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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099630
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】貯蔵室ロック
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/00 20060101AFI20240718BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240718BHJP
   E05B 65/06 20060101ALI20240718BHJP
   E05B 65/08 20060101ALI20240718BHJP
   E05C 1/04 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
E05B65/00 B
E05B49/00 J
E05B65/06 F
E05B65/08 Y
E05C1/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066450
(22)【出願日】2024-04-17
(62)【分割の表示】P 2022511369の分割
【原出願日】2020-08-24
(31)【優先権主張番号】62/890,448
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】522066584
【氏名又は名称】ジェイナス インターナショナル グループ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】JANUS INTERNATIONAL GROUP, LLC
【住所又は居所原語表記】135 Janus International Boulevard, Temple, Georgia 30179 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(72)【発明者】
【氏名】マンテナ, ラジヴ
(72)【発明者】
【氏名】ジェングラー, デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ゴスリング, ヤコブ
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA01
2E250BB08
2E250DD06
2E250FF25
2E250FF36
(57)【要約】
【課題】様々な関係者によるアクセスを必要とし得る貯蔵室セキュリティドアの場合、防護された貯蔵室にアクセスする許可を維持することは、煩雑である。
【解決手段】この発明の貯蔵室ロックは、貯蔵室ドアへ取り付けられるロックハウジングと、ロックハウジング内に配置されるロック機構を備え、ロック機構は、
ラッチハウジングから延ばされたラッチが貯蔵室ドアをサポートするドアフレームと係合して貯蔵室ドアの開放を阻止するロック位置と、ラッチがラッチハウジングへ戻されてドアフレームとの係合が外れ、貯蔵室ドアを開放し貯蔵を許可するロック解除位置と、の間で選択的の動作可能なラッチと、
ロック位置から外れるラッチの動作を阻止する制限状態と、ロック位置から外れるラッチの動作を許容する非制限状態と、の間で選択的に動作可能なラッチ制御システムであって、ラッチをロック解除不能とするオーバーロックのための指示に対応して非制限状態となることの動作を不能とする、ラッチ制御システムと、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室ドア用の貯蔵室ロックであって、前記貯蔵室ロックは、
前記貯蔵室ドアへ取り付けられるロックハウジングと、
前記ロックハウジング内に配置されるロック機構と、を備え、
前記ロック機構は、
前記ラッチハウジングから延ばされた前記ラッチが前記貯蔵室ドアをサポートするドアフレームと係合して前記貯蔵室ドアの開放を阻止するロック位置と、前記ラッチが前記ラッチハウジングへ戻されて前記ドアフレームとの係合が外れ、前記貯蔵室ドアを開放し貯蔵を許可するロック解除位置と、の間で選択的に動作可能なラッチと、
前記ロック位置から外れる前記ラッチの動作を阻止する制限状態と、前記ロック位置から外れる前記ラッチの動作を許容する非制限状態と、の間で選択的に動作可能なラッチ制御システムであって、前記ラッチをロック解除不能とするオーバーロックのための指示に対応して前記非制限状態となることの動作を不能とする、ラッチ制御システムと、を備える、貯蔵室ロック。
【請求項2】
前記ラッチ制御システムは、前記ラッチがロック解除位置から外れる動きを選択的に阻止する電気的なアクチュエータを備え、前記非制限状態となることの動作を不能とする前記オーバーロックの機構は前記電気的なアクチュエータの阻止動作による請求項1に記載の貯蔵室ロック。
【請求項3】
前記ラッチ制御システムは前記電気的なアクチュエータに連結されたリストリクタを備え、該リストリクタは制限位置と非制限位置との間で選択的に動作を行い、前記リストリクタは、前記制限位置において、前記ラッチが前記ロック位置から外れる動きを阻止するように構成されている、請求項2に記載の貯蔵室ロック。
【請求項4】
前記ラッチ制御システムはプロセッサを備え、該プロセッサはメモリに格納されている命令を実行し、及び通信回路を動作させて前記ラッチ制御システムとの通信を行う、請求項1に記載の貯蔵室ロック。
【請求項5】
前記ラッチ制御システムは、リモート指示としての、前記ラッチをロック解除不能とするオーバーロックの指示を受けるように構成されている、請求項4に記載の貯蔵室ロック。
【請求項6】
前記ラッチ制御システムは、メッシュネットワークを介して前記オーバーロックの通信を行う、請求項5に記載の貯蔵室ロック。
【請求項7】
前記ラッチ制御システムは、インターネットを介して前記オーバーロックの通信を行う、請求項5に記載の貯蔵室ロック。
【請求項8】
前記ラッチ制御システムは、近接したモバイルデバイスを介して前記オーバーロックの通信を行う、請求項5に記載の貯蔵室ロック。
【請求項9】
