(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009940
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】遅延放出ゲル化剤組成物を含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20240116BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20240116BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240116BHJP
A61K 31/4375 20060101ALI20240116BHJP
A61K 31/4468 20060101ALI20240116BHJP
A61K 31/485 20060101ALI20240116BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240116BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240116BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240116BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240116BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240116BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240116BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20240116BHJP
A61K 36/534 20060101ALI20240116BHJP
A61K 36/61 20060101ALI20240116BHJP
A61K 36/752 20060101ALI20240116BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A61K45/00
A61K9/06
A61P25/04
A61K31/4375
A61K31/4468
A61K31/485
A61K47/02
A61K47/32
A61K47/34
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/42
A61K36/185
A61K36/534
A61K36/61
A61K36/752
A61K45/06
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176374
(22)【出願日】2023-10-12
(62)【分割の表示】P 2020517421の分割
【原出願日】2018-10-01
(31)【優先権主張番号】62/566,989
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508150854
【氏名又は名称】パーデュー、ファーマ、リミテッド、パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(72)【発明者】
【氏名】デサイ,ミート
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ヒュー,ハイヨン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タンパリング抵抗性がある、乱用を受けやすい活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)を含む即時放出固体経口剤形を提供する。
【解決手段】即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない、前記固体経口剤形とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に
含まない、前記固体経口剤形。
【請求項2】
前記オピオイド鎮痛薬が、モルヒネ、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、
コデイン、レボルファノール、メペリジン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、オキ
シモルホン、フェンタニル、ブプレノルフィン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和
物、そのプロドラッグ、及びその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の固
体経口剤形。
【請求項3】
鎮痛有効量の前記オピオイド鎮痛薬を含む、請求項1~2のいずれか1項に記載の固体
経口剤形。
【請求項4】
オピオイド鎮痛薬約0.1%~約80%(w/w)、または約0.5%~約30%(w
/w)、または約1%~約10%(w/w)を含む、請求項1~2のいずれか1項に記載
の固体経口剤形。
【請求項5】
室温で0.1N HCl900ml中で、USP Apparatus1(#40メッ
シュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定すると、30分以内に前記オピオイド
鎮痛薬の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なく
とも約95%を放出する、請求項1~4のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項6】
室温で0.1N HCl900ml中で、USP Apparatus1(#40メッ
シュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定すると、45分以内に前記オピオイド
鎮痛薬の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なく
とも約95%を放出する、請求項1~4のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項7】
室温で0.1N HCl900ml中で、USP Apparatus1(#40メッ
シュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定すると、60分以内に前記オピオイド
鎮痛薬の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なく
とも約95%を放出する、請求項1~4のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項8】
前記遅延放出ゲル化剤組成物がゲル化剤及び腸溶物質を含む、請求項1~7のいずれか
1項に記載の固体経口剤形。
【請求項9】
前記ゲル化剤が、デンプン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースナトリウム
、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、アタパルガイト、ベントナイト、デキストリン、ア
ルギネート、カラゲナン、トラガカントゴム、アラビアゴム、ガーゴム、ザンサンガム、
ペクチン、ゼラチン、カオリン、架橋ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レンオキシド、ポリビニルアルコール、及びその混合物からなる群から選択される、請求
項8に記載の固体経口剤形。
【請求項10】
前記ゲル化剤がポリエチレンオキシド、ザンサンガム、架橋ポリアクリル酸、多糖、及
びその混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の固体経口剤形。
【請求項11】
前記ゲル化剤がポリマーを含む、請求項8に記載の固体経口剤形。
【請求項12】
前記ポリマーが多糖を含む、請求項11に記載の固体経口剤形。
【請求項13】
前記多糖が微生物多糖である、請求項12に記載の固体経口剤形。
【請求項14】
前記微生物多糖がザンサンガムを含む、請求項13に記載の固体経口剤形。
【請求項15】
前記ポリマーが中性pH水溶液中の陰イオン性ポリマーを含む、請求項11に記載の固
体経口剤形。
【請求項16】
前記陰イオン性ポリマーがポリアクリル酸を含む、請求項15に記載の固体経口剤形。
【請求項17】
前記陰イオン性ポリマーがカルボマーホモポリマーを含む、請求項16に記載の固体経
口剤形。
【請求項18】
前記ゲル化剤がザンサンガム及びカルボマーホモポリマーを含む、請求項8に記載の固
体経口剤形。
【請求項19】
ゲル化剤約0.1%~約50%、または約0.5%~約20%、または約1%~約10
%(w/w)を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項20】
完全なままの固体経口剤形から室温で水約0.5ml~約10ml中で5分目に得られ
る溶液の粘度が、約50cP以上、約75cP以上、約100cP以上、または約125
cP以上であり、その際、前記粘度が回転粘度計によって測定される、請求項1~19の
いずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項21】
タンパリングされた固体経口剤形から室温で水約0.5ml~約10ml中で2分目に
得られる溶液の粘度が、約50cP以上、約75cP以上、約100cP以上、または約
125cP以上であり、その際、前記粘度が回転粘度計によって測定される、請求項1~
19のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項22】
完全なままの固体経口剤形から室温で0.1N HCl約0.5ml~約10ml中で
5分目に得られる溶液の粘度が、約50cP未満、約40cP未満、約30cP未満、約
20cP未満、約10cP未満、約5cP未満、または約2cP未満であり、その際、前
記粘度が回転粘度計によって測定される、請求項1~19のいずれか1項に記載の固体経
口剤形。
【請求項23】
タンパリングされた固体経口剤形から室温で0.1N HCl約0.5ml~約10m
l中で5分目に得られる溶液の粘度が、約50cP未満、約40cP未満、約30cP未
満、約20cP未満、約10cP未満、約5cP未満、または約2cP未満であり、その
際、前記粘度が回転粘度計によって測定される、請求項1~19のいずれか1項に記載の
固体経口剤形。
【請求項24】
完全なままの固体経口剤形から室温で0.1N HCl約0.5ml~約10ml中で
5分目に得られる溶液の粘度が、タンパリングされた固体経口剤形から室温で0.1N
HCl約0.5ml~約10ml中で5分目に得られる溶液の粘度の約30%、約20%
、約10%、または約5%以内であり、その際、前記粘度が回転粘度計によって測定され
る、請求項1~19のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項25】
完全なままの固体経口剤形から室温で水約5ml中で5分目に得られる溶液の粘度と、
完全なままの固体経口剤形から室温で0.1N HCl約5ml中で5分目に得られる溶
液の粘度との比が約10:1以上、約15:1以上、約20:1以上、約25:1以上、
または約30:1以上であり、その際、前記粘度が回転粘度計によって測定される、請求
項1~19のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項26】
前記オピオイド鎮痛薬組成物が1つまたは複数の粒子の形態である、請求項1~25の
いずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項27】
各オピオイド鎮痛薬粒子が、不活性な核上にコーティングされた前記オピオイド鎮痛薬
またはマトリックス物質中に分散した前記オピオイド鎮痛薬を含む、請求項26に記載の
固体経口剤形。
【請求項28】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が1つまたは複数の粒子の形態である、請求項8に記載の
固体経口剤形。
【請求項29】
各遅延放出ゲル化剤粒子が(i)前記腸溶物質でコーティングされた前記ゲル化剤、(
ii)前記ゲル化剤でコーティングされ、かつ前記腸溶物質でオーバーコーティングされ
た不活性な核、または(iii)マトリックス物質中に分散した前記ゲル化剤を含む、請
求項28に記載の固体経口剤形。
【請求項30】
前記1つまたは複数のオピオイド鎮痛薬粒子及び前記1つまたは複数の遅延放出ゲル化
剤粒子が薬学的に許容されるカプセル中に収容されている、請求項26~29のいずれか
1項に記載の固体経口剤形。
【請求項31】
前記1つまたは複数のオピオイド鎮痛薬粒子及び前記1つまたは複数の遅延放出ゲル化
剤粒子が錠剤に圧縮されている、請求項26~29のいずれか1項に記載の固体経口剤形
。
【請求項32】
前記オピオイド鎮痛薬組成物が前記1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子上にコーテ
ィングされている、請求項28または29に記載の固体経口剤形。
【請求項33】
前記1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子が前記オピオイド鎮痛薬組成物を含むマト
リックス中に分散している、請求項28または29に記載の固体経口剤形。
【請求項34】
前記腸溶物質が約5.5超のpHで溶解する、請求項8~33のいずれか1項に記載の
固体経口剤形。
【請求項35】
前記腸溶物質が約5.5未満のpHでは溶解しない、請求項8~33のいずれか1項に
記載の固体経口剤形。
【請求項36】
前記腸溶物質が約5.5超のpHで溶解し、かつ約5.5未満のpHでは溶解しない、
請求項8~33のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項37】
前記腸溶物質が、セルロース系物質、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、及
びその混合物からなる群から選択される、請求項8~33のいずれか1項に記載の固体経
口剤形。
【請求項38】
前記腸溶物質が、メタクリル酸/メタクリル酸メチル、メタクリル酸/アクリル酸エチ
ルコポリマー、メタクリル酸/アクリル酸メチル/メタクリル酸メチルコポリマー、シェ
ラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシルプロピルメチル
セルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテー
ト、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタレート、またはその混合物から
なる群から選択される、請求項8~33のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項39】
各粒子が腸溶物質約10%~約30%(w/w)、または約12%~約25%(w/w
)を含む、請求項28または29に記載の固体経口剤形。
【請求項40】
腸溶物質約0.1%~約50%(w/w)、約1%~約20%(w/w)、または約2
%~約15%(w/w)を含む、請求項8~38のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項41】
嫌悪剤をさらに含む、請求項1~40のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項42】
前記嫌悪剤が、催吐剤、アンタゴニスト、苦味剤、刺激剤、及びその混合物からなる群
から選択される、請求項41に記載の固体経口剤形。
【請求項43】
前記催吐剤が、メチルセフェリン、セフェリン、塩酸エメチン、サイコトリン、O-メ
チルサイコトリン、エメタミン、イペカミン、ヒドロイペカミン、トコン酸、トコン、及
びその混合物からなる群から選択される、請求項42に記載の固体経口剤形。
【請求項44】
前記アンタゴニストが、ナルトレキソン、ナロキソン、ナルメフェン、シクラザシン、
レバロルファン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物、そのプロドラッグ及びその
組み合わせからなる群から選択される、請求項42に記載の固体経口剤形。
【請求項45】
前記嫌悪剤が、香味油、香味芳香剤、含油樹脂、植物抽出物、葉抽出物、花抽出物、果
実抽出物、スクロース誘導体、クロロスクロース誘導体、硫酸キニーネ、安息香酸デナト
ニウム、及びその混合物からなる群から選択される苦味剤である、請求項42に記載の固
体経口剤形。
【請求項46】
前記嫌悪剤が、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、ニクズク油、オールス
パイス、メース、苦扁桃油、メントール、及びその混合物からなる群から選択される苦味
剤である、請求項42に記載の固体経口剤形。
【請求項47】
前記嫌悪剤が、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツからなる群から選択され
る果実から抽出される苦味剤、及びその混合物である、請求項42に記載の固体経口剤形
。
【請求項48】
前記嫌悪剤が、界面活性剤、カプサイシン、カプサイシン類似体、及びその混合物から
なる群から選択される刺激剤である、請求項42に記載の固体経口剤形。
【請求項49】
前記カプサイシン類似体が、レシニフェラトキシン、チニアトキシン、ヘプタノイルイ
ソブチルアミド、ヘプタノイルグアヤシルアミド、イソブチルアミド、グアヤシルアミド
、ジヒドロカプサイシン、ホモバニリルオクチルエステル、ノナノイルバニリルアミド、
及びその混合物からなる群から選択される、請求項48に記載の固体経口剤形。
【請求項50】
前記界面活性剤が、ポロキサマー、ソルビタンモノエステル、モノオレイン酸グリセリ
ル、ラウリル硫酸ナトリウム、またはその組み合わせからなる群から選択される、請求項
48に記載の固体経口剤形。
【請求項51】
刺激剤約0.1%~約30%(w/w)、または約0.5%~約20%(w/w)、ま
たは約1%~約10%(w/w)を含む、請求項1~50のいずれか1項に記載の固体経
口剤形。
【請求項52】
薬学的に許容される添加剤をさらに含む、請求項1~51のいずれか1項に記載の固体
経口剤形。
【請求項53】
前記薬学的に許容される添加剤が、可塑剤、着色剤、滑沢剤、増量剤、熱滑沢剤、抗酸
化剤、緩衝剤、崩壊剤、結合剤、希釈剤、流動化促進剤、抗付着剤、甘味剤、キレート化
剤、香味剤、界面活性剤、溶解補助剤、安定剤、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、ろう
、親油性物質、吸収促進剤、防腐剤、吸収剤、架橋剤、生体用粘着ポリマー、細孔形成剤
、浸透圧調節剤、ポリカルボン酸またはその組み合わせからなる群から選択される、請求
項52に記載の固体経口剤形。
【請求項54】
前記充填剤が、ラクトース、デキストロース、マンニトール、微結晶性セルロース、及
びその混合物からなる群から選択される、請求項53に記載の固体経口剤形。
【請求項55】
前記流動化促進剤が二酸化ケイ素を含む、請求項53に記載の固体経口剤形。
【請求項56】
前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含む、請求項53に記載の固体経口剤形。
【請求項57】
薬学的に許容される添加剤約0.1%~約99%(w/w)、約10%~約80%(w
/w)、または約15%~約70%(w/w)を含む、請求項1~56のいずれか1項に
記載の固体経口剤形。
【請求項58】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が、ローター成層及び腸溶コーティングされたペレット、
トップスプレーされた顆粒、ローラー圧縮されたペレット、ボトムスプレーされた顆粒、
またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、請求項1~57のいずれか1
項に記載の固体経口剤形。
【請求項59】
単位剤形の形態である、請求項1~58のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項60】
多数の粒子の形態である、請求項1~58のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項61】
錠剤の形態である、請求項59に記載の固体経口剤形。
【請求項62】
前記多数の粒子が薬学的に許容されるカプセル中に収容されている、請求項60に記載
の固体経口剤形。
【請求項63】
オピオイド鎮痛薬とゲル化剤との重量比が、約1:30~約30:1、または約1:1
5~約15:1、または約1:10~約10:1、または約1:8~約8:1、または約
1:5~約5:1、または約1:3~約3:1、または約1:1.5~約1.5:1の群
から選択される、請求項1~62のいずれかに記載の固体経口剤形。
【請求項64】
ゲル化剤と腸溶物質との重量比が、約1:30~約30:1、または約1:15~約1
5:1、または約1:10~約10:1、または約1:8~約8:1、または約1:3~
約3:1、または約1:1.5~約1.5:1の群から選択される、請求項7~63のい
ずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項65】
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら溶媒5mlで溶解させ、かつ得られた
溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験に基づき
、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約1
0%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満である、請求項1~
64のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項66】
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら溶媒10mlで溶解させ、かつ得られ
た溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験に基づ
き、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約
10%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満である、請求項1
~64のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項67】
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌せずに溶媒5mlで溶解させ、かつ得られた溶
液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験に基づき、
前記オピオイド鎮痛薬の回収率が、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10
%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満である、請求項1~6
4のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項68】
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌せずに溶媒10mlで溶解させ、かつ得られた
溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験に基づき
、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約1
0%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満である、請求項1~
64のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項69】
破砕された固体経口剤形を室温で撹拌しながら溶媒5mlで溶解させ、かつ得られた溶
液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験に基づき、
前記オピオイド鎮痛薬の回収率が、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10
%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満である、請求項1~6
4のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項70】
破砕された固体経口剤形を室温で撹拌しながら溶媒10mlで溶解させ、かつ得られた
溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験に基づき
、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約1
0%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満である、請求項1~
64のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項71】
破砕された固体経口剤形を室温で撹拌せずに溶媒5mlで溶解させ、かつ得られた溶液
を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験に基づき、前
記オピオイド鎮痛薬の回収率が、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%
未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満である、請求項1~64
のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項72】
破砕された固体経口剤形を室温で撹拌せずに溶媒10mlで溶解させ、かつ得られた溶
液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験に基づき、
前記オピオイド鎮痛薬の回収率が、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10
%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満である、請求項1~6
4のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項73】
水約0.5ml~約10mlと混合された前記固体経口剤形の粘度が、前記オピオイド
鎮痛薬を、非経口投与または静脈内投与に不適切なものとする、請求項1~72のいずれ
か1項に記載の固体経口剤形。
【請求項74】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が、前記遅延放出ゲル化剤組成物の全重量に対して腸溶物
質約5%~約35%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレット
を含む、請求項1~73のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項75】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が、前記遅延放出ゲル化剤組成物の全重量に対して腸溶物
質約5%~約15%(w/w)を含むローター成層、腸溶コーティングされたペレットを
含む、請求項1~73のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項76】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が、前記遅延放出ゲル化剤組成物の全重量に対して腸溶物
質約15%~約25%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレッ
トを含む、請求項1~73のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項77】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が、前記遅延放出ゲル化剤組成物の全重量に対して腸溶物
質約25%~約35%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレッ
トを含む、請求項1~73のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項78】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が、前記遅延放出ゲル化剤組成物の全重量に対して腸溶コ
ーティング約10%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレット
を含む、請求項1~73のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項79】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が、前記遅延放出ゲル化剤組成物の全重量に対して腸溶コ
ーティング約30%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレット
を含む、請求項1~73のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項80】
前記遅延放出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含み、かつ前記固体経口剤形中に
組み込まれる前記トップスプレー顆粒の約90%~約100%が100メッシュスクリー
ン、200メッシュスクリーン、及びパンの1つまたは複数中に保持される、請求項1~
73のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項81】
前記遅延放出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含み、かつ前記固体経口剤形に組
み込まれる前記トップスプレー顆粒の約20%~約50%が100メッシュスクリーンに
保持される、請求項80に記載の固体経口剤形。
【請求項82】
前記遅延放出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含み、かつ前記固体経口剤形に組
み込まれる前記トップスプレー顆粒の約30%~約45%が100メッシュスクリーンに
保持される、請求項80に記載の固体経口剤形。
【請求項83】
前記遅延放出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含み、かつ前記固体経口剤形に組
み込まれる前記トップスプレー顆粒の約20%~約50%が200メッシュスクリーンに
保持される、請求項80~82のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項84】
前記遅延放出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含み、かつ前記固体経口剤形に組
み込まれる前記トップスプレー顆粒の約30%~約45%が200メッシュスクリーンに
保持される、請求項80~82のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項85】
前記遅延放出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含み、かつ前記固体経口剤形に組
み込まれる前記トップスプレー顆粒の約10%~約30%が200メッシュスクリーンで
篩い掛けした後に保持される、請求項80~84のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項86】
前記遅延放出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含み、かつ前記固体経口剤形に組
み込まれる前記トップスプレー顆粒の約15%~約25%が200メッシュスクリーンで
篩い掛けした後に保持される、請求項80~84のいずれか1項に記載の固体経口剤形。
【請求項87】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が、約0.4g/ml~約0.6g/mlの範囲のかさ密
度を有するローラー圧縮ペレットを含む、請求項1~73のいずれか1項に記載の固体経
口剤形。
【請求項88】
前記遅延放出ゲル化剤組成物が、約0.55g/ml~約0.65g/mlの範囲のタ
ップ密度を有するローラー圧縮ペレットを含む、請求項1~73のいずれか1項に記載の
固体経口剤形。
