(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099388
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】ダンプトラック用架装物
(51)【国際特許分類】
B62D 27/02 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
B62D27/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003300
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】坂川 篤弘
(72)【発明者】
【氏名】辻濱 康雄
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA16
3D203BA03
3D203BA06
3D203BA07
3D203BB72
3D203BC28
3D203CA52
3D203DB13
(57)【要約】
【課題】ダンプ装置の収容空間を確保したまま、簡易で部品点数の少なく、さらに所望する固定強度を有するダンプトラックの架装物の提供を目的とする。
【解決手段】シャシフレーム上に設けられるサブフレームと、当該サブフレームの後端部に設けられたヒンジ部と、当該ヒンジ部を介して前記サブフレーム上に搭載された荷箱と、前記シャシフレームと前記サブフレームとの間に設けられる介在部と、を備え、前記介在部は、前記サブフレームの下面部と当接する当接部と、前記サブフレームの側面部に対して連結される連結部とを有し、を有し、前記サブフレームは、前記当接部および前記連結部を介して前記シャシフレームに固定される構成とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向を長手方向とするシャシフレーム上に設けられるサブフレームと、
当該サブフレームの後端部に設けられたヒンジ部と、
当該ヒンジ部を介して前記サブフレーム上に搭載された荷箱と、
前記シャシフレームと前記サブフレームとの間に設けられる介在部と、
を備え、
前記介在部は、前記サブフレームの下面部と当接する当接部と、前記サブフレームの側面部に対して連結される連結部とを有し、
前記サブフレームは、前記当接部および前記連結部を介して前記シャシフレームに固定される
ことを特徴とするダンプトラック用架装物。
【請求項2】
前記シャシフレームの上面部に立設される支持部が設けられ、
前記当接部が前記支持部と前記サブフレームの下面部との間に介挿されるとともに前記連結部が前記支持部に対して締結部を用いて締結される
ことを特徴とする請求項1に記載のダンプトラック用架装物。
【請求項3】
前記介在部は、前記当接部と前記連結部とが連設された構成を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のダンプトラック用架装物。
【請求項4】
前記介在部は、前記車両前後方向に沿って複数個設けられ、
少なくとも1つの前記介在部は前記当接部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のダンプトラック用架装物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプすることで積載物が排出されるダンプトラックに用いられる架装物に関する。
【背景技術】
【0002】
ダンプトラック等の車両に架装されている荷箱は、シャシフレーム上に固定されたサブフレームの上に搭載されており、周知のダンプ装置を用いてサブフレームの後部ヒンジを中心としてシャシフレームに対して後ろ下がり状態に傾動(ダンプ)可能となっている。
【0003】
ダンプトラックの場合、通常のトラックと異なり、荷箱の下方にはダンプ装置を備えるための収容空間が必要となる。また、一般的にシャシフレームの上にはサブフレームが積層状態で固定され、そのサブフレームの上に荷箱が離接可能(ダンプ可能)となっている。大きなサイズの車両では積荷の重量も大きく、シャシフレームに対するサブフレームの固定強度も大きくなり、様々な手段が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
