(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099417
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
A63F5/04 631
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003350
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】石井 彰
(72)【発明者】
【氏名】田中 寛弥
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518DA03
2C518DA06
2C518DA07
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣が向上した遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せと、第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せとでは、第1のリールの有効ライン上に表示される図柄として同じ図柄が設定されており、第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第1の図柄が設定されており、第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第2の図柄が設定されており、第1失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第1の図柄が設定されておらず第2の図柄が設定されており、第2失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第2の図柄が設定されておらず第1の図柄が設定されている。
【選択図】
図42
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として所定の引き込み範囲内に存在する図柄のうち前記内部抽選の結果に応じた図柄が有効ライン上に表示されるようにリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
役の入賞を判定する入賞判定手段と、
小役が入賞したことに基づいて、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、を備え、
前記内部抽選において得られる当選態様として、
第1のリールを1番目に停止させる操作態様で前記停止操作を行った場合に正解小役が入賞し得、第2のリールを1番目に停止させる操作態様で前記停止操作を行った場合に失敗小役が入賞し得る、第1当選態様と第2当選態様とがあり、
前記第1当選態様は、前記正解小役としての第1正解小役と、前記失敗小役としての第1失敗小役と、が重複して当選する当選態様であり、
前記第2当選態様は、前記正解小役としての第2正解小役と、前記失敗小役としての第2失敗小役と、が重複して当選する当選態様であり、
前記第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せと、前記第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せとでは、前記第1のリールの有効ライン上に表示される図柄として同じ図柄が設定されており、
前記第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第1の図柄が設定されており、
前記第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第2の図柄が設定されており、
前記第1失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として前記第1の図柄が設定されておらず前記第2の図柄が設定されており、
前記第2失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として前記第2の図柄が設定されておらず前記第1の図柄が設定されている、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球(遊技価値)が移動する遊技領域や、遊技球を遊技領域に発射する発射装置等を備えた、パチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、遊技領域に設けられた始動口を備え、始動口への遊技球の進入が検出されると、特別図柄抽選が行われる。特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、遊技状態が特別遊技状態に移行し、特別遊技状態において複数回の特別遊技が実行される。各特別遊技では遊技領域に設けられている大入賞口が開状態に動作し、大入賞口への遊技球の進入に基づいて遊技球が払い出される。
【0003】
また、遊技機として、外周面に複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバーおよびストップボタン等を備えた、スロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始操作に基づきリールの回転が開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。各リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが表示され、当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理や、メダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。また、スロットマシンには、特定の役に当選した場合に、特定の役の入賞を補助する指示演出が実行されるAT演出状態(アシストタイム演出状態)が設けられているものがある。このようなスロットマシンでは、AT演出状態において指示演出が実行されることで、遊技者は当該特定の役を入賞させることが容易となり、メダルを増加させることができる。
【0004】
このような遊技機には、例えば、第1の小役と第2の小役とが重複して当選する当選態様が設けられており、当該当選態様が得られた際に、第1正解打順で操作されて第1の小役が入賞すると9枚のメダルが払い出され、第2正解打順で操作されて第2の小役が入賞すると15枚のメダルが払い出されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機では、遊技の興趣を向上させることが求められている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、遊技の興趣が向上した遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリール(例えばリール20a~20c)と、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(例えば内部抽選手段42)と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として所定の引き込み範囲内に存在する図柄のうち前記内部抽選の結果に応じた図柄が有効ライン上に表示されるようにリールを停止させる制御を行うリール制御手段(例えばリール制御手段43)と、
役の入賞を判定する入賞判定手段(例えば入賞判定手段44)と、
小役が入賞したことに基づいて、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば払出制御手段45)と、を備え、
前記内部抽選において得られる当選態様として、
第1のリール(例えば右リール)を1番目に停止させる操作態様で前記停止操作を行った場合に正解小役が入賞し得、第2のリール(例えば中リール)を1番目に停止させる操作態様で前記停止操作を行った場合に失敗小役が入賞し得る、第1当選態様(例えば打順ベルA8)と第2当選態様(例えば打順ベルC8)とがあり、
前記第1当選態様は、前記正解小役としての第1正解小役(例えば小役8)と、前記失敗小役としての第1失敗小役(例えば小役24)と、が重複して当選する当選態様であり、
前記第2当選態様は、前記正解小役としての第2正解小役(例えば小役19)と、前記失敗小役としての第2失敗小役(例えば小役32)と、が重複して当選する当選態様であり、
前記第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せと、前記第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せとでは、前記第1のリールの有効ライン上に表示される図柄として同じ図柄(例えばベル図柄B「BLB」)が設定されており、
前記第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第1の図柄(例えばベル図柄B「BLB」)が設定されており、
前記第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第2の図柄(例えばリプレイ図柄「RP」)が設定されており、
前記第1失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として前記第1の図柄が設定されておらず前記第2の図柄が設定されており、
前記第2失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として前記第2の図柄が設定されておらず前記第1の図柄が設定されている。
【0009】
このような構成によれば、第1当選態様が得られた場合、第1のリール(右リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に第1正解小役が入賞し得、第2のリール(中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に第1失敗小役が入賞し得る。第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せと、第1失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せとでは、第2のリール(中リール)の有効ライン上に表示される図柄が第1の図柄と第2の図柄とで異なっている。このため、第1当選態様が得られた遊技で、第2のリール(中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に、第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがなく、かつ第1失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され得るようにできる。換言すると、第1失敗小役をこぼすようにすることができる。また、第2当選態様が得られた場合、第1のリール(右リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に第2正解小役が入賞し得、第2のリール(中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に第2失敗小役が入賞し得る。第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せと、第2失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せとでは、第2のリール(中リール)の有効ライン上に表示される図柄が第2の図柄と第1の図柄とで異なっている。このため、第2当選態様が得られた遊技で、第2のリール(中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に、第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがなく、かつ第2失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され得るようにできる。換言すると、第2失敗小役をこぼすようにすることができる。
したがって、第1当選態様または第2当選態様が得られ、所定の操作態様で停止操作が行われた場合に、失敗小役をこぼすことができる(遊技価値を獲得できないようにすることができる)。このように構成することで、例えば、所定の演出状態(例えばAT演出状態)における出玉性能を向上させることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技の興趣が向上した遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
【
図3】同、受皿とキャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)は受皿とキャンセルシュートを近接させた状態を示し、(b)は受皿とキャンセルシュートを離間させた状態を示す。
【
図4】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)はキャンセルシュートを前方から見たもので、(b)はキャンセルシュートを後方から見たものである。
【
図5】同、ホッパーユニットを前方から見た図である。
【
図7】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)はキャンセルシュートを上方から見た図であり、(b)はキャンセルシュートを左側方から見た図である。
【
図8】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、(a)はキャンセルシュートの前部材を透視した状態を示し、(b)はキャンセルシュートの後部材のみを示す。
【
図9】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第1仮想直線を示す。
【
図10】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第2仮想直線を示す。
【
図11】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第3仮想直線を示す。
【
図12】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第1仮想直線の一端を示す。
【
図13】同、キャンセルシュートについて説明するための図であり、第1仮想直線の他端を示す。
【
図14】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
【
図18】同、リール支持部と電源ボックスとの関係について説明するための図であり、(a)は筐体を前方から見た図であり、(b)は(a)のC-C線に沿って切断した断面図である。
【
図19】同、電源ボックスおよびリール支持部を上方から見た図である。
【
図21】同、異物侵入防止部を備える放熱口について説明するための図である。
【
図22】同、筐体背面の孔と電源ボックスとリール支持部との関係の変形例について説明するための図である。
【
図23】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図25】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図26】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図27】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図28】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図29】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図30】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図32】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図34】同、リールの停止制御について説明するための図である。
【
図35】同、リールの停止制御について説明するための図である。
【
図36】同、リールの停止制御について説明するための図である。
【
図37】同、リールの停止制御について説明するための図である。
【
図38】同、リールの停止制御について説明するための図である。
【
図39】同、リールの停止制御について説明するための図である。
【
図40】リールの図柄配列が所定の態様で構成されている場合に生じ得る問題について説明するための図である。
【
図41】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機における、所定の小役の入賞形態を示す図柄組合せについて説明するための図であり、(a)は所定の正解小役の入賞形態を示す図柄組合せであり、(b)は所定の失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せである。
【
図42】同、所定の小役の入賞形態を示す図柄組合せについて説明するための図であり、(a)は所定の正解小役の入賞形態を示す図柄組合せであり、(b)は所定の失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せである。
【
図43】所定の打順ベルが所定の態様で構成されている場合に生じ得る問題について説明するための図である。
【
図44】所定の打順ベルが所定の態様で構成されている場合に生じ得る問題について説明するための図である。
【
図45】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機における、リールの停止制御について説明するための図である。
【
図46】同、リールの停止制御について説明するための図である。
【
図47】同、本発明を適用可能な別の遊技機について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0013】
図1は、スロットマシン100を示す斜視図である。また、
図2は、スロットマシン100の筐体1の内部を示す斜視図である。このスロットマシン100は、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。なお、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっていてもよい。
【0014】
以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶことがある。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶことがある。筐体1は、木製、合成樹脂製、または金属製等となっている。また、筐体1の材料は1種類に限らず、例えば一部(天板2)が木製であり、その他(背板3、底板4および左右の側板5,6)が樹脂製となっていてもよい。また、例えば天板2が2種類の材料(樹脂と金属)で構成されていてもよい。
【0015】
筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分(上扉)と下側部分(下扉)とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシン100は、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能な、いわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。前扉20が、上扉と下扉とに分割されている場合、上扉および下扉はそれぞれ筐体1に対して開閉自在となっている。すなわち、上扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0016】
前扉20の上部側には、平板状のパネル21が設けられている。パネル21の背面(奥側)には演出装置としての表示装置(表示手段、液晶ディスプレイ)が設けられている。液晶ディスプレイには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。
【0017】
また、前扉20の中央部には、透明な表示窓(窓部)22が設けられている。表示窓22の奥には、3個のリール15a~15c(
図2参照)が横一列に設けられている。そして、表示窓22を介してリール15a~15cの一部が視認可能となっている。各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配列されており、リール15a~15cが停止すると、表示窓22を介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)が表示される。また、表示窓22には、リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、第1リール15aの中段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの中段と、によって有効ラインが構成されている。
【0018】
本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が「3」に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。3個のリール15a~15cが停止したときに、表示窓22を介して表示される図柄の組合せによって当選役が入賞したか否かが表示される。スロットマシン100では、遊技開始に伴ってリール15a~15cが回転を開始するとともに、内部抽選が実行され、当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。そして、リール15a~15cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0019】
前扉20には、演出(報知)等を行う演出装置としての照明装置(照明手段)24,25、スピーカ(音出力手段)等が設けられている。照明装置24は、前扉20のパネル21の上部側に設けられている。また、照明装置25,25は、前扉20の左右両端部に設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられ、遊技機の前面側の外形は凹凸を有するものとなっている。すなわち装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。
【0020】
スピーカ(図示せず)は、前扉20に複数設けられ、例えば上部および下部に設けられている。スピーカは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種演出用の音(音楽、BGM、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、液晶ディスプレイ、照明装置24,25およびスピーカの他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等が設けられていてもよい。
【0021】
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシン100を操作するための操作部30が設けられている。この操作部30には、メダル(遊技メダル、遊技媒体、遊技価値)を精算する際に操作される精算ボタン60、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32、3個のリール15a~15cのそれぞれの回転を停止させる際に操作されるストップボタン33(3個のストップボタン33a,33b,33c)、メダルを投入するためのメダル投入口34、メダル投入口34の下方で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン70、クレジットされたメダルをベット(投資)する際に操作される(最大の賭数を設定する際に操作される)MAXベットボタン35(ベットボタン)、等が設けられている。なお、ベットボタンとして、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン35(第1ベットボタン)の他に、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)が設けられていてもよい。また、前扉20には、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される演出ボタン36(演出操作部)が設けられている。
【0022】
また、操作部30には、遊技の演出等を選択する際に操作される操作盤57や、遊技情報が表示される表示ユニット58等が設けられている。操作盤57は操作部30の幅方向(左右方向)の略中央部に設けられており、表示ユニット58は、メダル投入口34の右側に設けられている。なお、操作盤57は、例えば、十字キー、決定ボタンおよびキャンセルボタン等を備えている。
【0023】
また、前扉20の下部には、スロットマシン100の内部よりメダルを排出する(送り出す)ための払出口50と、払出口50から排出された(払い出された)メダルを溜めておくことが可能な受皿38と、が設けられている。また、操作部30と受皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。この下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。なお、下パネル39は、押し込み可能に形成され、演出ボタンと同等の機能を有する演出操作部となっていてもよい。
【0024】
図2に示すように、筐体1の内部には、リールユニット14が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cや、リール15a~15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)等を備えている。なお、各リールは、各ステッピングモータの出力軸に固定されている。
【0025】
また、筐体1の内部における、底板4の上面には、各部品に電力を供給する電源ユニット(電源手段)10、メダルを貯蔵するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット(メダル払出装置11)11(払出装置)、メダル払出装置11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。なお、筐体1の内部(内側)に電源ユニット10等の部品が配置されたものを、裏箱ユニットと称してもよい。電源ユニット10は、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニット10から各部品に電力が供給される。なお、一部の部品には、電源ユニット10がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
【0026】
前扉20には、ドアキーシリンダ66が設けられており、ドアキーをドアキーシリンダ66に挿入して前扉20を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、前扉20の解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。
【0027】
スロットマシン100は、メダル投入口34にメダルが投入されると、規定枚数(規定投入数)を限度として、投入されたメダルが投入状態に設定される。また、スロットマシン100は、最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、メダルがクレジット記憶された状態でMAXベットボタン35が操作されると、規定枚数を限度として、クレジット記憶されたメダルが投入状態に設定される。
【0028】
スロットマシン100では、メダル投入口34を介してメダルが投入され、またはMAXベットボタン35が操作されて規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー32の操作が有効化され、遊技を開始することが可能な状態となる。また、有効化されたスタートレバー32が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リールが回転を開始し、各リールの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン33の操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン33が操作されると、操作されたストップボタン33に対応するリールの回転が停止する。すべてのリールが停止すると、遊技の結果に応じてメダルを払い出す処理やメダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0029】
スロットマシン100の内部には、主制御基板(主制御手段)と、副制御基板(副制御手段)と、が設けられている。副制御基板は、前扉20の背面側に設けられていてもよい。主制御基板は、MAXベットボタン35、スタートレバー32、ストップボタン33等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット14や、ホッパーユニット11等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号(情報)を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイおよびスピーカ等の各種演出装置の制御を行う。
【0030】
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0031】
主制御基板には、設定変更キーシリンダ(図示せず)や設定変更ボタン(図示せず)等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット10に設けられていてもよい。
【0032】
図1で示したように、前扉20の下部には、受皿38と、払出口50と、が設けられている。また、
図3(a)に示すように、受皿38の後方側にはキャンセルシュート40が設けられている。図示を省略するが、キャンセルシュート40の後方側(背面側)に、ホッパーユニット11(
図2)が配置されている。
【0033】
図3(b)は、受皿38とキャンセルシュート40を離間させた状態を示す図である。受皿38は、左右方向に長尺な略四角形状(略長方形状)の皿状に形成されている。受皿38は、底部381と、底部381を囲むように起立して形成された(立設された)縁部(壁部)382と、後方側の縁部382に形成された払出口50と、を主に備えている。なお、本実施形態では、受皿38は、メダル等を収容可能な凹状の収容部383を備えているが、収容部383は設けられていなくてもよい。換言すると、収容部383が設けられておらず、底部381がより大きく確保されていてもよい。
【0034】
縁部382は、払出口50から払い出されたメダルが受皿38からこぼれ落ちるのを防ぐ機能を有している。縁部382は、底部381の前側に設けられている前側縁部(前壁部382a)と、底部381の右側に設けられている右側縁部と、底部381の左側に設けられている左側縁部と、底部381の後ろ側に設けられている後側縁部と、からなっている。本実施形態では、前側縁部の高さ(底部381からの高さ)が最も低くなっているが、その高さは、メダルの直径以上の寸法となっている。
【0035】
キャンセルシュート40は、内側(内部)に空間を有するように形成されており、内側をメダルが通過可能となっている。キャンセルシュート40は、内部に侵入したメダルを受皿38に導くメダル通路(案内通路)として機能する。本実施形態では、キャンセルシュート40を「メダル通路」と言う場合がある。キャンセルシュート40は、複数の開口部(後述する)を備えている。換言すると、キャンセルシュート40は、メダルの入口部と出口部とを備えている。本実施形態では、キャンセルシュート40は、第1部材(前部材)と第2部材(後部材)とを前後から合わせて2部材で構成されているが、これに限らず1部材で構成されていてもよく、2部材以上の部材で構成されていてもよい。
【0036】
メダル通路(すなわちキャンセルシュート40)は、通路内でのメダル詰まりを防止する観点から、メダルをスムーズに流下(通過)可能に形成することが求められている。しかし、メダル詰まりを防止するため、メダル通路を、メダルのスムーズな流下を優先し過ぎた形状としてしまうと、後方に位置するホッパーユニット11等に対する不正行為を行いやすくなるという問題が生じる(不正対策性能が低下する)。また、不正対策性能を向上させるため、メダル通路の形状を複雑な形状とした場合には、メダルのスムーズな流下が実現されにくいものとなり、さらに、複雑な形状となる分、前扉20への他の部材の設置(配置)の妨げとなる(他の部材の設置スペースを圧迫する)という問題が生じる。
【0037】
本実施形態では、メダルのスムーズな流下の実現と、不正対策性能の向上と、他部材の設置の妨げの抑制と、をバランスよく達成(実現)することが可能なメダル通路の形状について説明する。
【0038】
(第2開口部402)
図3(b)に示すように、キャンセルシュート40の前方側下部には、前後方向に開口する第2開口部402(受皿側開口部)が設けられている。
図4(a)は、キャンセルシュート40を前方側から見た図である。第2開口部402は、前方から見て略四角形状となっている。
図3(a)に示すように、第2開口部402は、受皿38の払出口50と接している。なお、接しているとは、近接している場合と当接している場合とを含む。第2開口部402は、払出口50に対応(対向)する位置に設けられている。前後方向において、第2開口部402と払出口50とが重なるように形成されていると言うこともできる。第2開口部402は、キャンセルシュート40からのメダルの出口部となっている。
【0039】
キャンセルシュート40は、前後方向において、受皿38とメダル払出装置11(
図2)との間に設けられており、メダル払出装置11から送り出されたメダルを受皿38へ導くことが可能となっている(詳細は後述する)。
【0040】
図5は、メダル払出装置11(ホッパー)を前方側から見た図である。メダル払出装置11の前方側(前面側)には、メダル払い出し部111(払出部、発射口部)が設けられている。メダル払い出し部111は、メダルを通過させることが可能に形成されており、例えば、小役が入賞した場合や、クレジットされたメダルが存在する状態で精算ボタン60が押下された場合等に、メダル払い出し部111からメダルが送り出される(発射される)。メダル払い出し部111の開口は、略長方形状となっており、前方から見た場合に、斜め右下がりとなっている。
【0041】
メダル払い出し部111の周辺には周辺壁部112が設けられている。周辺壁部112は、メダル払出装置11の前面のうち、メダル払い出し部111の周辺の所定範囲の部分(壁部分)となっている。所定範囲とは、少なくとも、次に説明する第1開口部401(第1開口部401の開口面積)と対向する範囲を含む範囲(例えば、
図5における破線Qの内側の範囲)となっている。周辺壁部112は、前後方向に対して垂直または略垂直な面となっている。
【0042】
(第1開口部401)
図4(b)は、キャンセルシュート40を後方側(背面側)から見た図である。キャンセルシュート40の後方側には、前後方向に開口する第1開口部401(ホッパー側開口部)が設けられている。第1開口部401は、略長方形状となっており、後方から見た場合には左下がり(前方から見た場合には右下がり)となっている。第1開口部401は、前扉20を閉じた状態で、メダル払出装置11のメダル払い出し部111と接している。なお、接しているとは、近接している場合と当接している場合とを含む。
【0043】
前扉20を閉じた状態で、第1開口部401とメダル払い出し部111とは互いに向かい合った状態となる。開口の大きさは、第1開口部401の方が、メダル払い出し部111(の開口)よりも大きくなっている。第1開口部401は、メダル払い出し部111に対応(対向)する位置に設けられている。前後方向において、第1開口部401とメダル払い出し部111とが重なるように形成されていると言うこともできる。第1開口部401は、キャンセルシュート40へのメダルの入口部(第1の入口部)となっている。
【0044】
図6は、前扉20(下扉)を背面側から見た図である。前扉20におけるメダル投入口34(
図1)の下方には、メダルセレクタ(セレクタ)90が設けられている。メダルセレクタ90は、キャンセルシュート40よりも上方に設けられている。メダルセレクタ90は、メダル投入口34から投入されたメダルを選別する機能を有している。例えば、投入されたメダルが正規のメダルではない場合や、メダルの投入タイミングが適切なタイミングでない場合等に、メダルセレクタ90は、投入されたメダルを下方のキャンセルシュート40へ導く(下方のキャンセルシュート40に向けてメダルを落下させる)。