【請求項89】
圧縮錠剤の形態である、請求項1~88のいずれかに記載の固体経口剤形。
【請求項90】
前記圧縮錠剤が約2Kp~約20Kpの硬度を有する、請求項89に記載の固体経口剤
形。
【請求項91】
前記圧縮錠剤が約5Kp~約18Kpの硬度を有する、請求項90に記載の固体経口剤
形。
【請求項92】
水中で約10秒~約30分の範囲の崩壊時間を有する、請求項1~91のいずれか1項
に記載の固体経口剤形。
【請求項93】
水中で約1分~約10分の範囲の崩壊時間を有する、請求項92に記載の固体経口剤形
。
【請求項94】
水中で約10秒~約2分の範囲の崩壊時間を有する、請求項92に記載の固体経口剤形
。
【請求項95】
SGF中で約10秒~約30分の範囲の崩壊時間を有する、請求項1~94のいずれか
1項に記載の固体経口剤形。
【請求項96】
SGF中で約1分~約10分の範囲の崩壊時間を有する、請求項95のいずれか1項に
記載の固体経口剤形。
【請求項97】
SGF中で約10秒~約2分の範囲の崩壊時間を有する、請求項95に記載の固体経口
剤形。
【請求項98】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、前記ゲル化剤組成物がゲル化剤及び前記ゲル化剤をコーティングする
腸溶物質を含み、かつ室温で0.1N HCl900ml中でUSP Apparatu
s 1(#40メッシュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定すると、45分以
内に前記オピオイド鎮痛薬の少なくとも約85%を放出する、前記固体経口剤形。
【請求項99】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物が、ゲル化剤及び腸溶物質を含み、かつ
前記腸溶物質が、約5.5超のpHで溶解し、かつ約5.5未満のpHで溶解しない、
前記固体経口剤形。
【請求項100】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物が、ペレットの全重量に対して腸溶物質約10%(w/w)を含む
ローター成層及び腸溶コーティングされた前記ペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌せずに水道水約5ml~約10mlで溶解させ
、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによ
る注射針通過試験に基づき、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が約15%未満である、前記
固体経口剤形。
【請求項101】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物が、前記ペレットの全重量に対して腸溶物質約10%(w/w)を
含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら水道水約5ml~約10mlで溶解さ
せ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することに
よる注射針通過試験に基づき、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が約5%未満である、前記
固体経口剤形。
【請求項102】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物が、前記ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を
含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約10ml
で溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引す
ることによる注射針通過試験に基づき、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が約20%未満で
ある、前記固体経口剤形。
【請求項103】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物が、前記ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を
含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌せずに水道水約5mlで溶解させ、かつ得られ
た溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過
試験に基づき、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が約10%未満である、前記固体経口剤形
。
【請求項104】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物が、前記ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を
含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら水道水約5mlで溶解させ、かつ得ら
れた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通
過試験に基づき、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が約5%未満である、前記固体経口剤形
。
【請求項105】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約5ml~
約10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射
針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が約2
%未満である、前記固体経口剤形。
【請求項106】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物がローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒を含み、
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約5ml~
約10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射
針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が約4
0%未満、約30%未満、約10%未満、または約8%未満である、前記固体経口剤形。
【請求項107】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物が、前記ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を
含むローター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
破砕された固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約10mlで
溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する
ことによる注射針通過試験に基づき、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が約15%未満、約
10%未満、または約5%未満である、前記固体経口剤形。
【請求項108】
即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体
経口剤形であって、
前記固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に
含まず、
前記ゲル化剤組成物がローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒を含み、かつ
破砕された固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約10mlで
溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する
ことによる注射針通過試験に基づき、前記オピオイド鎮痛薬の回収率が約30%未満、約
25%未満、または約5%未満である、前記固体経口剤形。
【請求項109】
先行請求項のいずれか1項に記載の固体経口剤形を投与することを含む、疾患または状
態を処置する方法。
【請求項110】
請求項1~108のいずれかに記載の固体経口剤形を投与することを含む、疼痛を処置
する方法。
【請求項111】
即時放出形態の活性薬剤組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含む固体経口剤形
であって、前記固体経口剤形が持続放出形態の活性薬剤組成物を含まない、または実質的
に含まない、前記固体経口剤形。
【請求項112】
前記活性薬剤が、オピオイドアゴニスト、トランキライザー、CNS抑制薬、CNS刺
激薬、催眠鎮静薬、及びその混合物からなる群から選択される薬物である、請求項111
に記載の固体経口剤形。
【請求項113】
固体経口剤形を調製するためのプロセスであって、(i)遅延放出ゲル化剤組成物を調
製すること;(ii)前記遅延放出ゲル化剤組成物を活性薬剤組成物とブレンドすること
;及び(iii)前記ブレンドを錠剤に圧縮することを含む、前記プロセス。
【請求項114】
前記調製ステップが、ゲル化剤を腸溶コーティングすることを含む、請求項113に記
載のプロセス。
【請求項115】
腸溶コーティングの前記ステップを、ローター粉末成層、流動床造粒、ローラー圧縮、
流動床コーティング、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される方法によって行
う、請求項114に記載のプロセス。
【請求項116】
固体経口剤形を調製するためのプロセスであって、(i)1つまたは複数の粒子を調製
すること;(ii)前記1つまたは複数の粒子をオピオイド鎮痛薬組成物でコーティング
すること;及び(iii)オピオイド鎮痛薬組成物でコーティングされた前記1つまたは
複数の粒子を遅延放出ゲル化剤組成物とブレンドすることを含み、その際、前記固体経口
剤形が、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含み、かつ前記固体経口剤形が、持続
放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない、前記プロセス
。
【請求項117】
(iv)前記ブレンドを錠剤に圧縮することをさらに含む、請求項116に記載のプロ
セス。
【請求項118】
固体経口剤形を調製するためのプロセスであって、(i)1つまたは複数の遅延放出ゲ
ル化剤組成物粒子を調製すること;及び(ii)前記1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤
粒子をオピオイド鎮痛薬組成物でコーティングすることを含み、その際、前記固体経口剤
形が、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬を含み、かつ前記固体経口剤形が、持続放出形態
のオピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない、前記プロセス。
【請求項119】
(iii)前記1つまたは複数のコーティングされた粒子を錠剤に圧縮することをさら
に含む、請求項118に記載のプロセス。
【請求項120】
固体経口剤形を調製するプロセスであって、(i)1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤
粒子を調製すること;及び(ii)オピオイド鎮痛薬組成物及び前記1つまたは複数の遅
延放出ゲル化剤粒子をマトリックスに分散させることを含み、その際、前記固体経口剤形
が即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含み、かつ前記固体経口剤形が持続放出形態
のオピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない、前記プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパリング及び乱用に抵抗性がある医薬剤形の分野に関する。具体的には
、本発明は、乱用抑止性がある即時放出固体経口剤形、その調製方法及び使用を対象とす
る。
【背景技術】
【0002】
医薬製品は、乱用の対象となることがある。例えば、特定用量のオピオイド鎮痛薬は、
経口投与される同じ用量と比較すると、非経口投与される場合に、より強力であり得る。
一部の製剤は、その中のオピオイドの不正使用を容易にするためにタンパリングされ得る
。その剤形が乱用しやすい場合、及び/または乱用者が乱用から得られる高揚を好み、そ
の乱用が再び剤形を服用するように乱用者を刺激する場合に、オピオイド剤形のそのよう
な乱用パターンが生じ得る。
【0003】
オピオイド鎮痛薬など、乱用されやすい薬物を含有する即時放出剤形の乱用可能性を低
下させるために、ゲル化剤の使用が企図されてきた。乱用の一形態は、非経口投与または
外粘膜面を通過しての吸収によるような不正使用のために、その中に含有される薬物を遊
離するために剤形を破砕することによる形態である。破砕された剤形が溶液と混合される
と、薬物が注射針に吸引されることを阻止し、それによって、非経口乱用を妨害する粘度
が得られる。同様に、破砕された剤形が粘膜面(例えば、鼻腔)に施与された場合、組成
物は粘膜水分と接触後にゲルを形成し、それによって吸収を阻止する。
【0004】
ゲル化剤を即時放出剤形に組み込む場合に克服すべき問題の1つは、タンパリングを阻
止するために十分な量で含まれる場合に、そのような作用物質が即時放出剤形に付与し得
る持続放出特性である。
【0005】
当技術分野では、非経口及び経鼻乱用に抵抗性がある、オピオイド鎮痛薬などの乱用を
受けやすい活性薬剤を含有する即時放出固体経口剤形が必要とされている。より具体的に
は、製剤の適正な投与では、乱用を受けやすい活性薬剤の即時放出性を維持しながらも、
タンパリングではその乱用抑止を維持する、ゲル化剤を含有する即時放出製剤が必要とさ
れている。
【発明の概要】
【0006】
本発明のある特定の実施形態の目的は、タンパリング抵抗性がある、乱用を受けやすい
活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)を含む即時放出固体経口剤形を提供することであ
る。
【0007】
本発明のある特定の実施形態の目的は、他の剤形よりも非経口乱用を受けにくい、乱用
を受けやすい活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)を含む即時放出固体経口剤形を提供
することである。
【0008】
本発明のある特定の実施形態の目的は、他の剤形よりも鼻腔内乱用を受けにくい、乱用
を受けやすい活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)を含む即時放出固体経口剤形を提供
することである。
【0009】
本発明のある特定の実施形態のさらなる目的は、他の剤形よりも流用されにくい、乱用
を受けやすい活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)を含む即時放出固体経口剤形を提供
することである。
【0010】
本発明のある特定の実施形態のさらなる目的は、本明細書に開示のとおりの即時放出固
体経口剤形を、それを必要とする患者に投与することによって、ヒト患者において疾患ま
たは状態(例えば、疼痛)を処置することである。
【0011】
本発明のある特定の実施形態のさらなる目的は、剤形の乱用可能性を低下させながら、
オピオイド鎮痛薬を含む即時放出固体経口剤形で、ヒト患者における疼痛を処置する方法
を提供することである。
【0012】
本発明のある特定の実施形態の別の目的は、本明細書に開示のとおりの、乱用を受けや
すい活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)の経口剤形を調製する方法を提供することで
ある。
【0013】
上の目的などは、ある特定の実施形態では、即時放出活性薬剤(例えば、オピオイド鎮
痛薬)組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、持続放出活性薬
剤組成物を含まない、または実質的に含まない前記固体経口剤形を対象とする本発明によ
って達成され得る。
【0014】
一部の実施形態では、本発明は、即時放出活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)組成
物及び遅延放出ゲル化剤組成物であって、固体経口剤形が持続放出活性薬剤組成物を含ま
ず、または実質的に含まず、かつ遅延放出ゲル化剤組成物がゲル化剤及び腸溶物質を含む
、前記即時放出活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)組成物及び遅延放出ゲル化剤組成
物を対象とする。一部の実施形態では、腸溶物質は、5.5以上のpHでは溶解し得て、
5.5未満のpHでは溶解し得ない。
【0015】
一部の実施形態では、完全なままの(損傷を受けていない)固体経口剤形から室温で水
約5ml中で5分目に得られる溶液の粘度と、完全なままの固体経口剤形から室温で0.
1N HCl約5ml中で5分目に得られる溶液の粘度との比は、約10:1以上である
。
【0016】
一部の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形中のオピオイド鎮痛薬は
、1つまたは複数の粒子の形態であってもよい。各オピオイド鎮痛薬粒子は、(i)オピ
オイド鎮痛薬でコーティングされた不活性な核、または(ii)マトリックス物質中に分
散したオピオイド鎮痛薬を含み得る。
【0017】
一部の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形中の遅延放出ゲル化剤組
成物は、1つまたは複数の粒子の形態であってもよい。各遅延放出ゲル化剤粒子は、(i
)腸溶物質でコーティングされたゲル化剤、(ii)ゲル化剤でコーティングされ、かつ
腸溶物質でオーバーコーティングされた不活性な核、または(iii)腸溶マトリックス
物質中に分散したゲル化剤を含み得る。
【0018】
一部の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形中のオピオイド鎮痛薬は
、1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子上にコーティングされていてもよい。他の実施
形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形中の1つまたは複数の遅延放出ゲル化
剤粒子は、オピオイド鎮痛薬を含むマトリックス(例えば、マトリックス錠剤)中に分散
していてもよい。別の実施形態では、1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子及び1つま
たは複数の即時放出オピオイド粒子は、薬学的に許容されるカプセル中に収容される。
【0019】
一部の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形のタンパリングは、剤形
を非経口投与には不適切にする粘度を付与する。
【0020】
一部の実施形態では、破砕された、または完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しな
がら、または撹拌せずに溶媒5mlまたは10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18
、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき
、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形からのオピオイド鎮痛薬の回収率は、約40%
未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未
満、または約2%未満である。
【0021】
他の目的は、ある特定の実施形態では、(i)遅延放出ゲル化剤組成物を調製すること
;(ii)遅延放出ゲル化剤組成物を活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)とブレンド
すること;及び(iii)ブレンドを錠剤に圧縮することを含む、固体経口剤形を調製す
るプロセスを対象とする本発明によって達成され得る。
【0022】
一部の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形を調製するプロセスは、
ローター粉末成層、流動床造粒、ローラー圧縮、流動床コーティング(ウルスターコーテ
ィング)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される方法によって、ゲル化剤を
腸溶コーティングすることを含む。
【0023】
一部の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形を調製するためのプロセ
スは、(i)1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子を調製すること;及び(ii)1つ
または複数の遅延放出ゲル化剤粒子をオピオイド鎮痛薬でコーティングすることを含み得
、その際、固体経口剤形は、即時放出オピオイド鎮痛薬組成物を含み、かつ固体経口剤形
は、持続放出オピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない。他の実施形
態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形を調製するためのプロセスは、1つまた
は複数の遅延放出ゲル化剤粒子及び1つまたは複数の即時放出オピオイド粒子を薬学的に
許容されるカプセル中に収容することを含み得る。
【0024】
一部の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形を調製するためのプロセ
スは、(i)1つまたは複数の粒子を調製すること;(ii)1つまたは複数の粒子をオ
ピオイド鎮痛薬組成物でコーティングすること;及び(iii)オピオイド鎮痛薬組成物
でコーティングされた1つまたは複数の粒子を、遅延放出ゲル化剤組成物とブレンドする
ことを含み得、その際、固体経口剤形は、即時放出オピオイド鎮痛薬組成物を含み、かつ
固体経口剤形は、持続放出オピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない
。
【0025】
一部の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形を調製するためのプロセ
スは、(i)1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子を調製すること;及び(ii)オピ
オイド鎮痛薬組成物及び1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子をマトリックス中に分散
させることを含み得、その際、固体経口剤形は、即時放出オピオイド鎮痛薬組成物を含み
、かつ固体経口剤形は、持続放出オピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含
まない。
【0026】
さらなる実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に、本明細書に開示のとおり
の即時放出固体経口剤形を投与することを含む、疾患または状態(例えば、疼痛)を処置
する方法を対象とする。
【0027】
本開示の上の特徴及び他の特徴、それらの性質、ならびに様々な利点は、添付の図面と
併せて、次の詳細な説明を検討することでさらに明らかになるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】ローター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含む、本明細書に開示の非限定的実施形態による固体経口剤形を製造するためのプロセスフローダイアグラムを示している。
【
図2】トップスプレーされた顆粒を含む、本明細書に開示の非限定的実施形態による固体経口剤形を製造するためのプロセスフローダイアグラムを示している。
【
図3A】ローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒を含む、本明細書に開示の非限定的実施形態による固体経口剤形を製造するためのプロセスフローダイアグラムを示している。
【
図3B】ローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒を含む、本明細書に開示の非限定的実施形態による固体経口剤形を製造するためのプロセスフローダイアグラムを示している。
【
図4】室温で水道水中で完全なままの錠剤で行った注射針通過試験後に吸引された活性薬剤の体積を示すチャートを示している(実施例8)。
【
図5】室温で水道水中で破砕された錠剤及び完全なままの錠剤で行った注射針通過試験後に吸引された活性薬剤の体積を示すチャートを示している(実施例8)。
【
図6】室温で水道水中で完全なままの錠剤で行った注射針通過試験後に吸引された活性薬剤のアッセイパーセントを示すチャートを示している(実施例8)。
【
図7】室温で水道水中で、破砕された錠剤及び完全なままの錠剤で行った注射針通過試験後に吸引された活性薬剤のアッセイパーセントを示すチャートを示している(実施例8)。
【
図8】実施例2の表4、実施例4の表9、及び実施例7の表16に開示の錠剤配合での溶解プロファイルを示している。
【
図9】実施例4の表9及び10に開示の錠剤配合での溶解プロファイルを示している。
【
図10】実施例2の表4及び5に開示の錠剤配合での溶解プロファイルを示している。
【
図11】実施例7の表16及び17に開示の錠剤配合での溶解プロファイルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
一態様では、本発明は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲ
ル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含
まない、または実質的に含まない前記固体経口剤形を対象とする。
【0030】
ある特定の実施形態では、オピオイド鎮痛薬は、モルヒネ、ヒドロモルホン、ヒドロコ
ドン、オキシコドン、コデイン、レボルファノール、メペリジン、ジヒドロコデイン、ジ
ヒドロモルヒネ、オキシモルホン、フェンタニル、ブプレノルフィン、その薬学的に許容
される塩、その溶媒和物、そのプロドラッグ、及びその混合物からなる群から選択される
。
【0031】
一実施形態では、固体経口剤形は、治療有効量のオピオイド鎮痛薬を含む。別の実施形
態では、固体経口剤形は、鎮痛有効量のオピオイド鎮痛薬を含む。ある特定の実施形態で
は、固体経口剤形は、オピオイド鎮痛薬約0.1%~約80%(w/w)、約0.5%~
約30%(w/w)、または約1%~約10%(w/w)を含有する。
【0032】
別の実施形態では、室温で0.1N HCl900ml中で、USP Apparat
us1(#40メッシュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定すると、本発明の
固体経口剤形は、30分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約80%を放出する。ある
特定の状況下では、固体経口剤形は、室温で0.1N HCl900ml中で、USP
Apparatus1(#40メッシュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定す
ると、本発明の固体経口剤形は、30分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約85%、
少なくとも約90%、または少なくとも約95%を放出する。
【0033】
別の実施形態では、室温で0.1N HCl900ml中で、USP Apparat
us1(#40メッシュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定すると、本発明の
固体経口剤形は、45分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約80%を放出する。ある
特定の状況下では、固体経口剤形は、室温で0.1N HCl900ml中で、USP
Apparatus1(#40メッシュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定す
ると、本発明の固体経口剤形は、45分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約85%、
少なくとも約90%、または少なくとも約95%を放出する。
【0034】
別の実施形態では、室温で0.1N HCl900ml中で、USP Apparat
us1(#40メッシュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定すると、本発明の
固体経口剤形は、60分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約80%を放出する。ある
特定の状況下では、固体経口剤形は、室温で0.1N HCl900ml中で、USP
Apparatus1(#40メッシュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定す
ると、本発明の固体経口剤形は、60分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約85%、
少なくとも約90%、または少なくとも約95%を放出する。
【0035】
ある特定の一実施形態では、本発明の固体経口剤形中の遅延放出ゲル化剤組成物は、ゲ
ル化剤及び腸溶物質を含む。ゲル化剤は、例えば、デンプン、デンプン誘導体、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アタパルガイト、ベ
ントナイト、デキストリン、アルギネート、カラゲナン、トラガカントゴム、アラビアゴ
ム、ガーゴム、ザンサンガム、ペクチン、ゼラチン、カオリン、架橋ポリアクリル酸、ポ
リビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、またはポリビニルアルコール、またはその
混合物であってよい。特に、本発明の固体経口剤形中のゲル化剤は、ポリエチレンオキシ
ド、ザンサンガム、架橋ポリアクリル酸、多糖、及びその混合物からなる群から選択され
る。一例は、ゲル化剤がポリマーを含むことを示す。ポリマーは、中性pH水溶液中の多
糖(例えば、微生物多糖)及び/または陰イオン性ポリマーを含み得る。微生物多糖の一
例は、ザンサンガムである。陰イオン性ポリマーの例は、ポリアクリル酸またはカルボマ
ーホモポリマーを含む。一実施形態では、本発明の固体経口剤形のゲル化剤は、ザンサン
ガム及びカルボマーホモポリマーを含む。
【0036】
ある特定の実施形態では、本発明の固体経口剤形は、ゲル化剤約0.1%~約50%、
約0.5%~約20%、または約1%~約10%(w/w)を含有する。
【0037】
ある特定の実施形態では、本発明は、完全なままの固体経口剤形から室温で水約0.5
ml~約10ml中で5分目に得られる溶液の粘度が、約50cP以上、約75cP以上
、約100cP以上、または約125cP以上であり、その際、粘度が回転粘度計によっ
て測定される、固体経口剤形を提供する。一実施形態では、タンパリングされた固体経口
剤形から室温で水約0.5ml~約10ml中で2分目に得られる溶液の粘度は、約50
cP以上、約75cP以上、約100cP以上、または約125cP以上であり、その際
、粘度は回転粘度計によって測定される。別の実施形態では、完全なままの固体経口剤形
から室温で0.1N HCl約0.5ml~約10ml中で5分目に得られる溶液の粘度
は、約50cP未満、約40cP未満、約30cP未満、約20cP未満、約10cP未
満、約5cP未満、または約2cP未満であり、その際、粘度は回転粘度計によって測定
される。別の実施形態では、タンパリングされた固体経口剤形から室温で0.1N HC
l約0.5ml~約10ml中で5分目に得られる溶液の粘度は、約50cP未満、約4
0cP未満、約30cP未満、約20cP未満、約10cP未満、約5cP未満、または
約2cP未満であり、その際、粘度は回転粘度計によって測定される。さらに別の実施形
態では、完全なままの固体経口剤形から室温で0.1N HCl約0.5ml~約10m
l中で5分目に得られる溶液の粘度は、タンパリングされた固体経口剤形から室温で0.
