(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099478
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】レーザ光学破壊を使用した高周波通信
(51)【国際特許分類】
H04B 1/04 20060101AFI20240718BHJP
F41H 13/00 20060101ALN20240718BHJP
【FI】
H04B1/04 Z
F41H13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023213220
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】18/067,516
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハウ, ウェイン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ハント, ジェフリー エイチ.
【テーマコード(参考)】
5K060
【Fターム(参考)】
5K060CC04
5K060EE05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】データを送信するための方法、装置及びシステムを提供する。
【解決手段】コンピュータシステム210及びコンピュータシステム内に通信マネージャ212を備える通信環境202内の高周波通信システム200であって、通信マネージャは、高周波雑音信号又は他の電磁スペクトルを使用して、送信のためのデータを識別し、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学破壊222を引き起こすために、光学破壊点230の集合へのレーザ光線220の放射を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波通信システム(200)であって、
コンピュータシステム(210、910)と、
前記コンピュータシステム(210、910)内の通信マネージャ(212、912)であって、
高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を使用した送信のためのデータ(203、902、1108)を識別すること、及び
前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、光学破壊点(222)の集合へのレーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御すること
を行うよう構成された通信マネージャ(212、912)と、
を備えた、高周波通信システム(200)。
【請求項2】
前記通信マネージャ(212、912)と通信するレーザ生成システム(218、300、420、520、620、720、1000)であって、前記通信マネージャ(212、912)が、前記レーザ光線(220、1004)の集合を放射するよう前記レーザ生成システム(218、300、420、520、620、720、1000)を制御する、レーザ生成システム(218、300、420、520、620、720、1000)をさらに含む、請求項1に記載の高周波通信システム(200)。
【請求項3】
前記レーザ光線(220、1004)の集合の前記放射を制御する際に、前記通信マネージャ(212、912)が、
前記光学破壊点(222)の集合に、第1の数の前記レーザ光線(220、1004)の集合を連続的に放射することと、
前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する前記光学破壊(224、1005)を引き起こすために、前記光学破壊点(222)の集合への第2の数の前記レーザ光線(220、1004)の集合をパルス状にすることと、
を行うよう構成される、請求項1に記載の高周波通信システム(200)。
【請求項4】
前記レーザ光線(220、1004)の集合の前記放射を制御する際に、前記通信マネージャ(212、912)が、前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こす前記光学破壊点(222)の集合に、前記レーザ光線(220、1004)の集合を放射するよう構成される、請求項1に記載の高周波通信システム(200)。
【請求項5】
前記レーザ光線(220、1004)の集合の前記放射を制御する際に、前記通信マネージャ(212、912)が、
前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する前記光学破壊(224、1005)を引き起こすために、前記光学破壊点(222)の集合に前記レーザ光線(220、1004)の集合の部分集合を放射することと、
前記レーザ光線(220、1004)の集合の前記部分集合として、前記レーザ光線(220、1004)の集合の新しい部分集合を選択することと、
前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を送信しながら、前記レーザ光線(220、1004)の前記部分集合を放射すること、及び前記レーザ光線(220、1004)の集合の前記新しい部分集合を選択することを繰り返すことと、
を行うよう構成される、請求項1に記載の高周波通信システム(200)。
【請求項6】
前記レーザ光線(220、1004)の集合の前記放射を制御する際に、前記通信マネージャ(212、912)が、
様々な位置から光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)に前記レーザ光線(220、1004)の集合を放射するよう構成され、前記レーザ光線(220、1004)の集合の一部分は、当該レーザ光線(220、1004)の集合の前記一部分からのパワー(227)が、前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する前記光学破壊(224、1005)を、前記光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)において引き起こすのに十分であるように、前記光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)で交わる、請求項1に記載の高周波通信システム(200)。
【請求項7】
前記レーザ光線(220、1004)の集合の前記放射を制御する際に、前記通信マネージャ(212、912)が、光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)に前記レーザ光線(220、1004)の集合を放射するよう構成され、前記光学破壊(224、1005)は、前記レーザ光線(220、1004)の集合の全てが前記光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)において交わったのに応じて起こる、請求項1に記載の高周波通信システム(200)。
【請求項8】
光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)におけるレーザ光線(118、134、144、228、302)のパワー(227)が、シャッタ(503、613、617、703)、レンズ(511、715)、変形可能なレンズ、微小電気機械システムの鏡、減衰器、制御オプティックス、光学フィルタ、又はレーザ光線生成器内の振幅変調器の少なくとも1つによって制御される、請求項1に記載の高周波通信システム(200)。
【請求項9】
前記通信マネージャ(212、912)が、前記データ(203、902、1108)を前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)にエンコードするための、前記レーザ光線(220、1004)の集合のためのレーザ光線パラメータ(240)の集合を変更するよう構成され、前記レーザ光線パラメータ(240)の集合を変更することで、前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)の高周波特性(242)の集合が変更される、請求項1に記載の高周波通信システム(200)。
【請求項10】
前記光学破壊点(222)の集合が、交点(223、410、510、610、710)又は焦点(225、306)の少なくとも一方から選択される、請求項1に記載の高周波通信システム(200)。
【請求項11】
データ(203、902、1108)を送信する方法であって、
送信のための前記データ(203、902、1108)を識別すること(1600)と、
前記データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御すること(1602)と、
を含む、方法。
【請求項12】
前記レーザ光線(220、1004)の集合の前記放射を制御すること(1602)が、
前記レーザ光線(220、1004)の集合内のレーザ光線(118、134、144、228、302)のパワー(227)を、焦点(225、306)において光学破壊レベルに達して、前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすよう制御すること(1700)を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザ光線(220、1004)の集合の前記放射を制御すること(1602)が、
交点(223、410、510、610、710)における前記レーザ光線(220、1004)の集合のパワー(227)によって、前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する前記光学破壊(224、1005)が引き起こされるように前記交点(223、410、510、610、710)で交わるよう、前記レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御すること(1900)を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
データ(203、902、1108)を送信する方法であって、
高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を使用した送信のための前記データ(203、902、1108)を識別すること(2000)と、
前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、光学破壊点(222)の集合へのレーザ光線(220、1004)の放射を制御すること(2002)と、
を含む、方法。
【請求項15】
前記レーザ光線(220、1004)の前記放射を制御すること(2002)が、
前記光学破壊点(222)の集合に、第1の集合の前記レーザ光線(220、1004)を連続的に放射すること(2100)と、
前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する前記光学破壊(224、1005)を引き起こすために、前記光学破壊点(222)の集合への前記レーザ光線(220、1004)の第2の集合をパルス状にすること(2102)と、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記レーザ光線(220、1004)の前記放射を制御すること(2002)が、
前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する前記光学破壊(224、1005)を引き起こす前記光学破壊点(222)の集合に、前記レーザ光線(220、1004)を放射すること(2200)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記レーザ光線(220、1004)の前記放射を制御すること(2002)が、
前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、前記光学破壊点(222)の集合に前記レーザ光線(220、1004)の部分集合を放射すること(2400)と、
前記レーザ光線(220、1004)の前記部分集合として、前記レーザ光線(220、1004)の新しい部分集合を選択すること(2402)と、
前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を送信しながら、前記レーザ光線(220、1004)の前記部分集合を放射すること、及び前記レーザ光線(220、1004)の前記新しい部分集合を選択することを繰り返すこと(2404)と、
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記レーザ光線(220、1004)の前記放射を制御すること(2002)が、
様々な位置から光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)に前記レーザ光線(220、1004)を放射すること(2500)を含み、前記レーザ光線(220、1004)の一部分は、当該レーザ光線(220、1004)の前記一部分からのパワー(227)が、前記データ(203、902、1108)をエンコードする前記高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する前記光学破壊(224、1005)を、前記光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)において引き起こすのに十分であるように、前記光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)で交わる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記レーザ光線(220、1004)の前記放射を制御すること(2002)が、
光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)に前記レーザ光線(220、1004)を放射すること(2600)を含み、前記光学破壊(224、1005)は、前記レーザ光線(220、1004)の全てが前記光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)で交わったのに応じて起こる、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)における前記レーザ光線(118、134、144、228、302)のパワー(227)が、シャッタ(503、613、617、703)、レンズ(511、715)、変形可能なレンズ、微小電気機械システムの鏡、減衰器、制御オプティックス、光学フィルタ、又はレーザ光線生成器内の振幅変調器の少なくとも1つによって制御される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、本願と同日に出願され、かつ同じ譲受人に譲渡された「Pulse Noise Modulation to Encode Data」と題する以下の米国特許出願(整理番号18/067547、弁理士整理番号20-3533-US-NP)に関し、その全体が参照により本明細書で援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して通信に関し、特に、物理的なアンテナ構造を設けずに、電磁スペクトルの範囲内の高周波信号、光信号、及び/又は他の信号を使用してデータを伝達するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
電磁スペクトルの範囲内の高周波信号、光信号、及び/又は他の信号を使用した無線通信は一般的であり、広く普及している。高周波信号は、コンピュータネットワークにおいて、例えば様々な計算装置間の通信リンクを提供するWi-Fi信号の形態により、一般的に使用されている。
【0004】
高周波信号はまた、船舶、航空機、陸上車、建造物、及び他のロケーションといった様々なクライアント間の通信のために使用されている。上記通信には、位置情報、音声メール、音声通信、及び他の種類のデータといったデータが含まれうる。例えば、他の種類のデータは、デジタル的及びアナログ的なシグナリングを含みうる。
【0005】
高周波送信を使用した通信は、物理的なアンテナを使用して促進される。高周波信号の送信又は受信はアンテナ間で行われる。物理的なアンテナの利用は、望まれているよりは便利ではなく又は信頼性が高くない可能性がある。
【0006】
加えて、高周波通信は、搬送波を変調する変調信号、メッセージ信号及び/又は情報信号によって変調された搬送波信号若しくは搬送波を使用して実現されうる。搬送波信号は、周期波、反復波形、及び/又は他の予測可能な波形を使用し、例えば、正弦波、方形波、のこぎり波、若しくは他の反復可能な搬送波を使用し、これらは様々なやり方で、メッセージ信号、変調信号、及び/又は情報信号によって変調される。
【0007】
従って、上述の問題及び他の想定される問題の少なく幾つかを考慮する方法、システム、及び装置が望ましいであろう。例えば、物理的なアンテナを使用する高周波通信の技術的問題を克服する方法及び装置を有することが望ましいであろう。さらに、周期的な及び/又は予測可能な搬送波の限界を克服するシステム、方法、及び装置を有することも望ましいであろう。
【発明の概要】
【0008】
本開示の一実施形態が、コンピュータシステム、及びコンピュータシステム内の通信マネージャを備えた高周波通信システムを提供する。通信マネージャが、高周波雑音信号を使用して送信するのためのデータを識別するよう構成される。通信マネージャが、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学破壊を引き起こすために、光学破壊点の集合へのレーザ光線の集合の放射を制御するよう構成される。