こうした車両の他にもダンプトラックとして、サイズが小さく比較的軽量な積荷を搬送する軽車両や小型車両が用いられることも多い。こうした車両のダンプトラックなどでは、車両自体のサイズが小さいことなどから収容空間の条件も厳しく、サブフレームはシャシフレームに対して上述した積層状態ではなく、立ち上がり形状の脚部を介してシャシフレームに離間した状態で固定されるとともに、この離間した位置にダンプ装置が収容された構成も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、こうした軽車両や小型車両などで立ち上がり形状の脚部を備えた構造の場合、シャシフレームに対して離間状態のサブフレームが所望の強度を有するために、脚部の数自体が多くなりやすい。したがって、シャシフレームに対して脚部を固定する作業も増え、その脚部に対してサブフレームを固定する作業も増える。さらに、これらの固定点数も多くなり、コストだけでなく重量も増えてしまう。
【0007】
また、様々なタイプの駆動源が搭載される状況となっている近年において、従来のような規格とは異なるタイプの駆動源により、シャシフレームに対するサブフレームの離間距離の拡大も求められる可能性もある。そうした点でも、脚部を介した固定強度を向上し得る構成は、搭載される駆動源の汎用性を高めることに役立つ。
【0008】
本発明は、これらの点を鑑みてなされており、ダンプ装置の収容空間を確保したまま、簡易で部品点数の少なく、さらに所望する固定強度を有するダンプトラックの架装物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明では、車両前後方向を長手方向とするシャシフレーム上に設けられるサブフレームと、当該サブフレームの後端部に設けられたヒンジ部と、当該ヒンジ部を介して前記サブフレーム上に搭載された荷箱と、前記シャシフレームと前記サブフレームとの間に設けられる介在部と、を備えたダンプトラック用架装物を対象とし、次の特徴を備えた構成を採ることができる。具体的には、前記介在部は、前記サブフレームの下面部と当接する当接部と、前記サブフレームの側面部に対して連結される連結部とを有し、前記サブフレームは、前記当接部および前記連結部を介して前記シャシフレームに固定される。
【0010】
本発明では上述のとおり、ダンプトラックとしてシャシフレーム上に架装される架装物を対象としている。特に、前記介在部の構成とすることで、各介在部におけるサブフレームに対する支持強度を向上することができる。したがって、介在部の個数を不要に増加させることがないので、上記の架装物の重量増加を防止できる。また、介在部の数が増えない、特に従来よりもその数を低減できることで、シャシフレーム(シャシフレームに固定された脚部)に対する固定作業に要する工数を減らすこともできる。さらに、介在部それぞれの上記支持強度の向上によって、シャシフレームに対するサブフレームの離間距離の拡張にも役立つ。その結果、ダンプトラックとして走行動作やダンプ動作に関する駆動源の様々な種類のものを用いることに役立ち、近年の環境問題にも貢献し得るダンプトラック用架装物となる。
【0011】
上記のダンプトラック用架装物に関しては、前記シャシフレームの上面部に立設される支持部が設けられ、前記当接部が前記支持部と前記サブフレームの下面部との間に介挿されるとともに前記連結部が前記支持部に対して締結部を用いて締結される構成としても良い。これにより、介在部と支持部との接触面積が広くなり、これら各部による支持強度を高めることができる。
【0012】
また、前記介在部は、前記当接部と前記連結部とが連設された構成を有することが好ましい。これにより、サブフレームに対してその下面部と側面部を一体的に支持することができ、その支持強度をさらに高めることができる。また、シャシフレームに設けられた支持部に対しても、サブフレームからの負荷を良好にシャシフレームに伝播させることもできる。
【0013】
前記介在部は、前記車両前後方向に沿って複数個設けられ、少なくとも1つの前記介在部は前記当接部を有する構成とする。前記介在部を有することで、従来よりも作業工数の軽減および重量軽減に役立つ。当然に介在部の数が増えるほどこれらの効果が高まるため好ましい。また、上記の連結部を備えた介在部であっても、ダンプヒンジとの干渉を回避できれば、サブフレームの後端部となる位置(ダンプヒンジの近傍位置)にも用いることは可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るダンプトラック用架装物とすることで、サブフレームの下面部と当接する当接部と、前記サブフレームの側面部に対して連結される連結部とを有する介在部を用いて、サブフレームがシャシフレームに固定される状態とすることができる。連結部によってサブフレームがその側部でシャシフレームに固定され、サブフレームの横ずれを防止できる。同時に当接部が設けられることでサブフレームにかかる負荷の集中を防止できる。したがって、簡易な構成で強度の高い介在部を備えることで、ダンプ装置を収納可能な構成とするとともに、その本数も抑制できるので、所望する強度を有しつつ軽量な架装物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態におけるダンプ状態を示すダンプトラックの側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るサブフレーム上面図、サブフレームの固定手段を示す側面図、および後面図である。
