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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099398
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】空調装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/32 20180101AFI20240718BHJP
   F24F 1/0022 20190101ALI20240718BHJP
   F24F 11/48 20180101ALI20240718BHJP
   F24F 11/70 20180101ALI20240718BHJP
【FI】
F24F11/32
F24F1/0022
F24F11/48
F24F11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003317
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】三木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真吾
【テーマコード(参考)】
3L049
3L260
【Fターム(参考)】
3L049BD01
3L260AB02
3L260BA61
3L260CB62
3L260FC11
3L260FC15
3L260FC16
(57)【要約】
【課題】ケース内を清掃する清掃手段を容易に取り外しが可能な空調装置を提供すること。
【解決手段】清掃手段50を収納部からファン21の軸方向の一端側に移動させたあと、ファン21の軸方向の一端側から収納部に移動させてケース30内を清掃する清掃運転の機能を制御する制御部107とを備えた空調装置において、制御部107は、清掃手段50を交換するためのメンテナンスモードを指示すると、清掃手段50は収納部の位置から複数の風向板29aの左右いずれか一方の端の外側の位置に移動するようにした。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの空気を取り入れ可能な空気取入口及び取り入れられた空気を外部へ吹出し可能な空気吹出口が開けられているケースと、このケースに回転可能に支持され回転することにより送風を行なうファンと、前記空気吹出口を開閉可能な上下ルーバーと、複数の風向板で構成された室内への送風方向を左右に変更する左右ルーバーとを有し、
前記ケース内には、前記ケース内の付着した塵埃を清掃可能な清掃手段と、
前記清掃手段が収納される収納部と、
前記清掃手段を前記収納部から前記ファンの軸方向の一端側に移動させたあと、前記ファンの軸方向の一端側から前記収納部に移動させて前記ケース内を清掃する清掃運転の機能を制御する制御部とを備えた空調装置において、
前記制御部は、前記清掃手段を交換するためのメンテナンスモードを指示すると、前記清掃手段は前記収納部の位置から前記複数の風向板の左右いずれか一方の端の外側の位置に移動するようにしたことを特徴とする空調装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記メンテナンスモードを指示すると、前記左右ルーバーを前記清掃手段から離れる方向に駆動させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の空調装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記メンテナンスモードを指示すると、前記上下ルーバーが開くようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の温度を調節するための空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の室内の温度を調節するのに広く空調装置が用いられている。空調装置に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、空調装置は、壁に固定されているケースと、このケースに収納され回転することにより室内に送風するファンと、このファンに当接可能に設けられファンを清掃するためのブラシ部と、を有する。
【0004】