【0009】
本開示の他の実施形態が、レーザ生成システム、コンピュータシステム、及び通信マネージャを備えた高周波通信システムを提供する。レーザ生成システムが、レーザ光線の集合を放射するよう構成されている。通信マネージャが、送信のためのデータを識別するよう構成されている。通信マネージャが、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学破壊を引き起こすために、レーザ生成システムを使用してレーザ光線の集合の放射を制御するよう構成される。
【0010】
本開示のさらに別の実施形態が、データを送信する方法を提供する。データが送信のために識別される。レーザ光線の集合の放射が、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学崩壊を引き起こすよう制御される。
【0011】
本開示のさらに別の実施形態が、データを送信する方法を提供する。データが、高周波雑音信号を使用した送信のために識別される。光学破壊点の集合へのレーザ光線の放射が、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学破壊を引き起こすために制御される。
【0012】
例示的な実施形態の特性と考えられる新規の特徴は、添付の特許請求の範囲において記載されている。しかしながら、例示的な実施形態並びに好ましい使用モード、さらなる目的及びそれらの特性は、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明を読むことにより、最もよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】例示的な実施形態を実現しうる、非物理的なアンテナを使用して高周波信号を送信することが可能なプラットフォームの視覚表現である。
【
図1B】例示的な実施形態を実現しうる、宇宙空間から非物理的なアンテナを使用して高周波信号を送信することが可能なプラットフォームの視覚表現である。
【
図2】例示的な実施形態に係る、高周波通信環境のブロック図である。
【
図3】例示的な実施形態に係る、レーザ光線を使用した高周波雑音生成の図である。
【
図4】例示的な実施形態に係る、複数のレーザ光線を使用した高周波雑音生成の図である。
【
図5】例示的な実施形態に係る、複数のレーザ光線を使用した高周波雑音生成の図である。
【
図6】例示的な実施形態に係る、高周波雑音生成の制御についての図である。
【
図7】例示的な実施形態に係る、高周波雑音生成の制御についての図である。
【
図8】例示的な実施形態に係る、パルスコード雑音変調又はパルス雑音変調を使用するデータ送信の図である。
【
図9】例示的な実施形態に係る、高周波通信システムのブロック図である。
【
図10】例示的な実施形態に係る、送信機のブロック図である。
【
図11】例示的な実施形態に係る、高周波送信機のブロック図である。
【
図12】例示的な実施形態に係る、受信機のブロック図である。
【
図13】例示的な実施形態に係る、電磁雑音信号を送信及び受信するための通信システムの図である。
【
図14】例示的な実施形態に係る、電磁雑音信号を送信及び受信するための通信システムのブロック図である。
【
図15A】例示的な実施形態に係る、変調された雑音信号を使用してデータを送信する、信号のデータフロー図である。
【
図15B】例示的な実施形態に係る、ローパスフィルタを含むダイオード検出器を使用したエンベロープフォロワ回路の図である。
【
図15C】例示的な実施形態に係る、クリッパ回路の図である。
【
図16】例示的な実施形態に係る、データを送信するためのプロセスのフロー図である。
【
図17】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射の制御についての関連するフロー図である。
【
図18】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射の制御についての関連するフロー図である。
【
図19】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射の制御についての関連するフロー図である。
【
図20】例示的な実施形態に係る、データを送信するためのプロセスのフロー図である。
【
図21】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射の制御についての関連するフロー図である。
【
図22】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射の制御についての関連するフロー図である。
【
図23】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射の制御についての関連するフロー図である。
【
図24】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射の制御についての関連するフロー図である。
【
図25】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射の制御についての関連するフロー図である。
【
図26】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射の制御についての関連するフロー図である。
【
図27】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するためのフロー図である。
【
図28】例示的な実施形態に係る、データを通信するためのプロセスのフロー図である。
【
図29】例示的な実施形態に係る、電磁雑音信号のパルスを送信するためのフロー図である。
【
図30】例示的な実施形態に係る、電磁雑音信号のパルスを送信するための他のフロー図である。
【
図31】例示的な実施形態に係る、データを通信するためのフロー図である。
【
図32】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の集合の放射を制御するためのプロセスのフロー図である。
【
図33】例示的な実施形態に係る、レーザ光線の集合の放射を制御するためのプロセスのフロー図である。
【
図34】例示的な実施形態に係る、データを通信するためのフロー図である。
【
図35】例示的な実施形態に係る、データを復号するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な実施形態は、本明細書に記載の1つ以上の様々な懸念事項を認識し考慮する。例えば、高周波信号を送信するために現在使用される物理的なアンテナは、様々な要因から損傷を受けやすく又は破壊されやすい。例えば、ハリケーン又は竜巻といった悪天候の状況によって、陸上ベースの通信のための送電塔といったアンテナが損傷を受け又は破壊される可能性がある。他の例として、上記の物理的なアンテナは、キネティック攻撃(kinetic attack)からも損傷を受けやすく又は破壊されやすい。
【0015】
従って、例示的な実施形態は、送電塔及び物理的なアンテナ構造といったハードウェアを設けずに高周波信号を送信するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。1つ以上の例示的な実施例において、悪い環境条件及びキネティック攻撃に耐えうる非物理的な高周波アンテナを提供する。さらに、この非物理的な高周波アンテナは、検出するのがより困難でありうる。
【0016】
上記の送信機は、攻撃又は望まれぬ環境条件に晒される飛行機、輸送機関、設備、建造物、又は他のロケーションから離れて配置されうる。
【0017】
例示的な実施例において、高周波送信信号が、当該高周波送信信号を生成する光学破壊を誘発し又は引き起こすレーザ光線を使用して送信される。例示的な本実施例では、光学破壊によって、高周波信号を生成するプラズマが発生する。この光学破壊点が、高周波信号の送信の起点である。
【0018】
ここで図を参照し、特に
図1Aを参照すると、例示的な実施形態を実現しうる、非物理的なアンテナを使用して高周波信号を送信することが可能なプラットフォームの視覚表現が示されている。図示されるように、高周波信号が、本図に示される様々なプラットフォームから送信されうる。
【0019】
図示されるように、地上局102が、物理的なアンテナを使用せずに高周波信号104を送信可能である。同じように、地上局106も、物理的なアンテナを使用せずに高周波信号108を送信することが可能である。
【0020】
本例では、レーザ光線が、上記の地上局によって、高周波信号を送信するために使用される例えば、地上局102は、光学破壊点114で光学破壊112を引き起こすように、レーザ光線110を放射する。高周波信号104が光学破壊点114で生成されて、当該光学破壊点114から送信される。
【0021】
本例では、地上局106が、光学破壊122を引き起こす光学破壊点120に、レーザ光線116及びレーザ光線118を放射する。本例では、2つのレーザ光線が、光学破壊122を引き起こすために使用され、当該光学破壊122の結果、高周波信号108の送信がもたらされる。
【0022】
この種の送信は、列車130といった他のプラットフォームから使用されうる。本例では、列車130が、当該列車130上の様々な位置から、光学破壊点136にレーザ光線132及びレーザ光線134を放射する。光学破壊点136で上記2つのレーザ光線が交わることで、光学破壊138が引き起こされる。結果として、高周波信号142が、光学破壊点136での光学破壊138に応じて送信される。
【0023】
他の例として、飛行機140が、レーザ光線144を使用して高周波信号142を送信する。図示されるように、レーザ光線144は、飛行機140から光学破壊点146に放射される。光学破壊148が光学破壊点146で起こり、その結果、高周波信号142の送信がもたらされる。
【0024】
ここで
図1Bを参照すると、例示的な実施形態を実現しうる、非物理的なアンテナを使用して高周波信号を送信することが可能なプラットフォームの視覚表現が示されている。他の例として、
図1Bでは、衛星160が、宇宙空間から地球190の上空の大気圏180内にレーザ164を放射する間、衛星162が、宇宙空間から大気圏180内にレーザ166を放射し、これにより、レーザ164とレーザ166とが、光学破壊170を引き起こす光学破壊点168で交わり、その結果、高周波信号172が光学破壊点168から生じて、当該光学破壊点168から発される。
【0025】
図示されるように、上記の高周波信号は、信号を送信するための物理的なアンテナを使用せずに生成される。さらに、上記の高周波信号は、プラットフォームから離れた位置で送信される。結果として、高周波信号を送信するためのアンテナが見えないため、上記の高周波信号を生成するプラットフォームを特定することがより困難となりうる。さらに、同実施例では、高周波信号が生成されたところの位置を追跡したとしても、プラットフォーム又はプラットフォームの位置も、通信システム、コンピュータシステム、通信マネージャ、又はレーザ発信点の位置も特定されない。
【0026】
上記の光学破壊の位置は、レーザ光線を放射するプラットフォームから離れた位置に存在しうる高周波源エミッタと見做される。結果として、物理的なアンテナが無いことで、プラットフォームの位置を特定することがより困難になる。
【0027】
高周波通信環境100内の様々なプラットフォームの図は、この種の高周波信号送信を実現しうるプラットフォームの例として提供されているにすぎない。例示的な他の実施例において、上記のプラットフォームに加えて又は当該プラットフォームの代わりに、他のプラットフォームを使用することが可能である。例えば、この種の高周波生成は、例示的な他の実施例では、水上艦、戦車、又は何らかの他の適切な種類のプラットフォームにおいて実現されうる。
【0028】
ここで
図2を参照すると、例示的な実施形態に係る、高周波通信環境のブロック図が示されている。例示的な本実施例では、通信環境202内の高周波通信システム200が、高周波雑音信号206の形態による高周波信号204を使用することで、データ203を伝達することが可能である。
【0029】
データ203は、幾つかの異なる形態を取りうる。例えば、データ203は、ドキュメント、スプレッドシート、センサデータ、画像、映像、及び電子メールのメッセージ、テキストメッセージ、ウェブページ、テーブル、データ構造、シリアルデータ、コマンド、又は送信又は伝達される他の種類のデータでありうる。データはまた、アナログデータ又はデジタルデータでありうる。アナログデータ及びデジタルデータは、例えば、音楽及び音声を含みうる。
【0030】
例示的な一実施例において、雑音信号とは、不規則な変動を含む信号であり、上記の不規則な変動は、偶発的であり、予測不可能であり、若しくは非決定論的である、のうちの少なくとも1つであり、又は偶発的に、予測不可能に、若しくは非決定論的に、のうちの少なくとも1つの形態により出現する。
【0031】
さらに、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1つ以上の、様々な組み合わせが利用されてよく、かつ列挙された各アイテムのうち1つのみが必要とされうることを意味している。換言すれば、「~のうちの少なくとも1つ」は、アイテムの任意の組み合わせ、及び任意の数のアイテムが、列挙された中から使用されうるが、列挙されたアイテムの全てが必要なわけではないということを意味している。アイテムとは、特定の物体、事物又はカテゴリでありうる。
【0032】
例えば、限定するものではないが、「アイテムA、アイテムB、又はアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、または「アイテムC」を含んでよい。本例はまた、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含むことができる。当然のことながら、これらのアイテムのいかなる組み合わせも存在しうる。幾つかの例示的な実施例において、「~のうちの少なくとも1つ」は、限定するものではないが、例えば、「2つのアイテムAと1つのアイテムBと10個のアイテムC」、「4つのアイテムBと7つのアイテムC」、又は他の適切な組み合わせでありうる。
【0033】
雑音信号は、統計的にランダムな信号でありうる。例えば、同実施例における雑音信号は、統計的なランダム性についての1つ以上の標準検査を満たす信号でありうる。自身の周期の後に繰り返すパルスの決定論的な連なりから構成されているが、いかなる明確なパターンも欠くように見える疑似ランダムな雑音信号は、統計的にランダムでありかつデータをエンコードするために使用可能な雑音信号と見做される信号の一例である。
【0034】
本例では、高周波雑音信号206は、約20kHzからテラヘルツ範囲を上回る周波数を有しうる電磁雑音信号である。高周波雑音信号は、極低周波(ELF)、高周波(HF)、及び他の種類の周波数といった周波数の信号を含みうる。上記雑音信号はまた、マイクロ波雑音信号、及びテラヘルツ雑音信号も含みうる。電磁雑音信号はまた、可視範囲内の光学的雑音、赤外線、紫外線、X線における光学的雑音、及び変調された雑音として使用可能な他の種類の雑音信号でありうる。例えば、光学破壊において使用されるレーザも、雑音の広帯域高周波に加えた様々な範囲の雑音光として送信することができる。パルス雑音変調といった様々な技術を用いた雑音光の変調が、本開示には含まれる。
【0035】
例示的な本実施例では、高周波通信システム200は、プラットフォーム208と関連付けられている。プラットフォーム208は、高周波通信システム200を使用して高周波雑音信号206送信することが可能な物体である。
【0036】
プラットフォーム208は、幾つかの異なる形態を取りうる。例えば、プラットフォーム208は、移動プラットフォーム、定常型プラットフォーム、陸上構造物、水上構造物、及び宇宙構造物のうちの1つでありうる。より具体的には、プラットフォームは、水上艦、戦車、人員運搬機、列車、飛行機、民間航空機、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、潜水艦、自動車、地上局、発電所、橋、ダム、家屋、製造施設、建造物、及び他の適切なプラットフォームでありうる。
【0037】
例示的な本実施例では、高周波通信システム200が、コンピュータシステム210及び通信マネージャ212を含む。本例では、通信マネージャ212はコンピュータシステム210内に位置している。
【0038】
本明細書では、アイテムを参照して使用されるときの「幾つかの(a number of)」は、1つ以上のアイテムを意味する。例えば、「幾つかの様々な形態(a number of different forms)」は、1つ以上の様々な形態である。
【0039】
通信マネージャ212は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにより実装されうる。ソフトウェアが使用されるときには、通信マネージャ212によって実行される処理が、プロセッサユニットといったハードウェア上で実行されるよう構成されたプログラム命令により実装されうる。ファームウェアが使用されるときには、通信マネージャ212によって実行される処理が、プログラム命令及びデータにより実装可能であり、永続的なメモリに格納されてプロセッサユニット上で実行される。
【0040】
ハードウェアが利用されるときには、ハードウェアは、通信マネージャ212内で処理を実行するよう動作する回路を含みうる。通信マネージャ212を実装するために使用される回路は、プロセッサユニットに加えた又はプロセッサユニットの代わりの、他の形態をとりうる。
【0041】
