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特開2024-9961耐亀裂性ポリシロキサン誘電体平坦化組成物、方法、及びフィルム
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  • 特開-耐亀裂性ポリシロキサン誘電体平坦化組成物、方法、及びフィルム 図1
  • 特開-耐亀裂性ポリシロキサン誘電体平坦化組成物、方法、及びフィルム 図2
  • 特開-耐亀裂性ポリシロキサン誘電体平坦化組成物、方法、及びフィルム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009961
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】耐亀裂性ポリシロキサン誘電体平坦化組成物、方法、及びフィルム
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/10 20060101AFI20240116BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20240116BHJP
   H01L 21/312 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
C08L83/10
C08J5/18 CFH
H01L21/312 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177251
(22)【出願日】2023-10-13
(62)【分割の表示】P 2020533781の分割
【原出願日】2018-12-18
(31)【優先権主張番号】62/607,461
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/210,160
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、ヘレン シャオ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ホン ミン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】400℃を超える温度での耐熱性、体亀裂性を有しかつ高い光線透過率を有する半導体デバイス表面の平坦化用材料を提供する。
【解決手段】組成物は、触媒と、少なくとも1つの溶媒と、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む少なくとも1つのポリシロキサン樹脂と、を含み、ポリシロキサン樹脂のポリジシロキサンブロックが置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基の群から選択される少なくとも1つを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスの表面を平坦化するための組成物であって、
触媒と、
少なくとも1つの溶媒と、
ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む少なくとも1つのポリシロキサン樹脂と、を含み、前記ポリジシロキサンブロックが、一般式:
【化1】
によるものであり、
式中、R、Rが、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される、組成物。
【請求項2】
前記ポリジシロキサンブロックが、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(ジメチルシロキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリシルセスキオキサンブロックが、ポリ(メチルシルセスキオキサン)ブロック及びポリ(フェニルシルセスキオキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリジシロキサンブロックの濃度が、前記ポリシロキサン樹脂の0.1モルパーセント~50モルパーセントである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物中の前記ポリジシロキサンブロックの重量平均分子量が、100Da~5,000Daである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つのポリシロキサン樹脂が、第1のポリシロキサン樹脂であり、第2のポリシロキサン樹脂を更に含み、前記第2のポリシロキサン樹脂が、ポリ(シルセスキオキサン)樹脂からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
平坦化組成物を製造するための方法であって、
1つ以上の溶媒中に少なくとも1つのポリシロキサン樹脂を溶解して樹脂溶液を形成することであって、前記少なくとも1つのポリシロキサン樹脂が、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含み、前記ポリジシロキサンブロックが、一般式:
【化2】
によるものであり、
式中、R、Rが、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される、形成することと、
触媒を前記樹脂溶液に添加することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記ポリジシロキサンブロックが、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(ジメチルシロキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
半導体デバイス用の平坦化フィルムであって、
触媒残渣と、
ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む硬化ポリシロキサンと、を含み、前記ポリジシロキサンブロックが、一般式:
【化3】
によるものであり、
式中、R、Rが、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される、平坦化フィルム。
【請求項10】
前記ポリジシロキサンブロックが、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(ジメチルシロキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の平坦化フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦化材料に関し、具体的には、半導体及びディスプレイを製造するための平坦化誘電材料に関する。
【背景技術】
【0002】
先進の半導体製造、例えば、マイクロプロセッサ、メモリデバイス、及び発光ダイオードを採用するディスプレイにおいて、デバイスの表面上にスピンコーティングされて、デバイス構造間の深い空間又は間隙を充填し、後続のデバイス層処理に適した比較的平坦な表面を提供することができる誘電材料が必要とされている。
【0003】
6マイクロメートルの深さ又はより深いトレンチを有する先進の半導体デバイスの平坦化を提供する平坦化誘電材料の改善が望まれている。このような誘電体材料は、400℃を超える温度にさらされたときでも、このような厚さでの耐亀裂性があることが有利である。また、このような誘電体材料が高い光透過率を有することは、光電子用途にとって重要である。また、誘電材料は、400℃を超える温度にさらされたとき、熱的に安定であるべきである。
【発明の概要】
【0004】
半導体デバイス表面を平坦化するための組成物は、触媒と、少なくとも1つの溶媒と、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む少なくとも1つのポリシロキサン樹脂と、を含む。ポリジシロキサンブロックは、一般式:
【化1】
によるものであり、
式中、R、Rは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される。
【0005】
様々な実施形態は、半導体デバイスを平坦化するための組成物に関する。組成物は、触媒と、少なくとも1つの溶媒と、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む少なくとも1つのポリシロキサン樹脂と、を含む。ポリジシロキサンブロックは、一般式:
【化2】
によるものであり、
式中、R、Rは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基
