(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099463
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】マルチペダルで制御可能なキャスタ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
B60B 33/00 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
B60B33/00 J
B60B33/00 F
B60B33/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073758
(22)【出願日】2023-04-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-17
(31)【優先権主張番号】202310039178.6
(32)【優先日】2023-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515224692
【氏名又は名称】福建施可瑞医療科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】掲 業氷
(72)【発明者】
【氏名】沈 暁林
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マルチペダルで制御可能なキャスタ及びその使用方法を提供する。
【解決手段】本体ホルダと、接続ロッドと、配向機構と、制動機構と、リセット機構と、第1内歯部材と、第2内歯部材と、1対のホイール部材と、3つの付勢体とを含み、本体ホルダは、相対的に回転可能で、接続ロッドに結合され、第1内歯部材及び第2内歯部材は、接続ロッドに固定して取り付けられ、多機能ペダルを踏むと、多機能ペダルは第1ロッカーを押し当て、第1ロッカーが第1内歯部材の第1溝部内に係止されるので、キャスタは一定の方向で走行することができ、多機能ペダルを再び踏むと、多機能ペダルは補助制動部材を押し当て、次に第二ロッカーを押し当て、第2ロッカーの第2係止部が第2内歯部材の第2溝部内に係止され、第2ロッカーの第3係止部が1対のホイール部材の制限歯車内に係止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチペダルで制御可能なキャスタであって、
本体ホルダ(10)と、接続ロッド(20)と、配向機構(30)と、制動機構(40)と、リセット機構(50)と、1対のホイール部材(60)と、3つの付勢体(70)とを含み、
前記本体ホルダ(10)と該接続ロッド(20)は、相対的に回転可能に接続して結合され、該接続ロッド(20)の一端は、該本体ホルダ(10)に伸び込み、該本体ホルダ(10)に伸び込んだ該接続ロッド(20)の一端に第1内歯部材(21)及び第2内歯部材(22)が固定して套設され、該第1内歯部材(21)に第1溝部(211)が開けられ、該第2内歯部材(22)に第2溝部(221)が開けられ、
前記配向機構(30)は、多機能ペダル(31)と、第1ロッカー(32)とを含み、該多機能ペダル(31)の一端は、踏み部(311)を有し、該多機能ペダル(31)の他端には、第1押し当て部(312)及び第1押圧部(313)が成形され、
前記第1ロッカー(32)の一端は、第1押圧受け部(321)であり、該第1ロッカー(32)の他端に第1係止部(322)が成形され、該多機能ペダル(31)の第1押し当て部(312)は、該第1押圧受け部(321)と当接し、該第1係止部(322)は、該第1内歯部材(21)の第1溝部(211)に面し、第1ロッカー(32)が揺動する場合、第1係止部(322)は、第1溝部(211)に係入され、又はそれから離れ、
前記制動機構(40)は、多機能ペダル(31)と、補助制動部材(41)と、第2ロッカー(42)とを含み、該補助制動部材(41)の一端は、第3押圧受け部(411)を有し、第3押圧受け部(411)は、多機能ペダル(31)の第3押圧部(315)と当接し、該補助制動部材(41)の他端の片側に第2押圧部(413)が成形され、該補助制動部材(41)には、第2押圧部(413)の他側に成形された第2押し当て部(412)を有し、該補助制動部材(41)と多機能ペダル(31)は、同軸で、第3枢着部材(35)を介して該本体ホルダ(10)に枢着され、
前記第2ロッカー(42)の一端に第2押圧受け部(421)が成形され、前記補助制動部材(41)の第2押し当て部(412)は、該第2押圧受け部(421)と当接し、該第2ロッカー(42)の他端に第2係止部(422)が形成され、該第2係止部(422)は、第2内歯部材(22)の該第2溝部(221)に面し、第2ロッカー(42)が揺動する場合、第2係止部(422)は、第2溝部(221)に係入され、又はそれから離れ、第3係止部(423)はそれぞれ該第2ロッカー(42)の両側から突出し、
