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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099547
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】購入管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/00 20120101AFI20240718BHJP
【FI】
G06Q20/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024060728
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2021526414の分割
【原出願日】2019-12-06
(31)【優先権主張番号】1830356-0
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(71)【出願人】
【識別番号】521203762
【氏名又は名称】イーエーエスアイ ビー2ビー エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン、パトリック
【テーマコード(参考)】
5L020
【Fターム(参考)】
5L020AA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異なる団体が購入に関する情報を加えやすくなる購入管理システム及び方法を提供する。
【解決手段】購入管理システム100において、中央データベース構成110は、中央処理手段115を有し、選択された購入グループ300を、第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え、銀行固有データベースモジュール130にメタデータを転送する。銀行固有データベースモジュールは、銀行処理手段135を有し、購入承認要求について判断し、承認或いは却下により、トランザクション認証モジュール520に応答し、トランザクション情報を、銀行固有データベースモジュールにおける第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え前記中央データベース構成に転送する、中央処理手段115はまた、トランザクション情報を購入機関200に転送し、購入情報が購入機関200の管理システムに入力される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀行内のトランザクション認証モジュールと通信するように構成された中央データベース構成と、前記中央データベース構成へのクライアントインタフェースと、を備える購入管理システムであって、
前記中央データベース構成は、前記クライアントインタフェースを通じて、購入機関から、購入グループに適用される購入ルールと、前記購入機関により定義されたデータフォーマットと、を受信するように構成され、前記中央データベース構成におけるフィールドは、メタデータが複数のトランザクションIDに関連付けられることを可能にし、前記中央データベース構成におけるフィールドは、前記購入機関により希望される前記メタデータと前記メタデータに対する前記データフォーマットとを定義するために、前記購入機関により動的に設定され、中央処理手段を有し、前記中央処理手段は、
選択された購入グループを、前記中央データベース構成における前記複数のトランザクションIDの第1トランザクションIDに関連付けられた、前記購入機関により定義された前記データフォーマットの前記メタデータとして加え、
前記購入グループに適用される前記購入ルールを、前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記メタデータとして加えるように構成され、
前記トランザクション認証モジュールは、購入承認要求を通信するように構成され、前記購入承認要求は、トランザクション情報を含み、前記購入承認要求は、支払いカードネットワークを介して前記トランザクション認証モジュールから受信された前記トランザクション情報に基づいて前記トランザクション認証モジュールで生成され、前記トランザクション情報は、前記第1トランザクションIDに関連付けられた購入金額を少なくとも含み、前記購入管理システムは、銀行処理手段を有し、前記銀行処理手段は、
前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記購入ルールを、要求された購入が満たすかに基づいて、前記購入承認要求を承認または却下することで、前記購入承認要求について判断し、
前記購入承認要求の承認または却下により、前記トランザクション認証モジュールに応答し、
前記トランザクション認証モジュールから受信した前記トランザクション情報を、前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記メタデータとして加えるように構成され、
前記中央データベース構成の前記中央処理手段はさらに、前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記トランザクション情報を、前記購入機関に転送するように構成され、これにより、前記購入についての情報が前記購入機関の少なくとも1つの管理システムに自動的に入力され、
前記中央データベース構成は、複数の異なる団体と通信するように構成され、複数のアダプタを備え、それぞれのアダプタは、前記複数の異なる団体のうちの1つと対応し、前記複数のアダプタは、前記複数の異なる団体の対応する異なる団体により使用される前記データフォーマットを前記購入機関により定義された前記データフォーマットに変換する、購入管理システム。
【請求項2】
前記購入ルールは、少なくとも1の購入個人を含む購入グループに適用される購入ルールである、請求項1に記載の購入管理システム。
【請求項3】
前記購入ルールは、前記購入機関全体を含む購入グループに適用される購入ルールである、請求項1または2に記載の購入管理システム。
【請求項4】
前記購入ルールは、前記購入機関のサブセクションに対する一般購入ルールであり、前記中央データベース構成の前記中央処理手段は、前記購入グループがどのサブセクションに属するかの決定に基づいて、前記購入グループに適用される前記購入ルールを、前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記メタデータとして加えるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【請求項5】
前記トランザクション情報は、加盟店情報を含み、前記銀行処理手段は、さらに前記加盟店情報に基づいて、前記購入承認要求を承認または却下することで、前記購入承認要求について判断するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【請求項6】
前記購入ルールは、購入実行前に、所定のメタデータが、前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに加えられ、関連付けられている必要があると指定し、前記銀行処理手段は、当該メタデータが存在せず、前記第1トランザクションIDに関連付けられていなければ、前記購入承認要求を却下するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【請求項7】
前記中央データベース構成の前記中央処理手段は、直接または前記銀行内の支払いカード管理モジュールを介して、支払いカードを前記購入機関に発行する支払いカード発行機関に情報を転送するようにさらに構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の購入管理システム。
【請求項8】
購入グループに適用される購入ルールと、購入機関により定義されたデータフォーマットとを、クライアントインタフェースを通じて中央データベース構成に入力する段階であって、前記中央データベース構成におけるフィールドは、メタデータが複数のトランザクションIDに関連付けられることを可能にし、前記中央データベース構成におけるフィールドは、前記購入機関により希望される前記メタデータと前記メタデータに対する前記データフォーマットとを定義するために、前記購入機関により動的に設定される、入力する段階と、
前記中央データベース構成における前記複数のトランザクションIDの第1トランザクションIDに関連付けられた、前記購入機関により定義された前記データフォーマットの前記メタデータとして、選択された購入グループを加える段階と、
前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記メタデータとして、前記購入グループに適用する前記購入ルールを加える段階と、
銀行内に配置されたトランザクション認証モジュールにおいて、前記第1トランザクションIDに関連付けられ、トランザクション認証情報を含む第1トランザクション認証要求を受信する段階と、
前記トランザクション認証モジュールから購入承認要求を通信する段階であって、前記購入承認要求は、トランザクション情報を含み、前記購入承認要求は、支払いカードネットワークを介して前記トランザクション認証モジュールから受信された前記トランザクション情報に基づいて前記トランザクション認証モジュールで生成され、前記トランザクション情報は、購入金額を少なくとも含む、通信する段階と、
要求された購入が、前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記購入ルールを満たすかに基づいて、前記購入承認要求を承認または却下することで、前記購入承認要求について判断する段階と、
前記購入承認要求に対する承認または却下を、前記トランザクション認証モジュールに応答する段階と、
前記トランザクション認証モジュールから、前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記第1トランザクション認証要求に応答する段階と、
前記トランザクション認証モジュールから受信した前記トランザクション情報を、前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記メタデータとして加える段階と、
