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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099472
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】自転車荷台への搭載物の取付構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 7/08 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
B62J7/08 C
B62J7/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194195
(22)【出願日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2023076397
(32)【優先日】2023-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023002853
(32)【優先日】2023-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】596085922
【氏名又は名称】服部 元信
(72)【発明者】
【氏名】服部元信
(57)【要約】
【課題】
荷物かごの荷台への取付けは固定式か、かご側に取付具が装着された着脱式で、荷台取付けの用途に限定されていた。家庭用かごなどの一般の荷物かごに取付具など何も付けずに荷台に着脱できるようにすることが課題である。
【解決手段】
荷台に中継台を載せて、その前方と後方で連結手段で連結し、中継台の前後左右の縁の近くに垂直支持部と、それに連動または一体の水平支持部を中継台に保持するように備え、前後左右の方向に位置調整できるように構成する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の荷台にかごなどの荷台搭載物を着脱するための取付構造であって、
中継台を荷台に載せて、中継台の前面下方または下面前方で少なくとも1つの連結手段、下面後方で少なくとも1つの連結手段によって中継台と荷台が連結され、
中継台の前後左右の縁の近くにほぼ垂直の垂直支持部を備え、その1つ以上に個々に対応して、垂直支持部に連結または一体の水平支持部を中継台に保持するようにして備え、前後左右の各方向の内の少なくとも一方向が位置調整できるように水平支持部と中継台の間で位置調整部を備え、
前後左右の四方の垂直支持部に囲まれた位置である中継台の上面に荷台搭載物を置いて、水平支持部、垂直支持部を位置調整して荷台搭載物の前後左右側面を垂直支持部が囲むようにして荷台搭載物を安定に保持するように作用することを特徴とする自転車荷台への搭載物取付構造。
【請求項2】
請求項1において、先端が引掛け部付きまたは雌雄結合形コネクター付きの結合手段を有し、長さ調整可能なベルトまたは紐、ワイヤを
少なくとも前後の各垂直支持部で、あるいは左右の各垂直支持部で上方に向けて取付けてベルトまたは紐、ワイヤの長さを調整しながら荷台搭載物の前後あるいは左右の側面穴部や上端に引掛けたり、少なくとも前後のベルトまたは紐、ワイヤどうしを、あるいは左右のベルトまたは紐、ワイヤどうしを荷台搭載物の上側や横側で雌雄結合して荷台搭載物を保持するか、
または、少なくとも1つの前記ベルトまたは紐、ワイヤを
前後左右の垂直支持部で保持するか中継通過させて荷台搭載物の前後左右の側面を囲むように配置し、ベルトまたは紐、ワイヤの長さを調整しながらベルトまたは紐、ワイヤ先端の引掛け部を垂直支持部に引掛けたり、ベルトまたは紐、ワイヤ先端の雌雄結合形コネクターどうしを結合したり、ベルトまたは紐、ワイヤどうしの重なり部分で結合手段で結合して荷台搭載物を保持するか、
または、前後左右の垂直支持部の穴部や丸鋼などの引掛け部分とそれと間近にある荷台搭載物の穴部や丸鋼などの引掛け部分どうしを連結具で連結して荷台搭載物を保持する、
ように作用することを特徴とする自転車荷台への搭載物取付構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寸法の異なる家庭用かごや一般の荷物かごなど荷台搭載物をそのままでかつ簡単に自転車の荷台に着脱する構造に関するものである。以下“家庭用かごや荷物かごなど荷台搭載物”を“荷物かご”で代表して表記する。