前記リセット機構(50)は、並べて設けられたサブ配向リセットペダル(51)及び制動解除リセットペダル(52)を含み、リセット機構(50)の2つのリセットペダルは、同軸で、第2枢着部材(53)を介して該本体ホルダ(10)に枢着され、該2つのリセットペダルの一端にもリセット踏み部(511)、(512)がそれぞれ設けられ、配向リセットペダル(51)の他端に第4押圧部(512)が成形され、制動解除リセットペダル(52)の他端に第5押圧部(522)が成形され、該第4押圧部(512)、第5押圧部(522)は、第1押圧部(313)及び第2押圧部(413)に面してそれらを押し当て、
前記1対のホイール部材(60)は、第1側ホイール(61)及び第2側ホイール(62)を含み、該第1側ホイール(61)及び該第2側ホイール(62)の相互に面する片側に制限歯車(63)がそれぞれ成形され、該制限歯車(63)は、複数の歯溝(631)を有し、該第2ロッカー(42)の第3係止部(423)は、該複数の歯溝(631)に面し、第2ロッカー(42)が異なる位置まで揺動する場合、第3係止部(423)は、歯溝(631)に係止され、又は、第3係止部(423)は、歯溝(631)から離れ、
前記3つの付勢体は、第1弾性部材(71)と、第2弾性部材(72)と、第3弾性部材(73)とを含み、第1弾性部材(71)は、第1ロッカー(32)、第2ロッカー(42)と同軸で、その一端が第2ロッカー(42)と当接し、第2弾性部材(72)は、2つのリセットペダルと同軸で、その一端がそれぞれ2つのリセットペダルに穿設され、その他端が第1ロッカー(32)と当接し、第3弾性部材(73)は、同軸の多機能ペダル及び補助制動部材内に穿設され、その一端が多機能ペダルと当接し、その他端が第2ロッカーの下方と当接することを特徴とする、マルチペダルで制御可能なキャスタ。
【請求項2】
第1枢着部材(34)と、第2枢着部材(53)と、第3枢着部材(35)と、第4枢着部材(54)とを含み、該第1ロッカー(32)、第2ロッカー(42)及び第1弾性部材(71)は、該第1枢着部材(34)を介して該本体ホルダ(10)に枢着され、該多機能ペダル(31)、及びその上に穿設された第3弾性部材(73)並びに補助制動部材(41)は、該第3枢着部材(35)を介して該本体ホルダに枢着され、該配向リセットペダル(51)、制動解除リセットペダル(52)及び第2弾性部材(72)は、該第2枢着部材(53)を介して該本体ホルダに枢着され、第4枢着部材(54)は、第1弾性部材の他端と当接し、該本体ホルダに枢着されることを特徴とする、請求項1に記載のマルチペダルで制御可能なキャスタ。
【請求項3】
前記第1弾性部材(71)は、該第1枢着部材(34)に套設して固定され、該第1弾性部材(71)の一端は、該第2ロッカー(42)に固定して当接し、その他端は、第4枢着部材(54)と当接し、
前記第2弾性部材(72)の一端は、套設部(721)を有し、穿設部(722)はそれぞれ該套設部(721)の両側から突出し、該第2弾性部材(72)の他端は、当止部(723)であり、該第2弾性部材(72)の套設部(721)は、前記第2枢着部材(53)に套設され、該穿設部(722)はそれぞれ該配向リセットペダル(51)及び制動解除リセットペダル(52)の両側の貫通溝(513)及び貫通溝(523)を貫入し、該当止部(723)は、正常状態で、第1ロッカー(32)の第1押圧受け部(321)の上方と当接し、該当止部(723)の当接力により、該配向リセットペダル(51)、制動解除リセットペダル(52)及び第1ロッカー(32)はいずれも支持力を得ることができ、
前記第3弾性部材(73)の一端は、第3枢着部材(35)に套設するための套設部(731)を有し、2つの当止部(732)、(733)はそれぞれ該套設部(731)の両側から突出し、当止部(732)は、第2ロッカー(42)の下方と当接し、当止部(733)は、多機能ペダル(31)の係止溝(318)内に当接することを特徴とする、請求項2に記載のマルチペダルで制御可能なキャスタ。
【請求項4】
前記第3弾性部材(73)は、鋼製スリーブ(33)に套設され、第3枢着部材(35)は、鋼製スリーブ(33)を貫通し、前記多機能ペダルには、鋼製スリーブ(33)を穿設するための円形孔が設けられることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のマルチペダルで制御可能なキャスタ。
【請求項5】
前記補助制動部材の第2押し当て部の片側にパンチ孔(416)が設けられ、該パンチ孔は、第3枢着部材(35)を套設するために使用され、パンチ孔の片側にリング状凹溝(417)が設けられ、該リング状凹溝(417)により、それが多機能ペダルに容易に套設されるので、該補助制動部材及び多機能ペダルが同じ枢着部材を中心として回転することを確保し、補助制動部材の主断面は、L形であることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のマルチペダルで制御可能なキャスタ。
【請求項6】
前記本体ホルダ(10)は、多機能ペダル(31)の当止部(314)及び補助制動部材(41)の当止部(414)を当接するための2つの位置決め面(11)、(12)を有することを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のマルチペダルで制御可能なキャスタ。
