(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099507
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】自律車両オペレータの従事
(51)【国際特許分類】
B60W 50/08 20200101AFI20240718BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240718BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240718BHJP
【FI】
B60W50/08
G08G1/16 C
B60W60/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024003520
(22)【出願日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】18/096,321
(32)【優先日】2023-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521042770
【氏名又は名称】ウーブン・バイ・トヨタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル ルートビヒ キューナー
(72)【発明者】
【氏名】安田 浩志
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA30
3D241BA70
3D241CD05
5H181AA01
5H181BB04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】オペレータを従事させ続けるシステム、方法の提供。
【解決手段】本明細書に記載のシステム、方法、及び他の実施形態は、半自律型又は自律型ホスト車両のオペレータを従事させ続けることに関する。一実施形態では、この方法は、ホスト車両の従事解除率が所定の閾値より小さいか判定することと、次の道路区間の運転条件がホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定することとを含む。本方法は、少なくとも、従事解除率が所定の閾値より小さいこと及び運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであることに応答して、ホスト車両における自律車両制御を従事解除することを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
機械可読命令を記憶するメモリと、を備え、
前記機械可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
ホスト車両の従事解除率が所定の閾値より小さいか判定させ、
次の道路区間の運転条件が前記ホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定させ、
少なくとも、前記従事解除率が前記所定の閾値より小さいこと及び前記運転条件が前記自律車両制御の前記従事解除を促すものであることに応答して、前記ホスト車両における前記自律車両制御を従事解除させる、
システム。
【請求項2】
前記運転条件が、
道路条件、
気象条件、
視程条件、又は
交通条件のうち少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記機械可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記次の道路区間を通り抜けた1つ以上の車両から前記運転条件を受信させる命令を更に含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記機械可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記ホスト車両における前記自律車両制御を従事解除したことに応答して、オペレータが前記ホスト車両の制御を引き受けたか判定させる命令を更に含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記機械可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記ホスト車両のオペレータの特徴が前記ホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定させ、
少なくとも、前記従事解除率が前記所定の閾値より小さいこと、前記運転条件が前記自律車両制御の前記従事解除を促すものであること、及び、前記ホスト車両の前記オペレータの前記特徴に応答して、前記ホスト車両における前記自律車両制御を従事解除させる命令を更に含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記機械可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記ホスト車両における前記自律車両制御を仮想的に従事解除させる命令を更に含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記従事解除率は、所定の期間に対する、システムが開始する従事解除の回数の割合である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ホスト車両の従事解除率が所定の閾値より小さいか判定することと、
次の道路区間の運転条件が前記ホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定することと、
少なくとも、前記従事解除率が前記所定の閾値より小さいこと及び前記運転条件が前記自律車両制御の前記従事解除を促すものであることに応答して、前記ホスト車両における前記自律車両制御を従事解除することと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記運転条件が、
道路条件、
気象条件、
視程条件、又は
交通条件のうち少なくとも1つを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記次の道路区間を通り抜けた1つ以上の車両から前記運転条件を受信することを更に含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ホスト車両における前記自律車両制御を従事解除したことに応答して、オペレータが前記ホスト車両の制御を引き受けたか判定することを更に含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ホスト車両のオペレータの特徴が前記ホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定することと、
少なくとも、前記従事解除率が前記所定の閾値より小さいこと、前記運転条件が前記自律車両制御の前記従事解除を促すものであること、及び、前記ホスト車両の前記オペレータの前記特徴に応答して、前記ホスト車両における前記自律車両制御を従事解除することと、を更に含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記ホスト車両における前記自律車両制御を仮想的に従事解除させることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記従事解除率が、所定の期間に対する、システムが開始する従事解除の回数の割合である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
ホスト車両の従事解除率が所定の閾値より小さいか判定させ、
次の道路区間の運転条件が前記ホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定させ、
少なくとも、前記従事解除率が前記所定の閾値より小さいこと及び前記運転条件が前記自律車両制御の前記従事解除を促すものであることに応答して、前記ホスト車両における前記自律車両制御を従事解除させる、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記運転条件が、
道路条件、
気象条件、
視程条件、又は
交通条件のうち少なくとも1つを含む、
請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記次の道路区間を通り抜けた1つ以上の車両から前記運転条件を受信させる命令を更に含む、
請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記ホスト車両における前記自律車両制御を従事解除したことに応答して、オペレータが前記ホスト車両の制御を引き受けたか判定させる命令を更に含む、
請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記ホスト車両のオペレータの特徴が前記ホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定させ、
