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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099348
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】開閉補助具
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
E05B1/00 311A
E05B1/00 311R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003230
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】523013695
【氏名又は名称】吉岡 幸廣
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 幸廣
(57)【要約】
【課題】 開閉操作しやすい位置に取っ手を取り付けることができる開閉補助具を提供する。
【解決手段】 本実施形態における開閉補助具1は、取っ手本体20と、室内用の戸の周縁に設けられ、取っ手本体20を着脱自在に支持する支持部10とを有する。前記支持部10及び取っ手本体20は、戸の高さ方向において、戸を設置した設置面から40cm以下の範囲に設置される。また、取っ手本体20の表面の形状は、少なくとも動物が室内用の戸を開閉するときに触れる領域において、前足が引っ掛かる形状となっている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸の少なくとも一方の面に設けた取っ手本体と、
前記戸の周縁に設けられ、前記取っ手本体を着脱自在に支持する支持部と
を有し、
前記取っ手本体は、前記戸の高さ方向において、当該戸を設置した設置面から40cm以下の範囲に設置される
開閉補助具。
【請求項2】
前記取っ手本体は、前記戸の幅方向において、当該戸の外縁より内側となる位置に配置され、
前記取っ手本体の表面の形状は、少なくとも動物が前記戸を開閉するときに触れる領域において、前足が引っ掛かる形状となっている
請求項1に記載の開閉補助具。
【請求項3】
前記取っ手本体は、棒状であり、
前記支持部は、前記取っ手本体の一方を支持する第1の支持部と、当該取っ手本体の他方を支持する第2の支持部とを含み、
前記第1の支持部及び前記第2の支持部の並び方向に対して傾斜して、当該第1の支持部及び当該第2の支持部を連結する連結部
をさらに有する
請求項2に記載の開閉補助具。
【請求項4】
接着性及び弾性の少なくとも1つの性質を含み、前記支持部と前記戸の間に設けられた緩衝部材
をさらに有する
請求項3に記載の開閉補助具。
【請求項5】
前記支持部は、前記戸の厚み方向に当該戸を挟んで設置され、
前記戸の厚みに対応する開口幅に調節する調節部
をさらに有する
請求項4に記載の開閉補助具。
【請求項6】
前記戸は、ハンドルレバーを含む開き戸であり、
ハンドルレバーの回動動作を直線動作に変換する動作変換部
をさらに有し、
前記動作変換部は、前記取っ手本体の移動量に応じて前記戸のハンドルレバーを回動させる
請求項2に記載の開閉補助具。
【請求項7】
前記戸の左右方向に前記取っ手本体を移動させる第1のレールと、
前記第1のレールと連続し、当該第1のレールと異なる方向に前記取っ手本体を移動させる第2のレールと
をさらに有し、
前記第2のレールは、前記戸が回動する方向に対応した向きに、前記取っ手本体を移動させる
請求項6に記載の開閉補助具。
【請求項8】
戸の少なくとも一方の面に設けた取っ手本体と、
前記戸の周縁に設けられ、前記取っ手本体を着脱自在に支持する支持部と
を有し、
前記取っ手本体は、前記戸を開閉する使用者の肩から肘の範囲に設置される
開閉補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、矩形をなした開口部2 の上下部分から一方方向に平行に案内レール3を設け、この案内レール3間に、前記開口部2 