【請求項7】
前記第1内歯部材(21)及び第2内歯部材(22)は円形のカバー状であり、第1内歯部材(21)と第2内歯部材(22)は反対して設けられ、第1内歯部材(21)及び第2内歯部材(22)の中心は、長方形のパンチ孔(212、222)を有し、該長方形のパンチ孔と接続ロッドが嵌着するので、第1内歯部材(21)及び第2内歯部材(22)は、接続ロッドに対して円周方向に固定されることを実現し、また、ジグザグ形を形成するために、第1内歯部材(21)の第1溝部(211)は、円周方向で2つ設けられ、第2内歯部材(22)の第2溝部(221)は、円周方向で複数設けられることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のマルチペダルで制御可能なキャスタ。
【請求項8】
底部化粧カバーを更に含み、該化粧カバーは、該本体ホルダの底部にロックして設けられることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のマルチペダルで制御可能なキャスタ。
【請求項9】
前記接続ロッド(20)には、本体ホルダ(10)に回転可能に接続された軸受(14)が套設され、軸受には、密封リング(15)によって制限密封を行い、前記第1ロッカーの下部には、間隔を置いて設けられた2つの接続板(325)が設けられ、前記接続板に貫通孔(324)が設けられ、前記第2ロッカーには、2つの接続板(325)が貫入するためのチャネル(425)が設けられ、チャネル(425)の両側の壁本体に通路(424)が設けられ、前記貫通孔(324)及び通路(424)は、前記第1枢着部材(34)を貫通し、前記サブ配向リセットペダル(51)及び制動解除リセットペダル(52)には、第2枢着部材(53)を穿設するためのパンチ孔(514、524)がそれぞれ設けられることを特徴とする、請求項2又は3に記載のマルチペダルで制御可能なキャスタ。
【請求項10】
配向実現機能であって、該多機能ペダルを踏むと、該多機能ペダルは、該第3枢着部材を枢軸として回転し、次に該第1ロッカーを押し当て、該第1ロッカーも同期して回転し、更に、該第1ロッカーの第1係止部は、該第1内歯部材の該第1溝部に係入される配向実現機能と、
制動実現機能であって、該多機能ペダルは、該第3枢着部材を枢軸として回転し、次に補助制動部材を押し当て、該補助制動部材は同期して該第3枢着部材を枢軸として回転し、次に該第2ロッカーを押し当て、該第2ロッカーは同期して回転し、更に、該第2ロッカーの該第2係止部は、該第2内歯部材の該第2溝部に係止され、該第2ロッカーの該第3係止部は、該制限歯車の歯溝内に係止される制動実現機能と、
配向解除機能であって、配向機能が実現された後、該配向リセットペダルを踏み、該配向リセットペダルは、第2枢着部材を枢軸として回転し、次に該配向リセットペダル及び該多機能ペダルを押し当て、該配向リセットペダル及び該多機能ペダルはリセットし、更に、該第1ロッカーの該第1係止部は、該第1溝部から離れる配向解除機能と、
制動解除機能であって、制動機能が実現された後、該制動解除リセットペダルを踏むと、該制動解除リセットペダルは、第2枢着部材を枢軸として回転し、次に該制動解除リセットペダル及び該補助制動部材を押し当て、該制動解除リセットペダル及び該補助制動部材はリセットし、該第2ロッカーの該第2係止部は、該第2溝部から離れ、同時に、該第2ロッカーの第3係止部は、該制限歯車から離れ、この場合、該操作は、制動のみを解除し、キャスタは依然として配向機能を保有する制動解除機能と、
統一的リセット機能であって、制動機能が実現された後、配向リセットペダル及び制動解除リセットペダルを同時に踏むと、該配向リセットペダル及び該制動解除リセットペダルは、該第2枢着部材を枢軸として回転し、次に該配向リセットペダルと多機能ペダル及び該制動解除リセットペダルと該補助制動部材を押し当て、該配向リセットペダルと多機能ペダル及び該制動解除リセットペダルと該補助制動部材はリセットし、更に、該第1ロッカーの該第1係止部は、該第1溝部から離れ、同時に、該第2ロッカーの該第2係止部は、該第2溝部から離れ、該第2ロッカーの第3係止部も該制限歯車の歯溝から離れる統一的リセットとを含む、請求項1に記載のマルチペダルで制御可能なキャスタの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチペダルで制御可能なキャスタに関し、特に、3つのペダルで制御可能な医療用キャスタ及びその使用方法に適用する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展に伴い、各種の医療用キャスタは次々と登場し、キャスタの一連の機能へ要求がますます高まり、マルチペダルで制御可能なキャスタは、この市場の需要を満たすために生まれる。
【0003】
