IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-光増幅装置および光増幅方法 図1
  • 特開-光増幅装置および光増幅方法 図2
  • 特開-光増幅装置および光増幅方法 図3
  • 特開-光増幅装置および光増幅方法 図4
  • 特開-光増幅装置および光増幅方法 図5
  • 特開-光増幅装置および光増幅方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099731
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】光増幅装置および光増幅方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/067 20060101AFI20240718BHJP
   H01S 3/10 20060101ALI20240718BHJP
   H04B 10/291 20130101ALI20240718BHJP
   H04J 14/00 20060101ALN20240718BHJP
【FI】
H01S3/067
H01S3/10 D
H04B10/291
H04J14/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071425
(22)【出願日】2024-04-25
(62)【分割の表示】P 2023502246の分割
【原出願日】2022-02-04
(31)【優先権主張番号】P 2021030665
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度 総務省「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発(課題II)」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】竹下 仁士
【テーマコード(参考)】
5F172
5K102
【Fターム(参考)】
5F172AF03
5F172AM01
5F172AM04
5F172AM08
5F172BB02
5F172BB03
5F172BB14
5F172BB44
5F172BB46
5K102AA17
5K102AA53
5K102AD01
5K102MA03
5K102MB06
5K102MB09
5K102MC11
5K102MD01
5K102MH04
5K102MH13
5K102MH18
5K102MH22
5K102PH13
5K102PH31
5K102PH42
5K102PH43
5K102PH45
5K102PH47
5K102PH48
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置は、クラッド励起方式では励起光の利用効率が低い、という課題を解決する光増幅装置および光増幅方法を提供する。
【解決手段】マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置は、クラッド励起方式では励起光の利用効率が低いので、本発明の光増幅装置は、第1の光増幅媒体を含む第1の光導波手段と、第2の光増幅媒体を含む第2の光導波手段と、第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を第1の光導波手段に導入する第1の励起光導入手段と、第1の光導波手段から出力される、第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、第2の光導波手段に導入する第1の残留励起光導入手段、とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光増幅媒体を含む第1の光導波手段と、
第2の光増幅媒体を含む第2の光導波手段と、
前記第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を前記第1の光導波手段に導入する第1の励起光導入手段と、
前記第1の光導波手段から出力される、前記第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、前記第2の光導波手段に導入する第1の残留励起光導入手段、とを有し、
前記第1の光増幅媒体および前記第2の光増幅媒体はいずれも、希土類イオンが添加された複数のコアからなり、
前記第1の光導波手段および前記第2の光導波手段はいずれも、前記複数のコアとダブルクラッド構造からなる複数の光伝送路を備えたマルチコア光ファイバを有し、
前記第1の励起光導入手段は、クラッド励起方式により前記第1の励起光を前記第1の光導波手段に導入する、
光増幅装置。
【請求項2】
前記第1の残留励起光を、前記第1の光導波手段に導入する第2の残留励起光導入手段をさらに有する
請求項1に記載した光増幅装置。
【請求項3】
前記第2の光増幅媒体を励起する第2の励起光を前記第2の光導波手段に導入する第2の励起光導入手段と、
前記第2の光導波手段から出力される、前記第2の励起光の波長成分を有する第2の残留励起光を、前記第1の光導波手段に導入する第3の残留励起光導入手段、とをさらに有する
請求項1または2に記載した光増幅装置。
【請求項4】
前記第1の励起光導入手段および前記第3の残留励起光導入手段は、前記第1の励起光と前記第2の残留励起光を合波する第1の励起光合波手段を備え、
前記第2の励起光導入手段および前記第1の残留励起光導入手段は、前記第2の励起光と前記第1の残留励起光を合波する第2の励起光合波手段を備える
請求項3に記載した光増幅装置。
【請求項5】
前記第2の光導波手段から出力される、前記第1の残留励起光の波長成分を有する第3の残留励起光を、前記第1の光導波手段に導入する第4の残留励起光導入手段をさらに有する
請求項1または2に記載した光増幅装置。
【請求項6】
前記第3の残留励起光を、前記第2の光導波手段に導入する第5の残留励起光導入手段をさらに有する
請求項5に記載した光増幅装置。
【請求項7】
信号光を、前記第1の光導波手段に導入される第1の信号光と、前記第2の光導波手段に導入される第2の信号光に分離する信号光分離手段と、
前記第1の光導波手段から出力される前記第1の信号光と、前記第2の光導波手段から出力される前記第2の信号光を合波する信号光合波手段をさらに備える
請求項1から6のいずれか一項に記載した光増幅装置。
【請求項8】
第1の光増幅媒体を含む第1の光導波路に第1の信号光を導入し、
第2の光増幅媒体を含む第2の光導波路に第2の信号光を導入し、
前記第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を前記第1の光導波路に導入し、
前記第1の光導波路から出力される、前記第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、前記第2の光導波路に導入する、光増幅方法であって、
前記第1の光増幅媒体および前記第2の光増幅媒体はいずれも、希土類イオンが添加された複数のコアからなり、
前記第1の光導波路および前記第2の光導波路はいずれも、前記複数のコアとダブルクラッド構造からなる複数の光伝送路を備えたマルチコア光ファイバを有し、
クラッド励起方式により前記第1の励起光を前記第1の光導波路に導入する、
光増幅方法。
【請求項9】
前記第1の残留励起光を、前記第1の光導波路に導入する
請求項8に記載した光増幅方法。
【請求項10】
前記第2の光増幅媒体を励起する第2の励起光を前記第2の光導波路に導入し、
前記第2の光導波路から出力される、前記第2の励起光の波長成分を有する第2の残留励起光を、前記第1の光導波路に導入する
請求項8または9に記載した光増幅方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光増幅装置および光増幅方法に関し、特に、マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置および光増幅方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルトラフィックやビデオサービスの急速な拡大などにより、コアネットワークにおける通信容量の拡大が求められている。この容量拡大の要求は、今後も継続する傾向にある。通信容量の拡大はこれまで、時間多重技術や波長多重技術を用いることによって実現されてきた。この時間多重技術や波長多重技術は、シングルコア光ファイバによる光通信システムに適用されてきた。
