(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099708
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/04 20060101AFI20240718BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240718BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20240718BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20240718BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20240718BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240718BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240718BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240718BHJP
A61K 31/737 20060101ALI20240718BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20240718BHJP
A61P 17/16 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
A61K8/04
A61K8/73
A61K8/27
A61K8/29
A61K8/25
A61K8/37
A61Q19/00
A61Q17/04
A61K31/737
A61K9/107
A61P17/16
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024070497
(22)【出願日】2024-04-24
(62)【分割の表示】P 2022032244の分割
【原出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健志
(72)【発明者】
【氏名】古賀 綾乃
(72)【発明者】
【氏名】森山 昌明
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD29
4C076DD45
4C076FF12
4C076FF16
4C076FF39
4C076FF43
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB242
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC262
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC552
4C083AC852
4C083AD022
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD262
4C083AD311
4C083AD312
4C083AD341
4C083AD342
4C083BB13
4C083BB21
4C083BB46
4C083CC05
4C083CC19
4C083DD23
4C083DD33
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
4C083EE17
4C086AA01
4C086EA26
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA21
4C086MA63
4C086ZA89
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い保湿効果、シワ隠し効果、及び使用感に優れた皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】下記(a)~(c)を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
(a)ヘパリン類似物質
(b)紫外線散乱剤
(c)平均粒子径が1~100μmの粉体
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)~(c)を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
(a)ヘパリン類似物質
(b)紫外線散乱剤
(c)平均粒子径が1~100μmの粉体
【請求項2】
さらに、
(d)油剤
を含有することを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
水中油型の乳化物であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
粘度が3,000mPa・s以上であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘパリン類似物質を含有する皮膚外用剤に関する。特に、本発明は、ヘパリン類似物質を含有する水中油型乳化皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヘパリン類似物質を利用した外用剤が種々提案されている。ヘパリン類似物質は、優れた保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用などを有することから、外用剤の有効成分として広く用いられている(特許文献1)。しかしながら、ヘパリン類似物質を配合した化粧料は肌馴染みが悪く、また、浸透感や保湿感が得られにくいという問題があった。また、ヘパリン類似物質はその薬効性の高さから様々なクリームや化粧水といった基礎化粧料のみでなく、様々な化粧料への適用が要望されているが、その開発は十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明者らは、ヘパリン類似物質の有する効果を高めるとともに、使用感に優れた皮膚外用剤を提供することを課題として、種々の検討を行った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その結果、本発明者らは、ヘパリン類似物質とともに紫外線散乱剤及び特定の粉体を配合することにより、保湿性及び使用感を両立する皮膚外用剤の開発に成功し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
<1>下記(a)~(c)を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
(a)ヘパリン類似物質
(b)紫外線散乱剤
(c)平均粒子径が1~100μmの粉体
<2>さらに
(d)油剤
を含有することを特徴とする<1>に記載の皮膚外用剤。
<3>水中油型の乳化物であることを特徴とする<1>又は<2>のいずれかに記載の皮膚外用剤。
<4>粘度が3,000mPa・s以上であることを特徴とする、<1>~<3>のいずれかに記載の皮膚外用剤。
<5>(b)紫外線散乱剤の平均粒子径が5~500nmであることを特徴とする<1>~<4>のいずれかに記載の皮膚外用剤。
<6>組成物中の(a)ヘパリン類似物質の含有量が0.0001%質量以上0.5質量%以下であることを特徴とする<1>~<5>のいずれかに記載の皮膚外用剤。