現在、市販のマルチペダルで制御可能なキャスタは、機能が異なるペダルを踏むことにより、配向又は制動機能の選択を実現し、例えば、中国特許出願の多機能キャスタ構造(中国特許公開第CN103419564B号)では、垂直ロッド群は、係止群と回転シートに固定して設けられた係止部材とが相互に係止し又は離れ、又は制動揺動部材と該回転シートに枢着されたホイールとが相互に係止又は離れるように動かし、それにより、キャスタは、必要に応じて転向、配向及び制動などの機能を実行することができ、また、例えば、中国特許出願の二重ペダルの同期全制動キャスタ(中国特許公開第CN102602241B号)では、該キャスタは、二重ペダルの同期全制動の設計を使用し、どのペダルを踏んでも、全自在と全制動の操作を完了することができる。
【0004】
しかし、上記のキャスタの欠陥は、異なる機能を実現するためのペダル間の距離が近すぎると、間違いペダルを踏み又はペダルに当たらないという問題である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、マルチペダルで制御可能なキャスタ及びその使用方法を提供することにより、多機能ペダルを踏むことで異なる機能の選択を実現でき、リセットペダルを踏むと、解除して元の自在走行状態に戻ることができ、間違いリセットペダルを踏むという問題を解決することである。
【0006】
上記問題を解決するために、本発明のマルチペダルで制御可能なキャスタは、
【0007】
本体ホルダと、接続ロッドと、配向機構と、制動機構と、リセット機構と、1対のホイール部材と、3つの付勢体とを含み、
【0008】
前記本体ホルダと該接続ロッドは、相対的に回転可能に接続して結合され、該接続ロッドの一端は、該本体ホルダに伸び込み、該接続ロッドの一端は、該本体ホルダに伸び込み、該本体ホルダに伸び込んだ該接続ロッドの一端に第1内歯部材及び第2内歯部材が固定して套設され、該第1内歯部材に第1溝部が開けられ、該第2内歯部材に第2溝部が開けられ、
【0009】
前記配向機構は、多機能ペダルと、第1ロッカーとを含み、該多機能ペダルの一端は、踏み部を有し、該多機能ペダルの他端には、第1押し当て部及び第1押圧部が成形され、
【0010】
前記第1ロッカーの一端は、第1押圧受け部であり、該第1ロッカーの他端に第1係止部が成形され、該多機能ペダルの第1押し当て部は、該第1押圧受け部と当接し、該第1係止部は、該第1内歯部材no第1溝部に面し、第1ロッカーが揺動する場合、第1係止部は、第1溝部に係入され、又はそれから離れ、
【0011】
前記制動機構は、多機能ペダルと、補助制動部材と、第2ロッカーとを含み、該補助制動部材の一端は、第3押圧受け部を有し、第3押圧受け部は、多機能ペダルの第3押圧部と当接し、該補助制動部材の他端の片側に第2押圧部が成形され、該補助制動部材には、第2押圧部の他側に成形された第2押し当て部を有し、該補助制動部材と多機能ペダルは、同軸で、第3枢着部材を介して該本体ホルダに枢着され、
【0012】
前記第2ロッカーの一端に第2押圧受け部が成形され、前記補助制動部材の第2押し当て部は、該第2押圧受け部と当接し、該第2ロッカーの他端に第2係止部が形成され、該第2係止部は、第2内歯部材の該第2溝部に面し、第2ロッカーが揺動する場合、第2係止部は、第2溝部に係入され、又はそれから離れ、第3係止部はそれぞれ該第2ロッカーの両側はから突出し、
【0013】
前記リセット機構は、並べて設けられたサブ配向リセットペダル及び制動解除リセットペダルを含み、リセット機構の2つのリセットペダルは、同軸で、第2枢着部材を介して該本体ホルダに枢着され、該2つのリセットペダルの一端にもリセット踏み部がそれぞれ設けられ、配向リセットペダルの他端に第4押圧部が成形され、制動解除リセットペダルの他端に第5押圧部が成形され、該第4押圧部、第5押圧部は、第1押圧部及び第2押圧部に面してそれらを押し当て、
【0014】
前記1対のホイール部材は、第1側ホイール及び第2側ホイールを含み、該第1側ホイール及び該第2側ホイールの相互に面する片側に制限歯車がそれぞれ成形され、該制限歯車は、複数の歯溝を有し、該第2ロッカーの第3係止部は、該複数の歯溝に面し、第2ロッカーが異なる位置まで揺動する場合、第3係止部は、歯溝に係止され、又は、第3係止部は、歯溝から離れ、
【0015】
前記3つの付勢体は、第1弾性部材と、第2弾性部材と、第3弾性部材とを含み、第1弾性部材は、第1ロッカー、第2ロッカーと同軸で、その一端が第2ロッカーと当接し、第2弾性部材は、2つのリセットペダルと同軸で、その一端がそれぞれ2つのリセットペダルに穿設され、その他端が第1ロッカーと当接し、第3弾性部材は、同軸の多機能ペダル及び補助制動部材内に穿設され、その一端が多機能ペダルと当接し、その他端が第2ロッカーの下方と当接する。
【0016】
本発明のマルチペダルで制御可能なキャスタの使用方法は、
【0017】
配向実現機能であって、該多機能ペダルを踏むと、該多機能ペダルは、該第3枢着部材を枢軸として回転し、次に該第1ロッカーを押し当て、該第1ロッカーも同期して回転し、更に、該第1ロッカーの第1係止部は、該第1内歯部材の該第1溝部に係入される配向実現機能と、
【0018】
制動実現機能であって、該多機能ペダルは、該第3枢着部材を枢軸として回転し、次に補助制動部材を押し当て、該補助制動部材は同期して該第3枢着部材を枢軸として回転し、次に該第2ロッカーを押し当て、該第2ロッカーは同期して回転し、更に、該第2ロッカーの該第2係止部は、該第2内歯部材の該第2溝部に係止され、該第2ロッカーの該第3係止部は、該制限歯車の歯溝内に係止される制動実現機能と、
