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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099288
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】防眩板構造及び防護柵構造
(51)【国際特許分類】
   E01F 7/06 20060101AFI20240718BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20240718BHJP
   E01F 9/615 20160101ALI20240718BHJP
   E01F 15/06 20060101ALI20240718BHJP
   H02S 20/10 20140101ALI20240718BHJP
   H02S 20/21 20140101ALI20240718BHJP
   H01L 31/0445 20140101ALI20240718BHJP
【FI】
E01F7/06
F21S8/08 100
F21S8/08 440
E01F9/615
E01F15/06 A
H02S20/10 U
H02S20/21
H01L31/04 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003127
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】501095473
【氏名又は名称】理研興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 幸弘
【テーマコード(参考)】
2D064
2D101
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
2D064AA12
2D064AA22
2D064BA05
2D064DA02
2D064EB05
2D064GA03
2D101CA03
2D101EA02
2D101FA25
2D101GA26
2D101GA29
2D101GA30
5F151AA02
5F151AA03
5F151AA05
5F151AA10
5F151AA20
5F151BA05
5F151GA05
5F151JA14
5F151JA28
5F251AA02
5F251AA03
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5F251JA14
5F251JA28
(57)【要約】
【課題】防眩板本体の遮光性能を確保しつつ、風の影響を低減することができる防眩板構造を提供する。
【解決手段】防眩板構造10は、表面31aと裏面31bとが離隔するように形成され、高速道路40の延びる方向に沿って防眩板本体30を平面視したときに、防眩板本体30が、防眩板本体30の表面31aの通風孔部34aを構成する孔部と、防眩板本体30の裏面31bの通風孔部34bを構成する孔部とが異なる位置に、角度Dだけ反時計回りに回転している方向である第1方向に向けて設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上に設けられた支柱と、
前記支柱に支持された防眩板本体と、
前記防眩板本体に設けられ、発電した電力を電力供給対象部に供給する太陽電池モジュールと、
前記防眩板本体の表面及び裏面に設けられ、前記防眩板本体の表面と裏面とを連通する通風孔部と
を備え、
前記通風孔部は、複数の孔部を有し、
前記防眩板本体は、表面と裏面とが離隔するように形成され、
前記防眩板本体は、前記道路の延びる方向に沿って前記防眩板本体を平面視したときに、前記防眩板本体の表面の通風孔部を構成する孔部と、前記防眩板本体の裏面の通風孔部を構成する孔部とが異なる位置となる、第1方向に向けて設けられている防眩板構造。
【請求項2】
前記防眩板本体の前記表面の、水平方向の一方には前記太陽電池モジュールが設けられ、水平方向の他方には前記通風孔部が設けられ、
前記防眩板本体の前記裏面には、前記表面の前記太陽電池モジュールに対向する位置に前記裏面の前記太陽電池モジュールが設けられ、前記表面の前記通風孔部に対向する位置に前記裏面の前記通風孔部が設けられ、
前記第1方向は、前記道路の延びる方向に直交する方向に対して、前記防眩板本体が前記支柱の延びる方向を中心に所定の角度だけ回転した方向である、請求項1に記載の防眩板構造。
【請求項3】
前記防眩板本体の前記表面の、水平方向の一方には太陽電池モジュールが設けられ、水平方向の他方には通風孔部が設けられ、
前記防眩板本体の前記裏面には、前記表面の太陽電池モジュールに対向する位置に前記裏面の前記通風孔部が設けられ、前記表面の前記通風孔部に対向する位置に前記裏面の前記太陽電池モジュールが設けられている、請求項1に記載の防眩板構造。
【請求項4】
前記防眩板本体を前記支柱の延びる方向を中心に回転させる回転機構と、
前記防眩板本体に照射される光の光量を検出する光量検出装置と、
前記回転機構及び前記光量検出装置に接続された制御部と
をさらに備え、
前記光量検出装置が検出した、前記防眩板本体に照射される光の光量が予め設定した閾値以上である場合に、前記制御部が前記回転機構を制御し、前記回転機構が前記防眩板本体を前記第1方向とは異なる第2方向に向けて回転させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の防眩板構造。
【請求項5】
前記太陽電池モジュールは、アモルファスシリコン太陽電池を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の防眩板構造。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載の防眩板構造を備え、
前記電力供給対象部は蓄電池であって、
前記蓄電池に接続された発光装置と、
前記発光装置の発光制御を実施する発光制御部と、
前記支柱間に設けられたワイヤロープと、
前記ワイヤロープに設けられ、前記発光装置の発光により発光する導光樹脂線と