【背景技術】
【0002】
図1の従来例1は、市販されている荷物かごの取付構造である。荷物かご2を荷台1の上に置き、荷台の前方と後方でそれぞれ荷台の下方から雌ネジ穴を有する概ね平板の棒22を当て、荷物かごに設けた穴(長穴)31cにネジを通して荷台枠を挟むようにしてネジ締めで固定するものであって、荷物かごを容易に着脱することができない。また荷物かごは穴(長穴)31cの位置や寸法が特定の専用品である。
【0003】
図2図3の従来例2(特許文献1の図2図3に記載)の取付構造は全ての取付具(連結手段)21、23が荷物かご2側に装着され、荷物かごを荷台1に容易に着脱できるものである。荷物かごを取外した荷台には何も残らないので、荷台を他の用途にすぐ使用でき、また他の自転車の荷台に形状寸法が合えば、すぐに荷物かごを付替えできる。
【0004】
この荷物かご2は、その前面下方に可動枠形連結手段23を備え、下面後方の左右に差込み形連結手段21を備えている。可動枠形連結手段は可動枠23aと取付板(板部)23dとバネ(付勢部)23cで構成されており、2つの差込み形連結手段を荷台1の第2枠部(後方横枠)1bに後方から前方に向けて差込んだ後、前面の連結手段の可動枠の引掛け部23bをばねによる弾性付勢力に抗して前方に引きながら、荷台の第1枠部(前方横枠)1aに引掛け可能なところまで移動し、付勢状態のまま第1枠部に引掛けて荷物かごを荷台1に取付ける。
【0005】
荷台1の第2枠部1bに差込まれる差込み形連結手段21については、荷台の第1枠部1aと第2枠部の前後の間隔の違いや荷台内枠1dと外枠1cの左右の幅や間隔の違いに対応できるよう、図2では荷物かご下面の取付穴が前後方向の長穴31bになっていてそれが左右の連結手段のそれぞれに対して左右に複数設けられていたり、図3では荷物かご下面の取付穴が左右方向の長穴31bになっていてそれが前後に複数設けられていて、連結手段21の前後左右の取付位置が調整できるようになっている。
この図2図3の従来例2の荷物かごは荷台から容易に着脱できるが、連結手段が荷物かごに取付けてあるため、直ぐに他の用途に使用し難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2018-99516
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来例1の荷物かごの荷台への取付けは平板棒による完全固定式であって、荷物かごを容易に着脱できないという問題がある。従来例2の取付構造では荷物かごを容易に着脱できるが、連結手段が取付けてあるため荷物かごを直ぐに他の用途に使用し難いという問題がある。またいずれの取付構造の場合も、家庭用かごなどの一般の荷物かごを直ぐに取付けられるものではない。
【0008】
本発明はこれらの問題を解決するもので、家庭用かごや一般の荷物かごをそのままで簡単に手早く荷台に着脱でき、取外したかごを直ぐに他の用途に利用でき、また寸法の異なる別のかごをも直ぐに荷台に着脱できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
部品符号は実施例1の符号で代表して記述する。
【0010】
請求項1の発明の構成上の特徴と作用効果を示す。
自転車の荷台に荷物かごを着脱するための取付構造であって、中継台3を荷台1に載せて中継台の前面下方または下面前方で少なくとも1つの連結手段、下面後方で少なくとも1つの連結手段によって中継台と荷台が連結され、
中継台の前後左右の縁の近くにほぼ垂直の垂直支持部41を備え、その1つ以上に個々に対応して、垂直支持部に連結または一体の水平支持部42を中継台に保持するようにして備え、前後左右の各方向の内の少なくとも一方向が位置調整できるように水平支持部と中継台の間で位置調整部43を備え、
前後左右の四方の垂直支持部に囲まれた位置である中継台の上面に荷物かごを置いて、水平支持部、垂直支持部を位置調整して荷物かごの前後左右側面を垂直支持部が囲むようにして荷物かごを安定に保持するように作用する。
【0011】
中継台3に位置調整部43を備える方向の水平支持部42、例えば後側水平支持部は連結する後側垂直支持部41と共に後方向の位置調整ができる。その垂直支持部が隣の垂直支持部、例えば右側垂直支持部と連結していれば、右側垂直支持部は共に後方向に位置移動できる一方、自身の右方向の位置調整ができなくなる。