例示的な実施例では、通信マネージャ212を実装するために使用されるハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は幾つかの処理を実行するよう構成された何らかの他の適切な種類のハードウェア、のうちの少なくとも1つから選択された形態を取りうる。プログラマブル論理デバイスを用いる場合、当該デバイスは、幾つかの処理を実施するよう構成されうる。上記デバイスは、後で再構成することが可能であり、又は、幾つかの処理を実行するよう永続的に構成されてよい。プログラマブル論理デバイスは、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスを含む。加えて、プロセスは、無機コンポーネントと一体化された有機コンポーネントにおいて実装されてよく、かつ、全体が人間以外の有機コンポーネントで構成されてよい。例えば、プロセスは、有機半導体における回路として実装されうる。
【0042】
コンピュータシステム210は、物理的なハードウェアシステムであり、1つ以上のデータ処理システムを含む。例示的な本実施例では、データ処理システムは、一連の処理を実行するよう構成可能なハードウェアマシンである。上記の処理は、生成時の入力、及び当該処理の実行に基づく出力の受信に応じて、実行されうる。上記出力は、値、コマンド、又は他の種類のデータの形態によるデータでありうるコンピュータシステム210内に1より多いデータ処理システムが存在するときには、これらのデータ処理システムは、通信媒体を使用して互いに通信する。通信媒体は、ネットワークでありうる。データ処理システムは、コンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット、又は他の何らかの適切なデータ処理システムのうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0043】
図示されるように、コンピュータシステム210は、幾つかのプロセッサユニット214を含み、当該プロセッサユニット214は、例示的な実施例におけるプロセスを実行するプログラム命令216を実行することができる。換言すれば、プログラム命令216は、コンピュータ可読プログラム命令である。
【0044】
本明細書では、幾つかのプロセッサユニット214中のプロセッサユニットはハードウェアデバイスであり、コンピュータを動作させる命令及びプログラムコードに応答して処理する集積回路上のものといった、ハードウェア回路で構成される。幾つかのプロセッサユニット214が、或るプロセスのためのプログラム命令216を実行するときには、幾つかのプロセッサユニット214は、同じコンピュータ上又は異なるコンピュータ上の1つ以上のプロセッサユニットでありうる。換言すれば、上記プロセスは、コンピュータシステム210内の同じコンピュータ上又は異なるコンピュータ上のプロセッサユニット214の間で分散されうる。
【0045】
さらに、幾つかのプロセッサユニット214は、同じ種類又は異なる種類のプロセッサユニットでありうる。例えば、幾つかのプロセッサユニット214は、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチプロセッサコア、汎用中央処理ユニット(CPU)、グラフィックスプロセッサユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は何らかの他の種類のプロセッサユニットのうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0046】
図示されるように、高周波通信システム200は、レーザ生成システム218も含みうる。他の実施例では、レーザ生成システム218は、高周波通信システム200によって制御される別個の構成要素と見做されうる。
【0047】
本例では、レーザ生成システム218は、レーザ光線220の集合を放射することが可能なハードウェアシステムである。レーザ生成システム218の動作は、通信マネージャ212によって制御されうる。
【0048】
本例では、レーザ光線220の集合は、様々な位置221から放射されうる。例えば、レーザ生成システム218は、様々な位置に配置されたレーザユニットで構成されうる。各位置が、例示的な本実施例おけるレーザ生成システム218のための1つ以上のレーザユニットを有しうる。
【0049】
通信マネージャ212が、高周波雑音信号206を使用した送信のためのデータ203を識別する。通信マネージャ212は、レーザ光線220の集合の放射を制御する。本例では、通信マネージャ212が、光学破壊点222の集合に向かってレーザ光線220の集合を方向付け又は導く。本例では、光学破壊点222の集合は、交点223又は焦点225の少なくとも一方から選択されうる。
【0050】
本明細書では、アイテムを参照して使用されるときの「~の集合(a set of)」は、1つ以上のアイテムを意味する。例えば、「光学破壊点222の集合」は、1つ以上の光学破壊点222である。他の例において、「レーザ光線の集合」は、1つ以上のレーザ光線を意味する。
【0051】
本例では、交点223とは、2つ以上の光線が交わる位置でありうる。この位置は、2つ以上の交わったレーザ光線のパワー227が光学破壊を引き起こすために十分であるときに、2つ以上のレーザ光線の交差から光学破壊が生じるところでありうる。焦点225とは、光学破壊をその位置で引き起こすためにレーザ光線が集中する位置でありうる。
【0052】
レーザ光線220の集合の上記放射が、通信マネージャ212によって、データ203をエンコードする高周波雑音信号206を生成する光学破壊224を光学破壊点222の集合において引き起こすよう制御される。例示的な本実施例では、プラズマ226が、レーザ光線220の集合による光学破壊224に応じて、光学破壊点222で発生する。光学破壊224により生成された上記プラズマによって、高周波雑音信号206が、光学破壊点222の集合において送信される。
【0053】
本例では、光学破壊点222の集合中の光学破壊点230における、レーザ光線220の集合中のレーザ光線228のパワー227が、様々な仕組みを使用して制御されうる。例えば、パワー227は、シャッタ、レンズ、変形可能レンズ、微小電気機械システムの鏡、減衰器、制御オプティックス、光学フィルタ、レーザ光線生成器内の振幅変調器、又は他のデバイスのうちの少なくとも1つによって制御されうる。
【0054】
例示的な本実施例では、通信マネージャ212は、幾つかの異なるやり方で、レーザ生成システム218によるレーザ光線220の集合の放射を制御することが可能である。例えば、通信マネージャ212は、光学破壊点222の集合に第1の数のレーザ光線220の集合を連続的に放射するよう、レーザ生成システム218を制御することができる。通信マネージャ212は、データ203をエンコードする高周波雑音信号206を生成する光学破壊224を引き起こすために、光学破壊点222の集合への第2の数のレーザ光線220の集合をパルス状にするよう、レーザ生成システム218を制御することができる。レーザ光線は、レーザ光線の出力をオン・オフすることでパルス状にされうる。他の例において、レーザ光線は、当該レーザ光線のパワーを変えることでパルス状にされうる。換言すれば、レーザ光線は、レーザ光線のパワーを増減することでパルス状にされうる。
【0055】
他の例示的な実施例において、通信マネージャ212が、データ203をエンコードする高周波雑音信号206を生成する光学破壊224を引き起こす光学破壊点222の集合にレーザ光線220の集合を放射するよう、レーザ生成システム218を制御することが可能である。
【0056】
本例では、レーザ光線220の集合の放射は、幾つかの異なるやり方で行われうる。レーザ光線の集合は、パルス状で又は連続的に、のうちの少なくとも一方の形態により放射されうる。例えば、1のレーザ光線は連続的とすることができ、他のレーザ光線はパルス状である。さらに、レーザ光線は、光学破壊点222の集合に向かう様々な方向から発せられうる。
【0057】
レーザ光線が放射される方向は、光学破壊点がレーザ光線の移動中に含まれるように、動かし又はさらに延ばす(sweep back)ことができる。換言すれば、レーザ光線が延びている間に、レーザ光線は他のレーザ光線と交わることができる。光学破壊点に放射された当該レーザ光線と他のレーザ光線とが交わることで、光学破壊点で光学破壊が引き起こされうる。
【0058】
他の例示的な実施例において、通信マネージャ212は、光学破壊点222の集合中の選択された光学破壊点232にレーザ光線220の集合を放射するよう、レーザ生成システム218を制御することが可能である。通信マネージャ212は、光学破壊点の集合中の新しい光学破壊点234を、選択された光学破壊点として選択することが可能である。通信マネージャ212は、データ203をエンコードする高周波雑音信号206を生成しながら、レーザ光線220の集合を放射すること、及び新しい光学破壊点を選択することを繰り返すことが可能である。
【0059】
更に別の例示的な実施例において、通信マネージャ212は、様々な位置221から光学破壊点230にレーザ光線220の集合を放射するよう、レーザ生成システム218を制御することが可能である。本例では、レーザ光線220の集合の一部分は、レーザ光線220の集合の当該一部分からのパワー227が、交点223において、データ203をエンコードする高周波雑音信号206を生成する光学破壊224を引き起こすのに十分であるように、光学破壊点230で交わる。
【0060】
他の例として、通信マネージャ212は、光学破壊点230にレーザ光線220の集合を放射するよう、レーザ生成システム218を制御することが可能である。本例では、光学破壊224は、レーザ光線220の集合の全てが光学破壊点230で交わったことに応じて起こる。
【0061】
レーザ光線220の集合の放射を制御する際に、通信マネージャ212は、データ203を高周波雑音信号206にエンコードするための、レーザ光線220の集合のためのレーザ光線パラメータ240の集合を変更することが可能である。本例では、レーザ光線パラメータ240の集合を変更することで、高周波雑音信号206の高周波特性242の集合が変更される。高周波雑音信号206の高周波特性242の集合は、タイミング、光学破壊点、高周波雑音信号の振幅、周波数帯、相対位相、又は高周波雑音信号206の他の特性のうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0062】
さらに別の例示的な実施例において、通信マネージャ212が、光学破壊点222の集合にレーザ光線220の集合のうちの部分集合を放射して、データ203をエンコードする高周波雑音信号206を生成する光学破壊224を引き起こすよう、レーザ生成システム218を制御することが可能である。通信マネージャ212は、レーザ光線220の集合の新しい部分集合を、レーザ光線220の部分集合として選択することが可能である。通信マネージャ212は、データ203をエンコードする高周波雑音信号206を送信しながら、レーザ光線220の集合のうちの部分集合を放射すること、及びレーザビーム220の集合のうちの新しい部分集合を選択することを繰り返すことが可能である。
【0063】
従って、1つ以上の例示的な実施例によって、物理的構造を必要としない高周波源エミッタを使用した高周波雑音信号の送信が可能となる。結果として、1つ以上の例示的な実施例では、アンテナといった物理的ソースエミッタ(source emitter)を使用する際に存在する脆弱性の問題を克服することが可能である。例示的な実施例において、光学破壊のための光学破壊点は、高周波源エミッタである。
【0064】
さらに、上記の高周波源エミッタは、レーザ光線が様々な光学破壊点を指すようにレーザ光線を再配置することで、ほとんど瞬時に様々な位置に移動させることができる。上記の高周波源の位置への攻撃は、プラズマが生成される光学破壊点への攻撃である。結果として、上記位置に対するキネティック攻撃は、レーザ変調源が上記の高周波源エミッタの位置から離れているため、無益である。
【0065】
図2の通信環境202の図は、例示的な一実施形態を実現しうる形態への物理的な又は構造上の限定を示唆することを意図するものではない。他の構成要素が、図示した構成要素に加えて又は当該構成要素の代わりに使用されうる。幾つかの構成要素は不要でありうる。更に、ブロックは、幾つかの機能的構成要素を図示するために提示されている。上記ブロックの1つ以上は、例示的な実施形態で実装されるときには、結合されても、分割されても、結合かつ分割されて異なるブロックになってもよい。
【0066】
例えば、通信マネージャ212は、コンピュータシステム210内の幾つかのプロセッサユニット214上で実行されるプログラム命令216を使用して実装されるものとして示されているが、通信マネージャ212は、幾つかのプロセッサユニット214の代わりに又は当該プロセッサユニット214に加えて、他のハードウェアにより実装されうる。例えば、コンピュータシステム210は、幾つかのプロセッサユニット214の代わりに又は当該プロセッサユニット214に加えて、他のハードウェアを使用することができる。
【0067】
例えば、通信マネージャ212の処理を実行することができる他の種類のハードウェア回路が使用されうる。上記他のハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は幾つかの処理を実行するよう構成された何らかの他の適切な種類のハードウェア、のうちの少なくとも1つでありうる。
【0068】
ここで
図3を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線を使用した高周波雑音生成の図が示されている。
図3の図示される例は、1つのレーザ光線が高周波信号を生成するためにどのように使用されるのかを示している。
【0069】
例示的な本実施例では、レーザ生成システム300は、
図2のレーザ生成システム218の一例である。レーザ生成システム300はレーザ光線302を放射する。
【0070】
図示されるように、レーザ生成システム300は幾つかの様々な構成要素を含む。本例では、レーザ生成システム300は、発振器303及び光学系304を含む。
【0071】
発振器303は、レーザ光線302を放射するためのコヒーレント光を生成する。本例では、光学系304がレーザ光線302を集束させることができる。光学系304は、レンズ、鏡、又はレーザ光線302の集束を変更することが可能な他の光学素子、のうちの少なくとも1つを含む。
【0072】
本例では、レーザ光線302の集束は、焦点306におけるパワーが、光学破壊310が発生する光学破壊点308となるように、制御される。本例で図示されるように、光学破壊310の結果、プラズマ312が生成される。光学破壊310から得られたプラズマ312によって、高周波雑音信号314の生成が引き起こされる。このように、本例は、1つのレーザ光線が高周波信号を生成するためにどのように使用されるのかを示している。
【0073】
ここで
図4を参照すると、例示的な実施形態に係る、複数のレーザ光線を使用した高周波雑音生成の図が示されている。例示的な本実施例では、レーザ生成システム420がレーザユニット400及びレーザユニット402を含む。レーザ生成システム420は、
図2のレーザ生成システム218の実施形態の一例である。
【0074】
例示的な本実施例では、レーザユニット400は、第1のレーザ光線404を生成する。レーザユニット402は、第2のレーザ光線406を生成する。
【0075】
本例では、第1のレーザ光線404と第2のレーザ光線406とは、上記レーザ光線ユニットから、光学破壊点408で交わる方向に放射される。上記の2つのレーザ光線は、光学破壊点408で交わる異なる経路に沿って放射される。2つのレーザ光線が互いに交わるこの光学破壊点が交点410である。
【0076】
本例では、第1のレーザ光線404と第2のレーザ光線406とが交わることで、結果的に光学破壊412が生じる。この光学破壊によって、プラズマ414が生成される。本例で図示されるように、光学破壊412の結果、高周波雑音信号416が得られる。
【0077】
同例で図示されるように、光学破壊412は、第1のレーザ光線404と第2のレーザ光線406とが交点410で交わるところで発生する。本例では、第1のレーザ光線404及び第2のレーザ光線406の個別のパワーは、光学破壊を引き起こすには十分ではない。
【0078】
図4のレーザ生成システム420の2つのレーザユニットの図は、高周波雑音信号を生成するための1つ実施形態の例として提供される。本図は、他の実施例を実現できる形態を限定することを意図するものではない。他の例において、レーザユニット400及びレーザユニット402に加えた1つ以上のレーザユニットが、追加のレーザ光線を生成するために使用されうる。上記レーザ光線も、交点410で交わって光学破壊412を引き起こすことができる。
【0079】
ここで
図5を参照すると、例示的な実施形態に係る、複数のレーザ光線を使用した高周波雑音生成の図が示されている。例示的な本実施例では、レーザ生成システム520がレーザユニット500及び光学系502を含む。レーザ生成システム520は、
図2のレーザ生成システム218の実施形態の一例である。
【0080】
本例では、レーザユニット500は、第1のレーザ光線504及び第2のレーザ光線506を放射する。本例では、レーザユニット500が最初のレーザ光線501を生成し、このレーザ光線501が、光学系502によって、2つのレーザ光線、即ち第1のレーザ光線504及び第2のレーザ光線506に分割される。
【0081】
図示されるように、光学系502は幾つかの様々な構成要素を含む。示される本例では、光学系502はシャッタ503、可変減衰器505、ビームスプリッタ507、鏡509、及びレンズ511を含む。
【0082】
