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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099395
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】腕置き部を備えた小物入れ
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/34 20060101AFI20240718BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
A45C11/34 103
G06F3/02 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003313
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】593093423
【氏名又は名称】クツワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165755
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦
(72)【発明者】
【氏名】橡尾 洋介
【テーマコード(参考)】
3B045
5B020
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045CE10
3B045DA44
3B045FA01
5B020CC17
(57)【要約】
【課題】 腕置き部を有する小物入れを提供することを目的とする。また、併せて収納部に電子小物等を収納していても外部衝撃からの破損を防止し、収納部に収納物があっても違和感なくリストレストとして使用できるものを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の腕置き部を備えた小物入れ1は、小物2を収納可能な収納部11、21と腕置き部15、25とを備えたものであって、前記収納部11、21は内部の収納空間Sと側面の開閉手段12、22を有し、前記腕置き部15、25は前記収納部の上方に配置され内部の充填空間Jに緩衝材16を有することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小物を収納可能な収納部と腕置き部とを備えたものであって、
前記収納部は内部の収納空間と側面の開閉手段を有し、前記腕置き部は前記収納部の上方に配置され内部に緩衝材を有することを特徴とする腕置き部を備えた小物入れ。
【請求項2】
第1収納部と第1腕置き部とからなる第1本体の基端と、第2収納部と第2腕置き部とからなる第2本体の基端と、を接続する接続部を有し、
前記接続部は第1本体と第2本体とを互いの底面を相対するように折曲可能に接続し、更に前記第1本体と前記第2本体には折曲状態を保持する保持手段を有することを特徴とする請求項1に記載の腕置き部を備えた小物入れ。
【請求項3】
第1収納部と第2収納部の各々の側面を開閉自在とする開閉手段は、前記第1収納部と第2収納部の先端の一側面端から先端側の面を通り他側面の基端に至るファスナーで形成したことを特徴とする請求項2に記載の腕置き部を備えた小物入れ。
【請求項4】
第1収納部と第2収納部は合成皮革を用いた底面を有し、第1腕置き部と第2腕置き部は柔軟性及び伸縮性のある生地を用いた上平面の内部に綿からなる緩衝材を有するものであって、
前記第1腕置き部と前記第2腕置き部の上平面は幅方向にかけて湾曲する楕円形状であって、
前記綿の密度を0.04g/cm3以上、0.14g/cm3以下で充填されることを特徴とする請求項3に記載の腕置き部を備えた小物入れ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
パソコン操作時に腕や手首の下に置いて操作者の腕の疲労を軽減するための腕置き部を有するものであって、文房具類等の小物を収納できる小物入れに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン操作において操作者の腕の疲労を軽減するための腕置き(リストレスト)が求められている。特にデスクトップパソコンを操作する際はキーボードの高さ分、手首を浮かせて操作するが、手首が傾斜した状態では指先をキーボード上部に位置させて操作するため、長時間操作による疲労蓄積が問題となっていた。そこで特許文献1及び特許文献2に記載の操作者の腕の疲労を軽減するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登3056748号公報
【特許文献2】特開平11-249790号公報
【0004】
