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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099406
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】光学センサ、製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20240718BHJP
   H01L 31/107 20060101ALI20240718BHJP
   H01S 5/40 20060101ALI20240718BHJP
   G02B 7/00 20210101ALN20240718BHJP
【FI】
G01S7/481 A
H01L31/10 B
H01S5/40
G02B7/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003330
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】小川 晃
【テーマコード(参考)】
2H043
5F149
5F173
5F849
5J084
【Fターム(参考)】
2H043AE02
2H043AE24
5F149AA07
5F149BB03
5F149EA04
5F149JA05
5F149JA12
5F149KA20
5F149XB02
5F149XB38
5F173MA10
5F173MB03
5F173MC03
5F173MC30
5F173MD64
5F173MD65
5F173ME22
5F173ME32
5F173ME44
5F173MF03
5F173MF39
5F849AA07
5F849BB03
5F849EA04
5F849JA05
5F849JA12
5F849KA20
5F849XB02
5F849XB38
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB01
5J084AB07
5J084AB16
5J084BA04
5J084BA07
5J084BA36
5J084BA40
5J084BA48
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB28
5J084CA03
5J084EA31
(57)【要約】
【課題】モジュール同士の光軸調整精度且つ固定強度を確保する、光学センサの提供。
【解決手段】光学センサ10は、投光ビームPBを発生させる投光光源モジュール22と、投光光源モジュール22からの投光ビームPBを投光光軸POAに沿って外界側へ導光する投光レンズモジュール26と、投光光軸POAに沿った投光方向PDに対向する投光光源モジュール22及び投光レンズモジュール26の各投光接着面222,262間に、介装される紫外線熱併用硬化型の投光接着材28とを、備える。各投光接着面222,262は、投光接着材28により埋められる投光メイン隙間280と、投光メイン隙間280よりも投光方向PDに拡幅されて投光光軸POAまわりの外周側に開放される隙間281として、投光メイン隙間280から連続する投光接着材28がそれら両面222,262に跨る投光サブ隙間281とを、相互間に形成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光ビーム(PB)を外界へ向けて投光し、前記投光ビームに対して前記外界から反射された反射ビーム(RB)を受光することにより、前記外界を検出する光学センサ(10)であって、
前記投光ビームを発生させる投光光源モジュール(22,3022,4022)と、
前記投光光源モジュールからの前記投光ビームを投光光軸(POA)に沿って前記外界側へ導光する投光レンズモジュール(26,2026,4026)と、
前記投光光軸に沿った投光方向(PD)に対向する前記投光光源モジュール及び前記投光レンズモジュールの各投光接着面(222,262,2262,3222,4222,4262)間に、介装される紫外線熱併用硬化型の投光接着材(28)とを、備え、
各前記投光接着面は、前記投光接着材により埋められる投光メイン隙間(280)と、前記投光メイン隙間よりも前記投光方向に拡幅されて前記投光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、前記投光メイン隙間から連続する前記投光接着材がそれら両面に跨る投光サブ隙間(281)とを、相互間に形成する光学センサ。
【請求項2】
少なくとも一方の前記投光接着面は、前記投光光軸まわりの外周側へ向かうほど、対向する前記投光接着面から漸次離間して前記投光サブ隙間を形成する形状に、傾斜する投光傾斜面部(222b,262b)を有する請求項1に記載の光学センサ。
【請求項3】
前記投光傾斜面部は、前記投光方向とその直交方向(POD)との挟む角の二等分線(PL)に沿って、傾斜する請求項2に記載の光学センサ。
【請求項4】
前記反射ビームを受光することにより、前記外界を検出する受光検出モジュール(45,3045,4045)と、
前記外界側からの前記反射ビームを受光光軸(ROA)に沿って前記受光検出モジュール側へ導光する受光レンズモジュール(42,2042,4042)と、
前記受光光軸に沿った受光方向(RD)に対向する前記受光検出モジュール及び前記受光レンズモジュールの各受光接着面(422,452,2422,3452,4422,4452)間に、介装される紫外線熱併用硬化型の受光接着材(48)とを、備え、
各前記受光接着面は、前記受光接着材により埋められる受光メイン隙間(480)と、前記受光メイン隙間よりも前記受光方向に拡幅されて前記受光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、前記受光メイン隙間から連続する前記受光接着材がそれら両面に跨る受光サブ隙間(481)とを、相互間に形成する請求項1に記載の光学センサ。
【請求項5】
投光ビーム(PB)を外界へ向けて投光し、前記投光ビームに対して前記外界から反射された反射ビーム(RB)を受光することにより、前記外界をセンシングする光学センサ(10)であって、
前記反射ビームを受光することにより、前記外界を検出する受光検出モジュール(45,3045,4045)と、
前記外界側からの前記反射ビームを受光光軸(ROA)に沿って前記受光検出モジュール側へ導光する受光レンズモジュール(42,2042,4042)と、
前記受光光軸に沿った受光方向(RD)に対向する前記受光検出モジュール及び前記受光レンズモジュールの各受光接着面(422,452,2422,3452,4422,4452)間に、介装される紫外線熱併用硬化型の受光接着材(48)とを、備え、
各前記受光接着面は、前記受光接着材により埋められる受光メイン隙間(480)と、前記受光メイン隙間よりも前記受光方向に拡幅されて前記受光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、前記受光メイン隙間から連続する前記受光接着材がそれら両面に跨る受光サブ隙間(481)とを、相互間に形成する光学センサ。
【請求項6】
少なくとも一方の前記受光接着面は、前記受光光軸まわりの外周側へ向かうほど、対向する前記受光接着面から漸次離間して前記受光サブ隙間を形成する形状に、傾斜する受光傾斜面部(422b,452b)を有する請求項4に記載の光学センサ。
【請求項7】
前記受光傾斜面部は、前記受光方向とその直交方向(ROD)とがなす角の二等分線(RL)に沿って、傾斜する請求項6に記載の光学センサ。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか一項に記載の光学センサを製造する製造方法であって、
前記投光メイン隙間及び前記投光サブ隙間に前記投光接着材を配置することと、
前記投光サブ隙間に対して前記投光光軸まわりの外周側から紫外線を照射することにより、前記投光接着材の一部を仮硬化させることと、