を開閉する様に左右方向にスライド自在な引き戸5を設け、この引き戸5の移動側と対向する側の開口部2の外側上方にプーリー6を軸支すると共に、このプーリー6の直下に垂直にシリンダー7を設置し、このシリンダー7内にこのシリンダー7の内径よりわずかに小さい外径を有し、上下に小径のエアー通過孔10が貫通していると共に、降下時に前記エアー通過孔10を閉塞するワンウェイバルブ11を有するピストン状錘8を滑動自在に位置させ、前記プーリー6を介して引き戸5の上端とピストン状錘8との間にワイヤー9を張架し、前記ピストン状錘8の自重により、引き戸5を開口部2を閉塞する側に付勢していることを特徴とする愛玩動物用出入り装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3115165号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、開閉操作しやすい位置に取っ手を取り付けることができる開閉補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る開閉補助具は、戸の少なくとも一方の面に設けた取っ手本体と、前記戸の周縁に設けられ、前記取っ手本体を着脱自在に支持する支持部とを有し、前記取っ手本体は、前記戸の高さ方向において、当該戸を設置した設置面から40cm以下の範囲に設置される。
【0006】
好適には、前記取っ手本体の表面の形状は、少なくとも動物が前記戸を開閉するときに触れる領域において、前足が引っ掛かる形状となっている。
【0007】
好適には、前記取っ手本体は、棒状であり、前記支持部は、前記取っ手本体の一方を支持する第1の支持部と、当該取っ手本体の他方を支持する第2の支持部とを含み、前記第1の支持部及び前記第2の支持部の並び方向に対して傾斜して、当該第1の支持部及び当該第2の支持部を連結する連結部をさらに有する。
【0008】
好適には、接着性及び弾性の少なくとも1つの性質を含み、前記支持部と前記戸の間に設けられた緩衝部材をさらに有する。
【0009】
好適には、前記支持部は、前記戸の厚み方向に当該戸を挟んで設置され、前記戸の厚みに対応する開口幅に調節する調節部をさらに有する。
【0010】
好適には、前記戸は、ハンドルレバーを含む開き戸であり、ハンドルレバーの回動動作を直線動作に変換する動作変換部をさらに有し、前記動作変換部は、前記取っ手本体の移動量に応じて前記戸のハンドルレバーを回動させる。
【0011】
好適には、前記戸の左右方向に前記取っ手本体を移動させる第1のレールと、前記第1のレールと連続し、当該第1のレールと異なる方向に前記取っ手本体を移動させる第2のレールとをさらに有し、前記第2のレールは、前記戸が回動する方向に対応した向きに、前記取っ手本体を移動させる。
【0012】
また、本発明に係る開閉補助具は、戸の少なくとも一方の面に設けた取っ手本体と、前記戸の周縁に設けられ、前記取っ手本体を着脱自在に支持する支持部とを有し、前記取っ手本体は、前記戸を開閉する使用者の肩から肘の範囲に設置される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、開閉操作しやすい位置に取っ手を取り付けることができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態における開閉補助具1を例示する図である。
図2図1の開閉補助具1を例示する拡大斜視図である。
図3】室内用戸Dに設置前の開閉補助具1の詳細を例示する図である。
図4】室内用戸Dに設置後の開閉補助具1の詳細を例示する図である。
図5】連結部30で一対の支持部10を連結した状態を例示する図である。
図6】取っ手本体20の取り付けを説明する図である。
図7-1】実施形態の開閉補助具1における変形例1を例示する図である。
図7-2】実施形態の開閉補助具1における変形例1を例示する図である。
図7-3】ハンドルレバーLにロープRを取り付けた状態を例示する図である。
図8】実施形態の開閉補助具1における変形例2を例示する図である。
図9】実施形態の開閉補助具1における変形例3を例示する図である。
図10】実施形態の開閉補助具1における変形例4を例示する図である。
図11】実施形態の開閉補助具1における変形例5を例示する図である。
図12】実施形態の開閉補助具1における変形例6を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
まず、図1図5を参照し、開閉補助具1の構成を説明する。
図1は、本実施形態における開閉補助具1を例示する図である。
図1に例示するように、開閉補助具1は、例えば引き戸又は開き戸である室内用戸D(以下、戸D)の開閉動作を行いやすく助けるための器具である。開閉補助具1は、戸Dに設置され、例えば、犬や猫等の愛玩動物又は人による戸Dの開閉動作を補助する。
