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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099614
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】光の波長の測定
(51)【国際特許分類】
   G01J 9/02 20060101AFI20240718BHJP
   G01J 3/02 20060101ALI20240718BHJP
   G01J 3/45 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
G01J9/02
G01J3/02 C
G01J3/45
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024065550
(22)【出願日】2024-04-15
(62)【分割の表示】P 2022574161の分割
【原出願日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】16/907,469
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521266918
【氏名又は名称】クオンタム ヴァリー アイデアズ ラボラトリーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】キーヴニー ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ギレット ジョフリー ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】リウ チャン
(72)【発明者】
【氏名】アースキン ジェニファー アン ジョー
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー ジェームズ ピー
【テーマコード(参考)】
2G020
【Fターム(参考)】
2G020CA12
2G020CB23
2G020CC21
2G020CC49
2G020CC63
2G020CD39
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高精度で光の波長を測定可能な波長測定システムを提供する。
【解決手段】波長測定システム200は、干渉計226、カメラシステム228、センサ206、及び制御システム202を含む。干渉計は、2つの反射面と、2つの反射面の間の伝送媒体とを含む。干渉計は、レーザから光信号を受け取り、これに応答してインタフェログラムを生成する。カメラシステムは、干渉計からインタフェログラムを受け取り、これに応答してインタフェログラムデータを生成する。インタフェログラムデータは、干渉計から受信したインタフェログラムを表す。センサは、伝送媒体の環境パラメータを感知し、これに応答してセンサデータを生成する。制御システムは、カメラシステムからインタフェログラムデータを受け取り、センサからセンサデータを受け取ることと、インタフェログラムデータ及びセンサデータに基づいてレーザの波長を計算することとを含む動作を実行する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長測定システムであって、
少なくとも2つの反射面と前記反射面の間の伝送媒体とを含む干渉計であって、前記干渉計は、レーザから光信号を受け取り、これに応答してインタフェログラムを生成するように構成された干渉計と、
前記インタフェログラムを受け取り、これに応答して前記インタフェログラムを表すインタフェログラムデータを生成するように構成されたカメラシステムと、
前記伝送媒体の環境パラメータを感知し、これに応答して前記環境パラメータの値を表すセンサデータを生成するように構成されたセンサと、
制御システムと、
を含み、
前記制御システムは、
前記カメラシステムから前記インタフェログラムデータを受け取り、前記センサから前記センサデータを受け取ることと、
前記インタフェログラムデータ及び前記センサデータに基づいて、前記レーザの波長を計算することと、
を含む動作を実行するように構成される、
波長測定システム。
【請求項2】
前記干渉計はフィゾー干渉計である、請求項1に記載の波長測定システム。
【請求項3】
前記干渉計は、第1のキャビティ及び第2のキャビティを含み、前記第1のキャビティは第1の干渉計長さを有し、前記第2のキャビティは前記第1の干渉計長さと異なる第2の干渉計長さを有する、請求項2に記載の波長測定システム。
【請求項4】
前記インタフェログラムデータは、前記第1のキャビティによって生成された第1のインタフェログラムと前記第2のキャビティによって生成された第2のインタフェログラムの空間依存的な強度プロファイルを含む、請求項3に記載の波長測定システム。
【請求項5】
前記カメラシステムは、フォトダイオードアレイを含む、請求項1~4の何れかに記載の波長測定システム。
【請求項6】
前記センサが温度センサであり、前記センサデータは、前記伝送媒体の温度を表すデータを含む、請求項1~4の何れかに記載の波長測定システム。
【請求項7】
前記センサは、第1の温度センサであり、前記センサデータは、前記伝送媒体の第1の温度を表す第1のセンサデータを含み、
前記システムは、干渉計の第2の温度を感知し、これに応答して前記第2の温度の値を表す第2のセンサデータを生成するように構成された第2の温度センサを含む、
請求項6に記載の波長測定システム。
【請求項8】
前記動作は、前記第2のセンサデータに従って前記干渉計の熱膨張値を決定することを含む、請求項7に記載の波長測定システム。
【請求項9】
前記センサは圧力センサであり、前記センサデータは前記伝送媒体の圧力を表すデータを含む、請求項1~4の何れか1項に記載の波長測定システム。
【請求項10】
前記センサは湿度センサであり、前記センサデータは、前記伝送媒体の湿度を表すデータを含む、請求項1~4の何れか1項に記載の波長測定システム。
【請求項11】
前記センサは二酸化炭素センサであり、前記センサデータは、前記伝送媒体中の二酸化炭素の濃度を表すデータを含む、請求項1~4の何れか1項に記載の波長測定システム。
【請求項12】
前記センサは第1のセンサであり、前記環境パラメータは第1の環境パラメータであり、
前記波長測定システムは、伝送媒体の第2の環境パラメータを感知し、これに応答して第2のセンサデータを生成するように構成された第2のセンサを含み、
前記第1及び第2のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、請求項1~4の何れか1項に記載の波長測定システム。
【請求項13】
前記波長測定システムは、前記伝送媒体のそれぞれの第3の環境パラメータを感知し、これに応答して第3のセンサデータを生成するように構成された第3のセンサを含み、
前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、及び前記第3のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、請求項12に記載の波長測定システム。
【請求項14】
前記センサは温度センサであり、
前記波長測定システムは、前記伝送媒体のそれぞれの環境パラメータを感知するように各々が構成された、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサを含む、
請求項1~4の何れか1項に記載の波長測定システム。
【請求項15】
前記動作は、基準レーザを用いて前記インタフェログラムデータ及び前記センサデータを受け取る前に前記波長測定システムを較正することを含む、請求項1~4の何れか1項に記載の波長測定システム。
【請求項16】
前記インタフェログラムデータは第1のインタフェログラムデータを含み、前記レーザはテストレーザを含み、前記光信号は第1の光信号を含み、前記テストレーザの波長は第1の波長を含み、
前記波長測定システムを較正することは、
前記干渉計の幾何学的データを受け取ることであって、前記幾何学的データは前記第1及び第2の干渉計長さ並びにウェッジ角度を含む、ことと、
前記カメラシステムからの第2のインタフェログラムデータ及び前記センサからの前記センサデータを受け取ることであって、前記第2のインタフェログラムデータは、前記基準レーザからの第2の光信号に基づいて前記干渉計によって生成され、前記第2の光信号は、前記第1及び第2のキャビティに同時に入射される、ことと、
前記センサデータに基づいて、前記伝送媒体の第1の屈折率を算出することと、
前記第1の屈折率と前記基準レーザの第2の波長とに基づく反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことにより、前記第1及び第2のキャビティのフィッティング済み干渉計長さを計算することと、
前記フィッティング済み干渉計長さと前記基準レーザの第2の波長とに基づく反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことにより、前記基準レーザのガウシアンエンベロープパラメータを計算することと、
を含む、請求項15に記載の波長測定システム。
【請求項17】
前記テストレーザの波長を計算することは、
前記センサデータに基づいて前記伝送媒体の第2の屈折率を算出することと、
前記フィッティング済み干渉計長さ、前記ウェッジ角、前記第2の屈折率、及び前記ガウスエンベロープパラメータに基づいて前記反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことと、
大域的最適化アルゴリズムを用いて、前記テストレーザの第1の波長を計算することと、
を含む、請求項16に記載の波長測定システム。
【請求項18】
波長測定方法であって、
干渉計の動作により、レーザから光信号を受け取り、インタフェログラムを生成するステップであって、前記干渉計は、少なくとも2つの反射界面と、反射面の間の伝送媒体とを有する、ステップと、
カメラシステムの動作により、前記干渉計からインタフェログラムを受け取り、これに応答して前記インタフェログラムを表すインタフェログラムデータを生成するステップと、
センサの動作により、前記伝送媒体の環境パラメータを感知し、これに応答して前記環境パラメータの値を表すセンサデータを生成するステップと、
制御システムの動作により、前記カメラシステムからインタフェログラムデータを受け取り、前記センサから前記センサデータを受け取るステップと、
前記インタフェログラムデータ及び前記センサデータに基づいて、前記レーザの波長を計算するステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記インタフェログラムを生成するステップは、フィゾー干渉計によって行われる、請求項18に記載の波長測定方法。
【請求項20】
前記インタフェログラムを生成するステップは、前記干渉計の第1のキャビティにより第1のインタフェログラムと前記干渉計の第2のキャビティにより第2のインタフェログラムとを生成するステップを含み、前記第1のキャビティは第1の干渉計長さを有し、前記第2のキャビティは前記第1の干渉計長さとは異なる第2の干渉計長さを有する、請求項19に記載の波長測定方法。
【請求項21】
前記環境パラメータを感知するステップは、前記伝送媒体の温度を表すデータを含むセンサデータを取得するために温度センサを動作させるステップを含む、請求項18~20の何れか1項に記載の波長測定方法。
【請求項22】
前記伝送媒体の第1の温度の値を表す第1のセンサデータを取得するために第1の温度センサを動作させるステップと、
第2の温度センサによって前記干渉計の干渉計スペーサの第2の温度を感知するステップであって、前記第2の温度センサは、前記第2の温度の値を表す第2のセンサデータを生成するように構成されている、ステップと、
を含む、請求項18~20の何れか1項に記載の波長測定方法。
【請求項23】
前記第2のセンサデータに従って前記干渉計の熱膨張値を決定するステップを含む、請求項22に記載の波長測定方法。
【請求項24】
基準レーザを用いて前記インタフェログラムデータ及び前記センサデータを受け取る前に較正を行うステップと、
大域的最適化アルゴリズムを用いて、テストレーザの波長を計算するステップと、
を含む、請求項23に記載の波長測定方法。
【請求項25】
前記環境パラメータを感知するステップは、前記伝送媒体の圧力を表すデータを含むセンサデータを取得するために圧力センサを動作させるステップを含む、請求項18~20の何れか1項に記載の波長測定方法。
【請求項26】
前記環境パラメータを感知するステップは、前記伝送媒体の湿度を表すデータを含むセンサデータを取得するために湿度センサを動作させるステップを含む、請求項18~20の何れか1項に記載の波長測定方法。
【請求項27】
前記環境パラメータを感知するステップは、前記伝送媒体中の二酸化炭素の濃度を表すデータを含むセンサデータを取得するために二酸化炭素センサを動作させるステップを含む、請求項18~20の何れか1項に記載の波長測定方法。
【請求項28】
前記環境パラメータを感知するステップは、
第1のセンサデータを取得するために第1のセンサを動作させるステップと、
第2のセンサデータを取得するために第2のセンサを動作させるステップと、
を含み、
前記第1及び第2のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、請求項18~20の何れか1項に記載の波長測定方法。
