(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099437
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/62 20060101AFI20240718BHJP
A01D 34/535 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
A01D34/62
A01D34/535
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003383
(22)【出願日】2023-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 忠治
(72)【発明者】
【氏名】須本 大智
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA01
2B083BA16
2B083CA09
2B083CA30
2B083CB02
2B083GA02
2B083KA09
(57)【要約】
【課題】作業機本体を保護するとともに、作業機の側端部近傍の草や泥などを作業部の作業領域に向けて誘導することが可能な作業機を提供すること。
【解決手段】所定の作業を行う作業機であって、前記所定の作業を行う作業部と、前記作業部の外側前方に位置する保護部と、前記作業部の作業領域の外側前方に設けられ、前記作業部から外側前方に向かって延在する誘導部と、を備える。前記保護部は、弾性部材を含む。前記誘導部の外側端は、前記保護部の端部の外側前方に位置するとともに、前記保護部の外側端は、前記誘導部の外側端より外側に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の作業を行う作業機であって、
前記所定の作業を行う作業部と、
前記作業部の外側前方に設けられる保護部と、
前記作業部の作業領域の外側前方に設けられ、前記作業部側から外側前方に向かって延在する誘導部と、
を備える作業機。
【請求項2】
前記保護部は、弾性部材を含む、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記誘導部の外側端は、前記保護部の端部の外側前方に位置するとともに、前記保護部の外側端は、前記誘導部の外側端より外側に位置する、請求項1に記載の作業機。
【請求項4】
前記保護部と前記誘導部は、一体的に形成されている、請求項1に記載の作業機。
【請求項5】
上面視において、
前記保護部は、前記作業部側から外側に向かって延在し、
前記保護部の外側端は、前記作業機の外側端である、請求項1に記載の作業機。
【請求項6】
前記作業部と前記保護部の間に配置される保護部取付部をさらに含む、請求項1に記載の作業機。
【請求項7】
弾性体をさらに含み、
前記弾性体は、前記保護部と前記保護部取付部との間、又は、前記作業部と前記保護部取付部との間に配置される、請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
保護部取付部をさらに含み、
前記保護部は、前記保護部取付部と前記作業部との間に取付けられる、請求項1に記載の作業機。
【請求項9】
正面視において、前記誘導部の少なくとも一部は、前記作業部の一部に重畳する、請求項1に記載の作業機。
【請求項10】
前記保護部取付部は、スタンドブラケットである、請求項6乃至請求項8の何れか一項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、農道、荒れ地又は畦畔の雑草を除去するため、草刈り機を用いて、定期的に、農道、荒れ地又は畦畔の草刈り作業が行われている。一般的に、草刈り機は、トラクタ等の走行機体の後部に装着され、走行機体とともに移動しながら作業部を動作させることにより草刈り作業を進める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-170296号公報
【特許文献2】特開2013-183637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の草刈り機では、圃場際の作業をする際に、草刈り機の側端部を畦やコンクリート畦畔にぶつけてしまい、草刈り機が破損してしまうことがあった。特許文献1には、作業機の側端部に位置するチェーンケースを保護するガード部材(保護部)を備えた作業機が開示されている。特許文献1に開示された作業機は、例えば、作業中に障害物に近づくと、チェーンケースが障害物に当接する前に、ガード部材(保護部)が障害物に当接するように構成されている。特許文献1に開示された作業機は、ガード部材を備えることによってチェーンケース(作業機)が障壁に当接し損傷することを防止することができる。また、特許文献2には、少なくとも一部が機体の側部の外面よりも外側方に位置する誘導体(誘導部)を備えた作業機が開示されている。特許文献2に開示された誘導体は、例えば、作業中に、被切断物を切断手段に向けて誘導するように構成されている。特許文献2に開示された作業機は、誘導体を備えることによって、機体の側板部にて押し倒されて未作業部分として残る被切断物を少なくすることができるとともに、切断作業の作業精度を向上させ、草刈り後の仕上がりを良好にできる。
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2には、作業機本体を保護するとともに、作業機の側端部近傍の草や泥などを作業部に向けて誘導することが可能な作業機は、開示されていない。
【0006】
本発明の課題の一つは、作業機本体を保護するとともに、作業機の側端部近傍の草や泥などを作業部の作業領域に向けて誘導することが可能な作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る作業機は、所定の作業を行う作業機であって、前記所定の作業を行う作業部と、前記作業部の外側前方に設けられる保護部と、前記作業部の作業領域の外側前方に設けられ、前記作業部から外側前方に向かって延在する誘導部と、を備える。
【0008】
前記保護部は弾性部材を含んでもよい。
【0009】
前記誘導部の外側端は、前記保護部の端部の外側前方に位置するとともに、前記保護部の外側端は、前記誘導部の外側端より外側に位置してよい。
【0010】
前記保護部と前記誘導部は、一体的に形成されてよい。
【0011】
正面視において、前記保護部は、前記作業部側から外側に向かって延在し、前記保護部の外側端は、前記作業機の外側端であってよい。
【0012】
前記作業部と前記保護部の間に配置される保護部取付部をさらに含んでよい。
【0013】
弾性体をさらに含み、前記弾性体は、前記保護部と前記保護部取付部との間に配置されてよい。
【0014】
保護部取付部をさらに含み、前記保護部は、前記保護部取付部と前記作業部との間に取付けられてよい。
【0015】
正面視において、前記誘導部の少なくとも一部は、前記作業部の一部に重畳前記保護部は、前記少なくとも一方の側板と接続される取付部をさらに含み、前記誘導部の少なくとも一部は、前記作業部の一部に重畳してよい。
【0016】
前記保護部取付部は、スタンドブラケットであってよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、作業機本体を保護するとともに、作業機の側端部近傍の草や泥などを作業部の作業領域に向けて誘導することが可能な作業機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る草刈り作業機の構成を示す図であり、(A)は、草刈り機を斜め左上前方から見た斜視図であり、(B)は、草刈り機を斜め左下前方から見た斜視図である。
【
図2】(A)は、第1実施形態の草刈り作業機に含まれる保護誘導機構の拡大図であり、(B)は、第1実施形態の草刈り作業機に含まれるスタンドブラケットの側板への取付構造の変形例の拡大図である。
【
図3】第2実施形態の草刈り機の構成を示す図であり、(A)は、草刈り機を斜め左上前方から見た斜視図であり、(B)は、草刈り機を斜め左下後前方から見た斜視図である。
【
図4】(A)は、第2実施形態の草刈り作業機に含まれる保護誘導機構の拡大図であり、(B)は、第2実施形態の草刈り作業機に含まれるスタンドブラケットの側板への取付構造の変形例の拡大図である。
【
図5】第3実施形態の草刈り機の構成を示す図であり、(A)は、草刈り機を斜め左上前方から見た斜視図であり、(B)は、草刈り機を斜め左下後方から見た斜視図である。
【
図6】(A)は、第3実施形態の草刈り作業機に含まれる保護誘導機構の拡大図であり、(B)は、第3実施形態の草刈り作業機に含まれるスタンドブラケットの側板への取付構造の変形例の拡大図である。
【
図7】第4実施形態の草刈り機の構成を示す図であり、(A)は、草刈り機を斜め左上前方から見た斜視図であり、(B)は、草刈り機を斜め左下前方から見た斜視図である。
【
