(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099321
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】セット商品生成装置、セット商品生成方法およびセット商品生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240718BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003177
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】名倉 祥仁
(72)【発明者】
【氏名】大石 遼平
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB63
5L030BB72
5L049BB63
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】トレジャーハント商品の利益管理を把握することができるセット商品生成装置、セット商品生成方法およびセット商品生成プログラムを提供する。
【解決手段】本実施形態のセット商品生成装置であって、在庫データおよびロット詳細データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報をモニタに出力し、売上実績データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の売上実績情報をモニタに出力し、オペレータによって在庫情報および売上実績情報から選択された複数の商品を組み合わせて1つのセット商品として加工して登録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えるセット商品生成装置であって、
商品コード毎に、商品名、ロット番号、現在庫数、原価単価および原価金額を対応付けた在庫データと、
商品コード毎に、商品名、ロット番号および入荷日を対応付けたロット詳細データと、
商品コード毎に、売上日、商品名、売上数、売上単価および売上金額を対応付けた売上実績データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記在庫データおよび前記ロット詳細データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報をモニタに出力させる在庫情報出力部と、
前記売上実績データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の売上実績情報をモニタに出力させる売上実績情報出力部と、
オペレータによって前記在庫情報および前記売上実績情報から選択された複数の商品を組み合わせて1つのセット商品として加工して登録する加工部と、
を備える、
セット商品生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセット商品生成装置であって、
前記加工部は、
前記セット商品を前記選択された複数の商品それぞれの在庫の数量を合算した数量を登録する、
セット商品生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載のセット商品生成装置であって、
前記加工部は、
前記在庫データを参照し、前記選択された複数の商品それぞれの原価金額を集計し、この集計結果を前記セット商品の数量で除算して前記セット商品の原価を按分して登録する、
セット商品生成装置。
【請求項4】
請求項3に記載のセット商品生成装置であって、
前記加工部は、
前記在庫データ、前記ロット詳細データおよび前記売上実績データを参照し、前記選択された複数の商品それぞれの情報および前記セット商品の情報をモニタに出力させる、
セット商品生成装置。
【請求項5】
請求項4に記載のセット商品生成装置であって、
商品コード毎に、商品名および単価を対応付けた単価マスタにさらにアクセス可能であり、
前記加工部は、
入力される前記セット商品の売上単価に応じた前記セット商品の粗利をモニタに出力する、
セット商品生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載のセット商品生成装置であって、
前記加工部は、
前記単価マスタに前記セット商品の売上単価を格納する、
セット商品生成装置。
【請求項7】
請求項6に記載のセット商品生成装置であって、
前記加工部は、
前記選択された複数の商品それぞれの数量を、前記セット商品の数量に付け替えて前記在庫データを更新する、
セット商品生成装置。
【請求項8】
請求項7に記載のセット商品生成装置であって、
前記在庫情報出力部は、
前記在庫データと、前記基準日と、に基づいて、所定の日数経過した前記在庫情報の商品を強調表示してモニタに出力し、
前記売上実績情報出力部は、
前記売上実績データと、前記基準日と、に基づいて、所定の数を販売した前記売上実績情報の商品を強調表示してモニタに出力する、
セット商品生成装置。
【請求項9】
制御部を備えるセット商品生成装置で実行されるセット商品生成方法であって、
前記セット商品生成装置は、
商品コード毎に、商品名、ロット番号、現在庫数、原価単価および原価金額を対応付けた在庫データと、
商品コード毎に、商品名、ロット番号および入荷日を対応付けたロット詳細データと、
商品コード毎に、売上日、商品名、売上数、売上単価および売上金額を対応付けた売上実績データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