逆に言えば、中継台に位置調整部を備える後側水平支持部と後側垂直支持部は、隣の右側垂直支持部と連結していなければ単独に後方向の位置調整ができるだけでなく、右側垂直支持部も連結する右側水平支持部と共に右方向の位置調整部によって単独に右方向の位置調整ができることになる。
幅寸法も長さ寸法も違う荷物かごを着脱したい場合は、後方向の位置調整部と後側水平支持部と後側垂直支持部を設けると共に、少なくとも左右のいずれか一方の位置調整部と水平支持部と垂直支持部を設ければよい。
幅寸法が同じで長さ寸法の違う荷物かごを着脱したい場合は、後方向の位置調整部と後側水平支持部と後側垂直支持部を設ければよい。この時は前方と左右の垂直支持部どうし、また中継台とも連結したり一体にして構成することもできる。
【0012】
なお、中継台、垂直支持部、水平支持部は鋼製、樹脂製の板状のものでもよいし、丸鋼やその他の材料で形成される同等の機能を持つものでもよい。
【0013】
請求項2の発明の構成上の特徴と作用を示す。請求項1の特徴に加えて、
先端が引掛け部52a、52b付きまたは雌雄結合形コネクター51a、51b付きの結合手段を有し、長さ調整可能なベルト(または紐、ワイヤ、以下ベルトと表記)を、少なくとも前後の各垂直支持部41で、あるいは左右の各垂直支持部41で上方に向けて取付けて、ベルトの長さを調整しながら荷物かごの前後あるいは左右の側面穴部2aや上端2bに引掛けたり、少なくとも前後のベルトどうしを、あるいは左右のベルトどうしを荷物かごの上側や横側で雌雄結合するか、
または、少なくとも1つの前記ベルトを、前後左右の垂直支持部で保持するか中継通過させて荷物かごの前後左右の側面を囲むように配置し、ベルトの長さを調整しながらベルト先端の引掛け部を垂直支持部に引掛けたり、ベルト先端の雌雄結合形コネクターどうしを雌雄結合したり、ベルトどうしの重なり部分で結合手段で結合するか、
または、前後左右の垂直支持部の穴部や丸鋼などの引掛け部分とそれと間近にある荷台かごの穴部や丸鋼などの引掛け部分どうしを連結具で連結して荷物かごを保持するように作用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の自転車の荷台搭載物の取付構造によれば、荷台への連結手段のない寸法の異なる家庭用かごや一般の荷物かごをそのままで簡単に手早く荷台に着脱でき、取外したかごを直ぐに他の用途に利用でき、また寸法の異なる別のかごを、本構造の中継台の垂直支持部の位置を調整して、容易に荷台に着脱できる。また中継台などが樹脂製であっても、板状品で構成できるので金型費用は樹脂製荷物かごに比べてかなり低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来例1 …市販荷物かご取付構造
図2】従来例2 …荷物かご取付構造(特許文献1)
図3】従来例2 …荷物かご取付構造(特許文献1)
図4】実施例1、2…全体図
図5】実施例1、2…中継台
図6】実施例1、2…水平支持部を中継台挿入部に挿入した状態
図7】実施例1 …支持手段の位置調整部
図8】実施例1 …位置調整部の手動による動作
図9】別例 …支持手段(位置調整部無)
図10】実施例2 …支持手段の位置調整部
図11】実施例2 …位置調整部の動作
図12】実施例3 …全体図
図13】実施例3 …支持手段の位置調整部
図14】実施例4 …全体図
図15】実施例4 …中継台
図16】実施例4 …支持手段の位置調整部
図17】実施例4 …位置調整部の別例1
図18】実施例4 …位置調整部の別例2
図19】実施例5 …全体図
図20】実施例5 …中継台
図21】実施例5 …支持手段の位置調整部
図22】実施例6 …ベルト結合例1(引掛ベルト、周回ベルト)
図23】実施例6 …ベルト結合例2(雌雄結合ベルト、周回ベルト)
図24】実施例6 …ベルト結合例3(固形周回ベルト)
図25】実施例6 …ワイヤーかごとの結合例4
【発明を実施するための形態】
【実施例0016】
請求範囲1に関する実施例1を図4図8に示す。図4は全体図を、図5は自転車の荷台に取付けて荷物かごを載せるための中継台を、図6は水平支持部の中継台挿入部への挿入状態を、図7図8は荷物かごを保持するための(垂直支持部41との水平支持部42から成る)支持手段4の位置調整部43とその動作を、図9は位置調整部の無い支持手段を示す。