当該仮硬化後における前記投光接着材の残部を熱硬化させることとを、含む製造方法。
【請求項9】
前記投光接着材を配置することは、
重力方向上側にセットされる前記投光接着面に対して、前記投光光軸まわりの外周側ほど漸次離間する投光傾斜面部(222b,262b)が、重力方向下側にセットされる前記投光接着面と、当該重力方向上側の前記投光接着面との間に前記投光接着材を挟むことを、含む請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
請求項4~7のいずれか一項に記載の光学センサを製造する製造方法であって、
前記受光メイン隙間及び前記受光サブ隙間に前記受光接着材を配置することと、
前記受光サブ隙間に対して前記受光光軸まわりの外周側から紫外線を照射することにより、前記受光接着材の一部を仮硬化させることと、
当該仮硬化後における前記受光接着材の残部を熱硬化させることとを、含む製造方法。
【請求項11】
前記受光接着材を配置することは、
重力方向上側にセットされる前記受光接着面に対して、前記受光光軸まわりの外周側ほど漸次離間する受光傾斜面部(422b,452b)が、重力方向下側にセットされる前記受光接着面と、当該重力方向上側の前記受光接着面との間に前記受光接着材を挟むことを、含む請求項10に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学センサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投光ビームを外界へ向けて投光し、投光ビームに対して外界から反射された反射ビームを受光することで、外界を検出する光学センサは、広く知られている。この種の光学センサとして特許文献1に開示される技術では、投光ビームを発生させる光源モジュールに対して、光源モジュールからの投光ビームを外界側へ導光するレンズモジュールの光軸が、位置調整されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-3938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示の装置では、光源モジュールに対してレンズモジュールが螺子留めにより固定されるため、三軸以上での位置調整が困難となる。そこで、紫外線熱併用硬化型接着材を光源モジュールに対するレンズモジュールの固定に利用することが、考えられる。
【0005】
但し、紫外線熱併用硬化型接着材を利用する場合、光源モジュールとレンズモジュールとの間において未硬化の接着材が充填される隙間のサイズは、それらモジュール同士の相対姿勢に応じて、充填箇所毎に変動する。その結果、隙間サイズに対する接着材量の不足が生じると、モジュール同士の固定強度が低下する。そこで、隙間サイズに対して接着材量を過剰にすると、隙間からのはみ出しにより逃された接着材に紫外線が照射されることで、隙間を埋める接着材へは紫外線が届かずに、光軸の位置ずれを招くことが懸念される。
【0006】
以上より本開示の課題は、モジュール同士の光軸調整精度且つ固定強度を確保する、光学センサ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0008】
本開示の第一態様は、
投光ビーム(PB)を外界へ向けて投光し、投光ビームに対して外界から反射された反射ビーム(RB)を受光することにより、外界を検出する光学センサ(10)であって、
投光ビームを発生させる投光光源モジュール(22,3022,4022)と、
投光光源モジュールからの投光ビームを投光光軸(POA)に沿って外界側へ導光する投光レンズモジュール(26,2026,4026)と、
投光光軸に沿った投光方向(PD)に対向する投光光源モジュール及び投光レンズモジュールの各投光接着面(222,262,2262,3222,4222,4262)間に、介装される紫外線熱併用硬化型の投光接着材(28)とを、備え、
各投光接着面は、投光接着材により埋められる投光メイン隙間(280)と、投光メイン隙間よりも投光方向に拡幅されて投光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、投光メイン隙間から連続する投光接着材がそれら両面に跨る投光サブ隙間(281)とを、相互間に形成する。
【0009】
本開示の第二態様は、
第一態様の光学センサを製造する製造方法であって、
投光メイン隙間及び投光サブ隙間に投光接着材を配置することと、
投光サブ隙間に対して投光光軸まわりの外周側から紫外線を照射することにより、投光接着材の一部を仮硬化させることと、
当該仮硬化後における投光接着材の残部を熱硬化させることとを、含む。
【0010】
これら第一及び第二態様によると、投光光軸に沿った投光方向に対向する投光光源モジュール及び投光レンズモジュールの各投光接着面間には、紫外線熱併用硬化型の投光接着材が介装される。そこで各投光接着面は、投光接着材により埋められる投光メイン隙間と、投光メイン隙間よりも投光方向に拡幅されて投光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、投光メイン隙間から連続する投光接着材がそれら両面に跨る投光サブ隙間とを、相互間に形成する。
【0011】
これにより硬化前の投光接着材は、モジュール同士の相対姿勢に応じて投光メイン隙間から逃されることになっても、投光メイン隙間よりも拡幅された投光サブ隙間では、各モジュールの投光接着面に跨る配置状態にて、外周側への開放部分から露出し得る。故に、こうした配置状態で外周側から紫外線が照射されることで、投光サブ隙間では投光接着材の一部が仮硬化され得ることから、当該仮硬化後には投光光軸の位置ずれを抑制しつつ、投光メイン隙間にて投光接着材の残部を熱硬化させることができる。故に、モジュール同士の光軸調整精度且つ固定強度を確保することが、可能である。
【0012】
本開示の第三態様は、
投光ビーム(PB)を外界へ向けて投光し、投光ビームに対して外界から反射された反射ビーム(RB)を受光することにより、外界をセンシングする光学センサ(10)であって、
反射ビームを受光することにより、外界を検出する受光検出モジュール(45,3045,4045)と、
外界側からの反射ビームを受光光軸(ROA)に沿って受光検出モジュール側へ導光する受光レンズモジュール(42,2042,4042)と、
受光光軸に沿った受光方向(RD)に対向する受光検出モジュール及び受光レンズモジュールの各受光接着面(422,452,2422,3452,4422,4452)間に、介装される紫外線熱併用硬化型の受光接着材(48)とを、備え、
各受光接着面は、受光接着材により埋められる受光メイン隙間(480)と、受光メイン隙間よりも受光方向に拡幅されて受光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、受光メイン隙間から連続する受光接着材がそれら両面に跨る受光サブ隙間(481)とを、相互間に形成する。
【0013】
本開示の第四態様は、
第三態様の光学センサを製造する製造方法であって、
受光メイン隙間及び受光サブ隙間に受光接着材を配置することと、
受光サブ隙間に対して受光光軸まわりの外周側から紫外線を照射することにより、受光接着材の一部を仮硬化させることと、
当該仮硬化後における受光接着材の残部を熱硬化させることとを、含む。
【0014】
これら第三及び第四態様によると、受光光軸に沿った受光方向に対向する受光検出モジュール及び受光レンズモジュールの各受光接着面間には、紫外線熱併用硬化型の受光接着材が介装される。そこで各受光接着面は、受光接着材により埋められる受光メイン隙間と、受光メイン隙間よりも受光方向に拡幅されて受光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、受光メイン隙間から連続する受光接着材がそれら両面に跨る受光サブ隙間とを、相互間に形成する。
【0015】