少なくとも、前記従事解除率が前記所定の閾値より小さいこと、前記運転条件が前記自律車両制御の前記従事解除を促すものであること、及び、前記ホスト車両の前記オペレータの前記特徴に応答して、前記ホスト車両における前記自律車両制御を従事解除させる命令を更に含む、
請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記ホスト車両における前記自律車両制御を仮想的に従事解除させる命令を更に含む、
請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の主題は一般に、自律車両オペレータを従事(engage)させ続けるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自律型又は半自律型車両のオペレータは、車両が手動制御に切り替わる必要のある場合に備えて、従事したままでなければならない。ところが、車両が長期間にわたって事故なく自律的又は半自律的に動作していると、オペレータが注意をそらされ、手動制御への切り替えが発生した際に応答が遅れる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、半自律型又は自律型ホスト車両のオペレータを従事(engage)させ続けるためのシステムが開示される。システムは、1つ以上のプロセッサと、その1つ以上のプロセッサと通信状態にあるメモリとを含む。メモリは命令を含む制御モジュールを記憶し、それらの命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、その1つ以上のプロセッサに、ホスト車両の従事解除率が所定の閾値より小さいか判定させ、次の道路区間(upcoming road segment)の運転条件がホスト車両における自律車両制御の従事解除(disengagement)を促すものであるか判定させ、少なくとも、従事解除率が所定の閾値より小さいこと及び運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであることに応答して、ホスト車両における自律車両制御を従事解除する。
【0004】
別の実施形態では、半自律型又は自律型ホスト車両のオペレータを従事させ続けるための方法が開示される。この方法は、ホスト車両の従事解除率が所定の閾値より小さいか判定することと、次の道路区間の運転条件がホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定することと、少なくとも、従事解除率が所定の閾値より小さいこと及び運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであることに応答して、ホスト車両における自律車両制御を従事解除することと、を含む。
【0005】
別の実施形態では、半自律型又は自律型ホスト車両のオペレータを従事させ続けるための非一時的コンピュータ可読媒体であって、1つ以上のプロセッサによって実行されると、その1つ以上のプロセッサに1つ以上の機能を実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。これらの命令は、ホスト車両の従事解除率が所定の閾値より小さいか判定し、次の道路区間の運転条件がホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定し、少なくとも、従事解除率が所定の閾値より小さいこと及び運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであることに応答して、ホスト車両における自律車両制御を従事解除する命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面は本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示の様々なシステム、方法、及び他の実施形態を示す。図中に示された要素境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、又は他の形状)が境界の一実施形態を表すことは理解される。いくつかの実施形態では、1つの要素が複数の要素として設計されてもよく、又は複数の要素が1つの要素として設計されてもよい。いくつかの実施形態では、別の要素の内部構成要素として示される要素は、外部構成要素として実装されてもよく、逆もまた同様である。更に、要素は縮尺に従って描かれていないこともある。
【0007】
【
図1】
図1は、車両オペレータ従事システムを組み込んだホスト車両のブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1の車両オペレータ従事システムのより詳細なブロック図である。
【
図3】
図3は、半自律型又は自律型のホスト車両のオペレータを従事させ続けることに関連する方法の一実施形態を示す流れ図である。
【
図4】
図4は、車両オペレータ従事シナリオの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
自律型又は半自律型車両のオペレータを従事(engage)させ続けることに関連するシステム、方法、及び他の実施形態が開示される。自律型車両又は半自律型車両は、レベル2自動運転又はレベル3自動運転であり得る。そのため、オペレータは、注意を喚起したまま、車両の制御を引き継げるように待機していることが求められる。ところが、車両が主としてODD(Operational Design Domain:運行設計領域)で走行する場合、この領域は自動運転システムが適切に動作するように設計された特定の領域であるため、車両がオペレータからの介入を要求する、又は、必要とする機会は比較的少ない。そのため、オペレータが車両の能力に過度に依存し始めて、車両の走行中に注意が散漫になることがある。その結果、オペレータは、L2又はL3自動運転を伴う車両の制御を引き継ぐ準備ができていないことになり得るが、自動運転は、一例としてセンサ故障、変化する気象条件、予期せぬODD変化(例えば、工事区域、事故現場)などに起因して、予期せずに自律車両制御を従事解除(disengage)することもある。
【0009】
したがって、一実施形態では、本開示の手法は、半自律型又は自律型ホスト車両のオペレータを従事させ続けるシステムである。システムは、オペレータが自律車両制御を過度に信頼することを防止するために、ODDなどの安全な環境における、自律車両制御の予定外の従事解除をシミュレートしてもよい。一例として、システムは、ホスト車両の従事解除率が閾値より小さいか判定する。従事解除率は、所定の期間に対する、システムが開始する従事解除の回数の割合である。従事解除とは、自律車両制御が従事している状態から従事していない状態への、状態変化を指す。
【0010】
上述したように、ホスト車両がほぼODD内のみを走行しているとき、ホスト車両はオペレータの介入を必要とせずに動作することができる。そのため、従事解除率は、例えば1:180のように低く、これは、システムが従事解除を180分に1回開始することを意味し、オペレータは気を散らされ、不注意になる可能性が高い。
【0011】
追加的に及び/又は代替的に、従事解除率は、ホスト車両が手動モードにある時間量とホスト車両が自律モードにある時間量との間の比率を指してもよい。上述したように、ホスト車両がほぼODD内のみを走行しているとき、ホスト車両はオペレータの介入を必要とせずに動作することができる。そのため、従事解除率は、例えば5:180のように低く、この場合、手動モード5分に対して自律モード180分であり、オペレータは気を散らされ、不注意になる可能性が高い。
【0012】
システムは、オペレータが注意を払い続け、従事し続け、かつ/又は応答性を保つ可能性が高い閾値を、履歴情報及び調査を使用して決定してもよい。閾値は、ホスト車両の当該オペレータに特有のデータ、及び/又は複数の車両内の複数のオペレータから得られたデータに基づいてもよい。一例として、閾値は1:30などのように従事解除の回数に基づいてもよく、この場合、システムが開始する従事解除の事象が30分ごとに1回発生する。別の例として、閾値は1:14などのように期間に基づいてもよく、この場合、オペレータを従事させ続けるために、1分間は手動モード、14分間は自律モードとなる。
【0013】
そのため、システムは、ホスト車両を自律モードから手動モードに切り替え、自動車両制御を従事解除して、従事解除の回数及び/又はホスト車両が手動モードにある時間を増加させ、よって従事解除率を増加させてもよい。システムは、自律モードから手動モードに物理的に切り替わってもよく、手動モードでは1つ以上の自動車両システムが非アクティブ化される。代替的に、システムは、自律モードから手動モードに仮想的に切り替わってもよく、自律モードにある車両システムは自律モードのままであるが、システムはオペレータに対して、車両システムが非アクティブ化するとホスト車両がどのように動作するかを示す対話型シミュレーションシナリオを描いて見せてもよい。
【0014】
次の道路区間でホスト車両を手動モードに切り替える前に、システムは、次の道路区間の運転条件がホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定する。システムは、ホスト車両が接近している道路区間を既に通り抜けた、ホスト車両に先行する車両から、道路条件、気象条件、視程条件、及び/又は交通条件に関する情報を受信してもよい。
【0015】