図4では、自転車の荷台1に荷物かご2を着脱するために、板状の中継台3を荷台に載せて中継台の下面前方で丸穴31aに取付けた左右2つの差込み形連結手段21を荷台の第1枠1aに前方から差込み、下面後方で長穴31bに取付けた左右2つの差込み形連結手段21を荷台の第2枠1bに後方から差込んで、連結手段を位置調整しながら中継台と荷台を連結している。連結方法は、従来例1(図1)の平板棒形22を用いる完全固定式や従来例2(図2図3)の可動枠形23と差込み形21を用いる着脱式も可能である。図4ではこの可動枠形23も併記している。
【0017】
図4に示すように、中継台3の前後左右の縁の近くにおよそ直角関係で位置する板状の垂直支持部41と板状の水平支持部42から成る支持手段4の水平支持部を中継台の挿入部32(図5図6)に挿入し、位置調整部43(図7)によって水平支持部を中継台に押当てるようにして固定している。図5の中継台のA4-A4断面図は前後方向の挿入部の断面を示し、A2-A2断面図は左右方向の挿入部の断面を示している。図6は水平支持部を中継台の挿入部に挿入した状態を示す。
【0018】
図7は、実施例1の支持手段4の位置調整部43を示す。位置調整部は凹凸(係合)部43aaと支軸43abを持つ係合片43a、押えバネ43c、操作片43dで構成され、係合片はその支軸が中継台の縁近くに固定された保持部43bの支軸穴に差込まれてその位置が固定されている。押えバネによって係合片が押えられて、支持手段の水平支持部42の下面中央部の長さ方向に備えた(三角形)凹凸部42aと、係合片の(三角形)凹凸部43aaが噛み合って係合が保持されている。
【0019】
この状態で支持手段4に、中継台3の外方向に向かって外力を加えても、図のように係合片43aの支軸43abが外力の方向(移動方向)側に位置しているため、かつ係合している水平支持部42側の三角形凹凸部42aと係合片43a側の三角形凹凸部43aaの(移動方向の)接触面角度が垂直に近いため、係合時に中継台の外方向に向かって支持手段は動くことができない。
【0020】
逆に内方向に向かう外力に対しては、係合片43aの支軸43abが移動方向と反対側に位置しているため、かつ係合している水平支持部42側の三角形凹凸部42aと係合片43a側の三角形凹凸部43aaの移動方向の接触面角度が傾斜しているため、係合片が押えバネ43cの圧力に抗して回転方向に動くことができて、係合と離脱の動作を繰返しながら支持手段4は内方向に向かって移動できる。つまり手で支持手段を押込むことによって移動させることができるものである。
【0021】
図8は、位置調整部43の手動による動作を示す。図8のa)は押えバネ43cで係合片43aが押えられて支持手段4の水平支持部42下面の凹凸部42aと係合片の凹凸部43aaが噛み合っている係合保持状態を示し、図8のb)は係合片に取付けられた操作片43dを手で下方向に引くことによって係合片を押えバネの圧力に抗して回転方向に移動させ、水平支持部下面と係合片の凹凸部の噛み合いが離されている離脱状態を示している。この(操作片を下の方に引いたままの)離脱状態で、支持手段を中継台3の外方向または内方向へ動かすことができ、支持手段の位置調整ができるようになる。
【0022】
図9に別例として、位置調整部43の無い支持手段4を示す。図7と同一の垂直支持部41と凹凸部の無い水平支持部42で構成され、水平支持部の2つの雌ネジ穴42cと中継台3の2つの丸穴31d(図5)を通してネジ42dで結合して固定している。
【0023】
図7図9に示すように水平支持部の支軸42bに、垂直支持部のU字形結合部41aを嵌め合うようにして垂直支持部が水平支持部に結合されている。支軸との嵌め合いが外れないようにU字形部分にネジ、ナット41bが装着されている。
また垂直支持部の上部が、荷物かご2の種々ある傾きの側面を強く押えることができる垂直支持部の傾きになるように垂直支持部の板の端面が傾き角度41cを有して、それを水平支持部の面に押し当てるようにしている。
【0024】
また、垂直支持部上部の内側面、荷物かごに押し当てられる面に摩擦の大きい材質のゴムなどを取付けることによって、荷物かごの固定をさらに強固にすることができる。実施例2~5も同様である。
また水平支持部の支軸を軸にして垂直支持部を内側に折りたたむことができるため、高さ寸法を小さくできるので片付け時や送達時に便利である。実施例2も同様である。
【0025】