また、電子化が進み、小物入れには筆記具のみならずメモリーカード、イヤホンやタッチペン等の電子小物をともに携帯するようになり、これらの小物を携帯時における破損を防止しつつ、収納した状態であってもリストレストとして用いることができる腕置き部を備えた小物入れが求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、腕置き部を有する小物入れを提供することを目的とする。また、併せて持ち運びに便利で収納部に電子小物等を収納していても外部衝撃からの破損を防止し、収納部に収納物があっても違和感なくリストレストとして使用できるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の腕置き部を備えた小物入れは、小物を収納可能な収納部と腕置き部とを備えたものであって、前記収納部は内部の収納空間と側面の開閉手段を有し、前記腕置き部は前記収納部の上方に配置され内部に緩衝材を有することを特徴とするものである。
【0007】
また、第1収納部と第1腕置き部とからなる第1本体の基端と、第2収納部と第2腕置き部とからなる第2本体の基端と、を接続する接続部を有し、前記接続部は第1本体と第2本体とを互いの底面を相対するように折曲可能に接続し、更に前記第1本体と前記第2本体には折曲状態を保持する保持手段を有することが好ましい。
【0008】
また、第1収納部と第2収納部の各々の側面を開閉自在とする開閉手段は、前記第1収納部と第2収納部の先端の一側面端から先端側の面を通り他側面の基端に至るファスナーで形成したことが好ましい。
【0009】
また、第1収納部と第2収納部は合成皮革を用いた底面を有し、第1腕置き部と第2腕置き部は柔軟性及び伸縮性のある生地を用いた上平面の内部に綿からなる緩衝材を有するものであって、前記第1腕置き部と前記第2腕置き部の上平面は幅方向にかけて湾曲する楕円形状であって、前記綿の密度を0.04g/cm3以上、0.14g/cm3以下で充填されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、リストレストとして使用することができるとともに電子小物や文房具等を収納する小物入れとして使用することが可能になる。側面に開閉手段があることでリストレストとして使用していながら収納部から小物を取り出したり収納したりすることが可能になる。これまでは机上にリストレストや電子小物が散乱することがあったが、本発明によると小物を小物入れに収納しつつリストレストとして使用することで机上を広く使えて省スペースとなる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、第1本体及び第2本体を折り畳むことで、リストレストと小物入れを両方携帯する場合と比べても携帯時に嵩張らず、持ち運びに便利なものを提供することが可能になる。収納部の両側に緩衝材がある腕置き部が存在することとなり、折り畳んで小物入れとして使用する際に外部からの衝撃に強く、例えば電子小物を安全に収納することが可能になる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、収納部の開閉手段であるファスナーが第1本体と第2本体の同じ側面に位置し、先端部と一側方を開閉することができる。これによりリストレストとして使用したときには一側面側から収納部内にある収納物を取り出したり、収納したりすることができる。また、折り畳んで使用する場合でも一方のみを開閉することで収納物の取り出しや収納が容易になる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、リストレストとして使用したときに、底面の合成皮革により机上で滑りにくく、安定的に使用できる。また、腕置き部の柔軟性及び伸縮性のある生地により手首や前腕部を置いたときの使用感がよい。さらに、内部の綿の密度を0.04g/cm3以上、0.14g/cm3以下とすることで、内部に収納物があっても手首や前腕部に違和感がなく使用することができる。さらに、ファスナーの開閉を妨げず、収納物を入れやすい腕置き部を備えた小物入れを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の小物入れ1の全体斜視図である。
図2】本実施形態の小物入れ1の全体斜視図であって、接続部で折り曲げている状態を示すものである。
図3】本実施形態の小物入れ1の全体斜視図であって、(a)は接続部で完全に折り曲げた状態、(b)は(a)の状態から開閉手段12により収納部S内が見えるように一部開閉したものを示すものである。
図4】本実施形態の小物入れ1であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
図5図1に示すA-A線断面図であって収納空間Sに収納物である小物2を収納した状態を示す。
図6】本実施形態の小物入れ1の使用状態を示す小物入れ1の断面図である。
