(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099408
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】プログラム、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240718BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20240718BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003332
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】517201127
【氏名又は名称】playground株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭史
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA03
5L049AA03
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】イベント内での追加体験においてユーザの利便性を向上するプログラム、方法、およびシステムを提供する。
【解決手段】プロセッサを備えて電子チケットを管理するシステムの処理に用いられるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザからの所定の要求に応答して、当該ユーザを識別可能な主体情報を取得するステップと、主体情報に紐づけられたユーザが保有するチケットの権限を特定可能な権限情報を特定するステップと、特定した権限情報が、所定の要求に対して予め登録された承認対象情報と一致するかどうかにより、ユーザからの所定の要求についての承認の可否を判定するステップと、を実行させる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、チケットを管理するシステムの処理に用いられるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザからの所定の要求に応答して、当該ユーザを識別可能な主体情報を取得するステップと、
前記主体情報に紐づけられた前記ユーザが保有するチケットの権限を特定可能な権限情報を特定するステップと、
特定した前記権限情報が、前記所定の要求に対して予め登録された承認対象情報と一致するかどうかにより、前記ユーザからの所定の要求についての承認の可否を判定するステップと、を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記主体情報を取得するステップでは、
前記ユーザを識別可能な生体情報を取得するステップと、
取得した前記生体情報を用いて、ユーザデータベースを参照して、当該生体情報に対応するユーザのユーザIDを特定するステップと、を実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記主体情報は、前記ユーザのユーザIDおよびイベントを識別するイベントIDにより作成された当該イベントにおいて共通する当該ユーザ固有のイベント別ユーザIDを含み、
前記主体情報を取得するステップでは、前記イベント別ユーザIDが記録された二次元コードを撮影することで、前記イベント別ユーザIDを取得する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記権限情報は、チケットを識別するチケットIDであり、
前記権限情報を特定するステップでは、取得した前記主体情報と紐づけられた前記チケットのチケットIDを特定する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記権限情報は、チケットの権限について識別可能に設定された権限IDであり、
前記権限情報を特定するステップでは、取得した前記主体情報と紐づけられた前記チケットのチケットIDを特定するステップと、
特定した前記チケットIDと紐づけられた前記権限IDを特定するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記承認の可否を判定するステップでは、
前記チケットの利用条件を参照して、要求の可否を判定する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記権限情報を特定するステップに先立って、
前記ユーザを識別可能な生体情報を取得したうえで、予め登録されているユーザ情報を参照して、ユーザの本人確認を行うステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
プロセッサを備え、チケットを管理するシステムの処理に用いられる方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
ユーザからの所定の要求に応答して、当該ユーザを識別可能な主体情報を取得するステップと、
前記主体情報に紐づけられた前記ユーザが保有するチケットの権限を特定可能な権限情報を特定するステップと、
特定した前記権限情報が、前記所定の要求に対して予め登録された承認対象情報と一致するかどうかにより、前記ユーザからの所定の要求についての承認の可否を判定するステップと、を実行する方法。
【請求項9】
プロセッサを備え、チケットを管理するシステムであって、
前記システムは、前記プロセッサが、
ユーザからの所定の要求に応答して、当該ユーザを識別可能な主体情報を取得する手段と、
前記主体情報に紐づけられた前記ユーザが保有するチケットの権限を特定可能な権限情報を特定する手段と、
特定した前記権限情報が、前記所定の要求に対して予め登録された承認対象情報と一致するかどうかにより、前記ユーザからの所定の要求についての承認の可否を判定する手段と、を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種のチケットを発券して管理するシステムが知られている。
特許文献1には、イベントのチケットが電子チケットとして発券され、チケット情報を含む二次元コードがユーザ端末に表示されるシステムが開示されている。
このようなシステムでは、会場への入場に用いられる入場チケットの他に、例えば、イベント会場内のクロークの利用、サブイベントへの参加、ファストパス、特別施設の利用、又は特別エリアへの入場など、会場内で提供される付帯的なサービス(追加体験)ごとに、個別のチケットが発券されることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来のシステムでは、例えば、テーマパークの会場内において、追加でアトラクションの優先利用に関するチケットを購入すると、その都度、当該チケットに対応する電子チケットを発券し、ユーザが受領しなければならなかった。
この場合には、スタッフからの検札の要求に応じて、ユーザが保有する複数の電子チケットのうち、提示が要求された電子チケットを端末に表示させる必要があり、ユーザの利便性の点で改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的は、イベント内での追加体験においてユーザの利便性を向上することができるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るプログラムは、プロセッサを備え、電子チケットを管理するシステムの処理に用いられるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザからの所定の要求に応答して、当該ユーザを識別可能な主体情報を取得するステップと、主体情報に紐づけられたユーザが保有するチケットの権限を特定可能な権限情報を特定するステップと、特定した権限情報が、所定の要求に対して予め登録された承認対象情報と一致するかどうかにより、ユーザからの所定の要求についての承認の可否を判定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、イベント内での追加体験においてユーザの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るチケット管理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図1に示すユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すチケット管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示す検札装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係るユーザデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るイベントデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るチケットデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る権限データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る保有データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態における処理全体の流れを説明する図である。
【
図11】本実施形態の承認対象情報を説明する図である。
【
図12】本実施形態に係るシステム1のユーザ登録処理を示すフローである。
【
図13】本実施形態に係るシステム1のチケット販売処理を示すフローである。
【
図14】本実施形態に係るシステム1の検札処理を示すフローである。
【
図15】変形例1における処理全体の流れを説明する図である。
【
図16】変形例2における処理全体の流れを説明する図である。
【
図17】変形例3における処理全体の流れを説明する図である。
【
図18】変形例4における処理全体の流れを説明する図である。
【
図19】変形例5における処理全体の流れを説明する図である。
【
図20】変形例6における検札装置30が保有する承認対象情報を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
(1)チケット管理システム1の全体構成
本実施形態に係るチケット管理システム1(以下、単にシステム1という)の全体構成について説明する。システム1は、チケットの使用を管理するシステムである。
システム1が管理するチケットは、電子媒体であるか紙媒体であるかを問わず、例えば以下のチケットが含まれる。
・各種のイベントに参加するための入場チケット
・商品又は役務の引換券(使用回数が設定された回数券を含む)
・デジタルコンテンツの提供(ダウンロードおよびストリーミング配信を含む)を受けるためのチケット
・特定のWebサイトへのアクセスに要求されるチケット
・店舗等において各種のサービスの提供を受けるためのチケット(各種クーポン等を含む)