前記ラッチ制御システムは、前記モバイルデバイスからロック解除指示を受け取ると、直ちに前記非制限状態となり、前記ラッチを前記ロック位置から外す動作を許容する、請求項8に記載の貯蔵室ロック。
【請求項10】
前記ラッチをロック解除不能とするオーバーロックの指示に対応して、前記ラッチ制御システムは、前記ロック解除指示により前記非制限状態となることを不能とする動作を行う、請求項9に記載の貯蔵室ロック。
【請求項11】
貯蔵室の自動ドアシステムであって、
貯蔵室ドアと該貯蔵室ドアを支持するドアフレームとを備える貯蔵室の自動ドアアッセンブリと、
前記貯蔵室の自動ドアアッセンブリを選択的にロックして前記貯蔵室ドアが開くことを阻止する貯蔵室ロックアッセンブリと、を備え、前記貯蔵室ロックアッセンブリは、
前記貯蔵室ドアへ取り付けられるロックハウジングと、
前記ロックハウジング内に配置されるロック機構と、を備え、
前記ラッチハウジングから延ばされた前記ラッチが前記貯蔵室ドアをサポートするドアフレームと係合して前記貯蔵室ドアの開放を阻止するロック位置と、前記ラッチが前記ラッチハウジングへ戻されて前記ドアフレームとの係合が外れ、前記貯蔵室ドアを開放し貯蔵を許可するロック解除位置と、の間で選択的に動作可能なラッチと、
前記ロック位置から外れる前記ラッチの動作を阻止する制限状態と、前記ロック位置から外れる前記ラッチの動作を許容する非制限状態と、の間で選択的に動作可能なラッチ制御システムであって、前記ラッチをロック解除不能とするオーバーロックのための指示に対応して前記非制限状態となることの動作を不能とする、ラッチ制御システムと、を備える、
貯蔵室の自動ドアシステム。
【請求項12】
前記ラッチ制御システムは、前記ラッチがロック解除位置から外れる動きを選択的に阻止する電気的なアクチュエータを備え、前記非制限状態となることの動作を不能とする前記オーバーロックの機構は前記電気的なアクチュエータの阻止動作による請求項11に記載の自動ドアシステム。
【請求項13】
前記ラッチ制御システムは前記電気的なアクチュエータに連結されたリストリクタを備え、該リストリクタは制限位置と非制限位置との間で選択的に動作を行い、前記リストリクタは、前記制限位置において、前記ラッチが前記ロック位置から外れる動きを阻止するように構成されている、請求項12に記載の自動ドアシステム。
【請求項14】
前記ラッチ制御システムはプロセッサを備え、該プロセッサはメモリに格納されている命令を実行し、及び通信回路を動作させて前記ラッチ制御システムとの通信を行う、請求項11に記載の自動ドアシステム。
【請求項15】
前記ラッチ制御システムは、リモート指示としての、前記ラッチをロック解除不能とするオーバーロックの指示を受けるように構成されている、請求項14に記載の貯蔵室ロック。
【請求項16】
前記ラッチ制御システムは、メッシュネットワークを介して前記オーバーロックの通信を行う、請求項15に記載の自動ドアシステム。
【請求項17】
前記ラッチ制御システムは、インターネットを介して前記オーバーロックの通信を行う、請求項15に記載の自動ドアシステム。
【請求項18】
前記ラッチ制御システムは、近接したモバイルデバイスを介して前記オーバーロックの通信を行う、請求項15に記載の自動ドアシステム。
【請求項19】
前記ラッチ制御システムは、前記モバイルデバイスからロック解除指示を受け取ると、直ちに前記非制限状態となり、前記ラッチを前記ロック位置から外す動作を許容する、請求項18に記載の自動ドアシステム。
【請求項20】
前記ラッチをロック解除不能とするオーバーロックの指示に対応して、前記ラッチ制御システムは、前記ロック解除指示により前記非制限状態となることを不能とする動作を行う、請求項19に記載の自動ドアシステム。
【請求項21】
前記ラッチをロック解除不能とするオーバーロックの指示に対応して、前記ラッチ制御システムは、前記貯蔵室ロックアッセンブリにおけるローカルユーザインターフェースを介して得られたロック解除指示により前記非制限状態となることを不能とする動作を行う、請求項19に記載の自動ドアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年8月22日に出願された米国暫定出願第62/890,448号明細書に対する優先権を主張するものであり、出願の開示内容は、参照によりその全体が明示的に開示に含まれる。
【0002】
本開示は、概して、ロックするためのデバイス、システムおよび方法に関し、より具体的には、ドアをロックするためのデバイス、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
たとえば、貯蔵施設のための物理的安全保護は、貯蔵室への適切なアクセスに関して興味深い課題を提示し得る。様々な関係者によるアクセスを必要とし得る貯蔵室セキュリティドアの場合、防護された貯蔵室にアクセスする許可を維持することは、煩雑であり得る。たとえば、所有者-テナントの関係において、アクセスおよび/またはアクセスをサポートするためのインフラストラクチャは、複雑なものであり得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様によれば、貯蔵室ドア用の貯蔵室ロックである該貯蔵室ロックは、貯蔵室ドアまたは貯蔵室ドアを支持する貯蔵室フレームのうちの一方へ取り付けるためのロックハウジングと、該ロックハウジング内に配置されるロック機構と、を含んでもよい。ロック機構は、貯蔵室ドアの開放を阻止すべく貯蔵室ドアおよび貯蔵室フレームのうちの他方と係合するためにラッチが延ばされるロック位置と、貯蔵室ドアが貯蔵室へアクセスするために開放されることを可能にすべくラッチが貯蔵室ドアおよび貯蔵室フレームのうちの他方との係合を解除するように引き戻されるロック解除位置と、の間で選択的に動作可能なラッチと、ロック位置から外れるラッチの動作を阻止するための制限位置と、ロック位置からロック解除位置へと外れるラッチの動作を許容するための非制限位置と、の間で選択的に動作可能なラッチ制御システムと、を含んでもよい。
【0005】