前記在庫データおよび前記ロット詳細データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報をモニタに出力させる在庫情報出力ステップと、
前記売上実績データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の売上実績情報をモニタに出力させる売上実績情報出力ステップと、
オペレータによって前記在庫情報および前記売上実績情報から選択された複数の商品を組み合わせて1つのセット商品として加工して登録する加工ステップと、
を含むこと、
を特徴とするセット商品生成方法。
【請求項10】
制御部を備えるセット商品生成装置に実行させるためのセット商品生成プログラムであって、
前記セット商品生成装置は、
商品コード毎に、商品名、ロット番号、現在庫数、原価単価および原価金額を対応付けた在庫データと、
商品コード毎に、商品名、ロット番号および入荷日を対応付けたロット詳細データと、
商品コード毎に、売上日、商品名、売上数、売上単価および売上金額を対応付けた売上実績データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部に実行させるための、
前記在庫データおよび前記ロット詳細データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報をモニタに出力させる在庫情報出力ステップと、
前記売上実績データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の売上実績情報をモニタに出力させる売上実績情報出力ステップと、
オペレータによって前記在庫情報および前記売上実績情報から選択された複数の商品を組み合わせて1つのセット商品として加工して登録する加工ステップと、
を含むこと、
を特徴とするセット商品生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セット商品生成装置、セット商品生成方法およびセット商品生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、単品商品としてもセット商品としても販売される商品の在庫情報や売上情報を把握することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、食品業界および小売業界では、単価やグレードが異なる複数の商品を組み合わせたセット商品(以下、「トレジャーハント商品」という)を販売している。このトレジャーハント商品は、売れ残った商品と売れ筋商品を組み合わせて一つの商品として販売することで、何が当たるか分からないゲーム性を持たせつつ、商品の売れ残りを低減するものである。
【0005】
しかしながら、トレジャーハント商品は、色々な価値および原価を有する商品を均一の値段で販売するため、組み込んだ高額商品の利益が出ない一方、低額商品の利益が出ているように計上されてしまう。このため、販売者は、トレジャーハント商品全体での利益が出ているかどうかも把握することが難しく、収益貢献が難しかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、トレジャーハント商品の利益管理を把握することができるセット商品生成装置、セット商品生成方法およびセット商品生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るセット商品生成装置は、制御部を備えるセット商品生成装置であって、商品コード毎に、商品名、ロット番号、現在庫数、原価単価および原価金額を対応付けた在庫データと、商品コード毎に、商品名、ロット番号および入荷日を対応付けたロット詳細データと、商品コード毎に、売上日、商品名、売上数、売上単価および売上金額を対応付けた売上実績データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記在庫データおよび前記ロット詳細データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報をモニタに出力させる在庫情報出力部と、前記売上実績データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の売上実績情報をモニタに出力させる売上実績情報出力部と、オペレータによって前記在庫情報および前記売上実績情報から選択された複数の商品を組み合わせて1つのセット商品として加工して登録する加工部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係るセット商品生成方法は、制御部を備えるセット商品生成装置で実行されるセット商品生成方法であって、前記セット商品生成装置は、商品コード毎に、商品名、ロット番号、現在庫数、原価単価および原価金額を対応付けた在庫データと、商品コード毎に、商品名、ロット番号および入荷日を対応付けたロット詳細データと、商品コード毎に、売上日、商品名、売上数、売上単価および売上金額を対応付けた売上実績データと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、前記在庫データおよび前記ロット詳細データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報をモニタに出力させる在庫情報出力ステップと、前記売上実績データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の売上実績情報をモニタに出力させる売上実績情報出力ステップと、オペレータによって前記在庫情報および前記売上実績情報から選択された複数の商品を組み合わせて1つのセット商品として加工して登録する加工ステップと、を含む。
【0009】