【
図3】(a)~(c)は本発明の実施形態に係る各固定手段を示す側面図、上面図、および車両前方側から見た部分拡大図、(d)は同実施形態に係る最後端の固定手段を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るダンプトラックについて、図面を用いて実施形態の一例を説明する。
【0017】
図1は、本実施形態のダンプトラックDTがシャシフレームCF上に搭載された荷箱Bをダンプしている状態を示す側面図である。ダンプトラックDTは、小型車両仕様のものであり、ダンプ状態の際、荷箱Bが有するテールゲートTGの固縛部材(不図示)が解除されて図示のとおり下端部が車両後方側に回動した状態となる。なお、通常時(車両走行時など)には、固縛部材によってテールゲートTGの下端部は固縛されている。
【0018】
荷箱Bは、床面部と、当該床面部に対して立設する煽戸(前壁部、左右一対のサイドゲート、およびテールゲート)とを有し、車両前後方向(図中の左右方向)を長手方向とする左右一対のシャシフレームCF上に固定されて同じく車両前後方向を長手方向として左右一対のサブフレームSF上に設けられている。また、荷箱Bには、サブフレームSFの後端部に設けられたダンプヒンジDHを中心にしてシャシフレームCFに対して後ろ下がり状態に傾動させるダンプ装置1も設けられている。ダンプ装置1は周知の装置であり、油圧ポンプからの圧油により伸縮する油圧シリンダ等のアクチュエータによって構成されている。この油圧シリンダの伸縮に基づいて、荷箱Bが図示するダンプ状態または水平状態に姿勢変更される。
【0019】
サブフレームSFは、シャシフレームCFに対して鉛直方向に高さH1だけ離間した状態で固定されている。軽車両や小型車両などを用いてなるダンプトラックDTには、シャシフレームCFは比較的地上に近い位置(地上高の小さい)にあってその桁高さも小さく、サブフレームSFも同様にその桁高さも小さなものが用いられる。そのため、ダンプトラックDTは、その車高を低くするとともに重量も小さくすることができる。こうしたダンプトラックDTにおいて、サブフレームSFを、上述のとおり高さH1だけシャシフレームCFに対して離間した状態とすることで、ダンプ装置1の収容空間が確保されている。
【0020】
サブフレームSFは、車両前後方向に沿って設けられた脚部となる4つの固定手段2を介してシャシフレームCFに固定されている。なお、これら固定手段2は、反対側のシャシフレームCFにも同様に設けられている。
【0021】
固定手段2については、
図2を用いて説明する。
図2(a)はサブフレームSFの上面図であり、図中の左側が車両前方側で、図中の右側が車両後方側となっている。左右一対のサブフレームSF間には、車両幅方向を長手方向とする5本の連結フレーム3a~3eが設けられている。
【0022】
固定手段2は、図示のとおりそれぞれのサブフレームSFに対して、車両前方側の位置と、車両前後方向の中央部付近の位置と、その中央部付近から車両後方側寄りの位置とに設けられた第1固定手段21,22,23、および車両後端部の位置に設けられた第2固定手段24を有している。なお、第1固定手段21,22,23の下部は適宜変更可能である。
【0023】
第1固定手段21,22,23は同じ構成を有しており、代表して第1固定手段21について説明する。第1固定手段21は、
図2(a)の側面図となる
図2(b)のとおり、シャシフレームCに対して鉛直方向の高さH1の距離だけ離間状態でサブフレームSFが固定状態となるように設けられており、シャシフレームCFに固定された脚部211と、サブフレームSFに固定されたサブフレームSFおよび脚部211の間に介在する介在部212と、脚部211に対して介在部212を締結する締結部213とを有する。
【0024】