・鉄道や航空機等の交通機関を利用するためのチケット
・テーマパークや美術館などの各種施設を利用するためチケット
・各種施設やイベント会場内の特定エリアに入場するためのチケット
・企画に参加するためのチケット(ファン投票権等)
・オンラインイベントを視聴するためのチケット
また、チケットとしてはこれらに限られず、商品又は役務の提供を受ける権限を有するその他の様々な証票が含まれ得る。
【0011】
ここで、システム1が適用されるイベントの内容は、例えば以下が含まれる。
・コンサート、ライブなどの音楽イベント
・球技、水泳、格闘技などのスポーツイベント(プロリーグ、アマチュア競技会を含む)
・現実のイベント会場で行われるゲーム大会
・舞台演劇、漫才、落語、その他の芸能を含む演芸イベント
・見本市、物産展、フリーマーケットなどの展示会
・万博、地方博覧会などの博覧会
・美術展、博物展などの展覧会
・公営賭博
・地域での祭り、記念行事のような自治体主催のイベント
・学園祭、サークルや団体の発表会
・アミューズメントパーク、及び、施設内で行われる各種のイベント
・デパート又は公共エリアにおいて期間限定で開催される催事
なお、イベントの内容としては、上記に限定されない。またイベントは、定期的に継続して行われてもよいし、不定期で行われてもよいし、常に開催されていてもよい。
【0012】
図1は、本実施形態に係るシステム1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、システム1は、ユーザ端末10と、チケット管理サーバ20と、検札装置30と、を備える。
ユーザ端末10、チケット管理サーバ20、および検札装置30は、ネットワーク(例えば、インターネットまたはイントラネット)NWを介して接続されている。
【0013】
ユーザ端末10は、情報処理装置である。ユーザ端末10は、チケット管理サーバ20に対して各種のイベントに関するチケット情報を要求するように構成される。ユーザ端末10は、チケット購入端末と言い換えることもできる。
【0014】
以降の説明において、情報処理装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ(例えば、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、またはそれらの組み合わせ)、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、またはスマートグラス)、などの種々のコンピュータを含み得る。本実施形態では、ユーザ端末10は、ネットワークNWに接続可能なモバイルコンピュータであるスマートフォンを例に挙げて説明する。
【0015】
ここで、チケット情報とは、各種興行等への参加の証票となるチケットに関する情報である。具体的には、チケット情報は、チケットを識別する情報、チケットが証明する権限に関する情報(例えば、チケットの対象となる興行に関する情報)、チケットの購入者の氏名、特徴量(例えば、顔の特徴量)に関する情報、チケットの購入者に関する情報(例えばユーザID)、もしくはそれらの組み合わせ、またはそれらを符号化したコード情報(例えば、QRコード(登録商標)、または他の1次元もしくは2次元コード)を含み得る。
【0016】
チケットは、ユーザが保持するユーザ端末10に表示されたチケット情報の画像(つまり電子チケット)であってもよい。或いは、チケットは、チケット情報が印刷された紙またはその他の媒体であってもよい。
【0017】
チケット管理サーバ20は、情報処理装置である。チケット管理サーバ20は、ユーザ端末10からの要求に応じて、発券(つまりチケット情報の販売)を行うように構成される。また、チケット管理サーバ20は、発行したチケット情報を管理するように構成される。
【0018】
検札装置30は、例えば、各種のイベント会場の検札所に配置される情報処理装置である。検札所は、イベント会場とその外部空間との境界に相当する。検札装置30は、イベント会場に対して入場しようとする人物(以降、「来場者」とする)によって提示された主体情報を参照し、来場者の入場の可否を判定するように構成される。
【0019】
ここでユーザの主体情報とは、ユーザを識別可能な情報であって、例えば、以下のいずれにより構成される。
・ユーザID:ユーザごとに固有値となる識別情報
・イベント別ユーザID:イベントごとに固有値となるユーザの識別情報。ユーザIDとイベントIDにより定義される。特定のユーザが特定のイベントの複数の検札シーンにおいて共通して利用可能な識別情報
・ユーザの生体情報:顔画像の特徴量などのユーザを識別可能な情報
・アカウント情報:ユーザによって入力されたユーザIDおよびログインパスワード
【0020】
また、検札装置30が使用される場所としては、興行会場(例えば、コンサート会場、観劇会場、試合会場、展覧会場、店舗またはそれらの組み合わせ)、公共交通機関、オフィス、店舗、販売ブース、テーマパーク、その他の施設であり得る。
すなわち、検札装置30は、使用されるそれぞれの場面において、ユーザからの所定の要求に応答して、当該ユーザを識別可能な主体情報を取得することで、当該要求の承認の可否を判定する。
【0021】
また検札装置30は、例えば、興行がサーバ空間において公開されるオンラインイベントである場合には、当該イベントへのアクセスを管理する情報処理装置である。検札装置30は、オンラインイベントにアクセスをして当該イベントに相当するコンテンツを視聴する人物(以降、「視聴者」とする)によって入力された主体情報を参照し、視聴者の視聴の可否を判定するように構成される。この場合には、ユーザがオンラインイベントを視聴する視聴端末(ユーザ端末10を含む)が、検札装置30としての機能を発揮する。また、ユーザがオンラインイベントを視聴するために、視聴端末にアカウント情報を入力することで、検札装置30による主体情報の取得が行われる。
【0022】
(1-1)ユーザ端末10の構成
ユーザ端末10の構成について説明する。
図2は、本実施形態のチケット購入端末の構成を示すブロック図である。
【0023】
図2に示すように、ユーザ端末10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、を備える。ユーザ端末10は、入力デバイス15および出力デバイス16の少なくとも1つと接続可能である。
【0024】
記憶装置11は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク)の組合せである。
【0025】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0026】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0027】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、ユーザ端末10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
【0028】
入出力インタフェース13は、入力デバイス15から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス16に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0029】
入力デバイス15は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、物理ボタン、センサ(例えば、カメラ、バイタルセンサ、またはそれらの組み合わせ)、または、それらの組合せである。
【0030】
出力デバイス16は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、印刷装置、またはそれらの組み合わせである。
【0031】
通信インタフェース14は、ユーザ端末10と外部装置(例えば、チケット管理サーバ20、検札装置30、および権利端末40の少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0032】
(1-2)チケット管理サーバ20の構成
チケット管理サーバ20の構成について説明する。
図3は、本実施形態のチケット管理サーバ20の構成を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、チケット管理サーバ20は、記憶装置21と、プロセッサ22と、入出力インタフェース23と、通信インタフェース24とを備える。チケット管理サーバ20は、入力デバイス25および出力デバイス26の少なくとも1つと接続可能である。
【0034】
記憶装置21は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置21は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク)の組合せである。
【0035】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0036】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0037】
プロセッサ22は、記憶装置21に記憶されたプログラムを起動することによって、チケット管理サーバ20の機能を実現するように構成される。プロセッサ22は、コンピュータの一例である。
【0038】
入出力インタフェース23は、入力デバイス25から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス26に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0039】
入力デバイス25は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、センサ、または、それらの組合せである。
【0040】
出力デバイス26は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、またはそれらの組み合わせである。
【0041】
通信インタフェース24は、チケット管理サーバ20と外部装置(例えば、ユーザ端末10、および検札装置30の少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0042】
(1-3)検札装置30の構成
検札装置30の構成について説明する。
図4は、本実施形態の検札装置30の構成を示すブロック図である。
【0043】
図4に示すように、検札装置30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。検札装置30は、入力デバイス35および出力デバイス36の少なくとも1つと接続可能である。
【0044】
記憶装置31は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージの組合せである。
【0045】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0046】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ
【0047】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、検札装置30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、コンピュータの一例である。
【0048】
入出力インタフェース33は、入力デバイス35から信号(例えば、ユーザの指示、センシング信号、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、出力デバイス36に信号(例えば、画像信号、音声信号、またはそれらの組み合わせ)を出力するように構成される。
【0049】
入力デバイス35は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、センサ(例えば、カメラ、バイタルセンサ、またはそれらの組み合わせ)、または、それらの組合せである。
図4に示すように、入力デバイス35としては、例えば可視光カメラ352が含まれる。
【0050】
入力デバイス45は、単独で、またはプロセッサ42との協働により、ユーザの生体情報の取得手段を実現する。
生体情報の取得手段は、ユーザからの特典付与の要求時に、来場者によるチケットの提示時に、来場者の入場可否の判定に必要な情報(以下、「認証情報」とする)を読み取る。認証情報は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・来場者の生体情報(例えば、顔の特徴量/声紋/掌紋などの生体情報)に関する情報
【0051】
生体情報の取得手段は、可視光カメラ352と、当該可視光カメラ352によって撮影された画像を解析してユーザの生体情報を抽出する。
例えば、生体情報の取得手段は、可視光カメラ352と、当該可視光カメラ352によって撮影された画像を解析して来場者の顔の画像を抽出する。そして、生体情報の取得手段は、当該来場者の顔の画像から特徴量を計算するアプリケーションとの組み合わせにより、来場者の顔の特徴量に関する情報を取得できる。
【0052】
出力デバイス36は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、警報装置、電動式のゲート、またはそれらの組み合わせである。
【0053】
通信インタフェース34は、検札装置30と外部装置(例えば、ユーザ端末10、およびチケット管理サーバ20の少なくとも1つ)との間の通信を制御するように構成される。
【0054】
(2)データ構造
本実施形態で用いられるデータの構造について説明する。まず、チケット管理サーバ20の記憶装置21に記憶されるデータベースについて説明する。チケット管理サーバ20は、以下のデータベースを記憶している。
・ユーザデータベース(以下、ユーザDBという)
・イベントデータベース(以下、イベントDBという)
・チケットデータベース(以下、チケットDBという)
・権限データベース(以下、権限DBという)
・保有データベース(以下、保有DBという)
【0055】
(2-1)ユーザDB
ユーザDBについて説明する。ユーザDBは、チケットを購入するユーザに関する情報を格納するデータベースである。
図5は、ユーザDBのデータ構造の一例を示す図である。
【0056】
図5に示すように、ユーザDBは、「ユーザID」フィールドと、「ログインPASS」フィールドと、「ユーザ氏名」フィールドと、「性別」フィールドと、「年齢」フィールドと、「居住地」フィールドと、「連絡先」フィールドと、「生体情報」フィールドと、「ワクチン接種情報」フィールドと、「BAN適用フラグ」フィールドと、を含む。
【0057】
「ユーザID」フィールドには、ユーザごとに固有値となる識別情報が格納される。ユーザIDは、チケット管理サーバ20が提供するチケット管理プラットフォームにおいて、ユーザを識別する情報である。
【0058】
「ログインPASS」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザが、チケット管理サーバ20が提供するチケット管理プラットフォームにログインをする際に入力が要求されるログインパスワードに関する情報が格納される。
【0059】
「ユーザ氏名」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザの氏名が格納される。
【0060】
「性別」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザの性別が格納される。
【0061】
「年齢」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザの年齢が格納される。
【0062】
「居住地」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザの居住地の情報が格納される。
【0063】
「連絡先」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザの連絡先を示す情報が格納される。連絡先情報としては、例えば、メールアドレス、電話番号、SNS(Social Networking Service)もしくは他のメッセージング可能なアプリケーションのアカウント情報、またはそれらの組み合わせである。連絡先情報は、ここで挙げた例に限られず、ユーザ端末10を介して来場者にリアルタイムに通知を送信するために利用可能な任意の種別の情報を含むことができる。
【0064】
「生体情報」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザの生体情報に基づいて生成されたユーザの個体ごとに固有となる情報(例えば、顔画像の特徴量)が格納される。顔画像の特徴量は、ユーザの顔を撮影した画像から抽出される。
【0065】
「ワクチン接種情報」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザ行政機関から接種が推奨されている所定のワクチンの接種履歴に関する情報が格納されている。
【0066】
「BAN適用フラグ」フィールドには、ユーザIDに対応するユーザについて、過去の不正行為などにより、システム1が適用されるイベントへの参加が禁止されている場合に、その旨を示す情報が記録されている。
【0067】
なお、
図5に示すユーザDBの構造はあくまで例示であり、その他の情報を格納してもよい。また、ユーザDBは、前述した各フィールドのうちのいずれかを含まなくてもよい。
ユーザDBに格納されるその他のユーザの属性を示す情報としては、例えば、以下が挙げられる。
・生年月日
・職業
・国籍
・家族構成
・使用言語
・ペットの有無
・趣味、嗜好に関する情報
・ファンクラブ会員に該当するかどうか
・過去のイベント参加の実績に関する情報
・その他のユーザごとの属性情報
【0068】
(2-2)イベントDB
イベントDBの構成例について説明する。
図6は、チケット管理サーバ20が記憶するイベントDBのデータ構造の一例を示す図である。イベントDBには、チケットにより参加が許可されるイベントに関する情報が格納される。
【0069】
図6に示すように、イベントDBは、「イベントID」フィールドと、「イベント名称」フィールドと、「イベント種別」フィールドと、「出演者」フィールドと、「会場」フィールドと、「主催者」フィールドと、「開催日時」フィールドと、を含む。
【0070】
「イベントID」フィールドには、イベントを識別するための識別情報が格納される。イベントIDは、各種のイベントごとに固有の値となる。
【0071】
「イベント名称」フィールドは、イベントIDに該当するイベントの名称が格納される。イベント名称は、イベントIDによって識別されるイベントの名称を示す情報である。
【0072】
「イベント種別」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの種別に関する情報が格納される。イベント種別に関する情報は、イベントIDによって識別されるイベントの概要を示す情報である。例えば、イベント種別として、「プロ野球」「アニメ試写会」「オンラインライブ」等が挙げられる。
【0073】
「出演者」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの出演者に関する情報が格納される。出演者情報は、イベントIDによって識別されるイベントへの出演者を示す情報である。出演者情報には、個人または団体(グループ名、チーム名、バンド名等)が含まれる。「出演者」フィールドには、ファン活動により応援される対象概念の情報が含まれ得る。
【0074】
「会場」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの会場に関する情報が格納される。
【0075】
「主催者」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの主催者に関する情報が格納される。イベント主催者に関する情報とは、例えば、当該イベントの興行主又は運営会社を示す情報である。イベント主催者に関する情報は、イベント主催者の名称の他、イベント主催者の所在地、および当該イベントに関する担当者の連絡先の情報を含んでもよい。
【0076】
「開催日時」フィールドには、イベントIDに該当するイベントの開催日時が格納される。
なお、
図6に示すイベントDBの構造はあくまで例示であり、その他の情報を格納してもよい。例えば、イベントDBは、開場時刻、開演時刻、終演時刻、または閉場時刻などの当日の運営スケジュールに関する情報を格納してもよい。また、イベントDBは、例えば「イベント種別」フィールドなど、前述した各フィールドのうちのいずれかを含まなくてもよい。
【0077】
(2-3)チケットDB
チケットDBの構成例について説明する。
【0078】
図7に示すチケットデータベースには、チケット情報が格納される。
図7に示すように、チケットDBは、「チケットID」フィールドと、「権限ID」フィールドと、「利用ステータス」と、「特典チケットID」フィールドと、「特典チケット付与条件」フィールドと、を含む。
【0079】
「チケットID」フィールドには、チケットIDが格納される。チケットIDは、チケットを識別するための情報である。
【0080】
「権限ID」フィールドには、チケットIDに対応するチケットについて設定されたチケットの権限に関する識別情報が格納される。チケットの権限に関する情報については後述する。なお、チケットIDに対応するチケットがイベント会場への入場チケットである場合には、権限IDとして、当該イベントのイベントIDを用いてもよい。
【0081】
「利用ステータス」フィールドには、チケットIDに対応するチケットの使用状態を示す情報が格納される。チケットの状態としては、「未使用」、「使用済」が含まれる。入場チケットの場合には、後述するチケットのもぎり(検札処理)により、入場ステータスが、「使用済」に書き換えられる。なお、チケットが複数回の使用が可能な回数券である場合には、「利用ステータス」フィールドに代えて、当該チケットの利用可能な残回数を示す「利用可能残回数」や利用した回数を示す「利用回数」フィールドを設けてもよい。