又はアルキル基からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(ジメチルシロキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの特定の実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック及びポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロックからなる。いくつかの他の実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、ポリ(ジメチルシロキサン)ブロックからなる。いくつかの実施形態では、ポリシルセスキオキサンブロックは、ポリ(メチルシルセスキオキサン)ブロック及びポリ(フェニルシルセスキオキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックの濃度は、ポリシロキサン樹脂の0.1モルパーセント~50モルパーセントである。いくつかの実施形態では、組成物中のポリジシロキサンブロックの重量平均分子量は、100Da~5,000Daである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶媒は、乳酸エチル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノール、イソプロピルアルコール、及びn-ブチルアセテートのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムアセテート、セチルトリメチルアンモニウムアセテート、及びテトラメチルアンモニウムニトレートのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、界面活性剤を更に含む。いくつかの実施形態では、組成物は、架橋剤を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリシロキサン樹脂は、第1のポリシロキサン樹脂及び第2のポリシロキサン樹脂を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリシロキサン樹脂は、第1のポリシロキサン樹脂であり、第2のポリシロキサン樹脂を更に含み、第2のポリシロキサン樹脂は、ポリ(シルセスキオキサン)樹脂からなる。
【0006】
様々な実施形態は、平坦化組成物の製造方法に関する。本方法は、1つ以上の溶媒中に少なくとも1つのポリシロキサン樹脂を溶解して樹脂溶液を形成することと、触媒を樹脂溶液に添加することと、を含む。少なくとも1つのポリシロキサン樹脂は、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む。ポリジシロキサンブロックは、一般式:
【化3】
によるものであり、
式中、R、Rは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(ジメチルシロキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックの濃度は、ポリシロキサン樹脂の0.1モルパーセント~50モルパーセントである。
【0007】
様々な実施形態は、半導体デバイス用の平坦化フィルムに関する。平坦化フィルムは、触媒残渣及び硬化ポリシロキサンを含む。硬化ポリシロキサンは、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む。ポリジシロキサンブロックは、一般式:
【化4】
によるものであり、
式中、R、Rは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(ジメチルシロキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックの重量平均分子量は、100Da~5,000Daである。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックの濃度は、ポリシロキサン樹脂の0.1モルパーセント~50モルパーセントである。
【0008】
添付の図面を考慮して、本発明の実施形態についての以下の記載を参照することによって、本発明の上述及び他の特性及び有利性、並びにそれらを達成する様式がより明らかになり、本発明自体がより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】平坦化される表面微細構造を示す半導体デバイスの一部分の概略断面図である。
【0010】
図2】本開示の実施形態による平坦化フィルムによる表面微細構造の平坦化を示す、図1の半導体デバイスの一部分の概略断面図である。
【0011】
図3】以下の実施例15に関し、本開示の実施形態による平坦化フィルムについての熱重量分析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態は、以下に記載するようなポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含むポリシロキサン樹脂を含む組成物を採用して、マイクロプロセッサ、メモリデバイス、及び発光ダイオードを採用するディスプレイ又は他の種類のディスプレイなどの半導体デバイスの表面上にコーティングし、半導体デバイス表面を平坦化することができる。コーティングは、例えば、スピンコーティング又はスロットコーティングによって適用することができる。本開示の実施形態による硬化組成物によって形成された平坦化フィルムは、400℃を超える温度にさらされたときでも、7マイクロメートル超の厚さで優れた耐亀裂性を示すことが分かった。本開示のいくつかの実施形態による硬化組成物によって形成された平坦化フィルムは、380℃の温度にさらされたときでも、10マイクロメートル超の厚さで優れた耐亀裂性を示すことが分かった。また、本開示の実施形態による硬化組成物によって形成された平坦化フィルムは、高い硬度及び高い光透過性を示すことが分かった。本開示の実施形態による硬化組成物によって形成された平坦化フィルムは、360℃の温度に24時間さらされたときに熱的に安定であることも分かった。
【0013】
図1は、平坦化される表面微細構造を示す半導体デバイスの一部分の概略断面図である。図1は、基板12及び少なくとも1つの表面特徴部14を含む半導体デバイス10を示す。基板12は、例えば、ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アルミニウム、銅、又
は半導体デバイス10にとって望ましい様々な厚さ及び配置の様々な層内の任意の他の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、表面特徴部14は、基板12の中に形成されたトレンチであり得る。
【0014】
表面特徴部14は、幅W及び深さDを有するものとして記載され得る。いくつかの実施形態では、表面特徴部14の深さDは、0.01マイクロメートル、0.1マイクロメートル、0.5マイクロメートル、若しくは1マイクロメートル程度まで浅いか、又は3マイクロメートル、5マイクロメートル、10マイクロメートル、100マイクロメートル程度まで深くてもよい。いくつかの実施形態では、表面特徴部14の深さDは、0.01マイクロメートル~100マイクロメートル、0.1マイクロメートル~10マイクロメートル、0.5マイクロメートル~5マイクロメートル、又は1マイクロメートル~3マイクロメートルの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、表面特徴部14の幅Wは、0.01マイクロメートル、0.1マイクロメートル、1マイクロメートル、10マイクロメートル程度まで小さいか、又は50マイクロメートル、100マイクロメートル、500マイクロメートル、1000マイクロメートル程度まで大きくてもよい。いくつかの実施形態では、表面特徴部14の幅Wは、0.01マイクロメートル~1000マイクロメートル、0.1マイクロメートル~500マイクロメートル、1マイクロメートル~100マイクロメートル、又は10マイクロメートル~50マイクロメートルの範囲であり得る。
【0015】
図2は、本開示の実施形態による、平坦化フィルム16による表面特徴部14の平坦化を示す、図1の半導体デバイス10の一部分の概略断面図である。図2は、本開示の実施形態による、ポリシロキサン樹脂を含む組成物から平坦化フィルム16を形成した後の半導体デバイス10を示す。平坦化フィルム16は、表面特徴部14を充填して、実質的に平坦な表面18を提供し、その上に後続のデバイス層(図示せず)を形成することができる。いくつかの実施形態では、平坦化フィルム16は、6マイクロメートル超である半導体デバイス10の一部分にわたる厚さTを有することができる。いくつかの実施形態では、平坦化フィルム16は、10マイクロメートル超である半導体デバイス10の一部分にわたる厚さTを有することができる。
【0016】
図1及び図2は、本開示の実施形態による、平坦化フィルム16を形成することができる一例を示す。本開示の実施形態による平坦化フィルム16は、導電性、非導電性、及び半導体材料の異なる配置を伴う多くの他の微細構造上で形成することができることが理解される。説明を容易にするために、1つの表面特徴部14のみを図1及び2に示す。しかし、実施形態は複数の表面特徴部14を含み得ることが理解される。
【0017】
平坦化フィルム16は、後述のように、例えば、少なくとも1つの溶媒、触媒、及びポリシロキサン樹脂を含む組成物をスピンコーティング又はスロットコーティングにより、半導体デバイス10の少なくとも一部分をコーティングすることによって形成することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、界面活性剤を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、架橋剤を更に含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、下記のように、少なくとも1つの溶媒、触媒、界面活性剤、及び少なくとも1つのポリシロキサン樹脂を含む組成物から本質的になる。いくつかの実施形態では、組成物は、下記のように、少なくとも1つの溶媒、触媒、界面活性剤、架橋剤、及び少なくとも1つのポリシロキサン樹脂を含む組成物から本質的になる。