また、本発明に係るセット商品生成プログラムは、制御部を備えるセット商品生成装置に実行させるためのセット商品生成プログラムであって、前記セット商品生成装置は、商品コード毎に、商品名、ロット番号、現在庫数、原価単価および原価金額を対応付けた在庫データと、商品コード毎に、商品名、ロット番号および入荷日を対応付けたロット詳細データと、商品コード毎に、売上日、商品名、売上数、売上単価および売上金額を対応付けた売上実績データと、にアクセス可能であり、前記制御部に実行させるための、前記在庫データおよび前記ロット詳細データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報をモニタに出力させる在庫情報出力ステップと、前記売上実績データを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の売上実績情報をモニタに出力させる売上実績情報出力ステップと、オペレータによって前記在庫情報および前記売上実績情報から選択された複数の商品を組み合わせて1つのセット商品として加工して登録する加工ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トレジャーハント商品の利益管理を把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係るセット商品生成装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るセット商品生成装置が備える記憶部の在庫データ106aにおける在庫データテーブルの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るセット商品生成装置が備える記憶部のロット詳細データ106bにおけるロット詳細データテーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るセット商品生成装置が備える記憶部の売上実績データ106cにおける売上実績データテーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るセット商品生成装置が備える記憶部の単価マスタ106dにおける単価マスタテーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るセット商品生成装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係るセット商品生成装置のモニタが表示する在庫照会画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るセット商品生成装置のモニタが表示する売上実績照合画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るセット商品生成装置のモニタが表示する加工入力画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、加工ヘッダデータにおける加工ヘッダデータテーブルの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、加工払出明細データにおける加工払出明細データテーブルの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、加工受入明細データにおける加工受入明細データテーブルの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、更新後の在庫データにおける在庫データテーブルの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、更新後の単価マスタにおける単価マスタテーブルの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係るセット商品生成装置のモニタが表示する受注入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係るセット商品生成装置、セット商品生成方法およびセット商品生成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[1.構成]
本実施形態に係るセット商品生成装置の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、セット商品生成装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
【0014】
図1に示すセット商品生成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、セット商品生成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0015】
セット商品生成装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108と、を備えている。セット商品生成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0016】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、セット商品生成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と、通信回線と、を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、セット商品生成装置100と、サーバ200と、を相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0017】
