(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099297
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
G03G21/00 538
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003140
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇野 貴規
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270SA02
2H270SA03
2H270SB02
2H270SB03
2H270SB05
2H270SB06
2H270SB17
2H270SC02
2H270SC06
2H270SC08
(57)【要約】
【課題】気流の下流に配置されるフィルタを支持した状態で、気流の上流に配置されるフィルタの交換を可能とするフィルタホルダを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】プロセスユニットPUと、定着器60と、筐体2と、筐体2内の空気を外部へ排気するファン66と、ファン66の下流に配置される第1フィルタ70と、第1フィルタ70の下流に配置される第2フィルタ80と、第1フィルタ70を支持する第1フィルタ支持部24aと、第2フィルタ80を支持する第2フィルタ支持部24bとを有するとともに、筐体2の内部と外部とを連通する空気通路240および第1フィルタ70を交換するための第1交換口243aを有するフィルタホルダ24とを備え、フィルタホルダ24は、第2フィルタ80を第2フィルタ支持部24bに支持した状態で、第1フィルタ70を第1交換口243aを通じて第1フィルタ支持部24aに着脱可能である。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートにトナー像を形成するプロセスユニットと、
シートにトナー像を定着させる定着器と、
前記プロセスユニットおよび前記定着器を収容し、開口を有する筐体と、
前記筐体の内部の空気を、前記開口を通じて前記筐体の外部へ排気するファンと、
前記ファンが作る気流が流れる方向において、前記ファンの下流に配置される第1フィルタと、
前記ファンが作る気流が流れる方向において、前記第1フィルタの下流に配置される第2フィルタと、
前記筐体に設けられ、前記第1フィルタを支持する第1フィルタ支持部と、前記第2フィルタを支持する第2フィルタ支持部とを有するフィルタホルダであって、前記開口に連続して形成され、前記筐体の内部と外部とを連通する空気通路、および前記ファンが作る気流が流れる方向と交差する方向に形成され、前記第1フィルタを交換するための第1交換口を有するフィルタホルダと、
を備え、
前記フィルタホルダは、前記第2フィルタを前記第2フィルタ支持部に支持した状態で、前記第1フィルタを前記第1交換口を通じて前記第1フィルタ支持部に着脱可能である画像形成装置。
【請求項2】
前記フィルタホルダは、前記第1交換口を開閉する第1ドアを有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1フィルタは、オゾン、揮発性有機化合物、および粉塵を吸着可能な活性炭フィルタであり、
前記第2フィルタは、オゾンを分解可能なオゾン分解触媒フィルタである請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記フィルタホルダは、前記ファンが作る気流が流れる方向に、前記第2フィルタを交換するための第2交換口を有し、前記第1フィルタを前記第1フィルタ支持部に支持した状態で、前記第2フィルタを前記第2交換口を通じて前記第2フィルタ支持部に着脱可能である請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フィルタホルダは、前記第2交換口を開閉する第2ドアを有し、
前記第2ドアは、空気が流通可能な孔を有する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1フィルタの周囲に位置し、前記フィルタホルダに装着された前記第1フィルタと前記第1フィルタ支持部との隙間を埋める第1シールを備える請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2フィルタの周囲に位置し、前記フィルタホルダに装着された前記第2フィルタと前記第2フィルタ支持部との隙間を埋める第2シールを備える請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体内の空気を筐体外に排気するためのファンを備えた画像形成装置においては、筐体内の空気をフィルタを通して排気するために、ファンの下流にエアフィルタを配置することが行われている(特許文献1参照)。
【0003】
また、ファンによる排気の流れの最上流に防塵フィルタを配置し、防塵フィルタの下流に、ファンによる排気からオゾンを除去するオゾンフィルタ、および揮発性有機化合物を除去する触媒フィルタを配置して、排気中に浮遊するトナー粒子がオゾンフィルタおよび触媒フィルタに付着して、各フィルタの能力が劣化することを抑制することが行われている(特許文献2参照)。
【0004】
さらに、フィルタを支持するフィルタホルダにおいて、フィルタを支持する部分を開閉可能に構成して、フィルタの交換を容易にすることが行われている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-154137号公報