【0003】
シングルコア光ファイバを用いる場合、シングルコアすなわち単一の光ファイバコアを伝送することが可能な光信号の多重数には制限があり、近年、その限界に達しつつある。この多重数の限界は、光ファイバ通信において利用可能な波長帯域幅、およびシングルコア光ファイバの入力光強度耐力によって決まる。
【0004】
このような状況において、通信容量をさらに拡大するため、これまでの多重技術とは異なる次元の多重技術である空間多重技術が開発されている。空間多重技術には、光ファイバ1本あたりのコア数を増大させるマルチコア技術と、伝播モード数を増大させるマルチモード技術がある。従来の光ファイバ通信で用いられているコア数およびモード数は、いずれも一個である。そのため、コア数およびモード数を増大させることによって通信容量を飛躍的に拡大することが可能である。
【0005】
しかしながら、光ファイバのコア数やモード数を増大させた場合、現在広く普及している光送受信機や光増幅器をそのまま利用することはできない。現在普及している光送受信機や光増幅器はシングルコアの光ファイバ向けに開発されたものであり、マルチコア光ファイバやマルチモード光ファイバに対して互換性がないからである。そのため、マルチコア光ファイバやマルチモード光ファイバに適した光送受信機および光増幅器を実現する技術が提案されている。
【0006】
マルチコア光ファイバに適した光増幅方式としては、コア励起方式とクラッド励起方式の二方式がある。コア励起方式では、各コアを通して光伝送される光信号の強度をコア毎に個別の励起光源を用いて個別に増幅する。クラッド励起方式では、各コアを通して光伝送される光信号の強度を共通の励起光源を用いて一括して増幅する。
【0007】
マルチコア光ファイバを伝送する光信号の光強度を効率よく増幅するためには、各コアを通して光伝送される光信号の強度を共通の励起光源を用いて一括して増幅するクラッド励起方式が望ましい。また、クラッド励起方式では、従来の単一コア励起方式による光増幅器の構成を原理的にはそのままクラッド励起方式の光増幅器の構成として用いることができる。
【0008】
このようなクラッド励起方式による光増幅器の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された関連する光増幅器10は、7個の光アイソレータ1、光ファイバファンイン(FAN IN)2、半導体レーザ3、第1光結合器4、マルチコアEDF5、第2光結合器6、ポンプストリッパ7、光ファイバファンアウト(FAN OUT)8、7個の光アイソレータ9と、を備えている。
【0009】
ここで、第1光結合器4は、主光ファイバ4aと、励起光入出力用光ファイバ4bと、励起光供給用光ファイバ4cと、保護部4dとを備えている。また、第2光結合器6は、主光ファイバ6aと、励起光入出力用光ファイバ6bと、保護部6dとを備えている。
【0010】
関連する光増幅器10によれば、半導体レーザ3から出力され、第1光結合器4を介してマルチコアEDF5に供給された励起光のうち、マルチコアEDF5において光励起に寄与しなかった励起光の少なくとも一部は、第2光結合器6によって回収される。回収された励起光は、励起光入出力用光ファイバ6b、励起光入出力用光ファイバ4bを通って第1光結合器4に入力されて励起光として回生され、再びマルチコアEDF5に供給される。これにより、関連する光増幅器10における励起効率を向上することができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2019/117314号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した関連する光増幅器のようなクラッド励起方式の光増幅装置は、光増幅媒体における励起光成分の吸収効率がコア励起方式による吸収効率の1/10程度である。そのため、コア励起方式と比較してクラッド励起方式による光増幅装置は、励起光の利用効率が極めて低くなる。
【0013】
このように、マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置は、クラッド励起方式では励起光の利用効率が低い、という問題があった。
【0014】
本発明の目的は、上述した課題である、マルチコア光ファイバを用いた光増幅装置は、クラッド励起方式では励起光の利用効率が低い、という課題を解決する光増幅装置および光増幅方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の光増幅装置は、第1の光増幅媒体を含む第1の光導波手段と、第2の光増幅媒体を含む第2の光導波手段と、第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を第1の光導波手段に導入する第1の励起光導入手段と、第1の光導波手段から出力される、第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、第2の光導波手段に導入する第1の残留励起光導入手段、とを有する。
【0016】
本発明の光増幅方法は、第1の光増幅媒体を含む第1の光導波路に第1の信号光を導入し、第2の光増幅媒体を含む第2の光導波路に第2の信号光を導入し、第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を第1の光導波路に導入し、第1の光導波路から出力される、第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、第2の光導波路に導入する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光増幅装置および光増幅方法によれば、マルチコア光ファイバを備えた光増幅装置をクラッド励起方式で用いる場合であっても、励起光の利用効率を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る光増幅装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る光増幅装置の別の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る光増幅装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る光増幅装置の別の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係る光増幅装置の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の第4の実施形態に係る光増幅装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光増幅装置100の構成を示すブロック図である。光増幅装置100は、第1の光導波路(第1の光導波手段)111、第2の光導波路(第2の光導波手段)112、第1の励起光導入部(第1の励起光導入手段)120、および第1の残留励起光導入部(第1の残留励起光導入手段)131を有する。
【0021】
第1の光導波路111は、第1の光増幅媒体を含む。また、第2の光導波路112は、第2の光増幅媒体を含む。
【0022】
第1の励起光導入部120は、第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光11を第1の光導波路111に導入する。そして、第1の残留励起光導入部131は、第1の光導波路111から出力される、第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光21を、第2の光導波路112に導入する。
【0023】
このような構成としたことにより、本実施形態による光増幅装置100においては、第1の光増幅媒体において吸収されずに出力された励起光を、第1の残留励起光21として第2の光導波路112に導入し、第2の光増幅媒体を励起するために用いることができる。したがって、本実施形態の光増幅装置100によれば、励起光の利用効率を増大させることができる。
【0024】
図2に、本発明の第1の実施形態に係る光増幅装置の別の構成を示す。図2に示した光増幅装置101は、図1に示した光増幅装置100の構成に加えて、第2の残留励起光導入部(第2の残留励起光導入手段)132をさらに有する構成とした。ここで、第2の残留励起光導入部132は、第1の残留励起光21を、第1の光導波路111に導入する。
【0025】
