと、膨出壁4Fの後端部と下壁4Gの後端部とに連絡される後壁4Iとを含んで構成されている。
【0053】
車両の前進時にリングギヤ11が図4の時計回りに回転すると、リングギヤ11によって掻き上げられたオイルは、ライトケース5(図3参照)における流れと同様に、矢印O1で示すように、後壁4Iから膨出壁4Fに沿って流れる。ギヤ室8Bの上部には、オイルガター81が設けられている。オイルガター81は、差動装置10のリングギヤ11に掻き上げられて膨出壁4Fに沿って流れたオイルを捕集する捕集部81Aを有し、捕集部81Aで捕集したオイルを一時的に貯留して第1被供給部位としての変速機構6および差動装置10に供給する。オイルガター81は案内部81Bを有しており、捕集部81Aが捕集したオイルを案内部81Bによって第1被供給部位に案内する。
【0054】
レフトケース4の上部には、隔壁50が設けられており、隔壁50は、ギヤ室8Bとモータ室8Cとを区画している。この隔壁50は、レフトケース4の上部におけるモータケース26と軸方向に対向する位置に設けられており、中間軸24およびモータ軸27Bの左端部を回転自在に支持している。
【0055】
隔壁50は、モータジェネレータ27を冷却したオイルをモータ室8Cからギヤ室8Bに排出する排出孔51を有している。
【0056】
隔壁50におけるギヤ室8B側の壁面には、排出孔51の一部を覆う蓋部材52が取り付けられている。蓋部材52は、図4に示す右側面視において台形に形成されており、排出孔51の右方および下方を覆っている。
【0057】
ギヤ室8Bの底部には機械式のオイルポンプ40が収納されている。オイルポンプ40は、差動装置10のリングギヤ11と噛み合って回転する入力ギヤ40A(図5参照)を有しており、車両走行時に回転する回転部材としてのリングギヤ11から駆動力を得て作動し、モータジェネレータ27を冷却するオイルをモータ室8Cに供給する。
【0058】
自動変速機2はオイル供給油路47を備えており、オイル供給油路47は、モータジェネレータ27を冷却するオイルをオイルポンプ40からモータ室8Cに供給する。つまり、オイル供給油路47は、オイルポンプ40が吐出するオイルを、変速機構6および差動装置10よりも上方に配置されたモータジェネレータ27に供給する。モータジェネレータ27等を冷却したオイルは、モータ室8Cの隔壁50に形成された排出孔51を通ってギヤ室8Bの底部に戻され、再びオイルポンプ40に汲み上げられる。
【0059】
オイル供給油路47は、オイルパイプ46を有している。オイルパイプ46は、全体として上下方向に延伸しており、オイルポンプ40から受け入れたオイルを、リングギヤ11より高い位置にあるモータ室8Cに供給する。モータ室8Cに供給されたオイルは、モータジェネレータ27の上部に滴下されることでモータジェネレータ27等を冷却する。
【0060】
蓋部材52は、ボルト30Eによって隔壁50に固定されている。蓋部材52は、オイルパイプ46を支持する支持部52Aを有している。支持部52Aは、蓋部材52の上端かつ前端に設けられている。
【0061】
図6図7に示すように、蓋部材52の下部52Bは、排出孔51よりも下方に延び、隔壁50から離間している。蓋部材52の下部52Bは、排出孔51の下方にオイルの排出経路53を形成している。
【0062】
図4図5図6図7に示すように、変速機ケース3は、その内周面で軸受55(図6参照)を介して差動装置10を保持する軸受保持部54を有している。軸受保持部54は、環状に形成されており、隔壁50よりも右方(リングギヤ11側)に突出している。
【0063】
図4図5に示すように、軸受保持部54の外周面の上面には、蓋部材52とともに排出経路53を形成する傾斜部54Aが形成されている。傾斜部54Aは、差動装置10からオイルポンプ40に近づくにつれて低くなるように傾斜し、排出孔51から排出されたオイルをオイルポンプ40に導く。
【0064】
軸受保持部54の外周面の側面であって傾斜部54Aの下流側には、傾斜部54Aに連続し、かつ、オイルポンプ40に向かって下方に延びる縦壁部54Bが設けられている。傾斜部54Aおよび縦壁部54Bは、軸受保持部54の本来の外周面を切欠くようにして形成されている。オイルポンプ40が吐出するオイルをモータ室8Cに供給するオイルパイプ46は、この縦壁部54Bに沿って配置されている。
【0065】
図4図5図6図7に示すように、モータ室8Cに供給されたオイルは、モータジェネレータ27を冷却した後に、隔壁50の排出孔51を通ってモータ室8Cからギヤ室8Bに排出される。排出孔51を通ってギヤ室8Bに排出されたオイルは、矢印O2で示すように、蓋部材52に衝突して前方に流れ方向を変え、蓋部材52の下部52Bの上面および軸受保持部54の外周面の傾斜部54A、縦壁部54Bおよびオイルパイプ46の表面に沿ってギヤ室8B内を流下し、オイルポンプ40に到達する。