これにより硬化前の受光接着材は、モジュール同士の相対姿勢に応じて受光メイン隙間から逃されることになっても、受光メイン隙間よりも拡幅された受光サブ隙間では、各モジュールの受光接着面に跨る配置状態にて、外周側への開放部分から露出し得る。故に、こうした配置状態で外周側から紫外線が照射されることで、受光サブ隙間では受光接着材の一部が仮硬化され得ることから、当該仮硬化後には受光光軸の位置ずれを抑制しつつ、受光メイン隙間にて受光接着材の残部を熱硬化させることができる。故に、モジュール同士の光軸調整精度且つ固定強度を確保することが、可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第一実施形態による光学センサの全体構成を示す断面図である。
図2】第一実施形態による投光ユニットを示す模式図である。
図3】第一実施形態による受光ユニットを示す模式図である。
図4】第一実施形態による投光ユニット及び受光ユニットの構成を示す部分断面図である。
図5】第一実施形態による投光ユニットの外観を示す斜視図である。
図6】第一実施形態による投光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図7】第一実施形態による投光ユニットの製造方法を示すフローチャートである。
図8】第一実施形態による投光ユニットの製造方法を説明するための断面図である。
図9】第一実施形態による投光ユニットの製造方法を説明するための断面図である。
図10】第一実施形態による受光ユニットの外観を示す斜視図である。
図11】第一実施形態による受光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図12】第一実施形態による受光ユニットの製造方法を示すフローチャートである。
図13】第二実施形態による投光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図14】第二実施形態による受光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図15】第三実施形態による投光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図16】第三実施形態による受光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図17】第四実施形態による投光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図18】第四実施形態による受光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図19】第一実施形態の変形例による投光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図20】第一実施形態の変形例による受光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図21】第一実施形態の変形例による投光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
図22】第一実施形態の変形例による受光ユニットの詳細構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施形態を図面に基づき複数説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。また、各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。さらに、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
【0018】
(第一実施形態)
図1に示すように、本開示の第一実施形態による光学センサ10は、移動体に配置されて外界を光学的に検出するための、LiDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)である。光学センサ10の配置対象となる移動体は、手動運転、自動運転、及び遠隔運転のうち少なくとも一種類の運転が可能な、例えば自動車等の車両である。尚、以下の説明では断り書きがない限り、前、後、上、下、左、及び右が示す各方向は、水平面上の車両を基準として定義される。また、以下の説明において水平方向及び鉛直方向とは、それぞれ水平面上の車両における、当該水平面に対しての平行方向及び垂直方向を意味する。さらに、以下の説明において重力方向とは、水平面上の車両における、鉛直方向のうち下方向を意味する。
【0019】
光学センサ10は、例えば前方部、左右の側方部、後方部、及び上部ルーフ等のうち、車両における少なくとも一箇所に配置される。光学センサ10は、外界のうち車両での配置箇所に応じた検出領域DAへと向けて、投光ビームPBを投光する。光学センサ10は、外界において投光ビームPBが検出領域DAの物標により反射されることで戻ってくる戻り光を、反射ビームRBとして検出する。こうして反射ビームRBとなる投光ビームPBには、人間から視認困難な近赤外域の光が選択される。
【0020】
光学センサ10は、投光ビームPBに対して反射された反射ビームRBを受光することで、外界のうち検出領域DAに存在する物標を、検出する。こうした外界物標の検出とは、例えば光学センサ10から物標までの距離、物標が存在する方向、及び物標からの反射ビームRBの反射強度等のうち、少なくとも距離を含む一種類又は複数種類の検出である。車両に適用の光学センサ10において代表的な検出対象となる物標は、例えば歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、及び他車両等の移動物体のうち、少なくとも一種類であってもよい。車両に適用の光学センサ10において代表的な検出対象となる物標は、例えばガードレール、道路標識、道路脇の構造物、及び道路上の落下物等の静止物体のうち、少なくとも一種類であってもよい。
【0021】
光学センサ10には、互いに直交した三軸となるX軸、Y軸、及びZ軸により、三次元座標系が定義されている。特に本実施形態の三次元座標系では、Y軸方向が車両の鉛直方向に沿って規定されていると共に、X軸方向及びZ軸方向がそれぞれ車両の相異なる水平方向に沿って規定されている。これにより水平面上の車両では、三次元座標系のXY平面及びYZ平面が水平面に垂直な鉛直面に沿うと共に、XZ平面が水平面に沿うこととなる。尚、図1においてY軸方向に沿う一点鎖線よりも左側部分(後述のカバーパネル12側)は、実際には当該一点鎖線よりも右側部分(後述のユニット21,41側)に対して垂直な断面を図示している。
【0022】
光学センサ10は、センサベース11、投光ユニット21、走査ユニット31、受光ユニット41、及び制御ユニット51を備えている。遮光性のセンサベース11は、例えば金属又は樹脂等により箱状に形成されている。センサベース11は、投光ユニット21、走査ユニット31、及び受光ユニット41を内部に収容する、ハウジング又はケーシングである。センサベース11は、カバーパネル12により閉塞された開口部を、有している。透光性のカバーパネル12は、例えば樹脂又はガラス等により、板状に形成されている。
【0023】
投光ユニット21は、投光光源モジュール22、及び投光レンズモジュール26を含んで構成されている(後述の図4,5も参照)。図2に示すように投光光源モジュール22は、複数のレーザダイオード24が基板上においてアレイ状に実装されることで、構築されている。特に本実施形態の各レーザダイオード24は、Y軸方向に沿って単列に配列されている。各レーザダイオード24は、制御ユニット51からの制御信号に従うことで、それぞれ投光ビームPBの一部となるレーザ光を、パルス状に生成する。各レーザダイオード24は、エッジエミッタレーザであってもよいし、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)であってもよい。
【0024】