図8】(A)は、第4実施形態の草刈り作業機に含まれる保護誘導機構の拡大図であり、(B)は、第4実施形態の草刈り作業機に含まれるスタンドブラケットの側板への取付構造の変形例の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の作業機の実施形態として、草刈り機を例に、図面を参照して説明する。但し、本発明の作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されるものではない。例えば、本発明の作業機は、代掻き機、ロータリ作業機であってよい。
【0020】
なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、本実施の形態では、草刈り機を前方から後方を見た場合を正面視と呼び、草刈り機を上方から見た場合を上面視と呼ぶ。
【0021】
以下の説明において、説明の便宜上、「上」、「下」、「前」、「後」、「右」、「左」といった方向を示す語句を用いるが、草刈り機に対して、重力の働く方向が「下」であり、その逆が「上」である。また、草刈り機の進行する方向が「前」であり、その逆が「後」である。さらに、進行方向に向かって、右側が「右」であり、左側が「左」である。また、草刈り機の進行方向に沿う中心線を基準として、中心線から遠い側を外側、中心線に近い側を内側とする。
【0022】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の草刈り機100の構成を示す図である。具体的には、
図1(A)は、草刈り機100を斜め右上前方から見た斜視図であり、
図1(B)は、草刈り機100を斜め右下後方から見た背面図である。
図2(A)は、草刈り機100に含まれる保護誘導機構150の拡大図であり、
図2(B)は、草刈り機100に含まれるスタンドブラケット154の側板133bへの取付構造の変形例の拡大図である。本実施形態では、草刈り機100の一例として、トラクタ等の走行機体に牽引され、走行機体の後方の草刈り作業を行う草刈り機を例示する。ただし、この例に限られるものではなく、草刈り作業部(作業部130)を横方向にオフセット移動させる機能を有するオフセット型の草刈り機であってよく、走行機体を要しない自走式の草刈り機であってもよい。
【0023】
図1(A)及び
図1(B)に示されるように、本実施形態の草刈り機100は、装着部110、動力伝達部120、作業部130、及び保護誘導機構150を含む。草刈り機100は、装着部110を介して連結された走行機体(図示は省略)に牽引され、走行機体の走行に伴って前方に進行する。草刈り機100が移動する間、作業部130は、走行機体から入力され、動力伝達部120を介して伝達された動力により草刈り作業を行う。
【0024】
装着部110は、走行機体と草刈り機100とを連結するための部位であり、草刈り機100を走行機体の後部に連結する機能を有する。装着部110は、トップリンク結合部111、ロワーリンク結合部112、及び入力軸124を含む。
【0025】
トップリンク結合部111は、草刈り機100の前方中央部に設けられ、ロワーリンク結合部112は、草刈り機100の前方左右二箇所に設けられている。草刈り機100は、トップリンク結合部111及びロワーリンク結合部112が、走行機体の後部に設けられた3点リンク機構にそれぞれ連結されることにより、走行機体の後部に昇降可能に連結される。なお、トップリンク結合部111、及びロワーリンク結合部112は、オートヒッチアーム(図示は省略)を介して走行機体の3点リンク機構に連結されてもよい。
【0026】
入力軸124は、走行機体のPTO軸にユニバーサルジョイント等を介して連結され、走行機体から伝達された動力を草刈り機100に入力する。
【0027】
動力伝達部120は、装着部110の入力軸124を介して入力された動力を作業部130に伝達する機能を有する。動力伝達部120は、ギヤボックス121、メインフレーム122、及び伝動ケース123を含む。
【0028】
ギヤボックス121は、上述の入力軸124と連結しており、入力された動力の変速等を行う。メインフレーム122は、草刈り機100の骨格となるフレームであり、ギヤボックス121の左右両側に向かって、進行方向に対して略直交する方向(左右方向)に延設されている。ギヤボックス121と伝動ケース123との間に配置されたメインフレーム122の内部には、伝動シャフト(図示は省略)が内装されている。この伝動シャフトにより、ギヤボックス121から伝動ケース123に対して動力が伝達される。
【0029】
伝動ケース123は、メインフレーム122の内部の伝動シャフトにより伝達された動力を、作業部130の爪軸131aに伝達する。本実施形態の草刈り機100において、伝動ケース123は、ベルト駆動方式の巻き掛け伝動装置を含む。しかし、この例に限られるものではない。伝動ケース123は、チェーン駆動方式の巻き掛け伝動装置を含んでもよい。
【0030】
作業部130は、動力伝達部120を介して伝達された動力により作業ロータ131を回転させて草刈り作業を行う機能を有する。作業部130は、作業ロータ131、シールドカバー132、少なくとも2つの側板133、及び刈取り高さ調節部140を含む。少なくとも2つの側板133は、伝動ケース123が設けられた駆動側の側板133aと、作業ロータ131を挟んで反対側に設けられたサポート側の側板133bとを含む。本実施形態では、シールドカバー132、及び少なくとも2つの側板133をまとめてシールドカバーと呼ぶ場合があり、駆動側の側板133aとサポート側の側板133bとを区別する必要がない場合は、単に、側板133と呼ぶ。
【0031】
作業ロータ131は、爪軸131a、及び爪軸131aに複数取り付けられた刈刃131bを含む。第1実施形態の作業ロータ131は、2つの刈刃131bの背面を互いに向かい合わせて隣接させ、1つの取付座131cに装着した構造を有する。本実施形態では、刈刃131bとしてフレール爪を用いるが、この例に限られるものではない。
【0032】
爪軸131aは、進行方向に対して略直交するように左右方向に延在する部材であり、少なくとも2つの側板133の間に軸支される。複数の取付座131cは、爪軸131aの外周面に所定の間隔を空けて装着されている。作業ロータ131は、爪軸131aの回転に伴い、複数の刈刃131bを回転させることにより草刈り作業を行う。第1実施形態において、作業ロータ131は、アッパーカット方向に回転する。すなわち、草刈り機100を右側面から見た場合に、作業ロータ131は、反時計回りに回転する。なお、作業ロータ131により草刈り作業が行われる領域、すなわち、複数の刈刃131bの回転軌跡内の領域が草刈り機100の作業領域である。
【0033】
シールドカバー132は、作業ロータ131の上方に配置され、草刈り作業中における草や土の上方への飛散を防止する。側板133は、作業ロータ131の左右側方に配置され、爪軸131aの両端を回転可能に軸支する。本実施形態では、シールドカバー132と側板133とが一体となっているが、別体として設けられてもよい。また、
図1(A)では、側板133が、一例として、上部板と下部板の2枚の板状部材で構成されているが、これに限定されるものではない。側板133は、1枚の板状部材で構成されてもよい。
【0034】
なお、サポート側の側板133bの外側には、爪軸131aの軸受け部材を保護するサポートカバーが取り付けられている。
【0035】
また、側板133の外側には、スタンドブラケット154が設けられている。スタンドブラケット154は、草刈り機100に一対のスタンド(図示は省略)を装着するための部材であり、プレート180を介して、側板133に取り付けられている。スタンドブラケット154は、上面視略「コ」字状の部材であり、左右の側板133(133a、133b)それぞれの前側に設けられている。また、スタンドブラケット154は、保護部取付部と呼ばれる。
【0036】
なお、スタンドブラケット154は、
図2(A)に示すように、側板133bの上側にナット181が配設されているため、プレート180を介して、側板133に取り付けられているが、スタンドブラケット154の構成は当該構成に限定されない。例えば、
図2(B)に示す変形例のように、側板133bの上側にナット181が配設されていない場合、スタンドブラケット154は、プレート180を介さずに、側板133に、直接固定されてもよい。当該構成の場合、スタンドブラケット154は、上面視略「コ」字状の部材であってもよいし、2枚の板部材を側板133から突設するように溶接等で固定して成形してもよい。
【0037】
さらに、後述する保護誘導機構を除く草刈り機100本体(草刈り機100の保護誘導機構150を除いた構成)において、伝動ケース123が、右方に最も突出(外側に位置)し、サポート側の側板133bに設けられたスタンドブラケット154が、左方に最も突出(外側に位置)している。
【0038】
刈取り高さ調節部140は、作業ロータ131の後方に配置され、草刈り作業時の刈取り高さを調節する機能を有する。本実施形態において、刈取り高さ調節部140は、ローラ支持部材141、ゲージローラ142、スクレーパ(図示は省略)、ハンドル144、調整ねじ145、調整ねじカバー146、調整パイプ147、及び接続部材148を含む。ただし、刈取り高さ調節部140の構成は、この例に限られるものではなく、他の要素が追加されていてよく、スクレーパが省略されてもよい。
