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  • 特開-ピリダジノン及びその使用法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099595
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】ピリダジノン及びその使用法
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20240718BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240718BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
C07D471/04 116
C07D471/04 CSP
A61K31/519
A61P9/12
A61P13/12
A61P25/22
A61P25/24
A61P35/00
A61P3/10
A61P27/02
A61P29/00
A61P25/04
A61P3/00
A61P3/04
A61P1/16
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024064210
(22)【出願日】2024-04-11
(62)【分割の表示】P 2021510041の分割
【原出願日】2019-09-18
(31)【優先権主張番号】62/732,728
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/780,553
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PLURONIC
(71)【出願人】
【識別番号】517024869
【氏名又は名称】ゴールドフィンチ バイオ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レデボーア,マーク,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルズ,マシュー,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ユ,マオリン
(72)【発明者】
【氏名】ハーマンジュ,ジーン-クリストフ,ピー.
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA21
4C086ZA33
4C086ZA70
4C086ZA75
4C086ZB26
4C086ZC21
4C086ZC35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】腎疾患、肺動脈高血圧症、不安、うつ病、がん、糖尿病性網膜症、または疼痛から選択される疾患もしくは状態を治療するかまたはそれらの発症のリスクを低減するために使用するための医薬組成物を提供する。
【解決手段】下記式によって表される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグとする。

[式中、Rは、クロロ、-CF、-CHF、または-CHであり、Rは、水素またはフルオロであり、Rは、水素、-NH、-CHOH、またはCH(OH)-CHOHである]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式Iの化合物:
【化1】
(I)
[式中、
「---」は、単結合または二重結合であり、
は、CHまたはNであり、
「---」が二重結合である場合、X は、CHまたはNであり、
「---」が単結合である場合、Xは、N(CH)、
がCHである場合、Xは、NまたはN(CH)であり、
Yは、-O-、-N(CH)-、-N(CHCHOH)-、シクロプロパン-1,1-ジイル、または-CH(CH)-であり、
Qは、2-トリフルオロメチル-4-フルオロフェニル、2-ジフルオロメチル-4-フルオロフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、2-メチル-4-フルオロフェニル、2-クロロ-4-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、1-(ベンジル)-4-メチルピペリジン-3-イル、4-トリフルオロメチルピリジン-3-イル、2-トリフルオロメチル-6-フルオロフェニル、2-トリフルオロメチル-3-シアノフェニル、2-エチル-3-フルオロフェニル、2-クロロ-3-シアノフェニル、2-トリフルオロメチル-5-フルオロフェニル、または2-ジフルオロメチルフェニルであり、
は、水素、-CHOH、-CH(OH)-CHOH、-NH、-CH(OH)CH、-OCH、または-NH-(CHOHであり、「---」が二重結合である場合、Rは存在せず、
「---」が単結合である場合、RとRとは共に=Oを形成し、
及びRのそれぞれは、独立して水素または-CHであり、
ただし、XがN、XがN、Yが-O-または-N(CH)であり、かつQが2-トリフルオロメチルフェニルである場合、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは水素ではないことを条件とする]、
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
構造式II:
【化2】
(II)
[式中、
は、クロロ、-CF、-CHF、または-CHであり、
は、水素またはフルオロであり、
は、水素、-NH、-CHOH、またはCH(OH)-CHOHである]、によって表される請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
が-CHFである場合、Rが水素ではない、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
以下の化合物のうちのいずれか1つから選択される、請求項1に記載の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩:
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
【化3-4】
【化3-5】
【化3-6】
【化3-7】
【化3-8】
【請求項5】
以下の化合物のうちのいずれか1つから選択される、請求項4に記載の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩:
【化4-1】
【化4-2】
【請求項6】
以下の化合物のうちのいずれか1つから選択される、請求項5に記載の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩:
【化5-1】
【化5-2】
【化5-3】
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項8】
腎疾患、肺動脈高血圧症、不安、うつ病、がん、糖尿病性網膜症、または疼痛から選択される疾患もしくは状態を治療するかまたはそれらの発症のリスクを低減する方法であって、必要とする対象に治療有効量の請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物、または請求項7に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項9】
前記疾患または状態が、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、糖尿病性腎症、アルポート症候群、高血圧性腎疾患、ネフローゼ症候群、ステロイド耐性腎症、微小変化群、膜性腎症、突発性膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、免疫複合体媒介性MPGN、補体媒介性MPGN、ループス腎炎、感染後糸球体腎炎、菲薄基底膜病、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、アミロイドーシス(原発性)、c1q腎炎、急速進行性GN、抗GBM疾患、C3糸球体腎炎、高血圧性腎硬化症、またはIgA腎症から選択される腎疾患である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記腎疾患が、タンパク尿腎疾患である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記腎疾患が、微量アルブミンまたは顕性アルブミン尿症腎疾患である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記治療される疾患または状態が、肺動脈性高血圧症である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記治療される疾患または状態が、神経因性疼痛、及び内臓性疼痛から選択される疼痛である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記疾患または状態が、化学療法抵抗性乳癌、アドリアマイシン抵抗性乳癌、化学療法抵抗性大腸癌、髄芽腫、及び腫瘍血管新生から選択されるがんである、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記疾患または状態が、移植関連FSGS、移植関連ネフローゼ症候群、移植関連タンパク尿、胆汁うっ滞性肝疾患、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、肥満、インスリン抵抗性、II型糖尿病、前糖尿病、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記対象が、ヒトである、請求項8~15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全容をそれぞれ本明細書に援用するところの2018年9月18日に出願された米国仮特許出願第62/732,728号、及び2018年12月17日に出願された米国仮特許出願第62/780,553号に対する優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
タンパク尿は、血液中のタンパク質の過剰量が尿中に漏れる状態である。タンパク尿は、24時間で尿中への30mgのタンパク質喪失(微量アルブミン尿症と呼ばれる)から300mg/日超(顕性アルブミン尿症と呼ばれる)にまで進行した後、24時間で3.5グラム以上のタンパク質、または正常量の25倍のレベルの喪失に達し得る。タンパク尿は、腎臓の糸球体に機能不全がある場合に生じ、体内への体液の蓄積を引き起こす(浮腫)。長期のタンパク質漏出は腎不全をもたらすことが示されている。ネフローゼ症候群(NS)疾患は、広く認められる末期腎疾患症例の約12%を占め、米国における年間費用は30億ドルを超える。毎年10万人の子供のうち約5人がNSと診断され、今日、10万人の子供のうち15人がNSを有している。治療に積極的に反応する患者では、再発頻度は極めて高い。ネフローゼ症候群の小児の90%が治療に反応するが、推定75%は再発する。腎疾患、例えばタンパク尿をより効果的に治療する、または発症のリスクを低減する方法が求められている。
【0003】
哺乳類のTRPチャネルタンパク質は、アミノ酸配列の相同性に基づいて6つのサブファミリー(TRPC、TRPV、TRPM、TRPA、TRPP、及びTRPML)に分類することができる6回膜貫通カチオン透過性チャンネルを形成する。TRPチャネルの最近の研究は、TRPチャネルが多くの基本的な細胞機能に関与しており、多くの疾患の病態生理学において重要な役割を果たしていると考えられていることを示している。多くのTRPは、腎臓でネフロンの異なる部分に沿って発現し、これらのチャネルが遺伝性だけでなく後天性の腎臓障害に関与していることを示唆する証拠が増えている。TRPC6、TRPM6、及びTRPP2は、それぞれ遺伝性巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、二次低カルシウム血症を伴う低マグネシウム血症(HSH)、及び多嚢胞腎疾患(PKD)に関与すると考えられている。
【0004】
TRPC5は、自然の恐怖応答の制御の基礎となるメカニズムに寄与していることも報告されている(J Neurosci.2014 Mar 5;34(10):3653-3667)。
【0005】
したがって、TRPC5またはTRPC4またはその両方の更なる阻害剤が求められている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーCメンバー5(TRPC5)の活性が、アクチンストレスファイバーを消失させ、接着斑形成を減少させ、運動性、遊走性のポドサイト表現型をもたらすという発見に少なくともその一部において基づいたものである。
【0007】
本発明の一態様は、TRPC5またはTRPC4またはその両方のアンタゴニストである化合物である。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、構造式Iの化合物:
【0008】
【化1】
【0009】
(I)
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
「---」は、単結合または二重結合であり、
は、CHまたはNであり、
「---」が二重結合である場合、Xは、CHまたはNであり、
「---」が単結合である場合、Xは、N(CH)であり、
がCHである場合、Xは、NまたはN(CH)であり、
Yは、-O-、-N(CH)-、-N(CHCHOH)-、シクロプロパン-1,1-ジイル、または-CH(CH)-であり、
Qは、2-トリフルオロメチル-4-フルオロフェニル、2-ジフルオロメチル-4-フルオロフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、2-メチル-4-フルオロフェニル、2-クロロ-4-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、1-(ベンジル)-4-メチルピペリジン-3-イル、4-トリフルオロメチルピリジン-3-イル、2-トリフルオロメチル-6-フルオロフェニル、2-トリフルオロメチル-3-シアノフェニル、2-エチル-3-フルオロフェニル、2-クロロ-3-シアノフェニル、2-トリフルオロメチル-5-フルオロフェニル、または2-ジフルオロメチルフェニルであり、
は、水素、-CHOH、-CH(OH)-CHOH、-NH、-CH(OH)CH、-OCH、または-NH-(CHOHであり、「---」が二重結合である場合、Rは存在せず、
「---」が単結合である場合、RとRとは共に=Oを形成し、
及びRのそれぞれは、独立して水素または-CHであり、
ただし、XがN、XがN、Yが-O-または-N(CH)であり、かつQが2-トリフルオロメチルフェニルである場合、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは水素ではないことを条件とする。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、構造式II:
【0011】
【化2】
【0012】
(II)
で表されるか、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
は、クロロ、-CF、-CHF、または-CHであり、
は、水素またはフルオロであり、
は、水素、-NH、-CHOH、またはCH(OH)-CHOHである。
【0013】
一態様において、本発明は、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0014】
一態様において、本発明は、腎疾患、肺動脈高血圧症、不安、うつ病、がん、糖尿病性網膜症、または疼痛から選択される疾患または状態を治療するか、またはそれらの発症のリスクを低減する方法に関し、当該方法は、治療有効量の化合物または組成物を必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、疾患は、腎疾患、不安、うつ病、がん、または糖尿病性網膜症である。いくつかの実施形態では、疾患または状態は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、糖尿病性腎症、アルポート症候群、高血圧性腎疾患、ネフローゼ症候群、ステロイド耐性腎症、微小変化群、膜性腎症、突発性膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、免疫複合体媒介性MPGN、補体媒介性MPGN、ループス腎炎、感染後糸球体腎炎、菲薄基底膜病、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、アミロイドーシス(原発性)、c1q腎炎、急速進行性GN、抗GBM疾患、C3糸球体腎炎、高血圧性腎硬化症、またはIgA腎症から選択される腎疾患である。いくつかの実施形態では、腎疾患は、タンパク尿腎疾患である。いくつかの実施形態では、腎疾患は、微量アルブミン尿または顕性アルブミン尿腎疾患である。いくつかの実施形態では、治療される疾患または状態は、肺動脈性高血圧症である。いくつかの実施形態では、治療される疾患または状態は、神経因性疼痛及び内臓性疼痛から選択される疼痛である。
【0015】
いくつかの実施形態では、疾患または状態は、化学療法抵抗性乳癌、アドリアマイシン抵抗性乳癌、化学療法抵抗性大腸癌、髄芽腫、及び腫瘍血管新生から選択されるがんである。
【0016】
いくつかの実施形態では、治療される疾患または状態は、移植関連FSGS、移植関連ネフローゼ症候群、移植関連タンパク尿、胆汁うっ滞性肝疾患、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、肥満、インスリン抵抗性、II型糖尿病、前糖尿病、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である。
【0017】
方法は、哺乳動物、例えば、ヒト及び他の動物、例えば、実験動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、もしくはサル、またはペット及び家畜、例えば、ネコ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、もしくはウマなどの様々な対象において有効である。
【0018】
本発明は、いくつかの利点を提供する。本明細書に記載される予防及び治療方法は、例えば、タンパク尿などの腎疾患の治療に有効であり、副作用はあったとしても最小である。さらに、本明細書に記載される方法は、腎疾患、不安、うつ病、またはがんを治療するか、またはそれらを発症するリスクを低減する化合物を同定するうえで有効である。
【0019】
別段の定義がなされない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有するものとする。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法及び材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、適切な方法及び材料について以下に記載する。本明細書で触れるすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参照文献はそれらの全容を参照により援用するものとする。矛盾が生じる場合、定義を含む本明細書が優先するものとする。更に、材料、方法、及び実施例はあくまで説明を目的としたものであって、限定することを目的としない。
【0020】
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】化合物100またはミゾリビンで処置したPAN障害ラットにおけるアルブミン排泄を示す。
図2】化合物100で処置したAT1Rトランスジェニックラットにおける尿タンパク質クレアチニン比データを、AngII注入及び溶媒と比較して示す。
図3】ベースラインの割合(%)として表した、図2に示した尿タンパク質クレアチニン比データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
定義
「アシル」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、一般式:ヒドロカルビルC(O)-、好ましくはアルキルC(O)-により表される基を指す。
【0023】
「アシルアミノ」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、アシル基で置換されたアミノ基を指し、例えば式:ヒドロカルビルC(O)NH-により表すことができる。
【0024】
「アシルオキシ」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、一般式:ヒドロカルビルC(O)O-、好ましくはアルキルC(O)O-により表される基を指す。
【0025】
「アルコキシ」なる用語は、酸素が結合したアルキル基、好ましくは低級アルキル基を指す。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシなどが挙げられる。
【0026】
「アルコキシアルキル」なる用語は、アルコキシ基で置換されたアルキル基を指し、一般式:アルキル-O-アルキルにより表すことができる。
【0027】
本明細書で使用するところの「アルケニル」なる用語は、少なくとも1個の二重結合を含む脂肪族基を指し、「非置換アルケニル」及び「置換アルケニル」の両方を含むものとし、後者はアルケニル基の1つ以上の炭素原子上の水素を置換した置換基を有するアルケニル部分を指す。かかる置換基は、1個以上の二重結合に含まれるかまたは含まれない1個以上の炭素上にあってよい。更に、かかる置換基には、安定性により使用不可の場合を除いて、以下に述べるようなアルキル基について企図されるすべてのものが含まれる。例えば、1個以上のアルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基によるアルケニル基の置換が企図される。
【0028】
「アルキル」基または「アルカン」は、完全に飽和した直鎖または分枝鎖の非芳香族炭化水素である。一般的に、直鎖または分枝鎖アルキルは、特に定義されないかぎり、1個~約20個の炭素原子、好ましくは1個~約10個を有する。直鎖及び分枝鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチル、及びオクチルが挙げられる。C~Cの直鎖または分枝鎖アルキル基は、「低級アルキル」基とも呼ばれる。
【0029】
更に、本明細書、実施例及び請求の範囲の全体を通じて使用するところの「アルキル」(または「低級アルキル」)」なる用語は、「非置換アルキル」及び「置換アルキル」の両方を含むものとし、後者は炭化水素主鎖の1個以上の炭素上の水素を置換した置換基を有するアルキル部分を指す。かかる置換基としては、別段の定めがない限り、例えば、ハロゲン(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテート、またはチオフォーメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を挙げることができる。好ましい実施形態では、置換アルキルの置換基は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン、カルボニル、シアノ、またはヒドロキシルから選択される。さらに好ましい実施形態では、置換アルキルの置換基は、フルオロ、カルボニル、シアノ、またはヒドロキシルから選択される。当業者には、適切であれば、炭化水素鎖上に置換された部分は、それ自体が置換され得る点は理解されよう。例えば、置換アルキルの置換基としては、アミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホネート及びホスフィネートを含む)、スルホニル(サルフェート、スルホンアミド、スルファモイル及びスルホネートを含む)、及びシリル基、ならびにエーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレート及びエステルを含む)、-CF、及び-CNなどの置換及び非置換の形態を挙げることができる。例示的な置換アルキルは下記に述べる。シクロアルキルは、さらにアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カルボニル置換アルキル、-CF、-CN等で置換され得る。
【0030】
特に断らない限り、「アルキレン」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、記載された数の炭素原子を有し、対応するアルカンから2個の水素原子を除去することで誘導される、飽和直鎖状または分枝状二価基を指す。直鎖及び分岐鎖アルキレン基の例としては、-CH-(メチレン)、-CH-CH-(エチレン)、-CH-CH-CH-(プロピレン)、-C(CH-、-CH-CH(CH)-、-CH-CH-CH-CH-、-CH-CH-CH-CH-CH-(ペンチレン)、-CH-CH(CH)-CH-、及び-CH-C(CH-CH-が挙げられる。
【0031】
「Cx~y」なる用語は、アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシなどの化学部分とともに使用される場合、鎖中にx~y個の炭素を含む基を含むことを意味する。例えば、「Cx~yアルキル」という用語は、ハロアルキル基を含め、鎖中にx~y個の炭素を含む直鎖アルキル及び分岐鎖アルキル基を含めた置換または非置換飽和炭化水素基を指す。好ましいハロアルキル基としては、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、及びペンタフルオロエチルが挙げられる。Cアルキルは、その基が末端位置にある場合は水素を示し、内部の場合は結合を示す。「C2~yアルケニル」及び「C2~yアルキニル」という用語は、上記のアルキルに長さ及び可能な置換が類似しているが、それぞれ、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む、置換または非置換不飽和脂肪族基を指す。
【0032】
本明細書で使用するところの「アルキルアミノ」なる用語は、少なくとも1個のアルキル基で置換されたアミノ基を指す。
【0033】
本明細書で使用するところの「アルキルチオ」なる用語は、アルキル基で置換されたチオール基を指し、一般式:アルキルS-で表すことができる。
【0034】
本明細書で使用するところの「アルキニル」なる用語は、少なくとも1個の三重結合を含む脂肪族基を指し、「非置換アルキニル」及び「置換アルキニル」の両方を含むものとし、後者はアルキニル基の1個以上の炭素原子上の水素を置換した置換基を有するアルキニル部分を指す。かかる置換基は、1個以上の三重結合に含まれるかまたは含まれない1個以上の炭素上にあってよい。更に、かかる置換基には、安定性により使用不可の場合を除いて、上記に述べたようなアルキル基について企図されるすべてのものが含まれる。例えば、1個以上のアルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール基によるアルキニル基の置換が企図される。
【0035】
本明細書で使用するところの「アミド」なる用語は、基:
【0036】
【化3】
【0037】
を指し、各Rは、独立して水素もしくはヒドロカルビル基を表すか、または2個のRは、それらが結合したN原子と共に環構造中に4~8個の原子を有するヘテロ環を形成する。
【0038】
「アミン」及び「アミノ」なる用語は、当該技術分野では認識されているものであり、非置換及び置換アミンならびにそれらの塩、例えば、
【0039】
【化4】
【0040】
で表すことができる部分を指し、ここで、各Rは、独立して、水素またはヒドロカルビル基を表すか、または2個のRが、それらが結合するN原子と共に環構造中に4~8個の原子を有するヘテロ環を形成する。
【0041】
本明細書で使用するところの「アミノアルキル」なる用語は、アミノ基で置換されたアルキル基を指す。
【0042】
本明細書で使用するところの「アラルキル」なる用語は、アリール基で置換されたアルキル基を指す。
【0043】
本明細書で使用するところの「アリール」なる用語には、環の各原子が炭素である置換または非置換の単環式芳香族基が含まれる。好ましくは、該環は、6または10員環であり、より好ましくは6員環である。「アリール」なる用語には、2個の隣接した環で2個以上の炭素が共通している2個以上の環を有する多環式環系も含まれ、環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば他の環はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール及び/またはヘテロシクリルであってよい。アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、及びアニリンなどが挙げられる。
【0044】
「カルバメート」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、基
【0045】
【化5】
【0046】
を指し、各Rは、独立して水素またはアルキル基等のヒドロカルビル基を表すか、またはR同士は、介在する原子(複数可)と共に環構造中に4個~8個の原子を有する複素環を形成する。
【0047】
本明細書で使用するところの「炭素環」及び「炭素環式」なる用語は、環の各原子が炭素である飽和または不飽和環を指す。炭素環なる用語には、芳香族炭素環及び非芳香族炭素環の両方が含まれる。非芳香族炭素環には、すべての炭素原子が飽和したシクロアルカン環、及び少なくとも1個の二重結合を有するシクロアルケン環の両方が含まれる。「炭素環」には、5~7員の単環式及び8~12員の二環式環が含まれる。二環式炭素環のそれぞれの環は、飽和環、不飽和環、及び芳香族環から選択することができる。炭素環には、1個、2個、または3個以上の原子が2個の環で共有された二環式分子が含まれる。「縮合炭素環」なる用語は、環のそれぞれが他方の環と2個の隣接原子を共有する二環式炭素環を指す。縮合炭素環のそれぞれの環は、飽和環、不飽和環、及び芳香族環から選択することができる。例示的な一実施形態では、芳香族環、例えばフェニルが、飽和または不飽和環、例えばシクロヘキサン、シクロペンタン、またはシクロヘキサンと縮合されてよい。価数的に可能であるかぎり、飽和、不飽和、及び芳香族二環式環の任意の組み合わせが炭素環の定義に含まれる。例示的な「炭素環」としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5-シクロオクタジエン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクト-3-エン、ナフタレン、及びアダマンタンが挙げられる。例示的な縮合炭素環としては、デカリン、ナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタン、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン、及びビシクロ[4.1.0]ヘプト-3-エンが挙げられる。「炭素環」は、水素原子を有することができる任意の1つ以上の位置で置換されてよい。
【0048】
「シクロアルキル」基は、完全に飽和した環状炭化水素である。「シクロアルキル」には、単環式及び二環式環が含まれる。一般的に、単環式シクロアルキル基は、特に定義されないかぎり、3個~約10個の炭素原子、より一般的には3個~8個の炭素原子を有する。二環式シクロアルキルの第2の環は、飽和環、不飽和環、及び芳香族環から選択することができる。シクロアルキルには、1個、2個、または3個以上の原子が2個の環で共有された二環式分子が含まれる。「縮合シクロアルキル」なる用語は、環のそれぞれが他方の環と2個の隣接原子を共有する二環式シクロアルキルを指す。縮合二環式シクロアルキルの第2の環は、飽和環、不飽和環、及び芳香族環から選択することができる。「シクロアルケニル」基は、1個以上の二重結合を有する環状炭化水素である。
【0049】
本明細書で使用するところの「カルボシクリルアルキル」なる用語は、カルボシクリル基で置換されたアルキル基を指す。