投光光源モジュール22は、Y軸方向に沿って長手且つX軸方向に沿って短手の長方形輪郭をもって擬似的に規定される投光窓25を、基板の片面側に形成している。投光窓25は、各レーザダイオード24におけるレーザ発振開口の集合体として、構成されている。各レーザダイオード24のレーザ発振開口から投射されるレーザ光は、図1に示す検出領域DAにおいては鉛直方向に沿って長手のライン状に整形される投光ビームPBとして、投光窓25から投射される。
【0025】
投光レンズモジュール26は、少なくとも一つの投光レンズ260が鏡筒261によって保持される構造に、構築されている。透光性の投光レンズ260は、例えば樹脂又はガラス等の基材を主体として、発揮する光学作用に応じたレンズ形状に形成されている。投光レンズ260は、例えば集光、コリメート、及び整形等のうち少なくとも一種類の光学作用を、投光光源モジュール22からの投光ビームPBに対して発揮する。投光レンズ260は、例えば金属又は樹脂等により形成された遮光性の鏡筒261(後述の図4,5も参照)内に、位置決めされている。
【0026】
こうした構成の投光レンズモジュール26は、投光光軸POAを形成するように、投光光源モジュール22と位置合わせされている。そこで、投光光源モジュール22から投射された投光ビームPBは、投光レンズモジュール26からの光学作用により投光光軸POAに沿って車両の外界側へと導光される。
【0027】
走査ユニット31は、走査ミラー32、及び走査モータ35を含んで構成されている。走査ミラー32は、基材の片面である反射面33に反射膜が蒸着された板状に、形成されている。走査ミラー32は、Y軸方向に沿う回転中心線まわりに回転駆動可能に、センサベース11によって支持されている。走査ミラー32は、機械的又は電気的なストッパにより有限となる駆動範囲内において、揺動運動する。走査モータ35は、例えばボイスコイルモータ、ブラシ付きDCモータ、又はステッピングモータ等である。走査モータ35の出力軸は、走査ミラー32に対して直接的に、又は例えば減速機等の駆動機構を介して間接的に、結合されている。走査モータ35は、出力軸と共に走査ミラー32を回転駆動可能に、センサベース11によって保持されている。走査モータ35は、制御ユニット51からの制御信号に従うことで、走査ミラー32を有限の駆動範囲内にて回転駆動(即ち、揺動駆動)する。
【0028】
走査ミラー32は、投光ユニット21から入射する投光ビームPBを、反射面33により反射してカバーパネル12を通して検出領域DAへと照射することで、当該領域DAを走査モータ35の回転角度に応じて走査する。このとき検出領域DAに対しての投光ビームPBによる走査は、走査ミラー32の回転駆動に従って、本実施形態では水平方向での走査に実質制限される。
【0029】
走査ミラー32は、検出領域DAの物標からカバーパネル12を通して入射してくる反射ビームRBを、反射面33により走査モータ35の回転角度に応じて受光ユニット41側へと反射する。このとき走査ミラー32の回転運動速度に対しては、投光ビームPB及び反射ビームRBの速度が十分に大きい。これにより反射ビームRBは、投光ビームPBに対する角度が実質同一回転角度と擬制可能な走査ミラー32から反射作用を受けることで、投光ビームPBとは逆行するように受光ユニット41側へと導光される。
【0030】
受光ユニット41は、受光レンズモジュール42、及び受光検出モジュール45を含んで構成されている(後述の図4,10も参照)。受光レンズモジュール42は、少なくとも一つの受光レンズ420が鏡筒421によって保持される構造に、構築されている。透光性の受光レンズ420は、例えば樹脂又はガラス等の基材を主体として、発揮する光学作用に応じたレンズ形状に形成されている。受光レンズ420は、走査ミラー32からの反射ビームRBを受光検出モジュール45へ結像させるように、光学作用を発揮する。受光レンズ420は、例えば金属又は樹脂等により形成された遮光性の鏡筒421(後述の図4,10も参照)内に、位置決めされている。
【0031】
こうした構成の受光レンズモジュール42は、受光光軸ROAを形成するように、受光検出モジュール45と位置合わせされている。ここで受光レンズモジュール42の受光光軸ROAは、投光レンズモジュール26の投光光軸POAに対してY軸方向にずらされている。これにより、走査ミラー32の反射面33からY軸方向にずれて反射されてくる反射ビームRBは、受光レンズモジュール42からの光学作用により受光光軸ROAに沿って導光されることで、受光検出モジュール45に結像される。
【0032】
図3に示すように受光検出モジュール45は、複数の受光画素46が基板上においてアレイ状に実装されることで、構築されている。各受光画素46は、少なくともY軸方向に沿って配列されている。受光検出モジュール45は、Y軸方向に沿って長手且つX軸方向に沿って短手の長方形輪郭を呈する受光面45aを、基板の片面側に形成している。受光面45aは、各受光画素46における入射面の集合体として、構成されている。ここで各受光画素46はさらに、それぞれ複数ずつの受光素子460としての、例えばシングルフォトンアバランシェダイオード(Single Photon Avalanche Diode)等から形成されている。こうした各受光画素46は、図1に示すように受光レンズモジュール42から受光面45aへと入射した反射ビームRBを、Y軸方向に沿って長手且つX軸方向に沿って短手のライン状ビームとして、受光する。
【0033】
受光検出モジュール45は、出力回路47を有している。出力回路47は、投光光源モジュール22による投光ビームPBの投光周期に同期した、走査ミラー32の回転角度に対応付けられる走査ライン別の検出フレームにおいて、制御ユニット51からの制御信号に従う制御周期毎にサンプリング処理を実行する。このとき出力回路47は、制御周期毎に各受光画素46の受光素子460からの応答出力を合成することで、検出信号を生成する。こうして生成された検出信号は、出力回路47から走査ライン別に制御ユニット51へと出力される。
【0034】
制御ユニット51は、外界の検出領域DAに対する物標検出を、制御する。制御ユニット51は、プロセッサ及びメモリを含むコンピュータの、少なくとも一つを主体として構築されている。制御ユニット51は、投光光源モジュール22、走査モータ35、及び受光検出モジュール45と接続されている。制御ユニット51は、投光周期毎に投光ビームPBを生成するように、投光光源モジュール22を制御する。それと共に制御ユニット51は、投光光源モジュール22による投光周期に同期した走査ミラー32による走査及び反射を制御するように、走査モータ35を制御する。さらに制御ユニット51は、投光光源モジュール22による投光周期、並びに走査ミラー32による走査及び反射に合わせて受光検出モジュール45から出力される検出信号を処理することで、検出領域DAにおける物標の検出データを生成する。
【0035】
次に、投光ユニット21の詳細構成を説明する。
【0036】
図4~6に示すように、投光ユニット21において投光光源モジュール22と投光レンズモジュール26とは、投光ビームPBを導光する投光光軸POAに沿う投光方向PDとしてのZ軸方向に、対向して配置されている。投光光源モジュール22において複数レーザダイオード24(図2参照)の実装された基板220を保持する投光ホルダ221は、投光レンズモジュール26とは投光方向PDに対向する端面により、投光接着面222を形成している。投光レンズモジュール26において鏡筒261は、投光光源モジュール22とは投光方向PDに対向する端面により、投光接着面262を形成している。
【0037】
投光光源モジュール22の投光接着面222と投光レンズモジュール26の投光接着面262との間には、投光光軸POAまわりの全周に連続して、投光接着材28が介装されている。投光接着材28は、紫外線照射と加熱との各々により硬化可能な、例えばエポキシ樹脂等の紫外線熱併用型接着材である。投光光源モジュール22及び投光レンズモジュール26の各投光接着面222,262は、こうした投光接着材28の配置される二種類の隙間として、図6の如き投光メイン隙間280及び投光サブ隙間281の組を相互間に形成している。