空調装置によれば、ブラシ部等の清掃手段をファンに当接させた状態でファンを回転させることにより、ファンに付着した塵埃を除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-143961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、ブラシ部等の清掃手段を長期間使用していると、ブラシ部自体に汚れが蓄積し、清掃不良や機器の故障に繋がる可能性があり、空調装置の使用者が清掃手段を取り外して、交換もしくは洗浄をする必要性があったが、空調装置の使用者がルーバーを手動で動かし、清掃手段を無理やり引っ張り出すと、機器の破損に繋がる恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、外部からの空気を取り入れ可能な空気取入口及び取り入れられた空気を外部へ吹出し可能な空気吹出口が開けられているケースと、このケースに回転可能に支持され回転することにより送風を行なうファンと、前記空気吹出口を開閉可能な上下ルーバーと、複数の風向板で構成された室内への送風方向を左右に変更する左右ルーバーとを有し、前記ケース内には、前記ケース内の付着した塵埃を清掃可能な清掃手段と、前記清掃手段が収納される収納部と、前記清掃手段を前記収納部から前記ファンの軸方向の一端側に移動させたあと、前記ファンの軸方向の一端側から前記収納部に移動させて前記ケース内を清掃する清掃運転の機能を制御する制御部とを備えた空調装置において、前記制御部は、前記清掃手段を交換するためのメンテナンスモードを指示すると、前記清掃手段は前記収納部の位置から前記複数の風向板の左右いずれか一方の端の外側の位置に移動するようにした。
【0008】
また、前記制御部は、前記制御部は、前記メンテナンスモードを指示すると、前記左右ルーバーを前記清掃手段から離れる方向に駆動させるようにした。
【0009】
また、前記制御部は、前記メンテナンスモードを指示すると、前記上下ルーバーが開くようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ケース内を清掃する清掃手段を容易に取り外しが可能な空調装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1による空調装置の模式図である。
図2図1に示された空調装置の室内機の簡略した斜視図である。
図3図2に示された室内機のケースと、ケースに収納されているファンを説明する図である。
図4】清掃手段の駆動機構を説明する図である。
図5】ファンの軸線方向に沿った方向から見た清掃手段の断面図である。
図6図6Aは、ブラシ及びシートが取り付けられた移動体の斜視図である。図6Bは、移動体に対するブラシ及びシートの着脱を説明する図である。
図7】清掃手段の動作を説明する図である。
図8図8Aは、格納位置にある移動体を説明する図である。図8Bは、格納位置にある移動体の断面図である。
図9】実施例1による空調装置の制御ブロック図である。
図10】メンテナンスモードを設定したときの室内機の正面図である
図11】メンテナンスモードを設定したときの室内機のケースである。
図12】メンテナンスモードのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図中Frは前、Rrは後、Leは左、Riは右、Upは上、Dnは下を示している。
【0013】
<実施例1>
図1には、実施例1による空調装置10が示されており、図9で後述するように、空調装置10は、制御部300を備え、制御部300は、屋内Inを冷却する冷房機能と、屋内Inを暖房する暖房機能と、を備えている。
【0014】
空調装置10は、屋外Ouに設けられた室外機11及び屋内Inに設けられた室内機20を備えている。室外機11と、室内機20とは、冷媒を循環させることができるよう互いに接続されている。以下、特に説明のない限り、冷媒の循環する方向は、冷房運転時を基準とする。
【0015】
室外機11は、冷房運転時及び暖房運転時における冷媒の循環する方向を切り替える四路切替弁12と、この四路切替弁12を通過した冷媒が流され冷媒を圧縮する圧縮機13と、この圧縮機13において圧縮され高温高圧となった冷媒が流れる室外熱交換器14と、この室外熱交換器14に向かって送風を行う室外ファン15と、室外熱交換器14を通過した冷媒を減圧する膨張弁16と、を備える。
【0016】
室内機20は、屋内Inにおいて壁Waに掛けて用いられる。室内機20のケース30は、支持板を介して壁Waに固定されている。左右方向に延びるケース30には、屋内Inの空気をケース30内に取り込み屋内Inへ送風を行うファン21と、このファン21が取り込んだ空気と熱交換を行う熱交換器27と、が収納されている。