システムは、運転条件がホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるかを、以下に開示する例などの、如何なる適切なアルゴリズムを使用して判定してもよい。
【0016】
従事解除率が所定の閾値より小さく、かつ運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであるとシステムが判定すると、システムは、所定の期間、例えば3分間、ホスト車両の自律車両制御を従事解除する。3分後、システムは、ホスト車両の自律車両制御を再従事させる。
【0017】
本明細書で開示する実施形態は、現在の技術に勝る様々な利点を提示する。第1に、これらの実施形態は、オペレータを従事させ続けるための安全な方法を提供することができる。第2に、これらの実施形態は、実際には自律車両制御システムのいずれも従事解除することなく、シミュレートされたシナリオを提供することができる。第3に、これらの実施形態は、有効な従事解除率及び閾値に関する調査のためのデータを提供することができる。
【0018】
本明細書には詳細な実施形態を開示する。ただし、本開示の実施形態は単に例として意図されていることが理解されるべきである。したがって、本明細書で開示する特定の構造的及び機能的詳細は限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び、当業者に、適切に詳述された事実上あらゆる構造において本明細書の態様を様々に採用するように教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。更に、本明細書で使用する用語及び語句は、限定を意図するものではなく、考え得る実装形態の理解可能な説明を提供することを意図するものである。様々な実施形態を図面に示すが、実施形態は、図示された構造又は用途に限定されない。
【0019】
説明を簡単かつ明確にするために、適切な場合には、相当する要素又は類似の要素を示すために異なる図の間で参照番号が繰り返されることは理解される。加えて、本明細書に記載の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的詳細を示す。ただし、これらの具体的な詳細なしに本明細書に記載の実施形態が実施され得ることは、当業者には理解される。
【0020】
図1を参照すると、車両オペレータ従事システム100を組み込んだホスト車両102のブロック図が示されている。ホスト車両102は、様々な要素を含む。様々な実施形態において、ホスト車両102が
図1に示される要素の全てを有する必要がないこともあることは理解される。ホスト車両102は、
図1に示す様々な要素の如何なる組み合わせを有してもよい。更に、ホスト車両102は、
図1に示されるものに追加の要素を有してもよい。いくつかの配置では、ホスト車両102は、
図1に示される要素のうち1つ以上を伴わずに実装されてもよい。
図1では、様々な要素がホスト車両102の内部に置かれるものとして示されているが、これらの要素のうち1つ以上がホスト車両102の外部に置かれてもよいことは理解される。更に、示される要素は、大きな距離をおいて物理的に分離されてもよい。
【0021】
ホスト車両102の考え得る要素のいくつかが
図1に示されており、後続の図にとともに説明される。ただし、説明を簡潔にするために、
図1の要素の多くについては、
図2~
図4の考察の後に説明する。更に、説明を簡単かつ明確にするために、適切な場合には、相当する要素又は類似の要素を示すために異なる図面間で参照番号が繰り返されることは理解される。加えて、この考察は、本明細書に記載の実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的詳細を概説する。ただし、これらの要素の様々な組み合わせを使用して本明細書に記載の実施形態が実践されてもよいことは、当業者には理解される。いずれにしても、
図1の実施形態に示すように、ホスト車両102は、自律型又は半自律型車両のオペレータを従事させ続けることに関する、本明細書に開示する方法及び他の機能を実行するように実装された車両オペレータ従事システム100を含む。後で更に詳細に説明するように、様々な実施形態において、車両オペレータ従事システム100は部分的にホスト車両102の内部に実装されてもよく、また更に、ホスト車両102から遠隔にあって本開示の機能を支援する車両オペレータ従事システム100の追加の態様と通信を交換してもよい。したがって、
図1は概して車両オペレータ従事システム100を自己完結型として示しているが、様々な実施形態では、車両オペレータ従事システム100は複数の別個のデバイスの内部に実装されてもよく、それらのうちいくつかはホスト車両102から遠隔にあってもよい。
【0022】
図2を参照すると、
図1の車両オペレータ従事システムのより詳細なブロック図が示されている。車両オペレータ従事システム100は、
図1のホスト車両102からプロセッサ110を含んでもよい。したがって、プロセッサ110が車両オペレータ従事システム100の一部であってもよいし、車両オペレータ従事システム100がホスト車両102のプロセッサ110とは別個のプロセッサを含んでもよいし、かつ/又は車両オペレータ従事システム100はデータバス若しくは別の通信経路を通じてプロセッサ110にアクセスしてもよい。更なる態様では、プロセッサ110は、通信ネットワークを介して車両オペレータ従事システム100と通信するクラウドベースのリソースである。一実施形態では、車両オペレータ従事システム100は、制御モジュール220を記憶するメモリ210を含む。メモリ210は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、又は、制御モジュール220を記憶するために適した他のメモリである。制御モジュール220は、例えば、物理メモリ210内にコンピュータ可読命令を含み、この命令はプロセッサ110によって実行されると、本明細書で開示する様々な機能をプロセッサ110に実行させる。
【0023】
一実施形態では、車両オペレータ従事システム100は、データストア250を含む。データストア250は、一実施形態では、メモリ210又は別のデータストアに記憶された電子データ構造(例えば、データベース)であり、記憶されたデータを分析すること、記憶されたデータを提供すること、記憶されたデータを編成することなどのためにプロセッサ110によって実行され得る複数のルーチンで構成される。よって、一実施形態では、データストア250は、様々な機能を実行する際に制御モジュール220によって使用されるデータを記憶する。一実施形態では、データストア250は、例えば、車両情報データ270、環境情報データ280、交通情報データ290、及び/又は、制御モジュール220によって使用される他の情報に加えて、センサデータ119を含む。
【0024】
センサデータ119は、ホスト車両102のセンサシステム120から発生してもよい。追加的に及び/又は代替的に、センサデータ119は、1つ以上の外部ソースから発生してもよい。外部ソースは、周囲車両を含む他の車両、路側機、サーバ、及び/又はデータベースなどの、無線通信が可能な如何なる存在物を含んでもよい。センサデータ119は、ホスト車両102の内部の環境に関する情報を含んでもよい。追加的に及び/又は代替的に、センサデータ119は、ホスト車両102の周囲の環境において検出された車両及び/又は物理的特徴を含んでもよい。
【0025】
車両情報データ270は、オペレータ識別情報及びオペレータ履歴などのオペレータ情報を含むことができる。車両情報データ270は、ホスト車両102及び、ホスト車両102が入っている制御モードに関する情報を含む。一例として、ホスト車両102は、半自律モード又は自律モードにあることができる。別の例として、ホスト車両102内の車両システム140のうち1つ以上は、様々なレベルの手動制御又は自律制御にあることができる。そのような例では、操舵システム143、スロットルシステム144、及び/又は制動システム142のうち1つ以上は、手動制御下、自律制御下、又はそれらの間のどこかにあることができる。
【0026】
環境情報データ280は、ホスト車両102が走行している道路のロケーション及び条件など、ホスト車両102の周囲の環境に関する情報を含んでもよい。道路のロケーションは、道路の地理的座標及び、目的地に対する道路のポジションを含んでもよい。道路の条件は、穴ぼこ、道路瓦礫、植生、閉塞物の存在、並びに/又は、車線マーカ、路肩マーカ、交通標識、交通信号機、及び通信式路側機などの路上標識器具の存在など、道路の物理的条件に関する情報を含むことができる。
【0027】
追加的に及び/又は代替的に、環境情報データ280は、気象条件、道路条件、空気の質、光レベル、及び/又はタイムスタンプなどの環境内の条件を含むことができる。気象条件は、一例として、雪、雨、及び/又は雹などの降水の存在を含んでもよい。気象条件は、霧レベル、積雪レベル(すなわち、地上の雪の量)、及び/又は洪水などの気象の影響を更に含んでもよい。前述したように、気象条件は、現在の気象条件及び/又は将来の気象条件に基づいてもよい。環境情報データ280は、定期的に、かつ/又はオンデマンドで更新されてもよい。環境情報データ280は、環境情報データベースなどの1つ以上のデータベースから情報を受信してもよい。
【0028】