【0038】
投光メイン隙間280は、各投光接着面222,262間において投光光軸POAまわりの全周に連続延伸する環状に、画成されている。各投光接着面222,262において投光メイン隙間280を画成する部分は、それぞれ理想的な設計上は投光光軸POAと一致する各モジュール22,26の幾何中心軸(以下、単にモジュール22,26の幾何中心軸という)に対して、実質直交する平坦面部222a,262aをそれぞれ形成している。
【0039】
投光サブ隙間281は、各投光接着面222,262間の投光光軸POAまわりにおいて投光メイン隙間280よりも外周側を全周に亘って連続延伸する環状に、画成されている。投光サブ隙間281は、投光光軸POAまわりにおいて内周側となる投光メイン隙間280よりも、投光方向PDに拡幅されている。投光サブ隙間281は、投光光軸POAまわりにおいて投光メイン隙間280とは反対側となる最外周側に全周に亘って開口することで、開放されている。
【0040】
各投光接着面222,262において投光サブ隙間281を画成する部分は、それぞれ各モジュール22,26の幾何中心軸に対して、鋭角に傾斜する傾斜面部222b,262bをそれぞれ形成している。これにより、投光サブ隙間281を画成する傾斜面部222b,262bは、投光メイン隙間280を画成する平坦面部222a,262aのうち、それぞれ投光光軸POAまわりの内周側に接続される平坦面部222a又は262aに対しても、鋭角に傾斜しているといえる。
【0041】
ここで第一実施形態では、双方の投光接着面222,262における傾斜面部222b,262bが、投光光軸POAまわりの外周側へ向かうほど、それぞれ対向する投光接着面262又は222から漸次離間して投光サブ隙間281を形成するテーパ形状に、傾斜している。特に傾斜面部222b,262bの双方は、投光方向PDとその直交方向PODとがなす角の二等分線PLに沿って傾斜するように、それぞれ略45度のテーパ角度Pθを与えられるとよい。このような構成から、投光サブ隙間281の投光方向PDにおける幅は、投光光軸POAまわりの外周側へ向かうほど、投光メイン隙間280との共通幅から漸次拡大するように、設定されている。
【0042】
以上により投光メイン隙間280は、投光方向PDでは両投光接着面222,262の平坦面部222a,262aに跨る投光接着材28により、埋められている。それと共に投光サブ隙間281は、投光光軸POAまわりでは内周側の投光メイン隙間280から外周側に連続し且つ投光方向PDでは両投光接着面222,262の傾斜面部222b,262bに跨る投光接着材28により、埋められている。
【0043】
次に、光学センサ10の製造方法のうち、投光ユニット21を製造する方法を、図7に示す製造フローに従って説明する。尚、図9の製造フローにおいて「S」は、投光ユニット21を製造するための「製造工程」を、意味している。
【0044】
S101の配置工程はまず、各モジュール22,26において投光接着面222,262を構成する平坦面部222a,262aのうち少なくとも重力方向下側にセットされる一方に対して、例えばゲル状等の未硬化状態にある投光接着材28を塗布する。S101の配置工程は次に、製造装置の位置調整治具を用いた例えば六軸調整等により、各モジュール22,26毎での個別光軸同士を互いに位置調整して投光光軸POAを確定させてから、それらモジュール22,26の相対姿勢をセットする。
【0045】
これらの塗布処理及び姿勢セット処理によりS101の配置工程では、図8に示すように各モジュール22,26間にて未硬化の投光接着材28が、投光メイン隙間280に充填配置されると共に、投光サブ隙間281にも投光メイン隙間280から押し出されて充填配置される。そこで投光接着材28の塗布量は、双方の隙間280,281に跨って投光接着材28を充填配置可能な量に、管理されるとよい。また特に投光接着面222,262のうち、重力方向上側にセットされる一方からは、重力方向下側にセットされる他方の傾斜面部222b又は262bが、投光光軸POAまわりの外周側ほど漸次離間する姿勢の下、それら重力方向上下の接着面222,262間に投光接着材28が挟まれることになる。
【0046】
図7に示す製造フローにおいてS101に続くS102の仮硬化工程は、相対姿勢のセットされた各モジュール22,26間の投光サブ隙間281に対して、投光光軸POAまわりの外周側から紫外線を照射する。このとき紫外線は、例えば300~450nm等の波長をもって図9に示すように照射されることで、投光サブ隙間281を埋める投光接着材28に吸収される結果、当該接着材28が光重合反応の進行によって仮硬化する。そのために紫外線照射は、投光光軸POAまわりの全域を囲む紫外線照射装置により、当該全域において同時的に実行されてもよい。あるいは紫外線照射は、投光光軸POAまわりの全域に亘って紫外線照射装置を駆動することで、当該駆動先箇所に毎に順次実行されてもよい。
【0047】
S102の仮硬化工程において投光接着材28のうち仮硬化させる部分は、投光サブ隙間281における投光接着材28のうち、投光光軸POAまわりの少なくとも最外周部となるように、上記波長以外の照射条件が制御されるとよい。また、S102の仮硬化工程において投光サブ隙間281における投光接着材28の全体を仮硬化させる場合、さらに投光メイン隙間280を埋める投光接着材28のうち一部となる、投光光軸POAまわりの外周部も仮硬化させるように、上記波長以外の照射条件が制御されてもよい。このようにしてS102の仮硬化工程では、各モジュール22,26間における投光接着材28の一部が仮硬化状態となる。
【0048】
図7に示す製造フローにおいてS102に続くS103の熱硬化工程は、相対姿勢のセットされた各モジュール22,26間の仮硬化後における投光接着材28のうち、未硬化状態にある残部を加熱により熱硬化させる。このときの加熱は、相対姿勢のセットされた仮硬化後の投光接着材28を挟むモジュール22,26が加熱チャンバに投入されて、加熱条件が制御されることで、当該接着材28のうち少なくとも投光メイン隙間280に残る未硬化部分が、熱重合反応の進行によって完全に硬化する。以上により、投光ユニット21の製造が完了する。
【0049】
次に、受光ユニット41の詳細構成を説明する。
【0050】
図4,10,11に示すように、受光ユニット41において受光検出モジュール45と受光レンズモジュール42とは、反射ビームRBを導光する受光光軸ROAに沿う受光方向RDとしてのZ軸方向に、対向して配置されている。受光検出モジュール45において複数受光画素46(図3参照)の配列された基板450を保持する受光ホルダ451は、受光レンズモジュール42とは受光方向RDに対向する端面により、受光接着面452を形成している。受光レンズモジュール42において鏡筒421は、受光検出モジュール45とは受光方向RDに対向する端面により、受光接着面422を形成している。
【0051】
受光検出モジュール45の受光接着面452と受光レンズモジュール42の受光接着面422との間には、受光光軸ROAまわりの全周に連続して、受光接着材48が介装されている。受光接着材48は、投光接着材28と実質同一の紫外線熱併用型接着材である。受光検出モジュール45及び受光レンズモジュール42の各受光接着面452,422は、こうした受光接着材48の配置される二種類の隙間として、図11の如き受光メイン隙間480と受光サブ隙間481との組を相互間に形成している。
【0052】
受光メイン隙間480は、各受光接着面452,422間において受光光軸ROAまわりの全周に連続延伸する環状に、画成されている。各受光接着面452,422において受光メイン隙間480を画成する部分は、それぞれ理想的な設計上は受光光軸ROAと一致する各モジュール45,42の幾何中心軸(以下、単にモジュール45,42の幾何中心軸という)に対して、実質直交する平坦面部452a,422aをそれぞれ形成している。