1N HCl約0.5ml~約10ml中で5分目に間で得られる溶液の粘度の約30%
、約20%、約10%、または約5%以内であり、その際、粘度は回転粘度計によって測
定される。
【0038】
ある特定の実施形態では、本発明は、完全なままの固体経口剤形から室温で水約5ml
中で5分目に得られる溶液の粘度と、完全なままの固体経口剤形から室温で0.1N H
Cl約5ml中で5分目に得られる溶液の粘度との比が約10:1以上、約15:1以上
、約20:1以上、約25:1以上、または約30:1以上であり、その際、粘度が回転
粘度計によって測定される、固体経口剤形を提供する。
【0039】
別の実施形態では、本発明は、オピオイド鎮痛薬組成物が1つまたは複数の粒子の形態
である、固体経口剤形を提供する。各オピオイド鎮痛薬粒子は、不活性な核上にコーティ
ングされたオピオイド鎮痛薬を含み得る。別法では、各オピオイド鎮痛薬粒子は、マトリ
ックス物質中に分散したオピオイド鎮痛薬を含む。
【0040】
別の実施形態では、本発明は、遅延放出ゲル化剤組成物が1つまたは複数の粒子の形態
である、固体経口剤形を提供する。各遅延放出ゲル化剤粒子は例えば、(i)腸溶物質で
コーティングされたゲル化剤、(ii)ゲル化剤でコーティングされ、かつ腸溶物質でオ
ーバーコーティングされた不活性な核、または(iii)マトリックス物質中に分散した
ゲル化剤を含有する。
【0041】
本発明の一実施形態は、1つまたは複数のオピオイド鎮痛薬粒子及び1つまたは複数の
遅延放出ゲル化剤粒子が薬学的に許容されるカプセル中に収容されている、固体経口剤形
を提供する。一例では、1つまたは複数のオピオイド鎮痛薬粒子及び1つまたは複数の遅
延放出ゲル化剤粒子は、錠剤に圧縮されている。
【0042】
本発明の一実施形態は、オピオイド鎮痛薬組成物が1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤
粒子上にコーティングされている、固体経口剤形を提供する。別の実施形態では、1つま
たは複数の遅延放出ゲル化剤粒子は、オピオイド鎮痛薬組成物を含むマトリックス中に分
散している。
【0043】
本発明の固体経口剤形の別の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物は、ゲル化剤及び
腸溶物質を含み、その際、腸溶物質は約5.5超のpHで溶解する。一例は、腸溶物質が
約5.5未満のpHでは溶解せず;例えば、腸溶物質は、約5.5超のpHで溶解し、か
つ約5.5未満のpHでは溶解しないことを示す。
【0044】
本発明による腸溶物質には、セルロース系物質、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポ
リマー、及びその混合物などが含まれる。例えば、腸溶物質は、メタクリル酸/メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸/アクリル酸メ
チル/メタクリル酸メチルコポリマー、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレート、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロ
キシプロピルメチルセルローストリメリテート、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルア
セテートフタレート、またはその混合物であってよい。
【0045】
遅延放出ゲル化剤組成物が1つまたは複数の粒子の形態である場合、各粒子は、腸溶物
質約10%~約30%(w/w)、約12%~約25%(w/w)、約0.1%~約50
%(w/w)、約1%~約20%(w/w)、または約2%~約15%(w/w)を含み
得る。
【0046】
ある特定の実施形態では、本発明は、嫌悪剤をさらに含む固体経口剤形を提供する。嫌
悪剤は例えば、催吐剤、アンタゴニスト、苦味剤、刺激剤、またはその混合物であってよ
い。催吐剤は例えば、メチルセフェリン、セフェリン、塩酸エメチン、サイコトリン、O
-メチルサイコトリン、エメタミン、イペカミン、ヒドロイペカミン、トコン酸(ipe
cacunhic acid)、トコン、またはその混合物であってよい。
【0047】
本発明で使用することができるアンタゴニストには、ナルトレキソン、ナロキソン、ナ
ルメフェン、シクラザシン、レバロルファン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物
、そのプロドラッグ、及びその組み合わせなどが含まれる。
【0048】
使用することができる苦味剤には、香味油、香味芳香剤、含油樹脂、植物抽出物、葉抽
出物、花抽出物、果実抽出物、スクロース誘導体、クロロスクロース誘導体、硫酸キニー
ネ、安息香酸デナトニウム、またはその混合物などが含まれる。一実施形態では、嫌悪剤
は、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、ニクズク油、オールスパイス、メー
ス、苦扁桃油、メントール、及びその混合物からなる群から選択される苦味剤である。一
実施形態では、苦味剤は、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツからなる群から
選択される果実、及びその混合物から抽出される。
【0049】
嫌悪剤として使用することができる刺激剤には、界面活性剤、カプサイシン、カプサイ
シン類似体、及びその混合物などが含まれる。例えば、カプサイシン類似体は、レシニフ
ェラトキシン、チニアトキシン、ヘプタノイルイソブチルアミド、ヘプタノイルグアヤシ
ルアミド、イソブチルアミド、グアヤシルアミド、ジヒドロカプサイシン、ホモバニリル
オクチルエステル、ノナノイルバニリルアミド、またはその混合物であってよい。界面活
性剤は、ポロキサマー、ソルビタンモノエステル、モノオレイン酸グリセリル、ラウリル
硫酸ナトリウム、またはその組み合わせであってよい。
【0050】
ある特定の実施形態では、本発明の固体経口剤形は、刺激剤約0.1%~約30%(w
/w)、または約0.5%~約20%(w/w)、または約1%~約10%(w/w)を
含有する。
【0051】
本発明のある特定の実施形態は、薬学的に許容される添加剤をさらに含む、固体経口剤
形を提供する。そのような薬学的に許容される添加剤は、例えば、可塑剤、着色剤、滑沢
剤、増量剤、熱滑沢剤、抗酸化剤、緩衝剤、崩壊剤、結合剤、希釈剤、流動化促進剤、抗
付着剤、甘味剤、キレート化剤、香味剤、界面活性剤、溶解補助剤、安定剤、親水性ポリ
マー、疎水性ポリマー、ろう、親油性物質、吸収促進剤、防腐剤、吸収剤、架橋剤、生体
用粘着ポリマー、細孔形成剤、浸透圧調節剤、ポリカルボン酸またはその組み合わせであ
ってよい。薬学的に許容される添加剤は、固体経口剤形の約0.1%~約99%(w/w
)、または約10%~約80%(w/w)、または約15%~約70%(w/w)で存在
し得る。
【0052】
本発明による増量剤は例えば、ラクトース、デキストロース、マンニトール、微結晶性
セルロース、またはその混合物であってよい。一実施形態は、流動化促進剤が二酸化ケイ
素を含むことを示す。別の実施形態は、滑沢剤がステアリン酸マグネシウムを含むことを
示す。
【0053】
本発明のある特定の実施形態の固体経口剤形は、ローター成層及び腸溶コーティングさ
れたペレット、トップスプレーされた顆粒、ローラー圧縮されたペレット、ボトムスプレ
ーされた顆粒、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含む、遅延放出ゲル
化剤組成物を含有する。
【0054】
本発明の固体経口剤形は、単位剤形の形態で、または薬学的に許容されるカプセル中に
収容されてよい多数の粒子の形態であってよい。また、固体経口剤形は、錠剤の形態であ
ってよい。
【0055】
本発明のある特定の実施形態では、固体経口剤形中のオピオイド鎮痛薬とゲル化剤との
重量比は、約1:30~約30:1、または約1:15~約15:1、または約1:10
~約10:1、または約1:8~約8:1、または約1:5~約5:1、または約1:3
~約3:1、または約1:1.5~約1.5:1である。
【0056】
本発明の別の実施形態では、固体経口剤形は、ゲル化剤及び腸溶物質を含有し、その際
、ゲル化剤と腸溶物質との重量比は、約1:30~約30:1、または約1:15~約1
5:1、または約1:10~約10:1、または約1:8~約8:1、または約1:3~
約3:1、または約1:1.5~約1.5:1である。
【0057】
本発明の完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら溶媒5mlで溶解させ、かつ
得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験
に掛けた場合に、本発明のある特定の実施形態では、オピオイド鎮痛薬の回収率は、約4
0%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約4
%未満、または約2%未満である。別の実施形態は、本発明の完全なままの固体経口剤形
を室温で撹拌せずに溶媒5mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、また
は27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験において、オピオイド鎮痛薬の回収率は
、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満
、約4%未満、または約2%未満であることを示す。
【0058】
本発明の別の実施形態では、本発明の完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら
溶媒10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注
射針で吸引する注射針通過試験に掛けた場合に、オピオイド鎮痛薬の回収率は、約40%
未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未
満、または約2%未満である。別の実施形態は、本発明の完全なままの固体経口剤形を室
温で撹拌せずに溶媒10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または
27ゲージの注射針で吸引する注射針通過試験の後に、オピオイド鎮痛薬の回収率は、約
40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約
4%未満、または約2%未満であることを示す。
【0059】
本発明のある特定の実施形態は、破砕された固体経口剤形を室温で撹拌しながら溶媒5
mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸
引する注射針通過試験において、オピオイド鎮痛薬の回収率が約40%未満、約30%未
満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%
未満であることを示す。
【0060】
本発明の別の実施形態は、破砕された固体経口剤形を室温で撹拌しながら溶媒10ml
で溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引す
る注射針通過試験において、オピオイド鎮痛薬の回収率が約40%未満、約30%未満、
約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満
を示すことを示す。
【0061】
本発明のさらなる実施形態は、破砕された固体経口剤形を室温で撹拌せずに溶媒5ml
で溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引す
る注射針通過試験において、オピオイド鎮痛薬の回収率が約40%未満、約30%未満、
約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満
であることを示す。
【0062】
本発明のまた別の実施形態は、破砕された固体経口剤形を室温で撹拌せずに溶媒10m
lで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引
する注射針通過試験において、オピオイド鎮痛薬の回収率が約40%未満、約30%未満
、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未
満であることを示す。
【0063】
本発明のある特定の実施形態では、固体経口剤形の粘度は、水約0.5ml~約10m
lと混合されると、オピオイド鎮痛薬を、非経口投与に不適切なものとする。他の実施形
態では、本発明の固体経口剤形の粘度は、水約0.5ml~約10mlと混合されると、
オピオイド鎮痛薬を、静脈内投与に不適切なものとする。
【0064】
本発明の固体経口剤形のある特定の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物は、遅延放
出ゲル化剤組成物の全重量に対して腸溶物質約5%~約35%(w/w)、または約5%
~約15%(w/w)、または約15%~約25%(w/w)、または約25%~約35
%(w/w)を含む、ローター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含む。一実施
例は、ローター成層及び腸溶コーティングされたペレットが、遅延放出ゲル化剤組成物の
全重量に対して腸溶コーティング約10%(w/w)を含むことを示す。別の実施例は、
ローター成層及び腸溶コーティングされたペレットが、遅延放出ゲル化剤組成物の全重量
に対して腸溶コーティング約30%(w/w)を含むことを示す。
【0065】
本発明はまた、遅延放出ゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、トップスプレー
顆粒を含み、その際、固体経口剤形に組み込まれるトップスプレー顆粒の約90%~約1
00%(具体的には、約95%~約100%;またはより具体的に、約99%~約100
%)が100メッシュスクリーン、200メッシュスクリーン、及びパンの1つまたは複
数中に保持される、前記固体経口剤形に関する。
【0066】
別の実施形態では、本発明は、遅延放出ゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、
トップスプレー顆粒を含み、その際、固体経口剤形に組み込まれるトップスプレー顆粒の
約20%~約50%(具体的には、約30%~約45%)が100メッシュスクリーンに
保持される、前記固体経口剤形に関する。一実施形態は、固体経口剤形に組み込まれるト
ップスプレー顆粒の約40%が100メッシュスクリーンに保持されることを示す、前記
固体経口剤形に関する。
【0067】
ある特定の実施形態では、本発明は、遅延放出ゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であ
って、トップスプレー顆粒を含み、その際、固体経口剤形に組み込まれるトップスプレー
顆粒の約20%~約50%(具体的には、約30%~約45%)が200メッシュスクリ
ーンに保持される、前記固体経口剤形に関する。一実施形態は、固体経口剤形に組み込ま
れるトップスプレー顆粒の約40%が200メッシュスクリーンに保持されることを示す
。
【0068】
本発明の他の実施形態は、固体経口剤形では、遅延放出ゲル化剤組成物が、トップスプ
レー顆粒を含み、その際、固体経口剤形に組み込まれるトップスプレー顆粒の約10%~
約30%(または約15%~約25%)が200メッシュスクリーンで篩い掛けした後に
保持されることを示す。一例では、固体経口剤形に組み込まれるトップスプレー顆粒の約
20%が200メッシュスクリーンで篩い掛けした後に保持される。
【0069】
本発明の固体経口剤形中の遅延放出ゲル化剤組成物は、約0.4g/ml~約0.6g
/mlの範囲のかさ密度を有するローラー圧縮ペレットを含み得る。別法では、ローラー
圧縮ペレットは、約0.55g/ml~約0.65g/mlの範囲のタップ密度を有して
よい。
【0070】
本発明の固体経口剤形は、圧縮錠剤の形態であってよい。ある特定の実施形態は、約2
Kp~約20Kp、または約5Kp~約18Kpの硬度を有する圧縮錠剤に関する。
【0071】
ある特定の実施形態では、本発明の固体経口剤形は、水中で約10秒~約30分の範囲
の崩壊時間を有する、または水中で約1分~約10分の範囲の崩壊時間を有する、または
水中で約10秒~約2分の範囲の崩壊時間を有する。
【0072】
他の実施形態では、本発明の固体経口剤形は、SGF中で約10秒~約30分、または
約1分~約10分、または約10秒~約2分の範囲の崩壊時間を有する。
【0073】
本発明の別の態様は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル
化剤組成物を含む固体経口剤形を提供する。ゲル化剤組成物は、ゲル化剤及びゲル化剤を
コーティングする腸溶物質を含み、その際、室温で0.1N HCl900ml中でUS
P Apparatus 1(#40メッシュバスケット)内でインビトロ溶解によって
測定すると、固体経口剤形は、45分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約85%を放
出する。
【0074】
本発明のさらなる態様は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態の
ゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が、持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含
まず、
ゲル化剤組成物が、ゲル化剤及び腸溶物質を含み、かつ
腸溶物質が、約5.5超のpHで溶解し、かつ約5.5未満のpHで溶解しない、前記
固体経口剤形に関する。
【0075】
本発明はまた、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組
成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が、持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含
まず、
ゲル化剤組成物が、ペレットの全重量に対して腸溶物質約10%(w/w)を含むロー
ター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌せずに水道水約5ml~約10mlで溶解させ
、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによ
る注射針通過試験に基づき、オピオイド鎮痛薬の回収率が約15%未満である、前記固体
経口剤形に関する。
【0076】
本発明の別の態様は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル
化剤組成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含ま
ず、
ゲル化剤組成物が、ペレットの全重量に対して腸溶物質約10%(w/w)を含むロー
ター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら水道水約5ml~約10mlで溶解さ
せ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することに
よる注射針通過試験に基づき、オピオイド鎮痛薬の回収率が約5%未満である、前記固体
経口剤形を提供する。
【0077】
本発明はさらに、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤
組成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含ま
ず、
ゲル化剤組成物が、ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を含むロー
ター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約10ml
で溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引す
ることによる注射針通過試験に基づき、オピオイド鎮痛薬の回収率が約20%未満である
、前記固体経口剤形を包含する。
【0078】
本発明はさらに、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤
組成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含ま
ず、
ゲル化剤組成物が、ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を含むロー
ター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌せずに水道水約5mlで溶解させ、かつ得られ
た溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過
試験に基づき、オピオイド鎮痛薬の回収率が約10%未満である、前記固体経口剤形に関
する。
【0079】
本発明のさらなる別の態様は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形
態のゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含ま
ず、
ゲル化剤組成物が、ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を含むロー
ター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら水道水約5mlで溶解させ、かつ得ら
れた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通
過試験に基づき、オピオイド鎮痛薬の回収率が約5%未満である、前記固体経口剤形を提
供する。
【0080】
さらなる態様では、本発明は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形
態のゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含ま
ず、
ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含み、かつ
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約5ml~
約10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射
針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、オピオイド鎮痛薬の回収率が約2%未
満である、前記固体経口剤形に関する。
【0081】
また別の態様では、本発明は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形
態のゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含ま
ず、
ゲル化剤組成物がローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒を含み、
完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約5ml~
約10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射
針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、オピオイド鎮痛薬の回収率が約40%
未満、約30%未満、約10%未満、または約8%未満である、前記固体経口剤形を提供
する。
【0082】
本発明のさらなる態様は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態の
ゲル化剤組成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含ま
ず、
ゲル化剤組成物が、ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を含むロー
ター成層及び腸溶コーティングされたペレットを含み、かつ
破砕された固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約10mlで
溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する
ことによる注射針通過試験に基づき、オピオイド鎮痛薬の回収率が約15%未満、約10
%未満、または約5%未満である、前記固体経口剤形を包含する。
【0083】
本発明はまた、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出形態のゲル化剤組
成物を含む固体経口剤形であって、
固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含ま
ず、
ゲル化剤組成物がローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒を含み、かつ
破砕された固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約10mlで
溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引する
ことによる注射針通過試験に基づき、オピオイド鎮痛薬の回収率が約30%未満、約25
%未満、または約5%未満である、前記固体経口剤形を包含する。
【0084】
本発明の固体経口剤形は、ある特定の一実施形態では、即時放出形態の活性薬剤組成物
及び遅延放出形態のゲル化剤組成物を含み、その際、固体経口剤形は、持続放出形態の活
性薬剤組成物を含まない、または実質的に含まない。活性薬剤は、オピオイドアゴニスト
、トランキライザー、CNS抑制薬、CNS刺激薬、催眠鎮静薬、及びその混合物からな
る群から選択される薬物であってよい。
【0085】
本発明はまた、本発明の固体経口剤形を投与することによって、疾患または状態を処置
する方法に関する。ある特定の実施形態では、固体経口剤形は、疼痛の処置において使用
するために適している。
【0086】
本発明はまた、上で論述した通りの固体経口剤形を調製するためのプロセスであって、
(i)遅延放出ゲル化剤組成物を調製すること;(ii)遅延放出ゲル化剤組成物を活性
薬剤組成物とブレンドすること;及び(iii)ブレンドを錠剤に圧縮することなどのス
テップを含む、前記プロセスに関する。一実施形態では、調製ステップは、ローター粉末
成層、流動床造粒、ローラー圧縮、流動床コーティング、及びそれらの組み合わせなどを
含む方法によって行ってよい、ゲル化剤の腸溶コーティングを含む。
【0087】
本発明の固体経口剤形はまた、(i)1つまたは複数の粒子を調製すること;(ii)
1つまたは複数の粒子をオピオイド鎮痛薬組成物でコーティングすること;及び(iii
)オピオイド鎮痛薬組成物でコーティングされた1つまたは複数の粒子を遅延放出ゲル化
剤組成物とブレンドすることを含むプロセスによって調製することができ、その際、固体
経口剤形は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含み、かつ固体経口剤形は、持続
放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない。一例は、プロ
セスがさらに、(iv)ブレンドを錠剤に圧縮するステップを含むことを示す。
【0088】