【特許文献2】特開2006-119313号公報
【特許文献3】特開2010-240577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、排気の流れに沿って配置されるフィルタは、寿命に達すると交換が必要であるが、フィルタは種類によって寿命が異なるとともに、繊細な構造を有していて破損し易いため、不要な着脱を行うことなく寿命に達したフィルタのみを交換することが望まれている。
【0007】
そこで、本発明においては、ファンが作る気流が流れる方向に沿って配置される複数のフィルタを支持するフィルタホルダであって、気流が流れる方向の下流に配置されるフィルタを支持した状態で、気流が流れる方向の上流に配置されるフィルタの交換を可能とするフィルタホルダを備える画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0009】
即ち、画像形成装置は、シートにトナー像を形成するプロセスユニットと、シートにトナー像を定着させる定着器と、前記プロセスユニットおよび前記定着器を収容し、開口を有する筐体と、前記筐体の内部の空気を、前記開口を通じて前記筐体の外部へ排気するファンと、前記ファンが作る気流が流れる方向において、前記ファンの下流に配置される第1フィルタと、前記ファンが作る気流が流れる方向において、前記第1フィルタの下流に配置される第2フィルタと、前記筐体に設けられ、前記第1フィルタを支持する第1フィルタ支持部と、前記第2フィルタを支持する第2フィルタ支持部とを有するフィルタホルダであって、前記開口に連続して形成され、前記筐体の内部と外部とを連通する空気通路、および前記ファンが作る気流が流れる方向と交差する方向に形成され、前記第1フィルタを交換するための第1交換口を有するフィルタホルダと、を備え、前記フィルタホルダは、前記第2フィルタを前記第2フィルタ支持部に支持した状態で、前記第1フィルタを前記第1交換口を通じて前記第1フィルタ支持部に着脱可能である。
【0010】
これにより、気流が流れる方向の下流に位置する第2フィルタを第2フィルタ支持部に支持した状態で、気流が流れる方向の上流に位置する第1フィルタのみを交換することができる。
【0011】
また、前記フィルタホルダは、前記第1交換口を開閉する第1ドアを有する。
【0012】
これにより、第1フィルタを第1フィルタ支持部に装着した後に、第1ドアによって第1交換口を閉じて、ファンが作る気流が第1交換口から漏れることを抑制でき、ファンが作る気流を、効率良く第1フィルタに通過させることができる。
【0013】
また、前記第1フィルタは、オゾン、揮発性有機化合物、および粉塵を吸着可能な活性炭フィルタであり、前記第2フィルタは、オゾンを分解可能なオゾン分解触媒フィルタである。
【0014】
活性炭フィルタである第1フィルタは、オゾン分解触媒フィルタである第2フィルタよりも安価であるため、第2フィルタを第2フィルタ支持部に支持した状態で第1フィルタを交換することで、フィルタ交換に要するコストを低減することができる。
【0015】
また、前記フィルタホルダは、前記ファンが作る気流が流れる方向に、前記第2フィルタを交換するための第2交換口を有し、前記第1フィルタを前記第1フィルタ支持部に支持した状態で、前記第2フィルタを前記第2交換口を通じて前記第2フィルタ支持部に着脱可能である。
【0016】
これにより、第1フィルタとは別に、寿命に達した第2フィルタのみを交換することができる。
【0017】
また前記フィルタホルダは、前記第2交換口を開閉する第2ドアを有し、前記第2ドアは、空気が流通可能な孔を有する。
【0018】
これにより、第2ドアを閉じて第2交換口を塞いだ状態においても、ファンが作る気流を、第2ドアが有する孔を通じて筐体の内部と外部との間で流通させることができる。
【0019】
また、前記第1フィルタの周囲に位置し、前記フィルタホルダに装着された前記第1フィルタと前記第1フィルタ支持部との隙間を埋める第1シールを備える。
【0020】
これにより、ファンが作る気流が第1フィルタを通過するときに、フィルタホルダと第1フィルタとの間から気流が漏れることを抑制できる。
【0021】
また、前記第2フィルタの周囲に位置し、前記フィルタホルダに装着された前記第2フィルタと前記第2フィルタ支持部との隙間を埋める第2シールを備える。
【0022】
これにより、ファンが作る気流が第2フィルタを通過するときに、フィルタホルダと第2フィルタとの間から気流が漏れることを抑制できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、気流が流れる方向の下流に位置する第2フィルタを第2フィルタ支持部に支持した状態で、気流が流れる方向の上流に位置する第1フィルタのみを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図5】第1フィルタおよび第1シールを示す斜視図である。
【
図6】第1フィルタおよび第1シールを示す分解斜視図である。
【
図7】第2フィルタおよび第2シールを示す斜視図である。
【
図8】フィルタホルダを筐体の内部側から見た図である。
【
図9】フィルタホルダの第2フィルタ支持部に第2フィルタを装着する様子を筐体の内部側から見た図である。
【
図10】フィルタホルダの第1フィルタ支持部に第1フィルタを着脱する様子を示す斜視図である。
【
図11】フィルタホルダの第1フィルタ支持部に第1フィルタを着脱する様子を示す平面断面図である。
【
図12】フィルタホルダの第2実施形態を示す斜視図である。
【