交通情報データ290は、道路上の交通レベル、及び道路の当該ロケーションにおける司法管轄に基づく交通規則を含んでもよい。交通情報データ290は、交通情報データベースなどの1つ以上のデータベースから情報を受信してもよい。センサデータ119、車両情報データ270、環境情報データ280、及び交通情報データ290は、車両システム140を制御するために車両オペレータ従事システム100によって使用される情報を記述するデジタルデータであってもよい。
【0029】
一実施形態では、制御モジュール220は、ホスト車両102の従事解除率が所定の閾値より小さいか判定するようにプロセッサ110を制御するように機能する命令を含む。従事解除率は、所定の期間に対する、システムが開始する従事解除回数の割合である。従事解除には、人間が開始する従事解除とシステムが開始する従事解除の2つのタイプがある。人間が開始する従事解除は、一例として、ハンドルを回転させて車線を変更すること又はブレーキペダルを作動させることによって、人間が自律車両制御を従事解除する(すなわち、非アクティブ化させる)場合である。システムが開始する従事解除は、車両システムなどのシステムが自律車両制御を従事解除する場合である。
【0030】
自律車両制御(自律車両制御システムとしても知られる)は、自律運転システム160及び1つ以上の車両システム140を含んでもよく、車両システム140は自動であってもよく、推進システム141、制動システム142、操舵システム143などである。そのため、自律車両制御が従事解除されているとき、自律運転システム160及び車両システム140のうち1つ以上は従事解除され(又は非アクティブ化して)している。自律車両制御が従事しているとき、自律運転システム160及び車両システム140のうち1つ以上は従事(又はアクティブ化)している。
【0031】
制御モジュール220は、自律車両制御がいつ従事したか、及び/又は、いつ従事解除されたかを監視して記録してもよい。追加的に及び/又は代替的に、制御モジュール220は、自律車両制御及び/又は自律運転システム160が従事解除された回数を自律車両制御及び/又は自律運転システム160に要求し、そこから受信してもよい。制御モジュール220は、自律車両制御及び/若しくは自律運転システム160が従事してきた時間、並びに/又は、自律車両制御及び/若しくは自律運転システム160が従事解除していた時間を、自律車両制御及び/又は自律運転システム160に要求し、そこから受信してもよい。制御モジュール220は従事解除率を、移動の終了時、1日に1回、1週間に1回、従事解除期間の終了時、従事期間の終了時など、適切な如何なる間隔で更新してもよい。
【0032】
所定の閾値は、所定の期間に対する、自律車両制御がシステムによって従事解除された回数の比率である。追加的に及び/又は代替的に、所定の閾値は、オペレータを従事させ続けるのに有効な、自律車両制御が従事している時間に対する自律車両制御が従事解除されている時間の比率であってもよい。制御モジュール220は、履歴情報及び、如何なる適切な形態の調査に基づいて所定の閾値を定義してもよい。所定の閾値は、複数のオペレータ及び/又は複数の車両に関する一般的なデータに基づいてもよい。追加的に及び/又は代替的に、所定の閾値は、オペレータ及び/又は車両に合わせてカスタマイズ又は個人化されてもよい。そのため、制御モジュール220は、制御モジュール220が自律車両制御を従事させたこと及び従事解除したことに対するオペレータの過去の応答を監視して、オペレータを従事させ続けるのに有効な、自律車両制御システムが従事している時間量に対する自律車両制御が従事解除されている時間量の比率を判断してもよい。この比率が、所定の閾値である。
【0033】
制御モジュール220は、従事解除率を所定の閾値と比較して、従事解除率が所定の閾値よりも低いか判定してもよい。そのような場合、制御モジュール220は、システムによって開始される従事解除の頻度が、同じ時間内にシステムによって開始される従事解除の所定の閾値内の頻度よりも低いか比較してもよい。追加的に及び/又は代替的に、制御モジュール220は、自律車両制御が従事解除率に関連して従事解除されている時間が、同じ時間内に自律車両制御が従事解除されている所定の閾値内の時間よりも短いか比較してもよい。
【0034】
一実施形態では、制御モジュール220は、次の道路区間の運転条件がホスト車両102における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定するようにプロセッサ110を制御するように機能する命令を含む。制御モジュール220は、ナビゲーションシステム147を使用して次の道路区間を識別してもよい。一例として、制御モジュール220は、次の道路区間を既に通り抜けた前方を走行する車両からの、次の道路区間の運転条件に関する情報を要求し、受信してもよい。制御モジュール220は前方を走行する車両と、車両間(vehicle-to-vehicle:v2v)通信、及び/又はサーバ経由などの、如何なる適切な方法を使用して通信してもよい。別の例として、制御モジュール220は、交通情報データベース又は環境情報データベースなどのデータベースからの、次の道路区間の運転条件に関する情報を要求し、受信してもよい。
【0035】
運転条件は、道路条件、気象条件、視程条件、及び/又は交通条件を含んでもよい。道路条件は、高速道路、郊外道路、都市街路といった道路のタイプ、車線数、道路のロケーションなどを含んでもよい。道路条件は、舗装路、砂利道、乾燥した路面、濡れた路面、滑りやすい路面、又はでこぼこした路面などの路面の条件を含んでもよい。気象条件は、雨、雪、太陽、霧、みぞれ、雹などを含んでもよい。視程条件は、霧、降雪、降雨、汚染、煙などを含んでもよい。交通条件は、次の道路区間を走行している車両の平均数、車両の速度などを含んでもよい。運転条件は、次の道路区間のロケーション、方位、及び方向、時刻、並びに季節を含んでもよい。
【0036】
制御モジュール220は、次の道路区間の運転条件がホスト車両102における自律車両制御の従事解除を促すものであるかを、如何なる適切な方法を使用して判定してもよい。制御モジュール220は、次の道路区間の運転条件が従事解除を促すものであるかを、機械学習アルゴリズム又は人工知能プロセスなどの、如何なる適切なアルゴリズムを利用して判定してもよい。一例として、制御モジュール220は、道路のタイプが高速道路であること、道路が乾燥した路面を有すること、次の道路区間においてホスト車両102に近接して他の車両が存在しないこと、午前中の遅い時間帯、及び、晴天など、従事解除を促す理想基準を含んでもよい。次に、制御モジュール220は、次の道路区間の現在の運転条件を理想基準と比較して、理想基準と現在の運転条件が一致するか判定してもよい。現在の運転条件の一部が理想基準と一致しない場合、制御モジュール220は、現在の運転条件と理想基準との相違が現在の運転条件が従事解除を促さないほど大きいか、判定してもよい。現在の運転条件が理想基準と一致する、又は理想基準から大幅に逸脱しない場合、制御モジュール220は、運転条件が従事解除を促すものであると判定してもよい。一例として、理想基準は、車両のタイプ、オペレータ、及び/又は従事している自律車両制御のタイプなどの要因に基づいて様々であってもよい。
【0037】
一実施形態では、制御モジュール220は、少なくとも、従事解除率が所定の閾値より小さいこと及び運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであることに応答して、ホスト車両102における自律車両制御を従事解除するようにプロセッサ110を制御するように機能する命令を含む。一例として、制御モジュール220は、ホスト車両102における自律車両制御を物理的に従事解除してもよい。追加的に及び/又は代替的に、制御モジュール220は、ホスト車両102における自律車両制御を仮想的に従事解除してもよい。制御モジュール220は、1つの車両システムを物理的に従事解除することと、別の車両システムを仮想的に従事解除することの組み合わせを適用してもよい。
【0038】
制御モジュール220は、自律車両制御を従事解除する前に、オペレータへの通知を如何なる適切な形式で行ってもよい。一例として、制御モジュール220は、音声アラート、視覚アラート、又は触覚アラートのうち1つ以上を使用してオペレータに警告することによって、通知を生成してもよい。制御モジュール220は、電子信号を出力することによって通知を生成してもよい。通知は、従事解除がいつ開始される予定であるか、どの自律車両制御が従事解除されるか、従事解除がどのくらい長く続くか、及び/又は推奨されるオペレータ応答/措置などの従事解除に関する情報を含んでもよい。推奨されるオペレータ応答/措置は、オペレータにハンドルに手を置くように、ブレーキを踏み込むように、及び/又はアクセルを踏むように勧める提案を含んでもよい。制御モジュール220は、テキスト、画像、及び音声などの如何なる適切な形式で通知を生成してもよい。一例として、視覚アラートは、ホスト車両102内の、オペレータから見える表示インタフェース上に表示されてもよい。別の例として、聴覚アラートが車両スピーカに出力されてもよい。
【0039】