本例の開閉補助具1は、引き戸である戸Dに設置され、猫であるペットPによる戸Dの開扉動作を補助する場合を具体例として説明する。また、本例の戸Dは、室内用であるため、例えば、MDF(中質繊維板)などの木質建材の下地に合成樹脂シートを貼付した戸、MDFなどの木質建材の下地に天然木の突き板を貼付した戸、又は、無垢材で形成した戸であり、ペットPの爪で傷つきやすい内装建具である。
【0016】
図2は、図1の開閉補助具1を例示する拡大斜視図である。
図3は、室内用戸Dに設置前の開閉補助具1の詳細を例示する図である。
図4は、室内用戸Dに設置後の開閉補助具1の詳細を例示する図である。
図5は、連結部30で一対の支持部10を連結した状態を例示する図である。
図2図5に例示するように、開閉補助具1は、支持部10、取っ手本体20、連結部30、及び、傷防止保護材40を有する。支持部10、及び、取っ手本体20は、四つ足で立った状態のペットPが前足を掛けて、戸Dを開きやすい位置となる高さに設置される。支持部10、及び、取っ手本体20は、戸Dの高さ方向において、戸Dを設置した床(設置面)から40cm以下の範囲(範囲H)に設置される。本例の支持部10、及び、取っ手本体20は、10cm以上30cm以下の範囲に設置する。なお、支持部10、及び、取っ手本体20の設置位置は、ペットPの種類や大きさに応じて適宜変更することができる。
【0017】
支持部10は、図1に例示するように、戸Dの周縁に設けられ、取っ手本体20を着脱自在に支持する部材である。支持部10は、弾性変形可能な合成樹脂で形成され、例えばポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、又はABS樹脂(ABS)等の合成樹脂である。また、支持部10は、弾性変形可能な合成樹脂と、金属との組合せで構成してもよい。
また、支持部10は、図2に例示するように、取っ手本体20の一方を支持する第1の支持部10Aと、取っ手本体20の他方を支持する第2の支持部10Bとを含む。第1の支持部10A及び第2の支持部10Bは、取っ手本体20の長さ方向に離間している。なお、第1の支持部10Aおよび第2の支持部10Bは、実質的に同様の構成であり、特に区別する必要がない場合は、単に支持部10と称呼する。
支持部10は、図3に例示するように、第1部材100、第2部材102、第3部材104、及び、溝106を含む。第1部材100、第2部材102、及び第3部材104は、一体的に形成される。
第1部材100は、合成樹脂で形成された板状であり、後述する第2部材102と離間して対向する位置に設けた部材である。
第2部材102は、合成樹脂で形成された板状であり、第1部材100と離間して対向する位置に設けた部材である。
第3部材104は、合成樹脂または金属で形成された板状であり、離間して対向する位置に設けた第1部材100の一方の端部と、第2部材102の一方の端部とを接続する部材である。第3部材104は、戸Dを閉扉したときに、戸Dと縦枠とが接触する室内用戸の場合に気密性を保持する観点から、厚みが薄いことが好ましい。
これらより、支持部10は、略コの字状の断面形状となっている。
第1部材100及び第2部材102は、第3部材104と接続する一方の端部(基端)から同じ方向に突出している。また、第1部材100の基端と第2部材102の基端とにおける離間距離は、戸Dを挟むことができる距離であり、例えば戸Dの厚みと同じ又は戸Dの厚みより僅かに大きい距離である。また、第1部材100及び第2部材102は、第3部材104と接続する基端部から先端部に向かって離間距離が短くなるよう形成してもよいし、基端部から先端部に向かって離間距離が同じとなるよう形成してもよく、本例では先端部に向かって離間距離が短くなるよう形成している。
また、支持部10は、取っ手本体20と支持部10と連結するための溝106を具備する。溝106は、第1部材100及び第2部材102に設けられ、後述する取っ手本体20の突起204を挿入することができる溝である。溝106の詳細は、後述する。
【0018】
取っ手本体20は、図1及び図2に例示するように、戸Dの少なくとも一方の面に、着脱自在に設置された取っ手である。本例の取っ手本体20は、戸Dの両面に設けている。取っ手本体20の取付位置のうち、戸Dの高さ方向においては、戸Dに既設された取っ手と異なる位置に設けられ、本例では、床から高さ40cm以下の範囲に設けられる。なお、本例では、10cm以上30cm以下の範囲に設置する。
また、取っ手本体20の設置角度は、戸Dに取り付けた状態において、戸Dの開閉方向と取っ手本体20の長さ方方向とが直交する方向となるよう設置してもよいし、引く力を調整する観点から、戸Dの開閉方向に対して取っ手本体20の長さ方方向が傾斜するように設置してもよい。