【0082】
「特典チケットID」フィールドには、チケットIDに対応するチケットの使用により、特典としてユーザに対して付与される特典チケットの識別情報が格納される。特典チケットとは後述するNFT(非代替性トークン)であってもよい。なお、チケットIDに対応するチケットについて、特典が設定されていない場合は、「特典チケットID」フィールドは空欄であってもよい。
【0083】
「特典チケット付与条件」フィールドには、チケットIDに対応するチケットの使用により付与される特典チケットを付与可能な条件(付与条件)が格納されている。付与条件としては、例えば以下が挙げられる。
・時期的条件:付与可能な時期が設定されている
・位置的条件:付与可能なエリアが設定されている
・客体的条件:付与可能なユーザの属性が設定されている。(例えば、成人、学生、女性、または高齢者等)
【0084】
なお、
図7に示すチケットDBの構造はあくまで例示であり、その他の情報を格納してもよい。例えば、チケットDBには、以下の情報が格納されてもよい。
・当該チケットにより利用可能な座席番号
・当該チケットの利用期限
・当該チケットの利用可能回数
【0085】
(2-4)権限DB
図8は、権限DBのデータ構造の一例を示す図である。権限DBは、チケットを保有するユーザに対して承認される要求(チケットの権限)に関する情報を管理するデータベースである。チケットの権限とは、具体的には、当該チケットの所有者が、提供を受けることができる商品又はサービスの内容を指す。
【0086】
図8に示すように、権限DBは、「権限ID」フィールドと、「利用イベントID」フィールドと、「利用条件」フィールドと、「チケット権限内容」フィールドと、を含む。
【0087】
「権限ID」フィールドには、チケットに設定された権限を、権限の内容ごとに識別可能な識別情報が格納される。権限IDは、イベントIDの文字列の少なくとも一部を含む文字列により構成されてもよい。
【0088】
「利用イベントID」フィールドには、権限IDに対応するチケットを使用可能なイベントの識別情報が格納される。
【0089】
「利用条件」フィールドには、権限IDに対応するチケットを利用可能な条件が格納されている。利用条件としては、例えば以下が挙げられる。
・時期的条件:利用可能な期間が設定されている(例えば利用有効期間等)
・位置的条件:利用可能なエリアが設定されている(例えば所定の商業施設内、又は所定のイベント会場内において使用可能であること等)
・主体的条件:使用可能なユーザの属性が設定されている(例えば、子供、学生、女性、または高齢者等)
【0090】
「チケット権限内容」フィールドには、チケットの権限の内容に関する情報として、権限IDに対応するチケットを保有することで、ユーザが提供を受けることができる商品又はサービスに関する情報が格納されている。
チケットの権限の内容に関する情報としては、例えば、以下が含まれる。
・入場可能エリアの情報
・提供されるグッズの情報
・参加可能な特別イベントに関する情報
・割引サービスなどの優待に関する情報
・チケットの保有により利用可能な座席情報
【0091】
なお、
図8に示す権限DBの構造はあくまで例示であり、その他の情報を格納してもよい。例えば、権限DBには、以下の情報が格納されてもよい。
・チケットの券種:権限IDに対応するチケットの種別を示す情報が格納される。例えば、券種としては、一般チケット又は優待チケットなどがある。
【0092】
(2-5)保有DB
図9は、保有DBのデータ構造の一例を示す図である。保有DBは、ユーザが保有しているチケットの情報を管理するデータベースである。
【0093】
図9に示すように、保有DBは、「レコードID」フィールドと、「ユーザID」フィールドと、「チケットID」フィールドと、を含む。
【0094】
「レコードID」フィールドには、保有レコードを識別する識別情報が格納される。
【0095】
「ユーザID」フィールドには、レコードIDに対応する保有レコードにおいて、チケット保有の主体となるユーザの識別情報が格納される。
【0096】
「チケットID」フィールドには、レコードIDに対応する保有レコードにおいて、チケット保有の客体となるチケットの識別情報が格納される。
なお、
図9に示す保有DBの構造はあくまで例示であり、その他の情報を格納してもよい
【0097】
(3)実施形態の概要
本実施形態の概要について説明する。
【0098】
(3-1)処理全体の流れ
図10は、本実施形態の処理の全体の流れを示す図である。
図10に示すように、例えばシステム1では、イベント会場への入場を要求するユーザに対して、イベント会場の入場ゲートでの検札処理を行う。この際、検札装置30は、ユーザ端末10に表示された二次元コードを撮影する。二次元コードには、来場者の主体情報となるユーザIDが記録されている。このため、検札装置30はユーザIDを特定することができる。
【0099】
次に、システム1では、検札装置30は、チケット管理サーバ20に対して、特定したユーザIDを送信して、来場者であるユーザが保有するチケットを特定する。チケット管理サーバ20は、保有DBを参照して、検札装置30から送信されたユーザIDと紐づけられたチケットのチケットIDを特定する。なお、予め検札装置30に保有DBの情報が記録されている場合には、チケット管理サーバ20への照会は不要であり、検札装置30は記録された保有DBの情報を用いてユーザIDと紐付けられたチケットのチケットIDを特定する。
【0100】
次に、システム1では、チケット管理サーバ20が、特定したチケットIDについて、権限DBを参照して、ユーザが保有するチケットに設定された権限を特定する。これにより、システム1では、主体情報に紐づけられた権限情報が特定される。
ここで、権限情報とは、チケットの権限を特定可能な情報であり、本実施形態では、権限DBにおける権限IDが該当する。なお、権限情報は権限IDに限定されない。権限情報のその他の例については、後述する各変形例において説明する。
【0101】
このように、システム1では、取得した前記主体情報と紐づけられたチケットのチケットIDを特定する処理と、特定したチケットIDと紐づけられた権限IDを特定する処理と、により、権限情報である権限IDが特定される。
【0102】
そして、検札装置30には、それぞれが配備される検札場面において、承認するべきチケットの権限情報である承認対象情報(承認対象権限ID)が、承認対象情報として予め登録されている。
検札装置30は、検札対象であるユーザが保有するチケットに設定された権限IDと、予め登録された承認対象情報(承認対象権限ID)と、が一致するかどうかを判定することで、ユーザからの所定の要求についての承認の可否を判定する。
【0103】
そして、ユーザが保有するチケットの権限が、承認対象である権限IDと一致する場合には、検札装置30は、ユーザに対して、ユーザからの要求(入場)を許可する。
図10に示す来場チケットへの検札の場面では、検札装置30は、ユーザに対してイベント会場への入場を承認する。
【0104】
一方、ユーザが保有するチケットの権限が、承認対象である権限IDと一致しない場合、または、ユーザがチケットを保有していない場合には、検札装置30は、ユーザに対して要求を拒絶する。
図10に示す来場チケットへの検札の場面では、検札装置30は、ユーザに対してイベント会場への入場を拒絶する。
次に、検札装置30が保有する検札時の承認対象情報に付いて説明する。
【0105】
(3-2)検札装置30が保有する承認対象情報
図11は、検札装置30が保有する承認対象情報を説明する図である。
例えば、ユーザAが、以下の3種類のチケットを保有した状態でイベント会場に来場したケースを例に挙げる。
・イベント会場への入場チケット(チケットID:Tc-A010)
・全エリア利用チケット(チケットID:Tc-B035)
・ビール引換券(Tc-C0103)
【0106】
この場合において、以下の3つの検札装置30がそれぞれの検札所に配備されている。
・検札装置30A(会場の入場ゲートに配備される検札装置30)
・検札装置30B(有料Aエリアゲートに配備される検札装置30)
・検札装置30C(ドリンクブースに配備される検札装置30)
【0107】
この場合において、検札装置30Aには、イベント会場への入場に関する権限となる権限ID(権限ID:A001)が、承認対象情報として予め登録されている。ユーザAは、ユーザIDが記録された二次元コードを入場ゲートにおいて検札装置30Aに提示することで、ユーザAが権限ID:A001に該当するチケットを保有していることが確認され、入場が許可される。これにより、チケットDBにおける入場チケット(チケットID:Tc-A010)の利用ステータスは使用済みに更新される。
【0108】
次に、検札装置30Bには、有料Aエリアへの入場に関する権限となる権限ID(権限ID:B001およびB002)が、承認対象情報として予め登録されている。ここで、権限ID:B001は全エリア利用チケットの権限を指し、権限ID:B002は、有料Aエリアチケットの権限を指す。このように、複数の承認対象権限が検札装置に登録されることがある。
ユーザAは、ユーザIDが記録された二次元コードを有料Aエリアゲートにおいて検札装置30Bに提示することで、ユーザAが権限ID:B001に該当するチケットを保有していることが確認され、有料Aエリアへの入場が許可される。
【0109】
次に、検札装置30Cには、ビール引換券に関する権限となる権限ID(権限ID:C005)が、承認対象情報として予め登録されている。ユーザAは、ユーザIDが記録された二次元コードをビールブースにおいて検札装置30Cに提示することで、ユーザAが権限ID:C005に該当するチケット(ビール引換券)を保有していることが確認され、引き換え対象となるビールが提供される。
【0110】
すなわち、システム1では、従来の検札処理のように、ユーザが提示するチケットに関する情報を読み取ったうえでの要求(入場)可否の判定は行わない。システム1では、チケットに関する情報を読み取ることなく、ユーザの主体情報を読み取りユーザを特定したうえで、チケットに関する保有記録からユーザに対する入場可否の判定を行う。
このようなシステム1の処理について、以下に具体的に説明する。
【0111】
(4)システム1の動作
本実施形態におけるシステム1の動作について説明する。
【0112】
(4-1)ユーザの登録処理
図12は、本実施形態のユーザ登録処理のフローチャートである。
図12に示すように、ユーザ端末10は、ユーザ登録申請の受付を行う(ステップS111)。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、ユーザから入力されたユーザに関する情報を受け付ける。この際、生体情報としては、ユーザがユーザ端末10に内蔵されたカメラを用いて撮影した顔画像の情報を用いることができる。ユーザ端末10のプロセッサ12は、撮影されたユーザの顔画像に対して画像処理を行い、特徴量に関する情報を抽出する。
プロセッサ12は、取得したユーザに関する情報を、チケット管理サーバ20に対して送信する。
【0113】
ステップS111の後に、チケット管理サーバ20は、ユーザ登録の申請を受領する