を有する、防護柵構造。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか一項に記載の防眩板構造を備え、
前記支柱間に設けられたワイヤロープと、
前記ワイヤロープ及び前記防眩板本体に結合された結合部材と、
を有し、
前記防眩板本体が前記支柱から外れたときに、前記結合部材が前記防眩板本体の前記道路への落下を防止する、防護柵構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防眩板構造及び防護柵構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、道路の中央分離帯部分に設けられ、対向する車両のヘッドライト等の光を遮る防眩板構造が知られている。この防眩板構造は、中央分離帯部分に設置された柱状部材と、柱状部材の上部に設けられた、平板状の防眩板本体とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-62791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の防眩板構造では、特に平原、海岸及び山間部等の強風が発生しやすい地域の道路に防眩板構造を設置した場合には、防眩板本体が強風の影響により大きく振動する場合があるという問題点があった。
【0005】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、防眩板本体の遮光性能を確保しつつ、風の影響を低減することができる防眩板構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明に係る防眩板構造は、道路上に設けられた支柱と、支柱に支持された防眩板本体と、防眩板本体に設けられ、発電した電力を電力供給対象部に供給する太陽電池モジュールと、防眩板本体の表面及び裏面に設けられ、防眩板本体の表面と裏面とを連通する通風孔部とを備え、通風孔部は、複数の孔部を有し、防眩板本体は、表面と裏面とが離隔するように形成され、防眩板本体は、道路の延びる方向に沿って防眩板本体を平面視したときに、防眩板本体の表面の通風孔部を構成する孔部と、防眩板本体の裏面の通風孔部を構成する孔部とが異なる位置となる、第1方向に向けて設けられている。
【0007】
また、防眩板本体の表面の、水平方向の一方には太陽電池モジュールが設けられ、水平方向の他方には通風孔部が設けられ、防眩板本体の裏面には、表面の太陽電池モジュールに対向する位置に裏面の太陽電池モジュールが設けられ、表面の通風孔部に対向する位置に裏面の通風孔部が設けられ、第1方向は、道路の延びる方向に直交する方向に対して、防眩板本体が支柱の延びる方向を中心に所定の角度だけ回転した方向であってもよい。
また、防眩板本体の表面の、水平方向の一方には太陽電池モジュールが設けられ、水平方向の他方には通風孔部が設けられ、防眩板本体の裏面には、表面の太陽電池モジュールに対向する位置に裏面の通風孔部が設けられ、表面の通風孔部に対向する位置に裏面の太陽電池モジュールが設けられていてもよい。
また、防眩板本体を支柱の延びる方向を中心に回転させる回転機構と、防眩板本体に照射される光の光量を検出する光量検出装置と、回転機構及び光量検出装置に接続された制御部とをさらに備え、光量検出装置が検出した、防眩板本体に照射される光の光量が予め設定した閾値以上である場合に、制御部が回転機構を制御し、回転機構が防眩板本体を第1方向とは異なる第2方向に向けて回転させてもよい。
太陽電池モジュールは、アモルファスシリコン太陽電池を有してもよい。
【0008】
また、この発明に係る防護柵構造は、防眩板構造を備え、電力供給対象部は蓄電池であって、蓄電池に接続された発光装置と、発光装置の発光制御を実施する発光制御部と、支柱間に設けられたワイヤロープと、ワイヤロープに設けられ、発光装置の発光により発光する導光樹脂線とを有している。
【0009】
また、この発明に係る防護柵構造は、防眩板構造を備え、支柱間に設けられたワイヤロープと、ワイヤロープ及び防眩板本体に結合された結合部材とを有し、防眩板本体が支柱から外れたときに、結合部材が防眩板本体の道路への落下を防止する。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る防眩板構造は、道路上に設けられた支柱と、前記支柱に支持された防眩板本体と、前記防眩板本体に設けられ、発電した電力を電力供給対象部に供給する太陽電池モジュールと、前記防眩板本体の表面及び裏面に設けられ、前記防眩板本体の表面と裏面とを連通する通風孔部とを備え、通風孔部は、複数の孔部を有し、前記防眩板本体は、表面と裏面とが離隔するように形成され、前記防眩板本体は、前記道路の延びる方向に沿って前記防眩板本体を平面視したときに、前記防眩板本体の表面の通風孔部を構成する孔部と、前記防眩板本体の裏面の通風孔部を構成する孔部とが異なる位置となる、第1方向に向けて設けられているため、防眩板本体の遮光性能を確保しつつ、風の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る防護柵構造の概略図である。
図2図1に示す防眩板本体の斜視図である。
図3図2に示す防眩板本体の正面図である。
図4図2に示す防眩板本体の背面図である。
図5】実施の形態1に係る防護柵構造の防眩板構造の設置状態を示す平面図である。
図6図5に示す防眩板構造の防眩板本体を、図3に示す防眩板本体のK-K線で切断した切断部端面図である。
図7】実施の形態2に係る防眩板本体の斜視図である。
図8図7に示す防眩板本体の正面図である。
図9図7に示す防眩板本体の背面図である。
図10】実施の形態2に係る防眩板構造の防眩板本体を、図8に示す防眩板本体のK-K線で切断した切断部端面図である。
図11】実施の形態3に係る防眩板構造の回転機構の概略図である。
図12】実施の形態3に係る夜間における防眩板構造の状態を示す概略図である。
図13】実施の形態3に係る昼間における防眩板構造の状態を示す概略図である。
図14】実施の形態4に係る防護柵構造の導光樹脂線の設置状態を示す概略図である。
図15図14に示す導光樹脂線接続部の斜視図である。
図16図15に示すLEDと導光樹脂線との接続を示す正面図である。