【0019】
配向解除機能であって、配向機能が実現された後、該配向リセットペダルを踏み、該配向リセットペダルは、第2枢着部材を枢軸として回転し、次に該配向リセットペダル及び該多機能ペダルを押し当て、該配向リセットペダル及び該多機能ペダルはリセットし、更に、該第1ロッカーの該第1係止部は、該第1溝部から離れる配向解除機能と、
【0020】
制動解除機能であって、制動機能が実現された後、該制動解除リセットペダルを踏むと、該制動解除リセットペダルは、第2枢着部材を枢軸として回転し、次に該制動解除リセットペダル及び該補助制動部材を押し当て、該制動解除リセットペダル及び該補助制動部材はリセットし、該第2ロッカーの該第2係止部は、該第2溝部から離れ、同時に、該第2ロッカーの第3係止部は、該制限歯車から離れ、この場合、該操作は、制動のみを解除し、キャスタは依然として配向機能を保有する制動解除機能と、
【0021】
統一的リセット機能であって、制動機能が実現された後、配向リセットペダル及び制動解除リセットペダルを同時に踏むと、該配向リセットペダル及び該制動解除リセットペダルは、該第2枢着部材を枢軸として回転し、次に該配向リセットペダルと多機能ペダル及び該制動解除リセットペダルと該補助制動部材を押し当て、該配向リセットペダルと多機能ペダル及び該制動解除リセットペダルと該補助制動部材はリセットし、更に、該第1ロッカーの該第1係止部は、該第1溝部から離れ、同時に、該第2ロッカーの該第2係止部は、該第2溝部から離れ、該第2ロッカーの第3係止部も該制限歯車の歯溝から離れる統一的リセット機能とを含む。
【0022】
前述の内容から分かるように、本発明では、多機能ペダルを踏むと、該多機能ペダルは該第1ロッカーを押し当て、該第1ロッカーが該第1内歯部材の第1溝部内に係止されるので、キャスタは一定の方向で走行することができ、多機能ペダルを再び踏むと、該多機能ペダルは該補助制動部材を押し当て、次に該第二ロッカーを押し当て、該第2ロッカーの第2係止部が該第2内歯部材の第2溝部内に係止され、該第2ロッカーの第3係止部が該1対のホイール部材の制限歯車内に係止されると、キャスタは、配向して制動し、リセットペダルを踏むと、配向又は制動状態を解除し、キャスタの全自在状態を実現し、その結果、キャスタは、転向、配向及び制動などの機能を実現することができる。
【0023】
本発明のマルチペダルで制御可能なキャスタは、設計が合理的であり、技術的要件が低く、その機能が直接的で効果的であり、識別及び使用が容易であり、また、統一的な多機能ペダルを踏むことにより、異なる機能の選択を実現することができ、実現後、リセットペダルを踏むと、解除して元の自在走行状態に戻ることができ、それがリセット解除機能のみを完了するので、間違いリセットペダルを踏むわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図3】本発明の第1内歯部材、第2内歯部材の斜視図である。
【
図6】本発明の配向リセットペダル、制動解除リセットペダル及び第2弾性部材の分解状態の斜視図である。
【
図7】本発明の多機能リセットペダル、鋼製スリーブ及び第3弾性部材の斜視図である。
【
図9】本発明の1対のホイール部材の構造概略図である。
【
図13】本発明の制動後の多機能ペダルの復位状態図である。
【
図14】本発明の単一配向機能のリセット状態図である。
【
図19】多機能ペダル及び補助制動部材の分解状態の斜視図である。
【
図20】多機能リセットペダル及び補助制動部材(点線)の組み合わせ状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
【0026】
本体ホルダ10と、接続ロッド20と、配向機構30と、制動機構40と、リセット機構50と、1対のホイール部材60と、3つの付勢体70とを含む。
【0027】
該本体ホルダ10は、2つの位置決め面11、12を有し、該本体ホルダ10と該接続ロッド20は、相対的に回転可能に接続して結合されるものであり、該接続ロッド20の一端は、該本体ホルダ10に伸び込み、該本体ホルダ10に伸び込んだ該接続ロッド20の一端に第1内歯部材21及び第2内歯部材22が固定して套設され、該第1内歯部材21に第1溝部211が開けられ、該第2内歯部材22に第2溝部221が開けられ、該接続ロッド20の上端は、手押し車、車椅子などの下部に接続するために使用され得る。
【0028】
第1内歯部材21及び第2内歯部材22は円形のカバー状であり、第1内歯部材21と第2内歯部材22は反対して設けられ、第1内歯部材21及び第2内歯部材22の中心は、長方形のパンチ孔を有し、該長方形のパンチ孔と接続ロッドが嵌着するので、第1内歯部材21及び第2内歯部材22は、接続ロッドに対して円周方向に固定されることを実現し、また、ジグザグ形を形成するために、第1内歯部材21の第1溝部211は、円周方向で2つ設けられ、第2内歯部材22の第2溝部221は、円周方向で複数設けられる。
【0029】