<7>日焼け止め用であることを特徴とする<1>~<6>のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ヘパリン類似物質、紫外線散乱剤及び特定の粉体を含有することにより、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び使用感に優れた皮膚外用剤を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の皮膚外用剤について詳細を説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0009】
<(a)ヘパリン類似物質>
本発明の皮膚外用剤は、ヘパリン類似物質を含有することを特徴とする。ヘパリン類似物質は、D-グルクロン酸とN-アセチル-D-ガラクトサミンからなる二糖を反復単位とする多糖体を多硫酸化させた、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖であり、保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用等を有することが知られている。
【0010】
本発明の皮膚外用剤における(a)ヘパリン類似物質の含有量は特に制限はなく、例えば、0.00001質量以上が好ましく、より好ましくは0.00005質量%以上であり、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から特に好ましくは0.0001質量%以上である。また、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から0.5質量%以下が特に好ましい。
【0011】
<(b)紫外線散乱剤>
本発明の皮膚外用剤は、紫外線散乱剤を含有する。本発明において使用できる紫外線散乱剤としては、通常皮膚外用剤に使用されるものであれば特に限定されないが、紫外線を散乱する効果が高い点から、無機化合物が好ましく、金属酸化物がより好ましい。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウムから選択される1種または2種以上が挙げられる。これらの中でも、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましい。
【0012】
また、本発明で使用する紫外線散乱剤は疎水化処理を行っているものが好ましい。表面を疎水化することにより、油中への分散性や耐水性を向上させることができる。紫外線散乱剤の疎水化処理は、疎水化される公知の表面処理剤を用いて行えばよいが、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルポリシロキサン等のシリコーン処理;アルキルシラン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N-アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;その他、レシチン処理;金属石鹸処理;脂肪酸処理;アルキルリン酸エステル処理等が挙げられる。
【0013】
本発明で使用する紫外線散乱剤は、その平均粒子径が1~1000nmのものが好ましく、5~500nmがより好ましく、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から、10~300nmが特に好ましい。本発明で使用する紫外線散乱剤の平均粒子径は動的光散乱法により測定したものである。
【0014】
本発明の皮膚外用剤における(b)紫外線散乱剤の含有量は特に制限はなく、1質量以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から、特に好ましくは5質量%以上である。また、50質量以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から、特に好ましくは30質量%以下である。
【0015】
<(c)平均粒子径が1~100μmの粉体>
本発明の皮膚外用剤は、平均粒子径が1~100μmの粉体を含有する。
【0016】
本発明で使用できる粉体としては、例えば、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、モンモリロナイト、カオリナイト、雲母、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、ベントナイト、スメクタイト、粘土、泥、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、炭酸カルシウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、煙霧状シリカ(超微粒子無水ケイ酸)、雲母チタン、魚鱗箔、窒化ホウ素、ホトクロミック顔料、合成フッ素金雲母、微粒子複合粉体、金、アルミニウム等の無機粉体、及び、これらをハイドロジェンシリコーン、環状ハイドロジェンシリコーン等のシリコーン若しくはその他のシラン若しくはチタンカップリング剤等の各種表面処理剤で処理を行って疎水化若しくは親水化した粉体等の無機粉体;デンプン、セルロース、ナイロンパウダー、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル末、ポリスチレン末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ポリエステル末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等、ウレタン粉末、シリコーン粉末、テフロン(登録商標)粉末等の有機系粉体及び表面処理粉体、有機無機複合粉体が挙げられる。
【0017】
本発明の皮膚外用剤で使用する粉体の平均粒子径は1~100μmであるが、1~50μmが好ましく、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から、1~30μmが特に好ましい。本発明における粉体の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定したものである。
【0018】
本発明の皮膚外用剤における(c)平均粒子径が1~100μmの粉体の含有量は特に制限はなく、例えば、0.01質量以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上であり、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から特に好ましくは0.1質量%以上である。また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から10質量%以下が特に好ましい。
【0019】
<(d)油剤>
本発明の皮膚外用剤は、油剤を含有することが好ましい。本発明において使用できる油剤は、通常皮膚外用剤に使用されるものであれば特に限定されないが、25℃で液状の油剤が好ましく、不揮発性であることが特に好ましい。具体的には、例えば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素油類;イソステアリン酸、オレイン酸、ポリヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類;オクチルドデカノール、テトラデシルデカノール等の高級アルコール類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸デシル、イソステアリン酸ラウリル、イソデカン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコ-ル、ジカプリン酸プロピレングリコ-ル、ジカプリル酸プロピレングリコ-ル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、セバシン酸ジエチル、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸エチル、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(コレステリル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-サルコシン-イソプロピル等のエステル油類;ジメチルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーン油類;等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を使用することができる。