図17】実施の形態5に係る落下防止部材を有する防護柵構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態1に係る防護柵構造の概略図である。高速道路の暫定二車線区間は、センターラインにより一方の車線と、他方の車線である対向車線とに区分されている。このセンターライン上には、一方の車線と対向車線との相互の車両の飛び出しを防止するための、防護柵構造1が構成されている。防護柵構造1は、略鉛直方向に延びるように、略等間隔に立てられた複数の支柱20を有しており、各支柱20の上部には、防眩板構造10が設置されている。防眩板構造10は、表面31aと裏面31bとが略平行に対向するように形成された防眩板本体30を有している。また、防眩板本体30は、防眩板本体30に取り付けられた取付部材32が、支柱20の上端部に取り付けられた接続部材36に固定されることで、支柱20に接続されている。支柱20には、一方の車線と対向車線とを区画するためのワイヤロープ21が設置されている。
【0013】
防眩板本体30の表面31aには、太陽電池モジュール33aが取り付けられており、防眩板本体30の裏面31bには、図1には図示されていない太陽電池モジュール33bが取り付けられている。太陽電池モジュール33a,33bは、アモルファスシリコンで形成された薄膜状のセルを配列してモジュールとして構成されており、可撓性を有する。そのため、太陽電池モジュール33a,33bの上端部は、防眩板本体30の表面31aと裏面31bとを接続する曲面部31cに沿って取り付けられている。
【0014】
太陽電池モジュール33a,33bは、接続部材36の内部に収容されている蓄電池61に接続されており、発電した電力を蓄電池61に供給して充電する。この蓄電池61は、夜間の高速道路上において道路設備及び道路に付随する構造物等の視認性を高めるために設けられた、図示しない照明装置及び発光式視線誘導標に、電力を供給するために設けられている。なお、蓄電池61は電力供給対象部を構成している。また、接続部材36の内部には、蓄電池61に接続され、蓄電池61の充電制御を行う充電制御回路を有する、制御部60が設けられている。
【0015】
図2は、図1に示す防眩板本体30の斜視図である。防眩板本体30は、アルミニウム合金の薄板を、中央部に半円弧状に湾曲した曲面部31cを形成するように湾曲させ、表面31aと裏面31bとが対向するように形成されている。曲面部31cは、図1に示す防眩板構造10において上端部を構成しており、表面31aと裏面31bとを接続している。なお、本実施の形態1では防眩板本体30はアルミニウム合金で形成されているが、これに限定されるものではなく、例えばステンレス鋼等の、その他の任意の金属材料又は樹脂材料により形成されていてもよい。
【0016】
図3は、図2に示す防眩板本体30の正面図である。太陽電池モジュール33aは、防眩板本体30を表面31aの側から見たときに、水平方向の左側に設けられている。防眩板本体30の表面31aの、太陽電池モジュール33aが設けられていない部分、すなわち、防眩板本体30を表面31aの側から見たときの水平方向の右側には、通風孔部34aが形成されている。
【0017】
図4は、図2に示す防眩板本体30の背面図である。太陽電池モジュール33bは、防眩板本体30を裏面31bの側から見たときに、水平方向の右側に設けられている。防眩板本体30の裏面31bの、太陽電池モジュール33bが設けられていない部分、すなわち、防眩板本体30を裏面31bの側から見たときの水平方向の左側には、通風孔部34bが形成されている。
【0018】
上記で説明した防眩板本体30の、太陽電池モジュール33a,33b及び通風孔部34a,34bの位置関係をまとめて説明すると、図2図4に示すように、防眩板本体30を表面31aの側から見たときに、太陽電池モジュール33a,33bは防眩板本体30の左側に配置されており、通風孔部34a,34bは防眩板本体30の右側に配置されている。言い換えると、防眩板本体30の表面31aと裏面31bとの間において、太陽電池モジュール33aと太陽電池モジュール33bとは対向して設けられており、通風孔部34aと通風孔部34bとは対向して設けられている。
【0019】
通風孔部34aは、防眩板本体30の表面31a及び裏面31bに穿孔された複数の丸孔から構成されており、また、通風孔部34bは、防眩板本体30の裏面31bに穿孔された複数の丸孔から構成されている。通風孔部34a及び通風孔部34bは、防眩板本体30に風が当たったときにその風が防眩板本体30の表面31a及び裏面31bを通過可能に形成されている。
【0020】
図5は、本実施の形態1に係る防護柵構造の防眩板構造10の設置状態を示す平面図である。高速道路40のセンターライン部41には、図5では図示されていない支柱20(図1参照)が等間隔に設置されており、この各支柱20の上端部に防眩板構造10が配置されている。高速道路40のセンターライン部41の延びる方向と、高速道路40の一方の車線42a及び一方の車線42aに対する対向車線42bが延びる方向は、同じ方向Aである。防眩板中心線Bは、防眩板構造10の、防眩板本体30の表面31a及び裏面31bの中間に、表面31a及び裏面31bに平行に延びる仮想的な線である。なお、高速道路40は道路を構成している。
【0021】
防眩板構造10の防眩板本体30は、センターライン部41の延びる方向Aに水平方向に直交する方向Cに対して、防眩板中心線Bが支柱20を中心に角度Dだけ反時計回りに回転している方向に配置されている。この角度Dは、本実施の形態1では30°である。また、防眩板本体30がこの角度Dだけ反時計回りに回転している方向は、第1方向を構成している。
【0022】
防眩板構造10の防眩板本体30がセンターライン部41において、このように角度Dだけ反時計回りに回転した方向に配置されていることにより、防眩板本体30の、表面31aは、高速道路40の一方の車線42aを走行する自動車43aの前部44aに対向しない向きに配置されている。また、防眩板本体30の、裏面31bは、高速道路40の対向車線42bを走行する自動車43bの前部44bに対向しない向きに配置されている。なお、一方の車線42aを走行する自動車43aの前部44aに設けられている前照灯45aの前照灯光46aと、対向車線42bを走行する自動車43bの前部44bに設けられている前照灯の前照灯光46bとは、センターライン部41の延びる方向Aに略平行に照射されている。
