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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009967
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】口腔ケア活性剤を含むパウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/00 20060101AFI20240116BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20240116BHJP
   C11D 7/22 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B65D65/00 A
C11D17/04
C11D7/22
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177535
(22)【出願日】2023-10-13
(62)【分割の表示】P 2021572622の分割
【原出願日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】62/860,802
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100206265
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 逸子
(72)【発明者】
【氏名】ポール、アルバート、セーゲル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より短い平均破壊時間、より短い平均溶解時間、並びに/又は完全な溶解を行う既知のパウチよりも良好に機能するようなパウチ、及びその作製方法を提供する。
【解決手段】繊維要素形成ポリマー、例えばヒドロキシルポリマーを含む繊維要素から作製された水溶性繊維壁材料を含むパウチであって、特定の破壊試験方法に従って測定されたとき、使用中に破壊してその内容物を放出する、及び/又は、特定の、振盪試験方法に供された後にその内容物を十分に保持する、パウチである。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチであって、
(a)前記パウチの内部容積を少なくとも部分的に画定するフィルムであって、前記フィルムが、前記フィルムから外向きに又は前記パウチの前記内部容積に向かって内向きに突出する開口壁をそれぞれ有する開口を含む水溶性開口フィルム壁材料を含み、前記開口壁が不規則形状の周辺部を有する、フィルムと、
(b)前記パウチの内部容積中にフッ化物イオン源と、
(c)前記パウチの内部容積中に研磨剤と、
を含む、パウチ。
【請求項2】
前記パウチが破壊試験方法に従って測定されたときに破壊する、請求項1に記載のパウチ。
【請求項3】
前記パウチが前記破壊試験方法に従って測定されたときに240秒未満の平均破壊時間を呈する、請求項2に記載のパウチ。
【請求項4】
前記水溶性開口フィルム壁材料が、ヒドロキシルポリマーを含む、請求項1に記載のパウチ。
【請求項5】
前記ヒドロキシルポリマーが、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、デキストリン、ペクチン、キチン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの組み合わせを含む、請求項4に記載のパウチ。
【請求項6】
前記開口が、規則的なパターンを有する、請求項1に記載のパウチ。
【請求項7】
前記開口が、約0.1mm~約2mmの直径を有する、請求項1に記載のパウチ。
【請求項8】
前記開口が、約0.5%~約25%の開放領域を形成する、請求項1に記載のパウチ。
【請求項9】
前記パウチが、前記パウチの前記内部容積中に、金属イオン源を含む、請求項1に記載のパウチ。
【請求項10】
前記金属イオン源が、スズ、亜鉛、銅、又はこれらの組合せを含む、請求項9に記載のパウチ。
【請求項11】
前記金属イオン源が、前記スズを含み、前記スズが、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、ピロリン酸第一スズ、又はこれらの組合せを含む、請求項10に記載のパウチ。
【請求項12】
前記フッ化物イオン源が、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アミン、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化亜鉛、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載のパウチ。
【請求項13】
前記研磨剤が、シリカ研磨剤、カルシウム含有研磨剤、又はこれらの組合せを含む、請求項1に記載のパウチ。
【請求項14】
前記研磨剤が、前記カルシウム含有研磨剤を含み、前記カルシウム含有研磨剤が、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、又はこれらの組合せを含む、請求項13に記載のパウチ。
【請求項15】
前記パウチが、前記パウチの前記内部容積中に、ポリホスフェートを含む、請求項1に記載のパウチ。
【請求項16】
前記開口壁が、前記フィルムから外向きに突出する、請求項1に記載のパウチ。
【請求項17】
前記開口壁が、前記パウチの前記内部容積に向かって内向きに突出する、請求項1に記載のパウチ。
【請求項18】
前記開口壁が、前記不規則形状の周辺部を有する火山形構造体を含む、請求項1に記載のパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチ、例えば、1つ以上の口腔ケア活性剤を含むパウチに関する。本発明はまた、水溶性繊維壁材料又は開口フィルム壁材料を含むパウチ、及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔ケア活性剤を含むパウチは、従来、フィルム壁材料を用いて作製されてきた。しかしながら、これらのパウチは溶解時間が遅く、消費者にとって口腔に適用されるときの課題となる。
【0003】
既知のパウチに関する1つの問題は、それらのフィルム壁材料の比較的長い平均破壊時間及び/又は平均溶解時間及び/又はそれらのフィルム壁材料が完全に溶解しないことであり、使用後にフィルム壁材料が残る場合がある。残りのフィルム壁材料は洗浄中の物品に付着し、パウチの使用を消費者にとって不快な経験にし得る。また、パウチの完全には溶解しないフィルム壁材料は、固体廃棄用ストリームに廃棄する必要があるため、その使用後に処分の問題又はタスクを提起する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、例えば、より短い平均破壊時間、より短い平均溶解時間、並びに/又は完全な溶解及びその作製方法を示すことによって、既知のパウチよりも良好に機能するような、フィルム壁材料又は他の可溶性材料を含むパウチが必要とされている。更に、パウチが、意図される使用条件下でその内容物の迅速な放出を呈する、開口フィルム壁材料から作製されたパウチ及びその作製方法が必要とされている。なお更に、分配及び取り扱い中のパウチ内への材料及び粒子状物質の収容を損なわない、開口フィルム壁材料から作製されたパウチ及びその作製方法が必要とされている。また、パウチの開口フィルム壁材料の十分な量の幾何平均(GM)引張強度を維持しながら、分配及び取り扱い中にパウチ内に材料及び粒子状物質の収容が存在する、開口フィルム壁材料から作製されたパウチ及びその作製方法も必要とされている。更に、パウチの内部容積内の粒子(活性剤)の収容を効果的に維持するように選択された開口を含む開口フィルム壁材料を含むパウチが必要とされている。更に、パウチが、意図される使用条件下でその内容物の迅速な放出を呈する、水溶性繊維壁材料から作製されたパウチ及びその作製方法が必要とされている。更に、分配及び取り扱い中にパウチ内の材料及び粒子状物質の収容を損なわない、水溶性繊維壁材料から作製されたパウチ及びその作製方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、水溶性繊維壁材料を含む新規パウチ及びその作製方法を提供することによって、上述の必要性を満たす。
【0006】
上述の問題に対する1つの解決策は、繊維要素形成ポリマー、例えばヒドロキシルポリマーを含む繊維要素から作製された水溶性繊維壁材料を含むパウチであって、本明細書に記載の破壊試験方法に従って測定されたとき、使用中に破壊してその内容物を放出する、及び/又は本明細書に記載の振盪試験方法に供された後にその内容物を十分に保持する、パウチである。
【0007】
本発明の一例では、水溶性繊維壁材料を含むパウチなどの単位用量製品が提供される。
【0008】
本発明の別の例では、1つ以上の活性剤を収容するパウチの内部容積を画定するパウチ壁を含むパウチであって、パウチ壁は、水溶性繊維壁材料などの繊維壁材料を含み、使用中など、意図される使用条件に曝されたときに、パウチが破壊して、その活性剤のうちの1つ以上を放出する、パウチが提供される。
【0009】
本発明は、開口フィルム壁材料を含む新規パウチ及びその作製方法を提供することによって、上述の必要性を満たす。
【0010】
上述の上記の問題に対する1つの解決策は、本明細書に記載の破壊試験方法に従って測定されたときにより短い破壊時間を呈し、かつ/又は本明細書に記載の溶解試験方法に従って測定されたときにより短い溶解時間を呈し、かつ/又は完全な溶解を呈する、水溶性開口フィルム壁材料などの開口フィルム壁材料を含むパウチである。
【0011】
本発明の一例では、水溶性開口フィルム壁材料などの開口フィルム壁材料を含む、パウチなどの単位用量製品が提供される。
【0012】
本発明の別の例では、パウチであって、1つ以上の活性剤を収容するパウチの内部容積を画定するパウチ壁を含み、パウチ壁は、水溶性開口フィルム壁材料などの開口フィルム壁材料を含み、使用中など、意図される使用条件に曝されたときに、パウチが破壊して、その活性剤のうちの1つ以上を放出する、パウチが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明による、可溶性繊維壁材料を有するパウチの一例の概略図である。
図1B】本発明による、開口フィルム壁材料を有するパウチの一例の概略図である。
図2A】使用時における図1Aのパウチの概略図である。
図2B】使用時における図1Bのパウチの概略図である。
図3A】本発明による、可溶性繊維壁材料を有するパウチの別の実施例の概略図である。
図3B】本発明による、開口材料を有するパウチの別の実施例の概略図である。
図4A】使用時における図3Aのパウチの概略図である。
図4B】使用時における図3Bのパウチの概略図である。
図5A】本発明による、可溶性繊維壁材料を有するパウチの別の例の概略図である。
図5B】本発明による、開口壁材料を有するパウチの別の例の概略図である。
図6A】本発明による、多区画パウチの一例の概略図である。
図6B】本発明による、多区画パウチの一例の概略図である。
図7】本発明による、パウチの別の例の概略図である。
図8】使用時における図7のパウチの概略図である。
図9】本発明による、繊維壁材料を作製するためのプロセスの一例の概略図である。
図10図9のプロセスでの使用に好適なダイの一例の概略図である。
図11】破壊試験方法のセットアップの正面図である。
図12図11の部分平面図である。
図13図11の側面図である。
図14】本発明による、開口フィルム壁材料の一例の概略図である。
図15】口腔内で使用中のパウチの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
「パウチ壁材料」は、本明細書で使用するとき、パウチの内部空間が、パウチ壁材料により少なくともその一部又はその全体が画定され囲まれるような、1つ以上のパウチ壁を形成する材料を意味する。
【0015】
「繊維壁材料」は、本明細書で使用するとき、パウチ壁材料が、繊維要素、例えば繊維構造体の形態の互いに絡み合ったフィラメントなどのフィラメントを少なくとも部分的に含むことを意味する。一例では、繊維壁材料は、パウチの総表面積の5%超、及び/又は10%超、及び/又は20%超、及び/又は50%超、及び/又は70%超、及び/又は90%超、及び/又は100%を占める。パウチの総表面積の100%又は約100%を被覆する繊維壁材料を含むパウチを図1A及び図2Aに示す。パウチの任意の縁部継目は、繊維状のパウチ壁部を共に融着/封止する結果として、フィルム又はフィルム様部分を含んでもよいことが理解される。別の例では、繊維壁材料は、パウチの総表面積の100%未満、及び/又は70%未満、及び/又は50%未満、及び/又は20%未満、及び/又は10%未満を占める。パウチの総表面積の100%未満を被覆する繊維壁材料を含むパウチを図3A及び図4Aに示す。
【0016】
繊維壁材料は、複数の繊維要素を含む。一例では、繊維壁材料は、2つ以上及び/又は3つ以上の異なる繊維要素を含む。
【0017】
本発明の繊維壁材料は、均質であってもよく、又は層状であってもよい。層状である場合、繊維壁材料は、少なくとも2つの、及び/又は少なくとも3つの、及び/又は少なくとも4つの、及び/又は少なくとも5つの層を含んでもよい。
【0018】
繊維壁材料及び/又は繊維壁材料を構成する繊維要素、例えばフィラメントは、1つ以上の活性剤、例えば、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、硬質面活性剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。一例では、本発明の繊維壁材料は、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の酵素(小粒酵素の形態など)、1つ以上の香料、及び/又は1つ以上の抑泡剤を含む。別の例では、本発明の繊維壁材料は、ビルダー及び/又はキレート剤を含む。別の例では、本発明の繊維壁材料は、漂白剤(カプセル化された漂白剤など)を含む。
【0019】
一例では、繊維壁材料は、水溶性繊維壁材料である。
【0020】
一例では、繊維壁材料は、本明細書に記載の坪量試験方法に従って測定されたとき、5000g/m未満、及び/又は4000g/m未満、及び/又は2000g/m未満、及び/又は1000g/m未満、及び/又は500g/m未満の坪量を呈する。
【0021】
本明細書で使用するとき、「繊維要素」は、その平均直径を大きく上回る長さを有し、すなわち、長さ対平均直径の比率が少なくとも約10である、細長い粒子を意味する。繊維状要素は、フィラメント又は繊維であり得る。一例では、繊維要素は、複数の繊維要素を含む糸ではなく、単一の繊維要素である。
【0022】
本発明の繊維要素は、好適な紡糸プロセス(例えばメルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング及び/又は回転紡績など)によって、繊維要素形成組成物とも称されるフィラメント形成組成物から紡糸されてもよい。
【0023】
本発明の繊維要素は、1成分型及び/又は多成分型であってもよい。例えば、繊維要素は、2成分繊維及び/又はフィラメントを含んでもよい。2成分繊維及び/又はフィラメントは、サイドバイサイド(side-by-side)型、芯鞘型、海島型などの任意の形態であり得る。
【0024】
本明細書で使用するとき、「フィラメント」は、5.08cm(2インチ)以上、及び/又は7.62cm(3インチ)以上、及び/又は10.16cm(4インチ)以上、及び/又は15.24cm(6インチ)以上の長さを呈する上記のような細長い粒子を意味する。
【0025】
フィラメントは、典型的には、本質的に連続的であるか又は実質的に連続的であるとみなされる。フィラメントは、繊維よりも相対的に長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローンフィラメント及び/又はスパンボンドフィラメントが挙げられる。フィラメントに紡糸することができるポリマーの非限定的な例としては、例えば、デンプン、デンプン誘導体、セルロース(例えば、レーヨン及び/又はリヨセル)、セルロース誘導体、ヘミセルロース、及びヘミセルロース誘導体などの天然ポリマー、並びに熱可塑性ポリマーフィラメント、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンフィラメント、及びポリエチレンフィラメント)、並びに生分解性熱可塑性繊維、例えば、ポリ乳酸フィラメント、ポリヒドロキシアルカノエートフィラメント、ポリエステルアミドフィラメント、及びポリカプロラクトンフィラメントが挙げられるが、これらに限定されない合成ポリマーが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用するとき、「繊維」は、5.08cm(2インチ)未満、及び/又は3.81cm(1.5インチ)未満、及び/又は2.54cm(1インチ)未満の長さを呈する上記のような細長い粒子を意味する。
【0027】
典型的には、繊維は、本質的に不連続とみなされる。繊維の非限定的な例としては、本発明のフィラメント又はフィラメントトウを紡糸し、その後フィラメント又はフィラメントトウを5.08cm(2インチ)未満の断片に切断することにより製造された短繊維が挙げられる。
【0028】
一例では、フィラメントがより短い長さ(5.08cm未満の長さなど)に切断された場合などに、本発明のフィラメントから1つ以上の繊維を形成することができる。したがって、一例では、本発明はまた、1つ以上のフィラメント形成材料及び1つ以上の添加剤(活性剤など)を含む繊維などの、本発明のフィラメントから製造される繊維も含む。したがって、本明細書における本発明のフィラメントへの言及は、特に指定しない限り、このようなフィラメントから作製された繊維も含む。繊維は、典型的には、本質的に連続的であるとみなされるフィラメントに対して、本質的に不連続であるとみなされる。
【0029】
本明細書で使用するとき、「フィラメント形成組成物」及び/又は「繊維状要素形成組成物」は、メルトブローイング及び/又はスパンボンディングなど、本発明の繊維状要素を製造するために好適な組成物を意味する。フィラメント形成組成物は、材料を繊維状要素へと紡糸するために好適なものにする特性を呈する1つ以上のフィラメント形成材料、例えば、フィラメント形成ポリマーを含む。一例では、フィラメント形成材料は、ポリマー、例えばヒドロキシルポリマー及び/又は水溶性ポリマーを含む。1つ以上のフィラメント形成材料に加えて、フィラメント形成組成物は、1つ以上の添加剤、例えば1つ以上の活性剤を含んでもよい。更に、フィラメント形成組成物は、1種以上の極性溶媒(水など)を含み得、この極性溶媒中に、1つ以上の、例えば全てのフィラメント形成材料及び/又は1つ以上の、例えば全ての活性剤が、繊維状要素(フィラメント形成組成物に由来するフィラメントなど)を紡糸する前に、溶解及び/又は分散される。
【0030】
1つ以上の添加剤、例えば1つ以上の活性剤は、繊維要素上ではなく、繊維要素中、例えば、フィラメント中に存在してもよく、例えば、コーティング組成物は、繊維要素中の活性剤と同じであっても異なっていてもよい1つ以上の活性剤を含む。フィラメント形成材料の総濃度、及びフィラメント形成組成物中に存在する活性剤の総濃度は、本発明の繊維要素がそれらから製造され得る限り、任意の好適な量であってもよい。
【0031】
一例では、1つ以上の活性剤は、繊維要素中に存在してもよく、1つ以上の追加の活性剤は、繊維要素の表面上に存在してもよい。別の実施例では、本発明の繊維要素は、元々作製時に繊維要素中に存在し、繊維要素の意図される使用条件に曝される前及び/又は曝されたときに、繊維要素の表面にブルームする1つ以上の活性剤を含み得る。
【0032】
本明細書で使用するとき、「フィラメント形成材料」は、繊維要素を作製するのに好適な特性を示すポリマー、又はこのようなポリマーを製造することができるモノマーなどの材料を意味する。一例では、フィラメント形成材料は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性及び/又は非イオン性のポリマーなどの、1つ以上の置換ポリマーを含む。他の例では、ポリマーは、例えばポリビニルアルコール(「PVOH」)などのヒドロキシルポリマー、部分加水分解したポリ酢酸ビニル、及び/又は多糖(例えばデンプン)、及び/又はデンプン誘導体(例えばエトキシル化デンプン)、及び/又は酸希釈デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースを含んでもよい。別の例では、ポリマーは、ポリエチレン及び/又はテレフタレートを含み得る。更に別の例では、フィラメント形成材料は、極性溶媒可溶性材料である。
【0033】
本明細書で使用するとき、「粒子」は、粉末、顆粒、封入物、マイクロカプセル、及び/又はプリルなどの固体添加剤を意味する。一例では、粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験法に従って測定されるとき、1600μm以下の中央粒径を呈する。別の例では、粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験法に従って測定されるとき、約1μm~約1600μm、及び/又は約1μm~約800μm、及び/又は約5μm~約500μm、及び/又は約10μm~約300μm、及び/又は約10μm~約100μm、及び/又は約10μm~約50μm、及び/又は約10μm~約30μmの中央粒径を呈する。粒子の形状は、球状、棒状、皿状、管状、四角形、矩形、円盤状、星状、繊維状であり得、規則的な又は不規則なランダム形状を有し得る。
【0034】
本明細書で使用するとき、「添加剤」は、本発明の繊維要素内に存在し、フィラメント形成材料ではない任意の材料を意味する。一例では、添加剤は、活性剤を含む。別の例では、添加剤は、加工助剤を含む。更に別の例では、添加剤は、充填剤を含む。一例では、添加剤は、繊維要素中に存在する任意の材料であって、その材料が繊維要素に存在しなくとも、繊維要素の繊維要素構造は損なわれない(言い換えれば、その材料が存在しなくとも、繊維要素の固体形態は損なわれない)材料を含む。別の例では、添加剤、例えば、活性剤は、非ポリマー材料を含む。
【0035】
他の例では、添加剤は繊維要素のための可塑剤を含んでもよい。本発明のための好適な可塑剤の非限定的な例としては、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル、及びジメチコンコポリオールが挙げられる。有用なポリオールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール、ポリエチレングリコール(200~600)、ペンタエリスリトール、糖アルコール、例えばソルビトール、キシリトール、マニトール、ラクチトール、並びに他の一価及び多価低分子量アルコール(例えば、C2~C8アルコール);単糖、二糖、及びオリゴ糖、例えば、フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ固体、及びデキストリン、並びにアスコルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
一例では、可塑剤としては、グリセリン、及び/又はプロピレングリコール、及び/又はプロポキシル化グリセロールなどのグリセロール誘導体が挙げられる。更に別の例では、可塑剤は、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリシドール、尿素、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、糖類、エチレンビスホルムアミド、アミノ酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0037】
他の例では、添加剤は、剪断力変性剤及び/又は伸長変性剤などのレオロジー変性剤を含み得る。レオロジー変性剤の非限定的な例としては、本発明の繊維要素中で使用され得るポリアクリルアミド、ポリウレタン、及びポリアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。レオロジー変性剤の非限定的な例は、Dow Chemical Company(Midland,MI)から市販されている。
【0038】
更に他の例において、添加剤には、繊維要素を目的とされる使用条件に曝した際に、及び/又は活性剤が繊維要素から放出された際に、及び/又は繊維要素の形態が変化した際に、視覚的な信号を提供するために、本発明の繊維要素内に組み込まれる1つ以上の色及び/又は染料が含まれていてもよい。
【0039】