図7】別の実施形態の小物入れ1であって、持ち手4を突出させたものの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態の一例について、詳細に説明する。図1乃至図5に示すように本発明の腕置き部を備えた小物入れ1は、一対の本体10、20となる第1本体10と第2本体20とからなる。これら一対の本体10、20の両基端10a、20aを接続する接続部3を有し、本体10、20の各々の収納空間Sに文房具類や電子小物等の小物2を収納できる構成である(図5参照)。なお、本説明においては、図1に示すように、一対の本体10、20の長手方向の両端のうち接続部3側を基端10a、20a、他端側を先端10b、20bとして説明する。
【0016】
一対の本体10、20は、各々長手方向を有する同一形状の略直方体であって、基端10a、20a側で接続部3により折り曲げ可能に接続されている。各々同じ側面に開閉手段12、22を有するところ、開閉手段12、22として先端10b、20b側から同じ側面を通り基端側付近に至るファスナーを用いている。
【0017】
本実施形態の第1本体10、第2本体20は接続部3を介して先端10b、20bが相反する方向に向いて対となるように位置している。第1本体10と第2本体20は平面視で角や先端を丸めた略長方形状である。第1本体10と第2本体20の基本形態は、第1収納部11(第2収納部21)を下方に有し、上方に第1腕置き部15(第2腕置き部25)とを有する。以下、第1本体10を用いて説明する。
【0018】
内部に収納空間Sを有する第1収納部11は、第1本体10の上下方向(高さ方向)の約3分の1乃至5分の1となる部分で、下側(下面側)を収納可能にするものであり、側面に開閉手段12を有しており、収納空間S内に小物2を収納したり、取り出したりすることを可能にしている(図5参照)。本説明において、上、下とはリストレストとして使用する状態(図1の状態)における上下を指している。本実施形態の開閉手段12はスライダーとファスナー生地とエレメントからなるファスナーとしているが、面ファスナーなどその他の手段であってもよい。収納空間Sに入れる小物2としては、鉛筆・ペンなどの文房具類やイヤホン、タッチペン、メモリーカードなどのパソコン周辺の電子小物などを対象にしている(図5参照)。
【0019】
第1収納部11は一対の本体10、20を広げた状態で底面となる底面11aを有する。第1収納部11の内面は、上面であって第1収納部11と第1腕置き部15との境界となる上内面材11bと、底面11a側の下内面材11cとを有する。その周囲に2つの側面11d、11eと、これらに連続するように周囲面となる先端10b側の面、基端10a側の面を有する。これらの内面に囲まれる部分が収納空間Sとなる。
【0020】
第1収納部11の底面11aは、後述する小物入れ1の使用時に机上に面して使用するものであって、合成皮革などの一定の硬度を有する滑りにくい素材を用いて構成されている。特に図5に示すように、側面には、一方の側面11dに開閉手段12が配され、他方の側面11eには縫着部分が形成される。すなわち、一方の側面11dは、開閉手段12となるファスナーのファスナー生地の上縁が第1腕置き部15の上平面(湾曲面)を形成する素材(例えばポリエステルやポリウレタン)と上内面材11bを形成する素材(例えばポリエステル)とを内方に折り返して縫着され、ファスナー生地の下縁が第1収納部11の底面11aを形成する素材(例えば合成皮革)と下内面材11c(例えばポリエステル)とを内方に折り返して縫着されている。また、他方の側面11eは、後述する第1腕置き部15の上平面(湾曲面)を形成する素材(例えばポリエステルやポリウレタン)と上内面材11b(例えばポリエステル)と、下内面材11c(例えばポリエステル)と、底面11aを形成する素材(例えば合成皮革)を内方に折り返して縫着する縫着部分が形成されている。
【0021】
上記側面11dの構成によると、開閉手段12であるファスナー生地の上縁が第1腕置き部15の高さ方向の中央位置からやや下方で固定されており、開閉手段12を開放すると収納空間Sの高さ方向の全てを開放することが可能になる。この構成によれば、上方に第1腕置き部15を配置してリストレストとして使用しながらも、下方の第1収納部11から小物2を取り出しやすくすることが可能になる。
【0022】
開閉手段12の設置範囲は、本体10の側面の周囲に配置される。第1収納部11の側面であって、より具体的には、他方の側面11eの先端側の面との角付近から、先端側の面と一方側面11dを通り基端10aに至るまで配されている。このような範囲で側面に開閉手段12を設けたことでも、リストレストとして使用しながら収納空間Sから小物を取り出したり、収納空間Sに小物を収納したりすることができる。なお、開閉手段12は基端の付近から一方側面のみに設けてもよいが、側面11dと先端側の面に設けることで収納部内に小物を収納したり、収納部内からの小物の取り出しをより容易にしている。
【0023】