【0018】
いくつかの実施形態では、ポリシロキサン樹脂は、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含み得る。ポリシルセスキオキサンブロックは、式[RSiO3/2を有する任意の種類のポリシルセスキオキサンを含み得、式中、Rは、水素、アルキル基、アリール基、又はアルコキシル基である。例えば、いくつかの実施形
態では、ポリシルセスキオキサンブロックは、ポリ(メチルシルセスキオキサン)ブロック、ポリ(フェニルシルセスキオキサン)ブロック、ポリ(メチルフェニルシルセスキオキサン)、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0019】
ポリジシロキサンブロックは、式:
式I:
【化5】
によるものであり、
式中、R、Rは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される。
【0020】
例えば、いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、R及びRが、それぞれフェニル基であるポリ(ジフェニルシロキサン)ブロックを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、R及びRが、それぞれメチル基であるポリ(ジメチルシロキサン)ブロックを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、Rがフェニル基であり、Rがメチル基であるポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロックを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、ポリシロキサン樹脂は、単一の種類のポリジシロキサンブロックを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、Gelest Inc.(Morrisville,Pennsylvania)から入手可能なSST-3PM2ジメチルシロキサンコポリマー樹脂中などのポリ(ジメチルシロキサン)ブロックからなる。他の実施形態では、ポリシロキサン樹脂は、複数の種類のポリジシロキサンブロックを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(ジメチルシロキサン)ブロック、又はポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロックの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、Gelest Inc.(Morrisville,Pennsylvania)から入手可能なSST-3PM4テトラポリマー樹脂中などのポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック及びポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロックからなり得る。いくつかの他の実施形態では、ポリジシロキサンブロックは、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(ジメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロックからなり得る。
【0022】
ポリシロキサン樹脂中のポリジシロキサンブロックは、重量平均分子量(Mw)を有し得る。いくつかの実施形態では、組成物中のポリジシロキサンの重量平均分子量(Mw)は、100Da、200Da、500Da、800Da、1,000Da、若しくは1,200Da程度まで少なく、又は1,600Da、2,100Da、2,600Da、3,400Da、4,300Da、若しくは5,000Da程度まで多く、又は前述の値のいずれか2つによって定義される任意の範囲内である。例えば、いくつかの実施形態では、組成物中のポリジシロキサンブロックのMwは、100Da~5,000Da、200Da~4,300Da、1,000Da~2,100Da、1,200Da~4,300Da、又は1,200Da~1,600Daの範囲である。いくつかの実施形態では、組成物中のポリジシロキサンブロックのMwは、約1,300Daである。Mwは、当該
技術分野において既知であるように、ゲル透過クロマトグラフィによって測定することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、ポリシロキサン樹脂中のポリジシロキサンブロックの濃度は、ポリシロキサン樹脂の0.1モルパーセント(モル%)、1モル%、10モル%、若しくは20モル%程度まで低く、又は25モル%、30モル%、35モル%、40モル%、若しくは50モル%程度まで高い、又は前述の値のうちの任意の2つによって定義される任意の範囲内で、例えば、いくつかの実施形態では、組成物中のポリジシロキサンブロックの濃度は、ポリシロキサン樹脂の0.1モル%~50モル%、1モル%~45モル%、10モル%~40モル%、若しくは20モル%~30モル%の範囲であり得る。
【0024】
いかなる理論に束縛されることも望むものではないが、本明細書に記載のポリシロキサン樹脂中の長いポリジアルキルシロキサンブロックによって提供される可撓性は、比較的硬質のポリシルセスキオキサンブロック間の応力緩和を提供すると考えられる。ポリシロキサンブロックの使用は、例えば、ポリトリシロキサン又はポリテトラシロキサンブロックと比較して、ポリマー樹脂の架橋の機会を限定することによって更なる可撓性を提供する。更に、このような応力緩和のないフィルムは、フィルム中の高い応力の蓄積により、より亀裂が生じる可能性が高いと考えられる。したがって、本開示の実施形態による組成物から形成された平坦化フィルムは、7マイクロメートルを超える厚さであっても、400℃を超える温度にさらされた後であっても、亀裂に耐えることが可能である。
【0025】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリシロキサン樹脂は、上記のポリケイ素樹脂のうちのいずれか1つからなり得る。他の実施形態では、少なくとも1つのポリシロキサン樹脂は、第1のポリシロキサン樹脂と、第1のポリシロキサン樹脂とは異なる第2のポリシロキサン樹脂と、を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のポリシロキサン樹脂及び第2のポリシロキサン樹脂は、それぞれ上記のポリシロキサン樹脂のうちの1つである。他の実施形態では、第1のポリシロキサン樹脂は、上記のポリシロキサン樹脂のうちの1つであり得、第2のポリシロキサン樹脂は、上記のポリシロキサン樹脂のうちの1つではないポリ(シルセスキオキサン)樹脂、例えば、ポリ(フェニル-メチルシルセスキオキサン)樹脂であり得る。
【0026】
少なくとも1つの溶媒としては、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、n-ブチルアセテート、ケトン、又はアルコールなどの単一の溶媒を含み得る。グリコールエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールプロピルエーテル又はプロピレングリコールメチルエーテルを含み得る。グリコールエーテルアセテートとしては、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、2-エトキシエチルアセテート、又は2-メトキシエチルアセテートを含み得る。ケトンは、例えば、アセトン又はジエチルケトンを含み得る。アルコールとしては、例えば、イソプロピルアルコール、ブタノール、又はエタノールを含み得る。他の実施形態では、少なくとも1つの溶媒は、前述の溶媒のうちの2つ以上の混合物を含む。
【0027】
触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート(TMAA)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラブチルアンモニウムアセテート(TBAA)、セチルトリメチルアンモニウムアセテート(CTAA)、テトラメチルアンモニウムニトレート(TMAN)、トリフェニルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルホスホニウムアセテート、テトラメチルホスホニウムヒドロキシド、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラントリフラート、及びこれらの任意の組み合わせを含み得る。このような触媒は、組成物が半導体デバイス10に適用された後に、熱によって活性化されて、組成物の重合及び