【0017】
冷房運転時において、圧縮機13で高温高圧とされた冷媒は、室外熱交換器14において外気と熱交換を行い、熱を放出する。このとき、室外ファン15が作動することによって、外気を強制的に室外熱交換器14の外周に流し、熱交換を促す。室外熱交換器14を通過し熱を放出した冷媒は、膨張弁25において減圧され、温度が低下する。温度が低下した冷媒は、室内機20に送られる。
【0018】
室内機20のケース30には、ファン21が作動することにより空気が導入される。導入された空気は、熱交換器27の外周を通過し、屋内Inに送風される。熱交換器27には、室外機11において冷却された冷媒が供給されている。熱交換器27の外周を通過する空気は、冷媒と熱交換を行い、冷却される。屋内Inには、冷却された空気が送風される。
【0019】
暖房運転時には、四路切替弁12が冷媒の流路を切り替え、冷房運転時とは逆方向に冷媒を循環させる。
【0020】
図1及び図2を参照する。ケース30の上面には、外部(屋内In)からの空気を取り入れ可能な空気取入口31が開けられている。ケース30の前下部には、外部(屋内In)へ空気を吹出し可能な空気吹出口32が開けられている。空気吹出口32には、空気吹出口32を開閉可能であると共に、空気の吹き出す方向を上下方向に調整可能な上下ルーバー28が設けられている。
【0021】
図3を参照する。上下ルーバー28(図2参照)の後方には、空気の吹き出す方向を左右方向に調整可能な左右ルーバー29が設けられている。
【0022】
また、図10を参照して、左右ルーバー29について詳しく説明する。
左右ルーバー29は、複数の板からなる風向板29aと、それぞれの風向板29aを連結する連結ロッド29bと、風向板29aの動作の支点となる支点部29c、一方を連結ロッド29bと接続し、他方を図示しない作動モータと接続した作動ロッド29dとを備えている。
【0023】
この図示しない作動モータの駆動により作動ロッド29dが駆動し、連結ロッド29bが連結ロッド29bの軸方向に駆動することで、支点部29cを支点に風向板29aが連結ロッド29bの駆動と同じ方向に風向板29aが駆動する。また、全ての風向板29aが同じ方向に向くように構成しても良い。また、左右ルーバー29を分割し、作動モータと作動ロッド29dと連結ロッド29bをそれぞれ二つ備えることで、一部が異なる方向を向くように駆動させても良い。
【0024】
[ケースの収納部、ガイド面、側面]
ケース30は、ファン21を収納しているファン収納部33を有している。ファン収納部33は、ファン21の外周の一部を囲っておりファン21の送風する空気を空気吹出口32へ向かってガイドするガイド面40と、ファン21の両側の端面22,23の隣に位置している2つの側面34,35と、を有している。
【0025】
ガイド面40は、ファン21の軸線Cが延びる方向に沿ってケース30の長手方向に亘って形成されている。ケース30のガイド面40と、2つの側面34,35と、ファン21とにより画定され、送風された空気が流れることが可能な空間を送風路36(図5参照)とする。
【0026】
[清掃手段]
図4及び図5を参照する。ケース30は、ケース30の内部(ファン21及びガイド面40)に付着した塵埃を払拭可能な清掃手段50を備えている。
【0027】
[駆動部]
清掃手段50の駆動部51は、後述する移動体60の駆動源であり通電することにより作動するモータ52と、モータ52の駆動力を伝達可能であり複数のギヤによって構成されるギヤ部53と、このモータ52に接続され移動体60にモータ52の駆動力を伝達する駆動力伝達部54と、を有する。
【0028】
[駆動力伝達部]
駆動力伝達部54は、一部に平歯車が形成されておりギヤ部53により駆動して回転する駆動プーリ55と、駆動プーリ55と反対側(ファン21の軸方向を基準)に設けられた従動プーリ(図示なし)と、駆動プーリ55及び従動プーリに環状に架け渡された歯付きロープ56(シンクロメッシュロープ)と、を備えている。
【0029】
[伝達部収納部]
図4及び図5を参照する。ガイド面40には、ファン21に向かって開くように凹んでおり駆動力伝達部54が収納されている伝達部収納部41が形成されている。伝達部収納部41は、ファン21の軸線C方向に沿ってガイド面40の右端(後述する格納側)から左端(格納側の反対側)に亘り設けられている。送風路36の空気の流れ方向を基準として、ガイド面40のうち、伝達部収納部41よりも上流側の面を上流側ガイド面43とし、伝達部収納部41よりも下流側の面を下流側ガイド面44とする。
