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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099435
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】遠隔サポートシステム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/08 20060101AFI20240718BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20240718BHJP
   G08B 29/02 20060101ALI20240718BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20240718BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
G08B25/08 E
G08B17/00 C
G08B29/02
H04M11/04
H04Q9/00 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003377
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 淳一
【テーマコード(参考)】
5C087
5G405
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
5C087CC10
5C087DD04
5C087DD20
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG09
5G405AA06
5G405CA46
5K048AA15
5K048BA34
5K048EB02
5K048EB07
5K048EB13
5K048FB01
5K048FB03
5K048FB05
5K048FB10
5K048GB05
5K048HA20
5K048HA21
5K201BA03
5K201BC23
5K201CA04
5K201CB06
5K201EA05
5K201EC05
5K201EC06
5K201ED02
5K201ED10
5K201EF10
(57)【要約】
【課題】防災設備機器の遠隔サポートシステムを提供する。
【解決手段】本発明に係る遠隔サポートシステムは、火災受信機または総合操作盤である防災設備機器と、防災設備機器の操作を遠隔でサポートするためのオペレータが使用する端末とを備える。防災設備機器は、自機の操作状態を示す操作状態情報を送信する。端末は、送信された操作状態情報を表示する。また端末は、端末に対して第1の操作が行われると、当該第1の操作を示す操作信号を送信する。防災設備機器は、送信された操作信号に応じた処理を実行する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災受信機または総合操作盤である防災設備機器と、
前記防災設備機器の操作を遠隔でサポートするためのオペレータが使用する端末と
を備える遠隔サポートシステムであって、
前記防災設備機器は、自機の操作状態を示す操作状態情報を送信し、
前記端末は、前記送信された操作状態情報を表示し、
前記端末は、前記端末に対して第1の操作が行われると、当該第1の操作を示す操作信号を送信し、
前記防災設備機器は、前記送信された操作信号に応じた処理を実行する
ことを特徴とする遠隔サポートシステム。
【請求項2】
前記操作状態情報は、前記防災設備機器の操作履歴情報である
ことを特徴とする、請求項1に記載の遠隔サポートシステム。
【請求項3】
前記防災設備機器は、自機に接続された端末機器の作動状態を示す作動状態情報をさらに送信し、
前記端末は、前記送信された作動状態情報をさらに表示する
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の遠隔サポートシステム。
【請求項4】
前記操作状態情報は、前記防災設備機器の表示画面を表す画像情報であり、
前記端末は、前記操作状態情報として前記表示画面を表示し、
前記第1の操作は、前記表示画面上のオブジェクトを選択する操作である
ことを特徴とする、請求項1に記載の遠隔サポートシステム。
【請求項5】
前記防災設備機器は、自機の操作支援を要求するための第2の操作が自機に対して行われると、自機の操作権を自機から前記端末に委譲することを特徴とする、請求項1に記載の遠隔サポートシステム。
【請求項6】
前記防災設備機器は、前記第2の操作が行われると、自機の操作権を自機から前記端末に委譲したことを示す情報を表示することを特徴とする、請求項5に記載の遠隔サポートシステム。
【請求項7】
前記防災設備機器は、自機の操作権の委譲を解除するための第3の操作が自機に対して行われると、自機の操作権を前記端末から自機に戻すことを特徴とする、請求項5に記載の遠隔サポートシステム。
【請求項8】
前記第1の操作は、火災を断定するための操作、復旧または復帰対象を選択するための操作、もしくは遮断対象を選択するための操作であることを特徴とする、請求項1に記載の遠隔サポートシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災設備機器の遠隔サポートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、システムの取扱い方法等を画面操作によりガイダンス表示可能な防災監視盤が記載されている。この防災監視盤は、防災監視中の画面遷移操作によりシステムの取扱い説明情報をガイダンス表示するガイダンス表示処理部と、ガイダンス表示処理部の画面操作に連動して操作説明情報を音声出力する音声ガイダンス処理部を備えている。この防災監視盤によれば、マニュアルなどを参照しなくても操作画面によるガイダンス表示を見ながら操作方法を容易に理解できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-066244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ガイダンスを提供しても、警備員の知識レベルによっては、それでも操作方法を理解できない場合がある。そのような場合には専門業者に頼ることになるが、専門業者が現場に到着するまでに時間がかかる。また夜間は専門業者と連絡が取れず、対応が遅れる可能性がある。また、警備員がどのような操作を行ったために適切な対応ができなかったかを専門業者が簡単に把握することができないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、防災設備機器の遠隔サポートシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明に係る遠隔サポートシステムは、火災受信機または総合操作盤である防災設備機器と、前記防災設備機器の操作を遠隔でサポートするためのオペレータが使用する端末とを備える遠隔サポートシステムであって、前記防災設備機器は、自機の操作状態を示す操作状態情報を送信し、前記端末は、前記送信された操作状態情報を表示し、前記端末は、前記端末に対して第1の操作が行われると、当該第1の操作を示す操作信号を送信し、前記防災設備機器は、前記送信された操作信号に応じた処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、防災設備機器の遠隔サポートシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、遠隔サポートシステム100の構成例を示す。
図2図2は、火災受信機101の構成例を示す。
図3図3は、ディスプレイシステム103の構成例を示す。
図4図4は、センターサーバ105の構成例を示す。
図5図5は、オペレータ端末106の構成例を示す。
図6図6は、火災受信機101の操作の遠隔サポート600の流れを例示する。
図7図7は、火災受信機101の操作の遠隔サポート600の流れを例示する。
図8図8は、ディスプレイシステム103の操作の遠隔サポート800の流れを例示する。
図9図9は、ディスプレイシステム103の操作の遠隔サポート800の流れを例示する。
図10図10は、火災受信機101に表示される画面1000を例示する。
図11図11は、確認ウィンドウ1100を例示する。
図12図12は、火災受信機101に表示される画面1200を例示する。
図13図13は、操作履歴表示画面1300を例示する。
図14図14は、受信機状態表示画面1400を例示する。
図15図15は、受信機故障状態表示画面1500を例示する。
図16図16は、端末作動状態表示画面1600を例示する。