【0045】
(第3開口部403)
図7(a)は、キャンセルシュート40を上方から見た図である。キャンセルシュート40の上方側(上方の右側)には、第3開口部403(セレクタ側開口部)が設けられている。第3開口部403は、上下方向に開口している。第3開口部403は、メダルセレクタ90の下端部と接している。なお、接しているとは、近接している場合と当接している場合とを含む。第3開口部403は、略四角形状となっている。第3開口部403は、キャンセルシュート40へのメダルの入口部(第2の入口部)となっている。
【0046】
(各開口部の位置関係)
図7(b)は、キャンセルシュート40を左側から見た図(左側面図)である。第1開口部401と第2開口部402とは、上下方向において、異なる高さ(ずれた高さ)に設けられている。第1開口部401は、第2開口部402よりも上方に設けられている。
第3開口部403と第2開口部402とは、上下方向において、異なる高さに設けられている。第3開口部403は、第2開口部402よりも上方に設けられている。
第1開口部401と第3開口部403とは、上下方向において、異なる高さに設けられている。第3開口部403は、第1開口部401よりも上方に設けられている。
【0047】
メダル払出装置11のメダル払い出し部111から発射されたメダルは、第1開口部401を介してキャンセルシュート40(メダル通路)の内部に入る。そして、キャンセルシュート40は、第1開口部401から内部へ侵入したメダルを、前方へ導く(案内する)。第1開口部401からキャンセルシュート40の内部に入ったメダルは、キャンセルシュート40の内部を通過(流下、スライド)して進み、第2開口部402からキャンセルシュート40の外に出るようになっている。
【0048】
また、メダルセレクタ90から送り出された(メダルセレクタ90を通過した)メダルは、第3開口部403を介してキャンセルシュート40の内部に入る。そして、キャンセルシュート40は、第3開口部403から内部へ侵入したメダルを、下方へ導く(案内する)。第3開口部403からキャンセルシュート40の内部に入ったメダルは、キャンセルシュート40の内部を通過して進み、第2開口部402からキャンセルシュート40の外に出るようになっている。
【0049】
図8(a)は、キャンセルシュート40を前方から見た図であって、キャンセルシュート40の前方側を構成する部材を透視(透明化)したものである。第1開口部401と第2開口部402とは、左右方向において、異なる位置(ずれた位置)に設けられている。第1開口部401は、第2開口部402よりも左側に設けられている。また、第3開口部403と第2開口部402とは、左右方向において、異なる位置(ずれた位置)に設けられている。第3開口部403は、第2開口部402よりも右側に設けられている。また、第1開口部401と第3開口部403とは、左右方向において、異なる位置(ずれた位置)に設けられている。
【0050】
本実施形態では、第1開口部401の左端は、第2開口部402の左端よりも左側に位置しているが、第1開口部401の右端は、第2開口部402の左端と第2開口部402の右端との間に位置している。第1開口部401と第2開口部402とは、前方から見た場合における、左右方向のずれ量が比較的小さいが、上下方向(高さ方向)のずれ量が比較的大きいため、前方から見た場合に、重複する範囲(重なる部分)が存在していない。本実施形態では、第1開口部401と第2開口部402は、前方から見て重ならない位置に設けられている。
【0051】
第3開口部403の左端は、第2開口部402の右端よりも右側に設けられている。第3開口部403と第2開口部402とは、左右方向および上下方向(高さ方向)のずれ量が比較的大きく、前方から見た場合に重複する範囲(重なる部分)が存在しない。なお、第3開口部403と第2開口部402とは、開口方向(開口の向き)が異なっている。本実施形態では、第3開口部403と第2開口部402は、前方から見て重ならない位置に設けられている。
【0052】
第1開口部401と第3開口部403とは、左右方向および上下方向(高さ方向)のずれ量が比較的大きく、前方から見た場合に重複する範囲(重なる部分)が存在しない。なお、第1開口部401と第3開口部403とは、開口方向(開口の向き)が異なっている。本実施形態では、第1開口部401と第3開口部403は、前方から見て重ならない位置に設けられている。
【0053】
図8(b)は、キャンセルシュート40の後方側を構成する部材(のみ)を示す図である。キャンセルシュート40の内側の面(メダル通路を構成している面)には、第1傾斜面411と、第2傾斜面412と、第3傾斜面413と、が含まれる。
【0054】
第1傾斜面411は、左右方向において、右側ほど下方となるように傾斜する面(右下がりの傾斜面)となっている。第1傾斜面411は、第1開口部401から入ったメダルと接触し得るように形成されており、メダルが接触した場合には、そのメダルを右下(第2傾斜面412)に導く。
【0055】
第3傾斜面413は、左右方向において、左側に向かうほど下方となるように傾斜する面(左下がりの傾斜面)となっている。第3傾斜面413は、第3開口部403から入ったメダルと接触し得るように形成されており、メダルが接触した場合には、そのメダルを左下(第2傾斜面412)に導く。
【0056】
第2傾斜面412は、第1傾斜面411および第3傾斜面413よりも下方に設けられている。第2傾斜面412は、前後方向において、前側ほど下方となるように傾斜する面となっている。なお、本実施形態では、第2傾斜面412は、勾配(傾き)が異なる2つの斜面からなり、手前側の斜面の方が後方側の斜面よりも傾斜(水平面に対する傾斜)が大きくなっている。
【0057】
第2傾斜面412は、上方から落下してきたメダルと接触し得るように形成されており、接触したメダルを前方側(すなわち第2開口部402)へ導く。第2傾斜面412は、第2開口部402へ続くように形成されており、斜面を下って第2開口部402に到達したメダルは、第2開口部402から外(すなわち受皿38)へ排出される。
【0058】
ここで、第1開口部401から第2開口部402に至る(第1開口部401と第2開口部402を結ぶ)メダル通路を第1通路F1とし、第3開口部403から第2開口部402に至る(第3開口部403と第2開口部402とを結ぶ)メダル通路を第2通路F2とする。
【0059】
第1通路F1は、メダルが進む方向(進行方向)を変更させることが可能な形状を有している。第1通路F1は、少なくとも1つの曲がり部(屈曲部)を有していると言うこともできる。換言すると、第1通路F1は、クランク状となっている。
第2通路F2は、メダルが進む方向(進行方向)を変更させることが可能な形状を有している。第2通路F2は、少なくとも1つの曲がり部(屈曲部)を有していると言うこともできる。換言すると、第2通路F2は、クランク状となっている。
【0060】
第1開口部401から第2開口部402に至る第1通路F1は、矢印F1に示すように、後方から前方に進み、曲がり部(第1曲がり部)で曲がって右側(右下側)に進み、次の曲がり部(第2曲がり部)で曲がって前方側(前方下側)に進む通路となっている。
第1開口部401を介して後方から前方に発射されたメダルは、通路内の平面状の前面(
図12で符号Pを付した面)に衝突し得る。そして、メダルが衝突する前面には、メダル衝突による衝撃を緩和するための、金属板(緩衝部材)が配置されていてもよい。換言すると、メダル通路の(内面の)一部が金属板で形成されていてもよい。金属板を配置することで、メダルの衝突によって通路の内面が変形、破損等するのを防止できる。金属板は、例えば厚さ約0.4mmのステンレス鋼板であってもよい。なお、緩衝部材として金属板の代わりゴム(弾性体)を用いてもよい。
上記では、後方から前方に発射されたメダルが、通路内の平面状の前面に衝突するとしたが、これに限らず、当該メダルが通路内の曲面状の前面に衝突するようになっていてもよい。換言すると、当該前面が湾曲していてもよい。曲面状とは、例えば、前方に向かって凹となっている(窪んでいる)形状であってもよい。メダルが衝突する前面が曲面状となっている場合、平面状である場合に比べてメダル衝突による衝撃が緩和される。これにより、メダルを受皿38へ、よりスムーズに案内できる。
【0061】
第3開口部403から第2開口部402に至る第2通路F2は、矢印F2に示すように、上方から下方に進み、曲がり部(第3曲がり部)で曲がって左側(左下側)に進み、次の曲がり部(第2曲がり部)で曲がって前方側(前方下側)に進む通路となっている。
【0062】
また、第3開口部403から第1開口部401に至る通路を第3通路F3とする。図示を省略するが、第3通路F3は、第1通路F1および第2通路F2と同様に、少なくとも1つの曲がり部を有している。
【0063】
仮に、第1通路F1および第2通路F2が、メダルが進む方向を変更させることが可能な形状となっておらず、直線状である場合(曲がり部が設けられていない場合)、遊技者側から器具(棒状の部材)等を差し込み、不正(いたずら)を行うことが容易となる。本実施形態では、上述のとおり、第1通路F1および第2通路F2が、メダルが進む方向を変更させることが可能な形状となっているため(曲がり部を有しているため)、遊技者側からの器具(部材)等の差し込みが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。なお、不正対策性能を向上できるとは、器具等の差し込みにより部品が壊されるリスクが低減されていることを含む。
【0064】
ここで、
図9に示すように、第1開口部401と第2開口部402とを通過する(通る)仮想直線を第1仮想直線Xとする。本実施形態では、第1仮想直線Xを、メダル通路(第1通路F1)の内面と接触することなく引く(描出する)ことが可能となっている。換言すると、第1仮想直線Xは、メダル通路の内面に接触することなく描出することが可能な線である。さらに換言すると、第1開口部401と第2開口部402とを、メダル通路の内面と接触しない直線(第1仮想直線X)で結ぶことができる。
このような構成によれば、メダル通路(第1通路F1)は、メダル通路の内面と接触することなく第1仮想直線Xを引くことが可能な形状(直線状に連通する空間を有する形状)となっているため、メダルのスムーズな通過(払い出し)を実現できる。また、メダル通路(第1通路)を、第1仮想直線Xを引くことができないほどの複雑な形状とした場合に比べるとシンプルな形状である分、他部材の設置の妨げとなるのを防止できる。
【0065】
図10に示すように、第1開口部401と第3開口部403とを通過する(通る)仮想直線を第3仮想直線Zとする。本実施形態では、第3仮想直線Zを、メダル通路(第3通路F3)の内面と接触することなく引く(描出する)ことは不可能となっている。換言すると、第3仮想直線Zは、メダル通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。さらに換言すると、第1開口部401と第3開口部403とを、メダル通路の内面と接触しない直線(第3仮想直線Z)で結ぶことができない。第3仮想直線Zは、メダル通路の内面と接触する(当該直線上にメダル通路の内面が存在する)と言うこともできる。
このような構成によれば、メダル通路(第3通路F3)は、第3仮想直線Zを引くことができない形状となっているため、例えば、第3開口部403から器具(棒状の部材)等を差し込み、第1開口部401(メダル払い出し部111)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
また、第3仮想直線Zを引くことができない形状となっているので(直線状ではないため)、第3開口部403からキャンセルシュート40内に入ったメダルが、第1開口部401に向かって流下するという変則的な移動を防止できる。
【0066】
図11に示すように、第2開口部402と第3開口部403とを通過する(通る)仮想直線を第2仮想直線Yとする。本実施形態では、第2仮想直線Yを、メダル通路(第2通路F2)の内面と接触することなく引く(描出する)ことは不可能となっている。換言すると、第2仮想直線Yは、メダル通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。さらに換言すると、第2開口部402と第3開口部403とを、メダル通路の内面と接触しない直線(第2仮想直線Y)で結ぶことができない。第2仮想直線Yは、メダル通路の内面と接触する(当該直線上にメダル通路の内面が存在する)と言うこともできる。
このような構成によれば、メダル通路(第2通路F2)は、第2仮想直線Yを引くことができない形状となっているため、第2開口部402から器具(棒状の部材)等を差し込み、第3開口部403(メダルセレクタ90)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
【0067】
本実施形態では、第1通路F1の方が、第2通路F2よりもメダルが通過する頻度が高いものとなっている。第1通路F1は、不正対策を強化しつつ、メダルが高頻度で通過することを踏まえ、第1仮想直線Xを引くことができる形状とし、メダルのスムーズな通過を実現している。一方、第2通路F2は、メダルが通過する頻度が低い分、不正対策をより強化させ、第2仮想直線Yを引くことができない形状としている、と言える。
【0068】
図12に示すように、第1仮想直線Xにおける前方側(手前側)の端部を一端X1(一端部)とする。第1仮想直線Xは、一端X1が、受皿38の前側縁部(前壁部382a)に接触せず、受皿38の底部381に接触するように引くことが可能となっている。換言すると、第1仮想直線Xは、一端X1が、受皿38の前壁部382aに接触することなく、底部381に接触することが可能な線となっている。
このような構成によれば、一端X1が前壁部382aではなく底部381に接触するため、メダル通路を通過したメダルは、前壁部382aではなく底部381に接触する。これにより、メダルが前壁部382aを乗り越えて受皿38の外にこぼれ落ちるのをより確実に防止できる。
また、一端X1が前壁部382aに接触する場合よりも底部381に接触する場合の方(一旦X1がより奥側に位置している方)が、底部381が妨げとなるため、手前側から第1通路に器具(棒状の部材)等を差し込むことがより困難となる。これにより不正対策性能を向上させることができる。
【0069】
図13に示すように、第1仮想直線Xにおける後方側(奥側)の端部を他端X2(他端部)とする。第1仮想直線Xは、他端X2が、メダル払出装置11のメダル払い出し部111に接触せず、周辺壁部112(
図5)に接触するように引くことが可能となっている。換言すると、第1仮想直線Xは、他端X2が、メダル払出装置11のメダル払い出し部111に接触することなく、周辺壁部112に接触することが可能な線となっている。
このような構成によれば、他端X2がメダル払い出し部111ではなく周辺壁部112に接触するため、仮に第1通路F1に器具(棒状の部材)等が差し込まれた場合であっても、その先端がメダル払い出し部111に接触するのを(メダル払い出し部111にアクセスすることを)(その先端がメダル払い出し部111内に挿入されるのを)困難にすることができる。これにより、不正対策性能をさらに向上させることができる。
【0070】
(部材G)
ここで、所定の直径(例えば約5mm)を有し、かつ、所定の長さを有する棒状の部材を部材Gとする。所定の長さは、例えば、第3開口部403から第2開口部402までの直線距離よりも長い長さとする。
【0071】
前扉20が開いた状態で、背面側から第1開口部401に部材Gを差し込んだ場合、部材Gを第1通路F1に、第1通路F1の内面に接触することなく挿し通すことができ、第2開口部402から出た部材Gの先端は、受皿38の底部381に接触する。
また、前扉20が閉じた状態で、かつ受皿38が存在していない状態において、第2開口部402に部材Gを差し込んだ場合、部材Gを第1通路F1に、第1通路F1の内面に接触することなく挿し通すことができ、第1開口部401から出た部材Gの先端は、メダル払出装置11の周辺壁部112に接触する。なお、実際には受皿38の存在が妨げとなるため、手前側から第1通路F1に部材Gを差し込むことは困難である。
【0072】
また、前扉20が開いた状態で、背面側の第3開口部403に部材Gを差し込んだ場合、部材Gの先端を、第2開口部402から出すことはできない。換言すると、部材Gを第2通路F2に挿し通すことはできない。
また、前扉20が閉じた状態で、かつ受皿38が存在していない状態において、第2開口部402に部材Gを差し込んだ場合、部材Gの先端を、第3開口部403から出すことはできない。換言すると、部材Gを第2通路F2に挿し通すことはできない。
また、前扉20が開いた状態で、背面側の第3開口部403に部材Gを差し込んだ場合、部材Gの先端を、第1開口部401から出すことはできない。換言すると、部材Gを第3通路F3に挿し通すことはできない。
【0073】
本実施形態では、前扉20が開いた状態で、第1開口部401(ホッパー側開口部)から第2開口部402(受皿側開口部)を視認しようとした場合(覗き込んだ場合)、受皿38の底部381を視認可能であり、受皿38の前壁部382aを視認可能であるが、前壁部382aの上端までは視認不能となっている。また、前扉20が開いた状態で、第1開口部401(ホッパー側開口部)から第2開口部402(受皿側開口部)を視認しようとした場合に、受皿38の底部381を視認可能であるが、前壁部382aは視認不能となっていてもよい。これにより、遊技価値のスムーズな通過を実現できる。
なお、変形例として、前扉20が開いた状態で、第1開口部401(ホッパー側開口部)から第2開口部402(受皿側開口部)を視認しようとした場合に、受皿38の底部381も前壁部382aも視認不能となっていてもよい。
【0074】
本実施形態の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、前扉(例えば前扉20)と、を備える遊技機であって、
前記筐体は、ホッパー(例えばホッパーユニット11)を備え、
前記前扉は、受皿(例えば受皿38)と、案内通路(例えばキャンセルシュート40)と、を備え、
前記ホッパーは、遊技価値が発射される発射口部(例えばメダル払い出し部111)と、前記発射口部の周辺壁部(例えば周辺壁部112)と、を備え、
前記受皿は、底部(例えば底部381)と、前記底部の前側に設けられた前壁部(例えば前壁部382a)と、を備え、
前記案内通路は、ホッパー側開口部(例えば第1開口部401)と、受皿側開口部(例えば第2開口部402)と、を備え、
前記ホッパー側開口部から前記受皿側開口部に至る通路を第1通路(例えば第1通路F1)とすると、
前記第1通路は、前記発射口部から発射された遊技価値を前記受皿に案内可能であり、
前記第1通路は、遊技価値が進む方向を変更させることが可能な形状を有しており、
前記ホッパー側開口部と前記受皿側開口部とを通る仮想直線を第1仮想直線(例えば第1仮想直線X)とすると、
前記第1仮想直線は、前記第1通路の内面に接触することなく描出することが可能な線である。
このような構成によれば、第1通路が、遊技価値が進む方向を変更させることが可能な形状となっているため、遊技者側からの器具等の差し込みが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。換言すると、器具等の差し込みにより部品が破損するリスクを低減できる。
また、第1通路は、第1仮想直線を第1通路の内面に接触することなく描出可能となっている。これにより、遊技価値のスムーズな通過を実現できる。また、第1通路は、第1仮想直線を描出できないほど複雑な形状とした場合に比べるとシンプルな形状となっている。これにより、他部材の設置の妨げとなるのを防止できる。
【0075】
また、本実施形態の遊技機において、
前記第1仮想直線は、一端(例えば一端X1)が前記底部に接触し、他端(例えば他端X2)が前記周辺壁部に接触するように描出することが可能な線である。
このような構成によれば、案内通路を通過した遊技価値は、前壁部ではなく底部に接触する。これにより、遊技価値が前壁部を乗り越えて受皿の外にこぼれ落ちるのをより確実に防止できる。また、底部が妨げとなるため、手前側から第1通路に器具等を差し込むことがより困難となる。これにより、不正対策性能をより向上させることができる。
また、仮に第1通路に器具等が差し込まれた場合であっても、その先端は発射口部ではなく周辺壁部に接触する。このため、当該先端が発射口部に接触するのを(発射口部にアクセスすることを)(当該先端が発射口部内に挿入されるのを)困難にすることができる。これにより、不正対策性能をさらに向上させることができる。
【0076】
また、本実施形態の遊技機は、
前記前扉は、セレクタ(例えばメダルセレクタ90)をさらに備え、
前記案内通路は、セレクタ側開口部(例えば第3開口部403)をさらに備え、
前記セレクタ側開口部から前記受皿側開口部に至る通路を第2通路(例えば第2通路F2)とすると、
前記第2通路は、前記セレクタから送られた遊技価値を前記受皿に案内可能であり、
前記第2通路は、遊技価値が進む方向を変更させることが可能な形状を有しており、
前記受皿側開口部と前記セレクタ側開口部とを通る仮想直線を第2仮想直線(例えば第2仮想直線Y)とすると、
前記第2仮想直線は、前記第2通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。
このような構成によれば、第2通路は、第2仮想直線を第2通路の内面に接触することなく描出不可能となっている。このため、受皿側開口部から器具等を差し込み、セレクタ側開口部(セレクタ)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態の遊技機において、
前記セレクタ側開口部から前記ホッパー側開口部に至る通路を第3通路(例えば第3通路F3)とし、
前記セレクタ側開口部と前記ホッパー側開口部とを通る仮想直線を第3仮想直線(例えば第3仮想直線Z)とすると、
前記第3仮想直線は、前記第3通路の内面に接触することなく描出することが不可能な線である。
このような構成によれば、第3通路は、第3仮想直線を第3通路の内面に接触することなく描出不可能となっている。このため、例えば、セレクタ側開口部から器具等を差し込み、ホッパー側開口部(発射口部)にアクセスすることが困難となっている。これにより、不正対策性能を向上させることができる。
また、第3通路は、第3仮想直線を描出できない形状となっているので(直線状ではないため)、セレクタ側開口部から案内通路内に入った遊技価値が、ホッパー側開口部に向かって流下するという変則的な移動を防止できる。
【0078】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0079】
図14は、スロットマシン100を示す斜視図である。また、
図15は、スロットマシン100の筐体1の内部を示す斜視図である。このスロットマシン100は、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。なお、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっていてもよい。
【0080】
以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶことがある。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶことがある。筐体1は、木製、合成樹脂製、または金属製等となっている。また、筐体1の材料は1種類に限らず、例えば一部(天板2)が木製であり、その他(背板3、底板4および左右の側板5,6)が樹脂製となっていてもよい。また、例えば天板2が2種類の材料(樹脂と金属)で構成されていてもよい。
【0081】
筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分(上扉)と下側部分(下扉)とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシン100は、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能な、いわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。前扉20が、上扉と下扉とに分割されている場合、上扉および下扉はそれぞれ筐体1に対して開閉自在となっている。すなわち、上扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0082】
前扉20の上部側には、平板状のパネル21が設けられている。パネル21の背面(奥側)には演出装置としての表示装置(表示手段、液晶ディスプレイ)が設けられている。液晶ディスプレイには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。
【0083】
また、前扉20の中央部には、透明な表示窓(窓部)22が設けられている。表示窓22の奥には、3個のリール15a~15c(
図15参照)が横一列に設けられている。そして、表示窓22を介してリール15a~15cの一部が視認可能となっている。各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配列されており、リール15a~15cが停止すると、表示窓22を介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)が表示される。また、表示窓22には、リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、第1リール15aの中段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの中段と、によって有効ラインが構成されている。
【0084】
本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が「3」に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。3個のリール15a~15cが停止したときに、表示窓22を介して表示される図柄の組合せによって当選役が入賞したか否かが表示される。スロットマシン100では、遊技開始に伴ってリール15a~15cが回転を開始するとともに、内部抽選が実行され、当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。そして、リール15a~15cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0085】
前扉20には、演出(報知)等を行う演出装置としての照明装置(照明手段)24,25、スピーカ(音出力手段)等が設けられている。照明装置24は、前扉20のパネル21の上部側に設けられている。また、照明装置25,25は、前扉20の左右両端部に設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられ、遊技機の前面側の外形は凹凸を有するものとなっている。すなわち装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。
【0086】
スピーカ(図示せず)は、前扉20に複数設けられ、例えば上部および下部に設けられている。スピーカは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種演出用の音(音楽、BGM、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、液晶ディスプレイ、照明装置24,25およびスピーカの他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等が設けられていてもよい。
【0087】
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシン100を操作するための操作部30が設けられている。この操作部30には、メダル(遊技メダル、遊技媒体、遊技価値)を精算する際に操作される精算ボタン60、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32、3個のリール15a~15cのそれぞれの回転を停止させる際に操作されるストップボタン33(3個のストップボタン33a,33b,33c)、メダルを投入するためのメダル投入口34、メダル投入口34の下方で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン70、クレジットされたメダルをベット(投資)する際に操作される(最大の賭数を設定する際に操作される)MAXベットボタン35(ベットボタン)、等が設けられている。なお、ベットボタンとして、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン35(第1ベットボタン)の他に、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)が設けられていてもよい。また、前扉20には、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される演出ボタン36(演出操作部)が設けられている。
【0088】
また、操作部30には、遊技の演出等を選択する際に操作される操作盤57や、遊技情報が表示される表示ユニット58等が設けられている。操作盤57は操作部30の幅方向(左右方向)の略中央部に設けられており、表示ユニット58は、メダル投入口34の右側に設けられている。なお、操作盤57は、例えば、十字キー、決定ボタンおよびキャンセルボタン等を備えている。
【0089】
また、前扉20の下部には、スロットマシン100の内部よりメダルを排出する(送り出す)ための払出口50と、払出口50から排出された(払い出された)メダルを溜めておくことが可能な受皿38と、が設けられている。また、操作部30と受皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。この下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。なお、下パネル39は、押し込み可能に形成され、演出ボタンと同等の機能を有する演出操作部となっていてもよい。
【0090】
図15に示すように、筐体1の内部には、リールユニット14が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cや、リール15a~15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)等を備えている。なお、各リールは、各ステッピングモータの出力軸に固定されている。
【0091】
また、筐体1の内部における、底板4の上面には、各部品に電力を供給する電源ユニット(電源手段)10、メダルを貯蔵するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット(メダル払出装置11)11(払出装置)、メダル払出装置11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。なお、筐体1の内部(内側)に電源ユニット10等の部品が配置されたものを、裏箱ユニットと称してもよい。電源ユニット10は、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニット10から各部品に電力が供給される。なお、一部の部品には、電源ユニット10がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
【0092】
前扉20には、ドアキーシリンダ66が設けられており、ドアキーをドアキーシリンダ66に挿入して前扉20を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、前扉20の解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。
【0093】
スロットマシン100は、メダル投入口34にメダルが投入されると、規定枚数(規定投入数)を限度として、投入されたメダルが投入状態に設定される。また、スロットマシン100は、最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、メダルがクレジット記憶された状態でMAXベットボタン35が操作されると、規定枚数を限度として、クレジット記憶されたメダルが投入状態に設定される。
【0094】
スロットマシン100では、メダル投入口34を介してメダルが投入され、またはMAXベットボタン35が操作されて規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー32の操作が有効化され、遊技を開始することが可能な状態となる。また、有効化されたスタートレバー32が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リールが回転を開始し、各リールの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン33の操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン33が操作されると、操作されたストップボタン33に対応するリールの回転が停止する。すべてのリールが停止すると、遊技の結果に応じてメダルを払い出す処理やメダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0095】
スロットマシン100の内部には、主制御基板(主制御手段)と、副制御基板(副制御手段)と、が設けられている。副制御基板は、前扉20の背面側に設けられていてもよい。主制御基板は、MAXベットボタン35、スタートレバー32、ストップボタン33等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット14や、ホッパーユニット11等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号(情報)を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイおよびスピーカ等の各種演出装置の制御を行う。
【0096】
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0097】
主制御基板には、設定変更キーシリンダ(図示せず)や設定変更ボタン(図示せず)等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット10に設けられていてもよい。
【0098】
図15に示すように、電源ユニット10は、筐体1内部の下方における左奥側(側板5側)に設けられている。電源ユニット10は直方体箱状に形成されており、幅方向(左右方向)よりも奥行き方向(前後方向)が長くなっている。以下、電源ユニット10の上面を天面10aと言う。
【0099】
図16は、電源ユニット10の斜視図である。電源ユニット10は、複数の部品が配置された電源基板(図示せず)、電源基板を覆う電源ケース91、電源(電源基板)のONまたはOFFを切り替え可能な電源スイッチ(図示せず)、電源スイッチを覆い開閉可能に設けられた電源スイッチカバー92、前面パネル93、コネクタ94等を備えている。なお、本実施形態では、コネクタ94として、第1コネクタ94aと第2コネクタ94bとが設けられている。電源基板を備える電源ユニット10は、基板ユニットと言うことができる。電源ユニット10には、電源ケーブル(図示せず)が接続されており、電源ケーブルは、商用電源(AC100V)を供給するコンセントに接続される。電源基板は、遊技機の外部から電源ケーブルを介して送られる電力から直流電源(例えば、5V、12V、24V等)を作り、遊技機の各部品に電力を供給する。
【0100】
本実施形態では、電源ケース91は金属で形成されている。電源ケース91の天面10aには、複数の放熱口95(放熱孔)が、所定の間隔をあけて設けられている。本実施形態では、放熱口95は、前後方向に長尺な長孔(長穴)となっている。なお、放熱口95の形状は、略長方形状であってもよく、略楕円形状であってもよい。また、放熱口95は、前後方向に長尺な開口ではなく、左右方向に長尺な開口であってもよい。
【0101】
放熱口95は、電源ユニット10の内部で発生した熱を逃がすため(放熱効果を実現するため)に設けられている。したがって、放熱口95を多く設けるほど、放熱効果を高くすることができる。また、放熱口95は、電源ユニット10の側面に設けるよりも電源ユニット10の天面10aに設けた方が放熱効率を高めることができる。
【0102】
また、電源ユニット10の天面10aには、コネクタ94を露出させるための開口が設けられており、当該開口からコネクタ94が露出している。図示を省略しているが、コネクタ94には、相手側コネクタが接続されている。
【0103】