図示される構成要素は、光学系502内で使用可能であり例示的な他の実施例において変更可能な例示的な構成要素である。例えば、例示的な他の実施例では、レンズ511、可変減衰器505、シャッタ503のうちの1つ以上が省略されうる。さらに別の例示的な実施例において、ビームスプリッタ507の前にレンズが位置するなど、他の構成要素が追加されうる。
【0083】
図示されるように、最初のレーザ光線501が、ビームスプリッタ507によって2つのレーザ光線に分割される。鏡509が、第2のレーザ光線506を異なる方向に方向付けるために使用されうる。さらに、鏡509は、光学破壊点508といった焦点で第2のレーザ光線506のパワーを増大させる集束をもたらすために使用されうる。レンズ511もまた、光学破壊点508で第2のレーザ光線506のパワーを増大させる集束をもたらすために使用されうる。
【0084】
本例では、第1のレーザ光線504と第2のレーザ光線506とは、本例では交点510である光学破壊点508で交わる方向に放射される。光学破壊512が、第1のレーザ光線504と第2のレーザ光線506とのこの交差において発生してプラズマ514を発生させ、その結果高周波雑音信号516が生成される。
【0085】
本例では、第1のレーザ光線504及び第2のレーザ光線506のパワーは、レーザ光線同士の交差で光学破壊512を引き起こすのに十分である。光学破壊は、本例では、上記のレーザ光線が互いに交わらない他の位置では発生しない。
【0086】
ここで
図6を参照すると、例示的な実施形態に係る、高周波雑音生成の制御についての図が示されている。例示的な本実施例では、レーザ生成システム620の動作がコントローラ644によって制御される。図示されるように、レーザ生成システムは、レーザユニット600、レーザユニット602、第1の電源640、第2の電源642、及び光学系605を含む。本例では、コントローラ644がレーザ生成システム620の動作を制御しうる。
【0087】
本例では、レーザ生成システム620は、
図2のレーザ生成システム218の実施形態の一例である。コントローラ644は、
図2の通信マネージャ212内に実装されうる構成要素の一例である。
【0088】
例示的な本実施例では、コントローラ644が、レーザ生成システム620からの第1のレーザ光線604及び第2のレーザ光線606の放射を制御することができる。例示的な本実施例では、レーザユニット600が、第1の電源640によって供給される電力を使用して第1のレーザ光線604を生成する。レーザユニット602が、第2の電源642によって供給される電力を使用して第2のレーザ光線606を生成する。
【0089】
本例では、第1のレーザ光線604と第2のレーザ光線606とは、交点610である光学破壊点608で交わる経路を有する方向で放射される。光学破壊612が、第1のレーザ光線604と第2のレーザ光線606とのこの交差で生じてプラズマ614を発生させ、その結果高周波雑音信号616が送信される。
【0090】
本例では、コントローラ644は、第1のレーザ光線604又は第2のレーザ光線606の少なくとも一方がパルス状になるように、上記レーザ光線の放射を制御することができる。上記のパルシングは、レーザ光線のパワーを増大させるためのレーザ光線の出力のオン、及びレーザ光線のパワーを低減するためのレーザ光線の出力のオフの少なくとも一方を含みうる。第1のレーザ光線604及び第2のレーザ光線606の一方又は両方の上記パルシングを制御して、高周波雑音生成のタイミングを制御することが可能である。
【0091】
パルス状のときには、両方のレーザ光線が交点610で交わったときに光学破壊612が生じる。1のレーザ光線が切られると、2つのレーザ光線の間に交差が存在せず、光学破壊612は発生しない。第1のレーザ光線604と第2のレーザ光線606とが交点610で交わるときのタイミングを制御することで、コントローラ644は、データがエンコードされるように高周波雑音信号の生成を制御することが可能である。
【0092】
例えば、データは、高周波雑音信号が生成されるときのタイミングに基づいて、高周波雑音信号にエンコードされうる。他の例として、レーザ光線のタイミングが、高周波雑音信号の期間を制御するために使用されうる。上記の期間はまた、データを高周波雑音信号にエンコードするために使用されうる。
【0093】
例示的な本実施例では、コントローラ644は、レーザユニットが、第1の電源640及び第2の電源642といった構成要素を使用して、連続的なレーザ光線又はパルス状のレーザ光線を放射するのかを制御することができる。レーザ光線の出力をオン・オフするために、上記電源を入れる・切ることが可能である。このパルシングによって、2つのレーザ光線の出力がオンになって交点610で交わったときに、光学破壊が発生する。
【0094】
本例では、上記パルシングはまた、第1のレーザ光線604及び第2のレーザ光線606の一方又は両方のパワーを増減することを含みうる。本例では、一方又は両方のレーザ光線のパワーを低減することで、第1のレーザ光線604と第2のレーザ光線606とが交点610で交わるときに十分なパワーがないため、光学破壊の発生を防止することができる。交点610で交わる2つのレーザ光線からのパワーが光学破壊のために十分に高いときに、光学破壊612が発生する。
【0095】
他の例として、レーザ光線のパルシングは、光学系605内の光学素子を使用しても制御することが可能である。上記の光学素子は、コントローラ644によって、第1のレーザ光線604及び第2のレーザ光線606の1つ以上をハルス状にするよう制御されうる。
【0096】
例えば、可変減衰器611及びシャッタ613が、第1のレーザ光線604をパルス状にするよう動作しうる。例えば、シャッタ613が、第1のレーザ光線604を選択的に放射するために使用されうる。可変減衰器611が、第1のレーザ光線604のパワーを変更するために使用されうる。同様に、第2のレーザ光線606の放射も、可変減衰器615及びシャッタ617を使用してパルス状にされうる。
【0097】
このように、レーザ生成システム620からの第1のレーザ光線604及び第2のレーザ光線606の放射は、コントローラ644によって、両方のレーザ光線が連続的であるように、1のレーザ光線が連続的で他のレーザ光線がパルス状であるように、又は両方のレーザ光線がパルス状であるように、制御されうる。この制御は、データを高周波信号にエンコードするように高周波雑音信号を送信するための光学破壊を実現するために行われうる。
【0098】
レーザ生成システム620の図は、1つの実施形態の例であり、他の例示的な実施例を実現しうるやり方を限定することは意図されていない。例えば、例示的な他の実施例において、レーザユニット600及びレーザユニット602に加えて、1つ以上のレーザユニットが存在しうる。
【0099】
ここで
図7を参照すると、例示的な実施形態に係る、高周波雑音生成の制御についての図が示されている。例示的な本実施例では、レーザ生成システム720がコントローラ744によって制御される。図示されるように、レーザ生成システム720は、レーザユニット700、電源740、及び光学系702を含む。
【0100】
レーザ生成システム720は、
図2のレーザ生成システム218の実施形態の一例である。コントローラ744は、
図2の通信マネージャ212内に実装されうる構成要素の一例である。
【0101】
例示的な本実施例では、コントローラ744が、レーザ生成システム720からの第1のレーザ光線704及び第2のレーザ光線706の放射を制御する。例示的な本実施例では、レーザユニット700が、電源740によって供給される電力を使用して第1のレーザ光線704及び第2のレーザ光線706を生成する。本例では、レーザユニット700が最初のレーザ光線701を生成し、このレーザ光線701が、光学系702によって、2つのレーザ光線、即ち第1のレーザ光線704及び第2のレーザ光線706に分割される。
【0102】
図示されるように、光学系702は幾つかの様々な構成要素を含む。本例では、光学系702は、光学系702内に配置されうる他の構成要素として、シャッタ703、可変減衰器705、ビームスプリッタ707、及び鏡709、鏡711、鏡713、並びにレンズ715を含む。図示される構成要素は、光学系702内で使用可能な例示的な構成要素であり、当該構成要素は、例示的な他の実施例では変更されうる。例えば、例示的な他の実施例において、レンズ715、可変減衰器705、シャッタ703のうちの1つ以上が省略されうる。さらに別の例示的な実施例において、ビームスプリッタ707の前にレンズが位置するなど、他の構成要素が含まれうる。
【0103】
図示されるように、最初のレーザ光線701が、ビームスプリッタ707によって2つのレーザ光線に分割される。本例では、第1のレーザ光線704と第2のレーザ光線706とは、本例では交点710である光学破壊点708で交わる方向に放射される。第1のレーザ光線704と第2のレーザ光線706とのこの交差において光学破壊712が生じる。光学破壊712は、光学破壊712から発生するプラズマ714を通じて、高周波信号716を生成する。
【0104】
本例では、第1のレーザ光線704及び第2のレーザ光線706のパワーは、当該レーザ光線同士の交差で光学破壊712を引き起こすのに十分である。光学破壊は、本例では、上記のレーザ光線が互いに交わらない他の位置では発生しない。
【0105】
本例では、コントローラ744は、第1のレーザ光線704又は第2のレーザ光線706の少なくとも一方がパルス状になるように、上記レーザ光線の放射を制御することができる。上記パルス化は、レーザ光線のパワーを増大させるためのレーザ光線の出力のオン、及びレーザ光線のパワーを低減するためのレーザ光線の出力のオフの少なくとも一方を含みうる。第1のレーザ光線704及び第2のレーザ光線706の一方又は両方の上記パルシングを制御して、高周波雑音生成のタイミングを制御することが可能である。
【0106】
本例では、第1のレーザ光線704は、コントローラ744が可変減衰器705又はシャッタ703の少なくとも一方の動作を制御することで、パルス状にされうる。可変減衰器705は、第1のレーザ光線704のパワーを変更するために使用されうる。シャッタ703は、レーザ生成システム720からのレーザ光線の放射に関して、レーザ光線の出力をオン・オフすることが可能である。本例では、電源740を制御することで、両方のレーザ光線を同時にパルス状にすることが可能である。他の例示的な実施例において、振幅変調器といったレーザユニット700内の構成要素が、最初のレーザ光線701のパワーをパルス状にするよう制御され得、結果として、第1のレーザ光線704及び第2のレーザ光線706の両方がパルス状にされうる。
【0107】
第1のレーザ光線704と第2のレーザ光線706とが交点710で交わるときのタイミングを制御することで、コントローラ744は、データがエンコードされるように高周波雑音信号の生成を制御することが可能である。
【0108】
さらに別の例示的な実施例において、コントローラ744が、第1のレーザ光線704及び第2のレーザ光線706の一方又は両方を移動することで、光学破壊点708の位置を制御することが可能である。光学破壊点708の上記移動は、鏡709又は鏡713の少なくとも一方を使用して制御されうる。光学破壊点708の位置を移動することで、高周波雑音信号の位相が、データをエンコードするために変更されうる。
【0109】
図2及び
図3~
図7のレーザ生成システム218の例示的な実施形態の図は、幾つかの例示的な実施例のうちの一例として提供されており、他のレーザ生成システムを実装しうるやり方を限定することは意図されていない。例えば、レーザ生成システムは、第1のレーザユニット及び第2のレーザユニットの両方とともに、光学系を含みうる。さらに別の例示的な実施例において、様々な光学破壊点で描かれているレーザ光線に加えてレーザ光線を放射する1つ以上のレーザユニットが存在しうる。本例では、2つ以上の光学破壊が、レーザ生成システムから放射されたレーザ光線から発生しうる。
【0110】
さらに別の例示的な実施例において、様々なレーザ光線が、同じ光学破壊点に向かって様々な時間に放射されうる。結果として、同じ光学破壊点でのレーザ光線の様々な組み合わせから、光学破壊が発生しうる。
【0111】
例示的な実施形態はまた、搬送波形の利用を含むデータ送信のための現在の技術を認識し考慮する。例えば、多くの技術では、データをエンコードするために変調された周期的な搬送波、正弦波搬送波、又は他の反復的若しくは予測可能な搬送波の波形のみ使用する。上記の種類の波形は、雑音レベルを下回る20dB~40dBの正弦波搬送波を検出することが可能なデノイザ(denoiser)技術を含む様々な技術を通じて、雑音中で検出することができる。
【0112】
結果として、信号の傍受及び復号が、現在の送信技術を利用して行われうる。さらに、正弦波搬送波が検出できるときには、深刻な問題が生じうる。例えば、送信信号に情報を挿入することができ、電波妨害の攻撃が起きる可能性があり、又は、単一の正弦波搬送波、周期的な搬送波、又はデータを送信するための他の反復的な搬送波の使用に関わる他の問題が生じうる。
【0113】
従って、例示的な実施形態は、データを送信するための方法、装置、及びシステムを提供する。例示的な実施例において、このデータは、雑音信号を変調する様々な変調技術を使用して送信されうる。雑音信号の使用は、検出が可能な正弦波搬送波、周期的な搬送波、反復的又は予測可能な搬送波の使用とは対照的である。
【0114】
図8を参照すると、例示的な実施形態に係る、パルスコード雑音変調(pulse code noise modulation)(パルス雑音変調(pulse noise modulation)とも呼ばれる)を使用したデータ送信の図が示されている。例示的な本実施例では、パルス符号雑音変調又はパルス雑音変調が、
図2の高周波通信システム200といった高周波通信システムを使用して実行されうる。
【0115】
例示的な本実施例では、光学破壊が経時的に生成される。この光学破壊がプラズマ800の生成につながり、プラズマ800によって、高周波雑音信号802が送信される。
【0116】
上記の光学破壊のタイミングは、高周波雑音信号802の生成によりデータがエンコードされるようにデータをエンコードするために選択されうる。本例では、パルスは、プラズマ800を生成した光学破壊のタイミングに対応するタイミングに、高周波雑音信号802中に存在する。高周波雑音信号802の上記パルスの時間は、データをエンコードするために定められている。この種のデータエンコードは、パルス雑音変調と称することができる。図示されるように、高周波雑音信号802が受信され復号されて、復号されたデータ信号804が得られうる。
【0117】
データを伝達するために光学破壊によって生成された高周波雑音信号の利用の図は、高周波雑音信号のパルスがどのようにデータをエンコードしうるかという一例として提示されている。本図は、他の実施例を実現しうる形態を限定することは意図されていない。
【0118】
例えば、高周波雑音信号のパルスは、レーザにより誘発された光学破壊に加えて又は当該光学破壊の代わりに、他の技術を使用して生成されうる。送信システムは、搬送波信号としての雑音信号と、データをエンコードする高周波雑音信号のパルスが送信されるように搬送波信号を変調する変調器と、を使用することが可能である。
【0119】
さらに別の例示的な実施例において、高周波電磁雑音信号に加えて又は高周波電磁雑音信号の代わりに、他の種類の雑音信号が使用されうる。例えば、雑音信号が、パルスでエンコードされたデータを送信するために使用可能であり、かつ、電磁周波数雑音信号、高周波雑音信号、マイクロ波周波数信号、可聴周波数雑音信号、超音波周波数雑音信号、超低周波数雑音信号、極低周波数雑音信号、水中周波数雑音信号、光周波数雑音信号、又は他の種類の雑音信号のうちの少なくとも1つから選択されうる。これらの様々な種類の雑音信号が、雑音信号にエンコードされたデータに関する、音声通信、音楽、又は他の種類の情報を含む様々な用途のために使用されうる。
【0120】
ここで
図9を参照すると、例示的な一実施形態に係る通信システムのブロック図が示されている。例示的な本実施例では、通信環境901内の通信システム900が、雑音信号904でエンコードされたデータ902を送信するよう動作する。
【0121】
例示的な一実施例において、雑音信号とは、不規則な変動を含む信号であり、上記の不規則な変動は、偶発的であり、予測不可能であり、若しくは非決定論的であり、又は偶発的に、予測不可能に、若しくは非決定論的に出現する。雑音信号は、統計的にランダムな信号でありうる。例えば、同実施例における雑音信号は、統計的なランダム性についての1つ以上の標準検査を満たす信号でありうる。自身の周期の後に繰り返すパルスの決定論的な連なりから構成されているが、いかなる明確なパターンも欠くように見える疑似ランダムな雑音信号は、統計的にランダムでありかつデータをエンコードするために使用可能な雑音信号と見做される信号の一例である。本例では、雑音信号904中の雑音が、非決定論的な雑音、疑似ランダムな雑音、又は何らかの他の適切な種類の雑音信号のうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0122】
例示的な実施例において、信号は、振幅、周波数、帯域幅、タイミング、位相、又は他の特性のうちの少なくとも1つから選択された特性を有しうる。例示的な本実施例では、雑音信号904は、上記特性の少なくとも1つがデータをエンコードするために制御されない雑音信号でありうる。換言すれば、上記特性の少なくとも1つ以上が、雑音信号904の統計的ランダム性についての1つ以上の標準検査を満たしている。
【0123】