図17図17は、端末故障状態表示画面1700を例示する。
図18図18は、受信機操作画面1800を例示する。
図19図19は、火災受信機101に表示される画面1900を例示する。
図20図20は、ディスプレイシステム103に表示される画面2000を例示する。
図21図21は、ディスプレイシステム103に表示される画面2100を例示する。
図22図22は、オペレータ端末106に表示される画面2200を例示する。
図23図23は、ディスプレイシステム103に表示される画面2300を例示する。
図24図24は、操作履歴表示画面2400を例示する。
図25図25は、火災受信機101およびディスプレイシステム103の操作の遠隔サポート2500の流れを例示する。
図26図26は、火災受信機101およびディスプレイシステム103の操作の遠隔サポート2500の流れを例示する。
図27図27は、火災受信機101およびディスプレイシステム103の操作の遠隔サポート2500の流れを例示する。
図28図28は、ディスプレイシステム103および火災受信機101の操作の遠隔サポート2800の流れを例示している。
図29図29は、ディスプレイシステム103および火災受信機101の操作の遠隔サポート2800の流れを例示している。
図30図30は、ディスプレイシステム103および火災受信機101の操作の遠隔サポート2800の流れを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.実施形態
1-1.構成
本発明の一実施形態に係る遠隔サポートシステム100について、図面を参照して説明する。
図1は、遠隔サポートシステム100の構成例を示す。
遠隔サポートシステム100は、火災受信機101、通信用PC102、ディスプレイシステム103を備える。これらの機器は、防火対象物104に設置されている。また、これらの機器のうち、通信用PC102とディスプレイシステム103は、インターネット108に接続されている。
【0009】
火災受信機101は、建物内に設置された感知器や発信機から火災信号を受信し、火災の発生を音響と地区表示により知らせるとともに、地区音響装置を鳴動させ、関係者または消防機関に報知するための防災設備機器である。この火災受信機101は、防火対象物104の防災センターや中央管理室に設置される。
通信用PC102は、火災受信機101をインターネット108に接続するためのPCである。この通信用PC102は、火災受信機101とは有線で接続され、インターネット108とは有線または無線で接続されている。
ディスプレイシステム103は、消防用設備等の監視や操作を防災センターで一括して総合的に行うために設けられる防災設備機器である。このディスプレイシステム103は、言い換えると、総合操作盤である。このディスプレイシステム103は、防火対象物104の防災センターや中央管理室に設置され、火災受信機101と有線で接続されている。
【0010】
遠隔サポートシステム100は、さらに、センターサーバ105と複数のオペレータ端末106を備える。これらの機器は、カスタマーセンター107に設置されている。また、これらの機器は、インターネット108に接続されている。
センターサーバ105は、防災設備機器の利用者から操作方法についてのサポート要求を受け付け、受け付けたサポート要求をオペレータに振り分けるためのサーバである。
オペレータ端末106は、火災受信機101とディスプレイシステム103の操作をサポートするためにオペレータが使用する端末装置である。
以下、遠隔サポートシステム100を構成する主要な機器について具体的に説明する。
【0011】
1-1-1.火災受信機101
図2は、火災受信機101の構成例を示す。
火災受信機101は、RAM等の主記憶装置201と、HDD等の補助記憶装置202、CPU等のプロセッサ203と、タッチパネルや操作ボタン等の入力装置204と、ディスプレイ等の出力装置205と、ネットワークカード等の通信制御部206を備える。
【0012】
このうち、主記憶装置201は各種のプログラムを記憶しており、これらのプログラムをプロセッサ203が実行することにより、各種の機能が実現される。実現される機能には、表示制御部211、サポート要求部212、情報送信部213、IP電話起動部214、操作権制御部215および処理実行部216が含まれる。以下、各機能について説明する。
【0013】
表示制御部211は、遠隔サポートに関連する操作ボタンの表示を制御する。具体的には表示制御部211は、ヘルプボタン、ヘルプ終了ボタンおよび操作権委譲ボタンの表示を制御する。これらの操作ボタンのうち、ヘルプボタンは、センターサーバ105に対して遠隔サポートを要求するためのボタンである。ヘルプ終了ボタンは、担当オペレータのオペレータ端末106に対して遠隔サポートの終了を通知するためのボタンである。操作権委譲ボタンは、火災受信機101の操作権を当該機器からオペレータ端末106に委譲するためのボタンである。
【0014】
サポート要求部212は、ヘルプボタンの選択を契機として遠隔サポート要求をセンターサーバ105に送信する。そしてサポート要求部212は、センターサーバ105から応答を受け付け、応答に含まれる担当オペレータのIPアドレスを補助記憶装置202に記憶する。
【0015】
情報送信部213は、担当オペレータのIPアドレスを受信後に、担当オペレータのオペレータ端末106に受信機情報を送信する。送信する受信機情報は、機種情報、受信機操作履歴情報、受信機状態情報および端末状態情報からなる。このうち、機種情報は、火災受信機101の機種を表す情報(例えば、型式番号)である。受信機操作履歴情報は、火災受信機101の操作履歴を示す情報である。具体的には当該情報は、現在進行中のイベントに関し、開始からの火災受信機101に対する操作履歴を示す情報である。当該情報は、火災受信機101の操作状態を示す情報でもある。受信機状態情報は、火災受信機101の制御状態と故障状態を示す情報である。端末状態情報は、火災受信機101に接続された端末機器の作動状態と故障状態を示す情報である。ここで端末機器とは、感知器、発信機、地区音響装置、防排煙設備などである。
【0016】
IP電話起動部214は、担当オペレータのIPアドレスを受信後に、通信用PC102を制御してIP電話プログラムを起動する。その際、IP電話起動部214は、担当オペレータのIPアドレスを通話先として設定する。その結果、センター要員は、通信用PC102を用いて担当オペレータと通話可能になる。
【0017】
操作権制御部215は、操作権委譲ボタンの選択を契機として、自機の操作権を自機から担当オペレータのオペレータ端末106に委譲する。ここで、操作権委譲ボタンの選択は、自機の操作支援を要求するための操作である。
【0018】
また操作権制御部215は、操作権委譲ボタンが選択されると、自機の操作権を自機から担当オペレータのオペレータ端末106に委譲したことを示す情報を表示する。具体的には操作権制御部215は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスを表示する。表示するメッセージボックスには、操作権の委譲を解除するための解除ボタンが含まれる。
【0019】
また操作権制御部215は、解除ボタンの選択を契機として、自機の操作権をオペレータ端末106から自機に戻す。ここで、解除ボタンの選択は、自機の操作権の委譲を解除するための操作に相当する。
【0020】
処理実行部216は、オペレータ端末106から送信された操作信号を取得すると、取得した操作信号に応じた処理を実行する。取得する操作信号には、火災を断定するための操作を示す信号、復旧または復帰対象を選択するための操作を示す信号、遮断対象を選択するための操作を示す信号などが含まれる。
【0021】
次に、補助記憶装置202について説明する。
補助記憶装置202は、受信機情報221と担当オペレータのIPアドレス222を記憶する。
【0022】
1-1-2.ディスプレイシステム103
図3は、ディスプレイシステム103の構成例を示す。
ディスプレイシステム103は、RAM等の主記憶装置301と、HDD等の補助記憶装置302と、CPU等のプロセッサ303と、マウス、キーボード、マイク等の入力装置304と、ディスプレイやスピーカ等の出力装置305と、ネットワークカード等の通信制御部306を備える。
【0023】
このうち、主記憶装置301は各種のプログラムを記憶しており、これらのプログラムをプロセッサ303が実行することにより、各種の機能が実現される。実現される機能には、表示制御部311、サポート要求部312、情報送信部313、IP電話制御部314、操作権制御部315および処理実行部316が含まれる。以下、各機能について説明する。
【0024】