前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記トランザクション情報を、前記購入機関に転送し、これにより、前記購入についての情報が前記購入機関の少なくとも1つの管理システムに自動入力され得る段階と、を備え、
前記中央データベース構成は、複数の異なる団体と通信するように構成され、複数のアダプタを備え、それぞれのアダプタは、前記複数の異なる団体のうちの1つと対応し、前記複数のアダプタは、前記複数の異なる団体の対応する異なる団体により使用される前記データフォーマットを前記購入機関により定義された前記データフォーマットに変換する、購入管理方法。
【請求項9】
前記購入グループは、少なくとも1の購入個人を含む、請求項8に記載の購入管理方法。
【請求項10】
前記購入グループは、前記購入機関全体を含む、請求項8または9に記載の購入管理方法。
【請求項11】
前記購入ルールは、前記購入機関のサブセクションに対する一般購入ルールであり、前記購入グループに適用される前記購入ルールを、前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記メタデータとして加える前記段階は、前記購入グループがどのサブセクションに属するかを決定する段階を含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の購入管理方法。
【請求項12】
前記トランザクション情報は、加盟店情報を含み、前記購入承認要求を承認または却下することで、前記購入承認要求について判断する前記段階は、さらに前記加盟店情報に基づく、請求項8から11のいずれか一項に記載の購入管理方法。
【請求項13】
前記購入ルールは、購入実行前に、所定のメタデータが、前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに加えられ、関連付けられている必要があると指定し、前記購入承認要求について判断する段階は、当該メタデータが存在せず、前記第1トランザクションIDに関連付けられていなければ、前記購入承認要求を却下する段階を含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の購入管理方法。
【請求項14】
直接または前記銀行内の支払いカード管理モジュールを介して、前記中央データベース構成から支払いカード発行機関に情報を転送する段階をさらに備え、これにより、前記支払いカード発行機関は支払いカードを前記購入機関に発行し得る、請求項8から13のいずれか一項に記載の購入管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して購入管理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第7319986号に記載の動的支払いカード管理システムでは、カード制御設定が動的に修正可能であり、構成可能な企業の購入ポリシーおよびルールの適用を通して、承認パラメータが動的に管理できる。
【0003】
米国特許第7319986号に記載のシステムは、購入要求の使用に基づく。特定の購入要求がなければ購入は行われない。ただし、当該購入要求はシステムで合成される場合もあり得る。購入要求を使用することで、企業内での承認プロセスが簡略化される。
【0004】
米国特許第7319986号に記載のシステムにおいて、クライアントはトランザクションが生じたことを通知され得るが、システムが購入要求の使用に基づくため、購入時に購入の詳細を企業の経理システムに転送することはできない。したがって、企業はサプライヤから請求書を受信するまで、購入の詳細を受信しない。
【0005】
さらに、米国特許第7319986号に記載のシステムは、既存の支払いインフラに取って代わることを意図した、包括的カード処理システムである。したがって、改善した購入管理システムが望まれている。
【発明の概要】
【0006】
購入要求の使用に基づく購入管理システムは、企業内での承認プロセスを簡略化する。しかし、企業内で購入要求が内部管理されることで、外部団体がそれに、例えば完了した購入についての詳細などの情報を加えることができない。
【0007】
本発明によると、これの代わりに、システムに対する任意の団体が、購入に関する情報を格納するためにアクセス可能なデータベースが使用される。データベース構成は、好ましくは、システムに対する異なる団体により用いられるデータフォーマットを、単一のデータフォーマットに「移行する」機能を有する。これにより、異なる団体が、購入に関する情報を加えやすくなる。
【0008】
本開示は、購入機関が、サプライヤ/加盟店から物品およびサービスを購入し得る、購入管理システムおよび購入管理方法に関する。従来技術のシステムは、そのような購入からのトランザクション情報を購入機関の経理システムおよびその他管理システムに自動入力可能としない。本発明は、従来技術のシステムではできなかった方法で、システムに対する各種団体から情報を収集することでこれを実現する。
【0009】
特許請求された購入管理システムは、中央データベース構成と、上記中央データベース構成へのクライアントインタフェースと、銀行内のトランザクション認証モジュールと通信するように構成された銀行固有データベースモジュールと、を備え得る。上記中央データベース構成は、上記クライアントインタフェースを通じて、購入機関から購入グループに適用される購入ルールを受信するように構成され得る。上記中央データベース構成は、中央処理手段を有し得、上記中央処理手段は、選択された購入グループを、上記中央データベース構成における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え、上記購入グループに適用される上記購入ルールを、上記中央データベース構成における上記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え、上記銀行固有データベースモジュールに上記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータを転送するように構成される。上記銀行固有データベースモジュールは、上記トランザクション認証モジュールから購入承認要求を受信するように構成され得、上記購入承認要求は、上記第1トランザクションIDに関連付けられた購入金額を少なくとも含むトランザクション情報を含む。上記銀行固有データベースモジュールは、銀行処理手段を有し得、上記銀行処理手段は、上記銀行固有データベースモジュールにおける上記第1トランザクションIDに関連付けられた上記購入ルールを、要求された上記購入が満たすかに基づいて、承認または却下することで、上記購入承認要求について判断し、上記購入承認要求の承認または却下により、上記トランザクション認証モジュールに応答し、上記トランザクション認証モジュールから受信した上記トランザクション情報を、上記銀行固有データベースモジュールにおける上記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え、上記第1トランザクションIDに関連付けられた上記トランザクション情報を、上記中央データベース構成に転送するように構成される。上記中央データベース構成の上記中央処理手段はさらに、上記第1トランザクションIDに関連付けられた上記トランザクション情報を、上記購入機関に転送するように構成され得、これにより、上記購入についての情報が上記購入機関の少なくとも1つの管理システムに自動的に入力され得る。これにより、購入からトランザクション情報を簡易に収集し、このトランザクション情報を購入機関によって使用されるデータフォーマットに変換することが可能になり、これにより、トランザクション情報は購入機関の経理システムおよびその他管理システムに自動的に入力され得る。
【0010】
特許請求された購入管理方法は、購入グループに適用される購入ルールを、クライアントインタフェースを通じて中央データベース構成に入力する段階と、上記中央データベース構成における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして、選択された購入グループを加える段階と、上記中央データベース構成における上記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして、上記購入グループに適用する上記購入ルールを加える段階と、上記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータを、上記中央データベース構成から銀行固有データベースモジュールに転送する段階と、銀行内に配置されたトランザクション認証モジュールにおいて、上記第1トランザクションIDに関連付けられ、トランザクション認証情報を含む第1トランザクション認証要求を受信する段階と、上記トランザクション認証モジュールから上記銀行固有データベースモジュールに、少なくとも購入金額を含むトランザクション情報を含む購入承認要求を通信する段階と、要求された上記購入が、上記銀行固有データベースモジュールにおける上記第1トランザクションIDに関連付けられた上記購入ルールを満たすかに基づいて、承認または却下することで、上記購入承認要求について判断する段階と、上記購入承認要求に対する承認または却下を、上記トランザクション認証モジュールに応答する段階と、上記トランザクション認証モジュールから、上記第1トランザクションIDに関連付けられた上記第1トランザクション認証要求に応答する段階と、上記トランザクション認証モジュールから受信した上記トランザクション情報を、上記銀行固有データベースモジュールにおける上記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加える段階と、上記第1トランザクションIDに関連付けられた上記トランザクション情報を上記中央データベース構成に転送する段階と、上記第1トランザクションIDに関連付けられた上記トランザクション情報を、上記購入機関に転送し、これにより、上記購入についての情報が上記購入機関の少なくとも1つの管理システムに自動入力され得る段階と、を備え得る。これにより、購入からトランザクション情報を簡易に収集し、このトランザクション情報を購入機関によって使用されるデータフォーマットに変換することが可能になり、これにより、トランザクション情報は購入機関の経理システムおよびその他管理システムに自動的に入力され得る。