【請求項29】
前記環境パラメータを感知するステップは、第3のセンサデータを取得するために第3のセンサを動作させるステップを含み、
前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、及び前記第3のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、請求項28に記載の波長測定方法。
【請求項30】
前記環境パラメータを感知するステップは、第4のセンサデータを取得するために第4のセンサを動作させるステップを含み、
前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、前記第3のセンサ、及び前記第4のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、請求項29に記載の波長測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月22日出願の名称「光の波長の測定(Measuring Wavelength of Light)」である、米国特許出願第1の6/907,469号に対する優先権を主張し、その内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
以下の説明は、光の波長を測定することに関するものである。
【背景技術】
【0003】
レーザは、物質を動作し、測定を行うための精密なツールである。多くの場合、レーザの特性、例えば周波数又は波長は、商業的デバイスで使用するために、原子共鳴に正確に同調させることが要求される。このようなデバイスの実施例としては、原子時計、比重計、電場及び磁場センサ、及び加速度計が挙げられる。このようなデバイスの主要な課題の1つは、紫外線から赤外線まで高精度(例えば、~1MHz)で正確な絶対周波数を測定することである。現在、このような精度を有する波長測定は、電力を消費する環境制御及び安定化技術に依存しており、実験室環境の外では、このような技術の利用が大きく制限されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】波長測定のための例示的なシステムの概略図である。
図2A】波長測定のための例示的なシステムの概略図である。
図2B】例示的な干渉計の概略図である。
図3】波長測定のためのプロトタイプシステムの上面図写真である。
図4A】プロトタイプシステムのカメラによって生成された例示的なインタフェログラムデータを示す図である。
図4B】環境影響の補償前と補償後の測定された周波数を示すプロットである。
図5】波長測定システムを較正するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図6】波長測定を実行するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図7A】それぞれ図5及び図6の例示的なプロセスで使用される反射強度モデルの概略図である。
図7B】それぞれ図5及び図6の例示的なプロセスで使用される反射強度モデルの概略図である。
図7C】それぞれ図5及び図6の例示的なプロセスで使用される反射強度モデルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
波長又は周波数などのレーザ光特性の測定は、多くの用途、例えば高精度の実験、及び光信号が測定又は検出システムの不可欠な部分を形成するデバイスにおいて、ますます重要である。本明細書で記載されるもの幾つかの態様において、波長測定システムは、光学系及び1又は2以上の環境センサを含む。幾つかの実施構成では、光学系は、レーザ源とカメラシステムとの間の1又は2以上のビーム経路を定める一連の光学素子を含む。幾つかの実施構成では、光学系は、波長測定に使用することができる空間インタフェログラム(spatial interferogram)を生成する1又は2以上の干渉計を含む。幾つかの実施構成では、1又は2以上の干渉計には、レーザ光の伝送媒体の1又は2以上の環境パラメータを監視することができる1又は2以上の環境センサが配置される。幾つかの実施構成では、1又は2以上の環境パラメータは、伝送媒体の屈折率を決定し、測定波長に対する環境影響を補正するために使用される。幾つかの実施構成では、環境パラメータは、干渉計の熱膨張を補正するために使用される。
【0006】
幾つかの実施構成において、本明細書に記載される方法及びシステムは、既存の技術を超える、又は既存の技術に対する改良を提供することができる。例えば、方法及びシステムは、高い精度及び正確さを得るために、システムに対する受動的な分離、電力を消費する環境制御、又は能動的な大気安定化を必要としない場合がある。別の例では、この方法及びシステムは、長期的なドリフトを補正するために断続的に再較正を行う永久基準レーザの使用を避けることができる。更に別の例では、システムは、小さなフォームファクタ、例えば、小さな体積又はフットプリントを占め、電力消費が重要な設計制約であるポータブルデバイスに適している場合がある。幾つかの例では、これらの利点と潜在的に他の利点及び改善の組み合わせを得ることができる。
【0007】
本明細書で記載されることの幾つかの態様において、波長測定システムの1又は2以上の干渉計は、デュアルフィゾー干渉計(dual Fizeau interferometers)として実装することができる。しかしながら、他のタイプ及び組み合わせの干渉計も可能である。本明細書で記載されるもの幾つかの態様では、2つの干渉計キャビティ(interferometer cavities)を有するデュアルフィゾー干渉計が構築され、同時に使用されて、信頼性が高く効率的な波長測定を提供する。幾つかの実施構成では、最小カイ二乗法に基づく最適化モデルが、2つの異なる干渉計長さ(interferometer lengths)を有する2つの干渉計キャビティを使用して得られた干渉図に対して実行され、それによって、高精度で大域的最小を見つけることによって、明確的波長を決定することができる。
【0008】
本明細書で記載されることの幾つかの態様において、1又は2以上の環境センサは、干渉計キャビティ内の伝送媒体の環境パラメータを監視するために、干渉計キャビティに近接して構成される。幾つかの実施構成では、環境パラメータは、温度(T)、大気圧(P)、及び湿度(H)を含むことができる。幾つかの実施例では、環境センサは、伝送媒体中のCO2の濃度(concentration)
を決定するための二酸化炭素(CO2)センサを更に含むことができる。
【0009】
本明細書で記載されるもの幾つかの態様では、波長測定システムは更に、制御システムを含み、これは、例えば、異なるレーザ源の間で切り替えるように光学系を動作させるのに使用することができる。基準レーザ源(reference laser source)は、較正プロセスで使用されてもよく、試験レーザ源は、波長測定プロセスで使用することができる。幾つかの例において、制御システムは、信号処理のためのデータを受け取ることができる。例えば、制御システムは、光学系のカメラと通信して、空間インタフェログラムデータを受信する(受け取る)ことができる。制御システムはまた、環境センサと通信して、干渉計キャビティ内の伝送媒体(例えば、空気)の環境パラメータを表すデータを受信することができる。幾つかの実施構成において、制御システムは、データを使用して、伝送媒体の屈折率を評価してもよい。幾つかの例において、制御システムは、図1~3及び5~6に関連して説明されたシステム及び技術の1又は2以上の態様を実施するために使用することができる。しかしながら、制御システムは、他のタイプの動作を実行することもできる。幾つかの変形例では、制御システムは、光学系内の光学素子の熱膨張を補正するために、熱膨張モデルを実装することができる。
【0010】
図1は、例示的な波長測定システム100の概略図を示す。例示的な波長測定システム100は、光学系102、環境センサ104、及び制御システム106を含む。しかしながら、例示的な波長測定システム100には、更なる特徴が実施可能である。
【0011】
幾つかの実施構成では、光学系102は、基準レーザ源及び試験レーザ源などの2又はそれ以上のレーザ源120に結合することができる。幾つかの実施構成では、基準レーザ源は、既知の波長を有する基準レーザビームを生成するために使用することができる。幾つかの実施構成では、基準レーザ源は、波長測定システム100を較正するために使用することができる。幾つかの実施構成では、テストレーザ源は、他のアプリケーションで使用される前に例示的な波長測定システム100によって測定できる未知の波長を有するレーザビームを生成することができる。
【0012】
幾つかの実施構成では、光学系102は、2又はそれ以上のレーザ源120とカメラシステムとの間に1又は2以上のビーム経路を定める一連の光学素子を含むことができる。幾つかの例では、光学系102の一連の光学素子は、光スイッチ、1又は2以上のレンズ、1又は2以上のミラー、ビームスプリッタ、及び1又は2以上の干渉計を含むことができる。幾つかの実施構成では、光学系102は、図2に示される光学系204として実装することができる。しかしながら、光学系102の他の実装も可能である。幾つかの実施構成では、光スイッチは、第1の入力ポートにおける入力レーザビーム又は第2の入力ポートにおける第2のレーザビームを選択し、光スイッチの出力ポートにルーティングするように構成することができる。幾つかの実施構成では、光スイッチの出力ポートからのレーザビームは、1又は2以上のレンズによってコリメートされる。
【0013】
幾つかの実施構成において、1又は2以上のレンズから出たコリメートされたレーザビームは、干渉計を通して導くことができる。幾つかの例において、少なくとも2つの異なる干渉計長さを含む干渉計は、テストレーザビームの波長の信頼性が高く効率的な適合を促進することができる。幾つかの例において、干渉計は、デュアルフィゾー干渉計、ファブリペロ干渉計、マイケルソン干渉計、又は他のタイプの干渉計を含むことができる。特定の実施構成では、光学系102は、干渉計に光学的に結合する位置に構成できるカメラシステムを含む。幾つかの例では、カメラシステムは、1又は2以上のインタフェログラムを検出するために使用することができる。
【0014】
幾つかの実施構成において、環境センサ104は、温度センサ、大気圧センサ、及び湿度センサのうちの少なくとも1つを含むことができる。幾つかの実施構成では、環境センサ104は、光学系102内の干渉計に近接して構成される。幾つかの実施構成では、環境センサ104は、干渉計における伝送媒体、例えば、空気の屈折率を決定するために、干渉計キャビティにおける伝送媒体の環境パラメータのin-situ監視のために構成することができる。幾つかの実施構成では、環境パラメータの値を表すセンサデータは、温度(T)、大気圧(P)、及び湿度(H)を含む環境センサによって生成することができる。幾つかの実施構成では、環境センサ104は、伝送媒体中のCO2濃度データを含むセンサデータを生成するために、二酸化炭素(CO2)センサを更に含むことができる。幾つかの実施構成では、屈折率は、屈折率計算アルゴリズムを使用して、制御システム106によって決定することができる。幾つかの実施構成では、環境センサ104は、干渉計における熱膨張効果を補償するために、例えば、干渉計に配置された追加の温度センサを含むことができる。
【0015】
図1に示す例では、制御システム106は、プロセッサ110と、メモリ112と、通信インタフェース114とを含む。制御システム106は、例えば、入力/出力コントローラ、通信リンク、光学系又は環境センサのための電力、表示装置、及び入力装置などの追加の構成要素を含むことができる。幾つかの例では、制御システム106は、光学系102内の光学スイッチを動作させて、異なる入力レーザ源間を切り替えるために使用することができる。幾つかの例では、制御システム106は、通信インタフェース114を介して光学系102のカメラシステム及び環境センサ104と通信するために使用することができる。例えば、制御システム106は、信号処理のためのデータ116を受け取ってもよい(例えば、図5に関連して説明したような波長測定システムを較正するための例示的プロセス500を実行したり、図6に関連して説明したような波長測定のための例示的プロセス600を実行したりすること)。幾つかの実施構成において、制御システム106は、図2図6に関して説明したシステム及び技術の1又は2以上の態様を実施するため、又は他のタイプの動作を実行するために使用することができる。
【0016】
幾つかの実施構成では、本明細書に記載されたプロセス及び論理フローの幾つかは、1又は2以上のプログラマブルプロセッサ、例えばプロセッサ110が1又は2以上のコンピュータプログラムを実行して、入力データに対して動作し、出力を生成することによって動作を実行することによって、実行することができる。例えば、プロセッサ110は、プログラム118に含まれるスクリプト、関数、実行可能ファイル、又は他のモジュールを実行又は解釈することによって、プログラム118を実行することができる。幾つかの実施構成では、プロセッサ110は、例えば、図5及び図6に関して説明した動作のうちの1又は2以上を実行することができる。
【0017】