このような構成とすることにより、光増幅装置101においては、第1の光増幅媒体において吸収されずに出力された励起光を、第2の光増幅媒体を励起するために用いるとともに、第1の光増幅媒体を励起するためにも再利用することが可能となる。そのため、励起光の利用効率をさらに増大させることができる。
【0026】
ここで、第1の光増幅媒体および第2の光増幅媒体はいずれも、希土類イオンが添加された複数のコアからなるものとすることができる。希土類イオンとして、典型的にはエルビウムイオンを用いることができる。そして、第1の光導波路111および第2の光導波路112はいずれも、上記の複数のコアとダブルクラッド構造からなる複数の光伝送路を備えたマルチコア光ファイバを有する構成とすることができる。この場合、第1の励起光導入部120は、クラッド励起方式により第1の励起光11を第1の光導波路111に導入する構成とすることができる。
【0027】
次に、本実施形態による光増幅方法について説明する。
【0028】
本実施形態による光増幅方法においては、まず、第1の光増幅媒体を含む第1の光導波路に第1の信号光を導入し、第2の光増幅媒体を含む第2の光導波路に第2の信号光を導入する。そして、第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を第1の光導波路に導入し、第1の光導波路から出力される、第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、第2の光導波路に導入する。さらに、第1の残留励起光を、第1の光導波路にも導入することとしてもよい。
【0029】
このように、本実施形態の光増幅方法においては、第1の光増幅媒体において吸収されずに出力された励起光を、第1の残留励起光として第2の光導波路に導入し、第2の光増幅媒体を励起するために用いることができる。したがって、本実施形態の光増幅方法によれば、励起光の利用効率を増大させることができる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態による光増幅装置100、101および光増幅方法によれば、マルチコア光ファイバを備えた光増幅装置をクラッド励起方式で用いる場合であっても、励起光の利用効率を増大させることができる。
【0031】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3に、本実施形態による光増幅装置200の構成を示す。
【0032】
光増幅装置200は、第1の光導波手段としての第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ(Multicore Erbium Doped Fiber:MC-EDF)211と、第2の光導波手段としての第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212を有する構成とした。ここで、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211および第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212はいずれも、希土類イオンであるエルビウムイオンが添加された複数のコアと、ダブルクラッド構造とを有するマルチコア光ファイバである。
【0033】
光増幅装置200は、第1の励起光生成部(第1の励起光生成手段)221と第1の光結合部(第1の光結合手段)222を有する。第1の励起光生成部221は、典型的には半導体レーザであり、第1の励起光11を生成する。第1の光結合部222は、第1の励起光11を第1の光導波手段としての第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211に結合する。ここで、第1の励起光生成部221と第1の光結合部222が第1の励起光導入手段を構成している。
【0034】
光増幅装置200は、また、第1の残留励起光結合部(第1の残留励起光結合手段)231と、第1の残留励起光分離部(第1の残留励起光分離手段)232を有する。第1の残留励起光結合部231は、第1の残留励起光21を第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212に結合する。ここで、第1の残留励起光21は、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211から出力され、第1の励起光の波長成分を有している。第1の残留励起光分離部232は、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211から出力される第1の信号光31と第1の残留励起光21を分離する。なお、第1の残留励起光結合部231と第1の残留励起光分離部232が第1の残留励起光導入手段を構成している。
【0035】
このように、本実施形態による光増幅装置200においては、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211のコアにおいて吸収されずに出力された励起光を、第1の残留励起光21として第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212に導入する。これにより、第1の残留励起光21を、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212のエルビウムイオンが添加されたコアを励起するために用いることができる。したがって、本実施形態の光増幅装置200によれば、励起光の利用効率を増大させることができる。
【0036】
光増幅装置200は、さらに、信号光分離部(信号光分離手段)241と信号光合波部(信号光合波手段)242を有する構成とした。信号光分離部241は、信号光30を、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211に導入される第1の信号光31と、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212に導入される第2の信号光32に分離する。信号光30は例えば信号光源LSから供給される。信号光合波部242は、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211から出力される第1の信号光と、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212から出力される第2の信号光を合波する。
【0037】
ここで、第1の信号光31は、例えば光ファイバ通信で用いられる波長帯のうち、C帯(Conventional-band:1530nm~1565nm)に属し、第2の信号光32は、L帯(Long-wavelength-band:1565nm~1625nm)に属するものとすることができる。この場合、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ(第1の光導波手段)211はC帯(第1の波長帯域)に利得を有する構成とすることができる。そして、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ(第2の光導波手段)212は、C帯(第1の波長帯域)と異なるL帯(第2の波長帯域)に利得を有する構成とすることができる。具体的には例えば、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211の長さを約8メートル(m)、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212の長さを約55メートル(m)とすることにより、上記の利得帯域をそれぞれ実現することが可能である。
【0038】
このような構成とした場合、一般的には波長帯毎に励起用レーザが必要となる。しかし、本実施形態の光増幅装置200によれば、1個の励起用レーザ(第1の励起光生成部221)を用いるだけで、マルチコア光ファイバを用いたマルチバンドの光増幅が可能になる。その結果、光増幅装置の小型化を図ることができる。
【0039】
上述したように、本実施形態の光増幅装置200によれば、励起光の利用効率(以下では「励起光利用効率」と言う)を増大させることができる。この効果について具体的に説明する。ここでは、一個の励起用レーザを用いて、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211と第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212を励起する場合を例として説明する。