【0039】
ローラ支持部材141は、ゲージローラ142を軸支する板状の部材であり、左右の側板133それぞれの後方下部に、上下方向に回動可能に連結される。つまり、本実施形態では、ローラ支持部材141を上下方向に回動させて所望の位置で固定することにより、ゲージローラ142の高さを調節することができる。図示は省略するが、ローラ支持部材141は、ゲージローラ142を回動可能に支持するための軸受部、ベアリング部、及び、ゲージローラ142の軸受と回動部の支点の機能を有するゲージローラボスを含む。
【0040】
ゲージローラ142は、ローラ支持部材141に両端を軸支された回転体であり、草刈り作業時は、草刈り対象となる作業地(地面)に接した状態となる。そのため、草刈り作業時のゲージローラ142は、草刈り機100の進行に合わせて従動的に回転する。また、ゲージローラ142が作業地に接することにより、刈刃131bの回転軌跡の外周と刈取り対象である草との相対的な位置関係が定まる。すなわち、本実施形態では、ゲージローラ142の高さ(刈刃131bとゲージローラ142との相対的な位置関係)を調節することにより、刈刃131bによる草の刈取り高さが調節される。
【0041】
図示は省略されるが、スクレーパは、ゲージローラ142と一定の間隙を有するように、ゲージローラ142に沿って配置される長尺の部材であり、例えば金属で構成される。スクレーパは、ゲージローラ142の表面に付着した草や土が所定の厚みを越えて付着した場合、これらに当接してゲージローラ142表面から除去する。
【0042】
ハンドル144は、調整ねじ145に接続される。調整ねじ145の外側は、ねじ山が加工されており、調整パイプ147の内側に加工されたねじ山と螺合されている。ねじカバー146は、調整ねじ145が挿通され、調整ねじ145をカバーするとともに調整ねじ145の破損を防止する機能を有する。
【0043】
接続部材148は、調整パイプ147及び左右の側板133それぞれの後方下部に連結されたローラ支持部材141に接続されている。本実形態では、接続部材148を、例えば、ビリンビームと呼ぶ。
【0044】
作業者がハンドル144を回すと、ハンドル144に連動して調整ねじ145が回転する。これによって、調整ねじ145のねじ山が調整パイプ147のねじ山に沿って動くため、調整ねじ145のハンドル144側の端と調整パイプ147の接続部材148側の端の間の長さ、換言すると、ハンドル144から接続部材148の間の長さを調整することができる。その結果、調整パイプ147に接続された接続部材148が上下に調整されることによって、ローラ支持部材141及びゲージローラ142が同時に動くとともに、ゲージローラ142の高さ(刈刃131bとゲージローラ142との相対的な位置関係)を調節することができる。
【0045】
保護誘導機構150は、例えば、草刈り機100が、コンクリート畦畔などのような壁160に接触したときに、草刈り機100の保護誘導機構を除いた構成である、草刈り機100本体を保護するとともに、側板133の外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導する機能を有する。保護誘導機構150は、スタンドブラケット154に取り付けられる。また、保護誘導機構150は、軸心135より前方に配置される。
【0046】
なお、保護誘導機構150は、スタンドブラケット154に取り付けられることに限定されず、草刈り機100本体(草刈り機100の保護誘導機構150を除いた構成)を保護できるとともに、側板133の外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制できる位置に配置できれば、例えば、側板133等の他の部材に取り付けられてもよい。
【0047】
本実施形態では、例えば、畦やコンクリート畦畔等の壁160が、草刈り機100の右側に位置するようにして、草刈り作業を行うことを想定し、保護誘導機構150はサポート側の側板133bに設けられたスタンドブラケット154に取り付けられている。しかしながら、保護誘導機構150が取り付けられる部分は、これに限定されるものではない。例えば、壁160が、草刈り機100の左側に位置するようにして、草刈り作業を行うことを想定し、保護誘導機構150は駆動側の側板133aに設けられたスタンドブラケット154や伝動ケース123等に取り付けられてもよく、2つの保護誘導機構150のそれぞれが、駆動側の側板133aに設けられたスタンドブラケット154や伝動ケース123等、及びサポート側の側板133bに設けられたスタンドブラケット154のそれぞれに取り付けられてもよく、2つの保護誘導機構150のそれぞれが、駆動側の側板133a、及びサポート側の側板133bのそれぞれに取り付けられてもよい。
【0048】
図2(A)、
図2(B)を参照し、保護誘導機構150を詳細に説明する。保護誘導機構150は、一例として、保護誘導部材170、弾性体152、及びプレート取付ブラケット153、を含むが、これに限定されるものではない。本実施形態において、保護誘導部材170は、保護部151a、誘導部151b、取付部151ab、規制部161を有し、これらが一部材で(1枚の板状部材を曲げ加工することにより)一体的に形成されているが、その構成はこれに限定されるものではない。保護誘導部材170は、少なくとも、保護部151a、誘導部151bを含んでいればよい。
【0049】
保護誘導部材170は、一部材(1枚の板状部材)を、接続屈曲部151acが成形されるように折り曲げることにより、誘導部151bが成形され、保護湾曲部151aaが成形されるように折り曲げることにより、保護部151aが成形される。さらに、湾曲部151adが成形されるように折り曲げることにより、取付部151abが形成され、湾曲部151aeが成形されるように折り曲げることにより、規制部161が成形される。
【0050】
保護部151aは、傾斜部151a1と傾斜部151a2とを含み、草刈り機100が壁160に接触したときに、壁160から草刈り機100本体(草刈り機100の保護誘導機構150を除いた構成)を保護する機能を有する。誘導部151bは、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導する機能を有するとともに、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制する機能を有する。
【0051】
保護部151aは、作業部130の外側前方に配置されており、上面視において前側に行くほど外側(壁160側)に傾斜する傾斜部151a1と、傾斜部151a1よりも前側に設けられ、かつ、上面視において前側に行くほど内側(草刈り機100の中心側)に傾斜する傾斜部151a2と、を含む。保護部151aの保護湾曲部151aaは、保護部151aの外側端、すなわち最も外側に突出している部分であり、草刈り機100の右方向の外側端、草刈り機100において最も右外側に張り出した部位である。そして、保護部151aは、側板133b側から外側に向かって凸状であるため、保護部151aのほうが、草刈り機100本体(草刈り機100の保護誘導機構150を除いた構成)に比べ、壁160に接触しやすいことから、草刈り機100本体(草刈り機100の保護誘導機構150を除いた構成)が壁160に直接接触することを防ぎ、草刈り機100本体(草刈り機100の保護誘導機構150を除いた構成)の損傷を防ぐことができる。
【0052】
また、保護部151aは、草刈り機100本体(草刈り機100の保護誘導機構150を除いた構成)を保護可能な構成であればよく、例えば、側板133b側から外側(壁160側)に向かうほど前方から後方に位置する湾曲を有していてもよいし、側板133b側から外側(壁160側)に向かうほど後方から前方に位置する湾曲を有していてもよい。
【0053】
さらに、保護部151aは、保護湾曲部151aaが成形されるように折り曲げられて成形された凸状形状であることから、草刈り機100が、壁160に近づき、壁160に接触する場合には、保護誘導機構150(保護部151a)が壁160に引っかかりにくく、保護誘導機構150の損傷を抑制することができる。
【0054】
保護誘導部材170は、取付部151abにより、弾性体152、プレート取付ブラケット153を介して、スタンドブラケット154に取り付けられる。
【0055】
誘導部151bは、作業部130の作業領域の外側前方に配置されており、上面視において、前側にいくほど作業部130側から外側に位置するように構成された、換言すれば、草刈り機100の外側から中心側に向かうほど作業部130(作業領域)までの距離が短くなるように構成された傾斜面部151b1を有している。本実施形態の傾斜面部151b1は、一例として、接続屈曲部151acを経由して保護部151aと連なっている。接続屈曲部151acは、上面視において、草刈り機100の最も前側に位置する部位であり、誘導部151b(傾斜面部151b1)、接続屈曲部151ac及び保護部151a(傾斜部151a2)で構成される部位は、後方側から前方側に向かって凸状に構成されている。また、誘導部151bは保護部151a(傾斜部151a2)に対して略90度折り曲げられているが、接続屈曲部151acにおける折り曲げ角度は、限定されるものではなく、任意に設定可能である。なお、誘導部151b(傾斜面部151b1)、接続屈曲部151ac及び保護部151a(傾斜部151a2)で構成される部位は、後方側から前方側に向かって凸状に構成されているため、草刈り機100が、壁160に近づき、壁160に接触する場合には、外側前方に向かって延在する構成と比較して、保護誘導機構150が壁160に引っかかりにくく、保護誘導機構150の損傷を抑制することができる。