幾つかの実施構成では、プロセッサ110は、一例として、プログラマブルデータプロセッサ、システムオンチップ(SoC、又は前述の複数のもの又は組み合わせ)を含む、データを処理するための様々なタイプの装置、デバイス、及びマシンを含むことができる。特定の例では、プロセッサ110は、特別な目的の論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ASIC(特定用途向け集積回路)、又はGPU(グラフィック処理ユニット)を含むことができる。幾つかの例では、プロセッサ110は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォーム実行環境、仮想マシン、又はそれらの1又は2以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。幾つかの例では、プロセッサ110は、一例として、汎用及び特殊目的のマイクロプロセッサ、並びに任意の種類のデジタルコンピュータのプロセッサの両方を含むことができる。
【0018】
幾つかの実施構成において、プロセッサ110は、汎用及び特殊目的のマイクロプロセッサ、並びに任意の種類のデジタルコンピュータのプロセッサの両方を含むことができる。一般に、プロセッサ110は、読み取り専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又はその両方(例えば、メモリ112)から命令とデータを受け取ることになる。幾つかの実施構成では、メモリ112は、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリデバイスなど)、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスク、取り外し可能ディスクなど)、光磁気ディスク、及びCD ROM及びDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスを含むことができる。場合によっては、プロセッサ110及びメモリ112は、特殊目的の論理回路によって補完されるか、又は特殊目的の論理回路に組み込まれることがある。
【0019】
幾つかの実施構成では、メモリ112に格納されたデータ116は、光学系102のカメラシステムから、及び環境センサ104から受け取ったデータを含むことができる。幾つかの実施構成では、メモリ112に格納されたデータ116は、基準レーザビームに関連する情報(例えば、波長又は周波数、ガウスエンベロープパラメータなど)を含むことができる。幾つかの実施構成において、プログラム118は、プロセッサ110によって解釈又は実行されるソフトウェアアプリケーション、スクリプト、プログラム、関数、実行可能ファイル、又は他のモジュールを含むことができる。幾つかの実施構成では、プログラム118は、干渉計における伝送媒体(例えば、空気)の環境パラメータのデータを受け取り、伝送媒体の屈折率を評価するために波長測定処理を実行するための機械可読命令を含むことができる。幾つかの実施構成において、プログラム118は、異なる入力レーザ源を切り替えるために光学系102の光学スイッチを制御するための機械可読命令を含むことができる。
【0020】
幾つかの実施構成では、プログラム118は、メモリ112から、別のローカルソースから、又は1又は2以上のリモートソースから(例えば、通信リンクを介して)、データ116にアクセスすることができる。幾つかの例では、プログラム118は、出力データを生成し、出力データをメモリ112、別のローカル媒体、又は1又は2以上のリモートデバイスに(例えば、通信インタフェース114を介して出力データを送信することにより)格納することができる。幾つかの例では、プログラム118(、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとも呼ばれる)は、コンパイル言語又は解釈言語、宣言型言語又は手続き型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で記述することができる。幾つかの実施構成では、プログラム118は、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに位置する、又は複数のサイトに分散し、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。例えば、プログラム118は、クラウドで動作してもよく、制御システム106は、インタネット接続を介してプログラム118にアクセスすることができる。
【0021】
幾つかの実施構成では、通信インタフェース114は、任意のタイプの通信チャネル、コネクタ、データ通信ネットワーク、又は他のリンクを含むことができる。幾つかの実施構成では、通信インタフェース114は、制御システム106と光学系102、環境センサ104、又は他のシステム若しくはデバイスとの間に通信チャネルを提供することができる。幾つかの実施例では、通信インタフェース114は、例えば、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信(NFC)、GSM音声通話、SMS、EMS、又はMMSメッセージ、無線規格(例えば、CDMA、TDMA、PDC、WCDMA(登録商標)、CDMA2000、GPRSなど)とりわけ様々な無線プロトコル下で無線通信を提供する無線通信インタフェースを含んでいてもよい。幾つかの例では、このような通信は、例えば、無線周波数トランシーバ又は別のタイプのコンポーネントを介して発生することができる。幾つかの例では、通信インタフェース114は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、又はスイッチ若しくはルータなどのネットワークデバイスなどの1又は2以上の入力/出力デバイスに、例えば、ネットワークアダプタを介して接続可能な有線通信インタフェース(例えば、USB、Ethernetなど)を含むことができる。
【0022】
図2は、波長測定のための例示的な波長測定システム200の概略図である。幾つかの実施例では、図2に示された例示的な波長測定システム200は、波長測定、例えば、図5及び図6に関連して説明された処理を実行するために使用することができる。図2に示す例では、波長測定システム200は、制御システム202と、光学系204と、環境センサ206とを含む。図2に示すように、光学系204は、1又は2以上のレーザとカメラシステムとの間の1又は2以上のビーム経路を定める一連の光学素子を含む。図示の例では、光学系204の一連の光学素子は、光スイッチ216、レンズ組立体218、ミラー220、ビームスプリッタ222、ビームストップ224、干渉計226、及びカメラシステム228を含む。幾つかの例では、波長測定システム200は、追加の又は異なる構成要素を含むことができ、構成要素は、示されたように又は別の方法で配置することができる。
【0023】
幾つかの実施例では、光学系204は、基準レーザ源212及び試験レーザ源214から1又は2以上のレーザビームを受け取ることができる。図2に示す例では、基準レーザ源212は、既知の周波数を有する基準レーザビームを生成するために使用することができる。幾つかの実施構成では、テストレーザ源214は、他のアプリケーションで使用される前に測定される必要がある未知の周波数/波長を有するレーザビームを生成するために使用することができる。幾つかの実施構成では、基準レーザ源212は、例えば、システム200に対する実質的な再構成が行われた後、再較正又はin-situ較正の目的で使用することができる。しかしながら、システム200が較正されると、基準レーザ源を用いた再較正を必要としない場合がある。
【0024】
幾つかの実施構成では、基準レーザ源212は、能動的に安定化され、例えば、幾つかの原子遷移間の周波数間隔が高精度で知られてもよい原子周波数基準に対してロックすることができる。例えば、セシウム(Cs)原子のD1遷移(62S1/2→62P1/2遷移)又はD2遷移(62S1/2→62P3/2遷移)による光吸収は、例の波長測定システム200を較正するための絶対周波数基準として使用することができる。幾つかの例では、基準レーザ源212は、1010分の3よりも優れた高精度及び周波数安定性、又は約300THzの周波数に対して100kHzの精度を提供することができる。幾つかの他の例では、基準レーザ源212は、異なる精度を有する別のタイプのレーザ源を含むことができる。例えば、精度が低下したHeNeレーザを基準レーザ源212として使用することができる。一実施例では、基準レーザ源212は、351.722THzの光周波数に対応する852.356nmで波長を有する基準レーザビームを出力することができる。幾つかの実施例では、基準レーザ源212は、超安定光共振器を用いてCsの原子遷移にロックされ、波長の変動は0.2fm未満(例えば、周波数の変動は100kHz未満)である。
【0025】
幾つかの実施構成では、光スイッチ216は、光信号を1つの入力ポートから別の入力ポートに選択的に切り替えることができる。光スイッチ216は、光ルータ又は機械的に作動するミラーであってもよい。幾つかの変形例では、光スイッチ216は、レーザ源(例えば、基準レーザ源212)に結合された1つのファイバから、異なるレーザ源(例えば、試験レーザ源214)に結合された別のファイバにシフトするなどの機械的方法によって作動することができる。しかしながら、多くの実装において、光スイッチ216は、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)光スイッチを含む。幾つかの例では、光スイッチ216は、1又は2以上のミラーを含むことができ、その傾斜角は、制御システム202によってデジタル的に制御することができる。幾つかの例では、光スイッチ216は、2又はそれ以上の入力ポート及び1又は2以上の出力ポートを有してよい。図2に示される例示的なシステム200において、光スイッチ216は、第1の入力ポート230Aにおける第1のレーザビーム又は第2の入力ポート230Bにおける第2のレーザビームを出力ポート232にルーティングすることができる。幾つかの例では、光スイッチ216は、入力レーザビームに同じ光路を提供することができる。特定の実施例では、光スイッチは、複数のレーザを測定することを可能にすることができる。幾つかの実施例では、光スイッチ216は、様々な光ファイバ、例えば、シングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバ、又は偏波保持光ファイバに結合することが可能であってよい。幾つかの例では、光スイッチ216は、入力レーザビームの周波数範囲に従って選択することができる。幾つかの例では、光スイッチ216は、低い挿入損失を有してよく、例示的なシステム200に対する追加の熱負荷を防止するために低電圧で動作してよい。
【0026】
幾つかの実施構成において、光スイッチ216の出力ポート232からのレーザビームは、レンズ組立体218によってコリメートすることができる。幾つかの実施構成では、レンズ組立体218は、出力ポート232からのレーザビームの入射方向に対して垂直な方向に配向された、1又は2以上のコリメートレンズを含む。幾つかの実施構成では、コリメートレンズ218は、異なる波長でのビーム発散を最小化するためにアクロマティックである。
【0027】
幾つかの実施構成では、光ファイバは、レーザ源212、214から光スイッチ216にレーザビームを導くために使用することができる。幾つかの実施構成では、光ファイバは、レーザビームの品質を向上させるためのシングルモード光ファイバ、又はレーザビームの強度を維持するためのマルチモード光ファイバを含むことができる。幾つかの実施構成では、光ファイバは、光スイッチ216からレンズ組立体218にレーザビームを導くためにも使用されてよい。特定の実施態様において、光ファイバは、偏光保持光ファイバ、フォトニック結晶ファイバ又は別のタイプの光ファイバとして実装することができる。
【0028】
幾つかの実施構成では、レンズ組立体218を出たコリメートされたレーザビームは、次に、ビームスプリッタ222を通して導かれる。幾つかの実施構成では、コリメートされたレーザビームがビームスプリッタ222を通って伝播する前に、コリメートされたレーザビームは、異なる方向(例えば、水平方向から垂直方向まで)に沿って第1のミラー220によって方向転換することができる。幾つかの実施例では、部分的に反射性であり部分的に透過性であるビームスプリッタ222は、入射レーザビームを、それぞれが別々の経路(例えば、透過経路及び反射経路)に沿った2つのビームに分割するために使用される。幾つかの例では、ビームストップ224は、ビームスプリッタ222の経路(例えば、反射経路)内に配置することができる。幾つかの例では、ビームストップ224は、反射経路上のレーザがインタフェログラムに寄与することを防止するビームダンプである。幾つかの例では、干渉計226は、ビームスプリッタ222の他の経路(例えば、透過経路)に配置することができる。
【0029】
幾つかの実施構成において、干渉計226は、互いに向かい合う少なくとも2つのガラス片を含むことができる。幾つかの実施構成では、干渉計226は、超低膨張ガラスを含むことができる。図2に示す例では、第1のガラス片240Aは、入射レーザビームに対して垂直に構成され、第2のガラス片240Bは、垂直方向に対して楔角で角度が付けられている(例えば、図7A~7Cの概略光線図に示されるように)。幾つかの実施構成では、入射レーザビームに面する第1のガラス片204Aの第1の表面は、特定の波長又は波長の集合での動作を強化するために、1又は2以上の反射防止コーティングで被覆することができる。幾つかの実施構成では、1又は2以上の反射防止コーティングのそれぞれの厚さは、波長範囲、及び伝送媒体及び第1のガラス片204Aの屈折率によって決定することができる。幾つかの実施構成では、第1のガラス片240Aの第1の表面は、広帯域動作のためにコーティングされていなくてもよい。幾つかの実施構成では、互いに対向するように構成された第1のガラス片240Aの第2の対向面及び第2のガラス片240Bの第1の表面は、反射コーティングで被覆される。幾つかの実施構成では、反射コーティングは、金属、金属合金、又は誘電体材料の層を含むことができる。例えば、反射コーティングは、アルミニウム、銀、金、クロム、銅、ニッケル、チタン、及びインコネル、又は二酸化ケイ素(SiO2)及び二酸化チタン(TiO2)を含む層状誘電体を含むことができる。