また、第1収納部11の底面11aと第2収納部21の底面21aに、保持手段13、23が内蔵されている(図2参照)。具体的には底面11aと下内面材11cとの間に挟まれるように配置されたマグネットを保持手段13、23としている。本実施形態の保持手段13、23はマグネットを用いているが面ファスナーやスナップボタン等のその他のものであってもよい。ただし、面ファスナーやスナップボタンを底面に用いた場合には、リストレストとして使用する際に、設置面を傷つける可能性があるため、底面11a、21aの内部にマグネットを用いることが好ましい。上記のとおり保持手段13、23は、第2収納部21にも同じく配されており、2つの保持手段13、23であるマグネットが磁着することにより図3に示すように第1本体10と第2本体20とを底面11a、21aが互いに合わさるように折り畳み状態を保持することができる。なお、2つの保持手段13、23のうち一方のみをマグネットにし、他方を金属片にしてもよい。
【0024】
次に、腕置き部について説明する。図1乃至図5に示すように、第1腕置き部15は第1収納部11の上方に配置されるものであり、幅方向中央部分が最も上方に突出し、両側に向かって下方するような半円の楕円形状であって、第1本体10の全体では略蒲鉾状の形態としている。平面視では第1収納部11と同じく、接続部3側となる基端10aは方形状であるが、先端10bは半円形状の形態となる。
【0025】
第1腕置き部15は、内部に緩衝材16を充填する充填空間Jを有しており、本実施形態では綿を緩衝材16として用いている。楕円形状となる上平面17はポリエステル生地を用いている。ポリエステル生地は柔軟性と伸縮性があり、肌触りもよく、程よい弾性を有する。柔軟性と伸縮性のある生地としては他にはポリウレタン生地や発泡合成ゴム生地やその他の生地であってもよい。綿は弾力性に優れるものであって、シート状の綿材を所定形状にしたものや粒綿を均一に詰めるものであってもよい。
【0026】
つまり、特に図5に示す断面形状において、第1本体10は、第1収納部11の底面11aに合成皮革材を用いており、収納空間Sの内部底面を形成するポリエステル製の下内面材11cを用いている。また、収納空間Sの内部上平面を形成するポリエステル製の上内面材11bを有し、充填空間Jに粒綿を用いた緩衝材16を充填し、上平面17もポリエステル生地を用いている。なお、その他の実施形態として、底面11aと下内面材11cと間、上内面材11bと緩衝材16との間の両方若しくはその一方に不織布を挟んでもよい。
【0027】
第1本体10の具体的形態は上記のとおりであるが、本実施形態の第2本体20も第1本体10と同じ形態である。その他の実施形態として第1本体10と第2本体20とを異なる形態にしてもよく、一方の表面に動物絵柄を記載したりしてもよい。
【0028】
次に第1本体10と第2本体20とを接続する接続部3について説明する。接続部3は、2つの本体10、20の基端10a、20aを接続するものであって、第1腕置き部15及び第2腕置き部25の上平面17、27、第1収容部11と第2収納部21の底面を連続させ、縫着することで形成している。
【0029】
接続部3は、底面11a、不織布(図示しない)、上下の内面材11b、11cと上平面17のみを12mm程度の間隔を開けて幅方向に2条で縫着して形成している(図4参照)。この形態であると接続部3は、第1本体10及び第2本体20に比べて厚み(上下高さ)が少なくなるように形成されており、両体を接続しつつ、折り曲げ可能にしている。この接続部3を用いることで、簡易な構成で折り曲げ可能に接続するばかりかヒンジ等の部材を用いた場合に比べリストレストとして使用したときに金属や樹脂部材の手触り感となって使用感が落ちることを防止することができる。また、別個のヒンジ部材を用いず、本実施形態のような生地の層を縫い合わせた本実施形態によるとより丈夫で部材の破損がない接続部を提供することができる。
【0030】
図6に示すように、腕置き部を備えた小物入れ1を机Tの机上に配してキーボードKが手指によって操作される時、手首や前腕部が腕置き部15に接しながら緩衝材16が押圧される。緩衝材16は一定の弾力を発生させて手首の高さを維持する。収納空間Sに小物を収納したとしても凹凸の違和感を感じさせず、腕置き部を備えた小物入れ1は平坦に配置されているように感じさせることが可能となる。よって、腕置き部を備えた小物入れ1は使用者が電子小物や文房具類などを整理して収納するとともに、手首に負担を掛けずにリストレストとして使用することが可能となる。
【0031】
次に、本実施形態の腕置き部15、25の緩衝材(粒綿)16の配合について説明する。本実施形態の本体は各々長手方向長さを18cm乃至18.5cmとして好適には18cm、幅方向長さを6cm乃至7cmとして好適には6.5cmである。本体の高さ方向長さは中央の最も高い位置で2.5cmであり、腕置き部は約4分の3の部分を占めており概略1.5cm乃至1.8cmの高さを有する。腕置き部の充填空間の底面積は108cm2乃至129.5cm2であり、容積を162cm3乃至233.1cm3となるが、縫着部分や素材の厚みによる調整値(0.9)を乗じて底面積を97.2cm3乃至116.55cm3、容積を145.8cm3乃至209.79cm3としている。
【0032】