図15に示すように、筐体1内部であって上下方向における略中央部には、板状のリール支持部13(センターベース、中板、板金部材)が設けられている。リール支持部13は、ねじ締め等により筐体1の内面(側板の内側の面)に固定されている。リール支持部13には、リールユニット14が配置(載置)されている。換言すると、リール支持部13は、リールユニット14を支持している。リール支持部13は、例えば、金属で形成されている。
【0104】
図17は、リール支持部13(支持部)を示す図である。リール支持部13は、少なくとも一部がくり抜かれている(肉抜きされている)。換言すると、リール支持部13には、上下方向に貫通する、くり抜き部が少なくとも1つ設けられている。くり抜き部とは、孔(貫通孔)であってもよく、切り欠きであってもよい。剛性を確保しつつ、くり抜き部を設けることで、リール支持部13の軽量化、低コスト化を実現できる。
【0105】
本実施形態では、電源ユニット10(の天面10a)の上方に、少なくとも1つのくり抜き部が設けられている。換言すると、リール支持部13における所定のくり抜き部の下方に、電源ユニット10(天面10a)が配置されている。リール支持部13における、電源ユニット10の天面10aと対向する範囲を特定範囲とすると、特定範囲に、少なくとも1つのくり抜き部が設けられている。
【0106】
図17における破線は、天面10aを所定の距離だけ上方に移動させたもので、本実施形態では、電源ユニット10(の天面10a)の上方に、くり抜き部131、くり抜き部132、くり抜き部133およびくり抜き部134の4つのくり抜き部が設けられている。くり抜き部131およびくり抜き部132は、長方形状の切り欠きである。くり抜き部133およびくり抜き部134は、円形状の貫通孔である。
【0107】
くり抜き部133およびくり抜き部134が挿通部材を有さないくり抜き部であるのに対し、くり抜き部131およびくり抜き部132は、挿通部材を有するくり抜き部となっている。以下、具体的に説明する。
図18(b)は、
図18(a)のC-C線に沿って切断した状態を示す断面図である。
【0108】
(くり抜き部131)
くり抜き部131は、リール支持部13における左端側に形成されている。
図15に示すように、筐体1の側面(両側面)には把手200が設けられている。本実施形態では、上下方向(高さ方向)において、把手200とリール支持部13とが略同じ高さに設けられている(
図18(a)参照)。
図18(b)に示すように、把手200は、筐体1の内側に向かって所定の長さ膨出しており、その部分がくり抜き部131に収まるようになっている。換言すると、くり抜き部131には、挿通部材としての把手200が(上下方向に)挿通されている。くり抜き部131は、挿通部材(遮蔽部材)によって塞がれている(他部材が介在している)。くり抜き部131が設けられていることで、リール支持部13と把手200との干渉が回避されている。なお、本実施形態において、挿通部材とは、孔(切り欠き)を貫くように通されている部材を指す。
【0109】
(くり抜き部132)
くり抜き部132は、リール支持部13における後端の左側(隅部)に形成されている。図示を省略(簡略)しているが、くり抜き部132には、挿通部材としてのハーネス(ハーネス群)が(上下方向に)挿通されている。くり抜き部132は、挿通部材(遮蔽部材)によって塞がれている(他部材が介在している)。くり抜き部132が設けられていることで、電源ユニット10から延びるハーネスを上方に導くことが可能となっている。当該ハーネスには、リールユニット14に接続されるものや、主制御基板に接続されるもの等がある。
【0110】
(くり抜き部133およびくり抜き部134)
くり抜き部133およびくり抜き部134には、部材が挿通されていない。換言すると、くり抜き部133およびくり抜き部134は、挿通部材(遮蔽部材)によって塞がれていない。くり抜き部133およびくり抜き部134は、部材を挿し通すために設けられた孔ではない。
【0111】
以下、挿通部材を有さないくり抜き部133およびくり抜き部134を第1くり抜き部135(貫通くり抜き部)とし、挿通部材を有するくり抜き部131およびくり抜き部132を第2くり抜き部136(非貫通くり抜き部)とする。なお、第1くり抜き部135および第2くり抜き部136を構成するくり抜き部の数は、これに限るものではない。
【0112】
例えば、筐体1を遊技場の島設備に取り付ける作業等を行う場合に、筐体1の内部においてネジや鉄粉等が下方に落下する可能性がある。仮に、リール支持部13のくり抜き部の下方(鉛直下方)に電源ユニット10の放熱口95が設けられている場合、ネジや鉄粉等の異物(落下物)がくり抜き部を通過し、さらに放熱口95を通過して、電源ユニット10の内部に侵入し、電源ユニット10が破損等する可能性がある。
【0113】
図19は、電源ユニット10の天面10aとリール支持部13との位置関係を説明するための図(上方から見た図)であり、リール支持部13を透視している。
本実施形態では、(1)第1くり抜き部135の下方に、放熱口95が設けられていない。換言すると、上方(上下方向)から見て、挿通部材を有さないくり抜き部と放熱口95とは、重ならない位置に設けられている。このため、上方から異物が落下し、その異物が第1くり抜き部135を通過した場合であっても、その異物がさらに放熱口95を通過することはない。(2)一方、第2くり抜き部136の下方には、放熱口95が設けられている。換言すると、上方(上下方向)から見て、挿通部材を有するくり抜き部と放熱口95とは、重なる位置に設けられている。上方から異物が落下した場合であっても第2くり抜き部136には挿通部材が存在するため、当該異物がくり抜き部を通過する可能性が低い。このため、挿通部材を有する第2くり抜き部136の下方に放熱口95を設けることで、電源ユニット10の放熱効率を向上させることができる。
【0114】
本実施形態の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
上方から見て、前記第1くり抜き部と前記放熱口とが、重ならない位置に設けられている。
【0115】
ネジや鉄粉等の異物が上方から落下した場合であっても、当該異物が、挿通部材が存在しない第1くり抜き部を通過し、さらに放熱口を通過して、基板ユニットの内部に侵入するのを防ぐことができる。これにより、基板ユニット(部品)の破損を抑制することができる。
【0116】
また、本実施形態の遊技機において、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在する第2くり抜き部(例えば第2くり抜き部136)があり、
前記第2くり抜き部の下方には、前記放熱口が設けられている。
【0117】
第2くり抜き部は、挿通部材が存在するため異物の通過が困難である。そこで、第2くり抜き部の下方には放熱口を設けることで、放熱口の数を増やし、放熱効率を向上させることができる。これにより、基板ユニット内部が高温になることによる部品(電子部品等)の破損を抑制できる。
【0118】
図19に示すように、電源ユニット10の天面10aには、上下方向において、リール支持部13のくり抜き部と重なる、第1範囲Aと、第2範囲Bと、がある。第1範囲Aは、第1くり抜き部135と重なる(対向する)範囲である。第2範囲Bは、第2くり抜き部136と重なる(対向する)範囲である。第1範囲Aの上方には、異物(ごみ)の侵入を防止する部材(挿通部材、異物侵入防止部材、遮蔽部材)が設けられていないが、第2範囲Bの上方には、異物侵入防止部材が設けられる。異物侵入防止部材としては、例えば、把手200、ハーネス、その他の部材等がある。第1範囲Aには、放熱口95が設けられていない。一方、第2範囲Bには、放熱口95が設けられている。
【0119】
本実施形態の遊技機において、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)と、挿通される部材が存在する第2くり抜き部(例えば第2くり抜き部136)と、があり、
前記天面には、前記第1くり抜き部と対向する第1範囲(例えば第1範囲A)と、前記第2くり抜き部と対向する第2範囲(例えば第2範囲B)と、があり、
前記第1範囲の上方には、異物侵入防止部材が設けられていないが、前記第2範囲の上方には、異物侵入防止部材が設けられており、
前記第1範囲には、前記放熱口が設けられていないが、前記第2範囲には、前記放熱口が設けられている。
上方に異物侵入防止部材が存在し、異物が落下する可能性が低い第2範囲には放熱口を設けることで、基板ユニットの放熱効率を向上させることができる。
【0120】
図20に示すように、筐体1の背板3には、前後方向に貫通する貫通孔3a(孔3a)が設けられている。この貫通孔3aは、リール支持部13よりも上方に設けられている。貫通孔3aは、放熱を目的とする孔であってもよく、ケーブル(電源ケーブル)を挿通させるための孔であってもよい。
【0121】
図20に示すように、第1くり抜き部135を通過し、上下方向に引いた直線(底面に垂直な直線)を第1仮想直線Xとする。また、放熱口95を通過し、上下方向に引いた直線を第2仮想直線Yとする。前方から見て、貫通孔3aは第1仮想直線X上に位置(存在)している。一方、前方から見て、貫通孔3aは第2仮想直線Y上に位置(存在)していない。貫通孔3aと放熱口95とは、奥行き方向(紙面前後方向)においてずれた位置に設けられており、さらに、左右方向においてもずれた位置に設けられている。
【0122】
本実施形態の遊技機において、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記孔は、前記支持部よりも上方に設けられており、
前記第1くり抜き部を通過し、上下方向に引いた直線を第1仮想直線(例えば第1仮想直線X)とし、
前記放熱口を通過し、上下方向に引いた直線を第2仮想直線(例えば第2仮想直線Y)とすると、
前記筐体を前方から見た場合に、前記孔は、前記第1仮想直線上に位置しているが、前記第2仮想直線上には位置していない。
筐体背面の孔から筐体の内部に異物が侵入し、その異物がまっすぐ(直線上に)落下した場合に、その異物が第1くり抜き部を通過する可能性がある。そこで、当該孔と放熱口の位置(左右方向の位置)をずらすことで、筐体外部からの異物が第1くり抜き部を通過して放熱口に侵入するのを防止できる。これにより、基板ユニットが破損するのをより抑制できる。
【0123】
(変形例1)
上方から見て、第1くり抜き部135と、放熱口95の一部とが、重なる位置に設けられていてもよい。その場合、少なくとも当該一部の放熱口95は、次のように構成されていることが好ましい。
図21に示すように、放熱口95は、異物侵入防止部96を備えている。異物侵入防止部96は、例えば、屋根状(ドーム状、蓋状)に形成され、開口の上方(上側)を覆いつつ、空気を外側(後方側)に通過させることが可能となっている。異物侵入防止部96は、上方から落下してきた異物の侵入を防止する機能を有する。なお、異物侵入防止部96は、断面L字状に形成されていてもよい。また、異物侵入防止部91は、天面10aと一体に設けられていてもよく、別体(着脱可能)として設けられていてもよい。
【0124】
本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
上方から見て、前記第1くり抜き部と前記放熱口の一部とが重なる位置に設けられているが、前記放熱口には、開口の上方側を覆う形状(例えば異物侵入防止部96)が設けられている。
【0125】
(変形例2)
図20では、下から上に向かって、放熱口95、第1くり抜き部135、孔3a、の順に高い位置となるように設けられている。このとき、放熱口95、第1くり抜き部135および孔3aが、前方から見て、第2仮想直線Y上に配置されるように設けられていてもよい(すなわち一直線上に位置するように設けられていてもよい)。その場合、放熱口95と第1くり抜き部135との間に異物侵入防止部材150が設けられていることが好ましい。換言すると、放熱口95と第1くり抜き部135との間に異物侵入防止部材150が介在(存在)していることが好ましい。異物侵入防止部材150は、放熱口95の開口の上方側を覆う部材であればよく、例えば、板状のカバー部材等であってもよい。
【0126】
本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記孔は、前記支持部よりも上方に設けられており、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
前方から見た場合に、上下方向に引いた仮想直線上に、前記放熱口と前記第1くり抜き部と前記孔とが位置しているが、前記放熱口と前記第1くり抜き部との間に、前記放熱口の開口を覆う部材(例えば異物侵入防止部材150)が設けられている。
筐体背面の孔から筐体の内部に異物が侵入し、その異物がまっすぐ(直線上に)落下し、第1くり抜き部を通過した場合であっても、その異物が放熱口を通過するのを抑制できる。これにより、基板ユニットが破損するのを抑制できる。
【0127】
なお、異物侵入防止部材150の代わりに、上述の異物侵入防止部96が設けられていてもよい。「放熱口95の開口の上方側に、前記開口を覆う部材が設けられている」とは、異物侵入防止部96であってもよく、異物侵入防止部材150であってもよい。
換言すると、本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記孔は、前記支持部よりも上方に設けられており、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
前方から見た場合に、上下方向に引いた仮想直線上に、前記放熱口と前記第1くり抜き部と前記孔とが位置しているが、前記放熱口の開口の上方側に、前記開口を覆う部材(例えば異物侵入防止部96、異物侵入防止部材150)が設けられている。
【0128】
(変形例3)
変形例2では、孔3aが、リール支持部13(第1くり抜き部135)よりも上方に設けられているとしたが、本変形例では、孔3aがリール支持部13(第1くり抜き部135)よりも下方に設けられている。なお、リール支持部13よりも下方とは、少なくとも孔3aの一部(下端)がリール支持部13よりも下方に位置していればよい。孔3aは、電源ユニット10の天面10a(放熱口95)よりも上方に設けられている。
本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記孔は、前記支持部よりも下方に設けられており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられており、
前記支持部には、少なくとも1つのくり抜き部が設けられており、
前記くり抜き部には、挿通される部材が存在しない第1くり抜き部(例えば第1くり抜き部135)があり、
前方から見た場合に、上下方向に引いた仮想直線上に、前記放熱口と前記孔と前記第1くり抜き部とが位置しているが、前記放熱口には、開口の上方側を覆う形状(例えば異物侵入防止部96)が設けられている。
筐体背面の孔から筐体の内部に異物が侵入し、その異物がまっすぐ(直線上に)落下した場合であっても、その異物が放熱口を通過するのを抑制できる。これにより、基板ユニットが破損するのを抑制できる。
【0129】
(変形例4)
図22は、電源ユニット10の天面10aと、リール支持部13と、筐体1の背板3に形成された孔3aと、の位置関係について説明するための図(上方から見た図)であり、リール支持部13を透視している。
電源ユニット10の天面10aについて、リール支持部13と対向する領域を第1領域Lとし、リール支持部13と対向しない領域を第2領域Mとする。換言すると、電源ユニット10の天面10aには、上方から見て、リール支持部13と重なる第1領域Lと、リール支持部13と重ならない第2領域Mと、が存在する。第2領域Mの方が、第1領域Lよりも孔3aまでの距離が小さくなっている。第1領域Lには、複数の放熱口95が設けられているが、第2領域Mには、放熱口95が設けられていない。
【0130】
また、前方から見た場合に、上下方向に引いた仮想直線上に、電源ユニット10と孔3aの少なくとも一部とが存在する位置関係となっている。本変形例では、変形例3と同様に、孔3aの高さ(上下方向の位置)がリール支持部13よりも下方となっているものとするが、孔3aは、リール支持部13と同じ(または略同じ)高さであってもよく、リール支持部13よりも上方に設けられていてもよい。第1領域Lに設けられている放熱口95には、上述の異物侵入防止部96が設けられている。なお、異物侵入防止部96の代わりに、異物侵入防止部材150が設けられていてもよい。「放熱口95の開口の上方側に、前記開口を覆う部材が設けられている」とは、異物侵入防止部96であってもよく、異物侵入防止部材150であってもよい。
【0131】
本変形例の遊技機は、
筐体(例えば筐体1)と、
基板ユニット(例えば電源ユニット10)と、
リールユニット(例えばリールユニット14)と、
前記リールユニットを支持する支持部(例えばリール支持部13)と、を備え、
前記筐体は、背面に設けられた孔(例えば孔3a)を備え、
前記支持部は、前記基板ユニットの上方に設けられており、
前方から見た場合に、前記基板ユニットと前記孔の少なくとも一部とが、上下方向に引いた仮想直線上に位置しており、
前記基板ユニットの天面(例えば天面10a)には、上方から見た場合に前記支持部と重なる第1領域(例えば第1領域L)と、上方から見た場合に前記支持部と重ならない第2領域(例えば第2領域M)と、があり、
前記第2領域は、前記第1領域よりも前記孔までの距離が小さく、
前記第1領域には複数の放熱口(例えば放熱口95)が設けられているが、前記第2領域には前記放熱口が設けられておらず、
前記第1領域の前記放熱口の開口の上方側に、前記開口を覆う部材(例えば異物侵入防止部96、異物侵入防止部材150)が設けられている。
【0132】
基板ユニットの天面について、上方から見て支持部と重ならず、かつ、筐体背面の孔から相対的に近い位置にある第2領域には放熱口が設けられていない。一方、上方から見て支持部と重なり、かつ、筐体背面の孔から相対的に遠い位置にある第1領域には放熱口が設けられている。本構成によれば、筐体背面の孔から侵入した異物が放熱口を介して基板ユニットの内部に入るのを防ぎつつ、異物の侵入可能性が低い箇所には放熱口を設けることで、基板ユニットの放熱性能を実現できる。また、当該放熱口の開口の上方側に、当該開口を覆う部材を設けることで、異物が基板ユニットの内部に入る可能性をより低減できる。
【0133】
なお、本実施形態では、電源ユニット10を基板ユニットとしたが、基板ユニットは電源ユニット10に限らず、例えば中継基板ユニット等であってもよい。
【0134】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0135】
図23に示すように、本実施形態のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉(前扉)12とを備えている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。なお、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分かれていない一体の構造であってもよい。筐体11内には、メダル(遊技媒体、遊技価値)を貯蔵するとともにメダルの払い出しを行うホッパーユニット(払出手段)、各部品に電力を供給するための電源装置(電源手段)を内蔵した電源ユニット、ホッパーユニット内のメダルの量が所定量以上となるとホッパーユニットからメダルが送り出されるキャッシュボックス、等が設けられている。電源ユニットは、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニットから各部品に電力が供給されるようになっている。なお、一部の部品には、電源ユニットがOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
また、筐体11内には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニット、後述するメイン制御基板31、後述するサブ制御基板32、等が設けられている。なお、リールユニットは、リール20a~20cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)を有している。
【0136】
上扉12aの上部中央には(表示窓16の上方には)、演出装置としての液晶ディスプレイ(表示手段)13が設けられている。液晶ディスプレイ13には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。また、上扉12a(および下扉12b)には、演出装置としてのスピーカ(音出力手段)14が設けられている。スピーカ14からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の演出音(音楽、効果音、音声等)が出力される。また、前扉12には、報知や演出などを行うためのランプ(照明装置、照明手段、外周ランプ)38が設けられている。なお、演出装置として、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などが設けられていてもよい。
【0137】
また、上扉12aには表示窓16が設けられている。表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cは、外周面が一定の間隔で20コマ(20の領域)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。換言すると、各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。また、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態では、第1リール20aの上段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されている。
【0138】
本実施形態では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数、規定枚数)が、3枚に設定されており、規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0139】
各リール20a~20cの外周面には、
図24に示すように、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」、ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、リプレイ図柄「RP」、青BAR図柄「青BAR」、赤BAR図柄「赤BAR」、赤7図柄「赤7」、特殊図柄A「SPA」および特殊図柄B「SPB」、の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0140】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。遊技情報表示部17は、第1メイン表示器17a、第2メイン表示器17bおよびサブ表示器17cを備えている。また、遊技情報表示部17は、有利区間表示器を備えていてもよい。
【0141】
下扉12bには、メダルを投入するためのメダル投入口22、クレジットされたメダルをベット(投入)する際に操作されるベットボタン23、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させる際に操作されるトップボタン(停止操作手段)26(26a,26b,26c)、メダルを精算する際に操作される精算ボタン、メダル投入口22の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン、演出を進行させる際等に操作される演出ボタン(演出操作手段)25、等が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図25参照)が設けられている。本実施形態では、ベットボタン23として、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン(第1ベットボタン)と、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)と、が設けられている。演出ボタン25は、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される。演出ボタン25は、押下操作可能に形成されており、押下されると、例えば液晶ディスプレイ13に表示される演出画像の態様が変化する。演出ボタン25を設け、所定の契機でその操作を有効にすることで、遊技者の遊技への参加意識を高めるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。演出ボタン25は、例えば、遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出の実行中に操作が有効な状態となり、その操作を指示する画像が液晶ディスプレイ13に表示される。そして、演出ボタン25が操作されると、遊技の結果(例えば有利な状態へ移行するか否か)が報知される。なお、演出ボタン25は、ボタン状に限るものではなく、遊技者の操作を検知可能に構成されていればよい。
【0142】
また、下扉12bには、ドアキーシリンダ69が設けられている。ドアキーをドアキーシリンダ69に挿入することで下扉12b(前扉12)を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ69に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、下扉12bの解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ69に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。
また、下扉12bには、ホッパー装置(ホッパーユニット)から送られたメダルを払い出す払出口27、払出口27から払い出されたメダルを受ける(溜める)メダル受け皿28、等が設けられている。
また、下扉12bにおけるメダル受け皿28の上方には、下パネル91が設けられている。なお、下パネル91の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源から照射される光によって下パネル91が背後から照らされるようになっている。
【0143】
スロットマシン10では、(1)メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー24の操作が有効化され、遊技を開始可能な状態となる。(2)有効化されたスタートレバー24が操作(押下)されると、遊技が開始され、各リール20a~20cが回転を開始する。(3)各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転状態となると、ストップボタン26a~26cの操作が有効化される。(4)有効化されたストップボタン26a~26cが操作(押下)されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cの回転が停止する。(5)すべてのリール20a~20cの回転が停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0144】
スロットマシン10は、メダル投入口22にメダルが投入されると、規定枚数を限度として、投入されたメダルが投入状態に設定される。また、スロットマシン10は、最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、メダルがクレジット記憶された状態でベットボタン23が操作されると、規定枚数を限度として、クレジット記憶されたメダルが投入状態に設定される。
【0145】
メダル投入口22から投入されたメダルは、メダルセレクタを通過した後に、メダルシュートを経由してホッパーユニットに入るようになっている。ただし、遊技を開始した後などの所定の条件下では、メダルセレクタに内蔵されたメダルブロッカーが作動して、メダルシュートへ向かう流路が閉塞され、投入されたメダルが払出口27から返却されるようになっている。
また、メイン制御手段31には、設定変更キーシリンダや設定変更ボタン等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや、設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット等の、他の部分に設けられていてもよい。設定変更キーシリンダ(設定キースイッチ)は、OFF状態とON状態との2つの状態を有している。換言すると、OFF状態とON状態とを切り替え可能となっている。設定変更キーシリンダは、設定キーを挿入可能に形成されている。設定変更キーシリンダは、初期状態ではOFF状態となっている。挿入された設定キーが初期位置から時計回りに90度回転されると、設定変更キーシリンダの状態がOFF状態からON状態に切り替わる。設定変更キーシリンダの状態がON状態となる位置から初期位置となるように設定キーが反時計回りに90度回転されると、ON状態からOFF状態に切り替わるようになっている。また、設定変更ボタンは、押下操作が可能となっている。
【0146】
図25に示すように、スロットマシン10は、メイン制御基板(主制御手段)31と、サブ制御基板(副制御手段)32と、を備えている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号や演出ボタン25等の入力手段からの入力信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0147】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0148】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45(遊技価値付与手段)と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60(主記憶手段、メインメモリ)と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段(サブメモリ)72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0149】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0150】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0151】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0152】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0153】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0154】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、
図26に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0155】
図26に示すように、本実施形態では、小役として、小役1~小役45が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして、「小役ALL」、「中配当ALL」、「1枚ALL」、「打順ベルA1」~「打順ベルA8」、「打順ベルC1」~「打順ベルC8」、「打順ベルD1」~「打順ベルD4」、「弱スイカ」、「強チェ」、「弱チェ」、「共通1枚A」、「共通1枚B」および「1枚1」~「1枚4」が用意されている。また、小役1~小役8、小役13~小役16は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっている。また、小役9~小役12、小役39は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっている。また、小役17~小役20は入賞すると10枚のメダルが払い出される10枚役となっている。また、小役21~小役38、小役40、小役41、小役43、小役45は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。また、小役42、小役44は入賞すると8枚のメダルが払い出される8枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」、「打順ベルC1」~「打順ベルC8」および「打順ベルD1」~「打順ベルD4」をまとめて打順ベルと呼ぶことがある。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」をまとめて打順ベルA(目押し打順ベル、12択ベル)と呼び、当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」をまとめて打順ベルCと呼び、当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」をまとめて打順ベルDと呼ぶことがある。
【0156】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役45)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中配当ALL」は、小役9~小役12、小役39が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役21~小役38、小役40、小役41、小役43、小役45が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」は、1種類の15枚役と、1種類の3枚役と、複数種類の1枚役と、が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」は、1種類の10枚役と、複数種類の1枚役と、が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」は、1種類の15枚役と、複数種類の1枚役と、が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱スイカ」は、複数種類の8枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強チェ」は、1枚役(小役40)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱チェ」は、3枚役(小役39)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚1」~「1枚4」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0157】
また、本実施形態では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ12が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「択リプ1」~「択リプ8」、「択リプ11」~「択リプ14」、「択リプ21」~「択リプ22」、「揃いリプ」、「通常リプ1」、「チャンス目」、「強スイカ」および「通常リプ2」が用意されている。
【0158】
当選エリア「択リプ1」~「択リプ8」、「択リプ11」~「択リプ14」、「択リプ21」~「択リプ22」、「揃いリプ」、「通常リプ1」、「チャンス目」、「強スイカ」および「通常リプ2」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0159】
また、本実施形態では、ボーナスとして、ビッグボーナス(RBB:特別役)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「共通1枚A」、「共通1枚B」および「1枚1」~「1枚4」は、ビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「共通1枚A」、「共通1枚B」および「1枚1」~「1枚4」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようになっている。
なお、本実施形態では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0160】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0161】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図26では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「中配当ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」、「打順ベルC1」~「打順ベルC8」、「打順ベルD1」~「打順ベルD4」、「弱スイカ」、「択リプ1」~「択リプ8」、「択リプ11」~「択リプ14」、「択リプ21」~「択リプ22」、「揃いリプ」、「通常リプ1」、「チャンス目」、「強スイカ」、「通常リプ2」、「強チェ」、「弱チェ」、「共通1枚A」、「共通1枚B」および「1枚1」~「1枚4」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0162】