該配向機構30は、多機能ペダル31と、第1ロッカー32とを含み、該多機能ペダル31の一端は、踏み部311を有し、該多機能ペダル31の他端には、第1押し当て部312及び第1押圧部313が成形され、それは、第3枢着部材35を更に含み、該多機能ペダル31は、該第3枢着部材35を介して該本体ホルダ10に枢着される。
【0030】
該第1ロッカー32は、第1枢着部材34を介して該本体ホルダ10に枢着され、該第1ロッカー32の一端は、第1押圧受け部321であり、該第1ロッカー32の他端に第1係止部322が成形され、該多機能ペダル31の第1押し当て部312は、該第1押圧受け部321と当接し、該第1係止部322は、該第1内歯部材21の第1溝部211に面し、第1ロッカー32が揺動する場合、第1係止部322は、第1溝部211に係入され、又はそれから離れ、好ましくは、第1ロッカー32の第1枢着部材34に第2弾性部材72が設けられるので、第2弾性部材72の弾性により、第1ロッカー32がリセットする場合、力が加えられ、
【0031】
制動機構40は、多機能ペダル31と、補助制動部材41と、第2ロッカー42とを含み、該補助制動部材41の一端は、第3押圧受け部411を有し、第3押圧受け部411は、多機能ペダル31の第3押圧部315と当接し、該補助制動部材41の他端の片側に第2押圧部413が成形され、該補助制動部材41には、第2押圧部413の他側に成形された第2押し当て部412を有し、該補助制動部材41と多機能ペダル31は、同軸で、第3枢着部材35を介して該本体ホルダ10に枢着され、
【0032】
第2ロッカー42は、同様に、第1枢着部材34を介して該本体ホルダ10に枢着され、該第2ロッカー42の一端に第2押圧受け部421が成形され、前記補助制動部材41の第2押し当て部412は、該第2押圧受け部421と当接し、該第2ロッカー42の他端に第2係止部422が形成され、該第2係止部422は、第2内歯部材22の該第2溝部221に面し、第2ロッカー42が揺動する場合、第2係止部422は、第2溝部221に係入され、又はそれから離れ、第3係止部423はそれぞれ該第2ロッカー42の両側から突出する。
【0033】
リセット機構50は、並べて設けられたサブ配向リセットペダル51及び制動解除リセットペダル52を含み、リセット機構50の2つのリセットペダルは、同軸で、第2枢着部材53を介して該本体ホルダ10に枢着され、該2つのリセットペダルの一端にもリセット踏み部511、512がそれぞれ設けられ、配向リセットペダル51の他端に第4押圧部512が成形され、制動解除リセットペダル52の他端に第5押圧部522が成形され、多機能ペダル31の当止部314及び補助制動部材41の当止部414が本体ホルダ10の位置決め面11、12と当接するまで、該第4押圧部512、第5押圧部522は、第1押圧部313及び第2押圧部413に面してそれらを押し当て、該配向リセットペダル51及び制動解除リセットペダル52の両側には、貫通溝513及び貫通溝523がそれぞれ開けられる。
【0034】
第2弾性部材72を更に含み、該第2弾性部材72の一端は、套設部721を有し、穿設部722はそれぞれ該套設部721の両側から突出し、該第2弾性部材72の他端は、当止部723であり、該第2弾性部材72の套設部721は、前記第2枢着部材53に套設され、該穿設部722はそれぞれ該配向リセットペダル51及び制動解除リセットペダル52の両側の貫通溝513及び貫通溝523を貫入し、該当止部723は、正常状態で、第1ロッカー32の第1押圧受け部321の上方と当接し、該当止部723の当接力により、該配向リセットペダル51、制動解除リセットペダル52及び第1ロッカー32はいずれも支持力を得ることができ、そのため、三者は、釣り合いを保ち、緩まない。
【0035】
該1対のホイール部材60は、本体ホルダ10の両側に枢着され、該1対のホイール部材60は、第1側ホイール61及び第2側ホイール62を含み、該第1側ホイール61及び該第2側ホイール62の相互に面する片側に制限歯車63がそれぞれ成形され、該制限歯車63は、複数の歯溝631を有し、該第2ロッカー42の第3係止部423は、該複数の歯溝631に面し、第2ロッカー42が異なる位置まで揺動する場合、第3係止部423は、歯溝631に係止され、又は、第3係止部423は、歯溝631から離れる。
【0036】
好ましくは、第1弾性部材71を更に含み、第1弾性部材71は、該第1枢着部材34に套設して固定され、該第1弾性部材71の一端は、該第2ロッカー42に固定して当接し、その他端は、第4枢着部材54と当接し、そのため、該第2ロッカー42は、動作する場合、該第1弾性部材71の弾力により、より順調に動作してリセットすることができる。
【0037】
枢着部材は、ヒンジ軸であり得、弾性部材は、トーションばねである。
【0038】
好ましくは、底部化粧カバー80を更に含み、該底部化粧カバー80は、該本体ホルダ10にロックして設けられ、該底部化粧カバー80は、異物が該本体ホルダ10内に侵入することを防止するために使用される。
【0039】