同実施例において、雑音信号904は周期的な搬送波を含まない。この種の信号は、例えば、正弦波信号、のこぎり波信号、方形波信号、又は他の種類の信号でありうる。雑音信号904はまた、スペクトル拡散を利用する周期的な又は正弦波ベースの搬送波信号、周波数ホッピング信号、及び、正弦波又はのこぎり波といった周期的な信号に基づくラダー「チャープ(chirp)」も含まない。統計的なランダム性についての1つ以上の標準検査を満たさない上記の及び他の種類の信号は、本例では、雑音信号904と見做されない。しかしながら、「雑音スペクトル拡散(spread noise spectrum)」、周波数ホッピング雑音信号、及び自身の搬送波信号のベースとして雑音を使用する雑音ベースのラダーバースト(radar burst)は、本例では、雑音信号904と見做される。
【0124】
図示されるように、通信システム900は、コンピュータシステム910と、コンピュータシステム910内に位置する通信マネージャ912と、を含む。
【0125】
通信マネージャ912は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにより実装されうる。ソフトウェアが使用されるときには、通信マネージャ912によって実行される処理が、プロセッサユニットといったハードウェア上で実行されるよう構成されたプログラム命令により実装されうる。ファームウェアが使用されるときには、通信マネージャ912によって実行される処理が、プログラム命令及びデータにより実装可能であり、永続的なメモリに格納されてプロセッサユニット上で実行される。
【0126】
ハードウェアが利用されるときには、ハードウェアは、通信マネージャ912内で処理を実行するよう動作する回路を含みうる。
【0127】
通信マネージャ912を実現するために使用される回路は、プロセッサユニットに加えて又はプロセッサユニットの代わりの、他の形態をとりうる。
【0128】
例示的な実施例では、通信マネージャ912を実装するために使用されるハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は幾つかの処理を実行するよう構成された何らかの他の適切な種類のハードウェア、のうちの少なくとも1つから選択された形態を取りうる。プログラマブル論理デバイスを用いる場合、当該デバイスは、幾つかの処理を実行するよう構成されうる。上記デバイスは、後で再構成することが可能であり、又は、幾つかの処理を実行するよう永続的に構成されてよい。プログラマブル論理デバイスは、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスを含む。加えて、プロセスは、無機コンポーネントと一体化された有機コンポーネントにおいて実装されてよく、かつ、全体が人間以外の有機コンポーネントで構成されてよい。例えば、プロセスは、有機半導体における回路として実装されうる。
【0129】
コンピュータシステム910は、物理的なハードウェアシステムであり、1つ以上のデータ処理システムを含む。例示的な本実施例では、データ処理システムは、一連の処理を実行するよう構成可能なハードウェアマシンである。上記の処理は、生成時の入力、及び当該処理の実行に基づく出力の受信に応じて、実行されうる。上記出力は、値、コマンド、又は他の種類のデータの形態によるデータでありうる。コンピュータシステム910内に1より多いデータ処理システムが存在するときには、当該データ処理システムは、通信媒体を使用して互いに通信する。通信媒体は、ネットワークでありうる。データ処理システムは、コンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット、又は他の何らかの適切なデータ処理システムのうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0130】
図示されるように、コンピュータシステム910は、幾つかのプロセッサユニット914を含み、当該プロセッサユニット914は、例示的な実施例におけるプロセスを実行するプログラム命令916を実行することができる。換言すれば、プログラム命令916は、コンピュータ可読プログラム命令である。
【0131】
本明細書では、幾つかのプロセッサユニット914中のプロセッサユニットはハードウェアデバイスであり、コンピュータを動作させる命令及びプログラムコードに応答して処理する集積回路上のものといった、ハードウェア回路で構成される。幾つかのプロセッサユニット914が、或るプロセスのためのプログラム命令916を実行するときには、幾つかのプロセッサユニット914は、同じコンピュータ上又は異なるコンピュータ上の1つ以上のプロセッサユニットでありうる。換言すれば、上記プロセスは、コンピュータシステム910内の同じコンピュータ上又は異なるコンピュータ上のプロセッサユニット914の間で分散されうる。
【0132】
さらに、幾つかのプロセッサユニット914は、同じ種類又は異なる種類のプロセッサユニットでありうる。例えば、幾つかのプロセッサユニット914は、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチプロセッサコア、汎用中央処理ユニット(CPU)、グラフィックスプロセッサユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は何らかの他の種類のプロセッサユニットのうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0133】
図示されるように、通信システム900は、信号送信システム918も含みうる。他の実施例において、信号送信システム918は、通信システム900によって制御される別個の構成要素と見做されうる。
【0134】
図示の本実施例では、信号送信システム918は、雑音信号904を送信することが可能なハードウェアシステムである。信号送信システム918の動作は、通信マネージャ912によって制御されうる。
【0135】
例示的な本実施例では、雑音信号904が受信機920によって受信される。受信機920も、通信システム900の一部として図示されている。さらに別の例示的な実施例において、受信機920は、通信システム900とは別体の構成要素でありうる。
【0136】
受信機920は、ハードウェアシステムであり、ハードウェア又はソフトウェアにより実装された、雑音信号904のパルス922でエンコードされたデータ902を復号するプロセスを含みうる。
【0137】
例示的な本実施例では、通信マネージャ912が、送信のためのデータ902を識別する。データ902を識別したことに応じて、通信マネージャ912が、データ902をエンコードする雑音信号904のパルス922を送信する。例示的な一実施例において、データ902は、パルス922のタイミング、パルス922の振幅、パルス922の期間、又はパルス922の他の特性のうちの少なくとも1つを使用して、雑音信号904のパルス922でエンコードされうる。このようにして、通信マネージャ912は、データ902をエンコードするための雑音信号904の変調を介したパルス雑音変調を実行することが可能である。
【0138】
例えば、通信マネージャ912は、パルス変調924を実行するよう、信号送信システム918の動作を制御することが可能である。パルス変調924によって、パルス922は、本例では雑音パルス又は雑音のパルスであるパルス922のタイミングを介して、データ902をエンコードすることができる。
【0139】
例えば、雑音パルス又は雑音のパルスの存在は「1」と見做すことができ、雑音パルス又は雑音のパルスの不在は「0」と見做すことができ、これらのことは、データ902をエンコードするために適時に選択されうる。雑音のパルス922が存在する又は存在しないタイミングは、様々な期間を使用して発生しうる。
【0140】
例えば、タイミングは、雑音パルス又は雑音のパルスが各期間に存在するか又は存在しないかに基づきうる。上記期間は、例えば、1マイクロ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、又は何らかの他の期間とすることができ、当該期間の間、パルスが雑音のパルス922でデータ902をエンコードするために存在し又は存在しない。
【0141】
次に
図10を参照すると、例示的な実施形態に係る送信機の図が示されている。例示的な実施例では、1より多い図の中で同じ参照番号が使用されうる。異なる図の中で参照番号が繰り返し使用される場合には、異なる図における同じ要素を表している。例示的な本実施例では、
図9の信号送信システム918を実装するために使用可能な構成要素の例が示されている。
【0142】
例示的な本実施例で示されるように、信号送信システム918は、雑音信号904を送信するよう制御可能な幾つかの様々な構成要素を含みうる。より具体的には、上記の構成要素は、雑音信号904のパルス922を生成するよう制御されうる。上記の構成要素は、レーザ生成システム1000又は高周波送信機1002の少なくとも一方を含みうる。
【0143】
例示な本実施例では、レーザ生成システム1000は、レーザ光線1004の集合を放射することが可能なハードウェアシステムである。通信マネージャ912は、光学破壊1005を引き起こすために、レーザ生成システム1000からのレーザ光線の集合1004の放射を制御することが可能である。
【0144】
本例では、光学破壊1005の結果、高周波雑音信号1006の形態による雑音信号904が生成される。本例では、高周波雑音信号1006のパルス922は、光学破壊1005のタイミングに基づいて生成されうる。例示的な本実施例では、光学破壊1005のうちの各光学破壊が、高周波雑音信号1006のパルス922中のパルスでありうる。
【0145】
本例では、高周波送信機1002はハードウェアシステムであり、高周波雑音信号1006の形態による雑音信号904のパルス922を送信することが可能である。例えば、高周波送信機1002は、高周波雑音信号1006を発生させるためにレーザ及び光学破壊を使用する代わりに、物理的なハードウェアアンテナから送信された高周波雑音信号1006の形態による雑音信号904のパルス922を送信することが可能である。
【0146】
次に
図11を見ると、例示的な一実施形態に係る高周波送信機のブロック図が示されている。本図は、高周波送信機1002を実装するために使用可能な例示的な構成要素を示している。本実施例で示されるように、高周波送信機1002は、電気的雑音生成器1100、変調器1102、及び送信機1104を含む。
【0147】
図示されるように、電気な雑音生成器1100が、搬送波雑音信号1106を生成する。電気的雑音生成器1100は変調器1102に接続されており、搬送波雑音信号1106を変調器1102に送信する。
【0148】
図示されるように、変調器1102が、送信されるデータ1108を受信する。本例では、変調器1102は、搬送波雑音信号1106を変調して、データ1108をエンコードするパルス状の搬送波雑音信号1110を生成する。上記データは、パルス状の搬送波雑音信号1110中のパルスでエンコードされる。本例では、変調は、変調器1102が搬送波雑音信号1106の出力をオン・オフしてパルス状の搬送波雑音信号1110を形成することによって、行われる。
【0149】
送信機1104は、パルス状の搬送波雑音信号1110を、高周波雑音信号1114のパルス1112として送信する。本例では、送信機1104は、高周波雑音信号1114のパルス1112を送信するために使用される物理的なアンテナを含む。例示的な他の実施例において、アンテナが、高周波雑音信号1114を生成するために使用されるハードウェアとは別体の構成要素でありうる。
【0150】
次に
図12を参照すると、例示的な一実施形態係る受信機のブロック図が示されている。本図には、受信機920を実装するために使用可能な構成要素の一例が示されている。図示されるように、受信機920はハードウェアシステムである。図示されるように、受信機920は、広帯域高周波受信機1200、周波数セレクタ1202、及びクリッパ回路1204を含む。
【0151】
例示的な本実施例では、広帯域高周波受信機1200が、高周波雑音信号1206を受信する。広帯域高周波受信機1200は、周波数セレクタ1202に接続されており、受信した信号を周波数セレクタ1202に送信する。
【0152】
周波数セレクタ1202は、高周波雑音信号1206中の選択された周波数からの電圧信号1208の集合を出力する。例示的な本実施例では、周波数セレクタ1202による周波数の選択は、バンドパスフィルタ、帯域阻止フィルタ、エンベロープフォロワ、エンベロープ検出器、ローパスフィルタ、整流ローパスフィルタ、異なる周波数に調整された複数のバンドパスフィルタ、又は何らかの他の適切な種類の回路のうちの少なくとも1つを使用して行われうる。
【0153】
周波数セレクタ1202は、クリッパ回路1204に接続されている。電圧信号1208が、当該電圧信号1208の波形を整えるクリッパ回路1204によって受信される。例示的な本実施例では、クリッパ回路1204は、電圧信号1208が、選択された電圧レベルを超えるのを防止する。クリッパ回路1204がデータ信号1210を出力する。本例では、データ信号1210はアナログ信号又はデジタル信号であり、高周波雑音信号1206で送信されたデータを再現するために使用しうるパルスを含む。
【0154】
従って、1つ以上の例示的な実施例によって、雑音搬送波信号を使用したデータの伝達が可能となる。例示的な一実施例において、上記の雑音搬送波信号又は搬送波雑音信号が、データをエンコードするために変調されうる。上記の変調は、雑音信号がパルスで送信されるパルス雑音変調又はパルスコード雑音変調である。選択されたパルスのタイミングで、データが、雑音信号の上記パルスにエンコードされる。
【0155】
例示的な本実施例では、雑音信号の上記パルスの変調及び復調は、正弦波搬送波、周期的搬送波、又は予測可能な搬送波を使用する現在の技術と比べて、搬送波のベースとしての単一周波数又は周期的な波形には依存しない。結果として、安全性を向上させることができ、かつ、正弦波搬送波との干渉を低減することができる。
【0156】
例示的な一実施例において、パルスコード雑音変調又はパルス雑音変調は、データをエンコードする広帯域の雑音高周波搬送波信号でありうる。高周波雑音信号のパルスの生成は、光学破壊を介して高周波信号を生成するレーザ生成システムを使用して行われうる。他の例において、高周波雑音信号の生成が、物理的なアンテナを有する物理的な電磁的レシピ送信機を使用して行われうる。
【0157】
図9~
図12における通信環境901及び様々な構成要素の図では、例示的な実施形態を実現しうる形態への物理的又は構造的な限定を示唆することは意図されていない。図示した構成要素に加えて又は代えて、他の構成要素が使用されてよい。幾つかの構成要素は不要でありうる。更に、幾つかの機能的構成要素を図示するためにブロックが提示されている。例示的な実施形態において実現されるときには、上記ブロックのうちの1つ以上が、結合されても、分割されても、結合かつ分割されて異なるブロックになってもよい。
【0158】
例えば、通信マネージャ912は、コンピュータシステム910内の幾つかのプロセッサユニット914上で実行されるプログラム命令916を使用して実装されるものとして示されているが、通信マネージャ912は、幾つかのプロセッサユニット914の代わりに又は当該プロセッサユニット914に加えて、他のハードウェアにより実装されうる。例えば、コンピュータシステム910は、幾つかのプロセッサユニット914の代わりに又は当該プロセッサユニット914に加えて、他のハードウェアを使用することができる。
【0159】
例えば、通信マネージャ912の処理を実行することができる他の種類のハードウェア回路が使用されうる。上記他のハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は幾つかの処理を実行するよう構成された何らかの他の適切な種類のハードウェア、のうちの少なくとも1つでありうる。
【0160】
他の例として、レーザ生成システム1000及び高周波送信器1002の図が、雑音信号904のパルス922を送信することが可能な構成要素の幾つかの実施形態の例として提供される。他の例として、高周波送信機1002は、電気的な雑音生成器1100において、電気的雑音を搬送波雑音信号1106として生成し、搬送波雑音信号1106は変調されて、高周波雑音信号1114として雑音パルス1112により送信され、高周波雑音信号1114は、物理的なアンテナ、ハードウェアアンテナ、又はその両方の任意の種類により送信されうる。アンテナの種類には、例えば、ホイップアンテナ、ダイポールアンテナ、マイクロ波アンテナ、メタマテリアル・アンテナ、指向性アンテナ、全方向性アンテナ、及び任意の他の種類の物理的なアンテナが含まれる。
【0161】
ここで
図13を参照すると、例示的な実施形態に係る、電磁雑音信号を送信及び受信するための通信システムの図が示されている。例示的な本実施例では、通信システム1300は、電磁雑音信号を使用して、データをエンコードした電磁雑音信号を送信又は受信することが可能である。電磁雑音信号の例には、ULF(超低周波)、VLF(極低周波)、20KHz~300KHz、HF(高周波)、UHF(超高周波)の電磁レンジ、ミリ波及びマイクロの波の範囲、EHF(極高周波)、ギガヘルツ周波数を通り越してテラヘルツ周波数を上回る周波数の電磁レンジが含まれ、さらに光学スペクトルの電磁レンジが含まれうる。用途及び使用の例には、オーディオ通信、音声通信、及び画像通信の変調のための雑音搬送波通信、並びに、雑音ベースのラダー、雑音ベースの全地球測位システムといった雑音ベースの精密航法及びタイミング、正弦波ベースの搬送波スペクトル拡散の代わりの雑音の周波数帯を使用する雑音ベースのスペクトル拡散、正弦波又は周期波ベースの搬送波周波数ホッピングを使用する代わりに、雑音の周波数帯の周波数ホッピングを使用する雑音ベースの周波数帯ホッピング、並びに、LPI(Low Probability of Intercept)/LPD(Low Probability of Detect)といった無線諜報(SI:Signals Intelligence)波形、及び、雑音搬送波を使用したメッセージの検出及傍受が困難となる他の秘密シグナリングが含まれる。