【0011】
実施形態において、銀行固有データベースモジュールは、銀行内に配置される。「銀行内」という定義は、銀行内のモジュールが、銀行のシステム内で、銀行のファイアウォールの奥に存在することを意味する。これにより、モジュール間で転送される情報が、決して銀行のファイアウォールの外に送信されることはない。これにより、購入承認要求に対する短時間での応答が可能となる。さらに、規制上の理由で銀行のファイアウォールの外部に送信が許可されないタイプのトランザクション情報を、銀行固有データベースモジュールにおける第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えることを可能とする。銀行の外部から受信、および/または外部へ送信可能なトランザクション情報に関しては厳しい規制要件が存在する。しかし、銀行内に銀行固有データベースモジュールを配置することで、銀行の外部から受信、および/または外部へ送信許可されないトランザクション情報も、銀行固有データベースモジュールに入力され得る。
【0012】
実施形態において、上記購入グループは、少なくとも1の購入個人を含む。これにより、1または複数の特定の購入個人、または1または複数の購入個人を含む購入機関のサブセクションに対して、購入ルールが定義および適応可能となる。
【0013】
実施形態において、購入グループは、上記購入機関全体を含む。これにより、購入機関が、機関全体に対して一般購入ルールを定義可能となる。
【0014】
実施形態において、上記購入ルールは、上記購入機関のサブセクションに対する一般購入ルールであり、上記購入グループに適用される上記購入ルールを、上記中央データベース構成における上記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加える段階は、上記購入グループがどのサブセクションに属するかを決定する段階を含む。
【0015】
実施形態において、上記トランザクション情報は、例えば加盟店の名前、または加盟店を識別するためのコードである加盟店情報を含む。承認または却下することで、上記購入承認要求について判断する段階は、さらに上記加盟店情報に基づく。これにより、購入機関は、選択されたサプライヤ/加盟店からの購入をブロックする、および/または選択されたサプライヤ/加盟店からの購入のみを可能とすることが可能となる。
【0016】
実施形態において、上記購入ルールは、購入実行前に、所定のメタデータが、上記中央データベース構成における上記トランザクションIDに加えられ、関連付けられている必要があると指定する。上記購入承認要求について判断する段階は、当該メタデータが存在せず、上記銀行固有データベースモジュールにおける上記トランザクションIDに関連付けられていなければ、上記購入承認要求を却下する段階を含む。
【0017】
実施形態において、直接または上記銀行内の支払いカード管理モジュールを介して、上記中央データベース構成から支払いカード発行機関に情報が転送され、これにより、上記支払いカード発行機関は支払いカードを上記購入機関に発行し得る。
【0018】
実施形態において、上記中央データベース構成および上記銀行固有データベースモジュールは、互いを反映した形態となるように同期される。ただし、反映は、必ずしもデータベース内のすべての情報を含むものではなく、一部のメタデータフィールドは反映から除外され得る。
【0019】
実施形態において、上記中央データベース構成は、多数の異なる団体と通信するように構成され、これらの異なる団体のそれぞれで用いられるデータフォーマットを、好ましくは上記購入機関により定義されたデータフォーマットである、単一のデータフォーマットに変換するアダプタを備える。
【0020】
本発明は、支払いカードの使用に限定されることはなく、他の手段を利用したトランザクションも網羅する。同手段は、スマートフォン、または例えばQR、EAN、PINコードのような他の装置である。
【0021】
本出願における「銀行」という用語は、支払いカード支払い、または同様のタイプのトランザクションを承認し、実行する権限を持つ任意の支払いサービスまたは金融機関である。したがって、正式に銀行として定義され、認証された支払いサービスまたは金融機関のみではない。地域によっては、支払いサービスまたは金融機関は、例えば預金保険システムにより網羅されるためには、所定の規制要件を満たす必要がある。そのような地域では、「銀行」という用語は、そのような規制要件を満たす支払いサービスまたは金融機関に用いられるものであり得る。本出願における「銀行」という用語は、これに限定されることはなく、支払いカード支払い、または同様のタイプのトランザクションを承認し、実行する権限を持つ任意の支払いサービスまたは金融機関を網羅する。したがって、本出願における「銀行」という用語は、トランザクションを承認し、実行する、例えばマスターカードまたはビザなどのクレジットカードネットワークも網羅し得る。本出願における「銀行」という用語は、例えばマスターカードまたはビザなどのクレジットカードネットワーク間、および支払いカード支払い、または同様のタイプのトランザクションを承認し、実行する権限を持つ支払いサービスまたは金融機関の協働も網羅する。
【0022】
中央データベース構成の中央処理手段は、単一の中央処理構成、または互いに信号を送信する複数の中央処理構成であり得る。いくつかの処理は、例えば1つの中央処理構成において実施され得、その後信号が1または複数の他の中央処理構成に送信されて、さらに処理され得る。
【0023】
銀行固有データベースモジュールの銀行処理手段は、銀行システム内の任意の1または複数の処理構成であり得る。したがって、必ずしも銀行固有データベースモジュール専用の処理手段ではない。
【0024】
銀行内のモジュールは、互いに情報を送信する物理的に別個のモジュールであり得るが、同一のサーバ上に実装される仮想モジュールでもあり得、または単にソフトウェアモジュールであり得る。
【0025】
本発明の範囲は、参照によって本章に組み込まれる特許請求の範囲によって定義される。当業者であれば、1または複数の実施形態の以下の詳細な説明を考慮することによって、本発明の複数の実施形態をより完全に理解し、それらの追加の利点を認識するであろう。最初に簡潔に説明される添付の図面のページを参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本明細書で説明される1または複数の実施形態に係る購入管理システムを概略的に示す。
図2】本明細書で説明される1または複数の実施形態に係る購入管理システムを概略的に示す。
図3】本明細書で説明される1または複数の実施形態に係る購入管理システムを概略的に示す。
図4】本明細書で説明される1または複数の実施形態に係る、購入管理方法の例示的な流れ図である。
図5】本明細書で説明される1または複数の実施形態に係る、購入管理システムの一部を概略的に示す。
図6】トランザクション認証情報の例である。
図7】本明細書に記載の1または複数の実施形態に係る、購入管理方法を概略的に示す。
【0027】
本開示の実施形態およびその利点は、以下の詳細な説明を参照することによってもっとも良く理解される。参照番号は、1または複数の図において示される同様の要素を識別するために使用されることを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
多数の異なるタイプの支払いカード処理モデルが存在する。加盟店が支払いカードを発行し、カード保有者と直接関係するような最も単純なモデルは、2コーナーモデルと定義され得る。2コーナーモデルでは、カード保有者は、支払いカードを、それを発行した加盟店でのみ使用できる。
【0029】
加盟店が支払いカードの発行および処理を望まない場合、3コーナーモデルが用いられ得る。これは、サードパーティーが、カード保有者と加盟店との間の仲介者として機能するものである。3コーナーモデルにおいても、カード保有者は、支払いカードを指定の加盟店でのみ使用可能である。
【0030】
カード保有者により柔軟性を提供するべく、支払いカードに関して、代わりに4コーナーモデルが通常用いられている。そのようなモデルにおいて、カード保有者は支払いカードを、当該カードを受け付けるあらゆる加盟店での支払いに用いてよい。トランザクションは、例えばマスターカードまたはビザなどの支払いカードネットワークを介して、加盟店銀行とカード保有者銀行との間で処理される。
【0031】
支払いカードが支払いに用いられる際、加盟店銀行がトランザクション認証要求を、支払いカードネットワークを介してカード保有者銀行に送信することで、トランザクション認証が実現する。そのようなトランザクション認証要求は、例えば、図6に示される、トランザクション認証情報を含み得る。次にカード保有者銀行は、例えば、カードデータ、勘定残高、制限、および挙動に関する複数のチェックを実行し、トランザクションを承認または却下する。
【0032】
本発明によれば、一般的なトランザクション認証に加え、トランザクション認証プロセスに、購入承認要求がさらに加えられる。購入承認は、カード保有者銀行において、一般的なトランザクション認証が実行されるのと同時に実施される。一般的なトランザクション認証に加えて購入承認が行われることに、加盟店銀行は関与する必要がなく、それについて知らされる必要もない。購入が承認されなければ、加盟店銀行はトランザクションが認証されなかったという情報を受信する。ただし、それが例えばカードデータ、勘定残高、制限、および挙動に関するチェックに起因するものか、あるいは要求された購入が購入ルールを満たさないことに起因するかは必ずしも知らされない。
【0033】
したがって本発明によれば、購入が行われる前に、購入管理システムにおいてサプライヤ/加盟店を設定する必要がなく、さらにサプライヤ/加盟店はいかなる購入管理システムにも、一切関連付けられる必要がない。本発明は、サプライヤ/加盟店はいかなる購入管理システムに一切関連付けられてなくても、購入についての情報を、購入機関に転送可能とする。これはどの従来技術のシステムでも実現不能である。