【0050】
「カーボネート」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、基:-OCO-R(式中、Rはヒドロカルビル基を表す)を指す。
【0051】
本明細書で使用するところの「カルボキシ」なる用語は、式:-COHにより表される基を指す。
【0052】
本明細書で使用するところの「エステル」なる用語は、基:-C(O)OR(式中、Rはヒドロカルビル基を表す)を指す。
【0053】
本明細書で使用するところの「エーテル」なる用語は、酸素を介して別のヒドロカルビル基に結合されたヒドロカルビル基を指す。したがって、ヒドロカルビル基のエーテル置換基は、ヒドロカルビル-O-であり得る。エーテルは、対称的または非対称的であってよい。エーテルの例としては、これらに限定されるものではないが、複素環-O-複素環、及びアリール-O-複素環が挙げられる。エーテルには、一般式:アルキル-O-アルキルにより表すことができる「アルコキシアルキル」基が含まれる。
【0054】
本明細書で使用するところの「ハロ」及び「ハロゲン」なる用語はハロゲンを意味し、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードが含まれる。
【0055】
本明細書で使用するところの「ヘトアラルキル」及び「ヘテロアラルキル」なる用語は、ヘトアリール基で置換されたアルキル基を指す。
【0056】
本明細書で使用するところの「ヘテロアルキル」なる用語は、2個のヘテロ原子が隣接しない、炭素原子と少なくとも1個のヘテロ原子の飽和または不飽和鎖を指す。
【0057】
「ヘテロアリール」及び「ヘトアリール」なる用語には、その環構造が少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1個~4個のヘテロ原子、より好ましくは1個または2個のヘテロ原子を含む、置換または非置換の芳香族単環式構造、好ましくは5~7員環、より好ましくは5~6員環が含まれる。「ヘテロアリール」及び「ヘトアリール」なる用語には、2個の隣接した環で2個以上の炭素が共通している2個以上の環を有する多環式環系も含まれ、環の少なくとも1つはヘテロ芳香族であり、例えば他の環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール及び/またはヘテロシクリルであってよい。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、及びピリミジンなどが挙げられる。
【0058】
本明細書で使用するところの「ヘテロ原子」なる用語は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄である。
【0059】
「ヘテロシクリル」、「複素環」及び「複素環式」なる用語は、その環構造が少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1個~4個のヘテロ原子、より好ましくは1個または2個のヘテロ原子を含む、置換または非置換の非芳香族環構造、好ましくは3~10員環、より好ましくは3~7員環を指す。「ヘテロシクリル」及び「複素環式」なる用語には、2個の隣接した環で2個以上の炭素が共通している2個以上の環を有する多環式環系も含まれ、環の少なくとも1つは複素環式であり、例えば他の環はシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール及び/またはヘテロシクリルであってよい。ヘテロシクリル基としては、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ラクトン、ラクタム等が挙げられる。
【0060】
本明細書で使用するところの「ヘテロシクリルアルキル」または「ヘテロシクロアルキル」なる用語は、ヘテロシクリル基で置換されたアルキル基を指す。
【0061】
本明細書中で使用される「ヒドロカルビル」なる用語は、置換基=Oも置換基=Sも有さず、一般的には少なくとも1個の炭素-水素結合と主として炭素の主鎖を有するがヘテロ原子を含んでもよい、炭素原子を介して結合した基を指す。従って、メチル、エトキシエチル、2-ピリジル、及びトリフルオロメチルなどの基は本発明の目的においてヒドロカルビルとみなされるが、アセチル(結合炭素上に置換基=Oを有する)及びエトキシ(炭素ではなく、酸素を介して結合している)などの基はヒドロカルビルとみなされない。ヒドロカルビル基としては、限定されるものではないが、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びその組み合わせが挙げられる。
【0062】
本明細書で使用するところの「ヒドロキシアルキル」なる用語は、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指す。
【0063】
アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシなどの化学部分とともに使用される場合、「低級」なる用語は、置換基に10個以下、好ましくは6個以下の非水素原子が含まれる基を含むものとする。「低級アルキル」とは例えば、10個以下、好ましくは6個以下の炭素原子を含むアルキル基を指す。ある特定の実施形態では、単独で示されるかまたは例えばヒドロキシアルキル及びアラルキル(その場合、例えばアルキル置換基中の炭素原子を数える際にアリール基中の原子は数えない)といった記載におけるような、他の置換基と組み合わせて示されるかによらず、本明細書で定義されるアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ置換基は、それぞれ低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、または低級アルコキシである。
【0064】
「ポリシクリル」、「多環」、及び「多環式」なる用語は、2個の隣接した環で2個以上の原子が共通している(例えば環が「縮合環」である)2個以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、及び/またはヘテロシクリル)を指す。多環の環のそれぞれは、置換されても非置換でもよい。ある特定の実施形態では、多環のそれぞれの環は、環内に3個~10個、好ましくは5個~7個の原子を含む。
【0065】
「シリル」なる用語は、3個のヒドロカルビル部分が結合したケイ素部分を指す。
【0066】
「置換された」なる用語は、主鎖の1個以上の炭素上の水素を置換している基を有する部分を指す。「置換」または「~で置換された」とは、かかる置換が置換された原子と置換基の可能な価数に基づいたものであり、置換が安定した化合物(例えば、転位、環化、脱離などによって自然に変化しない)を生じるという、暗黙の条件を含むことが理解されよう。本明細書で使用するところの「置換された」なる用語は、有機化合物のすべての可能なる置換基を含むことを企図している。広義の一態様において、可能な置換基には、有機化合物の非環式及び環式、分枝及び非分枝、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族の置換基が含まれる。可能な置換基は、適切な有機化合物について1つ以上であってよく、同じであっても異なっていてもよい。本発明の目的において、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、及び/またはヘテロ原子の価数を満たす本明細書に述べられる有機化合物のあらゆる可能な置換基を有することができる。置換基としては、本明細書に記載の任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、もしくはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテート、もしくはチオフォーメート)、アルコキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を挙げることができる。好ましい実施形態では、置換アルキルの置換基は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン、カルボニル、シアノ、またはヒドロキシルから選択される。さらに好ましい実施形態では、置換アルキルの置換基は、フルオロ、カルボニル、シアノ、またはヒドロキシルから選択される。当業者には、適切であれば、置換基はそれ自体が置換され得る点は理解されよう。特に「非置換」であると断らないかぎり、本明細書において化学部分という場合には置換物が含まれるものと理解される。例えば「アリール」基または部分には、置換物及び非置換物の両方が暗黙のうちに含まれる。
【0067】
「サルフェート」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、基:-OSOH、または薬学的に許容されるその塩を指す。
【0068】
「スルホンアミド」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、一般式:
【0069】
【化6】
【0070】
によって表される基を指し、各Rは、独立して、水素またはアルキル等のヒドロカルビルを表すか、またはR同士は、介在する原子(複数可)と共に環構造中に4個~8個の原子を有する複素環を形成する。
【0071】
「スルホキシド」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、基:-S(O)-R(式中、Rはヒドロカルビルを表す)を指す。
【0072】
「スルホネート」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、基:SOH、または薬学的に許容されるその塩を指す。
【0073】
「スルホン」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、基:-S(O)-R(式中、Rはヒドロカルビルを表す)を指す。
【0074】
本明細書で使用するところの「チオアルキル」なる用語は、チオール基で置換されたアルキル基を指す。
【0075】
本明細書で使用するところの「チオエステル」なる用語は、基:-C(O)SRまたは-SC(O)R(式中、Rはヒドロカルビルを表す)を指す。
【0076】
本明細書で使用するところの「チオエーテル」なる用語はエーテルと等価であるが、ただし酸素が硫黄で置換されたものである。
【0077】
「尿素」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、一般式:
【0078】
【化7】
【0079】
によって表すことができ、各Rは、独立して水素またはアルキル等のヒドロカルビルを表すか、または存在するいずれかのRは、別のRA及び介在する原子(複数可)と共に環構造中に4個~8個の原子を有する複素環を形成する。
【0080】
「保護基」は、分子内の反応性官能基に結合した場合、該官能基の反応性を遮断する、低減する、または抑える原子団を指す。一般的に、保護基は、合成過程において必要に応じて選択的に除去することができる。保護基の例は、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Chemistry,3rd Ed.,1999,John Wiley & Sons,NY、及びHarrison et al.,Compendium of Synthetic Organic Methods,Vols. 1-8,1971-1996,John Wiley & Sons,NYにみることができる。代表的な窒素保護基としては、限定されるものではないが、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、tert-ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(「TES」)、トリチル及び置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、及びニトロ-ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)などが挙げられる。代表的なヒドロキシル保護基としては、ベンジル及びトリチルエーテル等のヒドロキシル基がアシル化(エステル化)またはアルキル化されるもの、ならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル(例えば、TMSまたはTIPS基)、グリコールエーテル、例えば、エチレングリコール及びプロピレングリコール誘導体、ならびにアリルエーテルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0081】
本明細書中で使用するところの、疾患、障害または状態を「予防する」、または「それらの発症のリスクを低減する」治療薬は、統計学的標本において、処置標本における疾患もしくは病態の発生を処置のコントロール標本と比較して低減するか、または疾患、障害または状態の1つ以上の症状の発症を非処理のコントロール標本と比較して遅らせるかもしくはその重症度を低減させる化合物のことを指す。
【0082】
「治療する」なる用語には、予防的及び/または治療的処置が含まれる。「予防的または治療的処置」なる用語は当該技術分野では認識されているものであり、主題組成物の1つ以上をホストに投与することを含む。治療薬が望ましくない状態(例えば疾患またはホスト動物の他の望ましくない状態)の臨床症状が出現する前に投与される場合にはその治療薬は予防的(すなわち、ホストを望ましくない状態の発現から保護する)であるのに対して、望ましくない状態の出現後に投与される場合には治療薬は治療的(すなわち、既存の望ましくない状態またはその副作用を低減、改善、もしくは安定させることを目的とする)である。
【0083】
「共同投与」及び「共同投与される」なる表現は、先に投与された治療化合物が体内で依然有効である間に第2の化合物が投与されるような、複数の異なる治療化合物のあらゆる投与の形態のことを指す(例えば、2つの化合物は患者の体内で同時に有効であり、2つの化合物の相乗効果が含まれ得る)。例えば、それらの異なる治療化合物を、同じ製剤中または別々の製剤中で、同時または順次に投与することができる。ある特定の実施形態では、異なる治療化合物を、互いの1時間、12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、または1週間以内に投与することができる。したがって、かかる治療を受ける個体は、異なる治療化合物の組み合わされた効果から恩恵を受けることができる。
【0084】
「プロドラッグ」なる用語は、生理的条件下で本発明の治療活性を有する化合物に変換される化合物を包含することが意図される。プロドラッグの一般的な製造方法の1つは、生理条件下で加水分解されて所望の分子を生じる1つ以上の選択された部分を含めることである。他の実施形態では、プロドラッグはホスト動物の酵素活性により変換される。例えば、エステルまたは炭酸塩(例えば、アルコールまたはカルボン酸のエステルまたは炭酸塩)は、本発明の好ましいプロドラッグである。ある特定の実施形態では、上記に示した製剤中の本発明の化合物の一部またはすべてのものを、対応する適当なプロドラッグに置き換えることができる(例えば、親化合物中のヒドロキシルをエステルまたはカルボン酸塩として与えるか、または親化合物中に存在するカルボン酸をエステルとして与えるような場合)。
【0085】
本明細書において「小分子」は、分子量約3000ダルトンより小さな有機分子または無機分子のことを指す。一般に、本発明で有用な小分子は、3000ダルトン(Da)未満の分子量を有する。この小分子は、例えば、少なくとも約100Da~約3000Da(例えば、約100~約3000Da、約100~約2500Da、約100~約2000Da、約100~約1750Da、約100~約1500Da、約100~約1250Da、約100~約1000Da、約100~約750Da、約100~約500Da、約200~約1500、約500~約1000、約300~約1000Da、または約100~約250Da)であってよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、「小分子」とは、一般的に約1000未満の分子量を有する有機、無機、または有機金属化合物のことを指す。いくつかの実施形態では、小分子は、1nm台の大きさを有する有機化合物である。いくつかの実施形態では、本発明の小分子薬物は、約1000未満の分子量を有するオリゴペプチド及び他の生体分子を包含する。
【0087】
「有効量」とは、有益なまたは所望の結果をもたらすのに充分な量である。例えば、治療量は所望の治療効果を得る量である。この量は、疾患の発症または疾患症状を予防するために必要な量である予防有効量と同じであっても異なってもよい。有効量は、1回以上の投与、塗布、または用量で投与することができる。ある組成物の治療有効量は、選択される組成物によって決まる。組成物は、1日1回以上~週1回以上投与することができ、1日おきに1回を含む。当業者であれば、限定されるものではないが、疾患または障害の重症度、以前の治療、対象の一般的な健康状態及び/または年齢、ならびに存在する他の疾患を含むある特定の要因が、対象を効果的に治療するうえで必要とされる投与量及びタイミングに影響しうる可能性がある点は認識されよう。更に、治療有効量の本明細書に記載される組成物による対象の治療は、1回の治療または一連の治療を含み得る。
【0088】
本発明の化合物
本発明の一態様は、TRPC5の小分子阻害剤を提供する。
【0089】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、構造式Iの化合物:
【0090】
【化8】
【0091】
(I)
またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
「---」は、単結合または二重結合であり、
は、CHまたはNであり、
「---」が二重結合である場合、X は、CHまたはNであり、
「---」が単結合である場合、Xは、N(CH)であり、
がCHである場合、Xは、NまたはN(CH)であり、
Yは、-O-、-N(CH)-、-N(CHCHOH)-、シクロプロパン-1,1-ジイル、または-CH(CH)-であり、
Qは、2-トリフルオロメチル-4-フルオロフェニル、2-ジフルオロメチル-4-フルオロフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、2-メチル-4-フルオロフェニル、2-クロロ-4-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、1-(ベンジル)-4-メチルピペリジン-3-イル、4-トリフルオロメチルピリジン-3-イル、2-トリフルオロメチル-6-フルオロフェニル、2-トリフルオロメチル-3-シアノフェニル、2-エチル-3-フルオロフェニル、2-クロロ-3-シアノフェニル、2-トリフルオロメチル-5-フルオロフェニル、または2-ジフルオロメチルフェニルであり、
は、水素、-CHOH、-CH(OH)-CHOH、-NH、-CH(OH)CH、-OCH、または-NH-(CHOHであり、「---」が二重結合である場合、Rは存在せず、
「---」が単結合である場合、RとRとは共に=Oを形成し、
及びRのそれぞれは、独立して水素または-CHであり、
ただし、XがN、XがN、Yが-O-または-N(CH)であり、かつQが2-トリフルオロメチルフェニルである場合、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは水素ではないことを条件とする。
【0092】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、構造式II:
【0093】
【化9】
【0094】
(II)
により表される化合物であるか、またはそれらの薬学的に許容される塩であり、式中、
は、クロロ、-CF、-CHF、または-CHであり、
は、水素またはフルオロであり、
は、水素、-NH、-CHOH、またはCH(OH)-CHOHである。
【0095】
いくつかの実施形態では、Rが-CHFである場合、Rは水素ではない。
【0096】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、以下の化合物のいずれか1つ、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0097】
【化10-1】
【0098】
【化10-2】
【0099】
【化10-3】
【0100】
【化10-4】
【0101】
【化10-5】
【0102】
【化10-6】
【0103】
【化10-7】
【0104】
【化10-8】
【0105】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、以下の化合物のいずれか1つ、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0106】
【化11-1】
【0107】
【化11-2】
【0108】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、以下の化合物のいずれか1つ、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0109】
【化12-1】
【0110】
【化12-2】
【0111】
【化12-3】
【0112】
特定の実施形態では、本発明の化合物はラセミ体であってよい。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は一方のエナンチオマーが濃縮されたものとすることができる。例えば、本発明の化合物は、30%超のee(エナンチオマー過剰率)、40%超のee、50%超のee、60%超のee、70%超のee、80%超のee、90%超のeeであってよく、または更には95%以上のeeを有することができる。
【0113】
本発明の化合物は、複数の立体中心を有することができる。したがって、本発明の化合物は、1つ以上のジアステレオマーが濃縮されたものとすることができる。例えば、本発明の化合物は、30%超のde(ジアステレオマー過剰率)、40%超のde、50%超のde、60%超のde、70%超のde、80%超のde、90%超のdeであってよく、または更には95%以上のdeを有することができる。ある特定の実施形態において、本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心において実質的に1つの異性体配置を有し、残りの不斉中心において複数の異性体配置を有する。
【0114】
ある特定の実施形態において、不斉中心のエナンチオマー過剰率は、少なくとも40%ee、50%ee、60%ee、70%ee、80%ee、90%ee、92%ee、94%ee、95%ee、96%ee、98%ee、またはそれ以上のeeである。
【0115】
本明細書で使用される場合、立体化学を用いずに描かれた単結合は、化合物の立体化学を示さない。
【0116】
本明細書で使用される場合、ハッシュ線または太線の非ウェッジ結合は、相対的であり、絶対的ではない、立体化学的配置を示す(例えば、特定のジアステレオマーのエナンチオマー同士を区別しない)。
【0117】
本明細書において使用される場合、ハッシュ線または太線のウェッジ結合は、絶対立体化学配置を示す。
【0118】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。ある特定の実施形態において、本発明の治療用製剤または医薬組成物は、主に化合物の一方のエナンチオマーが濃縮されていてよい。エナンチオマー濃縮された混合物は、例えば少なくとも60mol%、またはより好ましくは少なくとも75、90、95、または更には99mol%の一方のエナンチオマーを含むことができる。ある特定の実施形態では、一方のエナンチオマーを濃縮した化合物は他方のエナンチオマーを実質的に含まず、ここで実質的に含まないとは、例えば組成物または化合物の混合物中の他方のエナンチオマーと比較して、対象とされる物質が、10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満を構成することを意味する。例えば、組成物または化合物混合物が、98グラムの第1のエナンチオマーと2グラムの第2のエナンチオマーを含有する場合、98モルパーセントの第1のエナンチオマーとわずか2%の第2のエナンチオマーを含有すると言われる。
【0119】
ある特定の実施形態では、治療用製剤または医薬組成物は、本発明の化合物の一方のジアステレオマーを主として与えるように濃縮することができる。ジアステレオマー濃縮された混合物は、例えば少なくとも60mol%、またはより好ましくは少なくとも75、90、95、または更には99mol%の一方のジアステレオマーを含むことができる。
【0120】
治療方法
非選択的Ca2+透過性一過性受容体電位(TRP)チャネルは、アクチンリモデリング及び細胞遊走をはじめとする多様な細胞プロセスにおいて細胞内環境に細胞外キューを伝達するセンサーとして機能する(Greka et al.,Nat Neurosci 6,837-845,2003、Ramsey et al.,Annu Rev Physiol 68,619-647,2006、Montell,Pflugers Arch 451,19-28,2005、Clapham,Nature 426,517-524,2003)。アクチン細胞骨格の動的再構成は、時間空間的に調節されたCa2+の流入に依存し(Zheng and Poo,Annu Rev Cell Dev Biol 23,375-404,2007、Brandman and Meyer,Science 322,390-395,2008、Collins and Meyer,Dev Cell 16,160-161,2009)、低分子量GTPアーゼであるRhoA及びRac1がこれらの変化の主要なモジュレーターとして機能している(Etienne-Manneville and Hall,Nature 420,629-635,2002、Raftopoulou and Hall,Dev Biol 265,23-32,2004)。RhoAは、ストレスファイバー及び接着斑形成を誘導し、Rac1はラメリポディア形成を媒介する(Etienne-Manneville and Hall,Nature 420,629-635,2002)。一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーCのメンバー5(TRPC5)は、TRPC6と協調してCa2+流入、アクチンリモデリング、及び腎臓ポドサイト及び線維芽細胞の細胞運動性を調節するように作用する。TRPC5媒介性のCa2+流入がRac1活性を増大させるのに対して、TRPC6媒介性のCa2+流入はRhoA活性を促進する。TRPC6チャネルの遺伝子サイレンシングは、ストレスファイバーを消失させ、斑紋接触を減少させ、運動性、遊走性の細胞表現型をもたらす。これに対して、TRPC5チャネルの遺伝子サイレンシングはストレスファイバー形成を回復させ、収縮性の細胞表現型をもたらす。本明細書に記載される結果は、TRPC5及びTRPC6チャネルがRac1及びRhoAへの結合差異を通じて細胞骨格ダイナミクスの厳密に調節されたバランスを制御する、保存されたシグナル伝達機構を明らかにするものである。
【0121】
Ca2+依存性のアクチン細胞骨格のリモデリングは、細胞の遊走を促進する動的プロセスである(Wei et al.,Nature 457,901-905,2009)。RhoA及びRac1は、遊走細胞における細胞骨格再構成に関与するスイッチとして機能する(Etienne-Manneville and Hall,Nature 420,629-635,2002)、Raftopoulou and Hall,Dev Biol 265,23-32,2004)。Rac1の活性化は、運動性細胞表現型を媒介する一方で、RhoA活性は収縮型表現型を促進する(Etienne-Manneville and Hall,Nature 420,629-635,2002)。Ca2+は、低分子GTPアーゼの制御に中心的な役割を果たしている(Aspenstrom et al.,Biochem J 377,327-337,2004)。Ca2+の空間的及び時間的に制限されたフリッカーは、細胞の移動の前端付近で濃縮される(Wei et al.,Nature 457,901-905,2009)。したがって、Ca2+マイクロドメインは、前端での重要な事象としてRac1活性のローカルバーストを加え合わせている(Gardiner et al.,Curr Biol 12,2029-2034,2002、Machacek et al.,Nature 461,99-103,2009)。現在までに、GTPアーゼ制御に関与するCa2+流入源は、大部分は未解明である。TRP(一過性受容体電位)チャネルは、線維芽細胞及び神経細胞の成長円錐0における細胞遊走にリンクされた時間的及び空間的に限定されたCa2+シグナルを発生する。詳細には、TRPC5チャネルは、ニューロンの成長円錐ガイダンス1の既知の調節因子であり、ニューロンにおけるそれらの活性は、PI3K及びRac1活性に依存している(Bezzerides et al.,Nat Cell Biol 6,709-720,2004)。
【0122】
ポドサイトは、腎臓糸球体の後腎間葉系に由来するニューロン様細胞であり、腎臓濾過装置の形成に不可欠である(Somlo and Mundel, Nat Genet.24,333-335,2000、Fukasawa et al.,J Am Soc Nephrol 20,1491-1503,2009)。ポドサイトは、環境キューに細胞骨格適応の巧妙に洗練されたレパートリーを有している(Somlo and Mundel,Nat Genet 24,333-335,2000、Garg et al.,Mol Cell Biol 27,8698-8712,2007、Verma et al.,J Clin Invest 116,1346-1359,2006、Verma et al.,J Biol Chem 278,20716-20723,2003、Barletta et al.,J Biol Chem 278,19266-19271,2003、Holzman et al.,Kidney Int 56,1481-1491,1999、Ahola et al.,Am J Pathol 155,907-913,1999;Tryggvason and Wartiovaara,N Engl J Med 354,1387-1401,2006、Schnabel and Farquhar,J Cell Biol 111,1255-1263,1990、Kurihara et al.,Proc Natl Acad Sci USA 89,7075-7079,1992)。ポドサイト傷害の初期の事象は、アクチン細胞骨格の制御不能(Faul et al.,Trends Cell Biol 17,428-437,2007、Takeda et al.,J Clin Invest 108,289-301,2001、Asanuma et al.,Nat Cell Biol 8,485-491,2006)及びCa2+ホメオスタシス(Hunt et al.,J Am Soc Nephrol 16,1593-1602,2005、Faul et al.,Nat Med 14,931-938,2008)によって特徴付けられる。これらの変化は、タンパク尿の発症、尿空間へのアルブミンの喪失、及び最終的には腎不全と関連している(Tryggvason and Wartiovaara,N Engl J Med 354,1387-1401,2006)。血管活性ホルモンであるアンジオテンシンIIは、ポドサイトのCa2+流入を誘導し、長期治療はストレスファイバーの喪失をもたらす(Hsu et al.,J Mol Med 86,1379-1394,2008)。Ca2+流入と細胞骨格再構成との関連は認識されているが、細胞の形状と運動性を調節する細胞外キューをポドサイトが感知して伝達する機序は依然、未解明である。TRPカノニカル6(TRPC6)チャネルの変異は、ポドサイト傷害との関連が示されている(Winn et al.,Science 308,1801-1804,2005、Reiser et al.,Nat Genet 37,739-744,2005、Moller et al.,J Am Soc Nephrol 18,29-36,2007、Hsu et al.,Biochim Biophys Acta 1772,928-936,2007)が、このプロセスを制御する特定の経路についてはほとんど知られていない。さらに、TRPC6は、TRPCチャンネルファミリーの他の6つのメンバーと近い相同性を共有している(Ramsey et al.,Annu Rev Physiol 68,619-647,2006、Clapham,Nature 426,517-524,2003)。TRPC5チャネルはTRPC6チャネル活性に拮抗し、異なる低分子GTPアーゼへの結合差異を通じて細胞骨格ダイナミクスの厳密に調節されたバランスを制御する。
【0123】
タンパク尿
タンパク尿は、尿中にタンパク質が存在する病的状態である。アルブミン尿症はタンパク尿の一種である。微量アルブミン尿は、腎臓が少量のアルブミンを尿中に漏出する場合に生じる。適切に機能している身体では、アルブミンは腎臓によって血流中に保持されているため、通常尿中に存在しない。微量アルブミン尿は、24時間の尿採取(20~200μg/分)から、またはより一般的には、少なくとも2回の濃度上昇(30~300mg/L)から診断される。微量アルブミンは糖尿病性腎症の前兆となり得る。これらの値よりも高いアルブミンレベルは顕性アルブミン尿と呼ばれる。例えば、糖尿病性腎症などのある特定の疾患を有する対象は、微量アルブミン尿から顕性アルブミン尿へと進行し、腎疾患が進行期に達すると腎症の範囲(3.5g超/24時間)に達する。
【0124】
タンパク尿の原因
タンパク尿は、巣状分節性糸球体硬化症、IgA腎症、糖尿病性腎症、ループス腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、進行性(半月体形成性)糸球体腎炎、及び膜性糸球体腎炎をはじめとするいくつかの状態を伴い得る。
【0125】
A.巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は、腎臓の濾過システム(糸球体)を攻撃する疾患であり、重篤な瘢痕病変を引き起こす。FSGSは、血液中のタンパク質が尿中に漏出する場合に生じるネフローゼ症候群(タンパク尿)として知られる疾患の多くの原因の1つである。
【0126】
FSGS患者に対して使用できる治療法はほとんどない。多くの患者はステロイドレジメンで治療されているが、その多くが極めて深刻な副作用を有している。一部の患者は、尿中のタンパク質のレベルを下げることが示されている血圧薬だけでなく、免疫抑制剤に積極的に応答することが示されている。これまでのところ、一般的に受け入れられている効果的な治療薬または治療薬はなく、FSGSを治療するためのFDA承認薬は存在していない。したがって、タンパク尿を低減または阻止するより効果的な方法が望ましい。
【0127】
B.IgA腎症
IgA腎症(IgA腎炎、IgAN、ベルガー病、または咽頭炎併発性糸球体腎炎とも呼ばれる)は、糸球体腎炎(腎臓の糸球体の炎症)の1つの形態である。IgA腎症は、世界で最も一般的な糸球体腎炎である。原発性IgA腎症は、糸球体中のIgA抗体の沈着を特徴とする。糸球体のIgA沈着を伴う他の疾患もあり、最も一般的なものは、IgA腎症の全身的な形態であると考えられている、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)である。ヘノッホ・シェーンライン紫斑病は特徴的な紫斑性皮膚発疹、関節炎、及び腹痛を呈し、若年成人(16~35歳)でより一般的に起こる。HSPはIgA腎症よりも良性の予後を伴う。IgA腎症では、20年の期間で症例の25~30%で慢性腎不全への緩慢な進行が見られる。
【0128】
C. 糖尿病性腎症
キンメルスチール・ウィルソン症候群及び係蹄間糸球体腎炎としても知られる糖尿病性腎症は、腎臓糸球体の係蹄の血管障害によって引き起こされる進行性の腎疾患である。糖尿病性腎症は、ネフローゼ症候群及びびまん性糸球体硬化症によって特徴付けられる。糖尿病性腎症は長年の糖尿病によるもので、透析の主な原因である。糖尿病性腎症の経過における最も早期の検出可能な変化は、糸球体の肥厚である。この段階では、腎臓は尿中に通常よりも多くの血清アルブミンを漏出し始める可能性がある。糖尿病性腎症が進行するにつれて、結節性糸球体硬化症によって破壊される糸球体の数が増え、尿中に排出されるアルブミンの量が増加する。
【0129】
D.ループス腎炎
ループス腎炎は、全身性エリテマトーデスの合併症である腎臓障害である。ループス腎炎は、抗体及び補体が腎臓に蓄積する際に生じ、炎症を引き起こす。ループス腎炎はしばしばタンパク尿を引き起こし、急速に腎不全に進行する場合がある。窒素老廃物が血流中に蓄積する。全身性エリテマトーデスは、間質性腎炎をはじめとする、腎臓の内部構造の様々な障害を引き起こす。ループス腎炎は、10,000人中、約3人が罹患する。
【0130】
E.膜性増殖性糸球体腎炎 I/II/III
膜性増殖性糸球体腎炎は、腎糸球体メサンギウムの沈着及び基底膜の肥厚によって引き起こされる糸球体腎炎の一種であり、補体を活性化し、糸球体を損傷する。膜性増殖性糸球体腎炎には3つの種類がある。I型は、腎臓に沈着する免疫複合体によって引き起こされ、古典的補体経路に関連していると考えられている。II型はI型と似ているが、補体代替経路と関連していると考えられている。III型は極めて稀であり、上皮下沈着物とI型疾患の典型的病理所見の組み合わせによって特徴付けられる。
【0131】
F.進行性(半月体形成性)糸球体腎炎
進行性(半月体形成性)糸球体腎炎(PG)は、腎臓の症候群であり、治療を行わずに放置すると、急性腎不全及び数ヶ月以内に死亡に急速に進行する。50%の症例において、PGは、グッドパスチャー症候群、全身性エリテマトーシス、またはウェゲナー肉芽腫症などの基礎疾患を伴っており、残りの症例は特発性である。基礎となる原因にかかわらず、PGは腎臓の糸球体への重大な傷害を伴い、糸球体の多くが特徴的な三日月形の瘢痕を含む。PG患者は、血尿、タンパク尿、場合により高血圧及び浮腫を有する。臨床像はネフローゼ症候群と一致しているものの、タンパク尿の程度はネフローゼ症候群に関連する範囲である3g/24時間を超える場合もある。未治療の疾患は、腎機能の低下に伴う尿量減少(乏尿)に進行する場合がある。
【0132】
G.膜性糸球体腎炎
膜性糸球体腎炎(MGN)は、主に30歳~50歳までの患者、通常は白人が罹患する腎臓の緩徐進行性疾患である。膜性糸球体腎炎はネフローゼ症候群に発展しうる。MGNは循環性免疫複合体によって引き起こされる。現在の研究は、免疫複合体の大部分が糸球体の基底膜に対するインサイチューでの抗原への抗体の結合によって形成されることを示している。上記の抗原は、基底膜に内在するものであるか、または全身循環から沈着するものでありうる。
【0133】
尿タンパク質レベルの測定
尿中のタンパク質レベルは、当該技術分野では周知の方法を用いて測定することができる。最近まで、正確なタンパク質測定には24時間の尿の採取を必要とした。24時間の採取では、患者に容器に排尿してもらい、トイレに行く都度、冷蔵保管する。患者に朝の最初のトイレの後に尿の採取を開始してもらう。その日の残りの尿をすべて容器に採取する。翌朝、患者に起床後の最初の尿を追加してもらい、採取を終了する。
【0134】
最近では、研究者は、単一の尿試料から必要な情報が得られることを見出している。より新しい方法では、尿試料中のアルブミンの量を、正常な筋肉の分解の老廃物であるクレアチニンの量と比較する。この測定値は、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)と呼ばれる。クレアチニン1グラム当たり30ミリグラム(30mg/g)超のアルブミンを含む尿試料は、問題がある可能性があるという警告である。検査機関での検査が30mg/g超である場合、1~2週間後に別のUACR試験を行う必要がある。2番目の検査でも高レベルのタンパク質が示される場合、被験者は腎機能の低下の徴候である持続的なタンパク尿を有しているため、腎臓機能を評価するための更なる検査が必要となる。
【0135】
血中のクレアチニンの量を測定する検査はまた、被験者の腎臓が効率的に老廃物を除去しているかどうかも示す。血中の過剰なクレアチニンは、被験者が腎障害を有している徴候である。医師はクレアチニン測定値を用いて腎臓が血液をどれだけ効率的に濾過しているかを推定することができる。この計算は、推算糸球体濾過量、またはeGFRと呼ばれる。eGFRが毎分60ミリリットル(mL/分)未満である場合、慢性腎疾患である。
【0136】
TRPC5
TRPCは、動物の一過性受容体電位カチオンチャネルの1ファミリーである。TRPC5は、哺乳動物の一過性受容体電位イオンチャネルのTRPCファミリーのサブタイプである。TRPC5の3つの例を下記表1に示す。
【0137】
【表1】
【0138】
Aしたがって、ある特定の実施形態では、本発明は、腎疾患、肺動脈高血圧症、不安、うつ病、がん、糖尿病性網膜症、または疼痛から選択される疾患もしくは状態を治療するかまたはそれらの発症のリスクを低減するための方法を提供し、当該方法は、必要とする対象に治療有効量の本発明の化合物(例えば、構造式Iの化合物)または前記化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0139】
いくつかの実施形態では、疾患は、腎疾患、不安、うつ病、がん、または糖尿病性網膜症である。
【0140】
いくつかの実施形態では、疾患または状態は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、糖尿病性腎症、アルポート症候群、高血圧性腎疾患、ネフローゼ症候群、ステロイド耐性腎症、微小変化群、膜性腎症、突発性膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、免疫複合体媒介性MPGN、補体媒介性MPGN、ループス腎炎、感染後糸球体腎炎、菲薄基底膜病、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、アミロイドーシス(原発性)、c1q腎炎、急速進行性GN、抗GBM疾患、C3糸球体腎炎、高血圧性腎硬化症、またはIgA腎症から選択される腎疾患である。いくつかの実施形態では、腎疾患は、タンパク尿腎疾患である。いくつかの実施形態では、腎疾患は、微量アルブミン尿または顕性アルブミン尿腎疾患である。
【0141】
ある特定の実施形態では、治療される疾患または状態は、肺動脈性高血圧症である。
【0142】
いくつかの実施形態では、治療される疾患または状態は、神経因性疼痛及び内臓性疼痛から選択される疼痛である。
【0143】
いくつかの実施形態では、疾患または状態は、化学療法抵抗性乳癌、アドリアマイシン抵抗性乳癌、化学療法抵抗性大腸癌、髄芽腫、及び腫瘍血管新生から選択されるがんである。
【0144】
本発明はまた、不安、またはうつ病、またはがんを治療するかまたはそれらの発症のリスクを低減する方法であって、必要とする対象に本発明の化合物 (例えば、式Iの化合物)または前記化合物を含む医薬組成物を投与することを含む方法も提供する。
【0145】
いくつかの実施形態では、治療される疾患または状態は、移植関連FSGS、移植関連ネフローゼ症候群、移植関連タンパク尿、胆汁うっ滞性肝疾患、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、肥満、インスリン抵抗性、II型糖尿病、前糖尿病、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である。
【0146】
治療対象
本発明の一態様では、対象は、腎疾患、肺動脈性高血圧、不安、うつ病、がん、糖尿病性網膜症、または疼痛を有するかまたはそれらの発症のリスクを有することに基づいて選択される。別の態様では、対象は、腎疾患、不安、うつ病、がん、または糖尿病性網膜症を有するかまたはそれらの発症のリスクを有することに基づいて選択される。本発明の別の態様では、対象は、疼痛、神経因性疼痛、内臓性疼痛、移植関連FSGS、移植関連ネフローゼ症候群、移植関連タンパク尿、胆汁うっ滞性肝疾患、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、肥満、インスリン抵抗性、II型糖尿病、前糖尿病、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を有するかまたはそれらの発症のリスクを有することに基づいて選択される。
【0147】
タンパク尿を有する、または発症するリスクを有する、またはそれらの発症のリスクを有する対象としては、糖尿病、高血圧、またはある特定の家族的背景を有する者が含まれる。米国では、糖尿病は末期腎疾患(ESRD)の主な原因である。1型と2型糖尿病の両方において、尿中のアルブミンは腎機能低下の最初の徴候の1つである。腎機能が低下するにつれて、尿中のアルブミンの量は増加する。タンパク尿を発症するもう一つの危険因子は高血圧である。高血圧の患者のタンパク尿は、腎機能の低下の指標である。高血圧が制御されていない場合には患者は完全な腎不全に進行する場合がある。アフリカ系アメリカ人は、白人よりも高血圧を生じやすく、血圧が軽度に上昇しただけでも、そこから腎障害を発症しやすい。タンパク尿のリスクを有する他のグループは、アメリカ先住民、ヒスパニック/ラテン系、太平洋諸島系アメリカ人、高齢者、及び過体重の対象である。
【0148】
本発明の一態様では、対象は、タンパク尿を有するかまたは発症するリスクを有することに基づいて選択される。タンパク尿を有するかまたは発症するリスクを有する対象とは、その状態の1つ以上の症状を有する者である。タンパク尿の症状は当該技術分野では周知のものであり、限定されないが尿中の大量のタンパク質を含み、これはトイレで尿が泡立って見える原因となりうる。大量のタンパク質が失われると浮腫が起こり、手、足、腹部、または顔のむくみを生じ得る。これらは、大量のタンパク質損失の徴候であり、腎疾患が進行していることを示す。検査機関での検査が、広範な腎臓障害が生じる前に対象の尿中にタンパク質があるか否かを調べる唯一の方法である。
【0149】
方法は、哺乳動物、例えば、ヒト及び他の動物、例えば、実験動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、もしくはサル、またはペット及び家畜、例えば、ネコ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、もしくはウマなどの様々な対象において有効である。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【実施例0150】
本発明を、下記実施例で更に説明するが、実施例は、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を限定するものではない。
【0151】
実施例1 化合物100の合成
【0152】
【化13】
【0153】
tert-ブチル 4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-クロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(400mg、1.48mmol、1当量)及び4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノール(400.6mg、2.22mmol,1.5当量)をアセトニトリル(10mL)に溶かした攪拌溶液に、DBU(451.5mg、2.97mmol、2.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を80℃で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=2:1)で精製してtert-ブチル 4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキレート(110mg,17.94%)を褐色の固体として得た。
【0154】
4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン
tert-ブチル 4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(110mg,0.27mmol,1当量)をDCM(4 mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL,13.46mmol,50.59当量)を室温で加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(DCM/MeOH=12:1)で精製して4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(50mg,59.98%)を褐色固体として得た。
【0155】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(50mg,0.16mmol,1当量)をDIEA(2 mL)に溶かした攪拌溶液に、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(47.5mg,0.19mmol,1.19当量)を室温で加えた。得られた混合物を100℃で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=2:1)で精製して4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(40mg,47.65%)を褐色固体として得た。
【0156】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(40mg、0.08mmol、1当量)をDCM(4mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL、13.46mmol、177.00当量)を室温で滴下して加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(40mg)を分取HPLCで以下の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=水(10mmol/LのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=7分間で18%Bから47%B、220nm、Rt=6.22分)で精製して、4-クロロ-5-[4-4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(8.6mg、25.59%)を白色固体として得た。
【0157】
実施例2 化合物140の合成
【0158】
【化14】
【0159】
Tert-ブチル 4-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリデン-7-カルボキシレート
4-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン(250mg、1.173mmol、1当量)のTHF(10mL、123.430mmol、105.20当量)溶液に、BocO(512.13mg、2.347mmol、2.00当量)及びTEA(474.90mg、4.693mmol、4当量)を25℃で加えた。溶液を25℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EA 5/1)で精製して、tert-ブチル 4-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-カルボキシレート(210mg、57.15%)を淡黄色油状物として得た。
【0160】
Tert-ブチル 4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリデン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-ブロモ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-カルボキシレート(210mg、0.671mmol、1当量)及び4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノール(241.52mg、1.341mmol、2当量)のDMSO溶液(10mL)に、CsCO(873.86mg、2.682mmol、4当量)、2-(ジメチルアミノ)酢酸(41.46mg、0.402mmol、0.6当量)及びCuI(76.62mg、0.402mmol、0.60当量)を加えた。窒素雰囲気下、120℃で4時間攪拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLCで精製し、PE/EA(5/1)で溶出してtert-ブチル 4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-カルボキレート(100mg、36.17%)を淡黄色固体として得た。
【0161】
4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリデン
tert-ブチル 4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-カルボキシレート(150mg、0.364mmol、1当量)のDCM溶液(10mL、157.300mmol、432.46当量)に、TFA(414.75mg、3.637mmol、10当量)を25℃で加えた。溶液を25℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を次のステップで使用した。
【0162】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン(60mg、0.192mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(47.86mg、0.192mmol、1.00当量)をDIEA(49.67mg、0.384mmol、2当量)に加えた混合物を、N雰囲気下、100℃で2時間攪拌した。残渣を分取TLC(PE/EA=1/1)で精製して4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(100mg、99.15%)を淡黄色固体として得た。
【0163】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(100mg、0.191mmol、1当量)のDCM(10mL、157.300mmol、825.67当量)溶液に、TFA(217.23mg、1.905mmol、10.00当量)を25℃で加えた。溶液を25℃で2時間撹拌した。粗生成物(150mg)を分取HPLCにより以下の条件(カラム:XBridge Shield RP18 OBD カラム30×150mm、5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=7分間で20%Bから40%B、220nm、Rt=6.63分)で精製して、4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(42.9mg,51.09%)を白色固体として得た。
【0164】
実施例3 化合物120の合成
【0165】
【化15】
【0166】
2-ベンジル-5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリデン
2-ベンジル-5-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン(250mg、0.825mmol、1当量)及び2-(ジメチルアミノ)酢酸(170.05mg、1.649mmol、2.00当量)をDMSO(5mL)に加えた攪拌混合物に、4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノール(89.10mg、0.495mmol、0.6当量)及びCuI(94.22mg、0.495mmol、0.6当量)を室温で加えた。次いで、CsCO(1074.59mg、3.298mmol、4当量)を室温で加えた。最終反応混合物に120℃で1時間マイクロ波を照射した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。粗生成物を以下の条件(カラム=XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um;移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=8分間で18%Bから35%B、220nm、Rt=7.12分)で逆相フラッシュにより精製して2-ベンジル-5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン(180mg、54.25%)を褐色固体として得た。
【0167】
5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリデン
2-ベンジル-5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシオキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン(180mg)をMeOH(10mL)に溶かした攪拌溶液に、窒素雰囲気下、室温でPd/C(20mg)を加えた。得られた混合物を水素雰囲気下、室温で5時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(DCM/MeOH 12:1)で精製して5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン(100mg)を褐色固体として得た。
【0168】
4-クロロ-5-[5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-2-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン(100mg、0.320mmol、1当量)をDIEA(0.1mL)に溶かした攪拌溶液に、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(63.81mg、0.256mmol、0.8当量)を室温で加えた。得られた混合物を90℃で1時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。残渣を分取TLC(DCM/MeOH 12:1)で精製して4-クロロ-5-[5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-2-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(130mg、77.34%)を白色固体として得た。
【0169】
4-クロロ-5-[5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-2-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(107mg、0.204mmol、1当量)をDCM(4mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を室温で加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を飽和NaHCO水溶液でpH7に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(50mg)を分取HPLCにより以下の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=8分間で30%Bから50%B、220nm、Rt=7.55分)で精製して、4-クロロ-5-[5-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(60mg、66.78%)を白色固体として得た。
【0170】
実施例4 化合物118の合成
【0171】
【化16】
【0172】
エチル 2-(ベンジルアミノ)プロパノエート
ベンズアルデヒド(8g、75.384mmol、1当量)及びTEA(7.63g、75.384mmol、1当量)をDCE(100mL、1263.149mmol、16.76当量)に溶かした攪拌溶液に、TEA(7.63g、75.384mmol、1当量)及びNaBH(OAc)(31.95g、150.767mmol、2当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。所望の生成物をLCMSによって検出することができた。得られた混合物をDCM(2×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(1×90ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、エチル 2-(ベンジルアミノ)プロパノエート(12g、76.80%)を無色油状物として得た。
【0173】
メチル 4-[ベンジル(1-エトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ]ブタノエート
エチル 2-(ベンジルアミノ)プロパノエート(8g、38.596mmol、1当量)及びメチル 4-オキソブタノエート(4.48g、38.596mmol、1.00当量)をDCE(120mL、1515.779mmol、39.27当量)に溶かした攪拌溶液に、TEA(3.91g、38.596mmol、1当量)及びNaBH(OAc)(16.36g、77.193mmol、2当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。所望の生成物をLCMSによって検出することができた。得られた混合物をDCM(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×90ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮してメチル 4-[ベンジル(1-エトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ]ブタノエート(10g、84.29%)を無色油状物として得た。
【0174】
メチル 1-ベンジル-2-メチル-3-オキソピペリジン-4-カルボキシレート
メチル 4-[ベンジル(1-エトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ]ブタノエート(8g、26.026mmol、1当量)をトルエン(100mL)に溶かした攪拌溶液に、t-BuOK(5.00g、52.051mmol、2当量)を室温で加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。所望の生成物をLCMSにより検出した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EtOAc(5:1から2:1)で溶出してメチル 1-ベンジル-2-メチル-3-オキソピペリジン-4-カルボキシレート(6.5g、95.57%)を白色固体として得た。
【0175】
7-ベンジル-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール
メチル 1-ベンジル-2-メチル-3-オキソピペリジン-4-カルボキシレート(6g、22.960mmol、1当量)をEtOH(80mL、1377.083mmol、59.98当量)に溶かした攪拌溶液に、t-BuONa(4.41g、45.921mmol、2当量)及びメタンイミドアミド塩酸塩 (3.70g、45.921mmol,2.00当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。所望の生成物をLCMSによって検出することができた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EtOAc(3:1から2:1)で溶出して7-ベンジル-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(5g、85.29%)を白色固体として得た。
【0176】
tert-ブチル 4-ヒドロキシ-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
7-ベンジル-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(5g、19.583mmol、1当量)のEtOH(60mL、1032.812mmol、52.74当量)溶液に、BocO(8.55g、39.166mmol、2当量)、CHCOONa(1.81g、23.500mmol、1.2当量)、Pd(OH)/C(275.01mg、1.958mmol、0.1当量)を窒素雰囲気下で加えた。混合物を水素雰囲気下で2時間、室温で水素化し、セライトパッドを通して濾過し、減圧下で濃縮してtert-ブチル 4-ヒドロキシ-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(4.5g、86.61%)を白色固体として得た。
【0177】
tert-ブチル 4-クロロ-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-ヒドロキシ-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(4.5g、16.961mmol、1当量)及びPPh(6.67g、25.442mmol、1.5当量)をDCE(60mL、0.606mmol、0.04当量)に溶かした攪拌溶液に、CCl(5.22g、33.922mmol、2当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。混合物を70℃で2時間撹拌した。所望の生成物をLCMSによって検出することができた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EtOAc(7:1)で溶出してtert-ブチル 4-クロロ-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(4g、83.11%)を白色固体として得た。
【0178】
tert-ブチル 4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-クロロ-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(4g、14.096mmol、1当量)及び2-クロロ-4-フルオロフェノール(2.07g、14.096mmol、1当量)をDMF(50mL)に溶かした攪拌溶液に、KCO(3.90g、28.193mmol、2当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。混合物を70℃で1時間撹拌した。所望の生成物をLCMSによって検出することができた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EtOAc(1:1)で溶出してtert-ブチル 4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(4g、72.05%)を白色固体として得た。
【0179】
4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン
tert-ブチル 4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(4g、1当量)をDCM(20mL)に加えた攪拌溶液に、TFA(4mL)を窒素雰囲気下、室温で滴下して/少量ずつ加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。所望の生成物をLCMSによって検出することができた。得られた混合物を減圧下で濃縮して、4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(2.7 g,90.51%)を灰白色固体として得た。
【0180】
4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(1g、3.404mmol、1当量)をDIEA(1mL)に溶かした攪拌溶液に、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(0.85g、3.404mmol、1当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。混合物を100℃で一晩攪拌した。所望の生成物をLCMSによって検出することができた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EtOAc(1:1から1:2)で溶出して4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(1g、58.01%)を白色固体として得た。
【0181】
4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(1g、1当量)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、窒素雰囲気下、室温でTFA(2mL)を滴下して加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。所望の生成物をLCMSによって検出することができた。得られた混合物を減圧下で濃縮して4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(600mg、71.95%)を白色固体として得た。
【0182】
4-クロロ-5-[(8R)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(250mg、1当量)を、分取キラルHPLC(カラム=CHIRALPAK IG、20×250mm、5um、移動相A=Hex:DCM=3:1(0.1%FA)-HPLC、移動相B=EtOH-HPLC、流量=20mL/分、勾配=19分間で15Bから15B、220/254nm、RT1=13.016、RT2=16.004)により分離して4-クロロ-5-[(8R)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-8-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(144mg、57.60%)を白色固体として得た。
【0183】
実施例5 化合物103の合成
【0184】
【化17】
【0185】
tert-ブチル 4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-クロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(800mg、2.966mmol、1当量)及び2-(ジフルオロメチル)フェニル酢酸(1104.26mg、5.932mmol、2.00当量)をDMF(20mL)に溶かした攪拌溶液に、KCO(1229.72mg、8.898mmol、3当量)を窒素雰囲気下、80℃で少量ずつ加えた。混合物を2時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。反応を室温の水で停止させた。混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=C18シリカゲル、移動相=MeOH水溶液、10分間で10%から50%の勾配、検出器=UV254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert-ブチル 4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(900mg、80.41%)を灰白色固体として得た。
【0186】
4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン
tert-ブチル 4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(900mg、2.385mmol、1当量)をDCMに溶かした攪拌溶液に、3,3,3-トリフルオロプロパン酸(3mL、6.00当量)を室温で滴下して加えた。混合物を1.5時間撹拌した。反応をTLC(PE/EtOAc=10:1)により監視した。残渣を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(100mg)を以下の条件で分取HPLCにより精製して4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(329mg,49.75%)を灰白色固体として得た。
【0187】
4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(328mg、1.183mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(169.05mg、0.679mmol、1.00当量)の攪拌溶液に、DIEA(175.43mg、1.357mmol、2.00当量)を70℃で少量ずつ加えた。混合物を70℃で2時間撹拌した。残渣を以下の条件(カラム=C18シリカゲル、移動相=MeOH水溶液、10分間で10%から50%の勾配、検出器=UV254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(328mg、56.60%)を灰白色固体として得た。
【0188】
4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(328mg、0.670mmol、1当量)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)を室温で滴下して加えた。混合物を真空下で濃縮した。生成物を分取HPLCで精製して4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(256.4mg、94.38%)を灰白色固体として得た。
【0189】
実施例6 化合物117及び117aの合成
【0190】
【化18】
【0191】
エチル 4-[1-フェニルエチル]アミノ]ペンタノエート
1-フェニルエタン-1-アミン(25g、206.300mmol、1当量)及びエチル 4-オキソペンタノエート(29.74 g、206.300mmol、1当量)をDCE(400mL、5052.598mmol、24.49当量)に溶かした攪拌溶液に、NaBH(OAc)(65.59g、309.449mmol、1.5当量)を窒素雰囲気下、25℃で少量ずつ加えた。溶液を25℃で2時間撹拌した。HO(400mL)を0℃で加えて反応を停止した。得られた混合物をDCM(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(3×200ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を次のステップで使用した。
【0192】
エチル 4-[(2-エトキシ-2-オキソエチル)(1-フェニルエチル)アミノ]ペンタノエート
エチル 4-[(1-フェニルエチル)]ペンタノエート(49g、196.508mmol、1当量)及び2-オキソ酢酸エチル(40.12g、392.990mmol、2.00当量)をDCE(500mL、6315.747mmol、32.14当量)に溶かした攪拌溶液に、NaBH(OAc)(62.47g、294.762mmol、1.5当量)を窒素雰囲気下、25℃で少量ずつ加えた。溶液を25℃で2時間撹拌した。HO(400mL)を0℃で加えて反応を停止した。得られた混合物をDCM(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(3×200ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物のエチル 4-(2-エトキシ-2-オキソエチル)(1-フェニルエチル)アミノ]ペンタノエート(57g,86.47%)を次のステップで使用した。
【0193】
エチル 2-メチル-5-オキソ-1-(1-フェニルエチル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-(2-エトキシ-2-オキソエチル)(1-フェニルエチル)アミノ]ペンタノエート(57g、169.924mmol、1当量)のトルエン(500mL、4699.452mmol、27.66当量)溶液に、0℃のポート内でt-BuOK(47.67g、424.810mmol、2.5当量)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EA(50/1から10/1)で溶出してエチル 2-メチル-5-オキソ-1-(1-フェニルエチル)ピペリジン-4-カルボキシレート(29g、58.98%)を黄色油状物として得た。
【0194】
7-(1-シクロヘキシルエチル)-6-メチル-デカヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール
エチル 2-メチル-5-オキソ-1-(1-フェニルエチル)ピペリジン-4-カルボキシレート(10g、34.557mmol、1当量)及びメタンイミダミド塩酸塩(4.17g、51.836mmol、1.50当量)をEtOH(100mL、1721.353mmol、49.81当量)に溶かした溶液に、25℃のポート内でEtONa(5.88g、86.393mmol、2.50当量)を加えた。混合物を90℃で2時間撹拌した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、DCM/MeOH(20/1から10/1)で溶出して7-(1-シクロヘキシルエチル)-6-メチル-デカヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(3.4g、34.96%)を黄色固体として得た。
【0195】
tert-ブチル 4-ヒドロキシ-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
6-メチル-7-(1-フェニルエチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(3.5g、12.994mmol、1当量)、HCOONH(4.10g、65.022mmol、5.00当量)及びBocO(8.51g、38.983mmol、3当量)のEtOH(50mL、860.677mmol、66.23当量)溶液に、Pd(OH)/C(0.36g、2.599mmol、0.2当量)を窒素雰囲気下で加えた。混合物を、水素バルーンを用いて水素雰囲気下、70℃で2時間水素化し、セライトパッドを通して濾過し、減圧下で濃縮した。tert-ブチル4-ヒドロキシ-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(1.8g、52.21%)を黄色固体として得た。
【0196】
tert-ブチル 4-クロロ-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-ヒドロキシ-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(1.8g、6.784mmol、1当量)及び PPh(3.56g、13.569mmol、2当量)のDCE(20mL、252.630mmol、37.24当量)溶液に、CCl(3.13g、20.353mmol、3当量)を25℃で加えた。混合物を70℃で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EA(10/1から1/1)で溶出してtert-ブチル 4-クロロ-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(1.1g、57.14%)を黄色固体として得た。
【0197】
tert-ブチル 4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-クロロ-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(1.1g、3.877mmol、1当量)及び2-クロロ-4-フルオロフェノール(0.85g、5.800mmol、1.50当量)をDMF(15mL、193.826mmol、50.00当量)に加えた溶液に、KCO(1.07g、7.753mmol、2当量)を25℃で加えた。混合物を70℃で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EA(10/1から5/1)で溶出してtert-ブチル 4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(1.2g、78.60%)を黄色固体として得た。
【0198】
4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(800mg、2.724 mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(678.42mg、2.724mmol、1.00当量))をDIEA(704.01mg、5.447mmol、2当量)に加えた混合物を窒素雰囲気下、100℃で16時間撹拌した。残渣を分取TLC(PE/EA 1/1)で精製して、4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(530mg、38.43%)を淡黄色固体として得た。
【0199】
4-クロロ-5-[(6R)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(530mg、1.047mmol、1当量)のDCM(20mL、314.601mmol、300.57当量)溶液に、TFA(1193.47mg、10.467mmol、10当量)を25℃で加えた。溶液を25℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(600mg)を分取HPLCで以下の条件(カラム=XBridge Shield RP18 OBDカラム30×150mm、5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=7分間で20%Bから40%B、220nm、Rt=6.63分)で精製してラセミ体(200mg)を得た。残渣(200mg)を以下の条件(カラム=CHIRALPAK IE、2×25cm、5um、移動相A=MTBE(0.1%FA)-HPLC、移動相B=IPA-HPLC、流量=18mL/分;勾配=15分間で20Bから20B、220/254nm)で、キラル分取HPLCで精製した。この方法により2つの異性体同士が分離されたが、絶対配向は決定されなかった。4-クロロ-5-[(6S)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(60.9mg、13.78%)をとして指定された化合物を、9.688分に白色固体として得た。4-クロロ-5-[(6R)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-6-メチル-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(61.5mg、13.92%)として指定された化合物を、11.813分に白色固体として得た。
【0200】
実施例7 化合物134の合成
【0201】
【化19】
【0202】
tert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリミド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノール(5.33g、32.879mmol、2.00当量)及びtert-ブチル 2,4-ジクロロ-5H、6H、7H、8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(5g、16.438mmol、1当量)をDMF(30mL)に溶かした攪拌溶液に、NaHCO(4.14g、49.282mmol、3.00当量)を室温で加えた。溶液を70℃で0.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、100分間で70%Bから95%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を92%Bで回収し、減圧下で濃縮してtert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリミド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレートの固形分(2.100g)を灰白色固体として得た。
【0203】
7-tert-ブチル 2-メチル 4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,7-ジカルボキシレート
tert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(400mg、0.931mmol、1当量)及びTEA(188.34mg、1.861mmol、2当量)のMeOH(15mL、370.484mmol、398.10当量)溶液に、Pd(PPh(107.54mg、0.093mmol、0.1当量)を圧力槽内で加えた。混合物を窒素で1時間パージしてから100℃の一酸化炭素で16時間、10気圧に加圧した。反応混合物を室温に冷却し、濾過して不溶性固体を除去した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で35%Bから65%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を62%Bで回収し、減圧下で濃縮して7-tert-ブチル 2-メチル 4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,7-ジカルボキシレート(100mg、23.70%)を無色油状物として得た。
【0204】
tert-ブチル 4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
7-tert-ブチル 2-メチル 4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,7-ジカルボキシレート(100mg、0.221mmol、1当量)をt-BuOH(6mL、63.139mmol、286.29当量)に溶かした攪拌溶液に、NaBH(16.69mg、0.441mmol、2当量)を室温で加えた。溶液を70℃で3時間撹拌した。混合物に水(3mL)を加えた。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で45%Bから80%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を74%Bで回収し、減圧下で濃縮してtert-ブチル 4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(35mg、37.30%)を無色油状物として得た。
【0205】
[4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]メタノール
tert-ブチル 4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(35mg)をDCM(6mg)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mg)を室温で加えた。溶液を室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で25%Bから55%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を41%Bで回収し、減圧下で濃縮して[4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]メタノール(20mg)を無色油状物として得た。
【0206】
4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
25mL丸底フラスコに[4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]メタノール(20mg、0.061mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(15.31mg、0.061mmol、1当量)を室温で加えた。混合物にDIEA(15.89mg、0.123mmol、2当量)を室温で加えた。混合物を90℃で2時間撹拌した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で35%Bから70%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を65%Bで回収し、減圧下で濃縮して4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(30mg、90.71%)を無色油状物として得た。
【0207】
4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(30mg)のDCM(5mL)溶液に、TFA(1mL)を室温で加えた。溶液を室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(30mg)を分取HPLCで以下の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=規定せず、移動相B=規定せず、流量=60mL/分、勾配=8分間で20%Bから40%B、220nm、Rt=7.22分)で精製して、4-クロロ-5-[4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノキシ]-2-(ヒドロキシメチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(8.7mg)を白色固体として得た。
【0208】
化合物128、125、114は、合成の最初のステップで2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノールの代わりに、2-トリフルオロメチルフェノール、4-フルオロ-2-トリフルオロメチルフェノール及び4-フルオロ-2-クロロフェノールをそれぞれ用いて、本実施例に記載の方法及びスキームにより調製した。
【0209】
実施例8 化合物112の合成
【0210】
【化20】
【0211】
tert-ブチル 2-クロロ-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 2,4-ジクロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(800mg、2.630mmol、1当量)及び2-クロロ-4-フルオロフェノール(578.16mg、3.945mmol、1.50当量)をDMF(15mL)に溶かした攪拌混合物に、KCO(726.99mg、5.260mmol、2.00当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、70℃で0.5時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EtOAc(30/1から10/1)で溶出してtert-ブチル 2-クロロ-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(1g、91.78%)を黄色油状物として得た。
【0212】
tert-ブチル 4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-2-[[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 2-クロロ-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(700mg、1.690mmol、1当量)をTHF(30mL)に溶かした攪拌混合物に、1-(4-メトキシフェニル)メタンアミン(1159.02mg、8.449mmol、5.00当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、60℃で16時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=C18シリカゲル、移動相=アセトニトリル水溶液、20分間で60%から95%の勾配、検出器=UV220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert-ブチル 4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-2-[[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(350mg、40.22%)を黄色固体として得た。
【0213】
4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン
tert-ブチル 4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-2-[[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(350mg、1当量)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を室温で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=XBridge Shield RP18 OBDカラム、5um、19×150mm、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=25mL/分、勾配=1分間で2%Bから32%B、220/254nm、Rt=7.08分)で分取HPLCにより精製して4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン(260mg)を黄色固体として得た。
【0214】
4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-2-[[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
50mL丸底フラスコに4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン(260mg、0.627mmol、1当量)、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(156.11mg、0.627mmol、1.00当量)及びDIEA(242.99mg、1.880mmol、3.00当量)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、90℃で2時間撹拌した。残渣を以下の条件(カラム=C18シリカゲル、移動相=アセトニトリル水溶液、25分間で50%から85%の勾配、検出器=UV220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-2-[[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(350mg、89.00%)を黄色固体として得た。
【0215】
5-[2-アミノ-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-4-クロロ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-2-[[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(200 mg)をTFA(8mL、107.704 mmol、328.23当量)に溶かした攪拌溶液に。最終反応混合物に80℃で2時間マイクロ波を照射した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をDCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=8分間で25%Bから40%B、220nm、Rt=7.35分)で分取HPLCにより精製して、5-[2-アミノ-4-(2-クロロ-4-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-4-クロロ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(52.4mg)を淡黄色固体として得た。
【0216】
化合物113、116、及び102は、合成の最初のステップで2-クロロ-4-フルオロフェノールの代わりに、2-クロロフェノール、4-フルオロ-2-トリフルオロメチルフェノール、2-トリフルオロフェノールをそれぞれ用いて、本実施例に記載の方法及びスキームにより調製した。
【0217】
実施例9 化合物129及び130の合成
【0218】
【化21】
【0219】
1-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]エタン-1-オン
tert-ブチル 2-クロロ-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(600mg、1.340mmol、1当量)及びトリブチル(1-エトキシエテニル)スタンナン(967.80g、2.680mmol、2.00当量)をトルエン(10mL)に加えた混合物に、Pd(PPh(77.41mg、0.067mmol、0.05当量)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた混合物を110℃で4時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。tert-ブチル 2-(1-エトキシエテニル)-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(700mg、108.06%)を黄色油状物として得た。得られた粗混合物を更なる精製を行わずに次のステップで直接使用した。
【0220】
tert-ブチル 2-(1-エトキシエテニル)-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(1g、2.068mmol、1当量)をDCM(5mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(3.33mL、29.239mmol、21.70当量)を室温で加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物/残渣を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で43%Bから55%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を50%Bで回収し、減圧下で濃縮して1-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]エタン-1-オン(750mg、102.06%)を淡黄色固体として得た。
【0221】
5-[2-アセチル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-4-クロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
50mL丸底フラスコに1-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]エタン-1-オン(750mg、2.111mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(525.81mg、2.111mmol、1.00当量)を室温で加えた。上記混合物にDIEA(818.47mg、6.333mmol、3.00当量)を加えた。得られた混合物を100℃で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で60%Bから85%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を80%Bで回収し、減圧下で濃縮して5-[2-アセチル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-4-クロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(230mg、19.18%)を淡黄色油状物として得た。
【0222】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-(1-ヒドロキシエチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
5-[2-アセチル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-4-クロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(230mg、0.405mmol、1当量)のMeOH(10mL)撹拌溶液に、NaBH(30.64mg、0.810mmol、2.00当量)を窒素雰囲気下、0℃で少量ずつ加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=1:1)で精製して4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-(1-ヒドロキシエチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(120mg、51.99%)を淡黄色油状物として得た。
【0223】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-[(1S)-1-ヒドロキシエチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン及び4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-(1-ヒドロキシエチル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(120mg、0.211mmol、1当量)をDCM(5mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(2.00mL、17.541mmol、127.89当量)を室温で滴下して加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。残渣を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、25分間で40%Bから80%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を55%Bで回収し、減圧下で濃縮した。粗生成物(50mg)を以下の条件(カラム=CHIRALPAK IE、2×25cm、5um、移動相A=ヘキサン(0.1%FA)-HPLC、移動相B=EtOH-HPLC、流量=16mL/分、勾配=33分間で30Bから30B、220/254 nm、RT1=26.219、RT2=29.589)でChiral分取HPLCにより精製した。この方法により2つの異性体同士が分離されたが、絶対配向は決定されなかった。4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-[(1S)-1-ヒドロキシエチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オンとして指定される化合物(27.1mg)を29.589分に灰白色固体として得た。4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オンとして指定される化合物(22.6mg)を26.219分に灰白色固体として得た。
【0224】
化合物119は、tert-ブチル 2-クロロ-4-[4-フルオロ-2-クロロフェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレートを出発物質として使用し、本実施例に記載される方法及びスキームにより調製した。
【0225】
化合物122及び123は、tert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレートを出発物質として使用し、本実施例に記載される方法及びスキームにより調製した。この場合もやはり、これらの分離された異性体の絶対配向は決定されず、(S)または(R)の指定は任意である。
【0226】
実施例10 化合物115の合成
【0227】
【化22】
【0228】
tert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 2,4-ジクロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(2g、6.58mmol、1当量)及び 2-(トリフルオロメチル)フェノール(1.6g、9.86mmol、1.5当量)をアセトニトリル(20mL)に溶かした攪拌溶液に、DBU(2.0g、13.15mmol、2当量)を室温で加えた。溶液を室温で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=10:1)で精製してtert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(700mg,24.77%)を無色油状物として得た。
【0229】
tert-ブチル 2-([2-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル]アミノ)-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、1.163mmol、1当量)のTHF(15mL)溶液に、(2-アミノエトキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(1019.89mg、5.816mmol、5.00当量)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた混合物を50℃で16時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=3/1)により精製してtert-ブチル 2-([2-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル]アミノ)-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(440mg、66.51%)を淡黄色油状物として得た。
【0230】
2-([4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]アミノ)エタン-1-オール
tert-ブチル 2-([2-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル]アミノ)-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(440mg、0.774mmol、1当量)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(3mL、40.389mmol、52.20当量)を室温で加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=C18シリカゲル、移動相=ACN水溶液、15分間で40%から60%の勾配、検出器=UV254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して2-([4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]アミノ)エタン-1-オール(220mg)を淡黄色油状物として得た。
【0231】
4-クロロ-5-[2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
50mL丸底フラスコに2-([4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]アミノ)エタン-1-オール(220mg、0.621mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(154.66mg、0.621mmol、1.00当量)を室温で加えた。上記混合物にDIEA(240.74mg、1.863mmol、3.00当量)を加えた。得られた混合物を100℃で2時間撹拌した。反応をLCMSによって監視した。混合物を室温まで冷却させた。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=ACN、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で45%Bから60%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を55%Bで回収し、減圧下で濃縮して4-クロロ-5-[2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(210mg、59.66%)を黄色固体として得た。
【0232】
4-クロロ-5-[2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(200mg、0.353mmol、1当量)をDCM(5mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(2mL)を室温で加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=規定せず、移動相B=規定せず、流量=60mL/分、勾配=8分間で25%Bから50%B、220nm、Rt=7.67分)で分取HPLCにより精製して、4-クロロ-5-[2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(106.3mg)を白色固体として得た。
【0233】
実施例11 化合物138及び139の合成
【0234】
【化23】
【0235】
7-ベンジル-2-クロロ-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン
4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノール(1469.32 mg、8.158mmol、1.20当量)及び7-ベンジル-2,4-ジクロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(2000mg、6.799mmol、1当量)をDMF(20mL)に溶かした攪拌溶液に、KCO(1879.20mg、13.597mmol、2当量)を室温で加えた。溶液を70℃で0.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのTFA)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で70%Bから95%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を95%Bで回収し、減圧下で濃縮して7-ベンジル-2-クロロ-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(2331mg、78.31%)を灰白色固体として得た。
【0236】
7-ベンジル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-オン
7-ベンジル-2-クロロ-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(2g、4.568mmol、1当量)をHAc(10mL、174.515mmol、38.20当量)及びHO(1mL、55.508mmol、12.15当量)に溶かした溶液を、N雰囲気下、140℃で10時間攪拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EA=1/1)で精製して7-ベンジル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-オン(530mg,27.67%)を淡黄色固体として得た。
【0237】
4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-オン
7-ベンジル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-オン(530mg、1.264mmol、1当量)のMeOH(10mL、246.989mmol、195.44当量)溶液に、Pd/C(268.98mg、2.528mmol、2当量)を窒素雰囲気下で加えた。混合物を、水素バルーンを用いて水素雰囲気下、室温で4時間水素化し、セライトパッドを通して濾過し、減圧下で濃縮した。4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-オン(430mg、103.34%)を淡黄色固体として得た。
【0238】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-オキソ-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-オン(430mg、1.306mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(357.84mg、1.437mmol、1.1当量))をDIEA(337.58mg、2.612mmol、2.00当量)に加えた混合物を、N雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。残渣を分取TLC(PE/EA=1/1)で精製して4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-オキソ-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(210mg、29.67%)を淡黄色固体として得た。
【0239】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1-メチル-2-オキソ-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン及び4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-メトキシ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-オキソ-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(90mg、0.166mmol、1当量)及びNaHCO(27.90mg、0.332 mmol、2当量)のDMF(10mL、129.218mmol、778.02当量)溶液に、CHI(47.15mg、0.332mmol、2.00当量)を窒素雰囲気下、0℃で滴下して加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EA=0/1)により精製して4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1-メチル-2-オキソ-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(60mg、64.99%)及び4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-メトキシ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(15mg)を淡黄色固体として得た。
【0240】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1-メチル-2-オキソ-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1-メチル-2-オキソ-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(60mg、0.108mmol、1当量)のDCM(10mL、157.300mmol、1457.41当量)溶液に、25℃でTFA(123.07mg、1.079mmol、10当量)を加えた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(100mg)を分取HPLCにより以下の条件(カラム:XBridge Shield RP18 OBD カラム30×150mm、5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=7分間で20%Bから40%B、220nm、Rt=6.63分)で精製して、4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1-メチル-2-オキソ-1H,2H,5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(29.3mg、57.54%)を白色固体として得た。
【0241】
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-メトキシ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-メトキシ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(15mg、0.027mmol、1当量)のDCM(5mL、78.650mmol、2914.83当量)溶液に、TFA(30.77mg、0.270mmol、10当量)を 25℃で加えた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(20mg)を分取HPLCにより以下の条件(カラム:XBridge Shield RP18 OBD カラム30×150mm、5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=7分間で20%Bから40%B、220nm、Rt=6.63分)で精製して、4-クロロ-5-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-メトキシ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(7.5mg、58.91%)を白色固体として得た。
【0242】
実施例12 化合物110の合成
【0243】
【化24】
【0244】
tert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 2,4-ジクロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(2g、6.58mmol、1当量)及び 2-(トリフルオロメチル)フェノール(1.6g、9.86mmol、1.5当量)をアセトニトリル(20mL)に溶かした攪拌溶液に、DBU(2.0g、13.15mmol、2当量)を室温で加えた。溶液を室温で4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=10:1)で精製してtert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(700mg、24.77%)を無色油状物として得た。
【0245】
tert-ブチル 2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 2-クロロ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(1g、2.327mmol、1当量)のMeOH(20mL、493.978mmol、212.32当量)溶液にNaOMe(0.25g、0.005mmol、2当量)を25℃で加えた。混合物を25℃で4時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EA(10/1から1/1)で溶出してtert-ブチル 2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(100mg、10.10%)を淡黄色固体として得た。
【0246】
2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン
tert-ブチル 2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(100mg、0.235mmol、1当量)のDCM(10mL)溶液に、TFA(268.03mg、2.351mmol、10当量)を25℃で加えた。溶液を25℃で4時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(150mg)を分取HPLCにより以下の条件(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム30×150mm、5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=7分間で20%Bから40%B、220nm、Rt=6.63分)で精製して、2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(80mg、104.62%)を淡黄色固体として得た。
【0247】
4-クロロ-5-[2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(80mg、0.246mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(61.26mg、0.246mmol、1当量)のDIEA(63.57mg、0.492mmol、2.00当量)溶液を窒素雰囲気下、100℃で2時間攪拌した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EA(5/1から1/1)で溶出して4-クロロ-5-[2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(120mg、90.71%)を淡黄色固体として得た。
【0248】
4-クロロ-5-[2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(120mg、0.223mmol、1当量)のDCM(5mL、78.650mmol、352.56当量)溶液に、TFA(254.36mg、2.231mmol、10.00当量)を25℃で加えた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(150mg)を分取HPLCにより以下の条件(カラム:XBridge Shield RP18 OBD カラム30×150mm、5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=7分間で20%Bから40%B、220nm、Rt=6.63分)で精製して、4-クロロ-5-[2-メトキシ-4-[2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(24.1mg、23.81%)を白色固体として得た。
【0249】
実施例13 化合物108の合成
【0250】
【化25】
【0251】
tert-ブチル 4-(3-ブロモ-2-クロロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-クロロ-5H、6H、7H、8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、1.854mmol、1当量)及び 3-ブロモ-2-クロロフェノール(461.46mg、2.224mmol、1.20当量)をDMF(10mL)に溶かした攪拌溶液に、KCO(512.38mg、3.707mmol、2当量)を加えた。得られた混合物を70℃で1時間撹拌した。混合物を以下の条件(球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=55分間で20%Bから60%B、254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を40%Bで回収し、減圧下で濃縮した。これにより、tert-ブチル 4-(3-ブロモ-2-クロロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(300mg、36.72%)を灰白色固体として得た。
【0252】
tert-ブチル 4-(2-クロロ-3-シアノフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-(3-ブロモ-2-クロロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(450mg、1.021mmol、1当量)及び亜鉛ジカルボニトリル(143.87mg、1.225mmol、1.20当量)をDMF(5mL)に溶かした攪拌溶液に、Pd(PPh(117.99mg、0.102mmol、0.1当量)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、120℃で2時間撹拌した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、180g、移動相A=水(5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=45mL/分、勾配=55分間で10%Bから60%Bの勾配、=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を40%Bで回収し、減圧下で濃縮した。これにより、tert-ブチル 4-(2-クロロ-3-シアノフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(280mg、70.89%)を淡黄色固体として得た。
【0253】
2-クロロ-3-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イルオキシ]ベンゾニトリル
tert-ブチル 4-(2-クロロ-3-シアノフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(100mg、0.259mmol、1当量)をDCM(3mL)に溶かした攪拌溶液にTFA(1mL)を加えた。得られた混合物を空気雰囲気下、室温で2時間攪拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NHHCO水溶液でpH7に塩基性化した。混合物を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、180g、移動相A=水(5mMのNH4HCO3)、移動相B=アセトニトリル、流量=45mL/分、勾配=30分間で30%Bから60%Bの勾配、254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を45%Bで回収し、減圧下で濃縮した。これにより2-クロロ-3-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イルオキシ]ベンゾニトリル(60mg、80.95%)を淡黄色油状物として得た。
【0254】
2-クロロ-3-([7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ)ベンゾニトリル
tert-ブチル 4-(2-クロロ-3-シアノフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(60mg、0.155mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(38.63mg、0.155mmol、1.00当量)をDIEA(40.09mg、0.310mmol、2当量)に溶かした攪拌溶液。得られた混合物を空気雰囲気下、100℃で何時間も撹拌した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=1:1)で精製して2-クロロ-3-([7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ)ベンゾニトリル(50mg、64.56%)を淡黄色固体として得た。
【0255】
2-クロロ-3-[[7-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ]ベンゾニトリル
2-クロロ-3-([7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ)ベンゾニトリル(50mg、0.100mmol、1当量)をDCM(3mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NHCO水溶液でpH7に塩基性化した。粗生成物を以下の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=8分間で20%Bから42%B、220nm、Rt=7.58分)で分取HPLCにより精製して、2-クロロ-3-[[7-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ]ベンゾニトリル(14.5mg、34.88%)を灰白色固体として得た。
【0256】
実施例14 化合物111の合成
【0257】
【化26】
【0258】
tert-ブチル 4-[3-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-クロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(180mg、0.667mmol、1当量)及び3-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)フェノール(241.25mg、1.001mmol、1.50当量)をDMF(10mL)に加えた攪拌混合物に、CsCO(434.86mg、1.335mmol、2.00当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、70℃で0.5時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=C18シリカゲル、移動相=アセトニトリル水溶液、30分間で40%から85%の勾配、検出器=UV220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert-ブチル 4-[3-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(150mg、47.39%)を黄色油状物として得た。
【0259】
tert-ブチル 4-[3-シアノ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-[3-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(150mg、0.316mmol、1当量)及びZn(CN)(111.43mg、0.949mmol、3.00当量)をDMF(8mL)に加えた攪拌混合物に、Pd(PPh(36.55mg、0.032mmol、0.1当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。最終反応混合物に150℃で3時間マイクロ波を照射した。反応をLCMSにより監視した。残渣を以下の条件(カラム=C18シリカゲル、移動相=アセトニトリル水溶液、30分間で40%から95%の勾配、検出器=UV220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert-ブチル 4-[3-シアノ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(70mg、52.65%)を黄色油状物として得た。
【0260】
3-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イルオキシ]-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
tert-ブチル 4-[3-シアノ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(70mg)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を室温で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=C18シリカゲル、移動相=アセトニトリル水溶液、20分間で30%から60%の勾配、検出器=UV220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して3-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イルオキシ]-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(40mg)を黄色油状物として得た。
【0261】
3-([7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ)-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
25mL丸底フラスコに3-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イルオキシ]-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(40mg、0.125mmol、1当量)、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2、3-ジヒドロピリダジン-3-オン(62.22mg、0.250mmol、2.00当量)及びDIEA(48.42mg、0.375mmol、3.00mmol、3.000当量)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、90℃で16時間撹拌した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=5/1)で精製して3-([7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ)-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(50mg、75.12%)を黄色油状物として得た。
【0262】
3-[[7-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ]-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
3-([7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ)-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(50mg)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を室温で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=8分間で25%Bから45%B、220nm、Rt=7.07分)で分取HPLCにより精製して、3-[[7-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]オキシ]-2-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(10.8mg)を白色固体として得た。
【0263】
実施例15 化合物126及び126aの合成
【0264】
【化27】
【0265】
N-[(1E)-1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-4-メチルベンゼン-1-スルホノヒドラジド
1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エタン-1-オン(2g、9.702mmol、1当量)をEtOH(40mL)に溶かした攪拌溶液に、4-メチルベンゼン-1-スルホノヒドラジド(1.81g、9.719mmol、1.00当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、90℃で6時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのAcOH)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で45%Bから70%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を60%Bで回収し、減圧下で濃縮してN-[(1E)-1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-4-メチルベンゼン-1-スルホノヒドラジド(2.5g、68.83%)を白色固体として得た。
【0266】
tert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エテニル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-クロロ-5H、6H、7H、8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(750mg、2.781mmol、1当量)及び N-[(1E)-1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-4-メチルベンゼン-1-スルホノヒドラジド(2081.80 mg、5.561mmol、2.00当量)を1,4-ジオキサン(20mL)に加えた攪拌混合物に、Pd(アセトニトリル)Cl(72.14mg、0.278mmol、0.10当量)、Dppf(307.18 mg、0.556mmol、0.2当量)及びt-BuOLi(489.71mg、6.117mmol、2.20当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。最終反応混合物に100℃で2時間マイクロ波を照射した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(2×50mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのAcOH)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、30分間で50%Bから90%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を85%Bで回収し、減圧下で濃縮してtert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エテニル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(800mg、67.95%)を褐色油状物として得た。
【0267】
tert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
100mL丸底フラスコ中で、tert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エテニル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(150mg)のMeOH(30mL)溶液に、窒素雰囲気下でPd/C(10%、30mg)を加えた。混合物を、水素バルーンを用いて水素雰囲気下、室温で4時間水素化し、セライトパッドを通して濾過し、減圧下で濃縮した。これにより、tert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(150mg)を黄色油状物として得た。
【0268】
4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン
tert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(150mg)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を室温で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×30ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、120g、移動相A=水(+5mMのAcOH)、移動相B=アセトニトリル、流量=45mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、15分間で40%Bから58%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を53%Bで回収し、減圧下で濃縮して4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(100mg)を黄色油状物として得た。
【0269】
4-クロロ-5-(4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
50mL丸底フラスコに4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(100mg、0.307mmol、1当量)、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(91.88mg、0.369mmol、1.20当量)及びDIEA(119.19mg、0.922mmol、3.00当量)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、90℃で2時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、120g、移動相A=水(+5mMのAcOH)、移動相B=アセトニトリル、流量=45mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、15分間で40%Bから60%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を53%Bで回収し、減圧下で濃縮して4-クロロ-5-(4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(120mg、72.57%)を黄色油状物として得た。
【0270】
4-クロロ-5-[4-[(1S)-1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン及び4-クロロ-5-[4-[(1R)-1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-(4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(200mg)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を室温で滴下して加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=XBridge分取フェニルOBDカラム 19×150mm 5um 13nm、移動相A:移動相B:流量=60mL/分、勾配=8分間で20%Bから37%B、220nm、Rt=7.97分)でキラル分取HPLCにより精製した。この方法により2つの異性体同士が分離されたが、絶対配向は決定されなかった。4-クロロ-5-[4-[(1S)-1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オンとして指定される化合物(11.8mg)を1.819分に灰白色固体として得た。4-クロロ-5-[4-[(1R)-1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オンとして指定される化合物(13.5mg)を、2.470分に白色固体として得た。
【0271】
実施例16 化合物133の合成
【0272】
【化28】
【0273】
tert-ブチル 4-[メチル[(3R,4R)-4-メチルピペリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
25mL丸底フラスコに(3R,4R)-1-ベンジル-N,4-ジメチルピペリジン-3-アミン(2.43g、0.011mmol、1.50当量)及びtert-ブチル 4-クロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(2g、0.007mmol、1当量)を室温で加えた。混合物にDIEA(1.92g、0.015mmol、2.00当量)を室温で加えた。混合物を100℃で2時間撹拌した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=1:1)で精製してtert-ブチル 4-[メチル[(3R,4R)-4-メチルピペリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(670mg、25.00%)を灰白色固体として得た。
【0274】
(3R,4R)-1-ベンジル-N,4-ジメチル-N-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペリジン-3-アミン
tert-ブチル 4-[[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチルピペリジン-3-イル](メチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(413mg、0.914mmol、1当量)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL、0.026mmol、6.00当量)を0℃で滴下して加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。溶液を減圧下で濃縮した。粗生成物(362mg)を以下の条件(カラム=XBridge Shield RP18 OBD カラム 5um、19×150mm、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=25分間で30%Bから80%B、220nm、Rt=21.65分)で分取HPLCにより精製して、(3R,4R)-1-ベンジル-N,4-ジメチル-N-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペリジン-3-アミン(250mg、77.77%)で赤色油状物として得た。
【0275】
5-(4-[[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチルピペリジン-3-イル](メチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-4-クロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
25mL丸底フラスコに(3R,4R)-1-ベンジル-N,4-ジメチル-N-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペリジン-3-アミン(263mg、0.748mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(186.38mg、0.748mmol、1.00当量)を室温で加えた。混合物にDIEA(193.41mg、1.261mmol、2当量)を室温で加えた。混合物を100℃で2時間撹拌した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、30分間で45%Bから95%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を85%Bで回収し、減圧下で濃縮して5-(4-[[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチルピペリジン-3-イル](メチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-4-クロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(245mg、58.04%)を灰白色固体として得た。
【0276】
5-(4-[[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチルピペリジン-3-イル](メチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-4-クロロ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
5-(4-[[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチルピペリジン-3-イル](メチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-4-クロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(88mg、1当量)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL、0.026mmol、6.00当量)を0℃で滴下して加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのTFA)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、30分間で33%Bから95%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を90%Bで回収し、減圧下で濃縮して5-(4-[[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチルピペリジン-3-イル](メチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-4-クロロ-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(33.5mg、44.74%)を灰白色固体として得た。
【0277】
化合物133aは、(3R,4R)-1-ベンジル-N,4-ジメチルピペリジン-3-アミンの代わりに(3S,4S)-1-ベンジル-N、4-ジメチルピペリジン-3-アミンを用いて本実施例に記載の方法及びスキームにより調製した。
【0278】
実施例17 化合物136の合成
【0279】
【化29】
【0280】
tert-ブチル 4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)アニリン(6.64g、37.074mmol、2当量)、tert-ブチル 4-クロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(5g、18.537mmol、1当量)、Pd(AcO)(0.83g、3.707mmol、0.2当量)、キサントホス(4.29g、7.415mmol、0.4当量)及びCsCO(12.08g、37.074mmol、2当量)を1,4-ジオキサン(80mL)に加えた混合物を110℃で16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE:EA(20:1から1:2)で溶出してtert-ブチル 4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(5.6g、73.26%)を白色固体として得た。
【0281】
tert-ブチル 4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-メトキシ-2-オキソエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(3g、7.275mmol、1当量)及び2-ブロモ酢酸メチル(2.23mg、14.578mmol、2.00当量)をDMF(30mL)に加えた攪拌混合物にCsCO(4.74g、14.548mmol、2.00当量)を窒素雰囲気下、室温で少量ずつ加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物をEtOAc(3×400mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×200ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのTFA)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、30分間で55%Bから85%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を79%Bで回収し、減圧下で濃縮してtert-ブチル 4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-メトキシ-2-オキソエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、14.19%)を黄色固体として得た。
【0282】
tert-ブチル 4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-ヒドロキシエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-メトキシ-2-オキソエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、1.032mmol、1当量)をTHF(50mL)に溶かした攪拌溶液に、LiAlH(78.34mg、2.064mmol、2.00当量)を窒素雰囲気下、-30℃で少量ずつ加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。水(1mL)を-30℃で加えて反応を停止した。沈殿した固体を濾過により回収し、MeOH(3×30mL)で洗浄した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=1/1)で精製してtert-ブチル 4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-ヒドロキシエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(100mg、21.23%)を黄色油状物として得た。
【0283】
4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン
tert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(150mg)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を室温で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×30ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、120g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、15分間で40%Bから58%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を53%Bで回収し、減圧下で濃縮して4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(100mg)を黄色油状物として得た。
【0284】
4-クロロ-5-(4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-ヒドロキシエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
50mL丸底フラスコに2-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]([5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル])アミノ]エタン-1-オール(40mg、0.112mmol、1当量)、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(55.92mg、0.224mmol、2.00当量)及びDIEA(43.53mg、0.337mmol、3.00当量)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、90℃で2時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、120g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=45mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、15分間で40%Bから60%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を55%Bで回収し、減圧下で濃縮して4-クロロ-5-(4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-ヒドロキシエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(50mg、78.28%)を黄色油状物として得た。
【0285】
4-クロロ-5-(4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-ヒドロキシエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-(4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-ヒドロキシエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(50mg)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を室温で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=規定せず、移動相B=規定せず、流量=60mL/分、勾配=8分間で30%Bから45%B、220nm、Rt=7.6分)で分取HPLCにより精製して、4-クロロ-5-(4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](2-ヒドロキシエチル)アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(6.2mg)を白色固体として得た。
【0286】
実施例18 化合物132の合成
【0287】
【化30】
【0288】
tert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
t-BuONa(226.97mg、2.362mmol、2.00当量)をDMSO(20mL)に溶かした攪拌溶液に、窒素雰囲気下、40℃でMeSiI(472.57mg、2.362mmol、2.00当量)を少量ずつ加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、40℃で0.5時間撹拌した。次いで、tert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]エテニル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、1.181mmol、1当量)のDMSO(5mL)溶液を窒素雰囲気下、室温で滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、25分間で55%Bから80%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を73%Bで回収し、減圧下で濃縮してtert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(240mg、46.46%)を黄色油状物として得た。
【0289】
4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン
tert-ブチル 4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(240mg、0.549mmol、1当量)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL、13.463mmol、24.54当量)を室温で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、120g、移動相A=水(+5mMのAcOH)、移動相B=アセトニトリル、流量=45mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、20分間で33%Bから45%Bの勾配、検出器=254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を40%Bで回収し、減圧下で濃縮して4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(150mg、81.05%)を黄色油状物として得た。
【0290】
4-クロロ-5-(4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
50mL丸底フラスコに4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(150mg、0.445mmol、1当量)、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリダジン-3-オン(134.00mg、0.534mmol、1.20当量)及びDIEA(172.42mg、1.334mmol、3.00当量)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、90℃で2時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=5%から5%Bを10分間、15分間で40%Bから60%Bの勾配、検出器=220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を54%Bで回収し、減圧下で濃縮して4-クロロ-5-(4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(200mg、81.78%)を黄色油状物として得た。
【0291】
4-クロロ-5-(4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-(4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(200mg)をDCM(10mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(2mL)を室温で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=規定せず、移動相B=規定せず、流量=60mL/分、勾配=8分間で30%Bから55%B、220nm、Rt=7.232分)で分取HPLCにより精製して、4-クロロ-5-(4-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(39.2mg)を灰白色固体として固体として得た。
【0292】
実施例19 化合物109の合成
【0293】
【化31】
【0294】
tert-ブチル 4-(2-ブロモ-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-クロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、1.854mmol、1当量)及び 2-ブロモ-3-フルオロフェノール(424.87mg、2.224mmol、1.20当量)をDMF(10mL)に溶かした攪拌溶液に、KCO(512.38mg、3.707mmol、2当量)を加えた。得られた混合物を70℃で0.5時間撹拌した。混合物を室温まで冷却させた。反応を室温の水で停止させた。得られた混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EtOAc(5:1)で溶出してtert-ブチル 4-(2-ブロモ-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、63.58%)を白色固体として得た。
【0295】
tert-ブチル 4-(2-エテニル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-(2-ブロモ-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、1.178mmol、1当量)及びペンタメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(334.72mg、2.357mmol、2.00当量)をHO(2mL)及び1,4-ジオキサン(16mL)に溶かした溶液に、KCO(325.75mg、2.357mmol、2当量)及びPd(PPh(68.09mg、0.059mmol、0.05当量)を加えた。窒素雰囲気下、90℃で一晩攪拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EtOAc(5:1)で溶出してtert-ブチル 4-(2-エテニル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(250mg、57.12%)を黄色油状物として得た。
【0296】
tert-ブチル 4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-(2-エテニル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(250mg、0.673mmol、1当量)をMeOH(10mL)に溶かした攪拌溶液に、Pd/C(100mg、0.940mmol、1.40当量)を加えた。得られた混合物を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをMeOH(2×10mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。これにより、tert-ブチル 4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(210mg、0.08%)を黒色油状物として得た。
【0297】
4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン
tert-ブチル 4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(210mg、0.562mmol、1当量)をDCM(3mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を加えた。得られた混合物を空気雰囲気下、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NHHCO水溶液でpH8に塩基性化した。混合物を、以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、180g、移動相A=水(5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=45mL/分、勾配=40分間で25%Bから60%B、254nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を40%Bで回収し、減圧下で濃縮した。これにより、4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(120mg、78.07%)を淡黄色油状物として得た。
【0298】
4-クロロ-5-[4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン(120mg、0.439mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(109.37mg、0.439mmol、1.00当量)をDIEA(113.49mg、0.878mmol、2当量)に溶かした攪拌溶液に。得られた混合物を空気雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=1:1)で精製して4-クロロ-5-[4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(100mg、46.87%)を淡黄色固体として得た。
【0299】
4-クロロ-5-[4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-[4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(100mg、0.206mmol、1当量)をDCM(3mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NHHCO水溶液でpH7に塩基性化した。粗生成物を以下の条件(カラム=XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm 5um、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=8分間で30%Bから50%B、220nm、Rt=7.27分)で分取HPLCにより精製して4-クロロ-5-[4-(2-エチル-3-フルオロフェノキシ)-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(41.6mg、50.31%)を白色固体として得た。
【0300】
実施例20 化合物127の合成
【0301】
【化32】
【0302】
メチル 3-(メチルアミノ)ピリジン-4-カルボキシレート
3-(メチルアミノ)ピリジン-4-カルボン酸(11g、72.296mmol、1当量)のMeOH(500mL、12349.455mmol、170.82当量)溶液に、SOCl(43.01g、361.478mmol、5当量)を0℃で滴下して加えた。得られた混合物を70℃で30時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解した。混合物を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×30ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮してメチル 3-(メチルアミノ)ピリジン-4-カルボキシレート(9g、粗生成物)を黄色固体として得た。
【0303】
メチル 3-(N-メチルアセトアミド)ピリジン-4-カルボキシレート
メチル 3-(メチルアミノ)ピリジン-4-カルボキシレート(9g、54.158mmol、1当量)をDCM(100mL)に溶かした攪拌溶液に、ピリジン(21.42g、270.791mmol、5当量)及び塩化アセチル(6.38g、81.237mmol、1.5当量)を室温で滴下して加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。溶液を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18カラム 330g、移動相A=水(10mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=25分間で10%Bから30%Bの勾配、254/220nm)で逆相フラッシュにより精製してメチル 3-(N-メチルアセトアミド)ピリジン-4-カルボキシレート(8g、70.94%)を褐色液体として得た。
【0304】
4-ヒドロキシ-1-メチル-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン
メチル 3-(N-メチルアセトアミド)ピリジン-4-カルボキシレート(6g、28.816mmol、1当量)を脱水1,4-ジオキサン(100mL)に溶かした攪拌溶液に、窒素雰囲気下、室温でt-BuOK(6.47g、57.632mmol、2当量)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、90℃で1時間撹拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、DCM/MeOH(10:1)で溶出して4-ヒドロキシ-1-メチル-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(4.5g、88.64%)を橙色固体として得た。
【0305】
4-クロロ-1-メチル-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン
4-ヒドロキシ-1-メチル-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(4.5g、25.543mmol、1当量)を脱水1,4-ジオキサン(100mL)に溶かした攪拌溶液に、POCl(3.92g、25.543mmolmmol、1当量)を加えた。得られた混合物を90℃で16時間攪拌した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、DCM/MeOH(10:1)で溶出して4-クロロ-1-メチル-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(2g、40.23%)を赤色固体として得た。
【0306】
4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-1-メチル-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン
4-クロロ-1-メチル-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(0.8g、4.111mmol、1当量)を脱水1,4-ジオキサン(15mL)に溶かした攪拌溶液に、CsCO(2.68g、8.221mmol、2当量)、4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)アニリン(1.47g、8.221mmol、2.00当量)、キサントホス(0.95g、1.644mmol、0.4当量)、及びPd(AcO)(0.18g、0.822mmol、0.2当量)を窒素雰囲気下、室温で加えた。最終反応混合物に110℃で4時間マイクロ波を照射した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×100ml)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18カラム 330g、移動相A=水(10mMのAcOH)、移動相B=アセトニトリル、流量=50mL/分、勾配=40分間で20%Bから40%Bの勾配、254/220nm)で逆相フラッシュにより精製して4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-1-メチル-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(1.1g、79.34%)を灰白色固体として得た。
【0307】
4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン
4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-1-メチル-1,2-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(1g、2.965mmol、1当量)をTHF(20mL)に溶かした攪拌溶液に、窒素雰囲気下、室温でPtO(67.33mg、0.296mmol、0.10当量)を加えた。得られた混合物を水素雰囲気下、室温で16時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(3×20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=C18カラム 330g、移動相A=水(10mMのAcOH)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=40分間で5%Bから20%Bの勾配、254/220nm)で逆相フラッシュにより精製した。所望の生成物を含む画分を16%で回収し、減圧下で濃縮して4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(750mg、74.11%)を灰白色固体として得た。
【0308】
7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン
4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(750mg、2.197mmol、1当量)及び4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(1.09g、4.395mmol、2当量)の攪拌混合物に、DIPEA(568.00 mg、4.395mmol、2iv)を室温で加えた。得られた混合物を100℃で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。次いで残渣をDMF(10mL)に溶解した。溶液を以下の条件(カラム=C18カラム 330g、移動相A=水(10mMのFA)、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=40分間で30%Bから50%Bの勾配、254/220nm)で逆相フラッシュにより精製した。所望の生成物を含む画分を44%Bで回収し、減圧下で濃縮して7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(1g、82.15%)を黄色油状物として得た。
【0309】
7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](メチル)アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン
7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(800mg、1.444mmol、1当量)をDMF(20mL)に溶かした攪拌溶液に、CsCO(0.94g、2.888mmol、2当量)及びMeI(614.96 mg、4.333mmol、3当量)を室温で加えた。得られた混合物を室温で16時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を以下の条件(カラム=C18カラム 120g、移動相A=水(10mMのAcOH)、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=40分間で40%Bから60%Bの勾配、254/220nm)で逆相フラッシュにより精製した。所望の生成物を含む画分を49%Bで回収し、減圧下で濃縮して7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](メチル)アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(80mg、9.75%)を黄色油状物として得た。
【0310】
7-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)-4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](メチル)アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン
7-[5-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル]-4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](メチル)アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(80mg、0.141mmol、1当量)をDCM(4.5mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(0.5mL、6.732mmol、31.07当量)を室温で滴下して加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。溶液は逆相フラッシュにより精製して7-(5-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-4-イル)-4-[[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル](メチル)アミノ]-1-メチル-1,2,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-オン(40mg、58.69%)を白色固体として得た。
【0311】
実施例21 化合物135及び137の合成
【0312】
【化33】
【0313】
tert-ブチル 2-クロロ-4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート
tert-ブチル 2,4-ジクロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(5g、16.44mmol)のDMF(50mL)溶液に、4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノール(4.44g、24.66mmol)及びKCO(3.41g、24.66mmol)を室温で加えた。得られた混合物を70℃で1時間攪拌した。室温まで冷却した後、濾過を行い、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、330g、移動相A=水(+5mMのNHHCO、移動相B=アセトニトリル、流量=80mL/分、勾配=10分間の5%B、10分間で35%Bから45%Bの勾配、検出器=254nm/220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を44%Bで回収し、減圧下で濃縮してtert-ブチル 2-クロロ-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(6.2g、85%)を白色固体として得た。
【0314】
tert-ブチル 4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2-ビニル-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート
tert-ブチル 2-クロロ-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、1.12mmol)のジオキサン(10mL)溶液に、2-エテニル-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(344mg、2.23mmol)及びHO(0.5mL、27.75mmol)、KCO(309mg、2.23mmol)及び Pd(PPh(129mg、0.11mmol)を加えた。窒素雰囲気下、95℃で2時間攪拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLCで精製し、石油エーテル中、17%酢酸エチルで溶出してtert-ブチル 2-エテニル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(490mg、99%)を淡黄色固体として得た。
【0315】
tert-ブチル 2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-カルボキシレート
tert-ブチル 2-エテニル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(400mg、0.91mmol)のDCM(20mL)溶液に、4-ヒドロキシ-4-メチルモルホリン-4-ニウム(323mg、2.73mmol)及びKOsO.2HO(34mg、0.091mmol)を室温で加えた。更に1時間攪拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮し、残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、120g、移動相A=水(+5mMのNHHCO、移動相B=アセトニトリル、流量=45mL/分、勾配=10分間の5%B、15分間で45%Bから65%B、検出器=254nm及び220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を64%Bで回収し、減圧下で濃縮してtert-ブチル 2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(280mg、65%)を白色固体として得た。
【0316】
1-(4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル)エタン-1,2-ジオール
tert-ブチル 2-(1,2-ジヒドロキセチル)-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(280mg、0.59mmol)をDCM(4mL)に溶かした攪拌溶液に、室温でTFA(1mL)を加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣をDCM(50mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液(20mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタン中、8%メタノールで分取TLCにより精製して1-[4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル]エタン-1,2-ジオール(180mg、82%)を褐色固体として得た。
【0317】
4-クロロ-5-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン
2-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イルオキシ]ベンズアルデヒド(180mg、0.71mmol)をDIEA(0.5mL)に溶かした攪拌溶液に、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(176mg、0.71mmol)を室温で加えた。得られた混合物を90℃で1時間攪拌した。周囲温度まで冷却した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLCで精製し、ジクロロメタン中、8%メタノールで溶出して4-クロロ-5-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ピリダジン-3(2H)-オン(140mg、43%)を褐色固体として得た。
【0318】
(S)-4-クロロ-5-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ピリダジン-3(2H)-オン及び(R)-4-クロロ-5-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ピリダジン-3(2H)-オン
4-クロロ-5-[2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル]-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(150mg、0.27mmol)のDCM(4mL)溶液にTFA(1mL)を室温で加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を以下の条件(カラム=球状C18、20~40um、120g、移動相A=水(+5mMのNHHCO)、移動相B=アセトニトリル、流量=45mL/分、勾配=10分間の5%B、15分間で45%Bから65%Bの勾配、検出器=254nm及び220nm)で逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含む画分を64%Bで回収し、減圧下で濃縮してラセミ生成物(130mg)を得て、これを以下の条件(カラム=XBridge Prep OBD C18 カラム30×150mm、5um、移動相A=ヘキサン、移動相B=EtOH、流量=20mL/分、勾配=10分間の35%B、検出器=254/220nm)で分取キラルHPLCにより分離した。この方法により2つの異性体同士が分離されたが、絶対配向は決定されなかった。所望の生成物を含む画分を回収し、減圧下で濃縮して次の生成物、すなわち、(S)-4-クロロ-5-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ピリダジン-3(2H)-オンとして指定される化合物(保持時間(4.97分)(49.5mg、39%))を白色固体として、(R)-4-クロロ-5-(2-(1,2-ジヒドロキシエチル)-4-(4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-5,8-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-7(6H)-イル)ピリダジン-3(2H)-オンとして指定される化合物(保持時間(8.05分)(45.7mg、36%))を白色固体として得た。
【0319】
実施例22 化合物131の合成
【0320】
【化34】
【0321】
tert-ブチル 4-[[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-クロロ-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(500mg、1.854mmol、1当量)及び 4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(601.03mg、3.707mmol、2.0当量)を1,4-ジオキサン(5mL)に加えた攪拌混合物に、Pd(AcO)(83.24mg、0.371mmol、0.2当量)及びCsCO(1207.95 mg、3.707mmol、2.0当量)及びキサントホス(429.04mg、0.741mmol、0.4当量)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、110℃で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをDCM(3×20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を以下の条件(カラム=C18、120g、移動相A=水/0.05% NH4HCO3、移動相B=ACN、流量=45mL/分、勾配=15分間で45%Bから65%B、検出器=254nm及び220nm、所望の生成物を64%Bで回収)で逆相フラッシュにより精製してtert-ブチル 4-[[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(600mg、81.86%)を白色固体として得た。
【0322】
tert-ブチル 4-[メチル[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート
tert-ブチル 4-[[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(1.32g、3.339mmol、1当量)及びCsCO(2.18g、6.677mmol、2.0当量)をDMF(10mL)に加えた攪拌混合物に、CHI(0.95g、6.677mmol、2.0当量)を窒素雰囲気下、0℃で加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。粗生成物を以下の条件(カラム=C18、120g、移動相A=水/0.05% NHHCO、移動相B=ACN、流量=45mL/分、勾配=15分間で45%Bから65%B、検出器=254nm及び220nm、所望の生成物を64%Bで回収)で逆相フラッシュにより精製してtert-ブチル 4-[メチル[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(400mg、29.26%)を褐色固体として得た。
【0323】
N-メチル-N-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン
tert-ブチル 4-[メチル[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(220mg、0.537mmol、1当量)をDCM(4mL)に溶かした攪拌溶液に、窒素雰囲気下、室温でTFA(1mL)を加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(DCM/MeOH=12:1)で精製してN-メチル-N-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(130mg、78.22%)を褐色固体として得た。
【0324】
4-クロロ-5-(4-[メチル[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
N-メチル-N-[5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(130mg、0.420mmol、1当量)をDIEA(0.5 mg)に溶かした攪拌溶液に、4,5-ジクロロ-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(104.69mg、0.420mmol、1.0当量)を室温で加えた。得られた混合物を90℃で1時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。混合物を室温まで冷却させた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(DCM/MeOH=12:1)で精製して4-クロロ-5-(4-[メチル[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(100mg、45.58%)を褐色固体として得た。
【0325】
4-クロロ-5-(4-[メチル[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン
4-クロロ-5-(4-[メチル[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2-(オキサン-2-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(100mg、0.192mmol、1当量)をDCM(4mL)に溶かした攪拌溶液に、TFA(1mL)を室温で加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。反応をLCMSにより監視した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NaHCO水溶液でpH8に塩基性化した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物(100mg)を以下の条件(カラム:XBridge Prep Phenyl OBD カラム19×150mm、5um、移動相A=水、5mMのNHHCO、移動相B=アセトニトリル、流量=60mL/分、勾配=8分間で35%Bから55%B、220nm、Rt=7.13分)で分取HPLCにより精製して、4-クロロ-5-(4-[メチル[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5H,6H,7H,8H-ピリド[3,4-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-オン(52mg、61.99%)を白色固体として得た。
【0326】
実施例23 中間体の合成
A. 酢酸2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル
【0327】
【化35】
【0328】
酢酸4-フルオロ-2-ホルミルフェニル
5-フルオロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(10g、71.371mmol、1当量)のピリジン(100mL、1242.353 mmol、17.41当量)溶液に、酢酸アセチル(14.57g、0.143mmol、2当量)を25℃で加えた。溶液を25℃で30分間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(100/1から20/1)で溶出して酢酸4-フルオロ-2-ホルミルフェニル(12g、92.31%)を淡黄色油状物として得た。
【0329】
酢酸2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル
酢酸4-フルオロ-2-ホルミルフェニル(12g、65.880mmol、1当量)のDCM(200mL、3146.009mmol、47.75当量)溶液に、DAST(21.24g、131.760mmol、2当量)を0℃で加えた。溶液を25℃で4時間撹拌した。得られた溶液を水(100mL)で反応停止させた。生じた混合物をDCM(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl水溶液(100mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(10/1から5/1)で溶出して酢酸2-(ジフルオロメチル)-4-ホルミルフェニル(10g、74.35%)を淡黄色油状物として得た。
【0330】
B. 2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノール
【0331】
【化36】
【0332】
1-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロベンゼン
2-ブロモ-5-フルオロベンズアルデヒド(10g、49.26mmol、1当量)をDCM(60mL)に溶かした攪拌溶液に、DAST(15.9g、98.52mmol、2当量)を加えた。得られた混合物を-10℃で2時間攪拌した。反応を-10℃の水で停止させた。得られた混合物をEtOAc(4×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×40ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(6:1)で溶出して1-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロベンゼン(8g、72.18%)を淡黄色油状物として得た。
【0333】
2-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
1-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロベンゼン(31g、137.773mmol、1当量)及びBPD(52.48g、206.664mmol、1.50当量)の1,4-ジオキサン(300mL、3541.225mmol、25.70当量)溶液に、AcOK(27.04g、275.546mmol、2当量)及びPd(dppf)Cl・CHCl(5.63g、6.889mmol、0.05当量)を窒素雰囲気下、25℃で加えた。混合物を90℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(10/1)で溶出して2-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(30g、80.03%)を淡黄色油状物として得た。反応をTLCにより監視した。粗渣を次のステップで直接使用した。
【0334】
2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノール
2-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(50g、183.776mmol、1当量)をMeOH(300mL、7409.673mmol、40.32当量)及びHO(100mL、5550.837mmol、30.20当量)に溶かした溶液に、H(30%)(50mL、2146.131mmol、11.68当量)を0℃で滴下して加えた。溶液を25℃で3時間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮した。残渣をEA(500mL)で希釈した。有機層を3×200mLの飽和NaCl水溶液で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮して2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェノール(25g、83.91%)を淡黄色油状物として得た。
【0335】
実施例24 TRPC4活性のアッセイ
TRPC4を発現するICLN-1694細胞(HEK-TREx hTRPC4)を以下のようにして作製した。抗生物質を含まない2mLの細胞培地(1×DMEM/高グルコース(hyclone#SH30022.02);10%胎児ウシ血清(Sigma)、2mMピルビン酸ナトリウム、10mM HEPES)を使用したトランスフェクションの24時間前に、市販のHekTrex-293細胞を1×6ウェルプレートに0.7×10細胞/ウェルで播種した。ヒトコドン最適化したTRPC4コード配列を、耐性遺伝子としてハイグロマイシンを使用してpcDNA5/TO(Invitrogen、カタログ番号V103320)にクローニングし、製造者の指示に従ってT-Rex-293細胞(Invitrogen、カタログ番号R71007)を使用してプラスミド(配列番号1)を増殖させた。2日目に、Optimem(総容量200μl)中、2μgのプラスミドDNAに6μlのXtreme-GENE HP試薬を加えたものを調製し、室温で15分間インキュベートした。次に、このプラスミド溶液を各ウェル上に静かに滴下して重ね、プレートを静かに回して、約30秒間、培地と複合体を混合した。トランスフェクトした細胞を、10%COインキュベーター中、37℃で24時間インキュベートした。トランスフェクトした細胞を回収し、37℃で抗生物質を含まない細胞増殖培地が入った2x150mmの皿に移した。
【0336】
翌日、150μg/mLハイグロマイシン及び5μg/mLブラストサイジンを含む細胞培地を加えることにより選択を開始して安定したプールを生成し、細胞を増殖させた。選択物質を含む培地は、必要に応じて1~2日ごとに交換して死細胞を除去した。7日後、ハイグロマイシン濃度を75μg/mLに低下させ、細胞増殖を継続させた。
【0337】
単一クローンを以下のように選択した。安定したプールを細胞10個/mLまで希釈し、24×96ウェルプレート(細胞約1個/ウェル)に播種し、細胞培地中で7日間増殖させた。新鮮な培地(100μl)を加え、細胞を更に1~2週間増殖させた後、凍結保存するかまたは直ちに使用した。
【0338】
各化合物は、一般的にDMSOを溶媒として使用した10mMストック溶液として構成するかまたは供給された。Echo-550音響ディスペンサーを用いて10点用量反応曲線を作成した。各化合物ストックを、Echo認定LDVプレート中に連続希釈してDMSO中、10mM、1mM、及び0.1mM溶液を形成することにより、各化合物ソースプレートを作製した。次いで、Echoにより、100%DMSOストック溶液をソース用量反応プレートに連続的にスポットすることにより4倍希釈スキームを作製した。スポットした各用量反応プレートに100%DMSOを加えて最終体積を5μlとした。次いで、300nlの用量反応プレートをプレインキュベーション及び刺激アッセイプレートにスポットした。次いで、50μlのプレインキュベーションバッファー及び100μlの刺激バッファーを各プレートに加え、最終DMSO濃度0.3%の30μM~0.0001μMの最終アッセイ試験濃度範囲とした。
【0339】
ICLN-1694細胞(HEK-TREx hTRPC4)を384ウェルの黒色pdlコーティングしたマイクロプレートにプレーティングし、実験に使用する前日に、1μg/mLテトラサイクリンを添加した細胞培地中で維持した。プレーティングの時点で1μg/mLテトラサイクリンを加えることによってTRPC4発現を誘導した。培地をプレートから除去し、EBSS(NaCl(142mM)、KCl(5.4mM)、グルコース(10mM)、CaCl(1.8mM)、MgCl(0.8mM)、HEPES(10mM)、pH7.4)中、4μMのFluo-4AM(等量のPluronic F-127と混合したもの)10μlを細胞に加えた。細胞を室温でインキュベートし、光から保護し、60~90分間インキュベートした。インキュベーション期間後、色素を除去し、10μlのEBSSに置換した。細胞、プレインキュベーション及び刺激プレートをFLIPR-IIにロードし、アッセイを開始した。FLIPRで10秒のベースラインを測定した後、10μlの2×化合物(またはコントロール)を加えた。蛍光の変化をさらに5分間監視した。5分間のプレインキュベーションの後、20μlの2×EnglerinA(1×化合物またはコントロールを含む)を細胞プレートに添加した。アッセイにおける最終的なEnglerinAの刺激濃度は100nMとした。EnglerinAの添加後、蛍光の変化を更に5分間監視した。
【0340】
TRPC4カルシウム応答の化合物による調節を以下のようにして求めた。EnglerinAの後、蛍光を5分間モニタリングした。最大相対蛍光応答(TRPC4カルシウム応答を最大に遮断することが知られている内部コントロール化合物1μMのコントロール応答、下記式中の「REF INHIB」を差し引いたもの)を捕捉し、FLIPRからエクスポートした。
【0341】
化合物の効果は、下式を用いて阻害率(%)として計算される。
【0342】
【数1】
【0343】
ここで「RFU」は、相対蛍光単位である。
【0344】
これらのアッセイの結果を下記表2に示し、表中、「A」は50nM以下のIC50を、「B」は、50nM超かつ500nM以下のIC50を、「C」は、500nM超かつ1μM未満のIC50を、「D」は、1μM以上のIC50を、「NT」は、化合物を試験しなかったことを示す。
【0345】
実施例25 TRPC5活性のアッセイ
TRPC5を発現するICLN-1633細胞(HEK-TREx hTRPC5)を以下のようにして作製した。抗生物質を含まない2mLの細胞培地(1×DMEM/高グルコース(hyclone#SH30022.02);10%胎児ウシ血清(Sigma)、2mMピルビン酸ナトリウム、10mM HEPES)を使用したトランスフェクションの24時間前に、市販のHekTrex-293細胞を1×6ウェルプレートに0.7×10細胞/ウェルで播種した。ヒトTRPC5コード配列(サイレントT478C変異を有するNM_012471)を、耐性遺伝子としてハイグロマイシンを使用してpcDNA5/TO(Invitrogen;カタログ番号V103320)にクローニングし、製造者の指示に従ってT-Rex-293細胞(Invitrogen;カタログ番号R71007)を使用してプラスミド(配列番号2)を増殖させた。2日目に、Optimem(総容量200μl)中、2μgのプラスミドDNAに6μlのXtreme-GENE HP試薬を加えたものを調製し、室温で15分間インキュベートした。次に、このプラスミド溶液を各ウェル上に静かに滴下して重ね、プレートを静かに回して、約30秒間、培地と複合体を混合した。トランスフェクトした細胞を、10%COインキュベーター中、37℃で24時間インキュベートした。トランスフェクトした細胞を回収し、37℃で抗生物質を含まない細胞増殖培地が入った2×150mmの皿に移した。
【0346】
翌日、150μg/mLハイグロマイシン及び5μg/mLブラストサイジンを含む細胞培地を加えることにより選択を開始して安定したプールを生成し、細胞を増殖させた。選択物質を含む培地は、必要に応じて1~2日ごとに交換して死細胞を除去した。7日後、ハイグロマイシン濃度を75μg/mLに低下させ、細胞増殖を継続させた。
【0347】
単一のクローンを以下のように選択した。安定したプールを細胞10個/mLまで希釈し、24×96ウェルプレート(細胞約1個/ウェル)に播種し、細胞培地中で7日間増殖させた。新鮮な培地(100μl)を加え、細胞を更に1~2週間増殖させた後、凍結保存するかまたは直ちに使用した。
【0348】
各化合物は、一般的にDMSOを溶媒として使用した10mMストック溶液として構成するかまたは供給された。Echo-550音響ディスペンサーを用いて10点用量反応曲線を作成した。各化合物ストックを、Echo認定LDVプレート中に連続希釈してDMSO中、10mM、1mM、及び0.1mM溶液を形成することにより、各化合物ソースプレートを作製した。次いで、Echoにより、100%DMSOストック溶液をソース用量反応プレートに連続的にスポットすることにより4倍希釈スキームを作製した。スポットした各用量反応プレートに100%DMSOを加えて最終体積を5μlとした。次いで、300nlの用量反応プレートをプレインキュベーション及び刺激アッセイプレートにスポットした。次いで、50μlのプレインキュベーションバッファー及び100μlの刺激バッファーを各プレートに加え、最終DMSO濃度0.3%の30μM~0.0001μMの最終アッセイ試験濃度範囲とした。
【0349】
発現ヒトICLN-1633細胞を384ウェルの黒色PDLコーティングしたマイクロプレートにプレーティングし、実験に使用する前日にTRPC5培地中で維持した。プレーティングの時点で1μg/mLテトラサイクリンを加えることによってTRPC5発現を誘導した。培地をプレートから除去し、EBSS中、4μMのFluo-4AM(等量のPluronic F-127と混合したもの)10μlを細胞に加える。細胞を室温でインキュベートし、光から保護し、60~90分間インキュベートする。インキュベーション期間後、色素を除去し、10μlのEBSSに置換する。細胞、プレインキュベーション及び刺激プレートをFLIPR-IIにロードし、アッセイを開始する。FLIPRで10秒のベースラインを測定した後、10μlの2×化合物(またはコントロール)を加える。蛍光の変化をさらに5分間監視する。5分間のプレインキュベーションの後、20μlの2×Riluzole(1×化合物またはコントロールを含む)を細胞プレートに添加する。アッセイにおける最終的なRiluzoleの刺激濃度は30μMとする。Riluzoleの添加後、蛍光の変化を更に5分間監視する。
【0350】
TRPC5カルシウム応答の化合物による調節を以下のようにして求めた。EnglerinAの後、蛍光を5分間モニタリングした。最大相対蛍光応答(TRPC5カルシウム応答を最大に遮断することが知られている内部コントロール化合物1μMのコントロール応答、下記式中の「REF INHIB」を差し引いたもの)を捕捉し、FLIPRからエクスポートした。
【0351】
化合物の効果は、下式を用いて阻害率(%)として計算される。
【0352】
【数2】
【0353】
ここで「RFU」は、相対蛍光単位である。
【0354】
これらのアッセイの結果を下記表2に示し、表中、「A」は、50nM以下のIC50を、「B」は、50nM超かつ500nM以下のIC50を、「C」は、500nM超かつ1μM未満のIC50を、「D」は、1μM以上のIC50を、「NT」は、化合物を試験しなかったことを示す。
【0355】
【表2】
【0356】
選択した化合物のH NMR及びMSデータを下記表に示す。
【0357】
【化37-1】
【0358】
【化37-2】
【0359】
【化37-3】
【0360】
【化37-4】
【0361】
【化37-5】
【0362】
【化37-6】
【0363】
【化37-7】
【0364】
【化37-8】
【0365】
【化37-9】
【0366】
【化37-10】
【0367】
【化37-11】
【0368】
【化37-12】
【0369】
実施例26 ラットにおけるプロマイシンアミノヌクレオシド(PAN)誘発性糸球体障害に対する化合物100の効果
目的:
本実験の目的は、アルブミン尿によって指標化されたPAN誘発性糸球体腎障害に対する化合物100の用量依存的効果を評価することにある。
【0370】
方法:
80匹の体重約125~150g、約5~6週齢の雄性Sprague-DawleyラットをCharles River社より入手した。ラットに標準的な飼料(Harlan 8640)を与え、標準的な条件下でケージに収容し、実験開始前に少なくとも5日間順応させた。
【0371】
2日目にラットを、実験のバランスをとるために、体重を一致させた処置群に分け、個別に代謝ケージに収容した。
【0372】
24時間ベースライン(0日目)の尿を採取した後、意識下尾静脈穿刺によりベースライン採血を行った。次いで、ラットに溶媒または試験物を投与した。
【0373】
0日目の溶媒または試験剤の投与2時間後、ラットに(5ml/kg皮下)溶媒(無菌生理食塩水)または溶媒に溶解したプロマイシンアミノヌクレオシド(PAN、負荷剤、75mg/kg)を投与した。
【0374】
間欠的(4日目、7日目、10日目)に24時間尿量を測定し、試料(4試料/頭/時点、0.5ml/試料)を得た。さらに、間欠的(4日目、7日目及び10日目)血液試料を、AM投与の2時間±1分後の意識下尾静脈穿刺により採取した。
【0375】
最後の採血の直後に、ラットをイソフルランで麻酔し、組織を採取し、動物を屠殺した。エンドポイントの腎臓重量及び指標を得た。
【0376】
尿試料を直ちに液体Nでフラッシュ凍結し、分析を行うまで-80℃で保存した。
【0377】
EDTAで採取した全血試料を、PK測定用の血漿調製用に適宜処理した。
【0378】
結果:
図1に示すように、30mg/kgの化合物100による1日1回(QD)または2回(BID)の処置により、PANによる障害後の尿中アルブミン排泄量が減少した。化合物100のBID投与では7日目と10日目、QD投与では10日目に有意な減少が認められた。ミゾリビンは、ポジティブコントロール化合物であり、アルブミン尿症の減少にやはり効果があった。
【0379】
結論:
化合物100は、ラットにおける糸球体損傷のPANモデルにおけるアルブミン尿の減少に有効である。
【0380】
実施例27 化合物100は、FSGSのAT1Rトランスジェニックラットモデルで有効である
FSGSのAT1Rトランスジェニックラットモデルは、ヒトAT1Rのポドサイト特異的発現によって特徴付けられる。雄は雌に比べて大幅に悪い病態を有することが示されている。AT1RモデルにおけるTRPC5阻害剤の有効性は、ツール化合物で実証されている。Zhou et al.,Science(2017),vol.358(6368),1332-1336を参照されたい。
【0381】
本実験では、AT1Rトランスジェニックラットにおける病態生理を、片側腎摘出術(UniNX)及びミニポンプによるAngII注入によって促進した。3mg/kgまたは10mg/kgの化合物100を1日1回経口投与し、尿タンパク質クレアチニン比を処置の-1、0、1、2、及び3週目に測定した。図2は、化合物100で処置したラットまたは溶媒で処置したラットの実験過程にわたった尿タンパク質クレアチニン比を示す。UniNX、AngIIの開始、及び化合物100の開始は示された時点で行った。図3は、同じデータをベースラインの割合(%)として示す。
【0382】
これらの結果は、化合物100がFSGSのAT1Rトランスジェニックラットモデルにおいて有効であることを示している。
【0383】
参照による援用
本明細書に引用されるすべての米国特許並びに米国特許出願公開及び国際出願公開を、参照により本明細書に援用する。
【0384】
均等物
上記の明細書の記載は、当業者による本発明の実施を可能とするうえで充分なものである。各実施例は本発明の1つの態様の単一の例示として意図されるものであり、他の機能的に同等の実施形態も本発明の範囲に含まれることから、本発明の範囲は、記載される実施例によって限定されるべきでない。本明細書に示され説明されるもの以外の本発明の様々な改変が上記の説明から当業者には明らかとなろう。これらの改変は、添付の「特許請求の範囲」の範囲に含まれる。本発明の利点及び目的は、必ずしも本発明の各実施形態に包含されるわけではない。
【0385】
配列番号1 TRPC4プラスミド配列
実施例24で使用したTRPC4プラスミドのDNA配列を以下に示す。下線で示した核酸は、ヒトTRPC4をコードする核酸を表す。
【0386】
【化38-1】
【0387】
【化38-2】
【0388】
【化38-3】
【0389】
【化38-4】
【0390】
【化38-5】
【0391】
配列番号2 TRPC5プラスミド配列
実施例25で使用したTRPC5プラスミドのDNA配列を以下に示す。下線で示した核酸は、ヒトTRPC5をコードする核酸を表す。
【0392】
【化39-1】
【0393】
【化39-2】
【0394】
【化39-3】
【0395】
【化39-4】
【0396】
【化39-5】
【0397】
【化39-6】
図1
図2
図3
【配列表】
2024099595000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
[化1]に示す構造式II
【化1】
(II)
[式中、
は、クロロ、-CF 、-CHF 、または-CH であり、
は、水素またはフルオロであり、
は、水素、-NH 、-CH OH、またはCH(OH)-CH OHである]、
によって表される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
前記R が-CHF である場合、前記R が水素ではない、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、
医薬組成物。
【請求項4】
腎疾患、肺動脈高血圧症、不安、うつ病、がん、糖尿病性網膜症、または疼痛から選択される疾患もしくは状態を治療するかまたはそれらの発症のリスクを低減するために使用するための請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
疾患または状態が、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、糖尿病性腎症、アルポート症候群、高血圧性腎疾患、ネフローゼ症候群、ステロイド耐性腎症、微小変化群、膜性腎症、突発性膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、免疫複合体媒介性MPGN、補体媒介性MPGN、ループス腎炎、感染後糸球体腎炎、菲薄基底膜病、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、アミロイドーシス(原発性)、c1q腎炎、急速進行性GN、抗GBM疾患、C3糸球体腎炎、高血圧性腎硬化症、またはIgA腎症から選択される腎疾患である、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項6】
前記腎疾患が、タンパク尿腎疾患である、請求項5に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項7】
前記腎疾患が、微量アルブミンまたは顕性アルブミン尿症腎疾患である、請求項5に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項8】
疾患または状態が、肺動脈性高血圧症である、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項9】
疾患または状態が、神経因性疼痛、及び内臓性疼痛から選択される疼痛である、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項10】
疾患または状態が、化学療法抵抗性乳癌、アドリアマイシン抵抗性乳癌、化学療法
抵抗性大腸癌、髄芽腫、及び腫瘍血管新生から選択されるがんである、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項11】
疾患または状態が、移植関連FSGS、移植関連ネフローゼ症候群、移植関連タンパク尿、胆汁うっ滞性肝疾患、多発性嚢胞腎、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、肥満、インスリン抵抗性、II型糖尿病、前糖尿病、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項12】
疾患または状態が、不安である、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項13】
疾患または状態が、うつ病である、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項14】
疾患または状態が、疼痛である、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項15】
疾患または状態を治療するための[化2]に示す化合物
【化2】
またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグである、請求項4~14のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
【外国語明細書】