【0056】
また、傾斜面部151b1の内側端部が刈刃131bに接触しない位置まで延在してよい。少なくとも、スタンドブラケット154、プレート180の側板133側端部の前方、もしくは、側板133の前方まで延在しているのが好ましく、正面視において、傾斜面部151b1の一部が、作業部130の作業領域の一部と重畳しているほうが、より好ましい。
【0057】
また、誘導部151bは、作業部130の作業領域より、前方に位置することにより、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導するとともに、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することができる。すなわち、作業領域外の表層生育物を作業領域に向けて誘導することができ、例えば、壁160と草刈り機100との間等、作業部130(側板133)の外側の刈残しを低減することが可能であるとともに、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することが可能である。なお、誘導部151bは、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導可能、かつ、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制可能な構成であればよく、本実施形態のように平面形状とすることもできるし、湾曲形状とすることも可能である。なお、誘導部151bは、正面視においてスタンドブラケット154と重なる位置に配設されており、前方からの障害物からスタンドブラケット154を保護する機能も有している。
【0058】
取付部151abは、弾性体152を介して保護誘導部材170をプレート取付ブラケット153に取り付けるための部位であり、保護部151a(傾斜部151a1)と連なり、側板133(133b)と略平行となるように構成されている。取付部151abの後側には、規制部161が連なっている。規制部161は、保護誘導部材170(保護湾曲部151aa)に壁160が衝突したときに、保護誘導部材170の移動(回動)を制限する機能を有している。規制部161は、平面視において、後ろに向かうほど外側に位置するように構成されている。保護誘導部材170が壁160に衝突すると、保護誘導部材170は、弾性体152を中心に反時計回りの力を受ける。このとき、規制部161が壁160に当接することで、その移動が制限されるようになっている。なお、上面視において、規制部161の(後)端は、保護湾曲部151aaよりも内側に位置している。
【0059】
なお、傾斜部151a1と規制部161は、取付部151abに後述の弾性体152を取り付けるためのボルト183を壁160から保護する機能を有している。すなわち、保護誘導部材170は、傾斜部151a1、取付部151ab及び規制部161で構成される部位が凹状に構成され、取付部151abにボルト183が位置することで、ボルト183は、傾斜部151a1及び規制部161により外側に突出することがなく、壁160から保護されている。なお、弾性体152が不要な構成、例えば、保護誘導部材170が板ばねで構成されているような場合には、弾性体152を取り付けるためのボルトが不要となるため、保護誘導部材170にボルト保護のための凹状部を設ける必要はなく、傾斜部151a1を設けずに取付部151abから傾斜部151a2が直接連なる構成とすることも可能である。
【0060】
弾性体152は、円柱状の弾性部材により構成されており、保護誘導機構150が壁160に接触したときに、草刈り機100(例えば、保護誘導機構150及び作業部130)への衝撃を緩和する機能を有する。弾性体152は、保護誘導機構150の保護誘導部材170(取付部151ab)とプレート取付ブラケット153との間に介設されており、ボルト(図示は省略)により取付部151ab及びプレート取付ブラケット153に連結されている。弾性体152を構成する弾性部材は、例えば、ゴムや樹脂、ばねなどのように、変形により衝撃を吸収可能な部材で構成される。なお、弾性体152は、側板133とプレート180の間に介設されてもよいし、プレート180とスタンドブラケット154との間に介設されてもよいし、プレート取付ブラケット153とスタンドブラケット154の間に介設されてもよい。
【0061】
プレート取付ブラケット153は、スタンドブラケット154に保護誘導機構150を取り付けるための部材であり、例えば、弾性体152とスタンドブラケット154との間に配置される。プレート取付ブラケット153は、スタンドブラケット154にボルト留めする着脱可能な構成としてもよいし、スタンドブラケット154に対して溶接等により直接固定する構成としてもよいし、側板133に対して溶接等により直接固定してもよい。また、保護誘導部材170、弾性体152が取り付けられたプレート取付ブラケット153がスタンドブラケット154に取付けられてもよい。
図1(A)~
図2(B)に示される例では、プレート取付ブラケット153は、ピン182を用いて、スタンドブラケット154に取り付けられる着脱可能な構成としている。
【0062】
さらに、保護誘導部材170を、スタンドブラケット154や側板133に対して溶接等により直接固定してもよいし、弾性体152を介して、スタンドブラケット154や側板133に取り付けてもよい。
【0063】
なお、保護誘導部材170は、少なくとも一部(保護部151a)を弾性部材や弾性体(例えば、板ばね)で構成することが好ましい。これにより、畦やコンクリート畦畔等の壁160と接触したときに、保護誘導部材170(保護部151a)が変形することで、草刈り機100本体が受ける衝撃を緩衝することができる。保護誘導部材170を弾性体で構成した場合、弾性体152を省略し、取付部151abを直接プレート取付ブラケット153に取り付けることも可能である。
【0064】
以上説明したとおり、本実施形態の草刈り機100は、保護部151aと誘導部151bとが一体的に形成された保護誘導機構150を含み、草刈り作業中において、草刈り機100の外側の障害物から草刈り機100本体(草刈り機100の保護誘導機構150を除いた構成)を保護するとともに、側板133より外側前方の表層生育物を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することができる。すなわち、草刈り機100が障害物に近づいて作業をする場合に、障害物から草刈り機100本体(草刈り機100の保護誘導機構150を除いた構成)を保護するとともに、側板133より外側前方(刈刃131bが届かない位置の)表層生育物を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することができるため、草刈り機100の本体を保護しつつ表層生育物の刈残しを軽減することができる。
【0065】
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態の草刈り機100aの構成を示す図である。具体的には、
図3(A)は、草刈り機100aを斜め右上前方から見た斜視図であり、
図3(B)は、草刈り機100aを斜め右下後方から見た背面図である。
図4(A)は、草刈り機100aに含まれる保護誘導機構150aの拡大図であり、
図4(B)は、草刈り機100aに含まれるスタンドブラケット154の側板133bへの取付構造の変形例の拡大図である。第2実施形態の草刈り機100aは、第1実施形態の草刈り機100と比較して、保護誘導機構の構成が異なる。第2実施形態の草刈り機100aの保護誘導機構150a以外の構成は、第1実施形態の草刈り機100と同様であるから、第2実施形態の説明では、主に、草刈り機100aに含まれる保護誘導機構150aを説明する。
【0066】
図3(A)、
図3(B)又は
図4(A)、
図4(B)に示されるように、保護誘導機構150aは、保護誘導機構150と同様に、スタンドブラケット154に取り付けられることにより、軸心135より前方に配置され、草刈り機100aが、コンクリート畦畔などのような壁160に接触したときに草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)を保護するとともに、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制する機能を有する。保護誘導機構150aが取り付けられる部分は、これに限定されるものではない。例えば、駆動側の側板133aに設けられたスタンドブラケット154や、伝動ケース123に取り付けられてもよく、2つの保護誘導機構150aのそれぞれが、駆動側の側板133aに設けられたスタンドブラケット154や伝動ケース123等、及びサポート側の側板133bに設けられたスタンドブラケット154のそれぞれに取り付けられてもよく、2つの保護誘導機構150のそれぞれが、駆動側の側板133a、及びサポート側の側板133bのそれぞれに取り付けられてもよい。