図4において、後方の連結手段として差込み形連結手段21が中継台3の長穴31bに取付けられている。万一、取付ネジが緩んだとしても、差込み形連結手段の前側のネジを長ネジ21aにしておけば、荷台1の第2枠1bがその長ネジに阻まれて中継台の外れを防止できる。実施例2~5も同様である。
【0026】
以上のように、荷物かご2を前後左右の四方の垂直支持部41に囲まれた位置である中継台3の上面に置いてから、荷物かごの寸法に合わせて支持手段4を位置調整し、荷物かごの前後左右側面に垂直支持部を押し当てるようにして荷物かごを安定にしている。
【実施例0027】
請求範囲1に関する実施例2を図4~6、図10~11に示す。図4~6については、実施例1と同一内容であるため説明を省略する。
【0028】
図10に実施例2の支持手段4Aの位置調整部43Aを、図11に位置調整部の動作を示す。位置調整部は弾性を持つ停止用バネ43Aa、保持部43Ab、停止用雄ネジ43Acで構成され、停止用バネはその両端が中継台の縁近くに固定された保持部43Abの差込み部に差込まれてその位置が可動的に保持されている。図11に示すように停止用雄ネジを締めて停止用バネを上方に持ち上げ、支持手段の水平支持部42Aの下面が強く押えられて摩擦を生じることによって、水平支持部は動きを止められて固定状態に保持される。
停止用雄ネジを緩めると、弾性によって停止用バネが下がって水平支持部42Aの下面から離れ、水平支持部は可動状態になる。このように停止用雄ネジの締緩操作によって水平支持部つまり支持手段4Aの位置調整ができる。
【0029】
図10図11に示すように水平支持部の支軸42Abに、垂直支持部のU字形結合部41Aaを嵌め合うようにして垂直支持部41Aが水平支持部42Aに結合され、支軸との嵌め合いが外れないようにU字形部分にネジ、ナット41Abが装着されている。実施例1と同様である。
また垂直支持部の上部が、荷物かご2の種々ある傾きの側面を強く押えることができる垂直支持部の傾きになるように垂直支持部の板に傾き止め部41Acを備えて、それを水平支持部の板の端部に押し当てるようにしている。
【実施例0030】
請求範囲1に関する実施例3を図12図13に示す。
図12は、実施例3の全体図と共に、中継台3B、支持手段4B(垂直支持部41Bと水平支持部42B)、位置調整部43Bの組図を示している。中継台は、丸鋼線の左右枠3Baと前後枠3Bbをメッシュ状に組んで、自転車荷台に連結するための連結手段21用の取付板3Bcを前後左右に取付け、さら丸鋼線の支持手段の水平支持部(丸鋼スライド棒)42Bを挿入するための中空円筒状の保持片43Baを前後左右に取付けて中継台を構成している。これらの部品は溶接で取付けられている。
連結手段は、従来例1の平板棒形22を用いる完全固定式や従来例2(図2図3)の可動枠形23と差込み形21を用いる着脱式も可能である。
【0031】
図13は、実施例3の支持手段4Bの位置調整部43Bを示す。支持手段の垂直支持部41Bは中継台3B側に折りたためるように水平支持部42Bに巻込み部41Baで連結されている。また、垂直支持部は外側に倒れないように傾き止め部41Bcを設けている。
中継台3Bの前後左右の縁の近くで外向きに取付けた中空円筒状の保持片43Baに、支持手段4Bの水平支持部(丸鋼スライド棒)42Bを挿入し、保持片の先端側の弾性を有する中空円筒の下方開口部を停止用雄ネジ43Bbによって締付けて、円筒の内径を狭め、水平支持部のスライド棒を強く掴むようにして水平支持部(支持手段)を固定、保持している。
停止用雄ネジを緩めると、保持片の先端側の弾性を有する中空円筒の下方開口部が開いて水平支持部(支持手段)は可動状態になる。このように停止用雄ネジの締緩操作によって水平支持部(支持手段)の位置調整ができる。
また実施例3で、下方開口部を備える保持片43Baと締付け用の停止用雄ネジ43Bbは、1つの方向の水平支持部のスライド棒4本の内で水平支持部を固定するのに少なくとも必要な個所、例えば外側の2本に備え、内側の2本は締付けせずにスライド棒を通すだけの中空の保持片43Bcでもよい。
【実施例0032】
請求範囲1に関する実施例4を図14図16に示す。図14は全体図、図15は中継台3C、図16は支持手段4Cと位置調整部(位置決め保持具)43Cを示す。中継台の荷台への取付方法は実施例1、2、3と同様である。