【0040】
励起用レーザが出力する励起光のパワーを100(任意単位)とする。通常の方式では、励起光を二分割し、光パワーが50である励起光をそれぞれ第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211と第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212に導入する。クラッド励起方式によるマルチコアエルビウム添加ファイバにおける励起光利用効率は20%程度であるので、この場合、光パワーが50である励起光のうち20%である光パワー10の励起光がコアの励起にそれぞれ用いられる。したがって、合計の励起光利用効率は20(=10+10)/100となる。
【0041】
それに対して、本実施形態の光増幅装置200においては、光パワーが100である励起光を第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211に導入する。そして、励起光の20%である光パワーが20の励起光がコアの励起に用いられ、残りの80%は第1の残留励起光21として第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211から出力され、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212に導入される。第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212においては、光パワーが80である第1の残留励起光21の20%である光パワー16の残留励起光が第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212のコアを励起するために用いられる。したがって、光パワーが100の励起光のうち合計では光パワーが36(=20+16)の励起光がコアの励起に用いられるので、励起光利用効率は36/100となる。すなわち、本実施形態の光増幅装置200によれば、通常の方式による励起光利用効率(20/100)の1.8倍の励起光利用効率が得られる。
【0042】
さらに、本実施形態の光増幅装置200によれば、省電力化を達成することも可能である。具体的には例えば、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211を励起するために75ワット(W)の励起光が必要であり、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212を励起するために25ワット(W)の励起光が必要であるとする。これは、一般に、L帯に用いられるマルチコアエルビウム添加ファイバの励起光利用効率が、C帯に用いられるマルチコアエルビウム添加ファイバの励起光利用効率よりも高いことによる。
【0043】
この場合、通常の方式では波長帯毎に励起用レーザを用いることになるので、合計で100ワット(75W+25W)の励起光パワーが必要である。
【0044】
それに対して、本実施形態の光増幅装置200においては、第1の励起光生成部221が75ワット(W)の第1の励起光11を生成し、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211のコアを励起する。そして、第1の励起光11の80%程度が第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211のコアにおいて吸収されずに残留励起光として出力される。この残留励起光(例えば60ワット)のうち、25ワット(W)の第1の残留励起光21を用いて、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212のコアを励起することが可能である。
【0045】
したがって、通常の方式であれば100ワット(W)の励起光パワーが必要であるのに対し、本実施形態の光増幅装置200によれば、75ワット(W)の励起光パワーでマルチバンドの光増幅が実現できるので、消費電力を25%削減することができる。
【0046】
上述した実施形態では、信号光30を信号光31と信号光32に分離し、信号光31を第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211に導入し、信号光32を第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212に導入する構成とした。しかし、これに限らず、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211と第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212を、信号光に対して直列にタンデム接続する構成としてもよい。そして、信号光を第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211に導入し、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211によって増幅された信号光を第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212に導入する。この場合は、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211と第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212は同一の波長帯域に利得を有する構成とすることができる。なお、このような構成とした場合、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211と第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212の間に、自然放出増幅光(Amplified Spontaneous Emission:ASE)を除去するための波長フィルタを挿入することが望ましい。
【0047】
図4に、本実施形態による光増幅装置の別の構成を示す。図4に示した光増幅装置201は、図3に示した光増幅装置200の構成に加えて、残留励起光分岐部233をさらに有する構成とした。残留励起光分岐部233は、第1の残留励起光21を分岐して、第1の残留励起光21を第1の光結合部222と第1の残留励起光結合部231にそれぞれ供給する。残留励起光分岐部233として、典型的には光カプラを用いることができる。ここで、第1の光結合部222、第1の残留励起光分離部232、および残留励起光分岐部233が第2の残留励起光導入手段を構成している。
【0048】
このような構成とすることにより、光増幅装置201においては、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211において吸収されずに出力された励起光を、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211を励起するためにも再利用することが可能となる。そのため、励起光利用効率をさらに増大させることができる。
【0049】
また、本実施形態の光増幅装置201によれば、さらなる省電力化を実現することができる。この効果について、図3を用いて説明した例により具体的に説明する。
【0050】
第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211を励起するための75ワット(W)の第1の励起光11のうち20%である15ワット(W)が第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211のコアにおいて吸収される。そして、残りの60ワット(W)は第1の残留励起光21として出力される。この残留励起光のうち25ワット(W)の第1の残留励起光21は、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ212を励起するために用いられる。残りの35ワット(W)の残留励起光は、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ211を励起するための第1の残留励起光21として再利用することができる。そのため、第1の励起光生成部221が生成する第1の励起光11のパワーを当初の75ワット(W)よりも減少させることができる。その結果、消費電力をさらに削減することが可能である。