更に他の例では、添加剤には1つ以上の剥離剤及び/又は潤滑剤が含まれていてもよい。好適な離型剤及び/又は潤滑剤の非限定的な例としては、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、スルホン化脂肪酸エステル、脂肪族アミンアセテート、脂肪アミド、シリコーン、アミノシリコーン、フルオロポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。一例では、剥離剤及び/又は潤滑剤は繊維要素に適用してもよく、換言すれば、繊維要素形成後に、適用してもよい。一例では、1つ以上の剥離剤/潤滑剤は、回収装置で繊維要素を回収して繊維壁材料を形成する前に、繊維要素に適用されてもよい。別の例では、1つ以上の剥離剤/潤滑剤は、繊維壁材料の積層体など1つ以上の繊維壁材料を接触させる前に、本発明の繊維要素から形成された繊維壁材料に適用されてもよい。更に別の例では、繊維要素及び/若しくは繊維壁材料の剥離を促進するために、並びに/又は本発明の繊維要素及び/若しくは繊維壁材料のプライが互いにくっつくのを、更には意図せずにくっつくのを避けるために、繊維要素及び/又は繊維壁材料が表面(例えば、加工システムにおいて使用される機器の表面)と接触する前に、本開示の繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維壁材料に、1つ以上の剥離剤/潤滑剤が適用されてもよい。一例では、離型剤/潤滑剤は、微粒子を含む。
【0040】
更に他の例では、添加剤は1つ以上のブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤を含み得る。好適なブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤の非限定的な例としては、デンプン、デンプン誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、雲母、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
「開口フィルム壁材料」は、本明細書で使用するとき、フィルム壁材料が、複数の穴、例えば2超、及び/又は3超、及び/又は4超、及び/又は5超の穴を含むことを意味する。一例では、開口フィルム壁材料は、フィルム壁材料の全表面積の20%超、及び/又は50%超、及び/又は70%超、及び/又は90%超、及び/又は100%を占める。その総表面積の100%がフィルム壁材料12であるパウチ10、すなわち、複数の穴16を含む開口フィルム壁材料14を図1B及び図2Bに示す。別の例では、開口フィルム壁材料14は、図3Bに示されるように、パウチ10のフィルム壁材料12の総表面積の100%未満、及び/又は70%未満、及び/又は50%未満、及び/又は20%未満、及び/又は10%未満を占める。更に別の例では、図4Bに示すように、パウチ10は、開口フィルム壁材料14を含む多区画パウチである。
【0042】
本発明の開口フィルム壁材料は、均質であってもよく、又は層状であってもよい。層状である場合、開口フィルム壁材料は、少なくとも2つの、及び/又は少なくとも3つの、及び/又は少なくとも4つの、及び/又は少なくとも5つの層を含んでもよい。
【0043】
パウチを構成する開口フィルム壁材料は、1つ以上の活性剤、例えば口腔ケア活性剤を含んでもよい。
【0044】
一例では、開口フィルム壁材料は、水溶性開口フィルム壁材料である。別の例では、開口フィルム壁材料の開口は、規則的なパターン、例えばロゴ、単語、及び/若しくは記号の形態、又は非ランダムな繰り返しパターンで配置されてもよい。更に別の例では、開口は、非反復パターンで配置されてもよい。
【0045】
開口フィルム壁材料内の開口は、開口フィルム壁材料がパウチの内部容積の少なくとも一部を画定する機能を提供する限り、実質的に任意の形状及びサイズであってもよい。一例では、開口フィルム壁材料内の開口は、離間した開口部の規則的なパターンの、概ね円形又は楕円形である。開口は、それぞれ独立して、約0.1~約2mm、及び/又は約0.5~約1mmの直径を有し得る。開口は、開口フィルム壁材料内に約0.5%~約25%、及び/又は約1%~約20%、及び/又は約2%~約10%の開放領域を形成してもよい。本発明の利益は、様々な形状及びサイズを有する開口の非反復及び/又は非規則的パターンで実現され得ると考えられる。一例では、開口は、開口の壁がパウチの開口フィルム壁材料から外向きに、又はパウチの内部容積に向かって内向きに突出するように配向されてもよい。
【0046】
一例では、開口フィルム壁材料の開口のうちの2つ以上は、異なるサイズ及び/又は形状を有する。
【0047】
図14は、開口フィルム壁材料14の一例を示す。開口フィルム壁材料14は、この場合、開口フィルム壁材料14の1つの表面から突出する開口壁17によって画定された複数の穴16を含む。一例では、開口壁17は、開口フィルム壁材料14の両面(対向面)から突出していてもよい。図示のように、開口壁17は、それらの周辺部の周りに比較的薄い不規則形状の遠位端19を有する火山形構造体であってもよい。開口壁17は、それらの遠位端から開口フィルム壁材料14の表面まで延在する。開口フィルム壁材料14の開口壁17は、ユーザーの皮膚に対する柔らかな印象を高め、この種類の開口フィルム壁材料14で作製されたパウチが、複数のパウチを含むパッケージ内の保管及び分配中に互いに固着しないようにする。パウチは、パウチの内側又は外側に向けられた開口フィルム壁材料14の遠位端19を用いて作製され得る。
【0048】
図14に示す開口フィルム壁材料14の開口壁17は、開口フィルム壁材料14の対向する表面平面Aから開口壁17の遠位端19までの寸法である開口キャリパーHを呈し得る。
【0049】
開口キャリパーHは、走査型電子顕微鏡で開口フィルム壁材料の断面を観察するなどの顕微鏡技術を用いて測定される。開口キャリパーHは、このような顕微鏡法を用いて、制限のない重量条件で測定される。開口フィルム壁材料表面から延在する開口壁によって形成される穴の直径は、開口壁の対向する表面平面Aから開口壁の遠位端における開口壁の開口部までの測定を行うことによって測定される平均直径である。このような直径測定はまた、開口キャリパーH測定について上述したような顕微鏡法を用いて行われる。開口キャリパーHは、約0~約3mm、及び/又は約0.01mm~約2mm、及び/又は約0.05mm~約2mmの値を呈し得る。
【0050】
一例では、開口部/穴(開口)は、任意の好適なプロセス及び/又は機器、例えば、直径約0.6mmのニードルパンチニードルを使用して、パウチに形成される前及び/又は後に、フィルム壁材料に打ち抜かれてもよい。開口部(開口)は、パウチの丸みを帯びた部分(粉末側)の中心の約1cmの領域に打ち抜かれて、開口フィルム壁材料を含むパウチを形成してもよい。それぞれの穴は、ニードルがフィルム壁材料を完全に貫通するように打ち抜かれてもよい。別の例では、パウチは、開口部(開口)の領域(開口領域)、及び開口部のない(開口のない)領域(非開口領域)を含む、開口フィルム壁材料を含んでもよい。
【0051】
開口フィルムは、任意の数の既知の技術によって作製され得る。フィルムに好適な開口プロセスは、環状の列に配置された高温ピンが散りばめられている穿孔シリンダと、熱可塑性フィルムが穿孔され得るニップを画定する際にピンと協働する溝を有するアンビルローラーとの使用を開示する、米国特許第2,748,863号、表題「Perforating Machine For Thermoplastic Films」に記載されている。フィルムに開口するための他の好適なプロセスは、1975年12月30日にThompsonに対して発行された米国特許第3,929,135号、表題「Absorptive Structures Having Tapered Capillaries」、1982年4月13日にMullaneらに対して発行された米国特許第4,324,246号、表題「Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet」、1982年8月3日にRadelらに対して発行された米国特許第4,342,314号、表題「Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties」、1984年7月31日にAhrらに対して発行された米国特許第4,463,045号、表題「Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossable Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression」、及び1991年4月9日に発行された米国特許第5,006,394号、表題「Multilayer Polymeric Film」に記載されている。フィルムに開口するための更なる他のプロセスは、2011年4月26日に出願された米国特許出願第2012/0273997号、表題「Process For Making A Micro-Textured Web」、及び2012年8月14日にO’Donnellらに発行された米国特許第8,241,543号、表題「Method And Apparatus For Making An Apertured Web」に記載されている。上記の記録の全ては、参照により組み込まれる。
【0052】
一例では、開口フィルム壁材料は、測定されるとき、500g/m未満、及び/又は400g/m未満、及び/又は200g/m未満、及び/又は100g/m未満の坪量を呈する。本明細書で使用するとき、「意図される使用条件」は、本発明のパウチ、及び/又は繊維壁、及び/又は開口フィルム壁材料が、パウチ及び/又は繊維壁材料がその設計された目的の1つ以上のために使用されるときに曝される温度条件、物理的条件、化学的条件、及び/又は機械的条件を意味する。例えば、繊維要素を含むパウチ及び/又はその繊維壁材料が、口腔衛生の目的で口腔内にて使用されるように設計されている場合、意図される使用条件は、口腔衛生操作中の、任意の水分を含む、口腔内に存在するその温度条件、化学的条件、物理的条件、及び/又は機械的条件を含む。
【0053】
本明細書で使用するとき、「活性剤」とは、パウチ及び/又はその繊維壁材料が意図される使用条件に曝されるときなど、本発明の繊維要素を含むパウチ及び/又はその繊維壁材料の外部環境において意図される効果をもたらす添加剤を意味する。一例では、活性剤は口腔ケア活性剤である。
【0054】
本明細書で使用するとき、「重量比」は、乾燥基準での2つの材料間の比率を意味する。例えば、繊維要素中のフィラメント形成材料対活性剤の重量比とは、繊維要素中の乾燥重量基準のフィラメント形成材料の重量(g又は%)対繊維要素中の乾燥重量基準の添加剤(例えば活性剤)の重量(g又は%(フィラメント形成材料の重量と同じ単位))の比率である。別の例では、繊維壁材料中の粒子対繊維要素の重量比とは、繊維壁材料中の乾燥重量基準の粒子の重量(g又は%)対繊維壁材料中の乾燥重量基準の繊維要素の重量(g又は%(粒子の重量と同じ単位))の比率である。
【0055】
本明細書で使用するとき、「水溶性」及び/又は「水溶性材料」は、水に混和性である材料を意味する。言い換えれば、周囲条件で、水と、安定した(均質な液を形成した後、5分超にわたって分離しない)均質な溶液を形成することが可能な材料である。
【0056】
「周囲条件」は、本明細書で使用するとき、23℃±1.0℃及び相対湿度50%±2%を意味する。
【0057】
本明細書で使用するとき、「重量平均分子量」は、Colloids and Surfaces A.Physico Chemical&Engineering Aspects,Vol.162,2000,p.107-121に見出されるプロトコルに従って、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて決定される重量平均分子量を意味する。
【0058】
繊維要素に関して本明細書で使用するとき、「長さ」は、一方の末端から他方の末端までの繊維要素の最長軸に沿った長さを意味する。繊維要素が内部にねじれ、丸まり、又は曲がりを有する場合、長さは一方の末端からもう一方の末端までの繊維要素の全経路に沿った長さになる。
【0059】
繊維要素に関して本明細書で使用するとき、「直径」は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定される。一例では、本発明の繊維要素は、100μm未満、及び/又は75μm未満、及び/又は50μm未満、及び/又は25μm未満、及び/又は20μm未満、及び/又は15μm未満、及び/又は10μm未満、及び/又は6μm未満、及び/又は1μm超、及び/又は3μm超の直径を示す。
【0060】
本明細書で使用するとき、「誘発条件」は、刺激として機能し、かつフィラメントの物理的構造の喪失若しくは変化などのフィラメントの変化、並びに/又は、溶解、水和、及び膨張を含む口腔ケア活性物質の放出を開始させるか又は引き起こす、作用又は事象としてのあらゆるものを意味する。いくつかの誘発条件としては、好適なpH、温度、剪断速度、又は含水量が挙げられる。
【0061】
フィラメントの形態変化に関して本明細書で使用されるとき、「形態変化」は、フィラメントが、その物理的構造の変化を経験することを意味する。本発明のフィラメントの形態変化の非限定的な例としては、溶解、融解、膨張、収縮、粉砕、延長、短縮、剥離、分離、破砕、崩壊、湾曲、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明のフィラメントは、意図される使用条件に曝された場合に、それらのフィラメントの物理的構造を完全に又は実質的に失ってもよく、あるいは変化されたそれらの形態を有してもよく、あるいはそれらのフィラメントの物理的構造を保持するか、又は実質的に保持してもよい。
【0062】
「乾燥繊維要素基準の重量による」及び/又は「乾燥繊維壁材料基準の重量による」及び/又は「乾燥パウチ基準の重量による」は、繊維要素及び/又は繊維壁材料及び/又はパウチが、70℃±2℃、相対湿度4%±2%で24時間、強制通風式オーブン内のホイルの上で乾燥させた後、15秒以内に少なくとも小数点以下4桁の天秤で測定した場合の重量を意味する。測定は、23℃±1.0℃、相対湿度50%±2%に調整された部屋で行われる。
【0063】
一例では、乾燥繊維要素、及び/又は乾燥繊維壁材料、及び/又は乾燥パウチは、本明細書に記載の含水率試験法に従って測定されたとき、繊維要素、及び/又は繊維壁材料、及び/又はパウチの乾燥重量に基づいて、20重量%未満、及び/又は15重量%未満、及び/又は10重量%未満、及び/又は7重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は0重量%、及び/又は0重量%超の水分(水(例えば、遊離水)など)を含む。一例では、パウチは、本明細書に記載の含水量試験方に従って測定したとき、0%~20%の含水量を呈する。
【0064】
本明細書で使用するとき、例えば、繊維要素及び/又は繊維壁材料中に存在する1つ以上の活性剤の総濃度に関して本明細書で使用するとき、「総濃度」は、被験材料(例えば、活性剤)の全ての重量又は重量パーセントの合計を意味する。換言すれば、繊維要素及び/又は繊維壁材料は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で25重量%のアニオン性界面活性剤、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で15重量%の非イオン性界面活性剤、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で10重量%のキレート剤、並びに乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で5重量%の芳香剤を含んでもよく、その結果、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料に存在する活性剤の総濃度は、50%超であり、すなわち、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で55重量%となる。
【0065】
本明細書で使用するとき、「異なる形態」又は「異なる」は、材料(繊維要素全体、及び/又は繊維要素内のフィラメント形成材料、及び/又は繊維要素内の活性剤など)に関して、1つの材料(繊維要素、及び/又はフィラメント形成材料、及び/又は活性剤など)が、化学的、物理的、及び/又は構造的に他の材料(繊維要素、及び/又はフィラメント形成材料、及び/又は活性剤など)と異なることを意味する。例えば、フィラメント形態のフィラメント形成材料は、繊維形態の同じフィラメント形成材料とは異なる。同様に、デンプンはセルロースとは異なる。しかし、分子量の異なるデンプンなど、異なる分子量の同じ物質は、本発明の目的において、互いに異なる物質ではない。
【0066】
本明細書で使用されるとき、「ポリマーのランダム混合体」は、2つ以上の異なるフィラメント形成材料がランダムに結合して、繊維要素を形成していることを意味する。その結果、シースコア型の2成分の繊維要素など、規則正しく結合して繊維要素を形成する2つ以上の異なるフィラメント形成材料は、本発明の目的において、異なるフィラメント形成材料のランダム混合物ではない。
【0067】
繊維要素及び/又は粒子に関して本明細書で使用するとき、「結合する(Associate)」、「結合される(Associated)」、「結合体(Association)」、及び/又は「結合している(Associating)」は、繊維壁材料が形成されるように、繊維要素及び/又は粒子を直接接触又は間接接触によって組み合わせることを意味する。一例では、結合される繊維要素及び/又は粒子は、例えば、接着剤及び/又は熱接着によって互いに接着され得る。別の例では、繊維要素及び/又は粒子は、ベルト及び/又はパターン付ベルトを作製する同一の繊維壁材料上に付着させることによって互いに結合され得る。
【0068】
本明細書で使用するとき、「機械方向」又は「MD」は、繊維壁材料作製機器を通る繊維壁材料の流れに対して平行な方向を意味する。
【0069】
本明細書で使用するとき、「機械横断方向」又は「CD」は、繊維壁材料の同一平面上で、機械方向と垂直である方向を意味する。
【0070】
本明細書で使用するとき、「ウェブ」は、任意の手段によってウェブに形成されており、かつ任意の手段によって互いに接合されている、任意の性質又は起源の連続フィラメント又は繊維のシートを意味する。
【0071】
本明細書で使用するとき、European Disposables and Nonwovens Association(EDANA)によって定義されるように、「不織布ウェブ」は、任意の手段によってウェブに成形されており、かつ製織又は編みを除く任意の手段によって互いに接合されている、任意の性質又は起源の連続フィラメント又は繊維のシートを意味する。湿式ミリングにより得られるフェルトは、不織布ではない。一例では、本発明による不織布ウェブは、ある機能を果たすための構造体内でのフィラメントの規則正しい配置を意味する。一例では、本発明の不織布ウェブは、互いに絡み合って又は別の方法で互いに結合して不織布ウェブを形成する、2つ以上及び/又は3つ以上の複数のフィラメントを含む配置である。
【0072】
本明細書で使用するとき、本明細書で使用する場合の冠詞「a」及び「an」、例えば、「アニオン性界面活性剤(an anionic surfactant)」又は「繊維(a fiber)」は、請求又は記載される1種以上の材料を意味すると理解される。
【0073】
全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、重量基準で計算される。全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、全組成に基づいて計算される。
【0074】
特に記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0075】
パウチ
図1A及び図2Aに示されるように、本発明のパウチ10の例は、例えば水溶性繊維壁材料である、繊維壁材料14などのパウチ壁材料12を含む。パウチ壁材料12は、パウチ10の内部容積16を画定する。パウチ10の任意の内容物18は、例えば口腔ケア活性剤は、例えば使用中に少なくともパウチ10が破壊し、図2Aに示されるようにその内容物を放出するまで、パウチ10の内部容積16内に収容され、保持され得る。
【0076】
加えて、図1B及び図2Bに示されるように、本発明のパウチ10の例は、例えば水溶性繊維壁材料である、複数の開口部/穴(開口)16を含む開口フィルム壁材料14などのフィルム壁材料12を含む。フィルム壁材料12は、パウチ10の内部容積18を画定する。パウチ10の任意の内容物20は、例えば口腔ケア活性剤は、少なくともパウチ10が破壊するまで、パウチ10の内部容積18内に収容され、保持され得る。一例では、パウチ10は、例えば使用中に開口フィルム壁材料14内の穴16の間及び/又はその周囲で破壊し、図2に示されるように、その内容物20を放出する。
【0077】
意図される使用条件下のパウチ10が、図2A図2Bに示されている。図2Aは、ユーザーがパウチ10を、容器21中の液体20(水など)に添加して、洗浄液を作製するとき、例えばユーザーがパウチ10を洗濯機及び/又は食器洗浄機に添加するときなど、のシナリオを示す。図2に示されるように、パウチ10が液体20に接触すると、パウチ10は、例えば、繊維性パウチ壁材料14の一部が溶解することによって破壊し、その内容物18の全てではないが少なくとも一部を、パウチ10の内部容積16から放出させる。
【0078】
意図される使用条件下のパウチ10が、図15に示されている。図15は、ユーザーが口腔にパウチ10を追加して口腔ケア活性剤を適用するときのシナリオを例示している。口腔内に含まれた水分と接触すると、パウチ10は破壊し、その内容物18の全てではないが少なくとも一部を、パウチ10の内部容積16から放出させる。
【0079】
図3A及び図4Aに示されたパウチ10の別の例は、パウチ10の総表面積の100%未満を覆う水溶性繊維壁材料などの繊維壁材料14を含むパウチ壁材料12と、パウチ10の総表面の残部、100%未満を覆う水溶性フィルム壁材料、例えば、ヒドロキシルポリマーを含むフィルム壁材料などのフィルム壁材料22と、を含む。一例では、フィルム壁材料22は、本発明のヒドロキシルポリマーを含む。
【0080】
意図される使用条件下のパウチ10が、図4Aに示されている。図4Aは、ユーザーがパウチ10を、容器21中の液体20(水など)に添加して、洗浄液を作製するとき、例えばユーザーがパウチ10を洗濯機及び/又は食器洗浄機に添加するときなどのシナリオを示す。図4Aに示されるように、パウチ10が液体20に接触すると、パウチ10は、例えば、繊維性パウチ壁材料14の一部が溶解することによって破壊し、その内容物18の全てではないが少なくとも一部を、パウチ10の内部容積16から放出させる。
【0081】
上記のように、繊維壁材料は、パウチの1つ以上の側面を形成してもよく、フィルム壁材料は、パウチの1つ以上の他の側面を形成してもよい。更に別の例では、水溶性繊維壁材料などの水溶性パウチ壁材料は、パウチの1つ以上の側面を形成してもよく、非水溶性繊維壁材料は、パウチの1つ以上の他の側面を形成してもよい。
【0082】
図3Bは、本発明のパウチ10の別の例を示す。パウチ10は、開口フィルム壁材料14、例えば水溶性開口フィルム壁材料を含むフィルム壁材料12を含み、内部容積18が開口フィルム壁材料14によって部分的に画定されるように構成されることで、最初に開放パウチを形成する。追加の開口フィルム壁材料14及び/又は追加の非開口フィルム壁材料などの追加のフィルム壁材料12は、閉鎖パウチを製造することによって内部容積18を更に画定するために、最初の開口フィルム壁材料14と関連付けられてもよい。追加のフィルム壁材料12は、開口フィルム壁材料14に結合、例えば封止されてもよく、それによってパウチ10の内部容積18内に任意の内容物(図示せず)を捕捉する。
【0083】
一例では、本発明のパウチは、図1図4に示されるような単一区画パウチであってもよい。
【0084】
図5Aは、本発明のパウチ10の他の例を示す。図5Aは、パウチ10が、内部容積16が繊維壁材料14によって部分的に画定されるように構成されることで開放パウチ10を形成する、例えば水溶性繊維壁材料などの繊維壁材料14を含むパウチ壁材料12を含む状態を示す。追加の繊維壁材料及び/又は追加のフィルム壁材料などの追加のパウチ壁材料12は、閉鎖パウチを製造することによって内部容積16を更に画定するために、繊維壁材料14と関連付けられてもよい。追加のパウチ壁材料12は、繊維壁材料14に結合、例えば封止されてもよく、それによってパウチ10の内部容積16内に任意の内容物(図示せず)を捕捉する。図5Bは、パウチ10が、内部容積16が開口フィルム壁14によって部分的に画定されるように構成されることで開放パウチ10を形成する、開口フィルム壁材料14を含むパウチ壁材料12を含む状態を示す。
【0085】