【0162】
図示されるように、変調器1302が、データ信号1304及び搬送波雑音信号1306を受信する。例示的な本実施例では、搬送波雑音信号1306は、電気的な雑音生成器によって生成されうる。
【0163】
変調器1302は、搬送波雑音信号1306を変調して、変調された信号1308を生成する。本例では、変調された信号1308は搬送波雑音信号1306のパルスを含む。例えば、変調された信号1308は、変調器1302をオン・オフすることで生成することができ、搬送波雑音信号1306のパルスが、変調された信号1308として送信のために送信機1310に送信されうる。パルスの生成は、データ信号1304中のデータに基づいている。このようにして、データ信号1304中のデータが、変調された信号1308にエンコードされうる。
【0164】
送信機1310が、変調された信号1308を受信機1312に送信する。例示的な一実施例において、受信機1312は、変調された信号1308が高周波信号であるときには、広帯域高周波受信機でありうる。他の種類の信号が使用されるときには、受信機1312が、送信機1310によって送信された信号を検出するために選択される。
【0165】
受信機1312によって検出された変調された信号1308は、復調器1314に送信される。本例では、復調器1314は、搬送波雑音信号1320を使用して、変調された信号1308を復調してデータ信号1318を生成し、このデータ信号1318は、図示された本例のデータ信号1304中の同じデータを含んでいる。
【0166】
図示されるように、変調された信号1308の復調は、搬送波雑音信号1320を使用して行われる。例示的な本実施例では、搬送波雑音信号1306は、搬送波信号のために正弦波の波形を使用する現在の技術と比べて予測可能ではない。
【0167】
図示されるように、復調器1314は、搬送波雑音信号1320を、復調器1314に送信されている変調されていない搬送波雑音信号1322の形態により得ることができる。このように、変調された信号1308を復調するために使用される搬送波雑音信号1320は、搬送波雑音信号1306と同じ搬送波信号でありうる。変調されていない搬送波雑音信号1322は、搬送波雑音信号1306の帯域内又は帯域外の複写でありうる。
【0168】
ここで
図14を参照すると、例示的な実施形態に係る、電磁雑音信号を送信及び受信するための通信システムのブロック図が示されている。通信システム1400は、電磁雑音信号を使用して、データをエンコードした電磁雑音信号を送信又は受信することが可能である。
【0169】
例示的な本実施例では、通信システム1400は、電磁雑音信号を使用して、データをエンコードした電磁雑音信号を送信又は受信することが可能である。
【0170】
図示されるように、変調器1402が、データ信号1404及び搬送波雑音信号1406を受信する。例示的な本実施例では、搬送波雑音信号1406は、電気的な雑音生成器によって生成されうる。
【0171】
変調器1402は、変調された信号1408を生成するために、搬送波雑音信号1406を変調する。本例では、変調器1402はオン/オフ変調器でありうる。オン/オフ変調器として、変調器1402は、当該変調器1402が作動されたときには、送信のために搬送波雑音信号1406を送信機1410に送信し、当該変調器1402が停止されたときには、搬送波雑音信号1406を送信機1410に送信しない。結果として、変調された信号1408は、搬送波雑音信号1406のパルスを含む。上記パルスは、データ信号1404をエンコードするために生成される。換言すれば、上記パルスのタイミングは、データをエンコードするために生じうる。例えば、図示された上記例におけるタイミングは、パルスコード雑音変調又はパルス雑音変調を行うためのパルスのタイミングでありうる。
【0172】
例えば、変調された信号1408は、変調器1402をオン・オフすることで生成することができ、搬送波雑音信号1406のパルスが、変調された信号1408として送信のために送信機1410に送信されうる。
【0173】
送信機1410が、変調された信号1408を受信機1412に送信する。例示的な一実施例において、受信機1412は、変調された信号1408が高周波信号であるときには、広帯域高周波受信機でありうる。他の種類の信号が使用されるときには、受信機1412が、送信機1410によって送信された信号を検出するために選択される。
【0174】
本例では、受信機1412によって検出された変調された信号1408が、エンベロープフォロワ1414に送信される。示されるように、エンベロープフォロワ1414は、エンベロープ(envelope、包絡線)検出器とも称されうる。エンベロープフォロワ1414は、変調された信号1408における振幅の変動を検出して、当該変動に似た形状を有する信号を生成することが可能である。本例では、変調された信号1408は、雑音のパルスを含む。結果として、エンベロープフォロワ1414は、雑音パルスの形状をした信号を生成して、データ信号1416を形成することが可能である。エンベロープフォロワ1414は、現在使用されている振幅若しくはパルスの少なくとも一方の全体的な形をなぞって出力するローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、エンベロープ検出器、ピーク検出器、又はダイオード検出器、のうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0175】
図13及び
図14における通信システムの例示的な実施例は、
図9の通信システム900の幾つかの実施形態の例として提示されている。これらの例示は、他の例示的な実施例を実現しうる形態を限定することを意図していない。例えば、当該技術において知られるクリッパ回路が、パルスの粗いエンベロープを方形波のパルスに変換するために、
図14のエンベロープフォロワ1414の後に配置されうる。
【0176】
ここで
図15Aを参照すると、例示的な実施形態に係る、変調された雑音信号を使用してデータを送信する、信号のデータフロー図が示されている。例示的な本実施例では、データ信号1501は、
図14の通信システム1400内の信号の一例である。
【0177】
例示的な本実施例では、データ信号1500を使用して、搬送波雑音信号1502が変調される。データ信号1500は、
図14におけるデータ信号1404の一例であり、搬送波雑音信号1502は、
図14における搬送波雑音信号1406の一例である。
【0178】
搬送波雑音信号1502の変調によって、変調された信号1504が形成され、この変調された信号1504が、データ信号1500中のデータをエンコードする。変調された信号1504は、
図14の変調された信号1408の一例である。本例で示されるように、変調された信号1504は、搬送波雑音信号1502のパルスを含む変調された雑音信号である。
【0179】
受信された信号1506は、受信機によって受信された信号の一例である。図示されるように、受信された信号1506は、変調された信号1504中の搬送波雑音信号1502のパルスに加えて、雑音1508も含む。本例では、雑音1508は、変調された信号1504における搬送波雑音中のパルスに加えた背景雑音又は他の雑音である。
【0180】
図示されるように、受信された信号1506は、
図14のエンベロープフォロワ1414といった構成要素を利用して処理して復号することができる。バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、帯域阻止フィルタ、クリッパ回路、又は他の回路といった他の構成要素を使用して、データ信号1510が生成されうる。本例では、データ信号1510は、データ信号1500と同じであり又はデータ信号1500に十分に似ており、これにより、データ信号1500を生成するために使用された同じデータを、データ信号1510から得ることができる。
【0181】
以前に述べたように、雑音信号の特性の集合が、タイミング、振幅、周波数帯、相対位相、又は搬送波雑音信号の他の特性のうちの少なくとも1つから選択されうる。パルス雑音変調について、搬送波雑音は、送信機と受信機とが共有する様々な周波数特性のものでありうる。パルス雑音変調について、搬送波雑音信号同士が、振幅、期間、及びメッセージ信号を変調するためのタイミングが異なる。上記のパルス雑音変調された信号を受信するために、
図12及び
図14の受信機は、様々な種類の技術を使用して、データ信号を受信し元のデータ信号に復調する。
【0182】
ここで
図15Bを参照すると、例示的な実施形態に係る、ローパスフィルタを含むダイオード検出器を使用したエンベロープフォロワ回路の図である。本図では、エンベロープフォロワ1414のための単一回路の図が示されている。例示的な本実施例では、エンベロープフォロワ1414は、入力信号の整流を行うダイオード1512と、整流された雑音のある信号を除去して低周波数エンベロープを生成するためのローパスフィルタを提供するキャパシタ1514と、から成る。任意選択的な抵抗1516又は誘導コイルが、回路の調整又は共鳴に影響を与えるために設けられうる。ここで、雑音の搬送波パルスの受信された信号1506が、エンベロープフォロワ1414回路に入力される。受信された信号1506がダイオード1512を通って移動する間、ダイオードは整流器として作用し、AC雑音信号をDC雑音信号1518に変換して(DC雑音信号1518からの破線の矢印で図示)、ダイオード1512の出力とする。そこから、整流されたDC雑音信号1518がキャパシタ1514を通り、キャパシタ1514は、上記信号を平滑化してエンベロープ信号1520にするローパスフィルタとして作用する。現在のエンベロープ信号1520は、DC雑音信号1518からの雑音バーストの輪郭又はエンベロープをなぞるラインによって示されている。その後、エンベロープ信号1520は任意選択的な抵抗1516又はコイルを通って移動して、エンベロープをなぞった信号1522として出力口に存在する。
【0183】
例示的な本実施例では、明かに、エンベロープをなぞった信号1522が、受信されたデータ信号1510のように見え始めている。
【0184】
ここで
図15Cを参照すると、例示的実施形態に係るクリッパ回路の図が示されている。本図では、クリッパ回路1204はスライサ又は振幅セレクタとも称される。例示的な本実施例では、クリッパ回路1204が、任意選択的な入力抵抗1524と、ダイオードD1 1526、バイアス電圧1528、ダイオードD2 1530、及びバイアス電圧1532から成る二方向のクリッピング回路と、で構成される。上記の及び他の数多くの周知のクリッピング方法が使用されうる。一方向のクリッピング、及び二方向の又は他の種類クリッピング回路を使用してもよい。
【0185】
例示的な本実施例では、
図15Bからのエンベロープをなぞった信号1522が増幅されてより強い信号となって、クリッパ回路1204に入力される。エンベロープをなぞった信号1522は、インピーダンス整合回路でありうる任意選択的な入力抵抗1524を通って移動する。
【0186】
その後、この信号は、1つ以上の例示的なダイオードD1 1526及びD2 1530を通って移動する。様々な種類のダイオードが使用されうる。エンベロープをなぞった信号1522の頂点領域を切り取るために、1つのダイオードを使用することができ又は送信回路を使用することができ、これにより、信号の頂点の部分1534が切り取られて、信号の下の部分1536が残る。信号の頂点の部分1534が切り取られるレベルは、ダイオードD1 1526及びD2 1530、並びにバイアス電圧1528及び1532によって決定される。
【0187】
従って、残った信号の下の部分1536が出力口で出力される。信号の下の部分1536は、元のデータ信号1500に極めて似た出力データ信号1510となるまで、他のクリッピング段を介して転送することができる。
【0188】
例示的な本実施例で分かるように、搬送波雑音信号1502のパルスによって、データ信号1500中のデータがエンコードされる。換言すれば、搬送波雑音信号1502のパルスの生成時のタイミングが、データをエンコードするために使用される。
【0189】
従って、様々な例示的な実施例では、レーザ生成器又は送信機を使用して生成しうる雑音信号のパルス変調を使用する。レーザ生成器では、光学破壊が雑音信号のパルスを生成するために使用される。物理的な送信機では、電磁的な雑音源が搬送波雑音信号を生成し、この搬送波雑音信号が変調されて、送信されるデータに基づく搬送波雑音信号のパルスが生成される。搬送波雑音信号の上記パルスが、物理的なアンテナを使用して送信可能な、データをエンコードする雑音信号のパルスを形成する。
【0190】
例示的な本実施例において、
図16~
図27は、データをエンコードする高周波雑音信号を生成するために実行されうる工程を示すフロー図であり、ここでは、物理的なアンテナが必要ではない。
【0191】
最初に
図16を参照すると、例示的な実施形態に係る、データを送信するためのプロセスのフロー図が示されている。
図16のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実装されうる。ソフトウェアで実装されたときには、プロセスは、1つ以上のコンピュータシステム内の1つ以上のハードウェアデバイス内に位置する1つ以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラム命令の形態をとりうる。例えば、プロセスは、
図2のコンピュータシステム210内の通信マネージャ212で実装されうる。
【0192】
本プロセスは、送信のためのデータを識別することにより開始される(工程1600)。本プロセスは、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学崩壊を引き起こすために、レーザ光線の集合の放射を制御する(工程1602)。本プロセスは、その後終了する。
【0193】
工程1602では、レーザ光線の集合の放射が幾つかの異なるやり方で制御されうる。例えば、レーザ光線が、連続的に又はパルス状で放射されうる。さらに、レーザ光線が向けられる方向も変更されうる。例えば、レーザ光線の集合が、光学破壊点の集合に向かって方向付けられうる。光学破壊点が、交点又は焦点の少なくとも一方から選択されうる。上記の光学破壊点は、光学破壊が起きる位置である。上記の光学破壊は、高周波雑音信号を生成させるプラズマが発生する位置である。
【0194】
光学破壊が起きる形態が、高周波雑音信号でデータをエンコードするために使用されうる。例えば、光学破壊が起きるタイミングで、データをエンコードするために使用される時間パルスが生成される。このようにして、パルス雑音変調といった様々な種類のデータエンコードを使用して、高周波雑音信号が生成されるときに基づいてデータをエンコードすることが可能である。
【0195】
他の例として、レーザ光線の集合は、様々な位置で光学破壊が起きるように移動し又はさっと動かすことができ、結果的に、データをエンコードするために使用可能な光学破壊における位相の周波数の変更がもたらされる。他の例として、データをエンコードするための高周波雑音信号の振幅を変更するために、レーザ光線のパワーを変更することができる。このようにして、パルス雑音変調といった様々な種類のデータエンコードを使用して、高周波雑音信号が生成されるときに基づいてデータをエンコードすることが可能である。
【0196】
次に
図17を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するための関連するフロー図が示されている。
図17に示すプロセスは、
図16の工程1602の一実施形態の例である。
【0197】
本プロセスは、レーザ光線の集合中のレーザ光線のパワーを、焦点において光学破壊レベルに達して、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学破壊を引き起こすよう制御する(工程1700)。本プロセスは、その後終了する。
【0198】
次に
図18を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するための関連するフロー図が示されている。
図18に示すプロセスは、
図16の工程1602の実施形態の他の例である。
【0199】
本プロセスは、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学破壊を引き起こすために、焦点(交点)において光学破壊レベルに達するように、レーザ光線の集合中のレーザ光線のパワーを制御する(工程1800)。本プロセスは、その後終了する。
【0200】
図19には、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するための関連するフロー図が示されている。
図19に示すプロセスは、
図16の工程1602の実施形態のさらに別の例である。
【0201】
本プロセスは、交点におけるレーザ光線の集合のパワーによって、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学破壊が引き起こされるように交点で交わるよう、レーザ光線の集合の放射を制御する(工程1900)。本プロセスは、その後終了する。
【0202】
次に
図20を参照すると、例示的な実施形態に係る、データを送信するためのプロセスのフロー図が示されている。
図20のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実装されうる。ソフトウェアで実装されたときには、プロセスは、1つ以上のコンピュータシステム内の1つ以上のハードウェアデバイス内に位置する1つ以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラム命令の形態をとりうる。例えば、プロセスは、
図2のコンピュータシステム210内の通信マネージャ212で実装されうる。