表示制御部311は、遠隔サポートに関連する操作ボタンの表示を制御する。具体的には表示制御部311は、ヘルプボタン、ヘルプ終了ボタンおよび操作権委譲ボタンの表示を制御する。これらの操作ボタンのうち、ヘルプボタンは、センターサーバ105に対して遠隔サポートを要求するためのボタンである。ヘルプ終了ボタンは、担当オペレータのオペレータ端末106に対して遠隔サポートの終了を通知するためのボタンである。操作権委譲ボタンは、ディスプレイシステム103の操作権を当該機器からオペレータ端末106に委譲するためのボタンである。
【0025】
サポート要求部312は、ヘルプボタンの選択を契機として遠隔サポート要求をセンターサーバ105に送信する。そしてサポート要求部312は、センターサーバ105から応答を受け付け、応答に含まれる担当オペレータのIPアドレスを補助記憶装置302に記憶する。
【0026】
情報送信部313は、担当オペレータのIPアドレスを受信後に、担当オペレータのオペレータ端末106に画面情報とディスプレイシステム操作履歴情報を送信する。送信する画面情報は、ディスプレイシステム103の表示画面を表す画像情報である。この画面情報は、ディスプレイシステム103の操作状態を示す情報である。一方、ディスプレイシステム操作履歴情報は、ディスプレイシステム103の操作履歴を示す情報である。より具体的には、当該情報は、現在進行中のイベントに関し、開始からのディスプレイシステム103に対する操作履歴を示す情報である。当該情報は、ディスプレイシステム103の操作状態を示す情報でもある。
【0027】
IP電話制御部314は、担当オペレータのIPアドレスを受信後に、担当オペレータとの通話を可能にする。その際、IP電話制御部314は、担当オペレータのIPアドレスを通話先として使用する。その結果、センター要員は担当オペレータと通話可能になる。
【0028】
操作権制御部315は、操作権委譲ボタンの選択を契機として、自機の操作権を自機から担当オペレータのオペレータ端末106に委譲する。ここで、操作権委譲ボタンの選択とは、自機の操作支援を要求するための操作に相当する。
【0029】
また操作権制御部315は、操作権委譲ボタンが選択されると、自機の操作権を自機から担当オペレータのオペレータ端末106に委譲したことを示す情報を表示する。具体的には操作権制御部315は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスを表示する。表示するメッセージボックスには、操作権の委譲を解除するための解除ボタンが含まれる。
【0030】
また操作権制御部315は、解除ボタンの選択を契機として、自機の操作権をオペレータ端末106から自機に戻す。ここで、解除ボタンの選択は、自機の操作権の委譲を解除するための操作に相当する。
【0031】
処理実行部316は、オペレータ端末106から送信された操作信号を取得すると、取得した操作信号に応じた処理を実行する。
【0032】
次に、補助記憶装置302について説明する。
補助記憶装置302は、ディスプレイシステム操作履歴情報321と担当オペレータのIPアドレス322を記憶する。
【0033】
1-1-3.センターサーバ105
図4は、センターサーバ105の構成例を示す。
センターサーバ105は、RAM等の主記憶装置401と、HDD等の補助記憶装置402、CPU等のプロセッサ403と、マウスやキーボード等の入力装置404と、ディスプレイ等の出力装置405と、ネットワークカード等の通信制御部406を備える。
【0034】
このうち、主記憶装置401は各種のプログラムを記憶しており、これらのプログラムをプロセッサ403が実行することにより、各種の機能が実現される。実現される機能には、サポート要求受付部411が含まれる。
【0035】
サポート要求受付部411は、火災受信機101またはディスプレイシステム103から遠隔サポート要求を受け付ける。そしてサポート要求受付部411は、所定のアルゴリズムに基づいて、受け付けたサポート業務を担当するオペレータを決定する。そしてサポート要求受付部411は、オペレータ情報テーブル421を参照して、決定した担当オペレータのIPアドレスを特定する。そしてサポート要求受付部411は、遠隔サポート要求に対する応答を要求元に返信する。返信する応答には、担当オペレータのIPアドレスが含まれている。
【0036】
次に、補助記憶装置402について説明する。
補助記憶装置402は、オペレータ情報テーブル421を記憶する。このオペレータ情報テーブル421は、オペレータの各種情報を格納するテーブルである。格納する情報には、オペレータのIPアドレスが含まれる。
【0037】
1-1-4.オペレータ端末106
図5は、オペレータ端末106の構成例を示す。
オペレータ端末106は、RAM等の主記憶装置501と、HDD等の補助記憶装置502と、CPU等のプロセッサ503と、マウス、キーボード、マイク等の入力装置504と、ディスプレイやスピーカ等の出力装置505と、ネットワークカード等の通信制御部506を備える。
【0038】
このうち、主記憶装置501は各種のプログラムを記憶しており、これらのプログラムをプロセッサ503が実行することにより、各種の機能が実現される。実現される機能には、表示制御部511、操作信号送信部512および操作画面取得部513が含まれる。
【0039】
このうち、表示制御部511は、火災受信機101から受信する受信機操作履歴情報、受信機状態情報および端末状態情報を表示する。これらの情報のうち、受信機操作履歴情報は、火災受信機101の操作状態を示す情報である。受信機状態情報は、火災受信機101の制御状態と故障状態を示す情報である。端末状態情報は、火災受信機101に接続された端末機器の作動状態と故障状態を示す情報である。
また表示制御部511は、ディスプレイシステム103から受信する画面情報を表示する。この画面情報は、ディスプレイシステム103の操作状態を示す情報である。
【0040】
操作信号送信部512は、オペレータによる操作を受けて、当該操作を示す操作信号を火災受信機101またはディスプレイシステム103に送信する。送信する操作信号には、自端末(オペレータ端末106)の表示画面上のオブジェクトを選択する操作を示すものが含まれる。
【0041】
操作画面取得部513は、火災受信機101から受信機情報を受信すると、操作画面情報を取得する。その際、操作画面取得部513は、操作画面テーブル523を参照して、受信した機種情報に対応する操作画面情報を取得する。
【0042】
次に、補助記憶装置502について説明する。
補助記憶装置502は、火災受信機101から受信する受信機情報521を記憶する。また当該装置は、ディスプレイシステム103から受信する画面情報522を記憶する。また当該装置は、操作画面テーブル523を記憶する。この操作画面テーブル523は、防災設備機器の機種情報と操作画面とを対応付けたテーブルである。
【0043】
1-2.動作
1-2-1.火災受信機101の操作の遠隔サポート
図6および図7は、火災受信機101の操作の遠隔サポート600の流れを例示している。
同図に示す遠隔サポート600に先立ち、火災受信機101には、図10に例示する画面1000が表示されていると想定する。図10に示す画面1000は、感知器異常を通知する画面である。この画面1000は、画面の右上にヘルプボタン1001を有している。
【0044】
センター要員は、このような画面が表示されている状況で、感知器異常に対する対処方法が分からない場合には、同画面のヘルプボタン1001を選択する(ステップ601)。火災受信機101の表示制御部111は、この操作を受けて、確認ウィンドウをポップアップ形式で表示する(ステップ602)。図11は、確認ウィンドウ1100を例示している。この確認ウィンドウ1100は、接続ボタン1101と閉じるボタン1102を有する。
【0045】
センター要員が接続ボタン1101を選択すると(ステップ603)、表示制御部211は、ヘルプボタン1001に代えて、操作権委譲ボタンとヘルプ終了ボタンを表示する(ステップ604)。図12は、これらのボタンを有する画面1200を例示している。同図に示す画面1200は、操作権委譲ボタン1201とヘルプ終了ボタン1202を有する。
また火災受信機101のサポート要求部212は、センターサーバ105に対してサポート要求を送信する(ステップ605)。
【0046】
センターサーバ105のサポート要求受付部411は、このサポート要求を受け付けると、所定のアルゴリズムに基づいて、受け付けたサポート業務を担当するオペレータを決定する(ステップ606)。そしてサポート要求受付部411は、オペレータ情報テーブル421を参照して、決定した担当オペレータのIPアドレスを特定する(ステップ607)。そしてサポート要求受付部411は、サポート要求に対する応答を火災受信機101に返信する(ステップ608)。返信する応答には、担当オペレータのIPアドレスが含まれている。