架橋を引き起こし、平坦化フィルム16を形成することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、組成物は、界面活性剤を更に含むことができる。界面活性剤は、剥離(striations)を更に低減することができ、これは、組成物がより大きい直径の半導体デバイスウェハ又はディスプレイ基板上にスピンコーティングされるとき、特に有用であり得ることが分かった。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、BYK-Chemie(Wesel、Germany)から入手可能なBYK(登録商標)-306又はBYK(登録商標)-307などのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン界面活性剤であり得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、組成物中の界面活性剤の濃度は、組成物の総重量の0.01重量%、0.1重量%、0.4重量%、0.6重量%、若しくは0.8重量%程度まで低いか、又は1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、若しくは20重量%程度まで高いか、又は前述の値のうちのいずれか2つによって定義される任意の範囲内であり得、例えば、いくつかの実施形態では、組成物中の界面活性剤の濃度は、組成物の総重量の0.01重量%~20重量%、0.1重量%~15重量%、0.4重量%~10重量%、0.6重量%~5重量%、又は0.8重量%~1重量%の範囲であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、組成物は、高温で揮発又は分解して組成物の安定化を助けることができる有機酸を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、有機酸としては、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、ギ酸、若しくは酢酸、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、有機酸の濃度は、組成物の総重量の0.01重量%、0.1重量%、0.2重量%、若しくは0.4重量%程度まで小さいか、又は0.5重量%、0.6重量%、0.8重量%、若しくは1重量%程度まで大きいか、又は前述の値のうちのいずれか2つによって定義される任意の範囲内であり得、例えば、いくつかの実施形態では、組成物中の有機酸の濃度は、組成物の総重量の0.01重量%~1重量%、0.1重量%~0.8重量%、0.3重量%~0.6重量%、又は0.4重量%~0.5重量%の範囲であり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、組成物は、架橋剤を更に含み得る。架橋剤は、ポリシロキサン樹脂中で結合を形成する。いかなる理論に束縛されることも望むものではないが、架橋剤によって提供される結合部は、更なる耐亀裂性を提供する平坦化フィルム16に追加の構造及び強度を提供すると考えられる。いくつかの実施形態では、架橋剤としては、ビス-(トリメトキシシリルプロピル)アミン、1,3ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、2,6-ビス(トリエトキシシリル)-ナフタレン、9,10-ビス(トリエトキシシリル)-アントラセン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)-ピレン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エタン、又は1-(トリエトキシシリル)-2-(ジエトキシメチルシリル)エタン、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0032】
本開示の実施形態による平坦化組成物の製造方法は、上記のような少なくとも1つのポリシロキサン樹脂を提供することと、ポリシロキサン樹脂を1つ以上の溶媒中に溶解して樹脂溶液を形成することと、を含み得る。ポリシロキサン樹脂の溶解は、ポリシロキサン樹脂を1つ以上の溶媒の中で1~4時間混合することによって促進することができる。上記のような触媒を樹脂溶液に添加することができる。いくつかの実施形態では、上記のような界面活性剤を樹脂溶液に添加することもできる。樹脂溶液をもう数時間、例えば3時間撹拌して、組成物を形成することができる。次いで、組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過することができる。
【0033】
使用中、本開示の実施形態による平坦化組成物は、例えばスピンコーティングによっ
て半導体デバイス10(図1)に適用することができる。次いで、コーティングされた半導体デバイス10を、約160℃~約180℃の範囲の温度で焼成して、少なくとも1つの溶媒の実質的に全てを追い出し、未硬化のフィルムを形成することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの溶媒が実質的に追い出されると、平坦化組成物の第2のコーティングは、約160℃~約180℃の範囲の温度で再度焼成されたコーティングされた未硬化フィルム及び半導体デバイス10上に適用され、少なくとも1つの溶媒の実質的に全てを追い出し、未硬化フィルムの第2の層を形成することができる。コーティング及びバッキングプロセスは、望ましい厚さの未硬化フィルムが実現されるまでに完了することができ、その後、触媒が熱によって活性化されて、ポリシロキサン樹脂を重合及び架橋することによってフィルムを硬化させ、平坦化フィルム16を形成することができる。触媒の残渣は、硬化後に残存し得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、平坦化フィルム16は、250℃、260℃、280℃、300℃、若しくは350℃程度まで低い温度か、又は400℃、410℃、420℃、430℃、440℃、若しくは450℃程度まで高い温度か、又は前述の温度のいずれか2つの間の任意の温度で、硬化され得る。例えば、いくつかの実施形態では、平坦化フィルム16は、250℃~450℃、260℃~440℃、280℃~430℃、300℃~420℃、又は350℃~410℃の範囲の温度で硬化され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、平坦化フィルム16は、BYK(登録商標)-307などのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン界面活性剤の残渣を含む、上記の実施形態のうちのいずれかによる界面活性剤残渣を更に含み得る。
【0036】
本発明は、例示的な設計に対するものとして説明したが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正することができる。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における既知の又は慣習的な実践に属する本開示からのそのような逸脱を包含することが意図されている。
【実施例0037】
実施例1-比較例-GR150Fポリ(シルセスキオキサン)樹脂
200mLのフラスコ内で、BK-Chemieから入手した10gのBYK(登録商標)-307界面活性剤を90gのエタノールに添加し、室温で1時間撹拌して、10重量%の界面活性剤溶液を調製した。100mLのフラスコ内で、0.5gのテトラメチルアンモニウムニトレート(TMAN)触媒を24.5gの脱イオン水に添加し、室温で1時間撹拌して、2重量%のTMAN触媒溶液を調製した。別の200mLフラスコ内で、Techneglas(Perrysburg,Ohio)から入手した45.0gのGR150F樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、GR150F樹脂溶液を形成した。GR150は、約0.3モル%のポリ(ジメチルシロキサン)ブロックを有する等モル量のポリ(メチルシルセスキオキサン)ブロック及びポリ(フェニルシルセスキオキサン)ブロックを含むポリ(シルセスキオキサン)樹脂である。別の200mLフラスコ内で、1.25gの10重量%界面活性剤溶液、及び0.8gのTMAN触媒溶液を、100gのGR150F溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0038】
濾過した平坦化組成物を、1,500回転/分(RPM)でスピンコーティングすることにより、4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングを有するウェハを、窒素周
囲中で、350℃で1時間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。硬化したコーティングの深刻な亀裂が観察された。
実施例2-比較例-ポリ(シルセスキオキサン)樹脂SST-3PM1
【0039】
200mLフラスコ内で、Gelest Inc.(Morrisville,Pennsylvania)から入手した45.0gのSST-3PM1樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM1樹脂溶液を形成した。SST-3PM1は、90モル%のポリ(フェニルシルセスキオキサン)ブロック及び10モル%のポリ(メチルシルセスキオキサン)ブロックを含むポリシルセスキオキサン樹脂である。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.8gのTMAN触媒溶液を、100gのSST-3PM1樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0040】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さを測定し、28,439Åであることが分かった。焼成したコーティングを有するウェハを、窒素周囲中で、350℃で1時間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。硬化したコーティングの亀裂は観察されなかった。
実施例3-ジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM2
【0041】
200mLフラスコ内で、Gelest Inc.(Morrisville,Pennsylvania)から入手した45.0gのSST-3PM2樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM2樹脂溶液を形成した。SST-3PM2は、70モル%のポリ(フェニルシルセスキオキサン)ブロック及び30モル%のポリ(ジメチルシロキサン)コポリマーブロックを含むジメチルシロキサンコポリマーである。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.8gのTMAN触媒溶液を、100gのSST-3PM2樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0042】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングを有するウェハを、窒素周囲中で、350℃で1時間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。硬化したコーティングの亀裂は観察されなかった。
実施例4-ジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM4
【0043】
200mLフラスコ内で、Gelest Inc.(Morrisville,Pennsylvania)から入手した45.0gのSST-3PM4樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM4樹脂溶液を形成した。SST-3PM4は、45モル%のポリ(メチルシルセスキオキサン)ブロック、40モル%のポリ(フェニルシルセスキオキサン)ブロック、15モル%のポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及び10モル%のポリ(ジフェニルシロキサン)ブロックを含む
ジメチルシロキサンコポリマー樹脂である。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.8gのTMAN触媒溶液を、100gのSST-3PM4樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0044】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さを測定し、32,556Åであることが分かった。焼成したコーティングを有するウェハを、窒素周囲中で、350℃で1時間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。硬化したコーティングの亀裂は観察されなかった。
実施例5-ポリ(シルセスキオキサン)樹脂GR150F及びジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM2
【0045】
200mLフラスコ内で、45.0gのGR150F樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、GR150F樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM2樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM2樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.8gのTMAN触媒溶液を、95gのGR150F樹脂溶液及び5gのSST-3PM2樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0046】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さを測定し、32,425Åであることが分かった。焼成したコーティングを有するウェハを、窒素周囲中で、350℃で1時間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。硬化したコーティングの亀裂が観察された。亀裂は、比較例1で観察された亀裂よりも小さい程度であった。
実施例6-ポリ(シルセスキオキサン)樹脂GR150F及びジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM2
【0047】
200mLフラスコ内で、45.0gのGR150F樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、GR150F樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM2樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM2樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.8gのTMAN触媒溶液を、75gのGR150F樹脂溶液及び25gのSST-3PM2樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0048】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレ
ート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さを測定し、32,790Åであることが分かった。焼成したコーティングを有するウェハを、窒素周囲中で、350℃で1時間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。硬化したコーティングの亀裂が観察された。亀裂は、比較例1で観察された亀裂よりも小さい程度であった。
実施例7-ポリ(シルセスキオキサン)樹脂SST-3PM1及びジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM2
【0049】
200mLフラスコ内で、30.0gのSST-3PM1樹脂を70.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM1樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、30.0gのSST-3PM2樹脂を70.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM2樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.8gのTMAN触媒溶液を、100gのSST-3PM1樹脂溶液及び1gのSST-3PM2樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0050】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さを測定し、12,942Åであることが分かった。焼成したコーティングを有するウェハを、窒素周囲中で、350℃で1時間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。硬化したコーティングの亀裂は観察されなかった。
実施例8-ポリ(シルセスキオキサン)樹脂SST-3PM1及びジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM4
【0051】