【0067】
なお、保護誘導機構150aは、スタンドブラケット154に取り付けられることに限定されず、草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)を保護できるとともに、側板133の外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制できる位置に配置できれば、例えば、側板133等の他の部材に取り付けられてもよい。
【0068】
保護誘導機構150aは、一例として、保護誘導部材170a、及びプレート取付ブラケット153、を含むが、これに限定されるものではない。本実施形態において、保護誘導部材170aは、保護部151d、誘導部151e、及び取付部151caを有し、これらが一部材で(1枚の板状部材を曲げ加工することにより)一体的に形成されているが、その構成はこれに限定されるものではない。保護誘導部材170aは、少なくとも、保護部151d、誘導部151eを含んでいればよい。
【0069】
なお、保護誘導部材170aは、少なくとも一部(保護部151d)を弾性部材や弾性体(例えば、板ばね)で構成することが好ましい。これにより、畦やコンクリート畦畔等の壁160と接触したときに、保護誘導部材170a(保護部151d)が変形することで、草刈り機100a本体が受ける衝撃を緩衝することができる。
【0070】
保護誘導部材170aは、一部材(1枚の板状部材)を、接続屈曲部151ccが成形されるように折り曲げることにより、保護部151dが成形され、取付屈曲部151cbが成形されるように折り曲げることにより、誘導部151e及び取付部151caが成形される。
【0071】
保護誘導部材170aは、取付部151caにより、プレート取付ブラケット153を介して、スタンドブラケット154に取り付けられる。なお、保護誘導部材170aの交換時の利便性を考慮し、取付部151caは、スタンドブラケット154に対してボルト等により着脱可能な構成とすることが好ましい。
【0072】
保護部151dは、草刈り機100aが壁160に接触したときに、壁160から草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)を保護する機能を有する。誘導部151eは、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導する機能を有するとともに、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制する機能を有する。
【0073】
また、保護部151dは、保護部151aと同様に、側板133の外側前方に配置されており、上面視において、作業部130側から外側に向かって延在する。保護部151dは、一例として、側板133b側から外側(壁160側)に向かうほど前方から後方に傾斜する傾斜面を有しており、保護誘導部材170a(保護部151d)の壁160との衝突時に、保護部151dが壁160に引っかかることを防止するように構成されている。また、保護部151dは、保護誘導部材170a及び保護部151dの終端となる端部151daを含む。
【0074】
端部151daは草刈り機100aの左右方向の外側端である。保護部151dを含む草刈り機100aは、草刈り機100aが、壁160に近づき、壁160に接触する場合には、端部151daが壁160に接触するため、草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)が直接壁160に接触することを防ぎ、草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)の損傷を防ぐことができる。なお、保護部151dは、草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)を保護可能な構成であればよく、例えば、側板133b側から外側(壁160側)に向かうほど前方から後方に位置する湾曲を有していてもよい。
【0075】
誘導部151eは、誘導部151bと同様に、側板133b側から外側(壁160側)に向かうほど後方から前方に傾斜し、一例として、接続屈曲部151ccを経由して、保護部151dと連なっている。接続屈曲部151ccは、上面視において、草刈り機100の最も前側に位置する部位であり、誘導部151e、接続屈曲部151cc及び保護部151dで構成される部位は、後方側から前方側に向かって凸状に構成されている。また、誘導部151eは保護部151dに対して略90度折り曲げられているが、接続屈曲部151ccにおける折り曲げ角度は、限定されるものではなく、任意に設定可能である。なお、誘導部151e、接続屈曲部151cc及び保護部151dで構成される部位は、後方側から前方側に向かって凸状に構成されているため、草刈り機100が、壁160に近づき、壁160に接触する場合には、外側前方に向かって延在する構成と比較して、保護誘導機構150aが壁160に引っかかりにくく、保護誘導機構150aの損傷を抑制することができる。
【0076】
なお、誘導部151eは、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導可能、かつ、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制可能な構成であればよく、本実施形態のように平面形状とすることもできるし、湾曲形状とすることも可能である。また、誘導部151eは、正面視において、スタンドブラケット154と重なっており(上面視においてスタンドブラケット154の前方に誘導部151eが位置しており)、前方からの障害物からスタンドブラケット154を保護する機能も有している。
【0077】
取付部151caは、保護誘導部材170aをプレート取付ブラケット153に取り付けるための部位であり、取付屈曲部151cbを経由して、誘導部151eと連なり、側板133(133b)と略平行となるように構成されている。
【0078】
プレート取付ブラケット153は、スタンドブラケット154に保護誘導機構150aを取り付けるための部材であり、スタンドブラケット154にボルト留めする着脱可能な構成としてもよいし、スタンドブラケット154に対して溶接等により直接固定する構成としてもよい。
図3(A)~
図4(B)に示される例では、プレート取付ブラケット153は、第1実施形態と同様に、ピン182を用いて、スタンドブラケット154に取り付けられる着脱可能な構成としている。
【0079】
なお、側板133とプレート180の間に弾性体を介設されてもよいし、プレート180とスタンドブラケット154との間に弾性体を介設されてもよいし、プレート取付ブラケット153とスタンドブラケット154の間に弾性体を介設されてもよいし、保護誘導部材170aとプレート取付ブラケット153の間に弾性体を介設されてもよい。また、保護誘導部材170aが取り付けられたプレート取付ブラケット153がスタンドブラケット154に取付けられてもよい。
【0080】
なお、スタンドブラケット154は、第1実施形態の草刈り機100と同様の構成及び機能を有する。例えば、スタンドブラケット154は、
図4(A)に示すように、プレート180を介して、側板133に取り付けられてよく、
図4(B)に示す変形例のように、プレート180を介さずに、側板133に直接固定されてもよい。スタンドブラケット154は、第1実施形態と同様に、保護部取付部と呼ばれる。
【0081】
保護誘導機構150aは、取付部151caを用いて、スタンドブラケット154とサポート側の側板133bとの間に取付けられる。
【0082】
なお、保護誘導部材170aを、側板133に取り付けてもよいし、弾性体152を介して、スタンドブラケット154や側板133に取り付けてもよい。
【0083】
以上説明したとおり、第2実施形態の草刈り機100aは、保護誘導機構150aを含み、保護誘導機構150と同様に、草刈り機100aが障害物に近づいて作業をする場合に、障害物から草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)を保護するとともに、側板133より外側前方(刈刃131bが届かない位置)の表層生育物を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することができるため、草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)を保護しつつ側板133より外側前方の表層生育物の刈残しを軽減するとともに、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することができる。また、保護誘導機構150aは、より簡素な構成で、障害物から草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)を保護するとともに、側板133より外側前方(刈刃131bが届かない位置)の表層生育物を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することができるため、草刈り機100a本体(草刈り機100aの保護誘導機構150aを除いた構成)を保護しつつ表層生育物の刈残しを軽減することができる。