火災受信機101のサポート要求部212は、当該応答を受け付けると、担当オペレータのIPアドレスを補助記憶装置202に記憶する(ステップ609)。
【0047】
次に、火災受信機101の情報送信部213は、受信機情報を担当オペレータのオペレータ端末106に送信する(ステップ610)。送信する受信機情報は、機種情報、受信機操作履歴情報、受信機状態情報および端末状態情報からなる。
この後、情報送信部213は、ヘルプ終了ボタン1202が選択されるまで、受信機情報が更新される度に、更新された受信機情報をオペレータ端末106に送信する。この結果、オペレータ端末106では最新の受信機情報を表示可能になる。
【0048】
オペレータ端末106は、火災受信機101から送信された受信機情報を受信すると、補助記憶装置502に記憶する(ステップ611)。またオペレータ端末106の操作画面取得部513は、操作画面情報を取得する(ステップ612)。その際、操作画面取得部513は、操作画面テーブル523を参照して、受信した機種情報に対応する操作画面情報を取得する。そして操作画面取得部513は、取得した操作画面情報を補助記憶装置502に記憶する。
【0049】
受信機情報と操作画面情報を補助記憶装置502に記憶することで、オペレータ端末106の表示制御部511は、各種画面を表示可能になる(ステップ613)。表示可能な画面には、操作履歴表示画面、受信機状態表示画面、受信機故障状態表示画面、端末作動状態表示画面、端末故障状態表示画面および受信機操作画面が含まれる。
以下、各画面について説明する。
【0050】
図13は、オペレータ端末106に表示される操作履歴表示画面1300を例示している。
操作履歴表示画面1300は、発生中のイベントにおいて、現在の表示画面に至るまでの火災受信機101の操作履歴を示す画面である。この画面は、検索ボックス1301、更新ボタン1302、出力ボタン1303および操作履歴リスト1304を有する。
【0051】
このうち、検索ボックス1301は、表示リストの中から目的の操作内容を検索するための入力フォームである。
更新ボタン1302は、表示リストを最新の状態に更新するためのボタンである。
出力ボタン1303は、表示リストをCSV形式で出力するためのボタンである。
操作履歴リスト1304は、日時1305、表示画面1306、タッチ操作1307、スイッチ操作1308および備考1309の5つのカラムからなるリストである。
この操作履歴表示画面1300は、受信機操作履歴情報に基づいて生成される。同画面を参照することで、オペレータは火災受信機101の操作状態を知ることができる。
【0052】
図14は、受信機状態表示画面1400を例示している。
受信機状態表示画面1400は、火災受信機101の制御状態を示す画面である。この画面は、検索ボックス1401、更新ボタン1402、出力ボタン1403および状態リスト1404を有する。これらの表示要素のうち、検索ボックス1401、更新ボタン1402および出力ボタン1403の各機能は、上述した操作履歴表示画面1300の同名の表示要素と共通するため、その説明を省略する。
【0053】
状態リスト1404は、日時1405、状態1406および備考1407の3つのカラムからなるリストである。
この受信機状態表示画面1400は、受信機状態情報に基づいて生成される。同画面を参照することで、オペレータは火災受信機101の制御状態を知ることができる。
【0054】
図15は、受信機故障状態表示画面1500を例示している。
受信機故障状態表示画面1500は、火災受信機101の故障状態を示す画面である。この画面は、検索ボックス1501、更新ボタン1502、出力ボタン1503および故障状態リスト1504を有する。これらの表示要素のうち、検索ボックス1501、更新ボタン1502および出力ボタン1503の各機能は、上述した操作履歴表示画面1300の同名の表示要素と共通するため、その説明を省略する。
【0055】
故障状態リスト1504は、日時1505、故障状態1506および備考1507の3つのカラムからなるリストである。
この受信機故障状態表示画面1500は、受信機状態情報に基づいて生成される。同画面を参照することで、オペレータは火災受信機101の故障状態を知ることができる。
【0056】
図16は、端末作動状態表示画面1600を例示している。
端末作動状態表示画面1600は、端末機器の作動状態を示す画面である。この画面は、検索ボックス1601、更新ボタン1602、出力ボタン1603および作動状態リスト1604を有する。これらの表示要素のうち、検索ボックス1601、更新ボタン1602および出力ボタン1603の各機能は、上述した操作履歴表示画面1300の同名の表示要素と共通するため、その説明を省略する。
【0057】
作動状態リスト1604は、日時1605、作動状態1606および備考1607の3つのカラムからなるリストである。
この端末作動状態表示画面1600は、端末状態情報に基づいて生成される。同画面を参照することで、オペレータは端末機器の作動状態を知ることができる。
【0058】
図17は、端末故障状態表示画面1700を例示している。
端末故障状態表示画面1700は、端末機器の故障状態を示す画面である。この画面は、検索ボックス1701、更新ボタン1702、出力ボタン1703および故障状態リスト1704を有する。これらの表示要素のうち、検索ボックス1701、更新ボタン1702および出力ボタン1703の各機能は、上述した操作履歴表示画面1300の同名の表示要素と共通するため、その説明を省略する。
【0059】
故障状態リスト1704は、日時1705、故障状態1706および備考1707の3つのカラムからなるリストである。
この端末故障状態表示画面1700は、端末状態情報に基づいて生成される。同画面を参照することで、オペレータは端末機器の故障状態を知ることができる。
【0060】
図18は、受信機操作画面1800を例示している。
受信機操作画面1800は、火災受信機101を操作するための画面である。この画面は、一括連動・移報遮断ボタン1801、種別連動遮断ボタン群1802、棟連動遮断ボタン群1803、その他連動遮断ボタン群1804、ホスト別遮断ボタン群1805および表示機移報遮断ボタン群1806を有する。
【0061】
これらのボタンのうち、一括連動・移報遮断ボタン1801は、一括で連動および移報を遮断するためのボタンである。
種別連動遮断ボタン群1802は、端末機器の種別を指定して連動を遮断するためのボタンである。
棟連動遮断ボタン群1803は、防火対象物104の棟を指定して連動を遮断するためのボタンである。
その他連動遮断ボタン群1804は、その他の端末機器の連動を遮断するためのボタンである。
ホスト別遮断ボタン群1805は、ホストを指定して連動を遮断するためのボタンである。
表示機移報遮断ボタン群1806は、表示機を指定して移報を遮断するためのボタンである。
【0062】
また受信機操作画面1800は、非常放送遮断ボタン1807および1808、復旧ボタン1809、地区音響一時停止ボタン1810、地区音響一斉停止ボタン1811および火災断定ボタン1812を有する。
これらのボタンのうち、非常放送遮断ボタン1807および1808は、非常放送を遮断するためのボタンである。
復旧ボタン1809は、端末機器を復旧させるためのボタンである。
地区音響一時停止ボタン1810は、地区音響装置を一時的に停止するためのボタンであり、地区音響一斉停止ボタン1811は、地区音響装置を一斉に停止するためのボタンである。
火災断定ボタン1812は、火災と断定するためのボタンである。
【0063】
また受信機操作画面1800は、「操作権なし」表示1813を有している。この表示は、オペレータ端末106に火災受信機101の操作権がないことを示している。
【0064】
図6の遠隔サポートの流れの説明に戻る。
ステップ614において火災受信機101のIP電話起動部214は、通信用PC102を制御してIP電話プログラムを起動する。その際、IP電話起動部214は、センターサーバ105から受信した担当オペレータのIPアドレスを通話先として設定する。その結果、センター要員は担当オペレータと通話可能になり、感知器異常に対する対処方法について担当オペレータに相談することができる。
【0065】
担当オペレータに口頭で相談しても埒が明かない場合、センター要員は、図12に例示する操作権委譲ボタン1201を選択する(ステップ615)。火災受信機101の操作権制御部215は、この操作を受けて、遠隔操作の受け付けを開始する(ステップ616)。その一方で操作権制御部215は、自機の盤面操作の受け付けを停止する。ただし、受け付けを停止される操作には、解除ボタンの選択は含まれない。
【0066】