【0051】
以上説明したように、本実施形態による光増幅装置200、201によれば、マルチコア光ファイバを備えた光増幅装置をクラッド励起方式で用いる場合であっても、励起光の利用効率を増大させることができる。さらに、本実施形態による光増幅装置200、201によれば、光増幅装置の小型化および省電力化を図ることができる。
【0052】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図5に、本実施形態による光増幅装置1000の構成を示す。本実施形態による光増幅装置1000は、第1の増幅部1100、第2の増幅部1200、信号光分離部1310、および信号光合波部1320を有する。ここで、第1の増幅部1100は例えば光ファイバ通信で用いられる波長帯のうちC帯の信号光を増幅し、第2の増幅部1200はL帯の信号光を増幅するために用いることができる。
【0053】
信号光分離部1310は、信号光源LSから供給される信号光を、第1の増幅部1100に導入される第1の信号光31と、第2の増幅部1200に導入される第2の信号光32に分離する。信号光合波部1320は、第1の増幅部1100から出力される第1の信号光と、第2の増幅部1200から出力される第2の信号光を合波する。ここで、第1の信号光31はC帯に属し、第2の信号光32はL帯に属するものとすることができる。
【0054】
第1の増幅部1100は、第1の光導波手段としての第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110、第1の励起光生成部(第1の励起光生成手段)1121、第1の光結合部(第1の光結合手段)1122、および第1の残留励起光分離部(第1の残留励起光分離手段)1130を有する。第1の励起光生成部1121は、典型的には半導体レーザであり、第1の励起光11を生成する。第1の光結合部1122は、第1の励起光11を第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110に結合する。そして、第1の残留励起光分離部1130は、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110から出力される第1の信号光31と第1の残留励起光21を分離する。ここで、第1の残留励起光21は、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110から出力され、第1の励起光の波長成分を有している。
【0055】
第2の増幅部1200は、第2の光導波手段としての第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210および第1の残留励起光結合部(第1の残留励起光結合手段)1231を有する。第1の残留励起光結合部1231は、第1の残留励起光21を第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210に結合する。
【0056】
なお、第1の励起光生成部1121と第1の光結合部1122が第1の励起光導入手段を構成し、第1の残留励起光分離部1130と第1の残留励起光結合部1231が第1の残留励起光導入手段を構成している。
【0057】
ここまでの構成は、第2の実施形態による光増幅装置200の構成と同様である。本実施形態による光増幅装置1000は、第2の励起光導入部(第2の励起光導入手段)と第3の残留励起光導入部(第3の残留励起光導入手段)をさらに有する構成とした。
【0058】
第2の励起光導入部は、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210に含まれるエルビウムイオンが添加された複数のコア(第2の光増幅媒体)を励起する第2の励起光12を、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210(第2の光導波手段)に導入する。ここで、第2の励起光導入部は、クラッド励起方式により第2の励起光12を第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210に導入する構成とすることができる。
【0059】
具体的には図5に示すように、第2の励起光導入部は、第2の励起光生成部(第2の励起光生成手段)1221と第2の光結合部(第2の光結合手段)1222を備えた構成とすることができる。ここで、第2の励起光生成部1221は、典型的には半導体レーザであり、第2の励起光12を生成する。第2の光結合部1222は、第2の励起光12を第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210に結合する。
【0060】
第3の残留励起光導入部は、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210から出力される、第2の励起光の波長成分を有する第2の残留励起光22を、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110に導入する。具体的には図5に示すように、第3の残留励起光導入部は、第2の残留励起光結合部(第2の残留励起光結合手段)1131と第2の残留励起光分離部(第2の残留励起光分離手段)1232を備えた構成とすることができる。ここで、第2の残留励起光結合部1131は、第2の残留励起光22を第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110に結合する。第2の残留励起光分離部1232は、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210から出力される第2の信号光32と第2の残留励起光22を分離する。
【0061】
このように、本実施形態による光増幅装置1000においては、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110のコアにおいて吸収されずに出力された励起光を、第1の残留励起光21として第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210に導入する。さらに、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ2210のコアにおいて吸収されずに出力された励起光を、第2の残留励起光22として第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110に導入する構成としている。したがって、本実施形態の光増幅装置1000によれば、第1の励起光11および第2の励起光12をそれぞれ再利用することが可能となるため、励起光の利用効率を増大させることができる。
【0062】
本実施形態による光増幅装置1000において、第1の励起光生成部1121が生成する第1の励起光11の波長は、第2の励起光生成部1221が生成する第2の励起光12の波長と異なるものとすることができる。具体的には例えば、第1の励起光11の波長を976ナノメートル(nm)とし、第2の励起光12の波長を980ナノメートル(nm)とする。この場合、第1の励起光11および第2の励起光12のいずれによっても、C帯またはL帯に利得を有するマルチコアエルビウム添加ファイバをそれぞれ励起することが可能である。
【0063】
また、光増幅装置1000は図5に示すように、第1の励起光合波部(第1の励起光合波手段)1140および第2の励起光合波部(第2の励起光合波手段)1240を備えた構成とすることができる。ここで、第1の励起光合波部1140は、第1の励起光11と第2の残留励起光22を合波する。第2の励起光合波部1240は、第2の励起光12と第1の残留励起光21を合波する。すなわち、第1の励起光導入手段および第3の残留励起光導入手段は第1の励起光合波手段を備え、第2の励起光導入手段および第1の残留励起光導入手段は第2の励起光合波手段を備えた構成とすることができる。
【0064】
具体的には例えば、第1の励起光合波部1140は、波長が976ナノメートル(nm)である第1の励起光11と、波長が980ナノメートル(nm)である第2の残留励起光22を波長多重する。第2の励起光合波部1240は、波長が980ナノメートル(nm)である第2の励起光12と、波長が976ナノメートル(nm)である第1の残留励起光21を波長多重する。