【0023】
図6は、図5に示す防眩板構造10の防眩板本体30を、図3に示す防眩板本体30のK-K線で切断した切断部端面図である。防眩板構造10の防眩板本体30は、センターライン部41の延びる方向Aに水平方向に直交する方向Cに対して、防眩板中心線Bが支柱20を中心に角度Dだけ反時計回りに回転した方向に配置されている。防眩板本体30には、図5に示す一方の車線42aを走行している自動車43aの前照灯光46aが、センターライン部41の延びる方向Aに略平行に照射される。
【0024】
上述した通り、防眩板本体30は、方向Aに水平方向に直交する方向Cに対して、防眩板中心線Bが支柱20を中心に角度D、すなわち30°だけ反時計回りに回転した方向に配置されている。そのため、防眩板本体30の表面31aの通風孔部34aを構成する各丸孔と、裏面31bの通風孔部34bを構成する各丸孔とは、方向Aに沿って平面視で見たときに位置が重ならず、異なる位置となる。よって、図6に示すように、防眩板本体30の表面31aに照射された前照灯光46aは、通風孔部34aを通過した後、通風孔部34bを通過せず、裏面31bの孔の無い部分により遮光されるため、防眩板本体30の表面31aと裏面31bとの間で前照灯光46aが遮光される。
【0025】
また、防眩板本体30には、図5に示す対向車線42bを走行している自動車43bの前照灯光46bが、センターライン部41の延びる方向Aに略平行に照射される。図6に示すように、防眩板本体30の裏面31bに照射された前照灯光46bは、通風孔部34bを通過した後、通風孔部34aを通過せず、表面31aの孔の無い部分により遮光されるため、防眩板本体30の裏面31bと表面31aとの間で前照灯光46bが遮光される。
【0026】
したがって、防眩板本体30の表面31aと裏面31bとの間で前照灯光46aが遮光され、防眩板本体30の裏面31bと表面31aとの間で前照灯光46bが遮光されるため、高速道路40において、一方の車線42aを走行する自動車43aの前照灯光46aと、対向車線42bを走行する自動車43bの前照灯光46aとが、センターライン部41の防眩板構造10の防眩板本体30により遮光される。これにより、自動車43aの運転者が、対向する自動車43bの前照灯光46bにより眩惑されることを抑制することができ、また、自動車43bの運転者が、対向する自動車43aの前照灯光46aにより眩惑されることを抑制することができる。
【0027】
なお、防眩板本体30の反時計回りの回転角度である角度Dが、25°以上45°以下のとき、防眩板本体30の表面31aの通風孔部34aを構成する各丸孔と、裏面31bの通風孔部34bを構成する各丸孔とが、方向Aに沿って平面視で見たときに位置が重ならず異なる位置となるため、防眩板本体30に照射された前照灯光の遮光効果が高くなることが実験により確かめられている。また、この角度Dが、30°以上40°以下のとき、防眩板本体30に照射された前照灯光の遮光効果がさらに高くなることが実験により確かめられている。すなわち、本実施の形態1における角度Dは好ましくは25°以上45°以下であり、より好ましくは30°以上40°以下である。
【0028】
また、防眩板本体30の表面31aには複数の丸孔からなる通風孔部34aが形成され、裏面31bには複数の丸孔からなる通風孔部34bが、通風孔部34aに対して、防眩板本体30の水平方向において、同じ側となるように形成されている。すなわち、通風孔部34aと通風孔部34bとが、対向して形成されている。これにより、防眩板本体30の表面31aに当たった風が裏面31bに少ない抵抗で通過し、また、裏面31bに当たった風が表面31aに少ない抵抗で通過するため、防眩板構造10が風圧により大きく振動する等の、防眩板構造10に対する風による影響を抑制して低減することができる。
【0029】
すなわち、防眩板本体30は、前照灯光46a,46bを遮光する遮光性能を確保しつつ、且つ防眩板構造10に対する風の影響を低減することができる。
【0030】
また、防眩板本体30の表面31aには太陽電池モジュール33aが設置され、裏面31bには太陽電池モジュール33bが設置されているため、昼間に図1に示す蓄電池61に電力を供給して充電し、夜間に図示しない既知の照明装置及び既知の発光式視線誘導標に、蓄電池61から電力を供給することができる。
【0031】
このように、本実施の形態1に係る防眩板構造10は、高速道路40上に設けられた支柱20と、支柱20に支持された防眩板本体30と、防眩板本体30に設けられ、発電した電力を蓄電池61に供給する太陽電池モジュール33a,33bと、防眩板本体30の表面31a及び裏面31bに設けられ、防眩板本体30の表面31aと裏面31bとを連通する通風孔部34a,34bとを備え、通風孔部34a,34bは、複数の孔部を有し、防眩板本体30は、表面31aと裏面31bとが離隔するように形成され、防眩板本体30は、高速道路40の延びる方向に沿って防眩板本体30を平面視したときに、防眩板本体30の表面31aの通風孔部34aを構成する孔部と、防眩板本体30の裏面31bの通風孔部34bを構成する孔部とが異なる位置となる、角度Dだけ反時計回りに回転している方向である第1方向に向けて設けられているため、防眩板本体30の遮光性能を確保しつつ、風の影響を低減することができる。
【0032】
また、防眩板本体30の表面31aの、水平方向の一方には太陽電池モジュール33aが設けられ、水平方向の他方には通風孔部34aが設けられ、防眩板本体30の前記裏面31bには、表面31aの太陽電池モジュール33aに対向する位置に裏面31bの太陽電池モジュール33bが設けられ、表面31aの通風孔部34aに対向する位置に裏面31bの通風孔部34bが設けられ、第1方向は、高速道路40の延びる方向に直交する方向Cに対して、防眩板本体30が支柱20の延びる方向を中心に所定の角度Dである30°だけ回転した方向であるため、効果的に自動車43a、43bの前照灯光46a,46bを遮光することができる。
【0033】