また操作権制御部215は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスを表示する(ステップ617)。図19は、そのようなメッセージボックスを有する画面1900を例示している。
画面1900は、感知器異常を通知する画面である。この画面1900は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックス1901を有する。このメッセージボックス1901は、操作権の委譲を解除するための解除ボタン1902を有する。
センター要員は、このメッセージボックス1901を見ることで、操作権がオペレータ端末106に委譲されていることを知ることができる。
【0067】
また操作権制御部215は、操作権委譲通知をオペレータ端末106に送信する(ステップ618)。
オペレータ端末106の表示制御部511は、火災受信機101から送信された操作権委譲通知を受け付けると、図18に例示する「操作権なし」表示1813を「操作権あり」表示(図示略)に変更する(ステップ619)。この表示の変更により、担当オペレータは火災受信機101の操作権が自端末に委譲されたことを知ることができる。
【0068】
その後、担当オペレータは、各種画面の情報とセンター要員との会話をもとに受信機操作画面1800において必要な操作を行う(ステップ620)。オペレータ端末106の操作信号送信部512は、この操作を受けて、当該操作を示す操作信号を火災受信機101に送信する(ステップ621)。
【0069】
火災受信機101の処理実行部216は、オペレータ端末106から送信された操作信号を取得すると、取得した操作信号に応じた処理を実行する(ステップ622)。
上述したステップ620(担当オペレータによる操作)からステップ622(火災受信機101の処理の実行)は、必要に応じて繰り返し実行される。
【0070】
センター要員は、担当オペレータによる遠隔操作の結果、感知器異常に対する対処が完了したことを確認すると、図19に例示する解除ボタン1902を選択する(ステップ623)。火災受信機101の操作権制御部215は、この操作を受けて、遠隔操作の受け付けを終了する(ステップ624)。その一方で操作権制御部215は、自機の盤面操作の受け付けを再開する。
【0071】
また操作権制御部215は、図19に例示するメッセージボックス1901の表示を終了する(ステップ625)。ここで表示を終了するメッセージボックス1901は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスである。
また操作権制御部215は、操作権委譲終了通知をオペレータ端末106に送信する(ステップ626)。
【0072】
オペレータ端末106の表示制御部511は、火災受信機101から送信された操作権委譲終了通知を受け付けると、受信機操作画面1800の「操作権あり」表示(図示略)を、図18に例示する「操作権なし」表示1813に戻す(ステップ627)。この表示の変更により、オペレータは火災受信機101の操作権が火災受信機101に返還されたことを知ることができる。
【0073】
その後、センター要員は、図12に例示するヘルプ終了ボタン1202を選択する(ステップ628)。火災受信機101の表示制御部211は、この操作を受けて、図12に例示する操作権委譲ボタン1201とヘルプ終了ボタン1202に代えて、図10に例示するヘルプボタン1001を表示する(ステップ629)。
また火災受信機101は、サポート終了通知をオペレータ端末106に送信する(ステップ630)。
【0074】
オペレータ端末106の表示制御部511は、火災受信機101から送信されたサポート終了通知を受け付けると、サポート業務が完了したことを示す画面(図示略)を表示する(ステップ631)。
以上が遠隔サポート600についての説明である。
【0075】
以上説明した遠隔サポート600では、センター要員に代わってオペレータが火災受信機101を操作することができる。そのため、オペレータが操作できない場合(電話等による対応)と比較して、遠隔サポートの効率性が向上する。また、従来は電話対応では対処できなかった場合、オペレータが現地に出向いて対処しており、この場合と比較するとサポートの効率性は大きく向上する。
また、遠隔サポート600では、現状に至るまでの操作履歴を入手して操作履歴表示画面1300にて確認できるようにしているので、センター要員がどのような操作を行ったために適切な対応ができなかったか簡単に把握することができ、サポートの効率性が向上するとともに、センター要員が有事にどのような操作を行うのか、データとして収集できるので、今後の製品開発において誤操作防止の対策に活かすことができる。
【0076】
1-2-2.ディスプレイシステム103の操作の遠隔サポート
図8および図9は、ディスプレイシステム103の操作の遠隔サポート800の流れを例示している。
同図に示す遠隔サポート800に先立ち、ディスプレイシステム103には、図20に例示する画面2000が表示されているものと想定する。図20に示す画面2000は、防火対象物104の平面図を示すマップ画面である。この画面2000は、画面の右上にヘルプボタン2001を有している。
【0077】
センター要員は、このような画面が表示されている状況で、感知器異常に対する対処方法が分からない場合には、同画面のヘルプボタン2001を選択する(ステップ801)。ディスプレイシステム103の表示制御部311は、この操作を受けて、確認ウィンドウをポップアップ形式で表示する(ステップ802)。表示する確認ウィンドウは、図11に例示するように、接続ボタン1101と閉じるボタン1102を有する。
【0078】
センター要員が接続ボタン1101を選択すると(ステップ803)、表示制御部311は、ヘルプボタン1001に代えて、操作権委譲ボタンとヘルプ終了ボタンを表示する(ステップ804)。図21は、これらのボタンを有する画面2100を例示している。同図に示す画面2100は、操作権委譲ボタン2101とヘルプ終了ボタン2102を有する。
またディスプレイシステム103のサポート要求部312は、センターサーバ105に対してサポート要求を送信する(ステップ805)。
【0079】
センターサーバ105のサポート要求受付部411は、このサポート要求を受け付けると、所定のアルゴリズムに基づいて、受け付けたサポート業務を担当するオペレータを決定する(ステップ806)。そしてサポート要求受付部411は、オペレータ情報テーブル421を参照して、決定した担当オペレータのIPアドレスを特定する(ステップ807)。そしてサポート要求受付部411は、サポート要求に対する応答をディスプレイシステム103に返信する(ステップ808)。返信する応答には、担当オペレータのIPアドレスが含まれている。
ディスプレイシステム103のサポート要求部312は、当該応答を受け付けると、担当オペレータのIPアドレスを補助記憶装置302に記憶する(ステップ809)。
【0080】
次に、ディスプレイシステム103の情報送信部313は、画面情報とディスプレイシステム操作履歴情報を担当オペレータのオペレータ端末106に送信する(ステップ810)。送信する画面情報は、ディスプレイシステム103に現在表示中の画面を表す画像情報である。
この後、情報送信部313は、ヘルプ終了ボタン2102が選択されるまで定期的に、更新された画面情報とディスプレイシステム操作履歴情報をオペレータ端末106に送信する。この結果、オペレータ端末106では最新の画面情報と最新の操作履歴情報を表示可能になる。
【0081】
オペレータ端末106は、ディスプレイシステム103から送信された画面情報等を受信すると、補助記憶装置502に記憶する(ステップ811)。この結果、同端末の表示制御部511は、ディスプレイシステム103と同じ画面と操作履歴表示画面を表示可能になる(ステップ812)。
【0082】
図22は、オペレータ端末106に表示される画面2200を例示している。
画面2200は、防火対象物104の平面図を示すマップ画面である。この画面は、主な表示要素として、マップ表示領域2201、アラームリスト2202、フロア選択ボタン群2203、火災断定ボタン2204、復旧ボタン2205および音響停止ボタン2206を有する。
【0083】
これらの表示要素のうち、マップ表示領域2201は、フロア選択ボタン群2203で選択されたフロアの平面図が表示される領域である。
アラームリスト2202は、防火対象物104で発生したイベントが時系列で表示されるリストである。
フロア選択ボタン群2203は、マップ表示領域2201に表示するフロアを選択するためのボタンである。
火災断定ボタン2204は、火災と断定するためのボタンである。
復旧ボタン2205は、端末機器を復旧させるためのボタンである。
音響停止ボタン2206は、地区音響装置を停止するためのボタンである。
【0084】