入出力インターフェース部108には、入力装置112と、出力装置114と、が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0018】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、在庫データ106aと、ロット詳細データ106bと、売上実績データ106cと、単価マスタ106dと、を記憶している。
【0019】
在庫データ106aは、商品コード毎に、倉庫コード、倉庫名、商品名、ロット番号、現在在庫、原価単価および原価金額を対応付けて記憶している。
【0020】
図2は、在庫データ106aにおける在庫データテーブルの一例を示す図である。
図2に示す在庫データテーブルT1の1行目には、商品コード「0001」に、倉庫コード「SO001」、倉庫名「センター倉庫」、商品名「フランス産 赤ワイン 2022年産」、ロット番号「LOT1001」、現在在庫「5」、原価単価「1,600」および原価金額「8,000」を対応付けて記憶している。
【0021】
ロット詳細データ106bは、商品コード毎に、商品名、ロット番号および入荷日を対応付けて記憶する。
【0022】
図3は、ロット詳細データ106bにおけるロット詳細データテーブルの一例を示す図である。
図3に示すロット詳細データテーブルT2の1行目には、商品コード「0001」に、商品名「フランス産 赤ワイン 2022年産」、ロット番号「LOT1001」および入荷日「2022/5/14」を対応付けて記憶している。
【0023】
売上実績データ106cは、商品コード毎に、売上日、商品名、売上数、売上単価および売上金額を対応付けて記憶している。
【0024】
図4は、売上実績データ106cにおける売上実績データテーブルの一例を示す図である。
図4に示す売上実績データテーブルT3の1行目には、商品コード「0002」に、売上日「2022/11/1」、商品名「スペイン産 赤ワイン 2020年産」、売上数「1」、売上単価「1,500」および売上金額「1,500」を対応付けて記憶している。
【0025】
単価マスタ106dは、商品コード毎に、商品名および単価を対応付けて記憶している。
【0026】
図5は、単価マスタ106dにおける単価マスタテーブルの一例を示す図である。
図5に示す単価マスタテーブルT4の1行目には、商品コード「0001」に、商品名「フランス産 赤ワイン 2022年産」、単価「1,800」を対応付けて記憶している。
【0027】
図1に戻り、セット商品生成装置100の構成の説明を続ける。
制御部102は、セット商品生成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、在庫情報出力部102aと、売上実績情報出力部102bと、加工部102cと、受注入力部102dと、を備える。
【0028】
在庫情報出力部102aは、在庫データ106aおよびロット詳細データ106bを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報をモニタ114に出力させる在庫照合処理を実行する。
【0029】
売上実績情報出力部102bは、売上実績データ106cを参照し、入力される基準日に応じて商品コード毎の売上実績情報をモニタ114に表示させる売上実績照合処理を実行する。
【0030】
加工部102cは、モニタ114が表示する在庫情報および売上実績情報からオペレータが選択した複数の商品を組み合わせて1つのセット商品として加工してトレジャーハント商品として登録するための加工入力画面をモニタ114に表示させて登録する加工入力処理を実行する。
【0031】
受注入力部102dは、受注入力部102dは、オペレータが入力装置112を介して、モニタ114が表示する入力画面にトレジャーハント商品の受注(販売)を入力する受注入力処理を実行する。
【0032】
[2.セット商品生成装置が実行する処理]
次に、セット商品生成装置100が実行する処理について説明する。
図6は、セット商品生成装置100が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0033】
図6に示すように、在庫情報出力部102aは、在庫データ106a(
図2を参照)およびロット詳細データ106b(
図3を参照)を参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報をモニタ114に出力させる在庫照合処理を実行する(ステップS1)。
【0034】
図7は、モニタ114が表示する在庫照会画面の一例を示す図である。
図7に示す在庫照合画面P1には、オペレータが入力装置112を介して在庫場所を入力する在庫場所セルH1、基準日を入力する基準日セルK1および基準日に応じた商品コード毎の在庫情報に対応する在庫情報テーブルB1が含まれる。
【0035】
図7に示すように、在庫情報出力部102aは、在庫データ106aおよびロット詳細データ106bを参照し、入力される基準日に応じた商品コード毎の在庫情報に対応する在庫情報テーブルB1を表示する。この場合、在庫情報出力部102aは、商品コード毎に、商品名、数量、基準日と入荷日とに基づく在庫日数およびロット番号を対応付けた在校情報に対応する在庫情報テーブルB1を表示する。例えば、在庫情報出力部102aは、商品コード「0001」の場合、基準日が「2022/11/30」であり、入荷日が「2022/5/14」(
図3を参照)のため、在庫日数を「200」と算出して在庫情報テーブルB1に表示する。
【0036】