【0053】
受光サブ隙間481は、各受光接着面452,422間の受光光軸ROAまわりにおいて受光メイン隙間480よりも外周側を全周に亘って連続延伸する環状に、画成されている。受光サブ隙間481は、受光光軸ROAまわりにおいて内周側となる受光メイン隙間480よりも、受光方向RDに拡幅されている。受光サブ隙間481は、受光光軸ROAまわりにおいて受光メイン隙間480とは反対側となる最外周側に全周に亘って開口することで、開放されている。
【0054】
各受光接着面452,422において受光サブ隙間481を画成する部分は、それぞれ各モジュール45,42の幾何中心軸に対して、鋭角に傾斜する傾斜面部452b,422bをそれぞれ形成している。これにより、受光サブ隙間481を画成する傾斜面部452b,422bは、受光メイン隙間480を画成する平坦面部452a,422aのうち、それぞれ受光光軸ROAまわりの内周側に接続される平坦面部452a又は422aに対しても、鋭角に傾斜しているといえる。
【0055】
ここで第一実施形態では、双方の受光接着面452,422における傾斜面部452b,422bが、受光光軸ROAまわりの外周側へ向かうほど、それぞれ対向する受光接着面422又は452から漸次離間して受光サブ隙間481を形成するテーパ形状に、傾斜している。特に傾斜面部452b,422bの双方は、受光方向RDとその直交方向RODとがなす角の二等分線RLに沿って傾斜するように、それぞれ略45度のテーパ角度Rθを与えられるとよい。このような構成から、受光サブ隙間481の受光方向RDにおける幅は、受光光軸ROAまわりの外周側へ向かうほど、受光メイン隙間480との共通幅から漸次拡大するように、設定されている。
【0056】
以上により受光メイン隙間480は、受光方向RDでは両受光接着面452,422の平坦面部452a,422aに跨る受光接着材48により、埋められている。それと共に受光サブ隙間481は、受光光軸ROAまわりでは内周側の受光メイン隙間480から外周側に連続し且つ受光方向RDでは両受光接着面452,422の傾斜面部452b,422bに跨る受光接着材48により、埋められている。
【0057】
次に、光学センサ10の製造方法のうち、受光ユニット41を製造する方法を、図12に示す製造フローに従って説明する。尚、図12の製造フローにおいて「S」は、受光ユニット41を製造するための「製造工程」を、意味している。
【0058】
S201の配置工程はまず、各モジュール45,42において受光接着面452,422を構成する平坦面部452a,422aのうち少なくとも重力方向下側にセットされる一方に対して、S101に準じて受光接着材48を塗布する。S201の配置工程は次に、S101に準じて各モジュール45,42毎での個別光軸同士を互いに位置調整して受光光軸ROAを確定させてから、それらモジュール45,42の相対姿勢をセットする。
【0059】
これらの塗布処理及び姿勢セット処理によりS201の配置工程では、各モジュール45,42間にて未硬化の受光接着材48が、受光メイン隙間480に充填配置されると共に、受光サブ隙間481にも受光メイン隙間480から押し出されて充填配置される。そこで受光接着材48の塗布量は、双方の隙間480,481に跨って受光接着材48を充填配置可能な量に、管理されるとよい。また特に受光接着面452,422のうち、重力方向上側にセットされる一方からは、重力方向下側にセットされる他方の傾斜面部452b又は422bが、受光光軸ROAまわりの外周側ほど漸次離間する姿勢の下、それら重力方向上下の接着面452,422間に受光接着材48が挟まれることになる。
【0060】
S201に続くS202の仮硬化工程は、相対姿勢のセットされた各モジュール45,42間の受光サブ隙間481に対して、受光光軸ROAまわりの外周側から紫外線を照射する。このとき紫外線は、S102に準じた照射条件により、受光サブ隙間481を埋める受光接着材48に吸収される結果、当該接着材48が光重合反応の進行によって仮硬化する。このようなS202の仮硬化工程では、各モジュール45,42間における受光接着材48の一部が仮硬化状態となる。
【0061】
S202に続くS203の熱硬化工程は、相対姿勢のセットされた各モジュール45,42間の仮硬化後における受光接着材48のうち、未硬化状態にある残部を加熱により熱硬化させる。このときの加熱は、S103に準じて制御されることで、受光接着材48のうち少なくとも受光メイン隙間480に残る未硬化部分が、熱重合反応の進行によって完全に硬化する。以上により、受光ユニット41の製造が完了する。
【0062】
(作用効果)
以上説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
【0063】
第一実施形態によると、投光光軸POAに沿った投光方向PDに対向する投光光源モジュール22及び投光レンズモジュール26の各投光接着面222,262間には、紫外線熱併用硬化型の投光接着材28が介装される。そこで各投光接着面222,262は、投光接着材28により埋められる投光メイン隙間280と、投光メイン隙間280よりも投光方向PDに拡幅されて投光光軸POAまわりの外周側に開放される隙間281として、投光メイン隙間280から連続する投光接着材28がそれら両面222,262に跨る投光サブ隙間281とを、相互間に形成する。
【0064】
これにより硬化前の投光接着材28は、モジュール22,26同士の相対姿勢に応じて投光メイン隙間280から逃されることになっても、投光メイン隙間280よりも拡幅された投光サブ隙間281では、各モジュール22,26の投光接着面222,262に跨る配置状態にて、外周側への開放部分から露出し得る。故に、こうした配置状態で外周側から紫外線が照射されることで、投光サブ隙間281では投光接着材28の一部が仮硬化され得ることから、当該仮硬化後には投光光軸POAの位置ずれを抑制しつつ、投光メイン隙間280にて投光接着材28の残部を熱硬化させることができる。故に、モジュール22,26同士の光軸調整精度且つ固定強度を確保することが、可能である。
【0065】
ここで第一実施形態によると、双方の投光接着面222,262において投光傾斜面部222b,262bが、投光光軸POAまわりの外周側へ向かうほど、対向する投光接着面262又は222から漸次離間して投光サブ隙間281を形成する形状に、傾斜する。これにより、各投光接着面222,262間に跨ることで投光サブ隙間281を埋める状態に硬化した投光接着材28では、特に各投光接着面222,262との界面に生じる応力集中を抑制することができる。しかも、投光方向PDとその直交方向PODとが挟む角の二等分線PLに沿って傾斜する投光傾斜面部222b,262bによれば、硬化した投光接着材28における応力集中の抑制硬化が高められ得る。さらに製造時には、投光接着面262,222のうち重力方向上側にセットされる一方に対して、投光光軸POAまわりの外周側ほど漸次離間する投光傾斜面部222b又は262bが重力方向下側にセットされる投光接着面222又は262は、当該一方との間に挟む投光接着材28との硬化以降における隔離を抑制され得る。こうしたことから第一実施形態では、高い固定強度を維持することが、可能となる。
【0066】
第一実施形態によると、受光光軸ROAに沿った受光方向RDに対向する受光検出モジュール45及び受光レンズモジュール42の各受光接着面452,422間には、紫外線熱併用硬化型の受光接着材48が介装される。そこで各受光接着面452,422は、受光接着材48により埋められる受光メイン隙間480と、受光メイン隙間480よりも受光方向RDに拡幅されて受光光軸ROAまわりの外周側に開放される隙間481として、受光メイン隙間480から連続する受光接着材48がそれら両面452,422に跨る受光サブ隙間481とを、相互間に形成する。
【0067】