別の例では、本発明のパウチ10は、異なる活性剤、及び/又は異なる組成物、及び/又は同じ活性剤、及び/又は同じ組成物を収容し得る2つ以上の区画26、28を含む多区画パウチ10であってもよい。例えば、1つの区画26が速溶性の活性剤を収容してもよく、もう1つの区画28が、速溶性の活性剤と比較してより遅く溶解する活性剤を収容してもよい。更に別の例では、区画26、28のそれぞれは、異なる区画26、28の内容物(図示せず)が使用中に異なる時点でそれらのそれぞれの区画26、28から放出されるように、異なる速度で溶解する異なるフィルム壁材料12を含んでもよい。この時差放出プロファイルは、不相溶性の材料が、異なる区画26、28内に収容される場合に、使用可能である。図4Bに示されるように、区画28のうちの1つは、水溶性開口フィルム壁材料などの開口フィルム壁材料14を含んでもよく、他の区画26は、水溶性の非開口フィルム壁材料などの非開口フィルム壁材料30を含んでもよい。更に別の実施例では、粉末組成物(粉末洗剤組成物など)は、区画28内に収容されてもよく、液体組成物(液体洗剤組成物など)は、区画26内に収容されてもよい。
【0086】
図6A図6Bに示されるように、別の例では、本発明のパウチ10は、パウチ10が、異なる活性剤、及び/又は異なる組成物、及び/又は同じ活性剤、及び/又は同じ組成物を収容し得る2つ以上の区画24、26を含む、多区画パウチ10であってもよい。例えば、一方の区画24が速溶性の活性剤を含んでいてもよく、他方の区画26が、速溶性の活性剤と比較してより遅く溶解する活性剤を含んでいてもよい。更に別の例では、区画24、26のそれぞれは、異なる区画24、26の内容物(図示せず)が使用中に異なる時点でそれらのそれぞれの区画24、26から放出されるように、異なる速度で溶解する異なるパウチ壁材料12を含んでもよい。この時差放出プロファイルは、不相溶性の材料が、異なる区画20、22内に含まれる場合に、使用可能である。図6A図6Bに示されるように、区画24のうちの1つは、水溶性繊維壁材料などの繊維壁材料14を含んでいてもよく、他の区画26は、水溶性フィルム壁材料などのフィルム壁材料22を含んでいてもよい。更に他の実施例において、粉末組成物(粉末洗剤組成物など)は、区画24内に含まれてもよく、液体組成物(液体洗剤組成物など)は、区画26内に含まれてもよい。
【0087】
一実施例では、本発明のパウチは、アウターパウチの内容積中に存在する別個のインナーパウチを更に含む。インナーパウチは、2つ目の内容積を規定するフィルム壁材及び/又は繊維壁材を含んでいてもよい。一実施例では、インナーパウチは開口フィルム壁材を含む。他の実施例では、インナーパウチは、非開口フィルム壁材を含む。インナーパウチの2番目の内容積は、アウターパウチの内容積に存在する活性剤と同じ又異なる1つ以上の活性剤を含んでいてもよい。
【0088】
別の例では、パウチのうちの少なくとも1つがパウチのうちの別のパウチ内に収容される、2つ以上のパウチを含む製造物品が、本発明によって提供される。
【0089】
一実施例では、インナーパウチでは、本明細書に記載の破壊試験法により測定した場合に、アウターパウチの平均破壊時間と同等又はそれより長い平均破壊時間を示す。
【0090】
本発明の更に別の例では、図7及び図8に示されるように、パウチ10は、1つ以上の追加のパウチ、例えば、水溶性フィルム壁材料などのフィルム壁材料22を含むフィルムパウチ28、及び/又は繊維壁材料パウチ、及び/又は繊維壁材料、及び/又はフィルム材料を収容する内部容積16を画定する、繊維壁材料14を含むパウチ壁材料12を含んでもよい。例えば、フィルムパウチ28、繊維壁材料パウチ、及び/又は繊維壁材料、及び/又はフィルム材料に加えて、パウチ10は、粉末洗剤組成物及び/又は1つ以上の活性剤などの更なる内容物を含んでもよい。更に、フィルムパウチ28及び/又は繊維壁材料パウチは、それら自体が、その内部容積内に酵素などの1つ以上の活性剤、及び/又はパウチを収容してもよい。フィルムパウチ28及び/又は繊維壁材料パウチは、1つ以上の活性剤、例えば、粉末洗剤組成物及び/又は液体洗剤組成物及び/又は活性剤を含んでもよい。フィルムパウチ28及び/又は繊維壁材料パウチは、使用中などのパウチ10の溶解及び/又は破壊時に放出される。パウチ10の内容物並びにフィルムパウチ28及び/又は繊維壁材料パウチの内容物は、同じであっても異なっていてもよい。別の例では、パウチ10内の追加のパウチ(複数可)は、繊維壁材料及び/又はフィルム壁材料と繊維壁材料との組み合わせを含んでもよい。
【0091】
一例では、本発明のパウチ10は、既知のパウチよりもウェブのように見える多層、例えば、2層の繊維壁材料構造の形態であってもよい。この形態では、多層繊維壁材料構造体は、その外辺部で少なくとも部分的に結合及び/又は封止され、その内部では結合されず、及び/又は封止されて、内部容積が多層繊維壁材料構造体の間に挟まれてもよい。内部容積は、それ自体が、1つ以上の活性剤、及び/又は1つ以上の繊維壁材料、及び/又はフィルム材料、及び/又は内部容積内に収容することが可能な、より小さい多層繊維壁材料を含み、それ自体空隙内部容積を有してもよく、又はそれ自体1つ以上の活性剤、例えば酵素を収容してもよい。
【0092】
意図される使用条件下のパウチ10が、図8に示されている。図8は、ユーザーがパウチ10を容器21中の液体20(水など)に添加して、洗浄液を作製するとき、例えばユーザーがパウチ10を洗濯機及び/又は食器洗浄機に添加するときなどのシナリオを示す。図8に示されるように、パウチ10が液体20に接触すると、パウチ10は、例えば、繊維性パウチ壁材料14の一部が溶解することによって破壊し、その内容物18の全てではないが少なくとも一部、例えばフィルムパウチ28をパウチ10の内部容積16から放出させる。
【0093】
本発明の更に別の例では、図6A及び図6Bに示されるように、パウチ10は、1つ以上の追加のパウチ、例えば、水溶性非開口フィルム壁材料などの非開口フィルム壁材料を含むフィルムパウチ32などを収容する内部容積18を画定する、開口フィルム壁材料14を含むフィルム壁材料12を含んでもよい。フィルムパウチ32に加えて、パウチ10は、粉末洗剤組成物及び/又は1つ以上の活性剤などの更なる内容物を含んでもよい。フィルムパウチ32は、1つ以上の活性剤、例えば、粉末洗剤組成物、及び/又は液体洗剤組成物、及び/又は活性剤を含んでもよい。フィルムパウチ32は、使用中など、パウチ10の破壊時に放出されてもよい。パウチ10の内容物並びにフィルムパウチ32の内容物は、同じであっても異なっていてもよい。別の例では、パウチ10内の追加のパウチ、フィルムパウチ32は、開口フィルム壁材料14、及び/又は非開口フィルム壁材料30と開口フィルム壁材料14との組み合わせを含んでもよい。
【0094】
本発明のパウチは、その意図される使用に適している限り、任意の形状及びサイズであってもよい。
【0095】
一例では、水溶性繊維壁材料は、パウチ全体にわたって均一又は実質的に均一な厚さを呈し得る。
【0096】
一例では、穴は、任意の好適なプロセス及び/又は機器、例えば、0.6mmの厚さを有するニードルパンチニードルを使用して、パウチ壁材料に打ち抜かれてもよい。穴は、それぞれのパウチの丸みを帯びた部分(粉末側)の中心の面積1cmに打ち抜かれてもよい。それぞれの穴は、ニードルがパウチ壁材料を完全に貫通するように打ち抜かれてもよい。
【0097】
別の例では、本発明のパウチは、本明細書に記載の振盪試験方法に従って測定されたとき、10%未満、及び/又は5%未満、及び/又は3%未満、及び/又は1%未満、及び/又は0.5%未満、及び/又は0.1%未満、及び/又は0.05%未満、及び/又は0.025%未満、及び/又は0.01%未満、及び/又は約0%の重量損失%を呈し得る。
【0098】
一例では、本発明のパウチの開口フィルム壁材料は、本明細書に記載の振盪試験方法に従って測定されたとき、10%未満、及び/又は5%未満、及び/又は3%未満、及び/又は1%未満、及び/又は0.5%未満、及び/又は0.1%未満、及び/又は0.05%未満、及び/又は約0%の重量損失%を呈し得、本明細書に記載の引張試験方法に従って測定されたとき、0.1kN/m超、及び/又は0.25kN/m超、及び/又は0.4kN/m超、及び/又は0.45kN/m超、及び/又は0.50kN/m超、及び/又は0.75kN/m超のGM引張強度を呈し得る。
【0099】
更に別の例では、本発明のパウチの開口フィルム壁材料は、本明細書に記載の振盪試験方法に従って測定されたとき、10%未満、及び/又は5%未満、及び/又は3%未満、及び/又は1%未満、及び/又は0.5%未満、及び/又は0.1%未満、及び/又は0.05%未満、及び/又は約0%の重量損失%を呈し得、本明細書に記載の引張試験方法に従って測定されたとき、1000%未満、及び/又は800%未満、及び/又は650%未満、及び/又は550%未満、及び/又は500%未満、及び/又は475%未満の幾何平均(GM)破断点伸びを呈し得る。
【0100】
以下の表1は、本発明のパウチの例を、本明細書に記載の振盪試験法に従って測定したときの重量損失%を示している。
【0101】
【表1】
【0102】
一例では、繊維壁材料、例えば水溶性繊維壁材料を含む本発明のパウチは、本明細書に記載の破壊試験方法に従って測定されたとき、240秒未満、及び/又は120秒未満、及び/又は60秒未満、及び/又は30秒未満、及び/又は10秒未満、及び/又は5秒未満、及び/又は2秒未満、及び/又は瞬間的な平均破壊時間を呈する。
【0103】
以下の表2Aは、本発明のパウチの例を、本明細書に記載の破壊試験法に従って測定したときの平均破壊時間を示している。
【0104】
【表2】
【0105】
一例では、開口壁材料、例えば水溶性開口壁材料を含む本発明のパウチは、本明細書に記載の破壊試験方法に従って測定されたとき、240秒未満、及び/又は120秒未満、及び/又は60秒未満、及び/又は30秒未満、及び/又は10秒未満、及び/又は5秒未満、及び/又は2秒未満、及び/又は瞬間的な平均破壊時間を呈する。
【0106】
以下の表2Bは、本発明のパウチの例を、本明細書に記載の破壊試験法に従って測定したときの平均破壊時間を示している。
【0107】
【表3】
【0108】
繊維壁材料
本発明の繊維壁材料は、複数の繊維要素、例えば複数のフィラメントを含む。一例では、複数の繊維フィラメントは、相互に絡み合い、繊維構造体を形成する。
【0109】
本発明の一例では、繊維壁材料は、水溶性繊維壁材料である。
【0110】
本発明の別の例では、繊維壁材料は、開口繊維壁材料である。
【0111】
本発明の繊維要素及び/又は繊維壁材料は固体形態であるが、本発明の繊維要素を作製するために使用されるフィラメント形成組成物は液体形態であってもよい。
【0112】
一実施例では、繊維壁材料は、組成の点から本発明による繊維要素と同一であるか又は実質的に同一である複数の繊維要素を含む。別の例では、繊維壁材料は、本発明による2つ以上の異なる繊維要素を含んでもよい。繊維要素の相違点の非限定的な例は、直径、長さ、質感、形状、剛性、弾性の違いなどの物理的な違い;架橋レベル、溶解度、融点、Tg、活性剤、フィラメント形成材料、色、活性剤の濃度、坪量、フィラメント形成材料の濃度、繊維要素上の任意コーティングの存在、生分解性であるか否か、疎水性であるか否か、接触角などの化学的な違い;意図される使用条件に繊維状要素が曝されたときに、繊維状要素がその物理的構造を失うかどうかの違い;意図される使用条件に繊維状要素が曝されたときに、繊維状要素の形態が変化するかどうかの違い;及び意図される使用条件に繊維状要素が曝されたときに、繊維状要素がその活性剤のうちの1つ以上を放出する速度の違いであり得る。一例では、繊維壁材料内の2つ以上の繊維要素及び/又は粒子は、異なる活性剤を含んでもよい。これは、異なる活性剤、例えばアニオン性界面活性剤(例えば、シャンプー活性剤)及びカチオン性界面活性剤(例えば、ヘアコンディショナー活性剤)が互いに相溶性ではない場合に該当し得る。
【0113】
別の例では、繊維壁材料は、異なる領域、例えば、坪量、密度、及び/又は厚さの異なる領域を呈してもよい。更に別の例では、繊維壁材料は、その表面のうちの1つ以上にテクスチャを含んでもよい。繊維壁材料の表面は、非ランダムな反復パターンなどのパターンを含んでもよい。繊維壁材料は、エンボスパターンでエンボス加工されてもよい。
【0114】
一例では、水溶性繊維壁材料は、複数の開口部を含む水溶性繊維壁材料である。開口は、非ランダムな反復パターンで配置されてもよい。
【0115】
開口を有する水溶性繊維壁材料内の開口は、開口を有する水溶性繊維壁材料が、パウチの内部容積の少なくとも一部分を画定する機能を提供する限り、実質的に任意の形状及びサイズであってもよい。一例では、開口を有する水溶性繊維壁材料内の開口は、離間した開口部の規則的なパターンの、概ね円形又は楕円形である。開口は、約0.1~約2mm、及び/又は約0.5~約1mmの直径を有し得る。開口は、約0.5%~約25%、及び/又は約1%~約20%、及び/又は約2%~約10%の開口を有する水溶性繊維壁材料内に開放領域を形成してもよい。本発明の利益は、様々な形状及びサイズを有する開口の非反復及び/又は非規則的パターンで実現され得ると考えられる。
【0116】
一例では、開口部(開口)は、任意の好適なプロセス及び/又は機器、例えば、直径約0.6mmのニードルパンチニードルを使用して、パウチに形成される前及び/又は後に、パウチ壁材料に打ち抜かれてもよい。開口部(開口)は、パウチの丸みを帯びた部分(粉末側)の中心の約1cmの領域に打ち抜かれて、開口を有する水溶性繊維壁材料を含むパウチを形成してもよい。それぞれの穴は、ニードルが水溶性繊維壁材料を完全に貫通するように打ち抜かれてもよい。別の例では、パウチは、開口部(開口)の領域(開口領域)、及び開口部のない(開口のない)領域(非開口領域)を含む、水溶性繊維壁材料を含んでもよい。
【0117】
別の例では、繊維壁材料は、開口を含んでもよい。開口は、非ランダムな反復パターンで配置されてもよい。繊維壁材料、例えば水溶性繊維壁材料の開口は、任意の数の技術によって達成することができる。例えば、開口は、米国特許第3,949,127号及び同第5,873,868号に記載されているものなどの、結合及び延伸を伴う様々なプロセスによって達成することができる。一実施形態では、開口は、共に参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,628,097号及び同第5,916,661号に記載されるように、複数の離間した溶融安定化領域を形成し、次いでウェブをリング圧延してウェブを延伸し、溶融安定化領域内に開口を形成することによって形成されてもよい。別の実施形態では、開口は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,830,800号及び同第6,863,960号に記載されている方法によって、多層の不織布構成中に形成されてもよい。ウェブを開口させるための更に別のプロセスは、参照により本明細書に組み込まれる「Method And Apparatus For Making An Apertured Web」と題された米国特許第8,241,543号に記載されている。
【0118】
一例では、繊維壁材料は、繊維壁材料の他の部分とは異なる、繊維要素の分離した領域を含んでもよい。
【0119】
本発明の繊維壁材料は、そのまま使用されてもよく、又は1つ以上の活性剤でコーティングされてもよい。
【0120】
一例では、本発明の繊維壁材料は、本明細書に記載の厚み試験方法に従って測定されたとき、0.01mm超、及び/又は0.05mm超、及び/又は0.1mm超、及び/又は約100mmまで、及び/又は約50mmまで、及び/又は約20mmまで、及び/又は約10mmまで、及び/又は約5mmまで、及び/又は約2mmまで、及び/又は0.5mmまで、及び/又は約0.3mmまでの厚みを呈する。
【0121】
別の例では、本発明の繊維壁材料は、本明細書に記載の引張試験方法に従って測定されたとき、0.1kN/m超、及び/又は0.25kN/m超、及び/又は0.4kN/m超、及び/又は0.45kN/m超、及び/又は0.50kN/m超、及び/又は0.75kN/m超の幾何平均(GM)引張強度を呈する。
【0122】
別の例では、本発明の繊維壁材料は、本明細書に記載の引張試験方法に従って測定されたとき、1000%未満、及び/又は800%未満、及び/又は650%未満、及び/又は550%未満、及び/又は500%未満、及び/又は475%未満の幾何平均(GM)破断点伸びを呈する。
【0123】
表3Aは、本発明のパウチの2つの例のGM引張強度及びGM伸びを示す。
【0124】
【表4】
【0125】
繊維状要素
本発明の繊維要素(フィラメント及び/又は繊維)は、1種以上のフィラメント形成材料を含む。フィラメント形成材料に加えて、繊維要素は、繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維壁材料が意図される使用条件に曝されたときなどに、繊維要素、例えばフィラメントから放出可能な、繊維要素中に存在する1つ以上の活性剤を更に含んでもよい。一例では、繊維要素中に存在する1つ以上のフィラメント形成材料の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で80重量%未満であり、繊維要素中に存在する1つ以上の活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で20重量%超である。
【0126】
一例では、本発明の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、約100重量%、及び/又は95重量%超、及び/又は90重量%超、及び/又は85重量%超、及び/又は75重量%超、及び/又は50重量%超の1つ以上のフィラメント形成材料を含む。例えば、フィラメント形成材料は、ポリビニルアルコール、デンプン、カルボキシメチルセルロース、及び他の好適なポリマー(特にヒドロキシルポリマー)を含み得る。
【0127】
別の例では、本発明の繊維要素は、1つ以上のフィラメント形成材料と、1つ以上の活性剤とを含み、繊維要素中に存在するフィラメント形成材料の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で約5重量%~80重量%未満であり、繊維要素中に存在する活性剤の総濃度は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で20重量%超~約95重量%である。
【0128】
一例では、本発明の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で少なくとも10重量%、及び/又は少なくとも15重量%、及び/又は少なくとも20重量%、及び/又は80重量%未満、及び/又は75重量%未満、及び/又は65重量%未満、及び/又は60重量%未満、及び/又は55重量%未満、及び/又は50重量%未満、及び/又は45重量%未満、及び/又は40重量%未満のフィラメント形成材料と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で20重量%超、及び/又は少なくとも35重量%、及び/又は少なくとも40重量%、及び/又は少なくとも45重量%、及び/又は少なくとも50重量%、及び/又は少なくとも60重量%、及び/又は95重量%未満、及び/又は90重量%未満、及び/又は85重量%未満、及び/又は80重量%未満、及び/又は75重量%未満の活性剤と、を含む。
【0129】
一例では、本発明の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で少なくとも5重量%、及び/又は少なくとも10重量%、及び/又は少なくとも15重量%、及び/又は少なくとも20重量%、及び/又は50重量%未満、及び/又は45重量%未満、及び/又は40重量%未満、及び/又は35重量%未満、及び/又は30重量%未満、及び/又は25重量%未満のフィラメント形成材料と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で50重量%超、及び/又は少なくとも55重量%、及び/又は少なくとも60重量%、及び/又は少なくとも65重量%、及び/又は少なくとも70重量%、及び/又は95重量%未満、及び/又は90重量%未満、及び/又は85重量%未満、及び/又は80重量%未満、及び/又は75重量%未満の活性剤と、を含む。一例では、本発明の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で80重量%超の活性剤を含む。
【0130】
別の例では、1つ以上のフィラメント形成材料及び活性剤は、4.0以下、及び/又は3.5以下、及び/又は3.0以下、及び/又は2.5以下、及び/又は2.0以下、及び/又は1.85以下、及び/又は1.7未満、及び/又は1.6未満、及び/又は1.5未満、及び/又は1.3未満、及び/又は1.2未満、及び/又は1未満、及び/又は0.7未満、及び/又は0.5未満、及び/又は0.4未満、及び/又は0.3未満、及び/又は0.1超、及び/又は0.15超、及び/又は0.2超の活性剤に対するフィラメント形成材料の総濃度の重量比で繊維要素中に存在する。
【0131】
更に別の例では、本発明の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で約10重量%から、及び/又は約15重量%から80重量%未満までのフィラメント形成材料(例えば、ポリビニルアルコールポリマー、デンプンポリマー、及び/又はカルボキシメチルセルロースポリマー)と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で20重量%超から約90重量%まで、及び/又は約85重量%までの活性剤と、を含む。繊維要素は、可塑剤(例えば、グリセリン)及び/又はpH調整剤(例えば、クエン酸)を更に含んでよい。
【0132】
更に別の例では、本発明の繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で約10重量%から、及び/又は約15重量%から80重量%未満までのフィラメント形成材料(例えば、ポリビニルアルコールポリマー、デンプンポリマー、及び/又はカルボキシメチルセルロースポリマー)と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で20重量%超から約90重量%まで、及び/又は約85重量%までの活性剤と、を含み、活性剤に対するフィラメント形成材料の重量比は、4.0以下である。繊維要素は、可塑剤(例えば、グリセリン)及び/又はpH調整剤(例えば、クエン酸)を更に含んでよい。
【0133】
本発明の更に別の例では、繊維要素は、1つ以上のフィラメント形成材料と、繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維壁材料が意図される使用条件に曝されたときに放出可能である、及び/又は放出される酵素、漂白剤、ビルダー、キレート剤、知覚剤、分散剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の活性剤と、を含む。一例では、繊維要素は、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で95重量%未満、及び/又は90重量%未満、及び/又は80重量%未満、及び/又は50重量%未満、及び/又は35重量%未満、及び/又は約5重量%まで、及び/又は約10重量%まで、及び/又は約20重量%までの総濃度のフィラメント形成材料と、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で5重量%超、及び/又は10重量%超、及び/又は20重量%超、及び/又は35重量%超、及び/又は50重量%超、及び/又は65重量%超、及び/又は約95重量%まで、及び/又は約90重量%まで、及び/又は約80重量%までの総濃度の、酵素、漂白剤、ビルダー、キレート剤、香料、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される活性剤と、を含む。一例では、活性剤は、1種又は複数の酵素を含む。別の例では、活性剤は、1種又は複数の漂白剤を含む。更に別の例では、活性剤は、1種又は複数のビルダーを含む。更に別の例では、活性剤は、1種又は複数のキレート剤を含む。更に別の例では、活性剤は、1種又は複数の香料を含む。更に別の例では、活性剤は、1種又は複数種の抗菌剤、抗菌薬、及び/又は抗真菌剤を含む。
【0134】
本発明の更に別の実施例では、本発明の繊維要素は、空中に飛散した場合に健康及び/又は安全上の懸念が生じ得る活性剤を含む場合がある。例えば、繊維要素は、繊維要素内の酵素が空中に飛散するのを妨げるのに使用され得る。
【0135】
一例では、本発明の繊維要素は、メルトブローン繊維要素であり得る。別の例では、本発明の繊維要素は、スパンボンド繊維要素であり得る。別の例では、繊維要素は、1種又は複数のその活性剤が放出される前及び/又は放出された後に中空の繊維要素であり得る。