また、太陽電池モジュール33a,33bは、アモルファスシリコン太陽電池を有するため、防眩板本体30の曲面部31cに沿って太陽電池モジュール33a,33bを配置することが可能であり、太陽電池モジュール33a,33bの設置面積を広くすることができる。
【0034】
なお、本実施の形態1では、防眩板本体30は、図5に示す高速道路40の延びる方向Aに直交する方向Cに対して、防眩板中心線Bが支柱20を中心に角度Dだけ反時計回りに回転した方向に配置されていたが、方向Cに対して、防眩板中心線Bが支柱20を中心に角度Dだけ時計回りに回転した方向に配置されていてもよい。
【0035】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2は、実施の形態1に対して、防眩板本体における太陽電池モジュールを設置する位置と、通風孔部を形成する位置とを変更したものである。なお、以下の実施の形態において、実施の形態1の図1図6の参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
【0036】
図7は、本実施の形態2に係る防眩板本体35の斜視図である。図8は、図7に示す防眩板本体35の正面図である。防眩板本体35の太陽電池モジュール33aは、防眩板本体35を表面31aの側から見たときに、左側に設けられている。防眩板本体35の表面31aの、太陽電池モジュール33aが設けられていない部分、すなわち、防眩板本体35を表面31aの側から見たときの右側には、通風孔部34aが形成されている。
【0037】
図9は、図7に示す防眩板本体35の背面図である。太陽電池モジュール33bは、防眩板本体35を裏面31bの側から見たときに、左側に設けられている。防眩板本体35の裏面31bの、太陽電池モジュール33bが設けられていない部分、すなわち、防眩板本体35を裏面31bの側から見たときの右側には、通風孔部34bが形成されている。
【0038】
上記で説明した、防眩板本体35の、太陽電池モジュール33a,33b及び通風孔部34a,34bの位置関係をまとめて説明すると、図7図9に示すように、防眩板本体35を表面31aの側から見たときに、太陽電池モジュール33aと通風孔部34bとは防眩板本体35の左側に配置されており、通風孔部34aと,太陽電池モジュール33bは防眩板本体35の右側に配置されている。言い換えると、防眩板本体35の水平方向において、太陽電池モジュール33a,33bと、通風孔部34a,34bとは、左右対照となるように設けられており、太陽電池モジュール33aは通風孔部34bに対向し、太陽電池モジュール33bは通風孔部34aに対向している。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0039】
図10は、本実施の形態2に係る防眩板構造10の防眩板本体35を、図8に示す防眩板本体35のK-K線で切断した切断部端面図である。上述したように、防眩板本体35は、水平方向において太陽電池モジュール33a,33bと、通風孔部34a,34bとが左右対称となるように設けられている。
【0040】
そのため、図5に示すような、高速道路40のセンターライン部41において、防眩板本体35を有する防眩板構造10を、防眩板本体35の防眩板中心線Bがセンターライン部41の方向Aに水平方向に直交する方向Cに対して延びる方向に、すなわち、角度Dが0°となる方向に配置した場合であっても、図10に示すように、一方の車線42aを走行する自動車43aの前照灯光46aは、表面31aに照射されて通風孔部34aを通過した後に、太陽電池モジュール33bが設置されている位置の裏面31bにより遮光される。また、対向車線42bを走行する自動車43bの前照灯光46bは、裏面31bに照射されて通風孔部34bを通過した後に、太陽電池モジュール33aが設置されている位置の表面31aにより遮光される。そのため、防眩板構造10の遮光能力が向上する。
【0041】
したがって、防眩板構造10を、高速道路40のセンターライン部41の延びる方向に水平方向に直交する方向Cに対して、防眩板中心線Bの角度を付けずに(角度Dが0°となるように)設けている場合、すなわち、防眩板構造10の防眩板本体35の表面31aが、一方の車線42aを走行する自動車43aの前部44aに対向し、また、防眩板本体35の裏面31bが、対向車線42bを走行する自動車43bの前部44bに対向するように防眩板構造10を設けている場合であっても、一方の車線42aを走行する自動車43aの前照灯光46a及び対向車線42bを走行する自動車43bの前照灯光46bを、防眩板構造10が遮光することができ、より簡単な方法で高速道路40のセンターライン部41に防眩板構造10を設置することが可能となる。
【0042】
このように、本実施の形態2に係る防眩板構造10は、防眩板本体30の表面31aの水平方向の一方には太陽電池モジュール33aが設けられ、水平方向の他方には通風孔部34aが設けられ、防眩板本体30の裏面31bには、表面31aの太陽電池モジュール33aに対向する位置に裏面31bの通風孔部34bが設けられており、表面31aの通風孔部34aに対向する位置に裏面31bの太陽電池モジュール33bが設けられているため、防眩板本体30に照射された前照灯光46a,46bが防眩板本体30を透過しにくくなり、防眩板構造10の遮光能力を向上させることができる。
【0043】
なお、本実施の形態2では、防眩板本体35は角度Dが0°となる方向に配置されていたが、これに限定されるものではなく、実施の形態1と同様に防眩板本体35の角度Dが好ましくは25°以上45°以下であり、より好ましくは30°以上40°以下であるように配置されていてもよい。これにより、防眩板本体35の遮光効果をより向上させることができる。
【0044】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3は、実施の形態1に対して、支柱の中心軸を中心にして防眩板構造を回転可能に構成したものである。