これにより硬化前の受光接着材48は、モジュール45,42同士の相対姿勢に応じて受光メイン隙間480から逃されることになっても、受光メイン隙間480よりも拡幅された受光サブ隙間481では、各モジュール45,42の受光接着面452,422に跨る配置状態にて、外周側への開放部分から露出し得る。故に、こうした配置状態で外周側から紫外線が照射されることで、受光サブ隙間481では受光接着材48の一部が仮硬化され得ることから、当該仮硬化後には受光光軸ROAの位置ずれを抑制しつつ、受光メイン隙間480にて受光接着材48の残部を熱硬化させることができる。故に、モジュール45,42同士の光軸調整精度且つ固定強度を確保することが、可能である。
【0068】
ここで第一実施形態によると、双方の受光接着面452,422において受光傾斜面部452b,422bが、受光光軸ROAまわりの外周側へ向かうほど、対向する受光接着面422又は452から漸次離間して受光サブ隙間481を形成する形状に、傾斜する。これにより、各受光接着面452,422間に跨ることで受光サブ隙間481を埋める状態に硬化した受光接着材48では、特に各接着面452,422との界面に生じる応力集中を抑制することができる。しかも、受光方向RDとその直交方向RODとのなす角の二等分線RLに沿って傾斜する受光傾斜面部452b,422bによれば、硬化した受光接着材48における応力集中の抑制硬化が高められ得る。さらに製造時には、受光接着面422,452のうち重力方向上側にセットされる一方に対して、受光光軸ROAまわりの外周側ほど漸次離間する受光傾斜面部452b又は422bが重力方向下側にセットされる受光接着面452又は422は、当該一方との間に挟む受光接着材48との硬化以降における隔離を抑制され得る。こうしたことから高い固定強度を維持することが、可能となる。
【0069】
(第二実施形態)
第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0070】
図13に示すように第二実施形態の投光レンズモジュール2026では、投光接着面2262において投光サブ隙間281を画成する部分が、幾何中心軸に対して実質直交する平坦面部2262bを、平坦面部262aと同一平面上に形成している。この平坦面部2262bと傾斜面部222bとの間に、投光メイン隙間280よりも投光方向PDに拡幅する投光サブ隙間281が形成される。そこでS101の配置工程では、重力方向上側にセットされる一方の投光接着面2262からは、重力方向下側にセットされる他方の投光接着面222における傾斜面部222bが、投光光軸POAまわりの外周側ほど漸次離間する姿勢下、それら接着面2262,222間に投光接着材28が挟まれる。
【0071】
図14に示すように第二実施形態の受光レンズモジュール2042では、受光接着面2422において受光サブ隙間481を画成する部分が、幾何中心軸に対して実質直交する平坦面部2422bを、平坦面部422aと同一平面上に形成している。この平坦面部2422bと傾斜面部452bとの間に、受光メイン隙間480よりも受光方向RDに拡幅する受光サブ隙間481が形成される。そこでS201の配置工程では、重力方向上側にセットされる一方の受光接着面2422からは、重力方向下側にセットされる他方の受光接着面452における傾斜面部452bが、受光光軸ROAまわりの外周側ほど漸次離間する姿勢下、それら接着面2422,452間に受光接着材48が挟まれる。
【0072】
(第三実施形態)
第三実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0073】
図15に示すように第三実施形態の投光光源モジュール3022では、投光接着面3222において投光サブ隙間281を画成する部分が、幾何中心軸に対して実質直交する平坦面部3222bを、平坦面部222aと同一平面上に形成している。この平坦面部3222bと傾斜面部262bとの間に、投光メイン隙間280よりも投光方向PDに拡幅のする投光サブ隙間281が形成される。そこでS101の配置工程では、図15とは逆向きとなる重力方向上側にセットされる一方の投光接着面3222からは、重力方向下側にセットされる他方の投光接着面262における傾斜面部262bが、投光光軸POAまわりの外周側ほど漸次離間する姿勢下、それら接着面3222,262間に投光接着材28が挟まれる。
【0074】
図16に示すように第三実施形態の受光検出モジュール3045では、受光接着面3452において受光サブ隙間481を画成する部分が、幾何中心軸に対して実質直交する平坦面部3452bを、平坦面部452aと同一平面上に形成している。この平坦面部3452bと傾斜面部422bとの間に、受光メイン隙間480よりも受光方向RDに拡幅する受光サブ隙間481が形成される。そこでS201の配置工程では、図16とは逆向きに重力方向上側にセットされる一方の受光接着面3452からは、重力方向下側にセットされる他方の受光接着面422における傾斜面部422bが、受光光軸ROAまわりの外周側ほど漸次離間する姿勢下、それら接着面3452,422間に受光接着材48が挟まれる。
【0075】
(第四実施形態)
第四実施形態は、第一実施形態の変形例である。
【0076】
図17に示すように第四実施形態の投光光源モジュール4022では、投光接着面4222において投光サブ隙間281を画成する部分が、幾何中心軸に対して実質直交する平坦面部4222bを、平坦面部222aからのクランク状の凹み構造により形成している。それと共に第四実施形態の投光レンズモジュール4026では、投光接着面4262において投光サブ隙間281を画成する部分が、幾何中心軸に対して実質直交する平坦面部4262bを、平坦面部262aからのクランク状の凹み構造により形成している。これらの平坦面部4222b,4262b間に、投光メイン隙間280よりも投光方向PDに拡幅する投光サブ隙間281が形成される。そこでS101の配置工程では、重力方向上下に対向してセットされる投光接着面4222,4262間に、投光接着材28が配置されることとなる。
【0077】
図18に示すように第四実施形態の受光検出モジュール4045では、受光接着面4452において受光サブ隙間481を画成する部分が、幾何中心軸に対して実質直交する平坦面部4452bを、平坦面部452aからのクランク状の凹み構造により形成している。それと共に第四実施形態の受光レンズモジュール4042では、受光接着面4422において受光サブ隙間481を画成する部分が、幾何中心軸に対して実質直交する平坦面部4422bを、平坦面部422aからのクランク状の凹み構造により形成している。これらの平坦面部4452b,4422b間に、受光メイン隙間480よりも受光方向RDに拡幅する受光サブ隙間481が形成される。そこでS201の配置工程では、重力方向上下に対向してセットされる受光接着面4452,4422間に、受光接着材48が配置されることとなる。
【0078】
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0079】
第一~第四実施形態の変形例では、図19に示す(同図は第一実施形態の変形例を代表的に示す)ように、投光光軸POAまわりにおいて投光メイン隙間280の外周側だけでなく、内周側にも投光サブ隙間281が形成されて投光接着材28が逃がされてもよい。第一~第四実施形態の変形例では、図20に示す(同図は第一実施形態の変形例を代表的に示す)ように、受光光軸ROAまわりにおいて受光メイン隙間480の外周側だけでなく内周側にも、受光サブ隙間481が形成されて受光接着材48が逃がされてもよい
【0080】
第一実施形態の変形例では、図21に示すように、投光光軸POAまわりの径方向において傾斜面部222b,262bの一方よりも内周側位置にまで広がる他方の傾斜面部262b又は222bと、当該一方に接続の平坦面部222a又は262aとの間に、投光サブ隙間281が拡張されていてもよい。第一実施形態の変形例では、図22に示すように、受光光軸ROAまわりの径方向において傾斜面部452b,422bの一方よりも内周側位置にまで広がる他方の傾斜面部422b又は452bと、当該一方に接続の平坦面部452a又は4222aとの間に、受光サブ隙間481が拡張されていてもよい。