【0030】
図2に示すように、第2のガラス片240Bの第1の表面に段部244を形成することによって、2つの異なる干渉計長さを有する2つの干渉計キャビティ242A、242Bが作成される。幾つかの実施構成では、ビームスプリッタ222からの透過レーザビームの一部は、段部244のウェッジ面246Aに入射し、透過レーザビームの一部は、底部ウェッジ面246Bに入射する。底部楔面246Bは、段部244によって楔面246Aから変位される。幾つかの実施例では、楔面246Aは、段部244によって底部楔面246Bから0.39mm変位し、例えば、段部244の高さは0.39mmである。ウェッジ面246A及び底部ウェッジ面246Bからの反射レーザビームは、2つの干渉計キャビティ242A、242B、例えば、デュアルフィゾー干渉計を効果的に形成することができる。幾つかの例では、デュアルフィゾー干渉計の干渉計長さの差は、段部244の高さである。例えば、2つの干渉計長さは、20.00mm及び19.61mmである。幾つかの実施例では、干渉計からの反射レーザビームは、異なる干渉計長さに起因して異なる周期性及び/又は位相を有することができる2つの別々の干渉パターン(例えば、インタフェログラム)で空間的にパターン化されてもよい(例えば、図4Aに示すインタフェログラム402a、402b)。更に、デュアルフィゾー干渉計は、単一のモノリシックピースとして、例えば、単一のガラスピースから、又は一緒に融合される幾つかのピースとして構築することができる。幾つかの実施構成では、干渉計は2又はそれ以上の干渉計キャビティを含むことができ、干渉計キャビティは別の方法、例えば、異なるウェッジ角度(wedge angles)で作成することができる。
【0031】
幾つかの実施構成において、干渉計226からのインタフェログラムは、カメラシステム228によって捕捉することができる。幾つかの実施構成において、インタフェログラムの各々は、一連のインタフェログラムを含み得る。一次近似的に、一連のインタフェログラムは、干渉計長さがmλ/2と一致するときに生成され、ここで、mは干渉次数を表す整数であり、λはレーザビームの波長である。幾つかの実施構成では、干渉計長さが既知である場合、インタフェログラムの間隔と位置は、mを推測することによって波長λを計算するために使用することができる。幾つかの実施構成において、干渉計長さは、較正プロセス、例えば、図5に関連して説明した例示的なプロセス500から、又は別の方法で決定することができる。
【0032】
幾つかの例では、カメラシステム228は、イメージセンサのアレイを含むことができ、その各々は、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサであってもよい。特定の実装では、カメラシステム228は、ビームスプリッタ222からのインタフェログラムの完全な空間強度プロファイルを記録するために、ビームスプリッタ222からの結合レーザビームを受け取る例示的システム200内の位置で構成することができる。
【0033】
幾つかの実施構成では、環境センサ206は、1又は2以上の温度センサ、1又は2以上の大気圧センサ、及び1又は2以上の湿度センサを含むことができる。幾つかの実施構成では、環境センサ206は、干渉計226に近接して配置される。幾つかの実施構成では、環境センサ206は、温度(T)、大気圧(P)、及び湿度(H)を含む、干渉計キャビティ242A、242B内の伝送媒体の環境パラメータのin-situ監視のために構成することができる。幾つかの実施構成では、環境センサ206によって監視される環境パラメータは、干渉計226の干渉計キャビティ242A、242B内の伝送媒体(例えば、空気)の屈折率を決定するために使用することができる。
【0034】
環境センサ206は、検出範囲、感度、精度、応答時間、再現性、サイズ、及び消費電力を含む設計要件に従って選択することができる。幾つかの実施構成では、環境センサ206は、正確に較正されたそれぞれの基準センサと比較することによって、測定動作の前に、又はin-situで較正される。
【0035】
幾つかの実施構成では、環境センサ206は、干渉計の単一モノリシックガラス片の温度を測定するための1又は2以上の別個の温度センサを更に含むことができる。幾つかの実施構成では、1又は2以上の別個の温度センサは、第1及び第2のガラス片240A、240Bを分離するために使用される干渉計スペーサ250の温度を測定するために使用することができる。幾つかの実施構成では、1又は2以上の別個の温度センサによって生成された干渉計の温度データは、波長測定に対する熱膨張効果を補償するための熱膨張モデルにおいて使用することができる。ある実施例では、熱膨張効果は、線形モデル、高次モデル、又は別の方法で、干渉計のモノリシックピース全体についてモデル化することができる。特定の例では、線形モデルΔL=γΔT・Lが使用され得、ここで、ΔLは干渉計長さの変化、γは熱膨張係数、ΔTは温度の変化、及びLは干渉計長さである。幾つかの実施構成では、線形モデルにおける熱膨張係数は、既知のレーザ周波数を適用し、制御された異なる温度で干渉計を保持し、干渉計共振がシフトする際の干渉計長さの変化を決定することによって決定することができる。幾つかの実施構成では、熱膨張効果を較正し、熱膨張係数を波長測定の実行前に決定することができる。幾つかの実施構成において、干渉計226の他の形状に対する熱膨張効果、特に干渉計が別の方法で実装される場合、例えば、第2のガラス片240B上の入射レーザの入射角も測定され、較正することができる。
【0036】
幾つかの実施構成では、環境センサ206は、例示的なシステム200のハウジング(図示せず)内に構成されてもよく、このハウジングは、例示的なシステム200を埃の蓄積から囲むために使用することができる。例示的なシステム200は、ハウジング内に密閉されてもよいし、密閉されなくてもよい。幾つかの例では、例示的なシステム200は、ハウジングなしで構成され、環境に対して開放されている。
【0037】
幾つかの実施構成では、接触型及び非接触型温度センサを含む、異なるタイプの温度センサが実装することができる。幾つかの実施構成では、接触型温度センサは、サーモスタット、サーミスタ、薄膜抵抗センサ、又は熱電対であってよい。幾つかの実施構成では、湿度センサは、容量性センサ、抵抗性センサ、又は熱伝導性センサであってもよい。幾つかの実施構成では、大気圧センサは、絶対圧センサ、又は差圧センサであってよい。幾つかの例では、大気圧センサは、小型で柔軟な構造を使用して大気圧を測定することができるMEMS気圧センサであってもよい。幾つかの例では、MEMS気圧センサは、干渉計キャビティ242A、242B内の動的又は静的な気圧を測定するために使用することができる。幾つかの実施構成において、他のタイプの環境センサが使用することができる。
【0038】
幾つかの実施構成では、環境センサ206は、1又は2以上の二酸化炭素(CO2)センサを更に含むことができる。幾つかの実施例では、1又は2以上のCO2センサは、化学ガスセンサを含む。幾つかの実施例では、化学的CO2ガスセンサは、干渉計キャビティ242A、242B内のCO2濃度レベルを測定するために化学的感受性層を使用するMEMS CO2ガスセンサであってよい。幾つかの実施構成では、他のガス分子に対する検出範囲及び選択性に従って、他のタイプのCO2ガスセンサが使用することができる。
【0039】
幾つかの実施構成において、環境パラメータの値を表すセンサデータは、環境センサ206によって生成することができる。幾つかの実施構成では、センサデータは、較正プロセス及び波長測定プロセス(例えば、図5及び図6に関連して説明した例示的なプロセス500及び600)において使用することができる。幾つかの例では、センサデータは、干渉計キャビティ242A、242B内の伝送媒体(例えば、空気)の屈折率を決定するために使用することができる。図5及び図6に示すように、較正工程及び波長測定工程は、センサデータ、基準レーザビームの波長、及び干渉計キャビティの幾何パラメータ(例えば、干渉計長さ及びウェッジ角)を使用して、試験レーザビームの絶対波長を決定することができる。しかしながら、他の環境パラメータも可能である。
【0040】
幾つかの実施構成では、制御システム202は、例えば、光学系204内の光学スイッチ216を動作させて、異なるレーザ入力源の受信(受け取り)を切り替えるために使用することができる。幾つかの実施構成では、制御システム202は、信号処理のためのデータを受け取る。例えば、制御システム202は、光学系204のカメラシステム228と通信して、インタフェログラムデータを受信する(受け取る)ことができる。例えば、制御システム202は、環境センサ206と通信して、センサデータを受信することができる。幾つかの実施構成において、制御システム202は、図5~6に関して説明したシステム及び技術の1又は2以上の態様を実施するため、又は他のタイプの動作を実行するために使用することができる。
【0041】
図3は、波長測定のためのプロトタイプシステム300の上面視写真を示す。幾つかの実施例では、図3に示されたプロトタイプシステム300は、波長測定、例えば、図5及び図6に関連して説明した処理を実行するために使用することができる。図3に示す例では、プロトタイプシステム300は、制御電子機器302と、環境センサ304と、レーザ源(図示せず)とカメラ322との間の1又は2以上のビーム経路を定める一連の光学素子と、を含む。示された例では、一連の光学素子は、MEMS光ファイバスイッチ310、ファイバカプラ312、コリメートレンズ314、ミラー316、ビームスプリッタ318、及びデュアルフィゾー干渉計320を含む。プロトタイプシステム300は、プロトタイプシステムのカバー(図示せず)であり得る、ビームストップも含み得る。幾つかの例では、プロトタイプシステム300は、MEMS光ファイバスイッチ310に光学的に結合された光ファイバ328を介してレーザビームを受け取ることができる。レーザビームは、レーザ源(図示せず)によって生成することができる。図3に示すように、プロトタイプシステム300の物理的フットプリントは、約175mm×175mm×100mm(L×W×H)である。しかしながら、他の寸法も可能である。
【0042】
幾つかの実施構成では、一連の光学素子は、ベースユニット324に取り付けられ、このベースユニットは、更に光学テーブル326に取り付けられる。これらの実装では、制御電子機器302は、他の場所(例えば、ベースユニット324上にない遠隔の場所)に配置することができる。幾つかの実施構成では、ベースユニット324の温度は、低電力(<1W)温度コントローラ(図示せず)を用いて能動的に安定化することができる。幾つかの実施構成では、低電力温度コントローラは、ベースユニット324の温度の変動を±20mKに制限するために使用される。幾つかの実施構成では、環境センサ304は、動作中に低消費電力、例えば、約3mWを有する。幾つかの実施構成では、本明細書に開示された技術及びシステムは、消費電力が重要な設計制約であるポータブルデバイスに適している。
【0043】
プロトタイプシステム300において、モノリシックブロック330内のデュアルフィゾー干渉計320は、低電力温度コントローラと共にベースユニット324に更に搭載される。幾つかの実施構成において、モノリシックブロック330への熱効果は、同時にデュアルフィゾー干渉計320のジオメトリに影響を与え得る。幾つかの実施構成において、デュアルフィゾー干渉計320のジオメトリに対する熱影響は、試験レーザビームの波長を決定するために使用される、カメラ322に収集されたインタフェログラムに影響を与える可能性がある。幾つかの例では、デュアルフィゾー干渉計320のジオメトリの変化は、干渉計の温度を監視することによって決定することができる。温度測定値は、波長測定値を補正するために使用することができる。
【0044】
図3に示すプロトタイプシステム300において、環境センサ304はHoneywell(BME280)から入手し、カスタムコネクタを有するMEMS光ファイバスイッチ310はThorlabs(OSW12-830-SM)から入手し、カメラ322はIDS systems(UI-5290SE)から、温度コントローラはKoheron(TEC100L)から入手したものである。
【0045】