【0136】
本発明の繊維要素は、親水性であっても疎水性であってもよい。繊維要素は、繊維要素固有の親水性又は疎水性特性を変化させるために、表面処理及び/又は内部処理されてもよい。
【0137】
一例では、繊維要素は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定されるとき、100μm未満、及び/又は75μm未満、及び/又は50μm未満、及び/又は25μm未満、及び/又は10μm未満、及び/又は5μm未満、及び/又は1μm未満の直径を呈する。別の例では、本発明の繊維要素は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定されるとき、1μm超の直径を呈する。本発明の繊維要素の直径は、繊維要素中に存在する1つ以上の活性剤の放出速度、並びに/又は繊維要素の物理的構造の損失及び/若しくは変化の速度を制御するために使用され得る。
【0138】
繊維要素は、2つ以上の異なる活性剤を含んでもよい。一例では、繊維要素は、2つ以上の異なる活性剤を含み、その2つ以上の異なる活性剤は、互いに相溶性である。別の例では、繊維要素は、2つ以上の異なる活性剤を含み、その2つ以上の異なる活性剤は、互いに非相溶性である。
【0139】
一例では、繊維要素は、繊維要素中の活性剤と、繊維要素上をコーティングする活性剤などの、繊維要素の外面上の活性剤と、を含み得る。繊維状要素の外面上の活性剤は、繊維状要素内に存在する活性剤と同じであってもよく、又はこれと異なっていてもよい。異なる場合、活性剤は互いに相溶性又は非相溶性であってもよい。
【0140】
一例では、1つ以上の活性剤は、繊維要素全体に均一に分布していてもよく、又は実質的に均一に分布していてもよい。別の例では、1つ以上の活性剤は、繊維要素内に分離した領域として分布していてもよい。更に別の例では、少なくとも1つの活性剤は、繊維要素全体に均一に又は実質的に均一に分布し、少なくとも1つの他の活性剤は、繊維要素内に1つ以上の分離した領域として分布する。更に別の例では、少なくとも1つの活性剤は、繊維要素内に1つ以上の分離した領域として分布し、少なくとも1つの他の活性剤は、繊維要素内に第1の分離した領域とは異なる1つ以上の分離した領域として分布する。
【0141】
フィラメント形成材料
フィラメント形成材料は、紡糸プロセスなどによってフィラメントを製造するのに好適な特性を呈するポリマー又はポリマーを製造することができるモノマーなど、任意の好適な材料である。
【0142】
一例では、フィラメント形成材料は、アルコール可溶性材料及び/又は水溶性材料などの、極性溶媒可溶性材料を含み得る。
【0143】
別の例では、フィラメント形成材料は、非極性溶媒可溶性材料を含んでよい。
【0144】
更に別の例では、フィラメント形成材料は、水溶性材料を含んでもよく、非水溶性材料を含まなくてもよい(乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満及び/又は0重量%)。
【0145】
更に別の例では、フィラメント形成材料は、フィルム形成材料とすることができる。更に別の例では、フィラメント形成材料は、合成又は天然由来のものとすることができ、その材料は、化学的、酵素的、及び/又は物理的に修正することができる。
【0146】
本発明の更に別の例では、フィラメント形成材料は、エチレン性不飽和性カルボン酸モノマー及びエチレン性不飽和モノマーなどのアクリルモノマーから誘導されたポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルムアミド、ポリビニルアミン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリル酸及びメチルアクリルレートのコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、デンプン及びデンプン誘導体、プルラン、ゼラチン、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースカルボキシメチルセルロース)からなる群から選択されるポリマーを含み得る。
【0147】
更に別の例では、フィラメント形成材料は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。
【0148】
別の例では、フィラメント形成材料は、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、デキストリン、ペクチン、キチン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシル化ポリビニルアルコール、スルホン化ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択されるヒドロキシポリマーを含む。
【0149】
水溶性材料
水溶性材料の非限定的な例には、水溶性ポリマーが含まれる。水溶性ポリマーは合成物であっても又は天然由来であってもよく、かつ化学的に及び/又は物理的に修飾されてもよい。一例では、極性溶媒可溶性ポリマーは、少なくとも10,000g/モル、及び/又は少なくとも20,000g/モル、及び/又は少なくとも40,000g/モル、及び/又は少なくとも80,000g/モル、及び/又は少なくとも100,000g/モル、及び/又は少なくとも1,000,000g/モル、及び/又は少なくとも3,000,000g/モル、及び/又は少なくとも10,000,000g/モル、及び/又は少なくとも20,000,000g/モル、及び/又は約40,000,000g/モルまで、及び/又は約30,000,000g/モルまでの重量平均分子量を示す。
【0150】
水溶性ポリマーの非限定的な例としては、水溶性ヒドロキシルポリマー、水溶性熱可塑性ポリマー、水溶性生分解性ポリマー、水溶性非生分解性ポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。一例では、水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコールを含む。別の例では、水溶性ポリマーは、デンプンを含む。更に別の例では、水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール及びデンプンを含む。更に別の例では、水溶性ポリマーはカルボキシメチルセルロースを含む。別の実施例では、ポリマーはカルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールを含んでいる。
【0151】
a.水溶性ヒドロキシルポリマー-本発明による水溶性ヒドロキシルポリマーの非限定的な例としては、ポリオール、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルアルコールコポリマー、デンプン、デンプン誘導体、デンプンコポリマー、キトサン、キトサン誘導体、キトサンコポリマー、セルロース誘導体、例えば、セルロースエーテル及びエステル誘導体、セルロースコポリマー、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ヘミセルロースコポリマー、ゴム、アラビナン、ガラクタン、タンパク質、カルボキシメチルセルロース及び他の様々な多糖、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0152】
一例では、本発明の水溶性ヒドロキシルポリマーは、多糖類を含む。
【0153】
本明細書で使用するとき、「多糖類」は、天然多糖類、及び多糖誘導体、及び/又は修飾多糖類を意味する。好適な水溶性多糖類としては、デンプン、デンプン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ゴム、アラビナン、ガラクタン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。水溶性多糖類は、約10,000g/モル~約40,000,000g/モル、及び/又は100,000g/モル超、及び/又は1,000,000g/モル超、及び/又は3,000,000g/モル超、及び/又は約3,000,000g/モル超~約40,000,000g/モルの重量平均分子量を示してよい。
【0154】
水溶性多糖類は、非セルロース、及び/又は非セルロース誘導体、及び/又は非セルロースコポリマー水溶性多糖類を含んでよい。このような非セルロース水溶性多糖類は、デンプン、デンプン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ゴム、アラビナン、ガラクタン、及びこれらの混合物からなる群から選択してよい。
【0155】
別の例では、本発明の水溶性ヒドロキシルポリマーは、非熱可塑性ポリマーを含む。
【0156】
水溶性ヒドロキシルポリマーは、約10,000g/モル~約40,000,000g/モル、及び/又は100,000g/モル超、及び/又は1,000,000g/モル超、及び/又は3,000,000g/モル超、及び/又は約3,000,000g/モル超~約40,000,000g/モルの重量平均分子量を有してよい。より高い分子量及びより低い分子量の水溶性ヒドロキシルポリマーを、特定の所望の重量平均分子量を有するヒドロキシルポリマーと併用してよい。
【0157】
例えば、天然デンプンなどの水溶性ヒドロキシルポリマーの周知の修飾としては、化学修飾及び/又は酵素修飾が挙げられる。例えば、天然デンプンは、酸希釈(acid-thinned)、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、及び/又は酸化することができる。更に、水溶性ヒドロキシルポリマーは、デントコーンデンプンを含んでよい。
【0158】
天然起源のデンプンは、一般に、Dグルコース単位の直鎖アミロースと分岐アミロペクチンポリマーとの混合物である。アミロースは、(1,4)-α-D結合によって結合されているD-グルコース単位の実質的に直鎖状のポリマーである。アミロペクチンは、分岐点において(1,4)-α-D結合及び(1,6)-α-D結合によって結合されているD-グルコース単位の高度に分岐したポリマーである。天然起源のデンプン、例えば、コーンスターチ(64~80%アミロペクチン)、ワキシートウモロコシ(waxy maize)(93~100%アミロペクチン)、コメ(83~84%アミロペクチン)、ジャガイモ(約78%アミロペクチン)、及びコムギ(73~83%アミロペクチン)は、典型的には、比較的高濃度のアミロペクチンを含有する。全てのデンプンが本明細書において潜在的に有用であるが、本発明は、最も一般的には、豊富に供給され、容易に補充可能であり、かつ安価であるという利点が得られる、農業資源に由来する高アミロペクチン天然デンプンを用いて実施される。
【0159】
本明細書で使用するとき、「デンプン」は、任意の天然起源の非修飾デンプン、修飾デンプン、合成デンプン及びそれらの混合物、並びにアミロース又はアミロペクチン画分の混合物を含み、デンプンは、物理的、化学的、若しくは生物学的プロセス、又はそれらの組み合わせによって修飾されてもよい。本発明についての非修飾又は修飾デンプンの選択は、所望の最終製品に依存し得る。本発明の一実施形態では、本発明において有用なデンプン又はデンプン混合物は、デンプン又はその混合物の約20重量%~約100重量%、より典型的には約40重量%~約90重量%、更により典型的には約60重量%~約85重量%のアミロペクチン含量を有する。
【0160】
好適な天然起源のデンプンとしては、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、コムギデンプン、サゴヤシデンプン、タピオカデンプン、コメデンプン、ダイズデンプン、アロールートデンプン、アミオカデンプン(amioca starch)、ワラビデンプン、ハスデンプン、ワキシートウモロコシデンプン、及び高アミローストウモロコシデンプンを挙げることができるが、これらに限定されない。天然起源のデンプン、特にトウモロコシデンプン及びコムギデンプンは、経済性及び入手可能性の点で望ましい。
【0161】
本明細書におけるポリビニルアルコールは、その特性を改質するために他のモノマーによりグラフトすることができる。広範なモノマーをポリビニルアルコールにグラフトすることに成功している。このようなモノマーの非限定的な例としては、酢酸ビニル、スチレン、アクリルアミド、アクリル酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、1,3-ブタジエン、メチルメタクリレート、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メチルアリルスルホン酸ナトリウム、フェニルアリルエーテルスルホン酸ナトリウム、フェニルメタリルエーテルスルホン酸ナトリウム、2-アクリルアミド-メチルプロパンスルホン酸(AMP)、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルアミン、及び様々なアクレートエステルが挙げられる。
【0162】
一例では、水溶性ヒドロキシルポリマーは、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好適なポリビニルアルコールの非限定的な例としては、Sekisui Specialty Chemicals America,LLC(Dallas,TX)から商標名CELVOL(登録商標)として市販されているものが挙げられる。好適なポリビニルアルコールの他の非限定例としては、Nippon Ghoseiより市販されているG Polymerが挙げられる。好適なヒドロキシプロピルメチルセルロースの非限定例にとしては、上記のポリビニルアルコールとの組み合わせを含む、Dow Chemical Company(Midland,MI)から商標METHOCEL(登録商標)で市販されているものが挙げられる。
【0163】
b.水溶性熱可塑性ポリマー-好適な水溶性熱可塑性ポリマーの非限定的な例としては、熱可塑性デンプン及び/又はデンプン誘導体、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、及び特定のポリエステル、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0164】
本発明の水溶性熱可塑性ポリマーは、親水性であっても疎水性であってもよい。水溶性熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリマー固有の親水性若しくは疎水性を変化させるために、表面処理及び/又は内部処理され得る。
【0165】
水溶性熱可塑性ポリマーは、生分解性ポリマーを含んでもよい。
【0166】
熱可塑性ポリマーのために任意の好適な重量平均分子量を使用してよい。例えば、本発明による熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、約10,000g/モル超、及び/又は約40,000g/モル超、及び/又は約50,000g/モル超、及び/又は約500,000g/モル未満、及び/又は約400,000g/モル未満、及び/又は約200,000g/モル未満である。
【0167】
開口フィルム壁材料
本発明の開口フィルム壁材料は、そのまま使用されてもよく、又は、1つ以上の活性剤でコーティングされてもよい。
【0168】
一例では、本発明の開口フィルム壁材料は、本明細書に記載の厚み試験方法に従って測定されたとき、0.01mm超、及び/又は0.05mm超、及び/又は0.1mm超、及び/又は約100mmまで、及び/又は約50mmまで、及び/又は約20mmまで、及び/又は約10mmまで、及び/又は約5mmまで、及び/又は約2mmまで、及び/又は0.5mmまで、及び/又は約0.3mmまでの厚みを呈する。
【0169】
別の例では、本発明の開口フィルム壁材料は、本明細書に記載の引張試験方法に従って測定されたとき、0.1kN/m超、及び/又は0.25kN/m超、及び/又は0.4kN/m超、及び/又は0.45kN/m超、及び/又は0.50kN/m超、及び/又は0.75kN/m超の幾何平均(GM)引張強度を呈する。
【0170】
別の例では、本発明の開口フィルム壁材料は、本明細書に記載の引張試験方法に従って測定されたとき、1000%未満、及び/又は800%未満、及び/又は650%未満、及び/又は550%未満、及び/又は500%未満、及び/又は475%未満の幾何平均(GM)破断点伸びを呈する。
【0171】
表3Bは、本発明の開口フィルム壁材料及び2つの従来技術の非開口フィルム壁材料の2つの例のGM引張強度及びGM伸びを示す。
【0172】
【表5】
【0173】
一例では、本発明の開口フィルム壁材料は、本明細書に記載の溶解試験方法に従って測定されたとき、24時間未満、及び/又は12時間未満、及び/又は6時間未満、及び/又は1時間(3600秒)未満、及び/又は30分未満、及び/又は25分未満、及び/又は20分未満、及び/又は15分未満、及び/又は10分未満、及び/又は5分未満、及び/又は1秒超、及び/又は5秒超、及び/又は10秒超、及び/又は30秒超、及び/又は1分超の平均溶解時間を呈する。
【0174】
一例では、本発明の開口フィルム壁材料は、本明細書に記載の溶解試験方法に従って測定されたとき、約10秒/gsm(s/gsm)以下、及び/又は約5.0s/gsm以下、及び/又は約3.0s/gsm以下、及び/又は約2.0s/gsm以下、及び/又は約1.8s/gsm以下、及び/又は約1.5s/gsm以下の試料の1gsm当たりの平均溶解時間を呈する。
【0175】
一例では、開口フィルム壁材料は、フィルム形成ポリマーなどのポリマーを含む。開口フィルム壁材料は、当該技術分野において既知であるように、例えば、ポリマー材料のキャスティング、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形により得ることができる。
【0176】
フィルム壁材料として使用するのに好適なポリマー、コポリマー、及び/又はこれらの誘導体の非限定的な例は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラガムなどの天然ガムからなる群から選択される。
【0177】
一例では、ポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択される。別の例では、ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びこれらの組み合わせから選択される。一例では、パウチ材料中のポリマー、例えば、ポリビニルアルコールポリマーの濃度は、少なくとも60%である。
【0178】
一例では、開口フィルム壁材料は、ヒドロキシルポリマーを含む。好適なヒドロキシルポリマーの非限定的な例としては、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、デキストリン、ペクチン、キチン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0179】
ポリマーは、約1000~約1,000,000g/mol、及び/又は約10,000~約300,000g/mol、及び/又は約20,000~約150,000g/molの重量平均分子量を呈し得る。
【0180】
ポリマー混合物もまた、フィルム壁材料として使用することができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーの水溶解度が別のポリマーよりも高く、及び/又は1つのポリマーの機械的強度が別のポリマーよりも高い、混合物が挙げられる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、約10,000~約40,000g/mol、及び/又は約20,000g/molの重量平均分子量のポリビニルアルコールの混合物又はそのコポリマー、並びに約100,000~約300,000g/mol、及び/又は約150,000g/molの重量平均分子量のポリビニルアルコールの混合物又はそのコポリマーも好適である。
【0181】
また、ポリマーブレンド組成物、例えば、加水分解により分解可能な水溶性のポリマーブレンド(ポリラクチド及びポリビニルアルコールを混合することにより得られ、典型的には約1~35重量%のポリラクチドと、約65~99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールとのポリマーブレンドなど)を含むポリマーブレンド組成物も、本明細書において好適である。
【0182】
一例では、ポリマーは、約60%~約98%加水分解され、及び/又は約80%~約90%加水分解され、材料の溶解特性が向上したポリマーを含む。
【0183】
別の例では、フィルム壁材料は、Chris-Craft Industrial Products(Gary,Ind.,US)により販売されている、Monosol M8630という商品名で既知のポリビニルアルコールフィルム、並びに対応する溶解度及び変形特性のポリビニルアルコールフィルムを含む。本明細書での使用に好適な他のフィルムとしては、Aicello提供のPTフィルム及び/若しくはKシリーズのフィルム、又はKuraray提供のVF-HPフィルムという商品名で既知のフィルムが挙げられる。
【0184】
また、本明細書のフィルム壁材料は、1つ以上の添加剤含有成分を含んでもよい。例えば、可塑剤(例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール及びこれらの混合物)を添加することが有益な場合がある。他の添加剤は、1つ以上の活性剤を含んでもよい。
【0185】
一例では、開口フィルム壁材料及び/又はそれから作製される乾燥パウチは、本明細書に記載される含水量試験方法に従って測定されたとき、開口フィルム壁材料及び/又はパウチの乾燥重量に基づいて、20%未満、及び/又は15%未満、及び/又は10%未満、及び/又は7%未満、及び/又は5%未満、及び/又は3%未満、及び/又は0%まで、及び/又は0%超の水分、例えば遊離水を含む。一例では、パウチは、本明細書に記載の含水量試験方法に従って測定されたとき、約0%~約20%の含水量を呈する。
【0186】
パウチを作製する方法
本発明のパウチは、開口フィルム壁材料、例えば、本発明の水溶性開口フィルム壁材料が、パウチの少なくとも一部を形成するために使用される限り、当該技術分野において既知の任意の好適なプロセスによって作製され得る。
【0187】
一例では、パウチは、任意の好適な機器及び方法を使用して作製されてもよい。単一区画パウチは、当該技術分野において一般的に既知の垂直又は水平の形態の充填技術を使用して作製されてもよい。水溶性パウチを作製するための好適なプロセスの非限定的な例は、非開口フィルム壁材料ではあるが、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第1504994号、同第2258820号、及び国際公開第02/40351号(全てThe Procter&Gamble Companyに譲渡)に記載されている。
【0188】
別の例では、本発明のパウチを調製するためのプロセスは、一連の成形型内の開口フィルム壁材料からパウチを成形する工程を含んでもよく、成形型は、連結するように位置付けられる。成形することによって、典型的には、開口壁材料が成形型の上及び中に置かれることを意味し、例えば、開口フィルム壁材料は、開口フィルム壁材料が成形型の内壁とぴったり重なるように、成形型内に真空引きされてもよいことを意味する。これは一般的に真空成形として知られている。別の方法は、成形型の形状に合わせるように開口フィルム壁材料を熱成形することである。
【0189】
熱成形は、典型的には、熱の適用下で成形型内に開放パウチを形成する工程を伴い、開口フィルム壁材料を使用してパウチを成形型の形状にすることを可能にする。このプロセスはまた、フィルム壁材料に開口を形成し、開口フィルム壁材料を形成するために使用されてもよい。
【0190】
真空成形は、典型的には、成形型に(部分的)真空(減圧)を適用する工程を伴い、開口フィルム壁材料を成形型内に引き入れて、開口フィルム壁材料が成形型の形状を取ることを確実にする。パウチ形成プロセスはまた、最初に開口フィルム壁材料を加熱し、次いで減圧(例えば、(部分)真空)を適用することによって行われてもよい。
【0191】
開口フィルム壁材料は、典型的には、任意の封止手段によって封止される。例えば、熱密封、湿式密封、又は圧力密封による。一例では、密封源を開口フィルム壁材料に接触させ、熱又は圧力を開口フィルム壁材料に適用し、開口フィルム壁材料を封止する。密封源は、例えば金属、プラスチック、又は木製の物体などの固体の物体であってもよい。密封プロセス中に開口フィルム壁材料に熱が加えられる場合、この密封源は、典型的には、約40℃~約200℃の温度に加熱される。密封プロセス中に開口フィルム壁材料に圧力が加えられる場合、この密封源は、典型的には、約1×10Nm-2~約1×10Nm-2の圧力を開口フィルム壁材料に適用する。