【0065】
このように、第1の励起光合波部1140によれば、第1の励起光11と第2の残留励起光22を波長多重した後に第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110に結合する構成とすることができる。そのため、第1の光結合部1122と第2の残留励起光結合部1131を共通化し、入力側のポートを一か所とすることが可能である。同様に、第2の励起光合波部1240によれば、第2の励起光12と第1の残留励起光21を波長多重した後に第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210に結合する構成とすることができる。そのため、第1の残留励起光結合部1231と第2の光結合部1222を共通化し、入力側のポートを一か所とすることが可能である。
【0066】
ここで、第1の励起光合波部(第1の励起光合波手段)1140および第2の励起光合波部(第2の励起光合波手段)1240の少なくとも一方は、空間光学系を備えた空間結合型合波部(空間結合型合波手段)とすることができる。第1の励起光合波部1140を空間結合型合波部とすることにより、第1の光結合部1122、第2の残留励起光結合部1131、および第1の残留励起光分離部1130と構成部品の大部分を共通化することができる。同様に、第2の励起光合波部1240を空間結合型合波部とすることにより、第1の残留励起光結合部1231、第2の光結合部1222、および第2の残留励起光分離部1232と構成部品の大部分を共通化することができる。その結果、光増幅装置1000の低コスト化を図ることが可能である。なお、第1の励起光合波部1140および第2の励起光合波部1240として、WDM(Wavelength Division Multiplexing)カプラやアレイ導波路回折格子(Arrayed waveguide gratings:AWG)を用いることとしてもよい。
【0067】
光増幅装置1000は図5に示したように、第1の残留励起光分離部1130から第2の励起光合波部1240に至る第1の残留励起光21の光経路中に光アイソレータ1241および光アッテネータ1242を備えた構成としてもよい。同様に、光増幅装置1000は、第2の残留励起光分離部1232から第1の励起光合波部1140に至る第2の残留励起光22の光経路中に光アイソレータ1141および光アッテネータ1142を備えた構成としてもよい。
【0068】
また、光増幅装置1000は図5に示したように、第1のモニタ部(第1のモニタ手段)1151と第1の制御部(第1の制御手段)1152をさらに備えた構成とすることができる。ここで、第1のモニタ部1151は、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ(第1の光導波手段)1110から出力される、第1の信号光31および第1の残留励起光21の少なくとも一方の光強度をモニタする。そして、第1の制御部1152は、第1のモニタ部1151のモニタ結果に基づいて、第2の残留励起光22の光強度を制御する光アッテネータ(第1の光減衰手段)1142および第1の励起光生成部1121の少なくとも一方を制御する。このような構成とすることにより、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ1110から出力される第1の信号光31の光強度を制御することができる。
【0069】
同様に、光増幅装置1000は、第2のモニタ部(第2のモニタ手段)1251と第2の制御部(第2の制御手段)1252をさらに備えた構成とすることができる。ここで、第2のモニタ部1251は、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ(第2の光導波手段)1210から出力される、第2の信号光32および第2の残留励起光22の少なくとも一方の光強度をモニタする。そして、第2の制御部1252は、第2のモニタ部1251のモニタ結果に基づいて、第1の残留励起光21の光強度を制御する光アッテネータ(第2の光減衰手段)1242および第2の励起光生成部1221の少なくとも一方を制御する。このような構成とすることにより、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ1210から出力される第2の信号光32の光強度を制御することができる。
【0070】
次に、本実施形態による光増幅方法について説明する。
【0071】
本実施形態による光増幅方法においては、まず、第1の光増幅媒体を含む第1の光導波路に第1の信号光を導入し、第2の光増幅媒体を含む第2の光導波路に第2の信号光を導入する。そして、第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を第1の光導波路に導入し、第1の光導波路から出力される、第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、第2の光導波路に導入する。さらに、第1の残留励起光を、第1の光導波路にも導入することとしてもよい。
【0072】
ここまでの構成は、第1の実施形態による光増幅方法と同様である。本実施形態による光増幅方法においては、さらに、第2の光増幅媒体を励起する第2の励起光を第2の光導波路に導入し、第2の光導波路から出力される、第2の励起光の波長成分を有する第2の残留励起光を、第1の光導波路に導入する構成とした。
【0073】
以上説明したように、本実施形態による光増幅装置1000および光増幅方法によれば、マルチコア光ファイバを備えた光増幅装置をクラッド励起方式で用いる場合であっても、励起光の利用効率を増大させることができる。
【0074】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図6に、本実施形態による光増幅装置2000の構成を示す。本実施形態による光増幅装置2000は、第1の増幅部2100、第2の増幅部2200、信号光分離部2310、および信号光合波部2320を有する。ここで、第1の増幅部2100はC帯の信号光を増幅し、第2の増幅部2200はL帯の信号光を増幅するために用いることができる。
【0075】
信号光分離部2310は、信号光源LSから供給される信号光を、第1の増幅部2100に導入される第1の信号光31と、第2の増幅部2200に導入される第2の信号光32に分離する。信号光合波部2320は、第1の増幅部2100から出力される第1の信号光と、第2の増幅部2200から出力される第2の信号光を合波する。ここで、第1の信号光31は、例えば光ファイバ通信で用いられる波長帯のうちC帯に属し、第2の信号光32はL帯に属するものとすることができる。
【0076】
第1の増幅部2100は、第1の光導波手段としての第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ2110、第1の励起光生成部(第1の励起光生成手段)2121、第1の光結合部(第1の光結合手段)2122、および第1の残留励起光分離部(第1の残留励起光分離手段)2130を有する。また、第2の増幅部2200は、第2の光導波手段としての第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ2210および第1の残留励起光結合部(第1の残留励起光結合手段)2231を有する。
【0077】
ここまでの構成は、第2の実施形態による光増幅装置200の構成と同様である。本実施形態による光増幅装置1000は、第4の残留励起光導入部(第4の残留励起光導入手段)と第5の残留励起光導入部(第5の残留励起光導入手段)をさらに有する構成とした。
【0078】
第4の残留励起光導入部は、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ(第2の光導波手段)2210から出力される、第1の残留励起光21の波長成分を有する第3の残留励起光23を、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ(第1の光導波手段)2110に導入する。具体的には例えば、図6に示したように、第3の残留励起光23を第2の信号光32と分離する残留励起光分離部2232、および第3の残留励起光23を分岐して一方を第1の増幅部2100に供給する光カプラ2240を備えた構成とすることができる。