【0034】
本開示は、購入管理システムおよび購入管理方法に関する。開示のソリューションの複数の実施形態を、図に関連してより詳細に提示する。
【0035】
図1は、本明細書で説明される1または複数の実施形態に係る購入管理システム100を概略的に示す。購入管理システム100は、中央データベース構成110と、中央データベース構成110へのクライアントインタフェース120と、カード保有者銀行500内のトランザクション認証モジュール520と通信するように構成された銀行固有データベースモジュール130と、を備え得る。中央データベース構成110は、例えばクラウドサービスであり得る。銀行固有データベースモジュール130は、カード保有者銀行500内に配置され、購入承認要求に対する短時間での応答を可能とし得る。さらに、規制上の理由で銀行のファイアウォールの外部に送信が許可されないタイプのトランザクション情報を、銀行固有データベースモジュール130における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えることを可能とする。銀行の外部から受信、および/または外部へ送信可能なトランザクション情報に関しては厳しい規制要件が存在する。しかし、銀行内に銀行固有データベース130モジュールを配置することで、銀行の外部から受信、および/または外部へ送信許可されないトランザクション情報も、銀行固有データベースモジュール130に入力され得る。
【0036】
中央データベース構成110は、クライアントインタフェース120を通じて、購入機関200から購入ルールを受信するように構成され得る。購入ルールは、購入機関200全体用の一般購入ルールであり得るが、購入機関200の所定のサブセクションに特有の、あるいはさらには購入個人に特有の購入ルールであってもよい。クライアントインタフェース120は、例えばウェブインターフェースまたはモバイルアプリケーションであり得る。
【0037】
中央データベース構成110の中央処理手段115は、トランザクションに用いられるトランザクションIDを生成し得る。これらトランザクションIDは、1つずつ生成されてよく、またはまとめて生成されてよく、さらに、予め定義されたルールに基づいて、または購入機関200からの要求に応じて、生成され得る。トランザクションIDは、いかなる購入ルールが定義される前に生成されてもよい。トランザクションIDは、使用前に、アクティベーションが必要となり得る。
【0038】
各トランザクションIDについて、該当購入機関に関する情報が、メタデータとして加えられ得る。該当購入機関は、例えば、購入グループ300内の任意の購入個人として定義され得る。定義購入グループ300は、1または複数の特定の購入個人を含み得るが、例えば購入機関200のサブセクション、または購入機関200全体として定義されてもよい。購入グループ300内の全購入個人が、購入機関200の雇用者である必要はない。即ち、購入グループ300は、例えば購入機関200に対するコンサルタント、または下請け業者を含み得る。
【0039】
購入グループ300に関するメタデータに基づいて、中央データベース構成110の中央処理手段115は、この特定のトランザクションIDにどの購入ルールが適用されるか識別し、これら購入ルールをトランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え得る。購入ルールは、購入グループ300内の全購入個人に対して常に同じである。しかし、購入グループ300は、購入グループ内の異なる購入個人に対する異なる購入ルールについて必要が生じれば、動的に修正され得る。そのような場合、新たな購入グループ300は、単に異なる購入ルールを要する購入個人に対して形成される。
【0040】
トランザクションに関連した他のタイプの情報も、中央データベース構成110におけるトランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えられ得る。購入機関200と異なる機関も、中央データベース構成110にアクセス可能であり得、トランザクションIDに関連付けられたメタデータを加えることが可能であり得る。好ましくは特定のサードパーティーインタフェース160を用いるサードパーティー機関150により、中央データベース構成110にメタデータを加えることを、図2に示す。サードパーティーインタフェース160は、例えば、ウェブインターフェースまたはモバイルアプリケーションであり得る。
【0041】
そのようなサードパーティー機関150は、例えば、購入機関200のクライアントであり得る。購入機関200は、そのクライアントのために購入を行い、さらなる請求を行う。そのような場合、メタデータは例えば、購入コストを支払うことに対する承認であり得る。その後、トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして、クライアントに請求を行うのに必要な全ての情報を加えれば有利である。これにより、クライアントへの請求が簡略化され得、あるいはさらには自動化され得る。
【0042】
そのようなサードパーティー機関150の別の例として、ブラックリストに登録されたサプライヤまたは所定の規制要件を満たさないサプライヤについての情報を提供する組織が挙げられ得る。そのような組織がこの情報をメタデータとして全トランザクションIDに加えると、購入ルールは、このメタデータで定義されたサプライヤ/加盟店からの購入が可能になることはないことを定義し得る。
【0043】
そのようなサードパーティー機関150のさらなる例は、加盟店/サプライヤ400である。加盟店/サプライヤ400が中央データベース構成110にアクセス可能であり、トランザクションIDに関連付けられたメタデータを加えることが可能であれば、加盟店/サプライヤ400は、例えば電子レシートをトランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え得る。加盟店/サプライヤ400は、サードパーティーインタフェース160または加盟店/サプライヤ400に対する特定のインタフェースを使用し得る。そのようなインタフェースは、例えばウェブインターフェースまたはモバイルアプリケーションであり得る。ただし、加盟店/サプライヤ400が中央データベース構成110にアクセス不能であれば、電子レシートは、例えば購入グループ300内の購入個人などの、別の団体により加えられてもよい。
【0044】
購入グループ300内の購入個人は、情報を取得、および/またはメタデータを加えるべく、中央データベース構成110と通信可能であってもよい。例えば、購入機関200が企業支払いカードを、個人購入に使用可能にすることを望む場合、購入個人は、購入を個人用としてタグ付けし、例えばコストを自動的に次の給与から差し引かれるようにする選択肢があり得る。購入グループ300内の購入個人は、サードパーティーインタフェース160、または購入グループ300用の特定のインタフェースを使用し得る。そのようなインタフェースは、例えばウェブインターフェースまたはモバイルアプリケーションであり得る。
【0045】
例えば購入ルールは、購入機関200内の管理を簡略化すべく、購入の前または後に、購入個人に、所定のメタデータをトランザクションIDに加えることを求め得る。購入個人は、例えば、アカウント、コストセンター、プロジェクト、または目的をトランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えることが求められ得る。その後、購入個人により加えられたメタデータに基づいて、さらなる要件が、特定のタイプの購入に加えられ得る。例えば購入がクライアントとの会食などの説明に関する場合、購入個人は、参加者の名前をトランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えることを求められ得る。購入が出張に関する場合、購入個人は、出張先および/またはその目的を指定することが求められ得る。これにより、購入機関200内の請求書の自動経理処理が可能となる。購入ルールは、このメタデータが、承認される購入に加えられていることを要し得る。購入ルールにより、このメタデータが加えられることが求められれば、購入個人が購入をしようとする前であっても、購入個人は、このメタデータが加えられなければ購入が却下されるという警告が出され得る。この場合、そのような警告は好ましくは、例えばSMS、eメール、またはモバイルアプリケーションを介して購入個人に通信される。
【0046】
ただし、情報の所定の項目は、購入承認前には加えることができない。例えば、購入個人は、トランザクションIDに関連付けられたメタデータとしてレシートを加えることが求められ得る。これは例えば、レシートの写真を、モバイルアプリケーション使用して撮影することで行われる。そのような状況では、購入は既に行われており、却下はできない。しかし、この購入個人による将来的な購入は、必要なメタデータがこれまでの全トランザクションに加えられるまで、ブロックされ得る。このブロックは、購入機関200により手動で行われ得る。あるいは、購入ルールにより、例えば、所定の時間後、またはこれが行われなかった所定回数の購入後に、全てのさらなる購入が自動的にブロックされるように指定され得る。
【0047】
購入ルールは、所定のサプライヤ/加盟店に対して、購入がどのようにされ得るかも指定し得る。それらは、例えばコスト面の理由から、所定のサプライヤからは、ウェブでの購入のみが可能であると指定し得る。この場合、実店舗で購入しようとしても却下される。この場合、却下の理由についての情報は、好ましくは、例えばSMS、eメール、またはモバイルアプリケーションを介して購入個人に通信される。
【0048】
トランザクションIDに関連付けられたメタデータは、銀行固有データベースモジュール130に転送され得る。購入ルールと、それらに適用された全メタデータが転送されれば、必ずしも全メタデータを銀行固有データベースモジュール130に転送する必要はない。しかし、一実施形態においては、中央データベース構成110内の全情報が、銀行固有データベースモジュール130に反映される。
【0049】