制御モジュール220が自律車両制御を物理的に従事解除する例では、制御モジュール220は、自律車両制御の1つ以上の構成要素を非アクティブ化させてもよい。一例として、制御モジュール220は、自律車両制御から手動制御に切り替わるための電子信号をホスト車両102に送信して、そうして全ての車両システムを自動制御から手動制御に切り替えてもよい。別の例として、制御モジュール220は、自動操舵システム143、自動推進システム141、自動スロットルシステム144、自動加速システム、又は自動制動システム142を停止させるなど、1つの車両システムを非アクティブ化させる電子信号をホスト車両に送信してもよい。そのような例では、制御モジュール220は、自律運転システム160によって現在制御されている車両システム140のうち1つ、2つ、又は全てを非アクティブ化させてもよい。そのため、自律運転システム160は、別の車両システム140の制御を保持しながら1つの車両システム140の制御を放棄してもよい。
【0040】
制御モジュール220が自律車両制御を仮想的に従事解除する例では、制御モジュール220は自律車両制御が仮想的に非アクティブ化したことをオペレータに通知してもよく、また、シミュレーション環境内で仮想ホスト車両を生成してもよい。制御モジュール220は、シミュレーション環境内の仮想的非アクティブ化に関する情報を表示してもよい。一例として、制御モジュール220は、自律車両制御が非アクティブ化したことの影響をディスプレイ画面上に表示してもよい。そのような例では、制御モジュール220は、自動操舵システムが実質的に非アクティブ化していることに応答して仮想ホスト車両が片側に進路変更しつつあること、自動加速システムが実質的に非アクティブ化していることに応答して速度を低下させつつあること、及び/又は、自動制動が実質的に非アクティブ化していることに応答して速度を維持(又は増加)していることを表示してもよい。制御モジュール220はまた、シミュレーション環境内の仮想ホスト車両が片側に進路変更しつつあること、速度を低下させつつあること、速度を維持していること、又は速度を増加させつつあることを示すために、音声を使用してオペレータに通知を行ってもよい。制御モジュール220は、ホスト車両102内の座席を動かしてオペレータに通知を行ってもよい。
【0041】
制御モジュール220が自律車両制御を仮想的に従事解除する別の例として、制御モジュール220は、オペレータがハンドルに手を置き、ブレーキペダルに足を置き、かつ/又はアクセルペダルに足を置くことを要求してもよい。制御モジュール220は、車両システム140のいずれも従事解除することなく、またオペレータに対して従事解除の影響を出力することなく、要求を行ってもよい。
【0042】
一実施形態では、制御モジュール220は、ホスト車両102のオペレータの特徴がホスト車両102における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定するようにプロセッサ110を制御するように機能する命令を含む。制御モジュール220は、少なくとも、従事解除率が所定の閾値より小さいこと、運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであること、及びホスト車両102のオペレータの特徴に応答して、ホスト車両102における自律車両制御を従事解除してもよい。一例として、制御モジュール220は、オペレータが覚醒しているのか無能力(incapacitated)であるのかを示す、センサデータ119を受信してもよい。制御モジュール220が、オペレータが無能力であることを示すセンサデータ119を受信した場合、制御モジュール220は自律車両制御を従事解除することを取りやめてもよい。そのため、従事解除率が所定の閾値より小さく、かつ運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであっても、制御モジュール220はホスト車両102における自律車両制御を従事解除することを取りやめてもよい。制御モジュール220が、オペレータが覚醒していることを示すセンサデータ119を受信した場合、制御モジュール220は、少なくとも、従事解除率が所定の閾値より小さいこと、運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであること、及びホスト車両102のオペレータの特徴に応答して、自律車両制御を従事解除することを進めてもよい。オペレータの特徴は、オペレータの経験レベルを含んでもよい。
【0043】
一実施形態では、制御モジュール220は、ホスト車両102において自律車両制御を従事解除したことに応答して、オペレータがホスト車両102の制御を引き受けたか判定してもよい。一例として、制御モジュール220は、ハンドル、アクセルペダル、及び/又はブレーキペダルに関連付けられたセンサからのセンサデータ119を要求し、受信してもよい。制御モジュール220は、オペレータがハンドルを保持していること、アクセルペダルを踏み込んでいること、及び/又はブレーキペダルを踏み込んでいることを示すセンサデータ119に基づいて、オペレータがホスト車両102の制御を引き受けたと判定してもよい。制御モジュール220は、オペレータがハンドルを保持していないこと、アクセルペダルを踏み込んでいないこと、及び/又はブレーキペダルを踏み込んでいないことを示すセンサデータ119に基づいて、オペレータがホスト車両102の制御を引き受けていないと判定してもよい。
【0044】
別の例として、制御モジュール220は、モーションセンサからのセンサデータ119を要求し、受信してもよい。制御モジュール220は、ホスト車両102が車線境界内を走行していること、アクセルペダルが踏み込まれるべきときにホスト車両102が加速していること、及び/又はブレーキペダルが踏み込まれるべきときにホスト車両が減速していることを示すセンサデータ119に基づいて、オペレータがホスト車両102の制御を引き受けたと判定してもよい。制御モジュール220は、ホスト車両が片側に進路変更しつつあること、アクセルペダルが踏み込まれるべきときにホスト車両が加速していないこと、及び/又はブレーキペダルが踏み込まれるべきときにホスト車両が減速していないことを示すモーションセンサからのセンサデータに基づいて、オペレータがホスト車両の制御を引き受けていないと判定してもよい。
【0045】
制御モジュール220は、如何なる所定の期間にわたって従事解除を維持してもよい。所定の期間は、履歴情報及び/又は調査に基づいてもよい。制御モジュール220が自律車両制御を物理的に従事解除し、オペレータがホスト車両の制御を引き受けていない場合、制御モジュール220は、危険を回避するために自律車両制御を再従事させてもよい。制御モジュール220は、所定の期間よりも早く自律車両制御を再従事させてもよい。制御モジュール220は、自律車両制御が従事解除されていた時間に基づいて従事解除率を更新してもよい。
【0046】
図3は、半自律型又は自律型ホスト車両のオペレータを従事させ続けることに関連する方法300の一実施形態を示すフローチャートである。方法300は、
図1のホスト車両102及び
図2の車両オペレータ従事システム100の観点から記載される。しかしながら、方法300は、いくつかの異なる状況のうちいずれか1つにおいて実行されるように適合されてもよく、必ずしも
図1のホスト車両102及び/又は
図2の車両オペレータ従事システム100によって実行されなくてもよい。
【0047】
ステップ310で、車両オペレータ従事システム100は、ホスト車両の従事解除率が所定の閾値にあるか、プロセッサ110に判定させてもよい。前述したように、制御モジュール220は、従事解除率を上記に開示したように判断し、更に、従事解除率を上記に開示した所定の閾値と比較してもよい。
【0048】
ステップ320で、車両オペレータ従事システムは、次の道路区間の運転条件がホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるか、プロセッサ110に判定させてもよい。前述したように、一例として、制御モジュール220は、次の道路区間を既に通り抜けた、ホスト車両の前方を走行する車両から、運転条件に関する情報を受信してもよい。次いで、制御モジュールは、次の道路区間の運転条件がホスト車両における自律車両制御の従事解除を促すものであるかを、如何なる適切なプロセス又はアルゴリズムを使用して判定してもよい。
【0049】
ステップ330で、車両オペレータ従事システム100は、少なくとも、従事解除率が所定の閾値より小さいこと及び運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものであることに応じて、プロセッサ110に、ホスト車両における自律車両制御を従事解除させてもよい。前述したように、制御モジュールは、自律車両制御を物理的に、又は仮想的に従事解除してもよい。次いで、制御モジュールは、所定の期間が経過した後に自律車両制御を再従事させてもよい。追加的に及び/又は代替的に、制御モジュールは、オペレータ及び/又は運転条件の変化を監視してもよく、運転条件が自律車両制御の従事解除を促すものではなくなるような運転条件の変化がある場合、及び/又は、制御モジュールが自律車両制御を物理的に従事解除したときにオペレータがホスト車両の制御を引き受けない場合、自律車両制御を再従事させてもよい。
【0050】
次に、車両オペレータ従事システム400の動作及び/又は方法のうち1つ以上の非限定的な例について、
図4に関連して説明する。
図4は、車両オペレータ従事シナリオの一例を示す。
【0051】