200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM1樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM1樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM4樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM4樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した0.5gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.32gのTMAN触媒溶液を、10gのSST-3PM1樹脂溶液及び30gのSST-3PM4樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0052】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、2枚の4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さをそれぞれのウェハについて測定し、31,873Å及び31,915Åであることが分かった。これらのウェハのうちの1枚を、窒素周囲中で、410℃で30分間硬化させ、もう1枚を窒素周囲中で、450℃で30分間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。いずれのウェハ上でも、硬化コーティングの亀裂は観察されなかった。
実施例9-ポリ(シルセスキオキサン)樹脂SST-3PM1及びジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM4
【0053】
200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM1樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM1樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM4樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM4樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した0.5gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.32gのTMAN触媒溶液を、20gのSST-3PM1樹脂溶液及び20gのSST-3PM4樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0054】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、2枚の4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さをそれぞれのウェハについて測定し、31,897Å及び31,896Åであることが分かった。これらのウェハのうちの一方を、窒素周囲中で、410℃で30分間硬化させ、もう一方を窒素周囲中で、450℃で30分間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。いずれのウェハ上でも、硬化コーティングの亀裂は観察されなかった。
実施例10-ポリ(シルセスキオキサン)樹脂SST-3PM1及びジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM4
【0055】
200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM1樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM1樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM4樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM4樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した0.5gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.32gのTMAN触媒溶液を、30gのSST-3PM1樹脂溶液及び10gのSST-3PM4樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0056】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、2枚の4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さをそれぞれのウェハについて測定し、31,684Å及び31,722Åであることが分かった。これらのウェハのうちの一方を、窒素周囲中で、410℃で30分間硬化させ、もう一方を窒素周囲中で、450℃で30分間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。いずれのウェハ上でも、硬化コーティングの亀裂は観察されなかった。
実施例11-ジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM2及びSST-3PM4
【0057】
200mLフラスコ内で、30.0gのSST-3PM4樹脂を70.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM4樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、30.0gのSST-3PM2樹脂を70.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM2樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記の
ように調製した0.8gのTMAN触媒溶液を、100gのSST-3PM4樹脂溶液及び1gのSST-3PM2樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0058】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さを測定し、14,231Åであることが分かった。焼成したコーティングを有するウェハを、窒素周囲中で、350℃で1時間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。硬化したコーティングの亀裂は観察されなかった。
実施例12-ジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM2及びSST-3PM4
【0059】
200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM4樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM4樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM2樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM2樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、及び上記のように調製した0.8gのTMAN触媒溶液を、100gのSST-3PM4樹脂溶液及び1gのSST-3PM2樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0060】
濾過した平坦化組成物を、スピンコーティングによって5枚の4インチケイ素ウェハ上に、2枚は1,000RPMで、2枚は1,500RPMで、1枚は2,400RPMでコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。1,000RPMでコーティングした2枚のウェハのうちの1枚、1,500RPMでコーティングした2枚のウェハのうちの1枚、及び2,400RPMでコーティングしたウェハは、それぞれ第2のコーティングを受け、それぞれ第1のコーティングと同じ速度で回転させ、上記のようにホットプレート上で再度焼成した。焼成したコーティングの厚さをいくつかのウェハについて測定し、1,000RPMでの一重コーティングについては43,458Å、1,000RPMでの二重コーティングについては93,494Å、1,500RPMでの一重コーティングについては32,440Å、及び2,400RPMでの二重コーティングについては54,973Åであることが分かった。焼成したコーティングを有する5枚のウェハを、窒素周囲中で、410℃で30分間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。最大で54,973Åのコーティング厚さを有するウェハ上では、硬化コーティングの亀裂は観察されなかった。93,494Åのコーティング厚さを有するウェハ上でのみ、亀裂が観察された。
実施例13-ジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM2及びSST-3PM4
【0061】
100mLのフラスコ内で、0.5gのテトラブチルアンモニウムニトレート(TBAA)触媒を24.5gの脱イオン水に添加し、室温で1時間撹拌して、2重量%のTBAA触媒溶液を調製した。200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM4樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM4樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM2樹脂を55.