【0020】
本発明の皮膚外用剤に(d)油剤を配合する場合、その含有量は特に制限されないが、1質量以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から、特に好ましくは5質量%以上である。また、50質量以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び優れた使用感の皮膚外用剤が得られる観点から、特に好ましくは30質量%以下である。
【0021】
<その他成分>
本発明の皮膚外用剤には、上記成分以外に、必要に応じてその他の成分を配合することができる。その他の成分としては、水、増粘剤、ゲル化剤、保湿剤、分散剤、可塑剤、展着剤、防腐剤、香料、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などの界面活性剤、皮膜形成剤、pH調整剤、消臭剤、キレート剤、酸化防止剤、抗菌剤、防菌防かび剤、抗炎症剤、美白剤等の有効成分、動物エキス、植物エキスなどの美容成分や薬効成分等、通常皮膚外用剤に使用される成分の一種以上が挙げられる。
【0022】
<皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、皮膚に塗布し、使用する組成物である。本発明の皮膚外用剤は、乳化物であることが好ましく、水中油型の乳化物であることが特に好ましい。水中油型乳化物とすることにより、皮膚への塗布した際の高い保湿効果、シワ隠し効果とともに良好な使用感の両立が可能である。本発明の皮膚外用剤は粘度が高いものが好ましく、好ましくは3,000mPa・s以上であり、より好ましくは、3,500mPa・s以上であり、特に好ましくは4,000mPa・s以上である。また、500,000mPa・s以下が好ましく、より好ましくは、300,000mPa・s以下であり、特に好ましくは200,000mPa・s以下である。
【0023】
また、本発明の皮膚外用剤は乳化物であることが好ましい。乳化形態としては、水中油型、油中水型、水中油中水型、油中水中油型のいずれでもよいが、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び使用感に優れることから、水中油型の乳化物であることが好ましい。
【0024】
本発明の皮膚外用剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品に用いることができる。例えば、薬剤を含む皮膚外用剤などの医薬品;薬用化粧品などの医薬部外品;ゲル状化粧水、乳液、クリーム、美容液、日焼け止め、日中用保湿剤などのスキンケア化粧品;ファンデーション、メーキャップ下地、などのメイクアップ化粧品などの様々な形態の製品に使用することができる。これらのなかでも、本発明の皮膚外用剤は日焼け止め、メーキャップ下地が好ましく、日焼け止めが特に好ましい。
【0025】
本発明の皮膚外用剤は、通常の方法に従って製造することができる。すなわち、25℃程度の所定の温度において、水相成分と油相成分をそれぞれ調製し、80℃に加温して乳化を行った後、撹拌しながら室温程度まで冷却する事により、本発明の皮膚外用剤を得ることができる。
【実施例0026】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
【0027】
<皮膚外用剤の評価>
下記表1に記載の組成に従って、水中油型乳化物である皮膚外用剤(実施例1~8、比較例1~2)を製造した。具体的には、水に、1,3-ブチレングリコール、(a)、フェノキシエタノールを加えて混合し、調製した水相成分と、(d)の油剤に(b)、(c)、及びアクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体を加えて混合し、調製した油相成分とを80℃に加温して乳化を行った後、撹拌しながら室温程度まで冷却した。得られた皮膚外用剤について、下記項目の評価を行った。結果を表1に示す。
粘度測定
得られた皮膚外用剤の粘度を、粘度計(ブルックフィールド社製 RVT型)を用いて測定した。
使用感の評価
被験者として、年齢が20代~30代の5名を無作為に選出した。被験者の顔に上記皮膚外用剤を使用し、使用感(塗布時の伸び、すべりの良さ、塗布後のべたつきのなさ、きしみのなさ、ほどよいしっとり感)を評価項目として総合的に判断し、5段階の評価基準に基づいてアンケートを行った。アンケートの平均値を算出し、評価した。
・5:とても良い
・4:良い
・3:どちらでもない
・2:悪い
・1:とても悪い
シワ隠し効果の評価
被験者として、年齢が20代~30代の5名を無作為に選出した。被験者の顔に上記皮膚外用剤を使用し、使用前と比較してどの程度シワが目立たなくなっているかを、5段階の評価基準に基づいてアンケートを行った。アンケートの平均値を算出し、評価した。
・5:とても良い(使用前と比べてシワが目立たない)
・4:良い
・3:使用前後で変わらない
・2:悪い
・1:とても悪い(使用前と比べてシワが目立つ)
角層水分量の評価
被験者として、年齢が20代~30代の5名を無作為に選出した。前腕内側における皮膚外用剤塗布予定箇所4cm×4cmの測定部分について下記の方法にて角層水分量を、皮表角層水分量測定装置SKICON-200EX(アイ・ビイ・エス社製)を用いて測定した。この皮表角層水分量測定装置は、皮膚のコンダクタンス(電気伝導度、単位:μS)を角層の水分量として評価したものである。次に、前記の測定部位に上記皮膚外用剤を塗布し、皮膚外用剤使用時における角層水分量の測定を行った。
【0028】
【0029】
表1に記載されるとおり、本発明の組成物である実施例1~8は粘度が4,800mPa・s以上と高い値を示した。表1から明らかなとおり、実施例1~8の皮膚外用剤は、使用時の角層水分量が高いため高い保湿効果を有し、シワ隠し効果に優れ、さらに、塗布時の伸び、すべりの良さ、塗布後のべたつきのなさ、きしみのなさ、ほどよいしっとり感といった使用感が良好であることが判る。これに対し、比較例1の皮膚外用剤は、シワ隠し効果が低く、使用感が悪いものであり、比較例2の皮膚外用剤は、シワ隠し効果が低く、使用感が悪いだけでなく、角層水分量も低く、保湿効果が低いことが判る。以上の結果より、本発明の皮膚外用剤は、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び使用感に優れたものであることは明らかである。
【0030】
<製造例1~10>
下記表2に記載の組成に従って、実施例1と同様の方法で水中油型乳化物である皮膚外用剤を製造した。下記製造例にて得られた皮膚外用剤は、粘度が3,000mPa・s以上であり、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び使用感に優れるものである。
【0031】
本発明の皮膚外用剤は、ヘパリン類似物質、紫外線散乱剤及び特定の粉体を含有することにより、高い保湿効果、シワ隠し効果、及び使用感に優れた皮膚外用剤を提供することができ、産業上の利用の可能性が高いものである。