図4では、ホスト車両102と類似したホスト車両402が2車線道路401上を走行しており、次の道路区間401Aに接近しつつある。2台の車両404A、404Bがホスト車両402に先行して走行し、道路区間401Aを既に通り抜けているが、この道路区間はホスト車両402に対しては次にくるものである。この例では、ホスト車両402は、サーバ412を介して車両404A、404B、環境情報データベース408、及び交通情報データベース409に接続している。
【0052】
車両オペレータ従事システム400は、又は、より具体的には制御モジュール220は、車両404A、404B内のセンサシステム120からサーバ412を介してセンサデータ119を、環境情報データベース408からサーバ412を介して環境情報データ280を、交通情報データベース409からサーバ412を介して交通情報データ290を受信してもよい。
【0053】
車両オペレータ従事システム400、又はより具体的には制御モジュール220は、ホスト車両402の従事解除率が所定の閾値(例えば、20分ごとに1つのシステムが開始する従事解除)より小さいか判定してもよい。一例として、制御モジュール220は、過去1週間(すなわち、過去7日間)に自律車両制御が従事解除された回数に基づいて従事解除率を生成してもよい。そのような例では、1週間にわたるホスト車両402の合計走行時間は520分であり、その期間内に自律車両制御は5回従事解除され、その期間内に自律車両制御は500分間従事している。そのため、従事解除率は5:520(又は1:104)であり、この例では1:20である所定の閾値よりも低い。
【0054】
車両オペレータ従事システム700、又はより具体的には制御モジュール220は、次の道路区間401Aの運転条件がホスト車両402における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定してもよい。制御モジュール220は、車両404A、404Bからの次の道路区間401Aに関するセンサデータ、並びに、環境情報データベース408からの環境情報データ280及び交通情報データベース409からの交通情報データ290などの追加情報を受信する。制御モジュール220は、道路条件、気象条件、視程条件、及び交通条件などの運転条件がホスト車両402における自律車両制御の従事解除を促すものであるか判定してもよい。前述したように、制御モジュール220は、運転条件が従事解除を促すものであるかを、如何なる適切な分析、プロセス、又は方法に基づいて判定してもよい。
【0055】
この例では、道路401は直線状で、気象は晴れ、ホスト車両に近接する車両は存在せず、制御モジュール220は、これらの運転条件が従事解除を促すものであると判定する。ホスト車両402が次の道路区間401Aに接近すると、制御モジュール220は、自律車両制御、特に自動操舵システム及び自動加速システムが従事解除されようとしていることをオペレータに通知する。次に、制御モジュール220は、自動操舵システム及び自動加速システムを非アクティブ化させることによって自律車両制御を従事解除し、5分間タイマを開始する。次いで、制御モジュール220は、ホスト車両402の動きを監視して、オペレータがホスト車両402の制御を引き受けたか、及びホスト車両402を安全なやり方で制御しているか判定する。
【0056】
制御モジュール220は、ホスト車両402が車線境界内に留まり、安全な速度を維持していると、オペレータがホスト車両402を安全なやり方で制御していると判定する。そのため、制御モジュール220は、5分間タイマが満了するのを待ち、自動操舵システム及び自動加速システムを再従事させる。
【0057】
ここで
図1の全詳細について、本明細書に開示されるシステム及び方法が動作してもよい例示的な環境として説明する。いくつかの事例では、ホスト車両102は、自律モード、1つ以上の半自律動作モード、及び/又は手動モードの間で選択的に切り替わるように構成されてもよい。そのような切り替えは、現在知られている、又は後に開発される適切な方法で実装されてもよい。「手動モード」は、車両のナビゲーション及び/又は操作の全て又は大部分が、ユーザ(例えば、人間のドライバ)から受け取った入力に従って実行されることを意味する。「自律モード」は、1つ以上のコンピューティングシステムを使用し、人間のドライバからの入力を最小限にして、又は、なくしてホスト車両102を制御して、ホスト車両102を走行経路に沿ってナビゲート及び/又は操作することを指す。一実施形態では、ホスト車両102は1つ以上の半自律動作モードを有して構成され、このモードでは、1つ以上のコンピューティングシステムが車両のナビゲーション及び/又は操作の一部を走行経路に沿って実行し、ホスト車両102のナビゲーション及び/又は操作の一部を走行経路に沿って実行するための入力を、車両オペレータ(すなわちドライバ)が車両に提供する。
【0058】
ホスト車両102は、1つ以上のプロセッサ110を含んでもよい。1つ以上の配置において、プロセッサ110は、ホスト車両102のメインプロセッサであってもよい。例えば、プロセッサ110は、電子制御ユニット(ECU)であってもよい。ホスト車両102は、1つ以上のタイプのデータを記憶するための1つ以上のデータストア115を含んでもよい。データストア115は、揮発性及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。適切なデータストア115の例には、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読み出し専用メモリ)、PROM(プログラム可能読み出し専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、又は如何なる他の適切な記憶媒体、あるいはそれらの如何なる組み合せでも含まれる。データストア115は、プロセッサ110の構成要素であってもよく、又はデータストア115は、プロセッサ110によって使用するために、プロセッサ110に動作可能に接続されていてもよい。本明細書全体を通して使用される「動作可能に接続されている」という用語は、直接的な物理的接触のない接続を含む、直接的又は間接的な接続を含んでもよい。
【0059】
1つ以上の配置において、1つ以上のデータストア115は、地図データ116を含んでもよい。地図データ116は、1つ以上の地理的領域の地図を含んでもよい。いくつかの事例では、地図データ116は、1つ以上の地理的領域内の道路、交通規制装置、道路標示、構造物、フィーチャ、及び/又はランドマークに関する情報又はデータを含んでもよい。地図データ116は、如何なる適切な形態であってもよい。いくつかの事例では、地図データ116は、ある領域の空撮ビューを含んでもよい。いくつかの事例では、地図データ116は、ある領域の、360度地上ビューを含めた、地上ビューを含んでもよい。地図データ116は、地図データ116に含まれる1つ以上の項目の、又は、地図データ116に含まれる他の項目との相対的な、測定値、寸法、距離、及び/又は情報を含んでもよい。地図データ116は、道路幾何形状に関する情報を有するデジタル地図を含んでもよい。地図データ116は、高品質かつ/又は非常に詳細であってもよい。
【0060】
1つ以上の配置において、地図データ116は、1つ以上の地形マップ117を含んでもよい。地形マップ117は、1つ以上の地理的領域の地面、地形、道路、表面、及び/又は他のフィーチャに関する情報を含んでもよい。地形マップ117は、1つ以上の地理的領域内の標高データを含んでもよい。地形マップ117は、1つ以上の地表面を定義してもよく、地表面を定義する、舗装道路、未舗装道路、土地、及び他の物を含んでもよい。
【0061】
1つ以上のデータストア115は、センサデータ119を含んでもよい。この文脈では、「センサデータ」は、ホスト車両102が装備しているセンサに関する如何なる情報をも意味し、そのようなセンサに関する能力及び他の情報を含む。以下で説明するように、ホスト車両102は、センサシステム120を含んでもよい。センサデータ119は、センサシステム120の1つ以上のセンサに関連していてもよい。一例として、1つ以上の配置において、センサデータ119は、センサシステム120の1つ以上のLIDARセンサ124に関する情報を含んでもよい。
【0062】
いくつかの例では、地図データ116及び/又はセンサデータ119の少なくとも一部は、ホスト車両102に搭載された1つ以上のデータストア115に置かれてもよい。代替的に又は追加的に、地図データ116及び/又はセンサデータ119の少なくとも一部は、ホスト車両102から遠隔に位置する1つ以上のデータストア115に置かれてもよい。
【0063】
上述したように、ホスト車両102は、センサシステム120を含んでもよい。センサシステム120は、1つ以上のセンサを含んでもよい。「センサ」とは、何かを検出し、かつ/又は感知し得る、如何なるデバイス、構成要素、及び/又はシステムをも意味する。1つ以上のセンサは、リアルタイムで検出及び/又は感知するように構成されていてもよい。本明細書で使用される場合、「リアルタイム」という用語は、特定のプロセス又は決定が行われるのに十分に即時であるとユーザ又はシステムが感じる、又は、プロセッサが何らかの外部プロセスに遅れずについていけるようにする、処理応答性のレベルを意味する。
【0064】