本発明の固体経口剤形はまた、(i)1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤組成物粒子を
調製すること;及び(ii)1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子をオピオイド鎮痛薬
組成物でコーティングすることを含むプロセスによって調製することができ、その際、固
体経口剤形は、即時放出形態のオピオイド鎮痛薬を含み、かつ固体経口剤形は、持続放出
形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない。一例は、プロセス
がさらに、(iii)1つまたは複数のコーティングされた粒子を錠剤に圧縮するステッ
プを含むことを示す。
【0089】
加えて、本発明は、(i)1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子を調製すること;及
び(ii)オピオイド鎮痛薬組成物及び1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子をマトリ
ックスに分散させることなどのステップを含み、固体経口剤形が即時放出形態のオピオイ
ド鎮痛薬組成物を含み、かつ固体経口剤形が持続放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物を含
まない、または実質的に含まない、上で論述した固体経口剤形を調製するプロセスを提供
する。
【0090】
定義
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈が別段に
明示していない限り、複数の指示対象が含まれる。したがって、例えば、「1つの乱用を
受けやすい活性薬剤」との言及には、単一の活性薬剤、さらには2つ以上の異なる活性薬
剤の混合物も含まれ、1つの「ゲル化剤」との言及には、単一のゲル化剤、さらには2つ
以上の異なるゲル化剤の混合物も含まれる、などである。
【0091】
本明細書で使用する場合、測定量に関する「約」という用語は、測定を行い、測定の目
的物及び測定装置の精度にふさわしいレベルの注意を払う当業者によって予測されるよう
な、その測定量における通常の変化を指す。ある特定の実施形態では、「約」という用語
は、「約10」が9~11を含むであろうように、列挙されている数の±10%を含む。
【0092】
「乱用抑止性」及び「タンパリング抵抗性」という用語は、例えば、剤形の破砕、噛み
砕き、切断、すりおろしまたは摩砕、または一般的な溶媒(例えば、水、疑似生体媒質、
アルコールまたは有機溶媒)を使用しての剤形からのオピオイドの抽出、またはその任意
の組み合わせに対する抑止または抵抗などの少なくとも多少の物理的及び/または化学的
バリアを提供する剤形を指す。剤形は、乱用に干渉する、乱用を減少させる、または乱用
と関連する陶酔を無効にするアゴニスト/アンタゴニスト組み合わせを含み得る。剤形は
、それらが乱用を完全に予防しないとしても、乱用を抑止し得るか、またはそれに抵抗性
があり得る。
【0093】
「回収率」という用語は、注射針、例えば、27ゲージ注射針で吸引した場合に、タン
パリングされた剤形で得られた溶液(例えば、溶媒5mL中で破砕及び混合)から得られ
る薬物の量を意味する。
【0094】
本明細書で使用する場合、「活性薬剤」、「活性成分」、「医薬品」、及び「薬物」と
いう用語は、その目的について政府機関によって認可されているかどうかにかかわらず、
治療上の、予防上の、または他の意図された効果をもたらすと意図される任意の物質を指
す。具体的な作用物質に関するこれらの用語には、その形態が薬学的に活性であれば、す
べての薬学的活性薬剤、すべてのその薬学的に許容される塩、ならびにその錯体、立体異
性体、結晶形、共結晶、エーテル、エステル、水和物、溶媒和物、及びその混合物が含ま
れる。
【0095】
本明細書で使用する場合、「治療上有効な」という用語は、所望の治療結果をもたらす
ために必要とされる薬物の量、または薬物投与の速度を指す。
【0096】
本明細書で使用する場合、「予防上有効な」という用語は、所望の予防結果をもたらす
ために必要とされる薬物の量、または薬物投与の速度を指す。
【0097】
本明細書で使用する場合、「鎮咳量」という用語は、咳を軽減する、抑制する、または
その頻度を低下させるために十分な薬物の量を指す。
【0098】
本明細書で使用する場合、「鎮痛有効量」という用語は、無痛をもたらすために十分な
薬物の量を指す。
【0099】
本明細書で使用する場合、「立体異性体」という用語は、空間でのそれらの原子の配置
のみが異なる個別の分子の異性体すべてについての一般用語である。それには、エナンチ
オマー、及び相互に鏡像ではない1つまたは複数のキラル中心をもつ化合物の異性体(ジ
アステレオマー)が含まれる。
【0100】
「エナンチオマー」または「エナンチオマーの」という用語は、その鏡像上で重ね合わ
せることができず、したがって、光学的に活性である分子を指し、エナンチオマーは、偏
光面をある一定の度数で一方向に回転させ、その鏡像は、偏光面を同じ度数だけ、しかし
反対方向に回転させる。
【0101】
「キラル中心」という用語は、4つの異なる基が結合している炭素原子を指す。
【0102】
「ラセミ」という用語は、エナンチオマーの混合物を指す。
【0103】
「分割」という用語は、分子の2つのエナンチオマー形態の一方を分離または濃縮また
は除去することを指す。
【0104】
「患者」という用語は、処置の必要性を示唆する特定の徴候または症状の臨床症状を呈
していて、状態について予防的(preventatively or prophyl
actically)に処置される、または処置されるべき状態と診断されている対象、
特にヒトを指す。「対象」という用語は、「患者」という用語の定義を含み、他の点では
健康である個体を排除しない。
【0105】
「薬学的に許容される塩」には、これに限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸
塩、リン酸塩などの無機酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒
石酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスル
ホン酸塩などのスルホン酸塩;アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などの
アミノ酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩;カルシウム塩、マグ
ネシウム塩などのアルカリ土類金属;及びトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩
、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジスシクロヘキシルアミン塩、N,N
’-ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩が含まれる。
【0106】
本明細書で使用する場合の「ppm」という用語は、「百万分率」を意味する。
【0107】
「圧縮」という用語は、錠剤または任意の他の圧縮剤形を、製剤の構成成分をブレンド
すること、及びブレンドを圧縮して製剤を形成することを含むプロセスによって作製する
製錠プロセスを指す。
【0108】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段に示されていない限り、範
囲内に該当するそれぞれ個別の値に個々に言及する簡略な方法として役立てることを単に
意図したものであり、それぞれ個別の値は、本明細書において個々に列挙されている場合
と同様に、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の方法はすべて、本明細書において
別段に示されていない限り、または文脈によって別段に明らかに否定されていない限り、
任意の適切な順序で行うことができる。本明細書において示されているあらゆるすべての
実施例、または例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は単に、ある特定の物質及び方
法を明らかにすることを意図したものであり、範囲の限定を示すものではない。本明細書
中の言葉は、任意の請求していない要素を、開示の物質及び方法の実行に必須なものとし
て示すと解釈されるべきではない。
【0109】
「状態(単数)」または「状態(複数)」という用語は、急性及び慢性疼痛、肺浮腫、
咳、下痢、炎症または炎症性疾患など、対象に有効量の活性薬剤(オピオイド鎮痛薬また
は薬学的に許容されるその塩など)を投与することによって処置または予防することがで
きる医学的状態を指す。
【0110】
「の処置」及び「を処置すること」という用語は、状態、例えば、疼痛の重症度の軽減
またはその休止を含む。一実施形態では、「を処置すること」または「の処置」は、疼痛
エピソードの阻害、例えば、その総頻度の減少を含み得る。
【0111】
「の予防」及び「を予防すること」という用語は、状態、例えば、疼痛の発症の回避を
含む。
【0112】
「持続放出オピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない」または「持
続放出活性薬剤組成物を含まない、または実質的に含まない」または「持続放出形態のオ
ピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない」または「持続放出形態の活
性薬剤組成物を含まない、または実質的に含まない」という用語は、固体経口剤形中のオ
ピオイド鎮痛薬または活性薬剤の約15%以下、約10%以下、約5%以下が持続放出プ
ロファイルで放出される固体経口剤形を指す(この際、持続放出プロファイルは、例えば
、室温で0.1N HCl900ml中で、USP Apparatus1(#40メッ
シュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定した場合に、4時間超の期間で放出さ
れる活性薬剤の量を指し得る)。
【0113】
「持続放出」という用語は、例えば、1日1回または1日2回剤形を得るための、ある
期間にわたって放出される活性薬剤に関する。「持続放出活性薬剤組成物」、「持続放出
形態の活性薬剤組成物」、「持続放出活性薬剤」及び「持続放出形態の活性薬剤」という
用語は互換的に使用される。
【0114】
「遅延放出ゲル化剤組成物」及び「遅延放出形態のゲル化剤組成物」という用語は互換
的に使用される。これらの用語は、事象の発生後に放出されるゲル化剤に関する。その事
象は、時間の経過、pHの変化などのきっかけ、または当業者が理解するような任意の他
の匹敵する事象であり得る。
【0115】
ゲル化剤に関して使用される場合の「放出」という用語は、粘度の上昇をもたらすゲル
化剤の少なくとも部分的な放出を指す。
【0116】
「即時放出」という用語は、室温で0.1N HCl900ml中で、USP App
aratus1(#40メッシュバスケット)内でインビトロ溶解によって測定した場合
の、5分、15分、30分、45分または60分の時間での活性薬剤の少なくとも85%
、少なくとも90%、または少なくとも95%の放出を指す。
【0117】
「即時放出活性薬剤組成物」及び「即時放出形態の活性薬剤組成物」という用語は互換
的に使用される。
【0118】
「即時放出オピオイド鎮痛薬組成物」及び「即時放出形態のオピオイド鎮痛薬組成物」
という用語は互換的に使用される。
【0119】
本明細書に開示の粘度測定値は、測定される粘度範囲に対応するスピンドル数(例えば
、100~160,000cPの範囲の粘度ではスピンドル数は1~7)を備えた回転式
粘度計(例えば、Brookfield Engineering、Middlebor
o、Mass.USAから入手可能なBrookfield RV粘度計または均等物)
を使用して測定することができる。粘度測定値は、2017年8月1日版に挙げられてい
るようなカルボマーホモポリマーのための米国薬局方(USP)モノグラフ(USP40
-NF35)(参照によって本明細書に援用される)、または当業者が理解するような比
較可能な方法に従って測定することができる。
【0120】
本明細書で使用する場合の注射針通過試験は、室温で水道水5mL及び10mLを使用
して溶解させた後に液体の注射針通過性について試験される錠剤に関する。錠剤を完全な
ままの形態及び破砕された形態で試験した。吸引を18、22、25、または27ゲージ
の注射針を用いて、反復プロセスで約1~60分の期間にわたって行う。水の吸引体積を
書き留め、吸引された活性薬剤の内容物についてアッセイする。
【0121】
崩壊試験は、2006年4月1日の公式版に記載の米国薬局方(USP)崩壊試験手順
(参照によって本明細書に援用される)に従って、0.1N HCl中及び水中に放出さ
れる活性薬剤について試験される錠剤に関する。
【0122】
本発明の目的では、「USP Apparatus1(#40メッシュバスケット)で
のインビトロ溶解試験」は、USP Apparatus 1バスケットに、バスケット
の上部(剤形の上)に設置される保持スプリングを備え付けて、試験剤形が、溶解媒体中
で水和されるとバスケットの上部またはシャフトの底部の固体裏面に付着する性質を減少
させることによって、わずかに改変された形態で使用される。例えば、不動態化処理済ス
テンレス鋼316スプリング、外形1.5cm及び長さ2cmを使用することができる。
【0123】
剤形
様々な実施形態によれば、本開示は、即時放出オピオイド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲ
ル化剤組成物を含む即時放出固体経口剤形に関する。ある特定の実施形態では、剤形が指
示のとおりにインタクトで経口投与された場合、遅延放出ゲル化剤組成物は、活性薬剤の
即時放出特性に干渉しない。ある特定の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物、オピオ
イド鎮痛薬、または両方は、1つまたは複数の粒子の形態であってもよい。ある特定の実
施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物は、オピオイド鎮痛薬を含むマトリックス物質中に
分散した1つまたは複数の粒子の形態であってもよい。他の実施形態では、オピオイド鎮
痛薬組成物は、遅延放出ゲル化剤組成物を含むマトリックス物質中に分散した1つまたは
複数の粒子の形態であってもよい。ある特定の実施形態では、様々な種類の粒子がマトリ
ックス物質中に分散しているように、遅延放出ゲル化剤組成物は、1つまたは複数の粒子
の形態であってもよく、かつオピオイド鎮痛薬組成物は、1つまたは複数の粒子の形態で
あってもよい。他の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物は、1つまたは複数の粒子の
形態であってもよく、かつオピオイド鎮痛薬組成物は、1つまたは複数の遅延放出ゲル化
剤粒子上にコーティングされていてもよい。
【0124】
活性薬剤組成物が1つまたは複数の粒子の形態であるある特定の実施形態では、活性薬
剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)組成物は、不活性な粒子またはビーズ核上にコーティン
グされていて、剤形中の各粒子上の活性薬剤層を形成していてもよい。ある特定の実施形
態では、不活性な粒子またはビーズ核の代わりに、粒子の核は、遅延放出ゲル化剤組成物
、嫌悪剤、添加剤またはその任意の組み合わせから形成されていてもよい。活性薬剤は、
多粒子の層のいずれか1つまたは複数中に存在し得る。
【0125】
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のオピオイド鎮痛薬粒子及び1つまたは複数
の遅延放出ゲル化剤粒子を錠剤に圧縮してもよいし、または薬学的に許容されるカプセル
中に収容してもよい。
【0126】
1種または複数の嫌悪剤が、剤形に含まれていてもよい。例えば、嫌悪剤が、1つまた
は複数の粒子中に含まれてもよく、これを、遅延放出ゲル化剤組成物及び活性薬剤組成物
を含む剤形に組み合わせてもよい。他の実施形態では、1種または複数の嫌悪剤が遅延放
出ゲル化剤組成物中に、または活性薬剤組成物と共に、または両方の組成物と共に含まれ
てもよい。
【0127】
ある特定の実施形態によれば、即時放出固体経口剤形は、意図されているとおりに剤形
が服用された場合に、即時放出溶解プロファイルに従って活性薬剤を放出し得る。しかし
ながら、剤形が、例えば、剤形を水(または5.5超のpHを有する任意の他の水溶液)
約0.5ml~約10ml中で混合することによってタンパリングされた場合、遅延放出
ゲル化剤組成物が少なくとも部分的に放出され得て、タンパリングされた剤形の粘度を上
昇させ、活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)組成物を非経口(例えば、静脈内)投与
に不適切なものとする。
【0128】
即時放出プロファイルを、例えば、マトリックス物質を変更すること、添加する添加剤
の種類及び量を変更すること、添加する嫌悪剤の種類及び量を変更すること、追加の成分
を含ませること、製造方法を変更することなどによって、剤形の配合を変えることによっ
て変更することができる。例えば、細孔形成剤として機能し得る、有機または無機であり
得る、かつ使用環境で剤形から溶解し得る、抽出され得る、または浸出され得る物質を含
み得る放出変調剤を含ませることによって、即時放出プロファイルに影響を及ぼすことが
できる。細孔形成剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、及び上述
のいずれかの混合物などの1種または複数の親水性物質が含まれ得る。
【0129】
ある特定の実施形態では、剤形(例えば、マトリックスの形態)は、これに限定されな
いが、可消化長鎖(C8~C50、特にC12~C40)置換または非置換炭化水素、例
えば、天然または合成ろう(蜜蝋、グリコワックス、ひまし油ろう及びカルナウバろうな
ど)を含む疎水性物質、脂肪族アルコール(ラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチル
または好ましくは、セトステアリルアルコールなど)、これに限定されないが、脂肪酸エ
ステルを含む脂肪酸、脂肪酸グリセリド(モノ-、ジ-、及びトリ-グリセリド)、硬化
脂肪、炭化水素、ノーマルワックス(normal waxes)、ステアリン酸、ステ
アリルアルコールならびに炭化水素骨格を有する疎水性及び親水性物質を含み得る。
【0130】
上の成分に加えて、剤形はまた、適切な量の他の薬学的に許容される添加剤、例えば、
当業者に公知の希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、及び流動促進剤を含有し得る。
【0131】
様々な実施形態によれば、即時放出固体経口剤形(例えば、圧縮錠剤)は、約2Kp~
約20Kp、または約5Kp~約18Kpの硬度を有し得る。
【0132】
さらなる実施形態では、即時放出固体経口剤形は、投与のための任意の適切な形態であ
り得る。剤形は、圧縮錠剤、ジェルキャップ剤、カプセル剤、カプレット剤、顆粒剤、ロ
ゼンジ剤、バルク散剤、フィルム剤、または押出剤の形態であり得る。錠剤は、これに限
定されないが、丸形、カプレット形、またはトローチ形を含む、任意の適切な形状を有し
得る。
【0133】
例えば、活性薬剤組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物の他に任意の追加の成分を含む剤
形全体は、錠剤などの単位剤形の形態であり得る。錠剤を圧縮によって調製して、圧縮錠
剤を形成することができる。錠剤核は、1種または複数の添加剤及び/または嫌悪剤中に
分散している活性薬剤組成物を含み得る。錠剤核はまた、錠剤形に圧縮されている上記の
とおりの多粒子から形成され得る。
【0134】
他の実施形態では、活性薬剤組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物の他に任意の追加の成
分を含む剤形全体は、多数の粒子の形態であり得る。複数の粒子を、ゼラチンカプセルな
どの薬学的に許容されるカプセル中に収容してもよい。
【0135】
剤形が錠剤の形態である場合、そのような錠剤は、圧縮されていてもよい、錠剤摩砕さ
れていてもよい、糖衣を掛けられていてもよい、フィルムコーティングされていてもよい
、複数回圧縮されていてもよい、または多成層されていてもよい。
【0136】
剤形が多粒子製剤である場合、本発明の多粒子剤形の単位用量は、限定ではないが、約
2~約75の粒子;約10~約50の粒子;約15~約25の粒子;または約10~約5
0の粒子を含み得る。他の実施形態では、本発明の即時放出剤形の単位用量は、限定では
ないが、約50~約500の粒子;約75~約350の粒子;約100~約300の粒子
;または約150~約250の粒子を含み得る。
【0137】
様々な実施形態で、固体経口剤形は、治療有効量、鎮咳量、または鎮痛有効量の活性薬
剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)を含み得る。
【0138】
放出速度
本明細書に開示の固体経口剤形は、活性薬剤の即時放出をもたらし得る。ある特定の実
施形態では、本明細書に開示の固体経口剤形は、オピオイド鎮痛薬の即時放出をもたらし
、かつオピオイド鎮痛薬の持続放出を含まない、または実質的に含まない。
【0139】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の固体経口剤形は、約37℃で0.1N H
Cl900ml中で、USP Apparatus1(#40メッシュバスケット)内で
インビトロ溶解によって測定すると、15分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約80
%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも
約98%を放出する。
【0140】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の固体経口剤形は、37℃で0.1N HC
l900ml中で、USP Apparatus1(#40メッシュバスケット)内でイ
ンビトロ溶解によって測定すると、30分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約80%
、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約
98%を放出する。
【0141】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の固体経口剤形は、37℃で0.1N HC
l900ml中で、USP Apparatus1(#40メッシュバスケット)内でイ
ンビトロ溶解によって測定すると、45分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約80%
、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約
98%を放出する。
【0142】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の固体経口剤形は、室温で0.1N HCl
900ml中で、USP Apparatus1(#40メッシュバスケット)内でイン
ビトロ溶解によって測定すると、60分以内にオピオイド鎮痛薬の少なくとも約80%、
少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約9
8%を放出する。
【0143】
一部の実施形態では、本明細書に開示の固体経口剤形は、遅延放出形態のゲル化剤組成
物を含み、その際、ゲル化剤組成物は、ゲル化剤及び腸溶コーティングを含む。ゲル化剤
組成物を、ローター粉末成層、流動床造粒、ローラー圧縮、流動床コーティング(ウルス
ターコーティング)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される方法によって調
製することができる。
【0144】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、即時放出オピオ
イド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物を含み、その際、固体経口剤形は、持続放
出オピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含まず、遅延放出ゲル化剤組成物は
、ペレットの全重量に対して腸溶物質約10%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コ
ーティングされたペレットを含み、かつオピオイド鎮痛薬の回収率は、完全なままの固体
経口剤形を室温で撹拌せずに水道水約5ml~約10mlで溶解させ、かつ得られた溶液
を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に
基づき、約15%未満である。
【0145】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、即時放出オピオ
イド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物を含み、その際、固体経口剤形は、持続放
出オピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含まず、遅延放出ゲル化剤組成物は
、ペレットの全重量に対して腸溶物質約10%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コ
ーティングされたペレットを含み、かつオピオイド鎮痛薬の回収率は、完全なままの固体
経口剤形を室温で撹拌しながら水道水約5ml~約10mlで溶解させ、かつ得られた溶
液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験
に基づき、約5%未満である。
【0146】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、即時放出オピオ
イド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物を含み、その際、固体経口剤形は、持続放
出オピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含まず、遅延放出ゲル化剤組成物は
、ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コ
ーティングされたペレットを含み、かつオピオイド鎮痛薬の回収率は、完全なままの固体
経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約10mlで溶解させ、かつ得
られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針
通過試験に基づき、約20%未満である。
【0147】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、即時放出オピオ
イド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物を含み、その際、固体経口剤形は、持続放
出オピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含まず、遅延放出ゲル化剤組成物は
、ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コ
ーティングされたペレットを含み、かつオピオイド鎮痛薬の回収率は、完全なままの固体