また、本実施形態では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0163】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0164】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0165】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0166】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっている。本実施形態では、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように、内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→設定3→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。本実施形態では、設定変更モードにおいて第1メイン表示器17aに選択中の設定値が表示されるようになっている。なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0167】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
メイン制御基板31は、設定確認手段を備えていてもよい。設定確認手段は、電源が投入された状態における遊技モードにおいて、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入され、設定キーが初期位置から時計回りに90度だけ回転されると、遊技機(スロットマシン10)を遊技モードから設定確認モードへ移行させ、液晶ディスプレイ13や遊技情報表示部17等を介して現在の設定値を報知する処理(設定報知処理)を行う。設定確認モードでは、液晶ディスプレイ13に設定確認モードである旨を報知する画像(例えば「設定参照中」という文字)が表示される。また、設定確認モードでは、遊技情報表示部17における第1メイン表示器17aに、現在設定されている設定値が表示される。設定確認モードでは現在の設定値を参照(報知)することはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。また、設定確認モードでは設定値を参照することはできるが、設定値の変更を行うことはできないようになっている。
【0168】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0169】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0170】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0171】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また、打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0172】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」と呼び、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」と呼び、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し」と呼ぶことがある。また、「中押し」と「右押し」とをまとめて「変則押し」と呼ぶことがある。
【0173】
また、第1停止操作でストップボタン26aを押下することを「左1st」と呼び、第1停止操作でストップボタン26bを押下することを「中1st」と呼び、第1停止操作でストップボタン26cを押下することを「右1st」と呼ぶことがある。
【0174】
リール制御手段43は、遊技者がスタートレバー24への遊技開始操作により作動するスイッチ(スタートスイッチ)からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータによりリール20a~20cの回転駆動を開始し、所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタン26a~26c(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されているリール20a~20cを当選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様(停止態様)で停止させる制御を行う。リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cに対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタン26a~26cを押下することによりスイッチ(ストップスイッチ)が作動すると、当該スイッチからのリール停止信号に基づいて、ステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、リール20a~20cを停止させる制御(停止制御)を行う。
【0175】
本実施の形態の遊技機では、原則的には、リール20a~20cについて、ストップボタン26a~26cが押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。換言すると、各ストップボタン26a~26cの操作時点から各リール20a~20cが停止するまでに最大で4コマ分(4図柄分)リールが回転可能となっている。
【0176】
リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cのうち押下操作(停止操作)が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄(当選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄)が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲内(所定の引き込み範囲内)に位置する場合に、当選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。換言すると、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを、停止操作が行われた時点で有効ライン上に位置している図柄から4個隣にある図柄までのいずれかの図柄が有効ライン上に表示されるように停止させる。
【0177】
本実施の形態では、
図24に示すように、リール20a~20cの外周面に複数種類の図柄が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、押下検出位置に関わらずに、任意の表示位置に表示させることができるようになっている。
【0178】
リール制御手段43は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、記憶手段60の停止制御テーブル記憶手段に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
【0179】
ロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチの作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ~4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理(後述する)によって実際の停止位置を決定する。
【0180】
リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機では、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。具体的には、ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する当選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
【0181】
本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める場合(個数優先制御)と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合(枚数優先制御)と、が存在し、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求め、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0182】
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、当選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、当選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
【0183】
本実施の形態の遊技機では、フォトセンサからなるリールインデックスを備えており、リール制御手段43は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、リール制御手段43は、ストップスイッチの作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0184】
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段60の停止制御テーブル記憶領域に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。停止制御テーブルでは、当選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチの作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、停止位置との対応関係が設定されている。なお、停止制御テーブルでは、当選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と押下検出位置から停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。
【0185】
図27は、RBB内部中状態において打順ベルが当選した場合における、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。
【0186】
「打順ベルA1」~「打順ベルA8」(打順ベルA、目押し打順ベル)の各当選エリアは、1通りの第1正解打順と、1通りの第2正解打順と、4通りの不正解打順とが定められている。第1正解打順と第2正解打順とでは、最初に停止させるべきリール(最初に停止操作するべきストップボタン)が同一となっている。
【0187】
「打順ベルA1」~「打順ベルA8」の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解操作態様(特定操作態様)で操作がされると正解小役(15枚役または3枚役)が入賞し得るようになっており、正解操作態様とは異なる操作態様(不正解操作態様)で操作がされると正解小役(15枚役または3枚役)が入賞せず、1枚役が入賞し得るようになっている。正解小役は、1遊技に対してベットされる遊技価値以上の遊技価値が獲得可能な小役となっている。また、失敗小役(後述する)は、1遊技に対してベットされる遊技価値未満の遊技価値が獲得可能な小役となっている。本実施形態では、打順ベルAが当選した際における正解操作態様には、15枚役を入賞させることが可能な第1正解操作態様と、3枚役を入賞させることが可能な操作態様を第2正解操作態様と、がある。
【0188】
RBB内部中状態において「打順ベルA1」~「打順ベルA8」のうちのいずれかの当選エリアが当選した場合に、第1正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、15枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度(優先順位)が最も高くなるように優先度が求められ、第2正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、3枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められ、不正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、1枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
【0189】
(打順ベルA)
打順ベルAのうち、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA4」は、第1正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ特定のタイミング(正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、換言すると、第1正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリールにおける特定の図柄(第1特定図柄:青BAR図柄「青BAR」)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば
図24で「青」と示した図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている(15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている)。換言すると、第1正解打順で操作をし、かつ、第1特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。
【0190】
打順ベルAのうち、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA4」は、第2正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち(1)第1正解打順で操作がされ、かつ前記特定のタイミングとは異なるタイミング(不正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリールにおける特定の図柄(第1特定図柄)が含まれない所定範囲内の図柄(例えば
図24で「赤」と示した図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、あるいは(2)第2正解打順で操作がされた場合、3枚役が入賞するようになっている。本実施形態において「第2正解操作態様」には、第1正解打順で操作したが第1停止操作のタイミングが不適切であった(目押しに失敗した)態様と、第2正解打順で操作した態様と、がある。
【0191】
打順ベルAのうち、当選エリア「打順ベルA5」~「打順ベルA8」は、第1正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ特定のタイミング(正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、換言すると、第1正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリールにおける特定の図柄(第2特定図柄:赤BAR図柄「赤BAR」)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば
図24で「赤」と示した図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。換言すると、第1正解打順で操作をし、かつ、第2特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。
【0192】
打順ベルAのうち、当選エリア「打順ベルA5」~「打順ベルA8」は、第2正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち(1)第1正解打順で操作がされ、かつ前記特定のタイミングとは異なるタイミング(不正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリールにおける特定の図柄(第2特定図柄)が含まれない所定範囲内の図柄(例えば
図24で「青」と示した図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、あるいは(2)第2正解打順で操作がされた場合、3枚役が入賞するようになっている。
【0193】
当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」は、不正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち不正解打順で操作がされた場合、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0194】
当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA4」は、互いに異なる打順が正解打順(第1正解打順および第2正解打順)に設定されている。また、当選エリア「打順ベルA5」~「打順ベルA8」は、互いに異なる打順が正解打順(第1正解打順および第2正解打順)に設定されている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA4」と、当選エリア「打順ベルA5」~「打順ベルA8」とでは、第1正解打順で操作を行う際における、15枚役の入賞を可能とする停止操作(第1停止操作)のタイミングが異なっている。
【0195】
また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順(第1正解打順および第2正解打順)に設定されており、打順1および打順2は正解打順に設定されていない。なお、
図27における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0196】
(打順ベルC)
「打順ベルC1」~「打順ベルC8」(打順ベルC)の各当選エリアは、正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順となっている。「打順ベルC1」~「打順ベルC8」の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順(正解操作態様)で操作がされると10枚役(正解小役)が入賞するようになっており、正解操作態様とは異なる操作態様(不正解操作態様、不正解打順)で操作がされると正解小役(10枚役)が入賞せず、1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの当選エリアが当選した場合に、正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、10枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められ、不正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、1枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
【0197】
当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」は、正解操作態様で操作がされると、10枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」は、不正解操作態様で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0198】
上述のとおり、打順ベルAは、第1正解操作態様で操作がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ特定のタイミング(正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、15枚役が入賞する。一方、打順ベルCは、正解操作態様(正解打順)で停止操作がされた場合、10枚役が入賞する。打順ベルC当選時の正解操作態様は、打順ベルA当選時における第1正解操作態様と異なり、ストップボタン26の押下タイミングに関わらず正解小役を入賞させることが可能となっている。
【0199】
当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC4」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「打順ベルC5」~「打順ベルC8」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は正解打順に設定されていない。
【0200】
また、「打順ベルC1」~「打順ベルC4」の各当選エリアは、一般中状態において当選したときには、RBB内部中状態であれば10枚役が入賞する打順(正解打順)で停止操作がされても10枚役は入賞せず、1枚役が入賞するようになっている。
【0201】
(打順ベルD)
「打順ベルD1」~「打順ベルD4」(打順ベルD)の各当選エリアは、正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順となっている。具体的には、打順1および打順2が正解打順となっており、打順3~打順6が不正解打順となっている。「打順ベルD1」~「打順ベルD4」の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順(正解操作態様)で操作がされると15枚役(正解小役)が入賞するようになっており、正解操作態様とは異なる操作態様(不正解操作態様、不正解打順)で操作がされると正解小役(15枚役)が入賞せず、1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの当選エリアが当選した場合に、正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、15枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められ、不正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、1枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
【0202】
当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」は、正解操作態様で操作がされると、15枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」は、不正解操作態様で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0203】
当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」は、同じ打順(打順1および打順2)が正解打順に設定されており、同じ打順(打順3~打順6)が不正解打順に設定されている。
【0204】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。本実施形態における有効ライン上に表示される図柄組合せと入賞となる役(小役)との対応関係を
図28、
図29および
図30に示す。
図28に示すように、例えば、第1リール20aの上段にスイカ図柄「WM」が停止し、第2リール20bの中段にベル図柄A「BLA」が停止し、第3リール20cの下段にリプレイ図柄「RP」が停止した場合には、小役1が入賞となる。
【0205】
メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0206】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0207】
本実施形態では、小役1~小役8、小役13~小役16に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役9~小役12、小役39に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役17~小役20に入賞すると10枚のメダルが払い出され、小役21~小役38、小役40、小役41、小役43、小役45に入賞すると1枚のメダルが払い出され、小役42、小役44に入賞すると8枚のメダルが払い出されるようになっている。15枚役は、10枚役、8枚役、3枚役および1枚役よりも配当の大きい役となっている。1枚役は、15枚役、10枚役、8枚役および3枚役よりも配当の小さい役となっている。15枚役、10枚役、8枚役は、入賞した場合に、1遊技に対しベットされるメダル(遊技価値)よりも多数のメダルを獲得できる役(遊技の開始に必要となるメダルの投入数よりも入賞した場合のメダルの払出数が大きい役)ということができる。また、15枚役、10枚役、8枚役、3枚役は、入賞した場合に、1遊技に対しベットされるメダル(遊技価値)以上のメダルを獲得できる役ということができる。また、1枚役は、入賞した場合に1遊技に対しベットされるメダル以下の(よりも少ない)数のメダルを獲得できる役ということができる。
【0208】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0209】
遊技状態制御手段49は、
図31に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0210】
また、上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0211】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「中配当ALL」および「1枚ALL」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0212】
RBB内部中状態(第1遊技状態)は、内部抽選でビッグボーナス(特別役)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「中配当ALL」および「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0213】
RBB作動中状態(第2遊技状態)は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「中配当ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0214】
図25に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば打順ベルが当選した場合に、正解打順(正解操作態様)を報知して所定の役(正解小役)の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が指示演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、指示演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、指示演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも指示演出で報知される操作態様に対応する表示(情報)が表示される。
【0215】
遊技区間制御手段80は、
図32に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間の終了条件が成立すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0216】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づき、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0217】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「4000」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が4000回に設定されており、有利区間において4000回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
なお、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば4000回)に達したことに基づいては、有利区間の終了条件が成立しないようになっていてもよい。
【0218】
遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、15枚のメダルの払い出しがあった場合には「15」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。
本実施形態では、差枚数カウンタ64の記憶値は有利区間移行時(有利区間開始時)の初期値「0」を下回ることがあるように制御される。例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回る。本実施形態では、有利区間において獲得可能なメダル数には上限値が設定されていて、有利区間移行時(有利区間開始時)を基準として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。なお、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
また、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御されてもよい。換言すると、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっていてもよい。さらに換言すると、有利区間において獲得可能なメダル数には上限値が設定されていて、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっていてもよい。
【0219】
また、有利区間表示器は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。なお、有利区間表示器は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0220】
演出状態制御手段81は、
図32に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、第1CZ演出状態、第1AT演出状態、第2CZ演出状態および第2AT演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0221】
(非有利区間演出状態)
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のとおり特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。
【0222】
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。また、通常演出状態は、CZ演出状態(第1CZ演出状態および第2CZ演出状態)やAT演出状態(第1AT演出状態および第2AT演出状態)に比べて、指示演出が実行される頻度が低く、指示演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている(メダルの獲得に対する期待値が低くなっている)。
【0223】
通常演出状態では、特典付与手段82は、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に基づき、第1CZ演出状態への移行可否を決定する抽選(第1CZ抽選)を行う。通常演出状態において、第1CZ抽選に当選した場合、演出状態制御手段81は、演出状態を第1CZ演出状態へ移行させる。なお、例えば、通常演出状態における遊技回数に上限(いわゆる天井)を設定し、通常演出状態において所定回数(例えば500回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81が、演出状態を第1CZ演出状態へ移行させることとしてもよい。
【0224】
(第1CZ演出状態)
第1CZ演出状態(第1チャンス演出状態)において、所定の条件が達成されると、特典付与手段82は、遊技者にとって有利な特典としての第1AT演出状態への移行の権利を付与するようになっている。そして、第1AT演出状態への移行の権利が付与されたことに基づき、演出状態制御手段81は、演出状態を第1AT演出状態へ移行させる。すなわち、第1CZ演出状態において、演出状態制御手段81は、所定の契機で演出状態を第1AT演出状態に移行させ得る。例えば、第1CZ演出状態において、特典付与手段82が内部抽選の結果に基づき(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づき)第1AT演出状態への移行可否を決定する抽選(第1AT抽選)を行い、第1AT抽選に当選した場合に、所定の条件が達成されたものとし、第1AT演出状態への移行の権利を付与することとしてもよい。
【0225】
演出状態制御手段81は、第1CZ演出状態の終了条件が成立すると(例えば第1CZ演出状態において所定回数の遊技が行われると)、第1CZ演出状態を終了させる。演出状態制御手段81は、第1CZ演出状態の終了時に第1AT演出状態への移行の権利が付与されているか否かを判定し、当該権利が付与されている場合、演出状態を第1AT演出状態へ移行させる。一方、当該権利が付与されていない場合、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、第1CZ演出状態の終了時に、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)場合があってもよい。
【0226】
本実施形態では、第1CZ演出状態において指示演出が実行され得るが、AT演出状態(第1AT演出状態および第2AT演出状態)に比べて、指示演出が実行される頻度は低くなっている。なお、指示演出が実行される頻度が低いとは、指示演出が全く行われない場合を含むものであってもよい。
【0227】
(第1AT演出状態)
第1AT演出状態において、指示機能制御手段51は、所定の当選エリア(打順ベル)の当選に基づき、正解操作態様を報知する指示演出の実行を決定する。指示演出の実行が決定されると、演出制御手段100は指示演出を実行する。なお、第1AT演出状態において実行される指示演出の詳細については後述する。演出制御手段100は、正解操作態様を報知して、所定の役(正解小役)の入賞を補助する指示演出を、液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる。指示演出で報知された正解操作態様に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると、所定の役(正解小役)が入賞し得る(所定枚数のメダルを獲得し得る)。
【0228】
第1AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられた第1AT終了判定カウンタ67の記憶値に基づいて管理されている。指示機能制御手段51は、演出状態が第1AT演出状態へ移行する場合に、第1AT終了判定カウンタ67に設定する値を決定する。換言すると、指示機能制御手段51は、演出状態が第1AT演出状態へ移行する場合に、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。さらに換言すると、指示機能制御手段51は、演出状態が第1AT演出状態へ移行する場合に、第1AT終了判定カウンタ67に、第1AT演出状態の継続期間に係る値を設定する。
【0229】