センサシステム120が複数のセンサを含む配置では、センサは互いに独立して働いてもよい。代替的に、2つ以上のセンサが互いに組み合わさって働いてもよい。このような場合、2つ以上のセンサがセンサ網を形成してもよい。センサシステム120及び/又は1つ以上のセンサは、プロセッサ110、データストア115、及び/又はホスト車両102の別の要素(
図2に示す要素のいずれかを含む)に動作可能に接続されていてもよい。センサシステム120は、ホスト車両102の外部環境の少なくとも一部(例えば近くの車両)のデータを取得してもよい。
【0065】
センサシステム120は、如何なる適切なタイプのセンサを含んでもよい。本明細書には、異なるタイプのセンサの様々な例が記載される。ただし、実施形態は記載された特定のセンサに限定されないことは理解されよう。センサシステム120は、1つ以上の車両センサ121を含んでもよい。車両センサ121は、ホスト車両102自体に関する情報を検出、判定、及び/又は感知してもよい。1つ以上の配置において、車両センサ121は、例えば慣性加速度などに基づいて、ホスト車両102のポジション及び方位の変化を検出及び/又は感知するように構成されていてもよい。1つ以上の配置において、車両センサ121は、1つ以上の加速度計、1つ以上のジャイロスコープ、慣性測定ユニット(IMU)、推測航法システム、全地球的航法衛星システム(GNSS)、全地球測位システム(GPS)、ナビゲーションシステム147、及び/又は他の適切なセンサを含んでもよい。車両センサ121は、ホスト車両102の1つ以上の特徴を検出及び/又は感知するように構成されていてもよい。1つ以上の配置において、車両センサ121は、ホスト車両102の現在の速度を判定する速度計を含んでもよい。
【0066】
代替的に又は追加的に、センサシステム120は、運転環境データを取得及び/又は感知するように構成された1つ以上の環境センサ122を含んでもよい。「運転環境データ」は、ホスト車両102が位置する外部環境又はその1つ以上の部分に関するデータ又は情報を含む。1つ以上の環境センサ122は、ホスト車両102の外部環境内の他の対象、例えば他の車両、道路の勾配、路面の状態などを検出、測定、定量化、及び/又は感知するように構成されていてもよい。
【0067】
本明細書には、センサシステム120のセンサの様々な例が記載される。センサ例は、1つ以上の環境センサ122及び/又は1つ以上の車両センサ121の、一部であってもよい。ただし、実施形態は、記載される特定のセンサに限定されないことは理解されよう。
【0068】
一例として、1つ以上の配置において、センサシステム120は、1つ以上のレーダセンサ123、1つ以上のLIDARセンサ124、1つ以上のソナーセンサ125、1つ以上のカメラ126、及び/又は1つ以上の通信センサ127を含んでもよい。1つ以上の配置において、1つ以上のカメラ126は、ハイダイナミックレンジ(HDR)カメラ又は赤外線(IR)カメラであってもよい。無線周波数識別(RFID)及び近距離通信(NFC)リーダなどの通信センサ127は、他の存在物と、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、車両対インフラ(vehicle-to-infrastructure:V2I)無線通信、車両対モノ(vehicle-to-everything:V2X)無線通信、RFID、及びNFCなどの如何なる適切な通信手段を使用して通信してもよい。
【0069】
ホスト車両102は、入力システム130を含んでもよい。「入力システム」は、情報/データが機械に入力されることを可能にする、如何なるデバイス、構成要素、システム、要素、若しくは配置、又はそれらのグループをも含む。入力システム130は、車両乗員(例えば、ドライバ又は乗員)からの入力を受信してもよい。ホスト車両102は、出力システム135を含んでもよい。「出力システム」には、表示インタフェースなどの、情報/データが車両乗員(例えば、人、車両乗員など)に提示されることを可能にする、如何なるデバイス、構成要素、若しくは配置、又はそれらのグループをも含む。
【0070】
ホスト車両102は、1つ以上の車両システム140を含んでもよい。1つ以上の車両システム140の様々な例が
図2に示されている。しかしながら、ホスト車両102は、これよりも多い、少ない、又は異なる車両システムを含んでもよい。個々の車両システムは別々に定義されているが、あるいは、システム又はその一部の各々、又はいずれかを、ホスト車両102内のハードウェア及び/又はソフトウェアを介して組み合わせてもよいし、分離してもよいことは理解される。ホスト車両102は、推進システム141、制動システム142、操舵システム143、スロットルシステム144、トランスミッションシステム145、信号システム146、及び/又はナビゲーションシステム147を含んでもよい。これらのシステムの各々は、現在知られているか、後に開発される1つ以上のデバイス、構成要素、及び/又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0071】
ナビゲーションシステム147は、ホスト車両102の地理的ロケーションを判断するように、かつ/又はホスト車両102の走行経路を決定するように構成された、現在知られているか、後に開発される1つ以上のデバイス、アプリケーション、及び/又はそれらの組み合わせを含んでもよい。ナビゲーションシステム147は、ホスト車両102の走行経路を決定するための1つ以上のマッピングアプリケーションを含んでもよい。ナビゲーションシステム147は、全地球測位システム、ローカル測位システム又はジオロケーションシステムを含んでもよい。
【0072】
ホスト車両102は1つ以上のモジュールを含んでもよく、そのうち少なくともいくつかは本明細書に記載されている。モジュールは、プロセッサ110によって実行されたときに、本明細書に記載の様々なプロセスのうち1つ以上を実施するコンピュータ可読プログラムコードとして実装され得る。モジュールのうち1つ以上はプロセッサ110の構成要素であってもよく、あるいはモジュールのうち1つ以上はプロセッサ110が動作可能に接続されている他の処理システム上で実行され、かつ/又は他の処理システム間で分散していてもよい。モジュールは、1つ以上のプロセッサ110によって実行可能な命令(例えば、プログラム論理)を含んでもよい。代替的に又は追加的に、1つ以上のデータストア115は、そのような命令を含んでもよい。
【0073】
1つ以上の配置において、本明細書に記載のモジュールのうち1つ以上は、人工知能又は計算知能の要素、例えば、ニューラルネットワーク、ファジー論理、又は他の機械学習アルゴリズムを含んでもよい。更に、1つ以上の配置において、モジュールのうち1つ以上が、本明細書に記載の複数のモジュールの間で分散していてもよい。1つ以上の配置において、本明細書に記載のモジュールのうち2つ以上が単一のモジュールに組み合わされてもよい。
【0074】
ホスト車両102は、1つ以上の自律運転システム160を含んでもよい。自律運転システム160は、独立して、又は車両オペレータ従事システム100との組み合わせで、走行経路、ホスト車両102の現在の自律運転操作、将来の自律運転操作、及び/又は現在の自律運転操作に対する修正を、センサシステム120によって取得されたデータ、運転場面モデル、及び/又は、センサデータ119からの判定などのいずれかの他の適切なソースからのデータに基づいて決定するように構成されてもよい。「運転操作」とは、車両の動きに影響を与える1つ以上の措置を意味する。運転操作の例には、いくつか考えられるものとして、加速、減速、制動、旋回、ホスト車両102の左右方向の移動、走行車線の変更、走行車線への合流、及び/又は、後退がある。自動運転システム160は、決定された運転操作を実施するように構成されていてもよい。自律運転システム160は、そのような自律運転操作の実施を直接的又は間接的に引き起こしてもよい。本明細書で使用される場合、「引き起こす(cause)」又は「引き起こすこと(causing)」は、直接的又は間接的な様式のいずれかで、ある事象又は措置が発生するように、又は少なくともそのような事象又は措置が発生し得る状態にあるようにすること、指揮すること、命令すること、及び/又は可能にすることを意味する。自律運転システム160は、様々な車両機能を実行するように、並びに/又は、ホスト車両102若しくはその1つ以上のシステム(例えば、車両システム140のうち1つ以上)にデータを送信し、そこからデータを受信し、それらと相互作用し、かつ/又はそれらを制御するように構成されてもよい。
【0075】
プロセッサ110、車両オペレータ従事システム100、及び/又は自律運転システム160は、様々な車両システム140及び/又はその個別の構成要素と通信するように動作可能に接続されてもよい。例えば、プロセッサ110、車両オペレータ従事システム100、及び/又は自律運転システム160は、ホスト車両102の動き、速度、操作、機首方位、方向などを制御するために、様々な車両システム140からの情報を送信及び/又は受信するための通信状態にあってもよい。プロセッサ110、車両オペレータ従事システム100、及び/又は自律運転システム160は、これらの車両システム140のうちいくつか又は全てを制御、アクティブ化、又は非アクティブ化してもよく、したがって、部分的に、又は完全に自律的であってもよい。プロセッサ110、車両オペレータ従事システム100、及び/又は自律運転システム160は、ホスト車両102を加速させ(例えば、エンジンに提供される燃料の供給を増加させることによって)、減速させ(例えば、エンジンへの燃料の供給を減少させることによって、及び/又はブレーキをかけることによって)、かつ/又は、方向転換させ(例えば、2つの前輪を旋回させることによって)てもよい。本明細書で使用される場合、「引き起こす(cause)」又は「引き起こすこと(causing)」は、直接的又は間接的な様式のいずれかで、ある事象又は動作が発生するように、又は少なくともそのような事象又は動作が発生し得る状態にあるようにすること、強制すること、強要すること、指示すること、指揮すること、命令すること、及び/又は可能にすることを意味する。