図14に示すように、中継台の前後左右のそれぞれの方向で複数個所において、丸鋼線で構成される支持手段の水平支持部(丸鋼スライド棒)42Cが位置決め保持具43C(図16)の中空孔を通して中継台3C(図15)内に設けられた挿入孔部32Cに挿入されている。支持手段は、丸鋼線の水平支持部42Cと垂直支持部41Cがほぼ直角に曲げられた一体型である。
【0033】
位置調整部としての位置決め保持具43Cは、中継台3C(図15)内のそれぞれの挿入孔部32Cの入口と中継台端部の間にある固定孔部33Cに取付け固定されて、水平支持部(丸鋼スライド棒)42Cを挿入した後、荷物かご寸法に合わせて支持手段4Cを位置決め保持するものである。中継台内の挿入孔部は、前後方向と左右方向に延びる中空円状の長孔で、前後左右にそれぞれ複数備えられている。
【0034】
位置決め保持具43Cは、止め部43Cacを持つ中空雄ネジ43Caと固定用の雌ネジ(ナット)43Cb及び位置決め雌ネジ43Ccで構成されている。図16のように中空雄ネジ43Caは、その後部(中継台端部と反対側)雄ネジ部43Caaを中継台の固定孔部33Cに通した後、雌ネジ(ナット)43Cbによって止め部43Cacとの間に固定孔部33Cを挟んで締付け固定されている。
さらに中空の後部雄ネジ部43Caaと反対側(中継台端部側)の前部雄ネジ部43Cabには位置決め雌ネジ43Ccが緩めに締められ、水平支持部(丸鋼スライド棒)42Cを挿入した後、その位置決め雌ネジを締め付けることによって、挿入方向の空隙43Caeで複数に分割された前部雄ネジ部43Cabと押付け部43Cadの内径が縮小して、水平支持部(丸鋼スライド棒)の表面を押付けて水平支持部を固定、保持することができる。この押付け部43Cadの押付け力は、位置決め雌ネジ43Ccの前部の中空内壁面43Ccdの形状で調整することができる。
位置決め雌ネジ43Ccを緩めると、中空雄ネジ43Caの押付け部43Cadの内径が元に戻り、水平支持部(丸鋼スライド棒)42Cから離れて水平支持部つまり支持手段4Cは可動状態になる。このように位置決め雌ネジ43Ccの締緩操作によって支持手段の位置調整ができる。
【0035】
実施例4の別例1として、位置決め保持具43Eを図17に示す。この位置決め保持具43Eは、止め部43Eacを持つ中空雄ネジ43Eaと固定用の雌ネジ(ナット)43Eb及び押付け用伸縮スリーブ43Edと位置決め雌ネジ43Ecで構成されている。(実施例4の図16と同様に)中空雄ネジ43Eaは、その後部雄ネジ部43Eaaを中継台の固定孔部33Cに通した後、雌ネジ(ナット)43Ebによって止め部43Eacとの間に固定孔部33Cを挟んで締付け固定されている。
さらに中空の後部雄ネジ部43Eaaと反対側(中継台端部側)の前部雄ネジ部43Eabには押付け用伸縮スリーブ43Edが挿入された位置決め雌ネジ43Ecが緩めに締められ、水平支持部(丸鋼スライド棒)42Cを挿入した後、その位置決め雌ネジを締め付けることによって、押付け用伸縮スリーブ43Edが、水平支持部(丸鋼スライド棒)の表面を押付けて水平支持部を固定、保持することができる。図17の最下部に示すように、押付け用伸縮スリーブ43Edはスリーブのそれぞれの端で交互に連続して繋がっているため、スリーブが均一的に中心線に向かって伸縮し易くなっている。つまり内径及び外径が縮小するため、水平支持部(丸鋼スライド棒)の表面を押付けることができる。この押付け用伸縮スリーブ43Edの押付け力は、位置決め雌ネジ43Ecの前部の中空内壁面43Ecdの形状で調整することができる。
位置決め雌ネジ43Ecを緩めると、位置決め雌ネジ43Ec内の押付け用伸縮スリーブ43Edが水平支持部(丸鋼スライド棒)42Cから離れて水平支持部つまり支持手段4Cは可動状態になる。このように位置決め雌ネジ43Ecの締緩操作によって支持手段の位置調整ができる。
【0036】
実施例4の別例2として、位置決め保持具43Fを図18に示す。この位置決め保持具43Fは、止め部43Facを持つレバー形保持部43Faと固定用の雌ネジ(ナット)43Fbで構成されている。レバー形保持部43Faは、(実施例4の図16図17と同様に)その後部雄ネジ部43Faaを中継台の固定孔部33Cに通した後、雌ネジ(ナット)43Fbによって止め部43Facとの間に固定孔部33Cを挟んで締付け固定されている。
さらに中空の後部雄ネジ部43Faaと反対側(中継台端部側)のレバー形保持部43Fa(の中空部)に水平支持部(丸鋼スライド棒)42Cを挿入した後、操作レバー43Fadを保持側に倒すことによって押付け部43Fabaが水平支持部(丸鋼スライド棒)の表面を押付けて水平支持部を固定、保持することができる。
