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特開2024-99748電子機器、リスト機器、電子機器の制御方法、及びプログラム
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  • 特開-電子機器、リスト機器、電子機器の制御方法、及びプログラム 図1
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  • 特開-電子機器、リスト機器、電子機器の制御方法、及びプログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099748
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】電子機器、リスト機器、電子機器の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 9/06 20060101AFI20240718BHJP
   G01C 5/06 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
G01C9/06 Z
G01C5/06
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071993
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2020054346の分割
【原出願日】2020-03-25
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今村 圭一
(57)【要約】
【課題】道路勾配値を求める際に生じる大きな誤差を抑止すること。
【解決手段】道路勾配メータ1は、積算距離を算出するGPSユニット15及びCPU10と、GPSユニット15及びCPU10が算出した積算距離に基づいて、道路勾配の算出方法を決定し、決定した算出方法に基づいて、道路勾配を算出するCPU10と、を備る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動状況を取得する移動状況取得部と、
気圧情報を取得する気圧センサと、
道路勾配を算出する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記移動状況取得部が取得した移動状況に基づいて、前記道路勾配の算出に使用する気圧情報の取得個数を変更するか否かを決定する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記移動状況取得部から移動状況を取得することに対応して、前記気圧センサから前記気圧情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記移動状況は、移動距離に関する情報を含み、
前記制御部は、前記移動距離に関する情報に基づいて、前記道路勾配の算出方法を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記移動状況は、移動距離に関する情報を含み、
前記制御部は、前記移動距離に関する情報に基づいて前記道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、
過去の所定区間に対応する前記移動距離の合計値が所定距離以上の場合、前記所定区間に対応する前記道路勾配を算出し、
前記所定区間に対応する前記移動距離の合計値が前記所定距離未満の場合、前記気圧情報の取得個数を増加させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、
過去の所定区間に対応する前記移動距離の合計値が所定距離以上の場合、前記所定区間に対応する前記道路勾配を算出し、
前記所定区間に対応する前記移動距離の合計値が前記所定距離未満の場合、前記所定区間に対応する前記道路勾配を算出しない、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、
過去の前記移動距離の合計値が所定距離以上の区間を算出し、前記区間に対応する移動距離の合計値と前記区間に対応する気圧情報の変化とに基づいて、前記道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項4から6の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記移動状況取得部は、自機の速度情報を取得する速度情報取得部および速度情報から移動距離を取得する移動距離取得部を含み、
前記制御部は、前記移動距離取得部が取得した移動距離と、前記速度情報の取得に対応して前記気圧センサが取得した気圧情報の変化とに基づいて、道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、
前記速度情報取得部から前記自機の速度情報を取得し、
前記速度情報に基づいて、前記道路勾配の算出方法を変更する、
ことを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記制御部は、前記速度情報に基づいて、前記道路勾配の算出に使用する前記気圧情報の個数を変更することで、前記道路勾配の算出方法を変更する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記制御部は、前記速度情報の速度が所定速度未満である場合、前記道路勾配を算出しない、