指示機能制御手段51は、第1AT演出状態における遊技の進行に応じて、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を減少させる。そして、演出状態制御手段81は、第1AT演出状態において第1AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、第1AT演出状態の終了条件が成立したとして、第1AT演出状態を終了させる。
【0230】
本実施形態では、指示機能制御手段51は、第1AT演出状態へ移行する場合に、第1AT終了判定カウンタ67に、第1AT演出状態において実行可能な遊技回数に相当する値(例えば50)を設定する。指示機能制御手段51は、第1AT演出状態において1回の遊技が行われる毎に、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値から、1回分の遊技に相当する値「1」を減算する処理を行う。演出状態制御手段81は、第1AT演出状態において第1AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、第1AT演出状態の終了条件が成立したとし、第1AT演出状態を終了させる。
【0231】
なお、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値は、例えば、第1AT演出状態において獲得可能なメダルの枚数を表すものとしてもよく、実行可能な第1AT演出状態のセット数(第1ATセット数)を表すものとしてもよく、第1AT演出状態において実行可能な指示演出の回数(ナビ回数)を表すものとしてもよい。換言すると、第1AT演出状態が開始される場合に、第1AT終了判定カウンタ67に獲得可能なメダルの枚数や、第1ATセット数や、ナビ回数等を設定するとともに、第1AT演出状態において、メダルが払い出される毎、1セットの第1AT演出状態が行われる毎あるいは指示演出が行われる毎等の、所定契機で第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を更新し、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値に達したことに基づいて、第1AT演出状態を終了させることとしてもよい。
【0232】
特典付与手段82は、第1AT演出状態において、所定契機で第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させるか否か決定する(第1AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選の結果に基づいて第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させてもよい。
【0233】
第1AT演出状態において、所定の条件が達成されると、特典付与手段82は、遊技者にとって有利な特典としての第2CZ演出状態への移行の権利を付与するようになっている。詳細は後述するが本実施形態では、第1AT演出状態よりも遊技者にとって有利な第2AT演出状態が設けられており、第2CZ演出状態では、当該第2AT演出状態への移行可否が決定される。第2AT演出状態への移行の権利が付与され得る第2CZ演出状態は、遊技者にとって有利な演出状態となっている。第1AT演出状態において第2CZ演出状態への移行の権利が付与された場合、演出状態制御手段81は、それに基づき演出状態を第2CZ演出状態へ移行させる。すなわち、第1AT演出状態において、演出状態制御手段81は、所定の契機で演出状態を第2CZ演出状態に移行させ得る。
【0234】
例えば、第1AT演出状態において、特典付与手段82が内部抽選の結果に基づき(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づき)第2CZ演出状態への移行可否を決定する抽選(第2CZ抽選)を行い、第2CZ抽選に当選した場合に、所定の条件が達成されたものとし、第2CZ演出状態への移行の権利が付与されてもよい。
【0235】
また、例えば、第1AT演出状態において複数の達成条件が達成された場合に、所定の条件が達成されたものとし、第2CZ演出状態への移行の権利が付与されてもよい。例えば、討伐対象のキャラクタと対戦する演出(バトル演出)が所定回数行われ、討伐したことが当該所定回数報知されると、第2CZ演出状態への移行が決定するものであってもよい。この場合、例えば、1つのバトル演出において討伐となるか否かは、対応する1つの達成条件が達成状態(達成条件を達成した状態)となっているか否かによって決まり、当該バトル演出が行われる遊技で実行される抽選(1つの達成条件を達成したか否かを決定する抽選)で当選すると当該達成条件が達成状態に設定されてもよい。また、この場合、当該抽選に当選し、1つの達成条件が達成状態に設定されると、第1AT演出状態の継続が決定し、当該抽選に当選しないと第1AT演出状態の終了が決定してもよい。第1AT演出状態において、最後の当該抽選に当選し、すべての達成条件が達成状態に設定されると、第2CZ演出状態への移行が決定するとしてもよい。
【0236】
演出状態制御手段81は、第1AT演出状態の終了時に第2CZ演出状態への移行の権利が付与されているか否かを判定し、当該権利が付与されている場合、演出状態を第2CZ演出状態へ移行させる。一方、当該権利が付与されていない場合、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、第1AT演出状態の終了時に、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)場合があってもよい。
【0237】
(第2CZ演出状態)
第2CZ演出状態において、所定の条件が達成されると、特典付与手段82は、遊技者にとって有利な特典としての第2AT演出状態への移行の権利を付与するようになっている。演出状態制御手段81は、第2AT演出状態への移行の権利が付与されたことに基づき、演出状態を第2AT演出状態へ移行させる。すなわち、第2CZ演出状態において、演出状態制御手段81は、所定の契機で演出状態を第2AT演出状態に移行させ得る。
【0238】
なお、本実施形態では、第2CZ演出状態において指示演出が実行され得るが、AT演出状態(第1AT演出状態および第2AT演出状態)に比べて、指示演出が実行される頻度が低くなっていてもよい。
【0239】
例えば、第2CZ演出状態において、特典付与手段82が内部抽選の結果に基づき(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づき)第2AT演出状態への移行可否を決定する抽選(第2AT抽選)を行い、第2AT抽選に当選した場合に、所定の条件が達成されたものとし、第2AT演出状態への移行の権利が付与されてもよい。
【0240】
また、例えば、第2CZ演出状態において、内部抽選の結果が所定の結果である場合に(例えばリプレイに係る所定の当選エリアに当選した場合に)、所定演出(狙え演出)が実行され、所定演出が実行された遊技で、所定の停止態様でリール20a~20cが停止した場合に、所定の条件が達成されたものとし、第2AT演出状態への移行の権利が付与されてもよい。所定演出は、特典としての第2AT演出状態への移行の権利の付与に関する演出であり、所定の操作態様で停止操作を行うことを指示する(促す)演出となっている。所定演出が実行された遊技で、所定の操作態様で停止操作を行うことで、所定の停止態様でリール20a~20cを停止させることが可能となっている。所定演出では、所定の操作態様で停止操作を行うことを指示する表示として、例えば、所定の押下順序でストップボタン26を押下することを指示する表示(例えば「順押し」という文字表示)と、リール20a~20cについて所定図柄(例えば赤BAR図柄「赤BAR」や青BAR図柄「青BAR」)が所定の表示位置に表示されるように所定のタイミングでストップボタン26を押下することを指示する表示と、が表示される。所定の操作態様で停止操作を行うとは、所定演出に係る表示に従い、所定の打順で、かつ所定のタイミングで停止操作を行う、ということができる。また、所定の停止態様とは、例えば、3つのリール20a~20cについて所定の表示位置(例えば中段)に所定図柄が表示され、3つの所定図柄が一列に揃う停止態様である。本実施形態では、所定の停止態様は、BAR図柄(赤BAR図柄「赤BAR」、青BAR図柄「青BAR」またはそれらの組合せ)が中段に一直線上に並んで表示される態様となっている。
【0241】
本実施形態では、第2AT演出状態への移行の権利が付与されることなく、第2CZ演出状態の終了条件が成立した場合(例えば第2CZ演出状態において所定回数の遊技が行われた場合)、演出状態制御手段81は、演出状態を第1AT演出状態へ移行させるようになっている。なお、第2AT演出状態への移行の権利が付与されることなく、第2CZ演出状態の終了条件が成立した場合に、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態や非有利区間演出状態へ移行させてもよい。
【0242】
(第2AT演出状態)
第2AT演出状態において、指示機能制御手段51は、所定の当選エリア(打順ベル)の当選に基づき、正解操作態様を報知する指示演出の実行を決定する。指示演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、指示演出を実行する。なお、第2AT演出状態において実行される指示演出の詳細については後述する。
【0243】
第2AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられた第2AT終了判定カウンタ68の記憶値に基づいて管理されている。第2AT終了判定カウンタ68の記憶値の管理手法は、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値の管理手法と同様であるため、重複する説明を省略する。特典付与手段82は、第2AT演出状態において、所定契機で第2AT終了判定カウンタ68の記憶値を増加させるか否か決定する(第2AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選の結果に基づいて第2AT終了判定カウンタ68の記憶値を増加させてもよい。
【0244】
第2AT演出状態では、例えば、特典付与手段82が内部抽選の結果に基づき(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づき)第2CZ演出状態への移行可否を決定する抽選を行い、当該抽選に当選した場合に、第2CZ演出状態への移行の権利が付与される。演出状態制御手段81は、第2AT演出状態の終了条件が成立すると(例えば第2AT演出状態において所定回数の遊技が行われると)、第2AT演出状態を終了させる。演出状態制御手段81は、第2AT演出状態の終了時に第2CZ演出状態への移行の権利が付与されているか否かを判定し、当該権利が付与されている場合、演出状態を第2CZ演出状態へ移行させる。一方、演出状態制御手段81は、第2AT演出状態の終了時に第2CZ演出状態への移行の権利が付与されていない場合、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、第2AT演出状態の終了時に、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)場合があってもよい。
【0245】
本実施形態において、CZ演出状態(第1CZ演出状態および第2CZ演出状態)は、通常演出状態よりもAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)への移行の期待度が高く、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な状態(演出状態)となっている。また、AT演出状態(第1AT演出状態および第2AT演出状態)は、通常演出状態やCZ演出状態に比べ、指示演出が実行される頻度が高く、通常演出状態やCZ演出状態に比べ、遊技者にとって有利な状態(演出状態)となっている。
【0246】
本実施形態において、通常演出状態からAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)へ直接移行することがあってもよい。例えば、通常演出状態での第1CZ抽選において、単に第1CZ演出状態への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)に移行させるか、CZ演出状態(第1CZ演出状態または第2CZ演出状態)へ移行させるか、それとも通常演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、AT抽選(第1AT抽選または第2AT抽選)や第2CZ抽選を通常演出状態において行ってもよい。
【0247】
また、本実施形態において、非有利区間演出状態からCZ演出状態(第1CZ演出状態または第2CZ演出状態)やAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)へ直接移行することがあってもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(通常演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)に移行させるか、CZ演出状態(第1CZ演出状態または第2CZ演出状態)に移行させるか、通常演出状態へ移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、CZ抽選(第1CZ抽選または第2CZ抽選)やAT抽選(第1AT抽選または第2AT抽選)を非有利区間演出状態において行ってもよい。
【0248】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がRBB内部中状態である場合にAT演出状態への移行を可能とし、一般中状態やRBB作動中状態においてはAT演出状態への移行を不可能としてもよい。換言すると、一般中状態やRBB作動中状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0249】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がRBB内部中状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するRBB作動中状態の終了後に一般中状態を経由して再びRBB内部中状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると指示演出を止め、再びRBB内部中状態に移行すると指示演出を再開させるようにしてもよい。
【0250】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値、第2AT終了判定カウンタ68の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示機能(指示演出)に係る情報も初期化されるようになっている。
【0251】
本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態(ボーナス内部中状態)である場合には、指示機能に係る抽選(例えばAT演出状態への移行に関する抽選)や、指示演出に関する特典(例えばAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、指示演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態(ボーナス作動中状態)である場合には、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与や、指示演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。
【0252】
本実施形態では、ボーナス内部中状態においては、内部抽選の結果に関わらず(かつ停止操作の態様に関わらず)ビッグボーナス(RBB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがないようにリール20a~20cの停止制御が実行されるようになっている。すなわち、本実施形態では、遊技状態が一度ボーナス内部中状態に設定されると、以降はボーナス内部中状態での遊技が継続するようになっている。このため、本実施形態では、基本的にボーナス内部中状態で遊技が行われるようになっている。以下では、基本的に遊技状態はボーナス内部中状態であることを前提として説明する。本実施形態では、一般中状態およびボーナス内部中状態では、当選エリア「打順ベル」のそれぞれについて15枚役(打順ベルCは10枚役)が互いに重複せずに当選するように設定する一方で、ボーナス作動中状態では、当選エリア「小役ALL」について15枚役(10枚役)が重複して当選するように設定している。そして、ボーナス作動中状態における当選エリア「小役ALL」の当選確率を、他の遊技状態における当選エリア「打順ベル」のそれぞれの当選確率よりも高く設定している。また、ボーナス作動中状態において当選エリア「小役ALL」に当選する確率を、他の遊技状態において当選エリア「打順ベル」のいずれかに当選する確率よりも低く設定している。そして、これによりボーナス作動中状態において15枚役(10枚役)の入賞が可能な機会を他の遊技状態に比べて減少させ、ボーナスが作動している状況における出玉率の期待値を低くしている。
【0253】
図25に示すように、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブメモリ72と、を備えている。演出サブ制御手段70は、サブメモリ72に記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ13を用いて行う演出や、スピーカ14を用いて行う演出や、照明装置38を用いて行う演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入、ベットボタン23、スタートレバー24およびストップボタン26a~26cに対する操作や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生に応じて照明装置38を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ13の表示内容を変化させたり、スピーカ14から音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0254】
遊技において実行される演出の内容は、遊技状態、演出状態および内部抽選の結果等に対応してメイン制御基板31から送信されるコマンドに応じて、サブメモリ72に記憶されている演出抽選テーブルを用いて決定される。本実施形態では、サブメモリ72のROMに記憶されている画像データをサブメモリ72に設けられたイメージバッファに読み込んで、イメージバッファに読み込まれた画像データに基づく画像が液晶ディスプレイ13に出力(表示)される。また、サブメモリ72のROMに記憶されているサウンドデータをサブメモリ72に設けられたサウンドバッファに読み込んで、サウンドバッファに読み込まれたサウンドデータに基づく音がスピーカ14から出力される。
【0255】
(第1AT演出状態と第2AT演出状態)
次に、本実施形態における第1AT演出状態と第2AT演出状態とについて説明する。第2AT演出状態(上位AT演出状態)は、第1AT演出状態(下位AT演出状態)よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。詳細は後述するが、第2AT演出状態は、第1AT演出状態に比べ、1遊技あたりのメダルの増加数の期待値(換言すると純増枚数)が高く(多く)設定されている。本実施形態では、第1AT演出状態と第2AT演出状態とでは、打順ベルA(目押し打順ベル)当選時に実行される、正解操作態様に関する指示演出の態様が異なっている。換言すると、打順ベルA当選時に実行される指示演出の態様が、AT演出状態の種類(第1AT演出状態であるか第2AT演出状態であるか)に応じて異なっている。
【0256】
(第2ナビ演出)
まず、第2AT演出状態において、打順ベルA当選時に実行される指示演出について説明する。第2AT演出状態において、打順ベルAに当選し、指示演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、正解操作態様(第1正解操作態様)を報知する指示演出として第2ナビ演出(打順目押しナビ演出)を実行する。換言すると、第2AT演出状態において打順ベルAが当選した場合、演出制御手段100は、正解操作態様(第1正解操作態様)での停止操作を補助する(促す)第2ナビ演出を実行する。
【0257】
演出制御手段100は、
図33(a)に示すように、第1正解打順(を示す数字)を液晶ディスプレイ13に表示させるとともに、15枚役を入賞させるにあたって特定のタイミングで停止操作を行う必要がある所定のリール(本実施形態ではリール20bまたはリール20c)について、当該リールの所定の図柄(狙うべき図柄:特定のタイミングに対応する図柄)に対応する画像(図柄ナビ)を液晶ディスプレイ13に表示させ、第1正解操作態様を報知する。具体的には、演出制御手段100は、第1正解打順を液晶ディスプレイ13に表示させるとともに、15枚役の入賞を可能とする期間内(タイミング)において所定の表示位置(表示窓16を介して視認される表示位置)に表示される図柄を液晶ディスプレイ13に表示させ、第1正解操作態様を報知する。より具体的には、演出制御手段100は、第1正解打順の第1停止操作に係るリールについて、第1停止操作を行うべき期間内(タイミング)において所定の表示位置に表示される図柄に対応する画像を表示させる。また、演出制御手段100は、第1正解打順の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示としての数字の「1」を表示させ、第1正解打順の第2停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に2番目の操作を促す表示としての数字の「2」を表示させ、第1正解打順の第3停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に3番目の操作を促す表示としての数字の「3」を表示させる。
【0258】
第2AT演出状態において、打順ベルAが当選した際に、第2ナビ演出で報知される第1正解操作態様に沿って(従って)ストップボタン26a~26cが押下されると必ず15枚役が入賞して15枚のメダルを獲得することができるようになっている。すなわち、第2ナビ演出の実行時においては、報知される第1正解打順で停止操作を行うとともに、第1停止操作を、液晶ディスプレイ13に表示される画像に対応する図柄が所定の表示位置に表示されているタイミング(正解押下タイミング)で行うことで、15枚のメダルを獲得することができるようになっている。
【0259】
図33(a)では、当選エリア「打順ベルA1」が当選しており、打順3(第1正解打順)で停止操作を行うとともに、リール20bについて図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が所定の表示位置に表示されているタイミング(正解押下タイミング)で第1停止操作を行うことで、15枚役が入賞することを報知する演出が実行されている。なお、
図33(a)では、当選エリア「打順ベルA1」が当選しており、打順3で停止操作を行うとともに、リール20bについて図柄番号0~9番のいずれかの図柄が有効ライン上に表示されているタイミングで第1停止操作を行うことで、15枚役が入賞するようになっている。
【0260】
第2ナビ演出は、15枚役を入賞させるにあたって特定のタイミング(正解押下タイミング)で停止操作を行う必要がある所定のリールについて、当該特定のタイミングで停止操作を行った場合に、所定の表示位置に表示される図柄に対応する画像を液晶ディスプレイ13に表示させることにより、当該特定のタイミング(狙うべき図柄)を知らせるもの等であってもよい。例えば、
図33(b)に示すように、当選エリア「打順ベルA1」に当選した場合に、15枚役を入賞させるにあたって特定のタイミングで停止操作(第1停止操作)を行う必要があるリール20bについて、所定の表示位置に表示される図柄(青BAR図柄「青BAR」)に対応する画像を液晶ディスプレイ13に表示させ、特定のタイミングで停止操作を行う必要がない(いずれのタイミングで停止操作を行ってもよい)リール(リール20aおよびリール20c)について、第1正解打順(を示す数字)を液晶ディスプレイ13に表示させてもよい。
【0261】
(第1ナビ演出)
次に、第1AT演出状態において、打順ベルA当選時に実行される指示演出について説明する。第1AT演出状態において、打順ベルAに当選し、指示演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、正解操作態様の一部を報知する指示演出(第1ナビ演出)を実行する。なお、ここでの「正解操作態様の一部」は、第1正解操作態様の一部ということもでき、第2正解操作態様の一部ということもできる。
【0262】
第1AT演出状態において打順ベルAが当選した場合、演出制御手段100は、正解操作態様の一部の停止操作(第1停止操作)を補助する(促す)第1ナビ演出を実行する。第1ナビ演出では、最初に回転を停止させるリールに対応するストップボタン26、すなわち最初に(第1停止操作で)操作すべきストップボタン26が報知される。具体的には、正解操作態様の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示がされる。
【0263】
演出制御手段100は、
図33(c)に示すように、正解操作態様の一部(正解操作態様に係る一部の操作)を報知する。演出制御手段100は、正解操作態様の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示としての数字の「1」を表示させるとともに、残りの2つのストップボタン26に対応する位置に「?」(または「-」等)の文字(記号)を表示させる。
図33(c)では、当選エリア「打順ベルA1」が当選しており、ストップボタン26bについて第1停止操作を行い、その後、第1正解打順(打順3)で操作された場合には15枚役または3枚役が入賞し、第2正解打順(打順4)で操作された場合には3枚役が入賞する。
【0264】
第1AT演出状態において当選エリア「打順ベルA1」(打順ベルA)が当選した際に、第1ナビ演出に沿ってストップボタン26a~26cが押下された場合、第1正解操作態様で操作がされ15枚役が入賞する場合と、第2正解操作態様で操作がされ3枚役が入賞する場合と、がある。具体的には、(1)特定のタイミング(正解押下タイミング)で第1停止操作が行われ、かつ第1正解打順で操作がされ15枚役が入賞する場合と、(2)前記特定のタイミングとは異なるタイミング(不正解押下タイミング)で第1停止操作が行われ、かつ第1正解打順で操作されて3枚役が入賞する場合と、(3)第2正解打順で操作され、3枚役が入賞する場合と、がある。このため、第1AT演出状態では、打順ベルA(目押し打順ベル)当選時に15枚役が入賞する確率が、3枚役が入賞する確率よりも低くなっている。換言すると、第1AT演出状態では、打順ベルA当選時に3枚役が入賞する確率が、15枚役が入賞する確率よりも高くなっている。
【0265】
これにより、第1AT演出状態は、第2AT演出状態に比べ、1遊技あたりのメダルの増加数の期待値(純増枚数)が低くなっている。換言すると、第2AT演出状態は、第1AT演出状態に比べ、1遊技あたりのメダルの増加数の期待値(純増枚数)が高くなっている。本実施形態では、第1AT演出状態(低純増期間)の純増枚数は2.3枚となっており、第2AT演出状態(高純増期間)の純増枚数は4.0枚となっている。なお、純増枚数は、1遊技あたりのメダルの払出数の期待値から、1遊技あたりのメダルの投入数の期待値を減算することにより算出される。また、当該算出には、リプレイの入賞が考慮されるが、リプレイの入賞は例えば、リプレイの入賞をその遊技における投入数と同じ数のメダルの払い出しとして算出してもよく、次回の遊技における投入数が「0」になるものとして算出してもよい。
【0266】
第1ナビ演出と第2ナビ演出とを比較すると、第2ナビ演出は、第1ナビ演出に比べ、15枚役(正解小役)を入賞させることが容易となっている。したがって、第2ナビ演出は、第1ナビ演出に比べ、遊技者にとって有利な演出と言うことができる。
【0267】
本実施形態では、第1AT演出状態において打順ベルAに当選した場合に第1ナビ演出が実行され、第2AT演出状態において打順ベルAに当選した場合に第2ナビ演出が実行されるようになっているが、各演出状態において打順ベルAに当選した場合に必ず各演出が実行されるようになっていてもよく、各演出が実行されない場合が存在するようになっていてもよい。また、第1AT演出状態において打順ベルAに当選した場合に第2ナビ演出が実行され得るようになっていてもよく、第2AT演出状態において打順ベルAに当選した場合に第1ナビ演出が実行され得るようになっていてもよい。
【0268】
(第3ナビ演出)
次に、第1AT演出状態および第2AT演出状態において、打順ベルCに当選した場合に実行される指示演出について説明する。第1AT演出状態および第2AT演出状態において打順ベルCに当選し、指示演出の実行が決定された場合、演出制御手段100は、正解操作態様(正解打順)を報知する指示演出として第3ナビ演出を実行する。換言すると、第1AT演出状態であっても第2AT演出状態であっても、打順ベルCに当選した場合には、正解操作態様に関する同じ(共通の)第3ナビ演出が実行される。打順ベルCに当選した場合、演出制御手段100は、正解操作態様(正解打順)での停止操作を補助する(促す)第3ナビ演出を実行する。
【0269】
演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解操作態様(正解打順)を表示させる。演出制御手段100は、
図33(d)に示すように、正解打順の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示としての数字の「1」を表示させ、正解打順の第2停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に2番目の操作を促す表示としての数字の「2」を表示させ、正解打順の第3停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に3番目の操作を促す表示としての数字の「3」を表示させる。なお、
図33(d)では、当選エリア「打順ベルC1」が当選しており、打順3での停止操作が正解操作態様(正解打順)であることが報知されている。
【0270】
第3ナビ演出が実行された場合、第3ナビ演出において報知される通りに停止操作が行われると、必ず10枚役が入賞するようになっている。打順ベルCは、正解操作態様で停止操作が行われた場合、各停止操作のタイミングにかかわらず必ず10枚役が入賞するように構成されている。
【0271】
(停止制御)
次に、本実施形態において、内部抽選で当選エリア「打順ベルA1」(打順3が第1正解打順の打順ベルA)に当選し、所定の態様で停止操作が行われた場合における停止制御について説明する。
図34(a)に示すように、当選エリア「打順ベルA1」に含まれる小役は、小役1、小役9、小役25および小役38である。当選エリア「打順ベルA1」に当選した場合、小役1、小役9、小役25および小役38が重複して当選し、当選状態に設定される。
【0272】
(第1正解操作態様に係る第1停止操作がされた場合)
当選エリア「打順ベルA1」に当選した遊技で、リール20a~リール20cがそれぞれ回転している状況で、リール20bについて、例えば、中段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミング(正解押下タイミング)でストップボタン26bが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」、図柄番号2番のスイカ図柄「WM」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」、図柄番号0番のリプレイ図柄「RP」、の5通りとなる。
【0273】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルA1」の当選時において、第1停止操作でかつ正解押下タイミングでストップボタン26bが押下された場合(第1正解操作態様に係る第1停止操作がされた場合、第1停止操作に正解(成功)した場合)、リール制御手段43は、メダルの払出数が最大となるように(配当が多い小役を入賞させることができるように)停止位置を決定する。換言すると、枚数優先制御でリールの停止位置を決定する。
【0274】
図34(a)より、リール20bについて、青BAR図柄「青BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役25であり、その配当は1枚である。リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役1と小役9であり、小役1の配当は15枚で、小役9の配当は3枚である。リール20bについて、スイカ図柄「WM」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役はない。リール20bについて、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役はない。リール20bについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役38であり、その配当は1枚である。
【0275】
リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に表示させた場合に、メダルの払出数が最も多くなるため、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に停止する位置が、リール20bの停止位置として決定される。
【0276】
図34(b)に示すように、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役1および小役9となる。
【0277】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルA1」の当選時において、第1停止操作に正解し、続く第2停止操作でストップボタン26aが押下された場合(第2停止操作に正解した場合)、リール制御手段43は、枚数優先制御でリールの停止位置を決定する。
【0278】
図34(b)に示すように、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止し、リール20aおよびリール20cが回転している状況において、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」、図柄番号1番のスイカ図柄「WMB」および図柄番号0番のチェリー図柄「CA」である。
【0279】
枚数優先制御により図柄番号1番のスイカ図柄「WM」を有効ライン上に停止させた場合にメダルの払出数が最大となることから、図柄番号1番のスイカ図柄「WM」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号2番のスイカ図柄「WM」が有効ライン上に停止する位置を、リール20aの停止位置として決定する。
【0280】
図34(c)に示すように、スイカ図柄「WM」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、ベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役1となる。
【0281】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルA1」の当選時において、第1停止操作および第2停止操作に正解し、続く第3停止操作でストップボタン26cが押下された場合(第3停止操作に正解した場合)、リール制御手段43は、枚数優先制御でリールの停止位置を決定する。
【0282】
図34(c)に示すように、リール20cが回転している状況において、リール20cについて、例えば下段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」、図柄番号2番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」および図柄番号0番のベル図柄A「BLA」である。
【0283】
枚数優先制御により図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合にメダルの払出数が最大となることから、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に停止する位置が、リール20cの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に停止する位置を、リール20cの停止位置として決定する。リプレイ図柄「RP」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止すると、