【0084】
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態の草刈り機100bの構成を示す図である。具体的には、
図5(A)は、草刈り機100bを斜め右上前方から見た斜視図であり、
図5(B)は、草刈り機100bを斜め右下後方から見た背面図である。
図6(A)は、草刈り機100bに含まれる保護誘導機構150bの拡大図であり、
図6(B)は、草刈り機100bに含まれるスタンドブラケット154の側板133bへの取付構造の変形例の拡大図である。第3実施形態の草刈り機100bは、第1実施形態の草刈り機100と及び第2実施形態の草刈り機100aと比較して、保護誘導機構の構成が異なる。第3実施形態の草刈り機100bの保護誘導機構150b以外の構成は、第1実施形態の草刈り機100及び第2実施形態の草刈り機100aと同様であるから、第3実施形態の説明では、主に、草刈り機100bに含まれる保護誘導機構150bを説明する。
【0085】
図5(A)、
図5(B)又は
図6(A)、
図6(B)に示されるように、保護誘導機構150bは、保護誘導機構150と同様に、スタンドブラケット154に取り付けられることにより、軸心135より前方に配置され、草刈り機100bが、コンクリート畦畔などのような壁160に接触したときに草刈り機100b本体(草刈り機100bの保護誘導機構150bを除いた構成)を保護するとともに、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制する機能を有する。保護誘導機構150bが取り付けられる部分は、これに限定されるものではない。例えば、駆動側の側板133aに設けられたスタンドブラケット154や、伝動ケース123に取り付けられてもよく、2つの保護誘導機構150bのそれぞれが、駆動側の側板133aに設けられたスタンドブラケット154や伝動ケース123等、及びサポート側の側板133bに設けられたスタンドブラケット154のそれぞれに取り付けられてもよく、2つの保護誘導機構150bのそれぞれが、駆動側の側板133a、及びサポート側の側板133bのそれぞれに取り付けられてもよい。
【0086】
なお、保護誘導機構150bは、スタンドブラケット154に取り付けられることに限定されず、草刈り機100本体(草刈り機100bの保護誘導機構150bを除いた構成)を保護できるとともに、側板133の外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制できる位置に配置できれば、例えば、側板133等の他の部材に取り付けられてもよい。
【0087】
保護誘導機構150bは、一例として、保護部材171、誘導部材172、及びプレート取付ブラケット153を含むが、これに限定されるものではない。本実施形態において、保護部材171は、保護部151g、及び取付部151gcを有し、これらが一部材で(1枚の板状部材を曲げ加工することにより)一体的に形成されているが、その構成はこれに限定されるものではない。また、本実施形態において、誘導部材172は、誘導部151h、及び取付部151hbを有し、これらが一部材で(1枚の板状部材を曲げ加工することにより)一体的に形成されているが、その構成はこれに限定されるものではない。保護誘導機構150bは、少なくとも、保護部151g、誘導部151hを含んでいればよい。
【0088】
なお、保護部材171は、少なくとも一部(保護部151g)を弾性部材や弾性体(例えば、板ばね)で構成することが好ましい。これにより、畦やコンクリート畦畔等の壁160と接触したときに、保護部材171(保護部151g)が変形することで、草刈り機100b本体が受ける衝撃を緩衝することができる。
【0089】
保護部材171は、一部材(1枚の板状部材)を、保護湾曲部151gaが成形されるように折り曲げることにより、保護部151gが成形され、保護湾曲部151gaが成形されるように折り曲げることにより、取付部151gcが成形される。また、保護部材171は、取付部151gcにより、プレート取付ブラケット153を介して、スタンドブラケット154に取り付けられる。
【0090】
誘導部材172は、一部材(1枚の板状部材)を、接続屈曲部151haが成形されるように折り曲げることにより、誘導部151h、及び取付部151hbが成形される。また、誘導部材172は、取付部151hbにより、プレート取付ブラケット153を介して、スタンドブラケット154に取り付けられる。誘導部材172は、後方側から右前方側に向かって凸状である。
【0091】
保護部151gは、草刈り機100bが壁160に接触したときに草刈り機100b本体(草刈り機100bの保護誘導機構150bを除いた構成)を保護する機能を有する。誘導部151hは、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導する機能を有するとともに、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制する機能を有する。
【0092】
また、保護部151gは、上面視において前側に行くほど外側(壁160側)に傾斜する傾斜部151g1と、上面視において前側に行くほど内側(草刈り機100の中心側)に傾斜する傾斜部151g2とを有し、傾斜部151g2は、保護部151gの終端となる端部151gbと、を含む。保護部151gは、作業部130の外側前方に配置されており、上面視において、作業部130側から外側に向かって延在する。保護湾曲部151gaは、保護部151gの外側端、すなわち最も外側に突出している部分であり、草刈り機100の左右方向の外側端、草刈り機100において最も左外側に張り出した部位である。保護部151gは、保護部151aと同様に、側板133b側から外側に向かって凸状であるため、草刈り機100b本体(草刈り機100bの保護誘導機構150bを除いた構成)に比べ、壁160に接触しやすく、草刈り機100bの本体(草刈り機100bの保護誘導機構150bを除いた構成)が壁160に直接接触することを防ぎ、草刈り機100b本体(草刈り機100bの保護誘導機構150bを除いた構成)の損傷を防ぐことができる。
【0093】
なお、
図5に示すように、正面視において、傾斜部151g2と誘導部151hは、一部が重複して配置される。そして、端部151gbは、誘導部151hの一部と向かい合う。換言すれば、誘導部151hの外側端部151hcが、端部151gbの外側前方に位置している。これは、傾斜部151g2が、側板133の外側前方の表層生育物を作業部130の作業領域側ではなく、さらに外側に誘導する形状であることから、側板133の外側前方の表層生育物を作業部130の作業領域側に誘導するため、誘導部151hの外側端部151hcを、端部151gb(保護部151g)より外側、かつ、前方に位置させる。また、端部151gbが誘導部151hの後方、かつ、誘導部151hの外側端部151hcより内側に位置するため、草刈り機100が、壁160に近づき、壁160に接触する場合には、外側前方に向かって延在する構成と比較して、保護部材171が壁160に引っかかりにくく、保護部材171の損傷を抑制することができる。さらに、誘導部151hの外側端部151hcが、保護湾曲部151gaより内側に位置するため、草刈り機100が、壁160に近づき、壁160に接触する場合には、誘導部材172が壁160に引っかかりにくく、誘導部材172の損傷を抑制することができる。
【0094】
なお、保護部151gは、草刈り機100aの本体を保護可能な構成であればよく、例えば、端部151gbから外側(壁160側)に向かうほど前方から後方に位置する湾曲を有していてよく、保護湾曲部151gaから側板133b側に向かうほど前方から後方に位置する湾曲を有していてもよい。
【0095】
取付部151gcは、プレート取付ブラケット153を介して、スタンドブラケット154に保護部材171を取り付けるための部位であり、保護部151gと連なり、側板133(133b)と略平行となるように構成されている。
【0096】
なお、傾斜部151g1は、取付部151gcにプレート取付ブラケット153を取り付けるためのボルト184を壁160から保護する機能を有している。すなわち、保護部材171は、取付部151gcが保護湾曲部151gaの内側に位置するように構成され、保護湾曲部151gaより内側に位置する取付部151abにボルトが位置することで、ボルトは、傾斜部151g1により壁160から保護されている。
【0097】