【0203】
本プロセスは、高周波雑音信号を使用した送信のためのデータを識別することにより開始される(工程2000)。本プロセスは、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学崩壊を引き起こすために、光学破壊点へのレーザ光線の集合の放射を制御する(工程2002)。本プロセスは、その後終了する。
【0204】
本例では、光学破壊点の集合は、光学破壊点の集合中に1より多い光学破壊点が存在するときには、様々な位置に存在しうる。一例において、光学破壊の集合が、1より多い光学破壊点に向かって方向付けられているレーザ光線の集合によって引き起こされるときには、高周波送信信号が複数の位置から送信されうる。
【0205】
図21には、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するための関連するフロー図が示されている。
図21に示すプロセスは、
図20の工程2002の実施形態のさらに別の例である。
【0206】
本プロセスは、光学破壊点の集合に、第1の集合のレーザ光線を連続的に放射することにより開始される(工程2100)。本プロセスは、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学崩壊を引き起こすために、光学破壊点の集合への第2の集合のレーザ光線をパルス状にする(工程2102)。本プロセスは、その後終了する。
【0207】
工程2102では、上記のパルシングは、第2の集合のレーザ光線の出力をオン・オフすることにより行われうる。他の実施例では、上記のパルシングによって、第2の集合のレーザ光線へのパワーの増減がもたらされうる。本例では、光学破壊は、光学破壊点の集合でのレーザ光線のパワーが十分であることに応じて生じる。本例では、上記のパルシングによって、高周波雑音信号が送信されるときのタイミングが制御される。
【0208】
さらに工程2102では、光学破壊点でのレーザ光線のパワーは、シャッタ、レンズ、変形可能レンズ、微小電気機械システムの鏡、減衰器、制御オプティックス、光学フィルタ、レーザ光線生成器内の振幅変調器、又は他の適切な構成要素のうちの少なくとも1つによって制御されうる。
【0209】
ここで
図22を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するための関連するフロー図が示されている。
図22に示すプロセスは、
図20の工程2002の実施形態のさらに別の例である。
【0210】
本プロセスは、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学崩壊を引き起こす光学破壊点の集合に、レーザ光線を放射する(工程2200)。本プロセスは、その後終了する。
【0211】
次に
図23を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するための関連するフロー図が示されている。
図23に示すプロセスは、
図22の工程2200の一実施形態の例である。
【0212】
本プロセスは、光学破壊点の集合中の選択された光学破壊点に、レーザ光線の集合を放射することにより開始される(工程2300)。本プロセスは、選択された光学破壊点で光学破壊の集合が起きたことに応じて、光学破壊点の集合中の新しい光学破壊点を、選択された光学破壊点として選択する(工程2302)。
【0213】
本プロセスは、データをエンコードする高周波雑音信号を生成しながら、レーザ光線の集合を放射することと、新しい光学破壊点を選択することと、を繰り返す(工程2304)。
プロセスはその後終了する。工程2304では、本プロセスは、高周波雑音信号を送信しながら、任意の回数だけ工程2300及び工程2302を繰り返す。工程2304によって、様々な位置から高周波信号を送信することが、様々な光学破壊点の選択を介して可能となる。結果として、高周波信号の発信元を特定するのをより困難にすることができる。
【0214】
次に
図24を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するための関連するフロー図が示されている。
図24に示すプロセスは、
図20の工程2002の実施形態の他の例である。
【0215】
本プロセスは、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学崩壊を引き起こすために、光学破壊点の集合にレーザ光線の部分集合を放射することにより開始される(工程2400)。本プロセスは、レーザ光線の部分集合として、レーザ光線の新しい部分集合を選択する(工程2402)。
【0216】
本プロセスは、データをエンコードする高周波雑音信号を送信器しながら、レーザ光線の部分集合を放射することと、レーザ光線の新しい部分集合を選択することと、を繰り返す(工程2404)。本プロセスは、その後終了する。レーザ光線の様々な部分集合を利用することで、レーザ光線が様々な位置から放射されたときには、レーザ光線を発する位置を特定することをより困難にすることができる。
【0217】
図25には、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するための関連するフロー図が示されている。
図25に示すプロセスは、
図20の工程2002の実行態様の一例である。
【0218】
本プロセスは、様々な位置から光学破壊点にレーザ光線の集合を放射し、レーザ光線の集合の一部分は、当該レーザ光線の一部分からのパワーが、データをエンコードする高周波雑音信号を生成する光学破壊を光学破壊点において引き起こすのに十分であるように、光学破壊点で交わる(工程2500)。本プロセスは、その後終了する。
【0219】
図26を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の放射を制御するための関連するフロー図が示されている。
図26に示すプロセスは、
図20の工程2002の実施形態の一例である。
【0220】
本プロセスは、光学破壊点にレーザ光線を放射する(工程2600)。本プロセスは、その後終了する。工程2600では、光学破壊は、全てのレーザ光線が光学破壊点で交わったことに応じて起こる。
【0221】
ここで
図27を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線を制御するためのフロー図が示されている。本図に示されるプロセスは、
図20の工程とともに実行することが可能な追加の工程の一例である。
【0222】
本プロセスは、データを高周波雑音信号にエンコードするための、レーザ光線のためのレーザ光線パラメータの集合を変更する(工程2700)。本プロセスは、その後終了する。工程2700では、レーザ光線パラメータの集合を変更することで、高周波雑音信号のための高周波特性の集合が変更される。高周波特性の集合は、タイミング、光学破壊点、高周波雑音信号の振幅、又は高周波雑音信号の他の特性のうちの少なくとも1つから選択される。
【0223】
例示的な本実施例において、
図28~
図35は、データを雑音信号でエンコードするために使用可能な工程を示すフロー図である。最初に
図28を参照すると、例示的な実施形態に係る、データを通信するためのフロー図が示されている。
図28のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実装されうる。ソフトウェアで実装されたときには、プロセスは、1つ以上のコンピュータシステム内の1つ以上のハードウェアデバイス内に位置する1つ以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラム命令の形態をとりうる。例えば、プロセスは、
図9のコンピュータシステム910内の通信マネージャ912で実装されうる。
【0224】
プロセスは、送信のためのデータを識別することにより開始される(工程2800)。本プロセスは、データをエンコードする雑音信号のパルスを送信する(工程2802)。本プロセスは、その後終了する。雑音信号のパルスは、電磁周波数信号、高周波信号、マイクロ波周波数信号、可聴周波数信号、超音波周波数信号、超低周波数信号、極低周波数信号、水中周波数信号、又は光周波数信号のうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0225】
工程2802において、高周波雑音信号のパルスが幾つかの異なるやり方で送信されうる。例えば、上記の雑音信号のパルスは、物理的なアンテナから送信される高周波雑音信号でありうる。他の例示的な実施例において、雑音信号のパルスが、レーザ光線によって生成された光学破壊を使用して送信されうる。光学破壊は、高周波雑音信号の形態による雑音信号のパルスを生成するよう制御されうる。
【0226】
雑音信号は、雑音信号を生成する光学破壊を引き起こすレーザを放射するレーザ生成システム、又は電気的雑音生成器の少なくとも一方を使用して生成されうる。雑音信号中の雑音は、非決定論的な雑音又は疑似ランダム雑音の少なくとも一方から選択されうる。
【0227】
図29を参照すると、例示的な実施形態に係る、雑音信号のパルスを送信するためのフロー図が示されている。本フロー図は、
図28の工程2802の実施形態の一例である。本例では、雑音信号のパルスは、高周波雑音信号のパルスでありうる。
【0228】
本プロセスは、データをエンコードする高周波雑音信号のパルスを生成する光学破壊を引き起こすために、レーザ光線生成器からのレーザ光線の集合の放射を制御する(工程2900)。本プロセスは、その後終了する。
【0229】
次に
図30を参照すると、例示的な実施形態に係る、雑音信号のパルスを送信するための他のフロー図が示されている。本フロー図は、
図28の工程2802の実施形態の一例である。
【0230】
本プロセスは、搬送波高周波雑音信号を生成することにより開始される(工程3000)。本プロセスは、雑音信号のパルスを形成するために、搬送波雑音信号を変調する(工程3002)。工程3002では、パルスによってデータがエンコードされる。
【0231】
本プロセスは、雑音信号のパルスを送信する(工程3004)。本プロセスは、その後終了する。
【0232】
ここで
図31を参照すると、例示的な実施形態に係る、データを通信するためのフロー図が示されている。
図31のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実装されうる。ソフトウェアで実装されたときには、プロセスは、1つ以上のコンピュータシステム内の1つ以上のハードウェアデバイス内に位置する1つ以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラム命令の形態をとりうる。例えば、プロセスは、
図9のコンピュータシステム910内の通信マネージャ912で実装されうる。
【0233】
プロセスは、送信のためのデータを識別することにより開始される(工程3100)。本プロセスは、高周波雑音信号のパルスを生成する光学破壊を引き起こすために、レーザ光線の集合の放射を制御する(工程3102)。本プロセスは、その後終了する。工程3100では、データが、高周波雑音信号のパルスでエンコードされうる。
【0234】
図32を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の集合の放射を制御するためのプロセスのフロー図が示されている。本フロー図のプロセスは、
図31の工程3102の実施形態の一例である。
【0235】
プロセスは、レーザ光線の集合中のレーザ光線のパワーを、焦点において光学破壊レベルに達して、データをエンコードする高周波雑音信号のパルスを生成する光学破壊を引き起こすよう制御する(工程3200)。本プロセスは、その後終了する。
【0236】
ここで
図33を参照すると、例示的な実施形態に係る、レーザ光線の集合の放射を制御するためのプロセスのフロー図が示されている。本フローのプロセスは、
図31の工程3102の実施形態の一例である。
【0237】
本プロセスは、交点におけるレーザ光線の集合のパワーによって、データをエンコードする高周波雑音信号のパルスを生成する光学破壊が引き起こされるように、レーザ光線の集合が交点で交わるよう制御する(工程3300)。本プロセスは、その後終了する。
【0238】
図34には、例示的な実施形態に係る、データを通信するためのフロー図が示されている。
図34のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実装されうる。ソフトウェアで実装されたときには、プロセスは、1つ以上のコンピュータシステム内の1つ以上のハードウェアデバイス内に位置する1つ以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラム命令の形態をとりうる。例えば、プロセスは、
図9のコンピュータシステム910内の通信マネージャ912で実装されうる。
【0239】
本プロセスは、雑音信号のパルスを受信することにより開始される(工程3400)。工程3400では、データが、雑音信号のパルスでエンコードされうる。
【0240】
本プロセスは、雑音信号のパルスの特性の集合を使用して、雑音信号のパルスでエンコードされたデータを復号する(工程3402)。本プロセスは、その後終了する。工程3402において、特性の集合は、雑音のパルスのタイミング、雑音のパルスの振幅、雑音のパルスの期間、又は何らかの他の特性のうちの少なくとも1つを含む。
【0241】
ここで
図35を参照すると、例示的な実施形態に係る、データを復号するためのフロー図が示されている。本フロー図に示されるプロセスは、
図34の工程3402の実施形態の一例である。
【0242】
本プロセスは、データをエンコードする雑音信号のパルスを含む周波数範囲内の信号を受信することにより開始される(工程3500)。工程3500では、周波数範囲内の信号が、バンドパスフィルタ、ノッチフィルタ、帯域阻止フィルタの少なくとも1つを使用して受信されうる。
【0243】
本プロセスは、周波数範囲内の雑音信号のパルスを識別する(工程3502)。本プロセスは、その後終了する。工程3502では、周波数範囲内の雑音信号のパルスが、エンベロープ検出器を使用して識別されうる。
【0244】
図示した様々な実施形態におけるフロー図及びブロック図は、例示的な実施形態における、装置及び方法の幾つかの可能な実施形態の構造、機能、及び工程を示している。これに関して、フロー図又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は工程若しくはステップの一部分のうちの少なくとも1つを表わしうる。例えば、1つ以上のブロックが、プログラム命令、ハードウェア、又はプログラム命令とハードウェアとの組合せとして実装されうる。ハードウェアで実装されたときには、このハードウェアは、例えば、フロー図又はブロック図における1つ以上の処理を実行するよう製造され又は構成された集積回路の形態をとりうる。プログラム命令とハードウェアとの組み合わせとして実装されたときには、この実施形態はファームウェアの形態をとりうる。フロー図又はブロック図における各ブロックは、専用ハードウェアと、専用ハードウェアによって実行されるプログラム命令と、の様々な処理又は組み合わせを実行する専用ハードウェアシステムを使用して実装されうる。
【0245】
例示的実施形態の幾つかの代替的な実施形態では、ブロックに記載された機能が、図中に記載した順序から外れて実行されうる。例えば、場合によっては、連続して示される2つのブロックがほぼ同時に実行されることがあり、又はブロックが、含まれる機能に従って、逆の順序で実行されることもありうる。さらに、フロー図又はブロック図において示されたブロックに加えて、他のブロックが追加されてよい。
【0246】
従って、例示的な実施例は、物理的なアンテナが存在しない送信システムを使用して高周波信号を送信するための方法、装置、及びシステムを提供する。光学破壊が、レーザ光線によって生成され、ここで、光学破壊がプラズマを発生させる。プラズマによって、高周波雑音信号が得られる。光学破壊は、高周波雑音信号でデータをエンコードするために制御されうる。上記光学破壊の位置が、図示された例では高周波源エミッタである。
【0247】
さらに、上記の高周波源エミッタは、レーザ光線が様々な光学破壊点を指すようにレーザ光線を再配置することで、様々な位置に移動させることができる。上記の位置への攻撃は、プラズマが生成される光学破壊点への攻撃である。
【0248】
結果的に、上記の位置へのキネティック攻撃は、物理的なインフラ構造がその位置には存在しないため無益である。さらに、レーザ変調源が、上記の高周波源エミッタの位置から離れている。上記の光学破壊は、レーザ源からは離れている位置で起こりうる。
【0249】
さらに、例示的な実施例は、雑音信号を使用してデータをエンコードすることが可能である。雑音信号の使用は、データをエンコードするための搬送波信号としての正弦波信号の使用とは対照的ある。雑音信号のパルスでデータをエンコードすることによって、正弦波搬送波を使用してエンコードされたデータを送信する際の検出及び干渉の問題が低減されうる。
【0250】
様々な例示的な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であること又は開示された形での実施形態に限定することは意図されていない。アクション又は工程を実行する構成要素が、様々な例示的な実施例によって説明される。例示的な実施形態では、構成要素は、記載されるアクション又は工程を実行するよう構成されうる。例えば、この構成要素は、例示的な実施例で当該構成要素によって実行されると説明されているアクション又は工程を実行する能力を自身に提供する構成又は設計を有しうる。さらに、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「包含する(contains)」という用語、及びこれらの変化形が本明細書で使用される限りにおいて、このような用語は、任意の追加の又は他の構成要素を除外しないオープントランジションの文言(open transition word)として、「備える(comprises)」という用語と同様に包括的であることが意図されている。