【0192】
別の例では、同じ開口フィルム壁材料片を折り畳み、密封してパウチを形成してもよい。典型的には、2片以上の開口フィルム壁材料片がプロセスに使用される。例えば、第1の開口フィルム壁材料片を、開口フィルム壁材料が成形型の内壁とぴったり重なるように、成形型内に真空引きしてもよい。第2の開口又は非開口のフィルム壁材料片を、第1の開口フィルム壁材料片と少なくとも部分的に及び/又は完全に重なり合うように位置付けてもよい。第1の開口フィルム壁材料片及び第2のフィルム壁材料片は、共に封止される。第1の開口フィルム壁材料片及び第2のフィルム壁材料片は、同じであっても異なっていてもよい。
【0193】
本発明のパウチを作製する別の例では、第1の開口フィルム壁材料片を、開口フィルム壁材料が成形型の内壁とぴったり重なるように、成形型内に真空引きしてもよい。1つ以上の活性剤及び/又は洗剤組成物を、成形型中の開放パウチに追加、例えば内部に注いでもよく、第2の開口又は非開口のフィルム壁材料を活性剤及び/又は洗剤組成物の上部に、第1の開口フィルム壁材料と接触して配置してよく、第1の開口フィルム壁材料片及び第2のフィルム壁材料片を共に封止して、典型的には、その内部容積と、その内部容積内の活性剤及び/又は洗剤組成物とを少なくとも部分的に包み込む及び/又は完全に包み込むような方法で、パウチを形成する。
【0194】
他の実施例では、パウチ作製プロセスを、1つ以上の区画(典型的に多区画パウチとして知られている)に分割された内容積を有するパウチを作製するために使用してもよい。多区画パウチプロセスでは、開口フィルム壁材料は、少なくとも2回折り畳むか、又は少なくとも3片の開口フィルム壁材料を使用するか、又は少なくとも2片の開口フィルム壁材料を使用し、少なくとも1片の開口フィルム壁材料を少なくとも1回折り畳む。存在する場合第3の開口フィルム壁材料片、又は存在する場合開口フィルム壁材料の折り畳まれた片は、パウチが封止されると、かかるパウチの内部容積を少なくとも2つの区画に分割するバリア層を形成する。
【0195】
別の例では、多区画パウチを作製するためのプロセスは、第1の開口フィルム壁材料片を一連の成形型に適合させる工程を含み、例えば、第1の開口フィルム壁材料片は、開口フィルム壁材料が成形型の内壁とぴったり重なるように、成形型内に真空引きされてもよい。活性剤は、典型的には、成形型内の第1の開口フィルム壁材料片によって形成された開放パウチ内に注がれる。次いで、開口フィルム壁材料で作製された予め封止された区画を、活性剤を収容する成形型上に配置することができる。これらの予め封止された区画及び該第1の開口フィルム壁材料片を一緒に封止して、多区画パウチ、例えば、二区画パウチを形成してもよい。
【0196】
本発明のプロセスから得られるパウチは、水溶性であってもよい。パウチは、典型的には、本明細書に記載の開口フィルム壁材料から作製され、典型的には、1つ以上の活性剤及び/又は洗剤組成物を含み得る内部容積を封入する。開口フィルム壁材料は、例えば、パウチと水との接触前にパウチから活性剤を放出させることなく、活性剤を保持するのに好適である。正確な実行は、例えば、パウチ内の活性剤の種類及び量、パウチ内の区画の数、活性剤を保持、保護、及び送達又は放出するためにパウチから必要とされる特性に依存する。
【0197】
多区画パウチにおいて、異なる区画内に含有される活性剤及び/又は組成物は、同一であっても又は異なってもよい。例えば、不相溶性の(2つ以上の)成分が、異なる区画内に含有されていてもよい。
【0198】
本発明のパウチは、必要とされる操作、例えば1回の洗浄に好適な本明細書の活性剤の単位用量、又は、消費者が、例えば洗濯する量及び/若しくは汚れの程度に応じた使用量の変更を、より柔軟にできるような部分量のみのいずれかを収容するのに便利な大きさであってよい。パウチの形状及びサイズは、典型的に成形型の形状及びサイズによって、少なくともある程度、決定される。
【0199】
本発明の多区画パウチは、更に外側パッケージ内に包装されていてもよい。外側パッケージは、例えば、透明又は半透明の袋、タブ、カートン、又はボトルなどの透視できる又は部分的に透視できる容器であってもよい。このパッケージは、輸送の間にパウチを保護するのに十分な強度を有する材料であるならば、プラスチック又は任意の他の好適な材料から作製することができる。この種のパッケージはまた、パッケージ内にどれだけのパウチが残っているかを見るために、ユーザーがパッケージを開ける必要がないため、非常に有用である。あるいは、パッケージは透視できない外側パッケージ、パッケージの視覚的に内容物の特色を表すしるし又は図柄などを備える外側パッケージを有することもできる。
【0200】
パウチ作製法の非限定的な例
本発明のパウチの例は、以下のように作製可能である。2層のフィルム壁材料を、作製しようとするパウチサイズの少なくとも2倍のサイズに切断する。例えば、完成したパウチサイズが約2インチ×2インチの平面設置面積を有する場合、フィルム壁材料は5インチ×5インチに切断される。次に、インパルスシーラーの発熱体(Impulse SealerモデルTISH-300(TEW Electric Heating Equipment CO.,LTD,7F,No.140,Sec.2,Nan Kang Road,Taipei,Taiwan))の上に両方の層を重ねる。発熱体上のレイヤーの位置は、側面の密閉部の継目ができる場所になるようにする。シーラーアームを1秒間閉じ、2つのシーラーを合わせて密封する。類似の方法で、更に2つの側面を密封し、側面の密閉された継目を2つ追加作製する。3つの側面が封止された状態で、2つのフィルム壁材料はポケットを形成する。次に、適切な量の粉末をポケットに加え、その後、最後の側面を密封して、最後の側面が密閉された継目を作製する。こうして、パウチは作製される。厚さ0.2mm未満のほとんどのフィルム壁材料には、加熱ダイアル設定4、及び加熱時間1秒が使用される。フィルム壁材料に応じて、加熱温度及び加熱時間は、望ましいシームを実現するように調整されなければならない場合がある。温度が低すぎる場合、又は加熱時間が十分に長くない場合、フィルム壁材料は十分に溶融しない場合があり、2つの層は容易に離れる。温度が高すぎる場合、又は加熱時間が長すぎる場合、封止された縁部に針穴が形成され得る。封止機器の条件を、層が溶融して継目を形成するが、継目の縁部に針穴などのネガティブなものを導入しないように、封止機器の条件を調整する必要がある。継ぎ合わされたパウチが形成されたら、はさみ使用して余分な材料を切り取り、継ぎ合わされたパウチの外側に1~2mmの縁部を残す。
【0201】
活性剤
活性剤は、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料自体、及び/又は開口フィルム壁材料、及び/又はパウチ自体以外の何かに利益をもたらすように、例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料、及び/又は開口フィルム壁材料、及び/又はパウチ自体の外部の環境に利益をもたらすように設計及び意図される添加剤の部類である。
【0202】
活性剤は、繊維要素の意図した使用条件下で、意図した効果を生じさせる任意の好適な添加剤であってよい。例えば、活性剤は、以下からなる群から選択してよい:パーソナルクレンジング及び/又はコンディショニング剤、例えば、ヘアケア剤(例えば、シャンプー剤及び/又は染毛剤)、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、及びスキンコンディショニング剤;洗濯物ケア及び/又はコンディショニング剤、例えば、布地ケア剤、布地コンディショニング剤、布地柔軟剤、布地しわ防止剤、布地ケア静電気防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ放出剤、分散剤、発泡抑制剤、発泡促進剤、消泡剤、及び布地リフレッシング剤;液体及び/又は粉末食器洗浄剤(食器手洗い及び/又は自動食器洗浄機用)、硬質表面ケア剤及び/又はコンディショニング剤及び/又は研磨剤;他の洗浄及び/又はコンディショニング剤、例えば、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、布地色調剤、香料、漂白剤(例えば、酸素漂白剤、過酸化水素、過炭酸塩漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、塩素漂白剤)、漂白活性化剤、キレート剤、ビルダー、ローション、増白剤、空気ケア剤、カーペットケア剤、移染防止剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、アルコキシ化ポリアミンポリマー、アルコキシ化ポリカルボキシレートポリマー、両親媒性グラフトコポリマー、溶解助剤、緩衝系、水軟化剤、水硬化剤、pH調整剤、酵素、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、メークアップ除去剤、起泡剤、付着助剤、コアセルベート形成剤、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気制御剤、制汗剤、冷却剤、加温剤、吸収性ゲル剤、抗炎症剤、染料、顔料、酸及び塩基;液体処理活性剤;農業用活性剤;工業用活性剤;摂取可能な活性剤、例えば、医薬剤、歯のホワイトニング剤、歯ケア剤、洗口剤、歯周歯肉ケア剤、可食性剤、食用剤、ビタミン、ミネラル;水処理剤、例えば、水清澄剤及び/又は水消毒剤、口腔ケア活性剤、並びにこれらの混合物。
【0203】
好適な化粧剤、スキンケア剤、スキンコンディショニング剤、ヘアケア剤、及びヘアコンディショニング剤の非限定的な例は、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992に記載されている。
【0204】
1つ以上の部類の化学物質が、上に列挙した1つ以上の活性剤に有用であり得る。例えば、界面活性剤は、任意の数の上記活性剤のために使用してよい。同様に、漂白剤は、布地ケア、硬質表面洗浄、食器洗浄、及び更には歯科用ホワイトニングのために使用してよい。したがって、当業者は、活性剤が、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又はこれらから作製される繊維壁材料の所望の意図される用途に基づいて選択されることを理解するであろう。
【0205】
例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又はこれらから作製される繊維壁材料をヘアケア及び/又はコンディショニングに使用する場合、繊維要素、並びに/又は粒子、並びに/又は繊維要素及び/若しくは粒子が組み込まれる繊維壁材料に意図される使用条件に曝露されたときに消費者に所望の利益をもたらすように、1つ以上の好適な界面活性剤、例えば、発泡性界面活性剤を選択することができる。
【0206】
1つの例では、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又はこれらから作製される繊維壁材料が、洗濯操作において衣類の洗濯に使用するように設計又は意図されている場合、繊維要素、並びに/又は粒子、並びに/又は繊維要素及び/若しくは粒子が組み込まれる繊維壁材料に意図される使用条件に曝露されたときに消費者に所望の利益をもたらすように、1つ以上の好適な界面活性剤、及び/又は酵素、及び/又はビルダー、及び/又は香料、及び/又は発泡抑制剤、及び/又は漂白剤を選択することができる。別の例では、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又はこれらから作製される繊維壁材料が、洗濯操作における衣類の洗濯及び/又は食器洗浄操作における食器の洗浄に使用するように設計されている場合、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料は、洗濯洗剤組成物若しくは食器洗浄洗剤組成物又はこのような組成物で使用される活性剤を含んでよい。更に別の例では、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又はこれらから作製される可溶性繊維壁材料が、便器の洗浄及び/又は衛生化に使用するように設計されている場合、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又はこれらから作製される可溶性繊維壁材料は、便器洗浄用組成物、及び/又は発泡性組成物、及び/又はこのような組成物で使用される活性剤を含んでよい。
【0207】
一実施例では、活性剤は、界面活性剤、漂白剤、酵素、発泡抑制剤、発泡促進剤、布地柔軟剤、義歯洗浄剤、毛髪洗浄剤、ヘアケア剤、パーソナルヘルスケア剤、色相剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0208】
一実施例では、本発明のパウチは、その内容積内に、少なくとも5g、及び/又は少なくとも10g、及び/又は少なくとも15gの活性剤を含む。
【0209】
別の実施例では、本発明のパウチは、漂白剤、クエン酸、及び香料を含む。
【0210】
活性剤は、1つ以上の口腔ケア活性剤を含んでもよい。1つ以上の口腔ケア活性剤は、研磨剤、フッ化物イオン源、金属イオン源、カルシウムイオン源、1つ以上の口腔ケア界面活性剤、ポリホスフェート源、審美剤、キレート剤、ホワイトニング剤、生理活性物質、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0211】
口腔ケア活性物質は、繊維性組成物、非繊維性組成物、又はこれらの組み合わせに存在し得る。繊維性組成物中には、非繊維性組成物中と異なる口腔ケア活性剤又は同じ口腔ケア活性剤が存在し得る。口腔ケア活性剤と、口腔ケア活性剤の特定の組み合わせを含む第1の繊維製組成物、及び口腔ケア活性剤の異なる組み合わせを含む第2の繊維性組成物が存在し得る。
【0212】
研磨剤は、カルシウム含有研磨剤、シリカ研磨剤、カーボネート研磨剤、ホスフェート研磨剤、アルミナ研磨剤、他の好適な研磨剤、及び/又はこれらの組み合わせであり得る。いくつかの研磨剤は、例えば、カルシウム含有研磨剤及びカーボネート研磨剤の両方である炭酸カルシウムなどの、いくつかの分類上のカテゴリーに属してもよい。
【0213】
カルシウム含有研磨剤は、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、オルトリン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、ポリリン酸カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、及びこれらの組み合わせを含むことができる。
【0214】
カルシウム含有研磨剤は、炭酸カルシウムを含み得る。カルシウム含有研磨剤は、微粉砕天然白亜、粉砕炭酸カルシウム、沈殿炭酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0215】
カーボネート研磨剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0216】
ホスフェート研磨剤は、リン酸カルシウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、オルトリン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、ポリリン酸カルシウム、ポリホスフェート、ピロホスフェート、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0217】
シリカ研磨剤は、溶融シリカ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、水和シリカ、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0218】
アルミナ研磨剤は、多結晶アルミナ、焼成アルミナ、溶融アルミナ、湿式粉砕アルミナ、水和アルミナ、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0219】
他の好適な研磨剤としては、珪藻土、硫酸バリウム、ウォラストナイト、パーライト、ポリメチルメタクリレート粒子、トスパール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0220】
研磨剤は紡糸用ダイを詰まらせることがあるため、研磨剤は、非繊維性組成物に添加され得る。
【0221】
フッ化物イオン源は、米国特許第3,535,421号及び同第3,678,154号に開示されている、好適なフッ化物イオン生成材料の例を含み得る。フッ化イオン源は、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アミン、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化亜鉛、及び/又はこれらの混合物を含み得る。
【0222】
フッ化物イオン源及び金属イオン源は、スズイオン及びフッ化物イオンを生成することができる、例えばフッ化第一スズなどの同じ化合物であり得る。加えて、フッ化物イオン源及びスズイオン源は、金属イオン源が塩化第一スズであり、フッ化物イオン源がモノフルオロリン酸ナトリウム又はフッ化ナトリウムである場合など、別個の化合物であり得る。
【0223】
好適な金属イオン源としては、第一スズイオン源、亜鉛イオン源、銅イオン源、銀イオン源、マグネシウムイオン源、鉄イオン源、ナトリウムイオン源、及びマンガン(Mn)イオン源、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。金属イオン供給源は、無機若しくは有機対イオンを有する、第一スズ、亜鉛、又は銅の可溶性又は難溶性化合物であり得る。例としては、第一スズ、亜鉛、及び銅のフッ化物、塩化物、塩化フッ化物、アセテート、ヘキサフルオロジルコニウム酸、サルフェート、タルタレート、グルコネート、シトレート、マレート、グリシナート、ピロホスフェート、メタホスフェート、オキサレート、ホスフェート、カーボネート、及び酸化物が挙げられる。
【0224】
第一スズ、亜鉛及び銅イオンは金属イオン源由来であり、多相口腔ケア組成物中に、口腔ケア効果又は他の効果を提供するのに有効な量で含まれ得る。第一スズ、亜鉛及び銅イオンは、歯肉炎、歯垢、過敏性の低減、及び改善された口臭効果に役立つことが示されている。
【0225】
他の金属イオン源としては、再石灰化を起こすことができるミネラル及び/又はカルシウム含有化合物、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、非晶質リン酸カルシウム、結晶質リン酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、シュウ酸、シュウ酸二カリウム、シュウ酸一ナトリウム一カリウム、カゼインホスホペプチド、及び/又はカゼインホスホペプチドでコーティングしたヒドロキシアパタイトなどを挙げることができる。
【0226】
金属イオン源は、口腔内に金属イオンを生成するのに好適な金属塩を含んでもよい。好適な金属塩としては、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、ナトリウム(Na)、及びマンガン(Mn)塩、又はこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい塩としては、グルコン酸塩、塩素酸塩、クエン酸塩、塩化物、フッ化物、及び硝酸塩、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0227】
口腔ケア物品は、1つ以上の界面活性剤を含み得る。繊維性組成物は、1つ以上の界面活性剤を含み得る。非繊維性組成物は、1つ以上の界面活性剤を含み得る。1つ以上の界面活性剤は、本明細書に記載されるように、アニオン性、非イオン性、両性、双極性、カチオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0228】
ポリホスフェート源は、1つ又は2つ以上のポリホスフェート分子を含み得る。ポリホスフェートは、オルトホスフェートの脱水及び縮合によって様々な鎖長の直鎖及び環状ポリホスフェートをもたらすことにより、得られる物質の部類である。したがって、ポリホスフェート分子は、一般に、以下に記載されるように、ポリホスフェート分子の平均数(n)で同定される。ポリホスフェートは一般に、主に直鎖構造に配置された2つ以上のホスフェート分子からなると理解されているが、いくつかの環状誘導体が存在する場合もある。
【0229】
好ましいポリホスフェートは、有効濃度での表面吸着により十分な非結合のホスフェート官能基を生成し、これがアニオン性表面電荷並びに表面の親水性特徴を強化するように、平均して2つ以上のホスフェート基を有するものである。本発明において好ましいものは、式:XO(XPOX(式中、Xはナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は任意の他のアルカリ金属カチオンであり、nは平均約2~約21である)を有する直鎖状ポリホスフェートである。また、ポリホスフェート源としては、フッ化物イオン源などの他の反応性構成成分からカルシウムイオンを分離する能力によって、アルカリ土類金属ポリホスフェート塩、具体的にはピロリン酸カルシウムなどのカルシウムポリホスフェート塩を挙げることもできる。
【0230】
好適なポリホスフェート分子のいくつかの例としては、例えば、ピロホスフェート(n=2)、トリポリホスフェート(n=3)、テトラポリホスフェート(n=4)、ソーダフォス(sodaphos)ポリホスフェート(n=6)、ヘキサフォス(hexaphos)ポリホスフェート(n=13)、ベネフォス(benephos)ポリホスフェート(n=14)、ヘキサメタホスフェート(n=21)(Glass Hとしても知られる)を挙げることができる。ポリホスフェートとしては、FMC Corporation、ICL Performance Products、及び/又はAstarisによって製造されるポリホスフェート化合物を挙げることができる。
【0231】
ポリホスフェートは、フィラメント形成組成物からフィラメントを紡糸するのに必要な条件下で分解する及び/又は紡糸用ダイを詰まらせる場合があるため、ポリホスフェートは非繊維性組成物に添加され得る。
【0232】
1つ以上の審美剤は、着香料、着色剤、感覚剤、甘味剤、唾液分泌剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0233】
本発明で使用することができる着香料の非限定的な例としては、天然香味剤、人工香味剤、人工抽出物、天然抽出物、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。香料の非限定例としては、バニラ、ハニー、レモン、レモンハニー、チェリーバニラ、ピーチ、ハニージンジャー、カモミール、チェリー、チェリークリーム、ミント、バニラミント、ダークベリー、ブラックベリー、ラズベリー、ペパーミント、スペアミント、ハニーピーチ、アサイーベリー、クランベリー、ハニークランベリー、トロピカルフルーツ、ドラゴンフルーツ、クコ、レッドステムミント、ザクロ、ブラックカラント、イチゴ、レモン、ライム、ピーチジンジャー、オレンジ、オレンジクリーム、ポプシクル、アプリコット、アネトール、ショウガ、ジャックフルーツ、スターフルーツ、ブルーベリー、フルーツパンチ、レモングラス、カモミールレモングラス、ラベンダー、バナナ、イチゴバナナ、ブドウ、ブルーラズベリー、レモンライム、コーヒー、エスプレッソ、カプチーノ、蜂蜜、ウィンターグリーンミント、バブルガム、タルトハニーレモン、サワーレモン、グリーンアップル、ボイセンベリー、ルバーブ、イチゴルバーブ、柿、緑茶、黒茶、紅茶、白茶、ハニーライム、チェリーライム、リンゴ、タンジェリン、グレープフルーツ、キウイ、梨、バニリン、エチルバニリン、マルトール、エチルマルトール、カボチャ、ニンジンケーキ、ホワイトチョコレートラズベリー、チョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ダークチョコレート、チョコレートマシュマロ、アップルパイ、シナモン、ヘーゼルナッツ、アーモンド、クリーム、クレームブリュレ、キャラメル、キャラメルナッツ、バター、バタータフィー、キャラメルタフィー、アロエベラ、ウイスキー、ラム、ココア、リコリス、パイナップル、グアバ、メロン、スイカ、エルダーベリー、マウスクーラー、ラズベリー&クリーム、ピーチマンゴー、トロピカル、クールベリー、レモンアイス、ネクター、スパイシーネクター、トロピカルマンゴー、リンゴジャム、ピーナッツバター、タンジェリン、タンジェリンライム、マシュマロ、綿飴、アップルサイダー、オレンジチョコレート、アジピン酸、シトラール、安息香酸デナトニウム、酢酸エチル、乳酸エチル、エチルマルトール、エチルセルロース、フマル酸、ロイシン、リンゴ酸、メントール、メチオニン、グルタミン酸一ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸、チモール、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0234】