0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM2樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した0.675gの10重量%界面活性剤溶液、0.4gのTBAA触媒溶液、及び0.025gのトリフルオロ酢酸を、50gのSST-3PM4樹脂溶液及び0.5gのSST-3PM2樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0062】
濾過した平坦化組成物を、スピンコーティングによって3枚の4インチケイ素ウェハ上に、1枚は600RPMで、1枚は1,000RPMで、及び1枚は1,500RPMでコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングの厚さをこれらのウェハについて測定し、1,500RPMでの一重コーティングについては37,020Å及び1,000RPMでの一重コーティングについては50,012Åであることが分かった。スピン速度が低すぎて均一なコーティングを生成することができないため、600RPMでの一重コーティングの厚さを測定することはできなかった。焼成したコーティングを有する3枚のウェハを、窒素周囲中で、410℃で30分間硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。1,500RPMでコーティングしたウェハ上では、硬化コーティングの亀裂は観察されなかった。1,000RPMでコーティングしたウェハ上では、亀裂が観察された。
実施例14-ジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM2及びSST-3PM4
【0063】
200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM4樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM4樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM2樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM2樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、上記のように調製した0.8gのTMAN触媒溶液、及び0.45gの架橋剤を、100gのSST-3PM4樹脂溶液及び1gのSST-3PM2樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。架橋剤は、Momentive Performance
Materials(Waterford,New York)から入手したSilquest(登録商標)A-1170(ビス-(トリメトキシシリルプロピル)アミン)であった。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0064】
濾過した平坦化組成物を、スピンコーティングによって12枚の4インチケイ素ウェハ上に、3枚は1,000RPMで、3枚は1,300RPMで、3枚は1,800RPMで、及び3枚は2,400RPMでコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。ウェハのそれぞれが、第2のコーティングを受け、それぞれ第1のコーティングと同じ速度で回転させ、上記のようにホットプレート上で再度焼成した。焼成したコーティングの厚さを測定し、ウェハのそれぞれについて測定した。12枚のウェハを窒素周囲で30分間硬化させた。12枚のウェハのうちの4枚、4つのスピン速度でコーティングされたウェハのそれぞれ1枚を360℃で硬化させた。12枚のウェハのうちの別の4枚、4つのスピン速度でコーティングしたウェハのそれぞれ1枚を380℃で硬化させた。12枚のウェハの残りの4枚、4つのスピン速度でコーティングしたウェハのそれぞれ1枚を、410℃で硬化させた。硬化したコーティングを、光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡によって亀裂について検査した。厚さ及び亀裂の検査結果を
以下の表1に示す。表1に示すように、380℃程度までの高い温度で10マイクロメートル(100,000Å)を超えるコーティング厚さを有するウェハ上では、硬化コーティングの亀裂は観察されなかった。410℃程度までの高い温度で7マイクロメートル(77,679Å)を超えるコーティング厚さを有するウェハ上では、硬化コーティングの亀裂は観察されなかった。
【表1】
実施例15-ジメチルシロキサンコポリマー樹脂SST-3PM2及びSST-3PM4
【0065】
200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM4樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM4樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、45.0gのSST-3PM2樹脂を55.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、SST-3PM2樹脂溶液を形成した。別の200mLフラスコ内で、上記のように調製した1.25gの10重量%界面活性剤溶液、上記のように調製した0.8gのTMAN触媒溶液、及び上記の0.45gの(ビス-(トリメトキシシリルプロピル)アミン架橋剤を、100gのSST-3PM4樹脂溶液及び1gのSST-3PM2樹脂溶液に添加し、室温で3時間撹拌して、平坦化組成物を形成した。平坦化組成物を0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0066】
濾過した平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、4インチケイ素ウェハ上にコーティングした。キャストフィルムを有するウェハを、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングを有するウェハを、窒素周囲中で、410℃で30分間硬化させた。
【0067】
硬化したコーティングをウェハから回収し、Discovery TGA System上でTGA分析を行った。試料を室温(25℃)~約360℃のN中で加熱し、24時間保持した。これらの結果を図3に示す。図3は、TGAの温度プロファイル20(右手軸を参照して)と、初期コーティング重量の百分率としてのコーティングの重量22(左手軸を参照して)と、を示す。図3に示すように、コーティングは、熱的に安定であり、360℃で24時間加熱した後、1重量%未満の重量を失う。
【0068】
100mLのフラスコ内で、20.0gの平坦化組成物を、25.0gのPGMEAに添加し、室温で1時間撹拌して、希釈平坦化組成物を形成した。希釈平坦化組成物を、
0.1マイクロメートルのフィルタを通して濾過した。
【0069】
濾過した希釈平坦化組成物を、1,500RPMでスピンコーティングすることにより、8インチのケイ素ウェハ上及び2インチ×2インチの透明ガラス基板上にコーティングした。キャストフィルムを有するケイ素ウェハ及びガラス基板を、空気周囲中の連続する2枚のホットプレート(160℃の表面温度を有する第1のホットプレート及び180℃の表面温度を有する第2のホットプレート)上でそれぞれ60秒間焼成して、溶媒を蒸発させた。焼成したコーティングを有するウェハを、空気周囲中で、250℃で60分間硬化させた。
【0070】
ガラス及びコーティングされたガラスの透過率を、Hitachi U-3900 UV-Vis分光光度計上で測定した。コーティングのないガラス基板については92.1%の光透過率と測定し、ガラス基板上の硬化コーティングについては91.6%の光透過率と測定し、硬化コーティングの透明性が高いことを示した。
【0071】
硬化コーティングを有する8インチケイ素ウェハを、Hysitron(登録商標)Nanomechanical Test System上のナノインデンテーション試験により、ナノ硬度及び低下した弾性率分析について測定した。ケイ素ウェハ上の硬化コーティングについて、145.1Mpaの高いナノ硬度及び3.49GPaの低下した弾性率を測定した。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスの表面を平坦化するための組成物であって、
触媒と、
乳酸エチル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノール、イソプロピルアルコール、及びn-ブチルアセテートのうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの溶媒と、
ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む少なくとも1つの第1のポリシロキサン樹脂であって、前記ポリジシロキサンブロックが、一般式:
【化1】
によるものであり、
式中、R、Rが、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択され、
ポリジシロキサンブロックの濃度は、第1のポリシロキサン樹脂の10モルパーセント~35モルパーセントであり、ポリジシロキサンブロックが、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック及びポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロックからなる、第1のポリシロキサン樹脂と、
ポリシルセスキオキサンおよび/またはポリ(ジメチルシロキサン)ブロックからなる第2のポリシロキサン樹脂と、を含む組成物。
【請求項2】
第2のポリシロキサン樹脂がポリシルセスキオキサンブロックからなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリシルセスキオキサンブロックが、ポリ(メチルシルセスキオキサン)ブロック及びポリ(フェニルシルセスキオキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
第2のポリシロキサン樹脂がポリ(ジメチルシロキサン)ブロックからなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物中の前記ポリジシロキサンブロックの重量平均分子量が、100Da~5,000Daである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
触媒は、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムアセテート、セチルトリメチルアンモニウムアセテート、及びテトラメチルアンモニウムニトレートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
触媒がテトラメチルアンモニウムニトレートである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
さらに界面活性剤を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
さらに架橋剤を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
平坦化組成物を製造するための方法であって、
1つ以上の溶媒中に第1のポリシロキサン樹脂および第2のポリシロキサン樹脂を溶解して樹脂溶液を形成することであって、前記第1のポリシロキサン樹脂が、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含み、前記ポリジシロキサンブロックが、一般式:
【化2】
によるものであり、
式中、R、Rが、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択され、
ポリジシロキサンブロックの濃度は、第1のポリシロキサン樹脂の10モルパーセント~35モルパーセントであり、ポリジシロキサンブロックが、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック及びポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロックからなり、
前記第2のポリシロキサン樹脂が、ポリシルセスキオキサンおよび/またはポリ(ジメチルシロキサン)ブロックからなり、
1つ以上の溶媒が、乳酸エチル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノール、イソプロピルアルコール、及びn-ブチルアセテートのうちの少なくとも1つを含む、形成することと、
触媒を前記樹脂溶液に添加することと、を含む、方法。
【請求項11】
半導体デバイス用の平坦化フィルムであって、
触媒残渣と、
第1のポリシロキサン樹脂および第2のポリシロキサン樹脂を含む硬化ポリシロキサンであって、第1のポリシロキサン樹脂が、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含み、前記ポリジシロキサンブロックが、一般式:
【化3】
によるものであり、
式中、R、Rが、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択され、
ポリジシロキサンブロックの濃度は、第1のポリシロキサン樹脂の10モルパーセント~35モルパーセントであり、ポリジシロキサンブロックが、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック及びポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロックからなり、第2のポリシロキサン樹脂が、ポリシルセスキオキサンおよび/またはポリ(ジメチルシロキサン)ブロックからなる、硬化ポリシロキサンと
を含む、平坦化フィルム。
【請求項12】
5μm以上の厚さを有する、請求項11に記載の平坦化フィルム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
硬化コーティングを有する8インチケイ素ウェハを、Hysitron(登録商標)Nanomechanical Test System上のナノインデンテーション試験により、ナノ硬度及び低下した弾性率分析について測定した。ケイ素ウェハ上の硬化コーティングについて、145.1Mpaの高いナノ硬度及び3.49GPaの低下した弾性率を測定した。
本明細書は以下の発明の態様を包含する。
[1]
半導体デバイスの表面を平坦化するための組成物であって、
触媒と、
少なくとも1つの溶媒と、
ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む少なくとも1つのポリシロキサン樹脂と、を含み、前記ポリジシロキサンブロックが、一般式:
【化4】
によるものであり、
式中、R 、R が、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される、組成物。
[2]
前記ポリジシロキサンブロックが、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(ジメチルシロキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む、[1]に記載の組成物。
[3]
前記ポリシルセスキオキサンブロックが、ポリ(メチルシルセスキオキサン)ブロック及びポリ(フェニルシルセスキオキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む、[1]に記載の組成物。
[4]
前記ポリジシロキサンブロックの濃度が、前記ポリシロキサン樹脂の0.1モルパーセント~50モルパーセントである、[1]に記載の組成物。
[5]
前記組成物中の前記ポリジシロキサンブロックの重量平均分子量が、100Da~5,000Daである、[1]に記載の組成物。
[6]
前記少なくとも1つのポリシロキサン樹脂が、第1のポリシロキサン樹脂であり、第2のポリシロキサン樹脂を更に含み、前記第2のポリシロキサン樹脂が、ポリ(シルセスキオキサン)樹脂からなる、[1]に記載の組成物。
[7]
平坦化組成物を製造するための方法であって、
1つ以上の溶媒中に少なくとも1つのポリシロキサン樹脂を溶解して樹脂溶液を形成することであって、前記少なくとも1つのポリシロキサン樹脂が、ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含み、前記ポリジシロキサンブロックが、一般式:
【化5】
によるものであり、
式中、R 、R が、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される、形成することと、
触媒を前記樹脂溶液に添加することと、を含む、方法。
[8]
前記ポリジシロキサンブロックが、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(ジメチルシロキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む、[7]に記載の方法。
[9]
半導体デバイス用の平坦化フィルムであって、
触媒残渣と、
ポリシルセスキオキサンブロック及びポリジシロキサンブロックを含む硬化ポリシロキサンと、を含み、前記ポリジシロキサンブロックが、一般式:
【化6】
によるものであり、
式中、R 、R が、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素を有するアリール基又はアルキル基からなる群から選択される、平坦化フィルム。
[10]
前記ポリジシロキサンブロックが、ポリ(ジフェニルシロキサン)ブロック、ポリ(フェニルメチルシロキサン)ブロック、及びポリ(ジメチルシロキサン)ブロックのうちの少なくとも1つを含む、[9]に記載の平坦化フィルム。
【外国語明細書】