図34(d)に示すように、小役1の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、15枚のメダルが払い出される。
【0284】
なお、本実施形態では、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に、第1停止操作に正解した後、第1正解打順に沿って第2停止操作および第3停止操作が行われた場合、第2停止操作および第3停止操作がいずれのタイミングで行われても、小役1の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるようになっている。
【0285】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルA1」の当選時に、第1停止操作に正解し、続く第2停止操作でストップボタン26cが押下された場合(すなわち第2停止操作に失敗した場合)、リール制御手段43は、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなるように停止位置を決定する。換言すると、個数優先制御でリールの停止位置を決定する。
【0286】
図35(a)について、第1停止操作に係る説明は
図34(a)と同様であるため、省略する。
図35(b)に示すように、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止し、リール20aおよびリール20cが回転している状況において、リール20cについて、例えば、下段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合(第2停止操作に失敗した場合)、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」、図柄番号2番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」および図柄番号0番のベル図柄A「BLA」である。
【0287】
個数優先制御により図柄番号3番のスイカ図柄「WM」を有効ライン上に停止させた場合に有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなることから、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」が有効ライン上に停止する位置が、リール20cの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」が有効ライン上に停止する位置を、リール20cの停止位置として決定する。
【0288】
図35(c)に示すように、ベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止し、スイカ図柄「WM」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役9となる。
【0289】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルA1」の当選時において、第1停止操作に正解し、第2停止操作に失敗し、続く第3停止操作でストップボタン26aが押下された場合(第3停止操作に失敗した場合)、リール制御手段43は、個数優先制御でリールの停止位置を決定する。本実施形態では、打順ベルA当選時に、第1停止操作または第2停止操作に失敗した場合、失敗した停止操作以降の停止操作では、個数優先制御でリールの停止位置が決定される。
【0290】
図35(c)に示すように、リール20aが回転している状況において、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」、図柄番号1番のスイカ図柄「WMB」および図柄番号0番のチェリー図柄「CA」である。
【0291】
個数優先制御により図柄番号0番のチェリー図柄「CH」を有効ライン上に停止させた場合に有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなることから、図柄番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ライン上に停止する位置を、リール20aの停止位置として決定する。チェリー図柄「CH」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止すると、
図35(d)に示すように、小役9の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、3枚のメダルが払い出される。
【0292】
本実施形態では、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に、第1停止操作に正解した後、第1正解打順に沿わずに第2停止操作および第3停止操作が行われた場合、第2停止操作および第3停止操作がいずれのタイミングで行われても、小役9の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるようになっている。
【0293】
(第2正解操作態様に係る第1停止操作がされた場合)
図34および
図35では、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に第1正解操作態様に係る第1停止操作がされた場合を示したが、次に、
図36を用いて、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に第2正解操作態様に係る第1停止操作がされた場合について説明する。ここでの第2正解操作態様は、第1正解打順で、かつ特定のタイミングとは異なるタイミング(不正解押下タイミング)で第1停止操作が行われた操作態様とする。
【0294】
当選エリア「打順ベルA1」に当選した遊技で、リール20a~リール20cがそれぞれ回転している状況で、リール20bについて、例えば、中段(有効ライン上)に図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が位置しているタイミング(不正解押下タイミング)でストップボタン26bが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、
図24に示すように、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号13番のベル図柄A「BLA」、図柄番号12番の赤7図柄「赤7」、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」、の5通りとなる。
【0295】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルA1」の当選時において、第1停止操作でかつ不正解押下タイミングでストップボタン26bが押下された場合(第1停止操作に失敗した場合)、リール制御手段43は、個数優先制御でリールの停止位置を決定する。また、リール制御手段43は、第1停止操作に失敗した場合、続く第2停止操作および第3停止操作も個数優先制御でリールの停止位置を決定する。
【0296】
図36(a)に示すように、図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せの個数は、以下の通りである。すなわち、リール20bについて、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は5個となる。リール20bについて、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20bについて、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20bについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。
【0297】
リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が5個となり最も多くなるため、図柄番号13番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に停止する位置が、リール20bの停止位置として決定される。
【0298】
図36(b)に示すように、図柄番号13番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、入賞可能な役は小役1および小役9となる。
【0299】
図36(b)に示すように、図柄番号13番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止し、リール20aおよびリール20cが回転している状況において、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」、図柄番号1番のスイカ図柄「WMB」および図柄番号0番のチェリー図柄「CA」である。
【0300】
個数優先制御により図柄番号0番のチェリー図柄「CH」を有効ライン上に停止させた場合に有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなることから、図柄番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ライン上に停止する位置を、リール20aの停止位置として決定する。
【0301】
図36(c)に示すように、チェリー図柄「CH」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、ベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役9となる。
【0302】
図36(c)に示すように、リール20cが回転している状況において、リール20cについて、例えば、下段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」、図柄番号2番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」および図柄番号0番のベル図柄A「BLA」である。
【0303】
リール制御手段43は、個数優先制御により図柄番号3番のスイカ図柄「WM」が有効ライン上に停止する位置を、リール20cの停止位置として決定する。図柄番号3番のスイカ図柄「WM」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止すると、
図36(d)に示すように、小役9の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、3枚のメダルが払い出される。
【0304】
図36では、第1停止操作でかつ不正解押下タイミングでストップボタン26bが押下され、打順3(第1正解打順)で操作されて小役9が入賞する場合を示した。説明を省略するが、第1停止操作でかつ不正解押下タイミングでストップボタン26bが押下され、打順4(第2正解打順)で操作された場合も同様に小役9が入賞する。
【0305】
本実施形態では、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に第1停止操作でかつ不正解押下タイミングでストップボタン26bが押下された場合(第1停止操作に失敗した場合)、続く第2停止操作および第3停止操作がいずれのタイミングで行われても、小役9の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるようになっている。
【0306】
(不正解操作態様で操作された場合その1)
次に、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に、第1停止操作でストップボタン26aを押下し、打順1(不正解打順)で操作した場合について説明する。当選エリア「打順ベルA1」に当選した遊技で、リール20a~リール20cがそれぞれ回転している状況で、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」、図柄番号1番のスイカ図柄「WM」、図柄番号0番のチェリー図柄「CH」、の5通りとなる。
【0307】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルA1」の当選時において、第1停止操作でストップボタン26aが押下された場合(第1停止操作に失敗した場合)、リール制御手段43は、個数優先制御でリールの停止位置を決定する。また、リール制御手段43は、第1停止操作に失敗した場合、続く第2停止操作および第3停止操作も個数優先制御でリールの停止位置を決定する。
【0308】
図37(a)に示すように、図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せの個数は、以下の通りである。すなわち、リール20aについて、青BAR図柄「青BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。リール20aについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20aについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。リール20aについて、スイカ図柄「WM」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は1個となる。リール20aについて、チェリー図柄「CH」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。
【0309】
リール20aについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が4個となり最も多くなるため、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。
【0310】
図37(b)に示すように、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、小役38となる。
【0311】
図37(b)に示すように、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、リール20bおよびリール20cが回転している状況において、リール20bについて、例えば、中段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」、図柄番号2番のスイカ図柄「WM」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」および図柄番号0番のリプレイ図柄「RP」となる。
【0312】
個数優先制御により図柄番号0番のリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合に有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなることから、図柄番号0番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に停止する位置が、リール20bの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号0番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に停止する位置を、リール20bの停止位置として決定する。
【0313】
図37(c)に示すように、ベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、リプレイ図柄「RP」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役38となる。
【0314】
図37(c)に示すように、リール20cが回転している状況において、リール20cについて、例えば、下段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」、図柄番号2番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」および図柄番号0番のベル図柄A「BLA」である。
【0315】
リール制御手段43は、個数優先制御により図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が有効ライン上に停止する位置を、リール20cの停止位置として決定する。図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止すると、
図37(d)に示すように、小役38の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0316】
本実施形態では、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に打順1(不正解打順)で操作が行われた場合、第1停止操作~第3停止操作がいずれのタイミングで行われても、小役38の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるようになっている。また、重複するため説明を省略するが、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に打順2(不正解打順)で操作が行われた場合も同様に、第1停止操作~第3停止操作がいずれのタイミングで行われても、小役38の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるようになっている。
【0317】
(不正解操作態様で操作された場合その2)
次に、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に、第1停止操作でストップボタン26cを押下し、打順5(不正解打順)で操作した場合について説明する。当選エリア「打順ベルA1」に当選した遊技で、リール20a~リール20cがそれぞれ回転している状況で、リール20cについて、例えば、下段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」、図柄番号2番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」、図柄番号0番のベル図柄A「BLA」、の5通りとなる。
【0318】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルA1」の当選時において、第1停止操作でストップボタン26cが押下された場合(第1停止操作に失敗した場合)、リール制御手段43は、個数優先制御でリールの停止位置を決定する。また、リール制御手段43は、第1停止操作に失敗した場合、続く第2停止操作および第3停止操作も個数優先制御でリールの停止位置を決定する。
【0319】
図38(a)に示すように、図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せの個数は、以下の通りである。すなわち、リール20cについて、青BAR図柄「青BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は1個となる。リール20cについて、スイカ図柄「WM」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。リール20cについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は1個となる。リール20cについて、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20cについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。
【0320】
リール20cについて、図柄番号0番のベル図柄A「BLA」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が4個となり最も多くなるため、図柄番号0番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に停止する位置が、リール20cの停止位置として決定される。
【0321】
図38(b)に示すように、図柄番号0番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、小役25となる。
【0322】
図38(b)に示すように、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止し、リール20aおよびリール20bが回転している状況において、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」、図柄番号1番のスイカ図柄「WMB」および図柄番号0番のチェリー図柄「CA」である。
【0323】
個数優先制御により図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」を有効ライン上に停止させた場合に有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなることから、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が有効ライン上に停止する位置を、リール20aの停止位置として決定する。
【0324】
図38(c)に示すように、青BAR図柄A「青BAR」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、ベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役25となる。
【0325】
なお、上記では、リール20aについて、上段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下され、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が有効ライン上に停止する場合を説明したが、本実施形態では、上段(有効ライン上)に所定範囲内の図柄(例えば図柄番号4~13のうちのいずれかの図柄)が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」または図柄番号9番の特殊図柄A「SPA」が上段(有効ライン上)に引き込まれるようになっている。一方、上段(有効ライン上)に前記所定範囲内の図柄が位置していないタイミング、すなわち上段(有効ライン上)に前記所定範囲内の図柄とは異なる所定範囲内の図柄(例えば図柄番号0~3、図柄番号14~19のいずれかの図柄)が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合には、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」または図柄番号9番の特殊図柄A「SPA」を上段(有効ライン上)に引き込むことができないようになっている。したがって、リール20aについて無作為なタイミングで停止操作を行った場合、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」または図柄番号9番の特殊図柄A「SPA」のいずれかが上段(有効ライン上)に表示される確率は、1/2(10/20)となっている。
【0326】
図38(c)に示すように、リール20bが回転している状況において、リール20bについて、例えば、中段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」、図柄番号2番のスイカ図柄「WM」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」および図柄番号0番のリプレイ図柄「RP」となる。
【0327】
リール制御手段43は、個数優先制御により図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が有効ライン上に停止する位置を、リール20bの停止位置として決定する。図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、
図38(d)に示すように、小役25の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0328】
なお、上記では、リール20bについて、中段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下され、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が有効ライン上に停止する場合を説明したが、本実施形態では、中段(有効ライン上)に所定範囲内の図柄(例えば図柄番号4~13のうちのいずれかの図柄)が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」または図柄番号9番の特殊図柄A「SPA」が上段(有効ライン上)に引き込まれるようになっている。一方、中段(有効ライン上)に前記所定範囲内の図柄が位置していないタイミング、すなわち中段(有効ライン上)に前記所定範囲内の図柄とは異なる所定範囲内の図柄(例えば図柄番号0~3、図柄番号14~19のいずれかの図柄)が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合には、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」または図柄番号9番の特殊図柄A「SPA」を中段(有効ライン上)に引き込むことができないようになっている。したがって、リール20bについて無作為なタイミングで停止操作を行った場合、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」または図柄番号9番の特殊図柄A「SPA」のいずれかが中段(有効ライン上)に表示される確率は、1/2(10/20)となっている。
【0329】
したがって、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に打順5(不正解打順)で操作された場合、小役25の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される確率は1/4となっている。また、重複するため説明を省略するが、当選エリア「打順ベルA1」の当選時に打順6(不正解打順)で操作された場合も同様に、小役25の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される確率が1/4となっている。
【0330】
図34~
図38では、打順3が第1正解打順の打順ベルA(「打順ベルA1」)に当選し、所定の態様で停止操作が行われた場合における停止制御について説明した。重複するため説明を省略するが、打順4が第1正解打順の打順ベルA、打順5が第1正解打順の打順ベルA、打順6が第1正解打順の打順ベルAに当選し、所定の態様で停止操作が場合における停止制御も同様である。
【0331】
また、本実施形態では、打順ベルAに当選した場合、第1正解操作態様に係る停止操作がされると枚数優先制御でリールの停止位置が決定されるが、第1正解操作態様とは異なる態様で停止操作がされると個数優先制御でリールの停止位置が決定されるようになっている。
【0332】
(打順ベルC当選時)
次に、本実施形態において、内部抽選で当選エリア「打順ベルC1」(打順3が正解打順の打順ベルC)に当選し、所定の態様(正解操作態様)で停止操作が行われた場合における停止制御について説明する。
図39(a)に示すように、当選エリア「打順ベルC1」に含まれる小役は、小役17、小役25、小役33および小役38である。当選エリア「打順ベルC1」に当選した場合、小役17、小役25、小役33および小役38が重複して当選し、当選状態に設定される。
【0333】
当選エリア「打順ベルC1」に当選した遊技で、リール20a~リール20cがそれぞれ回転している状況で、リール20bについて、例えば、中段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」、図柄番号2番のスイカ図柄「WM」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」、図柄番号0番のリプレイ図柄「RP」、の5通りとなる。
【0334】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルC1」の当選時において、第1停止操作でストップボタン26bが押下された場合(第1停止操作に正解した場合)、リール制御手段43は、メダルの払出数が最大となるように(配当が多い小役を入賞させることができるように)停止位置を決定する。換言すると、枚数優先制御でリールの停止位置が決定される。
図39(a)より、リール20bについて、青BAR図柄「青BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役25であり、その配当は1枚である。リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役17と小役33であり、小役17の配当は10枚で、小役33の配当は1枚である。リール20bについて、スイカ図柄「WM」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役はない。リール20bについて、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役はない。リール20bについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役38であり、その配当は1枚である。
【0335】
リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に表示させた場合に、メダルの払出数が最も多くなるため、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に停止する位置が、リール20bの停止位置として決定される。
【0336】
図39(b)に示すように、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役17および小役33となる。
【0337】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルC1」の当選時において、第1停止操作に正解し、続く第2停止操作でストップボタン26aが押下された場合(第2停止操作に正解した場合)、リール制御手段43は、枚数優先制御でリールの停止位置を決定する。
【0338】
図39(b)に示すように、図柄番号3番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止し、リール20aおよびリール20cが回転している状況において、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」、図柄番号1番のスイカ図柄「WMB」および図柄番号0番のチェリー図柄「CA」である。
【0339】
枚数優先制御により図柄番号0番のチェリー図柄「CH」を有効ライン上に停止させた場合にメダルの払出数が最大となることから、図柄番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ライン上に停止する位置を、リール20aの停止位置として決定する。
【0340】
図39(c)に示すように、チェリー図柄「CH」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、ベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役17となる。
【0341】
本実施形態では、RBB内部中状態における当選エリア「打順ベルC1」の当選時において、第1停止操作および第2停止操作に正解し、続く第3停止操作でストップボタン26cが押下された場合(第3停止操作に正解した場合)、リール制御手段43は、枚数優先制御でリールの停止位置を決定する。
【0342】
図39(c)に示すように、リール20cが回転している状況において、リール20cについて、例えば、下段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」、図柄番号2番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」および図柄番号0番のベル図柄A「BLA」である。
【0343】
枚数優先制御により図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合にメダルの払出数が最大となることから、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に停止する位置が、リール20cの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に停止する位置を、リール20cの停止位置として決定する。リプレイ図柄「RP」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止すると、
図39(d)に示すように、小役17の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、10枚のメダルが払い出される。
【0344】
本実施形態では、RBB内部中状態において当選エリア「打順ベルC1」に当選し、正解打順(打順3)で停止操作が行われた場合、第1停止操作~第3停止操作がいずれのタイミングで行われても、小役17の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるようになっている。
【0345】
図39では、打順3が正解打順の打順ベルC(「打順ベルC1」)に当選し、正解打順で停止操作が行われた場合における停止制御について説明した。重複するため説明を省略するが、打順4が正解打順の打順ベルC、打順5が正解打順の打順ベルC、打順6が正解打順の打順ベルCに当選し、正解打順で停止操作が場合における停止制御も同様である。また、本実施形態では、打順ベルCに当選した場合、正解操作態様(正解打順)に係る停止操作がされると枚数優先制御でリールの停止位置が決定されるが、正解操作態様とは異なる態様で(不正解操作態様で)停止操作がされると個数優先制御でリールの停止位置が決定されるようになっている。
【0346】
(ベル図柄が揃う停止態様)
図34(d)は、当選エリア「打順ベルA1」(打順3が第1正解打順の打順ベルA)に当選し、第1正解操作態様で停止操作が行われ、小役1(15枚役)が入賞した場合を示しているが、中段のラインにベル図柄が一直線上に並ぶように各リールが停止している。本実施形態では、ベル図柄として2種類のベル図柄(ベル図柄A「BLA」とベル図柄B「BLB」)が設けられているが、ベル図柄が一直線上に並ぶ(揃う)という場合、同じ(同種の)ベル図柄(例えばベル図柄A「BLA」)が一直線上に並ぶものの他、ベル図柄A「BLA」とベル図柄B「BLB」とが混在して一直線上に並ぶものが含まれる。すなわち、ベル図柄が一直線上に並ぶとは、同一または類似する図柄が一直線上に並ぶということもできる。本実施形態では、打順ベルAが当選した際に入賞し得る15枚役として小役1~小役8が設けられており、小役1~小役8のいずれが入賞した場合であっても、ベル図柄が一直線上に並ぶようになっている。また、その場合にベル図柄が並ぶライン(態様)として、中段ライン(中段に並ぶ態様)と、右下がりライン(右下がりに並ぶ態様)と、がある。
【0347】
ここで、打順ベルAについて、打順3が第1正解打順の打順ベルAおよび打順4が第1正解打順の打順ベルAを「中1stが正解の打順ベルA」とし、打順5が第1正解打順の打順ベルAおよび打順6が第1正解打順の打順ベルAを「右1stが正解の打順ベルA」とする。本実施形態では、中1stが正解の打順ベルAに当選し、第1正解操作態様で停止操作がされた場合(小役1~小役4が入賞した場合)には、中段ラインにベル図柄が並ぶ。一方、右1stが正解の打順ベルAに当選し、第1正解操作態様で停止操作がされた場合(小役5~小役8が入賞した場合)には、右下がりラインにベル図柄が並ぶ。
【0348】
図35(d)(および