さらに、在庫情報出力部102aは、在庫日数が所定の日数、例えば100日以上を経過している商品コードのセルを強調表示してモニタ114に表示させる。例えば、在庫情報出力部102aは、セルまたは文字を黄色、赤色等で強調してモニタ114に表示させる。これにより、オペレータは、在庫日数が所定の日数を経過したものを直感的に把握することができ、売れ残りそうな商品に対して予測することができる。この場合、オペレータは、入力装置112を介して、在庫情報テーブルB1に表示される複数の商品の中から、在庫日数が多いものを選択する。例えば、
図7に示す場合、オペレータは、入力装置112を介して、商品コード「0001」、「0002」および「0005」をトレジャーハント商品として選択する。なお、オペレータは、商品コード「0007」の在庫日数が多いが、販売実績も出ており、単品で売れると判断し、トレジャーハント商品の選択から除外する。
【0037】
図6に戻り、ステップS2以降の説明を続ける。
ステップS2において、売上実績情報出力部102bは、売上実績データ106cを参照し、入力される基準日に応じて商品コード毎の売上実績情報をモニタ114に表示させる売上実績照合処理を実行する。
【0038】
図8は、モニタ114が表示する売上実績照合画面の一例を示す図である。
図8に示す売上実績照合画面P2には、オペレータが入力装置112を介して売上年月を入力する売上年月日セルK2,K3、基準日を入力する基準日セルK4および売上実績情報に対応する売上実績テーブルB2が含まれる。
【0039】
図8に示すように、売上実績情報出力部102bは、売上実績データ106cを参照し、商品コード毎に商品名および当月販売数量を対応付けた売上実績情報に対応する売上実績テーブルB2を表示する。例えば、売上実績情報出力部102bは、売上実績データ106cを参照し、オペレータが入力装置112を介して入力した売上年月日セルK2「2022/11/1」,K3「2022/11/30」および基準日セルK4「2022/11/30」に応じた商品コード毎の売上実績情報に対応する売上実績テーブルB2をモニタ114に表示させる。
【0040】
さらに、売上実績情報出力部102bは、売れ筋の商品を強調表示、例えばセルまたは文字を黄色、赤色等で強調してモニタ114に表示させる。この場合、オペレータは、入力装置112を介して、売上実績テーブルB2に表示される複数の商品の中から、当月の売れ筋の商品を選択する。例えば、
図8に示す場合、オペレータは、入力装置112を介して、商品コード「0003」および「0004」をトレジャーハント商品として選択する。
【0041】
図6に戻り、ステップS3以降の説明を続ける。
ステップS3において、加工部102cは、モニタ114が表示する在庫情報および売上実績情報からオペレータが選択した複数の商品を組み合わせて1つのセット商品として加工してトレジャーハント商品として登録するための加工入力画面をモニタ114に表示させて登録する加工入力処理を実行する(ステップS3)。
【0042】
図9は、モニタ114が表示する加工入力画面の一例を示す図である。
図9に示す加工入力画面P3には、在庫場所を入力する在庫場所セルH10、加工日を入力する加工日セルK10、払出品情報に対応する払出品テーブルB10および受入品情報に対応する受入品テーブルB11が含まれる。
【0043】
加工部102cは、オペレータが入力装置112を介して、在庫照合画面P1および売上実績照合画面P2で選択した複数の商品をトレジャーハント商品に振り替える加工入力処理を実行する。この場合、加工部102cは、在庫データ106a、ロット詳細データ106bおよび売上実績データ106cを参照し、オペレータによって選択された複数の商品それぞれの払出品情報に対応する払出品テーブルB10およびトレジャーハント商品の受入品情報に対応する受入品テーブルB11をモニタ114に表示させる。
【0044】
さらに、加工部102cは、加工ヘッダデータ、加工払出目明細データ、加工受入明細データを生成するとともに、在庫データおよび単価マスタを更新する。この場合、加工部102cは、選択された複数の商品それぞれの原価金額を集計し、この集計結果をトレジャーハント商品の数量で除算してトレジャーハント商品の原価を按分して登録する。具体的には、
図9の受入品テーブルB11に示すように、加工部102cは、選択された複数の商品それぞれの原価金額を集計した合計「46,800」をトレジャーハント商品の数量「30」で除算してトレジャーハント商品の原価「1,560」を按分(算出)して登録する。
【0045】
図10は、加工ヘッダデータにおける加工ヘッダデータテーブルの一例を示す図である。
図11は、加工払出明細データにおける加工払出明細データテーブルの一例を示す図である。
図12は、加工受入明細データにおける加工受入明細データテーブルの一例を示す図である。
図13は、更新後の在庫データ106aにおける在庫データテーブルの一例を示す図である。
図14は、更新後の単価マスタ106dにおける単価マスタテーブルの一例を示す図である。
【0046】
加工部102cは、オペレータが入力装置112を介して、在庫照合画面P1および売上実績照合画面P2で選択した複数の商品に、トレジャーハント用の箱をさらに加えて払出品とし、これらの複数の商品を組み合わせたトレジャーハント商品を受入品として加工する。この場合、加工部102cは、
図10の加工ヘッダテーブルT10、
図11の加工払出明細データテーブルT11および
図12の加工受入明細テーブルT12を生成する。
【0047】
さらに、加工部102cは、
図13の在庫データテーブルT13および
図14の単価マスタテーブルT14に示すように、在庫データ106aおよび単価マスタ106dを更新する。例えば、
図14の単価マスタテーブルT14の6行目に示すように、加工部102cは、商品コード「TH009」に、商品名「トレジャーハント商品 赤ワイン」および単価「2,200」を対応付けた情報を書き込むことによって単価マスタ106dを更新する。
