(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000996
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】らせん溝を含む化粧品アプリケータ及びアプリケータ等を含む化粧品
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
A45D34/04 515A
A45D34/04 510Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023101063
(22)【出願日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】22305901
(32)【優先日】2022-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521440585
【氏名又は名称】シャネル・パルファム・ボーテ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・カステ
(72)【発明者】
【氏名】マリー・ラムルー
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ・ボナデイ
(57)【要約】
【課題】本発明は、長手方向の主軸(A)に従って延在する直線的スティック(2)であって、スティック(2)は溝(3)が形成されている外部表面(S)を含んでいるスティック、を含んでいる化粧品アプリケータに関する。
【解決手段】スティック(2)の少なくとも一つの長手方向部分(P)で、スティックの外部表面(S)は少なくとも2つのらせん溝(3)を含み、前記2つの溝(3)の一つは右側ピッチを有しもう一方の前記溝(3)は左側ピッチを有し、溝(3)はスティック(2)の前記長手方向部分で複数回交差する。向かい合うピッチとともに溝を有している当該アプリケータは化粧品を塗布するときまつ毛(もしくは他の毛)のコーミングおよびセパレーションを向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の主軸(A)に従って延在する直線的なスティック(2)を含んでいる化粧品アプリケータであって、
前記スティック(2)が、溝(3)が形成されている外部表面(S)を含み、
前記スティック(2)は円筒状および直線的であり、
前記スティック(2)の少なくとも一つの長手方向部分(P)にわたって、前記スティックの前記外部表面(S)が少なくとも2つのらせん溝(3)を含み、前記2つの溝(3)のうちの一方が右側ピッチを有し、前記溝(3)のうちの他方が左側ピッチを有し、前記溝(3)が前記スティック(2)の前記長手方向部分にわたって複数回交差し、それぞれの前記溝(3)は前記主軸(A)に対して88°から50°の間でなされる角度(α)を形成していることを特徴とする、
化粧品アプリケータ。
【請求項2】
厳密に2、3、4、5、もしくは6つの前記溝(3)を含んでいる、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項3】
それぞれの前記溝(3)は、前記主軸(A)に対して85°から67°の間、より好ましくは85°から82°の間でなされる角度(α)を形成している、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項4】
前記スティック(2)は軸対称に円筒であり、2mmから8mmの間、好ましくは3mmの範囲内でなされる直径を有している、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項5】
少なくとも1つの前記溝(3)は可変ピッチを有している、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項6】
前記らせん溝(3)はらせん上に直線的に延在している、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項7】
少なくとも一つの前記らせん溝(3)は正弦波の軌道に従って延在し、らせん周りをうねっている、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項8】
それぞれの前記溝は、前記スティック(2)の前記外部表面(S)で、0.1mmから1mmの間、好ましくは0.3mmから0.8mmの間でなされる、幅を有している、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項9】
それぞれの前記溝は0.1mmから1mmの間でなされる、好ましくは0.3mmから0.8mmの間でなされる深さを有している、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項10】
前記溝(3)は三角形、四角形、長方形、フレア形状、もしくは丸みを帯びた断面、例えば半円形、を有している、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項11】
前記溝(3)は前記溝(3)に沿って延在している絞り部を有するキャビティを形成している絞り部(301)を有している底部を含んでいる断面を有している、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項12】
前記溝(3)は前記溝(3)に沿って延在している端部(302)を有している底部を含んでいる断面を有している、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項13】