図36(d))は、当選エリア「打順ベルA1」(打順3が第1正解打順の打順ベルA)に当選し、第2正解操作態様で停止操作が行われ、小役9(3枚役)が入賞した場合を示しているが、右上がりのラインにベル図柄が一直線上に並ぶように各リールが停止している。本実施形態では、打順ベルAが当選した際に入賞し得る3枚役として小役9~小役12が設けられており、小役9~小役12のいずれが入賞した場合であっても、ベル図柄が一直線上に並ぶようになっている。また、その場合にベル図柄が並ぶライン(態様)として、右上がりライン(右上がりに並ぶ態様)と、下段ライン(下段に並ぶ態様)と、がある。中1stが正解の打順ベルAに当選し、第2正解操作態様で停止操作がされた場合(小役9または小役10が入賞した場合)には、右上がりラインにベル図柄が並ぶ。一方、右1stが正解の打順ベルAに当選し、第2正解操作態様で停止操作された場合(小役11または小役12が入賞した場合)には、下段ラインにベル図柄が並ぶ。
【0349】
図39(d)は、当選エリア「打順ベルC1」(打順3が正解打順の打順ベルC)に当選し、正解操作態様(正解打順)で停止操作が行われ、小役17(10枚役)が入賞した場合を示しているが、右上がりのラインにベル図柄が一直線上に並ぶように各リールが停止している。本実施形態では、打順ベルCが当選した際に入賞し得る10枚役として小役17~小役20が設けられており、小役17~小役20のいずれが入賞した場合であっても、ベル図柄が一直線上に並ぶようになっている。また、その場合にベル図柄が並ぶラインとして、右上がりライン(右上がりに並ぶ態様)と、下段ライン(下段に並ぶ態様)と、がある。
【0350】
ここで、打順ベルCについて、打順3が正解打順の打順ベルCおよび打順4が正解打順の打順ベルCを「中1stが正解の打順ベルC」とし、打順5が正解打順の打順ベルCおよび打順6が正解打順の打順ベルCを「右1stが正解の打順ベルC」とする。中1stが正解の打順ベルCに当選し、正解打順で停止操作がされた場合(小役17または小役18が入賞した場合)には、右上がりラインにベル図柄が並ぶ。一方、右1stが正解の打順ベルCに当選し、正解打順で停止操作がされた場合(小役19または小役20が入賞した場合)には、下段ラインにベル図柄が並ぶ。
【0351】
本実施形態では、打順ベルAに当選し、第2正解操作態様で停止操作がされ、3枚役が入賞した場合(15枚役を入賞させることができなかった場合)と、打順ベルCに当選し、正解打順で停止操作がされ、10枚役が入賞した場合とで、ベル図柄が並ぶ態様が同じとなっている。換言すると、同じラインにベル図柄が並ぶようになっている。第1AT演出状態において、打順ベルAに当選した場合、第2ナビ演出(
図33(a))ではなく第1ナビ演出(
図33(c))が実行されることから、第2正解操作態様で停止操作がされる確率(3枚役が入賞する確率)が、第1正解操作態様で停止操作がされる確率(15枚役が入賞する確率)よりも高くなっている。換言すると、第1AT演出状態では、打順ベルA当選時に3枚役が入賞する頻度が高くなっている。また、第1AT演出状態では、打順ベルC当選時に第3ナビ演出(
図33(d))が実行され、正解打順に従い操作することで10枚役が入賞する。
【0352】
打順ベルA当選時に3枚役が入賞した場合と、打順ベルC当選時に10枚役が入賞した場合とで、ベル図柄が並ぶ態様(ベル図柄が並ぶライン)を共通(同じ)とすることで、第1AT演出状態において打順ベルに当選した場合に表示される図柄について、統一感を高めることができる。換言すると、いずれの場合であっても同じライン上にベル図柄が並ぶので、それぞれの場合で別々のライン上にベル図柄が並ぶ場合に比べて、ベル図柄が揃ったことをより把握しやすい。特に、中1stで停止操作した場合にベル図柄が並ぶラインが3枚役と10枚役とで揃っており(右上がり)、右1stで停止操作した場合にベル図柄が並ぶラインが3枚役と10枚役とで揃っている(下段ライン)。これにより、遊技機の商品性を向上させることができる。
また、本実施形態では、打順ベルA当選時に、第2正解操作態様で操作して3枚役が入賞した場合(すなわち15枚役を入賞させることができなかった場合)であっても、ベル図柄が一直線上に並ぶようになっている。これにより、遊技機の商品性を向上させることができる。
【0353】
なお、
図33(c)および
図33(d)に示すように、第1AT演出状態において、打順ベルA当選時に実行される第1ナビ演出と、打順ベルC当選時に実行される第3ナビ演出とでは、正解打順に係る第1停止操作を促す表示(数字の「1」の表示)がされる点が共通している。
【0354】
打順ベルAに当選し、最も配当の大きい15枚役が入賞した場合には、3枚役が入賞した場合や10枚役が入賞した場合とは異なるラインにベル図柄が並ぶようになっている(
図34(d))。換言すると、15枚役が入賞した場合と、3枚役(または10枚役)が入賞した場合とで、ベル図柄が並ぶラインが重複しないようになっている。このため、遊技者は、ベル図柄が揃ったラインを見て、高配当役(15枚役)が入賞したことを把握できる。換言すると、遊技者は、高配当役(15枚役)が入賞した場合を、3枚役や10枚役が入賞した場合と区別して把握できる。
【0355】
図示を省略するが、本実施形態では、打順ベルDに当選し、正解打順(打順1または打順2)で操作された場合に入賞し得る役として、小役13~小役16(いずれも15枚役)がある。小役13~小役16のいずれが入賞した場合であっても、ベル図柄が上段に一直線上に並ぶようになっている。打順ベルA当選時に正解操作態様で操作されて15枚役が入賞した場合と、打順ベルD当選時に正解操作態様(正解打順)で操作されて15枚役が入賞した場合とで、ベル図柄の並び方(揃い方)の態様が異なっている。換言すると、異なるラインにベル図柄が並ぶようになっている。このため、中1stまたは右1stで操作して15枚役が入賞した場合と、左1stで操作して15枚役が入賞した場合と、を区別して把握することができる。
【0356】
(リールにおけるベル図柄の配列)
図24に示すように、リール20b(中リール)およびリール20c(右リール)には、ベル図柄として2種類のベル図柄(ベル図柄A「BLA」およびベル図柄B「BLB」)が設けられている。本実施形態では、リール20bとリール20cとでベル図柄の配置態様(配置の仕方)が異なっている。以下、具体的に説明する。
【0357】
リール20bは、2つのベル図柄の間にベル図柄とは異なる別の図柄が配置されており、ベル図柄が連続して配置されることのないように形成されている。リール20bでは、(隣り合う)2つのベル図柄の間にベル図柄とは異なる図柄(1つの図柄)が配置されて、連続する3つの図柄が構成されている部分(所定の図柄がベル図柄に挟まれている3連図柄部分)が、所定の間隔ごとに(2コマおきに)設けられている。本実施形態では、ベル図柄に挟まれている図柄には、スイカ図柄「WM」と赤7図柄「赤7」とがある。リール20bでは、ベル図柄が別の図柄(1個の図柄)を跨いで配置されているということもできる。
【0358】
リール20cは、2つのベル図柄が連続するように配置され、ベル図柄と連続(隣接)しないベル図柄は存在しないように形成されている。リール20cでは、2つのベル図柄が連続する部分が所定の間隔ごとに(3コマおきに)設けられている。
【0359】
例えば、リール20bについてもリール20cと同様に、所定の間隔ごとに2つのベル図柄が連続するように設けられている場合、例えば、各リールが停止した際に
図40(a)に示すように表示される可能性がある。この場合、一度に表示されるベル図柄の数が比較的多く煩雑となり、一見してベル図柄が揃ったライン(右上がりのライン)を判別しにくいという問題が生じる。本実施形態では、リール20bはベル図柄が連続する部分を有していないため、各リールの停止時に、表示されるベル図柄の数が比較的多くなるのを抑制できる。これにより、ベル図柄が揃ったラインの把握が困難になるという問題が生じるのを抑制できる。
【0360】
例えば、リール20cについてもリール20bと同様に、ベル図柄の間に別の図柄が挟まれる部分(3連図柄部分)が存在するするように形成されている場合、例えば、各リールが停止した際に
図40(b)に示すように表示される可能性がある。この場合、ベル図柄が下段のラインに揃ったのか上段のラインに揃ったのか、一見して判別しにくい。また、各リールが停止して
図40(c)に示すように表示された場合、ベル図柄が右下がりのラインに停止したのか、小V型に停止したのかを判別できないという問題が生じる。また、各リールが停止して
図40(d)に示すように表示された場合、ベル図柄が右上がりのラインに停止したのか、小山型に停止したのかを判別できないという問題が生じる。本実施形態では、リール20cでは、2つのベル図柄の間に別の図柄が挟まれて構成された3連図柄部分が存在していないため、各リールの停止時に、ベル図柄について2種類の停止型が同時に表示されるのを抑制できる。これにより、ベル図柄が揃ったライン(停止型)の把握が困難になるという問題が生じるのを抑制できる。
【0361】
なお、本実施形態では、中リール20bの右側に位置する(一方に隣接する)リール20cについて、2つのベル図柄が連続するように形成した場合を示したが、これに限らず、中リール20bの左側に位置する(他方に隣接する)リール20aについて、2つのベル図柄が連続するように形成されていてもよい。
【0362】
本実施形態において、例えば、当選エリア「打順ベルA1」(第1当選態様、打順3が第1正解打順の打順ベルA)に当選した場合に、正解小役(第1小役:小役1)を入賞させることが可能な正解操作態様(第1正解操作態様)を第1特定操作態様としてもよい。また、当選エリア「打順ベルC1」(第2当選態様、打順3が正解打順の打順ベルC)に当選した場合に、正解小役(第2小役:小役17)を入賞させることが可能な正解操作態様を第2特定操作態様としてもよい。第1特定操作態様と第2特定操作態様とは、リール20b(所定のリール:中リール)の回転を1番目に停止させる操作態様である。当選エリア「打順ベルA1」に当選し第1特定操作態様で操作され、正解小役(第1小役:小役1)の入賞形態を示す図柄組合せが表示された場合(
図34(d))と、当選エリア「打順ベルC1」に当選し第2特定操作態様で操作され、正解小役(第2小役:小役17)の入賞形態を示す図柄組合せが表示された場合(
図39(d))と、では、リール20bの有効ライン上に表示される図柄(ベル図柄)が同じ図柄となっている。
また、本実施形態において、例えば、当選エリア「打順ベルA3」(第1当選態様、打順5が第1正解打順の打順ベルA)に当選した場合に、正解小役(第1小役:小役5)を入賞させることが可能な正解操作態様(第1正解操作態様)を第1特定操作態様としてもよい。また、当選エリア「打順ベルC3」(第2当選態様、打順5が正解打順の打順ベルC)に当選した場合に、正解小役(第2小役:小役19)を入賞させることが可能な正解操作態様を第2特定操作態様としてもよい。第1特定操作態様と第2特定操作態様とは、リール20c(所定のリール:右リール)の回転を1番目に停止させる操作態様である。また、当選エリア「打順ベルA3」に当選し第1特定操作態様で操作され、正解小役(第1小役:小役5)の入賞形態を示す図柄組合せが表示された場合と、当選エリア「打順ベルC3」に当選し第2特定操作態様で操作され、正解小役(第2小役:小役19)の入賞形態を示す図柄組合せが表示された場合と、では、リール20cの有効ライン上に表示される図柄(ベル図柄)が同じ図柄となっている。なお、ベル図柄A「BLA」とベル図柄B「BLB」とは、同じ図柄(同種の図柄)ということができる。
【0363】
本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリール(例えばリール20a~20c)と、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(例えば内部抽選手段42)と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として所定の引き込み範囲内に存在する図柄のうち前記内部抽選の結果に応じた図柄が有効ライン上に表示されるようにリールを停止させる制御を行うリール制御手段(例えばリール制御手段43)と、
役の入賞を判定する入賞判定手段(例えば入賞判定手段44)と、
小役が入賞したことに基づいて、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば払出制御手段45)と、
複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態制御手段(例えば演出状態制御手段81)と、
前記停止操作に関する演出としての指示演出の実行を制御する演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、
前記内部抽選において得られる当選態様として、
特定操作態様で前記停止操作を行った場合に所定の小役が入賞する一方で、前記特定操作態様と異なる操作態様で前記停止操作を行った場合に前記所定の小役が入賞しない複数種類の特定当選態様(例えば打順ベル)が設けられており、
前記複数種類の演出状態には、前記特定当選態様に当選した場合に前記指示演出が実行される第1演出状態(例えば第1AT演出状態)と第2演出状態(例えば第2AT演出状態)とがあり、
前記複数種類の特定当選態様には、前記特定操作態様としての第1特定操作態様(例えば第1正解操作態様)で前記停止操作を行った場合に、第1枚数(例えば15枚)の遊技価値を付与する第1小役(例えば小役1)が入賞する第1当選態様(例えば打順ベルA1)と、前記特定操作態様としての第2特定操作態様(正解操作態様)で前記停止操作を行った場合に、前記第1枚数よりも少ない第2枚数(例えば10枚)の遊技価値を付与する第2小役(小役17)が入賞する第2当選態様(例えば打順ベルC1)と、があり、
前記第1特定操作態様と前記第2特定操作態様とは、前記複数のリールのうちの所定のリール(例えば中リール20b)の回転を1番目に停止させる操作態様であり、
前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せと、前記第2小役の入賞形態を示す図柄組合せとでは、前記所定のリールの有効ライン上に表示される図柄(例えばベル図柄)が同じ図柄となっており、
前記演出制御手段は、
前記第1演出状態における前記内部抽選で前記第2当選態様が得られた場合と、前記第2演出状態における前記内部抽選で前記第2当選態様が得られた場合とで、前記第2特定操作態様に関して同じ態様の前記指示演出(例えば第3ナビ演出)を実行可能であり、
前記第1演出状態における前記内部抽選で前記第1当選態様が得られた場合と、前記第2演出状態における前記内部抽選で前記第1当選態様が得られた場合とで、前記第1特定操作態様に関して異なる態様の前記指示演出(例えば第1ナビ演出と第2ナビ演出)を実行可能である。
【0364】
第2小役が入賞し得る第2当選態様が得られた場合には、第1演出状態であっても第2演出状態であっても同じ指示演出が実行されるため、遊技者にとってわかりやすく、遊技者は当該指示演出に従って操作し、第2小役を入賞させることができる。一方、第2小役よりも配当が大きい第1小役が入賞し得る第1当選態様が得られた場合には、第1演出状態であるか第2演出状態であるかに応じて異なる態様の指示演出が実行される。例えば、第2演出状態で実行される指示演出を、第1演出状態で実行される指示演出よりも遊技者にとって有利なものとすることできる。このように、異なる態様の指示演出が実行されるようにすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
また、仮に、第1演出状態または第2演出状態のいずれかでは第1当選態様が得られた場合に指示演出が実行されないとすると、当該演出状態では第1小役を入賞させることが困難となる。本実施形態では、態様は異なるが、いずれの演出状態においても指示演出が実行される。このため、遊技者は、例えば不利な方の演出状態においても、当該指示演出に基づいて第1小役を入賞させ得る。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0365】
図37では、当選エリア「打順ベルA1」(打順3が第1正解打順の打順ベルA)に当選し、打順1(不正解打順)で操作が行われ、停止操作がいずれのタイミングで行われても、小役38(1枚役)が入賞する場合を示した。また、
図38では、当選エリア「打順ベルA1」(打順3が第1正解打順の打順ベルA)に当選し、打順5(不正解打順)で操作が行われ、停止操作のタイミングに応じて、1/4の確率で小役25(1枚役)が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす場合を示した。
【0366】
入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、リール20a~リール20cの全てについて、停止操作のタイミングに関わらず必ず引き込み範囲内(0コマ~4コマの範囲内)に存在するように配置されている役のことを「PB=1の役」と呼ぶ。例えば小役38はPB=1の役である。また、入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、リール20a~リール20cの少なくとも1つについて、停止操作のタイミングによっては引き込み範囲内(0コマ~4コマの範囲内)に存在しない場合があるように配置されている役のことを「PB≠1の役」と呼ぶ。例えば小役25はPB≠1の役である。
【0367】
「PB=1の役」とは、当該PB=1の役が当選状態となっている遊技中の当該PB=1の役の入賞の可能性が残っている状況において、いずれのタイミングでいずれの停止操作が実行された場合であっても、実行された停止操作に対応するリール20a~20cについて、当該PB=1の役の入賞形態を示す図柄組合せであって当該状況において有効ライン上に表示される可能性が残っている図柄組合せのいずれかを構成する図柄が必ず引き込み範囲内に存在する役ともいえる。
また、「PB≠1の役」とは、当該PB≠1の役が当選状態となっている所定の遊技中の当該PB≠1の役の入賞の可能性が残っている所定の状況において、複数のリール20a~20cのうちの所定のリールに対応する停止操作のタイミングによっては、当該所定のリールについて、当該PB≠1の役の入賞形態を示す図柄組合せであって当該状況において有効ライン上に表示される可能性が残っている図柄組合せのいずれを構成する図柄も引き込み範囲内に存在しない場合がある役ともいえる。
なお、ここで、「入賞の可能性が残っている状況」とは、未だいずれの停止操作もされていない状況であってもよい。
【0368】
(中1stが正解の打順ベル)
図27に示すように、「打順ベルA1」、「打順ベルA2」、「打順ベルA5」、「打順ベルA6」、「打順ベルC1」、「打順ベルC2」、「打順ベルC5」および「打順ベルC6」の当選エリアは、打順3または(および)打順4が正解打順に設定されている。そのうち「打順ベルA1」、「打順ベルA2」、「打順ベルA5」および「打順ベルA6」は、打順3または打順4の一方が第1正解打順に設定され、他方が第2正解打順に設定されている。以下、「打順ベルA1」、「打順ベルA2」、「打順ベルA5」、「打順ベルA6」、「打順ベルC1」、「打順ベルC2」、「打順ベルC5」および「打順ベルC6」の各当選エリアを「中1stが正解の打順ベル」と称する。
図41(a)は、中1stが正解の打順ベルの各当選エリアのいずれかに設定されている、正解小役の入賞形態を示す図柄組合せを示している。なお、当該正解小役には、上述の第2正解打順で操作した場合に入賞し得る小役(小役9および小役10)が含まれる。
図41(a)に示す正解小役は、中1st(打順3または打順4)で操作された場合に入賞し得る役である。
【0369】
各正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄として、ベル図柄A「BLA」またはベル図柄B「BLB」のいずれかが設定されている。また、各正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20c(右リール)の下段(有効ライン上)に表示される図柄として、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄B「BLB」、赤7図柄「赤7」またはスイカ図柄「WM」のいずれかが設定されている。
【0370】
図41(b)は、中1stが正解の打順ベルの各当選エリアのいずれかに設定されている、PB≠1の1枚役(失敗小役とする)の入賞形態を示す図柄組合せを示している。当該1枚役(PB≠1)は、右1st(打順5または打順6)で操作された場合に入賞し得る役である。各失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20c(右リール)の下段(有効ライン上)に表示される図柄として、ベル図柄A「BLA」が設定されている。
【0371】
ここで、
図41(a)におけるリール20cの欄と、
図41(b)におけるリール20cの欄とを比較する。各正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでリール20c(右リール)の下段(有効ライン上)に表示される図柄と、各失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでリール20c(右リール)の下段(有効ライン上)に表示される図柄と、が異なっている(重複していない)。本実施形態では、中1stが正解の打順ベルに当選し、右1stで第1停止操作がされた場合、個数優先制御によりリール20cの停止位置が決定されるが、リール20cについて、ベル図柄A「BLA」が下段(有効ライン上)に引き込まれるようになっている。具体的には、
図24に示すように、リール20cでは、図柄番号0番にベル図柄A「BLA」が設定され、図柄番号5番にベル図柄A「BLA」が設定され、図柄番号10番にベル図柄A「BLA」が設定され、図柄番号15番にベル図柄A「BLA」が設定されている。換言すると、4コマおきに(4コマを挟んで)、ベル図柄A「BLA」が設定されている。よって、リール制御手段43は、リール20cが回転している状況で、いずれのタイミングでストップボタン26cが押下された場合であっても、ベル図柄A「BLA」を引き込み、有効ライン上(下段)に停止させることが可能となっている。
【0372】
第1停止操作によってリール20cの下段(有効ライン上)にベル図柄A「BLA」が表示されると、(その時点で)正解小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性(正解小役が入賞する可能性)がなくなる。そして、第2停止操作および第3停止操作のタイミングに応じて、1/4の確率で失敗小役(小役25~小役28のいずれか)が入賞し、3/4の確率で失敗小役を取りこぼすことができるようになっている。これにより、入賞形態を示す図柄組合せでリール20c(右リール)の下段(有効ライン上)に表示される図柄がベル図柄A「BLA」である小役25~小役28を、中1stが正解の打順ベルに当選した場合に入賞し得るPB≠1の1枚役(失敗小役)として設けておけば足りる。
【0373】
(右1stが正解の打順ベル)
図27に示すように、「打順ベルA3」、「打順ベルA4」、「打順ベルA7」、「打順ベルA8」、「打順ベルC3」、「打順ベルC4」、「打順ベルC7」および「打順ベルC8」の当選エリアは、打順5または(および)打順6のいずれかが正解打順に設定されている。そのうち「打順ベルA3」、「打順ベルA4」、「打順ベルA7」および「打順ベルA8」は、打順5または打順6の一方が第1正解打順に設定され、他方が第2正解打順に設定されている。以下、「打順ベルA3」、「打順ベルA4」、「打順ベルA7」、「打順ベルA8」、「打順ベルC3」、「打順ベルC4」、「打順ベルC7」および「打順ベルC8」の各当選エリアを「右1stが正解の打順ベル」と称する。
図42(a)は、右1stが正解の打順ベルの各当選エリアのいずれかに設定されている、正解小役の入賞形態を示す図柄組合せを示している。なお、当該正解小役には、上述の第2正解打順で操作した場合に入賞し得る小役(小役11および小役12)が含まれる。
図42(a)に示す正解小役は、右1st(打順5または打順6)で操作された場合に入賞し得る役である。
【0374】
各正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20c(右リール)の下段(有効ライン上)に表示される図柄として、ベル図柄A「BLA」またはベル図柄B「BLB」のいずれかが設定されている。また、各正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄として、ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、赤7図柄「赤7」、スイカ図柄「WM」またはリプレイ図柄「RP」のいずれかが設定されている。
【0375】
図42(b)は、右1stが正解の打順ベルの各当選エリアのいずれかに設定されている、PB≠1の1枚役(失敗小役)の入賞形態を示す図柄組合せを示している。当該1枚役(PB≠1)は、中1st(打順3または打順4)で操作された場合に入賞し得る役である。各失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄として、リプレイ図柄「RP」またはベル図柄B「BLB」のいずれかが設定されている。
【0376】
ここで、
図42(a)におけるリール20bの欄と、
図42(b)におけるリール20bの欄とを比較する。小役7、小役8の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄(ベル図柄B「BLB」)と、小役29~小役32の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄(ベル図柄B「BLB」)と、が共通している(同じである)。
【0377】
図26に示すように、当選エリア「打順ベルA8」に含まれる小役は、小役8、小役12、小役24および小役37であるが、ここで、「打順ベルA8」について、小役24ではなく小役32が含まれている場合に生じる問題について説明する(
図43(a))。この場合、正解小役(小役8)の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄と、失敗小役(小役32)の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄と、が同じである。
【0378】
当選エリア「打順ベルA8」(右1stが正解の打順ベル)に当選した遊技で、リール20a~リール20cがそれぞれ回転している状況で、リール20bについて例えば中段(有効ライン上)に図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、
図24に示すように、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号13番のベル図柄A「BLA」、図柄番号12番の赤7図柄「赤7」、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」、の5通りとなる。
【0379】
中1stで操作しており、第1停止操作に失敗しているため、個数優先制御でリールの停止位置が決定される。
図43(a)より、図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せの個数は、以下の通りである。すなわち、リール20bについて、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20bについて、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。リール20bについて、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は5個となる。リール20bについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。
【0380】
リール20bについて、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が5個となり最も多くなるため、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」が有効ライン上に停止する位置が、リール20bの停止位置として決定される。なお、
図24に示すように、リール20bでは、図柄番号1番にベル図柄B「BLB」が設定され、図柄番号6番にベル図柄B「BLB」が設定され、図柄番号11番にベル図柄B「BLB」が設定され、図柄番号16番にベル図柄B「BLB」が設定されている。換言すると、4コマおきに(4コマを挟んで)、ベル図柄B「BLB」が設定されている。よって、リール制御手段43は、リール20bが回転している状況で、いずれのタイミングでストップボタン26bが押下された場合であっても、ベル図柄B「BLB」を引き込み、有効ライン上(中段)に停止させることが可能となっている。
【0381】
図43(b)に示すように、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、小役8および小役32となる。このとき、上記のとおり第1停止操作に失敗しているにも関わらず、正解小役(小役8)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性(小役8が入賞する可能性)が残ってしまう。
【0382】
図43(b)に示すように、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止し、リール20aおよびリール20cが回転している状況において、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号13番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号12番のベル図柄A「BLA」、図柄番号11番のスイカ図柄「WM」および図柄番号10番のチェリー図柄「CH」となる。
【0383】
この場合、個数優先制御により図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合に有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなることから、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に停止する位置を、リール20aの停止位置として決定する(
図43(c1))。
【0384】
一方、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミング(換言すると小役32に係る特殊図柄B「SPB」または赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に引き込むことができないタイミング)でストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」、図柄番号1番のスイカ図柄「WM」および図柄番号0番のチェリー図柄「CH」となる。この場合、個数優先制御により図柄番号2番のベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合に有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなることから、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」が有効ライン上に停止する位置を、リール20aの停止位置として決定する(
図43(c2))。
【0385】
リール制御手段43は、上段(有効ライン上)に所定範囲内の図柄(例えば図柄番号0~3、図柄番号14~19のいずれかの図柄)が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下されない限り、正解小役(小役8)に係るベル図柄A「BLA」を上段(有効ライン上)に引き込んでしまう。換言すると、第2停止操作で小役32に係る特殊図柄B「SPB」または赤BAR図柄「赤BAR」を取りこぼしたときに、小役8に係るベル図柄A「BLA」を上段(有効ライン上)に引き込んでしまう。
【0386】
そして、
図43(c2)に示すように、ベル図柄A「BLA」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、ベル図柄B「BLB」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役8となる。
【0387】
図43(c2)に示すように、リール20cが回転している状況において、リール20cについて、例えば、下段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」、図柄番号2番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」および図柄番号0番のベル図柄A「BLA」である。
【0388】
リール制御手段43は、個数優先制御により図柄番号1番のベル図柄B「BLB」が有効ライン上に停止する位置を、リール20cの停止位置として決定する。図柄番号1番のベル図柄B「BLB」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止すると、
図43(d)に示すように、小役8の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される。
【0389】
よって、当選エリア「打順ベルA8」(右1stが正解の打順ベル)に当選し、中1st(打順3)で操作され、各停止操作において個数優先制御により停止位置が決定された結果、正解小役(小役8)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されてしまい、1/4の確率で失敗小役(小役32)を入賞させることができない(失敗小役をこぼすことができない)という事態が生じ得る。
【0390】
次に、
図42(a)におけるリール20bの欄と、
図42(b)におけるリール20bの欄とを比較すると、小役19、小役20の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄(リプレイ図柄「RP」)と、小役21~小役24の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄(リプレイ図柄「RP」)と、が共通している(同じである)。
【0391】
図26に示すように、当選エリア「打順ベルC8」に含まれる小役は、小役19、小役32、小役36および小役37であるが、ここで、「打順ベルC8」について、小役32ではなく小役24が含まれている場合に生じる問題について説明する(
図44(a))。この場合、正解小役(小役19)の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄と、失敗小役(小役24)の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄と、が同じである。
【0392】
当選エリア「打順ベルC8」(右1stが正解の打順ベル)に当選した遊技で、リール20a~リール20cがそれぞれ回転している状況で、リール20bについて例えば中段(有効ライン上)に図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、
図24に示すように、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号13番のベル図柄A「BLA」、図柄番号12番の赤7図柄「赤7」、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」、の5通りとなる。
【0393】
中1stで操作しており、第1停止操作に失敗しているため、個数優先制御でリールの停止位置が決定される。
図44(a)より、図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せの個数は、以下の通りである。すなわち、リール20bについて、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20bについて、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。リール20bについて、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20bについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は6個となる。
【0394】
リール20bについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に表示させた場合に、有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が6個となり最も多くなるため、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に停止する位置が、リール20bの停止位置として決定される。なお、