図13】フィルタホルダの第2実施形態を示す平面断面図である。
【
図14】フィルタホルダの第3実施形態を示す平面断面図である。
【
図15】フィルタホルダの第4実施形態を示す平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0026】
[画像形成装置]
図1、
図2に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0027】
以下の説明では、
図1における左側を画像形成装置1の前側、
図1における右側を画像形成装置1の後側と規定し、
図1おける紙面手前側を画像形成装置1の右側、
図1における紙面奥側を画像形成装置1の左側と規定する。また、
図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0028】
また、各図におけるX方向は左右方向を示し、Y方向は前後方向を示し、Z方向は上下方向を示す。特に-Xは左方を示し、+Xは右方を示し、-Yは前方を示し、+Yは後方を示し、+Zは上方を示し、-Zは下方を示す。
【0029】
画像形成装置1は、装置本体2と、シートSを支持する給紙トレイ10およびシートSを搬送するシート搬送部30を有する給紙部3と、給紙部3により搬送されてきたシートSに画像を形成する画像形成部5とを備えている。
【0030】
装置本体2は略直方体形状に形成されており、給紙部3および画像形成部5を収容している。装置本体2の前面には開口部が開口しており、装置本体2は前面の開口部を開閉可能なフロントカバー21を有している。
【0031】
フロントカバー21は、下端部の回動軸21aを中心として回動可能に構成されており、回動軸21aを中心として回動することにより、前面の開口部を閉鎖する閉位置と、前面の開口部を開放する開位置との間を移動可能である。装置本体上面には前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ22が形成されている。
【0032】
給紙部3は、装置本体2の下部に配置されており、給紙トレイ10に支持されるシートSをシート搬送部30によって画像形成部5に搬送するものである。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、装置本体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0033】
シート搬送部30は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とを備えている。装置本体2内には、給紙トレイ10から画像形成部5を経由して排紙トレイ22へ至るシートSの搬送経路Pが構成されている。
【0034】
給紙トレイ10に支持されるシートSは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ10から画像形成部5に向けてシートSを搬送するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ10に支持されるシートSを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0035】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とにより画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対35は、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0036】
画像形成部5は給紙部3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つの現像カートリッジ50と、各現像カートリッジ50に対応する感光ドラム51とを備えている。各現像カートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。現像カートリッジ50は、支持部材59に着脱可能に支持されている。支持部材59は、フロントカバー21を開くことで、筐体2における前面の開口を通じて、筐体2に対して着脱可能である。現像カートリッジ50は、現像ローラ52を備えている。
【0037】
感光ドラム51は、左右方向を軸線方向とする略円筒形状に形成されており、支持部材59に回転可能に支持されている。現像ローラ52は、左右方向に延出しており、現像カートリッジ50に回転可能に支持されている。トナーは、現像剤の一例である。現像ローラ52は、感光ドラム51にトナーを供給する。
【0038】
装置本体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光装置56を有している。露光装置56は、図示しないレーザダイオード、偏光器、レンズ、およびミラーを備えている。露光装置56は、各感光ドラム51に対して光ビームを発して、各感光ドラム51の表面を露光するように構成されている。
【0039】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、感光ドラム51と接触している。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。画像形成部5においては、転写ベルト41、駆動ローラ42、従動ローラ43、および転写ローラ44等によりベルト装置40が構成されている。
【0040】