【0076】
ホスト車両102は、1つ以上のアクチュエータ150を含んでもよい。アクチュエータ150は、プロセッサ110及び/又は自律運転システム160からの信号又は他の入力を受信したことに応じて車両システム140又はその構成要素のうち1つ以上を修正、調整及び/又は変更するように動作可能な、如何なる要素又は要素の組み合せであってもよい。如何なる好適なアクチュエータが使用されてもよい。例えば、1つ以上のアクチュエータ150には、いくつか考えられるものとして、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド、及び/又は圧電アクチュエータが含まれ得る。
【0077】
本明細書に記載の配置において、本明細書で言及される利益のうち1つ以上を含む多数の利益が提供され得ることは理解される。例えば、本明細書に記載の配置によって、ホスト車両102が動いている間、オペレータを従事させ続けることがもたらされ得る。また本明細書に記載の配置によって、L2又はL3自動運転レベルのホスト車両から制御を引き継ぐためのオペレータの準備が改善することがもたらされ得る。
【0078】
本明細書には詳細な実施形態を開示する。ただし、本開示の実施形態は単に例として意図されていることが理解されるべきである。したがって、本明細書で開示する特定の構造的及び機能的詳細は限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び、適切に詳述された事実上あらゆる構造において本明細書の態様を様々に採用するように当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。更に、本明細書で使用する用語及び語句は、限定を意図するものではなく、考え得る実装形態の理解可能な説明を提供することを意図するものである。様々な実施形態を
図1~
図4に示すが、実施形態は、図示された構造又は用途に限定されない。
【0079】
図中のフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の考え得る実装形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実施するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を表してもよい。いくつかの代替実装形態では、ブロック内に記述された機能は、図に記述された順序とは異なる順序で行われてもよいことにも留意されたい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又はブロックは含まれる機能に応じて、時には逆の順序で実行されてもよい。
【0080】
上述のシステム、構成要素及び/又はプロセスは、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合せで実現されてもよく、1つの処理システム内で集中方式で、又は、相互接続されたいくつかの処理システムにわたって異なる要素が分散する分散方式で実現されてもよい。如何なる種類の処理システム又は別の装置でも、本明細書に記載の方法を実行するように適合されたものは好適である。ハードウェアとソフトウェアの典型的な組み合せは、ロードされて実行されると、処理システムを、明細書に記載の方法を実行するように制御するコンピュータ使用可能プログラムコードを有する処理システムであってもよい。システム、構成要素、及び/又はプロセスはまた、本明細書に記載の方法及びプロセスを行うために機械によって実行することが可能な命令からなるプログラムを有形に具現化する、機械による読み取りが可能なコンピュータプログラム製品又は他のデータプログラム記憶装置などのコンピュータ可読記憶装置に埋め込まれてもよい。これらの要素は、本明細書に記載の方法の実施を可能にする全ての機能を備えた、かつ、処理システムにロードされたときにこれらの方法を実行することのできる、アプリケーション製品に埋め込まれてもよい。
【0081】
更に、本明細書に記載の配置は、コンピュータ可読プログラムコードがそこに具現化、例えば記憶された、1つ以上のコンピュータ可読媒体内に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。1つ以上のコンピュータ可読媒体の如何なる組み合せを利用してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。「コンピュータ可読記憶媒体」という句は、非一時的記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又はこれらの如何なる適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)には、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光記憶装置、磁気記憶装置、又は上記の如何なる適切な組み合わせでも含まれ得る。本明細書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを含み得る、又は記憶し得る、如何なる有形媒体であってもよい。
【0082】
概して、モジュールは、本明細書で使用するとき、特定のタスクを実行する、又は特定のデータタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。更なる態様では、メモリは概して、その言及されているモジュールを記憶する。あるモジュールに関連付けられたメモリは、プロセッサ内に埋め込まれたバッファ又はキャッシュ、RAM、ROM、フラッシュメモリ、又は別の適切な電子記憶媒体であってもよい。更なる態様では、本開示によって構想されるモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)として、システムオンチップ(SoC)のハードウェア構成要素として、プログラム可能論理アレイ(PLA)として、又は本開示の機能を実行するための定義済み設定セット(例えば、命令)が埋め込まれた別の適切なハードウェア構成要素として実装される。
【0083】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなど、又はこれらのいずれかの適切な組み合せを含むがこれらに限定されない、如何なる適切な媒体を使用して伝達されてもよい。本配置の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は類似プログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の如何なる組み合せで書かれてもよい。プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして完全にユーザのコンピュータ上で実行してもよいし、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を含む如何なるタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は外部コンピュータへの接続が行われてもよい(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)。
【0084】
本明細書で使用される場合、「a」及び「an」という用語は、1つ、又は2つ以上として定義される。本明細書で使用される場合、「plurality(複数の)」という用語は、2つ又は2つより多くとして定義される。本明細書で使用される場合、「another(別の)」という用語は、少なくとも2番目又はそれ以降として定義される。本明細書で使用される場合、「含む(including)」及び/又は「有する(having)」という用語は、備えているものとして(すなわち、オープンエンドとして)定義される。本明細書で使用する場合、「at least one of...and....(...及び...のうち少なくとも1つ)」という句は、関連する列挙された項目のうち1つ以上のいずれか及び全ての可能な組み合せを指し、包含する。例として、「A、B、及びCのうち少なくとも1つ」という句は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、又はそれらのいずれかの組み合せ(例えば、AB、AC、BC、又はABC)を含む。
【0085】
本明細書の態様は、その趣旨又は本質的な属性から逸脱することなく、他の形態で具体化することができる。したがって、前述の明細書ではなく、以下の特許請求の範囲を、本明細書の範囲を示すものとして参照すべきである。
【外国語明細書】