例示的な実施形態において、ラッチ制御システムは、コントローラと、ラッチオペレータと、を含んでもよい。コントローラは、ロック位置から外れるラッチの動作を阻止するための制限位置と、ロック位置からロック解除位置へと外れるラッチの動作を許容するための非制限位置と、の間に鍵を選択的に配置するという命令をラッチオペレータへ発行するように構成されてもよい。例示的な実施形態において、コントローラは、ユーザ入力に基づいて、選択的動作をさせるコマンドをラッチオペレータへ発行するために、メモリに格納されている命令を実行するプロセッサを含んでもよい。
【0006】
例示的な実施形態において、ラッチ制御システムは、ラッチ制御システムの制限位置および非制限位置に対応するブロック位置と非ブロック位置との間で選択的に動作可能な鍵を含んでもよい。ブロック位置において、鍵は、ロック位置からロック解除位置へのラッチの動きを阻止すべくラッチと係合するように配置されてもよく、非ブロック位置において、鍵は、ロック位置からロック解除位置へと外れるラッチの動きを許容すべくラッチから係合を解除されて配置されてもよい。ブロック位置において、鍵は、ロック位置から外れるラッチの動きを阻止するために、ラッチの開口内に配置されてもよい。例示的な実施形態において、鍵は、ブロック位置で一端をラッチと係合するまで旋回させるように動作可能な旋回可能部材として配置されてもよい。
【0007】
例示的な実施形態において、ラッチ制御システムは、制限位置と非制限位置との間で選択的に動作可能なリストリクタを含んでもよい。制限位置において、リストリクタは、ブロック位置から外れる鍵の動きを阻止すべく鍵に係合するように配置されてもよい。リストリクタは、制限位置と非制限位置との間で線形移動するためのスライダとして形成されてもよい。例示的な実施形態において、鍵は、ブロック位置と非ブロック位置との間で旋回可能であってもよく、かつ、リストリクタは、制限位置において、鍵がブロック位置から旋回することを阻止するように配置されてもよい。
【0008】
例示的な実施形態では、非制限位置において、リストリクタは、ブロック位置から非ブロック位置への鍵の動きを許容すべく鍵から係合を解除されて配置されてもよい。ラッチ制御システムは、制限位置と非制限位置との間でのリストリクタの動きを駆動するためのラッチオペレータを含んでもよい。ラッチオペレータは、アクチュエータと、アクチュエータとリストリクタとの間に係合される、アクチュエータからリストリクタへ作動力を伝達するための弾性コネクタと、を含んでもよい。
【0009】
弾性コネクタは、収縮位置と伸展位置との間で選択的に動作可能であってもよい。アクチュエータは、リストリクタを制限位置へ向かって付勢すべく、弾性コネクタへ制限力を加えるように選択的に動作可能であってもよい。例示的な実施形態において、弾性コネクタは、線形ばねとして形成されてもよい。
【0010】
例示的な実施形態では、鍵がブロック位置にある制限力の下で、弾性コネクタは、リストリクタが非制限位置に留まる間にリストリクタを制限位置へと付勢するように駆動されてもよい。鍵が非ブロック位置にある制限力の下で、弾性コネクタは、リストリクタを制限位置へ向かって動かすべく、リストリクタを制限位置へと付勢するように駆動されてもよい。
【0011】
本開示の別の態様によれば、貯蔵室セキュリティ・ドア・システムは、ドアおよびフレームを含む貯蔵室セキュリティドアと、ドアおよびフレームのうちの一方へ固定されるロックと、を含んでもよい。ロックは、ドアの開放を阻止すべくラッチがドアおよびフレームのうちの他方と係合されるロック位置と、貯蔵室セキュリティドアが貯蔵室へアクセスするために開放されることを可能にすべくラッチがドアおよびフレームのうちの他方との係合を解除されるロック解除位置と、の間で選択的に動作可能なラッチと、ロック位置から外れるラッチの動作を阻止するための制限位置と、ロック位置からロック解除位置へと外れるラッチの動作を許容するための非制限位置と、の間で選択的に動作可能なラッチ制御システムと、を含んでもよい。
【0012】
例示的な実施形態において、ラッチ制御システムは、ロック位置から外れるラッチの動作を阻止するための制限位置と、ロック位置からロック解除位置へと外れるラッチの動作を許容するための非制限位置と、の間に鍵を選択的に配置するという命令をラッチオペレータへ発行するように構成されるコントローラを含んでもよい。コントローラは、ユーザ入力に基づいて、選択的動作をさせるコマンドをラッチオペレータへ発行するために、メモリに格納されている命令を実行するプロセッサを含んでもよい。コントローラは、制限位置と非制限位置との間におけるラッチ制御システムの動作を管理するための遠隔通信を許容すべく、ネットワークと通信するように動作可能であってもよい。
【0013】
例示的な実施形態において、ラッチ制御システムは、ブロック位置と非ブロック位置との間で動作可能な鍵を含んでもよい。ブロック位置において、鍵は、ロック位置からロック解除位置へのラッチの動きを阻止すべくラッチと係合するように配置されてもよく、非ブロック位置において、鍵は、ロック位置からロック解除位置へと外れるラッチの動きを許容すべくラッチから係合を解除されて配置されてもよい。例示的な実施形態において、ラッチ制御システムは、制限位置と非制限位置との間で選択的に動作可能なリストリクタを含んでもよい。制限位置では、ブロック位置から外れる鍵の動きを阻止すべく鍵に係合する、スライダが配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面は、例示的な実施形態を開示するものであり、諸図面を通じて、類似の参照符号は、同じ、または類似のパーツを示す。
【0015】
図1】本開示の所定の態様による、セキュリティ・ドア・システムを示す線図である。
【0016】
図2】ロック位置に配置されている、図1のセキュリティ・ドア・システムのロック機構を示す斜視図である。
【0017】
図3】ロック解除位置に配置されている、図2のセキュリティ・ドア・システムのロック機構を示す斜視図である。
【0018】
図4図1図3のセキュリティ・ドア・システムのロック機構を示す分解斜視図である。
【0019】
図5】ロック位置に配置されている、図2図4のロック機構の内側部分を示す側面図である。
【0020】
図6】ロック解除位置に配置されている、図5のロック機構の内側部分を示す側面図である。
【0021】
図7図5および図6のロック機構の諸部分を示す斜視図である。
【0022】