図11は、本実施の形態3に係る防眩板構造の回転機構の概略図である。支柱20の上端部には、支柱20の中心軸を中心に、防眩板構造11の防眩板本体30を回転可能に支持している回転機構50が設置されている。回転機構50は、支柱20の上端部から水平方向に張り出した平面状の支持部材51と、支持部材51の上側に支持されているアクチュエータ52と、アクチュエータ52の回転軸に設けられた小プーリ53と、支柱20の上端部に設けられ、接続部材36を支柱20の中心軸を中心に回転自在に支持している回転軸ローラ54と、回転軸ローラ54の上側に設けられた大プーリ55と、小プーリ53と大プーリ55とを接続して小プーリ53の回転運動を大プーリ55に伝達する伝達ベルト56とを有している。大プーリ55は、防眩板構造11に接続されている接続部材36と一体に形成されている。
【0045】
アクチュエータ52が駆動すると、小プーリ53の回転運動が伝達ベルト56により大プーリ55に伝達され、大プーリ55と、大プーリ55に一体に形成されている接続部材36とが回転する。これにより、接続部材36に接続された防眩板本体30が、支柱20の中心軸を中心にして回転する。
【0046】
接続部材36には、防眩板本体30に照射される光の光量を検出する照度センサ58が設けられている。この照度センサ58は、防眩板本体30の表面31aに照射する光を検出するものと、防眩板本体30の裏面31bに照射する光を検出するものとの、合計2個設けられている。また、接続部材36の内部には、蓄電池61の充電制御回路を有するとともに、照度センサ58の検出した光量に基づいて、アクチュエータ52の駆動制御を行い、防眩板本体30を、支柱20の中心軸を中心に任意の角度に回転させるための駆動制御回路を有する制御部60aが内蔵されている。その他の構成は実施の形態1と同じである。
【0047】
次に、本実施の形態3に係る防護柵構造1の防眩板構造11の動作を説明する。図12は、本実施の形態3に係る夜間における防護柵構造1の防眩板構造11の状態を示す概略図である。照度センサ58が検出した、防眩板本体30に照射される光量が予め設定した閾値未満である場合には、制御部60aは現在は夜間であると判定する。このとき制御部60aは、アクチュエータ52を駆動して、実施の形態1と同じように、図5に示すように方向Cに対して、防眩板中心線Bが支柱20を中心に角度D(30°)だけ反時計回りに回転している第1方向に向くように防眩板本体30を回転させる。この角度Dは、制御部60aに予め設定されている。これにより、夜間において防眩板構造11は、自動車43a,43bの前照灯光46a,46bを遮光することが可能である、
【0048】
図13は、本実施の形態3に係る昼間における防護柵構造1の防眩板構造11の状態を示す概略図である。照度センサ58が検出した防眩板本体30に照射される光量が、予め設定した閾値以上である場合には、制御部60aは現在は昼間であると判定する。このとき制御部60aは、照度センサ58の検出する光量を監視しつつ、アクチュエータ52を駆動して防眩板本体30を支柱20の中心軸を中心に回転させる。そして、制御部60aは、表面31a又は裏面31bのいずれか一方において、照度センサ58の検出する光量が最大となる方向に防眩板本体30が向くように、アクチュエータ52を駆動して、防眩板本体30を支柱20の中心軸を中心に回転させる。これにより、防眩板本体30の表面に設けられた太陽電池モジュール33a,33bが、昼間において太陽の位置に応じて最大の光量を受けられるように、防眩板本体30の方向を太陽の位置を追尾する方向である第2方向に向くように制御することができる。
【0049】
このように、本実施の形態3に係る防眩板構造11は、防眩板本体30を支柱20の延びる方向を中心に回転させる回転機構50と、防眩板本体30に照射される光の光量を検出する照度センサ58と、回転機構50及び照度センサ58に接続された制御部60aとをさらに備え、照度センサ58が検出した、防眩板本体30に照射される光の光量が予め設定した閾値以上である場合に、制御部60aが回転機構50を制御し、回転機構50が防眩板本体30を第1方向とは異なる第2方向に向けて回転させるため、昼間において太陽電池モジュール33a,33bの受ける光量を最大にし、夜間において自動車43a,43bの前照灯光46a,46bを遮光することが可能である。
【0050】
なお、本実施の形態3においては、照度センサ58が検出した光量に基づいて、制御部60aが回転機構50を制御して防眩板本体30を回転していたが、制御部60aにより回転機構50を制御する手段はこれに限定されるものではない。例えば、制御部60aにタイマを設け、このタイマが予め設定した昼間開始時刻になったと判定したときに、回転機構50により防眩板本体30を太陽電池モジュール33a,33bの受ける光量が大きくなる第2方向に向けて回転し、また、このタイマが予め設定した夜間開始時刻になったと判定したときに、制御部60aが、回転機構50により防眩板本体30を自動車43a,43bの前照灯光46a,46bを遮光する角度である第1方向に向けて回転してもよい。
【0051】
また、本実施の形態3において、昼間には制御部60aがアクチュエータ52を駆動して、防眩板本体30の向きを太陽の位置を追尾するようにしていたが、昼間には防眩板本体30の向く方向を太陽の位置を追尾する向きとせず、太陽電池モジュール33a,33bの少なくともいずれか一方が効率的に太陽光を受けることができる予め定めた方向に、防眩板本体30を向けるように制御部60aがアクチュエータ52を駆動してもよい。これにより、アクチュエータ52を制御して防眩板本体30の方向を太陽の位置を追尾するようにする場合に比べて、制御部60aによるアクチュエータ52の制御が簡単になる。
【0052】
また、本実施の形態3においては、回転機構50のアクチュエータ52の駆動力は、小プーリ53の回転運動が伝達ベルト56により大プーリ55に伝達されることで、接続部材36に伝達されていたが、これに限定するものではない。小プーリ53、伝達ベルト56及び大プーリ55に替えて、例えばギアボックス等の他の種類の動力伝達手段を用いてもよい。