【0066】
図4に示すように、膨出壁4Fの下面にはリリーフ孔64が設けられており、モータ室8Cに向けて供給されたオイルの余剰分は、モータジェネレータ27を冷却することなく、リリーフ孔64からギヤ室8Bに流下する。リリーフ孔64からギヤ室8Bに流下したオイルは、矢印O3で示すように、オイル案内部材90によってオイルガター81の捕集部81Aに案内される。
【0067】
図5に示すように、オイルガター81の捕集部81Aに流入したオイルは、矢印O3で示すように、オイルガター81の案内部81Bを通って左側壁4Wに設けられた図示しない軸受に供給された後、ギヤ室8B内を流下してオイルポンプ40に到達する。
【0068】
図8に示すように、オイル供給油路47は、オイルパイプ46と連通する縦孔状のポンプ油路72と、このポンプ油路72と連通するモータジェネレータオイル路70とを有している。オイルパイプ46は、その上端部に接続部材が一体に形成されており、レフトケース4の隔壁50に軸方向に向けて開口するように形成された接続孔50Aに接続部材が差し込まれ、ポンプ油路72と連通するように接続されている。接続孔50Aは、隔壁50の上部に形成されており、モータ軸27Bの上方でモータ軸27Bの軸受けを保持する軸受け保持部と膨出壁4Fとの間のレフトケース4の隔壁50に形成されている。ポンプ油路72は、隔壁50の内部を隔壁50に沿って接続孔50Aから上方に延びており、膨出壁4Fよりも上方となるように形成されている。
【0069】
モータジェネレータオイル路70は水平に延伸するパイプ状の部材からなる。モータジェネレータオイル路70は、モータジェネレータ27の上方に配置されており、モータジェネレータ27に上方からオイルを流下させる複数の供給孔71を有している。モータジェネレータオイル路は本発明における回転電機オイル路を構成する。
【0070】
モータジェネレータオイル路70の右端部は、隔壁50のモータ室8C側に形成された接続孔に差し込まれて後述する接続部73と連通するように接続され、ポンプ油路72からモータジェネレータオイル路70にオイルを供給する。
【0071】
モータジェネレータオイル路70の左端部は、モータケース26に形成された接続孔に差し込まれてモータケース油路74が接続されている。モータケース油路74は、モータケース26に形成されており、モータジェネレータオイル路70から供給されたオイルを図示しない軸受等に供給する。つまり、オイルポンプ40から供給されるオイルは、モータジェネレータ27の軸受けに向けて流れる途中でその一部がモータジェネレータ27に上方から流下してモータジェネレータ27を冷却させる。
【0072】
軸受から下方に延びるモータケース油路74の下端部には排出孔74Aが形成されており、この排出孔74Aを通ってオイルがモータ室8Cの底部に排出される。排出孔74Aからモータ室8Cの底部に排出されたオイルは、モータジェネレータ27の下方を軸方向に流れ、隔壁50の排出孔51からギヤ室8Bに排出される。この時、モータジェネレータ27の下方を排出孔51に向かって流れるオイルは、モータジェネレータ27から流下する熱くなったオイルを排出孔51に向かって流す働きをする。
【0073】
オイル供給油路47の途中には、余剰分のオイルを変速機ケース3の内部空間に排出するリリーフ油路60が接続されている。リリーフ油路60は、ポンプ油路72とモータジェネレータオイル路70との接続部73から分岐し、モータジェネレータオイル路70より高い位置を通過するように配置されている。
【0074】
リリーフ油路60は、ポンプ油路72とモータジェネレータオイル路70との接続部73から分岐して上方に延びる昇り油路61と、昇り油路61の上端部と連通し、下方に延びる下り油路62と、を有している。昇り油路61と下り油路62とは、水平に延びる接続油路63を介して接続されている。昇り油路61と下り油路62とは平行に配置されている。昇り油路61と下り油路62は、レフトケース4の上面に上方に突出するように形成されたボスの内部に形成されている。接続油路63は、内部に昇り油路61が形成されたボスと内部に下り油路62が形成されたボスとを連結するように形成されたリブの内部に形成されている。
【0075】
ポンプ油路72とモータジェネレータオイル路70との接続部73において、ポンプ油路72と昇り油路61とのなす挟角A1は、ポンプ油路72とモータジェネレータオイル路70とのなす挟角A2よりも大きい。本実施例では、ポンプ油路72と昇り油路61とのなす挟角A1は180°に設定され、ポンプ油路72とモータジェネレータオイル路70とのなす挟角A2は90°に設定されている。つまり、ポンプ油路72と昇り油路61は直線状に配置され同じ刃具で同時に切削加工されている。なお、ポンプ油路72よりも昇り油路61の方がレフトケース4の外径側に位置しており、ポンプ油路72の穴径よりも昇り油路61の穴径の方を大径としてもよい。この場合、昇り油路61に多量のオイルを貯留することができる。