着香料は、カプセル化又は着香料の結晶として保護することができる。カプセル化着香料は、封入された着香料が口腔に到達すると、制御放出又は遅延放出性を有することができる。封入体は、シェル及びコアを含んでいてよい。着香料は、封入体のコア内にあってもよい。着香料は、噴霧乾燥又は押出などの任意の好適な手段によって封入されてよい。カプセル化着香料は、繊維性組成物の表面に添加されても、繊維性組成物内に形成されても、又は非繊維性組成物中に含まれてもよい。
【0235】
着香料は、フィラメント形成組成物からフィラメントを紡糸するのに必要な条件下で分解する場合があり、着香料は、非繊維性組成物に添加され得る。
【0236】
冷感剤の非限定的な例としては、WS-23(2-イソプロピル-N,2,3-トリメチルブチルアミド)、WS-3(N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド)、WS-30(1-グリセリル-p-メンタン-3-カルボキシレート)、WS-4(エチレングリコール-p-メタン-3-カルボキシレート)、WS-14(N-t-ブチル-p-メンタン-3-カルボキサミド)、WS-12(N-(4-,エトキシフェニル)-p-メンタン-3-カルボキサミド)、WS-5(エチル-3-(p-メンタン-3-カルボキシアミド)アセテート、メントングリセロールケタール(Haarmann&ReimerよりFrescolat(登録商標)MGAとして販売)、(-)-メンチルラクテート(Haarmann&ReimerよりFrescolat(登録商標)MLとして販売)、(-)-メントキシプロパン-1,2-ジオール(Takasago InternationalよりCoolant Agent 10として販売)、3-(l-メントキシ)プロパン-1,2-ジオール、3-(l-メントキシ)-2-メチルプロパン-1,2-ジオール,(-)-イソプレゴール(Takasago Internationalより「Coolact P(登録商標)」の名称で販売)シス&トランスp-メンタン-3,8-ジオール(PMD38)(Takasago InternationalのQuestice(登録商標)(メンチルピロリドンカルボキシレート)、(1R,3R,4S)-3-メンチル-3,6-ジオキサヘプタノエート(Firmenich)、(1R,2S,5R)-3-メンチルメトキシアセテート(Firmenich)、(1R,2S,5R)-3-メンチル3,6,9-トリオキサデカノエート(Firmenich)、(1R,2S,5R)-メンチル11-ヒドロキシ-3,6,9-トリオキサウンデカノエート(Firmenich)、(1R,2S,5R)-3-メンチル(2-ヒドロキシエトキシ)アセテート(Firmenich)、Cubebol(Firmenich)、Icilin(AG-3-5としても知られる、化学名1-[2-ヒドロキシフェニル]-4-[2-ニトロフェニル-]-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-2-オン)、4-メチル-3-(1-ピロリジニル)-2[5H]-フラノン、Frescolat ML(メンチルラクテート)、Frescolat MGA(メントングリセリンアセタール)、ペパーミントオイル、Givaudan 180、L-モノメンチルスクシネート、L-モノメンチルグルタラート、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール(Coolact 10)、2-l-メントキシエタノール(Cooltact 5)、TK10 Coolact(3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール)、Evercool 180(N-p-ベンゼンアセトニトリル-メンタンカルボキサミド)、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。冷感剤は、口腔ケア組成物の約0.005重量%~約10重量%、口腔ケア組成物の約0.05重量%~約7重量%、又は口腔ケア組成物の約0.01重量%~約5重量%で存在し得る。
【0237】
温感剤の非限定的な例としては、TK 1000、TK 1 MM、Heatenol(Sensient Flavors)、Optahe(Symrise Flavors)、シナモン、ポリエチレングリコール、トウガラシ、カプサイシン、カレー、FSI Flavors、イソブタバン、エタノール、グリセリン、ノニバミド60162807、Hotact VEE、Hotact 1MM、ピペリン、optaheat 295 832、optaheat 204 656、optaheat 200 349、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。温感剤は、乾燥フィラメントベースで約0.005重量%~約60重量%、乾燥フィラメントベースで約0.05重量%~約50重量%、又は乾燥フィラメントベースで約0.01重量%~約40重量%で存在し得る。温感剤は、口腔ケア組成物の約0.005重量%~約10重量%、口腔ケア組成物の約0.05重量%~約7重量%、又は口腔ケア組成物の約0.01重量%~約5重量%で存在し得る。
【0238】
刺激感覚剤の非限定的な例としては、花椒、ヒドロキシαサンショオール、クエン酸、レンブ抽出物、スピラントール、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0239】
本明細書で使用するとき、用語「キレート剤」は、金属イオン及び好ましくは他の二価又は多価金属イオンに結合することができ、少なくともキレート剤混合物の一部として、口腔ケア組成物内のスズイオン又は他の任意の金属イオンを可溶化することが可能な、少なくとも2つの基を有する二座配位子又は多座配位子を意味する。金属イオンに結合可能な基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル(hydroxl)基、及びアミン基が挙げられる。
【0240】
本明細書における好適なキレート剤としては、C~Cジカルボン酸及びトリカルボン酸、例えば、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン酸;ヒドロキシルで置換されたC~Cモノカルボン酸、例えば、グルコン酸;ピコリン酸;アミノ酸、例えば、グリシン;これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。キレート剤はまた、キレート配位子が同一又は隣接するモノマー上に存在するポリマー又はコポリマーであってもよい。
【0241】
増白剤は、口腔内で少なくとも1本の歯をホワイトニングするのに好適な化合物であり得る。増白剤としては、過酸化物、金属亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過酸、過硫酸塩、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。好適な過酸化物としては、固体過酸化物、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化ベンゾイル、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、無機過酸化物、ヒドロペルオキシド、有機過酸化物、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な金属亜塩素酸塩としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸カリウムが挙げられる。他の好適な増白剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、peroxydone、6-フタルイミドペルオキシヘキサン酸、フタルアミドペルオキシカプロン酸、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0242】
増白剤は、口腔ケア組成物の他の構成成分と反応性である場合があり、したがって、本明細書に記載される組み立て設計を使用して他の構成成分から分離することができる。加えて、増白剤は、フィラメント形成組成物からフィラメントを紡糸するのに必要な条件下で分解する場合があり、したがって、増白剤は、非繊維性組成物に添加され得る。
【0243】
好適な生体活性物質としては、生体活性ガラス、Novamin(商標)、Recaldent(商標)、ヒドロキシアパタイト、アミノ酸(例えば、アルギニン、シトルリン、グリシン、リジン、若しくはヒスチジンなど)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。他の好適な生体活性物質としては、任意のリン酸カルシウム化合物が挙げられる。他の好適な生体活性物質としては、カルシウム源及びホスフェート源を含む化合物が挙げられる。
【0244】
生体活性ガラスは、ヒドロキシアパタイトと同様の割合で存在し得るカルシウム及び/又はホスフェートを含んでいる。これらのガラスは、組織に結合でき、生体適合性である。生体活性ガラスとしては、ホスホペプチド、カルシウム源、ホスフェート源、シリカ源、ナトリウム源、及び/又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0245】
活性剤の放出
繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料が誘発条件に曝露されたとき、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料から1つ以上の活性剤が放出され得る。一例では、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料、あるいはこれらの一部が、そのアイデンティティを失ったとき、言い換えれば、その物理的構造を失ったときに、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料、あるいはこれらの一部から1つ以上の活性剤が放出され得る。例えば、フィラメント形成材料が溶解したとき、融解したとき、又はその構造が失われるような何らかの他の変形工程を経たときに、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料は、その物理的構造を失う。一例では、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料の形態が変化したとき、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料から1つ以上の活性剤が放出される。
【0246】
別の例では、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料、あるいはこれらの一部のアイデンティティが変化したとき、言い換えれば、その物理的構造を失うのではなく、その物理的構造が変化したときに、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料、あるいはこれらの一部から1つ以上の活性剤が放出され得る。例えば、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料は、フィラメント形成材料が膨張したとき、収縮したとき、延びたとき、及び/又は短くなったときに、その物理的構造を変えるが、そのフィラメント形成特性は保持する。
【0247】
別の例では、その形態が変化することなく(その物理的構造を失うことも変化することもなく)、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料から1つ以上の活性剤が放出され得る。
【0248】
1つの例では、例えば、上述のとおり繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料のアイデンティティを失わせるか又は変化させることによって、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料が活性剤を放出させる誘発条件に曝露されたときに、繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁材料は、活性剤を放出し得る。誘発条件の非限定的な例としては、溶媒、極性溶媒(アルコール及び/若しくは水など)、及び/若しくは非極性溶媒に繊維状要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維状構造体を曝すこと(これは、フィラメント形成材料が、極性溶媒可溶性材料及び/若しくは非極性溶媒可溶性材料を含むかどうかに依存して、逐次行ってもよい);75°F超、及び/若しくは100°F超、及び/若しくは150°F超、及び/若しくは200°F超、及び/若しくは212°F超などの温度までの熱に、繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料を曝すこと;40°F未満、及び/若しくは32°F未満、及び/若しくは0°F未満の温度までの冷温に、繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料を曝すこと;繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料を力、例えば、繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料を用いる消費者によって印加される延伸力に曝露すること;並びに/又は繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料を化学反応に曝露すること;繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料を、相変化を引き起こす条件に曝すこと;繊維要素及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料を、pH変化、及び/若しくは圧力変化、及び/若しくは温度変化に曝すこと;繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料を、1つ以上の活性剤を放出する繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料が得られる1つ以上の化学物質に曝すこと;繊維要素及び/若しくは粒子及び/若しくは繊維壁材料を超音波に曝すこと;繊維要素及び/若しくは粒子及び/若しくは繊維壁材料を光及び/若しくは特定の波長に曝すこと;繊維要素及び/若しくは粒子及び/若しくは繊維壁材料を様々なイオン強度に曝すこと;並びに/又は繊維要素及び/若しくは粒子及び/若しくは繊維壁材料を、別の繊維要素及び/若しくは粒子及び/若しくは繊維壁材料から放出される活性剤に曝すことが挙げられる。
【0249】
一例では、繊維要素及び/又は粒子を含む繊維壁材料製品が、以下からなる群から選択される誘発工程に曝されたときに、本発明の繊維要素及び/又は粒子から1つ以上の活性剤が放出され得る:繊維壁材料と共に布地物品上の染みを前処理すること;繊維壁材料製品を水と接触させることによって洗浄液を形成すること;乾燥機内で繊維壁材料を回転させること;乾燥機内で繊維壁材料を加熱すること;及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0250】
フィラメント形成組成物
本発明の繊維要素はフィラメント形成組成物から製造される。フィラメント形成組成物は極性溶媒系組成物である。一例では、フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料及び1つ以上の活性剤を含む水溶性組成物である。
【0251】
本発明のフィラメント形成組成物は、本明細書に記載の剪断粘度試験方法に従って測定されるとき、3,000秒-1の剪断速度及び処理温度(50℃~100℃)において、約1パスカル・秒~約25パスカル・秒、及び/又は約2パスカル・秒~約20パスカル・秒、及び/又は約3パスカル・秒~約10パスカル・秒の剪断粘度を有してもよい。
【0252】
フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物から繊維要素を製造する際に、約50℃~約100℃、及び/又は約65℃~約95℃、及び/又は約70℃~約90℃の温度で処理してもよい。
【0253】
一例では、フィラメント形成組成物は、少なくとも20重量%、及び/又は少なくとも30重量%、及び/又は少なくとも40重量%、及び/又は少なくとも45重量%、及び/又は少なくとも50重量%~約90重量%まで、及び/又は約85重量%まで、及び/又は約80重量%まで、及び/又は約75重量%までの1つ以上のフィラメント形成材料、1つ以上の活性剤、及びこれらの混合物を含み得る。フィラメント形成組成物は、約10重量%~約80重量%の極性溶媒、例えば水を含んでもよい。
【0254】
一実施例では、フィラメント形成組成物の不揮発性成分が、フィラメント形成組成物の総重量基準の重量で、約20%から、及び/又は約30%から、及び/又は40%から、及び/又は45%から、及び/又は50%から約75%までの、及び/又は80%までの及び/又は85%までの、及び/又は90%までを構成してもよい。不揮発性成分は、主鎖ポリマー、活性剤、及びこれらの組み合わせなど、フィラメント形成組成物から構成されてもよい。フィラメント形成組成物の不揮発性成分が、残りのパーセンテージ、及びフィラメント形成組成物の総重量基準の重量で10%~80%の範囲を含んでいる可能性がある。
【0255】
繊維要素の紡糸プロセスでは、繊維要素は、紡糸用ダイを出るときに初期安定性を有する必要がある。毛管数は、この初期安定性基準を特徴付けるために使用される。ダイ条件において、毛管数は、少なくとも1、及び/又は少なくとも3、及び/又は少なくとも4、及び/又は少なくとも5であるべきである。
【0256】
一例では、フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物が繊維要素に有効にポリマー加工され得るように、少なくとも1から約50まで、及び/又は少なくとも3から約50まで、及び/又は少なくとも5から約30までの毛管数を呈する。
【0257】
本明細書で使用するとき、「ポリマー加工」は、フィラメント形成組成物から、加工されたフィラメント形成材料を含む繊維要素が形成される、任意の紡糸操作及び/又は紡糸プロセスを意味する。紡糸操作及び/又はプロセスは、スパンボンド、メルトブローン、エレクトロスピニング、回転紡糸、連続フィラメント製造、及び/又はトウ繊維製造操作/プロセスを含んでよい。本明細書で使用されるとき、「処理されたフィラメント形成材料」は、溶融処理作業、及びその後のポリマー処理作業を受け、結果として繊維要素となった、任意のフィラメント形成材料を意味する。
【0258】
毛管数は、この液滴の破断の可能性を特徴付けるために使用される無次元数である。大きい毛管数は、ダイを出る際の流体安定性がより大きいことを示す。毛管数は以下のように定義される。
【0259】
【数1】
Vは、ダイ出口における流体速度であり(時間当たりの長さの単位)、
ηは、ダイの条件における流体粘度(長さ×時間当たりの質量の単位)であり、
σは、流体の表面張力(時間の二乗当たりの質量の単位)である。速度、粘度、及び表面張力が一連の一貫した単位で表されるとき、得られる毛管数は、それ自体の単位を有しないことになる。個別単位は打ち消すことになる。
【0260】
毛管数はダイの出口での状態に対して定義される。流体速度は、ダイの孔を通過する流体の平均速度である。平均速度は、以下のとおり定義される:
【0261】
【数2】
Vol’=体積流量(時間当たりの長さの三乗の単位)であり、
Area=ダイ出口の断面積(長さの二乗の単位)である。
【0262】
ダイの孔が円形の穴である場合、流体速度は、以下のとおり定義することができる:
【0263】
【数3】
Rは、円形の穴の半径(長さの単位)である。
【0264】
流体粘度は、温度に依存し、剪断速度に依存し得る。ずり減粘流体の定義は、剪断速度に対する依存を含む。表面張力は、流体の構成及び流体の温度に依存する。
【0265】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、1つ以上の剥離剤及び/又は潤滑剤を含み得る。好適な剥離剤及び/又は潤滑剤の非限定的な例としては、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、スルホン化脂肪酸エステル、脂肪族アミンアセテート、及び脂肪酸アミド、シリコーン、アミノシリコーン、フルオロポリマー、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0266】
一例では、フィラメント形成組成物は、1つ以上のブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤を含み得る。好適なブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤の非限定例としては、デンプン、加工デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク及び雲母が挙げられる。
【0267】
本発明の活性剤は、繊維要素形成前に及び/若しくは繊維要素形成中にフィラメント形成組成物に添加してもよく、並びに/又は繊維要素形成後に繊維要素に添加してもよい。例えば、本発明に従って繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維壁材料を形成した後に、香料活性剤を繊維要素及び/又は繊維壁材料に適用してもよい。別の例では、本発明に従って繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維壁材料を形成した後に、酵素活性剤を繊維要素及び/又は繊維壁材料に適用してもよい。更に別の例では、本発明に従って繊維要素及び/又は繊維要素を含む繊維壁材料を形成した後に、(繊維要素を作製するための紡糸プロセスを通過するのに好適でなくともよい)1つ以上の粒子を繊維要素及び/又は繊維壁材料に適用してもよい。
【0268】
伸長助剤
一例では、繊維要素は、伸張助剤を含む。伸長助剤の非限定的な例としては、ポリマー、他の伸長助剤、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0269】
1つの例では、伸長助剤は、少なくとも約500,000Daの重量平均分子量を有する。別の例では、伸長助剤の重量平均分子量は、約500,000~約25,000,000、別の例では、約800,000~約22,000,000、更に別の例では、約1,000,000~約20,000,000、別の例では、約2,000,000~約15,000,000である。高分子量の伸長助剤は、伸長融解粘度を増加させ、かつ融解破壊を低減する能力のために、本発明のいくつかの実施例では特に好適である。
【0270】
伸長助剤は、メルトブロープロセスにおいて使用する場合、紡糸プロセス中の繊維の融解破壊及び毛管破壊を明らかに低減するのに有効な量で本発明の組成物に添加され、比較的一貫した直径を有する実質的に連続的な繊維を融解紡糸することができるようにする。繊維要素及び/又は粒子を製造するのに使用されるプロセスにかかわらず、伸長助剤は、使用される場合、1つの例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、約0.001重量%~約10重量%、別の例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、約0.005重量%~約5重量%、更に別の例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、約0.01重量%~約1重量%、別の例では、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、約0.05重量%~約0.5重量%で存在し得る。
【0271】
伸長助剤として使用することができるポリマーの非限定的な例としては、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、キチン、グアーガム、キサンタンガム、アガー、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカントガム、ローカストビーンガム、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0272】