また画面2200は、「操作権なし」表示2207を有している。この表示は、オペレータ端末106にディスプレイシステム103の操作権がないことを示している。
【0085】
図24は、オペレータ端末106に表示される操作履歴表示画面2400を例示している。
操作履歴表示画面2400は、発生中のイベントにおいて、現在の表示画面に至るまでのディスプレイシステム103の操作履歴を示す画面である。この画面は、検索ボックス2401、更新ボタン2402、出力ボタン2403および操作履歴リスト2404を有する。
【0086】
このうち、検索ボックス2401は、表示リストの中から目的の操作内容を検索するための入力フォームである。
更新ボタン2402は、表示リストを最新の状態に更新するためのボタンである。
出力ボタン2403は、表示リストをCSV形式で出力するためのボタンである。
操作履歴リスト2404は、日時2405、表示画面2406、操作内容2407および備考2408の4つのカラムからなるリストである。
この操作履歴表示画面2400は、ディスプレイシステム操作履歴情報に基づいて生成される。同画面を参照することで、オペレータはディスプレイシステム103の操作状態を知ることができる。
【0087】
次にステップ813において、ディスプレイシステム103のIP電話制御部314は、担当オペレータとの通話を可能にする。その際、IP電話制御部314は、センターサーバ105から受信したオペレータのIPアドレスを通話先として使用する。その結果、センター要員は担当オペレータと通話可能になり、感知器異常に対する対処方法について担当オペレータに相談することができる。
【0088】
担当オペレータに口頭で相談しても埒が明かない場合、センター要員は、図21に例示する操作権委譲ボタン2101を選択する(ステップ814)。ディスプレイシステム103の操作権制御部315は、この操作を受けて、遠隔操作の受け付けを開始する(ステップ815)。その一方で操作権制御部315は、自機に対する操作の受け付けを停止する。ただし、受け付けを停止される操作には、解除ボタンの選択は含まれない。
【0089】
また操作権制御部315は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスを表示する(ステップ816)。図23は、そのようなメッセージボックスを有する画面2300を例示している。
画面2300は、防火対象物104の平面図を示すマップ画面である。この画面2300は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックス2301を有する。このメッセージボックス2301は、操作権の委譲を解除するための解除ボタン2302を有する。
センター要員は、このメッセージボックス2301を見ることで、操作権がオペレータ端末106に委譲されていることを知ることができる。
【0090】
また操作権制御部315は、操作権委譲通知をオペレータ端末106に送信する(ステップ817)。
オペレータ端末106の表示制御部511は、火災受信機101から送信された操作権委譲通知を受け付けると、図22に例示する表示画面中の「操作権なし」表示2207を「操作権あり」表示(図示略)に変更する(ステップ818)。この表示の変更により、オペレータはディスプレイシステム103の操作権が自端末に委譲されたことを知ることができる。
【0091】
その後、担当オペレータは、表示画面の情報とセンター要員との会話をもとに必要な操作を行う(ステップ819)。オペレータ端末106の操作信号送信部512は、この操作を受けて、当該操作を示す操作信号をディスプレイシステム103に送信する(ステップ820)。
【0092】
ディスプレイシステム103の処理実行部316は、オペレータ端末106から送信された操作信号を取得すると、取得した操作信号に応じた処理を実行する(ステップ821)。
上述したステップ819(担当オペレータによる操作)からステップ821(ディスプレイシステム103の処理の実行)は、必要に応じて繰り返し実行される。
【0093】
センター要員は、担当オペレータによる遠隔操作の結果、感知器異常に対する対処が完了したことを確認すると、図23に例示する解除ボタン2302を選択する(ステップ822)。ディスプレイシステム103の操作権制御部315は、この操作を受けて、遠隔操作の受け付けを終了する(ステップ823)。その一方で操作権制御部315は、自機に対する操作の受け付けを再開する。
【0094】
また操作権制御部315は、図23に例示するメッセージボックス2301の表示を終了する(ステップ824)。ここで表示を終了するメッセージボックス2301は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスである。
また操作権制御部315は、操作権委譲終了通知をオペレータ端末106に送信する(ステップ825)。
【0095】
オペレータ端末106の表示制御部511は、ディスプレイシステム103から送信された操作権委譲終了通知を受け付けると、画面2200の「操作権あり」表示(図示略)を、図22に例示する「操作権なし」表示2207に戻す(ステップ826)。このメッセージの変更により、オペレータはディスプレイシステム103の操作権がディスプレイシステム103に返還されたことを知ることができる。
【0096】
その後、センター要員は、図21に例示するヘルプ終了ボタン2102を選択する(ステップ827)。ディスプレイシステム103の表示制御部311は、この操作を受けて、図21に例示する操作権委譲ボタン2101とヘルプ終了ボタン2102に代えて、図20に例示するヘルプボタン2001を表示する(ステップ828)。
またディスプレイシステム103は、サポート終了通知をオペレータ端末106に送信する(ステップ829)。
【0097】
オペレータ端末106の表示制御部511は、ディスプレイシステム103から送信されたサポート終了通知を受け付けると、サポート業務が完了したことを示す画面(図示略)を表示する(ステップ830)。
以上が遠隔サポート800についての説明である。
【0098】
以上説明した遠隔サポート600では、センター要員に代わってオペレータがディスプレイシステム103を操作することができる。そのため、オペレータが操作できない場合(電話等による対応)と比較して、遠隔サポートの効率性が向上する。また、従来は電話対応では対処できなかった場合、オペレータが現地に出向いて対処しており、この場合と比較するとサポートの効率性は大きく向上する。
また、遠隔サポート800では、現状に至るまでの操作履歴を入手して操作履歴表示画面2400にて確認できるようにしているので、センター要員がどのような操作を行ったために適切な対応ができなかったか簡単に把握することができ、サポートの効率性が向上するとともに、センター要員が有事にどのような操作を行うのか、データとして収集できるので、今後の製品開発において誤操作防止の対策に活かすことができる。
【0099】
2.変形例
上記の実施形態を下記のように変形してもよい。以下の変形例は互いに組み合わせてもよい。
(1)上記の遠隔サポート600および800では、遠隔サポートに関連するボタン(具体的には、ヘルプボタン、遠隔制御ボタン、ヘルプ終了ボタンおよび解除ボタン)が、ソフトキーとしてセンター要員に提供されている。これに代えて、それらのボタンをハードキー(言い換えると、物理キー)として火災受信機101とディスプレイシステム103に備えさせてもよい。
【0100】
(2)上記の遠隔サポート600では、火災受信機101が受信機情報をオペレータ端末106に送信し、オペレータ端末106は、この受信機情報に基づいて各種画面を生成している。オペレータは、オペレータ端末106が生成する画面のうち、受信機操作画面を用いて火災受信機101を操作する。これに代えて、遠隔サポート800と同様に、オペレータにリモートデスクトップ方式で火災受信機101を操作させてもよい。
【0101】
(3)上記の遠隔サポート800では、オペレータはディスプレイシステム103をリモートデスクトップ方式で操作している。これに代えて、遠隔サポート600と同様に、ディスプレイシステム103に操作履歴情報、受信機状態情報および端末状態情報をオペレータ端末106に送信させ、オペレータ端末106に、それらの情報に基づいて各種画面を表示させてもよい。その際、オペレータに、生成される画面のうち、ディスプレイシステム操作画面を用いてディスプレイシステム103を操作させてもよい。
【0102】
(4)上記の遠隔サポート600および800では、火災受信機101とディスプレイシステム103を備えたシステム構成となっているが、ディスプレイシステム103がなく、火災受信機101のみで構成されている場合でも、遠隔サポート600の火災受信機101に係るサポートの実施が可能である。