粒綿の異なる配合重量により、リストレストとしての使用感(使い心地が良い)と収納部に小物を入れたときの違和感(小物が手に当たる感覚が強い)があるかどうか、収納部の収納しやすさ、開閉手段の開閉しやすさ、の4つの観点から感応実験を行った。実験は出願人会社の従業員3名(A、B、C)を選定し、綿量を5g、8g、10g、15g、20g、25gのものを用いた。
【0033】
【表1】
評価は、◎:とてもよい、○:よい、△:普通、×:悪い、の4段階評価を行った。10g以上の粒綿を使用することがリストレストとして満足を得る使用感があることが分かった。
【0034】
【表2】
本実施形態は腕置き部の下方に収納部があるため、収納部に小物を入れた状態でリストレストとして使用したときに腕に小物があたる違和感を評価したものである。評価は、◎:違和感を全く感じない、○:形状を感じるが違和感がない、△:少し違和感を感じる、×:違和感がある、の4段階評価を行った。この場合であっても10g以上の粒綿を使用することがリストレストとして満足を得る使用感があることが分かった。
【0035】
【表3】
本実施形態は腕置き部に粒綿を充填したときに収納部が圧迫されることにより収納部に小物を入れやすいかどうかを評価したものである。評価は、○:入れやすい、×:入れにくい、の2段階評価を行った。この場合には20g以下の粒綿であれば収納部が圧迫されず、小物入れとリストレストとを併用して使用できることが分かった。
【0036】
【表4】
本実施形態は腕置き部に粒綿を充填したときに開閉手段であるファスナーの作動状態を評価したものである。評価は、○:作動しやすい、×:作動しにくい、の2段階評価を行った。この場合には20g以下の粒綿であれば収納部が圧迫されず、側面のファスナーを作動しやすいことが分かった。
【0037】
上記の実験結果から下方に小物の収納部を有しつつ、上方に腕置き部を有する本体10、20を用いたときにリストレストとして満足な使用感を達成しつつ、収納部に小物を入れても違和感を感じさせず、ひいては開閉手段もスムーズに作動する小物入れを提供するために、充填空間Jの底面積を97.2cm2乃至116.55cm2、容積を145.8cm3乃至209.79cm3としたときに、粒綿を10g乃至20gが好適であることが判明した。上記粒綿の配合によると、容積145.8cm3の場合の粒綿の密度は0.0685g/cm3乃至0.1371gcm3であり、容積209.79cm3の場合の粒綿の密度は0.0476g/cm3乃至0.0953g/cm3である。そのため、本実施形態における粒綿の密度は、0.0476g/cm3乃至0.1371g/cm3が好適であり、誤差を考慮すると0.04g/cm3以上0.14g/cm3以下であることが必要であることが明らかとなった。
【0038】
第1本体10と第2本体20とが分割され、接続部3により折り曲げ可能に接続されている。この形態によると、一方の収納部の収納空間Sにパソコン周辺の電子小物2を収納し、他方の収納部の収納空間Sに文房具類を収納するなど整理整頓が可能となる。こればかりか、折り曲げた状態としたときに保持手段で保持することで収納部の両側を緩衝材16がある第1腕置き部15、第2腕置き部25とが挟むような態様となることから、外部から衝撃があっても収納物を適切に守ることができる。
【0039】
また、収納部の側面に開閉手段を配することで開閉手段がリストレストとして使用する際に、特に上平面の腕置きを阻害することがなく、底面の設置面を傷つけることがない。側面に開閉手段12、22があることでリストレストとして使用している状態でも開閉手段を開けた状態や閉めた状態にしたり、内部から小物を取り出したりすることが可能になる。さらに言うと、折り畳んで使用している状態では先端から基端まで同じ側面に開閉手段が用いられていることで、折り畳み状態で上方(先端)から下方(基端)まで全体を開閉して使用することが可能になる。
【0040】
また、図7に示すように、別の実施形態の小物入れ1は持ち手4、4が一方の本体から突出している。持ち手4、4の端部に留め具4a、4aが配される。留め具4aはマグネットや、面ファスナー、スナップボタンなどが挙げられ、好ましくはスナップボタンが好適である。持ち手4、4の留め具4a、4aはお互いが係止し合うことによって、カバンのハンドル部分に抱持することが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
1…小物入れ、2…小物、3…接続部、4…持ち手、4a…留め具、10…第1本体、10a…基端、10b…先端、11…第1収納部、11a…底面、11b…上内面材、11c…下内面材、11d…側面、11e…側面、12…開閉手段、13…保持手段、15…第1腕置き部、16…緩衝材、17…上平面、20…第2本体、20a…基端、20b…先端、21…第2収納部、21a…底面、21d…側面、21e…側面、22…開閉手段、23…保持手段、25…第2腕置き部、27…上平面、S…収納空間、J…充填空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7