経口剤形を室温で撹拌せずに水道水約5mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22
、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、約1
0%未満である。
【0148】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、即時放出オピオ
イド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物を含み、その際、固体経口剤形は、持続放
出オピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含まず、遅延放出ゲル化剤組成物は
、ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を含むローター成層及び腸溶コ
ーティングされたペレットを含み、かつオピオイド鎮痛薬の回収率は、完全なままの固体
経口剤形を室温で撹拌しながら水道水約5mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、2
2、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、約
5%未満である。
【0149】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、即時放出オピオ
イド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物を含み、その際、固体経口剤形は、持続放
出オピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含まず、遅延放出ゲル化剤組成物は
、トップスプレーされた顆粒を含み、かつオピオイド鎮痛薬の回収率は、完全なままの固
体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約5ml~約10mlで溶解
させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引すること
による注射針通過試験に基づき、約2%未満である。
【0150】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、即時放出オピオ
イド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物を含み、その際、固体経口剤形は、持続放
出オピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含まず、遅延放出ゲル化剤組成物は
、ローラー圧縮及びボトムスプレー(腸溶コーティングされた)された顆粒を含み、オピ
オイド鎮痛薬の回収率は、完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌
せずに水道水約5ml~約10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、
または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、約40%未満
、約30%未満、約10%未満、または約8%未満である。
【0151】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、即時放出オピオ
イド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲル化剤組成物を含み、その際、固体経口剤形は、持続放
出オピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含まず、遅延放出ゲル化剤組成物は
、ペレットの全重量に対して腸溶物質約30%(w/w)を含むローター顆粒化及び腸溶
コーティングされたペレットを含み、かつオピオイド鎮痛薬の回収率は、破砕された固体
経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹拌せずに水道水約10mlで溶解させ、かつ得
られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針
通過試験に基づき、約15%未満、約10%未満、または約5%未満である。
【0152】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、即時放出オピオ
イド鎮痛薬組成物及び遅延放出ゲル化剤粒子を含み、その際、固体経口剤形は、持続放出
オピオイド鎮痛薬組成物を含まず、または実質的に含まず、遅延放出ゲル化剤組成物は、
ローラー圧縮及びボトムスプレー剤された(腸溶コーティングされた)顆粒を含み、かつ
オピオイド鎮痛薬の回収率は、破砕された固体経口剤形を室温で撹拌しながら、または撹
拌せずに水道水約10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または2
7ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、約30%未満、約25
%未満、または約5%未満である。
【0153】
活性薬剤
本開示による即時放出固体経口剤形は、様々な活性薬剤及びそれらの薬学的に許容され
る塩を含む。薬学的に許容される塩には、これに限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩
、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸
塩、酒石酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエ
ンスルホン酸塩などのスルホン酸塩;アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩
などのアミノ酸塩、及びナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩;カルシウ
ム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属;トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコ
リン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジスシクロヘキシルアミン塩、
N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩が含まれる。
【0154】
ある特定の実施形態によれば、次の活性薬剤のいずれかを、本明細書に開示の即時放出
固体経口剤形で使用することができる:ACE阻害薬、アデノヒポホシールホルモン、ア
ドレナリン作動性ニューロン遮断薬、副腎皮質ステロイド、副腎皮質ステロイドの生合成
の阻害薬、アルファアドレナリンアゴニスト、アルファアドレナリンアンタゴニスト、選
択的アルファ-2-アドレナリンアゴニスト、鎮痛薬、解熱薬、抗炎症薬、アンドロゲン
、局所及び全身麻酔薬、抗中毒薬、抗アンドロゲン、抗不整脈薬、抗コリン薬、抗コリン
エステラーゼ薬、抗凝固薬、抗利尿薬、制吐薬、運動促進薬、抗エステロゲン、抗真菌薬
、抗微生物薬、抗偏頭痛薬、抗ムスカリン薬、抗腫瘍薬、抗寄生虫薬、抗パーキンソン薬
、抗血小板薬、抗プロゲスチン、抗統合失調症薬、抗甲状腺薬、抗ウイルス薬、非定型的
抗うつ薬、アザスピロデカンジオン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、ベンゾチアジ
アジド、ベータ-アドレナリンアゴニスト、ベータ-アドレナリンアンタゴニスト、選択
的ベータ-1-アドレナリンアンタゴニスト、選択的ベータ-2-アドレナリンアゴニス
ト、胆汁酸塩、体液の量と組成とに影響する作用物質、ブチロフェノン、石灰化に影響す
る作用物質、カルシウムチャネル遮断薬、心血管系薬、カテコールアミン及び交感神経興
奮薬、コリン作動薬、コリンエステラーゼ再活性化薬、避妊薬、皮膚病薬、ジフェニルブ
チルピペリジン、麦角アルカロイド、エストロゲン、神経節遮断薬、神経節刺激薬、ヒダ
ントイン、胃酸性度を制御し、消化性潰瘍を治療するための作用物質、抗貧血薬、ホルモ
ン、5-ヒドロキシトリプタミンアンタゴニスト、高リポタンパク血症を処置するための
薬物、催眠薬、免疫抑制薬、メチルキサンチン、モンカミンオキシダーゼ阻害薬、神経筋
遮断薬、有機ニトレート、オピオイドアゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、膵臓酵素
、フェノチアジン、プロゲスチン、プロスタグランジン、精神障害を処置するための薬物
、レチノイド、ナトリウムチャネル遮断薬、痙縮及び急性筋肉痙攣のための作用物質、ス
クシンイミド、テストステロン、チオキサンチン、血液溶解薬、甲状腺薬、三環系抗うつ
薬、有機化合物の管輸送(tubular transport)の阻害薬、子宮運動性
に影響する薬物、ならびにその混合物。
【0155】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形のための活性薬剤は
、乱用を受けやすい活性薬剤である。ある特定の実施形態では、活性薬剤は、オピオイド
アゴニスト、トランキライザー、CNS抑制薬、CNS刺激薬、催眠鎮静薬、及びその混
合物からなる群から選択され得る。
【0156】
ある特定の実施形態によれば、活性薬剤は、オピオイド鎮痛薬を含み得る。本明細書に
開示の即時放出固体経口剤形のための有用なオピオイド鎮痛薬には、これに限定されない
が、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモ
ルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン
、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジヒ
ドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチ
アムブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチ
ルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、ジヒドロエトル
フィン、フェンタニル及び誘導体、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン
、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェ
ンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾジン、メタドン、メトポン、モルヒネ、
ミロフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロル
フィン、ナルブフェン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモ
ルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシ
ン、フェノピペラジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、
プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、ならびに
その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物及びプロドラッグ、上述のいずれかの混合
物などが含まれる。
【0157】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形のためのオピオイド
鎮痛薬は、モルヒネ、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、コデイン、レボル
ファノール、メペリジン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、オキシモルホン、フェ
ンタニル、ブプレノルフィン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物、そのプロドラ
ッグ、及びその混合物からなる群から選択され得る。
【0158】
他の可能な活性薬剤の例には、これに限定されないが、抗ヒスタミン(例えば、ジメン
ヒドリネート、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン及びマレイン酸デクスクロルフ
ェニラミン)、非ステロイド性抗炎症薬(例えば、アスピリン、セレコキシブ、Cox-
2阻害薬、イブプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサ
プロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、
インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェ
ン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプ
ロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン
、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク
、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミン酸、ト
ルフェナム酸、ジフルリサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシ
カム、その薬学的に許容される塩及びその混合物)、及びアセトアミノフェン、制吐薬(
例えば、メトクロプラミド、メチルナルトレキソン)、抗てんかん薬(例えば、フェニロ
イン、メプロブメート(meprobmate)及びニトラゼパム)、血管拡張薬(例え
ば、ニフェジピン、パパベリン、ジルチアゼム及びニカルジピン)、鎮咳薬及び去痰薬(
例えば、リン酸コデイン)、抗喘息薬(例えば、テオフィリン)、制酸剤、鎮痙薬(例え
ば、アトロピン、スコポラミン)、抗糖尿病薬(例えば、インスリン)、利尿薬(例えば
、エタクリン酸、ベンドロフルチアジド)、抗低血圧薬(例えば、プロプラノロール、ク
ロニジン)、抗高血圧薬(例えば、クロニジン、メチルドパ)、気管支拡張薬(例えば、
アルブテロール)、ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、プレド
ニゾン)、抗生物質(例えば、テトラサイクリン)、抗痔疾薬(antihemorrh
oidals)、催眠薬、向精神薬、止瀉薬、粘液溶解薬、鎮静薬、うっ血除去薬(例え
ば、プソイドエフェドリン)、緩下薬、ビタミン、刺激薬(フェニルプロパノールアミン
などの食欲抑制薬を含む)及びカンナビノイド、さらには、その薬学的に許容される塩、
水和物、溶媒和物、及びプロドラッグが含まれる。
【0159】
活性薬剤はまた、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、刺激薬、またはその混合物であ
り得る。「ベンゾジアゼピン」という用語は、ベンゾジアゼピン及び中枢神経系を抑制し
得るベンゾジアゼピンの誘導体である薬物を指す。ベンゾジアゼピンには、これに限定さ
れないが、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロルジアゼポキシド、クロラゼペート、ジ
アゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、ハラゼパム、ケタゾラム、ロラゼパム、ニトラ
ゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、メチルフ
ェニデート、さらには、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ及
び混合物が含まれる。活性薬剤として使用することができるベンゾジアゼピンアンタゴニ
ストには、これに限定されないが、フルマゼニル、さらには、その薬学的に許容される塩
、水和物、溶媒和物及び混合物が含まれる。
【0160】
「バルビツレート」という用語は、バルビツール酸(2,4,6,-トリオキソヘキサヒ
ドロピリミジン)から誘導される鎮静-催眠薬を指す。バルビツレートには、これに限定
されないが、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタルビター
ル、メトヘキシタール、メホバルビタール、メタルビタール、ペントバルビタール、フェ
ノバルビタール、セコバルビタール、さらには、その薬学的に許容される塩、水和物、溶
媒和物、プロドラッグ、及び混合物が含まれる。活性薬剤として使用することができるバ
ルビツレートアンタゴニストには、これに限定されないが、アンフェタミン、さらには、
薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物及びその混合物が含まれる。
【0161】
「刺激薬」という用語には、これに限定されないが、デキストロアンフェタミン樹脂複
合体、デキストロアンフェタミン、メタアンフェタミン、メチルフェニデートなどのアン
フェタミン、さらには、その薬学的に許容される塩、水和物、及び溶媒和物ならびにその
混合物が含まれる。活性薬剤として使用することができる刺激薬アンタゴニストには、こ
れに限定されないが、ベンゾジアゼピン、さらにはその薬学的に許容される塩、水和物、
溶媒和物及び混合物が含まれる。
【0162】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、剤形あたり活性
薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、
約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3
%、約4%、約5%、約6%、または約7%~約8%、約9%、約10%、約11%、約
12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約
20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約
70%、または約80%(w/w)を含み得る。ある特定の実施形態では、本明細書に開
示の即時放出固体経口剤形は、剤形あたり活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)約0.
1%~約80%、約0.5%~約30%、または約1%~約10%(w/w)を含み得る
。
【0163】
遅延放出ゲル化剤組成物
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の遅延放出ゲル化剤組成物は、ゲル化剤及び
腸溶物質を含み得る。ある特定の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物は、1つまたは
複数の粒子の形態であってもよい。各遅延放出ゲル化剤粒子は、(i)腸溶物質でコーテ
ィングされたゲル化剤、(ii)ゲル化剤でコーティングされ、かつ腸溶物質でオーバー
コーティングされた不活性な核(例えば、ビーズ)、または(iii)腸溶マトリックス
物質中に分散したゲル化剤を含み得る。ある特定の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成
物に加えて、剤形は、剤形の即時放出特性に干渉しない量の、即時放出形態のゲル化剤を
含み得る。
【0164】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形で使用されるゲル化
剤は、これに限定されないが、デンプン及びデンプン誘導体、セルロース誘導体(例えば
、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、アタ
パルガイト、ベントナイト、デキストリン、アルギネート、カラゲナン、ゴム(例えば、
トラガカントゴム、ゴムアラビアゴム、ガーゴム、及びザンサンガム)、ペクチン、ゼラ
チン、カオリン、カルボマーなどのポリアルコールのアリルエーテルと架橋したアクリル
酸の高分子量ポリマー(架橋ポリアクリル酸とも称される)、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、カードラン、ファーセレラン、卵白粉末、
ラクトアルブミン、ダイズタンパク質、キトサン、界面活性剤、混合界面活性剤/湿潤剤
系、乳化剤、他のポリマー物質、及びその混合物から選択されるものが含まれ得る。
【0165】
ある特定の実施形態では、ゲル化剤は、ポリエチレンオキシド、ザンサンガム、カルボ
マー、多糖、及びその混合物からなる群から選択され得る。
【0166】
ある特定の実施形態では、ゲル化剤は、多糖などのポリマー(例えば、ゲル化ポリマー
)、具体的には、ザンサンガムなどの微生物多糖であってもよい。ある特定の実施形態で
は、ゲル化剤は、ポリアクリル酸、具体的には、カルボマーホモポリマーなどの中性pH
水溶液中の陰イオン性ポリマーであってもよい。ある特定の実施形態では、ゲル化剤は、
ザンサンガム及びカルボマーホモポリマーであってもよい。
【0167】
ゲル化剤は、室温で水道水約0.5ml~約10mlと混合された(破砕された、また
は完全なままの)剤形の粘度が、シリンジ中に吸引される、または非経口もしくは経鼻経
路によって投与された場合に全身吸収される活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)の能
力を妨げる、または低下させるような量で、即時放出固体経口剤形中に含まれ得る。ある
特定の実施形態では、タンパリングされた剤形の粘度は、剤形を非経口または静脈内投与
に不適切なものとし得る。
【0168】
一部の実施形態では、完全なままの固体経口剤形から室温で水約0.5ml~約10m
l中で5分目に得られる溶液の粘度(例えば、回転粘度計から測定)は、約10cP以上
、約25cP以上、約50cP以上、約75cP以上、約100cP以上、約125cP
以上~約150cP以上、約175cP以上、約200cP以上、約300cP以上、約
400cP以上、約500cP以上、約750cP以上、約1000cP以上、約200
0cP以上、約3000cP以上、約4000cP以上、約5000cP以上、約750
0cP以上、約10,000cP以上、約15,000cP以上、約20,000cP以
上、約25,000cP以上、約50,000cP以上、約75,000cP以上、約1
00,000cP以上、約125,000cP以上、または約150,000cP以上で
ある。
【0169】
一部の実施形態では、完全なままの固体経口剤形から室温で水約0.5ml~約10m
l中で5分目に得られる溶液の粘度(例えば、回転粘度計から測定)は、約10~150
,000cP、約25~10,000cP、約25~1000cP、約50~1000c
P、約75~1000cP、約25~500cP、約50~500cP、約75~500
cP、約25~200cP、約50~200cP、または約75~200cPの範囲であ
り得る。
【0170】
一部の実施形態では、タンパリングされた固体経口剤形から室温で水約0.5ml~約
10ml中で2分目に得られる溶液の粘度は、約10cP以上、約25cP以上、約50
cP以上、約75cP以上、約100cP以上、または約125cP以上約150cP以
上、約175cP以上、約200cP以上、約300cP以上、約400cP以上、約5
00cP以上、約750cP以上、約1000cP以上、約2000cP以上、約300
0cP以上、約4000cP以上、約5000cP以上、約7500cP以上、約10,
000cP以上、約15,000cP以上、約20,000cP以上、約25,000c
P以上、約50,000cP以上、約75,000cP以上、約100,000cP以上
、約125,000cP以上、または約150,000cP以上である。一部の実施形態
では、タンパリングされた固体経口剤形から室温で水約0.5ml~約10ml中で2分
目に得られる溶液の粘度は、約10~150,000cP、約25~10,000cP、
約25~1000cP、約50~1000cP、約75~1000cP、約25~500
cP、約50~500cP、約75~500cP、約25~200cP、約50~200
cP、または約75~200cPの範囲であり得る。
【0171】
一部の実施形態では、完全なままの固体経口剤形から室温で0.1N HCl約0.5
ml~約10ml中で5分目に得られる溶液の粘度は、約50cP未満、約40cP未満
、約30cP未満、約20cP未満、約10cP未満、約5cP未満、または約2cP未
満である。
【0172】
一部の実施形態では、タンパリングされた固体経口剤形から室温で0.1N HCl約
0.5ml~約10ml中で5分目に得られる溶液の粘度は、50cP未満、約40cP
未満、約30cP未満、約20cP未満、約10cP未満、約5cP未満、または約2c
P未満である。
【0173】
一部の実施形態では、完全なままの固体経口剤形から室温で0.1N HCl約0.5
ml~約10ml中で5分目に得られる溶液の粘度は、タンパリングされた固体経口剤形
から室温で0.1N HCl約0.5ml~約10ml中で5分目に得られる溶液の粘度
の約30%、約20%、約10%、または約5%以内である。
【0174】
ある特定の実施形態では、本発明の即時放出剤形中に含有されるゲル化剤の重量は、活
性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)の重量以下である。他の実施形態では、本発明の即
時放出剤形中に含有されるゲル化剤の重量は、活性薬剤の重量未満である。さらなる実施
形態では、本発明の即時放出剤形中に含有されるゲル化剤の重量は、活性薬剤の重量を上
回る。
【0175】
ある特定の実施形態では、本発明の即時放出剤形は、約1:40~約40:l;約1:
35~約35:l;約1:30~約30:l;約1:25~約25:l;約1:20~約
20:l;約1:15~約15:l;約1:10~約10:l;約1:8~約8:1;約
1:5~約5:1;約1:3~約3:1;約1:1.5~約1.5:1;約1:1.25
~約1.25:1;1:1~約40:1;約1:1~約35:1;約1:1~約30:1
;約1:1~約25:1;約1:1~約20:1;約1:1~約15:1;約1:1~約
10:1;約1:1~約8:1;約1:1~約5:1;約1:1~約3:1;約1:1~
約1.5:1;約1:1~約1.25:1;1:40~約1:1;約1:35~約1:1
;約1:30~約1:1;約1:25~約1:1;約1:20~約1:1;約1:15~
約1:1;約1:10~約1:1;約1:8~約1:1;約1:5~約1:1;約1:3
~約1:l;約1:1.5~約1:l;または約1:1.25~約1:1の活性薬剤(例
えば、オピオイド鎮痛薬)とゲル化剤との重量比を含む。
【0176】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、剤形の重量に対
してゲル化剤約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6
%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、
約6%、または約7%~約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約
14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約
30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%(w/w
)を含み得る。ある特定の実施形態では、剤形は、剤形の全重量に対してゲル化剤約0.