前記第3弾性部材73は、鋼製スリーブ33に套設され、第3枢着部材35は、鋼製スリーブ33を貫通し、前記多機能ペダルには、鋼製スリーブ33を穿設するための円形孔316が設けられ、前記補助制動部材の第2押し当て部の片側にパンチ孔416が設けられ、該パンチ孔は、第3枢着部材35を套設するために使用され、パンチ孔の片側にリング状凹溝417が設けられ、該リング状凹溝417により、それが多機能ペダルに容易に套設されるので、該補助制動部材及び多機能ペダルが同じ枢着部材を中心として回転することを確保し、補助制動部材の主断面は、L形であり、前記接続ロッド20には、本体ホルダ10に回転可能に接続された軸受14が套設され、軸受には、密封リング15によって制限密封を行い、前記第1ロッカーの下部には、間隔を置いて設けられた2つの接続板325が設けられ、前記接続板に貫通孔324が設けられ、前記第2ロッカーには、2つの接続板325が貫入するためのチャネル425が設けられ、チャネル425の両側の壁本体に通路424が設けられ、前記貫通孔324及び通路424は、前記第1枢着部材34を貫通し、前記サブ配向リセットペダル51及び制動解除リセットペダル52には、第2枢着部材53を穿設するためのパンチ孔514、524がそれぞれ設けられる。
【0040】
本発明のキャスタ構造の動作場合は、
図10~
図14に示され、
図10に示すように、使用者はキャスタが自由に回転しないように配向しようとする場合、まず、該多機能ペダル31の踏み部311を踏むと、該多機能ペダル31は、第3枢着部材35を枢軸として踏み方向へ回転し、該多機能ペダル31の該第1押し当て部312及び該第1押し当て部313もそれにつれて同じ方向へ回転し、該第1押し当て部312は、正常状態で、該第1ロッカー32の該第1押圧受け部321と当接するため、該第1押し当て部312が回転すると同時に、該第1押圧受け部321も押し当て、それにより、該第1ロッカー32は、第1枢着部材34を枢軸として回転し、該第1ロッカー32の第1係止部322も同期して回転し、該第1内歯部材21の該第1溝部211に係入され、該第1ロッカー32の第1係止部322が該第1溝部211によって係止され、該第1ロッカー32が該第1枢着部材34を介して該本体ホルダ10に枢着されるため、該第ロッカー32の第1係止部322が該第1溝部211によって係止される場合、該本体ホルダ10は、接続ロッド20に対して回転することができず、そのため、配向の目的を達成する。
【0041】
同時に、該第1押圧部313は回転して該配向リセットペダル51の第4押圧部512と当接し、それにより、該配向リセットペダル51は、該第2枢着部材53を枢軸として押し当て方向へ回転し、該配向リセットペダル51は、踏み可能な状態であり、
図11に示される。
【0042】
図12に示すように、使用者は該1対のホイール部材60が同時に配向して制動しようとする場合、
図11に示すように、該多機能ペダル31の踏み部311を踏み続け、それにより、多機能ペダル31は、該多機能ペダル31の第3押圧部315が該補助制動部材41の第3押圧受け部411と当接するまで、該第3枢着部材35を枢軸として踏み方向へ回転し続け、該補助制動部材41の第2押し当て部412及び該第2押圧部413もそれにつれて同じ方向へ回転し、該第2押し当て部412が該第2ロッカー42の該第2押圧受け部421と当接するため、該第2押し当て部412が回転すると同時に、該第2押圧受け部421も押し当て、それにより、該第2ロッカー42は、該第1枢着部材34を枢軸として回転し、該第2ロッカー42の第2係止部422も同期して回転して該第2内歯部材22の該第2溝部221に係入され、該第2ロッカー42の第3係止部423も同期して回転して該1対のホイール部材60の該制限歯車63の係止溝631内に係入される。
【0043】
同時に、該第2押圧部413は回転して該制動解除リセットペダル52の第3押し当て部522と当接し、それにより、該制動解除リセットペダル52は、第2枢着部材53を枢軸として押し当て方向へ回転し、そのため、該制動解除リセットペダル52は、踏み可能な状態である(
図12)。
【0044】
第3弾性部材73を更に含み、該第3弾性部材73の一端は、套設部731を有し、2つの当止部732、733はそれぞれ該套設部731の両側から突出し、当止部732は、第2ロッカー42の下方と当接し、当止部733は、多機能ペダル31の係止溝318内に当接され、該多機能ペダル31の踏み部311を緩むと、該多機能ペダル31は、第3弾性部材73の弾性作用下で、該第3枢着部材35を枢軸として踏み方向の反対方向へ回転し、該多機能ペダル31の第1押し当て部312は、該第1ロッカー32の該第2押圧受け部323と当接するので、該第1押し当て部312が回転すると同時に、該第2押圧受け部323も押し当て、それにより、該第1押し当て部312が改めて該第1ロッカー32の第1押圧受け部321の位置と当接するまで、該第1ロッカー32は、該第1枢着部材34を枢軸として回転し、この場合、
図13に示すように、該多機能ペダル31の第1押圧部313が回転して該配向リセットペダル51の第4押圧部512の位置に当接され、それにより、該配向リセットペダル51は、該第2枢着部材53を枢軸として押し当て方向へ回転し、該配向リセットペダル51も同時に踏み可能な状態である。
【0045】