誘導部151hは、作業部130の作業領域の外側前方に配置されており、上面視において、作業部130側から外側前方に向かって延在する。本実施形態では、一例として、誘導部151hは、側板133b側から外側(壁160側)に向かうほど後方から前方に傾斜する傾斜面を有する。なお、誘導部151hは、誘導部151b及び151eと同様に、側板133の外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導可能、かつ、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制可能な構成であればよく、例えば、側板133b側から外側(壁160側)に向かうほど後方から前方に位置する湾曲を有していてもよい。
【0098】
また、誘導部151hは、保護部151g、及び作業部130より前方に位置し、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)に近い。草刈り機100bでは、保護誘導機構150bのうち、前方において表層生育物の近くに位置する誘導部151hを用いて、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導するとともに、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することができる。
【0099】
なお、誘導部151hは、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導可能、かつ、スタンドブラケット154に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制可能な構成であればよく、本実施形態のように平面形状とすることもできるし、湾曲形状とすることも可能である。また、誘導部151hは、正面視において、スタンドブラケット154と重なっており(上面視において、スタンドブラケット154の前方に誘導部151hが位置しており)、前方からの障害物からスタンドブラケット154を保護する機能も有している。
【0100】
取付部151hbは、誘導部材172をプレート取付ブラケット153に取り付けるための部位であり、接続屈曲部151ha経由して、誘導部151hと連なり、側板133(133b)と略平行となるように構成されている。
【0101】
プレート取付ブラケット153は、スタンドブラケット154に保護誘導機構150aを取り付けるための部材であり、保護部材171と誘導部材172とが、プレート取付ブラケット153を挟み込むように、プレート取付ブラケット153に取り付けられる。プレート取付ブラケット153は、スタンドブラケット154にボルト留めする着脱可能な構成としてもよいし、スタンドブラケット154に対して溶接等により直接固定する構成としてもよい。
図5(A)~
図6(B)に示される例では、プレート取付ブラケット153は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、ピン182を用いて、スタンドブラケット154に取り付けられる着脱可能な構成としている。
【0102】
なお、側板133とプレート180の間に弾性体を介設されてもよいし、プレート180とスタンドブラケット154との間に弾性体を介設されてもよいし、プレート取付ブラケット153とスタンドブラケット154の間に弾性体を介設されてもよし、保護部材171とプレート取付ブラケット153の間に弾性体を介設されてもよいし、誘導部材172とプレート取付ブラケット153の間に弾性体を開設されてもよい。
【0103】
また、保護部材171をプレート取付ブラケット153にボルト等で取り付ける場合、当該ボルトを草刈り機100b本体に含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0104】
スタンドブラケット154は、第1実施形態の草刈り機100及び第2実施形態の草刈り機100aと同様の構成及び機能を有する。例えば、スタンドブラケット154は、
図6(A)に示すように、プレート180を介して、側板133に取り付けられてよく、
図6(B)に示す変形例のように、プレート180を介さずに、側板133に直接固定されてもよい。スタンドブラケット154は、第1実施形態、第2実施形態と同様に、保護部取付部と呼ばれる。スタンドブラケット154は、取付部151gcと取付部151hbとの間に配置される。なお、保護部材171と誘導部材172とが、スタンドブラケット154に取り付けられてもよいし、側板133に取り付けられてもよい。また、保護部材171と誘導部材172とが、プレート取付ブラケット153を挟み込むように、プレート取付ブラケット153に取付けられてよく、保護部材171及び誘導部材172が取付けられたプレート取付ブラケット153がスタンドブラケット154に取付けられてもよい。
【0105】
保護誘導機構150bでは、保護部151g(保護部材171)と誘導部151h(誘導部材172)とは別体である。保護誘導機構150bは、保護部151g(保護部材171)、誘導部151h(誘導部材172)及びスタンドブラケット154を一体物として含んでもよく、取付部151hbを用いて、サポート側の側板133bに取り付けられてもよい。また、保護誘導機構150bは、保護部151g(保護部材171)、誘導部151h(誘導部材172)、プレート取付ブラケット153及びスタンドブラケット154を一体物として含んでもよい。
【0106】
以上説明したとおり、第3実施形態の草刈り機100bは、保護誘導機構150bを含み、保護誘導機構150及び保護誘導機構150aと同様に、草刈り機100bが障害物に近づいて作業をする場合に、障害物から草刈り機100b本体(草刈り機100bの保護誘導機構150bを除いた構成)を保護するとともに、側板133より外側前方(刈刃131bが届かない位置)の表層生育物を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することができるため、草刈り機100b本体(草刈り機100bの保護誘導機構150bを除いた構成)を保護しつつ表層生育物の刈残しを軽減することができる。
【0107】
<第4実施形態>
図7は、第4実施形態の草刈り機100cの構成を示す図である。具体的には、
図7(A)は、草刈り機100cを斜め右上前方から見た斜視図であり、
図7(B)は、草刈り機100cを斜め右下後方から見た背面図である。
図8(A)は、草刈り機100cに含まれる保護誘導機構150cの拡大図であり、
図8(B)は、草刈り機100cに含まれるスタンドブラケット154の側板133bへの取付構造の変形例の拡大図である。第4実施形態の草刈り機100cは、第3実施形態の草刈り機100bに含まれる保護誘導機構150bと比較して、保護誘導機構に関連する構成が異なる。詳細には、保護誘導機構の誘導部材に関連する構成が異なる。第4実施形態の草刈り機100cの保護誘導機構の誘導部材に関連する構成以外の構成は、第3実施形態の草刈り機100bと同様であるから、第4実施形態の説明では、主に、草刈り機100cに含まれる保護誘導機構150cの誘導部材172aに関連する構成を説明する。
【0108】
図7(A)、
図7(B)又は
図8(A)、
図8(B)に示されるように、保護誘導機構150cは、保護誘導機構150bと同様に、スタンドブラケット154に取り付けられることにより、軸心135より前方に配置され、保護誘導機構150bと同様に、草刈り機100cが、コンクリート畦畔などのような壁160に接触したときに草刈り機100c本体(草刈り機100cの保護誘導機構150cを除いた構成)を保護するとともに、側板133より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制する機能を有する。保護誘導機構150cが取り付けられる部分は、これに限定されるものではない。例えば、保護誘導機構150cは、駆動側の側板133aに設けられたスタンドブラケット154や、伝動ケース123に取り付けられてもよく、2つの保護誘導機構150cのそれぞれが、駆動側の側板133aに設けられたスタンドブラケット154や伝動ケース123等、及びサポート側の側板133bに設けられたスタンドブラケット154のそれぞれに取り付けられてもよく、2つの保護誘導機構150bのそれぞれが、駆動側の側板133a、及びサポート側の側板133bのそれぞれに取り付けられてもよい。
【0109】
なお、保護誘導機構150cは、スタンドブラケット154に取り付けられることに限定されず、草刈り機100c本体(草刈り機100cの保護誘導機構150cを除いた構成)を保護できるとともに、側板133の外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導、かつ、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制できる位置に配置できれば、例えば、側板133等の他の部材に取り付けられてもよい。
【0110】