脚部211は、シャシフレームCFに対して溶接により固定されており、シャシフレームCFの上面部CF1および側面部CF2に対して固定された脚本体部211aと、上面部CF1および脚本体部211aの車両前後方向の前面側を支持する脚前側支持部211bと、上面部CF1および脚本体部211aの車両前後方向の後面側を支持する脚後側支持部211cとを有する。脚部211は、図示のとおり、介在部212との連結に加えて上述した高さH1の離間距離を確保するために、シャシフレームCFに対して立設されている。脚本体部211aは、鉛直方向を長手方向とした4枚の金属プレート材で筒状体に対してその上方開口部を覆う1枚の金属プレート材が組み付けられてなるユニット体である。その構成に関しては、上記4枚のうちの2枚の金属プレート材は対向状態でシャシフレームCFの側面部(車両外側の側面部および車両内側の側面部)CF2に溶接により固定され、残りの2枚の金属プレート材は対向状態でシャシフレームCFの上面部CF1に溶接により固定されており、これら4枚はいずれも隣り合う金属プレート材にも溶接により固定されている。上方開口部を覆う金属プレート材は、上記筒状体に対して車両外側に張り出した張出部位を有する。車両外側に脚前側支持部211bは車両後方側を開口するように3枚の金属プレート材が鉛直上側から見て略コ字状に組み付けられたユニット体となっており、脚後側支持部211cは同様にして車両前方側を開口するユニット体となっている。
【0025】
介在部212は、サブフレームSFの下面部SF1に当接されて水平面状の当接部212aと、サブフレームSFの車両外側側面部SF2に対して連結されて略凹状に折り曲げ加工された連結部212bとを有する。本実施形態では、当接部212aと連結部212bは同じ一枚の金属プレート材が加工されてなる構成としているが、異なる金属プレート材を溶接により連設した構成としても良い。当接部212aと連結部212bとは互いに一体化した構成が好ましいが、互いに水平方向に僅かに離間した状態で設けられた構成としても良い。
【0026】
締結部213は、既知のボルトおよびナットからなる構成であり、脚本体部211の上面部(具体的には上述した張出部位)と連結部212bの下面部とに設けられた挿通孔にボルトが挿通されてナットが螺進されて締結状態となる。こうした締結状態が他の第1固定手段22,23においても用いられる。
【0027】
第2固定手段24は、図示のとおりダンプヒンジDHの近傍に設けられている。第2固定手段24も、シャシフレームCFに固定された脚部241と、サブフレームSFに固定されてそのサブフレームSFおよび脚部241の間に介在する介在部242と、脚部241に対して介在部242を締結する締結部243とを有する点では同じ構成となるが、次の点で第1固定手段21,22,23とは異なる構成となっている。
【0028】
介在部242は、ダンプヒンジとの干渉を回避するために、サブフレームSFの下面部SF1に固定されているが、側面部SF2に当接する部位は設けられていない。また、介在部242は、図示のとおり他の介在部212等と異なり、鉛直方向の長さが脚部241の鉛直方向の長さ(立設高さ)よりも長く設定されている。ただし、シャシフレームCFに対するサブフレームSFの離間距離は他の部位と同様に高さH1となっている。
【0029】
具体的には、
図2(c)のように、第2固定手段24において脚部241は、車両幅方向の左右両側部位がそれぞれ鉛直下方に折り曲げ加工された略コ字状の金属プレート材で構成されており、左右一対のシャシフレームCFの後面同士に架設された金属製の後面パネルRPと、シャシフレームCFの上面部CF1とに溶接により固定されている。また、介在部242においては、鉛直方向の上下両側部位が、それぞれ車両前後方向の後方側に折り曲げ加工された略コ字状の金属プレート材で構成されている。この略コ字状部分には、折り曲げ加工された上側部位および下側部位と、上側部位および下側部位に連設されてなる前側部位とのそれぞれに対し、起立姿勢で金属製の垂直プレート材も溶接により固定されている。介在部242の上面部がサブフレームSFの下面部SF1と溶接により固定されている。そして、脚部241の上面部と、介在部の下面部とが、第1固定手段と同様に締結手段を介して固定されている。
【0030】
本実施形態に係るダンプトラックDTにおいて、シャシフレームCFに対して第1固定手段21,22,23の脚部211,221,231(脚部221,231に関しては図中での記載は省略)、および第2固定手段24の脚部241が設けられていることで、締結手段213,223,233(締結手段223,233に関しては図中での記載は省略)および締結手段243を用いて容易に固定することができる。特に、第1固定手段21,22,23における介在部212,222,232(介在部222,232に関しては図中での記載は省略)の構成を有することで、第1固定手段21,22,23のそれぞれが高い強度を備えている。その結果、第1固定手段21,22,23の数を不要に増加する必要もなく、車両の重量増加を防止でき、締結手段213,22,233を用いる箇所数の増加も防止できて架装作業の工数増加も防止できる。このように、本実施形態においては、シャシフレームCFに対する架装物(サブフレームSF、その後端部に設けられたヒンジ部DH、荷箱B、介在部212,222,232,242を備えた架装物)を作業効率良く架装でき、車両重量の軽減にも大きく貢献するものとなっている。