(ステップS211)。
具体的には、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、ステップS111においてユーザ端末10から送信されたユーザに関する情報を、ユーザDBに格納する。これにより、ユーザDBに新たなレコードが記録される。
【0114】
ステップS211の後に、ユーザ端末10は、ユーザ情報の変更または更新に関する入力を受け付ける(ステップS112)。
具体的には、ユーザは、既に登録した情報うち、変更または更新された情報についてユーザ端末10を操作して入力する。ユーザ端末10のプロセッサ12は、入力された情報をチケット管理サーバ20に対して送信する。
【0115】
ステップS112の後に、チケット管理サーバ20は、ユーザDBを更新する(ステップS212)。
具体的には、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、ステップS112においてユーザ端末10から送信されたユーザに関する新たな情報を用いて、ユーザDBを更新する。これにより、ユーザDBは最新の情報に更新される。ユーザDBの更新は必要に応じて行われる。
以上により、ユーザの登録処理が終了する。
【0116】
(4-2)チケットの購入処理
図13は、本実施形態のチケットの購入処理のフローチャートである。
図13に示すように、ユーザ端末10は、チケット購入操作の受付(ステップS121)を実行する。
具体的には、ユーザ端末10のプロセッサ12は、入力デバイス15に対してなされた購入操作を、入出力インタフェース13を介して受け付ける。
購入操作は、例えば、ユーザIDの入力、興行の選択、日時の選択、座席種別の選択、購入ボタン(ボタンオブジェクトまたは物理ボタン)の押下、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0117】
ステップS121の後に、チケット管理サーバ20は、チケットの販売処理を実行する(ステップS221)。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS121において受け付けた購入操作の内容に基づいて、ユーザが購入を希望するチケットを特定する。そしてプロセッサ12は、特定したチケットの価格に応じた購入費用の決済の有無を確認する。
【0118】
ステップS102の後に、チケット管理サーバ20は、保有DBの更新を行う(ステップS222)を行う。具体的には、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、ステップS221において販売したチケットについて、購入したユーザが保有する記録を新たなレコードとして保有DBに記録させる。
【0119】
ステップS222の後に、チケット管理サーバ20は、チケット情報の提供(ステップS223)を実行する。
具体的には、プロセッサ22は、ステップS222において更新した保有DBを参照して、チケット情報を生成する。チケット情報は、ステップS222において登録したチケットIDに関する情報を含む。さらに、チケット情報は、チケット購入者のユーザIDを含むことができる。チケット情報に含まれる情報の一部または全部は例えばQRコード(登録商標)または他のコード情報に符号化されてもよい。プロセッサ22は、生成したチケット情報を、チケットの購入者に提供する。一例として、プロセッサ22は、通信インタフェース24を介してユーザ端末10へ送信する。
【0120】
ステップS223の後に、ユーザ端末10は、チケット情報の保存(S123)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS223において提供されたチケット情報を取得する。プロセッサ12は、取得したチケット情報を記憶装置11に保存する。これにより、プロセッサ12は、必要に応じて、チケット情報を表示できる。
これにより、チケットの発券処理が終了する。
【0121】
(4-3)来場時の検札処理
本実施形態の検札処理について説明する。
図14は、本実施形態の検札処理のフローチャートである。
【0122】
例えば、イベント会場に来場したユーザは、第1の検札装置30A(以下、検札装置30)が配備された入場ゲートを訪れる。
図14に示すように、入場ゲートにおいて、検札装置30は、ユーザの主体情報を取得する(ステップS331)。
具体的には、検札装置30のプロセッサ32が、来場者のユーザ端末10に表示された二次元コードを撮影する。
【0123】
ステップS331の後に、検札装置30は、ユーザIDを特定する(ステップS332)。
具体的には、検札装置30のプロセッサ32は、撮影した二次元コードに記録されたユーザIDを識別することで、来場者のユーザIDを特定する。
【0124】
ステップS332の後に、検札装置30は、ユーザが保有するチケットを特定する(ステップS333)。
具体的には、検札装置30のプロセッサ32は、ステップS332において特定したユーザIDについて、チケット管理サーバ20に対して照会することで、当該ユーザIDに該当するユーザが保有するチケットのチケットIDを特定する。この際、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、保有DBを参照して、特定したユーザIDに紐づけられたチケットIDを抽出する。これにより、検札対象である来場者が保有するチケットが特定される。
なお、予め検札装置30に保有DBの情報が記録されている場合には、チケット管理サーバ20への照会は不要であり、検札装置30は記録された保有DBの情報を用いてユーザIDと紐付けられたチケットのチケットIDを特定する。
【0125】
ステップS333の後に、検札装置30は、チケットの権限を確認する(ステップS334)。
具体的には、検札装置30のプロセッサ32は、ユーザが保有するチケットについて、チケット管理サーバ20に権限内容の照会を行う。この際、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、チケットDBを参照して、ユーザが保有するチケットに設定された権限IDを特定する。プロセッサ22は、検札装置30に対して特定した権限IDを送信する。なお、ステップS333およびステップS334におけるチケット管理サーバ20への照会の処理は一連の処理として行ってもよい。
【0126】
ステップS334の後に、検札装置30は、入場可否(ユーザからの要求の可否)の判定(ステップS335)を実行する。
具体的には、検札装置30のプロセッサ32は、ステップ334において確認された権限IDと、予め記憶装置31に登録された承認対象情報としての承認対象権限IDと、が一致するかどうかを判定する。
【0127】
また、プロセッサ32は、要求の可否を判定するステップ(ステップS335)では、権限DBに記録されたチケットの利用条件を確認して、要求の可否の判定を行うことができる。利用条件が設定されていない場合には、利用条件による判定は省略してもよい。
例えば、プロセッサ32は、ユーザDBに記録されたユーザの属性を参照して、利用条件との比較を行い、要求の可否を判定してもよい。具体的には、プロセッサ32は、来場者として特定されたユーザについて、ユーザDBに記録された各種の属性を特定する。プロセッサ32は、例えば、
図6に示すユーザDBに記載された以下の属性を入場可否の判定に用いることができる。
・ワクチン接種情報
・BAN適用フラグ
【0128】
そして、来場が許可される条件として、ワクチンの接種回数などが入場可能条件として設定されている場合には、プロセッサ32は、権限DBに規定された利用条件と、検札対象であるユーザのワクチン接種情報と、を比較して、当該ユーザが当該チケットを利用可能(この場合は来場可能)かどうかについて判定する。当該ユーザが、仮に利用条件を満たさない場合は、プロセッサ32は、当該ユーザについて入場エラー処理(要求拒絶処理)を実行する。
【0129】
また、プロセッサ32は、検札対象であるユーザについて、BAN適用フラグが記録されているかどうかを確認してもよい。仮にBAN適用フラグが記録されている場合は、プロセッサ32は、当該ユーザについて入場エラー処理(要求拒絶処理)を実行する。
【0130】
ステップS335の後に、検札装置30は、判定結果の出力を行う(ステップS336)。
例えば、プロセッサ32は、ステップS335において、来場者であるユーザが入場権限となるチケットを保有していない場合、あるいは、本人の属性により入場がNGとなった場合には、検札装置30は、入場エラー処理を実行する。検札装置30は、チケットが特典の付与に関する者である場合には、入場エラー処理に代えて、特典付与エラー処理を実行する。
【0131】
具体的には、プロセッサ32は、ステップS336において来場者の入場を拒否すると判定した場合に、以下の少なくとも1つの処理を行う。
・警報の発報(例えば、ランプの点灯、所定音の出力、所定画面の表示、またはそれらの組み合わせにより、来場者の入場が拒否されたことを本人および係員に知覚させるとともに、係員にアフターケアを促す)
・ゲートの閉鎖或いは開放しない(例えば、電動式のゲートのバー、またはフラップドアを閉じて来場者の入場を物理的に阻害する)
【0132】
なお、検札装置30付近の滞留を防ぐ観点から、係員によるアフターケアは、来場者を対象空間に便宜的に入場させてから行われてもよい。一例として、係員は、来場者の属性情報、来場者の連絡先情報、チケットの購入場所、チケットの購入時期、またはそれらの組み合わせを来場者から聞き取り、チケット情報と照合してもよい。
ステップS336の後に、来場時の検札処理は終了する。
【0133】
一方、ステップS335において、来場者であるユーザが入場権限となるチケットを保有している場合、かつ本人の属性により入場がNGとならなかった場合には、プロセッサ32は、入場の許可、いわゆる「もぎり処理」を実行する。
検札装置30は、チケットが物品の引換券である場合には、物品の引換を承認する。
【0134】
具体的には、プロセッサ32は、ステップS335において来場者からの要求を承認すると判定した場合に、以下の少なくとも1つの処理を行う。
・入場が許可されたことの報知(例えば、ランプの点灯、所定音の出力、所定画面の表示、またはそれらの組み合わせにより、来場者の入場が許可されたことを本人および係員に知覚させる)
・ゲートの開放(例えば、電動式のゲートのバー、またはフラップドアを開いて来場者の進入を促す)
・該当する引換対象物品の提供(特典グッズの引き渡し等)
【0135】
プロセッサ32は、ステップS336の際に、チェックインリストを作成、または更新してもよい。
チェックインリストは、各来場者に対する検札処理の結果一覧に関する情報である。チェックインリストは、一例として以下の要素の少なくとも1つを含む。
・チェックイン時刻
・チェックインの順番
・来場者のユーザID
・ユーザIDに関連付けられるユーザ名
・来場者が保有していた入場権限となるチケットのチケットID
・入場可否の判定(ステップS335)の結果(入場許可/入場拒否)
・イベント会場においてユーザに割り当てられた区域(例えば指定席)