また、図4に例示した取っ手本体20の取付位置は、戸Dの幅方向において、ペットPの爪で戸Dの外縁を傷つけさせない観点から、戸Dに前足を掛けたペットPの爪が戸Dの外縁に当たらないような位置に設けられ、例えば、戸Dの外縁から1cm以上3cm以下程度に離間するよう内側に設置される。なお、本例での取っ手本体20の取付位置は、戸Dの外縁から2cm程に内側に離間して設置される。
また、取っ手本体20の厚みは、ペットPの爪で戸Dの表面を傷つけない観点から、戸Dに前足を掛けたペットPの爪が戸Dの表面に当たらないような厚みであり、例えば、2cm以上4cm以下の厚さである。なお、本例での取っ手本体20の厚みは、2cm程の厚さである。
また、取っ手本体20の長さは、戸Dに前手を掛けたペットPが両手を掛けられる長さであり、例えば17cm以上25cm以下の長さであり、本例での取っ手本体20の長さは、21cmの長さである。
また、取っ手本体20は、図2及び図3に例示するように、棒状であり、その表面形状は、少なくともペットPが戸Dを開閉するときに触れる領域において、前足が引っ掛かる形状となっている。前足が引っ掛かる形状とは、例えば凹凸形状、又は、粗面形状である。本例の取っ手本体20の表面形状は、全体的に前足が引っ掛かる凹凸形状となっている。具体的には、取っ手本体20は、木製又は合成樹脂製の角棒である芯材に麻紐を巻回したものであってもよいし、木製又は合成樹脂製の角棒である芯材に複数積層した段ボールの断面を貼付したものであってもよい。取っ手本体20は、角柱形状であると角があるため、ペットPの前足がより引っ掛かりやすくなる。これにより、取っ手本体20は、取っ手としての機能と、爪とぎとしての機能を具備することができる。
また、取っ手本体20は、支持部10の溝106と連結するための突起204を含む。突起204の詳細は、後述する。
【0019】
連結部30は、例えば合成樹脂で形成された棒状又は板状であり、第1の支持部10A及び第2の支持部10Bの並び方向に対して傾斜して、第1の支持部10A及び第2の支持部10Bを連結する連結部材である。本例の連結部30は、図2に例示した戸Dに設置された状態において、第1の支持部10A及び第2の支持部10Bが取っ手本体20の長さ方向又は戸Dの高さ方向に並んでおり、この並び方向に対して傾斜して連結する。詳細には、連結部30は、図5に例示するように、第1の支持部10Aの先端側と連結し(連結位置300)、かつ、第2の支持部10Bの基端側とを連結する(連結位置302)。
【0020】
傷防止保護材40は、図3に例示するように、接着性及び弾性の少なくとも1つの性質を含み、支持部10と戸Dの間に設けられた緩衝部材である。傷防止保護材40は、例えば、ウレタンエラストマー、又は、シリコーン樹脂を主としたゴム等の合成樹脂のシート材である。傷防止保護材40は、戸Dの表面保護と、支持部10及び戸Dの滑り止めとして機能とする。なお、傷防止保護材40は、本発明に係る緩衝部材の一例である。
【0021】
次に、図4を参照し、戸Dに取り付けられた開閉補助具1を説明する。
戸Dに取り付けられた支持部10は、戸Dを挟める距離まで第1部材100及び第2部材102を互いに離間させるているため、第3部材104が弾性変形する状態となっている。これにより、戸Dの厚みにばらつきがあっても、戸Dを挟み固定することができる。
【0022】
次に、図5を参照し、開閉補助具1の作用を説明する。
図5に例示するように、ペットPは、取っ手本体20を戸Dの引き方向に引っ張る。これにより、取っ手本体20と連結する第1の支持部10Aに引張力f1が作用し、第2の支持部10Bに引張力f2が作用する。さらに、第1の支持部10A及び2の支持部10Bと連結する連結部30に引張力f3が作用する。これにより、ペットPは、取っ手本体20の一方側(第1の支持部10A)だけでなく、取っ手本体20の他方側(第1の支持部10B)も効率的に引張力が作用するため、非力なペットPであっても戸Dを移動させやすい。
【0023】
次に、図6を参照し、支持部10及び取っ手本体20の着脱機構を説明する。
図6は、取っ手本体20の取り付けを説明する図である。図6(A)は、取っ手本体20の突起204を支持部10の溝106に挿入した状態を例示する図であり、図6(B)は、取っ手本体20の突起204を支持部10の溝106内で引っ掛けた状態を例示する図である。