ことを特徴とする請求項8から10の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項12】
前記制御部は、所定速度よりも前記速度情報の速度以上である場合、前記速度情報の速度が大きくなるに応じて、前記道路勾配の算出に使用する前記気圧情報の個数を減らす、
ことを特徴とする請求項8から11の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項13】
請求項1から12のうちいずれか1項に記載の電子機器を備えるリスト機器。
【請求項14】
移動状況取得部と、
気圧センサと、
制御部と、を備える電子機器の制御方法であって、
前記移動状況取得部が移動状況を取得するステップと、
前記気圧センサが気圧情報を取得するステップと、
前記移動状況取得部が取得した移動状況に基づいて、道路勾配の算出に使用する気圧情報の取得個数を変更するか否かを決定するステップと、
を含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項15】
コンピュータに、
移動状況を取得させる工程、
気圧情報を取得させる工程、
前記取得した移動状況に基づいて、道路勾配の算出に使用する気圧情報の取得個数を変更するか否かを決定させる工程、
前記取得した気圧情報を使用して前記道路勾配を算出させる工程、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、リスト機器、電子機器の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが移動した道路の勾配を求める技術として、GPS(Global Positioning System)で取得した位置情報と、気圧センサで取得した気圧情報と、を利用した技術が知られている。この技術によれば、位置情報の変化と、気圧情報の変化の値から、ユーザが移動したルートにおける道路勾配を求めることができる。
【0003】
ここで、例えば、GPS受信機で取得した衛星信号情報と気圧センサで取得した気圧情報とを利用して、ユーザが移動したルートの斜度を演算する携帯情報端末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-184045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、気圧情報は、ユーザの移動に関わらず、天候によっても左右されてしまうため、特に、ユーザが低い速度で移動する間に算出した道路勾配値は、誤差を含んでいることが多い。例えば、ユーザの移動速度がゼロに近い状況下において、わずかな気圧計測のアーチファクト(即ち、ノイズ)が生じると、道路勾配値に含まれる誤差が大きくなることがある。
【0006】
このため、ユーザの移動速度が極端に低いとき、又はユーザの停止中に、道路勾配を観測した場合に、大きな誤差が生じることが想定される。
【0007】
本発明は、道路勾配値を求める際に生じる大きな誤差を抑止することができる、電子機器、リスト機器、電子機器の制御方法、及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、
移動状況を取得する移動状況取得部と、
気圧情報を取得する気圧センサと、
道路勾配を算出する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記移動状況取得部が取得した移動状況に基づいて、前記道路勾配の算出に使用する気圧情報の取得個数を変更するか否かを決定する、
ことを特徴とする電子機器である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子機器は、道路勾配値を求める際に生じる大きな誤差を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る道路勾配メータの構成を示したハードウェアブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る道路勾配メータが、道路勾配を算出するまでの処理を示したフローチャートである。
図3】第1の実施形態における各種閾値を示した閾値テーブルである。
図4】第2の実施形態に係る道路勾配メータが、道路勾配を算出するまでの処理を示したフローチャートである。
図5】第3の実施形態に係る道路勾配メータが、道路勾配を算出するまでの処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されるものではない。なお、同一の構成については同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
【0012】
<第1の実施形態>
[道路勾配メータの構成]
図1を参照して、本実施形態に係る道路勾配メータ1(電子機器)を説明する。なお、本実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態では、ユーザが自転車で移動する際の道路勾配を測定する道路勾配メータ1を例に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る道路勾配メータ1の構成を示したハードウェアブロック図である。図1に示すように、道路勾配メータ1は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、気圧センサ12、加速度センサ13、RAM(Random Access Memory)14、GPS(Global Positioning System)ユニット15、Bluetooth通信部16、速度センサ17、及び温度計18を備えて構成されている。