前記スティック(2)の表面(S)で形成されている少なくとも一つのストリエーションをさらに含み、前記少なくとも一つのストリエーション(5)が前記溝(3)のピッチよりも大きいもしくは等しいピッチとともに、長手方向もしくはらせん状である、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項14】
前記アプリケータは厳密に1つ、2つ、3つ、もしくは4つの前記ストリエーション(5)を有している、請求項13に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項15】
それぞれの前記ストリエーションは前記ストリエーションの表面積がそれぞれの前記溝の断面の表面積の5分の1から半分の間でなされる断面を有している、請求項13に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項16】
前記アプリケータは滑らかな端部とともに前記長手方向部分を含んでいる、請求項1に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項17】
液体もしくは半液体の化粧品を収容するリザーバ(11)と、前記リザーバ(11)で長手方向に従って延在しているガイドチューブ(13)と、アプリケータ(1)が全体的又は部分的に前記ガイドチューブ(13)内に収容される格納位置と、前記格納位置で前記ガイドチューブ内に収容される前記アプリケータ(1)の一部が前記ガイドチューブの一端から突出する展開位置との間で、前記ガイドチューブ(13)内で長手方向に並進移動可能であるように装着された、請求項1~16のいずれか一項に記載のアプリケータと、前記ガイドチューブ(13)の断面に対して、機能的な除去マージン内で、一定および同一の断面を有している端部長手方向部分(E)を有している前記スティック(2)であって、前記ガイドチューブ(13)が前記アプリケータに対して前記リザーバからの前記化粧品の通過を可能にする少なくとも一つのアパーチャ(14)を含んでいる、前記スティック(2)と、を含んでいる化粧アイテム。
【請求項18】
前記アプリケータは金属、プラスチック、セラミック、ベークライト、ガラス、もしくは紙製である、請求項1から16のいずれか一項に記載の化粧品アプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品アプリケータ、特にマスカラのためのアプリケータの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラのアイテムの、「マスカラ」は、従来、ケース、マスカラリザーバ及びアプリケータエレメントを備えている。アプリケータエレメントは把持部およびアプリケータそれ自体を含んでおり、略ブラシの形をしている。既知の方法で、アプリケータブラシはマスカラを塗布していない時リザーバを閉じるように適合されまたはアプリケータブラシの把持領域を形成することができる蓋もしくはキャップを含み得る。
【0003】
従来複数タイプのアプリケータ、すなわち「ボトルブラシ」タイプのアプリケータ、射出成形アプリケータ及び付加製造(時々「additive manufacture」と呼ばれている)によって製造されるアプリケータが存在する。付加製造は材料の付加あるいは積層による製造の方法を示す。
【0004】
ボトルブラシタイプのアプリケータはアプリケータのコアを形成している螺設された金属ワイヤに補足された繊維によって形成されている剛毛を備えているブラシを含む。射出成形アプリケータは略一体形成されており、例えば一般に突起と呼ばれている、剛毛もしくは歯を含んでいる。付加製造により製造されるアプリケータもまた完全に略一体形成され、例えば、レーザーによる粉末溶融を実装するプロセスを介して熱可塑性ポリマーの粉末から、例えば形成され得る。
【0005】
既知のマスカラアプリケータの形態および実施形態に関わらず、マスカラの塗布原理はリザーバに収容されている製品(マスカラ)をアプリケータに装填することと、突起に製品が装填されている、アプリケータを前記リザーバから取り出すことと、ユーザーのまつげ及び眉毛への塗布を実行することと、からなる。
【0006】
簡単のため、本明細書の以下において、別の類似の化粧品のためのアプリケータの使用をまだ排除することなく、アプリケータのまつげについて言及する。同様に、製品の使用およびユーザーの眉毛に対するアプリケータの使用をまだ排除することなく、まつ毛のみ言及する。最後に、「ユーザー」は広い意味で言及され、そしてもちろん、女性のユーザーもまた含んでいる。
【0007】
特に述べていない限り、「約」および「の範囲で」という表現は与えられた値のおおよそ20%を言及する。特に述べていない限り、全ての言及された値の範囲は境界を含まずに理解されるべきである。
【0008】
上記されたアプリケータの代わりに、いくつかのアプリケータは、アプリケータの表面で、スティックの形で開発されマスカラの保持を可能にするアプリケータの表面のキャビティあるいはレリーフを有している。
【0009】
欧州特許3302166号明細書は円筒形の部分またはその他とともに把持部を形成している支持部の形をした化粧品アプリケータを開示している。支持部はアプリケータエレメントを形成する歯を画定するためのアパーチャである。したがって、支持部は歯を含んでいる塗布コームを形成している。歯は部分的に周辺にあり、例えば正反対に向かい合う2つの長手方向の列、少なくとも一つの平行な歯の長手方向の列に従って配置されている。内部の歯のスペースは化粧品を装填し塗布するためのスペースを画定している。