ステップS336において、プロセッサ32は、チケット管理サーバ20に対してもぎり処理の結果を送信する。作成または更新したチェックインリストを共有することで、プロセッサ32は、チケット管理サーバ20に対してもぎり処理の結果を送信してもよい。
【0136】
ステップS336の後に、チケット管理サーバ20は、チケットの使用を検出する(ステップS231)。
具体的には、チケット管理サーバ20のプロセッサ32は、共有されたチェックインリストに基づいてチケットDBの「利用ステータス」フィールドを更新することで、使用されたチケットを把握する。プロセッサ32は、チケットDBの「利用ステータス」フィールドの更新に代えて、「利用可能残回数」フィールドの残回数を減らす更新や「利用回数」フィールドの回数を増やす更新を行ってもよい。
【0137】
ステップS231の後に、チケット管理サーバ20は、特典チケットの付与を行う(ステップS232)。
具体的には、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、ステップS231において使用が検出されたチケットについて、チケットDBを参照して、設定されている特典チケットのチケットIDを確認する。プロセッサ22は、チケットを使用したユーザに対して、該当する特典チケットを付与するために、保有DBに新たなレコードを記録する。プロセッサ22は、保有DBの新たなレコードとして、特典チケットを付与されるユーザのユーザIDと、特典チケットのチケットIDと、をそれぞれ記録する。プロセッサ22は、特典チケットがユーザに対して特典として付与されたことを、ユーザ端末10に対して通知する。
【0138】
プロセッサ22は、特典チケットを付与するステップでは、チケットDBに記録された特典チケット付与条件を確認して、付与の可否の判定を行うことができる。付与条件が設定されていない場合には、付与条件による判定は省略してもよい。
例えば、プロセッサ22は、ユーザDBに記録されたユーザの属性を参照して、利用条件との比較を行い、要求の可否を判定してもよい。具体的には、プロセッサ22は、来場者として特定されたユーザについて、ユーザDBに記録された各種の属性を特定する。プロセッサ22は、例えば、
図6に示すユーザDBに記載された以下の属性を入場可否の判定に用いることができる。
・性別(例えば、男性又は女性のファンに対して付与される特典)
・年齢(例えば、アルコール類など成人に対して付与される特典、子供向けグッズ等)
・居住地(例えば、地元ファン獲得の施策として設定された特典等)
これにより、チケットの検札処理が終了する。
【0139】
(5)小括
以上説明したように、本実施形態に係るシステム1によれば、検札装置30が、ユーザの主体情報を取得し、取得した主体情報に紐づけられたユーザが保有するチケットに対して設定された権限に基づいて、ユーザからの要求(入場)の可否を判定する。
このため、一つのイベントにおいて用いられる付帯的なサービスに関する複数のチケットをユーザが保有している場合に、サービスごとの検札場面において、対応するチケットをユーザが選択して、検札装置30に対して提示する必要が無く、ユーザの主体情報を画一的に提示することで、検札処理を行うことができ、イベント内での追加体験においてユーザの利便性を向上することができる。
【0140】
また、システム1では、保有DBには、チケットIDごとに、保有するユーザのユーザIDが紐づけられている。このため、ユーザが保有するチケットを正確に把握することができる。
【0141】
また、システム1では、ユーザからの要求の可否を判定する際に、権限に紐づけられたチケットの利用条件を参照して、要求の可否を判定する。このため、当該ユーザがチケットを保有しているかどうかだけではなく、適切な利用条件を満たすかどうかを考慮して、イベント運営者にとって好適なチケットの利用を促すことができる。
【0142】
また、システム1では、特典チケットの付与条件が設定されているので、例えば年齢制限のあるサービスに関する引換券について、付与対象を制限することができ、主催者の利便性を向上することができる。
【0143】
(6)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0144】
(6-1)変形例1(顔撮影による生体認証)
次に、変形例1に係るシステム1について説明する。
図15は変形例1に係るシステム1の処理全体の流れを説明する図である。
変形例1に係るシステム1における検札装置30は、主体情報を取得するステップにおいて、ユーザを識別可能な生体情報を取得するステップと、取得した生体情報を用いて、ユーザDBを参照して、当該生体情報に対応するユーザのユーザIDを特定するステップと、を実行する。
【0145】
具体的には、検札装置30は、
図14に示すステップS331において、来場者の顔画像を撮影することで、来場者の生体情報を取得する。この際、検札装置30のプロセッサ32は、可視光カメラ352と協働して、来場者の顔画像を読み取る。この際、来場者の顔の画像を撮影するのではなく、来場者の顔を3次元スキャンしてもよい。
【0146】
ステップS331において、プロセッサ32は、可視光カメラ352の撮影した画像を来場者向けに出力デバイス36(ディスプレイ)に表示してもよい。これにより、来場者に、撮影されている自身の画像の様子をフィードバックし、カメラに対する位置、姿勢、および顔の向きなどの微調整を促すことができる。
【0147】
ステップS331の後に、検札装置30は、ユーザIDを特定する(
図14に示すステップS332)。
具体的には、検札装置30のプロセッサ32には、抽出した来場者の生体情報の特徴量について、チケット管理サーバ20に対して照会を行うことで、当該特徴量に該当するユーザを特定する。この際、チケット管理サーバ20は、ユーザDBに記録されている生体情報(例えば顔画像の特徴量)と、ステップS331において取得した来場者の顔画像の特徴量と、を比較する。両者の特徴量が一定以上の類似度を備えていると判断されると、来場者のユーザIDが特定される。
【0148】
なお、検札装置30の記憶装置31に予めユーザDBに記録されたユーザ情報を格納することで、検札装置30は、チケット管理サーバ20に対してユーザの照会を行わなくてもよい。この場合には、検札装置30は、記憶装置31に記憶されたユーザ情報を用いて抽出された特徴量に対応するユーザの確認を行う。
【0149】
変形例2に係るシステム1では、ステップ332の後に、前述した実施形態と同様にステップS333以降の処理を実行する。
このように、変形例1に係るシステム1では、主体情報を検出するステップでは、ユーザの生体情報を取得することで、主体情報を取得する。このため、ユーザからの二次元コードの提示を要求することなく、例えば、検札時に来場者の顔画像を撮影するといった簡易な構成により、来場者の主体情報を取得することができる。これにより、検札処理の効率化に寄与することができる。
【0150】
また、ユーザの生体情報として、顔の特徴量に代えて、他のバイオメトリクス(例えば、指紋、掌紋、虹彩、静脈、筋電位など)に関する特徴量を用いて来場者のユーザIDを特定してもよい。
また、赤外線、RFID、音波、レーザ型の一次元バーコードリーダー等のその他のセンサにより、ユーザ固有の情報を取得して、ユーザの生体情報として用いてもよい。
また、複数種類の生体情報を用いてユーザIDを特定してもよい。
【0151】
(6-2)変形例2(イベント別ユーザIDを用いる)
次に、変形例2に係るシステム1について説明する。
図16は変形例2に係るシステム1の処理全体の流れを説明する図である。
【0152】
図16に示すように、変形例2に係るシステム1では、ユーザの主体情報として、ユーザIDに代えて、ユーザIDおよびイベントIDにより作成されたイベント別ユーザIDを用いる。
イベント別ユーザIDとは、特定のイベント内の各種の検札シーンにおいて、特定のユーザが共通して利用することができる識別情報であり、ユーザごと、およびイベントごとに固有の値をとる識別情報である。
【0153】
変形例2に係るシステム1では、ユーザが提示する二次元コードに、イベント別ユーザIDに関する情報が記録されている。そして、変形例2に係るシステム1では、保有DBにおいて、「ユーザID」フィールドに代えて、「イベント別ユーザID」フィールドが設けられている。
「イベント別ユーザIDフィールド」には、イベントIDとユーザIDに基づいて作成され、イベントとユーザの双方を識別可能な識別情報が格納されている。
【0154】
変形例2に係るシステム1では、主体情報の取得するステップ(
図14に示すステップS331)において、イベント別ユーザIDが記録された二次元コードを撮影することで、イベント別ユーザIDを主体情報として取得する。
そして、ステップS331の後に、変形例2に係るシステム1では、ユーザIDの特定に代えて、イベント別ユーザIDの特定を行う(ステップS332)。イベント別ユーザIDは、ユーザIDを含んでいるので、イベント別ユーザIDを特定することで、ユーザを特定することができる。
【0155】
次に、変形例2に係るシステム1では、ステップS332の後に、イベント別ユーザIDを用いて保有するチケットの特定を行う(ステップS333)。
具体的には、検札装置30のプロセッサ32は、特定したイベント別ユーザIDについてチケット管理サーバ20に対して照会を行うことで、保有するチケットを特定する。チケット管理サーバ20は、
図16に示す保有DBを参照し、検札装置30からの照会に係るイベント別ユーザIDに紐づけられたチケットIDを特定する。
【0156】
その後、検札装置30は、
図14に示すチケットの権限の確認の処理(ステップS334)を行う。その後の処理は、
図14に沿って行われる。
このように、変形例に係るシステム1では、ユーザIDに代えて、ユーザIDおよびイベントIDを含むイベント別ユーザIDを用いてユーザの主体情報を特定する。このため、保有DBに記録されたチケットの保有状態を示すデータ群のうち、ユーザIDとイベントIDの二つの識別情報を用いて、検札に必要な情報をソートすることができ、検札処理における判定の付加を低減することができる。また、主体情報をイベント毎に変更するため不正やミスを抑制できる。
【0157】
(6-3)変形例3(権限情報の特定の前に本人確認を行う)
次に、変形例3に係るシステム1について説明する。
図17は変形例3に係るシステム1の処理全体の流れを説明する図である。
【0158】
図17に示すように、変形例3に係るシステム1では、権限情報を特定するステップ(
図14におけるステップS334)に先立って、ユーザの本人確認を行う。
ユーザの本人確認では、ユーザを識別可能な生体情報を取得したうえで、予めユーザDBに登録されているユーザに関する情報を用いて生体認証を行う。
この変形例では、ユーザ端末10に表示される二次元コードには、以下の情報が含まれる。
・チケットID(本人確認に用いる情報)
・チェックディジット(本人確認に用いる情報)
・ユーザID(権限確認に用いる情報)
そして、検札装置30には、予め、以下の情報が登録されている。
・イベントID(本人確認に用いる情報)
・承認対象権限ID(承認対象情報、要求可否判定に用いる情報)
【0159】
まずシステム1では、イベント会場への入場を要求するユーザに対して、入場ゲートでの検札処理を行う。この際、検札装置30は、来場者の顔画像と、来場者が提示するチケット券面に表示された二次元コードを撮影する。これにより、検札装置30は、以下の情報を取得する。
・ユーザの生体情報(撮影した来場者の顔画像)
・チケットID(撮影した二次元コードに含まれた値)
・チェックディジット(撮影した二次元コードに含まれた値)
・ユーザID(撮影した二次元コードに含まれた値)
【0160】
次に、検札装置30はユーザの本人認証を行う。検札装置30のプロセッサ32は、取得した顔画像から、ユーザの生体情報の特徴量を抽出する。プロセッサ32は、抽出した特徴量と、取得したチケットIDと、予め登録されたイベントIDと、を用いた演算を行うことで、本人確認に用いるチェック用データを算出する。
プロセッサ32は、二次元コードを撮影することで取得したチェックディジットの値と、算出したチェック用データの値と、を用いた本人確認の判定を行う。チェックディジットの値とチェック用データの値とが、予め設定された基準に沿って類似すると判断された場合には、プロセッサ32は、本人確認をOKとする出力を行う。一方、チェックディジットの値とチェック用データの値とが、予め設定された基準に沿って類似しないと判断されたプロセッサ32は、本人確認をNGとする出力を行い、来場者の要求(入場)は拒絶される。
【0161】
すなわち、この説明における本人確認では、チェックディジットには、当該チェックディジットが記録されるチケットのチケットIDと、当該チケットの所有者であるユーザについて、ユーザDBに登録されたユーザIDに紐づく特徴量と、当該チケットが使用されるイベントのイベントIDと、を用いて作成された値が記録されている。このため、当該チケットの所有者として記録されているユーザ以外のユーザが使用した場合には、本人確認においてNGの判定を行うことができる。
【0162】
次に、検札装置30は、本人確認がOKとなった場合において、撮影した二次元コードに含まれていたユーザIDを特定することで、来場者のユーザIDの特定の処理(
図14に示すステップS332)を実行する。その後、検札装置30は、来場者であるユーザが保有するチケットの特定の処理(
図14に示すステップS333)を行う。その後の処理は、
図14に沿って行われる。
【0163】
このような構成を採用すれば、チェックディジットを用いた生体認証により本人確認を行ったうえで、同時に取得したユーザIDにより、ユーザが保有するチケットの権限の判定を行うことができる。これにより、本人へのなりすまし行為による不正利用を効果的に抑制することができる。また、本人確認のための生体情報の取得等の一連の処理により、ユーザの主体情報を取得できるので、検札処理に要する時間を削減することができる。
なお、本人確認として行われる生体認証については、前述したチェックディジットと用いた処理に限られず、予めユーザDBに登録されているユーザに関する情報を用いた生体認証であれば、その他の態様を採用してもよい。
【0164】
(6-4)変形例4(承認対象情報がチケットID)
次に、変形例4に係るシステム1について説明する。
図18は変形例4に係るシステム1の処理全体の流れを説明する図である。
【0165】
図18に示すように、変形例4に係るシステム1では、チケットの権限を識別可能な権限情報として、前述した権限IDではなく、チケットを識別するチケットIDが用いられる。すなわち、この変形例では、承認対象情報として、承認対象権限IDではなく、承認対象チケットIDを用いて、ユーザが保有するチケットの権限の判定が行われる。
【0166】
図18に示すように、変形例4に係るシステム1では、検札装置30に、承認対象情報として、チケットID(承認対象チケットID)が登録されている。検札装置30は、ユーザが保有するチケットIDと、承認対象チケットIDとを比較して、ユーザが保有するチケットの権限の判定を行う。
【0167】
承認対象情報となる承認対象チケットIDは、例えば、承認対象権限IDから設定することができる。具体的には、特定の検札装置30が承認するべき承認対象権限IDは、当該検札装置が配備される検札シーンに応じて設定される。次に、承認対象権限IDに該当するチケットのチケットIDは、チケットDBを参照することで特定することができる。このようにして、承認対象情報となる承認対象チケットIDを設定することができる。
【0168】
変形例4に係るシステム1の処理としては、まず、検札装置30のプロセッサ32は、来場者が提示する二次元コードを撮影する(
図14に示すステップS331)。
ステップS331の後に、プロセッサ32は、撮影した二次元コードを識別することで、二次元コードに記録されたユーザIDの特定を行う(
図14に示すステップS332)。
【0169】
ステップS332の後に、検札装置30は、ユーザが保有するチケットを特定する(ステップS333)。
具体的には、検札装置30のプロセッサ32は、ステップS332において特定したユーザIDについて、チケット管理サーバ20に対して照会することで、当該ユーザIDに該当するユーザが保有するチケットのチケットIDを特定する。この際、チケット管理サーバ20のプロセッサ22は、保有DBを参照して、特定したユーザIDに紐づけられたチケットIDを抽出する。これにより、検札対象である来場者が保有するチケットが特定される。
【0170】
ステップS333の後に、検札装置30は、ステップS333において特定した、検札対象である来場者が保有するチケットのチケットIDと、予め登録された承認対象チケットIDと、が一致するかどうかを判定する(
図14に示すステップS335)。すなわち、この変形例では、チケットの権限の確認(
図14に示すステップS334)は、ユーザが保有するチケットIDの特定(ステップS333)において同時に行われることとなる。
【0171】
そして、ユーザが保有するチケットのチケットIDが、承認対象チケットIDと一致する場合には、検札装置30は、ユーザに対して、ユーザからの要求を許可する。
図18に示す入場チケットへの検札の場面では、検札装置30は、ユーザに対してイベント会場への入場を承認する。
【0172】
一方、ユーザが保有するチケットのチケットIDが、承認対象チケットIDと一致しない場合、または、ユーザがチケットを保有していない場合には、検札装置30は、ユーザに対して要求を拒絶する。
図18に示す来場チケットへの検札の場面では、検札装置30は、ユーザに対してイベント会場への入場を拒絶する。
【0173】
(6-5)変形例5(承認対象情報がユーザID)
次に、変形例5に係るシステム1について説明する。
図19は変形例5に係るシステム1の処理全体の流れを説明する図である。
【0174】
図19に示すように、変形例5に係るシステム1では、チケットの権限を識別可能な権限情報として、前述した権限ID又はチケットIDではなく、ユーザIDが用いられる。すなわち、この変形例では、承認対象情報として、承認対象権限IDではなく、承認対象ユーザIDを用いて、ユーザが保有するチケットの権限の判定が行われる。
【0175】
変形例5に係るシステム1では、検札装置30に、承認対象情報として、ユーザID(承認対象ユーザID)が登録されている。検札装置30は、ユーザのユーザIDと、承認対象ユーザIDと、を比較して、ユーザが保有するチケットの権限の判定を行う。
【0176】
承認対象情報となる承認対象ユーザIDは、承認対象権限IDから設定することができる。具体的には、特定の検札装置30が承認するべき承認対象権限IDは、当該検札装置が配備される検札シーンにより設定される。次に、承認対象権限IDに該当するチケットのチケットIDは、チケットDBを参照することで特定することができる。そして、承認するべきチケットのチケットIDの保有者は、保有DBを参照することで特定することができる。このようにして、承認対象情報となるユーザIDを設定することができる。
【0177】
変形例5に係るシステム1の処理としては、まず、検札装置30のプロセッサ32は、主体情報の取得として、来場者の顔画像を撮影する(
図14に示すステップS331)。なお、来場者の顔画像の撮影に代えて、検札装置30は、ユーザIDが記録された二次元コードを撮影してもよい。
ステップS331の後に、プロセッサ32は、撮影した顔画像への画像処理により、来場者の生体情報の特徴量を抽出し、チケット管理サーバ20にユーザの照会を行うことで、ユーザIDの特定を行う(
図14に示すステップS332)。チケット管理サーバ20は、ユーザDBを参照して、検札装置30から送信された生体情報からユーザを特定し、特定したユーザIDを検札装置30に送信する。
【0178】
ステップS332の後に、検札装置30は、ステップS332において特定した、来場者のユーザIDと、予め登録された承認対象ユーザIDと、が一致するかどうかを判定し、承認可否の判定を行う(
図14に示すステップS335)。すなわち、変形例5に係るシステム1では、ユーザを特定する処理(ステップS332)により、チケットの権限の確認(
図14に示すステップS334)が同時に行われたこととなる。
【0179】
そして、来場者のユーザIDが、承認対象ユーザIDと一致する場合には、検札装置30は、ユーザに対して、ユーザからの要求を許可する。
図19に示す入場チケットへの検札の場面では、検札装置30は、ユーザに対してイベント会場への入場を承認する。
一方、来場者のユーザIDが、承認対象ユーザIDと一致しない場合には、検札装置30は、ユーザに対して要求を拒絶する。
図19に示す来場チケットへの検札の場面では、検札装置30は、ユーザに対してイベント会場への入場を拒絶する。
【0180】
(6-6)変形例6(一つの承認対象情報が複数の検札装置に登録)
次に、変形例6に係るシステム1について説明する。
図20は変形例6に係るシステム1の検札装置30が保有する承認対象情報を説明する図である。
【0181】
図20に示すように、変形例6に係るシステム1では、一つの承認対象情報が、複数の検札装置30に登録されている構成を備えている。
図20に示すように、例えばイベント会場内において、利用料金の違いなどに応じて、利用エリアに等級が設定されていることがある。この場合には、全ての来場者は会場の入場ゲートから入場したうえで、自身が所有するチケットが該当する利用エリアに進入する。そして、会場内には個別ゲートが設けられている。図示の例では、入場ゲートの他に、以下の3つの個別ゲートが設けられている。
・VIPエリアゲート
・S、Aエリア共通ゲート
・B、Cエリア共通ゲート
【0182】
そして変形例6に係るシステム1では、
図20に示すように、一つのイベントにおいて用いられる複数の検札装置30について、配備される検札場面ごとに、異なる承認対象情報が登録され、検札装置30同士で重複することが許容されている。図示の例では、以下の4つの検札装置30が、それぞれのゲートに配備されている。
・第1の検札装置30A(会場の入場ゲートに配備)
・第2の検札装置30B(VIPエリアゲートに配備)
・第3の検札装置30C(S、Aエリア共通ゲートに配備)
・第4の検札装置30D(B、Cエリア共通ゲートに配備)
【0183】
この場合には、会場入場ゲートに配備される第1の検札装置30Aは、全ての来場者の通過を承認する必要がある。このため、検札装置30Aには、承認対象権限IDとして、当該イベントの全てのチケットに関する権限IDが、承認対象情報(承認対象権限ID)として登録されている。
【0184】
次に、VIPエリアゲートに配備される第2の検札装置30Bは、来場者のうち、VIPエリアチケットに該当するチケットの保有者のみの通過を承認する。このため、検札装置30Bには、VIPエリアチケットに関する権限IDが、承認対象情報(承認対象権限ID)として登録されている。
【0185】
次に、S、Aエリア共通ゲートに配備される第3の検札装置30Cは、来場者のうち、Sエリア又はAエリアに該当するチケットの保有者のみの通過を承認する。このため、検札装置30Cには、SエリアチケットおよびAエリアチケットに関する権限IDが、承認対象情報(承認対象権限ID)として登録されている。
【0186】
次に、B、Cエリア共通ゲートに配備される第4の検札装置30Dは、来場者のうち、Bエリア又はCエリアに該当するチケットの保有者のみの通過を承認する。このため、検札装置30Dには、BエリアチケットおよびCエリアチケットに関する権限IDが、承認対象情報(承認対象権限ID)として登録されている。
【0187】
(7)その他の変形例
システム1のその他の変形例について以下に説明する。
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10と接続されてもよい。記憶装置21は、ネットワークNWを介して、チケット管理サーバ20と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、検札装置30と接続されてもよい。
【0188】
上記の検札処理は、
図14のように検札装置30が単独で行ってもよいし、検札装置30と他の装置(例えばチケット管理サーバ20)とが協働して行ってもよい。すなわち、チケット管理サーバ20に記憶された各DBの情報の少なくとも一部を、予め検札装置30の記憶装置31に記憶されることで、検札装置30が単独で処理を行うことができる。
【0189】
また、上記実施形態では、使用者がイベント会場に来場する態様について説明した。しかしながら、例えばイベントがオンラインイベントの場合には、使用者がユーザ端末10に表示される視聴ボタンを押下して、要求されるアカウント情報の入力を行うことで、
図14に示す主体情報の取得(ステップS331)が実行される。この場合には、ユーザが使用する端末は、検札装置30としての機能を実現してもよい。
【0190】
すなわち、チケットが、情報通信を介して提供されるイベントに関するものである場合には、チケットを用いてユーザが情報通信の提供を受けることをチケットの使用と呼び、チケットの使用の検出は、情報通信の提供の開始により実行される。
また、検札装置30は、要求可否の判定(
図14に示すステップS335)に代えて、視聴可否の判定を行う。
【0191】
また、上記実施形態では、チケット管理サーバ20が、チケット情報をユーザ端末10に送信する例を示した。しかしながら、チケット管理サーバ20は、チケット情報の代わりに、当該チケット情報の保存されたリソースを参照するためのリソース情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))をユーザ端末10へ送信してもよい。来場者は、自らのユーザ端末10によってリソース情報の示すリソースにアクセスすることで、当該ユーザ端末10のディスプレイにチケット情報を表示させることができる。
また、システム1では、チケット情報のユーザ端末10への送信を省略してもよい。
【0192】
上記の説明では、チケットの利用条件および付与条件として、ユーザの属性に関する情報を用いる例を示したが、この限りではない。チケットの利用条件および付与条件としては、例えば以下が挙げられる。
(1)利用条件として
・開場後からイベント終了時までにおいて利用可能(時期的条件)
・所定の場所のブースにおいて利用可能(位置的条件)
(2)付与条件として
・イベント開始30分前までの利用で付与可能(時期的条件)
・VIPルームでの検札を通過した場合に付与可能(位置的条件)
【0193】
また、チケットの利用条件および付与条件としては、ユーザの行動態様に対して所定の条件を設定してもよい。行動条件となるユーザの行動態様には、例えば、以下のいずれかが含まれ得る。
・ユーザのイベント会場に来場時刻、退場時刻、来場の順番
・自身のSNSアカウントでのイベントに関する発信
・当該イベントに関連するグッズの購入実績
・当該イベントに関連するイベントへの過去の参加実績
・当該イベント会場への来場時刻
・当該イベント会場からの退場時刻
・当該イベントへの同伴者の有無
【0194】
またシステム1では、デジタルコンテンツの所有者の情報がブロックチェーン上に記録された非代替性トークンであるNFTを、本発明のチケットとして管理してもよい。すなわち、チケットとして発行されたNFTを保有しているユーザが、当該NFTに設定された何らかの特典を付与される権限を有していることとなる。
【0195】
また、システム1では、チケットの検札時にこれまでの利用ステータスを、利用条件にしてもよい。具体的には、システム1は、既に利用済みのチケットについて、保有DBから保有記録を削除することで、その後の再利用において、ユーザIDと紐づいたチケットIDが確認できなくすることにより、既に利用済みのチケットを再度利用できないようにすることができる。
【0196】
また、システム1では、検札装置30は、チケットの検札時にチェックインリストを確認することで、利用ステータスや利用回数を確認してもよい。
【0197】
また、変形例2に係るシステム1では、ユーザIDとイベントIDとを含むイベント別ユーザIDを用いる処理を説明したが、この限りではない。
システム1では、イベント別ユーザIDに代えて、ユーザIDと、タイムスタンプ情報と、が記録された二次元コードを用いて処理を行ってもよい。
【0198】
また、上記の説明では、ユーザ端末10に主体情報が含まれる二次元コードを表示し、当該二次元コードを検札装置30により撮影する構成を示したが、この限りではない。例えばユーザ端末10と、検札装置30と、の間で行われる近距離無線通信により、ユーザID、ユーザが保有するチケットID、イベント別ユーザID、および生体情報などのユーザの主体情報、並びに、本人確認に用いられるチェックディジットを含む各種の情報をユーザ端末10から検札装置30に対して送信することで、検札装置30による各種の情報の取得が行われてもよい。
【0199】
また、権限DBに記録された利用条件については、権限DB以外の領域に記録されてもよい。例えば、チケットDBに、チケットIDに対応するチケットの利用条件が設定されていてもよいし、イベントDBに、イベントIDに対応するイベントへの参加条件が設定されていてもよい。
【0200】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、処理が矛盾しない範囲において、それぞれの一部の処理を組合せ可能、またはその一部を省略可能である。
【0201】
(8)付記
実施形態および変形例で説明した事項を、以下に付記する。
【0202】
(付記1)
プロセッサを備え、チケットを管理するシステムの処理に用いられるプログラムであって、
プログラムは、プロセッサに、
ユーザからの所定の要求に応答して、当該ユーザを識別可能な主体情報を取得するステップ(ステップS331)と、
主体情報に紐づけられたユーザが保有するチケットの権限を特定可能な権限情報を特定するステップ(ステップS334)と、
特定した権限情報が、所定の要求に対して予め登録された承認対象情報と一致するかどうかにより、ユーザからの所定の要求についての承認の可否を判定するステップ(ステップS335)と、を実行させるプログラム。
【0203】
(付記2)
主体情報を取得するステップ(ステップS331)では、
ユーザを識別可能な生体情報を取得するステップと、
取得した生体情報を用いて、ユーザデータベースを参照して、当該生体情報に対応するユーザのユーザIDを特定するステップと、を実行させる付記1に記載のプログラム。
【0204】
(付記3)
主体情報は、ユーザのユーザIDおよびイベントを識別するイベントIDにより作成された当該イベントにおいて共通する当該ユーザ固有のイベント別ユーザIDを含み、
主体情報を取得するステップ(ステップS331)では、イベント別ユーザIDが記録された二次元コードを撮影することで、イベント別ユーザIDを取得する、付記1に記載のプログラム。
【0205】
(付記4)
権限情報は、チケットを識別するチケットIDであり、
権限情報を特定するステップ(ステップS331)では、取得した主体情報と紐づけられたチケットのチケットIDを特定する、付記1に記載のプログラム。
【0206】
(付記5)
権限情報は、チケットの権限について識別可能に設定された権限IDであり、
権限情報を特定するステップ(ステップS334)では、取得した主体情報と紐づけられたチケットのチケットIDを特定するステップと、
特定したチケットIDと紐づけられた権限IDを特定するステップと、を実行させる、付記1に記載のプログラム。
【0207】
(付記6)
承認の可否を判定するステップ(ステップS335)では、
チケットの利用条件を参照して、要求の可否を判定する、付記1に記載のプログラム。
【0208】
(付記7)
権限情報を特定するステップに先立って(ステップS334)において、
ユーザを識別可能な生体情報を取得したうえで、予め登録されているユーザ情報を参照して、ユーザの本人確認を行うステップを実行させる、
付記1に記載のプログラム。
【0209】
(付記8)
プロセッサを備え、チケットを管理するシステムの処理に用いられる方法であって、
方法は、プロセッサが、
ユーザからの所定の要求に応答して、当該ユーザを識別可能な主体情報を取得するステップ(ステップS331)と、
主体情報に紐づけられたユーザが保有するチケットの権限を特定可能な権限情報を特定するステップ(ステップS334)と、
特定した権限情報が、所定の要求に対して予め登録された承認対象情報と一致するかどうかにより、ユーザからの所定の要求についての承認の可否を判定するステップ(ステップS335)と、を実行する方法。
【0210】
(付記9)
プロセッサを備え、チケットを管理するシステムであって、
システムは、プロセッサが、
ユーザからの所定の要求に応答して、当該ユーザを識別可能な主体情報を取得する手段と、
主体情報に紐づけられたユーザが保有するチケットの権限を特定可能な権限情報を特定する手段と、
特定した権限情報が、所定の要求に対して予め登録された承認対象情報と一致するかどうかにより、ユーザからの所定の要求についての承認の可否を判定する手段と、を備えるシステム。
【符号の説明】
【0211】
1 :チケット管理システム
10 :ユーザ端末
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
20 :チケット管理サーバ
21 :記憶装置
22 :プロセッサ
23 :入出力インタフェース
24 :通信インタフェース
30 :検札装置
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース