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特開2024-99520高解像度パターニングのためのシラノール含有有機‐非有機ハイブリッドコーティング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099520
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】高解像度パターニングのためのシラノール含有有機‐非有機ハイブリッドコーティング
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/075 20060101AFI20240718BHJP
   C09D 1/00 20060101ALI20240718BHJP
   C09D 183/04 20060101ALI20240718BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240718BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20240718BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
G03F7/075 511
C09D1/00
C09D183/04
C09D7/61
C09D7/63
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024051402
(22)【出願日】2024-03-27
(62)【分割の表示】P 2021531196の分割
【原出願日】2019-08-12
(31)【優先権主張番号】20185677
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(71)【出願人】
【識別番号】521061601
【氏名又は名称】ピボンド オサケユキチュア
【氏名又は名称原語表記】PIBOND OY
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100181847
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 かおり
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ゲッタ
(72)【発明者】
【氏名】ロン ダン グエン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ラウカネン
(72)【発明者】
【氏名】キンモ カラステ
(72)【発明者】
【氏名】ユハ ランタラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン グレン
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
4J038
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197CE01
2H197GA01
2H197HA03
2H225AE30P
2H225AF16P
2H225AF78P
2H225AG00P
2H225AM85P
2H225AN39P
2H225CA12
2H225CB18
2H225CC01
2H225CC12
4J038AA011
4J038DL031
4J038HA431
4J038KA04
4J038KA06
4J038MA09
4J038MA14
4J038NA18
4J038PB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新規な水素シルセスキオキサン樹脂コーティング組成物を提供する。
【解決手段】ケイ素‐酸素ネットワークで、シラノール(Si‐OH)とケイ素‐水素(Si‐H)、および任意にケイ素‐炭素結合を示す樹脂、または、ケイ素‐酸素‐金属ネットワークで、ケイ素‐水素(Si‐H)および任意にケイ素‐炭素結合を液相で含む、水素シルセスキオキサン樹脂コーティング組成物であって、Si‐HとSi‐OHのピーク高さの比率は約2:1から100:1である、水素シルセスキオキサン樹脂コーティング組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素‐酸素ネットワークで、シラノール(Si‐OH)とケイ素‐水素(Si‐H)、およ
び任意にケイ素‐炭素結合を示す樹脂、または、ケイ素‐酸素‐金属ネットワークで、ケ
イ素‐水素(Si‐H)および任意にケイ素‐炭素結合を液相で含む、水素シルセスキオキ
サン樹脂コーティング組成物であって、
Si‐HとSi‐OHのピーク高さの比率は約2:1から100:1である、水素シルセスキオキサ
ン樹脂コーティング組成物。
【請求項2】
約35重量%以上のケイ素含有量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記水素シルセスキオキサン樹脂が、Si‐H対Si‐OHのピーク高さ比が3:1~50:1で
ある、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
溶媒中で、少なくとも部分的に架橋され、任意に金属を含む、オルガノシロキサンポリ
マーを含有し、前記ポリマーが、ポリスチレン標準に対して測定される、約500~100,000
g/mol、特に約1000~50,000g/molの分子量を有する、請求項1~3のいずれかに記載の
組成物。
【請求項5】
酸もしくは潜在酸または塩基もしくは潜在塩基、および任意に潜在触媒を含む、請求項
1~4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記液相が、水素シルセスキオキサン樹脂のための少なくとも1つの有機溶媒によって
、任意に水と混合して、形成される、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、チタンおよびスズ、ならびにそれらの組み
合わせの群から選択される金属を含む、請求項1~6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
三官能性シランを適当な他のケイ素または金属含有前駆体と加水分解/縮合反応させて
得られるシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂溶液を含み、金属およびシ
ラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンを生成する、請求項1~7のいずれかに記
載の組成物。
【請求項9】
SiO部分を含有するシロキサンポリマーと、該ポリマーに沿って分布する複数の反応部
位と、第1のSiH部分と、第2のSiOH部分と、中間体の芳香族および非芳香族部分と、金
属‐酸素結合を含有する第4の部分とを含み、前記ポリマーは、500~50,000g
/molの分子量を有し、
好ましくは、酸および/または塩基触媒並びに溶媒をさらに含む、請求項1~8のいず
れかに記載の組成物。
【請求項10】
式(I):
【化1】
を有するポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を含む、請求項1~9のいずれかに記載の
組成物であって、
式中、
A、B、C、およびDは、それぞれ1~1000から独立して選択された整数を表し、
Zは官能基を表し、
Mは金属原子を表し、
R1~R8は、ハイドロカルビルラジカルを表し、
a、b、m、o、y、z、p、q、x はそれぞれ独立に0~3の整数を表す、
組成物。
【請求項11】
照射によるパターニングに使用するのに適しており、
特に、基材上にキャスト可能なコーティング配合物の製造に適しており、
前記基材上の前記コーティングは、照射によってパターニング可能である、請求項1~
10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
三官能性シランを他のケイ素または金属含有前駆体と加水分解/縮合反応させて、金属
およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を得ることを含む、有機溶液
中に金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を含有する組成物を
製造する方法。
【請求項13】
ケイ素に少なくとも2または3つの加水分解性基が結合した第1の単量体水素含有ケイ
素化合物を、
少なくともゼロ、1、2、または3つのヒドロカルビルラジカルと、化合物のケイ素原
子に結合した少なくとも1つの加水分解性基とを有する、第2の単量体ケイ素化合物で、
任意に
少なくとも1つの官能基と、該化合物のケイ素原子に結合してシロキサン材料を形成
する少なくとも1つの加水分解性基とを有する第3の単量体ケイ素化合物であって、前記
官能基が現像液への溶解を増強する、第3の単量体ケイ素化合物と、
1つ以上の加水分解性金属酸化物前駆体を含有する第4の化合物、
のうちの少なくとも1つとともに加水分解することと、
前記シロキサン材料を適切な溶媒系中で安定な組成物に配合することと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2のケイ素化合物が、0~100モル%、前記第3のケイ素化合物が
0~20モル%、前記第4の金属化合物が0~50モル%で使用され、前記第1および第
2のケイ素化合物の総量が、少なくとも50モル%、特に少なくとも60モル%、例えば
少なくとも70モル%である、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記式II:
R1 a‐Si‐R2 b・・・(II)
を有する第1のケイ素化合物を加水分解することを含む、請求項12~14のいずれかに
記載の方法であって、
式中、
aは1または2の整数であり、
bは2または3の整数であり、
R1は水素原子を示し、
R2は水酸基、アルコキシ、アシルオキシおよびハロゲンから独立して選択され得る加水
分解性基を示す、方法。
【請求項16】
前記記号a、b、R1およびR2が前記と同じである、前記式IIを有する第1のケイ素化合物
を、
式III:
R3 m‐SiR2 n‐R4 o・・・(III)
を有する第2の化合物とともに、
加水分解することにより、コポリ(オルガノシロキサン)を製造することを含む、
請求項12~15のいずれかに記載の方法であって、
式中、
R3およびR4は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロ
ゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、エポキシ基を有する有機基、メルカプト基
、アルコキシアリール基、アシルオキシアリール基、イソシアヌレート基、ヒドロキシ基
、環状アミノ基、またはシアノ基から独立して選択され、または
R2およびR3はアルコキシ基、アシルオキシ基、またはハロゲン基を表し、
mは0~1の整数であり、
nは2~4の整数であり、
oは0~1の整数であり、
m+n+oの合計値は4を超えない、方法。
【請求項17】
前記記号a、b、R1およびR2が前記と同じである、前記式IIを有する第1のケイ素化合物
を、
式IV:
Zx‐R5 y‐SiR2 n‐R6 z・・・(IV)
を有する第2の化合物とともに、
加水分解することにより、コポリ(オルガノシロキサン)を含む組成物を製造することを
含む、請求項12~16のいずれかに記載の方法であって、
式中、
Zは、ヒドロキシ、カルボン酸、メルカプト、アミンまたはその塩、または水性現像液
への溶解を促進する第4級アンモニウム塩から選択される基であり、
R5は、ZとSiの両方に共有結合したスペーサ基であり、アルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、ア
ルコキシアリール基、アシルオキシアリール基、またはそれらの組み合わせに由来する二
価基から独立して選択することができ、
R6は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化ア
リール基、ハロゲン化アラルキル基、エポキシ基を有する有機基、メルカプト基、アルコ
キシアリール基、アシルオキシアリール基、ヒドロキシ基、環状アミノ基、またはシアノ
基、またはそれらの組み合わせ、から独立して選択され、
R2は、アルコキシ基、アシルオキシ基、またはハロゲン基であり、
yは0~2の整数であり、
nは1~3の整数であり、
zは0~11の整数であり、
y+n+zの合計値は4以下である、方法。
【請求項18】
前記記号a、b、R1およびR2が前記と同じである、前記式IIを有する第1のケイ素化合物
を、
式V:
R7 p‐MR8 q ・・・(V)
を有する第2の化合物とともに、
加水分解することにより、コポリ(オルガノシロキサン)を製造することを含む、請求項
12~17のいずれかに記載の方法であって、
式中、
R7は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化ア
リール基、ハロゲン化アラルキル基、アルケニル基、アルコキシアリール基、アシロキシ
アリール基、またはそれらの組合せから独立に選択され、
Mは、金属酸化物または金属‐オキソ水酸化物に加水分解および凝縮可能な前駆体を形
成可能な金属から独立して選択され、
pは0~1の整数であり、
Mは、安定な炭素金属結合を形成可能であり、
qは、Mox‐pから得られる数の整数であり、
Moxは、金属前駆体の酸化状態であり、
pは、金属前駆体に共有結合してする炭素ラジカルR7の数であり、
R8は、アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン基、水酸化基または他の金属原子との結
合として機能する酸素原子であり、または
R 8は、金属の二元または配位配位子である、方法。
【請求項19】
HTEOS (HSi(OC2 H53)またはHTEOSと他の三官能性シランとの混合物を使用すること
を含み、制御された加水分解/縮合反応を受けて、部分的に縮合したポリヒドリドシルセ
スキオキサン樹脂を作成することを含む、請求項12から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記三官能性シランが、典型的には、メチルトリメトキシシラン(MTMOS)、メチルト
リエトキシシラン(MTEOS)、トリメトキシエチルシラン(ETMOS)またはジエトキシジメ
チルシラン(DMDEOS)またはトリメトキシフェニルシラン(PhTMOS)またはそれらの組み
合わせから選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
特定の波長の光の放射で金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンコ
ーティング基材をパターニングする方法であって、
選択されたパターンに沿ってコーティング基材を照射して、照射されたコーティング領
域および未照射のコーティング領域を有する照射された構造を形成することと、
前記照射された構造を選択的に現像して、照射されていないコーティングのかなりの部
分を除去してパターン化された基板を形成することと、
を含む、方法。
【請求項22】
金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンコーティング基材を、1~
200nmの波長の放射線の光照射する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンコーティング基材に、13
.5nmの波長の放射線の光を照射する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記コーティングが、SiO部分を含有するシロキサン重合体、前記重合体に沿って分布
する複数の反応部位、および第1のSiH部分、第2のSiOH部分、ならびに中間体の芳香族
および非芳香族部分、金属‐酸素結合を含有する第4の部分を含み、前記重合体が500
~50000g/molの分子量を有する、請求項21~23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記コーティングが、式(I):
【化2】

を有するポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を含む、請求項21~24のいずれか一項
に記載の方法であって、
式中、
A、B、C、およびDは、それぞれ1から1000までから独立して選択された整数を表し

Zは官能基を表し、
Mは金属原子を表し、
R1~R8は、ハイドロカルビルラジカルを表し、
a、b、m、o、y、z、p、q、xはそれぞれ独立して0から3までの整数を表す、方法。
【請求項26】
基板をパターニングすることを含む、請求項21~25のいずれかに記載の方法であっ
て、
選択されたパターンに沿ってコーティング基材を照射して、照射されたコーティング領
域および未照射のコーティング領域で照射された構造を形成し、前記コーティング基材は
、約5nm~約400nmの平均厚さを有するコーティングを含み、材料構造中にSi‐Hおよ
びSi‐OH結合を有するSi‐O‐Siネットワークを含むことと、
前記照射された構造体を約45℃~約200℃の温度で0.1分間~約30分間加熱し
て、アニールされた照射された構造を形成することと、
未照射コーティングのかなりの部分を除去するために、アニールされた照射された構造
を選択的に現像して、パターン化された基板を形成することと、
を含む、方法。
【請求項27】
前記照射された構造が、水性ベースに不溶性である照射されたコーティングおよび水性
ベースに水溶性の非照射コーティングを有し、前記照射された構造がネガティブトーンイ
メージングに供される、請求項21~26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
表面と、該表面に沿った選択された領域にあり、該表面に沿った他の領域には存在しな
いコーティングとを有する基板をパターン化することを含み、前記コーティングは、ケイ
素‐炭素結合およびケイ素‐水素および/またはシラノール結合を有するケイ素‐酸素、
またはケイ素‐酸素‐金属ネットワークを含み、前記コーティングは有機液体または水性
塩基に可溶である、請求項21~27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
請求項1~11のいずれかに記載のレジスト下地膜形成用組成物を半導体基板上に塗布
し、焼成することによりレジスト膜を形成する方法。
【請求項30】
レジスト下地膜またはいくつかの下地膜を半導体基板上に塗布し、組成物を焼成して1
つ以上のレジスト下地膜を形成することと、
請求項1~11のいずれかに記載の組成物をレジストとして1つ以上のレジスト下地膜
上に塗布してレジスト膜を形成することと、
前記レジスト膜を光に露光することと、
露光後、レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
前記レジストパターンを使用して、前記レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記レジスト膜と、このようにパターニングされた
前記レジスト下地膜とを用いて半導体基板を作製することと、
を含む、半導体デバイスの製造方法。
【請求項31】
半導体装置を製造する方法であって、
半導体基板上に有機下地膜を形成することと、
前記有機下地膜上にレジスト膜を形成するための請求項1~11のいずれかに記載の組
成物を塗布し、焼成してレジスト膜を形成することと、
前記レジスト膜を光に露光することと、
露光後、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
前記レジストパターンを使用して、レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記レジスト下地膜を用いて前記有機下地膜をエッ
チングすることと、
このようにしてパターニングされた前記有機下地膜を用いて半導体基板を作製すること
と、
を含む、方法。
【請求項32】
半導体装置を製造する方法であって、
レジスト下地膜またはいくつかの下地膜を半導体基板上に塗布し、組成物を焼成して1
つ以上のレジスト下地膜を形成することと、
請求項1~11のいずれかに記載の組成物をレジストとして1つ以上のレジスト下地膜
上に塗布してレジスト膜を形成することと、
前記レジスト膜を光に露光することと、
露光後、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
前記レジストパターンを使用して、前記レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記レジスト膜と、このようにパターニングされた
前記レジスト下地膜とを用いて半導体基板を作製することと、
を含む、方法。
【請求項33】
半導体装置を製造する方法であって、
半導体基板上に有機下地膜を形成することと、
前記有機下地膜上にレジスト膜を形成するための請求項1~11のいずれかに記載の組
成物を塗布し、焼成してレジスト膜を形成することと、
前記レジスト膜を光に露光することと、
露光後、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
前記レジストパターンを使用して、レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記レジスト下地膜を用いて前記有機下地膜をエッ
チングすることと、
このようにしてパターニングされた前記有機下地膜を用いて半導体基板を作製すること
と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂コーティング組成物を用いて基板上に
パターニング工程を実施する放射線ベースの方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、マスキングされた放射線を適用することによって非常に高い分解能
でパターン化することができるポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂コーティング、およ
びパターン化の前後に前駆体溶液で形成された被覆された物質およびコーティングに堆積
することができる加水分解前駆体溶液に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクス装置における複雑な回路の小型化は、従来、規定可能な特徴
の上限が、フォトリソグラフィプロセスにおいて使用される光の波長によって制限されて
いたリソグラフィプロセスの進歩によって達成されてきた。業界は、一般的な露光ツール
を通じて、436nm(g線)、405nm(h線)、365nm(i線)、248nm(KrFエキシ
マ)および最終的に193nm(ArFエキシマ)(Okoroanyanwu 2015、Gangnaik et al
.2017、De Simone et al.2014)の定義された波長に移行した。
【0004】
248nmと193nmの波長で使用されるレジスト材料は化学増幅レジスト(CAR)であ
り、その組成とミクロ組織は基板上のより微細な特徴を印刷する際のニーズに従って進化
してきた。この傾向の継続として、λ=13.5nm(92 eV)の極端紫外(EUV)波長が
次世代リソグラフィの主要候補である(De Simoneら、2017)。
【0005】
過去10年間に、集積回路の大量生産のためのEUVリソグラフィ(EUVL)の現像に大き
な投資がなされた。電子線描画(EBL)、ソフトリソグラフィ、ナノインプリントリソグ
ラフィ(NIL)、フォトンビームリソグラフィ(PBL)、または走査プローブリソグラフィ
を含む各種ナノリソグラフィ技術があり、これらは、二次元表面上に印刷することができ
る特徴の縮小を拡張するために提案された。
【0006】
EUVLの成功には、いくつかの利点と欠点に直面する新しいフォトレジスト材料が必要で
ある。機能的フォトレジストは、Higginsら2011によって記述されたように、RLS特性
、すなわち、解像度(R)、ラインエッジ粗さ(LER)、および感度(S)を提供すべきで
ある。
【0007】
EUVLを使用してパターンを形成するために開発された多くの異なる材料アプローチがあ
る。一般的なレベルでは、これらは有機、ケイ素ベース、金属含有レジストの3つの異な
るカテゴリーに分類される。
【0008】
有機レジストは、しばしば非CARレジストと呼ばれ、十分なLERを示すことができるが、
EUV吸収特性が劣るために高用量が必要であるため、非常に不利である。レジストの感度
を高めるために、CAR材料を採用した。一方、CAR材料は、主にCARにおけるフォトンショ
ットノイズと光酸生成部分布の統計的効果から生じる貧弱なLERに苦しんでいる。
【0009】
両方の有機型レジストの課題に対処するために、レジスト材料に含まれる放射線感受性
成分を用いて配合物を調製した。EUVフォトン13.5nmの高いモル(molar)吸収性を持
つ元素は金属である。このように、感受性を改善するために金属を他のレジスト材料に添
加する金属含有レジスト、または金属を分子レジスト、金属酸化物ナノ粒子、有機金属前
駆体として、または金属‐有機骨格として使用する金属含有レジストへの関心が高まって
いる。
【0010】
このようなレジストは高感度、高解像度を示し、将来のEUVLレジストの重要な候補とし
て考えられている。しかしながら、それらの主な欠点は、金属がトランジスタの機能を乱
す可能性があるため集積回路の製造において強く好まれず、LER特性が向上を必要とする
ことである。さらに、De SimoneらおよびWatanabeは、EUVスキャナにおいて、含金属レジ
スト中の金属種が原子HまたはラジカルH*と相互作用し、光学寿命に深刻な影響を与える
金属水素化物(MxHy)を形成することを注記している。さらに、高LERは、金属ベースお
よび化学増幅レジストの両方において問題である(De Simoneら、2017)。
【0011】
CARのもう一つの欠点は、エッチング耐が低く、パターンが不安定であることである(G
rigorescuとHagen 2009)。したがって、CARは、基板へのパターン転写のために、ケ
イ素リッチ中間層とカーボンリッチ下地層の両方を必要とする。金属およびケイ素をベー
スとする無機樹脂は、無機中間層がEUVLによって直接パターン化されるので、リソグラフ
ィスタックが単純化されるという利益を有する。
【0012】
水素シルセスキオキサン(HSQ)は、広く利用されているネガ型電子ビームおよびEUVL
レジスト材料である。高密度パターン、すなわち10nm以下のピッチ構造の可能性のため
に、最適プロセスを見出すために集中的な研究を行った。しかしながら、それは非常に低
い感度に苦しみ、濃縮された現像液(developer)を必要とし、そして(Yangら、200
9)によって記載されるように、その工業的適用を制限する処理中に比較的不安定である
ことが知られている。
【発明の概要】
【0013】
現像液温度、現像液濃度、現像液組成物など、EUVLに適したプロセスの開発を容易にす
るいくつかの要因がある。従来技術の進歩にもかかわらず、過剰な金属汚染なしにRLS特
性を提供する機能性フォトレジストが依然として探求されている。
【0014】
本発明の目的は、新規な水素シルセスキオキサン樹脂コーティング組成物を提供するこ
とである。
【0015】
本発明の別の目的は、新規な水素シルセスキオキサン樹脂を製造する方法を提供するこ
とである。
【0016】
本発明の第3の目的は、ポリヒドリドシルセスキオキサンコーティング基材を光の放射
でパターン化するための方法を提供することである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、光の照射によるパターニングに適した照射感受性被膜を含む
コーティング基材を提供することである。
【0018】
従来のHSQ樹脂はシラノール基を含まない。本発明において、驚くべきことに、HSQ樹脂
中のシラノール部分の存在が、HSQ樹脂と比較して、被膜のパターン形成能力を大幅に増
強することが見出された。その結果、本種のシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキ
サンは、今日までの文献に記載されているものと比較して、EUVリソグラフィにおいてよ
り高い感度を示す。
【0019】
膜中に存在する樹脂のシラノール基は、SiHからEUVによって生成された中間体反応性ケ
イ素種と反応するようであるが、これは単に一つの可能な説明である。
【0020】
さらに、官能基を追加することにより、ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂の感度を
さらに高めることが分かった。官能基を含むケイ素含有前駆体の添加は、水性現像液への
溶解性も向上させる。
【0021】
さらに、いくつかの実施形態において、金属酸化物化合物を加水分解混合物の一部とし
て使用するか、または添加剤として別々に添加するか、またはナノ粒子が樹脂の感度を向
上させることがさらに見出されている。
【0022】
したがって、本発明は、ケイ素酸素ネットワーク内のSi‐HまたはSi‐Rと比較して、有
機液体および約0.001Mから約1Mのシラノール、またはケイ素‐炭素結合およびケイ
素‐水素を有するケイ素酸素‐金属を含む、水素シルセスキオキサン樹脂の溶液を提供す
る。
【0023】
本種のポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂溶液を含有する金属およびシラノールは、
三官能性シランを他のケイ素または金属含有前駆体と加水分解/縮合反応させて、ポリヒ
ドリドシルセスキオキサンを含有する金属およびシラノールを得ることによって製造する
ことができる。
【0024】
これらの溶液は、その上にパターンを形成するために、半導体基板上に鋳造シラノール
含有有機‐無機ハイブリッドコーティングを製造するために使用することができる。
【0025】
本発明はまた、ケイ素‐酸素またはケイ素‐炭素結合およびケイ素‐水素および/また
はシラノール結合を有するケイ素‐酸素‐金属ネットワークを含む放射線感受性コーティ
ングを含むコーティング基材を提供する。
【0026】
本発明はさらに、特定の波長の光の放射線でポリヒドリドシルセスキオキサンコーティ
ング基材を含有する金属およびシラノールをパターニングするための方法を提供し、この
方法は、選択されたパターンに沿ってコーティング基材を照射して、照射されたコーティ
ングの領域および未照射のコーティングの領域を照射された構造を形成し、照射された構
造を選択的に現像して、未照射のコーティングのかなりの部分を除去して、パターニング
された基材を形成する工程を含む。
【0027】
さらに、本発明は、特定の波長の光の放射でコーティングされたポリヒドリドシルセス
キオキサンを含有する金属およびシラノールをパターン化する方法を提供し、ここで、波
長は13.5nm以下である。
【0028】
さらにまた、本発明は、表面を有する基材と、表面に沿った選択された領域であって、
表面に沿った他の領域には存在しない第1のコーティングとを含む、パターン化された基
材を提供する。一般に、第1のコーティングは、ケイ素‐酸素、またはケイ素‐炭素結合
およびケイ素‐水素および/またはシラノール結合を有するケイ素‐酸素‐金属ネットワ
ークを含む。あるいは、第1のコーティングは、少なくともいくつかの有機液体に可溶性
であるか、または第1のコーティングは、水性塩基に可溶性である。
【0029】
より具体的には、本発明は、独立請求項の特徴部分に記載されたものを特徴とする。
【0030】
本発明によりかなりの利点が得られる。
【0031】
したがって、本発明の溶液を使用して、半導体基板上に被膜をキャストして、その後の
焼成、照射、および現像工程を経てパターンを形成することができる。特に、本発明は、
工業的に実現可能な方法で樹脂の微細構造の制御を可能にし、先行技術の欠点を解決する
。例えば、金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂中のシラノー
ル含有量を調整することができ、これはEUVLでの適用のための高感度コーティングを得る
のに非常に望ましい。
【0032】
さらに、ケイ素‐酸素、またはケイ素‐炭素結合およびケイ素‐水素および/またはシ
ラノール結合を有するケイ素‐酸素‐金属ネットワークを含むコーティングの溶解度は、
コーティングの現像液への溶解度を制限または促進する前駆体の共重合によって改変する
ことができる。
【0033】
本明細書に記載される本発明は、鍵RLS課題に対処し、さらに、リソグラフィ積層体の
単純化を可能にする高酸素プラズマエッチング耐性を提供する。
【0034】
さらに、ケイ素酸素またはケイ素‐炭素結合およびケイ素‐水素および/またはシラノ
ール結合を有するケイ素酸素‐ケイ素酸素‐金属ネットワークを含むコーティングの使用
は、現像剤への照射されたコーティングの溶解特性を操作する手段を用いて、パターンを
現像するために、工業標準の2.38重量%TMAH溶液を使用することを可能にする。
【0035】
重要な局面において、本発明は、照射によってパターン化することができるシロキサン
を提供する。
【0036】
本技術のさらなる特徴および利点は、実施形態の以下の詳細な議論から明らかにされる
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、側面図において、三層リソグラフィ積層体のアセンブリを概略的に示す。
図2図2は、4層リソグラフィ積層体のアセンブリを側面図で概略的に示す。
図3図3は、一実施形態による、金属および水酸基含有ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂によるパターニングを、側面図で概略的に示す。
図4図4は、シラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンのEUV架橋機構を示す。
図5図5は、65.4mJ/cm2の印加EUV照射量で実施例1の物質を用いてEUVLにより得られたLER=1.5nmの22nmハーフピッチパターン線を示すSEM像である。
図6図6aは、5000μC/cm2の照射量で、比較例1で調製した2%重合体を使用した、50nm HPの線のSEM像である。図6bは、450μC/cm2の照射量で、実施例1で調製した2%重合体を使用した、50nm HPの線のSEM像である。
図7図7は、実施例1、3、および5、並びに比較例1および2におけるポリマーから調製されたフィルムのFTIRスペクトルを示し、異なる合成に対するシラノール含有量の差を示している。
図8図8は、a)実施例1、b)実施例7、およびc)照射後の実施例10のe(電子)ビーム結果を示す3つのSEM画像を含む。図8から明らかなように、実施例7および10では、LERが改善された類似のパターンを得るために必要な線量は実施例1よりも40%であった。
図9図9は、a)実施例1、b)実施例14、およびc)実施例17のeビーム結果を示す3つのSEM画像を含む;図9から明らかなように、パターンを得るために必要な線量は、b)において17%およびc)において33%減少した。
図10図10は、同じ線量でその性能を示す、a)実施例1、b)実施例20、c)実施例21のeビーム結果を示す3つのSEM画像を含む。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施形態は、三官能性シランを適切な他のケイ素または金属含有前駆体と加水分
解/縮合反応させて、金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンを得る
、金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂溶液の製造方法に関す
る。
【0039】
本発明の材料は、「シラノール含有有機‐無機ハイブリッド材料」として特徴付けるこ
とができる。このような材料は、以下に説明するように、有機化合物ならびに無機化合物
から誘導される残留物を含む。さらに、本発明の材料は、シラノール基、すなわち、典型
的にはその主鎖に沿って、特にその主シロキサン鎖に沿って、結合性Si‐O‐Hを示す基を
含有する。
【0040】
樹脂または被膜のケイ素含有量は、典型的には少なくとも30重量%、特に35重量%
以上である。典型的には、ケイ素の最大値は約52.9重量%である。
【0041】
一般に、ポリヒドリド‐シルセスキオキサン樹脂主鎖の繰り返し単位当たり約1個のシ
ラノール基がある。一実施形態では、ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂主鎖の各単位
に対して平均で約0.8~1.2個のシラノール基が存在する。
【0042】
したがって、一実施形態では、シラノール(Si‐OH)およびケイ素‐水素(Si‐H)を
示す樹脂、必要に応じて、ケイ素‐酸素ネットワーク内のケイ素‐炭素結合、またはケイ
素‐水素(Si‐H)、必要に応じて、ケイ素‐酸素‐金属ネットワーク内のケイ素‐炭素
結合を液相で含む水素シルセスキオキサン樹脂コーティング組成物が提供され、Si‐HとS
i‐OHのピーク高さ比は約2:1から100:1である。
【0043】
一実施形態では、水素シルセスキオキサン樹脂コーティング組成物が提供され、これは
、ケイ素酸素ネットワーク内のSi‐HまたはSi‐Rと比較して、約0.001Mから約1Mの
シラノール、またはケイ素‐炭素結合およびケイ素‐水素を有するケイ素酸素‐金属を含
む液相である。
【0044】
「潜在性」という用語は、本組成物中に任意に存在する成分に関連して使用する場合、
組成物または樹脂の処理中に、例えば光によって活性化される特性を意味し、したがって
、「潜在性」触媒は、例えば、樹脂または組成物が光にさらされる場合、特に光によって
活性化される物質である。同様に、組成物中の潜在性酸および塩基は、光に曝されると活
性化され得る。
【0045】
一実施形態によれば、本技術は、基板上に照射硬化性シロキサン層を形成するのに適し
た組成物に関し、該組成物は、SiO部分を含有するシロキサンポリマーと、該ポリマーに
沿って分布する複数の反応部位と、第1のSiH部分と、第2のSiOH部分と、中間体の芳香
族および非芳香族部分と、金属‐酸素結合を含有する第4の部分とを含み、該ポリマーは
、500~50000g/molの分子量を有し、該組成物は、好ましくは、酸および/また
は塩基触媒および溶媒をさらに含む。
【0046】
好ましい実施形態によれば、本技術は、基材上にキャスト可能なコーティング配合物の
製造に好適な組成物に関し、基材上のコーティングは、パターン化可能な照射によってパ
ターン化することができ、コーティングは式(I):
【化1】


で表され、
式(I)中、
A、B、C、Dはそれぞれ独立に1~1000の整数を表し、Zは官能基を表し、Mは金属原
子を表し、R1~R8はそれぞれ独立にヒドロカルビルラジカルを表し、a、b、m、o、y、z、
p、q、xはそれぞれ独立に0~3の整数を表す。
【0047】
上記組成物は、ケイ素に結合した少なくとも2つまたは3つの加水分解性基を有する第
1の単量体水素含有ケイ素化合物(「前駆体A」)を、
任意に少なくともゼロ、1つ、2つまたは3つのヒドロカルビルラジカルおよび化合物
のケイ素原子に結合した少なくとも1つの加水分解性基を有する第2の単量体ケイ素化合
物(すなわち「前駆体B」)、
任意に少なくとも1つの官能基および化合物のケイ素原子に結合した少なくとも1つの
加水分解性基を有する第3の単量体ケイ素化合物を用いて加水分解してシロキサン材料を
形成し、官能基は現像液への溶解を増強し(すなわち「前駆体C」)、
任意にシロキサン材料を適切な溶媒系中で安定な組成物に配合する1つまたは複数の加
水分解性金属酸化物前駆体に基づく第4の前駆体(すなわち「前駆体D」)で
加水分解することによって得られる。
【0048】
1つの実施形態において、前駆体Bは、任意選択で1つまたは複数の前駆体A、CおよびD
と共に使用される。
【0049】
本発明において使用される前駆体の比は、変化させることができる。前駆体Aは0~1
00mol%、前駆体Bは0~50mol%、前駆体Cは0~20mol%、前駆体Dは0~50mol
%で使用できる。前駆体1および2は、共に、組成物の少なくとも50モル%、特に少な
くとも60モル%、例えば少なくとも70モル%を構成する。
【0050】
シロキサン組成物は、加水分解および縮合を同一の反応容器内で行うか、またはそれぞ
れの前駆体を別々に特定した部分で行うことにより得ることができる。
【0051】
前駆体の相対量を選択することにより、ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂中のシラ
ノール含有量を調整することができる。
【0052】
本発明は、式IIを有する第1のケイ素化合物を加水分解して得られるポリ(オルガノシ
ロキサン)を含む組成物の製造に特によく適しており、
R1 a‐Si‐R2 b・・・(II)
ここで、
aは1または2の整数であり、
bは2または3の整数であり、
R1は水素原子を示し、
R2は水酸基、アルコキシ、アシルオキシおよびハロゲンから独立して選択され得る加水
分解性基を示す。
【0053】
「ハロゲン」の意味において、加水分解性基の各々は、好ましくは、独立して、塩素ま
たは臭素を表す。
【0054】
「アルコキシ」の意味において、加水分解性基の各々は、好ましくは、独立して、1~
6個、特に1~4個の炭素原子を有するアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n‐
プロポキシ、i‐プロポキシ、ブトキシ、sec‐ブトキシ、またはtert‐ブトキシを表し、
「アシルオキシ」の意味において、アシル基は1~4個の炭素原子を有する。したがって
、加水分解性基として、各アシルオキシは、好ましくは、独立して、アセトキシ、アクリ
ロキシ、またはメタクリロキシを表す。
【0055】
そのような前駆体の具体例は、トリエトキシシラン(HTEOS)、トリメトキシシラン(H
TMOS)、ジエトキシシランおよびトリクロロシランである。
【0056】
また、本発明は、前記式IIを有する第1のケイ素化合物を、式IIIを有する前駆体で加
水分解して得られるコポリ(オルガノシロキサン)を含む組成物に関し、
R3 m‐SiR2 n‐R4 o・・・(III)
ここで、
R3およびR4は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロ
ゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、エポキシ基を有する有機基、メルカプト基
、アルコキシアリール基、アシルオキシアリール基、イソシアヌレート基、ヒドロキシ基
、環状アミノ基、またはシアノ基、またはこれらの組み合わせから独立に選択することが
でき、
R 2およびR 3はアルコキシ基、アシルオキシ基、またはハロゲン基であってもよく、
mは0~1の整数であり、
nは2~4の整数であり、
oは0~1の整数であり、
m+n+oの合計値は4を超えてはならない。
【0057】
本発明はさらに、前記式IIを有する第1のケイ素化合物を、式IVを有する前駆体で加水
分解して得られるコポリ(オルガノシロキサン)を含む組成物に関し、
Zx‐R5 y‐SiR2 n‐R6 z・・・(IV)
ここで、
Zは水酸基、カルボン酸、メルカプト、アミンまたはその塩、または水性現像液への溶
解性を促進する第4級アンモニウム塩のような基であり、
R5はZおよびSiの両方に共有結合したスペーサ基であり、アルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、
アルケニル基、アルコキシアリール基、アシルオキシアリール基、またはそれらの組合せ
から誘導される二価基から独立に選択することができ、
R6はアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリ
ール基、ハロゲン化アラルキル基、エポキシ基を有する有機基、メルカプト基、アルコキ
シアリール基、アシルオキシアリール基、水酸基基、環状アミノ基、またはシアノ基から
独立に選択することができる。
【0058】
R2 は、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基であってもよく、
yは0~2の整数であり、
nは1~3の整数であり、
zは0~11の整数であり、
ここでy+n+zの合計値は4を超えてはならない。
【0059】
式IVの構造において、xはスペーサ基R3が包含できる値を示し、1以上でなければなら
ない。
【0060】
1つの実施形態において、式IVは、遊離または保護された脂肪族またはフェノール性ヒ
ドロキシ基を有するケイ素種を含む。
【0061】
1つの実施形態において、式IVは、遊離または保護された脂肪族またはフェノールカル
ボン酸基を有するケイ素種を含む。
【0062】
最後に、本発明は、前記式IIを有する第1のケイ素化合物を、式V:
R7 p‐MR8 q ・・・(V)
を有する前駆体で加水分解して得られるコポリ(オルガノシロキサン)を含む組成物に
関し、
R7は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化ア
リール基、ハロゲン化アラルキル基、アルケニル基、アルコキシアリール基、アシルオキ
シアリール基、またはそれらの組み合わせから独立に選択することができ、
Mは、金属酸化物または金属‐オキソ水酸化物に加水分解および凝縮され得る前駆体を
形成することができる任意の金属から独立して選択することができ、
pは0から1の整数であり、
Mは安定な炭素金属結合を形成することができ、
qはM ox‐pから得られる数の整数であり、
M oxは、金属前駆体の酸化状態であり、
pは、金属前駆体に共有結合して炭素ラジカルR7の数であり、
R8は、他の金属原子への結合として機能する、アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン
基、水酸化基または酸素原子であってもよく、またはR8は、金属の二元または配位配位子
からなることも必要である。
【0063】
本文中、「アルキル基」は、C1‐10アルキル基、特にC1‐4アルキル基を表し、
「アルコキシ基」は、C1‐10アルコキシ基、特にC1‐4アルコキシ基を表し、
「アリール基」は、1~5個の環を有し、縮合または共役しており、4~30個の炭素
原子を有する芳香環基を意味する。
【0064】
「アラルキル基」は、環置換基1~5環および炭素数4~30の芳香環基を表し、環置
換基1~6としてベアリング、アルキル基1~3がそれぞれ、特に炭素数1~10の、特
に炭素数1~4の芳香環基を表し、
「アルコキシアリール」は、1~5個の環および4~30個の炭素原子を有し、環置換
基として1~6個のアルコキシ基を有するアリール基を表し、アルコキシ基は1~10個
、好ましくは1~4個の炭素原子を有し、
「アシルオキシアリール」は、1~5個の環および4~30個の炭素原子を有し、環置
換基として1~6個のアシルオキシ基を有するアリール基を表し、アシルオキシ基は1~
4個の炭素原子を含む。
【0065】
ハロゲン置換基の例は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基およびヨード基を含む。
【0066】
典型的には、式Vの金属化合物は、金属β‐ジケトン類またはβ‐ケトエステルまたは
それらの組み合わせである。
【0067】
「M」の意味における金属は、典型的には、遷移金属および希土類金属の群から選択さ
れる。金属の例としては、各種酸化度を有するアンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、ハ
フニウム、鉄、モリブデン、セリウム、ランタン、イットリウム、スズ、チタン、ジルコ
ニウムおよびタングステンが挙げられ、例えば、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウ
ム、チタンおよびスズおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0068】
特に、金属は、アンチモン(III)、ビスマス(III)、ゲルマニウム、ハフニウム(IV
)、鉄(III)、モリブデン(V)、セリウム(IV)、ランタン(III)、イットリウム(I
II)、スズ(IV)、チタン(IV)、ジルコニウム(IV)およびタングステン(V)の群か
ら選択することができる。
【0069】
前駆体IIの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラクロロシラン、テトラアセ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ‐n‐プロポキシシラン、テトライソプロ
ポキシシラン、テトラ‐n‐ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロ
ポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベ
ンジルオキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、γ‐クロロプロピルトリメトキシシラン、γ‐クロロプロピル
トリエトキシシラン、γ‐クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3‐トリフルオロ
プロピルトリメトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β
‐シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルト
リエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ‐クロロプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ‐クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシ
ラン、γ‐グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシ
ラン、α‐グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α‐グリシドキシエチルトリエトキ
シシラン、β‐グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β‐グリシドキシエチルトリエ
トキシシラン、α‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α‐グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、β‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β‐グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
γ‐グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリフェノキ
シシラン、α‐グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α‐グリシドキシブチルトリエ
トキシシラン、β‐グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシブチルト
リメトキシシラン、γ‐グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ‐グリシドキシブチ
ルトリメトキシシラン、δ‐グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4‐エポキシ
シクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4‐エポキシシクロヘキシル)メチル
トリエトキシシラン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β‐(3,4‐エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル
)エチルトリブトキシシラン、γ‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメト
キシシラン、γ‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ‐
(3,4‐エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ‐(3,4‐エポキシシク
ロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、
グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α‐グリシドキシエチルメチルジメトキシ
シラン、α‐グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β‐グリシドキシエチルメチ
ルジメトキシシラン、β‐グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α‐グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、α‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
、β‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β‐グリシドキシプロピルエチル
ジメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、
γ‐グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジ
フェノキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ‐グリシドキ
シプロピルエチルジエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン
、γ‐グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、およびフェニルスルホニルアミノ
プロピルトリエトキシシランが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
前駆体IIIの具体例としては、特に限定されないが、4‐アセトキシフェニルエチルトリ
クロロシラン、4‐アセトキシフェニルエチルトリメトキシシラン、4‐アセトキシフェニ
ルエチルトリエトキシシラン4‐(アセトキシフェニルエチル)メチルジクロロシラン、4
‐(アセトキシフェニルエチル)メチルジメトキシシラン、4‐(アセトキシフェニルエ
チル)メチルジエトキシシラン、トリエトキシシリルプロピルカルバメート、トリエトキ
シシリルプロピルマレアミド酸、N‐(3‐トリエトキシシリルプロピル)‐4‐ヒドロキ
シブチルアミド、N‐(3‐トリエトキシシリルプロピル)グルコナミド、(3‐トリエト
キシシリル)プロピルコハク酸無水物、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ウレイド
プロピルトリメトキシシラン、3‐ヒドロキシ‐3,3‐ビス(トリフルオロメチル)プロピ
ルトリエトキシシラン、4‐(メトキシメトキシ)トリメトキシシリルベンゼンおよび6‐
(メトキシメトキシ)‐2‐(トリメトキシシリル)ナフタレンが挙げられる。
【0071】
前駆体IVの具体例としては、アンチモン(III)エトキシドなどのアンチモン(III)ア
ルコキシド、ビスマス(III)イソプロポキシドなどのビスマス(III)アルコキシド、テ
トラエトキシゲルマンなどのゲルマニウムアルコキシド、ハフニウム(IV)ブトキシドな
どのハフニウム(IV)アルコキシド、鉄(III)エトキシドなどの鉄(III)アルコキシド
、モリブデン(V)エトキシドなどのモリブデン(V)アルコキシド、セリウム(IV)イソ
プロポキシドなどのセリウム(IV)アルコキシド、ランタン(III)イソプロポキシドな
どのランタン(III)アルコキシド、イットリウム(III)イソプロポキシド、スズ(IV)
アルコキシドなどのイットリウム(III)アルコキシド、テトラ‐t‐ブトキシチン、テト
ラ‐i‐プロポキシチンなどのアルキルおよびアリール置換スズ(IV)アルコキシド、チ
タン(IV)ブトキシドおよびチタン(IV)イソプルポキシドなどのチタン(IV)アルコキ
シド、ジルコニウム(IV)ブトキシド、タングステン(V)アルコキシドなどのジルコニ
ウム(IV)アルコキシドタングステン(V)エトキシドやタングステン(VI)エトキシド
などのタングステン(VI)アルコキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
一実施形態では、部分縮合ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を製造する方法は、HT
EOS (HSi(OC2 H53)またはHTEOSと他の三官能性シランの混合物を使用することを含み
、これらは制御された加水分解/縮合反応に供される。
【0073】
このような方法では、トリファンクショナルシランは、典型的には、メチルトリメトキ
シシラン(MTMOS)、メチルトリエトキシシラン(MTEOS)、トリメトキシエチルシラン(
ETMOS)またはジエトキシジメチルシラン(DMDEOS)またはトリメトキシフェニルシラン
(PhTMOS)から選択される。
【0074】
一実施形態では、モノマーは、合成のための溶媒として使用されるMeOTHFに溶解される
。あるいは、他の溶媒、例えばEtOTHFまたはMeOTHFとEtOTHFの混合物、またはRが3~1
2個の炭素からなるMeOTHF、EtOTHF、またはR‐OTHFの合成溶媒が使用される。
【0075】
一実施形態において、モノマーの制御された加水分解は、0.0001 Mから1Mの範
囲のモル比を有する酸溶液で得られる。
【0076】
一実施形態によれば、加水分解および重合は、溶媒なしで完全に実施されるか、または
アルコール、エステル、ケトンおよびエーテル中などの有機溶媒中で実施される。
【0077】
具体的には、適当な溶媒は、アセトン、エチルメチルケトン、メタノール、エタノール
、イソプロパノール、ブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル
およびテトラヒドロフランである。特に適当な溶媒は、ケトンおよびエーテルであり、特
に、加水分解中のケイ素原子との配位によるある種の安定化効果が存在する場合である。
そのような例は、エチルメチルケトン、メチルテトラヒドロフルフリルエーテルおよびエ
チルテトラヒドロフルフリルエーテルである。
【0078】
モノマーの制御された加水分解は、0.0001M~1Mの範囲のモル比を有する酸また
は塩基溶液の添加によって得られる。
【0079】
有機酸または無機酸を合成に使用することができる。
【0080】
硝酸、硫酸、塩酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、過塩素酸、炭
酸、リン酸などの無機酸を用いることができる。好ましくは、硝酸または塩酸は、それら
の低沸点のために使用され、これは、生成物の精製を簡単にする。
【0081】
他の選択肢では、無機酸の代わりに種々の有機酸を使用することができる。有機酸は、
カルボン酸、スルホン酸、アルコール、チオール、エノール、およびフェノール基である
。例は、メタンスルホン酸、酢酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ギ酸、また
はシュウ酸である。
【0082】
合成に使用される塩基は、同様に無機または有機であり得る。典型的な無機塩基および
金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、およびアルカリ性水溶液を生じる他の塩。そのような
材料の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、
炭酸ナトリウム、および重炭酸ナトリウムである。一方、有機塩基は、有機酸の金属塩(
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、ベン
ゾエートナトリウムなど)、ラインアーム分枝状または環状アルキルアミン(ジアミノエ
タン、プトレシン(purtescine)、カダベリン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブ
チルアミン、トリブチルアミン、ピペリジンなど)、アミジンおよびグアニジン類(8‐
ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデック‐7‐エン、1,1,3,3‐テトラメチルグ
アニジン類、1,5,7‐トリアザビシクロ[4.4.0]‐デク‐5‐エン)、ホスフ
ァザン(P1‐t‐Bu、P2‐t‐Bu、P4‐t‐Buなど)、および四級アンモニウム化合物(テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ
ブチルアンモニウムヒドロキシドなど)からなるより大きな群を含む。
【0083】
加水分解および縮合処理中の反応混合物は、‐30℃から170℃の範囲の温度に維持
することができる。
【0084】
当業者は、より低い反応温度は、反応の改善された制御を提供するが、長い反応時間を
犠牲にし、一方、過度に高温、適切な制御のためにプロセスを速くしすぎることがあるこ
とを知っている。
【0085】
0~100℃の温度で1~48時間、または2~24時間の反応時間が好ましい。
【0086】
本発明による方法は、有機溶媒系中にオルガノシロキサンポリマーを含有する部分的に
架橋された任意に金属を生じ、前記ポリマーは、ポリスチレン標準に対して測定して、約
5,00~100,000g/mol、特に約1000~50,000g/molの分子量を有す
る。
【0087】
本発明の別の実施形態は、加水分解および重合が行われる溶媒が、何らかの形態の安定
化を伴いながら、材料のコーティング性能および生成物貯蔵特性をより良好にする溶媒に
ついて、重合を変化させた後であることである。
【0088】
安定化有機溶媒系は、例えば、任意に他の共溶媒または共溶媒と混合した有機エーテル
によって形成される。
【0089】
一実施形態では、有機エーテルは、一般に4~26個の炭素原子を含み、任意に水酸基
などの他の官能基を含む直鎖状、分岐状または環状エーテルである。
【0090】
特に好適な例は、環上に置換基を有していてもよい5員および6員環エーテルである。
【0091】
他の適当なエーテルは、例えば、(C1‐20)アルカンジオール(C1‐6)アルキル
エーテルである。前記アルカンジオールアルキルエーテルの例は、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn
‐ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ル、ジメチルエーテル、ジプロピレングリコールn‐ブチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテルおよびこれらの混合物である。
【0092】
本エーテルの特に好ましい例は、メチルテトラヒドロフルフリルエーテル、テトラヒド
ロフルフリルアルコール、プロピレングリコールn‐プロピルエーテル、ジプロピレング
リコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn‐メチルエーテル、プロピレングリ
コールn‐エチルエーテルおよびそれらの混合物である。
【0093】
安定化溶媒系は、上記で同定された種類のエーテルのみを含む溶媒、または加水分解の
典型的な反応媒体またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような他
の溶媒とのそのようなエーテルの混合物からなる。エーテルの割合は、このような場合、
溶媒の総量の約10~90重量%、特に約20~80重量%である。
【0094】
選択された溶媒および樹脂材料からなる放射線感受性配合物の固形分は、0.1%~5
0%の範囲、好ましくは0.5%~10%の範囲である。
【0095】
一実施形態では、縮合重水素化物エスキノキサン樹脂において、配合物を種々の光酸生
成部および光塩基生成部および増感剤と組み合わせて、EUVLネガティブトーンレジストと
して使用する。
【0096】
固形分(またはポリマー含有物)は、コーティングプロセス中に得られる膜厚を調整す
るために使用される。
【0097】
コーティングの均一性に関してコーティング性能を改善するために、ケイ素またはフル
オロ界面活性剤などの異なる界面活性剤を使用して、シラノール含有ポリヒドリドシルセ
スキオキサン配合物コーティングの表面張力を低下させることができる。このような界面
活性剤の使用は、必要に応じてコーティング品質を改善することができる。界面活性剤の
量は、シラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン量と比較して0.001質量%以
上10質量%以下の範囲である。
【0098】
組成物はまた、塩、特に無機塩を含有してもよい。
【0099】
一実施形態では、シロキサンプレポリマー溶液は、約0.5センチポアズ(cP)~約1
50cPの粘度を有する。有機液体は、少なくとも10℃の引火点および約10kPa未満の
20℃の蒸気圧を有することができる。
【0100】
上述のように、本明細書に記載される放射線感受性金属およびシラノール含有ポリヒド
リドシルセスキオキサン組成物は、装置内の所望の無機材料構造の直接形成のために、お
よび/または有機レジストの置換である放射線パターン化可能な無機レジストとして使用
され得る。いずれの場合も、かなりの処理改善を利用することができ、パターン化された
材料の構造も改善することができる。
【0101】
HSQ樹脂中のシラノール部分の存在は、HSQ樹脂と比較して被膜のパターン形成能を大幅
に改善する。
【0102】
金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン溶液は、一般に、非水溶媒
中で、高い解像度のパターン形成を提供し、そこでは、溶液は、良好な放射線感受性を有
する放射線パターン形成可能コーティングの形成のために高い程度の安定性を有する。
【0103】
金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン溶液で形成された被膜は、
パターン化された酸化ケイ素被膜の形成のための優れた直接パターン化を提供する。関心
のある実施形態では、放射線への暴露は、照射されたコーティング材料を、選択的に除去
することができるように、現像剤組成物での除去に対して抵抗性である材料に変換する。
【0104】
したがって、コーティングは、ネガティブにパターン化することができる。コーティン
グ材料の少なくとも一部を選択的に除去することにより、コーティング領域が除去されて
下にある基板を露出させるパターンを残すことができる。照射後のコーティングの現像後
、パターン化された酸化ケイ素材料は、優れたパターン解像度を有するデバイス形成にお
ける処理を容易にするために使用することができる。コーティング材料は、極端紫外光、
紫外光および/または電子ビームのような選択された放射線に敏感になるように設計する
ことができる。さらに、前駆体溶液は、市販のための適切な貯蔵寿命で安定であるように
製剤化することができる。
【0105】
放射線感受性コーティング材料は、ネガティブ放射線パターニングコーティングとして
使用することができる。ネガ型パターニングでは、放射線への曝露は、照射されたコーテ
ィング材料を、照射されていないコーティング材料と比較して現像剤組成物による除去に
対してより耐性のある材料に変換する。コーティング材料の少なくとも一部を選択的に除
去すると、下にある基板を露出させるために領域が除去されたパターンが残る。
【0106】
集積電子機器等の形成は、一般に、構造体内に個々の要素または構成要素を形成するた
めに材料をパターン化することを含む。このパターン化は、所望の機能性を誘発するため
に、垂直および/または水平方向に互いに界面する積層層の選択された部分を覆う異なる
組成物を含むことができる。
【0107】
種々の材料は、選択されたドーパント、誘電体、電気導体および/または他の種類の材
料を有することができる半導体を含むことができる。高解像度パターンを形成するために
、放射線感受性有機組成物を使用してパターンを導入することができ、組成物の一部は、
選択されたパターンを導入するために選択的材料除去を使用することができるように、現
像/エッチングに耐性を有するように加工されるので、組成物はレジストと呼ばれること
ができる。
【0108】
選択されたパターンまたはネガティブなパターンを有する照射を使用して、レジストを
露光し、現像剤耐性領域および現像剤溶解性領域を有するパターンまたは潜像を形成する
ことができる。
【0109】
EUVまたはeビームのような同様の照射法の間に、SiH種は反応して中間体の反応性ケイ
素種を形成する(図4)。この中間体は、その後の反応に大気中の水分や照射量の増加を
必要とする。実際、EUVLのために提案された多くの金属レジストは、反応性中間体が、ネ
ガ型レジストコーティング材料を生成する材料を架橋するその後の反応のために大気中の
水分を必要とする同様の課題を示す。このように、SiHからEUVにより生成した中間体反応
性ケイ素種と直接反応する膜中の適量のシラノール基を導入することを見出した。
【0110】
その結果、シラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンは、現在までの文献に記載
されているものと比較してEUVリソグラフィにおいて高い感度を示す。
【0111】
以上を踏まえ、本技術は、上述のようなレジスト下地膜形成用組成物を半導体基板上に
塗布し、その組成物を焼成することにより、レジスト膜を形成することを提供する。
【0112】
一実施形態では、
レジスト下地膜またはいくつかの下地膜を半導体基板上に塗布し、組成物を焼成して1
つ以上のレジスト下地膜を形成することと、
請求項1に記載の組成物をレジストとして1つ以上のレジスト下地膜上に塗布してレジ
スト膜を形成することと、
レジスト膜を光に露光することと、
露光後、レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
レジストパターンを使用して、レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされたレジスト膜と、このようにパターニングされたレジ
スト下地膜とを用いて半導体基板を作製することと、
を含む、半導体装置の製造方法が提供される。
【0113】
一実施形態では、
半導体基板上に有機下地膜を形成することと、
有機下地膜上にレジスト膜を形成するための組成物を塗布し、組成物を焼成してレジス
ト膜を形成することと、
レジスト膜を光に露光することと、
露光後、レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
レジストパターンを使用して、レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされたレジスト下地膜を用いて有機下地膜をエッチングす
ることと、
このようにしてパターニングされた有機下地膜を用いて半導体基板を作製することと、
を含む、半導体装置の製造方法が提供される。
【0114】
本技術は、また、半導体装置を製造する方法を提供し、本方法は、
レジスト下地膜またはいくつかの下地膜を半導体基板上に塗布し、組成物を焼成して1
つ以上のレジスト下地膜を形成することと、
請求項1に記載の組成物をレジストとして1つ以上のレジスト下地膜上に塗布してレジ
スト膜を形成することと、
レジスト膜を光に露光することと、
露光後、レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
レジストパターンを使用して、レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされたレジスト膜と、このようにパターニングされたレジ
スト下地膜とを用いて半導体基板を作製することと、
含む。
【0115】
さらに、半導体装置を製造するための方法は、
半導体基板上に有機下地膜を形成することと、
有機下地膜上にレジスト膜を形成するための組成物を塗布し、組成物を焼成してレジス
ト膜を形成することと、
レジスト膜を光に露光することと、
露光後、レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
レジストパターンを使用して、レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされたレジスト下地膜を用いた有機下地膜をエッチングす
ることと、
このようにしてパターニングされた有機下地膜を用いて半導体基板を作製することと、
のステップを含む。
【0116】
コーティングの組成は、EUVLレジスト材料に必要な他の特性にも大きな影響を及ぼす。
実際的な理由から、十分に長い後コーティング遅れ(PCD)が必要である。照射中に環境
または窒素ブランケットを使用する従来使用されていたリソグラフィステッパおよびスキ
ャナとは異なり、EUVLスキャナ照射は真空中で行われる。EUVLスキャナ内の種々のチャン
バを通る界面または独立したレジスト軌道からの移動は、長い時間を要する可能性があり
、従って、コーティング組成物は、ガス排気チャンバ内のこれらのステップの間、安定で
あるべきである。
【0117】
したがって、材料は、十分なPCD安定性を示すべきであり、これは、基板上にいかなる
残留物も残さずに、溶媒または現像液を使用してコーティングを容易に除去することがで
きることを意味する。驚くべきことに、フィルム中のSi‐HとSi‐OHの相関がPCD安定性に
影響を与えることが判明した。膜中のSi‐OH含有量が高すぎると、材料が早期に架橋され
、パターン形成プロセスにおける硬化時間が長すぎる場合、露光されていない領域の現像
が不可能になる。FTIRは、Si‐HからSi‐OHへの比率を評価するための迅速で簡単なツー
ルであり、ある比率で材料が高解像度パターン、低LERおよび良好なPCD安定性をもたらす
ことを観察した。
【0118】
具体的には、図7に示す合成シラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンの化学構
造を検証するために、FTIRスペクトルを記録した。
【0119】
この図から分かるように、シラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンは、水素結
合シラノール網目構造による3200~3700cm‐1の範囲の強い広いSi‐OHピークを
示す。さらに、Si‐Hの機能性は、約2248cm‐1を中心とした鋭いピークと見なされて
いる。したがって、好ましくは、Si‐HとSi‐OHのピーク高さ比は、少なくとも、好まし
くは4:1を超えるが、最大で100:1未満、またはより好ましくは3:1を超えるが
50:1未満であるべきである。
【0120】
本発明は、半導体基板上のパターンの形成における記載された組成物の使用に関する。
【0121】
図面の次に、図1は、基板表面10が有機下地層12でコーティングされ、続いて、典
型的には高ケイ素含有材料からなる無機中間層14のコーティングおよび硬化が行われる
、現在使用されている典型的なプロセスを示す。その上に、フォトレジスト16がコーテ
ィングされる。
【0122】
193nm波長を使用する一般的に公知の照射18の後、パターンが形成され、現像され
る。このような層の組合せは、層の数を参照して、「三層」スタックとして文献に頻繁に
記載されている。フォトレジスト上に形成されたパターンを基板に転写するために、その
後に、一般的に公知で使用されるパターン転写エッチングプロセスを適用することができ
る(図1)。
【0123】
リソグラフィで使用される様々な層の積み重ねは、3を超えることができることに留意
する価値がある。
【0124】
他の一般的に使用される層の組み合わせは、4積層(図2参照)であり、ここで、有機
下地層(または基材)12が最初に塗布され、続いて、典型的には高ケイ素含有材料から
なる無機中間層14のコーティングおよび硬化が行われる。これの上に、図2の4層積層
を完了するフォトレジスト16の前に、有機ボトム反射防止18層が適用される。
【0125】
フォトレジストパターン形成に使用される下層材料の技術分野に慣れたものは、全ての
記載された下層をコーティングおよび硬化させることができるだけでなく、気相成長法(
CVD)、原子層堆積(ALD)および同様の方法のような気相堆積プロセスによって適用する
こともできることを知っている。
【0126】
当業者にとっては、13.5nmのEUVLに同じ手順を適用することができる。
【0127】
しかしながら、吸収課題、光酸および光子照射の両方の確率分布のために、プロセスで
使用される一般的なCARは、特にLERおよびLWRに関連する深刻な課題に直面する。
【0128】
したがって、層の数が低減され、LERおよびLWRの課題が低減される積層の簡略化を約束
する無機フォトレジストの使用にかなりの関心が寄せられている。ほとんどの場合、無機
レジストは、容易に加水分解可能または加水分解された金属酸化物前駆体の形態の1つ以
上の化合物の金属酸化物、および水素シルセスキオキサンからなる。これらの利点は、金
属酸化物レジストが予期せぬEUVL照射量感度をもたらし、一方、水素シルセスキオキサン
ポリマーは非常に低いEUVL感度で低いLER/LWRで優れた分解能をもたらすことである。
【0129】
したがって、両方の方法は、EUVLパターニングプロセスでの使用を困難に帰する。
【0130】
本発明は、好ましい方法としてシロキサンを含む金属‐シラノールを使用して、積層の
単純化と、パターニングプロセスに使用される金属の低減との両方を達成する。図3を参
照。
【0131】
本発明の一実施形態では、基材20は、EUV中の炭素または非晶質炭素層上のスピン(s
pin)の形態で、主に有機コーティング22でコーティングされる。本発明22に係る薄
い、パターニング可能なフィルムは、ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂24を含む金
属およびシラノールをベースとする。
【0132】
このコーティングは、文献中のHSQ樹脂と比較して高感度でEUVLにより容易にパターニ
ング可能であり、文献中に記載されたCARおよび無機樹脂と比較して有意に低いLER/LWR
である。
【0133】
特に、本発明は、金属の非存在下で二重層構造を有する高解像度パターニング手段を提
供し、これは、著しい収率損失なしに完全に機能的なトランジスタダイを製造する上で有
意な利点となり得る。ケイ素含有材料は、EUVへの吸収が比較的低いことがよく知られて
いる。一方、EUVは、図4のHSQ樹脂中のSi‐H部分から不安定なシラノールを生成するこ
とが確立されている。
【0134】
本明細書に提示された実施例に基づいて、シラノール縮合またはSiH酸化を促進する金
属含有添加剤も、文献に記載された方法と比較してより低い感度を達成するのに有益であ
ることは明白である。
【0135】
向上は
1.樹脂のみを含むケイ素と比較した樹脂の感度の増加、または
2.非金属含有配合物と比較した加速凝縮プロセス
より得ることができる。
【0136】
本発明は、集積回路の製造に使用される表面20上にカーボンリッチ下地層22を析出
することによって実現される。下地層は、CVDのような気相プロセスによって、またはス
ピンコートおよび硬化によって堆積される。次いで、本発明に従う組成物が塗布され24
、EUVLのような新規なパターニング技術によって直接パターニングすることができる、主
にケイ素および金属リッチな酸化物コーティングを生じる。
【0137】
スピンコートまたは液体のための他の適当な蒸着法による適用の後、プリベーク工程を
適用して、コーティング材料に含まれる溶媒および揮発性化合物を除去する。これは、製
造装置の汚染を避けるために必要である。
【0138】
プリベークは、溶媒および揮発性成分の沸騰温度に応じて、異なる温度および時間で行
うことができる。通常、プリベークは60°C~120°C、30秒間~最大30分間で行
うことができる。
【0139】
乾燥またはプリベーク工程の後、任意に使用されるマスキングを介したEUV光、電子ビ
ームまたは同様の露光方法(26)へのコーティングの露光が、基板上にパターンを生成
するために使用される。パターンを生成するのに必要な照射量は、最小10mJ/cm2で、
最大200mJ/cm2である。
【0140】
先に述べたように、工業的用途における合理的なスループットを含み、RLSトレードオ
フに対処する様々な理由により、より低い用量が好ましい。
【0141】
露光後焼成は、任意に、EUV露光後に実施される。この工程は、レジストのより高いコ
ントラストをもたらす露光領域の架橋を改善することができる。露光後焼成は、80℃~
最大150℃で30秒~30分以内の範囲で行うことができる。
【0142】
未露光領域を除去するための開発を行い、設計パターンを得る。現像工程中、レジスト
24の非露光領域は現像液中に溶解する。
【0143】
0.1%~25%の異なる質量比を有する、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基に基づく工業で一般的に使用されている水
性ベース現像液を有効に使用することができる。現像は、現像液を塗布するために、現像
液溶液法のスプレーまたはパドルを用いて、一般的に知られている方法で行われる。ある
いは、基板は、現像液からなる浴中に浸すことができる。
【0144】
露光および現像されたパターンを緻密化するための硬化ステップは、任意に、さらなる
架橋材料を得るために、または材料が何らかのリフローを示すプロセスを通してレジスト
パターンの形状を変更するために実施され得る。この工程は、硬化ステップなしで調製さ
れた材料のものと比較して、より高いエッチング耐性材料をもたらし得る。硬化は120
~400℃で2分間、30分以内で行うことができる。硬化は、ホットプレート上または
オーブン内に置かれたコーティングを加熱することによって行うことができる。
【0145】
感放射線性塗料には、種々の光酸性生成部(PAG)、光塩基生成部(PBG)、および増感
剤を添加することができる。このような添加剤はCARの重要な成分であり、その確率分布
はレジスト配合物におけるLER課題のしばしば根本原因である。
【0146】
一般に、光酸生成部および光塩基生成部は、非イオン性酸生成部および非イオン性塩基
型またはイオン型の光塩基生成部から選択することができる。光塩基生成部は、増感剤と
併用することができる。
【0147】
驚くべきことに、LERの増加は、PAGまたはPBGの機能として観察されなかったが、露光
中の確率的分布課題およびショットノイズのため、必要な照射量を減少させず、LERを増
加させなかった。それにもかかわらず、PAGまたはPBGをコーティング配合物に添加して、
放射線感受性コーティングの酸または塩基触媒縮合を増強し、潜在的により緻密化された
パターンを生じるフィルムの露出領域の凝縮を容易にすることができる。
【0148】
多種多様なPAG、PBGおよび増感剤が入手可能である。少数の実例を挙げると、PAGには
、アリールジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、トリアリールスルホニウム塩など
のイオン性光酸生成部が含まれる。イオン性光酸生成部の量は、シラノール含有ポリヒド
リドシルセスキオキサンの量と比較して0.001~10質量%の範囲内である。
【0149】
種々の光酸生成部には、ニトロベンジルエステル、スルホン、ホスフェート、n‐ヒド
ロキシイミドスルホネート、フェノールのスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、ハ
ロゲン含有化合物、イミノスルホンなどの非イオン性酸生成部が含まれる。非イオン性光
酸生成部の量は、シラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン量と比較して0.00
1~10質量%の範囲内である。
【0150】
光塩基生成部は、Co(III)‐アミンおよびアルキルアミン塩、O‐アシルオキシム、ベ
ンジルオキシカルボニル誘導体、ホルムアミドを添加することができる。光塩基生成部の
量は、シラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン量と比較して0.001~10質
量%である。
【0151】
EUVリソグラフィによってこの理論を確認し、パターンの走査型電子顕微鏡(SEM)画像
図8に示す。
【0152】
実施例1で述べたように、2%の固形分を有するポリマー1を用いてフィルムを作製し
、これにEUVを照射し、最終的に2.38%TMAHで現像し、パターン化画像を得た。図8
示すように、例えば、65.4mJ/cm2、86.5mJ/cm2、82mJ/cm2の照射量で、そ
れぞれ22nm、30nm、50nmの様々なハーフピッチの高解像度SEM画像が得られた。
【0153】
さらに、e‐ビームリソグラフィを用いて、著者らの理論をさらに確認した。実施例1
で作製した重合体の異なる含有量、1%、2%、および3%の3つの配合物を用いた。図
9のSEM画像は、600μC/cm2、400μC/cm2、および200μC/cm2で、50nm線
のパターンが得られたことを示している。見られるように、より高い固形分を有する試料
ではより高い感度が観察された。これは、架橋の密度と反応性を増加させる膜中のシラノ
ールの含有量が高いためである。
【0154】
しかしながら、SiOHに対するSiHの比率が4未満の場合、試料3および5に見られるよ
うに、膜中のシラノール量が多くなりすぎる。シラノール含有量が高いと、コーティング
の自己架橋が比較的速く、現像液で除去することができなくなるため、EUVに適したPCDを
示さない材料が得られる(図5~6および表1)。一方、SiHとSiOHの比が100より大
きい場合、フィルムの感度は著しく低下し、したがって大量のEUV照射量を必要とする。
【0155】
そこで、異なる加水分解時間を用いて樹脂中のSiH/SiOH比の量を調整するための合成
アプローチを広範囲に調べ、および/または異なる溶媒中で、および/または異なるモノ
マー比を用いて反応を行った。FTIRの結果を図7に示す。
【0156】
リアルEUVリソグラフィ適用において、ソフトベーク後のEUVレジスト膜の後コーティン
グ遅れ(PCD)は少なくとも1時間必要である。そのため、開発したポリマーおよび配合
物のPCD試験を広範囲に実施した。手順を表1に要約した。
【0157】
Xは、PCDがEUVリソグラフィに適している試料について与えられたマークであるが、Yは
低ソフトベーク温度でのみ良好であり、実施例では80oCで1分間のみ良好であり、Zは
、膜中の溶媒を完全に除去するのに十分な高さのソフトベーク温度では受け入れられない
【0158】
感度をさらに改善するために、金属酸化物ナノ粒子をポリマー溶液中に添加してフォト
レジストとして使用することができる。酸化チタンナノ粒子、ハイブリッド酸化チタンア
ルミニウムナノ粒子、またはハフニウムナノ粒子のような異なる金属酸化物ナノ粒子を添
加することができる。
【0159】
e‐ビームリソグラフィを用いた結果および結果を図10a、10c、および10dに示す
。ナノ粒子の添加は、シラノールとSi‐Hを有するシラノールとの架橋反応に対する触媒
活性を介してコーティング膜の感度を増加させる可能性がある。別の利点は、膜に含まれ
る金属酸化物が、マイクロエレクトロニクス製造中のプラズマエッチングにおけるエッチ
ング抵抗率またはエッチング選択性を改善し得ることである。加えて、ポリマー1に2.
5wt%のみを有するHFIPTEOSのような溶解度増強剤を添加すると、ラインエッジ粗さが著
しく増加することが分かった(図8cのSEM画像)。
【0160】
以上に基づいて、以下の実施形態が提供される:
前駆体溶液は、有機液体を含み、ケイ素‐酸素ネットワーク中のSi‐HまたはSi‐Rと比
較して約0.001M~約1Mのシラノール、またはケイ素‐炭素結合およびケイ素‐水素
を有するケイ素‐酸素‐金属、および約0.5センチポアズ(cP)~約150 cPの粘度
を有する前駆体溶液。有機液体は、少なくとも10℃の引火点および約10kPa未満の2
0℃の蒸気圧を有することができる。
【0161】
特定の波長の光の放射線でポリヒドリドシルセスキオキサンコーティング基材を含有す
る金属およびシラノールをパターニングするための方法であって、選択されたパターンに
沿ってコーティング基材を照射して、照射されたコーティングの領域および未照射のコー
ティングの領域を照射された構造を形成し、照射された構造を選択的に現像して、未照射
のコーティングのかなりの部分を除去して、パターニングされた基材を形成する工程を含
む、方法。
【0162】
波長が13.5nm以下である、特定の波長の光の放射線でポリヒドリドシルセスキオキ
サンコーティング基材を含有する金属およびシラノールをパターニングするための方法。
【0163】
コーティングに沿った任意の点において、平均厚さが約5ミクロン以下であり、平均か
ら約50%以下の厚さ変動を有する放射線感受性コーティングを含むコーティング基材で
あって、コーティングがケイ素‐炭素結合およびケイ素‐水素および/またはシラノール
結合を有するケイ素‐酸素、またはケイ素‐酸素‐金属ネットワークを含む。
【0164】
表面を有する基材と、該表面に沿った選択された領域において第1のコーティングとを
含み、該表面に沿った他の領域において存在しない、パターン化された基材。一般に、第
1のコーティングは、ケイ素‐酸素、またはケイ素‐炭素結合およびケイ素‐水素および
/またはシラノール結合を有するケイ素‐酸素‐金属ネットワークを含む。あるいは、第
1のコーティングは、少なくともいくつかの有機液体に可溶性であるか、または第1のコ
ーティングは、水性塩基に可溶性である。
【0165】
パターン化された基板は、表面を有する基板と、表面に沿った選択された領域で第1の
コーティングとを含み、表面に沿った他の領域には存在しない。一般に、第1のコーティ
ングは、ケイ素‐酸素、またはケイ素‐炭素結合およびケイ素‐水素および/またはシラ
ノール結合を有するケイ素‐酸素‐金属ネットワークを含み、50nm/分未満の酸素プラ
ズマまたはアッシングプロセスにおけるエッチング速度を有する。
【0166】
以下の非限定的な実施例は、実施形態を説明する。
実施例
【0167】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、Shodex KFカラム(KF‐G;KF‐80
3L;KF‐802;KF‐801)を連系したアジレント1260インフィニティLCに収集
した。検出部およびカラム温度を40℃に保持した。THF溶離液の流速は1.0ml/分で
あった。
【0168】
フーリエ変換赤外分光法(FT‐IR)を用いて、Bruker VERTEX 70を用いて化学構造を
研究した。分析にはフィルムサンプルを用いた。
【0169】
コーティング後遅延(PCD)試験:実施例からの重合体溶液をPGMEAで希釈し、固形分2
%の溶液を得た。ポリマー溶液をシリコンウェハ上に1500rpmで30秒間スピンコー
トすることにより、フィルムサンプルを調製した。次いで、80℃から150℃の範囲の
高温板上で1分間ソフトベークを行った。膜を室温で1時間保存し、次いで2.38%TMA
Hで現像し、最後に脱イオン水で3回繰り返し洗浄し、窒素ガスで乾燥した。
【0170】
現像前後の膜厚を測定し、PCDを評価した。ソフトベーク後にTMAH現像液でフィルムを
完全に除去した場合、PCDが良好であった。その結果を表1にまとめた。
【0171】
Vistecツール上でEビームリソグラフィを行った。2%固形配合物を、1500rpmのス
ピニング速度で30秒間スピンコーターを介してシリコンウェハ上にスピンコーティング
した。次いで、80℃の高温板上で1分間ソフトベークを行った。eビーム線量は100k
V、電流1nAで100~900μC/cm2の範囲で変化した。現像工程は、フィルムを2.
38%TMAH溶液に1分間浸漬することによって行った。次いで、このフィルムを脱イオン
水で3回繰り返し洗浄し、最後に窒素ガスで乾燥させた。
【0172】
EUVリソグラフィ:2%固形分のポリマー配合物を、1500rpmのスピン速度で30秒
間スピンコーターを介してシリコンウェハ上にスピンコーティングした。次いで、80℃
の高温板上で1分間ソフトベークを行った。ソフトベーク後のフィルムサンプルに、スイ
ス、VilligenのPaul Scherrer InstituteのXIL‐II EUVツールを照射した。照射量は2~
150mJ/cm2で変化させた。現像工程は、フィルムを2.38%TMAH溶液に1分間浸漬す
ることによって行った。次いで、このフィルムを脱イオン水で3回繰り返し洗浄し、最後
に窒素ガスで乾燥させた。
【0173】
実施例1
1つのフラスコ中で、121.55グラムのトリエトキシシラン(HTEOS)を234.
60グラムのメチルテトラヒドロフルフリルエーテル(MeOTHF)に溶解した。58.65
グラムのMeOTHF、25.62グラムの脱イオン水(DIW)および11.71グラムの0.
01モルの硝酸の混合物を混合し、1.5時間で上記HTEOS溶液に対し、3つの等しい部
分に加えた。添加終了後、さらに20時間混合し反応を続けた。蒸発を行い、固形分21
~25%を得た。メチルエチルケトン(MEK)を重合体重量に4回添加した。得られた重
合体液を0.2ミクロンフィルタでろ過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデ
ータは、5001のMw、2239のMn、および2.23の多分散性を示す。
【0174】
実施例1の重合体のエッチングデータを表1に示す。使用するスピンオンカーボン(SO
C)は、PiBond社製SOC300である。
表1.実施例1で作製した重合体のエッチングデータ
【0175】
【表1】
【0176】
実施例2
1つのフラスコ中で、121.55グラムのHTEOSを234.60グラムのエチルテト
ラヒドロフルフリルエーテル(EtOTHF)に溶解した。58.65グラムのEtOTHF、25.
62グラムのDIWおよび11.71グラムの0.01モルの硝酸の混合物を混合し、1.
5時間で上記HTEOS溶液に対し、3つの等しい部分に加えた。添加終了後、反応をさらに
20時間混合し続けた。蒸発を行い、固形分21~25%を得た。MEKをポリマー重量に
4回添加した。得られた重合体液を0.2ミクロンフィルタでろ過した。ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィデータは、7396のMw、2903のMn、および2.54の多分
散性を示す。
【0177】
実施例3
1つのフラスコ中で、90:10のモル比を有するHTEOS5.510グラムおよびテト
ラメトキシシラン(TMOS)0.567グラムの量を、11.730グラムのMeOTHF中に溶
解した。2.932グラムのMeOTHF、1.290グラムのDIWおよび0.590グラムの
0.01モルの硝酸の混合物を混合し、1.5時間で上記のHTEOSおよびTMOS溶液に対し
、3つの等しい部分に加えた。添加終了後、反応をさらに20時間混合し続けた。蒸発を
行い、固形分21~25%を得た。MEKをポリマー重量に4回添加した。得られた重合体
液を0.2ミクロンフィルタでろ過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータ
は、4497のMw、2059のMn、および2.18の多分散性を示す。
【0178】
実施例4
1つのフラスコ中で、85:15のモル比を有する5.223グラムのHTEOSおよび0
.854グラムのTMOSを11.729グラムのMeOTHFに溶解した。2.930グラムのMe
OTHF、1.290グラムのDIWおよび0.590グラムの0.01モルの硝酸の混合物を
混合し、1.5時間で上記のHTEOSおよびTMOS溶液に対し、3つの等しい部分に加えた。
添加終了後、さらに20時間混合し反応を続けた。蒸発を行い、固形分21~25%を得
た。MEKをポリマー重量に4回添加した。得られた重合体液を0.2ミクロンフィルタで
ろ過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、2022のMw、1191の
Mn、および1.69の多分散性を示す。
【0179】
実施例5
1つのフラスコ中で、モル比が50:50のHTEOS3.154グラムおよびTMOS2.2
93グラムの量を、MeOTHF11.729グラムに溶解した。2.930グラムのMeOTHF、
1.330グラムのDIWおよび0.610グラムの0.01モルの硝酸の混合物を混合し
、1.5時間で上記のHTEOSおよびTMOS溶液に対し、3つの等しい部分に加えた。添加終
了後、反応をさらに20時間混合し反応を続けた。蒸発を行い、固形分21~25%を得
た。MEKをポリマー重量に4回添加した。得られた重合体液を0.2ミクロンフィルタで
ろ過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、3359のMw、1669の
Mn、および2.01の多分散性を示す。
【0180】
比較例1
1つのフラスコ中で、60.77グラムのHTEOSを117.25グラムのエタノールに
溶解した。29.37グラムのエタノール、6.40グラムのDIWおよび2.93グラム
の0.01モルの硝酸の混合物を混合し、1.5時間で上記HTEOS溶液に対し、3つの等
しい部分に加えた。添加終了後、さらに20時間混合し反応を続けた。250グラムのPG
MEAの添加により溶媒交換を行い、溶媒蒸発を行い、21~25%の固形分を得た。MEKを
ポリマー重量に4回添加した。得られた重合体液を0.2ミクロンフィルタでろ過した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、16598のMw、8432のMn、およ
び1.97の多分散性を示す。
【0181】
比較例2
1つのフラスコ中で、60.77グラムのHTEOSを117.25グラムのエタノールに
溶解した。146.60グラムのエタノール、6.40グラムのDIWおよび2.93グラ
ムの0.01モルの硝酸の混合物を混合し、1.5時間で上記HTEOS溶液に対し、3つの
等しい部分に加えた。添加終了後、反応をさらに20時間混合し続けた。300グラムの
1‐BuOHの添加により溶媒交換を行い、溶媒蒸発を行い、固形分21~25%を得た。メ
チルエチルケトン(MEK)を重合体重量に4回添加した。得られた重合体液を0.2ミク
ロンフィルタでろ過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィのデータは、Mwが31
88、Mnが1967、多分散度が1.62であることを示している。
【0182】
重合体の試験
GPC上の実施例14~18の重合体の分子量を比較例1および2の材料と比較した。次
いで、ポリマー溶液を2%、1500rpmのスピニング速度で30秒間スピンコートする
ことにより、種々のポリマーからフィルムサンプルを調製した。次いで、80℃~150
℃の範囲で30秒~2分間ソフトベークを行った。
【0183】
GPCデータと材料のコーティング後遅延に関するデータを表2に示す。
表2.異なる組成物で製造された材料のGPCデータとコーティング後遅延。
【0184】
【表2】
【0185】
凡例(PCD結果について):
X=80oC/1hおよび150oC/1hでの焼成後にPCDの少なくとも1hに良好、
Y=80oC/1h後にY=良好であるが、150oC/1hでは良好ではない、
Z=80oC/1hおよび150oC/1hの両方でZ=不良。
注:EUVLの場合、PCD時間は少なくとも1時間でなければ、安全に露光できない。
【0186】
結果の評価:実施例1は、低LERによる高解像度パターニングを実証する(図5)。実施
例1も同様に、(図6)より低いシラノール含有量で作製した類似材料(比較例)と比較
して、放射線に対して高い感度を示す。一方、シラノール含有量が高すぎると、PCD性能
が劣る材料となる(実施例3~5)。したがって、好ましくは、Si‐HとSi‐OHのピーク
高さ比(図7)の比は、4を超えるが100未満であるべきであるが、3を超えるが50
未満であるのがより好ましい。
【0187】
実施例6
HTEOS:HFIPTEOS=99:1モル比を有するポリマー溶液の調製
1つのフラスコ中で、99:1のモル比を有する5.941グラムのHTEOSおよび0.
136グラムの3‐ヒドロキシ‐3,3‐ビス(トリフルオロ‐メチル)プロピルトリエ
トキシシラン(HFIPTEOS)を11.729グラムのMeOTHFに溶解した。2.930グラム
のEtOTHF、1.300グラムのDIWおよび0.590グラムの0.01モルの硝酸の混合
物を混合し、1.5時間で上記HTEOSおよびHFIPTEOS溶液に対し、3つの等しい部分に加
えた。添加終了後、反応をさらに20時間混合し続けた。蒸発を行い、固形分21~25
%を得た。MEKをポリマー重量に4回添加した。得られた重合体液を0.2ミクロンフィ
ルタでろ過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、3970のMw、20
23のMn、および1.96の多分散性を示す。
【0188】
実施例7
HTEOS:HFIPTEOS=97.5:2.5モル比
1つのフラスコ中で、モル比97.5:2.5のHTEOS5.744グラムおよびHFIPTEO
S0.334グラムを11.729グラムのMeOTHFに溶解した。2.930グラムのEtOTH
F、1.290グラムのDIWおよび0.590グラムの0.01モルの硝酸の混合物を混合
し、1.5時間で上記HTEOSおよびHFIPTEOS溶液に対し、3つの等しい部分に加えた。添
加終了後、さらに20時間混合し反応を続けた。蒸発を行い、固形分21~25%を得た
。MEKをポリマー重量に4回添加した。得られた重合体液を0.2ミクロンフィルタでろ
過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、3519のMw、1766のMn
、および1.99の多分散性を示す。
【0189】
実施例8
HTEOS:HFIPTEOS=95:5モル比
1つのフラスコ中で、モル比95:5のHTEOS5.430グラムおよびHFIPTEOS0.6
48グラムを、MeOTHF11.729グラムに溶解した。2.930グラムのEtOTHF、1.
290グラムのDIWおよび0.590グラムの0.01モルの硝酸の混合物を混合し、1
.5時間で上記HTEOSおよびHFIPTEOS溶液に対し、3つの等しい部分に加えた。添加終了
後、さらに20時間混合し反応を続けた。蒸発を行い、固形分21~25%を得た。MEK
をポリマー重量に4回添加した。得られた重合体液を0.2ミクロンフィルタでろ過した
。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、3069のMw、1569のMn、およ
び1.95の多分散性を示す。
【0190】
実施例9
HTEOS:HFIPTEOS=90:10モル比
1つのフラスコ中で、4.855グラムのHTEOSおよび1.223グラムのモル比90
:10のHFIPTEOSを11.729グラムのMeOTHFに溶解した。2.930グラムのEtOTHF
、1.290グラムのDIWおよび0.590グラムの0.01モルの硝酸の混合物を混合
し、1.5時間で上記HTEOSおよびHFIPTEOS溶液に対し、3つの等しい部分に加えた。添
加終了後、さらに20時間混合し反応を続けた。蒸発を行い、固形分21~25%を得た
。MEKをポリマー重量に4回添加した。得られた重合体液を0.2ミクロンフィルタでろ
過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、2661のMw、1524のMn
、および1.74の多分散性を示す。
【0191】
実施例10
ポリマー1+HFIPTEOS=97.5:2.5モル
実施例1で作製したポリマーをPGMEAで希釈し、2%固形分溶液を得た。HFIPTEOSの量
を、重合体1:HFIPTEOS=97.5:2.5モル比のモル比で添加した。2つの溶液を室
温で30分間混合した。次いで、最終液を0.2ミクロンのフィルタで濾過した。
【0192】
重合体の試験
実施例1および6~9の重合体の分子量をGPC上で測定した。種々のポリマーのフィル
ム試料を、2%の重合体溶液のスピンコートにより、1500rpmのスピニング速度で3
0秒間調製した。次いで、80℃~150℃の範囲で30秒~2分間ソフトベークを行っ
た。
【0193】
GPCデータと材料のコーティング後遅延に関するデータを表3に示す。
表3.異なる組成物で製造された材料のGPCデータとコーティング後遅延。
【0194】
【表3】
【0195】
凡例(PCD結果について):
X=80oC/1hおよび150oC/1hでの焼成後にPCDの少なくとも1hに良好、
Y=80oC/1h後に良好、ただし150C/1hでは良好ではなく、
Z=80oC/1hおよび150oC/1hの両方で不良。
注:EUVLの場合、PCD時間は少なくとも1時間でなければ、安全に露光できない。
【0196】
結果の評価。実施例6~9は、官能基が現像液に対する溶解性を高める効果を示す。図
8に示すように、官能基を加えると、パターンを得るために必要な照射量がさらに減少し
、さらに、そのような官能基を用いると、プロセスのコストを低減し、環境および健康へ
の懸念を低減する、より低濃度の現像剤溶液を使用することができる。実施例10は、樹
脂組成物が、前駆体を別々にまたは同時に加水分解することによって得ることができるこ
とを示す(実施例6~9)。
【0197】
実施例11
HTEOS:MTEOS=90:10モル比
1つのフラスコ中で、90:10のモル比を有する5.423グラムのHTEOSおよび0
.654グラムのメチルトリエトキシシランを11.729グラムのMeOTHFに溶解した。
2.930グラムのEtOTHF、1.290グラムのDIWおよび0.590グラムの0.01
モルの硝酸の混合物を混合し、1.5時間で上記のHTEOSおよびMTEOS溶液に対し、3つの
等しい部分に加えた。添加終了後、さらに20時間混合し反応を続けた。蒸発を行い、固
形分21~25%を得た。MEKをポリマー重量に4回添加した。得られた重合体液を0.
2ミクロンフィルタでろ過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、25
25のMw、1277のMn、および1.97の多分散性を示す。
【0198】
実施例12
HTEOS:DMDEOS=90:10モル比
1つのフラスコ中で、90:10のモル比を有する5.524グラムのHTEOSおよび0
.554グラムのジメチルジエトキシシラン(DMDEOS)を11.729グラムのMeOTHFに
溶解した。2.930グラムのEtOTHF、1.290グラムのDIWおよび0.590グラム
の0.01モルの硝酸の混合物を混合し、1.5時間で上記のHTEOSおよびDMDEOS溶液に
対し、3つの等しい部分に加えた。添加終了後、さらに20時間混合し反応を続けた。蒸
発を行い、固形分21~25%を得た。MEKをポリマー重量に4回添加した。得られた重
合体液を0.2ミクロンのフィルタで濾過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
データは、2207のMw、1148のMn、および1.92の多分散性を示す。
【0199】
実施例13
HTEOS:PhTMOS=90:10モル比
1つのフラスコ中で、90:10のモル比を有する5.359グラムのHTEOSおよび0
.719グラムのPhTMOSを11.729グラムのMeOTHFに溶解した。2.930グラムの
EtOTHF、1.250グラムのDIWおよび0.570グラムの0.01モルの硝酸の混合物
を混合し、1.5時間で上記のHTEOSおよびPhTMOS溶液に対し、3つの等しい部分に加え
た。添加終了後、さらに20時間混合し反応を続けた。蒸発を行い、固形分21~25%
を得た。メチルエチルケトン(MEK)を重合体重量に4回添加した。得られた重合体液を
0.2ミクロンフィルタでろ過した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィデータは、
1930のMw、746のMn、および2.59の多分散性を示す。
結果の評価実施例11~13は、HTEOSまたは他の水素含有前駆体と共重合するために
使用することができるいくつかの他のモノマーの効果を示す。
【0200】
実施例14
ポリマー1+酸化チタン=98:2重量%
酸化チタンナノ粒子を、チタン(IV)イソプロポキシド(TIIP、15.887グラム)
をイソプロパノール(200g)に溶解することにより合成した。硝酸水溶液0.01 M
(5.033グラム)、酢酸(3.357グラム)、およびIPA (200g)の混合物を別
々に調製し、TIIP溶液中に滴下した。反応を室温で6時間行い、次いで、反応混合物にPG
ME(500グラム)を添加し、回転式蒸発器を介してIPAを溶液から除去した。溶媒蒸発
を続けて、2重量%の固溶体を得た。生成物は、0.2ミクロンのフィルタで液をろ過し
た後、最終的に得られた。次に、実施例1で作製したポリマーをPGMEAで希釈し、2%固
形分溶液を得た。酸化チタンナノ粒子の量を、重合体1:TiOx=98:2重量%の質量比
で添加した。2つの溶液を室温で30分間混合した。次いで、この液を0.2マイクロメ
ートルフィルタで濾過した。
【0201】
実施例15
ポリマー1+酸化チタン=95:5重量%
試料を作製する工程は、酸化チタンの添加量を5重量%とした以外は実施例17と同様
である。
【0202】
実施例16
ポリマー1+酸化チタン=90:10重量%
試料を作製する工程は、酸化チタンの添加量を10重量%とした以外は実施例15と同
様である。
【0203】
実施例17
ポリマー1+酸化チタンアルミニウム=97:3重量%
実施例1で作製したポリマーをPGMEAで希釈し、2%固形分溶液を得た。酸化チタンア
ルミニウムナノ粒子の量を、ポリマー1:酸化チタンアルミニウム=97:3の質量比で
添加した。2つの溶液の混合を室温で30分間得た。次いで、液を0.2ミクロンフィル
タで濾過した。
【0204】
実施例18
ポリマー1+酸化チタンアルミニウム=90:10重量%
酸化チタンアルミニウムナノ粒子合成は、TIIPとアルミニウムイソプロポキシド(AlOi
Pr)の制御された加水分解/縮合により行った。磁気バーを備えたラウンドボトムフラス
コで、TIIP(27.831g)とAlOiPr(5g)の混合物をIPA(320g)溶媒で溶解した
。Ti:Alモル比は8:2である。別のフラスコ中で、8.377グラムの水、7.350
グラムの酢酸、および200グラムのIPAの混合物を混合した。第2のフラスコ中の溶液
をモノマー溶液に滴下した。添加が完了した後、200グラムのPGMEを反応混合物に添加
し、撹拌を室温で16時間続けた。次いで、IPAおよび水を蒸発させて、2%固溶体を得
た。0.2ミクロンフィルタでろ過した後、最終的に反応生成物が得られた。
試料調製の工程は、酸化チタンアルミニウムの添加量が10重量%になることを除いて
、実施例17と同様である。
【0205】
実施例19
ポリマー1+酸化物ハフニウムナノ粒子=90:10重量%
酸化ハフニウムナノ粒子合成:ナノ粒子をハフニウム(IV)n‐ブトキシドの制御加水
分解/縮合により合成した。20グラムのハフニウム(IV) n‐ブトキシド(95%)をn
‐ブタノール溶媒(800グラム)に溶解した。モル比がハフニウム:MAA=1:1.5
のメタクリル酸(MAA、5.26グラム)の量を添加し、1時間混合した。加水分解工程
は、水(2.91グラム)とn‐BuOH(600グラム)の混合物を反応媒体に滴下するこ
とにより室温で実施した。添加が完了した後、反応を20時間継続した。次いで、n‐ブ
タノールを3%固溶体が得られるまで蒸発させた。反応生成物は、0.2ミクロンのフィ
ルタで溶液を濾過した後に達成した。次に、実施例1で作製したポリマーをPGMEAで希釈
し、2%固形分溶液を得た。酸化物ハフニウムナノ粒子の量を、質量比で重合体1:HfOx
=90:10の質量比で添加した。2つの溶液を室温で30分間混合した。次いで、溶液
を0.2マイクロメートル塑性ミクロンで濾過した。
【0206】
重合体試験
実施例14~18の重合体の分子量をGPC上で測定した。フィルム試料は、2%のポリ
マー溶液を1500rpmのスピニング速度で30秒間スピンコートすることによって調製
した。次いで、80℃~150℃の範囲で30秒~2分間ソフトベークを行った。
【0207】
GPCデータおよび材料のコーティング後遅延に関するデータを表4に示す。
表4.異なる組成物で製造された材料のコーティング後遅延。
【0208】
【表4】
【0209】
凡例(PCD結果について):
X=80oC/1hおよび150oC/1hでの焼成後にPCDの少なくとも1hに良好、
Y=80oC/1h後に良好、ただし150C/1hでは良好ではなく、
Z=80oC/1hおよび150oC/1hの両方で不良。
注:EUVLの場合、PCD時間は少なくとも1時間でなければ、安全に露光できない。
【0210】
結果の評価。実施例14~19は、添加された金属酸化物材料の有益な効果を示す。わ
ずかな重量%の金属酸化物材料を添加するだけで、必要な線量を実質的に減少させること
ができる。
【0211】
図9は、a)実施例1、b)実施例14、およびc)実施例17のeビーム結果を示す。パ
ターンを得るために必要な線量はb)17%,c)33%減少した。
【0212】
実施例20
ポリマー1+光酸
実施例1の重合体をPGMEAで希釈し、固形分2%の溶液を得た。光酸である5重量%の
ヨードニウム、(4‐メチルフェニル)[4‐(2‐メチルプロピル)フェニル]‐、ヘ
キサフルオロホスフェート(1‐)をポリマー溶液に添加した。重合体溶液中に光酸を分
散させるために磁気撹はん機を用いた。
【0213】
フォトベースを含む重合体は、光酸のない重合体のそれと比較してわずかに増強された
eビーム感度を示した。
実施例21
ポリマー1+光塩基
実施例1の重合体をPGMEAで希釈し、固形分2%の溶液を得た。光塩基である(Z)‐{
[ビス(ジメチルアミノ)メチリデン]アミノ}‐N‐シクロヘキシル(シクロヘキシル
アミノ)‐メタンイミニウムテトラキス(3‐フルオロフェニル)ホウ酸塩の5重量%お
よび増感剤としての2‐イソプロピルチオキサントンの2重量%の量をポリマー溶液に添
加した。
【0214】
光塩基を含む重合体は、光塩基および増感剤を含まない重合体のそれと比較して、わず
かに増強されたeビーム感度を示す。
【0215】
結果の評価:実施例20および21は、材料が、実施例1と同様の性能を有する樹脂組
成物を得るために、共通の光酸および光塩基生成部で配合され得ることを実証する(図1
0)。
【0216】
略語
CAR:化学増幅レジスト
EBL:電子ビームリソグラフィ
EUV:極端紫外光(波長)
EUVL:極端紫外光リソグラフィ
GPC:ゲル浸透クロマトグラフィ
HSQ:水素シルセスキオキサン
LER:ラインエッジ粗さ
LWR:ライン幅粗さ
NIL:ナノインプリントリソグラフィ
PBL:光子ビームリソグラフィ
PCD:コーティング後遅延
SEM:走査型電子顕微鏡
TEOS:テトラエトキシシラン
TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド

参考文献リスト

非特許文献
1. Okoroanyanwu, U. Molecular Theory of Lithography. (SPIE Press, 2015).
2. Gangnaik, A. S., Georgiev, Y. M. & Holmes, J. D. New Generation Electron Beam
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3.Simone, D. De et al. Progresses and Challenges of EUV Lithography Materials. J
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4. Higgins, C. D. et al. Resolution, line‐edge roughness, sensitivity tradeoff,
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5. De Simone, D., Vesters, Y. & Vandenberghe, G. Photoresists in extreme ultravi
olet lithography (EUVL). Adv. Opt. Technol. 6, 163‐172 (2017).