それにもかかわらず、このアプリケータによる化粧品保持の能力は制限されている。さらに、このアプリケータはユーザーに迅速で複雑なジェスチャーを課し、まつ毛をアプリケータの側面の1つによってとかさなければならず、その結果としてまつ毛のセパレーションおよび化粧品の塗布はアプリケータの角度方向に依存する。
【0010】
米国特許第5224787号明細書は螺設された金属スティックの形で化粧品アプリケータを開示している。スティックが支承するねじは化粧品を装填するのに用いられる窪みを画定する。それにもかかわらず、まつ毛をコームしセパレートするためのこのアプリケータの能力は制限されることになる。その上、結果は一貫しておらず、アプリケータを右手もしくは左手のどちらで使うかに依存する。
【0011】
例えば金属製の、スティックの形をした、アプリケータの当該一般的な構成が、後ほど詳細に説明されるいくつかの応用にとって有利であると証明されている一方で、先行技術におけるこの構成を有している既知のアプリケータは改良され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それゆえ、本発明は化粧品アプリケータ、特にマスカラアプリケータを設けることを目的としており、上で述べた欠点の全てもしくは一部を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するために、本発明は長手方向の主軸に従って延在する直線的スティックであって、溝が形成されている外部表面を含んでいるスティックを含んでいる化粧品アプリケータに関する。スティックは円筒形で直線的である。このアプリケータにおいて、スティックの少なくとも一つの長手方向部分分に、スティックの外部表面は少なくとも2つのらせん溝を含み、前記2つの溝のうちの一つが右側ピッチを有し、前記2つの溝のもう一つが左側ピッチを有し、溝はスティックの前記長手方向部分分で複数回交わる。アプリケータの各溝は主軸に対して88°から50°の間でなされる角度(α)を形成する。
【0014】
特に、アプリケータは正確に2、3,4,5もしくは6つの溝を含み得る。
【0015】
スティックが円筒形並びに直線的であるという事実は、スティックが含んでいる溝を考慮することなく、一般的なスティックの形状を指しているとして、当然理解されるべきである。言い換えれば、スティックの表面によって画定される包絡線は円筒形で直線的である。
【0016】
スティックの表面に形成されている溝はアプリケータに化粧品を装填するためのスペースを形成する。さらに、溝のらせん状の構成によって、向かい合うピッチにより少なくとも一つの溝と交わる少なくとも一つの溝とともに、実質上ひし形のような形状および/または鋭い横方向の隆起部を特徴づける形状がスティックの表面に形成されている。これらのパターンは、特に平行するらせん溝を有することとなるアプリケータと比較して、化粧品を塗布する際まつ毛(もしくは他の毛)のコーミング並びにセパレーションを相当に向上させる障害物を作り出す。
【0017】
さらに、向かい合うピッチ(右側ピッチと少なくとも一つの溝並びに左側ピッチと少なくとも一つの溝)を有している溝の存在は同一もしくは類似の化粧の品質に関して右手と左手の両方でのアプリケータの効果的な使用を可能にする。
【0018】
アプリケータの各溝は、長手方向の主軸に対して85°から67°の間、より好ましくは85°から82°の間でなされる角度(α)を形成し得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、スティックは軸対称に円筒形であり、2mmから8mmの間、好ましくは3mmの範囲内でなされる直径を有している。
【0020】
アプリケータの少なくとも一つの溝は可変ピッチを有し得る。
【0021】
塗布の方向に関して、溝によって形成されている角もまた、得られる塗布の質にとって重要である。実際に、まつ毛は塗布の間に溝に入り、マスカラが装填され、そして所望の際に容易に溝から抜けるはずである。
【0022】
ある角度範囲、すなわち長手方向に対して88°から50°の間、つまり(長手方向に直交している)横方向に対して2°から40°の間の角度範囲で、満足な結果を得ることができる。特に、良い結果は長手方向に対して85°から67°の間(すなわち長手方向に対して5°から23°の間)で得られる。もっともよい結果は長手方向の主軸に対して85°から82°の間、すなわち横方向に対して5°から8°の間でなされる角度を形成する溝で得られる。上述のとおり示された角度値は、3mmの直径の軸対称円筒形スティックの場合、0.3mmから8mmの間でなされるピッチと対応し、0.8mmから4mmの間、より詳細には0.8mmから1.2mmの間でなされる好ましいピッチの値に対応する。したがって、溝のピッチは使用したスティックの直径(およびより一般的には寸法)に適用され得る。ピッチの概念はスティックの断面積の形状とは無関係に、溝がスティックの周りを一回転し終える時に溝によって占められる長手方向の距離として一般的に理解されるべきである。
【0023】
スティックが軸対称の円筒形であるアプリケータの場合、ピッチP並びにβで示されるらせん角の間の関係は横方向に関して次の式によって与えられる:
TAN(β)=P/(π・D)
TANはタンジェント関数を示しておりDはスティックの直径を表している。
以後は、スティックの直径Dが分かっており、所望のらせん角βが固定されるとき(例えばα(°)=90―β(°)であると分かっている)、ピッチPを容易に決定することができる。
【0024】
もちろん、選ばれたピッチは形成されている溝の寸法に依存し得る、すなわち、例えば、ピッチは溝の幅よりも大きいはずである。
【0025】
溝は同一または異なったピッチを有し得る。有利には、各溝のピッチは上記で示されている範囲に位置している。各溝のピッチは固定もしくは可変であり得る。「可変ピッチ」によって、スティック上の長手位置に従って値が変化するピッチが理解されるはずである。可変ピッチによってアプリケータの様々な長手の領域で様々な化粧の効果を得ることができる。
【0026】
らせん溝はらせん上に直線的に延在し得る。あるいは、少なくとも一つのらせん溝は正弦波の軌道に従って延在し得、らせん周りをうねる。
【0027】
らせん溝が溝を画定するらせん上に延在する方法によって得られた化粧の効果を調節することができる。すなわち、溝を画定するらせん上で曲がっていない、直線的ならせん軌道は、最も明らかな実施形態と一致する。溝を画定するらせん上でうねる軌道はまつ毛のコーミングとセパレーションを向上させ得る。さらに、溝の端部は、例えば刻み目といった不規則性を有し得、まつ毛に関してアプリケータの引っ掛かりを改善する。
【0028】
各溝は、スティックの表面で、0.1mmから1mmの間、好ましくは0.3mmから0.8mmの間でなされる、幅を有し得る。
【0029】
各溝は、0.1mmから1mmの間でなされる、好ましくは0.3mmから0.8mmの間でなされる、深さを有し得る。
溝の寸法は、製品の選択された容積、例えば目のまつ毛を化粧するためのマスカラの所望の容積を含むことができるように選択される。これらの寸法もまた、溝につき1本のまつ毛、または溝につき限られた数のまつ毛の通過を可能にするはずである。特に、各溝が一度に1本のみから5本のまつ毛の最大値、例えば一度に3本のまつ毛の最大値を収容できるように各まつ毛のサイズを定めることができる。
【0030】
溝は三角形、四角形、長方形、フレア形状、もしくは丸みを帯びた形状、断面、例えば半円形を有し得る。溝は当該溝に沿って延在する絞り部を有するキャビティを形成する絞り部を有する底部を含む断面を有し得る。溝は当該溝に沿って延在する隆起部を有している底部を含む断面を有し得る。
溝の様々な断面が本発明のいくつかの実施形態の詳細な説明に関して以下で説明される様々な効果とともに用いられ得る。
【0031】
化粧品アプリケータはスティックの表面に形成されている少なくとも一つのストリエーションと、溝のピッチよりも大きいもしくは等しいピッチとともに、長手方向またはらせん状である少なくとも一つのストリエーションをさらに含み得る。例えば、アプリケータは正確に1つ、2つ、3つ、もしくは4つのストリエーションを含み得る。各ストリエーションは表面積が各溝の断面の表面積の5分の1から半分の間でなされる断面を有し得る。
ストリエーションによって溝の様々な効果を調節および/または増大させることができる。ストリエーションは製品を受け取るための追加の容積を形成するが、とりわけ、アプリケータの表面上にさえも化粧品を塗布することができる。ストリエーションはスティックの表面に存在する曲折とレリーフを倍増させる。かくして、コーミング効果とセパレーション効果が増大する。
【0032】
アプリケータは滑らかな端部とともに長手方向部分分を含み得る。そのような構成はアプリケータを化粧アイテム、特にアプリケータペンタイプの、マスカラアイテムに適合させる。
【0033】
かくして、本発明は液体もしくは半液体の化粧品を収容するリザーバと、前記リザーバで長手方向に従って延在しているガイドチューブと、アプリケータが全体的又は部分的にガイドチューブ内に収容される格納位置と、格納位置でガイドチューブ内に収容されるアプリケータの一部がガイドチューブの一端から突出する展開位置との間で、前記ガイドチューブ内で長手方向に並進移動可能であるように装着された、上記で述べられたようなアプリケータと、ガイドチューブの断面に対して、機能的な除去マージン内で、一定および同一の断面を有している端部長手方向部分を有しているスティックと、リザーバからアプリケータに向かう化粧品の通過を可能にする少なくとも一つのアパーチャを含んでいるガイドチューブと、を含んでいる化粧アイテムに関する。
【0034】
化粧品アプリケータは金属、プラスチック、セラミック、ベークライト、ガラス、もしくは紙製であり得る。
【0035】
金属粉末(必要であれば、研削加工に続く)から開始する加工もしくは3次元印刷によって考慮された金属に応じて、金属の使用によって部品の作成に非常に高い正確性を持たせることができる。特に、アプリケータはステンレス金属もしくはアルミニウム(もしくはアルミニウム合金)製であり得る。得られた部品は高品質で耐久性がある、すなわち、得られた部品は時間とともに劣化する可能性が低い。プラスチック製であるアプリケータは、特に射出成型によってでき得る。アプリケータはセラミック製であり得、美しく、軽く、マスカラがほとんど付着しない。最後に、圧縮紙製のアプリケータ、すなわち非常に高い圧力で圧縮された紙製のアプリケータが得られ得る。この製造タイプによって、例えば店舗やサンプルなどで試験システムもしくは「テスター」にて使用することができる、単回使用で、使い捨てのアプリケータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明のその他の利点、目的および特定の特徴は、添付した図面に関して、本発明の装置と方法の対象の少なくとも一つの特定の実施形態の以下の非限定的な説明から生じる。
【0037】
【
図1】
図1は本発明の実施形態に関するアプリケータの一例の概要斜視図である。
【
図3】
図3は本発明の様々な実施形態に従ったアプリケータの表面で形成されている溝の様々な可能である分布の図である。
【
図4】
図4は本発明に照らして実装され得る溝の断面の第一の例である。
【
図5】
図5は本発明に照らして実装され得る溝の断面の第二の例である。
【
図6】
図6は本発明に照らして実装され得る溝の断面の第三の例である。
【
図7】は本発明に照らして実装され得る溝の断面の第四の例である。
【
図8】
図8は本発明に照らして実装され得る溝の断面の第五の例である。
【
図9】
図9は本発明に照らして実装され得る溝の断面の第六の例である。
【
図10】
図10は本発明に照らして実装され得る溝の断面の第七の例である。
【
図11】
図11は本発明の実施形態に従ったアプリケータの概略図および部分的な3次元図である。
【
図12】
図12は本発明の実施形態に従ったアプリケータの概略図および部分的な3次元図である。
【
図13】
図13は本発明の実施形態に従ったアプリケータの概略図および部分的な3次元図である。
【
図14】
図14は本発明の実装実施形態に従ったアプリケータの概略図および部分的な3次元図である。
【
図15】
図15は本発明の実施形態に従ったアプリケータを含んでいる化粧アイテムの概略図である。
【
図16】
図16は本発明の実施形態に従ったアプリケータを含んでいる化粧アイテムの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は本発明の実施形態に従ってアプリケータ1の一例を示している。
【0039】
アプリケータ1は概して、直線であるスティック2の形をしている。
図1に部分的にのみ示されている、スティック2は、方向が慣習的にいわゆる長手方向である主軸(A)に従って延在している。
【0040】
スティック2は、マスカラの保持を可能にする窪み部が形成されている、長手方向部分Pを含んでいる。示された例で、スティックは滑らか、すなわち表面にパターンを有していない、端部Eとともに長手方向部分もまた含んでいる。
図1の実施形態では短い長さである長手方向部分Eは、本発明の様々な実施形態に従って、長くてもよく、もしくは反対に存在しなくてもよい。
【0041】
長手方向部分P上に形成されているパターンは2つのらせん溝3を含んでいる。特に、第1のらせん溝31は右側ピッチを有しているのに対し、第2のらせん溝32は左側ピッチを有している。
【0042】
右側ピッチとらせん、もしくは右旋性のらせんは、垂直方向から観察したとき、左から右に上がっている、らせんに対応している。反対に、左側ピッチと一緒のらせん、もしくは左旋性のらせんは、垂直方向から観察したとき、右から左に上がっている、らせんに対応する。
【0043】
「溝」という用語は概して所定の軌道に従ってスティック2の表面に形成され、あるいは一定のもしくは様々な断面を有している、空いた溝または隙間を指す。
【0044】
本発明の溝および、適切な場合には、その他の窪んだパターンによって、スティックの表面Sは長手方向部分Pで(およびより一般的にはスティック全体で)、窪んだパターンがない場合を考慮される、スティックの外側の包絡線に対応する。それゆえに、表面Sは、多角形断面(三角形、正方形、四角形、六角形など)を有している軸対称の直円柱、楕円柱、直角柱、もしくはより一般的には円柱から構成されていようとされていまいと、スティック2を画定している直円柱(軸対称、楕円、角柱)の表面である。
【0045】
図1に示されている例において、または
図2の詳細図に示されているように、第1の溝31と第2の溝32は実質上四角の部分を有している。第1の溝31と第2の溝32は当該断面でもう一方に対して向かい合っているが(それぞれ「右に対して」および「左に対して」)、同じ値であるピッチを有しているらせんに従って形成されている。第1の溝31と第2の溝32は長手方向部分Pで複数回交差する。これによって、溝の間に、実質上ひし形のような形状4が形成されることになる。溝の間における存在する物から生じる、これらの形状は、2つの溝の間の交点で隆起部41を含んでいる。
【0046】
溝によって形成されている曲折は当該溝内に一つ以上のまつ毛がフィットすることを可能にするのに対して、溝の形成から生じるレリーフの形状、および特に隆起部41は、まつ毛のセパレーションおよびコーミングに有利に働き、化粧の品質を向上させる。
【0047】
図1の実施形態で、第1の溝31と第2の溝32のそれぞれは主軸Aおよび88°と50°の間でなされる長手方向に対して角度αを形成する。より明確には、角度αは主軸Aと主軸Aを通過する平面における溝の正射影との(前記主軸Aとの交点における)接線との間に形成される角度に対応する。かくして形成された鋭角は次に検討される。より明確には、良い結果は85°と67°の間、特に85°と67°の間でなされる角度αから得られ、85°と82°の間でなされる角度αで最も良い結果が得られるということに留意されたい。3mmの直径の軸対称円筒スティックにとって、88°と50°の間の角度αは0.3mmと8mmの間でなされるピッチに実質的に対応し、85°と67°の間である角度αは0.8mmと4mmの間でなされるピッチに実質的に対応し、75°の角度αは2.5mmのピッチに実質的に対応し、85°と82°の間の角度αは0.8mmと1.2mmの間でなされるピッチに実質的に対応する。
【0048】
溝のピッチは、所望の角度αを得るために、使用したスティックの寸法に従って、適用され得る。かくして、一定の角度αを得るために、ピッチは小さい直径のスティックに対してよりも、大きな直径のスティックに対してより大きくなるはずである。各溝のピッチは他の溝のピッチと異なっていてもよいが、各溝は、主軸Aに対して、一定のもしくは長手方向に可変の、角度αを形成し、有利には前述の値の範囲に設定される。
【0049】
さらに、
図1のアプリケータは溝を含んでいる単一の長手方向部分Pを含んでいるが、溝を含んでいるいくつかの長手方向部分Pを含んでいるアプリケータに設けることが本発明に照らして可能である。種々の部品は溝の数、配置、ピッチ、部分などによって異なっていてもよい。
【0050】
図3は、本発明で用いられ得る、単なる例として与えられている溝の3つの構成を示している。各例について、軸対称に円筒であるスティック2の断面が示されている。検討された断面での位置と、各溝の方向は、矢印によって示されている。例えば、検討された部分は、長手方向部分Pの一つの端部、すなわち溝の開始点fに対応し得る。左の例は向かい合うピッチとともに2つの溝を含んでいるアプリケータであり、例えば
図1と
図2の実施形態に対応し得る。
図3の中心に表されている例は、検討された断面(各溝は他2つの溝から120°に位置している)での溝の等しい角度分布とともに、3つの溝を含んでいるアプリケータであり、2つの溝は左側(もしくはそれぞれ右側)ピッチを有しており、第3の溝は右側(もしくはそれぞれ左側)ピッチを有している。
図3の右に示されている例は、検討された断面(各溝が他の2つから90°に位置している)における溝の等しい角度分布とともに、4つの溝を含んでいるアプリケータである。溝は右側ピッチを有している溝と左側ピッチを有している溝の間で角度的に(検討された部分で)互い違いになる。
【0051】
かくして、
図3は、追及されている塗布の特性に従って、本発明に照らして可能である様々なアプリケータの構成を示している。特に、まつ毛の容積を増大させること(いわゆる「ボリュームアップ」)を意図されているマスカラに対しては、多くの著しく彫られた溝を含んでいるアプリケータがよく適している。まつ毛を分離するように主として意図されている(いわゆる「セパレータ」)マスカラに対しては、わずかに彫られたいくつかの溝を含んでいるアプリケータがよく適している。
【0052】
図4から
図10は本発明に照らして用いられ得る溝の様々な断面を示している。溝を用いて、
図4から
図10は、スティックとは無関係に、検討される溝自体の部分をもちろん指しており、したがってそれは局所的な延在方向に対して横方向に検討された、溝の部分から構成されている。すなわち、それはスティックの断面から構成されていない。
【0053】
図4に表されるように、溝3は、例えば半円部分といった、丸みを帯びた形状を有し得る。半円部分を有する溝の場合、スティック2の表面Sにおける溝の幅Lは溝の底部、すなわち、表面Sの水平面から最も遠い溝の断面の点と、表面Sの間で測定されるその深さFの2倍である。溝3の断面の丸みを帯びた形状は楕円形のようであってもよく、楕円弧のようであってもよく、いくつかの半径を有している一連の円弧によって形成されてもよい。この種の丸みを帯びた部分は比較的作成するのが単純で、アプリケータに化粧品を装填するための大きな容積を形成し、一本以上のまつ毛を簡単に受け取ることができる。
【0054】
例えば、溝の幅Lは0.1mmから1mmの間、好ましくは0.3mmから0.8mmの間でなされ得る。溝の深さFは0.1mmから1mmの間でなされ得、好ましくは0.3mmから0.8mmの間でなされ得る。これらの値は本発明の実施形態の全てに対応している。
【0055】
図5は溝の別の例の断面を表している。この実施形態に従って、溝3は一連の円弧によって形成されている、丸みを帯びた部分もまた有しているが、溝の底部は絞り部を有している。絞り部を有するキャビティを溝3の底部に沿って形成している、この絞り部は、かくして溝の底部に形成されている小さな溝自体として記載され得る。この絞り部301の高さHは0.1mmの範囲内にある。同様のことが絞り部lの幅に適用される。「絞られた」という概念は、もちろん、他の寸法、溝3の部分の、特に幅L、に関して理解されるはずである。絞り部301は溝の底部で一定の引っ掛かりおよび一定のまつ毛の誘導をもたらし、マスカラによるまつ毛の延長効果を向上させることができる。さらに、底部で絞り部とともに断面を有している溝がアプリケータの連続した通過に対する2つの異なる効果をもたらすことができることが知られている、すなわち最初の通過はまつ毛へのマスカラの装填を可能にし、次の通過はまつ毛のセパレーションを可能にする。
【0056】
図6は溝の別の例の断面を表している。この実施形態に従って、溝3は底部が丸みを帯びている略台形部(ここでは二等辺)を有している。丸みを帯びた底部は台形の小さな基部が丸みを帯びた、窪んだ、形状によって置き換えられるという事実に対応している。この形状は多量の製品を含むことができ、アプリケータでまつ毛をよく貫通させることができ、それによってまつ毛のコーミングを増進させることができる。
【0057】
図7は溝の別の例の断面を表している。
図7の溝3は、溝の底部が頂部302を含んでいるということにおいて、本質的に
図6の溝と異なる。頂部302は示されている例の中央にあるが、他の実施例で他の位置をとり得る。頂部302は0.1mmの範囲内で頂部の高さH‘を有し得る。頂部302は溝3に進入するまつ毛へのセパレーションの効果を増大させる。
【0058】
図8は溝の別の例の断面を表している。
図8の溝3は、
図6に関して記載された溝のような、丸みを帯びた台形部分を含み、
図5に関して記載された溝のような、底部に絞り部をさらに含んでいる。絞り部301はここに丸みを帯びた底部とともに台形(この場合二等辺)を有している。この絞り部301の高さHは0.1mmの範囲内にあり得る。同様のことが絞り部lの幅に適用される。この部分によって
図5および
図6の溝の効果を蓄積することができる。
【0059】
図9は溝の別の例の断面を表している。溝3の断面は三角形であり、例えば二等辺三角形もしくは正三角形として形成されている。この種の溝を作成することは、特に非常に小さな寸法で未だ比較的従来型であるツールを使用する加工によって、比較的容易となる。
【0060】
図10は溝の別の断面を表している。溝の断面3は長方形、もしくは四角形である。三角形の溝と比較して、溝の容積は相当に増大する(典型的には2倍)。当該溝を作成することは複雑であるが、これにより優れた化粧効果を得ることができる。
【0061】
全ての実施形態で、溝の部分がアンダーカット角を形成することを避けることが好ましい。そのうえ、当該溝の構成を作成することは非常に複雑となるが、また何よりもこれは塗布中にマスカラ(もしくは別の化粧品)を完璧に取り出すことが難しいであろう領域を形成することになる。さらに、まつ毛は困難を伴ってまつ毛に入り込み、一度溝に入り込むと出てくることには過度の困難を伴う。
【0062】
さらに、全ての実施形態で、溝3は滑らかな端部もしくは刻み目あるいは不規則性を有している端部を含み得、まつ毛上のアプリケータの引っ掛かりを改善し、その結果まつ毛の延長とコーミングを改善する。
【0063】
さらに、まつ毛の表面状態はマスカラもしくは別の化粧品を最もよく保持するように適合されてもよい。この目的のために、高度な粗さが製品の保持を促進する。
【0064】
図11から
図14は、部分的な図に従って、本発明の様々な実施形態に従ったアプリケータの部分Pを示している。
【0065】
図11から
図14のそれぞれは軸対称の円形のスティック2の基部に形成されている化粧品アプリケータの部分を示している。
【0066】
図11の実施形態で、2つの溝3はスティック2の表面に形成されている、すなわち第1の溝31は右側ピッチを有しており第2の溝32は左側ピッチを有している。
図11に示されている実施形態は、各溝3が実質上半円の断面を有していることを除いて、
図1と
図2に示されている溝に類似している。
図1と
図2の実施形態にあるように、溝3の形成は実質上ひし形のような形状4の生成をスティック2の表面にもたらす。これらの形状は、2つの溝の間の交点で、溝3の丸みを帯びた部分によって湾曲している、鋭い隆起部41を有している。
【0067】
第1の溝のピッチと第2の溝のピッチは互いに向かい合っているが同じ値(もしくは近い値)であり、
図11のアプリケータは右手もしくは左手で区別なく、アプリケータを回転させることで、化粧品を塗布する際、主軸Aについてどちらか一方の方向で、区別なく用いられ得る。
【0068】
図12の実施形態で、
図11の当該溝のように、2つの溝はスティック2の表面に形成されている、すなわち第1の溝31は右側ピッチを有しており第2の溝32は左側ピッチを有している。
図11の実施形態との違いは溝3のピッチに本質的にあり、
図12のピッチは
図11の溝のピッチよりも小さい。これは化粧品を受け取るための溝によって形成されている容積がより大きくなることをもたらす。また、とりわけ、これはより多数の隆起部41の生成をもたらし、まつ毛のセパレーションを向上させる。
【0069】
図13の実施形態で、2つの溝3はスティック2の表面に形成されている、すなわち第1の溝31は右側ピッチを有しており第2の溝32は左側ピッチを有している。第1の溝と第2の溝は、スティック2の直径と比較して相当な深さと、小さなピッチを有しており、その結果当該第1の溝と第2の溝が広く重なりほとんどスティック2の表面Sに物質が残らなくなる。化粧品を保持するために生成された容積は大きく、かくして生成されている薄い形状4はまつ毛をセパレートするのに好ましい能力を有している。さらに、ストリエーション5は溝に加えて形成されている。概して、ストリエーション5は空いた溝または隙間に対応し、もしくは一定あるいは可変の断面を有し、この断面は溝の断面よりも実質上小さい表面を有している。例えば、ストリエーションの部分の表面は溝の部分の表面よりも2倍から5倍小さくなり得る。さらに、本発明に照らすと、ストリエーションは長手方向もしくは横方向のどちらかである。らせんストリエーションの場合、そのピッチは溝のピッチよりも有利に大きいもしくは等しい。
【0070】
一つ以上のストリエーションは、溝の構成に無関係に、アプリケータに形成され得る。
【0071】
ストリエーション5はスティック2の表面に存在する曲折およびレリーフを増大させる。かくして、コーミング効果とセパレーション効果は増加する。
【0072】
図14はいくつかの溝とストリエーションが形成された実施形態に対応し、化粧品の保持のための大きな容積を形成している複雑な形状とともにアプリケータをもたらし、まつ毛の著しいセパレーション、コーミングおよび延長を可能にする。
【0073】
上記で示されているように、様々な材料がアプリケータ1を作成するために考慮され得る。特に、アプリケータはステンレス金属、アルミニウムもしくはアルミニウム合金、セラミック、プラスチック、特にポリマー、ガラス、もしくは圧縮紙製であり得る。アプリケータの材料と構成に応じて、加工、3次元印刷、射出、圧縮、もしくはこれらのプロセスの一つの後に続く加工(例えばアプリケータの形状を直線形にするため)によって作成され得る。
【0074】
特に、スティック(もしくはより一般的なアプリケータ)は一体的に適切な材料でできている。
【0075】
図15は化粧アイテム、すなわちマスカラアイテムを示しており、本発明の実施形態に従ったアプリケータを含んでいる。示されている実施形態に従って、化粧アイテムはペンの形状に類似の長方形の形状を有している。かくして、化粧アイテムは、蓋7が取り付けられもしくは接合される一端に、本体部6を含み、それは任意である。本体部はキャップ9によって密封されているバレル8を含み、バレル8とキャップ9は本体部6の一部を形成しているスリーブ10を形成している。化粧アイテムは、長手方向延伸の一般的な方向に従って延在し、アプリケータ1もまた、長手方向延伸の一般的な方向に従って、
図16に関して説明されたように配置される。任意の蓋7は
図16の実施形態には示されていない。
【0076】
図16に示されている部分に示されているように、化粧アイテムは、化粧品を含むことができ円筒状の一般的な形状を有している容積を形成している、リザーバ11を含んでいる。リザーバ11の一端は、リザーバ11の内壁とともに密封を形成している、端部12によって密封されている。リザーバ11はガイドチューブ13によって長手方向に交差している。化粧アイテムもまたアプリケータ1を含んでいる。
【0077】
アプリケータ1はガイドチューブ13に対して長手方向に並進移動可能であるように装着されている。本実施形態で、アプリケータ1は本体部に対して固定されて装着されている。同様に、リザーバ11は本体部6に対して並進で移動可能である(もしくは並進運動と回転運動に関して移動可能である)ように装着されている。
【0078】
それゆえに、リザーバ11はリザーバ11の一部が本体部に格納されていない本体部10に対して突出した位置と、リザーバの大部分がその突出した位置よりも本体部に格納されている本体部での格納位置と、をとり得る。
【0079】
例に示されている実施形態で、化粧アイテムは、リザーバが突出した位置(
図16に示されている位置に対応している)にある時、アプリケータ1が格納位置をとるように構成されている。この格納位置で、アプリケータは、アプリケータがリザーバ11および本体部6の容積の内部に全体もしくはほとんど全体が含まれている化粧アイテムに格納されている。
【0080】
リザーバ11が本体部6でその格納位置にもたらされたとき、アプリケータは、アプリケータ1の長手方向部分Pに存在する化粧品の塗布を可能にする位置で、アプリケータがガイドチューブ13とリザーバ6から部分的に突出している、展開位置をとる。
【0081】
溝を含んでいる、アプリケータ1の部分Pへの化粧品の装填は、ガイドチューブ13の内壁に形成されている一つ以上のアパーチャを通じて実行される。
【0082】
アパーチャ14の位置と形状によって、この装填は、アプリケータが格納位置にあるとき、および/またはリザーバが、展開位置にアプリケータを置く、格納位置に持ち込まれたとき、アパーチャ14に向かい合うアプリケータ1の部分Pが通過する際中に実行され得る。
【0083】
例えば圧縮ばねなどの伸縮装置によって押されるプランジャー15を含む、化粧品を加圧するための装置が用いられてもよい。
【0084】
本発明の実施形態に従ったアプリケータ1が
図15に示されている化粧アイテムおよび
図16に示されている化粧アイテム等に用いられるとき、アプリケータは、滑らかな端部Eとともに長手方向部分を含んでおり、ガイドチューブ13の端部で化粧品の漏れを避ける。アプリケータの先端に位置しているインサートもまたこの密封を向上させる。
【0085】
もちろん、本発明に照らして開発されているアプリケータは多くの他の種類の化粧アイテムに用いられ得る。特に、アプリケータの把持要素を形成している蓋に接続されているアプリケータが浸され、リザーバからのアプリケータの取り出しを可能にしているリザーバを含んでいる、従来型のマスカラアイテムに用いられ得る。
【0086】
いくつかの実施形態で、本発明で提供されているアプリケータは「単回」使用の文脈で、特に小売店でのテスターとしてもしくは添付の化粧品サンプルとしても、特に興味深くあり得る。これは特に紙パルプ圧縮によって得られるアプリケータに関係する。
【0087】
かくして、本発明は最適化された化粧品アプリケータ、特に、その表面の一部に、製品の保持および塗布を可能にしているパターンを含んでいるスティックの形状をしている、マスカラアプリケータを得ることを可能にしている。向かい合うピッチとともに少なくとも2つのらせん溝の交差を実施するパターンの形成によって、アプリケータの、まつ毛の延長、セパレーションおよびコーミングの効果は、従来技術において既知の類似のアプリケータと比較して改善されることができる。特に、これは、溝の間の、レリーフの形状の形成によって可能であり、これらの効果を改善する。溝の構成、特に各溝がアプリケータと直行する平面(らせん溝のピッチによって反映されている)並びに各溝の断面に対して形成する角度は追及される効果、アプリケータに装填されるべき製品容量などに従って選ぶことができる。さらに、少なくとも本発明のいくつかの実施形態で、アプリケータは右手または左手で、両方の場合にも満足のいく塗布の品質を伴って用いることができる。本発明に従って検討されるアプリケータは様々な製造プロセスに従って様々な材料で作られることができる。当該アプリケータは様々な応用に適しており、ペンタイプ化粧アイテムのマスカラの使用に特によく適している。
【符号の説明】
【0088】
1 アプリケータ
2 スティック
3 溝
3 断面
4 形状
5 ストリエーション
6 本体部、リザーバ
7 蓋
8 バレル
9 キャップ
10 スリーブ
10 本体部
11 リザーバ
12 端部
13 ガイドチューブ
14 アパーチャ
15 プランジャー
31 第1の溝
32 第2の溝
41 隆起部
88 主軸
301 絞り部
302 頂部、端部
【外国語明細書】