画像形成部5は、各感光ドラム51を帯電させるための帯電器54を備えている。帯電器54は、支持部材59に支持されている。帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51は、それぞれ露光装置56によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0041】
現像カートリッジ50に収容されるトナーは正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0042】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面に担持されたトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0043】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写されるシートSを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらにシートSに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0044】
トナー像が転写されたシートSは定着器60に搬送される。定着器60は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えており、定着器60に搬送されたシートSは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。つまり、定着器60は、シートSにトナー像を定着させる。
【0045】
トナー像が熱定着されたシートSは、定着器60から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対63、および中間排紙ローラ対63の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対64により搬送されて、排紙トレイ22に排出される。
【0046】
画像形成装置1においては、支持部材59に支持される現像カートリッジ50、感光ドラム51、および帯電器54等によって、シートSにトナー像を形成するプロセスユニットPUが構成されている。筐体2は、プロセスユニットPUおよび定着器60を収容している。
【0047】
画像形成装置1は、筐体2の内部の空気を筐体2の外部へ排気するファン66を備えている。ファン66は、筐体2内における定着器60の上方、かつプロセスユニットPUの後方に配置されている。
【0048】
図2に示すように、筐体2の右側面23は、開口23aを有している。開口23aは右側面23の後部に位置している。ファン66は、筐体2内の右端部において、左右方向から見て開口23aと重なる位置に配置されている。ファン66が駆動することにより、左方から右方へ向かう方向の気流が生じる。つまり、ファン66が作る気流が流れる方向は左右方向である。筐体2の内部の空気は、ファン66が作る気流によって、開口23aを通じて筐体2の外部へ排気可能である。筐体2は、右側面23aから右方に突出するフィルタホルダ24を備えている。
【0049】
[フィルタホルダ、第1フィルタ、および第2フィルタ]
図3、
図4に示すように、フィルタホルダ24は、筐体2における開口23aの上縁から右方へ延びる上壁241と、筐体2における開口23aの下縁から右方へ延びる下壁242と、筐体2における開口23aの後縁から右方へ延びる後壁243と、筐体2における開口23aの前縁から右方へ延びる前壁244とを有した筒形状に形成されている。
【0050】
フィルタホルダ24においては、上壁241と、下壁242と、後壁243と、前壁244とによって囲まれた空間である空気通路240が、左右方向に沿って形成されている。
【0051】
空気通路240は筐体2の開口23aに連続して形成されており、開口23aと空気通路240とによって、筐体2の内部と外部とが連通されている。筐体2の内部の空気は、ファン66が作る気流によって、開口23aおよび空気通路240を通じて筐体2の外部へ排気される。
【0052】
フィルタホルダ24は、上壁241、下壁242、後壁243、および前壁244によって形成された筒形状の右端を塞ぐ右壁245を有している。右壁245は、左右方向に連通し、空気が流通可能な通風孔245aを有している。空気通路240内を右方へ向かって流れる気流は、通風孔245aを通じて筐体2の外部へ流通することが可能である。
【0053】
フィルタホルダ24の後壁243は、前後方向に連通する第1交換口243aを有している。前後方向は、ファンが作る気流が流れる方向と交差する方向の一例である。フィルタホルダ24は、第1交換口243aを開閉する第1ドア246を有している。第1ドア246には、鉄等の磁性体により形成される固定板247が取り付けられている。磁性体により形成される固定板247には磁石が吸着可能である。
【0054】
フィルタホルダ24内には、第1フィルタ70および第2フィルタ80が収容されている。フィルタホルダ24は、第1フィルタ70を支持する第1フィルタ支持部24aと、第2フィルタ80を支持する第2フィルタ支持部24bとを有している。第1フィルタ支持部24aは、フィルタホルダ24の空気通路240における左部に位置しており、第2フィルタ支持部24bは、フィルタホルダ24の空気通路240における第1フィルタ支持部24aの右方に位置している。
【0055】
第1フィルタ支持部24aに支持される第1フィルタ70は、ファン66が作る気流が流れる方向において、ファン66の下流に配置されており、第2フィルタ支持部24bに支持される第2フィルタ80は、ファン66が作る気流が流れる方向において、第1フィルタ70の下流に配置されている。