図24に示すように、リール20bでは、図柄番号0番にリプレイ図柄「RP」が設定され、図柄番号5番にリプレイ図柄「RP」が設定され、図柄番号10番にリプレイ図柄「RP」が設定され、図柄番号15番にリプレイ図柄「RP」が設定されている。換言すると、4コマおきに(4コマを挟んで)、リプレイ図柄「RP」が設定されている。よって、リール制御手段43は、リール20bが回転している状況で、いずれのタイミングでストップボタン26bが押下された場合であっても、リプレイ図柄「RP」を引き込み、有効ライン上(中段)に停止させることが可能となっている。
【0395】
図44(b)に示すように、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、小役19および小役24となる。このとき、上記のとおり第1停止操作に失敗しているにも関わらず、正解小役(小役19)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性(小役19が入賞する可能性)が残ってしまう。
【0396】
図44(b)に示すように、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止し、リール20aおよびリール20cが回転している状況において、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号13番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号12番のベル図柄A「BLA」、図柄番号11番のスイカ図柄「WM」および図柄番号10番のチェリー図柄「CH」となる。
【0397】
この場合、個数優先制御により図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合に有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなることから、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が有効ライン上に停止する位置を、リール20aの停止位置として決定する(
図44(c1))。
【0398】
一方、リール20aについて、例えば、上段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミング(換言すると小役24に係る特殊図柄B「SPB」または赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に引き込むことができないタイミング)でストップボタン26aが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号2番のベル図柄A「BLA」、図柄番号1番のスイカ図柄「WM」および図柄番号0番のチェリー図柄「CH」となる。この場合、個数優先制御により図柄番号0番のチェリー図柄「CH」を有効ライン上に停止させた場合に有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多くなることから、図柄番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ライン上に停止する位置が、リール20aの停止位置として決定される。換言すると、リール制御手段43は、図柄番号0番のチェリー図柄「CH」が有効ライン上に停止する位置を、リール20aの停止位置として決定する(
図44(c2))。
【0399】
リール制御手段43は、上段(有効ライン上)に所定範囲内の図柄(例えば図柄番号0~3、図柄番号14~19のいずれかの図柄)が位置しているタイミングでストップボタン26aが押下されない限り、正解小役(小役19)に係るチェリー図柄「CH」を上段(有効ライン上)に引き込んでしまう。換言すると、第2停止操作で小役24に係る特殊図柄B「SPB」または赤BAR図柄「赤BAR」を取りこぼしたときに、小役19に係るチェリー図柄「CH」を上段(有効ライン上)に引き込んでしまう。
【0400】
そして、
図44(c2)に示すように、チェリー図柄「CH」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、リプレイ図柄「RP」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役19となる。
【0401】
図44(c2)に示すように、リール20cが回転している状況において、リール20cについて、例えば、下段(有効ライン上)に図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26cが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補は、
図24に示すように、図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」、図柄番号3番のスイカ図柄「WM」、図柄番号2番のリプレイ図柄「RP」、図柄番号1番のベル図柄B「BLB」および図柄番号0番のベル図柄A「BLA」である。
【0402】
リール制御手段43は、個数優先制御により図柄番号1番のベル図柄B「BLB」が有効ライン上に停止する位置を、リール20cの停止位置として決定する。図柄番号1番のベル図柄B「BLB」が有効ライン上に位置するようにリール20cが停止すると、
図44(d)に示すように、小役19の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される。
【0403】
よって、当選エリア「打順ベルC8」(右1stが正解の打順ベル)に当選し、中1st(打順3)で操作され、各停止操作において個数優先制御により停止位置が決定された結果、正解小役(小役19)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、1/4の確率で失敗小役(小役24)を入賞させることができない(失敗小役をこぼすことができない)という事態が生じ得る。
【0404】
上述の事態の発生を防ぐために、当選エリア「打順ベルA8」には、小役32ではなく小役24が含まれている。また、当選エリア「打順ベルC8」には、小役24ではなく小役32が含まれている。
【0405】
(当選エリア「打順ベルA8」)
図45(a)に示すように、当選エリア「打順ベルA8」は、正解小役(小役8)の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄(ベル図柄B「BLB」)と、失敗小役(小役24)の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄(リプレイ図柄「RP」)と、が異なっている。
【0406】
当選エリア「打順ベルA8」(右1stが正解の打順ベル)に当選した遊技で、リール20a~リール20cがそれぞれ回転している状況で、中1stで、リール20bについて例えば中段(有効ライン上)に図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、
図24に示すように、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号13番のベル図柄A「BLA」、図柄番号12番の赤7図柄「赤7」、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」、の5通りとなる。
【0407】
図45(a)より、図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せの個数は、以下の通りである。すなわち、リール20bについて、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20bについて、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。リール20bについて、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は1個となる。リール20bについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。
【0408】
リール20bについて、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に表示させた場合と、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合と、が有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多く、同数となり、本実施形態では、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に停止する位置が、リール20bの停止位置として決定される。
【0409】
図45(b)に示すように、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、小役24となる。本実施形態では、「打順ベルA8」当選時に、中1stで操作し第1停止操作に失敗しているにも関わらず、ベル図柄B「BLB」が有効ライン上に引き込まれ、正解小役(小役8)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性が残らないようになっている。
【0410】
図45(b)に示すように、リール20aおよびリール20cが回転している状況において、リール20aについて停止操作が行われると、図柄番号19番の特殊図柄B「SPB」または図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」のいずれかが、1/2(10/20)の確率で上段(有効ライン上)に表示される。
【0411】
図45(c)に示すように、特殊図柄B「SPB」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、リプレイ図柄「RP」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役24となる。
【0412】
図45(c)に示すように、リール20cが回転している状況において、リール20cについて停止操作が行われると、図柄番号19番の特殊図柄B「SPB」または図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」のいずれかが、1/2(10/20)の確率で下段(有効ライン上)に表示される。
【0413】
したがって、当選エリア「打順ベルA8」(右1stが正解の打順ベル)に当選し、中1st(打順3)で操作され、各停止操作において個数優先制御により停止位置が決定された結果、1/4の確率で失敗小役(小役24)が入賞するようになっている(1枚役をこぼすことができるようになっている)。
【0414】
(当選エリア「打順ベルC8」)
図46(a)に示すように、当選エリア「打順ベルC8」は、正解小役(小役19)の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄(リプレイ図柄「RPB」)と、失敗小役(小役32)の入賞形態を示す図柄組合せでリール20b(中リール)の中段(有効ライン上)に表示される図柄(ベル図柄B「BLB」)と、が異なっている。
【0415】
当選エリア「打順ベルC8」(右1stが正解の打順ベル)に当選した遊技で、リール20a~リール20cがそれぞれ回転している状況で、中1stで、リール20bについて例えば中段(有効ライン上)に図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」が位置しているタイミングでストップボタン26bが押下された場合、有効ライン上に停止させる図柄の候補(5コマ分の引き込み範囲内の図柄)は、
図24に示すように、図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」、図柄番号13番のベル図柄A「BLA」、図柄番号12番の赤7図柄「赤7」、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」、図柄番号10番のリプレイ図柄「RP」、の5通りとなる。
【0416】
図46(a)より、図柄の候補それぞれについて、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せの個数は、以下の通りである。すなわち、リール20bについて、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。リール20bについて、ベル図柄A「BLA」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は0個となる。リール20bについて、赤7図柄「赤7」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。リール20bについて、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は4個となる。リール20bについて、リプレイ図柄「RP」を有効ライン上に停止させた場合、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数は2個となる。
【0417】
リール20bについて、赤BAR図柄「赤BAR」を有効ライン上に表示させた場合と、ベル図柄B「BLB」を有効ライン上に停止させた場合と、が有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せの個数が最も多く、同数となり、本実施形態では、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」が有効ライン上に停止する位置が、リール20bの停止位置として決定される。
【0418】
図46(b)に示すように、図柄番号11番のベル図柄B「BLB」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役に係る図柄組合せは、小役32となる。本実施形態では、「打順ベルC8」当選時に、中1stで操作し第1停止操作に失敗しているにも関わらず、リプレイ図柄「RP」が有効ライン上に引き込まれ、正解小役(小役19)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性が残らないようになっている。
【0419】
図46(b)に示すように、リール20aおよびリール20cが回転している状況において、リール20aについて停止操作が行われると、図柄番号19番の特殊図柄B「SPB」または図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」のいずれかが、1/2(10/20)の確率で上段(有効ライン上)に表示される。
【0420】
図46(c)に示すように、特殊図柄B「SPB」が有効ライン上に位置するようにリール20aが停止し、ベル図柄B「BLB」が有効ライン上に位置するようにリール20bが停止すると、有効ライン上に表示可能な当選役は、小役32となる。
【0421】
図46(c)に示すように、リール20cが回転している状況において、リール20cについて停止操作が行われると、図柄番号19番の特殊図柄B「SPB」または図柄番号14番の赤BAR図柄「赤BAR」のいずれかが、1/2(10/20)の確率で下段(有効ライン上)に表示される。
【0422】
したがって、当選エリア「打順ベルC8」(右1stが正解の打順ベル)に当選し、中1st(打順3)で操作され、各停止操作において個数優先制御により停止位置が決定された結果、1/4の確率で失敗小役(小役32)が入賞するようになっている(1枚役をこぼすことができるようになっている)。
【0423】
図41(b)に示すように、本実施形態では、中1stが正解の打順ベルに当選した場合に入賞し得るPB≠1の1枚役(失敗小役)として、入賞形態を示す図柄組合せで所定のリール(リール20c、右リール)の有効ライン上に表示される図柄がベル図柄A「BLA」である小役25~小役28(右リールの図柄がベル図柄A「BLA」である群)が設けられている。小役25~小役28は、中1stが正解の打順ベルに当選し、右1stで操作した場合に入賞し得る1枚役(右1stの1枚役(1/4))ということができる。
【0424】
例えば、中1stが正解の「打順ベルA1」は、小役1(正解小役)と小役25(失敗小役)とが重複して当選する当選態様となっており、小役1の入賞形態を示す図柄組合せ(
図41(a))と、小役25の入賞形態を示す図柄組合せ(
図41(b))とでは、所定のリール(リール20c)の有効ライン上に表示される図柄が異なっている。そして、中1stが正解の当選エリア「打順ベルA1」に当選し、右1stで停止操作がされた場合に、リール20cについてベル図柄A「BLA」が有効ライン上に引き込まれる。リール制御手段43は、リール20cが回転している状況で、いずれのタイミングでストップボタン26cが押下された場合であっても、ベル図柄A「BLA」を引き込み、有効ライン上(下段)に停止させることが可能となっている。ベル図柄A「BLA」が有効ライン上に表示されることで、小役1の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性はなくなり、第2停止操作および第3停止操作のタイミングに応じて、1/4の確率で小役25が入賞するようになっている(1枚役をこぼすことができるようになっている)。
【0425】
中1stが正解の「打順ベルA2」、「打順ベルA5」、「打順ベルA6」、「打順ベルC1」、「打順ベルC2」、「打順ベルC5」および「打順ベルC6」についても同様に、当選時に右1stで停止操作がされた場合、1/4の確率で1枚役が入賞するようになっている。
【0426】
なお、例えば、中1stが正解の「打順ベルA1」は、小役9と小役25とが重複して当選する当選態様となっており、小役9の入賞形態を示す図柄組合せと、小役25の入賞形態を示す図柄組合せとでは、所定のリール(リール20c)の有効ライン上に表示される図柄が異なっている。そして、中1stが正解の当選エリア「打順ベルA1」に当選し、右1stで停止操作がされた場合に、リール20cについてベル図柄A「BLA」が有効ライン上に引き込まれる。ベル図柄A「BLA」が有効ライン上に表示されることで、小役9の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性はなくなり、第2停止操作および第3停止操作のタイミングに応じて、1/4の確率で小役25が入賞するようになっている(1枚役をこぼすことができるようになっている)。
【0427】
図42(b)に示すように、本実施形態では、右1stが正解の打順ベルに当選した場合に入賞し得るPB≠1の1枚役(失敗小役)として、入賞形態を示す図柄組合せで所定のリール(リール20b、中リール)の有効ライン上に表示される図柄がベル図柄B「BLB」である小役29~小役32(中リールの図柄がベル図柄B「BLB」である群)と、入賞形態を示す図柄組合せで所定のリール(リール20b、中リール)の有効ライン上に表示される図柄がリプレイ図柄「RP」である小役21~小役24(中リールの図柄がリプレイ図柄「RP」である群)と、が設けられている。小役29~小役32、小役21~小役24は、右1stが正解の打順ベルに当選し、中1stで操作した場合に入賞し得る1枚役(中1stの1枚役(1/4))ということができる。
【0428】
例えば、右1stが正解の「打順ベルA8」は、小役8(正解小役)と小役24(失敗小役)とが重複して当選する当選態様となっており、小役8の入賞形態を示す図柄組合せ(
図42(a))と、小役24の入賞形態を示す図柄組合せ(
図42(b))とでは、所定のリール(リール20b)の有効ライン上に表示される図柄が異なっている。そして、右1stが正解の当選エリア「打順ベルA8」に当選し、中1stで停止操作がされた場合に、リール20bについてリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に引き込まれる。リール制御手段43は、リール20bが回転している状況で、いずれのタイミングでストップボタン26bが押下された場合であっても、リプレイ図柄「RP」を引き込み、有効ライン上(中段)に停止させることが可能となっている。リプレイ図柄「RP」が有効ライン上に表示されることで、小役8の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性がなくなり、第2停止操作および第3停止操作のタイミングに応じて、1/4の確率で小役24が入賞するようになっている(1枚役をこぼすことができるようになっている)。
【0429】
また、例えば、右1stが正解の「打順ベルC8」は、小役19(正解小役)と小役32(失敗小役)とが重複して当選する当選態様となっており、小役19の入賞形態を示す図柄組合せ(
図42(a))と、小役32の入賞形態を示す図柄組合せ(
図42(b))とでは、所定のリール(リール20b)の有効ライン上に表示される図柄が異なっている。そして、右1stが正解の当選エリア「打順ベルC8」に当選し、中1stで停止操作がされた場合に、リール20bについてベル図柄B「BLB」が有効ライン上に引き込まれる。リール制御手段43は、リール20bが回転している状況で、いずれのタイミングでストップボタン26bが押下された場合であっても、ベル図柄B「BLB」を引き込み、有効ライン上(中段)に停止させることが可能となっている。ベル図柄B「BLB」が有効ライン上に表示されることで、小役19の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性がなくなり、第2停止操作および第3停止操作のタイミングに応じて、1/4の確率で小役32が入賞するようになっている(1枚役をこぼすことができるようになっている)。
【0430】
右1stが正解の「打順ベルA3」、「打順ベルA4」、「打順ベルA7」、「打順ベルC3」、「打順ベルC4」および「打順ベルC7」についても同様に、当選時に中1stで停止操作がされた場合、1/4の確率で1枚役が入賞するようになっている。
【0431】
なお、例えば、右1stが正解の「打順ベルA8」は、小役12と小役24とが重複して当選する当選態様となっており、小役12の入賞形態を示す図柄組合せと、小役24の入賞形態を示す図柄組合せとでは、所定のリール(リール20b)の有効ライン上に表示される図柄が異なっている。そして、右1stが正解の当選エリア「打順ベルA8」に当選し、中1stで停止操作がされた場合に、リール20bについてリプレイ図柄「RP」が有効ライン上に引き込まれる。リプレイ図柄「RP」が有効ライン上に表示されることで、小役12の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される可能性がなくなり、第2停止操作および第3停止操作のタイミングに応じて、1/4の確率で小役24が入賞するようになっている(1枚役をこぼすことができるようになっている)。
【0432】
本実施形態では、打順ベルAと打順ベルCとが設けられており、比較的多くの種類の打順ベルが設けられているが、複数種類のPB≠1の1枚役を設けて上述のとおり構成することで、打順ベルAまたは打順ベルCに当選し、所定の不正解操作態様(所定の不正解打順)で操作した場合に、停止操作のタイミングに応じて1枚役が入賞する(1枚役をこぼすことができる)ようになっている。
【0433】
本実施形態において、例えば、当選エリア「打順ベルA8」を第1当選態様とし、当選エリア「打順ベルC8」を第2当選態様としてもよい。第1当選態様は、リール20c(第1のリール、右リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に正解小役(第1正解小役:小役8)が入賞し得、リール20b(第2のリール、中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に失敗小役(第1失敗小役:小役24)が入賞し得る。また、第2当選態様は、リール20c(第1のリール、右リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に正解小役(第2正解小役:小役19)が入賞し得、リール20b(第2のリール、中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に失敗小役(第2失敗小役:小役32)が入賞し得る。
【0434】
図45(a)および
図46(a)に示すように、第1正解小役(小役8)の入賞形態を示す図柄組合せと、第2正解小役(小役19)の入賞形態を示す図柄組合せとでは、リール20c(第1のリール)の有効ライン上に表示される図柄として同じ(共通の)図柄(ベル図柄B「BLB」)が設定されている。また、第1正解小役(小役8)の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20b(第2のリール)の有効ライン上に表示される図柄として第1の図柄(ベル図柄B「BLB」)が設定されている。また、第2正解小役(小役19)の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20b(第2のリール)の有効ライン上に表示される図柄として第2の図柄(リプレイ図柄「RP」)が設定されている。
【0435】
また、
図45(a)に示すように、第1失敗小役(小役24)の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20b(第2のリール)の有効ライン上に表示される図柄として第1の図柄(ベル図柄B「BLB」)が設定されておらず第2の図柄(リプレイ図柄「RP」)が設定されている。また、
図46(a)に示すように、第2失敗小役(小役32)の入賞形態を示す図柄組合せでは、リール20b(第2のリール)の有効ライン上に表示される図柄として第2の図柄(リプレイ図柄「RP」)が設定されておらず第1の図柄(ベル図柄B「BLB」)が設定されている。
【0436】
本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリール(例えばリール20a~20c)と、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段(例えば内部抽選手段42)と、
前記複数のリールを遊技毎に回転させ、停止操作を契機として所定の引き込み範囲内に存在する図柄のうち前記内部抽選の結果に応じた図柄が有効ライン上に表示されるようにリールを停止させる制御を行うリール制御手段(例えばリール制御手段43)と、
役の入賞を判定する入賞判定手段(例えば入賞判定手段44)と、
小役が入賞したことに基づいて、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば払出制御手段45)と、を備え、
前記内部抽選において得られる当選態様として、
第1のリール(例えば右リール)を1番目に停止させる操作態様で前記停止操作を行った場合に正解小役が入賞し得、第2のリール(例えば中リール)を1番目に停止させる操作態様で前記停止操作を行った場合に失敗小役が入賞し得る、第1当選態様(例えば打順ベルA8)と第2当選態様(例えば打順ベルC8)とがあり、
前記第1当選態様は、前記正解小役としての第1正解小役(例えば小役8)と、前記失敗小役としての第1失敗小役(例えば小役24)と、が重複して当選する当選態様であり、
前記第2当選態様は、前記正解小役としての第2正解小役(例えば小役19)と、前記失敗小役としての第2失敗小役(例えば小役32)と、が重複して当選する当選態様であり、
前記第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せと、前記第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せとでは、前記第1のリールの有効ライン上に表示される図柄として同じ図柄(例えばベル図柄B「BLB」)が設定されており、
前記第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第1の図柄(例えばベル図柄B「BLB」)が設定されており、
前記第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として第2の図柄(例えばリプレイ図柄「RP」)が設定されており、
前記第1失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として前記第1の図柄が設定されておらず前記第2の図柄が設定されており、
前記第2失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せでは、前記第2のリールの有効ライン上に表示される図柄として前記第2の図柄が設定されておらず前記第1の図柄が設定されている。
【0437】
第1当選態様が得られた場合、第1のリール(右リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に第1正解小役が入賞し得、第2のリール(中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に第1失敗小役が入賞し得る。第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せと、第1失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せとでは、第2のリール(中リール)の有効ライン上に表示される図柄が第1の図柄と第2の図柄とで異なっている。このため、第1当選態様が得られた遊技で、第2のリール(中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に、第1正解小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがなく、かつ第1失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され得るようにできる。換言すると、第1失敗小役をこぼすようにすることができる。また、第2当選態様が得られた場合、第1のリール(右リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に第2正解小役が入賞し得、第2のリール(中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に第2失敗小役が入賞し得る。第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せと、第2失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せとでは、第2のリール(中リール)の有効ライン上に表示される図柄が第2の図柄と第1の図柄とで異なっている。このため、第2当選態様が得られた遊技で、第2のリール(中リール)を1番目に停止させる操作態様で停止操作を行った場合に、第2正解小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがなく、かつ第2失敗小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され得るようにできる。換言すると、第2失敗小役をこぼすようにすることができる。
したがって、第1当選態様または第2当選態様が得られ、所定の操作態様で停止操作が行われた場合に、失敗小役をこぼすことができる(遊技価値を獲得できないようにすることができる)。このように構成することで、例えば、所定の演出状態(例えばAT演出状態)における出玉性能を向上させることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0438】
以上、遊技を行う際にメダルを投入し、所定の役の入賞に基づきメダルがメダル受け皿28に払い出されるスロットマシン10を例にとり、本発明の実施の形態を説明した。ただし、これに限らず、本発明は、メダルを用いずに電子的情報としての遊技価値を用い、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技が行われる遊技機(いわゆるメダルレス遊技機)にも適用可能である。メダルレス遊技機では、メダルの投入の代わりに遊技価値が消費され、メダルの払い出しの代わりに遊技価値が付与される。次のメダルレス遊技機1000が、上述のスロットマシン10と同様の制御を実行可能に構成されていてもよい。すなわち、メダルレス遊技機1000が、内部抽選手段42、リール制御手段43、入賞判定手段44、払出制御手段(遊技価値付与手段)45および指示機能制御手段51等の各種構成を備えていてもよい。なお、遊技価値付与手段45は、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を電子的に付与する。
【0439】
図47は、メダルレス遊技機1000を正面側から見た斜視図である。図示を省略しているが、メダルレス遊技機1000の側方(右側)にはカードユニット(遊技価値貸出装置、遊技メダル貸出装置)が設けられている。メダルレス遊技機1000は、スロットマシン10と異なり、メダル投入口、メダル払出口、メダル受け皿等の構成や、メダルセレクタ、ホッパーユニット等の投入されたメダルを制御する装置を備えていない。
【0440】
メダルレス遊技機1000では、カードユニットに対する貸出操作等に基づき、所定数の遊技価値に相当する値がクレジット(記憶手段60におけるクレジット記憶領域の記憶値)に設定される。記憶手段60におけるクレジット記憶領域の記憶値は、クレジット数(貯留数)と言うことができる。クレジット数(遊技に使用可能な遊技メダル数)は、遊技メダル数表示装置111に表示される。メダルレス遊技機1000では、スロットマシン10のようにクレジット数の上限が「50」に設定されておらず、上限の数は、例えば、遊技メダル数表示装置111に表示可能な数の範囲内で設定されていてもよい。
【0441】
メダルレス遊技機1000の操作領域50には、遊技メダル数表示装置111が設けられている。遊技メダル数表示装置111は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成され、本実施形態では5桁の数字が表示可能となっている。また、操作領域50には、計数ボタン112が設けられている。計数ボタン112は、所定数のクレジット(クレジット数の全部または一部)に相当する値を示す情報をカードユニットへ送信(返却)する際に操作されるボタンである。計数ボタン112は押圧部を備えており、押圧部が押下操作可能に形成されている。以下、計数ボタン112の押圧部を押下することを、計数ボタン112を操作するという。
【0442】
図示を省略しているが、筐体11の内部には電源ユニット(電源ボックス)が設けられており、電源ユニットの前面に、設定変更キーシリンダや設定変更ボタン等が設けられている。
【0443】
ここで、メダルレス遊技機1000での基本的な遊技の流れについて説明する。まず、カードユニットでの貸出操作に基づき所定数の遊技メダルが付与される(クレジット数が加算される)。次に、MAXベットボタン23が操作されると、規定数を限度として遊技メダルが投入状態に設定され、投入状態に設定された遊技メダル数に相当する値が、クレジット数から減算される(遊技メダル数表示装置111に表示される遊技メダル数が減少する)。
【0444】
規定数の遊技メダルが投入状態に設定されると、スタートレバー24の操作が有効な状態、すなわち遊技が開始可能な状態となる。次に、有効化されたスタートレバー24に対する遊技開始操作が行われると、各リール(図示せず)の回転が開始される。次に、リールの回転速度が所定の速度まで上昇して定常回転状態となると、ストップボタン26a~26cの操作が有効な状態となる。次に、いずれかのストップボタン26a~26cが操作されると、対応するリールの回転が停止する。次に、すべてのリールの回転が停止すると、遊技の結果に応じて、所定数の遊技メダルを付与する(クレジットに加算する)処理や、遊技メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理(リプレイ処理)等が行なわれる。
【0445】
また、計数ボタン112が操作されると、所定数のクレジット(遊技メダル)がカードユニットへ送信(返却)される。そして、カードユニットにおいてカード返却操作が行われると、所定の値が記憶されたカードがカードユニットから排出される。
【0446】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略等が可能である。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限ることなく、遊技者が遊技メダルを用いることなく遊技を行う構造となった管理スロットマシン(メダルレス遊技機)等の他の遊技機にも適用できる。
【符号の説明】
【0447】
20a 第1リール
20b 第2リール
20c 第3リール
42 内部抽選手段
43 リール制御手段
44 入賞判定手段
45 払出制御手段(遊技価値付与手段)
81 演出状態制御手段
100 演出制御手段