他の伸長助剤の非限定的な例としては、修飾及び非修飾ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシドを含む)、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0273】
繊維壁材料の作製方法
本発明の繊維要素は、任意の好適なプロセスによって作製することができる。繊維要素を作製するための好適なプロセスの非限定的な例は以下に記載される。
【0274】
一例では、図9及び図10に示されるように、本発明による繊維要素32、例えばフィラメントを作製する方法30は、
a.1つ以上のフィラメント形成材料及び任意選択的に1つ以上の活性剤を含むフィラメント形成組成物34を、例えばタンク36から提供する工程と、
b.フィラメント形成組成物34を、例えば紡糸ダイ38を介して、1つ以上のフィラメント形成材料、及び任意選択的に1つ以上の活性剤を含む1つ以上の繊維要素32、例えばフィラメントに紡糸し、繊維要素32を収集装置(図示せず)、例えばパターン化されたベルト上に、繊維壁材料が形成されるように相互に絡み合わせた方法で収集する工程と、を含む。
【0275】
フィラメント形成組成物は、ポンプ42を用いて又は用いずに、タンク36と紡糸ダイ38との間を、好適なパイプ40を介してして輸送され得る。
【0276】
繊維要素32中に存在する1つ以上のフィラメント形成材料の総濃度は、活性剤がその中に存在する場合、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、80重量%未満、及び/又は70重量%未満、及び/又は65重量%未満、及び/又は50重量%以下であってよく、1つ以上の活性剤の総濃度は、繊維要素中に存在する場合、乾燥繊維要素基準及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、20重量%超、及び/又は35重量%超、及び/又は50重量%以上、65重量%以上、及び/又は80重量%以上であり得る。
【0277】
図10に示されように、紡糸ダイ38は、繊維要素形成穴44を出るときにその中を流体(空気など)が通過して、フィラメント形成組成物34の繊維要素32中への細長化を容易にする同心の細長化流体用穴48に囲まれた溶解した毛管46を含む複数の繊維要素形成穴44を含んでもよい。
【0278】
一例では、フィラメント形成組成物34中に存在する任意の揮発性溶媒(水など)は、紡糸工程中に、繊維要素32が形成される際に、乾燥などによって除去される。一例では、フィラメント形成組成物の揮発性溶媒(例えば水)のうち、30重量%超、及び/又は40重量%超、及び/又は50重量%超は、紡糸工程中に、例えば製造する繊維要素を乾燥させることによって除去される。
【0279】
フィラメント形成組成物から製造される繊維要素が、繊維要素中に、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、約5重量%~50重量%以下の総濃度のフィラメント形成材料と、繊維要素中に、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、50重量%~約95重量%の総濃度の活性剤と、を含む限り、フィラメント形成組成物は、任意の好適な総濃度のフィラメント形成材料と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでもよい。
【0280】
一例では、フィラメント形成組成物から製造される繊維要素は、繊維要素及び/又は粒子中に、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、約5重量%~50重量%以下の総濃度のフィラメント形成組成物と、繊維要素及び/又は粒子中に、乾燥繊維要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維壁材料基準で、50重量%~約95重量%の総濃度の活性剤と、を含む限り、フィラメント形成組成物は、任意の好適な総濃度のフィラメント形成材料と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでもよく、活性剤の総濃度に対するフィラメント形成材料の重量比は1以下である。
【0281】
一例では、フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から、約50重量%まで、及び/又は約40重量%まで、及び/又は約30重量%まで、及び/又は約20重量%までのフィラメント形成材料と、フィラメント形成組成物の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から約50重量%まで、及び/又は約40重量%まで、及び/又は約30重量%まで、及び/又は約20重量%までの活性剤と、フィラメント形成組成物の約20重量%から、及び/又は約25重量%から、及び/又は約30重量%から、及び/又は約40重量%から、及び/又は約80重量%まで、及び/又は約70重量%まで、及び/又は約60重量%まで、及び/又は約50重量%までの揮発性溶媒(水など)と、を含む。フィラメント形成組成物は、少量の他の活性剤、例えばフィラメント形成組成物の10重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満の可塑剤、pH調整剤、及び他の活性剤を含んでもよい。
【0282】
フィラメント形成組成物は、任意の好適な紡糸プロセス(メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング及び/又は回転紡績など)によって、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。一例では、フィラメント形成組成物はメルトブローによって複数の繊維要素及び/又は粒子に紡糸される。例えば、フィラメント形成組成物は、タンクからメルトブロー紡糸口金(spinnerette)にポンプ移送され得る。紡糸口金内のフィラメント形成穴のうちの1つ以上を出ると、フィラメント形成組成物は空気によって細径化され、1つ以上の繊維要素及び/又は粒子を形成する。次いで、繊維要素及び/又は粒子を乾燥させて、紡糸のために使用される任意の残留溶媒(例えば、水)を除去してもよい。
【0283】
本発明の繊維要素及び/又は粒子を、ベルト(例えばパターン化されたベルト)上に収集して、繊維要素及び/又は粒子を含む繊維壁材料を形成してもよい。
【0284】
繊維壁材料を作製するための非限定的な例
本発明の繊維壁材料の例は、図9及び図10に示されるように作製され得る。バッチ作業に好適な加圧タンク36に、紡糸に好適なフィラメント形成組成物34を充填する。Parker Hannifin Corporation(Sanford,N.C.,USA)のZenith Pumps部門により製造され、1回転当たり5.0立方センチメートル(cc/rev)の容量を有するZenith(登録商標)PEP IIなどのポンプ42が、フィラメント形成組成物の紡糸用ダイ38への輸送を容易にするために、使用可能である。加圧タンク36から紡糸ダイ38へのフィラメント形成組成物34の流量は、ポンプ42の1分当たりの回転数(rpm)を調節することによって制御され得る。パイプ40は、加圧タンク36、ポンプ42、及び紡糸ダイ38を接続させるために使用される。
【0285】
図10に示される紡糸ダイ38は、約1.524ミリメートル(約0.060インチ)のピッチPだけ互いに離間された円形押し出しノズル(繊維要素形成穴44)のいくつかの列を有する。ノズルは、約0.305ミリメートル(約0.012インチ)の個々の内径、及び約0.813ミリメートル(約0.032インチ)の個々の外径を有する。各個々のノズルは、細径化空気を各個々の溶解した毛管46に供給するために、環状かつ末広のフレア状オリフィス(同心の細長化流体用穴48)によって囲まれている。ノズルを通して押し出されているフィラメント形成組成物34は、オリフィスを通して供給されるほぼ円筒形の湿った空気の流れにより囲まれ細径化される。
【0286】
減衰空気は、供給源からの圧縮空気を電気抵抗ヒータ、例えば、Chromalox,Division of Emerson Electric(Pittsburgh,Pa.,USA)によって製造されたヒータによって加熱することによって提供され得る。電気的に加熱され、サーモスタットで制御された送出パイプ中の条件において、加熱された空気を飽和又はほとんど飽和させるために、適切な量の蒸気を添加した。凝縮水を、電気的に加熱されサーモスタット制御される分離器中で除去した。
【0287】
初期繊維要素は、乾燥空気流によって乾燥されるが、この乾燥空気流は、電気抵抗加熱器(図示せず)により約149℃(約300°F)~約315℃(約600°F)の温度を有し、乾燥ノズルを通して供給され、回転される非熱可塑性胚性繊維要素の概略的な向きに対して約90°の角度で放出される。乾燥した初期繊維要素は、収集装置(例えば、小孔のある可動ベルト又はパターン化された収集ベルトなど)上で収集される。形成域の真下に真空源を追加して、繊維要素の収集を補助するために使用してもよい。繊維要素の紡糸及び収集は、絡み合った繊維要素、例えばフィラメントを含む繊維構造体を製造する。この繊維構造体は、本発明のパウチのためのパウチ壁材料として使用され得る。
【0288】
パウチを作製する方法
本発明のパウチは、本発明の繊維壁材料、例えば水溶性繊維壁材料が、パウチの少なくとも一部を形成するために使用される限り、当該技術分野において既知の任意の好適なプロセスによって作製され得る。
【0289】
一例では、本発明のパウチは、当該技術分野において既知の任意の好適な機器及び方法を使用して作製されてもよい。例えば、単一区画パウチは、当該技術分野において一般的に既知の垂直及び/又は水平の形態の充填技術によって作製されてもよい。水溶性パウチを作製するための好適なプロセスの非限定的な例は、フィルム壁材料ではあるが、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第1504994号、同第2258820号、及び国際公開第02/40351号(全てThe Procter&Gamble Companyに譲渡)に記載されている。
【0290】
別の例では、本発明のパウチを調製するためのプロセスは、一連の成形型内の繊維壁材料からパウチを成形する工程を含んでもよく、成形型は、連結するように位置付けられる。成形することによって、典型的には、繊維壁材料が成形型の上及び中に置かれることを意味し、例えば、繊維壁材料は、繊維壁材料が成形型の内壁とぴったり重なるように、成形型内に真空引きされてもよいことを意味する。これは一般的に真空成形として知られている。別の方法は、成形型の形状に合わせるように繊維壁材料を熱成形することである。
【0291】
熱成形は、典型的には、熱の適用下で成形型内に開放パウチを形成する工程を伴い、繊維壁材料を使用してパウチを成形型の形状にすることを可能にする。
【0292】
真空成形は、成形型に(部分的)真空(減圧)を適用する工程を伴い、典型的には、繊維壁材料を成形型内に引き入れて、繊維壁材料が成形型の形状を取ることを確実にする。パウチ形成プロセスはまた、最初に繊維壁材料を加熱し、次いで減圧(例えば、(部分)真空)を適用することによって行われてもよい。
【0293】
繊維壁材料は、典型的には、任意の封止手段によって封止される。例えば、熱密封、湿式密封、又は圧力密封による。一例では、密封源を繊維壁材料に接触させ、熱又は圧力を繊維壁材料に適用し、繊維壁材料を封止する。密封源は、例えば金属、プラスチック、又は木製の物体などの固体の物体であってもよい。密封プロセス中に繊維壁材料に熱が加えられる場合、この密封源は、典型的には、約40℃~約200℃の温度に加熱される。密封プロセス中に繊維壁材料に圧力が加えられる場合、この密封源は、典型的には、約1×10Nm-2~約1×10Nm-2の圧力を繊維壁材料に適用する。
【0294】
別の例では、同じ繊維壁材料片を折り畳み、密封してパウチを形成してもよい。典型的には、2片以上の繊維壁材料料がプロセスに使用される。例えば、第1の繊維壁材料片を、繊維壁材料が成形型の内壁とぴったり重なるように、成形型内に真空引きしてもよい。第2の繊維壁材料片を、第1の繊維壁材料片と少なくとも部分的に及び/又は完全に重なり合うように配置してもよい。第1の繊維壁材料片及び第2の繊維壁材料片は、共に封止される。第1の繊維壁材料片及び第2の繊維壁材料片は、同じであっても異なっていてもよい。
【0295】
本発明のパウチを作製する別の例では、第1の繊維壁材料片を、繊維壁材料が成形型の内壁とぴったり重なるように、成形型内に真空引きしてもよい。1種以上の活性剤及び/又は洗剤組成物などの組成物を、成形型中の開放パウチに、例えば内部に注いで加えてよく、第2の繊維壁材料片を活性剤及び/又は洗剤組成物の上部に、第1の繊維壁材料片と接触して配置してよく、第1の繊維壁材料片及び第2の繊維壁材料片を共に封止して、典型的には、その内部容積と、その内部容積内の活性剤及び/又は洗剤組成物を少なくとも部分的に包み込む及び/又は完全に包み込むような方法で、パウチを形成する。
【0296】
他の実施例では、パウチ作製プロセスを、1つ以上の区画(典型的に多区画パウチとして知られている)に分割された内容積を有するパウチを作製するために使用してもよい。多区画パウチのプロセスでは、繊維壁材料を少なくとも2回折り畳み、又は少なくとも3片のパウチ壁材料(少なくとも1つは、繊維性パウチ壁材料、例えば、水溶性繊維性パウチ壁材料である)を使用し、又は少なくとも2片のパウチ壁材料(少なくとも1つは、繊維性パウチ壁材料、例えば、水溶性繊維性パウチ壁材料である)を使用し、このとき、少なくとも1片のパウチ壁材料が少なくとも1回折り畳まれる。存在する場合第3のパウチ壁材料片、又は存在する場合パウチ壁材料の折り畳まれた片は、パウチが封止されると、かかるパウチの内部容積を少なくとも2つの区画に分割するバリア層を形成する。
【0297】
別の例では、多区画パウチを作製するためのプロセスは、第1の繊維壁材料片を一連の成形型に適合させる工程を含み、例えば、第1の繊維壁材料片は、パウチ壁材料が成形型の内壁とぴったり重なるように、成形型内に真空引きされてもよい。活性剤は、典型的には、成形型内の第1の繊維壁材料片によって形成された開放パウチ内に注がれる。次いで、パウチ壁材料で作製された予め封止された区画を、組成物を収容する成形型上に配置することができる。これらの予め封止された区画及び該第1の繊維壁材料片を一緒に封止して、多区画パウチ、例えば、二区画パウチを形成してもよい。
【0298】
本発明のプロセスから得られるパウチは、水溶性である。パウチは、典型的には、本明細書に記載の繊維壁材料から作製され、典型的には、活性剤及び/又は洗剤組成物を含み得る内部容積を封入する。繊維壁材料は、例えば、パウチと水との接触前にパウチから活性剤を放出させることなく、活性剤を保持するのに好適である。パウチの正確な実行は、例えば、パウチ内の活性剤の種類及び量、パウチ内の区画の数、活性剤を保持、保護、及び送達又は放出するためにパウチから必要とされる特性に依存する。
【0299】
多区画パウチにおいて、異なる区画内に含有される活性剤及び/又は組成物は、同一であっても又は異なってもよい。例えば、不相溶性の(2つ以上の)成分が、異なる区画内に含有されていてもよい。
【0300】
本発明のパウチは、必要とされる操作、例えば1回の洗浄に好適な本明細書の活性剤の単位用量、又は、消費者が、例えば洗濯する量及び/若しくは汚れの程度に応じた使用量の変更を、より柔軟にできるような部分量のみのいずれかを収容するのに便利な大きさであってよい。パウチの形状及びサイズは、典型的に成形型の形状及びサイズによって、少なくともある程度、決定される。
【0301】
本発明の多区画パウチは、更に外側パッケージ内に包装されていてもよい。そのような外側パッケージは、例えば、透明又は半透明の袋、タブ、カートン、又はボトルなどの透視できる又は部分的に透視できる容器であってもよい。このパックは、輸送の間にパウチを保護するのに十分な強度を有する材料であるならば、プラスチック又は任意の他の好適な材料から作製できる。この種のパックはまた、パッケージ内にどれだけのパウチが残っているかを見るために、ユーザーがパックを開ける必要がないため、非常に有用である。あるいは、パッケージは透視できない外側パッケージ、パッケージの視覚的に内容物の特色を表すしるし又は図柄などを備える外側パッケージを有することもできる。
【0302】
パウチ作製法の非限定的な例
本発明のパウチの例は、以下のように作製可能である。2層の繊維壁材料を、作製しようとするパウチサイズの少なくとも2倍のサイズに切断する。例えば、完成したパウチサイズが約2インチ×2インチの平面設置面積を有する場合、パウチ壁材料は5インチ×5インチに切断される。次に、インパルスシーラーの発熱体(Impulse SealerモデルTISH-300(TEW Electric Heating Equipment CO.,LTD,7F,No.140,Sec.2,Nan Kang Road,Taipei,Taiwan))の上に両方の層を重ねる。発熱体上のレイヤーの位置は、側面の密閉部の継目ができる場所になるようにする。シーラーアームを1秒間閉じ、2つのシーラーを合わせて密封する。類似の方法で、更に2つの側面を密封し、側面の密閉された継目を2つ追加作製する。3つの側面が封止された状態で、2つのパウチ壁材料はポケットを形成する。次に、適切な量の粉末をポケットに加え、その後、最後の側面を密封して、最後の側面が密閉された継目を作製する。こうして、パウチは作製される。厚さ0.2mm未満のほとんどの繊維壁材料には、加熱ダイアル設定4、及び加熱時間1秒が使用される。繊維壁材料に応じて、加熱温度及び加熱時間は、望ましいシームを実現するように調整されなければならない場合がある。温度が低すぎる場合、又は加熱時間が十分に長くない場合、繊維壁材料は十分に溶融しない場合があり、2つの層は容易に離れる。温度が高すぎる場合、又は加熱時間が長すぎる場合、封止された縁部に針穴が形成され得る。封止機器の条件を、層が溶融して継目を形成するが、継目の縁部に針穴などのネガティブなものを導入しないように、封止機器の条件を調整する必要がある。継ぎ合わされたパウチが形成されたら、鋏を使用して余分な材料を落とし、継ぎ合わされたパウチの外側に1~2mmの縁部を残す。
【0303】
使用方法
1つ以上の活性剤、例えば、本発明による1つ以上の布地ケア活性剤を含む本発明のパウチは、布地物品を処理する方法で利用され得る。布地物品の処理方法は、以下からなる群から選択される1種又は複数の工程を含み得る:(a)布地物品を洗浄する前に布地物品を前処理する工程、(b)パウチと水とを接触させることによって形成される洗浄液と布地物品を接触させる工程、(c)乾燥機中で、布地物品とパウチとを接触させる工程、(d)乾燥機中で、パウチの存在下で布地物品を乾燥させる工程、及び(e)これらの組み合わせ。
【0304】
いくつかの実施形態では、本方法は、前処理される布地物品に接触させる前に、パウチを事前に濡らす工程を更に含んでよい。例えば、パウチを水で予め湿らせ、次いで、前処理される、染みを含む布地物品の一部分に付着させてもよい。あるいは、布地物品を湿らせ、パウチをその布地物品上に置くか又はその布地物品に付着させてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、布地物品を処理する際に使用するためのパウチの一部分のみを選択する工程を更に含み得る。例えば、1つの布地ケア物品のみを処理する場合、パウチの一部分を切断し、及び/又は引き裂いて、布地物品上に置くか又はその布地物品に付着させてよく、あるいは水中に入れて比較的少量の洗浄液を形成し、次いで、この洗浄液を使用して布地物品を前処理してもよい。この方法では、使用者は、当面の課題に従って布地処理方法をカスタマイズしてよい。いくつかの実施形態では、パウチの少なくとも一部分は、処理すべき布地物品に装置を使用して適用され得る。代表的な装置には、ブラシ、スポンジ及びテープが挙げられるが、これらに限定されない。更に他の実施形態では、パウチは、布地物品の表面に直接適用してもよい。いずれか1つ以上の前述の工程は、布地物品に対して所望の布地処置効果を達成するために繰り返されてもよい。
【0305】
試験方法
特に指定がない限り、定義の節で記載されたものを含む本明細書に記載の全ての試験及び以下の試験方法は、試験前最低2時間、23℃±1.0℃の温度及び50%±2%の相対湿度に調整された部屋で調整された試料に対して行われる。試験したサンプルは、「使用可能ユニット」である。本明細書で使用されるとき、「使用可能ユニット」は、シート、ロール材からのフラット、予め変換されたフラット、シート、及び/又は単プライ製品若しくは多プライ製品を意味する。全ての試験は、同一環境条件下及びこのように調整した室内で実施する。しわ、破れ、穴等の欠陥を有するサンプルは試験しない。本明細書に記載のとおりに調整されたサンプルは、試験目的に関し、乾燥サンプル(例えば「乾燥フィラメント」)であるとみなされる。全ての計器は、製造業者の仕様書に従って較正する。
【0306】
坪量試験法
±0.001gの感度限界の上皿化学天秤を使用して、12個の使用可能なユニットを積み重ねて繊維壁材料及び/又は開口フィルム壁材料の坪量を測定する。風防を使用して、天秤を気流及び他の外乱から保護する。3.500インチ±0.0035インチ×3.500インチ±0.0035インチと測定された精密切断ダイを使用して、全ての試料を調製する。
【0307】
精密切断用金型を用いて、試料を正方形に切断する。切断した正方形をまとめて、試料12個の厚さに積み重ねる。積み重ねた試料の質量を測定し、結果を0.001g単位で記録する。
【0308】
以下のように、lbs/3000ft又はg/mで坪量を計算する。
坪量=(積み重ねた試料の質量)/[(積み重ねた試料内の正方形1個の面積)×(積み重ねた試料内の正方形の数)]
例えば、
坪量(lbs/3000ft)=[[積み重ねた試料の質量(g)/453.6(g/lbs)]/[12.25(in)/144(in/ft)×12]]×3000
又は、
坪量(g/m)=積み重ねた試料の質量(g)/[79.032(cm)/10,000(cm/m)×12]
結果を0.1lbs/3000ft又は0.1g/m単位で報告する。積み重ねた試料の面積が少なくとも100平方インチになるように、上述のものと同様の精密カッターを使用して試料寸法を変更又は様々に変えてもよい。
【0309】
含水率試験法
繊維要素、及び/又は粒子、及び/又は繊維壁座量、及び/又は開口フィルム壁材料、及び/又はパウチ中に存在する含水(水分)率を、以下の含水率試験方法を使用して測定する。事前に切断されたシートの形態である繊維要素、及び/若しくは粒子、及び/若しくは繊維壁材料、あるいはそれらの一部、並びに/又はパウチ(「試料」)を、23℃±1.0℃の温度、及び50%±2%の相対湿度に調整された部屋に試験前の少なくとも24時間置く。それぞれの繊維壁材料試料及び/又はパウチは、少なくとも4平方インチの面積を有するが、天秤の計量皿上に適切に適合するのに十分小さい寸法である。上述の温度及び湿度の条件下で、少なくとも小数第4位まで測定できる天秤を用いて、サンプルの重量を、10分の間に前の(測定した)重量からの変化が0.5%未満になるまで、5分ごとに記録する。最終重量を、「平衡重量」として記録する。10分以内に、乾燥させるために、温度70℃±2℃、相対湿度4%±2%で24時間、サンプルを強制空気オーブン内のホイル上に置く。24時間の乾燥後、試料を取り除き、15秒以内にその重量を測定する。この重量は、試料の「乾燥重量」と呼ばれる。
【0310】
試料の含水(水分)率を以下のように計算する。
【0311】
【数4】
【0312】
3つの複製物についてのサンプル中の含水(水分)%を平均して、サンプル中の含水(水分)%として報告する。結果は、小数点第1位(0.1%)まで報告する。
【0313】
破壊試験方法
装置及び材料:
図11図13を参照:
2000mLガラスビーカー50(高さ約7.5インチ×直径5.5インチ)
電磁撹拌器用皿52(Labline,Melrose Park,IL,Model No.1250又は同等物)
電磁撹拌機用撹拌棒54(長さ2インチ×直径3/8インチ、テフロンコーティング) 温度計(1~100℃+/-1℃)
1.25インチペーパーバインダークリップ
アリゲータークランプ(長さ約1インチ)56
深さ調節ロッド58及び底部62を有するホルダ60
タイマー(少なくとも0.1秒単位の精度)
脱イオン水(23℃±1℃で平衡化)
【0314】
サンプルの調製:
試験に先立って、パウチ試料を23±1℃及び50%±2%の相対湿度で少なくとも24時間平衡状態にする。破壊試験も、この温度及び相対湿度の条件で実施される。
【0315】
機器設定:
図11図13に示されるように、2000mLガラスビーカー50を、1600±5mLの脱イオン水で満たし、電磁撹拌器用皿52の頂部に置く。電磁撹拌器用撹拌棒54を、ビーカー50の底部に置く。撹拌速度を調整して、安定した渦流を起こして、ビーカー50の中央で渦の底部が1200mLのマークにくるようする。