保護誘導機構150cは、一例として、保護部材171、誘導部材172a、及びプレート取付ブラケット153を含むが、これに限定されるものではない。保護誘導機構150cの保護部材171及びプレート取付ブラケット153の構成及び機能は、第3実施形態の保護誘導機構150bに含まれる保護部材171及びプレート取付ブラケット153と同様である。よって、ここでの説明は省略される。
【0111】
誘導部材172aは、誘導部151k及び取付部151kbを含み、誘導部151kと取付部151kbとは、接続部151kaで接続されている。誘導部材172aは、取付部151kbにより、プレート取付ブラケット153を介して、スタンドブラケット154に取り付けられる。
【0112】
誘導部151kは、作業部130の作業領域より外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導する機能を有するとともに、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制する機能を有する。誘導部151kは、上面視において側板133b側から外側(壁160側)に向かうほど後方から前方に傾斜する傾斜面を有する。誘導部151kは、第1傾斜部151kc及び第1傾斜部151kcから延在する第2傾斜部151kdを含む。正面視において、第1傾斜部151kcは、その一部が保護部151gと重畳し、第2傾斜部151kdは、その一部が作業部130及び作業ロータ131(爪軸131a)、すなわち作業領域(の左端部)と重畳する。第2傾斜部151kdの長さd2は誘導部151kの長さd1より短い。誘導部151kは、第1傾斜部151kcと第2傾斜部151kdとの境界である接続部151kaにおいて、取付部151kbと接続される。誘導部151k(第2傾斜部151kd)の内側端部151keが、刈刃131bに接触しない位置まで延在してよい。なお、誘導部151kは、作業部130の作業領域の外側前方の表層生育物(例えば、草)を作業部130の作業領域に向けて誘導可能、かつ、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制可能な構成であればよく、例えば、外側(壁160側)から作業ロータ131(爪軸131a)側に向かうほど前方から後方に位置する湾曲を有していてもよい。
【0113】
保護部151gの端部151gbは、第3実施形態と同様に、誘導部151kの一部と向かい合う。換言すれば、誘導部151kの外側端部151kfが、端部151gbの外側前方に位置している。これは、傾斜部151g2が、側板133の外側前方の表層生育物を作業部130の作業領域側ではなく、さらに外側に誘導する形状であることから、側板133の外側前方の表層生育物を作業部130の作業領域側に誘導するため、誘導部151kの外側端部151kfを、端部151gb(保護部151g)より外側、かつ、前方に位置させる。また、端部151gbが誘導部151kの後方、かつ、誘導部151kの外側端部151kfより内側に位置するため、草刈り機100cが、壁160に近づき、壁160に接触する場合には、外側前方に向かって延在する構成と比較して、保護部材171が壁160に引っかかりにくく、保護部材171の損傷を抑制することができる。さらに、誘導部151kの外側端部151kfが、保護湾曲部151gaより内側に位置するため、草刈り機100cが、壁160に近づき、壁160に接触する場合には、誘導部材172aが壁160に引っかかりにくく、誘導部材172aの損傷を抑制することができる。
【0114】
取付部151kbは、プレート取付ブラケット153を介して、スタンドブラケット154に誘導部材172aを取り付けるための部位であり、側板133(133b)と略平行と
なるように構成されている。
【0115】
なお、誘導部材172aとプレート取付ブラケット153の間に弾性体を介設されてもよい。
【0116】
また、第4実施形態のスタンドブラケット154は、第1実施形態~第3実施形態のスタンドブラケット154と同様に、
図8(A)に示すように、プレート180を介して、側板133に取り付けられてよく、
図8(B)に示す変形例のように、プレート180を介さずに、側板133に直接固定されてもよい。
【0117】
上述のとおり、保護部151g(保護部材171)と誘導部151k(誘導部材172a)とは別体である。保護誘導機構150cは、例えば、保護部151g(保護部材171)、誘導部151k(誘導部材172a)及びスタンドブラケット154を一体物として含んでよく、取付部151kbを用いて、サポート側の側板133bに取り付けられてもよい。また、保護誘導機構150cは、保護部151g(保護部材171)、誘導部151k(誘導部材172a)、プレート取付ブラケット153及びスタンドブラケット154を一体物として含んでもよい。
【0118】
以上説明したとおり、第4実施形態の草刈り機100cは、保護誘導機構150cを含み、保護誘導機構150及び保護誘導機構150aと同様に、草刈り機100cが障害物に近づいて作業をする場合に、障害物から草刈り機100c本体(草刈り機100cの保護誘導機構150cを除いた構成)を保護するとともに、作業部130の作業領域より外側前方(刈刃131bが届かない位置)の表層生育物を作業部130の作業領域に誘導、かつ、スタンドブラケット154やプレート180に側板133より外側の表層生育物(例えば、草)が引っ掛かることを抑制することができるため、草刈り機100c本体(草刈り機100cの保護誘導機構150cを除いた構成)を保護しつつ作業部130の作業領域より外側前方(刈刃131bが届かない位置)の表層生育物の刈残しを軽減することができる。また、保護誘導機構150cが第2傾斜部151kdを含むことによって、第4実施形態の草刈り機100cは、作業部130の作業領域より外側前方(刈刃131bが届かない位置)の表層生育物を作業部130の作業領域により近い位置まで誘導することができる。
【0119】
第1実施形態~第4実施形態では、作業部130の側方にスタンドブラケット154が設けられた構成について説明したが、スタンドブラケット154が取り付けられる位置は、第1実施形態~第4実施形態で限定されず、スタンドブラケット154が取り付けられる位置が、作業部130の側方ではない場合、誘導部151b、151e、151h、151kが、作業部130の側方の表層生育物がスタンドブラケット154に引っ掛かる機能を有さないことは言うまでもない。
【0120】
また、第1実施形態~第4実施形態では、作業機として、草刈り機を例にして説明したが、本発明は、草刈り機に限定されず、代掻き機、ロータリ作業機等の農作業機にも適用可能である。本発明を、代掻き機、ロータリ作業機に適用した場合、誘導部は、表層生育物(草)ではなく、圃場の土を、代掻き機、ロータリ作業機の作業領域に誘導する機能を有することとなる。
【0121】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は前述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、もしくは、設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、前述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0122】
前述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0123】
100:草刈り機、100a:草刈り機、100b:草刈り機、100c:草刈り機、110:装着部、111:トップリンク結合部、112:ロワーリンク結合部、120:動力伝達部、121:ギヤボックス、122:メインフレーム、123:伝動ケース、124:入力軸、130:作業部、131:作業ロータ、131a:爪軸、131b:刈刃、131c:取付座、132:シールドカバー、133:側板、133a:側板、133b:側板、135:軸心、140:調節部、141:ローラ支持部材、142:ゲージローラ、144:ハンドル、146:カバー、147:調整パイプ、148:接続部材、150:保護誘導機構、150a:保護誘導機構、150b:保護誘導機構、150c:保護誘導機構、151a:保護部、151a1:傾斜部、151a2:傾斜部、151aa:保護湾曲部、151ab:取付部、151ac:接続屈曲部、151ad:湾曲部、151ae:湾曲部、151b:誘導部、151b1:傾斜面部、151ca:取付部、151cb:取付屈曲部、151cc:接続屈曲部、151d:保護部、151da:端部、151e:誘導部、151g:保護部、151g1:傾斜部、151g2:傾斜部、151ga:保護湾曲部、151gb:端部、151gc:取付部、151h:誘導部、151ha:接続屈曲部、151hb:取付部、151hc:外側端部、151k:誘導部、151ka:接続部、151kb:取付部、151kc:第1傾斜部、151kd:第2傾斜部、151ke:内側端部、151kf:外側端部、152:弾性体、153:プレート取付ブラケット、154:スタンドブラケット、160:壁、161:規制部、170:保護誘導部材、170a:保護誘導部材、171:保護部材、172:誘導部材、172a:誘導部材、180:プレート、181:ナット、182:ピン、183:ボルト、184:ボルト