【0076】
接続孔50Aを介してオイルパイプ46からポンプ油路72に供給されたオイルは、矢印O4で示すように、ポンプ油路72を上昇する。そして、ポンプ油路72を上昇したオイルは、矢印O5で示すように、接続部73を経てモータジェネレータオイル路70に流入する。
【0077】
車両の走行速度が速くなり、ポンプ油路72に供給されるオイルの量が多くなると、モータジェネレータオイル路70だけではその全てを流すことができなくなり、オイルはポンプ油路72から接続部73を超えてリリーフ油路60に流れ込み、昇り油路61を満たし始める。この為、昇り油路61内の油面が上昇する。昇り油路61内に貯留されたオイルは、車両の走行速度が遅くなってポンプ油路72に供給されるオイルの量が減少すると、その自重によって接続部73を逆流し、モータジェネレータオイル路70に供給される。
【0078】
ポンプ油路72に供給されるオイルの量がさらに多くなると、昇り油路61内の油面が上昇して接続油路63に達する。油面が接続油路63に達すると、余剰分のオイルは、矢印O6で示すように、リリーフ油路60の昇り油路61から接続油路63を経て下り油路62に流入する。下り油路62は、昇り油路61に対してモータジェネレータ27と反対側に上下方向に延びるように配置されている。下り油路62の下端は、膨出壁4Fの下面に達して下方に開口するリリーフ孔64となっている。下り油路62を流下する余剰分のオイルは、リリーフ孔64からギヤ室8Bに排出され、オイル案内部材90に受け止められる。リリーフ孔64は、オイルパイプ46の上端部の接続部材の上方に配置されている。オイル案内部材90は、その上端がリリーフ孔64とオイルパイプ46の接続部材との間に入り込むように配置されている。
【0079】
ここで、接続部73において、ポンプ油路72からモータジェネレータオイル路70に流入するオイルと、ポンプ油路72からリリーフ油路60の昇り油路61に流入するオイルとの分配量は、昇り油路61内のオイルの水頭高さによって変化する。
【0080】
つまり、昇り油路61内のオイルに作用する自重は、オイルの液面が更に上昇することの抵抗となる圧力を生じさせると共に、昇り油路61から接続油路63を経て下り油路62に流入することを抑制するように作用する。さらに、昇り油路61内に貯留されたオイルをモータジェネレータオイル路70側に送り出す圧力となるように作用する。このため、昇り油路61の長さ(高さ)を設定することで、昇り油路61内のオイルの自重による規制力(水頭高さによる規制力)を利用して圧力調整ができ、弁体を有するリリーフ弁を用いる場合の圧力調整と比較して、圧力を精密に設定することができる。また、昇り油路61内のオイルの自重による規制力は、弁体を有するリリーフ弁を用いる場合と比較して、弱い圧力範囲で設定することができる。この為、ポンプ負荷を軽減することができると共に、低回転時では昇り油路61内のオイルをモータジェネレータオイル路70へ送り出してモータジェネレータ27の冷却に使用することができる。また、経時劣化するリリーフ弁を用いていないので、水頭高さによる規制力を長期にわたって安定して維持することができる。
【0081】
また、本実施例では、ポンプ油路72からモータジェネレータオイル路70へのオイルの供給が確保された上で、余剰分のオイルがリリーフ油路60から排出されるようになっているため、低回転時からモータジェネレータ27を良好に冷却できる。リングギヤ11から駆動力を得て回転する機械式のオイルポンプ40を用いても、余剰のオイルを容易に排出できるので圧力が高まることが抑制でき、高速走行時のポンプ負荷を軽減することができる。
【0082】
図4に示すように、リングギヤ11の軸方向から見て、オイルガター81の捕集部81Aはリングギヤ11の車両前側の上方に配置されている。
【0083】
図9に示すように、リリーフ油路60のリリーフ孔64は、捕集部81Aの車両後方側の上方の位置に設けられている。リリーフ油路60は、オイル供給油路47から取り入れたオイルを、リリーフ孔64から排出する。
【0084】
オイル案内部材90は、リリーフ孔64の下方位置から捕集部81Aの上方位置にわたって配置されており、矢印O7で示すように、リリーフ孔64から排出されるオイルを受け取り、矢印O3で示すように、捕集部81Aに案内する。詳細には、オイル案内部材90は、後部が上方で前部が下方となる様に斜めに配置された部材である。オイル案内部材90の後部はモータ軸27Bの軸受けを保持する軸受け保持部の上方に配置され、オイルパイプ46の上方に配置されている。オイル案内部材90の上端部はオイルパイプ46の上端部の接続部材とリリーフ孔64の間に入り込んでいる。そして、オイル案内部材90の前部は、捕集部81Aの上方に配置されている。左側壁90Bは、隔壁50に沿い隔壁50に当接している。