【0081】
第一~第四実施形態の変形例では、テーパ角Pθ,Rθが略45度以外の鋭角に設定されてもよい。第一及び第二実施形態の変形例では、傾斜面部222b,452bに代えて、第四実施形態のクランク状に凹んだ4222b,4452bが、採用されてもよい。第一及び第三実施形態の変形例では、傾斜面部262b,422bに代えて、第四実施形態のクランク状に凹んだ4262b,4422bが、採用されてもよい。
【0082】
第一~第四実施形態の変形例では、水平方向に沿うY軸方向と、鉛直方向に沿うX軸方向とが、規定されてもよい。第一~第四実施形態の変形例において光学センサ10の適用対象となる移動体は、例えば走行をリモート制御可能な走行ロボット等であってもよい。第一~第四実施形態の変形例において光学センサ10の適用対象は、移動体以外、例えば静止構造物等であってもよい。
【0083】
(付言)
本明細書には、以下に列挙する複数の技術的思想と、それらの複数の組み合わせが開示されている。
【0084】
(技術的思想1)
投光ビーム(PB)を外界へ向けて投光し、前記投光ビームに対して前記外界から反射された反射ビーム(RB)を受光することにより、前記外界を検出する光学センサ(10)であって、
前記投光ビームを発生させる投光光源モジュール(22,3022,4022)と、
前記投光光源モジュールからの前記投光ビームを投光光軸(POA)に沿って前記外界側へ導光する投光レンズモジュール(26,2026,4026)と、
前記投光光軸に沿った投光方向(PD)に対向する前記投光光源モジュール及び前記投光レンズモジュールの各投光接着面(222,262,2262,3222,4222,4262)間に、介装される紫外線熱併用硬化型の投光接着材(28)とを、備え、
各前記投光接着面は、前記投光接着材により埋められる投光メイン隙間(280)と、前記投光メイン隙間よりも前記投光方向に拡幅されて前記投光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、前記投光メイン隙間から連続する前記投光接着材がそれら両面に跨る投光サブ隙間(281)とを、相互間に形成する光学センサ。
【0085】
(技術的思想2)
少なくとも一方の前記投光接着面は、前記投光光軸まわりの外周側へ向かうほど、対向する前記投光接着面から漸次離間して前記投光サブ隙間を形成する形状に、傾斜する投光傾斜面部(222b,262b)を有する技術的思想1に記載の光学センサ。
【0086】
(技術的思想3)
前記投光傾斜面部は、前記投光方向とその直交方向(POD)との挟む角の二等分線(PL)に沿って、傾斜する技術的思想2に記載の光学センサ。
【0087】
(技術的思想4)
前記反射ビームを受光することにより、前記外界を検出する受光検出モジュール(45,3045,4045)と、
前記外界側からの前記反射ビームを受光光軸(ROA)に沿って前記受光検出モジュール側へ導光する受光レンズモジュール(42,2042,4042)と、
前記受光光軸に沿った受光方向(RD)に対向する前記受光検出モジュール及び前記受光レンズモジュールの各受光接着面(422,452,2422,3452,4422,4452)間に、介装される紫外線熱併用硬化型の受光接着材(48)とを、備え、
各前記受光接着面は、前記受光接着材により埋められる受光メイン隙間(480)と、前記受光メイン隙間よりも前記受光方向に拡幅されて前記受光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、前記受光メイン隙間から連続する前記受光接着材がそれら両面に跨る受光サブ隙間(481)とを、相互間に形成する技術的思想1~3のいずれか一項に記載の光学センサ。
【0088】
(技術的思想5)
投光ビーム(PB)を外界へ向けて投光し、前記投光ビームに対して前記外界から反射された反射ビーム(RB)を受光することにより、前記外界をセンシングする光学センサ(10)であって、
前記反射ビームを受光することにより、前記外界を検出する受光検出モジュール(45,3045,4045)と、
前記外界側からの前記反射ビームを受光光軸(ROA)に沿って前記受光検出モジュール側へ導光する受光レンズモジュール(42,2042,4042)と、
前記受光光軸に沿った受光方向(RD)に対向する前記受光検出モジュール及び前記受光レンズモジュールの各受光接着面(422,452,2422,3452,4422,4452)間に、介装される紫外線熱併用硬化型の受光接着材(48)とを、備え、
各前記受光接着面は、前記受光接着材により埋められる受光メイン隙間(480)と、前記受光メイン隙間よりも前記受光方向に拡幅されて前記受光光軸まわりの外周側に開放される隙間として、前記受光メイン隙間から連続する前記受光接着材がそれら両面に跨る受光サブ隙間(481)とを、相互間に形成する光学センサ。
【0089】
(技術的思想6)
少なくとも一方の前記受光接着面は、前記受光光軸まわりの外周側へ向かうほど、対向する前記受光接着面から漸次離間して前記受光サブ隙間を形成する形状に、傾斜する受光傾斜面部(422b,452b)を有する技術的思想4又は5に記載の光学センサ。
【0090】
(技術的思想7)
前記受光傾斜面部は、前記受光方向とその直交方向(ROD)とがなす角の二等分線(RL)に沿って、傾斜する技術的思想6に記載の光学センサ。
【0091】
(技術的思想8)
技術的思想1~3のいずれか一項に記載の光学センサを製造する製造方法であって、
前記投光メイン隙間及び前記投光サブ隙間に前記投光接着材を配置することと、
前記投光サブ隙間に対して前記投光光軸まわりの外周側から紫外線を照射することにより、前記投光接着材の一部を仮硬化させることと、
当該仮硬化後における前記投光接着材の残部を熱硬化させることとを、含む製造方法。
【0092】
(技術的思想9)
前記投光接着材を配置することは、
重力方向上側にセットされる前記投光接着面に対して、前記投光光軸まわりの外周側ほど漸次離間する投光傾斜面部(222b,262b)が、重力方向下側にセットされる前記投光接着面と、当該重力方向上側の前記投光接着面との間に前記投光接着材を挟むことを、含む技術的思想8に記載の製造方法。
【0093】
(技術的思想10)
技術的思想4~7のいずれか一項に記載の光学センサを製造する製造方法であって、
前記受光メイン隙間及び前記受光サブ隙間に前記投光接着材を配置することと、
前記受光サブ隙間に対して前記受光光軸まわりの外周側から紫外線を照射することにより、前記受光接着材の一部を仮硬化させることと、
当該仮硬化後における前記受光接着材の残部を熱硬化させることとを、含む製造方法。
【0094】
(技術的思想11)
前記受光接着材を配置することは、
重力方向上側にセットされる前記受光接着面に対して、前記受光光軸まわりの外周側ほど漸次離間する受光傾斜面部(422b,452b)が、重力方向下側にセットされる前記受光接着面と、当該重力方向上側の前記受光接着面との間に前記受光接着材を挟むことを、含む技術的思想10に記載の製造方法。
【符号の説明】
【0095】
10:光学センサ、22,3022,4022:投光光源モジュール、26,2026,4026:投光レンズモジュール、28:投光接着材、42,2042,4042:受光レンズモジュール、45,3045,4045:受光検出モジュール、48:受光接着材、222,262,2262,3222,4222,4262:投光接着面、222b,262b:投光傾斜面部、280:投光メイン隙間、281:投光サブ隙間、422,452,2422,3452,4422,4452:受光接着面、422b,452b:受光傾斜面部、480:受光メイン隙間、481:受光サブ隙間、PB:投光ビーム、PD:投光方向、PL:二等分線、POA:投光光軸、POD:直交方向、RB:反射ビーム、RD:受光方向、RL:二等分線、ROA:受光光軸、ROD:直交方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22