図6に例示するように、支持部10の溝106は、第1溝1060と第2溝1062とを含む。第1溝1060及び第2溝1062は、互いに連結しており、溝幅が異なる。第1溝1060の溝幅は、第2溝1062の溝幅より広く、後述する突起204の先端部2040及び軸部2042が挿入可能な溝幅である。また、第2溝1062の溝幅は、第1溝1060の溝幅より狭く、後述する突起204の軸部2042のみが挿通可能な溝幅である。
また、取っ手本体20の突起204は、先端部2040と軸部2042とを含む。先端部2040及び軸部2042は、互いに接続しており、太さが異なる。先端部2040の太さは、軸部2042より太く、第1溝1060に挿入可能な太さである。また、軸部2042の太さは、先端部2040より細く、第2溝1062に挿通可能な太さである。
【0024】
図6(A)に例示するように、設置者は、取っ手本体20に設けた突起204の先端部2040を、第1溝1060に挿入する。次に、図6(B)に例示するように、設置者は、第1溝1060に挿入した突起204を第2溝1062にスライド移動し、第2溝1062内で引っ掛ける。
突起部204は、先端部2040を第1溝1060に挿入した状態で、第1溝1060から溝1062にスライド移動することにより、先端部2040の太さより溝幅が狭い第2溝1062に移動するため、先端部2040が第2溝1062に引っ掛かった状態で保持される。
このように、設置者は、取っ手本体20を支持部10に設置することができる。なお、設置者は、突起部204を第2溝1062から第1溝1060にスライド移動することで、取っ手本体20を支持部10から取り外すことができる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態における開閉補助具1によれば、ペットPの開閉操作しやすい位置に、ペットP専用となる取っ手を取り付けることにより、ペットP自身が戸Dを開閉することができると共に、爪による戸Dの破損を防止することができる。
また、開閉補助具1によれば、既存の戸に対して装着するだけでよいため、既存の戸の交換や加工をすることなく、低コストで対応することがきる。
また、開閉補助具1は、取っ手本体20を支持部10から取り外すことができるため、消耗したときに交換することができる。また、デザインや色彩が異なる取っ手本体20の新たに取り付けることができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。
【0026】
次に、上記実施例における変形例を説明する。
なお、変形例では、上記実施例と実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[変形例1]
上記実施例では、引き戸に開閉補助具1を設置した場合を説明したが、これに限定するものではなく、本例では、開き戸に開閉補助具1を設置してもよい。
図7-1は、実施形態の開閉補助具1における変形例1を例示する図である。図7-1(A)は、手前側に開扉する戸Dにおける閉扉状態を例示する図であり、図7-1(B)は、手前側に開扉する戸Dにおける開扉状態を例示する図である。
図7-2は、実施形態の開閉補助具1における変形例1を例示する図である。図7-2(A)は、奥手側に開扉する戸Dにおける閉扉状態を例示する図であり、図7-2(B)は、奥手側に開扉する戸Dにおける開扉状態を例示する図である。
図7-3は、ハンドルレバーLにロープRを取り付けた状態を例示する図である。
図7-1及び図7-2に例示するように、開閉補助具1は、開き戸である戸Dの周縁に設置される。取っ手本体20は、戸Dの周縁に設置した支持部10(不図示)を介して、戸Dに着脱自在に設置される。取っ手本体20は、繊維ロープ、又はワイヤーロープであるロープRを介して、ハンドルレバーLと連結している。また、図7-3に例示するように、ロープRは、ハンドルレバーLに巻き付けて連結される。本例のロープRは、ハンドルレバーLに巻付部MR1及び巻付部MR2を巻き付けて連結される。巻付部MR1及び巻付部MR2は、同じ太さであってもよいし、ハンドルレバーLから脱落しない観点から異なる太さであってもよい。また、巻付部MR1及び巻付部MR2とハンドルレバーLとの間に滑り止め素材を配置してもよい。
また、ロープRは、長さの調整が可能である調整部を有する。調整部は、ハンドルレバーL及び後述する動作変換部50の間の距離に合わせて、ロープRの長さを調整することができる。
【0027】
本例の開閉補助具1の取っ手本体20は、支持部10、取っ手本体20、連結部30、及び、傷防止保護材40に加えて、動作変換部50をさらに含む。