【0079】
この場合、第1の増幅部2100は、第3の残留励起光23と第1の励起光生成部2121が出力する第1の励起光11を合波する励起光合波部2141を備え、合波した後の励起光を第1の光結合部2122に供給する構成とすることができる。なお、図6に示したように、光カプラ2240から励起光合波部2141に至る第3の残留励起光23の光経路中に光アイソレータ2142および光アッテネータ2143を備えた構成としてもよい。
【0080】
第5の残留励起光導入部は、第3の残留励起光23を第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ(第2の光導波手段)2210に導入する。具体的には例えば、図6に示したように、光カプラ2240によって分岐された他方の第3の残留励起光23と、第1の残留励起光分離部2130によって分離された第1の残留励起光21を合波する残留励起光合波部2241を備えた構成とすることができる。そして、合波した後の残留励起光を第1の残留励起光結合部2231に供給する構成とすることができる。なお、図6に示したように、第1の残留励起光分離部2130から残留励起光合波部2241に至る第1の残留励起光21の光経路中に光アイソレータ2242および光アッテネータ2243を備えた構成としてもよい。
【0081】
励起光合波部2141および残留励起光合波部2241として、例えばマルチモードコンバイナや偏光ビームコンバイナなどを用いることができる。
【0082】
このように、本実施形態による光増幅装置2000においては、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ2110のコアにおいて吸収されずに出力された励起光を、第1の残留励起光21として第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ2210に導入する。そして、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ2210のコアにおいて吸収されずに出力された第3の残留励起光23を、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ2110に導入するとともに、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ2210にも再度導入する構成としている。したがって、本実施形態の光増幅装置2000によれば、励起光の利用効率をさらに増大させることができる。
【0083】
また、光増幅装置2000は図6に示したように、第1のモニタ部2151と第1の制御部2152をさらに備えた構成とすることができる。ここで、第1のモニタ部2151は、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ2110から出力される、第1の信号光31および第1の残留励起光21の少なくとも一方の光強度をモニタする。そして、第1の制御部2152は、第1のモニタ部2151のモニタ結果に基づいて、第1の励起光生成部2121を制御する。このような構成とすることにより、第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ2110から出力される第1の信号光31の光強度を制御することができる。
【0084】
同様に、光増幅装置2000は、第2のモニタ部2251と第2の制御部2252をさらに備えた構成とすることができる。ここで、第2のモニタ部2251は、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ2210から出力される、第2の信号光32および第3の残留励起光23の少なくとも一方の光強度をモニタする。そして、第2の制御部2252は、第2のモニタ部2251のモニタ結果に基づいて、第1の残留励起光21の光強度を制御する光アッテネータ2243を制御する。このような構成とすることにより、第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ2210から出力される第2の信号光32の光強度を制御することができる。
【0085】
次に、本実施形態による光増幅方法について説明する。
【0086】
本実施形態による光増幅方法においては、まず、第1の光増幅媒体を含む第1の光導波路に第1の信号光を導入し、第2の光増幅媒体を含む第2の光導波路に第2の信号光を導入する。そして、第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を第1の光導波路に導入し、第1の光導波路から出力される、第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、第2の光導波路に導入する。さらに、第1の残留励起光を、第1の光導波路にも導入することとしてもよい。
【0087】
ここまでの構成は、第1の実施形態による光増幅方法と同様である。本実施形態による光増幅方法においては、第2の光導波路から出力される、第1の残留励起光の波長成分を有する第3の残留励起光を、第1の光導波路に導入する構成とした。この場合、さらに、第3の残留励起光を第2の光導波路にも導入することとしてもよい。
【0088】
以上説明したように、本実施形態による光増幅装置2000および光増幅方法によれば、マルチコア光ファイバを備えた光増幅装置をクラッド励起方式で用いる場合であっても、励起光の利用効率を増大させることができる。
【0089】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0090】
(付記1)第1の光増幅媒体を含む第1の光導波手段と、第2の光増幅媒体を含む第2の光導波手段と、前記第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を前記第1の光導波手段に導入する第1の励起光導入手段と、前記第1の光導波手段から出力される、前記第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、前記第2の光導波手段に導入する第1の残留励起光導入手段、とを有する光増幅装置。
【0091】
(付記2)前記第1の残留励起光を、前記第1の光導波手段に導入する第2の残留励起光導入手段をさらに有する付記1に記載した光増幅装置。
【0092】
(付記3)前記第2の光増幅媒体を励起する第2の励起光を前記第2の光導波手段に導入する第2の励起光導入手段と、前記第2の光導波手段から出力される、前記第2の励起光の波長成分を有する第2の残留励起光を、前記第1の光導波手段に導入する第3の残留励起光導入手段、とをさらに有する付記1または2に記載した光増幅装置。
【0093】
(付記4)前記第1の励起光導入手段および前記第3の残留励起光導入手段は、前記第1の励起光と前記第2の残留励起光を合波する第1の励起光合波手段を備え、前記第2の励起光導入手段および前記第1の残留励起光導入手段は、前記第2の励起光と前記第1の残留励起光を合波する第2の励起光合波手段を備える付記3に記載した光増幅装置。
【0094】
(付記5)前記第2の光導波手段から出力される、前記第1の残留励起光の波長成分を有する第3の残留励起光を、前記第1の光導波手段に導入する第4の残留励起光導入手段をさらに有する付記1または2に記載した光増幅装置。
【0095】
(付記6)前記第3の残留励起光を、前記第2の光導波手段に導入する第5の残留励起光導入手段をさらに有する付記5に記載した光増幅装置。
【0096】
(付記7)信号光を、前記第1の光導波手段に導入される第1の信号光と、前記第2の光導波手段に導入される第2の信号光に分離する信号光分離手段と、前記第1の光導波手段から出力される前記第1の信号光と、前記第2の光導波手段から出力される前記第2の信号光を合波する信号光合波手段をさらに備える付記1から6のいずれか一項に記載した光増幅装置。
【0097】
(付記8)第1の光増幅媒体を含む第1の光導波路に第1の信号光を導入し、第2の光増幅媒体を含む第2の光導波路に第2の信号光を導入し、前記第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を前記第1の光導波路に導入し、前記第1の光導波路から出力される、前記第1の励起光の波長成分を有する第1の残留励起光を、前記第2の光導波路に導入する光増幅方法。
【0098】
(付記9)前記第1の残留励起光を、前記第1の光導波路に導入する付記8に記載した光増幅方法。
【0099】
(付記10)前記第2の光増幅媒体を励起する第2の励起光を前記第2の光導波路に導入し、前記第2の光導波路から出力される、前記第2の励起光の波長成分を有する第2の残留励起光を、前記第1の光導波路に導入する付記8または9に記載した光増幅方法。
【0100】
(付記11)前記第1の励起光合波手段および前記第2の励起光合波手段の少なくとも一方は、空間光学系を備えた空間結合型合波手段である付記4に記載した光増幅装置。
【0101】
(付記12)前記第1の励起光の波長は、前記第2の励起光の波長と異なる付記3、4、および11のいずれか一項に記載した光増幅装置。
【0102】
(付記13)前記第1の励起光導入手段は、前記第1の励起光を生成する第1の励起光生成手段と、前記第1の励起光を前記第1の光導波手段に結合する第1の光結合手段を備え、前記第1の残留励起光導入手段は、前記第1の残留励起光を前記第2の光導波手段に結合する第1の残留励起光結合手段と、前記第1の光導波手段から出力される第1の信号光と前記第1の残留励起光を分離する第1の残留励起光分離手段を備える付記3、4、11、および12のいずれか一項に記載した光増幅装置。
【0103】
(付記14)前記第2の励起光導入手段は、前記第2の励起光を生成する第2の励起光生成手段と、前記第2の励起光を前記第2の光導波手段に結合する第2の光結合手段を備え、前記第3の残留励起光導入手段は、前記第2の残留励起光を前記第1の光導波手段に結合する第2の残留励起光結合手段と、前記第2の光導波手段から出力される第2の信号光と前記第2の残留励起光を分離する第2の残留励起光分離手段を備える付記3、4、11、および12のいずれか一項に記載した光増幅装置。
【0104】
(付記15)前記第1の光導波手段から出力される、前記第1の信号光および前記第1の残留励起光の少なくとも一方の光強度をモニタする第1のモニタ手段と、前記第1のモニタ手段のモニタ結果に基づいて、前記第2の残留励起光の光強度を制御する第1の光減衰手段および前記第1の励起光生成手段の少なくとも一方を制御する第1の制御手段、を有する付記13に記載した光増幅装置。
【0105】
(付記16)前記第2の光導波手段から出力される、前記第2の信号光および前記第2の残留励起光の少なくとも一方の光強度をモニタする第2のモニタ手段と、前記第2のモニタ手段のモニタ結果に基づいて、前記第1の残留励起光の光強度を制御する第2の光減衰手段および前記第2の励起光生成手段の少なくとも一方を制御する第2の制御手段、を有する付記14に記載した光増幅装置。
【0106】
(付記17)前記第1の光導波手段は、第1の波長帯域に利得を有し、前記第2の光導波手段は、前記第1の波長帯域と異なる第2の波長帯域に利得を有する付記1から7、および11から16のいずれか一項に記載した光増幅装置。
【0107】
(付記18)前記第1の光増幅媒体および前記第2の光増幅媒体はいずれも、希土類イオンが添加された複数のコアからなり、前記第1の光導波手段および前記第2の光導波手段はいずれも、前記複数のコアとダブルクラッド構造からなる複数の光伝送路を備えたマルチコア光ファイバを有し、前記第1の励起光導入手段は、クラッド励起方式により前記第1の励起光を前記第1の光導波手段に導入する付記1から7、および11から17のいずれか一項に記載した光増幅装置。
【0108】
(付記19)前記第2の光導波路から出力される、前記第1の残留励起光の波長成分を有する第3の残留励起光を、前記第1の光導波路に導入する付記8または9に記載した光増幅方法。
【0109】
(付記20)前記第3の残留励起光を、前記第2の光導波路に導入する付記19に記載した光増幅方法。
【0110】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0111】
この出願は、2021年2月26日に出願された日本出願特願2021-030665を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0112】
100、101、200、201、1000、2000 光増幅装置
111 第1の光導波路
112 第2の光導波路
120 第1の励起光導入部
131 第1の残留励起光導入部
132 第2の残留励起光導入部
211、1110、2110 第1のマルチコアエルビウム添加ファイバ
212、1210、2210 第2のマルチコアエルビウム添加ファイバ
221、1121、2121 第1の励起光生成部
222、1122、2122 第1の光結合部
231、1231、2231 第1の残留励起光結合部
232、1130、2130 第1の残留励起光分離部
233 残留励起光分岐部
241、1310、2310 信号光分離部
242、1320、2320 信号光合波部
1100、2100 第1の増幅部
1131 第2の残留励起光結合部
1140 第1の励起光合波部
1141、1241、2142、2242 光アイソレータ
1142、1242、2143、2243 光アッテネータ
1151、2151 第1のモニタ部
1152、2152 第1の制御部
1200、2200 第2の増幅部
1221 第2の励起光生成部
1222 第2の光結合部
1232 第2の残留励起光分離部
1240 第2の励起光合波部
1251、2251 第2のモニタ部
1252、2252 第2の制御部
2141 励起光合波部
2232 残留励起光分離部
2240 光カプラ
2241 残留励起光合波部
11 第1の励起光
12 第2の励起光
21 第1の残留励起光
22 第2の残留励起光
23 第3の残留励起光
30 信号光
31 第1の信号光
32 第2の信号光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光増幅媒体を含む第1の光導波手段と、
第2の光増幅媒体を含む第2の光導波手段と、
前記第1の光導波手段に、前記第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を導入する第1の励起光導入手段と、
前記第2の光導波手段に、前記第1の励起光の波長成分が残留する前記第1の光導波手段からの出力光を導入する第1の残留励起光導入手段と、
を含み、
前記第1の光導波手段と前記第2の光導波手段は
複数のコアと、クラッドが内側と外側に複数あるダブルクラッド構造と、を含むマルチコア光ファイバを備える
光増幅装置。
【請求項2】
前記第1の励起光導入手段が用いる励起方式は
前記ダブルクラッド構造の外側クラッドに励起光を入射させるクラッド励起方式を含む
請求項1に記載光増幅装置。
【請求項3】
前記第2の光増幅媒体は、前記第1の励起光の波長成分によって励起される
請求項1または請求項2に記載の光増幅装置。
【請求項4】
前記マルチコア光ファイバが含む複数のコアにはイオン化された希土類元素が添加されており、
該希土類元素はエルビウムおよびツリウムおよびイッテルビウムの少なくとも一つを含む請求項1から3のいずれか一項に記載の光増幅装置。
【請求項5】
前記第1の光導波手段と前記第2の光導波手段は、エルビウム添加マルチコア光ファイバを各々含む
請求項1から3のいずれか一項に記載の光増幅装置。
【請求項6】
前記第1の光導波手段に導入される第1の信号光と、前記第2の光導波手段に導入される第2の信号光と、に信号光を分離する信号光分離手段と、
前記第1の光導波手段から出力される信号光成分と、前記第2の光導波手段から出力される信号光成分と、を合波する信号光合波手段と、をさらに備える
請求項1から5のいずれか一項に記載の光増幅装置。
【請求項7】
前記第1の信号光と前記第2の信号光は波長帯が異なり、
前記光増幅装置はマルチバンド波長多重伝送に適用可能である
請求項6に記載の光増幅装置。
【請求項8】
前記第1の信号光はC帯(Conventional band)に属し、
前記第2の信号光はL帯(Long wavelength band)に属する
請求項6または7に記載の光増幅装置
【請求項9】
前記第2の光導波手段が含む前記マルチコア光ファイバは、前記第1の光導波手段が含む前記マルチコア光ファイバよりも長尺である
請求項8に記載の光増幅装置
【請求項10】
第1の光増幅媒体を含むマルチコア光ファイバに、前記第1の光増幅媒体を励起する第1の励起光を導入し、
第2の光増幅媒体を含むマルチコア光ファイバに、前記第1の励起光の波長成分が残留する前記第1の光増幅媒体からの出力光を導入し、
前記マルチコア光ファイバは、複数のコアと、クラッドが内側と外側に複数あるダブルクラッド構造と、を含んでいる光増幅方法。