1%~約60%、約0.5%~約20%、または約1%~約10%(w/w)を含有し得
る。
【0177】
一部の実施形態によれば、遅延放出ゲル化剤組成物は、ローター成層及び腸溶コーティ
ングされたペレット、トップスプレーされた顆粒、ローラー圧縮ペレット、ボトムスプレ
ーされた顆粒(例えば、ウルスターコーティングされた顆粒)、またはそれらの組み合わ
せのうちの1種または複数を含み得る。
【0178】
ある特定の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含む場合、
即時放出固体経口剤形に組み込まれるトップスプレー顆粒の約90%~約100%、約9
5%~約100%、または約99%~約100%が100メッシュスクリーン、200メ
ッシュスクリーン、及びパンの1つまたは複数中に保持され得る。ある特定の実施形態で
は、遅延放出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含む場合、即時放出固体経口剤形に
組み込まれるトップスプレー顆粒の約20%~約50%、約30%~約45%、または約
40%が100メッシュスクリーン中に保持され得る。ある特定の実施形態では、遅延放
出ゲル化剤組成物がトップスプレー顆粒を含む場合、即時放出固体経口剤形に組み込まれ
るトップスプレー顆粒の約20%~約50%、約30%~約45%、または約40%が2
00メッシュスクリーン中に保持され得る。ある特定の実施形態では、遅延放出ゲル化剤
組成物がトップスプレー顆粒を含む場合、即時放出固体経口剤形に組み込まれるトップス
プレー顆粒の約10%~約30%、約15%~約25%、または約20%が200メッシ
ュスクリーンを通過し得る。
【0179】
ある特定の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物がローラー圧縮ペレットを含む場合
、ペレットは、約0.4g/ml~約0.6g/mlの範囲のかさ密度、または約0.5
5g/ml~約0.65g/mlの範囲のタップ密度を有し得る。本明細書で使用する場
合の「タップ密度」という用語は、粉末サンプルを含有する容器を機械的にタッピングし
た後に達成される、上昇したかさ密度を指す。
【0180】
腸溶物質
ある特定の実施形態では、腸溶物質が、1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子中のゲ
ル化剤(複数可)をオーバーコーティングしていてもよい。他の実施形態では、腸溶物質
は、遅延放出ゲル化剤組成物が分散していてもよいマトリックス物質(単位または多粒子
)の一部であってもよい。
【0181】
ある特定の実施形態では、腸溶物質は、(i)約5.5超のpHで溶解し得る、(ii
)約5.5未満のpHで溶解し得ない、または(iii)5.5以上のpHでは溶解し得
るが、5.5未満のpHでは溶解し得ない。
【0182】
ある特定の実施形態では、ゲル化剤をコーティングするために使用される腸溶物質は、
セルロース系物質、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー及びその混合物からなる
群から選択され得る。
【0183】
ある特定の実施形態によれば、腸溶物質は、メタクリル酸/メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸/アクリル酸メチル/メタクリル
酸メチルコポリマー、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒ
ドロキシルプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルローストリメリテート、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタレー
ト、及びその混合物からなる群から選択され得る。ある特定の実施形態では、腸溶物質は
、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーであってもよい。
【0184】
ある特定の実施形態によれば、剤形は、剤形の重量に対して腸溶物質約0.1%、約0
.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、
約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9
%、または約10%~約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、
約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、
約45%、または約50%(w/w)を含み得る。ある特定の実施形態では、剤形は、剤
形の全重量に対して腸溶物質約0.1%~約50%、約l%~約20%、または約2%~
約15%(w/w)を含有し得る。
【0185】
固体経口剤形が1つまたは複数の粒子の形態の遅延放出ゲル化剤組成物を含むある特定
の実施形態によれば、各遅延放出ゲル化剤粒子は、各遅延放出ゲル化剤粒子の重量に対し
て腸溶物質約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%
、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%~約20%、約
21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約
29%、約30%、約31 %、約32%、約33%、約34%、約35%、約40%、
約50%、約60%、約70%、または約80%(w/w)を含み得る。ある特定の実施
形態では、剤形は、各遅延放出ゲル化剤粒子の重量に対して腸溶物質約10%~約30%
、または約12%~約25%(w/w)を含有し得る。
【0186】
ある特定の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物は、ローター成層及び腸溶コーティ
ングされたペレットを含み、ペレットは、遅延放出ゲル化剤組成物の全重量に対して腸溶
物質約5%~約35%、約5%~約15%、約15%~約25%、約25%~約35%、
約10%、または約30%(w/w)を含む。
【0187】
ある特定の実施形態によれば、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形は、約1:40
~約40:1、約1:30~約30:1、約1:20~約20:1、約1:15~約15
:1、約1:10~約10:1、約1:8~約8:1、約1:5~約5:1、約1:3~
約3:1、約1:1.5~約1.5:1、約1:1~約40:1、約1:1~約30:1
、約1:1~約20:1、約1:1~約15:1、約1:1~約8:1、約1:1~約5
:1、約1:1~約3:1、約1:1~約1.5:1、約1:40~約1:1、約1:3
0~約1:1、約1:20~約1:1、約1:15~約1:1、約1:8~約1:1、約
1:5~約1:1、約1:3~約1:1、または約1:1.5~約1:1のゲル化剤と腸
溶物質との重量比を有し得る。
【0188】
嫌悪剤
本開示による即時放出固体経口剤形は、その中に含有される活性薬剤の不正使用をさら
に抑止するために1種または複数の嫌悪剤を含み得る。そのような嫌悪剤は、催吐剤、ア
ンタゴニスト、苦味剤、刺激剤、及びその混合物からなる群から選択され得る。嫌悪剤を
、活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)及び遅延放出ゲル化剤組成物を含むマトリック
ス中に、またはカプセル内に別に加えられる粒子中に、または追加の製錠添加剤として組
み込むことができる。
【0189】
例示的な催吐剤には、これに限定されないが、メチルセフェリン、セフェリン、塩酸エ
メチン、サイコトリン、O-メチルサイコトリン、エメタミン、イペカミン、ヒドロイペ
カミン、トコン酸及びその混合物が含まれる。
【0190】
例示的なアンタゴニストには、これに限定されないが、ナルトレキソン、ナロキソン、
ナルメフェン、シクラザシン、レバロルファン、その薬学的に許容される塩、その溶媒和
物、そのプロドラッグ、及びその混合物が含まれる。
【0191】
例示的な苦味剤には、これに限定されないが、香味油、香味芳香剤、含油樹脂、植物抽
出物、葉抽出物、花抽出物、果実抽出物、スクロース誘導体、クロロスクロース誘導体、
硫酸キニーネ、安息香酸デナトニウム及びその混合物が含まれる。ある特定の実施形態で
は、苦味剤は、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、ニクズク油、オールスパ
イス、メース、苦扁桃油、メントール及びその混合物からなる群から選択され得る。ある
特定の実施形態では、果実抽出物は、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツを含
む果実、及びその混合物に由来し得る。
【0192】
例示的な刺激剤には、これに限定されないが、界面活性剤、カプサイシンまたはカプサ
イシン類似体及びその混合物が含まれる。カプサイシン類似体は、レシニフェラトキシン
、チニアトキシン、ヘプタノイルイソブチルアミド、ヘプタノイルグアヤシルアミド、イ
ソブチルアミド、グアヤシルアミド、ジヒドロカプサイシン、ホモバニリルオクチルエス
テル、ノナノイルバニリルアミド、及びその混合物からなる群から選択され得る。
【0193】
例示的な界面活性剤には、これに限定されないが、ポロキサマー、ソルビタンモノエス
テル、モノオレイン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、またはその組み合わせが含
まれる。ある特定の実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムであってよい
。
【0194】
ある特定の実施形態では、刺激剤は、剤形中に、例えば、剤形の重量に対して刺激剤約
0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%
、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%
、約8%、約9%、または約10%~約11%、約12%、約13%、約14%、約15
%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約25%、約30%、約35
%、約40%、約45%、または約50%(w/w)の量で含まれ得る。ある特定の実施
形態では、剤形は、剤形の全重量に対して刺激剤約0.1%~約30%、約0.5%~約
20%、または約1%~約10%(w/w)を含有し得る。
【0195】
添加剤
本開示による即時放出固体経口剤形は、1種または複数の薬学的に許容される担体及び
添加剤を含み得る。可能な薬学的に許容される担体及び添加剤の例は、参照によって本明
細書に組み込まれるHandbook of Pharmaceutical Exci
pients, American Pharmaceutical Associat
ion (6th Edition, 2009 Publication)に記載され
ている。適切な担体及び添加剤には、これらに限定されないが、可塑剤、着色剤、滑沢剤
、増量剤、熱滑沢剤、抗酸化剤、緩衝剤、崩壊剤、結合剤、希釈剤、流動化促進剤、抗付
着剤、甘味剤、キレート化剤、香味剤、界面活性剤、溶解補助剤、安定剤、親水性ポリマ
ー、疎水性ポリマー、ろう、親油性物質、吸収促進剤、防腐剤、吸収剤、架橋剤、生体用
粘着ポリマー、細孔形成剤、浸透圧調節剤、ポリカルボン酸またはその組み合わせが含ま
れる。
【0196】
ある特定の実施形態によれば、剤形は、可塑剤を含み得る。同じ条件下で測定した場合
に、可塑剤は疎水性物質と相互作用して、可塑剤を含まない混合物と比較すると、より低
い粘度の混合物をもたらし得る。適切な可塑剤には、これに限定されないが、低分子量ポ
リマー、オリゴマー、コポリマー、油、低有機分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子
量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)
、マルチブロックポリマー、シングルブロックポリマー、低分子量ポリ(エチレングリコ
ール)、クエン酸エステル型可塑剤、トリアセチン、プロピレングリコール及びグリセリ
ンが含まれる。そのような可塑剤には、エチレングリコール、1,2-ブチレングリコー
ル、2,3-ブチレングリコール、スチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール及び他のポリ(エチレングリコール)化合
物、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシ
ン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、モノステアリン酸グ
リセリン、ポリソルベート80、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル及び
グリコール酸アリル、及びその混合物も含まれ得る。ある特定の実施形態では、可塑剤は
、約5%以下、または約4%以下、または約2%以下、または0%(すなわち、可塑剤非
含有)の量であり得る。例示的な可塑剤は、Evonik Industriesから入
手されるPlasaACRYL(登録商標)HTP20などのモノステアリン酸グリセリ
ンベースの可塑剤であり得る。
【0197】
ある特定の実施形態によれば、剤形は、流動化促進剤を含み得る。流動化促進剤は、錠
剤成分または顆粒などの圧縮可能な粉末の流動特性を改善する添加剤である。ある特定の
実施形態では、流動化促進剤は二酸化ケイ素である。2種の例示的な流動促進剤は、コロ
イド状二酸化ケイ素(CAB-O-SIL(登録商標))及びQuso(Phila Q
uartzとしても公知)である。使用することができる流動化促進剤の量は、約0.1
重量%~約5重量%の範囲である。
【0198】
本開示による剤形において有用な適切な希釈剤には、これに限定されないが、ラクトー
スUSP、ラクトースUSP(無水)、ラクトースUSP(噴霧乾燥)、デンプンUSP
、直接圧縮可能なデンプン、マンニトールUSP、ソルビトール、デキストロース一水和
物、微結晶性セルロースNF、第二リン酸カルシウム二水和物NF、スクロースベースの
希釈剤、精製糖、第一硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物NF、乳酸カル
シウム三水和物顆粒NF、デキストレートNF(例えば、Emdex(商標))、デキス
トロース(例えば、Cerelose(商標))、イノシトール、Maltrons(商
標)及びMor-Rex(商標)などの加水分解穀類固体、アミロース、粉末化セルロー
ス(例えば、Elcema(商標))、炭酸カルシウム、グリシン、ベントナイト、ポリ
ビニルピロリドンなどが含まれる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の剤形は、
製剤の全重量の約0.1%~約99%、または約10%~約80%、または約15%~約
70%の範囲の希釈剤を含み得る。
【0199】
適切な滑沢剤には、これに限定されないが、ベヘン酸グリセリル(Compritol
(商標)888)、ステアリン酸金属塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム、カルシウ
ム及びナトリウム)、ステアリン酸、水素化植物油(例えば、Sterotex(商標)
)、タルク、蜜蝋及びカルナウバろうなどのろう、シリカ、フュームシリカ、コロイドシ
リカ、ステアリン酸カルシウム、長鎖脂肪族アルコール、ホウ酸、安息香酸ナトリウム及
び酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、DL-ロイシン、ポリエチレングリコール(例えば
、Carbowax(商標)4000及びCarbowax(商標)6000)、オレイ
ン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステ
アリルフマル酸ナトリウム(Pruv(商標))、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリ
ン酸、ステアリルアルコール、鉱油、パラフィン、微結晶性セルロース、グリセリン、プ
ロピレングリコール及びその組み合わせが含まれる。ある特定の実施形態では、剤形は、
1種または複数の滑沢剤を剤形の全重量の約0.1%~約15%、または約0.25%~
約10%、または約1%~約8%の量で含み得る。ステアリン酸マグネシウムが、剤形の
ある特定の実施形態で使用するための好ましい滑沢剤である。
【0200】
適切な抗付着剤には、これに限定されないが、タルク、トウモロコシデンプン、コロイ
ド状二酸化ケイ素(Cab-O-Sil(商標))、DL-ロイシン、ラウリル硫酸ナト
リウム、及びステアリン酸金属が含まれる。ある特定の実施態様では、剤形は、抗付着剤
を剤形の全重量の約0.1%~約15%、または約0.25%~約10%、または約1%
~約8%の量で含み得る。
【0201】
他の添加剤(着色剤、香味剤及び甘味剤など)を、それらが剤形の安定性に有害な作用
をほとんど付与しない、または付与しない場合に、剤形の実施形態で使用することができ
る。
【0202】
乱用抑止
抽出
本明細書に記載の即時放出固体経口剤形のある特定の実施形態では、剤形からの活性薬
剤の回収率は、完全なままの固体経口剤形を室温で撹拌しながら溶媒(水道水など)5m
lで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22、25、または27ゲージの注射針で吸引
することによる注射針通過試験に基づき、約40%未満、約30%未満、約20%未満、
約10%未満、約8%未満、約6%未満、約4%未満、または約2%未満であり得る。あ
る特定の実施形態では、溶解は、約1~約60分、例えば、約5分、約10分、約15分
、約30分または約45分の時間にわたり得る。
【0203】
ある特定の実施形態では、剤形からの活性薬剤の回収率は、完全なままの固体経口剤形
を室温で撹拌しながら溶媒(水道水など)10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18
、22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき
、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満
、約4%未満、または約2%未満であり得る。
【0204】
ある特定の実施形態では、剤形からの活性薬剤の回収率は、完全なままの固体経口剤形
を室温で撹拌せずに溶媒(水道水など)5mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、2
2、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、約
40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約
4%未満、または約2%未満であり得る。
【0205】
ある特定の実施形態では、剤形からの活性薬剤の回収率は、完全なままの固体経口剤形
を室温で撹拌せずに溶媒(水道水など)10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、
22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、
約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、
約4%未満、または約2%未満であり得る。
【0206】
ある特定の実施形態では、剤形からの活性薬剤の回収率は、破砕された固体経口剤形を
室温で撹拌しながら溶媒(水道水など)10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、
22、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、
約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、
約4%未満、または約2%未満であり得る。
【0207】
ある特定の実施形態では、剤形からの活性薬剤の回収率は、破砕された固体経口剤形を