動作変換部50は、ハンドルレバーLの回動動作を直線動作に変換する動作変換機構である。動作変換部部50は、ハンドルレバーLの回動動作を取っ手本体20を戸Dの左右方向に移動させる直線動作に変換する。動作変換部50は、取っ手本体20を戸Dの左右方向(幅方向)に移動させる移動量に応じて、戸DのハンドルレバーLを回動させる。
【0028】
動作変換部50は、レール500及び滑車510を含む。
レール500は、取っ手本体20の一方と接続するレール500Aと、取っ手本体20の他方と接続する500Bとを含む。なお、レール500A及びレール500Bは、実質的に同様の構成であり、特に区別する必要がない場合は、単にレール500と称呼する。
レール500は、第1のレール502と、第2のレール504とを含む。第1のレール502は、戸Dの左右方向に取っ手本体20を移動させるレールであり、後述する第2のレール504と連続している。また、第2のレール504は、第1のレール502と連続し、第1のレール502と異なる方向に取っ手本体20を移動させるレールである。
滑車510は、ハンドルレバーLと取っ手本体20との間において、ロープRの進行経路を変更する。本例の滑車510は、ハンドルレバーLから鉛直方向の進行経路から戸Dの左右方向の進行経路に変更する。
【0029】
図7例示するように、第2のレール504は、戸Dが回動する方向に対応した向きに、取っ手本体20を移動させる。例えば、戸Dが手前側に向かって回動し開く場合、第2のレール504は、図7-1に例示するように、手前側に向かって取っ手本体20を移動させる。また、戸Dが奥手側に向かって回動し開く場合、第2のレール504は、図7-2に例示するように、奥手側に向かって取っ手本体20を移動させる。
このように、本変形例1の開閉補助具1は、第1のレール502及び第2のレール504により、取っ手本体20を移動させる方向を戸Dが回動する向きと同じ向きに移動させることにより、取っ手本体20の移動した動作に伴って戸Dを回動させるきっかけをペットPに与えることができる。これにより、ペットPは開き戸を開扉することができる。
【0030】
[変形例2]
図8は、実施形態の開閉補助具1における変形例2を例示する図である。
図8に例示するように、支持部10は、戸Dの厚みに合せて、第1部材100と第2部材102との離間間隔を変更可能としてもよい。支持部10は、設置対象となる戸Dの厚みに対応する開口幅に調整する調節部60を含む。
調節部60は、第3部材104に設置され、第3部材104の幅を変えることにより、第1部材100と第2部材102との離間間隔を変更することができる。これにより、支持部10は、第1部材100の先端と第2部材102の先端との離間距離(開口幅)を変更することができる。
【0031】
[変形例3]
図9は、実施形態の開閉補助具1における変形例3を例示する図である。
上記実施例の取っ手本体20は、猫用を説明したが、これに限定するものではなく、犬用であってもよい。犬用である取っ手本体20は、犬が引く力より押す力が強い観点から、戸Dの開閉方向に対して、押圧面20aを大きく設けている。これにより、犬は、押圧面20aを押圧することで戸Dを開閉させることができる。
【0032】
[変形例4]
図10は、実施形態の開閉補助具1における変形例4を例示する図である。図10(A)は、斜視図であり、図10(B)は、断面図である。
上記実施形態では、ペットPが前足で戸Dを操作する開閉補助具1を説明したがこれに限定するものではなく、ペットPが体でも操作可能とする開閉補助具1であってもよい。
図10に例示するように、支持部10は、第1部材100及び第2部材102の板面からそれぞれ突出した突出部110をさらに有する。
突出部110は、第1部材100の表面(表面100A)及び第2部材102の表面(表面102A)からそれぞれ突出している。
取っ手本体20は、突出部110に接続され、戸Dの板面からペットPの体で開閉操作可能な程度に突出した大きさとなっている。
よって、ペットPが前足だけでなく体でも開閉操作を行うことができる。
【0033】
[変形例5]
図11は、実施形態の開閉補助具1における変形例5を例示する図である。図11(A)は、室内用引戸である戸Dに設置された開閉補助具1を例示する図であり、図11(B)は、自動ドアである戸Dに設置された開閉補助具1を例示する図である。