【0048】
また、
図9の加工入力画面P3に示すように、オペレータは、払出側の売上単価や粗利を直感的に把握することができるため、販売先である受け入れ側の値付けのシミュレーション含めて実施ができることで、丁度いい売上単価の設定を行うことができる。即ち、オペレータは、トレジャーハント商品の値付けに関して、高すぎず利益もだせるような単価を容易に設定することができる。
【0049】
さらに、オペレータは、売れ残り商品や売れ筋以外でもECでの売上が落ちている際などにキャンペーン(広告効果)のために行うためのトレジャーハント商品を容易に作成することができる。
【0050】
図6に戻り、ステップS4以降の説明を続ける。
ステップS4において、受注入力部102dは、オペレータが入力装置112を介して、モニタ114が表示する入力画面にトレジャーハント商品の受注(販売)を入力する受注入力処理を実行する。
【0051】
図15は、モニタ114が表示する受注入力画面の一例を示す図である。
図15に示すように、受注入力画面P4には、受注日が入力される受注日セルK20と、得意先が入力される得意先セルQ20と、出荷倉庫が入力される出荷倉庫セルQ21と、受注明細情報B20とが含まれる。オペレータは、1組単位でトレジャーハント商品が販売された場合に、取引都度、利益の確保を確保できるうえ、利益を直感的に把握することができる。さらに、オペレータは、トレジャーハント商品の利益確保を促進するため、事前に消費者等に広告等を行った予約を募ることで、トレジャーハント商品の在庫が発生することを防止することができる。ステップS4の後、セット商品生成装置100は、本処理を終了する。
【0052】
以上説明した実施形態によれば、加工部102cがオペレータによって在庫情報および売上実績情報から選択された複数の商品を組み合わせて1つのトレジャーハント商品として加工して登録するため、トレジャーハント商品の利益管理を把握することができる。
【0053】
また、実施形態によれば、加工部102cがトレジャーハント商品をオペレータによって選択された複数の商品それぞれの在庫の数量を合算した数量を登録するため、通常商品からトレジャーハント商品への在庫管理を容易に管理することができる。
【0054】
また、実施形態によれば、加工部102cが行われたによって選択された複数の商品それぞれの原価金額を集計し、この集計結果をトレジャーハント商品の数量で除算してトレジャーハント商品の原価を按分して登録するため、売れ筋商品と売れ残り商品それぞれの利益を得ることができる。
【0055】
また、実施形態によれば、加工部102cが在庫データ106a、ロット詳細データ106bおよび売上実績データ106cを参照し、オペレータによって選択された複数の商品それぞれの払出品情報に対応する払出品テーブルB10およびトレジャーハント商品の受入品情報に対応する受入品テーブルB11をモニタ114に表示させる。これにより、オペレータは、自身が選択した商品を直感的に把握することができる。
【0056】
また、実施形態によれば、加工部102cが入力されるトレジャーハント商品の売上単価に応じたトレジャーハント商品の粗利をモニタ114に表示させるため、オペレータは、トレジャーハント商品の粗利を直感的に把握することができる。
【0057】
また、実施形態によれば、在庫情報出力部102aが在庫データ106aと、オペレータが入力した基準日と、に基づいて、所定の日数経過した商品の在庫情報の商品を強調表示してモニタ114に表示させ、売上実績情報出力部102bが売上実績データ106bと、オペレータが入力した基準日と、に基づいて、所定の数を販売した商品の売上実績情報の商品を強調表示してモニタ114に表示させる。これにより、オペレータは、売れ残り商品と売れ筋商品を容易に把握することができる。
【0058】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0061】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメーターを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、セット商品生成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、セット商品生成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてセット商品生成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、セット商品生成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、セット商品生成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、セット商品生成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、食品および小売業界において有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 セット商品生成装置
102 制御部
102a 在庫情報出力部
102b 売上実績情報出力部
102c 加工部
102d 受注入力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 在庫データ
106b ロット詳細データ
106c 売上実績データ
106d 単価マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク