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特開2024-99409仮想通貨価額設定装置、仮想通貨価額設定方法、プログラム、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099409
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】仮想通貨価額設定装置、仮想通貨価額設定方法、プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/36 20120101AFI20240718BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20240718BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240718BHJP
   G06Q 20/12 20120101ALI20240718BHJP
【FI】
G06Q20/36
G06Q20/06 300
G06Q50/10
G06Q20/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003337
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】高田 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】星野 光一
【テーマコード(参考)】
5L020
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA14
5L020AA27
5L020AA68
5L049CC11
5L050CC11
5L055AA14
5L055AA27
5L055AA68
(57)【要約】
【課題】 本発明は、仮想通貨の利用形態を考慮して、利用者の地域への再訪や行動変容を促す仮想通貨価額設定装置の提供を目的とする。
【解決手段】情報取得部11、価額設定部12、及び、代金支払部13を含み、前記情報取得部11は、現地での直接利用及び通信回線網を介した取引による利用の少なくとも一方を含む仮想通貨の利用状況に関する利用者情報を取得し、前記価額設定部12は、直接利用の場合に係る交換率及び通信回線利用の場合に係る交換率を含む価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、前記代金支払部13は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取得部、価額設定部、及び、代金支払部を含み、
前記情報取得部は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定部は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払部は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行する、
仮想通貨価額設定装置。
【請求項2】
前記利用者情報は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用履歴に関する情報を含む、
請求項1記載の仮想通貨価額設定装置。
【請求項3】
さらに、利用情報取得部及び利用履歴管理部を含み、
前記利用情報取得部は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用実績に関する情報を取得し、
前記利用履歴管理部は、前記利用実績に関する情報に基づく利用履歴を管理し、
前記情報取得部は、前記利用履歴管理部が管理する前記利用履歴を前記利用者情報として取得する、
請求項2記載の仮想通貨価額設定装置。
【請求項4】
前記情報取得部は、直接利用付随情報及び通信回線利用付随情報の少なくとも一方の情報を前記利用者情報として取得し、
前記直接利用付随情報は、前記利用者による現地での直接利用に付随する情報であり、利用交通手段の情報を含み、
前記通信回線利用付随情報は、通信回線網を介した取引による利用に付随する情報であり、前記利用者の外出の可否の情報を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の仮想通貨価額設定装置。
【請求項5】
情報取得工程、価額設定工程、及び、代金支払工程を含み、
前記情報取得工程は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定工程は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払工程は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
仮想通貨価額設定方法。
【請求項6】
前記利用者情報は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用履歴に関する情報を含む、
請求項5記載の仮想通貨価額設定方法。
【請求項7】
さらに、利用情報取得工程及び利用履歴管理工程を含み、
前記利用情報取得工程は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用実績に関する情報を取得し、
前記利用履歴管理工程は、前記利用実績に関する情報に基づく利用履歴を管理し、
前記情報取得工程は、前記利用履歴管理工程において管理する前記利用履歴情報を前記利用者情報として取得し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項6記載の仮想通貨価額設定方法。
【請求項8】
前記情報取得工程は、直接利用付随情報及び通信回線利用付随情報の少なくとも一方の情報を前記利用者情報として取得し、
前記直接利用付随情報は、前記利用者による現地での直接利用に付随する情報であり、利用交通手段の情報を含み、
前記通信回線利用付随情報は、通信回線網を介した取引による利用に付随する情報であり、前記利用者の外出の可否の情報を含み、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項5から7のいずれか一項に記載の仮想通貨価額設定方法。
【請求項9】
情報取得手順、価額設定手順、及び、代金支払手順を含み、
前記情報取得手順は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定手順は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払手順は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
情報取得手順、価額設定手順、及び、代金支払手順を含み、
前記情報取得手順は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定手順は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払手順は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想通貨価額設定装置、仮想通貨価額設定方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
観光地では、土日や長期休暇の期間に観光客が集中し、その他の期間には観光客が少ない等、観光客の集客状況に偏りがある。また、観光資源が乏しい地域では、観光客が集まりにくいという状況がある。そこで、観光客の偏りを解消するとともに、観光客が少ない地域での集客を増やし、地域の活性化を図る目的として、地域で利用する仮想通貨等を活用するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2022/208712公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなシステムにおいては、利用者の属性、混雑状況、施設の状況等を考慮して値引きが行われるが、その地に訪れた観光客の利便性向上を目的としており、地域のファンやリピーターを増やすことについては考慮されていない。
【0005】
そこで、本発明は、仮想通貨の利用形態を考慮して、利用者の地域への再訪や行動変容を促す仮想通貨価額設定装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の仮想通貨価額変動装置は、
情報取得部、価額設定部、及び、代金支払部を含み、
前記情報取得部は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定部は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払部は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行する。
【0007】
本発明の仮想通貨価額変動方法は、
情報取得工程、価額設定工程、及び、代金支払工程を含み、
前記情報取得工程は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定工程は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払工程は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される。
【0008】
本発明のプログラムは、
情報取得手順、価額設定手順、及び、代金支払手順を含み、
前記情報取得手順は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定手順は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払手順は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の記録媒体は、
情報取得手順、価額設定手順、及び、代金支払手順を含み、
前記情報取得手順は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定手順は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払手順は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、仮想通貨の利用可能額を利用者の利用形態に応じて設定することで、利用者に対して現実の訪問を促し、利用者と地域との関わりがより密接になるように働きかけ、仮想通貨の利用者の行動変容を促すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1の仮想通貨価額設定装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1の仮想通貨価額設定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1の仮想通貨価額設定方法の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態2の仮想通貨価額設定装置の一例の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態2の仮想通貨価額設定方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0013】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の仮想通貨価額設定装置10(以下「本装置10」ともいう。)の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本装置10は、情報取得部11、価額設定部12及び代金支払部13を含む。また、本装置10は、図示していないが、例えば、入力部、出力部、表示部及び/又は記憶部を含んでもよい。
【0014】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等が挙げられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムのサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0015】
前記情報取得部11は、利用者情報を取得する。前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含む情報である。前記仮想通貨は、例えば、地域通貨、クーポン、ポイント等であり、これに限定されず、現地への代金支払に利用できるものであれば、その形態はどのようなものであってもよい。前記現地は、例えば、特定の地域に所在する店舗であるが、これに限定されず、例えば、前記地域内で役務の提供を受け、店舗外で代金を支払う場合の支払場所等でもよく、地域内で経済活動を行う者に対する代金の支払場所であればよい。また、仮想通貨の対象は、地域に限定されず、例えば、商店街を構成する各店舗等、一定の集団に属する者を対象としてもよく、さらに、集団に限定されず、例えば、個人又は個々の店舗を対象としてもよい。したがって、前記現地は、仮想通貨の対象となる各店舗であり、店舗外で利用代金の支払を行う場合には、その支払場所も含まれる。
【0016】
仮想通貨の利用形態は、例えば、現地に実際に訪問して仮想通貨を直接利用する場合のほかに、通信回線網を介した取引(以下「オンライン取引」ともいう。)によって利用される場合がある。現地での直接利用が増加すれば、例えば、観光客等が現地に集まり、現地の活性化につながる。オンライン取引による利用が増加すれば、例えば、現地との取引が容易になり、取引の増加が期待できる。また、例えば、オンライン取引利用後の現地での直接利用に対して利用可能額の上乗せをすれば、オンライン取引時の宣伝効果を増大させることができる。さらに、現地における旅行中のオンライン取引に対して利用額の上乗せをすれば、閉店後の購入や宿泊先に戻ってからの購入等を促すことができ、買いそびれ防止や消費の促進が期待できる。また、現地での直接利用後に、現地を離れてからオンライン取引利用をする場合であっても、これを促すことによって、前記利用者の現地に対する意識が強くなる効果があり、前記利用者が現地への再訪問を考えるきっかけになり得る。このように、直接利用及びオンライン取引利用の優遇措置は、様々な方法及び組合せが可能であり、優遇措置の内容によってそれぞれ異なる効果が期待できる。そこで、直接利用、オンライン取引利用及びそれらの組合せに対して、仮想通貨の利用可能額を適切に調整することは、仮想通貨の利用者の行動変容を生じさせ、現地の活性化に有用である。このような観点から、本発明は、仮想通貨の直接利用の場合とオンライン取引利用の場合とを分けて管理し、実情に応じた利用可能額の基準を設定する。
【0017】
そこで、前記情報取得部11は、利用者情報として、現地での直接利用であるかの情報(直接利用情報)及びオンライン取引利用であるかの情報(通信回線利用情報)とを区別して、これらを含む利用者に係る利用状況に関する情報を取得する。なお、前記利用状況に関する情報は、直接利用情報及び通信回線利用情報の少なくとも一方の情報に限定されず、例えば、利用者の属性に関する情報、利用時期に関する情報、利用時の事情に関する情報を含めてもよい。前記利用者の属性に関する情報には、例えば、現地の住民であるか否かの情報、年齢、性別、現地訪問回数、国籍、現在の住まいの地域、家族構成(子供やお年寄りがいるか)等が含まれる。前記利用時期に関する情報は、例えば、仮想通貨の利用日時であるが、サービスの開始時刻、終了時刻、支払時刻を基準としてもよく、日のみの情報でもよく、仮想通貨設定の基準に応じた情報でよい。前記利用時の事情に関する情報は、例えば、現地への利用交通手段、現地での宿泊の有無、現地訪問のグループ構成(家族、友人、仕事仲間など)、現地訪問の目的(観光、ビジネス、帰省など)、現在の位置情報等の情報が含まれる。また、仮想通貨の利用を繰り返した場合の効果や直接利用とオンライン利用との組合せによる効果等を考慮して、利用者情報は、利用回数、前回の利用形態等を含むものとしてもよい。
【0018】
前記価額設定部12は、価額設定算出の交換率を用いて、利用者が有する仮想通貨の利用可能額を設定する。本発明は、直接利用又はオンライン取引利用の別を含む仮想通貨の利用条件に応じて、代金の割引ではなく、前記利用条件に応じた交換率を用いて、仮想通貨の利用可能額を設定するものである。例えば、利用者が1,000円で購入した仮想通貨を保有している場合、例えば、平日に現地で直接利用した場合の基準として、保有額の1.2倍を利用可能額とする価額設定基準が定められていれば、前記利用者は、仮想通貨として1,200円を持っているものとして、買い物等ができるというものである。
【0019】
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、前述のとおり、利用者情報には、直接利用情報及び通信回線利用情報の少なくとも一方の情報が含まれる。したがって、仮想通貨の利用可能額を設定するための交換率は、仮想通貨の利用形態が、現地での直接利用によるもの及びオンライン取引利用によるものを区別して、それぞれの基準が定められる。そこで、現地での直接利用による交換率は、例えば、現地での直接利用の場合、利用可能額を保有額の1.2倍とするとの基準が定められる。なお、前記交換率は、任意に定めることができ、例えば、1.3倍にする等、実情に応じて定めてよい。さらに、交換率の設定は、直接利用又はオンライン取引利用の別を基準としたものに限定されない。例えば、利用者の属性に関する情報、利用時期に関する情報、利用時の事情に関する情報に応じた基準を設定してもよい。例えば、利用者が現地の住民以外である場合に、交換率に10パーセント上乗せするという基準を設定してもよい。この基準によれば、通常の交換率が1.1倍のときで、利用者が現地の住民以外の場合には、交換率は1.2倍となり、購入時1,000円分の仮想通貨の利用可能額は、1,200円となる。このように、直接利用か否かによる交換率のみでなく、利用者情報として取得した他の情報に基づく交換率の基準を設定することも可能である。
【0020】
前記代金支払部13は、価額設定部12が設定した利用可能額に基づいて利用者が利用した仮想通貨の支払処理を実行する。利用者は、前記利用可能額に基づいて利用代金支払の操作を行い、前記代金支払部13は、利用代金に相当する仮想通貨の支払を行い、仮想通貨の保有残高と利用可能額を更新する処理を行う。例えば、利用者が、1,000円分の仮想通貨を購入し、価額設定基準において交換率が1.2倍と定められていた場合、価額設定部12は、前記仮想通貨の利用可能額を1,200円と設定する。このとき、利用者が900円の商品を購入する場合、利用者は、仮想通貨で利用代金900円を支払う操作を行い、代金支払部13は、利用代金900円に相当する仮想通貨の保有額750円分の支払を行い、利用者の仮想通貨の保有残高を250円分と、利用可能額残高を300円とそれぞれ更新する処理を行う。
【0021】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0022】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、情報取得部11、価額設定部12、及び代金支払部13として機能する。本装置10が、前記出力部を含む場合、中央処理装置101は、前記出力部として機能してもよい。本装置10は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、CPUとこれらとの組合せを備えてもよい。
【0023】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、ユーザの端末、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等が挙げられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0024】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0025】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置104は、前記記憶部として機能する。前記記憶部は、例えば、前記利用者情報、前記価額設定算出の交換率、前記仮想通貨の利用可能額及び保有残高並びに後記利用実績に関する情報及び後記利用履歴等を記憶できる。
【0026】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、前記利用者情報等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0027】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等が挙げられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレー、液晶ディスプレー等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等が挙げられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレーのように、一体として構成されてもよい。
【0028】
つぎに、本実施形態の仮想通貨価額設定方法の一例を、図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の仮想通貨価額設定方法は、例えば、図1又は図2の本装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の仮想通貨価額設定方法は、図1又は図2の本装置10の使用には限定されない。
【0029】
まず、情報取得部11は、利用者情報を取得する(S1、情報取得工程)。利用者情報は、前述のとおり、直接利用であるか、オンライン取引利用であるかを区別する情報(直接利用情報及び通信回線利用情報)を含む利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報である。仮想通貨の直接利用は、例えば、利用者の携帯端末を用いて、現地の店舗に設置された決済用端末から情報を受け取って直接利用のための専用画面を開いて、仮想通貨の利用に必要な情報を入力して利用される。また、仮想通貨のオンライン取引利用は、例えば、インターネット上のオンラインショッピングサイトからオンライン取引利用のための専用画面を開いて、仮想通貨の利用に必要な情報を入力して利用される。直接利用とオンライン取引利用とは、例えば、利用する専用画面が異なることにより区別され、例えば、直接利用のための専用画面から操作された場合には、情報取得部11は、直接利用情報を取得し、例えば、オンライン取引利用のための専用画面から操作された場合には、情報取得部11は、通信回線利用情報を取得する。なお、利用者は、例えば、オンライン取引利用として操作した後に、現地での直接利用としての操作をする場合もあり、情報取得部11は、直接取引情報及び通信回線利用情報の双方を取得する場合もある。この場合には、例えば、直近の操作に係る情報を優先する、直接取引情報を優先する、現地のエリア内からのオンライン取引利用の場合の特別の基準を設ける、現地外でオンライン取引したあと、現地に訪問して複数回現地で直接取引したときの基準は同一とする等、双方の情報を調整する基準を設けてもよい。このように、例えば、それぞれの利用方法に連動させて、直接利用情報及び通信回線利用情報の少なくとも一方の情報が取得される。なお、直接利用の方法は、具体的には、例えば、利用者の携帯端末を用いて、現地の店舗で用意されたQRコード(登録商標)の読込み、決済用端末との通信等によって、直接利用のための専用画面を表示させて行うが、これに限定されず、店舗に設置された決済用端末に専用カードを挿入して前記決済用端末に必要事項を直接入力する、店舗に設置された決済用端末に金額を表示させ、専用カードやバーコード等が印字された専用の用紙を決済用端末にタッチ(接触、非接触通信)する、前記専用カード等ではなく、アプリケーションをインストールしたスマートフォンとする等の方法等でもよい。また、オンライン取引利用の方法は、例えば、インターネット上のオンラインショッピングサイトからオンライン取引利用のための専用画面を開いて操作する方法によるが、これに限定されず、SNSでのやり取りからの操作等でもよい。なお、直接利用情報及び通信回線利用情報は、例えば、店舗に設置された決済用端末に基づく画面等、必要事項を入力するための画面の種類に応じて自動的に取得されるが、これに限定されず、GPSなどによる位置情報で代替する等でもよい。
【0030】
つぎに、価額設定部12は、価額設定算出の交換率を用いて、利用者が有する仮想通貨の利用可能額を設定する(S2、価額設定工程)。前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、具体的には前述したとおりである。なお、情報取得部11において、直接取引情報及び通信回線利用情報の双方を取得した場合には、例えば、前述のとおり、一方の情報を選択するための基準を設けてもよく、双方の情報を考慮した基準を設けてもよい。価額設定算出の交換率は、例えば、利用日毎に変更するものでもよいが、これに限定されず、例えば、曜日指定及び繁忙期の期間指定をして基準を定めて、定期的又は随時改定するものであってもよい。
【0031】
つぎに、代金支払部13は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した仮想通貨の支払処理を実行する(S3、代金支払工程)。前記利用者は、例えば、前記価額設定部12が設定した仮想通貨の利用可能額を参照し、商品の購入代金が支払可能であることを確認した上で、支払のための操作を行う。前記利用者が前記操作を行ったとき、代金支払部13は、例えば、前記仮想通貨の保有額を管理するデータベース等に対して、購入代金に相当する仮想通貨の保有額の支払の実行を指示して、仮想通貨の支払手続を行い、前記支払の実行後の前記利用可能額の残額及び仮想通貨の保有残額を算出して、算出した情報を前記データベース等に出力する支払処理を実行する。なお、前記利用者が保有する仮想通貨は、例えば、個人別に仮想通貨の保有状況を管理する外部データベースによって管理される。ただし、仮想通貨の管理方法は、外部データベースによるものに限定されず、例えば、本装置10の記憶装置による管理でもよく、専用カードに記憶及び/又は記載する等、仮想通貨の保有残高を個人別に管理できる方法であればよい。また、前記代金支払部11は、例えば、算出した前記利用可能額の残額及び仮想通貨の保有残額の情報を、前記利用者の携帯端末等にも送信し、前記利用者が自己の携帯端末で前記情報を確認できるようにしてもよい。
【0032】
本実施形態の仮想通貨価額設定方法について、直接利用の場合を例に挙げて具体的な流れを説明すると、例えば、以下のとおりである。まず、利用者は、購入金額1,000円分の仮想通貨を保有している。前記利用者は、現地の店舗において、900円の商品を購入しようと考える。前記利用者は、自己の所有する携帯用端末を用いて、前記店舗に設置された決済用端末から情報を受け取り、直接利用のための専用画面を表示する。前記情報取得部11は、前記決済用端末から前記利用者についての直接利用情報を取得する。前記価額設定部12は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する仮想通貨の保有残高に前記交換率を乗じて利用可能額を設定する。前記交換率が1.2倍であった場合、前記利用者の利用可能額は、1,200円となる。利用者は、直接利用のための専用画面において、利用可能額確認の操作をする。前記専用画面は、前記価額設定部12が設定した前記利用可能額1,200円を表示する。前記利用者は、前記利用可能額であれば、購入代金900円の支払が可能であり、300円の利用可能額が残ることを確認し、前記専用画面において前記決済用端末に対する支払操作を行い、前記店舗の店員は、前記決済端末で支払確認の操作を行い、前記代金支払部13は、仮想通貨の支払処理を実行する。仮想通貨の支払に係る保有額は、購入代金900円に対応する保有額750円分であり、代金支払部13は、仮想通貨の保有残高を管理するデータベース等に前記保有額750円分の支払を指示する。さらに、代金支払部13は、前記支払後の利用可能額300円及び前記仮想通貨の保有残高250円を算出し、前記利用者の携帯端末上の前記専用画面に、前記支払後の利用可能額300円及び前記仮想通貨の保有残高250円の情報を表示させる。上記に示した具体的な流れは、本実施形態の仮想通貨価額設定方法の一例であり、これに限定されない。
【0033】
なお、前記価額設定部12で設定した仮想通貨の利用可能額並びに前記代金支払部13が算出した仮想通貨の利用可能額の残額及び保有残高の表示は、適宜の時期に表示してよい。例えば、直接利用のための専用画面において利用可能額の確認処理をしたときに、前記価額設定部12が設定した利用可能額を表示するものとしてもよい。表示の内容は、例えば、直接利用の場合の利用可能額のみを表示してもよく、オンライン取引利用の場合の利用可能額を併せて表示してもよく、当日の利用の場合の利用可能額のみを表示してもよく、他の日の分も併せて表示してもよい。また、代金支払の操作をした後に、例えば、直接利用のための専用画面に仮想通貨の利用可能額の残額及び保有残高を表示してもよい。前記仮想通貨の利用可能額の残額及び保有残高の表示は、例えば、支払処理終了後に自動的に表示されるものでもよく、残高確認の操作をしたときに表示するものでもよく、これらの両方の表示を行うものでもよい。なお、前記利用可能額、その残額及び保有残高の表示方法は、オンライン取引利用の場合も同様である。また、前述の説明は、利用者の携帯端末等の外部機器への表示であるが、例えば、店舗に設置される決済用端末が本装置10に含まれるものである場合に、前記決済用端末に前記利用可能額等を表示するように、前記利用可能額等の表示を本装置10に含まれる表示部で行うものであってもよい。
【0034】
[実施形態2]
実施形態2は、本発明の仮想通貨価額設定装置の他の例である。本実施形態の仮想通貨価額設定装置は、前記利用者の仮想通貨の利用実績の情報を取得して、利用履歴として管理し、管理した利用履歴を利用者情報として取得して、利用履歴による基準を加えた交換率に基づき、仮想通貨の利用可能額を設定するものである。
【0035】
本実施形態の仮想通貨価額設定装置について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態の仮想通貨価額設定装置10B(以下「本装置10B」ともいう。)の一例の構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態の本装置10Bは、実施形態1の本装置10の構成(情報取得部11、価額設定部12及び代金支払部13)に加えて、例えば、利用履歴情報取得部14及び利用履歴管理部15を含む。本装置10Bにおいて、例えば、利用履歴情報取得部14及び利用履歴管理部15を含むこと以外の構成は、実施形態1の本装置10と同様であり、その説明を援用できる。
【0036】
例えば、利用者が仮想通貨を繰り返し利用した場合に仮想通貨の利用可能額を優遇すれば、前記利用可能額の調整は、利用者の仮想通貨使用を促すことになり、現地と利用者とのつながりを強くし、現地の活性化につながる。そこで、利用履歴に基づく調整は、例えば、5回目以降は交換率を上乗せする等、利用回数に応じた調整であってもよい。例えば、再度の直接利用を優遇すれば、利用者に現地への訪問を促す効果がある。また、例えば、再度のオンライン取引利用を優遇すれば、利用者の現地に対する意識を高める効果が期待できる。したがって、利用履歴に関する情報は、利用回数に限定されず、例えば、過去の直接利用及びオンライン取引利用の別を含む過去の利用形態、利用者の属性に関する情報、利用時期に関する情報、利用時の事情に関する情報を含めてもよい。これにより、例えば、直接利用後のオンライン取引利用を優遇すれば、利用者の再度の訪問を促す効果が得られる等、現地を活性化するための利用者の行動変容に有用である。なお、前記利用履歴に関する情報は、実施形態1の本装置10においても、前述のとおり、利用者情報として取得して、前記利用履歴に応じた交換率を用いて、仮想通貨の利用可能額を設定することが可能である。一方、本実施形態の本装置10Bは、前記利用履歴を管理して、前記利用履歴を利用者情報として使用するものである。なお、この際に、本装置10Bは、情報取得部11において、実施形態1と同様に利用者情報を取得することに加えて、利用履歴管理部で管理した前記利用履歴を利用者情報として取得する。
【0037】
本実施形態の本装置10Bにおける利用履歴は、例えば、仮想通貨の利用毎の利用実績に関する情報の積み重ねによって形成される情報である。なお、前記利用履歴は、利用毎に取得された情報に基づくものに限定されず、例えば、一定期間毎にまとめて取得された情報、任意の時期に取得される情報等に基づくものであってもよい。また、利用実績に関する情報には、例えば、仮想通貨の利用形態、利用者の属性、利用時期、利用時の事情等に関する情報を含めてもよい。したがって、前記利用履歴は、例えば、利用回数、過去の直接利用の履歴、オンライン取引利用の履歴、その他の情報の履歴及びこれらの組合せから生成できる情報である。仮想通貨の前記利用実績に関する情報は、例えば、代金支払部13が支払処理を実施する際に、代金支払部13から利用情報取得部14に送信される。利用履歴管理部15は、例えば、利用情報取得部14が取得した利用実績に関する情報の蓄積データを整理又は分析して、利用履歴として管理する。なお、前記利用実績に関する情報の取得は、代金支払部13からの送信によるものに限定されず、例えば、代金支払時に発行されたクーポン券、利用者の携帯端末に送信された利用履歴に関する情報に基づくもの等であってもよい。また、利用履歴に関する情報には、有効期限を設定してもよい。
【0038】
仮想通貨の利用履歴に応じた仮想通貨の交換率の基準は、例えば、今回の利用形態がオンライン取引利用の場合で、かつ、前回の利用形態が直接利用の場合には、利用可能額を仮想通貨の保有残高の1.2倍とし、今回の利用形態がオンライン取引利用の場合で、かつ、前回の利用形態もオンライン取引利用の場合には、利用可能額を1.1倍とするというものである。また、今回の利用形態が直接利用の場合、前回の利用形態がオンライン取引利用の場合には、利用可能額を仮想通貨の保有残高の1.2倍とし、今回の利用形態が直接利用の場合で、かつ、前回の利用形態も直接利用の場合には、利用可能額を1.1倍とするというものである。なお、交換率の設定は、これに限定されず、任意に設定することができる。また、実施形態1の場合と同様に、他の要素を交換率の基準に反映させてもよく、例えば、今回の直接利用が平日の利用の場合には、さらに0.1倍分を上乗せして、今回の利用形態が直接利用の場合、前回の利用形態がオンライン取引利用の場合には、利用可能額を仮想通貨の保有残高の1.3倍とし、今回の利用形態が直接利用の場合で、かつ、前回の利用形態も直接利用の場合には、利用可能額を1.2倍という基準としてもよい。
【0039】
つぎに、本実施形態の仮想通貨価額設定方法の一例を、図5のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の仮想通貨価額設定方法は、例えば、図4に示す仮想通貨価額設定装置10Bを用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の仮想通貨価額設定方法は、図4の仮想通貨価額設定装置10Bの使用には限定されない。
【0040】
まず、情報取得部11は、利用者情報を取得する(S1、情報取得工程)。情報取得工程は、例えば、利用者による仮想通貨を利用するための操作等の際に、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報である利用者情報を取得するものであり、実施形態1の場合と同様である。そこで、本実施形態の仮想通貨価額設定方法について、実施形態1における説明を援用できる。ただし、利用履歴管理部15において前記利用者の利用履歴を管理している場合には、前記利用履歴も利用者情報として取得される。
【0041】
つぎに、価額設定部12は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者の有する仮想通貨の利用可能額を設定する(S2、価額設定工程)。価額設定工程は、実施形態1の場合と同様であり、その説明を援用できる。なお、前記価額算出の交換率には、前記利用者の利用履歴に応じた交換率が含まれる。
【0042】
つぎに、代金支払部13は、利用可能額に基づいて前記利用者が利用した仮想通貨の支払処理を実行する(S3、代金支払工程)。代金支払工程は、実施形態1の場合と同様であり、その説明を援用できる。なお、代金支払部13は、例えば、前記支払処理に使用した情報から仮想通貨の利用実績に関する情報を生成して、利用情報取得部14に送信してもよい。また、代金支払部13は、例えば、前記支払処理に伴い、利用実績の情報を有するクーポン券を発行してもよく、前記クーポン券に相当する情報を前記利用者の携帯端末に送信してもよく、その他適宜の方法で利用実績に関する情報を出力してもよい。
【0043】
つぎに、利用情報取得部14は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用実績に関する情報を取得する(S4、利用情報取得工程)。利用情報取得部14は、例えば、前記代金支払部13が前記代金支払工程に伴って送信した利用実績に関する情報を取得する。前記利用実績に関する情報の取得は、代金支払部13からの送信によるものに限定されず、例えば、クーポン券からの取得、携帯端末からの取得等、利用実績の情報を取得できる方法であればよい。なお、利用情報取得部14が取得する利用実績に関する情報は、代金支払部13が生成するものに限定されず、例えば、前記利用者が仮想通貨利用の操作を行った入力装置から送信されるものでもよく、仮想通貨の利用実績を把握できるものであればよい。
【0044】
つぎに、利用履歴管理部15は、利用実績に関する情報に基づく利用履歴を管理する(S5、利用履歴管理工程)。前記利用履歴は、例えば、過去の利用回数及び利用形態等の履歴に関する情報である。また、前記利用履歴は、利用実績に関する情報の積み重ねによって形成される。利用情報取得部14が取得した利用実績に関する情報は、例えば、利用履歴管理部15によって利用履歴形成に適した形式に整理して振り分けられ、仮想通貨の利用可能額及び保有残高を管理するデータベースに蓄積される。そして、利用履歴管理部15は、例えば、前記データベースに蓄積された利用情報に基づいて、利用履歴を作成して管理する。なお、前記利用情報の蓄積方法及び前記利用履歴の作成方法は、前述のものに限定されず、例えば、利用実績情報蓄積用の独立したデータベースによる利用実績に関する情報の蓄積、利用履歴に加工されたものを独立したデータベースに保存する等、利用実績に関する情報から利用履歴を作成して、利用履歴に応じた交換率を用いた利用可能額の設定に対応できるように利用履歴を管理できる方法であればよい。また、利用履歴に関する情報に有効期限等の条件を設定した場合には、利用履歴管理部15は、前記条件に従って利用履歴を管理する。
【0045】
利用履歴管理部15において利用履歴が管理されている場合には、例えば、利用者が仮想通貨を利用するための操作をした際に、情報取得部11は、前述のとおり、利用履歴管理部15が管理する利用履歴を利用者情報として取得する(S1)。そして、価額設定部12は、前記利用履歴を含む利用者情報に応じた交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定する(S2)。
【0046】
[実施形態3]
実施形態3は、直接利用の場合及びオンライン取引利用の場合の別に応じて、これらの場合に付随する情報を取得して、利用可能額の調整のよりきめ細やかな実施を可能にするものである。直接利用の場合、例えば、利用者は、自己が所有する携帯端末を用いて、直接利用のための専用画面を表示し、仮想通貨使用のための処理を行う。直接利用に対応する前記専用画面において、例えば、アンケート形式で、直接利用に付随する情報を取得する。例えば、直接利用の場合には、現地までの利用交通手段に関する項目を付随情報とする。なお、前記利用交通手段に関する項目は、例えば、電車やバス等の公共交通機関を利用して訪問したか、自家用車を使用して訪問したか等である。また、直接利用に付随する情報は、利用交通手段に限定されず、例えば、訪問したグループの人数、宿泊の有無等、直接利用に付随する情報であればよい。また、付随情報の取得方法は、アンケート形式によるものに限定されず、切符や定期券の確認、使用してきたことを証明できるような写真の提示等であってもよい。また、オンライン取引利用の場合も同様に、例えば、オンライン取引利用に対応する専用画面において、アンケート形式で追加情報を取得する。なお、オンライン取引利用の際の付随情報は、例えば、直接現地を訪問できない事情の有無である。また、直接訪問できない事情として、例えば、介護認定を受けている、仕事の都合による、飛行機や船の欠航等、具体的な例示を示してもよい。さらに、オンライン形式の際の付随情報は、現地に訪問できない事情に限定されず、例えば、商品が重たいもの、かさばるもの等の情報であってもよい。また、追加情報の取得方法は、アンケート形式によるものに限定されないことは、直接利用の場合と同様である。
【0047】
本実施形態の仮想通貨価額設定装置及び仮想通貨価額設定方法は、実施形態1及び実施形態2の場合と同様であるが、付随情報による利用可能額の調整を行うことによって、現地の活性化に向けた利用者の行動変容についてのよりきめ細やかな対応が可能となる。例えば、価額設定算出の交換率に、公共交通機関を利用して現地に訪問した場合の優遇措置を設けることで、公共交通機関の利用を促す効果が得られ、現地の活性化につながる。また、何らかの事情で現地に直接訪問できない利用者に対する優遇措置を設けることで、直接訪問することが困難である利用者との取引の可能性が高くなるという効果を得られる。
【0048】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、前述の仮想通貨価額設定方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、例えば、情報取得手順、価額設定手順、及び代金支払手順を実行させるためのプログラムである。
【0049】
前記情報取得手順は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定手順は、価格設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払手順は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行する。
【0050】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、例えば、情報取得手順、価額設定手順、及び代金支払手順として機能させるプログラムということもできる。
【0051】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の仮想通貨価額設定装置及び仮想通貨価額設定方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリ(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリ、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0052】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0053】
<付記>
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
情報取得部、価額設定部、及び、代金支払部を含み、
前記情報取得部は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定部は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払部は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行する、
仮想通貨価額設定装置。
(付記2)
前記利用者情報は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用履歴に関する情報を含む、
付記1記載の仮想通貨価額設定装置。
(付記3)
さらに、利用情報取得部及び利用履歴管理部を含み、
前記利用情報取得部は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用実績に関する情報を取得し、
前記利用履歴管理部は、前記利用実績に関する情報に基づく利用履歴を管理し、
前記情報取得部は、前記利用履歴管理部が管理する前記利用履歴を前記利用者情報として取得する、
付記2記載の仮想通貨価額設定装置。
(付記4)
前記情報取得部は、直接利用付随情報及び通信回線利用付随情報の少なくとも一方の情報を前記利用者情報として取得し、
前記直接利用付随情報は、前記利用者による現地での直接利用に付随する情報であり、利用交通手段の情報を含み、
前記通信回線利用付随情報は、通信回線網を介した取引による利用に付随する情報であり、前記利用者の外出の可否の情報を含む、
付記1から3のいずれか一項に記載の仮想通貨価額設定装置。
(付記5)
情報取得工程、価額設定工程、及び、代金支払工程を含み、
前記情報取得工程は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定工程は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払工程は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
仮想通貨価額設定方法。
(付記6)
前記利用者情報は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用履歴に関する情報を含む、
付記5記載の仮想通貨価額設定方法。
(付記7)
さらに、利用情報取得工程及び利用履歴管理工程を含み、
前記利用情報取得工程は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用実績に関する情報を取得し、
前記利用履歴管理工程は、前記利用実績に関する情報に基づく利用履歴を管理し、
前記情報取得工程は、前記利用履歴管理工程において管理する前記利用履歴情報を前記利用者情報として取得し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記6記載の仮想通貨価額設定方法。
(付記8)
前記情報取得工程は、直接利用付随情報及び通信回線利用付随情報の少なくとも一方の情報を前記利用者情報として取得し、
前記直接利用付随情報は、前記利用者による現地での直接利用に付随する情報であり、利用交通手段の情報を含み、
前記通信回線利用付随情報は、通信回線網を介した取引による利用に付随する情報であり、前記利用者の外出の可否の情報を含み、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記5から7のいずれか一項に記載の仮想通貨価額設定方法。
(付記9)
情報取得手順、価額設定手順、及び、代金支払手順を含み、
前記情報取得手順は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定手順は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払手順は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記10)
前記利用者情報は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用履歴に関する情報を含む、
付記9記載のプログラム。
(付記11)
さらに、利用情報取得手順及び利用履歴管理手順を含み、
前記利用情報取得手順は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用実績に関する情報を取得し、
前記利用履歴管理手順は、前記利用実績に関する情報に基づく利用履歴を管理し、
前記情報取得手順は、前記利用履歴管理手順において管理する前記利用履歴情報を前記利用者情報として取得し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記10記載のプログラム。
(付記12)
前記情報取得手順は、直接利用付随情報及び通信回線利用付随情報の少なくとも一方の情報を前記利用者情報として取得し、
前記直接利用付随情報は、前記利用者による現地での直接利用に付随する情報であり、利用交通手段の情報を含み、
前記通信回線利用付随情報は、通信回線網を介した取引による利用に付随する情報であり、前記利用者の外出の可否の情報を含み、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記9から11のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記13)
情報取得手順、価額設定手順、及び、代金支払手順を含み、
前記情報取得手順は、利用者情報を取得し、
前記利用者情報は、利用者に係る仮想通貨の利用状況に関する情報であり、前記利用者による現地での直接利用を示す直接利用情報及び通信回線網を介した取引による利用を示す通信回線利用情報の少なくとも一方を含み、
前記価額設定手順は、価額設定算出の交換率を用いて、前記利用者が有する前記仮想通貨の利用可能額を設定し、
前記価額設定算出の交換率は、前記仮想通貨の前記利用可能額を算出するために前記利用者情報の内容に応じて定められた交換率であり、
前記代金支払手順は、前記利用可能額に基づいて前記利用者が利用した前記仮想通貨の支払処理を実行し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記14)
前記利用者情報は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用履歴に関する情報を含む、
付記13記載の記録媒体。
(付記15)
さらに、利用情報取得手順及び利用履歴管理手順を含み、
前記利用情報取得手順は、前記利用者に係る前記仮想通貨の利用実績に関する情報を取得し、
前記利用履歴管理手順は、前記利用実績に関する情報に基づく利用履歴を管理し、
前記情報取得手順は、前記利用履歴管理手順において管理する前記利用履歴情報を前記利用者情報として取得し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記14記載の記録媒体。
(付記16)
前記情報取得手順は、直接利用付随情報及び通信回線利用付随情報の少なくとも一方の情報を前記利用者情報として取得し、
前記直接利用付随情報は、前記利用者による現地での直接利用に付随する情報であり、利用交通手段の情報を含み、
前記通信回線利用付随情報は、通信回線網を介した取引による利用に付随する情報であり、前記利用者の外出の可否の情報を含み、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記13から15のいずれか一項に記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、仮想通貨の利用可能額を利用者の利用状況に応じて設定することで、観光客の地域との関わりがより密接になるように、観光客の行動変容を促すことが可能になる。
【符号の説明】
【0055】
10、10B 仮想通貨価額設定装置
11 情報取得部
12 価額設定部
13 代金支払部
14 利用情報取得部
15 利用履歴管理部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス

図1
図2
図3
図4
図5