【0316】
試験対象の特定のパウチに対して、深さ調節ロッドが適切に設定されることを確実にするために、試験行程が必要であり得る。パウチ64は、その端がペーパーバインダークリップの留め金中に固定されていて、留め金は2つのワイヤハンドルのうちの1つのアリゲータークランプ56上に掛けられている。アリゲータークランプ56は、深さ調節ロッド58の末端に強く固定される。深さ調節ロッド58は、ペーパーバインダークリップが水中へ下げられるときに、パウチ64の全体がビーカー50の中央で水中に完全に沈み、パウチ64の頂部は渦の底部にあり、パウチ64の底部が撹拌棒54に直接接触しないような、方法で設置される。異なるパウチ試料は異なる寸法であるため、深さ調節ロッド58は、各種のパウチ試料用に調節する必要があるかもしれない。
【0317】
試験プロトコル:
ペーパーバインダークリップに取り付けられたパウチ64は、1つの動きで水中に落とされ、タイマーは直ちに開始される。パウチ64を、注意深く目視で監視する。破壊時間は、パウチが最初に壊れて(バラバラになって)、その内容物(粉末など)を水中へ放出するときと定義され、これはパウチが破壊されることを意味している。
【0318】
明確にするために、パウチの壁材料上に存在するコーティングの溶解は、パウチの内容物がパウチから放出されても、「壊れる」条件を満たさない。そのような場合、パウチ壁材料が壊れるかどうかを判定するために、視覚的に綿密に監視し続ける。パウチ壁材料が非水溶性である場合、デフォルトでは、パウチは破壊時間を有さず、したがって破壊しない。
【0319】
パウチは、水と接触した直後に壊れる場合、瞬間的な平均破壊時間を有すると言われる。
【0320】
それぞれの試料の3つの複製を測定し、平均破壊時間を+/-0.1秒以内に報告する。
【0321】
引張試験方法
装置及び材料:
ボックスカッター又はカッターナイフ
はさみ
1インチ精密ダイカッター(Thwing-Albert Instrument Company製モデル番号JDC25、14 W Collings Ave,West Berlin,NJ 08091)又は同等物
【0322】
試料の調製:
ボックスカッターを使用して、パウチの角を、パウチの端に沿って切り開く。パウチの内容物の大部分を、はさみを使用して空にした後、パウチ壁材料の試料をパウチ縁部に沿って切り出す。次いで、パウチ壁材料をそっと拭き取り、任意の残留物を除去する。試料調製工程中に、伸張、スクラッチ、ピンチ、穿刺などの、パウチ壁材料へのいかなる損傷も回避される。パウチから壁材料を分離させた結果、パウチ壁材料が損傷している場合(すなわち、断裂、伸張、切断、穿刺など)、試料は廃棄され、別の損傷していないものが調製される。
【0323】
パウチ壁材料の引張特性は、その製造配向、すなわち機械方向(MD)及び横断方向(CD)に対して、適用される変形の方向に依存し得る。機械方向(MD)、機械横方向(CD)が明確でない場合、パウチの一端と平行なより長い方の軸方向がMDであると考えられ、直行する方向がCDであると考えられる。あるいは、空のパウチがほぼ正方形である場合、パウチの一端と平行な軸方向がMDであると考え、直行する方向がCDであると考えるものと再びみなす。
【0324】
パウチ壁試料を、正確なダイカッターを使用して、25.4mm(1インチ)×12.7mm(0.5インチ)のサイズに切断する。試験に先立って、試料を20±1℃及び40%±2%の相対湿度で少なくとも24時間平衡状態にする。ASTM D882-02に従って、温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%において、以下の例外及び/又は以下の条件に沿って、引張試験を実施する。
【0325】
試験プロトコル:
典型的なパウチのサイズによって、初期ゲージ長は6.35mm(0.25インチ)となるように選択され、ゲージ幅は25.4mm(1インチ)となる。引張強度及び破断点伸びは、Bluehill(登録商標)Materials Testingソフトウェアバージョン2.18を装備したInstron Tension試験機Model 5569(Instron Corporation(825 University Ave,Norwood,MA 02062)製)など、コンピュータインターフェースを備えた定速伸張引張試験機を使用して測定される。試験速度を500mm/分に設定する。上部の可動式空気圧つかみ具及び下部の固定式空気圧つかみ具の双方に、高さ25.4mm及び試験標本の幅よりも広い平滑ステンレス鋼張りのグリップを装着する。約60psiの空気圧をつかみ具に供給する。好適なロードセルは、計算された引張強度が+/-0.01kN/m単位の精度であるように選択される。
【0326】
引張強度は、最大ピーク力(g)を試料幅(m)で除算したものと定義され、+/-0.01kN/m単位でkN/mとして報告される。
【0327】
破断点伸びは、力が最大値の10%まで低下したときの延伸を、初期のゲージ長さに100を掛けた値で除算したものと定義し、±0.1%単位で%として報告される。
【0328】
MD及びCDに沿ったそれぞれの試料の3つの複製を試験する。
【0329】
計算:
幾何平均引張強度=[MD引張強度(kN/m)×CD引張強度(kN/m)]の平方根
幾何平均破断点伸び=[MD破断点伸び(%)×CD破断点伸び(%)]の平方根
【0330】
振盪試験方法
装置及び材料:
850マイクロメートルの篩(直径8インチ)
篩の下に適合する固体パン(直径8インチ)
Lab-Line Orbit Environ Shaker Model No. 3528(Lab-Line Instrument Inc.(Melrose Park,IL 60160)製)又は同等物
天秤(0.0001g単位まで正確に測れること)
【0331】
試料の調製:
試験に先立って、パウチ試料を20±1℃及び40%±2%の相対湿度で少なくとも24時間平衡状態にする。振盪試験は、これと同じ温度及び同じ相対湿度の条件で実施される。
【0332】
試験プロトコル:
振盪試験を実施する前に、パウチの質量を+/-0.1mg以内に測定する。パウチ試料を固体パン上に置いた篩の中央に置く。ふるい、平鍋とも、振盪皿の上に置く。振盪速度を150~170rpm、10分間に設定する。パウチの質量は、振盪試験後、+/-0.1mg以内に再び測定される。
【0333】
それぞれの試料の3つの複製品について試験する。重量喪失率は、振盪前及び振盪後のパウチの質量に基づいて計算され、+/-0.1%単位で報告される。
【0334】
中央粒径試験方法
平均粒径を求めるためには、この試験法を使用しなければならない。
【0335】
1989年5月26日に承認されたASTM D 502-89、「Standard Test Method for Particle Size of Soaps and Other Detergents」を分析に用いられる篩のサイズについての更なる規格と共に用いて、シード物質の中央粒径を測定するために中央粒径試験を実施する。第7項の「Procedure using machine-sieving method」に従って、米国標準(ASTM E11)篩♯8(2360um)、♯12(1700um)、♯16(1180um)、♯20(850um)、♯30(600um)、♯40(425um)、♯50(300um)、♯70(212um)、♯100(150um)を含む、入れ子状の清浄な乾燥した篩が必要である。規定された機械篩い法が、上記の入れ子状の篩と共に使用される。シード物質をサンプルとして用いる。好適な篩振盪機は、W.S.Tyler Company(Mentor,Ohio,U.S.A.)から入手することができる。
【0336】
各篩のマイクロメートルサイズの開口部を対数横軸に対してプロットし、累積質量パーセント(Q)を線形縦軸に対してプロットする片対数プロット上に、データをプロットする。上記データ表現の例は、ISO 9276-1:1998、「Representation of results of particle size analysis-Part 1:Graphical Representation」の図A.4に記載されている。この発明の目的のために、シード物質の中央粒径(D50)は、累積質量パーセントが50パーセントに等しい点における横座標値として定義され、以下の等式を使用する50%値の真上(a50)及び真下(b50)のデータ点間の直線補間によって計算される:
50=10^[Log(Da50)-(Log(Da50)-Log(Db50))(Qa50-50%)/(Qa50-Qb50)] (式中、Qa50及びQb50は、それぞれ50パーセンタイル値の真上及び真下のデータの累積質量パーセンタイル値であり、Da50及びDb50は、これらデータに対応するμmの篩サイズ値である)。
【0337】
50パーセンタイル値が最も細かい篩サイズ(150um)よりも小さいか又は最も粗い篩サイズ(2360um)よりも大きい場合、中央値が2つの測定された篩サイズ間に入るまで、1.5以下の等比級数に従って入れ子に追加の篩を加える必要がある。
【0338】
シード物質の分布スパンとは、中央値の前後のシードサイズ分布の全幅の尺度である。これは、以下に従って計算される:
スパン=(D84/D50+D50/D16)/2 式中、D50は中央粒径であり、D84及びD16は、それぞれ、累積質量パーセントのプロット上の16パーセンタイル値及び84パーセンタイル値における粒径である。
【0339】
16値が、最も細かい篩サイズ(150um)よりも小さい場合、スパンは以下に従って計算する。
Span=(D84/D50)。
【0340】
84値が、最も粗い篩サイズ(2360um)よりも大きい場合、スパンは以下に従って計算する。
Span=(D50/D16)。
【0341】
16値が最も細かい篩サイズ(150um)よりも小さく、かつD84値が最も粗い篩サイズ(2360um)よりも大きい場合、分布スパンは最大値5.7とする。
【0342】
直径試験法
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)又は光学顕微鏡、及び画像解析ソフトウェアを使用して、離散繊維要素又は繊維壁材料内の繊維要素の直径を求める。繊維要素を測定のために適切に拡大するように、200~10,000倍の倍率を選択する。SEMを使用する場合には、電子ビーム中での繊維要素の帯電及び振動を避けるために、試料に金又はパラジウム化合物をスパッタリングする。SEM又は光学顕微鏡を用いて得られた画像(モニタースクリーン上)から繊維要素の直径を測定するにはマニュアルの手順を用いる。マウス及びカーソルツールを使用して、ランダムに選択された繊維要素の縁部を探し、その後、その幅(すなわち、その点における繊維要素の方向に対して垂直な)にわたって繊維要素の他方の縁部まで測定する。目盛り付きの較正された画像解析ツールにより、μm単位で実際の読取値を取得するための目盛りが提供される。繊維壁材料内の繊維要素については、SEM又は光学顕微鏡を使用して、繊維壁材料の試料全体からいくつかの繊維要素を無作為に選択する。繊維壁材料の少なくとも2つの部分を切り取り、この方法で試験する。統計解析のために、このような測定を全部で少なくとも100回実施し、次いで、全てのデータを記録する。記録したデータを用いて、繊維要素の直径の平均値(平均)、繊維要素の直径の標準偏差、及び繊維要素の直径の中央値を計算する。
【0343】
別の有用な統計は、特定の上限よりも小さい繊維要素集団の量の算出である。この統計値を決定するために、繊維要素の直径の結果のうち上限よりも小さいものの個数をカウントするようにソフトウェアをプログラムし、そのカウント(データの合計数で除し、100%を掛ける)を、上限よりも小さいパーセント(例えば直径が1マイクロメートル未満のパーセント又はサブミクロン%)として、パーセントで記録する。本発明者らは、個々の円形繊維要素に関し測定された直径(μm)をdiとして表す。
【0344】
繊維要素が非円形断面を有する場合、繊維要素の直径の測定値は、水力直径として求められ、水力直径と等しいものと設定される。水力直径とは繊維要素の断面積を4倍して、繊維要素の断面の周囲長さ(中空の繊維要素の場合は外周囲長さ)で除したものである。数-平均直径、あるいは平均直径は、以下のとおりに計算する:
【0345】
【数5】
【0346】
引張試験方法
装置及び材料:
ボックスカッター又はカッターナイフ
はさみ
1インチ精密ダイカッター(Thwing-Albert Instrument Company製モデル番号JDC25、14 W Collings Ave,West Berlin,NJ 08091)又は同等物
【0347】
試料の調製:
ボックスカッターを使用して、パウチの角を、パウチの端に沿って切り開く。パウチの内容物の大部分を、はさみを使用して空にした後、フィルム壁材料の試料をパウチ縁部に沿って切り出す。次いで、フィルム壁材料を穏やかに拭き取って、任意の残留物を除去する。試料調製工程中に、延伸、かき取り、ピンチ、穿刺などの、フィルム壁材料へのいかなる損傷も回避される。パウチから壁材料を分離させた結果、フィルム壁材料が損傷している場合(すなわち、断裂、伸張、切断、穿刺など)、試料は廃棄され、別の損傷していないものが調製される。
【0348】
フィルム壁材料の引張特性は、その製造配向、すなわち機械方向(MD)及び横断方向(CD)に対して、適用される変形の方向に依存し得る。機械方向(MD)、機械横方向(CD)が明確でない場合、パウチの一端と平行なより長い方の軸方向がMDであると考えられ、直行する方向がCDであると考えられる。あるいは、空のパウチがほぼ正方形である場合、パウチの一端と平行な軸方向がMDであると考え、直行する方向がCDであると考えるものと再びみなす。
【0349】
パウチ壁試料を、正確なダイカッターを使用して、25.4mm(1インチ)×12.7mm(0.5インチ)のサイズに切断する。試験に先立って、試料を23±1℃及び50%±2%の相対湿度で少なくとも24時間平衡状態にする。ASTM D882-02に従って、温度23℃±1℃、相対湿度50%±2%において、以下の例外及び/又は以下の条件に沿って、引張試験を実施する。
【0350】
試験プロトコル:
典型的なパウチのサイズによって、初期ゲージ長は6.35mm(0.25インチ)となるように選択され、ゲージ幅は25.4mm(1インチ)となる。引張強度及び破断点伸びは、Bluehill(登録商標)Materials Testingソフトウェアバージョン2.18を装備したInstron Tension試験機Model 5569(Instron Corporation(825 University Ave,Norwood,MA 02062)製)など、コンピュータインターフェースを備えた定速伸張引張試験機を使用して測定される。試験速度を500mm/分に設定する。上部の可動式空気圧つかみ具及び下部の固定式空気圧つかみ具の双方に、高さ25.4mm及び試験標本の幅よりも広い平滑ステンレス鋼張りのグリップを装着する。約60psiの空気圧をつかみ具に供給する。好適なロードセルは、計算された引張強度が+/-0.01kN/m単位の精度であるように選択される。
【0351】
引張強度は、最大ピーク力(g)を試料幅(m)で除算したものと定義され、+/-0.01kN/m単位でkN/mとして報告される。
【0352】
破断点伸びは、力が最大値の10%まで低下したときの延伸を、初期のゲージ長さに100を掛けた値で除算したものと定義し、±0.1%単位で%として報告される。
【0353】
MD及びCDに沿ったそれぞれの試料の3つの複製を試験する。
【0354】
計算:
幾何平均引張強度=[MD引張強度(kN/m)×CD引張強度(kN/m)]の平方根
幾何平均破断点伸び=[MD破断点伸び(%)×CD破断点伸び(%)]の平方根
【0355】
振盪試験方法
装置及び材料:
850マイクロメートルの篩(直径8インチ)
篩の下に適合する固体パン(直径8インチ)
Lab-Line Orbit Environ Shaker Model No.3528(Lab-Line Instrument Inc.(Melrose Park,IL 60160)製)又は同等物
天秤(0.0001g単位まで正確に測れること)
【0356】
試料の調製:
試験に先立って、パウチ試料を23±1℃及び50%±2%の相対湿度で少なくとも24時間平衡状態にする。振盪試験は、これと同じ温度及び同じ相対湿度の条件で実施される。
【0357】
試験プロトコル:
振盪試験を実施する前に、パウチの質量を+/-0.1mg以内に測定する。パウチ試料を固体パン上に置いた篩の中央に置く。ふるい、平鍋とも、振盪皿の上に置く。振盪速度を150~170rpm、10分間に設定する。パウチの質量は、振盪試験後、+/-0.1mg以内に再び測定される。
【0358】
それぞれの試料の3つの複製品について試験する。重量喪失率は、振盪前及び振盪後のパウチの質量に基づいて計算され、+/-0.1%単位で報告される。
【0359】
厚さ試験法
それぞれの切断された試料がVIR Electronic Thickness Tester Model II(Thwing-Albert Instrument Company(Philadelphia,PA)から入手可能)のロードフット搭載面よりも大きなサイズになるように、繊維壁材料試料から5つの試料を切り取ることによって、繊維壁材料の厚さを測定する。典型的に、ロードフット搭載面は、約3.14平方インチの円形表面積を有する。試料を水平な平面とロードフット搭載面との間に固定する。ロードフット搭載面は、15.5g/cmの拘束圧を試料に印加する。各試料の厚みは、平面とロードフット搭載面との間に生じるギャップである。厚みは、5つの試料の平均の厚みとして計算される。結果をミリメートル(mm)で報告する。
【0360】
剪断粘度試験方法
本発明のフィラメント形成組成物の剪断粘度は、毛管レオメーターである、Goettfert USA(Rock Hill SC,USA)で製造されたGoettfert Rheograph6000を使用して測定する。測定は、1.0mmの直径D及び30mmの長さL(すなわちL/D=30)を有する毛管ダイを使用して行う。ダイをレオメーターの20mmバレルの下端に取り付け、これを75℃のダイ試験温度で保持する。ダイ試験温度に予め熱しておいたフィラメント形成組成物の60gの試料を、レオメーターのバレル領域にロードする。試料から、閉じ込められた空気を全て取り除く。一連の選択された速度1,000~10,000秒-1で、試料をバレルから毛管ダイを通して押し出す。見かけの剪断粘度は、試料がバレルから毛管ダイを通って進むときに試料に生じる圧力低下及び毛管ダイを通る試料の流量から、レオメーターのソフトウェアを用いて計算することができる。log(見かけの剪断粘度)をlog(剪断速度)に対してプロットすることができ、このプロットを式η=Kγn-1(式中、Kは材料の粘度定数であり、nは材料の薄化指数であり、γは剪断速度である)に従って、指数法則でフィッティングすることができる。本明細書におけるフィラメント形成組成物の見かけの剪断粘度の報告値は、指数法則関係を用いて剪断速度3,000秒-1に対する補間から計算される。
【0361】
重量平均分子量
材料(例えば、ポリマー)の重量平均分子量(Mw)は、混床式カラムを使用してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められる。以下の構成要素:Millenium(登録商標)、Model 600Eポンプ、システムコントローラ及びコントローラソフトウェアバージョン3.2、Model 717 Plusオートサンプラ、並びにCHM-009246カラムヒータ(全てWaters Corporation(Milford,MA,USA)製)を有する高性能液体クロマトグラフ(HPLC)を使用する。カラムは、長さ600mm及び内径7.5mmのPLゲル20μm混合Aカラム(ゲル分子量:1,000g/モル~40,000,000g/モル)であり、ガードカラムは、長さ50mm、ID7.5mmのPLゲル20μmである。カラムの温度は55℃であり、注入量は200μLである。検出器は、Wyatt Technology(Santa Barbara,CA,USA)製のAstra(登録商標)ソフトウェア、バージョン4.73.04検出器ソフトウェア、K5セル及び690nmレーザーを有するレーザー光散乱検出器を含む、DAWN(登録商標)(登録商標)Enhanced Optical System(EOS)である。奇数が振られた検出器のゲインを、101に設定する。偶数が振られた検出器のゲインを、20.9に設定する。Wyatt TechnologyのOptilab(登録商標)示差屈折率計を、50℃に設定する。ゲインを10に設定する。移動相は、0.1%w/vのLiBrを含むHPLC等級のジメチルスルホキシドであり、移動相の流量は、1mL/分、定組成である。実行時間は、30分間である。
【0362】
名目上移動相1mL当たり材料3mgで材料を移動相に溶解させることによって、サンプルを調製する。サンプルに蓋をし、次いで、磁気攪拌器を使用して約5分間攪拌する。次いで、サンプルを85℃の対流式オーブン内に60分間入れる。次いで、サンプルを室温まで放冷する。次いで、サンプルを、5mLのシリンジを介して、5μmのナイロン膜(タイプ:Spartan-25、Schleicher&Schuell(Keene,NH,USA)製)で濾過して5ミリリットル(mL)のオートサンプラバイアルに入れる。
【0363】
各一連の測定サンプル(材料の3つ以上のサンプル)について、ブランクサンプルの溶媒をカラムに注入する。次いで、上記サンプルに関する方法と同様にチェックサンプルを調製する。チェックサンプルは、47,300g/モルの重量平均分子量を有する2mg/mLのプルラン(Polymer Laboratories)を含む。各サンプルセットを分析する前に、チェックサンプルを分析する。ブランクサンプル、チェックサンプル、及び材料試験サンプルの試験を、デュープリケートで行う。最後の測定には、ブランクサンプルを用いる。光散乱検出器及び示差屈折計は、「Dawn EOS Light Scattering Instrument Hardware Manual」及び「Optilab(登録商標)DSP Interferometric Refractometer Hardware Manual」(両方ともWyatt Technology Corp.(Santa Barbara,CA,USA)によって作成され、両方とも参照により本明細書に組み込まれる)に従って用いる。
【0364】
検出器のソフトウェアを使用して、サンプルの重量平均分子量を計算する。dn/dc(濃度による屈折率の微分変化)値0.066を使用する。レーザー光検出器及び屈折率検出器のベースラインを補正して、検出器の暗電流及び溶媒散乱の干渉を除去する。レーザー光検出器の信号が飽和した場合、又は過剰なノイズを呈する場合、その値を分子質量の計算には使用しない。分子量の特性決定のための領域は、レーザー光散乱及び屈折率用の90°の検出器の信号が、両方とも、それぞれのベースラインノイズレベルの3倍よりも大きくなるように選択する。典型的に、クロマトグラムの高分子量側は、屈折率信号によって制限され、低分子量側はレーザー光信号によって制限される。
【0365】
重量平均分子量は、検出器のソフトウェアに定義されている「一次Zimmプロット」を使用して計算することができる。サンプルの重量平均分子量が1,000,000g/モルよりも大きい場合、一次及び二次Zimmプロットの両方を計算し、回帰当てはめの最もエラーの少ない結果を使用して分子質量を計算する。報告する重量平均分子量は、材料試験サンプルの2回の実行の平均である。
【0366】
繊維要素組成物試験方法
繊維要素組成物測定用に繊維要素を調製するために、繊維要素の外面上に存在する任意の除去可能であるコーティング組成物及び/又は材料を除去することによって、繊維要素を調整する。それを実行する方法の例としては、繊維要素を変化させずに外部のコーティングを除去する好適な溶媒で、繊維要素を3回洗浄することである。その後、繊維要素の水分が10%未満となるまで、繊維要素を、温度23℃±1.0℃で、空気乾燥させる。調整した繊維要素の化学分析を次いで完了させ、フィラメント形成材料、及び繊維要素内に存在する活性剤に関して、繊維要素の組成の構成を決定する。
【0367】
繊維要素形成材料及び活性剤に関する組成の構成はまた、TOF-SIMS又はSEMを使用して、断面解析を完了することによって決定されてもよい。繊維要素の組成の構成を決定するための更に他の方法は、マーカーとして蛍光染料を使用するものである。更に、常として、繊維要素の製造者は自分達の繊維要素の組成を知っていなくてはならない。
【0368】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0369】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0370】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】