図4Aは、インタフェログラムデータの例を示すプロット400である。図4Aに示すように、例示的なインタフェログラムデータは、波長測定システム、例えば、図2~3に示すシステム200、300を用いて生成される。幾つかの実施構成では、完全な空間強度プロファイルにおける2つの干渉計キャビティ(例えば、図2に示す干渉計キャビティ242A、242B)からの2つの干渉計402A、402Bは、空間的に分離され、カメラ(例えば、図2-3に示すカメラシステム228、322)によってキャプチャされる。幾つかの実施構成では、カメラは、イメージセンサの2次元(2D)アレイを含むことができ、その各々は、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサであってもよい。例えば、第1のインタフェログラム402Aは、カメラのピクセルの第1の行(例えば、行0と行180との間)によってキャプチャされてもよく、第2のインタフェログラム402Bは、カメラのピクセルの第2の行(行420と行600との間)によって捕捉することができる。幾つかの実施例では、それぞれのインタフェログラムの行のサブセットは、対応するインタフェログラムのインタフェログラムを決定するために使用される。図4Aに示すように、行の第1のサブセット404A(例えば、行0と行180の間)の同じ列のピクセルにおける強度値の総和は、第1のインタフェログラム402Aの第1の強度曲線406Aを決定するために使用される。同様に、行404Bの第2のサブセット(例えば、行420と行600との間)の同じ列におけるピクセルにおける強度値の総和は、第2のインタフェログラム402Bの第2の強度曲線406Bを決定するために使用される。幾つかの実施例では、カメラは、同じ方向に配向され、2つの空間的に分離されたインタフェログラム402A、402Bを捕捉するように距離によって分離された2つのラインセンサアレイを含むことができる。
【0046】
図4Bは、環境影響の補償の前と後の測定された周波数を示すプロット410を提示する。図4に示すように、周波数測定は、波長測定システム、例えば、図3に示すプロトタイプシステム300を使用して行われる。図4に示されるように、プロット410は、時間期間(6時間)にわたる周波数シフト値(△f)を示す第1のパネル412、周波数シフト値(△f)の範囲にわたる確率密度を示す第2のパネル422、同じ時間期間にわたる圧力値を示す第3のパネル430を含む、6つのパネルを含んでいる。同じ時間帯の温度値を示す第4のパネル432、同じ時間帯の相対湿度を示す第5のパネル434、及び第3、第4及び第5のパネル430、432、及び434に示される測定環境パラメータに応じた計算屈折率を示す第6のパネル436を有する。プロット410は、波長測定プロセス、例えば、図6で説明した例示的なプロセス600を実行することによって得ることができる。
【0047】
幾つかの実施例では、レーザ源が、1018.62nmの波長及び294.52THzの光周波数を有するレーザビームを光ファイバ、例えば、図3の光ファイバ328を介して光学系に供給するために使用される。レーザ源は、測定期間全体にわたって安定化され、超安定光共振器にロックされ、波長変動が0.2fm以下、例えば100kHz以下の周波数変動に相当し、試作システム300が提供できる測定精度よりもはるかに低い。
【0048】
幾つかの実施構成では、図4の第1のパネル412の曲線414は、屈折率に対する環境影響の補償前の周波数シフト(Δf)を示している。幾つかの実施例では、レーザビームの波長1018.62nmにおける空気の屈折率は、初期環境条件によって決定される値に固定される。曲線414及び対応するヒストグラム424に示すように、補償前の周波数シフト(Δf)値は、+70MHz~-35MHzの間で大きく変化する。
【0049】
幾つかの実施構成では、サブパネル430、432及び434に示すように、同じ期間に環境センサによって収集された環境パラメータのデータに基づいて補償が実行される。第3サブパネル430に示すように、圧力は、1時間目と3時間目の間の時間帯に1014.5から1015.5hPaまで増加し、3時間目と5時間目の間に減少し、結局5時間目に1014.5hPa以下の値になる。温度及び相対湿度は、第4及び第5サブパネル432、434に示すように信号における可視変動及びランダムノイズで一定のままである。
【0050】
環境パラメータのデータは、屈折率値を補正するために使用される。時間の関数としての計算された屈折率値(第6のサブパネル436に示される)は、第3のサブパネル430に示される圧力と同様に、時間にわたって概ね一貫した挙動を有する同様の形状を示す。図4の第1のパネル412の曲線416に示すように、屈折率を補正した後、周波数シフト(Δf)値は、標準偏差が<2MHzで-5MHzと+5MHzの間の範囲に減少している。図4の第2のパネル424の対応するヒストグラム426に示すように、補正後の周波数シフト(△f)値の確率密度は、周波数の109分の6の変動に相当する<2MHzの帯域幅を有する近似的ガウス性を示している。幾つかの実施構成において、ここに示される方法及び技術は、再較正プロセスを実施することなく、波長測定に対する環境影響を効果的に除去することができる。
【0051】
図5は、波長測定システムを較正するための例示的なプロセス500を示すフローチャートである。例示的なプロセス500は、例えば、周波数が既知の波長測定システム及び基準レーザによって実行することができる。例えば、プロセス500における動作は、図1~3に示す波長測定システム100、200、及び300又は別のタイプのシステムにおける構成要素を用いて実行又は実装することができる。例示的なプロセス500は、追加の又は異なる構成要素によって実行される動作を含む、追加の又は異なる動作を含むことができ、動作は、図示の順序又は別の順序で実行することができる。
【0052】
幾つかの実施構成では、例示的なプロセス500は、波長測定システムの初期セットアップ中に実行することができる。幾つかの実施構成では、プロセス500は、波長測定システムに対する実質的な再構成が行われるとき、例えば、光学的再調整の後に、再較正の目的で実行することができる。幾つかの実施構成では、例示的なプロセス500は、波長測定システムの少なくとも1つの干渉計の少なくとも1つの干渉計長さを決定するために使用することができる。例示的なプロセス500はまた、ガウスエンベロープパラメータ又は別のパラメータを決定するために使用することができる。幾つかの例では、少なくとも1つの干渉計長さ及びガウスエンベロープパラメータは、テストレーザビームの波長を決定するために波長測定プロセス(例えば、図6に関連して説明したプロセス600)において使用することができる。
【0053】
502において、基準レーザビームの情報が提供される。幾つかの実施構成では、例えば、基準レーザビームの波長、周波数又は他のパラメータを含む情報は、情報を制御システムに入力することによって提供することができる。例えば、高い精度及び正確さを有する情報は、入力装置を介して制御システムに入力され、制御システムのメモリに格納することができる。幾つかの例において、基準レーザビームの波長は、製造業者によって提供されてもよく、理論計算によって決定されてもよく、又は別の方法で決定することができる。幾つかの実施構成において、基準レーザビームは、例示的なプロセス500の502においてのみ使用することができる。ここに開示された技術及びシステムは、長期ドリフトを補償するための断続的な再較正のための永久的な基準レーザを必要としない。幾つかの実施例では、異なる周波数を有する複数の基準レーザビームが使用することができる。
【0054】
504において、近似の干渉計長さが測定される。幾つかの実施構成では、干渉計の近似干渉計長さは、機械的方法、例えば、マイクロメーターゲージを使用して測定することができる。幾つかの例では、マイクロメーターは、±10マイクロメートル(μm)の精度を提供することができる。幾つかの例では、干渉計は、図2に示されるデュアルフィゾー干渉計226として、又は別の方法で実装される。幾つかの実施例では、近似干渉計長さは、デュアルフィゾー干渉計226の2つの対向する端部、又は干渉計キャビティに沿った任意の場所で測定することができる。幾つかの実施構成では、10マイクロメートル未満である2つの対向する端部で測定された干渉計長さの間の差は、角度の付いた第2のガラス片240Bによって引き起こされる。幾つかの実施構成において、ここで測定された干渉計長さは、例示的なプロセス500における適合値を制約するための基準値として使用される。幾つかの例において、ステップ244は、390μmの高さを有する。
【0055】
506において、光学系及び環境センサからのデータが受け取られる。光学系は、カメラ(又はカメラシステム)及びそれぞれのレーザビームを生成するように構成された2つのレーザを含むことができる。幾つかの実施構成では、カメラは、ビームスプリッタ(例えば、図2及び図3に示すような)の出力にて構成することができ、これは、1又は2以上のインタフェログラムを作成する2つのレーザビームを結合させる。幾つかの実施構成では、1又は2以上のインタフェログラムを検出した際にカメラによって生成されるデータは、インタフェログラムデータを含む。幾つかの例では、環境センサは、干渉計のキャビティ内の環境パラメータを測定するために、干渉計に近接して構成される。幾つかの例では、環境センサは、図2及び図3に示されるような環境センサとして、又は別の方法で実装することができる。幾つかの例では、環境センサから受け取ったデータは、温度、圧力、湿度、及びCO2濃度レベルのうちの少なくとも1つを含む、伝送媒体における環境パラメータの値を表すセンサデータを含むことができる。幾つかの実施構成では、センサデータは、制御システムによって受け取られ、図2及び図3に示すような制御システム202、302として、又は別の方法で実装されてもよいメモリに格納される。
【0056】
508において、干渉計における伝送媒体の屈折率が計算される。幾つかの実施構成において、環境センサから受け取ったセンサデータは、干渉計のキャビティ内の伝送媒体(例えば、空気)の屈折率を決定するために使用することができる。幾つかの実施構成では、屈折率は、温度、圧力、湿度、及び基準レーザビームの波長の関数であってよい。幾つかの実施構成では、屈折率はまた、伝送媒体中のCO2濃度レベルの関数であってもよい。幾つかの実施構成において、屈折率は、屈折率計算アルゴリズムに従って制御システムによって決定される。幾つかの実施例では、屈折率計算アルゴリズムは、制御システムのメモリに格納されたプログラムを実行することによって実行することができる。幾つかの実施例では、屈折率は、干渉計長さと屈折率の積である光路長を決定するために使用することができる。
【0057】
510において、干渉計長さがフィッティングされる。幾つかの実施構成では、干渉計長さは、カメラによって受け取ったインタフェログラムデータに反射強度モデル(reflected intensity model)をフィッティングさせることによって決定される。例えば、反射強度モデルは、図7A~7Cに関連して説明された反射強度モデル700A~700Cとして、又は別の方法で実装することができる。幾つかの実施構成において、インタフェログラムデータは、位相差、及び干渉計の内部表面における反射レーザビーム(例えば、図7A~7Cに関連して説明したゼロ次、1次及び2次反射)に対する反射電界振幅などのパラメータを含むことができる。反射強度モデルの幾何学的パラメータは、基準レーザビームの既知の波長及び環境センサから受け取ったセンサデータを使用して決定することができる。幾つかの実施構成では、フィッティング済み干渉計長さ(fitted interferometer lengths)は、504において、測定された干渉計長さと比較される。幾つかの実施構成では、干渉計長さは、最小二乗法による最小化アルゴリズムでフィッティングされる。幾つかの例では、最小二乗最小化アルゴリズムは、カイ二乗関数を最小化することによって最小カイ二乗法を使用することができる。
【0058】
512において、基準レーザビームのガウスエンベロープパラメータがフィッティングされる。幾つかの実施構成では、ガウスエンベロープパラメータは、カメラから受け取ったインタフェログラムデータに反射強度モデルをフィッティングすることによって決定することができる。例えば、ガウスエンベロープパラメータは、屈折率、フィッティングされた干渉計長さ、及び基準レーザビームの波長に従って決定することができる。
【0059】
図6は、波長測定を実行するための例示的なプロセス600を示すフローチャートである。例示的なプロセス600は、例えば、波長測定システムによって実行することができる。例えば、例示的なプロセス600における動作は、図1~3に示す波長測定システム100、200、及び300における構成要素、又は別のタイプのシステムを用いて実行又は実装することができる。例示的なプロセス600は、追加の又は異なる構成要素によって実行されるオペレーションを含む追加の又は異なるオペレーションを含むことができ、オペレーションは、図示の順序で又は別の順序で実行することができる。
【0060】
幾つかの実施構成において、例示的なプロセス600は、較正プロセスの後に実行される。幾つかの実施構成では、較正プロセスは、図5に関連して説明した例示的なプロセス500として、又は別の方法で実施することができる。幾つかの実施構成では、例示的プロセス600を実行する前に、テストレーザビームは、波長測定システム(例えば、図2及び図3に関連してそれぞれ説明した波長測定システム200、300)に向けることができる。
【0061】
602において、光学系及び環境センサからのデータが受け取られる。幾つかの実施構成では、光学系及び環境センサは、図2及び図3に示されるように、又は別の方法で構成することができる。幾つかの例では、動作602は、図5の動作506として、又は別の態様で実装することができる。
【0062】
604において、干渉計における伝送媒体の屈折率が計算される。幾つかの例において、動作604は、図5における動作508として、又は別の態様で実装することができる。幾つかの実施構成において、屈折率は、テストレーザビームの波長の初期推測値を用いて決定することができる。幾つかの実施構成において、テストレーザビームの波長の初期推測値は、光学系のカメラシステムから受け取ったインタフェログラムデータにおけるフリンジの数から推測されてもよく、以前の測定結果から得られてもよく、又は別の方法で得られてもよい。