【0030】
伝達部収納部41はカバー42によって覆われている。カバー42の表面42aは、上流側ガイド面43と下流側ガイド面44とを滑らかに接続している(ガイド面40に対して突出したり、凹んでいたりせずに連なっている)。即ち、カバー42の表面42aは、上流側ガイド面43及び下流側ガイド面44と共にガイド面40の一部を構成している。カバー42の裏面42bは、伝達部収納部41へ向かって突出し、カバー42を補強するリブ42cを有している。
【0031】
上流側ガイド面43とカバー42の表面42aとの間には、隙間Gが設定されている。隙間Gは、略同一の幅でファン21の軸線C方向に亘って形成されている。
【0032】
[移動体]
図5図6A及び図6Bを参照する。清掃手段50は、送風路36(ファン21とガイド面40との間)をファン21の軸線Cに沿って移動可能な移動体60を備えている。移動体60は、歯付きロープ56に接続され駆動部51が作動することによりファン21の軸線C方向に従動する従動部61と、従動部61から隙間Gを貫通して送風路36まで延びている一対の腕部62,62と、一対の腕部62,62に支持されガイド面40に沿って形成された支持部70と、が一体となり構成されている。
【0033】
換言すると、移動体60のうち、従動部61は伝達部収納部41に収納された部位であり、支持部70は、送風路36に位置している部位であり、一対の腕部62,62は、従動部61と支持部70とを接続する部位である。なお、一対の腕部62,62を廃して、支持部70と従動部61とをガイド面40を挟んで磁石によって連結してもよい。
【0034】
リブ42cが第2ガイドローラ63に接触可能な位置に形成されている場合には、カバー42を補強するためのリブ42cによって、第2ガイドローラ63をガイドすることが可能となる。
【0035】
[従動部]
従動部61は、伝達部収納部41の上面又は下面に対して転がり可能な第1ガイドローラ64と、リブ42c又は伝達部収納部41に対して転がり可能な第2ガイドローラ63と、を備えている。
【0036】
[支持部]
図6Bを参照する。支持部70は、送風路36の空気の流れ方向が長手方向となる矩形の枠状を呈している。支持部70は、一対の腕部62,62に支持されている一対の縦枠部71,71と、一対の縦枠部71,71の上端同士を接続している上枠部73と、一対の縦枠部71,71の下端同士を接続している下枠部74と、が一体となり構成されている。
【0037】
[払拭部]
支持部70に対して払拭部80が取り付けられている。払拭部80は、支持部70の枠を塞ぐことが可能な矩形の板状の本体部81を備えている。本体部81は、上枠部73に対して差し込み可能な差込部82と、下枠部74に係止可能な係止部83と、を有している。一対の縦枠部71,71は、本体部81を支持可能な支持縁72,72を有している。
【0038】
[シート]
本体部81は、ガイド面40に接触してガイド面40に付着した塵埃を払拭可能なシート84を備えている。シート84は、不織布やスポンジ等によって構成することができる。
【0039】
[ブラシ]
本体部81は、ファン21の外周縁24(図5参照)に接触して外周縁24に付着した塵埃を払拭可能なブラシ部76を備えている。ブラシ部76は、本体部81に対してスイング可能に設けられている。スイングの中心線はファン21の軸線Cに沿った方向である。ブラシ部76は、ファン21の塵埃を払拭する樹脂製の毛77が植え付けられた基部78を備えている。
【0040】
[ばね]
ブラシ部76は、引張りばね79(ばね)を備えている。引張りばね79の一端はブラシ部76の基部78に固定されており、引張りばね79の他端は本体部81に固定されている。引張りばね79は、ブラシ部76がファン21へ近づく方向へスイングするようにブラシ部76に力を与えている。
【0041】
[清掃手段の動作]
図4及び図7を参照する。空調装置10は、例えば、運転停止信号を受けた後や操作者の操作による清掃指示信号を受けた際に清掃手段50による清掃を開始する。
【0042】
モータ52が作動すると、ギヤ部53及び駆動プーリ55が回転する。駆動プーリ55が回転すると、歯付きロープ56に接続された移動体60が左右方向に移動する。
【0043】
ガイド面40にはシート84が接触し、ファン21にはブラシ部76が接触している。この状態で移動体60が隙間Gに沿って移動することにより、ガイド面40に付着した塵埃はシート84により払拭され、ファン21に付着した塵埃もブラシ部76によって払拭される。このとき、ファン21を回転(図5において反時計回り方向)させておくことによりファン21の外周縁24の全体を清掃することができる。なお、清掃中のブラシ部76の基部78の底面(図示なし)は本体部81に接触している。