【0056】
図5、
図6に示すように、第1フィルタ70は、フィルタ本体71と、フィルタケース72とを備えている。
【0057】
第1フィルタ70は活性炭フィルタであり、第1フィルタ70のフィルタ本体71は、活性炭を担持した紙、アルミニウム等の金属、またはセラミックスをハニカム状に形成した活性炭ハニカムフィルタにて構成されている。フィルタ本体71は、左右方向に面する面が最も大きい直方体形状に形成されている。
【0058】
但し、第1フィルタ70は、活性炭ハニカムフィルタだけでなく、活性炭を担持した不織布により形成される活性炭不織布フィルタ、および活性炭を担持した素材を折り畳んで形成された活性炭プリーツフィルタ等、活性炭を担持した素材により形成された他の形態の活性炭フィルタにて構成することも可能である。
【0059】
筐体2内においては、帯電器54等の大気中に放電を発生させる部材によりオゾンが生成される。オゾンは、大気中に放電を発生させる部材の放電のエネルギーによって、大気中の酸素から生成される。また、定着器60によってシートSにトナーを熱定着させる際に、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)が発生する。
【0060】
例えば、シートSに画像を形成するためのトナーには、粉体の流動性を付与する目的で疏水化処理されたナノサイズのアモルファスシリカが外添されており、このアモルファスシリカに起因して有機シリコーン成分であるシロキサンが有機性揮発成分として発生する。さらに、トナーは、筐体2内に浮遊する粉塵となり得る。
【0061】
活性炭フィルタであるフィルタ本体71は、筐体2内において発生するこれらのオゾン、揮発性有機化合物、および粉塵を吸着することにより捕集可能である。フィルタ本体71は、所定量の吸着成分を吸着すると吸着性能が低減し、吸着性能が低減することにより寿命に到達する。
【0062】
フィルタケース72は、フィルタ本体71の上下方向および前後方向に面する外周面を覆っており、フィルタ本体71の上面を覆う上部材721と、フィルタ本体71の下面を覆う下部材722と、フィルタ本体71の後面を覆う後部材723と、フィルタ本体71の前面を覆う前部材724とを備えている。フィルタケース72の後部材723には、磁石74が取り付けられている。
【0063】
第1フィルタ70におけるフィルタケース72の外周面には、第1シール73が取り付けられている。第1シール73は、フィルタケース72の上部材721に取り付けられる上シール731と、フィルタケース72の下部材722に取り付けられる下シール732と、フィルタケース72の後部材723に取り付けられる後シール733と、フィルタケース72の前部材724に取り付けられる前シール734とを有している。
【0064】
第1シール73は、第1フィルタ70が第1フィルタ支持部24aに支持された状態において、フィルタホルダ24における第1フィルタ支持部24aと、第1フィルタ70におけるフィルタケース72との間に介在して、第1フィルタ支持部24aと第1フィルタ70との間の隙間を埋めている。
【0065】
具体的には、上シール731は第1フィルタ70の上面とフィルタホルダ24の上壁241との間に介在し、下シール732は第1フィルタ70の下面とフィルタホルダ24の下壁242との間に介在し、後シール733は第1フィルタ70の後面とフィルタホルダ24の後壁243との間に介在し、前シール734は第1フィルタ70の前面とフィルタホルダ24の前壁244との間に介在している。
【0066】
つまり、画像形成装置1は、第1フィルタ70の周囲に位置し、フィルタホルダ24に装着された第1フィルタ70と第1フィルタ支持部24aとの隙間を埋める第1シール73を備えている。
【0067】
図7に示すように、第2フィルタ80はオゾン分解触媒フィルタであり、二酸化マンガン等のオゾン分解触媒を担持した紙、アルミニウム等の金属、またはセラミックスをハニカム状に形成したオゾン分解触媒ハニカムフィルタにて構成されている。第2フィルタ80は、左右方向に面する面が最も大きい直方体形状に形成されている。
【0068】
但し、第2フィルタ80は、オゾン分解触媒ハニカムフィルタだけでなく、オゾン分解触媒を担持した不織布により形成されるオゾン分解触媒不織布フィルタ、およびオゾン分解触媒を担持した素材を折り畳んで形成されたオゾン分解触媒プリーツフィルタ等、オゾン分解触媒を担持した素材により形成された他の形態のオゾン分解触媒フィルタにて構成することも可能である。
【0069】
オゾン分解触媒フィルタである第2フィルタ80は、筐体2内において発生するオゾンを捕集して分解することが可能である。第2フィルタ80においては、捕集したオゾンが分解されることにより離脱するため、第2フィルタ80は、高い分解性能を長期間にわたって維持することが可能である。従って、第2フィルタ80が寿命に到達するまでの期間は、第1フィルタ70よりも長くなっており、第2フィルタ80は第1フィルタ70よりも長寿命である。
【0070】
一方、例えばシロキサン等の有機性揮発成分および粉塵を含んだ空気が第2フィルタ80を通過すると、有機性揮発成分および粉塵が第2フィルタ80の表面に付着してオゾン分解触媒と結合する。従って、有機性揮発成分および粉塵が第2フィルタ80の表面に付着すると、オゾン分解触媒の触媒活性点が有機性揮発成分および粉塵によって不可逆的に被覆されてしまい、オゾン分解触媒の触媒性能が低下するため、第2フィルタ80の寿命が短縮される原因となる。
【0071】
図7、
図8に示すように、画像形成装置1は、第2フィルタ80の周囲に位置し、フィルタホルダ24に装着された第2フィルタ80と第2フィルタ支持部24bとの隙間を埋める第2シール81を備えている。