銀行固有データベースモジュール130がトランザクションIDに関連付けられたメタデータを受信すると、購入承認要求がカード保有者銀行500内のトランザクション認証モジュール520から送信され得る。購入承認要求はトランザクション情報を含む。これは、支払いカードが支払いに用いられると、加盟店銀行からカード保有者銀行500に支払いカードネットワークを介して送信され、トランザクション認証モジュール520により受信されるトランザクション認証情報と同じであり得る。そのようなトランザクション認証情報の例を、図6に示す。購入承認要求内のトランザクション情報は、金額と、それを所望のトランザクションIDに対応付けるのに十分な情報が含まれていれば、必ずしも全てのトランザクション認証情報を有さなくてもよい。購入承認要求がトランザクションIDを含まなければ、銀行固有データベースモジュール130が購入をトランザクションIDに対応付けることを可能とする、トランザクション情報の何らかの他の項目を含む必要がある。当該項目は、例えば、購入グループ300を識別するトランザクション情報などである。購入グループ300が1または複数の特定の支払いカードに割り当てられている場合、このトランザクション情報は、例えば支払いカード番号、または支払いカード番号のトークンであり得る。その後、銀行固有データベースモジュール130の銀行処理手段135は単純に、この購入グループ300に対して次の利用可能なトランザクションIDに、購入を割り当て得る。
【0050】
その後、銀行固有データベースモジュール130の銀行処理手段135は、要求された購入が、トランザクションIDに関連付けられた購入ルール、即ち購入グループ300に適用される購入ルールを満たすかを確認する。上述の例に加えて、購入ルールは例えば、各購入についての最高額、最高総額、予算内であるか、または購入がどこでいつ行われ得るかについての制限(例えば、海外からの購入、または週末の購入はブロックされ得る)に関し得る。購入承認要求が、例えば加盟店の名前、または加盟店を識別するコードなどの加盟店情報を含む場合、購入ルールは、購入グループ300に対して許可される、またはブロックされる特定の加盟店にも関し得る。これにより、購入機関200は、選択されたサプライヤ/加盟店からの購入をブロックする、および/または選択されたサプライヤ/加盟店からの購入のみを可能とすることが可能となる。例えば、購入機関200は、この機能を使用して、Systembolagetなどの酒類販売店からの購入をブロックし得、またはICAおよび/またはCoopなどの特定の食品チェーン、または食料品店などの特定のタイプの加盟店からのみ購入を可能とし得る。
【0051】
したがって銀行固有データベースモジュール130の銀行処理手段135は、要求された購入が銀行固有データベースモジュール130におけるトランザクションIDに関連付けられた購入ルールを満たすかに基づいて、購入承認要求を承認または却下する。銀行固有データベースモジュール130の銀行処理手段135は、トランザクション認証モジュール520から受信したトランザクション情報も、銀行固有データベースモジュール130におけるトランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え、このトランザクション情報を、トランザクションIDに関連付けられたメタデータとしてさらに加えられるように、中央データベース構成110に転送する。これは、トランザクション認証モジュール520に承認/却下が送信される前または後のいずれに実施されてよい。
【0052】
トランザクション情報は好ましくは、中央データベース構成110における機能により、好ましくは購入機関200により定義されたデータフォーマットである、別のデータフォーマットに「移行」または変換される。これは、図5を参照してさらに説明される。
【0053】
銀行固有データベースモジュール130の銀行処理手段135から、例えばカードデータ、勘定残高、制限、および挙動をチェックすることで実行される一般的なトランザクション認証と共に受信した承認/却下に基づき、トランザクション認証モジュール520はトランザクションを承認または却下する。銀行固有データベースモジュール130の銀行処理手段135がトランザクションを却下すると、トランザクション認証モジュール520は、一般的なトランザクション認証チェックにより許容されると示されたトランザクションであっても却下する。同様に、一般的なトランザクション認証チェックにより、トランザクションが許容されないことが示されると、たとえ銀行固有データベースモジュール130の銀行処理手段135が購入を承認したとしても、トランザクション認証モジュール520はトランザクションを却下する。そのような状況では、トランザクションはいずれにせよ却下されるため、トランザクション認証モジュール520は、購入承認要求を銀行固有データベースモジュール130に送信しなくてもよい。
【0054】
購入承認要求が銀行固有データベースモジュール130に送信される前に、一般的なトランザクション認証がトランザクション認証モジュール520において実行された場合に、銀行固有データベースモジュール130の銀行処理手段135が購入承認要求を承認または却下するかを判断すると、銀行固有データベースモジュール130の銀行処理手段135はトランザクション認証モジュール520がトランザクションを承認または却下するかを判定することができる。あるいは、トランザクション認証モジュール520は、この情報を銀行固有データベースモジュール130に転送し得る。トランザクション認証モジュール520によりトランザクションが承認されたか却下されたかに関する情報は、銀行固有データベースモジュール130におけるトランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えられ得る。
【0055】
他のタイプの情報も、銀行固有データベースモジュール130におけるトランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えられ得る。銀行500は例えば、詐欺の疑い、トランザクションステータスについての情報、またはその他同様のタイプの情報を、銀行固有データベースモジュール130に提供し得る。これにより、この情報は中央データベース構成110に転送され得る。
【0056】
中央データベース構成110がトランザクション情報を、トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして受信すると、中央データベース構成110の中央処理手段115は、トランザクション情報を、好ましくは購入機関200により定義されたデータフォーマットで、購入機関200に転送し得る。これにより、トランザクション情報は購入機関200の経理システムおよび/またはその他管理システムに自動的に入力可能になる。このようにして、購入機関はサプライヤ/加盟店からいかなる請求書を受信するかなり前から、全トランザクションを把握し得る。これにより、購入機関200は、常にその予算を確認可能で、それに従って購入ルールを適応可能である。
【0057】
購入ルールは様々な理由で適応され得る。購入機関200の所定のサブセクションが1つの購入グループ300としてみなされるが、例えば、所定の購入個人には追加の制限を課す(またはあらゆる購入までブロックする)ために、このサブセクション内の所定の購入個人に対して購入ルールを適応させることが望ましい場合、この購入個人に対して、サブセクションの他の者よりもより制限された購入ルールで、新たな購入グループ300が生成され得る。したがって、購入グループ300と、購入ルールとのいずれもが、購入機関200により動的に更新され得る。
【0058】
購入機関200は、システム内で、必ずしも実際の購入グループを定義しない。むしろ、購入機関200は、例えば複数の階層について購入ルールを定義し得る。ルールの一部は組織全体について一般的な物であり得、その他のルールは一部の個人または個人のグループに特有であり得る。この用途の文脈では、購入グループ300は、同じ購入ルールが適用される1または複数の購入個人のグループである。
【0059】
中央データベース構成110において、メタデータをトランザクションIDに関連付けられることを可能にするフィールドも、購入機関200により動的に設定され得る。これにより、購入機関200は、所望のメタデータと、このメタデータに対するデータフォーマットを定義し得る。これにより、例えば、コストセンター、アカウント、およびその他の請求情報に関するメタデータを、中央データベース構成110におけるトランザクションIDに関連付けることが可能となる。これにより、購入機関200は、受信を希望するメタデータと、その受信に望ましいフォーマットとを、電子インボイス内に定義可能となる。したがって、このメタデータは、中央データベース構成110から取得され、電子インボイスに加えることが可能となる。そのような電子インボイスは、銀行500から、中央データベース構成110から、またはサードパーティーから送信され得る。システム100を使用して行われたトランザクションに対する請求書が、購入機関200により特定されたメタデータを含む電子インボイスであれば、購入機関200による請求書の処理の自動化が可能となり、管理に伴う作業負荷が大幅に削減可能となる。
【0060】
本発明は、例えば支払いの実行に支払いカードを使用し得る。この場合、購入個人についての情報は、図3に示すように、中央データベース構成110から支払いカード発行機関600に転送され得る。この転送は、中央データベース構成110と、支払いカード発行機関600との間で直接実施され得、あるいは銀行500内の支払いカード管理モジュール510を介して実行され得る。支払いカード発行機関600は、銀行500に関連付けられ得るが、別個の支払いカード発行機関600でもあり得る。
【0061】
支払いカードで行った支払いを、購入を行う購入個人に結び付けるため、好ましくは支払いカードについての情報が、支払いカード発行機関600から直接または銀行500内の支払いカード管理モジュール510を介して、中央データベース構成110に転送される。好ましくは、この情報は、実際のクレジットカード番号ではない。これを中央データベース構成110におけるトランザクションIDに関連付けられたメタデータとして格納することが許可されているかについて制限があり得るためである。その代わりに情報は、例えばクレジットカード番号のトークンであり得る。
【0062】
図4は、本明細書で説明される1または複数の実施形態に係る、購入管理方法の例示的な流れ図である。流れは以下のとおりである。
【0063】
段階410:購入機関200が、中央データベース構成110においてその購入ルールを設定する(これは段階460前の任意の時点で実施され得、メタデータが流れの任意の時点で購入機関200によって加えられ得る)。
【0064】
段階415:中央データベース構成110が、カード保有者銀行500から、購入機関200に対するカードアカウントを注文する。段階420:カード保有者銀行500は、支払いカード発行機関600から、支払いカードを注文する。
【0065】
段階425:カードのカスタマイズまたはロゴなどの追加情報が、中央データベース構成110から支払いカード発行機関600に提供され得る。支払いカードは、支払いカード発行機関600により、中央データベース構成110から直接注文されてもよい。
【0066】
段階430:支払いカードが、支払いカード発行機関600から、購入個人300に送られる(購入機関200が配布に関与し得る)。
【0067】
段階435(任意):購入個人300が、購入に関連したメタデータを、中央データベース構成110にユーザインタフェースを介して加える(これは、流れの任意の時点で実施され得る)。
【0068】
段階440:トランザクションIDと、購入ルールなどのそれらに関連付けられたメタデータが、中央データベース構成110から銀行固有データベースモジュール130に転送される。段階445:購入個人が、加盟店/サプライヤ400から購入を行う。
【0069】
段階450:加盟店銀行550が、購入についての情報を、加盟店/サプライヤ400から受信する。
【0070】
段階455:加盟店銀行550が、カード保有者銀行500に、例えばビザまたはマスターカードなどの支払いカードネットワークを介して、トランザクションを認証することを要求する。
【0071】
段階460:カード保有者銀行500が、銀行固有データベースモジュール130から、購入承認を要求する。
【0072】
段階465:銀行固有データベースモジュール130が、カード保有者銀行500に購入承認を送信する。段階470:カード保有者銀行500が、トランザクション認証を加盟店銀行550に送信する。段階475:加盟店銀行550が、トランザクション許可を、加盟店/サプライヤ400に送信する。
【0073】
段階480:銀行固有データベースモジュール130が、承認された購入に関するトランザクション情報を中央データベース構成110に転送する(これは、段階460後の任意の時点で実施され得る)。
【0074】
段階485:中央データベース構成110が、トランザクション情報を購入機関200に転送する。
【0075】
段階490(任意):サードパーティーが、メタデータをトランザクションに加える(これは流れにおける任意の時点で実施され得る)。
【0076】
図5は、本明細書で説明される1または複数の実施形態に係る、購入管理システム100の一部を概略的に示す。中央データベース構成110は、好ましくは、メタデータをトランザクションIDに関連付け可能とする「メタデータキャリア」の動的設定を用いる。これにより、購入機関200は、所望のメタデータと、このメタデータ用のフォーマットを定義し得る。図1から図3に関して上述したように、中央データベース構成110は、例えば、購入機関200、購入個人、あるいは購入グループ300、加盟店/サプライヤ400、カード保有者銀行500、支払いカード発行機関600、およびその他の各種サードパーティー機関150などの多数の異なる団体と相互作用および通信し得る。中央データベース構成110が、これらの団体からデータを収集可能で、これらの団体に対してデータを送受信可能となるように、中央データベース構成110は、これらの異なる団体のそれぞれにより用いられるデータフォーマットを、単一のデータフォーマット、好ましくは購入機関200により定義されたデータフォーマットに「移行」または変換する、例えば「アダプタ」の形式の、機能を有する必要がある。中央データベース構成110は、団体200、300、400、500、600、150それぞれに対して、特定のアダプタ205、305、405、505、605、155を有する必要がある。これは、異なる団体は、概して異なるデータフォーマットを使用するためである(いくつかの異なるサードパーティー150がある場合、概していくつかの異なるアダプタ155が必要となる)。これにより、購入機関200は、異なる団体から受信を希望するメタデータと、このメタデータのデータフォーマットを定義可能となる。ユースケース
【0077】
本発明をさらに説明するため、以下のユースケースを提供する。購入機関であるA社は、サービス部門、開発部門、販売部門、および管理部門というサブセクションを擁する。A社は、その購入ポリシーおよびルールを、クライアントインタフェース120を通じて中央データベース構成110に定義し、その銀行である、Cardbankから、その全購入個人用に、支払いカードを注文する。一部の購入個人は個人支払いカードを有し、その他は共用支払いカードを有する。
【0078】
A社は、そのサブセクションであるサービス部門を、サービスという購入グループとして定義し、同グループの全スタッフに同じ購入ルールが適用される。サービス部門のスタッフは、故障した設備に対して迅速なサービスを提供するため、長距離かつ急に出張することが可能でなければならない。したがって、サービスという購入グループ内の全購入個人は個人支払いカードを有し、サービスという購入グループに対する購入ルールには、制限が非常に少ない。一方で、A社は、サービス部門の予算に対して、常に全購入を確認する必要があり、予算的制限のために、経時的に購入ルールを適応し得る。
【0079】
A社は、そのサブセクションである開発部門を、追加の制限をかなり多くして、開発という購入グループとして定義する。開発部門のスタッフは、A社の従業員と、コンサルタントの両方を含む。開発部門のスタッフは、開発部門の責任者により事前に承認されていない購入を行うことは一切許可されない。開発部門のスタッフの一部は、個人支払いカードを有するが、共用支払いカードも多数、開発という購入グループで使用される。
【0080】
A社は、そのサブセクションである販売部門を、国内販売と、海外販売との2つの購入グループとして定義する。国内販売という購入グループは、通常、海外出張をしないため、購入ルールは、国内での購入に限定できる。一方で、海外販売という購入グループは、長距離出張するため、購入ルールにおける制限がかなり少なくなり得る。ただし、購入ルールは、例えばA社が割引を受けられるホテルおよびホテルチェーンのリストにないホテルが選択された場合に、事前承認が必要とするものと規定し得る。販売部門の全スタッフは、個人支払いカードを有する。
【0081】
A社は、そのサブセクションである、管理部門を管理という購入グループとして定義する。管理部門のスタッフは、事務用や昼食など、少額の購入を行うことが可能である必要がある。したがって、購入ルールは、例えば金額およびサプライヤに限定され得る。管理部門という購入グループは、共用支払いカードを有する。
【0082】
サービス部門の従業員が、支払いカードにより購入を行おうとすると、加盟店銀行は、トランザクション認証要求を、例えば図6に示されるトランザクション認証情報を含む、支払いカードネットワークを介してCardbankに送信する。Cardbankのトランザクション認証モジュール520は、トランザクション認証要求を受信し、例えばカードデータ、勘定残高、制限、および挙動に関する、複数のチェックを実行する。Cardbankのトランザクション認証モジュール520は、これらチェックに基づいて、トランザクションを承認すると判断した場合、購入承認要求を、Cardbank内の銀行固有データベース130に送信する。そこで、トランザクションIDは、それらに関連付けられるメタデータとともに格納される。
【0083】
サービス部門の従業員は全員同じ購入ルールが適用されるため、銀行固有データベース130は、サービスという購入グループにタグ付けされた、データベースにおける次の利用可能なトランザクションIDに購入を割り当て得る。この場合、サービスという購入グループに購入が関するかは、例えば支払いカード番号を使用して判定され得る。しかしながら、一方で特定のトランザクションIDが、既にこのトランザクションIDに関連付けられたメタデータを加え得たサービス部門の従業員により既に選択されている可能性がある。サービス部門のスタッフに対する購入ルールは、トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして格納されているため、銀行固有データベース130は、要求された購入がサービス部門の購入ルールを満たすかに基づいて、承認または却下することで、購入承認要求について判断する。
【0084】
サービス部門の購入ルールに対しては、制限は非常に少ないため、多く場合、購入は許可される。銀行固有データベース130は、トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして、トランザクション情報を格納し、このメタデータを中央データベース構成110に転送する。次に、中央データベース構成110は、トランザクション情報をA社に転送する。これにより、購入についての情報が、A社における経理およびその他管理システムに自動的に入力され得る。
【0085】
開発部門のスタッフが購入を行う際、同様の流れが辿られる。しかしながら、開発部門のスタッフは、開発部門の責任者により事前に承認されていない購入は一切許可されないため、購入について事前承認が必要である。購入を行いたい開発部門のスタッフは、購入グループ300について指定されたインタフェース(例えば、ウェブインターフェースまたはモバイルアプリケーション)を使用して、トランザクションIDを取得し、この購入に関連した必要なメタデータを、インタフェースを通じて中央データベース構成110に入力する。次に、開発部門の責任者がこの購入を事前承認するための動作が設定される。これは、単にシステムで定義された動作であり得るが、責任者に、例えばSMSまたはeメールを介して、自動的にリマインダーが送信されてもよい。開発部門の責任者が購入を承認すると、購入ルールによりそれが可能になる。
【0086】
販売部門のスタッフが購入を行う際、同様の流れが辿られる。サービス部門のスタッフに関して、海外販売という購入グループに課せられる制限は非常に少ない。しかしながら、例えば経費を少々使い過ぎであることが判明すれば、海外販売内の個人または個人のグループについて、購入ルールを変更することが望ましく成り得る。次に、例えば経費に関して追加の制限が課された新たな購入グループが定義され得る。これにより、海外販売という購入グループであったものが、例えば海外販売標準、海外販売制限の2つのグループになる。
【0087】
管理部門のスタッフが購入を行う際も、同様の流れが辿られる。しかしながら、管理部門のスタッフには、より厳しい購入ルールが課される。例えば、許容サプライヤ/加盟店に関する制限が課される。Cardbankのトランザクション認証モジュール520から送信されたトランザクション情報は、例えば加盟店の名前または加盟店を識別するためのコードのような加盟店情報も含む。したがって、銀行固有データベース130は、加盟店情報を、購入ルールに応じた許容加盟店と比較し得る。管理部門のスタッフは、例えばICAおよび/またはCoopなどの所定のサプライヤ/加盟店、または例えば食料品店などの所定のタイプの加盟店に限定され得る。VISAの加盟店カテゴリ分類は、例えばMCCコード5499を、「食料雑貨、コンビニエンスストア、専門店」に使用する。このコードは、トランザクション認証情報における加盟店識別コードに含まれる。管理部門のスタッフが食料品店で食品を購入する場合、異なる種類の物品に、多くの異なるVATレベルが適用され得る。購入における異なる項目に対する異なるVATレベルはその後、トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして自動で格納され得る。これにより、購入機関200内の管理が簡略化される。方法実施形態
【0088】
図7は、本明細書に記載の1または複数の実施形態に係る、購入管理方法700を概略的に示す。方法700は、以下を備え得る。
【0089】
段階710:購入グループ300に適用される購入ルールを、クライアントインタフェース120を通じて中央データベース構成110に入力する。
【0090】
段階720:中央データベース構成110における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして、選択された購入グループ300を加える。
【0091】
段階725:中央データベース構成110における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして、購入グループ300に適用する購入ルールを加える。
【0092】
段階730:第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータを、中央データベース構成110から銀行固有データベースモジュール130に転送する。
【0093】
段階740:銀行500内に配置されたトランザクション認証モジュール520において、第1トランザクションIDに関連付けられ、トランザクション認証情報を含む第1トランザクション認証要求を受信する。
【0094】
段階750:トランザクション認証モジュール520から銀行固有データベースモジュール130に、少なくとも購入金額を含むトランザクション情報を含む購入承認要求を通信する。
【0095】
段階760:要求された購入が、銀行固有データベースモジュール130における第1トランザクションIDに関連付けられた購入ルールを満たすかに基づいて、承認または却下することで、購入承認要求について判断する。
【0096】
段階765:購入承認要求に対する承認または却下を、トランザクション認証モジュール520に応答する。
【0097】
段階770:トランザクション認証モジュール520から、第1トランザクションIDに関連付けられた第1トランザクション認証要求に応答する。
【0098】
段階780:トランザクション認証モジュール520から受信したトランザクション情報を、銀行固有データベースモジュール130における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加える。
【0099】
段階785:第1トランザクションIDに関連付けられたトランザクション情報を中央データベース構成110に転送する。
【0100】
段階790:第1トランザクションIDに関連付けられたトランザクション情報を、購入機関200に転送する。これにより、購入についての情報が購入機関200の管理システムの少なくとも1つに自動入力され得る。
【0101】
実施形態において、上記銀行固有データベースモジュール130は、上記銀行500内に配置される。これにより、購入承認要求に対する短時間での応答が可能となる。さらに、規制上の理由で銀行のファイアウォールの外部に送信が許可されないタイプのトランザクション情報を、銀行固有データベースモジュール130における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えることを可能とする。銀行の外部から受信、および/または外部へ送信可能なトランザクション情報に関しては厳しい規制要件が存在する。しかし、銀行内に銀行固有データベース130モジュールを配置することで、銀行の外部から受信、および/または外部へ送信許可されないトランザクション情報も、銀行固有データベースモジュール130に入力され得る。
【0102】
実施形態において、購入グループ300は、少なくとも1の購入個人を含む。これにより、1または複数の特定の購入個人、または1または複数の購入個人を含む購入機関のサブセクションに対して、購入ルールが定義および適応可能となる。
【0103】
実施形態において、購入グループ300は、購入機関200全体を含む。これにより、購入機関が、機関全体に対して一般購入ルールを定義可能となる。
【0104】
実施形態において、購入ルールは、購入機関200のサブセクションに対する一般購入ルールであり、購入グループ300に適用される購入ルールを、中央データベース構成110における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加える段階725は、購入グループ300がどのサブセクションに属するかを決定する段階を含む。
【0105】
実施形態において、トランザクション情報は、例えば加盟店の名前、または加盟店を識別するためのコードなどの加盟店情報を含む。承認または却下することで、購入承認要求について判断する段階760は、さらに加盟店情報に基づく。
【0106】
実施形態において、購入ルールは、購入実行前に、所定のメタデータが、中央データベース構成110におけるトランザクションIDに加えられ、関連付けられている必要があると指定する。購入承認要求について判断する段階760は、当該メタデータが存在せず、銀行固有データベースモジュール130におけるトランザクションIDに関連付けられていなければ、購入承認要求を却下する段階を含む。
【0107】
実施形態において、第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータを、中央データベース構成110から銀行固有データベースモジュール130に転送する段階730、および第1トランザクションIDに関連付けられたトランザクション情報を中央データベース構成110に転送する段階785は、中央データベース構成110および銀行固有データベースモジュール130を、互いに反映された形態となるように同期する段階を含む。
【0108】
実施形態において、中央データベース構成110は、多数の異なる団体200、300、400、500、600、150と通信するように構成され、これらの異なる団体のそれぞれで用いられるデータフォーマットを、好ましくは購入機関200により定義されたデータフォーマットである、単一のデータフォーマットに変換するアダプタ205、305、405、505、605、155を備える。方法700は、さらに以下を備え得る。
【0109】
段階705:直接または銀行500内の支払いカード管理モジュール510を介して、中央データベース構成110から支払いカード発行機関600に情報を転送する。これにより、支払いカード発行機関600は、支払いカードを購入機関200に発行し得る。
【0110】
上記の開示は、開示されている厳密な形式、または、特定の使用分野に本発明を限定することを意図するものではない。
【0111】
本明細書において明示的に説明されるか、または、示唆されるかに関わらず、本開示を考慮して、様々な代替的な実施形態および/または本発明への修正が可能であると考えられる。
【0112】
本開示において、支払いカードを使用する発明の実施形態を説明した。しかしながら、本発明は、支払いカードを使用した実施形態に限定されず、例えば、スマートフォン、または例えばQR、EAN、PINコードといった他のデバイスを使用した支払いなどの他の支払い方法も網羅する。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみによって定義される。
【0113】
さらに、特許請求の範囲の段階の全てが、記載の順序で実行される必要はない。例えば、購入ルールは、トランザクションID生成前に中央データベース構成110に入力される必要はない。さらに、購入機関200が購入ルールを変更して、新しい購入ルールを中央データベース構成110に入力すると、中央データベース構成110におけるトランザクションIDに関連付けられた購入ルールに関するメタデータが更新され、トランザクションIDに対して購入承認要求が承認されるか却下されるまで、銀行固有データベースモジュール130に転送され得る。別の例では、トランザクション情報が、購入承認要求の承認/却下の前または後に、トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えられ得る。全ての技術的に意味のある段階の順序を、特許請求の範囲により網羅する。
[項目1]
中央データベース構成と、前記中央データベース構成へのクライアントインタフェースと、銀行内のトランザクション認証モジュールと通信するように構成された銀行固有データベースモジュールと、を備え、
前記中央データベース構成は、前記クライアントインタフェースを通じて、購入機関から購入グループに適用される購入ルールを受信するように構成され、中央処理手段を有し、前記中央処理手段は、
選択された購入グループを、前記中央データベース構成における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え、
前記購入グループに適用される前記購入ルールを、前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え、
前記銀行固有データベースモジュールに前記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータを転送するように構成され、
前記銀行固有データベースモジュールは、前記トランザクション認証モジュールから購入承認要求を受信するように構成され、前記購入承認要求は、前記第1トランザクションIDに関連付けられた購入金額を少なくとも含むトランザクション情報を含み、前記銀行固有データベースモジュールは、銀行処理手段を有し、前記銀行処理手段は、
前記銀行固有データベースモジュールにおける前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記購入ルールを、要求された購入が満たすかに基づいて、承認または却下することで、前記購入承認要求について判断し、
前記購入承認要求の承認または却下により、前記トランザクション認証モジュールに応答し、
前記トランザクション認証モジュールから受信した前記トランザクション情報を、前記銀行固有データベースモジュールにおける前記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加え、
前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記トランザクション情報を、前記中央データベース構成に転送するように構成され、
前記中央データベース構成の前記中央処理手段はさらに、前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記トランザクション情報を、前記購入機関に転送するように構成され、これにより、前記購入についての情報が前記購入機関の少なくとも1つの管理システムに自動的に入力され得る、購入管理システム。
[項目2]
前記銀行固有データベースモジュールは、前記銀行内に配置される、項目1に記載の購入管理システム。
[項目3]
前記購入ルールは、少なくとも1の購入個人を含む購入グループに適用される購入ルールである、項目1または2に記載の購入管理システム。
[項目4]
前記購入ルールは、前記購入機関全体を含む購入グループに適用される購入ルールである、項目1から3のいずれか一項に記載の購入管理システム。
[項目5]
前記購入ルールは、前記購入機関のサブセクションに対する一般購入ルールであり、前記中央データベース構成の前記中央処理手段は、前記購入グループがどのサブセクションに属するかの決定に基づいて、前記購入グループに適用される前記購入ルールを、前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加えるように構成される、項目1から4のいずれか一項に記載の購入管理システム。
[項目6]
前記トランザクション情報は、加盟店情報を含み、前記銀行固有データベースモジュールの前記銀行処理手段は、さらに前記加盟店情報に基づいて、承認または却下することで、前記購入承認要求について判断するように構成される、項目1から5のいずれか一項に記載の購入管理システム。
[項目7]
前記購入ルールは、購入実行前に、所定のメタデータが、前記中央データベース構成における前記トランザクションIDに加えられ、関連付けられている必要があると指定し、前記銀行固有データベースモジュールの前記銀行処理手段は、当該メタデータが存在せず、前記銀行固有データベースモジュールにおける前記トランザクションIDに関連付けられていなければ、前記購入承認要求を却下するように構成される、項目1から6のいずれか一項に記載の購入管理システム。
[項目8]
前記中央データベース構成の前記中央処理手段は、直接または前記銀行内の支払いカード管理モジュールを介して、支払いカードを前記購入機関に発行する支払いカード発行機関に情報を転送するようにさらに構成される、項目1から7のいずれか一項に記載の購入管理システム。
[項目9]
前記購入管理システムは、前記中央データベース構成および前記銀行固有データベースモジュールが互いを反映した形態となるように同期されるように構成される、項目1から8のいずれか一項に記載の購入管理システム。
[項目10]
前記中央データベース構成は、多数の異なる団体と通信するように構成され、これらの異なる団体のそれぞれで用いられるデータフォーマットを、好ましくは前記購入機関により定義されたデータフォーマットである、単一のデータフォーマットに変換するアダプタを備える、項目1から9のいずれか一項に記載の購入管理システム。
[項目11]
購入グループに適用される購入ルールを、クライアントインタフェースを通じて中央データベース構成に入力する段階と、
前記中央データベース構成における第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして、選択された購入グループを加える段階と、
前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして、前記購入グループに適用する前記購入ルールを加える段階と、
前記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータを、前記中央データベース構成から銀行固有データベースモジュールに転送する段階と、
銀行内に配置されたトランザクション認証モジュールにおいて、前記第1トランザクションIDに関連付けられ、トランザクション認証情報を含む第1トランザクション認証要求を受信する段階と、
前記トランザクション認証モジュールから前記銀行固有データベースモジュールに、少なくとも購入金額を含むトランザクション情報を含む購入承認要求を通信する段階と、
要求された購入が、前記銀行固有データベースモジュールにおける前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記購入ルールを満たすかに基づいて、承認または却下することで、前記購入承認要求について判断する段階と、
前記購入承認要求に対する承認または却下を、前記トランザクション認証モジュールに応答する段階と、
前記トランザクション認証モジュールから、前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記第1トランザクション認証要求に応答する段階と、
前記トランザクション認証モジュールから受信した前記トランザクション情報を、前記銀行固有データベースモジュールにおける前記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加える段階と、
前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記トランザクション情報を前記中央データベース構成に転送する段階と、
前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記トランザクション情報を、購入機関に転送し、これにより、前記購入についての情報が前記購入機関の少なくとも1つの管理システムに自動入力され得る段階と、を備える、購入管理方法。
[項目12]
前記銀行固有データベースモジュールは、前記銀行内に配置される、項目11に記載の購入管理方法。
[項目13]
前記購入グループは、少なくとも1の購入個人を含む、項目11または12に記載の購入管理方法。
[項目14]
前記購入グループは、前記購入機関全体を含む、項目11から13のいずれか一項に記載の購入管理方法。
[項目15]
前記購入ルールは、前記購入機関のサブセクションに対する一般購入ルールであり、前記購入グループに適用される前記購入ルールを、前記中央データベース構成における前記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータとして加える段階は、前記購入グループがどのサブセクションに属するかを決定する段階を含む、項目11から14のいずれか一項に記載の購入管理方法。
[項目16]
前記トランザクション情報は、加盟店情報を含み、承認または却下することで、前記購入承認要求について判断する段階は、さらに前記加盟店情報に基づく、項目11から15のいずれか一項に記載の購入管理方法。
[項目17]
前記購入ルールは、購入実行前に、所定のメタデータが、前記中央データベース構成における前記トランザクションIDに加えられ、関連付けられている必要があると指定し、前記購入承認要求について判断する段階は、当該メタデータが存在せず、前記銀行固有データベースモジュールにおける前記トランザクションIDに関連付けられていなければ、前記購入承認要求を却下する段階を含む、項目11から16のいずれか一項に記載の購入管理方法。
[項目18]
直接または前記銀行内の支払いカード管理モジュールを介して、前記中央データベース構成から支払いカード発行機関に情報を転送する段階をさらに備え、これにより、前記支払いカード発行機関は支払いカードを前記購入機関に発行し得る、項目11から17のいずれか一項に記載の購入管理方法。
[項目19]
前記第1トランザクションIDに関連付けられたメタデータを、前記中央データベース構成から前記銀行固有データベースモジュールに転送する段階、および前記第1トランザクションIDに関連付けられた前記トランザクション情報を前記中央データベース構成に転送する段階は、前記中央データベース構成および前記銀行固有データベースモジュールを、互いに反映された形態となるように同期する段階を含む、項目11から18のいずれか一項に記載の購入管理方法。
[項目20]
前記中央データベース構成は、多数の異なる団体と通信するように構成され、これらの異なる団体のそれぞれで用いられるデータフォーマットを、好ましくは前記購入機関により定義されたデータフォーマットである、単一のデータフォーマットに変換するアダプタを備える、項目11から19のいずれか一項に記載の購入管理方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】