上記実施形態では、動物が戸Dの開閉動作を行いやすく助けるための器具として使用する場合を説明したがこれに限定するものではなく、人が戸Dの開閉動作を行いやすく助けるための器具として使用してもよい。その場合、閉扉動作により戸Dから開閉補助具1が脱落することを防止する観点から、ねじにより戸Dに支持部10を締結して固定してもよいし、粘着材により戸Dに支持部10を接着して固定してもよい。また、支持部10は、シリコーン素材(ケイ素樹脂)により被覆した構成であってもよいし、戸Dと接触する領域に例えばひだ状等の凹凸形状を設けてもよい。また、透明のピアノ線、紐、又は、ゴム状弾性体等の扉を傷つけない素材で形成した線状部材により、戸Dに開閉補助具1を固定してもよい。具体的には、線状部材は、張った状態で、戸Dの室内側において、線状部材の一方の端部を支持部10に連結して固定し、戸Dの室外側において、線状部材の他方の端部を支持部10に連結して固定する。線状部材は、戸Dの壁面に沿わせるよう室内側から、開閉補助具1を配置した端面と反対に位置する端面を経由し、室外側に配置する。これにより、開閉補助具1を配置した端面と反対に位置する端面側から、支持部10を引っ張る形となるので、開閉補助具1が戸Dから外れることを防止できる。よって、閉扉動作時に戸D全体に力を分散させることが出来、より取っ手本体20の負担軽減及び脱落防止に役立てる。さらに、線状部材が滑り落ちないよう、開閉補助具1を配置した端面と反対に位置する端面に、戸当たり防止のための緩衝材を貼付して、線状部材のずり落ち防止機能を兼備させてもよい。
図11(A)に例示するように、開閉補助具1は、戸Dの開閉動作が困難な状態、例えば、凹形状の取っ手に指を入れ引っ張る構造の引戸において、取っ手に指に力が入らない、又は、指先に力が入るが指が痛くなるなどの困難な状態を回避するものとして利用でき、高齢者、身体に障害のある者、又は未就学児等の引き戸の開閉操作が困難な使用者が、室内用の戸Dの開閉動作を行いやすく助けるための器具としても機能する。支持部10及び取っ手本体20は、戸Dを開閉する使用者の肩から肘の範囲に設置される。支持部10及び取っ手本体20は、使用者が大人である場合、戸Dの既設の引手より上方に設置し、使用者が小人である場合、戸Dの既設の引手より下方に設置することができる。
また、本例の開閉補助具1は、上記変形例4で説明した構成をとってもよい。その場合、取っ手本体20は、突出部110により、戸Dの板面から使用者の体の一部である肩や肘を当てて開閉操作可能な程度に突出している。
【0034】
また、図11(B)に例示するように、開閉補助具1は、デパート、レストラン、オフィスビル、ホテル、病院、又は、マンション等の屋外又は屋外に設置される電動式自動ドアの引戸式の戸Dに設置してもよい。例えば、開閉補助具1は、停電時、又は、強風時において、電動式自動ドアを手動式で開閉する必要がある場合に、各戸Dに設置される。支持部10及び取っ手本体20は、戸Dを開閉する使用者の肩から肘の範囲に設置される。
本例の開閉補助具1は、傷防止保護材40に変えて、戸Dの表面に吸着する吸着パット(吸盤)を含む。これにより、支持部10をガラス製の戸Dに設置することができる。また、開閉補助具1は、支持部10に変えて、吸着パットを採用してもよく、吸着パットに直接取っ手本体20を接続してもよい。設置した開閉補助具1は、自動ドアの開閉を妨げない形態で設置されることが好ましい。
このように、使用者の肩から肘の範囲に設置することにより、使用者は、手を使用することなく肩や腕でも開閉操作を行うことができる。
【0035】
[変形例6]
図12は、実施形態の開閉補助具1における変形例6を例示する図である。
上記実施形態では、一対(支持部10A及び支持部10B)の支持部10とする場合を説明したがこれに限定するものではなく、少なくとも一部で支持部10A及び支持部1Bを一体形成した支持部10としてもよい。
図12(A)に例示するように、支持部10は、第1の支持部10A及び第2の支持部1Bのうち、第3部材104を接続して一体的に形成してもよい。また、図12(B)に例示するように、支持部10は、第1の支持部10A及び第2の支持部1Bのうち、第1部材100、第2部材102及び第3部材104の全てを接続して一体形成してもよい。
これにより、支持部10は、全体で戸Dを挟んで固定することができるため、着脱自在であってもより強固に固定することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 開閉補助具
10 支持部
100 第1部材
102 第2部材
104 第3部材
106 溝
20 取っ手本体
204 突起
30 連結部
40 傷防止保護材
50 動作変換部
500 レール
502 第1レール
504 第2レール
510 滑車
60 調節部
110 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図8
図9
図10
図11
図12