【0072】
第2シール81は、第2フィルタ80の上面とフィルタホルダ24の上壁241との間に介在する上シール811と、第2フィルタ80の下面とフィルタホルダ24の下壁242との間に介在する下シール812と、第2フィルタ80の後面とフィルタホルダ24の後壁243との間に介在する後シール813と、第2フィルタ80の前面とフィルタホルダ24の前壁244との間に介在する前シール814とを有している。
【0073】
第2シール81の上シール811、後シール813、および前シール814は、それぞれフィルタホルダ24の第2フィルタ支持部24bにおける上壁24、後壁243、および前壁244に取り付けられている。第2シール81の下シール812は、第2フィルタ80の下面に取り付けられている。
【0074】
このように構成される画像形成装置1においては、ファン66が作る気流は、筐体2の右側面23における開口23aを通じてフィルタホルダ24内に侵入し、第1フィルタ支持部24aに支持される第1フィルタ70、および第2フィルタ支持部24bに支持される第2フィルタ80を順に通過する。第1フィルタ70および第2フィルタ80を通過した気流を形成する空気は、フィルタホルダ24における右壁245の通風孔245aを通じて、フィルタホルダ24の外部に排気される。
【0075】
この場合、フィルタホルダ24内に侵入した気流が第1フィルタ70を通過するときに、気流を形成する空気に含まれるオゾン、揮発性有機化合物、および粉塵が第1フィルタ70によって捕集され、気流から除去される。また、第1フィルタ70を通過した気流が第2フィルタ80を通過するときには、気流を形成する空気内に残存するオゾンが第2フィルタ80によって捕集され、気流から除去される。従って、通風孔245aからは、オゾン、揮発性有機化合物、および粉塵の含有量が低減された空気が外部に排気される。
【0076】
また、第2フィルタ80を通過する気流を形成する空気は、第1フィルタ70を通過して揮発性有機化合物および粉塵等が除去された空気であるため、ファン66が作る気流が第2フィルタ80を通過する際に、第2フィルタ80に付着する有機性揮発成分および粉塵等の量を低減することができ、第2フィルタ80の寿命が短縮されることを抑制できる。
【0077】
また、フィルタホルダ24における第1フィルタ支持部24aと第1フィルタ70との間の隙間、およびフィルタホルダ24における第2フィルタ支持部24bと第2フィルタ80との間の隙間は、それぞれ第1シール73および第2シール81によって埋められている。従って、ファン66が作る気流が第1フィルタ70および第2フィルタ80を通過するときに、フィルタホルダ24と第1フィルタ70および第2フィルタ80との間から気流が漏れることを抑制でき、気流を効率良く第1フィルタ70および第2フィルタ80に案内して通過させことができる。
【0078】
[第2フィルタの第2フィルタ支持部への装着]
図9に示すように、第2フィルタ80を、フィルタホルダ24の第2フィルタ支持部24bに装着するときには、まず、第2フィルタ80の上面側を筐体2の内部から開口23aを通じてフィルタホルダ24内に挿入し、フィルタホルダ24の第2フィルタ支持部24bにおける上壁24に第2フィルタ80の上面を当接させる。その後、第2フィルタ80の下面側をフィルタホルダ24内に挿入して、第2フィルタ80を第2フィルタ支持部24bに装着する。
【0079】
フィルタホルダ24においては、左右方向における第2フィルタ支持部24bと第1フィルタ支持部24aとの境界部分に、上壁24から下方に突出する固定用リブ248が設けられている。従って、第2フィルタ支持部24bの上壁24に当接させた第2フィルタ80が第1フィルタ支持部24a側へずれることが抑制され、第2フィルタ80を容易に第2フィルタ支持部24bに装着することが可能となっている。
【0080】
この場合、第2フィルタ支持部24bにおける上壁24、後壁243、および前壁244には、それぞれ第2シール81の上シール811、後シール813、および前シール814が取り付けられ、第2フィルタ80の下面には第2シール81の下シール812が取り付けられているため、第2フィルタ80を第2フィルタ支持部24bに装着することで、第2フィルタ80と第2フィルタ支持部24bとの間が、全周にわたって第2シール81によって埋めることが可能となっている。
【0081】
[第1フィルタの第1フィルタ支持部に対する着脱]
図10、
図11に示すように、フィルタホルダ24の後壁243に形成された第1交換口243aは、前後方向から見て第1フィルタ支持部24aと重なる位置に配置されている。第1フィルタ70は、フィルタホルダ24の後壁243に形成された第1交換口243aを通じて第1フィルタ支持部24aに着脱可能となっている。
【0082】
例えば、第1フィルタ支持部24aに装着されている第1フィルタ70をフィルタホルダ24から取り出すときには、第1ドア246を開いて第1交換口243aを開放することにより、第1交換口243aを通じて第1フィルタ70を第1フィルタ支持部24aから引き出すことが可能となる。
【0083】
また、第1フィルタ70を第1フィルタ支持部24aに装着するときには、第1ドア246を開いて第1交換口243aを開放することにより、第1交換口243aを通じて第1フィルタ70を第1フィルタ支持部24aに挿入することが可能となる。
【0084】
従って、第1フィルタ支持部24aに装着された第1フィルタ70が寿命に達した場合には、寿命に達した第1フィルタ70を、第1交換口243aを通じて新しい第1フィルタ70に交換することができる。
【0085】
このように、フィルタホルダ24は、第1フィルタ70を交換するための第1交換口243aを有しているため、第2フィルタ80を第2フィルタ支持部24bに支持した状態で、第1フィルタ70を第1交換口243aを通じて第1フィルタ支持部24aに着脱することが可能である。
【0086】
これにより、気流が流れる方向の下流に位置し、まだ寿命に達していない第2フィルタ80を第2フィルタ支持部24bに支持した状態で、気流が流れる方向の上流に位置し、空気中に浮遊する揮発性有機化合物および粉塵等が付着して寿命に達した第1フィルタ70のみを交換することが可能となる。なお、第1フィルタ70の交換タイミングは、印刷におけるドットカウントまたは印刷したシートSの枚数カウント等によって検知することができる。
【0087】
また、活性炭フィルタである第1フィルタ70は、オゾン分解触媒フィルタである第2フィルタ80よりも安価であり、第2フィルタ80を第2フィルタ支持部24bに支持した状態で第1フィルタ70を交換することで、フィルタ交換に要するコストを低減することが可能となる。
【0088】
また、フィルタホルダ24は、第1交換口243aを開閉する第1ドア246を有しているため、第1フィルタ70を第1フィルタ支持部24aに装着した後は、第1ドア246によって第1交換口243aを閉じて、ファン66が作る気流が第1交換口243aから漏れることを抑制できる。これにより、ファン66が作る気流を、効率良く第1フィルタ70に通過させることが可能となる。
【0089】
また、第1ドア246が有する固定板247は、第1ドア246を閉じたときに、フィルタケース72の後部材723に取り付けられた磁石74と対向する位置に配置されている。従って、第1ドア246を閉じた際には、固定板247が第1フィルタ70の磁石74に吸着されて、第1ドア246が閉じた状態に保持される。これにより、第1ドア246が不意に開いて第1交換口243aから空気が漏れることを抑制できる。
【0090】
[フィルタホルダの第2実施形態]
フィルタホルダ24は、第2実施形態に係るフィルタホルダ24Aのように構成することもできる。
図12、
図13に示すように、フィルタホルダ24Aは、右壁245および固定用リブ248の代わりに、第2ドア245Aおよび固定用リブ248Aを備えるとともに、第2交換口245aを有している点で、フィルタホルダ24と異なっている。フィルタホルダ24Aのその他の構成は、フィルタホルダ24と同様である。
【0091】
フィルタホルダ24Aは、ファン66が作る気流が流れる方向の下流端部となる右端部に、左右方向に連通する第2交換口245aを有している。フィルタホルダ24Aは、第2交換口245aを開閉する第2ドア245Aを有している。第2ドア245Aは、左右方向に連通し、空気が流通可能な通風孔249を有している。通風孔249は、空気が流通可能な孔の一例である。
【0092】
第2ドア245Aが第2交換口245aを閉じている状態においては、第2フィルタ支持部24bに装着されている第2フィルタ80は、第2ドア245Aによって第2フィルタ支持部24bに保持される。また、第2ドア245Aが閉じている状態において、フィルタホルダ24A内の空気通路240を右方へ向かって流れる気流は、通風孔249を通じて筐体2の外部へ流通することが可能である。
【0093】
フィルタホルダ24Aの固定用リブ248Aは、左右方向における第2フィルタ支持部24bと第1フィルタ支持部24aとの境界部分において、フィルタホルダ24Aの内周面から内周側へ突出している。固定用リブ248Aは、フィルタホルダ24Aの内周面における全周にわたって形成されている。固定用リブ248Aは、第2フィルタ支持部24bに支持される第2フィルタ80が、第1フィルタ支持部24a側へずれることを規制している。
【0094】
フィルタホルダ24Aにおいては、第2フィルタ80は、第2交換口245aを通じて第2フィルタ支持部24bに着脱可能となっている。なお、本実施形態においては、第2フィルタ80の外周の全周にわたって第2シール81が取り付けられている。
【0095】
例えば、第2フィルタ支持部24bに装着されている第2フィルタ80をフィルタホルダ24Aから取り出すときには、第2ドア245Aを開いて第2交換口245aを開放することにより、第2交換口245aを通じて第2フィルタ80を第2フィルタ支持部24bから引き出すことが可能となる。
【0096】
また、第2フィルタ80を第2フィルタ支持部24bに装着するときには、第2ドア245Aを開いて第2交換口245aを開放することにより、第2交換口245aを通じて第2フィルタ80を第2フィルタ支持部24bに挿入することが可能となる。
【0097】
従って、第2フィルタ支持部24bに装着された第2フィルタ80が寿命に達した場合には、寿命に達した第2フィルタ80を、第2交換口245aを通じて新しい第2フィルタ80に交換することができる。
【0098】
このように、フィルタホルダ24Aは、第2フィルタ80を交換するための第2交換口245aを有しているため、第1フィルタ70を第1フィルタ支持部24aに支持した状態で、第2フィルタ80を第2交換口245aを通じて第2フィルタ支持部24bに着脱することが可能である。これにより、第1フィルタ70とは別に、寿命に達した第2フィルタ80のみを交換することができる。なお、第2フィルタ80の交換タイミングは、印刷におけるドットカウントまたは印刷したシートSの枚数カウント等によって検知することができる。
【0099】
第2交換口245aを開閉する第2ドア245Aは、空気が流通可能な通風孔249を有しているため、第2ドア245Aを閉じて第2交換口245aを塞いだ状態においても、ファン66が作る気流を、通風孔249を通じて筐体2の内部と外部との間で流通させることが可能である。