図8】ロック機構の動作を管理するためのコントローラを示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の概念については、様々な変更および代替形態が可能であるが、図面では、その特定の実施形態を例として示しており、よって明細書本文での詳述も例示的なものである。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定するという意図はなく、逆に、その意図は、本開示および添付の特許請求の範囲に一致する全ての変更、等価物および代替物を包含することにある点は、理解されるべきである。
【0024】
たとえば、貯蔵施設のための物理的安全保護は、貯蔵室への適切なアクセスに関して興味深い課題を提示し得る。一例としては、貯蔵ユニットをユーザ(テナント/賃借人)に賃貸しまたはリースし得るレンタル貯蔵施設が含まれ得、ユニットは、個々のテナント毎に確保されることが可能な個別の貯蔵室である。課題は、貯蔵ユニットへの選択的アクセスを提供することにおいて生じる可能性がある。
【0025】
従来のレンタル貯蔵施設では、貯蔵ユニットのユーザ(賃借人)は、概して、貯蔵室へのアクセスを随意要求することができるが、貯蔵施設の所有者(賃貸人)は、各貯蔵ユニットへのアクセスの最優先または包括的制御を維持する必要があり得る。たとえば、所有者は、契約上の合意に従って、支払いを行っていないユーザを貯蔵ユニットへのアクセスからロックアウトするために、最優先制御を必要とする場合がある。さらに、貯蔵ユニットへのアクセスに対する最優先制御を手動で提供することは、面倒である可能性があり、かつ/または、各貯蔵ユニット毎に個別の管理制御を必要とする可能性がある。貯蔵施設は、各々がこのようなセキュリティ上の課題に直面する可能性がある何十、何百、または何千もの個別化された貯蔵ユニットを有することがある。
【0026】
次に、図1を参照すると、セキュリティ・ドア・システム12が、空間内の貯蔵室へのアクセスを管理するための、密閉空間へのアクセスドアとして具現されて示されている。セキュリティ・ドア・システム12は、例示的に、セキュリティドア14と、セキュリティドア14の開放を阻止すべく選択的動作をするためのロック機構16と、を含む。セキュリティドア14は、例示的に、ロック機構16を取り付けた波形の巻上げドア18を含むように具現されているが、実施形態によっては、あらゆる適切な方式のセキュリティドアを含んでもよい。セキュリティドア14は、ドア18自体に対して定置のままであるべく貯蔵ユニットの建造物と連接されるように構成される、かつドア18の開放を阻止するためにロック機構16が選択的に係合できるフレーム20を含む。例示的な実施形態において、ロック機構は、フレーム20と共に取り付けられて、ドア18と選択的に係合可能であってもよい。
【0027】
ロック機構16は、例示的に、他のセキュリティドア14と共に、たとえば、同じ貯蔵施設の異なる貯蔵ユニット用の他のセキュリティドア14と共に動作するように配置され得る他のロック機構16と通信して配置される。これらのロック機構16は、例示的に、メッシュネットワーク22を形成することにより互いに通信して配置される。メッシュネットワーク22は、例示的に、一部のロック機構が物理的に他のロック機構との直接通信から外れることがあるが、特定の配置に従って完全に接続されるメッシュネットを適応的に形成し得ることを示す、部分的に接続されるメッシュトポロジで構成されるように具現されているが、実施形態によっては、メッシュネットワーク22は、リング、スター、ツリー、ラインおよび/またはこれらの組合せを含む、但しこれらに限定されない任意の適切なトポロジを有してもよい。ロック機構16は、例示的に、インターネットとして具現され得るリモートネットワーク24と通信するように配置される。ロック機構16とリモートネットワーク24との間の通信は、メッシュネットワーク22を介して提供されるように具現されているが、実施形態によっては、個々のロック機構16から直に提供されてもよい。ロック機構16は、スマートフォンとして具現されるパーソナル・モバイル・デバイス26と通信して配置される。メッシュネットワーク22との通信、およびロック機構16とパーソナル・モバイル・デバイス26との間の通信は、例示的に、低電力Bluetoothを介して提供されるが、実施形態によっては、赤外線、無線周波数、Wi-Fi、Zigbee、3G/4G/5Gおよびこれらに類似するものを含む、但しこれらに限定されないあらゆる適切な方式の無線通信を含んでもよい。
【0028】
ロック機構16とパーソナル・モバイル・デバイス26との間の通信は、たとえばセキュリティドア14を選択的にロックしかつロック解除するための、ユーザによるロック機構16の起動を許容することができる。セキュリティドア14に近接しているユーザは、事前認証に基づいてメニュにアクセスしてもよく、かつ、本明細書においてさらに詳細に論じるように、ロック機構を、ドアをロック解除するために選択的動作用のラッチを外す非制限状態と、ラッチをロック位置に維持する制限状態との間で動作させるために、起動ボタン28を選択してもよい。ユーザは、特定のセキュリティドア14を操作する認証を保証するために、ユニット番号、ユーザ識別情報などの識別情報を入力しかつ/または確定してもよい。セキュリティドア14の所有者は、本明細書においてさらに詳しく論じるように、リモートネットワークを介してロック機構16に遠隔的にアクセスしてもよい。
【0029】
図2に示すように、ある例示的な実施形態において、ロック機構16は、ロック位置に配置されている、フレーム20内の開口32への貫入によりセキュリティドア14のフレーム20と係合すべくハウジング40から第1の長さだけ延在する、ラッチ30を含む。本明細書においてさらに詳しく論じるように、ロック機構16は、ドア18の開放を、開口32内のラッチ30の位置合わせが開放のためのフレーム20に対するドア18の垂直運動を阻止することにより妨げるように、ドア18に固定される。
【0030】
例示的な実施形態において、ラッチ30は、ラッチ本体34と、ユーザの手と係合するためにラッチ本体34から外側へ延在するアーム36とを含む。アーム36は、ラッチ30をロック位置とロック解除位置との間でスライドさせるべくユーザの手または指と係合するための、物理的ハンドルを提供する。ロック機構16は、例示的に、ロック機構16との通信を起動するためのユーザインタフェース38を含む。ユーザインタフェース38は、例示的に、たとえば予め決められた一連の長押しおよび/または短押しによりコマンドを入力するための、ユーザの指による接触を受信するためのタッチ感応パッドとして具現される。ユーザインタフェース38は、フィードバック応答としての、たとえば、受信されたタッチ入力をユーザへ伝達し返すためのユーザタッチへのフィードバックとして、および/または、一連の色つきまたは色無し(成功の場合は緑色、失敗の場合は赤、など、但しこれらに限定されない)の確定用フラッシュにより、制限状態と非制限状態との間の変更の成功および/または失敗を示すフィードバックとしての、選択照明を含んでもよい。
【0031】
図3を参照すると、ラッチ30は、ロック解除位置に配置されていて、ハウジング40から第1の長さより短い第2の長さだけ延び、かつフレームの開口32から係合を解除されている。ロック機構16は、例示的に、ドア18を貫通して延びるボルト42によってドア18と共に固定される、かつドアの内側(固定側)に締結ナットにより固定される、ハウジング40を含む。ハウジング40は、例示的に、ドア18の波形形状と適合係合するために、ボルトフランジを有する輪郭のある形状を有して具現されているが、実施形態によっては、ハウジング40は、ロック機構をドア18と共に固定するためのあらゆる適切な形状をとってもよい。ハウジング40は、ロック機構16のコンポーネントを配置するための内部空間を画定する。ハウジング40は、前側に、ラッチ本体34をロック位置とロック解除位置との間で駆動させる動きのための、ユーザの手と係合するアーム36を受け入れるための開口44を含む。
【0032】
次に、図4を参照すると、ハウジング40は、ユーザがアクセスするためのユーザインタフェース38を受け入れるためのインタフェース開口46と、ボルトフランジ50上に配置される、ハウジング40をドア18と共に固定するための幾つかの締結具開口48と、を含んでもよい。ハウジング40は、側端から延在する、かつフレーム20との選択的係合のために滑動式に延びるラッチ30を受け入れる、ラッチサポート52を含む。ハウジング40は、両端で各フランジ50と連接するU字形断面を有する外側本体49を含む。
【0033】
ハウジング40は、スリーブ本体56、およびボルト42を受け入れるための締結具開口57を有するボルトフランジ55を有する、スリーブ54を含む。スリーブ本体56は、外側本体49と相補的に形成される前側と、波形ドアの溝と相補的に嵌合するように溝と相補的に形成される後側と、を含む。スリーブ本体56は、ユーザインタフェース38を含み、かつラッチ30のアーム36のための開口59を画定する。スリーブ54は、内側開口58を囲い込むエンドストッパ69を受け入れるための内側開口58を画定する。
【0034】
スリーブ54は、ラッチ制御システム62を収容するケーシング60を含む。ケーシング60は、スリーブ本体56の延在部分を画定するためにスリーブ54の開放された背面(図4に破線61で示す)と共に固定するためのケーシング本体64を含む。ケーシング60は、ラッチ制御システム62の部分を囲い込むためにスリーブ54の背面と係合するための開放面を有する内部空洞66を含む。ラッチ制御システム62は、コントローラ68と、コントローラ68のコマンドに従ってラッチ30の動きを選択的に制限するためのラッチオペレータ70と、を含む。ドライバ72および/またはコントローラ68は、例示的に、電力を搭載バッテリから受け取るが、実施形態によっては、貯蔵施設から配線式に給電されてもよい。
【0035】
図5の例示的実施形態を参照すると、ラッチオペレータ70は、説明を容易にするために、より接近して示されている。ラッチオペレータ70は、例示的に電動ロータリアクチュエータとして具現されているドライバ72を含むが、実施形態によっては、リニアアクチュエータなどのあらゆる適切な方式のアクチュエータであってもよい。ドライバ72は、コイルとして形成される、かつアクチュエータアーム74から延在されてスライダ78の線形移動を駆動すべくアクチュエータアーム74からの回転作動力を弾性的に伝達するばね77を有する、アクチュエータアーム74を含む。ばね77は、ラッチ30がロック位置から外れる動きを選択的に制限すべくケーシング本体64に対して滑動式に動くように配置されるスライダ78と係合される。ばね77の回転運動は、スライダ78を直線運動へと駆動する。
【0036】
スライダ78は、上面82を有する本体80を含む。スライダ78は、ばね77からスライダ78の平行移動を駆動する回転駆動運動を受け入れるべくばね77と係合するために面82から上側へ延在する、アーム84を含む。図5では、ラッチ30がロック位置を外れて動くことを制限するために、上面82がラッチ30との係合から外れるロック鍵86の動きを阻止する制限位置(右方向)にあるスライダ78が示されている。
【0037】
ロック鍵86は、例示的に、ロック位置とロック解除位置との間のラッチ30の動きに対して定置であり続けるべく、ストラット88を介してケーシング60と共に固定されている。ロック鍵86は、ストラット88のピン軸15を中心として旋回可能であって、ばねにより、図5に示すようなブロック位置と称される上向きに傾斜した位置へと付勢される。スライダ78が制限位置(右方向)にあることから、面82は、ブロック位置から外れるロック鍵86の反時計回りの回転を阻止する。ロック鍵86のブロック位置において、ロック鍵86は、ロック位置から外れるラッチ30の動き(左方向)を制限すべく、ラッチ30のアーム90における開口89内へ延びる。
【0038】
次に、図6を参照すると、スライダ78は、ロック鍵86を解放してラッチ30から係合解除される非ブロック位置へと動かすために、ドライバ72により、非制限位置へと左方向に駆動されている。非ブロック位置において、ロック鍵86(破線で示す)は、ラッチ30をロック解除位置(左方向)へ動かすユーザの力の下でラッチ30により反時計回りに回転されている。ロック鍵86の非ブロック位置において、開口89は、ロック鍵86との関連づけを解除され、よってロック鍵86は、ラッチ30がロック位置から外れて図6のロック解除位置へと左方向へ移動されることを可能にすべく、ラッチ30との係合を解除される。ユーザは、ラッチ30をロック位置へと右方向へスライドさせてもよく、これにより、同様に、開口89がロック鍵86と関連づけて配置され、ロック鍵86は、ラッチ30の左方向への動きを制限すべく開口89内のブロック位置へと回転するように付勢されることが可能にされる。ロック鍵86が(図5に示すような)ブロック位置へと回転されると、スライダ78は、制限位置へと右方向へシフトされることが可能であり、ロック鍵86がブロック位置から外れる反時計回りの回転が防止され、ひいては、ロック位置から外れるラッチ30の動きが制限される。
【0039】
ばね77の弾力性は、ロック鍵86が図6におけるような非ブロック位置でラッチ30から係合を解除される場合であっても、ドライバ72がアーム74を動かして、スライダ78を制限位置へと付勢すべくスライダ78に駆動力(右方向)を加えることを可能にすることができる。したがって、ロック鍵86が非ブロック位置にあり、かつラッチ30が先にロック解除位置にあるとき、ドライバ72は、スライダ78に右方向の付勢力を生じさせるべくアーム74を引き戻すことができ、続いて、ユーザがラッチ30をロック位置へと動かすと、ばね77の弾力性がスライダ78をロック位置へと動かしてロック鍵86の回転を阻止する。
【0040】
図7を参照すると、ラッチオペレータ70の部分の斜視図が、ブロック位置から外れるロック鍵86の回転を解放するための非制限位置にあるスライダ78を示している。しかしながら、ブロック位置では、ロック鍵86は、ロック位置から外れるラッチ30の動き(左方向)を阻止するために、開口89内へ延びるように上側へ傾斜して位置合わせされる。
【0041】
図2に戻ると、ユーザは、ラッチ30がドア14を固定するロック位置にある間に、ロック機構16を扱い得る。ラッチオペレータ70は、この時点で、スライダ78がロック鍵86をブロック位置に維持する制限位置にあり、よってラッチ30をロック位置に制限する、デフォルトの制限状態にある。ユーザは、非制限状態を達成するようにラッチオペレータ70を操作してもよい。ユーザは、ラッチオペレータ70を操作するためにユーザインタフェース38を介して通信するが、先に述べたように、ユーザは、モバイルデバイスを介してラッチオペレータ70を無線操作することもある。ユーザは、ユーザインタフェース38を予め決められた一連のタッチ(長-短-短など、但しこれに限定されない)でタッチし、この予め決められた一連のタッチ入力が成功すると、ラッチオペレータ70は、スライダ78を非制限位置へと動かすドライバ72の操作によって非制限状態へ変更される。ユーザインタフェースは、予め決められた一連のタッチ入力の成功をユーザへ、フラッシュ(等しく時間を合わされた3つの短い緑色フラッシュなど、但しこれに限定されない)を介して伝達してもよい。これで、ユーザは、ハンドル36を使ってラッチ30をロック解除位置へと動かし、ロック鍵86を非ブロック位置へと駆動し得る。ドライバ72は、スライダ78を制限位置へ向かって付勢することを、たとえば、位置センサを介して検出され得るロック解除位置におけるラッチ30の配置から2秒後のタイムアウトにより、デフォルトで設定してもよい。
【0042】
モバイルデバイスを介してラッチオペレータ70を操作する場合、ユーザは、スリープモードの間にロック機構16を扱ってもよく、かつパーソナル・モバイル・デバイス26と接続するためにユーザインタフェース38にタッチしてロック機構16を呼び起こすことができる。起動されてモバイルデバイス26と接続されると、ロックアプリケーションは、スライダ78を非制限位置へと動かすために起動ボタン28(図1に示す)を有効化する。これで、ユーザは、ラッチ30をロック位置からロック解除位置へと動かし得る。ドライバ72は、スライダ78を制限位置へ向かって付勢することを、たとえば、位置センサを介して検出され得るロック解除位置におけるラッチ30の配置から2秒後のタイムアウトにより、デフォルトで設定してもよい。
【0043】
次に、図8を参照すると、コントローラ68の線図が示されている。コントローラ68は、通信回路96を介してコマンドを送信しかつ/または入力を受信すべくメモリ94に格納された命令を実行するためのプロセッサ92を含む。プロセッサ92は、例示的に、マイクロプロセッサとして具現されるが、実施形態によっては、あらゆる適切なコンピューティングデバイスが含まれてもよい。メモリ94は、例示的に、フラッシュメモリとして具現されるが、実施形態によっては、あらゆる適切な形態のメモリが含まれてもよい。コントローラ68は、例示的に、ユーザのタッチ入力を受信するためにユーザインタフェース38と、およびロック機構のセンサ、たとえばコントローラ68へラッチ30、ロック鍵86、スライダ78およびドライバ72のうちのいずれか1つまたはそれ以上の位置を示す位置センサと、有線通信式に配置されるが、実施形態によっては、このような通信は、無線であってもよく、さらには、ユーザの接近を検出するための動きセンサが含まれてもよく、かつ/またはロック温度を決定しかつ/または通信するための温度センサが含まれてもよい。コントローラ68は、例示的に、パーソナル・モバイル・デバイス、他のロック機構の1つまたは複数のメッシュネットワーク、およびインターネットなどの1つまたは複数のリモートネットワークのうちの1つ以上と、通信回路96を介して通信するように配置される。通信回路96は、図8において単一のエレメントにより表されているが、1つまたは複数の通信プロトコルを介する有線および/または無線通信に適する任意の数のコンポーネントを表す。
【0044】
ロック機構16は、所有者(賃貸人)によるオーバーロックを有効化することができる。所有者は、ユーザアクセスを活性化しかつ/または非活性化するために、個々のロック機構16と通信してもよい。所有者は、個々のロック機構16と、リモートネットワーク、メッシュネットワーク、またはコンピューティングデバイスのアプリケーションインタフェースなどの制御インタフェースプラットフォームによる直接通信を介して通信してもよい。このようなアプリケーションインタフェース上で特定のロック機構16に関する識別情報を選択し、確定しかつ/または入力することにより、所有者には、所望に応じて活性化状態および非活性化状態間でオーバーロック制御を切り替えるための活性化ボタンおよび/または非活性化ボタンが提示される。活性化状態において、オーバーロックは、本明細書で論じるようなユーザアクセスを有効化する。非活性化状態において、オーバーロックは、パーソナル・モバイル・デバイス26および/またはユーザインタフェース38を介するラッチオペレータ70のユーザ操作を無効にすることにより、ユーザアクセスを無効化することができる。
【0045】
本開示内のデバイス、システムおよび方法は、巻上げドアへの取付けが可能な、テナントが南京錠を必要とすることなくその所有物を護ることを可能にする電気機械式ロックデバイス(ロック)を含んでもよい。ロックは、3つの方法、すなわち、スマートデバイスアプリ(Bluetooth経由など、但しこれに限定されない)、ワイヤレスフォブ(無線周波数など、但しこれに限定されない)、および/またはクイック-クリックコード(予め決められた一連の長短押しによるロックのユーザインタフェースのタッチなど、但しこれに限定されない)のうちの1つ以上を介して開放されてもよい。例示的な実施形態において、ロックは、付属のキーパッドを介して開放され得る。また、ロックは、サイトのオペレータにより、使用料を適時に支払わないテナントなどのテナントをオーバーロックするために使用されることも可能である。
【0046】
ロックは、電池式であってもよく、ロックとスマートデバイスとの直接連接を介して通信しても、無線メッシュネットワークを介して通信してもよい。例示的な実施形態において、ロックは、電力および/または通信用に配線されてもよい。
【0047】
貯蔵ユニットのドアロックなどのロックに対する従来のアクセス制御は、概して、配線式である。このような配線式ロック装置を設置しかつ/または保全することは、高い経費を余儀なくする可能性のある時間および/またはリソースのかかるプロセスとなり得る。既存の施設で配線式ソリューションを実装する場合、他の困難も生じることがある。
【0048】
本開示内のデバイス、システムおよび方法は、従来のロックシステムにおける課題を軽減し得る。たとえば、南京錠は、ユーザが鍵を忘れる、かつ/または紛失すると面倒なことになる可能性がある。南京錠は、ボルトカッタで切断すれば壊れる可能性がある。さらに、従来の南京錠は、通常、たとえばそれらのステータスをサイトオペレータに遠隔通信しない。従来の南京錠式オーバーロックは、別個のロックおよび/または追加のロックを必要とする可能性がある。通常のアクセス制御システムのように建物に取り付けられる従来のロックは、設置が困難かつ/または高価である可能性があり、かつ/または、概して、現場で各ドアを開けなければならない可能性があり、かつ/または、これと同時にユニットが空になるのを待つには、設置者が一人ずつ現場に来なければならなくなる可能性もあり、設置コストが極めて高くなる。さらに、ドア上の既存の電子オーバーロックデバイスは、(メッシュ対応などの、但しこれに限定されない)ネットワーキングを欠いていることがあり、よって、これらのデバイスは、ステータスをサイトオペレータに容易には報告することができず、かつ/または単なるオーバーロック用であって、単純なロック用としては設計され得ない。
【0049】
本開示内のデバイス、システムおよび方法は、既存の留め金上の(4つの)ボルトを取り外し、留め金をまさにこれらの同じボルトおよびボルトパターンを用いてこのデバイスと交換することにより、容易に設置され得る。このような配置は、誰もが実行できる簡単な設置をもたらすことができ、かつ/または、テナントの退去に伴いシステムへの付加物の回転を見込むことができる。このような配置は、単独ユニットによる単純なロックおよび/またはオーバーロック動作の両方を提供し得る。このような配置は、そのステータスの、たとえば双方向メッシュネットワークを介する不断の通信を提供し得る。このような通信は、リモートロック、リモートロック解除、リモートおよび/または自動化されたオーバーロック、現場の従業員を一切関与させないオーバーロックのリモート除去、ユニット温度の報告、2つの離散的赤外線センサを用いるユニット内/外の動き検出を提供することができる。
【0050】
付番された以下の条項は、企図された、かつ非限定的な実施形態を含む。
【0051】
条項1 貯蔵室ドア用の貯蔵室ロックであって、前記貯蔵室ロックは、(a)前記貯蔵室ドアへ、または前記貯蔵室ドアを支持する貯蔵室フレームへ取り付けるためのロックハウジングと、(b)前記ロックハウジング内に配置されるロック機構とを備え、前記ロック機構は、(i)前記貯蔵室ドアの開放を阻止すべく前記貯蔵室ドアおよび貯蔵室フレームのうちの他方と係合するためにラッチが延ばされるロック位置と、前記貯蔵室ドアが貯蔵室へアクセスするために開放されることを可能にすべく前記ラッチが前記貯蔵室ドアおよび貯蔵室フレームのうちの前記他方との係合を解除するように引き戻されるロック解除位置と、の間で選択的に動作可能なラッチと、(ii)前記ロック位置から外れる前記ラッチの動作を阻止するための制限位置と、前記ロック位置から前記ロック解除位置へと外れる前記ラッチの動作を許容するための非制限位置と、の間で選択的に動作可能なラッチ制御システムと、を備える、貯蔵室ロック。
【0052】
条項2 前記ラッチ制御システムは、コントローラと、ラッチオペレータとを含み、前記コントローラは、前記ロック位置から外れる前記ラッチの動作を阻止するための前記制限位置と、前記ロック位置から前記ロック解除位置へと外れる前記ラッチの動作を許容するための非制限位置と、の間に鍵を選択的に配置するという命令を前記ラッチオペレータへ発行するように構成される、条項1に記載の貯蔵室ロック。
【0053】
条項3 前記コントローラは、ユーザ入力に基づいて、選択的動作をさせるコマンドを前記ラッチオペレータへ発行するために、メモリに格納されている命令を実行するプロセッサを含む、条項2に記載の貯蔵室ロック。
【0054】
条項4 前記ラッチ制御システムは、前記ラッチ制御システムの制限位置および非制限位置に対応するブロック位置と非ブロック位置との間で選択的に動作可能な鍵を含み、前記ブロック位置において、前記鍵は、前記ロック位置から前記ロック解除位置へと外れる前記ラッチの動きを阻止するために前記ラッチに係合するように配置され、かつ前記非ブロック位置において、前記鍵は、前記ロック位置から前記ロック解除位置へと外れる前記ラッチの動きを許容するために前記ラッチとの係合を解除されて配置される、条項1に記載の貯蔵室ロック。
【0055】
条項5 前記ブロック位置において、前記鍵は、前記ロック位置から外れる前記ラッチの動きを阻止するために、前記ラッチの開口内に配置される、条項4に記載の貯蔵室ロック。
【0056】
条項6 前記ラッチ制御システムは、制限位置と非制限位置との間で選択的に動作可能なリストリクタを含み、前記制限位置において、前記リストリクタは、前記ブロック位置から外れる前記鍵の動きを阻止するために、前記鍵と係合するように配置される、条項4に記載の貯蔵室ロック。
【0057】
条項7 前記リストリクタは、前記制限位置と非制限位置との間で線形移動するためのスライダとして形成される、条項6に記載の貯蔵室ロック。
【0058】
条項8 前記非制限位置において、前記リストリクタは、前記ブロック位置から前記非ブロック位置へと外れる前記鍵の動きを許容すべく、前記鍵から係合を解除されて配置される、条項6に記載の貯蔵室ロック。
【0059】
条項9 前記ラッチ制御システムは、前記制限位置と非制限位置との間での前記リストリクタの動きを駆動するためのラッチオペレータを含む、条項4に記載の貯蔵室ロック。
【0060】
条項10 前記ラッチオペレータは、アクチュエータと、前記アクチュエータと前記リストリクタとの間に係合される、前記アクチュエータから前記リストリクタへ作動力を伝達するための弾性コネクタと、を含む、条項9に記載の貯蔵室ロック。
【0061】
条項11 前記弾性コネクタは、収縮位置と伸展位置との間で選択的に動作可能であり、かつ、前記アクチュエータは、前記リストリクタを前記制限位置へ向かって付勢すべく、前記弾性コネクタへ制限力を加えるように選択的に動作可能である、条項9に記載の貯蔵室ロック。
【0062】
条項12 前記弾性コネクタは、線形ばねとして形成される、条項11に記載の貯蔵室ロック。
【0063】
条項13 前記鍵が前記ブロック位置にある前記制限力の下で、前記弾性コネクタは、前記リストリクタが前記非制限位置に留まる間に前記リストリクタを前記制限位置へと付勢するように駆動される、条項11に記載の貯蔵室ロック。
【0064】
条項14 前記鍵が前記非ブロック位置にある前記制限力の下で、前記弾性コネクタは、前記リストリクタを前記制限位置へ向かって動かすべく、前記リストリクタを前記制限位置へと付勢するように駆動される、条項13に記載の貯蔵室ロック。
【0065】
条項15 貯蔵室セキュリティ・ドア・システムであって、(a)ドアおよびフレームを含む貯蔵室セキュリティドアと、(b)前記ドアおよび前記フレームのうちの一方へ固定されるロックと、を備え、前記ロックは、(i)前記ドアの開放を阻止すべくラッチが前記ドアおよび前記フレームのうちの他方と係合されるロック位置と、前記貯蔵室セキュリティドアが貯蔵室へアクセスするために開放されることを可能にすべく前記ラッチが前記ドアおよび前記フレームのうちの前記他方との係合を解除されるロック解除位置と、の間で選択的に動作可能なラッチと、(ii)前記ロック位置から外れる前記ラッチの動作を阻止するための制限位置と、前記ロック位置から前記ロック解除位置へと外れる前記ラッチの動作を許容するための非制限位置と、の間で選択的に動作可能なラッチ制御システムと、を備える、貯蔵室セキュリティ・ドア・システム。
【0066】
条項16 前記ラッチ制御システムは、前記ロック位置から外れる前記ラッチの動作を阻止するための前記制限位置と、前記ロック位置から前記ロック解除位置へと外れる前記ラッチの動作を許容するための非制限位置と、の間に鍵を選択的に配置するという命令を前記ラッチオペレータへ発行するように構成されるコントローラを含む、条項15に記載の貯蔵室ロック。
【0067】
条項17 前記コントローラは、ユーザ入力に基づいて、選択的動作をさせるコマンドを前記ラッチオペレータへ発行するために、メモリに格納されている命令を実行するプロセッサを含む、条項16に記載の貯蔵室ロック。
【0068】
条項18 前記コントローラは、前記制限位置と非制限位置との間における前記ラッチ制御システムの動作を管理するための遠隔通信を許容すべく、ネットワークと通信するように動作可能である、条項17に記載の貯蔵室ロック。
【0069】
条項19 前記ラッチ制御システムは、ブロック位置と非ブロック位置との間で動作可能な鍵を含み、前記ブロック位置において、前記鍵は、前記ロック位置から前記ロック解除位置へと外れる前記ラッチの動きを阻止するために前記ラッチに係合するように配置され、かつ前記非ブロック位置において、前記鍵は、前記ロック位置から前記ロック解除位置へと外れる前記ラッチの動きを許容するために前記ラッチとの係合を解除されて配置される、条項15に記載の貯蔵室ロック。
【0070】
条項20 前記ラッチ制御システムは、制限位置と非制限位置との間で選択的に動作可能なリストリクタを含み、前記制限位置において、前記スライダは、前記ブロック位置から外れる前記鍵の動きを阻止するために、前記鍵と係合するように配置される、条項19に記載の貯蔵室ロック。
【0071】
諸図面およびこれまでの明細書本文においては、所定の例示的な実施形態が詳述されているが、このような例示および説明は、例示的なものであって限定的な性質のものではないと見なされるべきであり、図示されかつ説明されている実施形態が単なる例示であること、よって、本開示の精神の範囲に含まれる全ての改変および変更は、保護されることが望ましいことについては理解される。本開示には、本明細書に記載の方法、システムおよび物品の様々な特徴から生じる複数の利点が存在する。本開示の方法、システムおよび物品の代替の実施形態は、記載された特徴の全てを含むとは限らないが、それでもなお、こうした特徴の利点の少なくとも一部の恩恵を受けるものであることは、留意されるであろう。一般的な当業者は、本開示の特徴のうちの1つ以上を組み込んだ、これらの方法、システムおよび物品の独自の実装を容易に考案し得る。
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