【0044】
移動体60はシート84とブラシ部76の両方を有している。このため、ブラシ部76によってファン21からガイド面40に塵埃を落とし、シート84によって払拭することができる。
【0045】
清掃手段50の空気流れ下流側に左右ルーバー29(図3参照)が設置されているので、ファン21とガイド面40との間の送風路36に手を入れて清掃することが困難であることから、ガイド面40に沿って移動可能な清掃手段50を設けることで、簡易にガイド面40に付着した塵埃を除去できる。
【0046】
[移動体の格納位置]
図3及び図8Aを参照する。清掃手段50による清掃が終了すると、移動体60が格納される。清掃手段50の停止中に、移動体60が格納される位置を格納位置とする。移動体60の格納位置は、ファン21の軸線C方向を基準として送風路36の端部36aに設定されている。
【0047】
以下、ファン21の軸線C方向を基準として、移動体60が格納されている側を格納側(右側)とする。なお、格納位置は、格納側の反対側(左側)の端部36b(図3参照)であってもよい。
【0048】
[モータの位置]
モータ52(図4参照)は、送風路36の格納側の端部36aに位置しているが、送風路36の反対側の端部36bに位置していても良い。換言すると、移動体60の格納位置と、モータ52の位置とは互いに反対側であってもよい。
【0049】
[基板収納部の位置]
ケース30は、モータ52を制御可能な制御基板(図示なし)を収納している基板収納部37を有している。基板収納部37は、ファン収納部33に対して格納側(右側)に形成されている。
【0050】
[モータケース]
図8Aを参照する。モータ52(図4参照)と、ギヤ部53と、駆動プーリ55とは、モータケース57により覆われている。モータケース57は、ガイド面40に沿うように形成されておりモータ52の上方を覆っている上壁部57aと、上壁部57aの左側の縁からガイド面40へ向かって延びておりモータ52の左側方を覆っている側壁部57bとが、が一体となり構成されている。上壁部57aの右側の縁は、ファン収納部33の格納側の側面34に接触している。側面34は、モータ52の右側方を覆っているともいえる。
【0051】
[移動体の格納方法]
モータケース57(収納部)の上壁部57aの縁には、移動体60が格納位置(右側)へ向かって移動する際に、ブラシ部76の基部78がスライドするスライド部58が形成されている。スライド部58は、ファン21に接触しているブラシ部76がファン21から離れるまで、ブラシ部76がスイングするようにガイド可能である。
【0052】
スライド部58は、例えば、ファン21の軸線C方向に対して斜めに直線状に延びているが、曲線状であってもよい。なお、スライド部58は、例えば、ファン収納部33に支持されておりモータケース57とは別体の部材の一部であってもよい。
【0053】
[収納部におけるブラシの位置]
図8Bを参照する。移動体60がモータケース57(収納部)にあるとき、ブラシ部76の基部78の側面78aが移動体60(支持部70の縦枠部71,71)に接触している。即ち、ブラシ部76は完全に倒れている。
【0054】
図9を参照する。以下に、空調装置10の制御部300(107,207)の1構成例について、説明する。制御部300は、例えば2つの制御部(第1制御部及び第2制御部)で構成され、図7において、制御部107(室内制御部)及び室外制御部207である。
【0055】
図9(又は図1)の室内機20は、入力部301を備えることができ、入力部301は、例えば赤外線受信モジュールであるリモコン入力部(リモートコントローラ入力部)であるが、これに限定されるものではない。入力部301がリモコン入力部である場合に、操作者は、図示されないリモコン(リモートコントローラ)を介して、1例として、冷房運転又は暖房運転(運転モード)を選択可能である。これに応じて、制御部107は、入力部301又はリモコン入力部を介して、運転モードとして、冷房運転又は暖房運転を設定可能である。具体的には、操作者がリモコンの例えば冷房ボタン(図示せず)を押す場合に、冷房運転の選択を表す信号がリモコンから送信され、リモコン入力部がその信号を受信し、制御部107は、冷房運転の選択を認識又は判定し、制御部107に冷房運転が設定される。
【0056】