室温で撹拌しながら溶媒(水道水など)5mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、2
2、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、約
40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約
4%未満、または約2%未満であり得る。
【0208】
ある特定の実施形態では、剤形からの活性薬剤の回収率は、破砕された固体経口剤形を
室温で撹拌せずに溶媒(水道水など)10mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、2
2、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、約
40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約
4%未満、または約2%未満であり得る。
【0209】
ある特定の実施形態では、剤形からの活性薬剤の回収率は、破砕された固体経口剤形を
室温で撹拌せずに溶媒(水道水など)5mlで溶解させ、かつ得られた溶液を18、22
、25、または27ゲージの注射針で吸引することによる注射針通過試験に基づき、約4
0%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約8%未満、約6%未満、約4
%未満、または約2%未満であり得る。
【0210】
ある特定の実施形態では、完全なままの固体経口剤形から室温で水約5ml中で5分目
に得られる溶液の粘度と、完全なままの固体経口剤形から室温で0.1N HCl約5m
l中で5分目に得られる溶液の粘度との比は、約10:1以上、約15:1以上、約20
:1以上、約25:1以上、または約30:1以上である。
【0211】
崩壊
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の完全なままの即時放出固体経口剤形は、水
中で約10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、または1分から約2分、3分、4分、
5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、25分、または30分までの
範囲の崩壊時間を有する。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の完全なままの即時
放出固体経口剤形は、水中で約10秒から約30分まで、約1分から約10分まで、また
は約10秒から約2分までの範囲の崩壊時間を有する。
【0212】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の完全なままの即時放出固体経口剤形は、人
工胃液(SGF)中で約10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、または1分から約2
分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、25分、ま
たは30分までの範囲の崩壊時間を有する。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の
完全なままの即時放出固体経口剤形は、SGF中で約10秒から約30分まで、約1分か
ら約10分まで、または約10秒から約2分までの範囲の崩壊時間を有する。
【0213】
方法
処置方法
本明細書に記載の剤形によって処置され得る状態または病態には、これに限定されない
が、オピオイド受容体活性化によって阻害される、縮小される、または緩和される状態ま
たは症状が含まれる。これは、神経系、血管系、胃腸系、肺系及び心臓のうちの1つまた
は複数と関連する状態または症状に関する。そのような状態の例は、疼痛、肺浮腫、咳及
び下痢である。
【0214】
本開示の様々な実施形態によれば、本明細書に記載のとおりの剤形、例えば、即時放出
固体経口剤形を、それを必要とする患者に投与することによって、疼痛を処置する、また
は予防する方法も提供する。実施形態では、本明細書に記載の剤形は、急性または慢性疼
痛を処置する、または予防するために使用することができる。例えば、剤形は、これに限
定されないが、癌性疼痛、中枢性疼痛、分娩陣痛、心筋梗塞疼痛、膵臓疼痛、疝痛、術後
疼痛、頭痛、筋肉痛、及び集中治療に関連する疼痛を含む疼痛を処置する、または予防す
るために使用することができる。
【0215】
本明細書に記載の剤形を、対象において、炎症と、または炎症性疾患と関連する疼痛を
処置する、または予防するために使用することもできる。処置される、または予防される
疼痛は、体組織の炎症が存在する場合に起こり得る、かつ局所炎症応答及び/または全身
炎症であり得る炎症性疾患と関連する炎症と関連し得る。例えば、剤形を、これに限定さ
れないが、臓器移植拒絶を含む炎症性疾患;これに限定されないが、心臓、肺、肝臓、ま
たは腎臓の移植を含む臓器移植から生じる再酸素化損傷(Grupp et al.,
Protection against Hypoxia-reoxygenation
in the Absence of Poly (ADP-ribose) Syn
thetase in Isolated Working Hearts, J. M
ol. Cell Cardiol. 31:297 303 (1999)を参照され
たい);関節炎、関節リウマチ、変形性関節症及び骨吸収の増加と関連する骨疾患を含む
関節の慢性炎症性疾患;回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、及びクローン病などの
炎症性腸疾患;喘息、成人呼吸窮迫症候群、及び慢性閉塞性気道疾患などの炎症性肺疾患
;角膜ジストロフィ、トラコーマ、オンコセルカ症、ブドウ膜炎、交感性眼炎及び眼内炎
を含む眼の炎症性疾患;歯肉炎及び歯周炎を含む歯肉の慢性炎症性疾患;結核;ハンセン
病;尿毒症性合併症、糸球体腎炎及びネフローゼを含む腎臓の炎症性疾患;硬化性皮膚炎
、乾癬及び湿疹を含む皮膚の炎症性疾患;神経系の慢性脱髄疾患、多発性硬化症、AID
S関連神経変性及びアルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハン
チントン病、筋萎縮性側索硬化症、及びウイルス性または自己免疫脳炎を含む中枢神経系
の炎症性疾患;I型及びII型糖尿病を含む自己免疫疾患;これに限定されないが、糖尿
病性白内障、緑内障、網膜障害、腎障害(ミクロアルブミン尿症及び進行性糖尿病性腎障
害など)、多発性神経炎、単神経障害、自立性神経障害、足の壊疽、アテローム硬化性冠
状動脈疾患、末梢動脈疾患、非ケトン性高血糖性-高浸透圧性昏睡、足部潰瘍、関節疾患
、及び皮膚または粘膜合併症(感染、むこうずねの発疹、ガンジダ感染、または糖尿病性
リポイド類壊死症など)を含む糖尿病合併症;免疫複合体血管炎、全身性エリテマトーデ
ス(SLE);心筋症、虚血性心疾患高コレステロール血症、及びアテローム硬化症など
の心臓の炎症性疾患;さらに、子癇前症、慢性肝不全、脳及び脊髄外傷、及びがんを含む
、重大な炎症性成分を有し得る様々な他の疾患と関連する疼痛を処置する、または予防す
るために使用することができる。本明細書に記載の剤形はまた、例えば、グラム陽性もし
くはグラム陰性ショック、出血性もしくはアナフィラキシー性ショック、または炎症誘発
性サイトカインに反応したがん化学療法によって誘発されるショック、例えば、催炎症性
サイトカイン関連したショックによって例示される、身体の全身性の炎症であり得る炎症
性疾患と関連する疼痛を処置する、または予防するために使用することができる。そのよ
うなショックは、例えば、がんの処置として投与される化学療法薬によって誘発され得る
。
【0216】
調製方法
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示の即時放出固体経口剤形を調製する方
法を対象とする。活性薬剤組成物及び/または遅延放出ゲル化剤組成物でコーティングさ
れたスフェロイドまたはビーズを、例えば、ローター成層によって、トップスプレーによ
って、ローラー圧縮によって、ボトムスプレー(例えば、ウルスターコーティング)によ
って、またはこれらの方法の任意の想像可能な組み合わせによって調製することができる
。ある特定の実施形態では、活性薬剤組成物及び/または遅延放出ゲル化剤組成物でコー
ティングされたスフェロイドまたはビーズを、ローラー圧縮し、続いて、粉砕し、かつ篩
い掛けすることによって調製することができる。
【0217】
ある特定の実施形態では、本発明による即時放出固体経口剤形を調製するためのプロセ
スは、(i)遅延放出ゲル化剤組成物を調製すること;(ii)遅延放出ゲル化剤組成物
を活性薬剤組成物とブレンドすること;及び(iii)ブレンドを錠剤に圧縮することを
含む。ある特定の実施形態では、遅延放出ゲル化剤組成物の調製は、ゲル化剤を腸溶コー
ティングすることを含み得る。
【0218】
例えば、
図1は、ローター成層方法によって即時放出固体経口剤形を製造するための非
限定的なプロセスフローダイアグラムを示している。ブロック102及び104では、不
活性なビーズまたは核(例えば、微結晶性セルローススフェア、MCC)を、ゲル化剤(
例えば、水中のカルボポール971及びザンサンガム)でコーティングする。ブロック1
06では、腸溶物質(例えば、Eudragit(登録商標)L30D-55)及び可塑
剤(例えば、PlasaACRYL(商標)HTP20)を含むコーティング分散液を混
合し、#30メッシュスクリーンで篩に掛ける。ブロック108では、ブロック106か
らのコーティング分散液を、ブロック104からのコーティングされたゲル化剤上にロー
ター成層して、ローター成層及び腸溶コーティングされた遅延放出ゲル化剤組成物を形成
する。ブロック110から126は、様々な構成成分(ブロック112でナルトレキソン
HCl、MCC、ラウリル硫酸ナトリウム、及びクロスカルメロース、ブロック116で
ローター成層及び腸溶コーティングされた遅延放出ゲル化剤組成物、ブロック120でコ
ロイド状二酸化ケイ素、ならびにブロック124でステアリン酸マグネシウム)をブレン
ドし、最後にブロック126で、ブロック124からのブレンドを圧縮して圧縮錠剤を形
成することによって、圧縮ナルトレキソン錠剤を調製することを示している。ブロック1
26の圧縮錠剤が、下の実施例に記載のとおりの溶解及び注射針通過試験を受け得る。
【0219】
本発明による即時放出固体経口剤形を調製するための非限定的なプロセスの別の例が図
2に例示されている。
図2は、トップスプレー造粒方法によって即時放出固体経口剤形を
製造するためのプロセスフローダイアグラムを示している。ブロック202から208で
は、不活性なビーズまたは核(例えば、微結晶性セルロース)、ゲル化剤(例えば、Ca
rbopol971及びザンサンガム)、水中の腸溶分散液(例えば、Eudragit
(登録商標)L30D-55)及び水中の可塑剤分散液(例えば、PlasaACRYL
(商標)HTP20)を、Vector流動床プロセッサー内でトップスプレー造粒に掛
ける。ブロック210から222は、様々な構成成分(ブロック212でナルトレキソン
HCl、MCC、ラウリル硫酸ナトリウム、クロスカルメロース、及びトップスプレー遅
延放出ゲル化剤顆粒、ブロック216でコロイド状二酸化ケイ素、及びブロック220で
ステアリン酸マグネシウム)をブレンドし、最後に、ブロック222でブロック220か
らのブレンドを圧縮して圧縮錠剤を形成することによる、圧縮ナルトレキソン錠剤の調製
を記載している。ブロック222の圧縮錠剤が、下の実施例に記載のとおりのブロック2
24による溶解及び注射針通過試験を受け得る。
【0220】
本発明による即時放出固体経口剤形を調製するための非限定的なプロセスの別の例が図
3A~3Bに図示されている。
図3A~3Bは、ローラー圧縮/粉砕/篩い掛け及びボト
ムスプレー(ウルスターコーティング)方法によって即時放出固体経口剤形を製造するた
めのプロセスフローダイアグラムを示している。ブロック302~314では、不活性な
ビーズまたは核(例えば、微結晶性セルローススフェア、MCC)、ゲル化剤(例えば、
カルボポール971及びザンサンガム)、ステアリン酸マグネシウム、水中の腸溶分散液
(例えば、Eudragit(登録商標)L30D-55)及び水中の可塑剤分散液(例
えば、PlasaACRYL(商標)HTP20)をローラー圧縮、粉砕、篩い掛け、及
びボトムスプレーコーティングに掛ける。ブロック316~332は、様々な構成成分(
ブロック318でナルトレキソンHCl、MCC、ラウリル硫酸ナトリウム、及びクロス
カルメロース、ブロック322でボトムスプレー及びローラー圧縮された遅延放出ゲル化
剤顆粒、ブロック326でコロイド状二酸化ケイ素、及びブロック330でステアリン酸
マグネシウム)をブレンドし、最後にブロック332でブロック330からのブレンドを
圧縮して圧縮錠剤を形成することによる、圧縮ナルトレキソン錠剤の調製を記載している
。ブロック332の圧縮錠剤が、下の実施例に記載のとおりのブロック334による溶解
及び注射針通過試験を受け得る。
【0221】
ある特定の実施形態では、即時放出固体経口剤形を調製するためのプロセスは、(i)
1つまたは複数の粒子を調製すること;(ii)1つまたは複数の粒子をオピオイド鎮痛
薬組成物でコーティングすること;及び(iii)オピオイド鎮痛薬組成物でコーティン
グされた1つまたは複数の粒子を、遅延放出ゲル化剤組成物とブレンドすることを含み得
、その際、固体経口剤形は、即時放出オピオイド鎮痛薬組成物を含み、かつ固体経口剤形
は、持続放出オピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない。プロセスは
、(iv)ブレンドを錠剤に圧縮することをさらに含み得る。
【0222】
ある特定の実施形態では、即時放出固体経口剤形を調製するためのプロセスは、(i)
1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子を調製すること;及び(ii)1つまたは複数の
遅延放出ゲル化剤粒子をオピオイド鎮痛薬組成物でコーティングすることを含み得、その
際、固体経口剤形は、即時放出オピオイド鎮痛薬組成物を含み、かつ固体経口剤形は、持
続放出オピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない。プロセスは、(i
ii)1つまたは複数のコーティングされた粒子を錠剤に圧縮することをさらに含み得る
。
【0223】
ある特定の実施形態では、即時放出固体経口剤形を調製するためのプロセスは、(i)
1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子を調製すること;及び(ii)オピオイド鎮痛薬
組成物及び1つまたは複数の遅延放出ゲル化剤粒子をマトリックス中に分散させることを
含み得、その際、固体経口剤形は、即時放出オピオイド鎮痛薬組成物を含み、固体経口剤
形は、持続放出オピオイド鎮痛薬組成物を含まない、または実質的に含まない。
【実施例0224】
次の実施例は、本発明の理解を助けるために記載され、むろん、本明細書において記載
され、かつ特許請求される本発明を具体的に限定するものと解釈されるべきではない。当
業者の視野の範囲内であろう現在既知か、もしくは今後開発されるすべての均等物の置換
を含む本発明のそのような変形、及び配合の変化または実験設計の些細な変化は、本明細
書に援用される本発明の範囲内に該当すると判断されるべきである。
【0225】
実施例1:ローター成層プロセスによって調製される腸溶コーティングされたペレット
この実施例では、ゲル化剤をローター成層によって微結晶性セルロース(MCC)スフ
ェア上に成層した。続いて、腸溶コーティングをペレット上に成層した。
表1:ローター成層されたペレット
【表1】
* 塗料ビークルとして使用、プロセス中に蒸発。
# Eudragit(登録商標)L 30D-55は、30%w/w分散液であり、P
lasACRYL(商標)HTP20は、20%w/w分散液である。Vivapur(
登録商標)-微結晶性セルローススフェア
Carbopol(登録商標)971P-カルボキシポリメチレンまたはカルボマー
Xantural(登録商標)75-ザンサンガム
Eudragit(登録商標)L30-55-メタクリル酸-アクリル酸エチルコポリマ
ー(1:1)
PlasACRYL(商標)HTP20-粘着防止剤、可塑剤、及び安定剤を含有する水
性分散液
【0226】
ゲル化剤の成層手順
Carbopol(登録商標)971P及びXantural(登録商標)75(ザン
サンガム)を一緒に#30メッシュスクリーンで篩い掛けし、ポリバッグ内で5分間にわ
たって混合して粉末ブレンドを形成した。Vivapur(登録商標)スフェアをVFC
流動床装置のローターインサートに装入した。カルボポール及びザンサンガム粉末ブレン
ドを、K-Tron粉末供給装置を使用してローターに供給した。粉末ブレンドの全量を
MCCスフェア上に成層して粉末成層ペレットを形成した。粉末成層ペレットをローター
内で30分間にわたって乾燥させた。粉末成層のためのプロセスパラメーターを下の表2
に開示する。
表2:ゲル化剤を粉末成層するためのプロセスパラメーター
【表2】
腸溶コーティングの成層手順
Eudragit(登録商標)L30D-55の水性分散液を、プロペラ型撹拌機を用
いて撹拌しながら精製水及びPlasACRYL(商標)HTP20をEudragit
(登録商標)L30D-55に添加することによって調製した。分散液を少なくとも10
分間にわたって混合した。乾燥粉末成層ペレットをロータープロセスで腸溶コーティング
分散液でコーティングして、コーティングされたペレットを形成した。コーティングされ
たペレットを20分間にわたって乾燥させて、ローター成層されたペレットを形成した。
腸溶コーティング成層のためのプロセスパラメーターを下の表3に開示する。
表3:腸溶コーティングを成層するためのプロセスパラメーター
【表3】
【0227】
腸溶コーティングされたペレットのサンプルを目標腸溶コーティング重量増加の10%
、15%、20%及び30%で取り出した。
【0228】
実施例2:実施例1のローター成層ペレットを含むナルトレキソン錠剤
下の表4及び
図1にまとめられているとおりに、ナルトレキソン錠剤を2つのロットで
、実施例1からのローター成層ペレット(Lot2428-053A及びLot2428
-053B)を使用して作製した。Lot2428-053Aは、高い含有率のゲル化剤
(カルボポール30mg、ザンサンガム9mg)及び10%腸溶コーティングを有した。
Lot2428-053Bは、低い含有率のゲル化剤(カルボポール25mg、ザンサン
ガム7.5mg)及び30%腸溶コーティングを有した。腸溶コーティングパーセントを
、Eudragit(登録商標)L-30D-55及びPlasACRYL(商標)HT
P20を、MCCスフェア、カルボポール、及びザンサンガムを含むゲル化剤組成物に添
加することから得られた重量増加に基づき計算した。
表4:ローター成層ペレットを含有するナルトレキソン錠剤の配合
【表4】
Avicel(登録商標)PH102-微結晶性セルロース
Ac-Di-Sol(登録商標)-クロスカルメロースナトリウム
Cab-O-Sil(登録商標)-コロイド状二酸化ケイ素
手順:
1)#30メッシュスクリーンで篩に掛け、5分間にわたって、ナルトレキソンHCl、
微結晶性セルロースAvicel(登録商標)PH102、ラウリル硫酸ナトリウム、ク
ロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標))をブレンドする。
2)実施例1からのローター成層ペレットをステップ1からのブレンドに添加し、10分
間にわたってブレンドする。
3)コロイド状二酸化ケイ素を#20メッシュスクリーンで篩に掛け、次いで、ステップ
2からのブレンドに添加し、5分間にわたってブレンドする。
4)ステアリン酸マグネシウムを#20メッシュスクリーンで篩に掛け、次いで、ステッ
プ3からのブレンドに添加し、2分間にわたってブレンドする。
5)圧縮:ステップ4からの混合物を錠剤プレスによって、表5のパラメーターに従って
圧縮する。
表5:圧縮プロセスパラメーター
【表5】
【0229】
実施例3:トップスプレー流動床造粒プロセスによって調製される腸溶コーティングされ
た顆粒
この実施例では、ゲル化剤の腸溶顆粒をトップスプレー造粒によって調製した。
表6:ゲル化剤のトップスプレー腸溶顆粒
【表6】
* 造粒剤として使用、プロセス中に蒸発。
# Eudragit(登録商標)L30D-55は30%w/w分散液であり、Pla
sACRYL(商標)HTP20は20%w/w分散液である。