【0103】
(5)上記の遠隔サポート600では、火災受信機101からサポート要求を送信し、オペレータは火災受信機101を遠隔操作している。すなわち、オペレータの操作対象が火災受信機101となっている。これに対して、オペレータの操作対象を火災受信機101とディスプレイシステム103の2つにしてもよい。以下、そのような場合の動作について説明する。
【0104】
図25図27は、火災受信機101およびディスプレイシステム103の操作の遠隔サポート2500の流れを例示している。この流れを説明するにあたり、以下では特に、遠隔サポート600との相違点について説明する。
【0105】
まず、この遠隔サポート2500のステップ2501~2513は、遠隔サポート600のステップ601~613と同じである。したがって、その説明を省略する。
【0106】
このステップ2501~2513を経て、火災受信機101のサポート要求部212が担当オペレータのIPアドレスを取得すると、取得したIPアドレスをディスプレイシステム103に送信する(ステップ2514)。ディスプレイシステム103のサポート要求部312は、当該IPアドレスを受信すると、受信したIPアドレスを補助記憶装置302に記憶する(ステップ2515)。
【0107】
次に、ディスプレイシステム103の情報送信部313は、画面情報とディスプレイシステム操作履歴情報を担当オペレータのオペレータ端末106に送信する(ステップ2516)。送信する画面情報は、ディスプレイシステム103に現在表示中の画面を表す画像情報である。
この後、情報送信部313は、ヘルプ終了ボタン2102が選択されるまで定期的に、更新された画面情報とディスプレイシステム操作履歴情報をオペレータ端末106に送信する。この結果、オペレータ端末106では最新の画面情報と最新の操作履歴情報を表示可能になる。
【0108】
オペレータ端末106は、ディスプレイシステム103から送信された画面情報等を受信すると、補助記憶装置502に記憶する(ステップ2517)。この結果、同端末の表示制御部511は、ディスプレイシステム103と同じ画面と操作履歴表示画面を表示可能になる(ステップ2518)。この端末を操作する担当オペレータは、ディスプレイシステム103の表示画面等と火災受信機101の各種画面を選択的に表示させることができる。
【0109】
次に、火災受信機101のIP電話起動部214は、通信用PC102を制御してIP電話プログラムを起動する(ステップ2519)。このステップ2519からステップ2522までは遠隔サポート600のステップ614~617と同じである。したがって、その説明を省略する。
【0110】
このステップ2519~2522を経て、火災受信機101の操作権制御部215は、操作権委譲通知をオペレータ端末106とディスプレイシステム103に送信する(ステップ2523)。
【0111】
オペレータ端末106の表示制御部511は、火災受信機101から送信された操作権委譲通知を受け付けると、図18に例示する「操作権なし」表示1813を「操作権あり」表示(図示略)に変更する(ステップ2524)。この表示の変更により、担当オペレータは火災受信機101の操作権が自端末に委譲されたことを知ることができる。
【0112】
一方、ディスプレイシステム103の操作権制御部315は、火災受信機101から送信された操作権委譲通知を受け付けると、遠隔操作の受け付けを開始する(ステップ2525)。その一方で操作権制御部315は、自機に対する操作の受け付けを停止する。ただし、受け付けを停止される操作には、解除ボタンの選択は含まれない。
【0113】
また操作権制御部315は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスを表示する(ステップ2526)。表示されるメッセージボックスについては、図23を参照のこと。
【0114】
その後、担当オペレータは、火災受信機101の各種画面の情報とセンター要員との会話をもとに受信機操作画面1800において必要な操作を行う(ステップ2527)。オペレータ端末106の操作信号送信部512は、この操作を受けて、当該操作を示す操作信号を火災受信機101に送信する(ステップ2528)。
【0115】
火災受信機101の処理実行部216は、オペレータ端末106から送信された操作信号を取得すると、取得した操作信号に応じた処理を実行する(ステップ2529)。
上述したステップ2527(担当オペレータによる操作)からステップ2529(火災受信機101の処理の実行)は、必要に応じて繰り返し実行される。
【0116】
また担当オペレータは、ディスプレイシステム103の表示画面の情報とセンター要員との会話をもとに必要な操作を行う(ステップ2530)。オペレータ端末106の操作信号送信部512は、この操作を受けて、当該操作を示す操作信号をディスプレイシステム103に送信する(ステップ2531)。
【0117】
ディスプレイシステム103の処理実行部316は、オペレータ端末106から送信された操作信号を取得すると、取得した操作信号に応じた処理を実行する(ステップ2532)。
上述したステップ2530(担当オペレータによる操作)からステップ2532(ディスプレイシステム103の処理の実行)は、必要に応じて繰り返し実行される。
【0118】
センター要員は、担当オペレータによる遠隔操作の結果、感知器異常に対する対処が完了したことを確認すると、図19に例示する解除ボタン1902を選択する(ステップ2533)。このステップ2533からステップ2535までは遠隔サポート600のステップ623~625と同じである。したがって、その説明を省略する。
【0119】
このステップ2533~2535を経て、火災受信機101の操作権制御部215は、操作権委譲終了通知をオペレータ端末106とディスプレイシステム103に送信する(ステップ2536)。
【0120】
オペレータ端末106の表示制御部511は、火災受信機101から送信された操作権委譲終了通知を受け付けると、受信機操作画面1800の「操作権あり」表示(図示略)を、図18に例示する「操作権なし」表示1813に戻す(ステップ2537)。この表示の変更により、オペレータは火災受信機101の操作権が火災受信機101に返還されたことを知ることができる。
【0121】
また表示制御部511は、画面2200の「操作権あり」表示(図示略)を図22に例示する「操作権なし」表示2207に戻す(ステップ2537)。このメッセージの変更により、オペレータはディスプレイシステム103の操作権がディスプレイシステム103に返還されたことを知ることができる。
【0122】
一方、ディスプレイシステム103の操作権制御部315は、火災受信機101から送信された操作権委譲終了通知を受け付けると、遠隔操作の受け付けを終了する(ステップ2538)。その一方で操作権制御部315は、自機に対する操作の受け付けを再開する。
【0123】
また操作権制御部315は、図23に例示するメッセージボックス2301の表示を終了する(ステップ2539)。ここで表示を終了するメッセージボックス2301は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスである。
【0124】
その後、センター要員は、図12に例示するヘルプ終了ボタン1202を選択する(ステップ2540)。このステップ2540からステップ2543までは遠隔サポート600のステップ628~631と同じである。したがって、その説明を省略する。
以上が遠隔サポート2500についての説明である。
【0125】
(6)上記の遠隔サポート800では、ディスプレイシステム103からサポート要求を送信し、オペレータはディスプレイシステム103を遠隔操作している。すなわち、オペレータの操作対象がディスプレイシステム103となっている。これに対して、オペレータの操作対象をディスプレイシステム103と火災受信機101の2つにしてもよい。以下、そのような場合の動作について説明する。
【0126】
図28図30は、ディスプレイシステム103および火災受信機101の操作の遠隔サポート2800の流れを例示している。この流れを説明するにあたり、以下では特に、遠隔サポート800との相違点について説明する。
【0127】
まず、この遠隔サポート2800のステップ2801~2812は、遠隔サポート800のステップ801~812と同じである。したがって、その説明を省略する。
【0128】
このステップ2801~2812を経て、ディスプレイシステム103のサポート要求部312が担当オペレータのIPアドレスを取得すると、取得したIPアドレスを火災受信機101に送信する(ステップ2813)。火災受信機101のサポート要求部212は、当該IPアドレスを受信すると、受信したIPアドレスを補助記憶装置202に記憶する(ステップ2814)。
【0129】