【0251】
さらに、本開示は、以下の条項に係る実施例を含む。
【0252】
条項1.高周波通信システム(200)であって、
コンピュータシステム(210、910)と、
コンピュータシステム(210、910)内の通信マネージャ(212、912)であって、
高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を使用した送信のためのデータ(203、902、1108)を識別すること、及び
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、光学破壊点(222)の集合へのレーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御すること
を行うよう構成された通信マネージャ(212、912)と、
を備えた、高周波通信システム(200)。
【0253】
条項2.通信マネージャ(212、912)と通信するレーザ生成システム(218、300、420、520、620、720、1000)であって、通信マネージャ(212、912)が、レーザ光線(220、1004)の集合を放射するようレーザ生成システム(218、300、420、520、620、720、1000)を制御する、レーザ生成システム(218、300、420、520、620、720、1000)をさらに含む、条項1に記載の高周波通信システム(200)。
【0254】
条項3.レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御する際に、通信マネージャ(212、912)が、
光学破壊点(222)の集合に、第1の数のレーザ光線(220、1004)の集合を連続的に放射することと、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、光学破壊点(222)の集合にへの第2の数のレーザ光線(220、1004)の集合をパルス状にすることと、を行うよう構成される、条項1に記載の高周波通信システム(200)。
【0255】
条項4.レーザ光線(220、1004)の集合が様々な位置から放射される、条項3に記載の高周波通信システム(200)。
【0256】
条項5.レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御する際に、通信マネージャ(212、912)が、データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こす光学破壊点(222)の集合に、レーザ光線(220、1004)の集合を放射するよう構成される、条項1に記載の高周波通信システム(200)。
【0257】
条項6.光学破壊点(222)の集合にレーザ光線(220、1004)の集合を放射する際に、通信マネージャ(212、912)が、
光学破壊点の集合(222)中の選択された光学破壊点にレーザ光線の集合(220、1004)を放射することと、
選択された光学破壊点として、光学破壊点の集合(222)中の新しい光学破壊点(234)を選択することと、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成しながら、レーザ光線(220、1004)の集合を放射すること、及び新しい光学破壊点(234)を選択することを繰り返すことと、
を含む、条項5に記載の高周波通信システム(200)。
【0258】
条項7.レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御する際に、通信マネージャ(212、912)が、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、光学破壊点(222)の集合にレーザ光線(220、1004)の集合の部分集合を放射することと、
レーザ光線(220、1004)の集合の部分集合として、レーザ光線(220、1004)の集合の新しい部分集合を選択することと、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を送信しながら、レーザ光線(220、1004)の部分集合を放射すること、及びレーザ光線(220、1004)の集合の新しい部分集合を選択することを繰り返すことと、
を行うよう構成される、条項1に記載の高周波通信システム(200)。
【0259】
条項8.レーザ光線(220、1004)の集合が様々な位置から放射される、条項6に記載の高周波通信システム(200)。
【0260】
条項9.レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御する際に、通信マネージャ(212、912)が、様々な位置から光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)にレーザ光線(220、1004)の集合を放射するよう構成され、レーザ光線(220、1004)の集合の一部分は、当該レーザ光線(220、1004)の集合の一部分からのパワー(227)が、データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を、光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)において引き起こすのに十分であるように、光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)で交わる、条項1に記載の高周波通信システム(200)。
【0261】
条項10.レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御する際に、通信マネージャ(212、912)が、光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)にレーザ光線(220、1004)の集合を放射するよう構成され、光学破壊(224、1005)は、レーザ光線(220、1004)の集合の全てが光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)において交わったのに応じて起こる、条項1に記載の高周波通信システム(200)。
【0262】
条項11.光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)におけるレーザ光線(118、134、144、228、302)のパワー(227)が、シャッタ(503、613、617、703)、レンズ(511、715)、変形可能なレンズ、微小電気機械システムの鏡、減衰器、制御オプティックス、光学フィルタ、又はレーザ光線生成器内の振幅変調器の少なくとも1つによって制御される、条項1に記載の高周波通信システム(200)。
【0263】
条項12.通信マネージャ(212、912)が、データ(203、902、1108)を高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)にエンコードするための、レーザ光線(220、1004)の集合のためのレーザ光線パラメータ(240)の集合を変更するよう構成され、レーザ光線パラメータ(240)の集合を変更することで、高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)の高周波特性(242)の集合が変更される、条項1に記載の高周波通信システム(200)。
【0264】
条項13.高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)の高周波特性性(242)の集合が、タイミング、光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)、又は高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)の振幅のうちの少なくとも1つから選択される、条項12に記載の高周波通信システム(200)。
【0265】
条項14.光学破壊点(222)の集合が、交点(223、410、510、610、710)又は焦点(225、306)の少なくとも一方から選択される、条項1に記載の高周波通信システム(200)。
【0266】
条項15.高周波通信システム(200)であって、
レーザ光線の集合(220、1004)を放射するよう構成されたレーザ生成システム(218、300、420、520、620、720、1000)と、
コンピュータシステム(210、910)と、
コンピュータシステム(210、910)内の通信マネージャ(212、912)であって、
送信のためのデータ(203、902、1108)を識別すること、及び
レーザ生成システム(218、300、420、520、620、720、1000)を使用して、データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御すること
を行うよう構成された通信マネージャ(212、912)と、
を備えた、高周波通信システム(200)。
【0267】
条項16.データ(203、902、1108)を送信する方法であって、
送信のためのデータ(203、902、1108)を識別すること(1600)と、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御すること(1602)と、
を含む、方法。
【0268】
条項17.レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御すること(1602)が、
レーザ光線(220、1004)の集合内のレーザ光線(118、134、144、228、302)のパワー(227)を、焦点(225、306)において光学破壊レベルに達して、データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすよう制御すること(1700)を含む、条項16に記載の方法。
【0269】
条項18.レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御すること(1602)が、
交点(223、410、510、610、710)におけるレーザ光線(220、1004)の集合のパワー(227)によって、データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)が引き起こされるように交点(223、410、510、610、710)で交わるよう、レーザ光線(220、1004)の集合の放射を制御すること(1900)を含む、条項16に記載の方法。
【0270】
条項19.データ(203、902、1108)を送信する方法であって、
高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を使用した送信のためのデータ(203、902、1108)を識別すること(2000)と、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、光学破壊点(222)の集合へのレーザ光線(220、1004)の放射を制御すること(2002)と、
を含む、方法。
【0271】
条項20.レーザ光線(220、1004)の放射を制御すること(2002)が、
光学破壊点(222)の集合に、第1の集合のレーザ光線(220、1004)を連続的に放射すること(2100)と、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、光学破壊点(222)の集合へのレーザ光線(220、1004)の第2の集合をパルス状にすること(2102)と、
を含む、条項19に記載の方法。
【0272】
条項21.レーザ光線(220、1004)の放射を制御すること(2002)が、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こす光学破壊点(222)の集合に、レーザ光線(220、1004)を放射すること(2200)を含む、条項19に記載の方法。
【0273】
条項22.光学破壊点(222)の集合に、レーザ光線(220、1004)を連続的に放射すること(2200)と、
光学破壊点の集合(222)中の選択された光学破壊点にレーザ光線の集合(220、1004)を放射すること(2300)と、
選択された光学破壊点で光学破壊(224、1005)の集合が起きたことに応じて、光学破壊点の集合(222)中の新しい光学破壊点(234)を、選択された光学破壊点として選択すること(2302)と、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成しながら、レーザ光線(220、1004)を放射すること、及び新しい光学破壊点を選択することを繰り返すこと(2304)と、
を含む、条項21に記載の方法。
【0274】
条項23.レーザ光線(220、1004)の放射を制御すること(2002)が、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を引き起こすために、光学破壊点(222)の集合にレーザ光線(220、1004)の部分集合を放射すること(2400)と、
レーザ光線(220、1004)の新しい部分集合を、レーザ光線(220、1004)の部分集合として選択すること(2402)と、
データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を送信しながら、レーザ光線(220、1004)の部分集合を放射すること、及びレーザ光線(220、1004)の新しい部分集合を選択することを繰り返すこと(2404)と、
を含む、条項19に記載の方法。
【0275】
条項24.レーザ光線(220、1004)の集合が様々な位置から放射される、条項23に記載の方法。
【0276】
条項25.レーザ光線(220、1004)の放射を制御すること(2002)が、
様々な位置から光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)にレーザ光線(220、1004)を放射すること(2500)を含み、レーザ光線(220、1004)の一部分は、当該レーザ光線(220、1004)の一部分からのパワー(227)が、データ(203、902、1108)をエンコードする高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)を生成する光学破壊(224、1005)を、光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)において引き起こすのに十分であるように、光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)で交わる、条項19に記載の方法。
【0277】
条項26.レーザ光線(220、1004)の放射を制御すること(2002)が、
光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)にレーザ光線(220、1004)を放射すること(2600)を含み、光学破壊(224、1005)は、レーザ光線(220、1004)の全てが光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)で交わったのに応じて起こる、条項19に記載の方法。
【0278】
条項27.光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)におけるレーザ光線(118、134、144、228、302)のパワー(227)が、シャッタ(503、613、617、703)、レンズ(511、715)、変形可能なレンズ、微小電気機械システムの鏡、減衰器、制御オプティックス、光学フィルタ、又はレーザ光線生成器内の振幅変調器の少なくとも1つによって制御される、条項19に記載の方法。
【0279】
条項28.データ(203、902、1108)を高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)にエンコードするための、レーザ光線(220、1004)の集合のためのレーザ光線パラメータ(240)の集合を変更すること(2700)であって、レーザ光線パラメータの集合を変更することで、高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)の高周波特性(242)の集合が変更される、レーザ光線パラメータ(240)の集合を変更すること(2700)をさらに含む、条項19に記載の方法。
【0280】
条項29.高周波特性(242)の集合が、タイミング、光学破壊点(114、120、136、146、168、230、232、308、408、508、608、708)、又は高周波雑音信号(206、416、516、616、802、1006、1114、1206)の振幅のうちの少なくとも1つから選択される、条項28に記載の方法。
【0281】
条項30.光学破壊点(222)の集合が、交点(223、410、510、610、710)又は焦点(225、306)の少なくとも一方から選択される、条項29に記載の方法。
【0282】
当業者には、多くの修正及び変形例が明かとなろう。更に、様々な例示的な実施形態によって、他の望まれる実施形態に比べて異なる特徴が提供されうる。選択された1つ以上の実施形態は、実施形態の原則、実際の用途を最も良く説明するために、及び他の当業者に対して、様々な実施形態の開示内容と考慮される特定の用途に適した様々な修正の理解を促すために選択及び記載されている。
【外国語明細書】