【0230】
微結晶性セルロースPH101、Carbopol(登録商標)971P及びXant
ural(登録商標)75(ザンサンガム)を一緒に#30メッシュスクリーンで篩に掛
け、収集し、流動床造粒機ボウルに装填した。精製水及びPlasACRYL(商標)H
TP20を、プロペラ型撹拌機で撹拌しながらEudragit(登録商標)L30D-
55に添加して分散液を形成した。分散液を少なくとも10分間にわたって混合した。分
散液を#30メッシュスクリーンで篩に掛け、下の表7にまとめたプロセスパラメーター
に従ってトップスプレーガンアセンブリを使用して、物質床上にスプレーした。
表7:トップスプレー造粒プロセスパラメーター
【表7】
得られた腸溶顆粒を#60、#80、#100、及び#200メッシュスクリーンで篩
に掛けた。プロセス中に多少の凝集物が形成し、それらを除去した。#60及び#80メ
ッシュスクリーン上に保持された顆粒も除去した。#100メッシュ、#200メッシュ
及びパンの保持分の合成顆粒を使用して、錠剤を作製した。様々なメッシュスクリーンで
篩に掛けた後に保持された顆粒のパーセンテージを下の表8にまとめる。
表8:粒径分析
【表8】
【0231】
実施例4:実施例3のトップスプレーされた顆粒を含むナルトレキソン錠剤
下の表9及び
図2にまとめたとおり、ナルトレキソン錠剤を、実施例3からのトップス
プレーされた顆粒を使用して2つのロット(Lot2428-048A及びLot242
8-048B)で作製した。Lot2428-048Aは、より高い含有率のゲル化剤(
カルボポール30mg、ザンサンガム9mg)を有した。Lot2428-048Bは、
より低い含有率のゲル化剤(カルボポール25mg、ザンサンガム7.5mg)を有した
。
表9:トップスプレーされた顆粒を含有するナルトレキソン錠剤での配合
【表9】
Avicel(登録商標)PH 101-微結晶性セルロース
手順:
1)ナルトレキソンHCl、微結晶性セルロースAvicel(登録商標)PH102、
ラウリル硫酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商
標))及び実施例3からのトップスプレーされた顆粒を#30メッシュスクリーンで篩に
掛け、10分間にわたってブレンドする。
2)コロイド状二酸化ケイ素を#30メッシュスクリーンで篩に掛け、次いで、ステップ
1からのブレンドに添加し、5分間にわたってブレンドする。
3)ステアリン酸マグネシウムを#60メッシュスクリーンで篩に掛け、ステップ2から
のブレンドに添加し、5分間にわたってブレンドする。
4)圧縮:ステップ3からの混合物を錠剤プレスによって、表10のパラメーターに従っ
て圧縮する。
表10:圧縮プロセスパラメーター
【表10】
【0232】
実施例5:ローラー圧縮によって調製される粒子
実施例5から6では、ゲル化剤粒子をローラー圧縮、続く、ウルスターコーティング(
すなわち、ボトムスプレー流動床コーティング)によって調製した。
表11:ローラー圧縮配合
【表11】
Avicel(登録商標)DG-微結晶性セルロース
手順:
1)Avicel(登録商標)DG、Carbopol(登録商標)971P及びXan
tural(登録商標)75を#30メッシュスクリーンで篩に掛け、タービュラブレン
ダーを使用して10分間にわたってブレンドする。
2)ステアリン酸マグネシウムを#20メッシュスクリーンで篩に掛け、ステップ1から
のブレンドに添加し、次いで、2分間にわたってブレンドする。
3)表12にまとめられているローラー圧縮パラメーターに従って、ステップ2からのブ
レンドをローラー圧縮のために使用する。
表12:ローラー圧縮パラメーター
【表12】
【0233】
得られた粒子を分析し、それらの粒径分布、かさ密度、及びタップ密度を下の表13に
まとめる。
表13:粒径分布、バルク及びタップ密度
【表13】
【0234】
ローラー圧縮試験から、ローラー速度及びオーガー速度が顆粒の粒径及び密度に対して
より高い影響を有することが見い出された。下の実施例6に記載されているとおり、試験
6からの顆粒をEudragit(登録商標)L30D-55分散液でコーティングした
。
【0235】
実施例6:ローラー圧縮された顆粒の流動床コーティング(ボトムスプレー)
この実施例では、下にまとめられているとおり、実施例5からのローラー圧縮粒子をウ
ルスターコーティングに掛けた。
表14:ウルスターコーティング配合物
【表14】
* コーティングビークルとして使用、プロセス中に蒸発。
# Eudragit(登録商標)L30D-55は30%w/w分散液、PlasAC
RYL(商標)HTP20は20%w/w分散液である。
手順:
1)#30及び#40メッシュスクリーンで、試験6(実施例5)からの顆粒を篩に掛け
る。
2)Eudragit(登録商標)L30D-55で腸溶コーティングするために、#4
0メッシュスクリーンで保持された画分を分別する。
3)プロペラ撹拌機を使用して少なくとも10分間にわたって撹拌しながら精製水及びP
lasACRYL(商標)HTP20をEudragit(登録商標)L30D-55に
添加することによって、コーティング分散液を調製する。
4)分散液を#30メッシュスクリーンに通過させる。
5)下の表15にまとめられているWursterコーティングパラメーターに従って、
Mini VFC中のボトムスプレーウルスターインサートを使用して、分散液をステッ
プ1からの顆粒上にスプレーする。
表15:ウルスターコーティングパラメーター
【表15】
【0236】
コーティングされた顆粒を#20メッシュ、#30メッシュ及び#40メッシュスクリ
ーンで篩に掛けた。#20メッシュ上の部分は凝集物であり、廃棄した。#30及び#4
0メッシュスクリーン上に保持された部分を合わせ、実施例7の錠剤を作製するために使
用した。
【0237】
実施例7:実施例6のローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒を含むナルトレキソン
錠剤
下の表16及び
図3A~3Bにまとめられているとおり、ナルトレキソン錠剤を、実施
例6からのローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒を使用して2つのロット(Lot
2428-069A及びLot2428-069B)で作製した。Lot2428-06
9Aは、高い含有率のゲル化剤(カルボポール30mg、ザンサンガム9mg)を有した
。Lot2428-069Bは、低い含有率のゲル化剤(カルボポール20mg、ザンサ
ンガム6mg)を有した。
表16:ローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒を含有するナルトレキソン錠剤での
配合
【表16】
手順:
1)ナルトレキソンHCl、微結晶性セルロースAvicel(登録商標)PH 102
、ラウリル硫酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録
商標))を#30メッシュスクリーンで篩に掛け、かつ5分間にわたってブレンドする。
2)実施例6のローラー圧縮及びボトムスプレーされた顆粒をステップ1の混合物に添加
し、かつ9分間にわたってブレンドする。
3)コロイド状二酸化ケイ素を#20メッシュスクリーンに掛け、かつステップ2からの
ブレンドに添加し、2分間にわたってブレンドする。
4)ステアリン酸マグネシウムを#20メッシュスクリーンで篩に掛け、かつステップ3
からのブレンドに添加し、かつ2分間にわたってブレンドする。
5)圧縮:表17のパラメーターに従って、ステップ4からの混合物を錠剤プレスで圧縮
する。
表17:圧縮パラメーター
【表17】
【0238】
実施例2、4及び7の錠剤を溶解試験及び注射針通過試験に掛けた。試験手順及び結果
を実施例8及び9ならびに対応する図にまとめる。
【0239】
実施例8:注射針通過試験
実施例2、4及び7の錠剤を、室温で水道水5ml及び10mlを使用する溶解後、5
分間にわたる注射針通過性について試験した。錠剤を完全なままの、及び破砕された形態
で試験した。吸引体積(5分にわたる)を記録し、かつナルトレキソンHCl含有率につ
いてアッセイした。データを表18~23及び
図4~7にまとめる。
表18:室温で水道水中に錠剤を溶解させた後に吸引された体積(ml)(5分目の完全
なままの錠剤-
図4)
【表18】
【0240】
表18のデータは
図4に示されている。実施例4のトップスプレー流動床顆粒を用いる
と、室温で撹拌しながら、かつ撹拌せずに様々な体積の水道水(5ml及び10ml)中
に完全なままのナルトレキソンHCl錠剤を溶解させた後に、1.3ml未満が吸引され
た。
【0241】
実施例2のローター成層ペレットでは、室温で撹拌しながら、かつ撹拌せずに様々な体
積の水道水(5ml及び10ml)中で完全なままのナルトレキソンHCl錠剤を溶解さ
せた後に吸引された体積は、高いゲル化剤含有率を有するペレットの方で、より低かった
。このことは、低いゲル化剤含有率及び高い腸溶コーティング含有率を有するペレットと
比較して、高いゲル化剤含有率及び低い腸溶コーティング含有率を有するペレットでの水
中でのより高いゲル化を示唆している。高いゲル化剤含有率を有する錠剤で吸引された最
大体積は6mlであったが、低いゲル化剤含有率を有する錠剤では6.9mlであった。
【0242】
実施例7のローラー圧縮及びボトムスプレーペレットでは、室温で撹拌しながら、かつ
撹拌せずに様々な体積の水道水(5ml及び10ml)中で完全なままのナルトレキソン
HCl錠剤を溶解させた後に吸引された体積は、高いゲル化剤含有率を有するペレットの
ほうが低かった。高いゲル化剤含有率を有する錠剤で吸引された最大体積は6.7mlで
あり、低いゲル化剤含有率を有する錠剤では、7.3mlであった。
【0243】
Roxicodone(登録商標)(オキシコドンHCl錠剤)を比較物として使用し
た。室温で水道水で完全なままのRoxicodoneを溶解させた後に吸引された最大
体積は9.9mlであった。室温で撹拌しながら、かつ撹拌せずに様々な体積の水道水(
5ml及び10ml)中で溶解させた後に完全なままのRoxicodoneから吸引さ
れた体積の方が、同じ操作条件下で実施例2、4、及び7で調製された錠剤の操作後に吸
引された体積よりも大きかった。
表19:5分間にわたって室温で水道水中で錠剤を溶解させた後に吸引された体積(ml
)(完全なままの錠剤対破砕された錠剤-
図5)
【表19】
*データは評価中
表19のデータは
図5に示されている。実施例2(低ゲル化剤含有率)のローター成層
ペレットでは、室温で(撹拌して、及び撹拌せずに)水道水10mlで溶解された完全な
ままの錠剤で吸引された最大体積は6.9mlであった。室温で水道水10mlで溶解さ
れた破砕された錠剤で吸引された体積の方が、撹拌後に、より低かった。
【0244】
実施例7のローラー圧縮及びボトムスプレーペレットでは、室温で水道水10mlで溶
解された完全なままの錠剤及び破砕された錠剤で吸引された体積は、高いゲル化剤含有率
を含有する錠剤の方で、撹拌後に、より低かった。
【0245】
Roxicodone(オキシコドンHCl錠剤)を比較物として使用した。室温で水
道水で完全なままのRoxicodone及び破砕されたRoxicodoneを溶解さ
せた後に吸引された最大体積は9.9mlであった。室温で撹拌しながら、かつ撹拌せず
に水道水中で溶解させた後に完全なままのRoxicodone及び破砕されたRoxi
codoneから吸引された体積の方が、同じ操作条件下で実施例2(低いゲル化剤含有
率)及び7で調製された錠剤の溶解後に吸引された体積よりも大きかった。
表20:5分間にわたって室温で水道水中に完全なままの錠剤を溶解させた後に吸引され
た液体中の活性薬剤のパーセンテージアッセイ(
図6)
【表20】
* 表中に単一の数字が挙げられている場合、単一の錠剤が試験されたことを意味してい
る。
【0246】
表20のデータは
図6に示されている。実施例4のトップスプレー流動床顆粒では、ゲ
ル化は、シリンジに吸引されたナロキソンHClのパーセンテージがラベル表示量の2%
未満であるほど顕著である。
【0247】
実施例2のローター成層ペレットでは、注射針通過試験における性能は、30%w/w
Eudragit(登録商標)L30D-55腸溶コーティングサンプルを含む低ゲル
化ポリマー含有率と比較すると、高ゲル化ポリマー含有率及びEudragit(登録商
標)L30D-55腸溶コーティング10%w/wの方が良好であった。高いゲル化剤含
有率を含有するローター成層ペレットで吸引されたナルトレキソンHClの最高パーセン
テージは13.33%であり、より低量のゲル化剤では、ラベル表示の20.06%であ
り、これは、薬物の注射針通過性を阻止する水中での著しいゲル化を示唆した。
【0248】
ローラー圧縮及びボトムスプレーペレットでは、より多量のゲル化剤のロットの方が、
より低いゲル化剤含有率のロットよりも良好に作用した。より多量のゲル化剤のロットか
ら吸引されたナルトレキソンHClの最大パーセンテージは27.15%であり、より低
量のゲル化剤では、36.5%であった。
【0249】
Roxicodone(オキシコドンHCl錠剤)を比較物として使用した。吸引され
たオキシコドンの最大パーセンテージは、ラベル表示量の44.2%であった。
表21:5分間にわたって室温で水道水中で錠剤を溶解させた後に吸引された液体中の活
性薬剤のパーセンテージアッセイ(完全なままの錠剤対破砕された錠剤-
図7)
【表21】
【0250】
表21のデータは
図7に示されている。錠剤を破砕し、かつ水に溶解させると、Rox
icodone(オキシコドンHCl錠剤)から注射されるオキシコドンのパーセントは
、ラベル表示の90.6%であるが、隔離されたゲル化剤バッチでは、それはかなり低い
。
【0251】
実施例9:溶解試験
実施例2、4及び7の錠剤を、スプリングを備えたバスケットを使用して、0.1N
HCl中での活性薬剤の放出について試験した。実施例9による錠剤のインビトロ溶解試
験は次のとおりに行った:錠剤をインビトロで、USP Apparatus 1(#4
0メッシュバスケット)を使用して、37.0±0.5℃で0.lN HCl900ml
中で試験した。溶解媒体中で水和されると、バスケットの上部またはシャフトの底部の固
体裏面に付着する錠剤の性質を減少させるために、保持スプリング(不動態化処理済ステ
ンレス鋼316スプリング、外径1.5cm及び長さ2cm)をバスケットの上部(錠剤
の上)に設置した。サンプリング時点は、5、15、30、45、60、及び90分(ま
たは表示のとおり)を含んだ。結果を表22~25及び
図8~11にまとめる。
表22:スプリングを備えたバスケットを使用しての0.1N HCl、900ml中で
の溶解プロファイル(
図8)
【表22】
【0252】
表22のデータは
図8に示されている。トップスプレー流動床造粒アプローチ(実施例
4)で作製された錠剤の溶解プロファイルは、ローター成層(実施例2)及びローラー圧
縮アプローチ(実施例7)で作製された錠剤よりも遅かった。
【0253】
ローター成層アプローチ(実施例2)及びローラー圧縮アプローチ(実施例7)によっ
て隔離ゲル化剤を使用して作製された錠剤では、90%以上の薬物放出が15分で達成さ
れたが、これは、ゲル化剤がEudragit(登録商標)L30D-55(5.5超の
pHで溶解するポリマー)でコーティングされているので、薬物放出が酸性媒体中で影響
を受けないことを示唆している。
表23:スプリングを備えたバスケットを使用する0.1N HCl、900ml中での
、トップスプレーされたゲル化剤顆粒(実施例4)で作製された錠剤の溶解プロファイル
に対する硬度の作用
【表23】
【0254】
表23のデータは
図9に示されている。トップスプレー流動床造粒アプローチ(実施例
4)で作製された錠剤の溶解プロファイルは、17kPの硬度値を有する錠剤においてよ
りも、10kPの硬度値を有する錠剤で遅かった。加えて、低量のゲル化剤を有する実施
例4からの錠剤での溶解プロファイルは、多量のゲル化剤を有する実施例4からの錠剤に
おいてよりも遅かった。
【0255】
表24:スプリングを備えたバスケットを使用する0.1N HCl、900ml中での
、ローター成層されたゲル化剤ペレット(実施例2)で作製された錠剤の溶解プロファイ
ルに対する硬度の作用
【表24】
【0256】
表24のデータは
図10に示されている。ローター成層されたゲル化剤ペレットアプロ
ーチ(実施例2)で作製された錠剤の溶解プロファイルは、硬度に関わらず同様であった
。
表25:ゲル化ポリマーのローラー圧縮、ウルスターコーティングされた顆粒(実施例7
)で作製された錠剤の溶解プロファイルに対する硬度の作用
【表25】
【0257】
表25のデータは
図11に示されている。ゲル化剤のローラー圧縮及びウルスターコー
ティングされた顆粒を含む錠剤(実施例7)の溶解プロファイルは、硬度に関わらず、か
つゲル化剤の含有率に関わらず同様であった。
【0258】
実施例8~9のまとめ
表26:実施例8~9及び表18~25のまとめ
【表26】
【0259】
Eudragit(登録商標)L30D-55を含み、かつ即時放出剤形に組み込まれ
るゲル化剤のコーティングは、胃で見い出される酸性pH(<pH5.5)中で、剤形か
らの薬物の即時放出をもたらす。錠剤を、IV乱用のための注射用に水(最高10mL)
に溶解させると、Eudragitコーティングは、5.5超のpHを有する水中に溶解
する。したがって、ゲル化剤が放出され、溶液を粘稠性にして、乱用される薬物の注射針
通過性を阻止するであろう。Eudragit(登録商標)L30D-55でゲル化剤を
被覆するために使用される3つの技術はすべて、水に溶解すると注射され得る薬物の量の
減少を示す。トップスプレー流動床造粒アプローチでは、薬物の溶解プロファイルはより
遅かった。
【0260】
隔離ゲル化剤の使用での静脈内経路による乱用の予防に加えて、実施例2、4、及び7
の錠剤への経鼻刺激剤であるラウリル硫酸ナトリウムの組み込みは、オピオイド製剤の経
鼻乱用を阻止する。
【0261】
説明を簡略にするために、本開示の方法の実施形態は、一連の動作として図示及び記載
されている。しかしながら、本開示による動作は様々な順序で、及び/または同時に、及
び本明細書に図示及び記載されていない他の動作と共に生じてもよい。さらに、開示の発
明の主題によって方法を実施するために、図示されている動作のすべてが必要となり得る
わけではない。加えて、当業者は、方法が別法では、ステートダイヤグラムによる一連の
相互に関連した状態またはイベントとして表され得ることを理解及び認識するであろう。
【0262】
上述の記載では、本発明の十分な理解を提供するために、具体的な物質、寸法、プロセ
スパラメーターなどの多くの具体的な詳細を記載している。特定の特徴、構造、物質、ま
たは特徴を任意の適切な手法で、1つまたは複数の実施形態に組み合わせてもよい。「例
」または「例示的」という語句は本明細書では、例、事例、または例証として役立つこと
を意図して使用されている。「例」または「例示的」として本明細書に記載の何らかの態
様または設計は、他の態様または設計よりも好ましい、または有利であるとは必ずしも解
釈されない。むしろ、「例」または「例示的」という語句の使用は、概念を具体的に表す
ように意図されている。本出願で使用する場合、「または」という用語は、排他的「また
は」ではなく包括的な「または」を意味するように意図されている。すなわち、別段に指
定がない限り、または文脈から明らかでない限り、「XにはAまたはBが含まれる」は、
自然な包括的な並び替えのいずれをも意味するように意図されている。すなわち、Xには
Aが含まれる;XにはBが含まれる;またはXにはA及びBの両方が含まれる場合に、「
XにはAまたはBが含まれる」は、上述の事例のいずれにも満たされる。本明細書を通じ
て「実施形態」、「ある特定の実施形態」、または「一実施形態」についての言及は、実
施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態
に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じた様々な箇所での「実施形態」
、「ある特定の実施形態」、または「一実施形態」という語句の出現は必ずしもすべてが
、同じ実施形態に関するものではない。
【0263】
本発明を、その具体的で例示的な実施形態を参照して記載してきた。したがって、本明
細書及び図面は、制限ではなく、実例としてみなされるべきである。本明細書に示されて
いる、及び記載されている変更形態に加えて、本発明の様々な変更形態が当業者には明ら
かになるであろうし、それらは、添付の請求項の範囲内に該当すると意図されている。