制御部107は、例えばCPU、ROM、RAM等で構成されるマイコン(マイクロコンピュータ)であるが、これに限定されるものではない。制御部107がマイコンである場合に、ROMは、CPUに所定の動作を実行させるプログラムを記憶し、RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。また、ROMは、制御部107に設定された運転及びその運転を実行するために必要なデータを記憶することができる。
【0057】
制御部107がマイコンである場合に、制御部107は、その内部に記憶部(図示せず)を備えているが、空調装置10(室内機20、室外機11)は、制御部107、室外制御部207等の制御部300の外部に記憶部(室内記憶部、室外記憶部)を有しても良い。言い換えれば、制御部300(制御部107,室外制御部207)は、様々なデータ(設定データを含む)を制御部300(制御部107,室外制御部207)の内部ないし外部に記憶することができる。
【0058】
制御部107に冷房運転が設定されるとき、制御部107は、冷房運転の開始を室外機11(配線109又は信号線を介して室外制御部207)に指示することができる。次に、操作者がリモコンの例えば暖房ボタン(図示せず)を押す場合に、制御部107に暖房運転が設定されて、制御部107は、暖房運転の開始を室外機11(室外制御部207)に指示することができる。代替的に、操作者がリモコンの例えば停止ボタン(図示せず)を押す場合に、制御部107に、現在実施されている運転モード(例えば、冷房運転又は暖房運転)の停止が設定されて、制御部107は、冷房運転又は暖房運転の停止を室外機11(室外制御部207)に指示することができる。
【0059】
好ましくは、リモコンは、例えば自動清掃設定ボタン(図示せず)を有し、操作者からの操作(自動清掃のON(入)又はOFF(切))が制御部107に設定される。自動清掃がONである場合、例えば冷房運転又は暖房運転が停止されるとき、室内機20は、少なくともファン21に付着した塵埃の除去を準備又は開始することができる。
【0060】
また、室内機20の清掃手段50は、ガイド面部45に付着した塵埃を払拭可能なシート84を有する清掃手段50の代わりに、ファン21の清掃を行なうことが可能なブラシ部76を有する清掃手段50を備えても良く、少なくとも一方の清掃手段50を備えていれば良い。
【0061】
室内機20が、シート84(広義には払拭できるもの)及びブラシ部76を有する清掃手段50を備え、且つ、制御部107に、操作者からの操作として、自動清掃のON(入)が設定される場合において、言い換えれば、冷房運転若しくは除湿運転又は暖房運転の停止後に送風路AP(ファン21及びガイド面部45)の清掃が自動で実施されるように設定される場合において、空調装置10の制御部300(107,207)の制御について、説明する。
【0062】
ファン21とガイド面部45との間の送風路APの清掃が自動に設定される場合において、例えば、操作者がリモコンの例えば停止ボタンを押すことによってリモコンで生成された運転停止信号は、入力部301に入力又は受信される。制御部107に設定された冷房運転が停止される場合、制御部107には、内部乾燥が設定される。制御部107は、冷房運転(又は除湿運転)が所定期間だけ実施されたか否かを判断してもよく、例えば10分間以上の冷房運転(又は除湿運転)が実施された後に、制御部107は、送風運転と微弱な暖房運転とを例えば3分間毎に交互に切り替え、例えば合計60分間の内部乾燥運転を実施する。
【0063】
内部乾燥運転の終了後、又は、暖房運転の停止後、ファン21及び送風路APに付着した塵埃を除去するために、制御部107は、シート84を駆動部51(モータ52)で左方向に移動を開始させると共に、ファン21を超低回転数(例えば、50rpm)で駆動する(送風路清掃運転を開始する)。
【0064】
送風路清掃運転の開始によって、シート84は、ファン21の右端から左端側に向い、その後にブラシ部76がファン21の左端に到達する場合、より具体的には、例えばステッピングモータで構成させるモータ52を例えば5000パルス(ON/OFFの1サイクル)だけ例えば反時計回りに回転させる場合、制御部107は、モータ52を例えば5000パルス(サイクル)だけ例えば時計回りに逆回転させて、シート84を駆動部51(モータ52)で右方向に移動させる。シート84が元の位置に戻るとき、制御部107は、シート84の駆動を終了(OFF)させると共に、ファン21の駆動も終了(OFF)させる(送風路清掃運転を終了する)。
【0065】
次に送風路清掃運転よって清掃手段50が塵埃等で汚れている場合、使用者が清掃手段50の手入れを行うためのメンテナンスモードについて説明する。