操作レバー43Fadを可動側に倒すと、押付け部43Fabaが水平支持部(丸鋼スライド棒)42Cから離れて水平支持部つまり支持手段4Cは可動状態になる。このようにレバー形保持部43Faのレバー操作によって支持手段の位置調整ができる。
【0037】
以上の実施例2、3、4、別例1、2、実施例5において、水平支持部を押付けによる摩擦力で保持するための各部の接触面を粗仕上げ処理や傷加工処理をすることによって、より強固に水平支持部を保持することができる。
【実施例0038】
請求範囲1に関する実施例5を図19図21に示す。図19は全体図、図20は中継台3D、図21は支持手段4Dとその位置調整部43Dを示す。荷台への取付方法は実施例1、2、3、4と同様である。
図19に示すように、中継台3Dの前後左右のそれぞれの方向で複数個所において、丸鋼線で構成される支持手段4Dの水平支持部(丸鋼スライド棒)4
2Dが中継台(図20)端部から内部に向かって設けられた挿入孔部32Dに挿入されている。支持手段4Dは、丸鋼線の水平支持部42Dと垂直支持部41Dがほぼ直角に曲げられた一体型である。
【0039】
図21に示すように、位置調整部43Dは停止用雄ネジ43Daと平板の雌ネジ片43Dbで構成されている。中継台の端部に近い位置で平板の雌ネジ片が保持部33Dに保持され、停止用雄ネジ43Daが通されてその先端が水平支持部(丸鋼スライド棒)42Dを直角方向から締付け、押付けて水平支持部を固定、保持することができる。
停止用雄ネジを緩めると、その先端が水平支持部(丸鋼スライド棒)から離れて水平支持部つまり支持手段4Dは可動状態になる。このように停止用雌ネジの締緩操作によって支持手段の位置調整ができる。
【実施例0040】
請求項2の実施例6として、図22にベルト結合例1を示す。先端が引掛け部52a(または52b)付きのベルト52を長さ調整して前後左右の支持手段4の垂直支持部41の長穴41dに上方に向けて取付け、荷物かご2の前後左右の側面穴2a(または上端2b)に引掛けて荷物かごを締付け固定している。
【0041】
また、図23にベルト結合例2を示す。先端が雄形コネクター51a付きベルト51と雌形コネクター51b付きベルト51を長さ調整して、雌雄それぞれのベルトを前後および左右支持手段4の垂直支持部41の長穴41dに上方に向けて取付け、前後のベルトどうし、左右のベルトどうしを荷物かご2の上側や横側で雌雄結合して荷物かごを締付け固定している。
【0042】
また、図22図23には荷物かご側面を囲む周回ベルトの例も示す。両先端がそれぞれ雄形コネクター51a付きと雌形コネクター51b付きで、かつ長さ調節部51c付きのベルト51(図22はベルト1本、図23はベルト複数本)が前後左右の支持手段4の垂直支持部41の縦の長穴41dを横方向に中継、通過して荷物かご側面を囲むように配置され、ベルトの長さを調整してそれぞれの先端の雄形コネクター51aと雌形コネクター51bを結合して、荷物かご2を締付け固定している。
先端が引掛け部52a付きベルト52の場合は、先端の引掛け部を支持手段の垂直支持部の縦の長穴に引掛けて結合し、荷物かごを締付け固定できる。
【0043】
請求項2の実施例6として、図24に示すように前後左右の垂直支持部41の左右両縁を折り曲げた部分の縦の長穴41eに複数の(樹脂製または金属製の)固形ベルト53が通されて荷物かご側面を囲むように配置されている。
荷物かごの側面を囲むことができるように長穴53aと長穴53bを有する1種類のベルト53を4本使って、荷物かごの前後の位置では2つのベルトの長穴53aどうしが、左右の位置では2つのベルトの長穴53bどうしが重なっており、その重なり部分で荷物かごの寸法に合わてベルトの長さ(位置)を調整して、ネジナット53dで結合して荷物かごを締付け固定している。
【0044】
また請求項2の実施例6として、図25にワイヤー製荷物かご2Aを中継台3Cに載せて保持する例を示す。丸鋼線で構成される支持手段4Cの垂直支持部41Cの横枠41Caと、それと間近のあるワイヤー製荷物かごの横枠2Abとを連結具54aで連結して荷物かごを保持するものである。図には連結具の別例として連結具b(54b)や連結具c(54c)を示すが、寸法の合う市販の連結具も使用できる。連結具の差込み口は弾性を有しており、それぞれの横枠41Ca、2Abをその弾性力に抗して差込んだ後は、横枠が抜け難いか抜けないようになっている(図25)。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、自転車用荷台搭載物や一般かごを製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0046】