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. Nanom. Struct. 27, 2622 (2009).
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
図10c
【手続補正書】
【提出日】2024-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素‐酸素ネットワークで、シラノール(Si‐OH)とケイ素‐水素(Si‐H)、および任意にケイ素‐炭素結合を示す樹脂、または、ケイ素‐酸素‐金属ネットワークで、ケイ素‐水素(Si‐H)および任意にケイ素‐炭素結合を液相で含む、水素シルセスキオキサン樹脂コーティング組成物であって、
FTIRで測定されたSi‐HとSi‐OHのピーク高さの比率は約2:1から100:1であり、
前記組成物は、SiO部分を含有するシロキサンポリマーと、該ポリマーに沿って分布する複数の反応部位と、第1のSiH部分と、第2のSiOH部分と、中間体の芳香族および非芳香族部分と、金属‐酸素結合を含有する第4の部分とをさらに含み、前記ポリマーは、500~50,000g/molの分子量を有し、
前記組成物が、式(I):
【化1】
を有するポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を含み、
式中、
A、B、C、およびDは、それぞれ1~1000から独立して選択された整数を表し、
Zは官能基を表し、
Mは金属原子を表し、
R 1 ~R 8 は、ハイドロカルビルラジカルを表し、
a、b、m、o、y、z、p、q、x はそれぞれ独立に0~3の整数を表す、水素シルセスキオキサン樹脂コーティング組成物。
【請求項2】
約35重量%以上のケイ素含有量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記水素シルセスキオキサン樹脂が、Si‐H対Si‐OHのピーク高さ比が3:1~50:1である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
溶媒中で、少なくとも部分的に架橋され、任意に金属を含む、オルガノシロキサンポリマーを含有し、前記ポリマーが、ポリスチレン標準に対して測定される、約500~100,000g/mol、特に約1000~50,000g/molの分子量を有する、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
酸もしくは潜在酸または塩基もしくは潜在塩基、および任意に潜在触媒を含む、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記液相が、水素シルセスキオキサン樹脂のための少なくとも1つの有機溶媒によって、任意に水と混合して、形成される、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、チタンおよびスズ、ならびにそれらの組み合わせの群から選択される金属を含む、請求項1~6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
三官能性シランを適当な他のケイ素または金属含有前駆体と加水分解/縮合反応させて得られるシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂溶液を含み、金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンを生成する、請求項1~7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
酸および/または塩基触媒並びに溶媒をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
照射によるパターニングに使用するのに適しており、
特に、基材上にキャスト可能なコーティング配合物の製造に適しており、
前記基材上の前記コーティングは、照射によってパターニング可能である、請求項1~のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
三官能性シランを他のケイ素または金属含有前駆体と加水分解/縮合反応させて、金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を得ることを含む、有機溶液中に金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を含有する組成物を製造する方法であって、
前記組成物は、SiO部分を含有するシロキサンポリマーと、該ポリマーに沿って分布する複数の反応部位と、第1のSiH部分と、第2のSiOH部分と、中間体の芳香族および非芳香族部分と、金属‐酸素結合を含有する第4の部分とを含み、前記ポリマーは、500~50,000g/molの分子量を有し、
前記組成物が、式(I):
【化2】
を有するポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を含み、
式中、
A、B、C、およびDは、それぞれ1~1000から独立して選択された整数を表し、
Zは官能基を表し、
Mは金属原子を表し、
R 1 ~R 8 は、ハイドロカルビルラジカルを表し、
a、b、m、o、y、z、p、q、x はそれぞれ独立に0~3の整数を表す、方法。
【請求項12】
ケイ素に少なくとも2または3つの加水分解性基が結合した第1の単量体水素含有ケイ素化合物を、
少なくともゼロ、1、2、または3つのヒドロカルビルラジカルと、化合物のケイ素原子に結合した少なくとも1つの加水分解性基とを有する、第2の単量体ケイ素化合物で、
任意に
少なくとも1つの官能基と、該化合物のケイ素原子に結合してシロキサン材料を形成する少なくとも1つの加水分解性基とを有する第3の単量体ケイ素化合物であって、前記官能基が現像液への溶解を増強する、第3の単量体ケイ素化合物と、
1つ以上の加水分解性金属酸化物前駆体を含有する第4の化合物、
のうちの少なくとも1つとともに加水分解することと、
前記シロキサン材料を適切な溶媒系中で安定な組成物に配合することと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2のケイ素化合物が、0~100モル%、前記第3のケイ素化合物が0~20モル%、前記第4の金属化合物が0~50モル%で使用され、前記第1および第2のケイ素化合物の総量が、少なくとも50モル%、特に少なくとも60モル%、例えば少なくとも70モル%である、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記式II:
R1 a‐Si‐R2 b・・・(II)
を有する第1のケイ素化合物を加水分解することを含む、請求項1113のいずれかに記載の方法であって、
式中、
aは1または2の整数であり、
bは2または3の整数であり、
R1は水素原子を示し、
R2は水酸基、アルコキシ、アシルオキシおよびハロゲンから独立して選択され得る加水分解性基を示す、方法。
【請求項15】
前記記号a、b、R1およびR2が前記と同じである、前記式IIを有する第1のケイ素化合物を、
式III:
R3 m‐SiR2 n‐R4 o・・・(III)
を有する第2の化合物とともに、
加水分解することにより、コポリ(オルガノシロキサン)を製造することを含む、
請求項1114のいずれかに記載の方法であって、
式中、
R3およびR4は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、エポキシ基を有する有機基、メルカプト基、アルコキシアリール基、アシルオキシアリール基、イソシアヌレート基、ヒドロキシ基、環状アミノ基、またはシアノ基から独立して選択され、または
R2およびR3はアルコキシ基、アシルオキシ基、またはハロゲン基を表し、
mは0~1の整数であり、
nは2~4の整数であり、
oは0~1の整数であり、
m+n+oの合計値は4を超えない、方法。
【請求項16】
前記記号a、b、R1およびR2が前記と同じである、前記式IIを有する第1のケイ素化合物を、
式IV:
Zx‐R5 y‐SiR2 n‐R6 z・・・(IV)
を有する第2の化合物とともに、
加水分解することにより、コポリ(オルガノシロキサン)を含む組成物を製造することを含む、請求項1115のいずれかに記載の方法であって、
式中、
Zは、ヒドロキシ、カルボン酸、メルカプト、アミンまたはその塩、または水性現像液への溶解を促進する第4級アンモニウム塩から選択される基であり、
R5は、ZとSiの両方に共有結合したスペーサ基であり、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、アルコキシアリール基、アシルオキシアリール基、またはそれらの組み合わせに由来する二価基から独立して選択することができ、
R6は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、エポキシ基を有する有機基、メルカプト基、アルコキシアリール基、アシルオキシアリール基、ヒドロキシ基、環状アミノ基、またはシアノ基、またはそれらの組み合わせ、から独立して選択され、
R2は、アルコキシ基、アシルオキシ基、またはハロゲン基であり、
yは0~2の整数であり、
nは1~3の整数であり、
zは0~11の整数であり、
y+n+zの合計値は4以下である、方法。
【請求項17】
前記記号a、b、R1およびR2が前記と同じである、前記式IIを有する第1のケイ素化合物を、
式V:
R7 p‐MR8 q ・・・(V)
を有する第2の化合物とともに、
加水分解することにより、コポリ(オルガノシロキサン)を製造することを含む、請求項1116のいずれかに記載の方法であって、
式中、
R7は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アラルキル基、アルケニル基、アルコキシアリール基、アシロキシアリール基、またはそれらの組合せから独立に選択され、
Mは、金属酸化物または金属‐オキソ水酸化物に加水分解および凝縮可能な前駆体を形成可能な金属から独立して選択され、
pは0~1の整数であり、
Mは、安定な炭素金属結合を形成可能であり、
qは、Mox‐pから得られる数の整数であり、
Moxは、金属前駆体の酸化状態であり、
pは、金属前駆体に共有結合してする炭素ラジカルR7の数であり、
R8は、アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン基、水酸化基または他の金属原子との結合として機能する酸素原子であり、または
R 8は、金属の二元または配位配位子である、方法。
【請求項18】
HTEOS (HSi(OC2 H53)またはHTEOSと他の三官能性シランとの混合物を使用することを含み、制御された加水分解/縮合反応を受けて、部分的に縮合したポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を作成することを含む、請求項11から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記三官能性シランが、典型的には、メチルトリメトキシシラン(MTMOS)、メチルトリエトキシシラン(MTEOS)、トリメトキシエチルシラン(ETMOS)またはジエトキシジメチルシラン(DMDEOS)またはトリメトキシフェニルシラン(PhTMOS)またはそれらの組み合わせから選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
特定の波長の光の放射で金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンコーティング基材をパターニングする方法であって、
選択されたパターンに沿ってコーティング基材を照射して、照射されたコーティング領域および未照射のコーティング領域を有する照射された構造を形成することと、
前記照射された構造を選択的に現像して、照射されていないコーティングのかなりの部分を除去してパターン化された基板を形成することと、
を含む、方法であって、
前記コーティング基材は、SiO部分を含有するシロキサンポリマーと、該ポリマーに沿って分布する複数の反応部位と、第1のSiH部分と、第2のSiOH部分と、中間体の芳香族および非芳香族部分と、金属‐酸素結合を含有する第4の部分とを含み、前記ポリマーは、500~50,000g/molの分子量を有し、
前記コーティングが、式(I):
【化3】
を有するポリヒドリドシルセスキオキサン樹脂を含み、
式中、
A、B、C、およびDは、それぞれ1から1000までから独立して選択された整数を表し、
Zは官能基を表し、
Mは金属原子を表し、
R 1 ~R 8 は、ハイドロカルビルラジカルを表し、
a、b、m、o、y、z、p、q、xはそれぞれ独立して0から3までの整数を表す、方法。
【請求項21】
金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンコーティング基材を、1~200nmの波長の放射線の光照射する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
金属およびシラノール含有ポリヒドリドシルセスキオキサンコーティング基材に、13.5nmの波長の放射線の光を照射する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記コーティングが、SiO部分を含有するシロキサン重合体、前記重合体に沿って分布する複数の反応部位、および第1のSiH部分、第2のSiOH部分、ならびに中間体の芳香族および非芳香族部分、金属‐酸素結合を含有する第4の部分を含み、前記重合体が500~50000g/molの分子量を有する、請求項2022のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
基板をパターニングすることを含む、請求項2023のいずれかに記載の方法であって、
選択されたパターンに沿ってコーティング基材を照射して、照射されたコーティング領域および未照射のコーティング領域で照射された構造を形成し、前記コーティング基材は、約5nm~約400nmの平均厚さを有するコーティングを含み、材料構造中にSi‐HおよびSi‐OH結合を有するSi‐O‐Siネットワークを含むことと、
前記照射された構造体を約45℃~約200℃の温度で0.1分間~約30分間加熱して、アニールされた照射された構造を形成することと、
未照射コーティングのかなりの部分を除去するために、アニールされた照射された構造を選択的に現像して、パターン化された基板を形成することと、
を含む、方法。
【請求項25】
前記照射された構造が、水性ベースに不溶性である照射されたコーティングおよび水性ベースに水溶性の非照射コーティングを有し、前記照射された構造がネガティブトーンイメージングに供される、請求項2024のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
表面と、該表面に沿った選択された領域にあり、該表面に沿った他の領域には存在しないコーティングとを有する基板をパターン化することを含み、前記コーティングは、ケイ素‐炭素結合およびケイ素‐水素および/またはシラノール結合を有するケイ素‐酸素、またはケイ素‐酸素‐金属ネットワークを含み、前記コーティングは有機液体または水性塩基に可溶である、請求項2025のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
請求項1~10のいずれかに記載のレジスト下地膜形成用組成物を半導体基板上に塗布し、焼成することによりレジスト膜を形成する方法。
【請求項28】
レジスト下地膜またはいくつかの下地膜を半導体基板上に塗布し、組成物を焼成して1つ以上のレジスト下地膜を形成することと、
請求項1~10のいずれかに記載の組成物をレジストとして1つ以上のレジスト下地膜上に塗布してレジスト膜を形成することと、
前記レジスト膜を光に露光することと、
露光後、レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
前記レジストパターンを使用して、前記レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記レジスト膜と、このようにパターニングされた前記レジスト下地膜とを用いて半導体基板を作製することと、
を含む、半導体デバイスの製造方法。
【請求項29】
半導体装置を製造する方法であって、
半導体基板上に有機下地膜を形成することと、
前記有機下地膜上にレジスト膜を形成するための請求項1~10のいずれかに記載の組成物を塗布し、焼成してレジスト膜を形成することと、
前記レジスト膜を光に露光することと、
露光後、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
前記レジストパターンを使用して、レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記レジスト下地膜を用いて前記有機下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記有機下地膜を用いて半導体基板を作製することと、
を含む、方法。
【請求項30】
半導体装置を製造する方法であって、
レジスト下地膜またはいくつかの下地膜を半導体基板上に塗布し、組成物を焼成して1つ以上のレジスト下地膜を形成することと、
請求項1~10のいずれかに記載の組成物をレジストとして1つ以上のレジスト下地膜上に塗布してレジスト膜を形成することと、
前記レジスト膜を光に露光することと、
露光後、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
前記レジストパターンを使用して、前記レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記レジスト膜と、このようにパターニングされた前記レジスト下地膜とを用いて半導体基板を作製することと、
を含む、方法。
【請求項31】
半導体装置を製造する方法であって、
半導体基板上に有機下地膜を形成することと、
前記有機下地膜上にレジスト膜を形成するための請求項1~10のいずれかに記載の組成物を塗布し、焼成してレジスト膜を形成することと、
前記レジスト膜を光に露光することと、
露光後、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成することと、
前記レジストパターンを使用して、レジスト下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記レジスト下地膜を用いて前記有機下地膜をエッチングすることと、
このようにしてパターニングされた前記有機下地膜を用いて半導体基板を作製することと、
を含む、方法。
【外国語明細書】