【0053】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態4は、実施の形態1における防護柵構造に対して、ワイヤロープに導光樹脂線を設けて視線誘導標としたものである。尚、本実施の形態4において、実施の形態1~3の図1図13の参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図14は、本実施の形態4に係る防護柵構造の導光樹脂線の設置状態を示す概略図である。防護柵構造1に設けられた防眩板構造10の制御部60には、照度センサ58が接続されている。防眩板構造10の蓄電池61には、導線70が接続されている。導線70は、支柱20に設置されている、最上段のワイヤロープ21に沿って配線されている。導線70は、最上段のワイヤロープ21に取り付けられた、樹脂製の防水保護カバーである導光樹脂線接続部71に挿入されている。なお、制御部60は発光制御部を構成している。
【0054】
図15は、図14に示す導光樹脂線接続部71の斜視図である。この導光樹脂線接続部71に挿入された導線70は、図示しないLEDに接続されている。後に詳しく説明する通り、この導光樹脂線接続部71の内部において、LEDは導光樹脂線72に接続されている。この導光樹脂線72は、円形の断面を有し、径方向外側部にフッ素系樹脂で構成されたクラッドと、径方向内側部にアクリル系樹脂で構成されたコアとを有している線状部材である。導光樹脂線72は導光樹脂線接続部71の外部に引き出され、最上段のワイヤロープ21に撚り合わせられて取り付けられた状態で、ワイヤロープ21に沿って延びている。
【0055】
図16は、図15に示すLEDと導光樹脂線との接続を示す正面図である。導線70に接続されたLED73は先端部にソケット構造を有している。導光樹脂線接続部71の内部において、導光樹脂線72の端部をソケット構造に挿入することで、LED73と導光樹脂線72とが接続されている。その他の構成は実施の形態1と同じである。
【0056】
次に、本実施の形態4に係る導光樹脂線72の動作について説明する。図14に示すように、照度センサ58が検出した光量が予め決定した閾値以上である場合は、制御部60は現在が昼間であると判定して、LED73(図16参照)を消灯する。夜間になり、照度センサ58が検出した光量が予め決定した閾値未満となったときに、制御部60は現在が夜間であると判定する。次に、制御部60は蓄電池61に充電された電力によって、LED73を点灯する。LED73が点灯することにより、導光樹脂線72の内部にLED73の光が照射されて伝達し、導光樹脂線72の側面からLED73の光の一部が側面散乱光として照射される。この側面散乱光により、導光樹脂線72が全体として発光するため、図14及び図15に示すワイヤロープ21により合わせられて取り付けられた導光樹脂線72は、発光式視線誘導標として機能する。
【0057】
このように本実施の形態4に係る防護柵構造は、防眩板構造10又は防眩板構造11を備え、電力供給対象部は蓄電池61であって、蓄電池61に接続されたLED73と、LED73の発光制御を実施する制御部60と、支柱20間に設けられたワイヤロープ21と、ワイヤロープ21に設けられ、LED73の発光により発光する導光樹脂線72とを有するため、防護柵構造1のワイヤロープ21を視線誘導標として構成することができる。
【0058】
なお、本実施の形態4においては、照度センサ58が検出した光量に基づいて、制御部60が現在は昼間であると判定したときにLED73を消灯し、現在は夜間であると判定したときにLED73を点灯していたが、LED73の点灯及び消灯時期を決定する手段はこれに限定されるものではない。例えば、制御部60がタイマを有し、このタイマが予め設定したLED点灯時刻になったと判定したときにLED73を点灯し、このタイマが予め設定したLED消灯時刻になったと判定したときにLED73を消灯してもよい。
【0059】
また、本実施の形態4においては、導光樹脂線72が最上段のワイヤロープ21に取り付けられていたが、少なくとも1本のワイヤロープ21に導光樹脂線72が取り付けられていれば、最上段以外のワイヤロープ21に導光樹脂線72が取り付けられていてもよい。
【0060】
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態5は、実施の形態1における防護柵構造に対して、防護柵構造に落下防止部材を設けたものである。
図17は、本実施の形態5に係る落下防止部材を有する防護柵構造1を示す概略図である。また、この図17は、支柱20に対する自動車の衝突等により、支柱20の上端部から防眩板本体30が外れた状態を示している。ワイヤロープ21には、ワイヤロープ21のストランドの外形に係合している結合部材80が取り付けられている。結合部材80には、紐状のゴムで形成された落下防止部材81の一端部81aが接続されている。落下防止部材81の他端部81bは、接続部材36に形成された接続孔に挿入され、結合部材80に接続されている。これにより、落下防止部材81の一端部81aと他端部81bとの間の中間部は接続部材36に結合され、接続部材36は落下防止部材81を介して結合部材80に取り付けられている。なお、結合部材80としては、例えばワイヤロープ21のストランドに沿って回転しながらワイヤロープ21上を移動可能なスピンドル状部材等を挙げることができる。
【0061】
支柱20の上端部から防眩板本体30が外れた場合には、接続部材36は落下防止部材81を介して結合部材80に取り付けられているため、接続部材36及び防眩板本体30が、ワイヤロープ21に取り付けられた結合部材80に支持されて、高速道路40(図5参照)の路上へ落下することを防止できる。これにより、防眩板本体30が支柱20から外れたときに、防眩板本体30が高速道路40の路面に落下することを防止することができる。
【0062】
このように、本実施の形態5に係る防護柵構造1は、防眩板構造10又は防眩板構造11を備え、支柱20間に設けられたワイヤロープ21と、ワイヤロープ21及び防眩板本体30に結合された結合部材80とを有し、防眩板本体30が支柱20から外れたときに、結合部材80が防眩板本体30の高速道路40への落下を防止することができる。
【0063】
なお、本実施の形態5において、結合部材80はスピンドル状部材であったが、これに限定されるものではなく、例えばワイヤロープに取付可能なクリップ等の任意の結合部材を用いてもよい。また、本実施の形態5において、落下防止部材81は紐状のゴムで形成されていたが、これに限定されるものではなく、例えばワイヤロープ等の任意の落下防止部材を用いてもよい。