【0031】
介在部212、222,232の上述した高い強度を備える点に関しては、代表例として介在部212を示す
図3を用いて説明する。側面図を示す
図3(a)および車両前側から見た前面図wp示す
図3(b)のとおり、当接部212aと連結部212bとは、ともに下面が同じ高さに位置しており、両方の下面は略面一状態となっている。その上で、両方の下面が脚部211の上面部と当接状態とすることできる。したがって、荷箱Bを支持する構成のサブフレームSFに対して固定された介在部212は、荷箱BおよびサブフレームSFからの荷重や衝撃などの負荷を、所定面積を有するとともにサブフレームSFの下面部SF1に当接する当接部212aを介してシャシフレームCFに伝播させることができる。当接部212aがその主面を介してサブフレームSFの下面部SF1に所定面積で面接触する構成となっているために、居所的に接触する形態と比較して上記負荷による応力集中を回避でき、高い強度を経年的に安定的に維持することができる。
【0032】
同時に、上面図を示す
図3(c)のように、連結部212bによってサブフレームSFの側面部SF2も支持されているので、架装物の車両幅方向へのずれ防止の効果も高い。さらに、上述のとおり当接部212aと連結部212bとは連設されて、互いの下面から当接する脚部211に良好に負荷を伝播できる。したがって、脚部211からシャシフレームCFへの負荷伝播も良好に行われる。
【0033】
こうした介在部212,222,232の構成に関しては、上述した各種の効果を得ることができるものであれば適宜変更可能である。例えば、当接部212aに関しては、サブフレームSFの下面部SF1との当接部位の形状は矩形状、楕円形状、さらに他の形状でも良い。また、当接部212aがサブフレームの下面部SF1のみに当接する形状にも限定されず、サブフレームSFの車両内側の側面部にも当接するような折り曲げ形状でも良い。連結部212bも同様に適宜変更可能であり、
図3(a)のような前側端部および後側端部が傾斜した凹部形状ではなく、鉛直方向に起立した凹部形状でも良い。もちろん、前側端部が車両後方側に傾斜し、後側端部が車両前方側に傾斜した凹部形状でも良い。
【0034】
第1固定手段21,22,23の数に関しても、少なくとも1つ以上用いられると、シャシフレームCFに対して離間状態とされる架装物において、上述した効果を発揮することができる。また、第2固定手段24に関しても、ダンプヒンジDHとの干渉が防止できる場合には、第1固定手段を代替適用しても良い。また、各固定手段21~24において、本実施形態ではいずれも締結手段を用いたが溶接による固定なども適用可能である。固定手段21~24においては、脚部211~241および介在部212~242の鉛直方向における高さの大きさは上述したものに限定されない。第1固定手段21~23においては脚部211~231の鉛直方向の高さが大きな状態で説明したが逆でも良く、同等の大きさでも構わない。第2固定手段24に関しても同様である。また、脚部211~241を備えておらず、介在部211~241がシャシフレームCFに直接固定される構成でも良い。
【0035】
以上の構成に係るダンプトラック用架装物であれば、シャシフレームCFに対する離間距離H1の大きさも適宜変更しても所望する支持強度を有する構成とすることができるので、ダンプトラックDTに搭載されるエンジンの種類やタンクの種類や数も変更でき、ダンプトラックDTの汎用性を高めることに役立つ。そのため、排出ガスを考慮した環境問題にも適した各種装置を搭載することにも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、シャシフレームに対して上方に離間した状態で設けられるダンプトラック用の架装物に対して有用である。
【符号の説明】
【0037】
DT ダンプトラック
DH ダンプヒンジ
B 荷箱
CF シャシフレーム
SF サブフレーム
1 ダンプ装置
2 固定手段
21、22,23 第1固定手段
24 第2固定手段
211 脚部
212 介在部
212a 当接部
212b 連結部
213 締結手段