【0063】
606において、局所最適化モデルを使用して、テストレーザビームの波長の第1の値が決定される。幾つかの実施構成では、カメラシステムから受け取ったインタフェログラムデータは、図7A図7Cに関連して説明した反射強度モデル700A~700Cなどの反射強度モデルに従ってフィッティングされる。反射強度モデルは、以下に示すように、複数の変数に基づく関数fによって表すことができる。
【数1】
式(1)において、yはカメラ又はリニアアレイ上のy軸位置又はピクセル位置、λは波長、Tは温度、Pは圧力、Hは湿度、
はCO2濃度、αはウェッジ角、e1は第1の干渉計長さ、(yc1,σ1,O1)は第1の干渉計キャビティの第1のガウスエンベロープパラメータ、e2は第2の干渉計長さ、(yc2,σ2,O2)は第2の干渉計キャビティの第2のガウスエンベロープパラメータである。幾つかの実施構成では、図2に示すようなデュアルフィゾー干渉計226における両方の干渉計に共通するウェッジ角αは、機械的測定方法を用いて決定することができる。幾つかの実施構成では、干渉計長さ及びガウスエンベロープパラメータは、図5に関連して説明した較正プロセス中に、又は、別の方法で決定される。幾つかの実施構成では、環境パラメータT、P、RH及び
は、環境センサからのデータに従って決定される。
【0064】
幾つかの実施構成において、局所最適化モードは、最小二乗最小化アルゴリズムに基づくことができる。幾つかの例では、最小二乗最小化アルゴリズムは、以下のように定義されるカイ二乗関数を局所的に最小化することによって、最小カイ二乗法(minimum chi-square method)を使用することができる。
【数2】
ここで、f(yi,λ)は、y軸位置及び波長における反射強度モデルであり、Diは、同じy軸位置でカメラによってキャプチャされたインタフェログラムにおける実際の強度である。式(2)は、他の全てのパラメータを固定した状態で、両方の干渉計からの情報を使用して波長をフィッティングするために使用される。幾つかの例では、インタフェログラムの実際の強度が波長の整数倍に対して周期的であるため、カイ二乗値
はまた、波長の整数倍に対して周期的であり、キャビティのないスペクトル域によって波長で分離した複数のローカル極小値を有する。幾つかの例では、キャビティのないスペクトル域は、インタフェログラムの連続する極小値間の波長又は光周波数の観点の間隔である。幾つかの例では、キャビティのないスペクトル域は、光速と干渉計長さの関数である。幾つかの実施構成では、波長の第1の値は、カイ二乗値の極小値における波長値である。
【0065】
608において、テストレーザビームの波長の第2の値は、大域的最適化モデルを用いて決定される。幾つかの実施構成では、波長の第2の値は、カイ二乗値の大域的最小値における波長値である。幾つかの実施構成では、大域的最適化モデルは、極小値及び隣接する極小値を隔てるキャビティのないスペクトル域を用いて大域的最小値を決定するために使用される。幾つかの実施例では、キャビティのないスペクトル域に応じて波長を変化させることにより、この方法は、効率的に大域的最小を探索するために、カイ二乗の値を更に減少させる極小値間の「ホッピング」を可能にする。幾つかの実施構成において、大域的最適化モデルは、波長の真の値を決定するための高速、正確、かつ信頼性の高いアプローチを提供することができる。幾つかの実施構成において、2つの異なる干渉計長さを有するデュアルフィゾー干渉計は、波長の信頼性が高く効率的なフィッティングを提供することができる。例えば、2つの異なる干渉計長さに対応する極小値は、キャビティのないスペクトル域の整数倍で分離される。幾つかの実施構成では、最小カイ二乗法は、2つの対応する干渉計キャビティから作成された2つのインタフェログラムに対して実行することができる。幾つかの実施構成では、動作608中に得られた波長の第2の値は、動作606において更に使用されて、試験レーザビームの真の波長のフィッティングを微調整することを可能にすることができる。幾つかの実施構成では、局所的又は大域的最適化モデルをフィッティングするための他の方法が使用することができる。
【0066】
幾つかの実施構成において、センサデータは、干渉計のガラス片の熱膨張を補正するために熱膨張モデルと共に使用することができる。幾つかの実施構成において、熱膨張モデルは、干渉計の構造及び形状に従って決定することができる。幾つかの実施構成では、熱膨張モデルは、温度の線形関数であり、既知の波長を有するレーザを使用して決定することができる。幾つかの実施構成では、熱膨張効果は、図6に示すように、波長測定の前に決定される。
【0067】
干渉計の光学特性を表すために、モデル(例えば、反射強度モデル)が使用されてもよいことが理解されよう。モデルは、干渉計の構成に基づいてもよく、また、干渉計を横断する光によって生成されたデータをフィッティングするために使用することができる。明確な構成を有する干渉計の例としては、マイケルソン干渉計、ファブリペロ干渉計、トワイマングリーン干渉計、マッハツェンダー干渉計、サニャック干渉計、及びフィゾー干渉計が挙げられる。他のタイプの干渉計も可能です。モデルは、それぞれの図5及び図6の例示的なプロセス500、600に関連して説明したモデルのような、光の特性(例えば、光の波長)を決定するプロセスの一部として機能することができる。
【0068】
図7A~7Cは、フィゾー干渉計のための例示的な反射強度モデルの概略図700A~700Cを示す。幾つかの例では、図7A~7Cの反射強度モデルは、図1~3に示すような波長測定システムを使用する波長測定に使用される。幾つかの例では、異なる波長測定システムが使用される場合、例えばマイケルソン干渉計、又はファブリペロ干渉計などの異なる干渉計を使用する場合、光線光学に基づいて異なる反射強度モデルを構築することができる。図7A図7Cの各々において、概略図700A~700Cは、x軸、y軸、及びz軸によって定義される基準軸を含む。x軸は、概略図に垂直であり、正の方向が概略図に延在している。y軸及びz軸は、図7A図7Cの概略図に平行な平面を定義する。図7A~7Cに示される例では、干渉計における2つの内部空気/ガラス界面での0次、1次、及び2次反射に対応する3つの光線710、712、714が、例示の目的で評価されている。高次の反射を有する他の全ての光線は、同じ方法で決定されてもよく、又は異なる方法で決定することができる。幾つかの実施構成において、同様の解析が、異なる干渉計長さを有するデュアルフィゾー干渉計に適用することができる。幾つかの実施構成では、3つの光線の各々の経路長、位相差、及び反射電界振幅などのパラメータは、概略光線図に従って決定することができる。波動光学に基づくより精巧なモデルも、干渉計をモデル化するために使用することができる。
【0069】
図7Aに示す例では、光線図を用いて具体的な例を説明する。この例の干渉計は、図3に示すようなフィゾー干渉計であり、第1の内部表面708A及び第2の内部表面708Bは、33%の各表面における反射率をもたらすためにインコネルでコーティングされる。第1の外部表面708Cは、反射を最小化するために広帯域誘電体コーティングを有する。図3に示す干渉計320の第1の外部表面の反射率は、800~1100nmの間の波長範囲において0.5%未満である。3つの光線710、712、714は全て、干渉計の第1の内面708Aに相対する検出器、例えば、波長測定システム200のカメラシステム228によって受け取られて、干渉計が作成される。幾つかの実施構成では、検出器は、距離d720だけ干渉計の第1の内部表面708Aから離間している検出器平面上に配置することができる。幾つかの実施構成では、距離d720は、第1のガラス片、ビームスプリッタ、及び検出器と第1のガラス片との間の伝送媒体の厚さを含むことができる。距離dは、経路依存の屈折率を有する物理的距離として特徴付けることができる。例示的な導出は、ギャップ704とd720の屈折率が空気であると仮定している。a722が小さく、d720が大きい場合、出射光線はほぼ平行であり、dは異なるビーム間の小さな相対的位相シフトをもたらすだけである。一般に、710、712、714のような無限の数の光線がインタフェログラムに寄与する。多くの場合、有限個の光線は、インタフェログラムを記述するのに十分である。各反射は何らかの損失をもたらすので、各光線の寄与は反射の回数と共に減少する。
【0070】
幾つかの実施構成において、光線の反射の評価は、ある仮定に従って簡略化することができる。例えば、第1の外部表面708Cにおける反射損失は、反射防止コーティングを堆積させることによって無視することができる。幾つかの例では、これらの仮定は、インタフェログラムを計算するために使用されるレーザビームの光路長差のような量の小さなシフトをもたらす可能性がある。例えば、第1のガラス片は、全ての反射レーザビームにほぼ一定の位相差を付加し、これは、使用されるd720の値に対するオフセットとして作用する。
【0071】
幾つかの実施構成では、入射レーザビームは平面波であってよく、
方向に進行し、3つの光線710、712、714は、第1の内部表面708aに達する前に初期位相差を有しないことがある。幾つかの例では、第1の内部表面708Aはx-y平面上に位置し、第2の内部表面708Bは
軸に対して楔角α722でx-y平面内で角度がつけられている。
【0072】
図7Aに示す例では、第1及び第2の内面708A,708Bの反射率は、次式で表される。
【数3】
ここで、Rは界面における反射率、nはミラーの波長依存屈折率、
は干渉計ミラーの間のギャップにある空気の環境依存屈折率、λは波長である。幾つかの例では、電界反射係数rはr=√Rで定義され、対応する透過係数tは、t=1-rによって定義される。
【0073】
幾つかの実施構成では、第1の内部表面708Aからのゼロ次反射に対応する第1の光線710の経路長は、距離d720に等しく、第1の光線710の反射電界は、次式で表される。
【数4】
ここで、E0は0次反射(例えば、第1の光線710)の反射電界、Einは入射電界、fは光周波数、nは干渉計の反射面間と同じと仮定した媒質の屈折率d、cは光速である。
【0074】
図7Bに示す第2の光線712の例示的な図700Bによれば、第1の内部表面708Aと第2の光線712が第2の内部表面708Bで反射する点との間の
軸に沿った距離e’734は、次式で表すことができる。
【数5】
【0075】
カメラ上のある点で第1の光線710と干渉するために第2の光線712が第2の内表面708Bで反射する点に対応する
軸に沿った距離△y1742は、次式で表すことができる。
【数6】
【0076】
図7Bに示す例では、第2の光線712の全経路長l1は、以下のように決定することができる。
【数7】
尚、e′は、式(5)を用いて、第2の光線712の入射点におけるフィゾー干渉計の反射面の間隔であるe、α、及びdの項で記述することができる。
【0077】
また、第2の光線712の反射電界E1は、次のように求めることができる。
【数8】
ここで、E1は1次反射(例えば、第2の光線712)の反射電界であり、光線が屈折率の低い側から入射する界面と仮定した第2の内面708Bでの単一内部反射の結果、第2の光線712に余分なπ位相差が入り、反射に伴う光線の位相シフトをもたらす。この仮定は、704をエアギャップとし、インコネルをコーティングした表面(例えば、第1及び第2の内面708A、708B)を有する第1及び第2のガラス片702、706が、空気よりも大きな屈折率を有することと矛盾しない。
【0078】
図7Cに示す第3の光線714の光線図の例によれば、第1の内面708Aと第3の光線714が第2の内面708Bで反射する第1の点との間のZ軸に沿った距離e″736は、以下のように表すことができる。
【数9】
ここで、
軸に沿った距離Δy2 744は、次式で表すことができる。
【数10】
ここで、Δy2は、以下のように書き換えることができる。
【数11】
ここで、g738は、第1及び第2の光線710,712と結合する第3の光線714の第1の反射点と表面708B上の第2の反射点との間の
軸に沿って横断される距離である。
【0079】
z=0を第1の内表面708Aであると定義し、以下の式を使用する。
【数12】





及び
であり、第3の光線714の全経路長l2を以下のように決定することができる。
尚、全経路長l2はまた、式(9)、式(13)、及び式(16)を用いて、e、α、dの項で記述することができる。また、2次反射の電界E2(例えば、3本目の光線714)は、
であり、ここで、第1及び第2の内表面708A,708Bでの三重内部反射の結果、第3の光線714には3πの位相差が余分に導入される。
【0080】
幾つかの実施構成において、インタフェログラムは、以下のように決定することができる。
ここで、IRは、e、d、α、n、及びλ又はfの項で表すことができる。幾つかの実施構成では、λは、反射強度IRを用いて干渉計の幾何学(例えば、e、d、及びα)及び屈折率nによって決定することができる。
【0081】
幾つかの実施構成では、ビーム全体にわたる総反射強度は、上記の式中のeをe+ytan(α)に置き換え、ここでyは検出器の各ピクセルを表す点の配列であり、配列全体にガウス包絡関数を乗じることによって決定することができ、
ここで、yc,σ,Oはガウスエンベロープのパラメータである。例えば、yc、σ、Oはそれぞれ、検出器上で検出されるガウス信号の中心、1/e幅及びオフセット(バックグラウンドレベル)である。
【0082】