【0100】
[フィルタホルダの第3実施形態]
フィルタホルダ24は、第3実施形態に係るフィルタホルダ24Bのように構成することもできる。
図14に示すように、フィルタホルダ24Bは、主に第1フィルタ支持部24aおよび第2フィルタ支持部24bに加えて、第3フィルタ90を支持する第3フィルタ支持部24cを備えている点で、フィルタホルダ24と異なっている。
【0101】
第3フィルタ支持部24cは、フィルタホルダ24Bの空気通路240における、第2フィルタ支持部24bの右方に位置している。第3フィルタ支持部24cに支持される第3フィルタ90は、ファン66が作る気流が流れる方向において、第2フィルタ80の下流に配置されている。第3フィルタ90は、第1フィルタ70と同様に構成される活性炭フィルタである。
【0102】
ファン66が作る気流は、筐体2の右側面23における開口23aを通じてフィルタホルダ24B内に侵入し、第1フィルタ70、第2フィルタ80、および第3フィルタ90を順に通過する。第1フィルタ70、第2フィルタ80、および第3フィルタ90を通過した気流を形成する空気は、フィルタホルダ24における右壁245の通風孔245aを通じて、フィルタホルダ24の外部に排気される。
【0103】
つまり、第1フィルタ70を通過することによりオゾン、揮発性有機化合物、および粉塵が捕集されるとともに、第2フィルタ80を通過することによりオゾンが捕集された空気は、第3フィルタ90を通過することにより、オゾン、揮発性有機化合物、および粉塵がさらに捕集された後にフィルタホルダ24の外部に排気される。
【0104】
また、第3フィルタ90はフィルタホルダ24の右壁245に隣接して配置されているため、筐体2およびフィルタホルダ24の外部に漂う有機シリコーン成分や粉塵等の汚染成分を第3フィルタ90によって捕集することが可能である。
【0105】
従って、筐体2およびフィルタホルダ24の外部に漂う有機シリコーン成分や粉塵等の汚染成分がフィルタホルダ24の内部に侵入して、第2フィルタ80に付着することを抑制できる。これにより、第2フィルタ80の寿命が短縮されることをより抑制することが可能である。
【0106】
また、フィルタホルダ24Bにおいては、第2フィルタ80の左右方向へのずれを抑制する固定用リブ248が、第2フィルタ支持部24bと第1フィルタ支持部24aとの境界部分に加えて、第2フィルタ支持部24bと第3フィルタ支持部24cとの境界部分にも設けられている。
【0107】
従って、第2フィルタ80は、装着位置が第1フィルタ支持部24a側へずれること、および第3フィルタ支持部24c側へずれることの両方が抑制されて、第2フィルタ支持部24bに保持される。
【0108】
また、フィルタホルダ24Bの後壁243は、前後方向に連通する第3交換口243bを有している。第3交換口243bは、前後方向から見て第3フィルタ支持部24cと重なる位置に配置されている。フィルタホルダ24Bは、第3交換口243bを開閉する第3ドア250を有している。
【0109】
第3ドア250は、開く方向が左右対称となっている以外は、第1ドア246と同様に構成されている。第3フィルタ90は、第3ドア250を開いた状態で、第3交換口243bを通じて第3フィルタ支持部24cに着脱可能となっている。フィルタホルダ24Bのその他の構成は、フィルタホルダ24と同様である。
【0110】
[フィルタホルダの第4実施形態]
フィルタホルダ24は、第4実施形態に係るフィルタホルダ24Cのように構成することもできる。
図15に示すように、フィルタホルダ24Cは、右壁245の代わりに、右壁245Cを備えている点で、フィルタホルダ24と異なっている。フィルタホルダ24Cのその他の構成は、フィルタホルダ24と同様である。
【0111】
右壁245Cには、左右方向に連通する開口251が形成されている。また、右壁245Cには、開口251を開閉可能なシャッタ252が設けられている。シャッタ252は、画像形成装置1の動作状態に応じて開閉するように、画像形成装置1が備える制御装置によって制御されている。
【0112】
例えば、制御装置は、画像形成装置1によるシートSへの印刷動作が行われているときシャッタ252が開いて、画像形成装置1によるシートSへの印刷動作が行われていないときにシャッタ252が閉じるように、シャッタ252の動作を制御することができる。
【0113】
このように、右壁245Cに、開口251を開閉可能なシャッタ252を設けることで、画像形成装置1の動作時にはシャッタ252を開いて、ファン66が作る気流に含まれるオゾン、揮発性有機化合物、および粉塵を捕集した後に、オゾン、揮発性有機化合物、および粉塵の含有量が低減された空気を開口251から外部に排気することができる。
【0114】
一方、画像形成装置1が動作していないときには、シャッタ252を閉じて、筐体2およびフィルタホルダ24の外部に漂う有機シリコーン成分や粉塵等の汚染成分が、開口251からフィルタホルダ24の内部に侵入することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0115】
1 画像形成装置
2 筐体
23 右側面
23a 開口
24 フィルタホルダ
24a 第1フィルタ支持部
24b 第2フィルタ支持部
60 定着器
66 ファン
70 第1フィルタ
73 第1シール
80 第2フィルタ
81 第2シール
240 空気通路
243 後壁
243a 第1交換口
245A 第2ドア
245a 第2交換口
246 第1ドア
PU プロセスユニット
S シート