該第2ロッカー42の第2係止部422は、第2溝部221によって係止され、該第2ロッカー42は、該第1枢着部材34を介して該本体ホルダ10に枢着されるので、該第2ロッカー42の第2係止部422は、該第2溝部221によって係止される場合、該本体ホルダ10は、接続ロッド20に対して回転することができない。
【0046】
該第2ロッカー42の第3係止部423も同期して回転して該ホイール60の該制限歯車63の歯溝631内に係入されるので、該1対のホイール部材の制限歯車63は、第3係止部423によって係止され、更に、該1対のホイール部材60は、回転することができず、その結果、配向及び制動の目的を達成する。
【0047】
図14及び
図10に示すように、使用者が配向若しくは制動を解除し、又は配向及び制動を解除しようとする場合、該配向リセットペダル51及び制動解除リセットペダル52はいずれも踏み可能な状態であるので、まず、該配向リセットペダル51又は/及び制動リセットペダル52の踏み部511又は/及び踏み部521を踏み、それにより、該配向リセットペダル51又は/及び制動リセットペダル52は、該第3枢着部材53を枢軸として踏み方向へ回転し、該配向リセットペダル51又は/及び制動リセットペダル52の該第4押し当て部512又は/及び第5押し当て部522もそれにつれて同じ方向へ回転し、更に、該多機能ペダル31の該第1押し当て部312及び第2押圧部313又は/及び該補助制動部材41の第2押圧部413を押し当て、それにより、該多機能ペダル31又は/及び該補助制動部材41は、該第3枢着部材35を枢軸として押し当て方向へ回転する。
【0048】
該多機能終えダル31が回転する場合、該第1押し当て部312も同期して回転し、それにより、該第1ロッカー32の該第1押圧受け部321は、押し当て力を失い、更に、回転してリセットし、該第1ロッカー32の該第1係止部322も該第1内歯部材21の第1溝部211から離れ、該第1係止部322は、該第1溝部211の係止を失い、更に、該本本体ホルダ10は、回転状態である。
【0049】
該補助制動部材41が回転する場合、該第2押し当て部412も同期して回転し、該第2ロッカー42の該第2押圧受け部421は、押し当て力を失い、更に、回転してリセットし、該第2ロッカー42の該第2係止部422も該第2内歯部材22の第2溝部221から離れ、該第2係止部422は、該第2溝部221の係止を失い、同時に、該第3係止部423は、該制限歯車63の歯溝631から離れ、更に、該本体ホルダ10は、回転することができ、1対のホイール部材60は、回転状態である。
【0050】
図10~
図14に示すように、開示された本発明のキャスタの使用方法は、以下を含む。
【0051】
該多機能ペダル31の踏み部311を踏むと、該多機能ペダル31は、該第3枢着部材35を枢軸として回転し、次に該第1ロッカー32を押し当て、該第1ロッカー32は同期して回転し、次に該第1ロッカー32の第1係止め部322は、該第1内部歯部材21の該第1溝部211に係入され、該本体ホルダ10は、接続ロッド20に対して回転することができず、配向の目的を達成する。
【0052】
該多機能ペダル31の踏み部311を継続的に踏むと、多機能ペダル31の第3押圧部315は、補助制動部材41の第3押圧受け部411と当接し、該補助制動部材41は、該第3枢着部材35を枢軸として回転し、次に該第2ロッカー42を押し当て、該第2ロッカー42は同期して回転し、次に該第2ロッカー42の該第2係止部422は、該第2内歯部材22の該第2溝部221に係入され、該第2ロッカー42の該第3係止部423は、該制限歯車63の歯溝631内に係入され、その結果、ホイール60は、回転することができず、制動機能を実現する。
【0053】
配向リセットペダル51又は/及び制動解除リセットペダル52を踏むと、該配向リセットペダル51又は/及び制動解除リセットペダル52は、該第2枢着部材53を枢軸として回転し、次に該多機能ペダル31又は/及び補助制動部材41を押し当て、該多機能ペダル31又は/及び該補助制動部材41はリセットし、次に該第1ロッカー32の該第1係止部322は該第1溝部211から離れ、又は/及び、該第2ロッカー42の該第2係止部422は該第2溝部221から離れ、該第3ロッカー42の該第3係止部423は、該制限歯車63の歯溝631から離れ、配向又は全自在状態に戻ることを実現する。
【0054】
前述の内容から分かるように、本発明では、配向機構30の多機能ペダル31を踏むと、該多機能ペダル31は、該第1ロッカー32を押し当て、該第1ロッカー32は、該第1内歯部材21の第1溝部211内に係止されるので、キャスタは、一定の方向で走行することができ、また、該多機能ペダル31を継続的に踏むと、該多機能ペダル31は、制動機構の補助制動部材41を押し当て、次に該第2ロッカー42を押し当て、該第2ロッカー42の第2係止部422は、該第2内歯部材22の第2溝部221内に係止され、また、該第2ロッカー42の第3係止部423は、該ホイール60の制限歯車63内に係止されるので、キャスタは、配向して制動することができ、続いて、配向リセットペダル又は/及び制動解除リセットペダルを踏むと、配向又は全自在状態に戻り、キャスタの転向、配向及び制動機能を実現する。