図7A~7Cはフィゾー干渉計の関連で提示されているが、他のタイプの干渉計が反射強度モデルを決定するための基礎として機能し得ることが理解されよう。例えば、マイケルソン干渉計、ファブリペロ干渉計、トワイマングリーン干渉計、マッハツェンダー、サニャック干渉計、フィゾー干渉計、又は他のタイプの干渉計は、反射強度モデルを生成するための基礎として機能することができる。更に、光線解析以外の方法を用いて、反射強度モデルを生成することができる。
【0083】
第1の実施例では、波長測定システムは、干渉計と、カメラシステムと、センサと、制御システムとを含む。干渉計は、2つの反射面と、2つの反射面の間の伝送媒体とを含む。干渉計は、レーザから光信号を受け取り、これに応答して干渉計を生成するように構成される。カメラシステムは、干渉計からインタフェログラムを受け取り、これに応答してインタフェログラムデータを生成するように構成される。インタフェログラムデータは、干渉計から受け取ったインタフェログラムを表す。センサは、伝送媒体の環境パラメータを感知し、これに応答してセンサデータを生成するように構成される。センサデータは、環境パラメータの値を表す。制御システムは、カメラシステムからインタフェログラムデータを受け取り、センサからセンサデータを受け取ることと、インタフェログラムデータ及びセンサデータに基づいてレーザの波長を計算することとを含む動作を実行するように構成される。
【0084】
第1の実施例の実装は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。前記干渉計は、フィゾー干渉計である。干渉計は、第1のキャビティ及び第2のキャビティを含む。第1のキャビティは、第1の干渉計長さを有し、第2のキャビティは、第1の干渉計長さとは異なる第2の干渉計長さを有する。インタフェログラムデータは、第1のキャビティによって生成された第1の干渉計と第2のキャビティによって生成された第2の干渉計の空間的に依存する強度プロファイルを含む。
【0085】
第1の実施例の実装は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。カメラシステムは、フォトダイオードアレイを含む。センサは温度センサであり、センサデータは伝送媒体の温度を表すデータを含む。センサは、圧力センサであり、センサデータは、伝送媒体の圧力を表すデータを含む。前記センサは、湿度センサであり、前記センサデータは、前記伝送媒体の湿度を表すデータを含む。前記センサは、二酸化炭素センサであり、前記センサデータは、前記伝送媒体の二酸化炭素の濃度を表すデータを含む。前記センサは第1のセンサであり、前記環境パラメータは第1の環境パラメータであり、前記波長測定システムは第2のセンサを含む。第2のセンサは、伝送媒体の第2の環境パラメータを感知し、これに応答して第2のセンサデータを生成するように構成される。第1及び第2のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択されたそれぞれの異なるセンサに対応する。波長測定システムは、第3のセンサを含む。第3のセンサは、伝送媒体のそれぞれの第3の環境パラメータを感知し、これに応答して第3のセンサデータを生成するように構成される。第1の、第2の、及び第3のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択されたそれぞれの異なるセンサに対応し、第1の、第2の、及び第3のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択されたそれぞれの異なるセンサに対応する。センサは温度センサであり、波長測定システムは、伝送媒体のそれぞれの環境パラメータを感知するように構成された圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサをそれぞれ含む。
【0086】
第1の実施例の実装は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。センサは、第1の温度センサであり、センサデータは、伝送媒体の第1の温度を表す第1のセンサデータを含む。システムは、干渉計スペーサの第2の温度を感知し、これに応答して第2のセンサデータを生成するように構成された第2の温度センサを含む。第2のセンサデータは、第2の温度の値を表す。動作は、第2のセンサデータに従って干渉計の熱膨張値を決定することを含む。
【0087】
第1の実施例の実装は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。動作は、インタフェログラムデータ及びセンサデータを受け取る前に、基準レーザを使用して、波長測定システムを較正することを含む。インタフェログラムデータは、第1のインタフェログラムデータを含む。レーザは、テストレーザを含む。光信号は、第1の光信号を含む。テストレーザの波長は、第1の波長を含む。波長測定システムを較正することは、以下を含む。干渉計の幾何学的データを受け取ること、カメラシステムから第2のインタフェログラムデータを、センサからセンサデータを受け取ること、センサデータに基づいて伝送媒体の第1の屈折率を計算すること。前記第1の屈折率及び前記基準レーザの第2の波長に基づいて反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことにより、前記第1及び第2のキャビティのフィッティングされた干渉計長さを計算すること;及び前記フィッティングされた干渉計長さ及び前記基準レーザの第2の波長に基づいて前記反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことにより前記基準レーザのガウス型エンベロープパラメータを計算すること、を含む。幾何学的データは、第1及び第2の干渉計長さ及びウェッジ角度を含む。第2のインタフェログラムデータは、基準レーザからの第2の光信号に基づいて干渉計によって生成される。第2の光信号は、第1及び第2のキャビティに同時に入射される。
【0088】
第1の実施例の実装は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。テストレーザの波長を計算することは、センサデータに基づいて伝送媒体の第2の屈折率を計算することと、フィッティングされた干渉計長さ、ウェッジ角度、第2の屈折率、及びガウスエンベロープパラメータに基づいて反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことと、大域的最適化アルゴリズム(global optimization algorithm)を用いてテストレーザの第1の波長を計算することとを含む。
【0089】
第2の実施例では、波長測定方法であって、レーザから光信号を受け取り、干渉計によって干渉図を生成することと、干渉計から干渉図を受け取り、カメラシステムによって応答して干渉図データを生成することと、伝送媒体の環境パラメータを感知し、センサに応答してセンサデータを生成することと、制御システムの動作によってカメラシステムから干渉図データ及びセンサデータを受け取ることと、干渉図データ及びセンサデータに基づいてレーザを波長計算することを含む。干渉計は、2つの反射界面と、2つの反射面間の伝送媒体とを含む。インタフェログラムデータは、インタフェログラムを表す。センサデータは、環境パラメータの値を表す。
【0090】
第2の実施例の実装は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。インタフェログラムを生成することは、フィゾー干渉計によって行われる。インタフェログラムを生成することは、干渉計の第1のキャビティによって第1のインタフェログラムを生成し、干渉計の第2のキャビティによって第2のインタフェログラムを生成することからなり、第1のキャビティは第1の干渉計長さを有し、第2のキャビティは第1の干渉計長さとは異なる第2の干渉計長さを有している。
【0091】
第2の実施例の実施構成は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。環境パラメータを感知することは、温度センサを動作させて、伝送媒体の温度を表すデータを含むセンサデータを取得することを含む。環境パラメータを感知することは、圧力センサを動作させて、伝送媒体の圧力を表すデータを含むセンサデータを取得することを含む。環境パラメータを感知することは、湿度センサを動作させて、伝送媒体の湿度を表すデータを含むセンサデータを取得することを含み、環境パラメータを感知することは、湿度センサを動作させて、伝送媒体の湿度を表すデータを含むセンサデータを取得することを含む。環境パラメータを感知することは、二酸化炭素センサを動作させて、伝送媒体中の二酸化炭素の濃度を表すデータを含むセンサデータを取得することを含む。環境パラメータを感知することは、第1のセンサを動作させて第1のセンサデータを取得すること;及び第2のセンサを動作させて第2のセンサデータを取得することを含む。第1及び第2のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択されたそれぞれの異なるセンサに対応する。環境パラメータを感知することは、第3のセンサを動作させて第3のセンサデータを取得することを含む。第1の、第2の及び第3のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択されたそれぞれの異なるセンサに対応する。環境パラメータを感知することは、第4のセンサを動作させて第4のセンサデータを取得することを含む。第1の、第2の、第3、及び第4のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択されたそれぞれの異なるセンサに対応する。
【0092】
第2の実施例の実施構成は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。本方法は、第1の温度センサを動作させて、伝送媒体の第1の温度の値を表す第1のセンサデータを取得すること;及び第2の温度センサによって干渉計の干渉計スペーサの第2の温度を感知することを更に含む。第2の温度センサは、第2の温度の値を表す第2のセンサデータを生成するように構成される。本方法は、第2のセンサデータに従って干渉計の熱膨張値を決定することを更に含む。
【0093】
第2の実施例の実施構成は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。本方法は、インタフェログラムデータ及びセンサデータを受け取る前に、基準レーザを使用して、較正を行うことを更に含む。レーザから光信号を受け取ることは、テストレーザから第1の光信号を受け取ることを含む。インタフェログラムデータを受け取ることは、第1のインタフェログラムデータを受け取ることを含む。波長を計算することは、テストレーザの第1の波長を計算することを含む。較正を実行することは、干渉計の幾何学的データを受け取ること、カメラシステムから第2のインタフェログラムデータを、センサからセンサデータを受け取ること、センサデータに基づき伝送媒体の第1の屈折率を計算すること、を含む。前記第1の屈折率及び前記基準レーザの第2の波長に基づいて反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことにより、前記第1及び第2のキャビティのフィッティングされた干渉計長さを計算すること;及び前記フィッティングされた干渉計長さ及び前記基準レーザの第2の波長に基づいて前記反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことにより前記基準レーザのガウス型エンベロープパラメータを計算すること、を含む。幾何学的データは、第1及び第2の干渉計長さ及びウェッジ角度を含む。第2のインタフェログラムデータは、基準レーザからの第2の光信号に基づいて干渉計によって生成される。第2の光信号は、第1及び第2のキャビティに同時に入射される。テストレーザの第1の波長を計算することは、センサデータに基づいて伝送媒体の第2の屈折率を計算することと、フィッティングされた干渉計長さ、ウェッジ角、第2の屈折率、及びガウスエンベロープパラメータに基づいて反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことと、大域的最適化アルゴリズムを用いてテストレーザの波長を計算すること、とを含む。
【0094】
記載されるもの幾つかの態様において、波長測定システムは、以下の実施例によって説明することができる。
実施例1. 波長測定システムであって、
少なくとも2つの反射面と上記反射面の間の伝送媒体とを含む干渉計であって、上記干渉計は、レーザから光信号を受け取り(受信し)(receive)、これに応答してインタフェログラムを生成する(produce)ように構成された干渉計と、
上記インタフェログラムを受け取り(受信し)、これに応答して上記インタフェログラムを表すインタフェログラムデータを生成するように構成されたカメラシステムと、
上記伝送媒体の環境パラメータを感知し、これに応答して上記環境パラメータの値を表すセンサデータを生成するように構成されたセンサと、
制御システムと、
を含み、
上記制御システムは、
上記カメラシステムから上記インタフェログラムデータを受け取り(受信し)、上記センサから上記センサデータを受け取る(受信する)ことと、
上記インタフェログラムデータ及び上記センサデータに基づいて、上記レーザの波長を計算すること(computing)と、
を含む動作を実行するように構成されている、波長測定システム。
実施例2. 上記干渉計はフィゾー干渉計である、実施例1に記載の波長測定システム。
実施例3. 上記干渉計は、第1のキャビティ及び第2のキャビティを含み、上記第1のキャビティは第1の干渉計長さを有し、上記第2のキャビティは上記第1の干渉計長さと異なる第2の干渉計長さを有する、実施例2に記載の波長測定システム。
実施例4. 上記インタフェログラムデータは、上記第1のキャビティによって生成された第1のインタフェログラムと上記第2のキャビティによって生成された第2のインタフェログラムの空間依存的な強度プロファイル(spatially dependent intensity profile)を含む、実施例3に記載の波長測定システム。
実施例5. 上記カメラシステムは、フォトダイオードアレイを含む、実施例1又は実施例2~4の何れかに記載の波長測定システム。
実施例6. 上記センサが温度センサであり、上記センサデータが、上記伝送媒体の温度を表すデータを含む、実施例1又は実施例2~5の何れかに記載の波長測定システム。
実施例7. 上記センサは、第1の温度センサであり、上記センサデータが、上記伝送媒体の第1の温度を表す第1のセンサデータを含み、上記システムは、干渉計の第2の温度を感知し、これに応答して上記第2の温度の値を表す第2のセンサデータを生成するように構成された第2の温度センサを備える、実施例6に記載の波長測定システム。
実施例8. 上記動作が、上記第2のセンサデータに従って上記干渉計の熱膨張値を決定することを含む、実施例7に記載の波長測定システム。
実施例9. 上記センサは圧力センサであり、上記センサデータは上記伝送媒体の圧力を表すデータを含む、実施例1又は実施例2~8の何れか1項に記載の波長測定システム。
実施例10. 上記センサは湿度センサであり、上記センサデータは、上記伝送媒体の湿度を表すデータを含む、実施例1又は実施例2~9の何れか1項に記載の波長測定システム。
実施例11. 上記センサは二酸化炭素センサであり、上記センサデータは、上記伝送媒体中の二酸化炭素の濃度を表すデータを含む、実施例1又は実施例2~10の何れか1項に記載の波長測定システム。
実施例12. 上記センサは第1のセンサであり、上記環境パラメータは第1の環境パラメータであり、上記波長測定システムは、伝送媒体の第2の環境パラメータを感知し、これに応答して第2のセンサデータを生成するように構成された第2のセンサを備え、上記第1及び第2のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、実施例1又は実施例2~5の何れか1項に記載の波長測定システム。
実施例13. 上記波長測定システムは、上記伝送媒体のそれぞれの第3の環境パラメータを感知し、これに応答として第3のセンサデータを生成するように構成された第3のセンサを備え、上記第1のセンサ、上記第2のセンサ、及び上記第3のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、実施例12に記載の波長測定システム。
実施例14. 上記センサが温度センサであり、上記波長測定システムが、上記伝送媒体のそれぞれの環境パラメータを感知するように各々が構成された、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサを備える、実施例1又は実施例2~5の何れか1項に記載の波長測定システム。
実施例15. 上記動作が、基準レーザを用いて上記インタフェログラムデータ及び上記センサデータを受け取る前に上記波長測定システムを較正することを含む、実施例1又は実施例2~14の何れか1項に記載の波長測定システム。
実施例16. 上記インタフェログラムデータが第1のインタフェログラムデータを含み、上記レーザがテストレーザを含み、上記光信号が第1の光信号を含み、上記テストレーザの波長が第1の波長を含み、
上記波長測定システムを較正することは、
上記干渉計の幾何学的データを受け取ることであって、上記幾何学的データが上記第1及び第2の干渉計長さ及びウェッジ角度を含む、ことと、
上記カメラシステムからの第2のインタフェログラムデータ及び上記センサからの上記センサデータを受け取ることであって、上記第2のインタフェログラムデータは、上記基準レーザからの第2の光信号に基づいて上記干渉計によって生成され、上記第2の光信号は、上記第1及び第2のキャビティに同時に入射される、ことと、
上記センサデータに基づいて、上記伝送媒体の第1の屈折率を算出すること(calculating)と、
上記第1の屈折率と上記基準レーザの第2の波長とに基づく反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことにより、上記第1及び第2のキャビティのフィッティング済み干渉計長さを計算することと、
上記フィッティング済み干渉計長さと上記基準レーザの第2の波長とに基づく反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことにより、上記基準レーザのガウスエンベロープパラメータ(Gaussian envelope parameters)を計算することと、
を含む、実施例15に記載の波長測定システム。
実施例17. 上記テストレーザの波長を計算することは、
上記センサデータに基づいて上記伝送媒体の第2の屈折率を算出することと、
上記フィッティング済み干渉計長さ、上記ウェッジ角、上記第2の屈折率、及びガウスエンベロープパラメータに基づいて上記反射強度モデルの最小二乗フィッティングを行うことと、
大域的最適化アルゴリズムを用いて、上記テストレーザの第1の波長を計算することと、
を含む、実施例16に記載の波長測定システム。
【0095】
記載されるもの幾つかの態様において、波長測定方法は、以下の実施例によって説明することができる。
実施例18. 波長測定方法であって、
干渉計の動作(operation)により、レーザから光信号を受け取り(受信し)、インタフェログラムを生成するステップであって、上記干渉計は、少なくとも2つの反射界面と、反射面の間の伝送媒体とを有する、ステップと、
カメラシステムの動作により、上記干渉計からインタフェログラムを受け取り(受信し)、これに応答して上記インタフェログラムを表すインタフェログラムデータを生成するステップと、
センサの動作により、上記伝送媒体の環境パラメータを感知し、これに応答して上記環境パラメータの値を表すセンサデータを生成するステップと、
制御システムの動作により、上記カメラシステムからインタフェログラムデータを受け取り(受信し)、上記センサから上記センサデータを受け取る(受信する)ステップと、
上記インタフェログラムデータ及び上記センサデータに基づいて、上記レーザの波長を計算するステップと、
を含む、方法。
実施例19. 上記インタフェログラムを生成するステップは、フィゾー干渉計によって行われる、実施例18に記載の波長測定方法。
実施例20. 上記インタフェログラムを生成するステップは、上記干渉計の第1のキャビティにより第1のインタフェログラムと上記干渉計の第2のキャビティにより第2のインタフェログラムとを生成するステップを含み、
上記第1のキャビティは第1の干渉計長さを有し、上記第2のキャビティは上記第1の干渉計長さとは異なる第2の干渉計長さを有する、実施例19に記載の波長測定方法。
実施例21. 上記環境パラメータを感知するステップは、上記伝送媒体の温度を表すデータを含むセンサデータを取得するために温度センサを動作させるステップを含む、実施例18又は実施例19~20の何れか1項に記載の波長測定方法。
実施例22. 上記伝送媒体の第1の温度の値を表す第1のセンサデータを取得するために第1の温度センサを動作させるステップと、
第2の温度センサによって上記干渉計の干渉計スペーサの第2の温度を感知するステップであって、上記第2の温度センサが、上記第2の温度の値を表す第2のセンサデータを生成するよう構成されている、ステップと、
を含む、実施例18又は実施例19~20の何れか1項に記載の波長測定方法。
実施例23. 上記第2のセンサデータに従って上記干渉計の熱膨張値を決定するステップを含む、実施例22に記載の波長測定方法。
実施例24. 基準レーザを用いて上記インタフェログラムデータ及び上記センサデータを受け取る前に較正を行うステップと、
大域的最適化アルゴリズムを用いて、テストレーザの波長を計算するステップと、
を含む、実施例23に記載の波長測定方法。
実施例25. 上記環境パラメータを感知するステップは、上記伝送媒体の圧力を表すデータを含むセンサデータを取得するために圧力センサを動作させるステップを含む、実施例18又は実施例19~24の何れか1項に記載の波長測定方法。
実施例26. 上記環境パラメータを感知するステップは、上記伝送媒体の湿度を表すデータを含むセンサデータを取得するために湿度センサを動作させるステップを含む、実施例18又は実施例19~25の何れか1項に記載の波長測定方法。
実施例27. 上記環境パラメータを感知するステップは、上記伝送媒体中の二酸化炭素の濃度を表すデータを含むセンサデータを取得するために二酸化炭素センサを動作させるステップを含む、実施例18又は実施例19~26の何れか1項に記載の波長測定方法。
実施例28. 上記環境パラメータを感知するステップは、
第1のセンサデータを取得するために第1のセンサを動作させるステップと、
第2のセンサデータを取得するために第2のセンサを動作させるステップと、
を含み、
第1及び第2のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、実施例18又は実施例19~20の何れか1項に記載の波長測定方法。
実施例29. 上記環境パラメータを感知するステップは、第3のセンサデータを取得するために第3のセンサを動作させるステップを含み、
上記第1のセンサ、上記第2のセンサ、及び上記第3のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、実施例28に記載の波長測定方法。
実施例30. 上記環境パラメータを感知するステップは、第4のセンサデータを取得するために第4のセンサを動作させるステップを含み、
上記第1のセンサ、上記第2のセンサ、上記第3のセンサ、及び上記第4のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、及び二酸化炭素センサからなるセンサ群から選択された異なるそれぞれのセンサに対応する、実施例29に記載の波長測定方法。
【0096】
本明細書は多くの詳細を含むが、これらは、特許請求の範囲に記載できるもの範囲に対する制限としてではなく、むしろ、特定の実施例に特有の特徴の説明として理解されたい。別々の実施構成の関連で本明細書に記載され又は図面に示される特定の特徴は、組み合わせることも可能である。逆に、単一の実施構成の関連で説明又は図示されている様々な特徴は、複数の実施形態において別々に又は何れかの適切な部分的組み合わせで実施することができる。
【0097】
同様に、動作は特定の順序で図面に描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、このような動作を示された特定の順序で又は順番に実行すること、或いは図示された全ての動作を実行することを要求していると理解されるべきではない。特定の状況下では、マルチタスク及び並列処理が有利な場合がある。更に、上述した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実施態様においてこのような分離を必要とすると理解すべきではなく、説明したプログラム構成要素及びシステムは、一般に単一の製品に一緒に統合することができ、又は複数の製品にパッケージ化できると理解されるべきである。
【0098】
幾つかの実施例を説明してきた。それにもかかわらず、様々な変更が可能であることは理解されるであろう。従って、他の実施例は、以下の特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0099】
200 波長測定システム
202 制御システム
204 光学系
206 環境センサ
212 基準レーザ源
214 テストレーザ源
216 光スイッチ
218 レンズ組立体
220 第1のミラー
222 ビームスプリッタ(BS)
224 ビームストップ
226 フィゾー干渉計
228 カメラ
230A 第1の入力ポート
230B 第2の入力ポート
232 出力ポート
240A 第1のガラス片
240B 第2のガラス片
242A、B 干渉計キャビティ
244 段部
246B 底部ウェッジ面
250 干渉計スペーサ
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長測定システムであって、
少なくとも2つの反射面と前記反射面の間の伝送媒体とを含む干渉計であって、前記干渉計は、レーザから光信号を受け取り、これに応答してインタフェログラムを生成するように構成された干渉計と、
前記インタフェログラムを受け取り、これに応答して前記インタフェログラムを表すインタフェログラムデータを生成するように構成されたカメラシステムと、
前記伝送媒体の環境パラメータを感知し、これに応答して前記環境パラメータの値を表すセンサデータを生成するように構成されたセンサと、
制御システムと、
を含み、
前記制御システムは、
前記カメラシステムから前記インタフェログラムデータを受け取り、前記センサから前記センサデータを受け取ることと、
前記インタフェログラムデータ及び前記センサデータに基づいて、前記レーザの波長を計算することと、
を含む動作を実行するように構成される、
波長測定システム。
【外国語明細書】