1 荷台
1a 第1枠部
1b 第2枠部
1c 外枠
1d 内枠
2 荷物かご(荷台搭載物)
2a 側面穴
2b 上端(上縁)
21 連結手段(差込み形)
21a ネジ(長ネジ)
22 連結手段(平板棒形)
23 連結手段(可動枠形)
23a 可動枠
23b 引掛け部
23c バネ
23d 取付板
3 中継台
31a 丸穴(差込み形連結手段取付用の穴)
31b 長穴(差込み形連結手段取付用の穴)
31c 長穴(平板棒連結用の穴)
31d 丸穴(位置調整部無の支持手段取付け用)
32 挿入部
4 支持手段
41 垂直支持部
41a U字形部
41b ネジナット(ピン)(外れ防止用)
41c 傾き角度(傾き止め部)
41d ベルト用長穴
41e ベルト用長穴(固形ベルト用)
42 水平支持部
42a 凹凸部(水平支持部下面)
42b 支軸
42c 雌ネジ穴
42d ネジ
43 位置調整部
43a 係合片(凹凸係合片)
43aa 凹凸(係合)部
43ab 支軸
43b 保持部(係合片支軸の保持用)
43c 押えバネ
43d 操作片
4A 支持手段
41A 垂直支持部
41Aa U字形部
41Ab ネジナット(ピン)(外れ防止用)
41Ac 傾き支持面(傾き止め部)
42A 水平支持部
42Ab 支軸
43A 位置調整部
43Aa 停止用バネ
43Ab 保持部
43Ac 停止用雄ネジ
3B (丸鋼形)中継台
3Ba 左右枠
3Bb 前後枠
3Bc (連結手段)取付板
4B 支持手段
41B 垂直支持部
41Ba 巻込み部
41Bc 傾き止め部
42B 水平支持部(丸鋼スライド棒)
43B 位置調整部
43Ba 保持片(締付け用の下方開口部を持つ中空円筒の保持片)
43Bb 停止用雄ネジ
43Bc 保持片(締付け部のない中空円筒の保持片)
3C 中継台
32C 挿入孔部
33C 固定孔部
4C 支持手段
41C 垂直支持部
41Ca 垂直支持部の横枠
42C 水平支持部(丸鋼スライド棒)
43C 位置決め保持具(位置調整部)
43Ca 中空雄ネジ
43Caa 後部雄ネジ部
43Cab 前部雄ネジ部
43Cac 止め部
43cad 押付け部(前部雄ネジ部43Cabの前方の)
43Cae 空隙(前部雄ネジ部の一部とその前方の押付け部の)
43Cb 雌ネジ(ナット)
43Cc 位置決め雌ネジ
43Ccd 中空内壁面(位置決め雌ネジの前部の)
43E 位置決め保持具(位置調整部)
43Ea 中空雄ネジ
43Eaa 後部雄ネジ部
43Eab 前部雄ネジ部
43Eac 止め部
43Eb 雌ネジ(ナット)
43Ec 位置決め雌ネジ
43Ecd 中空内壁面(位置決め雌ネジの前部の)
43Ed 押付け用伸縮スリーブ
43F 位置決め保持具(位置調整部)
43Fa レバー形保持部
43Faa 後部雄ネジ部
43Fab バー固定部
43Faba押付け部
43Fac 止め部
43Fad 操作レバー
43Fb 雌ネジ(ナット)
3D 中継台
32D 挿入孔部
33D 保持部
4D 支持手段
41D 垂直支持部
42D 水平支持部(丸鋼スライド棒)
43D 位置調整部
43Da 停止用雄ネジ
43Db (平板)雌ネジ片
5 ベルト
51 ベルト(雌雄結合形コネクター(結合手段)付)
51a 雄形コネクター
51b 雌形コネクター
51c 長さ調節部
52 ベルト(引掛け部(結合手段)付)
52a 引掛け部
52b 引掛け部(上縁引掛け用)
52c 長さ調節部
53 (固形)ベルト
53a 長穴(前後の位置での、長さ調整用)
53b 長穴(左右の位置での、長さ調整用)
53d ネジ、ナット(結合手段)
54a 連結具a(ワイヤーかごとの連結用)
54b 連結具b(ワイヤーかごとの連結用)
54c 連結具c(ワイヤーかごとの連結用)
2A ワイヤーかご
2Aa 縦枠(ワイヤーかごの)
2Ab 横枠(ワイヤーかごの)
図1
図2
図3
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図23
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