次に、火災受信機101の情報送信部213は、受信機情報を担当オペレータのオペレータ端末106に送信する(ステップ2815)。送信する受信機情報は、機種情報、受信機操作履歴情報、受信機状態情報および端末状態情報からなる。
この後、情報送信部213は、ヘルプ終了ボタン1202が選択されるまで、受信機情報が更新される度に、更新された受信機情報をオペレータ端末106に送信する。この結果、オペレータ端末106では最新の受信機情報を表示可能になる。
【0130】
オペレータ端末106は、火災受信機101から送信された受信機情報を受信すると、補助記憶装置502に記憶する(ステップ2816)。またオペレータ端末106の操作画面取得部513は、操作画面情報を取得する(ステップ2817)。その際、操作画面取得部513は、操作画面テーブル523を参照して、受信した機種情報に対応する操作画面情報を取得する。そして操作画面取得部513は、取得した操作画面情報を補助記憶装置502に記憶する。
【0131】
受信機情報と操作画面情報を補助記憶装置502に記憶することで、オペレータ端末106の表示制御部511は、各種画面を表示可能になる(ステップ2818)。表示可能な画面には、操作履歴表示画面、受信機状態表示画面、受信機故障状態表示画面、端末作動状態表示画面、端末故障状態表示画面および受信機操作画面が含まれる。これらの画面の例については、図13図18を参照のこと。
【0132】
オペレータ端末106を操作する担当オペレータは、火災受信機101の各種画面とディスプレイシステム103の表示画面を選択的に表示させることができる。
【0133】
次に、ディスプレイシステム103のIP電話制御部314は、担当オペレータとの通話を可能にする(ステップ2819)。このステップ2819からステップ2822までは遠隔サポート800のステップ813~816と同じである。したがって、その説明を省略する。
【0134】
このステップ2819~2822を経て、ディスプレイシステム103の操作権制御部315は、操作権委譲通知をオペレータ端末106と火災受信機101に送信する(ステップ2823)。
【0135】
オペレータ端末106の表示制御部511は、ディスプレイシステム103から送信された操作権委譲通知を受け付けると、図22に例示する表示画面中の「操作権なし」表示2207を「操作権あり」表示(図示略)に変更する(ステップ2824)。この表示の変更により、オペレータはディスプレイシステム103の操作権が自端末に委譲されたことを知ることができる。
【0136】
一方、火災受信機101の操作権制御部215は、ディスプレイシステム103から送信された操作権委譲通知を受け付けると、遠隔操作の受け付けを開始する(ステップ2825)。その一方で操作権制御部215は、自機の盤面操作の受け付けを停止する。ただし、受け付けを停止される操作には、解除ボタンの選択は含まれない。
【0137】
また操作権制御部215は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスを表示する(ステップ2826)。表示されるメッセージボックスについては、図19を参照のこと。
【0138】
その後、担当オペレータは、ディスプレイシステム103の表示画面の情報とセンター要員との会話をもとに必要な操作を行う(ステップ2827)。オペレータ端末106の操作信号送信部512は、この操作を受けて、当該操作を示す操作信号をディスプレイシステム103に送信する(ステップ2828)。
【0139】
ディスプレイシステム103の処理実行部316は、オペレータ端末106から送信された操作信号を取得すると、取得した操作信号に応じた処理を実行する(ステップ2829)。
上述したステップ2827(担当オペレータによる操作)からステップ2829(ディスプレイシステム103の処理の実行)は、必要に応じて繰り返し実行される。
【0140】
また担当オペレータは、火災受信機101の各種画面の情報とセンター要員との会話をもとに受信機操作画面1800において必要な操作を行う(ステップ2830)。オペレータ端末106の操作信号送信部512は、この操作を受けて、当該操作を示す操作信号を火災受信機101に送信する(ステップ2831)。
【0141】
火災受信機101の処理実行部216は、オペレータ端末106から送信された操作信号を取得すると、取得した操作信号に応じた処理を実行する(ステップ2832)。
上述したステップ2830(担当オペレータによる操作)からステップ2832(火災受信機101の処理の実行)は、必要に応じて繰り返し実行される。
【0142】
センター要員は、担当オペレータによる遠隔操作の結果、感知器異常に対する対処が完了したことを確認すると、図23に例示する解除ボタン2302を選択する(ステップ2833)。このステップ2833からステップ2835までは遠隔サポート800のステップ822~824と同じである。したがって、その説明を省略する。
【0143】
このステップ2833~2835を経て、ディスプレイシステム103の操作権制御部315は、操作権委譲終了通知をオペレータ端末106と火災受信機101に送信する(ステップ2836)。
【0144】
オペレータ端末106の表示制御部511は、ディスプレイシステム103から送信された操作権委譲終了通知を受け付けると、画面2200の「操作権あり」表示(図示略)を図22に例示する「操作権なし」表示2207に戻す(ステップ2837)。このメッセージの変更により、オペレータはディスプレイシステム103の操作権がディスプレイシステム103に返還されたことを知ることができる。
【0145】
また表示制御部511は、受信機操作画面1800の「操作権あり」表示(図示略)を、図18に例示する「操作権なし」表示1813に戻す(ステップ2837)。この表示の変更により、火災受信機101の操作権が火災受信機101に返還されたことを知ることができる。
【0146】
一方、火災受信機101の操作権制御部215は、ディスプレイシステム103から送信された操作権委譲終了通知を受け付けると、遠隔操作の受け付けを終了する(ステップ2838)。その一方で操作権制御部215は、自機の盤面操作の受け付けを再開する。
【0147】
また操作権制御部215は、図19に例示するメッセージボックス1901の表示を終了する(ステップ2839)。ここで表示を終了するメッセージボックス1901は、操作権をオペレータ端末106に委譲中であることを示すメッセージボックスである。
【0148】
その後、センター要員は、図21に例示するヘルプ終了ボタン2102を選択する(ステップ2840)。このステップ2840からステップ2843までは遠隔サポート800のステップ827~830と同じである。したがって、その説明を省略する。
以上が遠隔サポート2800についての説明である。
【0149】
(7)上記の遠隔サポート600または800において、異常の対処の完了がオペレータからセンター要員に対してボタン操作を通じて通知されてもよい。例えば、オペレータ端末106に作業完了ボタンを表示させ、当該ボタンの操作に応じて作業完了通知を火災受信機101またはディスプレイシステム103に対して送信させてもよい。
【0150】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0151】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0152】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
なお、上述の実施例は少なくとも特許請求の範囲に記載の構成を開示している。
【符号の説明】
【0153】
100…遠隔サポートシステム、101…火災受信機、102…通信用PC、103…ディスプレイシステム、104…防火対象物、105…センターサーバ、106…オペレータ端末、107…カスタマーセンター、108…インターネット、211…表示制御部、212…サポート要求部、213…情報送信部、214…IP電話起動部、215…操作権制御部、216…処理実行部、221…受信機情報、222…IPアドレス、311…表示制御部、312…サポート要求部、313…情報送信部、314…IP電話制御部、315…操作権制御部、316…処理実行部、321…ディスプレイシステム操作履歴情報、322…IPアドレス、411…サポート要求受付部、421…オペレータ情報テーブル、511…表示制御部、512…操作信号送信部、513…操作画面取得部、521…受信機情報、522…画面情報、523…操作画面テーブル

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
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