【0066】
図10図11及び図12を参照する。使用者のリモコンの操作によりメンテナンスモードの開始を選択されると(S1がYes)、室内制御部107は、清掃手段50をモータケース57(収納部)の位置から左右ルーバー29の複数の風向板29aの右端よりも外側の位置及び、空気吹出口32から見える範囲の所定の位置に移動する(S2)。
【0067】
また、上下ルーバー28を開状態にする(S3)。好ましくは、手入れを行う使用者がケース30内に手を入れやすくするため、少なくとも上下ルーバー28は水平よりも下向きに開くようにする。
【0068】
また、左右ルーバー29を清掃手段50から離れる方向(このときは左方向)に駆動させる(S4)。
【0069】
このように、使用者が清掃手段50の手入れのためにメンテナンスモードをリモコンで指示すると、室内制御部107は
【0070】
そして、空調機器100がメンテナンスモードである場合、手入れを行う使用者は、ケース30内に手を入れ、下枠部74に係合している係止部83を取り外し、上枠部73から差込部82を引き抜くことで、清掃手段50をケース30内から取り出す。
【0071】
使用者は、取り出した清掃手段50のシート84を交換もしくは洗浄を行い、ブラシ部76を交換もしくは洗浄を行うことで、清掃手段50の手入れを完了する。
【0072】
そして、手入れが完了すると、使用者は、清掃手段50を上枠部73に差込部82を差し込み、下枠部74に係止部83を係合させることにより清掃手段50の取付を行う。
【0073】
そして、使用者のリモコンの操作によりメンテナンスモードの停止を選択されると、(S5がYes)、室内制御部107は、清掃手段50を所定の位置からモータケース57(収納部)の位置に移動する(S6)。
【0074】
また、上下ルーバー28を閉状態にする(S7)。
【0075】
また、左右ルーバー29を正面方向に駆動させる(S8)。好ましくは、制御部107にメンテナンスモード実施前の左右ルーバー29の状態を記憶し、左右ルーバー29をメンテナンスモード実施前の状態に戻すことで、再度冷房運転もしくは暖房運転実施時に所望の角度で運転を開始することができる。
【0076】
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。例えば、本実施例では、メンテナンスモードを指示すると、清掃手段50は、左右ルーバー29の複数の風向板29aの右端よりも外側の位置に移動し、左右ルーバー29の風向板29aは離れる方向である左方向に駆動しているが、清掃手段50は、左右ルーバー29の複数の風向板29a左端よりも外側の位置に移動させても良く、このとき、左右ルーバー29の風向板29aは離れる方向である右方向に駆動しても良い。
【0077】
また、左右ルーバー29の風向板29aの内、清掃手段50の所定の位置側の風向板29aを取り外し可能もしくは風向板29aの一枚分の隙間を予め空けておくことで、容易に清掃手段50を取り外すことができる。
【0078】
また、左右ルーバー29の風向板29aは必ずしも清掃手段50から離れる方向に駆動させる必要があるわけではなく、風向板29aを正面方向に駆動させることで、ケース30内に手を入れた時の方向と平行になるので、清掃手段50の取り外し時、手の挿入を妨げないようにすることができる。
【0079】
また、本発明では、清掃運転は送風路36を掃除しているが、ファン21の清掃でもよく、ケース30内を清掃する清掃手段50の取り外しに関するものである。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の空調装置10は、家庭用のエアコン装置に好適である。
【符号の説明】
【0081】
10…空調装置
21…ファン
28…上下ルーバー
29…左右ルーバー
29a…風向板
30…ケース
31…空気取り入れ口
32…空気吹出口
33…ファン収納部
34…ケースの格納側の側面
35…ケースの反対側の側面
36…送風路
36a…送風路の格納側の端部
36b…送風路の反対側の端部
37…制御基板を収納している基板収納部
40…ガイド面
42…カバー
45…開口
50…清掃手段
52…モータ
54…駆動力伝達部
56…歯付きロープ(駆動力伝達部54の一部)
57…モータケース(収納部)
59…ウォーム(駆動力伝達部54)
76…ブラシ
84…シート
107…室内制御部(制御部)
C…ファンの軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12