【0064】
また、本発明の実施の形態1~5において、防護柵構造1及び防眩板構造10,11は、暫定二車線区間の高速道路40のセンターライン部41に設けられていたが、これに限定されるものではなく、高速道路の四車線以上を有する区間の中央分離帯部や、高速道路の路肩部等適当な場所に設けられていてもよい。また、本実施の形態1~5に係る、防護柵構造1及び防眩板構造10,11は高速道路40に設けられていたが、これに限定されるものではなく、高規格道路等の各種の道路に設けられていてもよい。さらに、本実施の形態1~5では高速道路40が左側通行である場合の実施の形態を記載していたが、高速道路40が右側通行である国及び地域では、本実施の形態1~5に係る発明の各要素を右側通行に対応するように適宜調整して用いてもよい。
【0065】
また、本発明の実施の形態1~5において、通風孔部34a,34bは複数の丸孔により構成されていたが、この構成に限定されるものではなく、通風孔部34a,34bを構成する孔の数、形状及び種類は必要に応じて任意に決定されてもよい。
【0066】
また、本発明の実施の形態1~5において、防眩板本体30は表面31aに設けられた太陽電池モジュール33aと、裏面31bに設けられた太陽電池モジュール33bとを有していたが、太陽電池モジュール33a及び太陽電池モジュール33bのうちいずれか一方のみを有していてもよい。これにより、防眩板構造10の部品点数が減少するため、防護柵構造1の部品コスト及び製造コストを低減することができる。
【0067】
また、本発明の実施の形態1~5において、太陽電池モジュール33a,33bはアモルファスシリコン太陽電池であったが、これに限定されるものではなく、CIGS太陽電池又はペロブスカイト太陽電池を用いてもよいし、太陽電池モジュール33a,33bを単結晶シリコン太陽電池又は多結晶シリコン太陽電池で構成し、太陽電池モジュール33a,33bを曲面部31c以外の場所に設けてもよい。
【0068】
また、本発明の実施の形態1~5に含まれる構成要素及びその変形例に含まれる構成要素は、適当に組み合わせて用いることができる。
【0069】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0070】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
道路上に設けられた支柱と、
前記支柱に支持された防眩板本体と、
前記防眩板本体に設けられ、発電した電力を電力供給対象部に供給する太陽電池モジュールと、
前記防眩板本体の表面及び裏面に設けられ、前記防眩板本体の表面と裏面とを連通する通風孔部と
を備え、
前記通風孔部は、複数の孔部を有し、
前記防眩板本体は、表面と裏面とが離隔するように形成され、
前記防眩板本体は、前記道路の延びる方向に沿って前記防眩板本体を平面視したときに、前記防眩板本体の表面の通風孔部を構成する孔部と、前記防眩板本体の裏面の通風孔部を構成する孔部との位置が異なる位置となる、第1方向に向けて設けられている防眩板構造。
(付記2)
前記防眩板本体の前記表面の、水平方向の一方には前記太陽電池モジュールが設けられ、水平方向の他方には前記通風孔部が設けられ、
前記防眩板本体の前記裏面には、前記表面の前記太陽電池モジュールに対向する位置に前記裏面の前記太陽電池モジュールが設けられ、前記表面の前記通風孔部に対向する位置に前記裏面の前記通風孔部が設けられ、
前記第1方向は、前記道路の延びる方向に直交する方向に対して、前記防眩板本体が前記支柱の延びる方向を中心に所定の角度だけ回転した方向である、付記1に記載の防眩板構造。
(付記3)
前記防眩板本体の前記表面の、水平方向の一方には太陽電池モジュールが設けられ、水平方向の他方には通風孔部が設けられ、
前記防眩板本体の前記裏面には、前記表面の太陽電池モジュールに対向する位置に前記裏面の前記通風孔部が設けられ、前記表面の前記通風孔部に対向する位置に前記裏面の前記太陽電池モジュールが設けられている、付記1に記載の防眩板構造。
(付記4)
前記防眩板本体を前記支柱の延びる方向を中心に回転させる回転機構と、
前記防眩板本体に照射される光の光量を検出する光量検出装置と、
前記回転機構及び前記光量検出装置に接続された制御部と
をさらに備え、
前記光量検出装置が検出した、前記防眩板本体に照射される光の光量が予め設定した閾値以上である場合に、前記制御部が前記回転機構を制御し、前記回転機構が前記防眩板本体を前記第1方向とは異なる第2方向に向けて回転させる、付記1~3のいずれか一項に記載の防眩板構造。
(付記5)
前記太陽電池モジュールは、アモルファス太陽電池を有する、付記1~4のいずれか一項に記載の防眩板構造。
(付記6)
付記1~5のいずれか一項に記載の防眩板構造を備え、
前記電力供給対象部は蓄電池であって、
前記蓄電池に接続された発光装置と、
前記発光装置の発光制御を実施する発光制御部と、
前記支柱間に設けられたワイヤロープと、
前記ワイヤロープに設けられ、前記発光装置の発光により発光する導光樹脂線と
を有する、防護柵構造。
(付記7)
付記1~5のいずれか一項に記載の防眩板構造を備え、
前記支柱間に設けられたワイヤロープと、
前記ワイヤロープ及び前記防眩板本体に結合された結合部材と、
を有し、
前記防眩板本体が前記支柱から外れたときに、前記防眩板本体の道路への落下を防止する、付記防護柵構造。
(付記8)
前記ワイヤロープ及び前記防眩板本体に結合された結合部材を有し、
前記防眩板本体が前記支柱から外れたときに、前記結合部材が前記防眩板本体の前記道路への落下を防止する、付記6に記載の防護柵構造。
【符号の説明】
【0071】
10 防眩板構造、11 防眩板構造、20 支柱、21 ワイヤロープ、30 防眩板本体、31a 表面、31b 裏面、33a,33b 太陽電池モジュール、34a,34b 通風孔部、35 防眩板本体、40 高速道路(道路)、50 回転機構、58 照度センサ(光量検出装置)、60 制御部(発光制御部)、61 蓄電池(電力供給対象部)、72 導光樹脂線、73 LED(発光装置)、80 結合部材。
図1
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図17