【0085】
リリーフ油路60およびオイル案内部材90は、オイル分配油路65を構成している。オイル分配油路65は、オイル供給油路47の途中から余剰分のオイルを取り入れて捕集部81Aに案内する。
【0086】
図9に示すように、オイル案内部材90は、リリーフ孔64の下方位置から捕集部81Aの上方位置に向かって低くなるように傾斜して配置されている。つまり、底壁90Aは前下がりに前後方向に延びており、リリーフ孔64から排出されたオイルは前方に流下する。オイル案内部材90の先端部(前端部)は捕集部81Aの後部の上方に位置しており、オイル案内部材90の先端部から捕集部81Aの後部に流れ込むオイルは、勢いよく捕集部81Aの前部、案内部81Bに向かって流れていく。
【0087】
図10に示すように、オイル案内部材90は、上方に開口する形状に形成されている。つまり、オイル案内部材90は、底壁90A、左側壁90Bおよび右側壁90Cを備え、上方に開口する溝形状となっている。また、オイル案内部材90は、変速機ケース3のレフトケース4の隔壁50におけるギヤ室8B側の壁面に沿って延伸し、左側壁90Bは隔壁50に沿い隔壁50に当接して隔壁50に取付けられている。
【0088】
以上のように、本実施例では、オイル供給油路47の途中から余剰分のオイルを取り入れてオイルガター81の捕集部81Aに分配するオイル分配油路65を有する。
【0089】
これにより、リングギヤ11によるオイルの掻き上げ量が少ない低車速時に、オイルポンプ40からオイル供給油路47に吐出されたオイルの余剰分を、オイル分配油路65を介してオイルガター81に供給(分配)することができる。このため、第1被供給部位としての差動装置10および変速機構6を良好に潤滑することができる。
【0090】
この結果、低車速域においてもオイルガター81に供給されるオイルの量を増やすことができる。
【0091】
また、本実施例では、リングギヤ11の軸方向から見て、捕集部81Aがリングギヤ11の車両前側の上方に配置され、オイル分配油路65は、捕集部81Aの車両後方側の上方の位置にリリーフ孔64を有し、オイル供給油路47から取り入れたオイルをリリーフ孔64から排出するリリーフ油路60と、リリーフ孔64の下方位置から捕集部81Aの上方位置にわたって配置され、リリーフ孔64から排出されるオイルを受け取って捕集部81Aに案内するオイル案内部材90と、を有する。
【0092】
これにより、リリーフ油路60のリリーフ孔64から流下するオイルがオイル案内部材90によってオイルガター81の捕集部81Aに案内されるので、リリーフ孔64の下方に捕集部81Aを配置する必要がなくなり、リリーフ油路60およびオイルガター81の位置の自由度を向上させることができる。
【0093】
また、本実施例では、オイル案内部材90は、リリーフ孔64の下方位置から捕集部81Aの上方位置に向かって低くなるように傾斜して配置されている。
【0094】
これにより、オイル案内部材90にオイルが滞留することを抑制でき、オイル案内部材90から捕集部81Aに勢いよくオイルを流れ込ませることができ、捕集部81Aのオイル流れ方向の奥側にオイルを速やかに送り込むことができる。
【0095】
また、本実施例では、オイル案内部材90は、上方に開口する形状に形成され、かつ、変速機ケース3の壁面(隔壁50におけるギヤ室8B側の壁面)に沿って延伸している。
【0096】
これにより、オイル案内部材90を作成が容易な形状にすることができる。また、変速機ケース3の壁面がオイル案内部材90の側壁の一部として機能するので、オイル案内部材90からの漏れを抑制しオイル案内部材90と変速機ケース3の内壁面とで大量のオイルを運搬する流路を形成できる。
【0097】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0098】
2...自動変速機(車両用変速機)、3...変速機ケース、6...変速機構(第1被供給部位)、10...差動装置(第1被供給部位)、11...リングギヤ(回転部材)、27...モータジェネレータ(第2被供給部位)、40...オイルポンプ、47...オイル供給油路、60...リリーフ油路、64...リリーフ孔、65...オイル分配油路、81...オイルガター、81A...捕集部、90...オイル案内部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10