【0014】
CPU10は、各種演算処理を行い、道路勾配メータ1の各部を制御する制御部を構成する。CPU10は、ROM11に記憶されている各種アプリケーションプログラムの中から指定されたアプリケーションプログラムをRAM14内のワークメモリに展開する。CPU10は更に、入力データに応じてワークメモリに展開したアプリケーションプログラムに従って、各種処理を実行する。
【0015】
CPU10は、GPSユニット15が取得した緯度と経度からなる位置情報に基づいて移動状況を取得し、道路勾配の算出方法を決定し、決定した算出方法に基づいて、道路勾配を算出する。CPU10とGPSユニット15の組み合わせは、移動状況取得部として機能する。道路勾配メータ1は、気圧情報を取得する気圧センサ12を備えているので、CPU10は、気圧センサ12が取得した気圧情報に基づいて、道路勾配を算出する。道路勾配の算出方法の決定については、後述する。第1の実施形態では、移動状況は、移動距離に関する情報を含み、第2の実施形態では、移動状況は、移動距離と速度情報に関する情報を含んでいる。なお、第1の実施形態、及び第2の実施形態において、ユーザの移動状況をGPSユニット15とCPU10が取得しているが、これに限られず、GPSユニット15が衛星から取得した情報を用いて移動状況を取得し、CPU10に送信してもよい。
【0016】
CPU10は、GPSユニット15が取得した位置情報と、位置情報の取得に対応して気圧センサ12が取得した気圧情報に基づいて、道路勾配を算出する。また、CPU10は、移動状況に基づいて、道路勾配の算出方法を変更する。なお、GPSユニット15による移動状況の取得のタイミングと気圧センサ12による気圧情報の取得のタイミングは、同期させなくてもよい。同期させない場合は、例えば、取得タイミングが近かった移動状況と気圧情報とに基づいて道路勾配を算出してもよい。
【0017】
ROM11には、各種制御プログラムや初期設定データが保持されており、不図示の各種のアプリケーションプログラムは、道路勾配メータ1の起動時にCPU10により読み出され、継続的に実行される。
【0018】
気圧センサ12は、気圧情報を取得する。気圧センサ12では、気圧センサ12の周囲の気圧を検出し、気圧情報(気圧値)として取得する。これにより、気圧センサ12は、測定時の気圧情報を取得し、その取得した気圧情報をCPU10に出力する。
【0019】
加速度センサ13は、3次元の加速度をセンシングするセンサである。加速度センサ13は、道路勾配メータ1に装着され、道路勾配メータ1の動作を良好にセンシングする。
【0020】
RAM14は、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)といった揮発性メモリで構成され、CPU10に作業用のメモリ空間を提供する。また、RAM14は、取得されたデータや設定されたユーザ設定データなどを一時記憶させることもできる。
【0021】
GPSユニット15は、位置情報を取得する。GPSユニット15は、複数の衛星からGPSアンテナで受信した信号に基づき、道路勾配メータ1の現在の位置情報を取得し、現在の位置情報をCPU10に出力する。なお、GPSユニット15は、一例であり、これに限定されるものではない。例えば、他の衛星測位システムなどを利用して、現在の位置情報を取得してもよい。
【0022】
Bluetooth通信部16は、速度センサ17と近距離無線通信を行う通信部を構成する。Bluetooth通信部16は、速度センサ17と受信するための接続できればよく、本発明は、BLEに限定されるものではない。例えば、NIC(Near Field Communication)、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)等でも、所望の通信部を構成することができる。
【0023】
速度センサ17は、例えば、ケイデンスセンサにより構成される。ケイデンスセンサは、ユーザが自転車に乗っている状態で、車輪の回転数を磁石の通過回数により検出し、自転車における1分間当たりのクランクの回転数を計測する。ケイデンスセンサが示す数字は、自転車に乗る人のペダルを回転する速さを示しており、計測された回転数から速度情報を算出する。このように、クランクの回転数を検出した速度センサ17は、算出した速度情報をBluetooth通信部16に送信する。
【0024】
なお、本実施形態では、速度センサ17のみBluetooth通信部16との通信先として設定しているが、図1に示した各種構成を備えた電子機器と通信を行い、道路勾配メータ1が必要な情報を取得するようにしてもいい。また、速度センサ17を道路勾配メータ1が備えていてもいい。また、この速度センサ17は、ケイデンスセンサに限定されるものではなく、GPSを用いて位置情報の変位から速度情報を算出してもよい。また、ユーザが歩行により移動している場合には、加速度センサを有する歩数計から速度情報を算出しても良い。
【0025】
温度計18は、道路勾配メータ1が設けられている周辺温度を、道路勾配メータ1の温度として取得する。温度計18は、取得した道路勾配メータ1の温度をCPU10に送出する。
【0026】
[道路勾配メータの制御方法]
次に、道路勾配メータ1の制御方法について、図2に示すフローチャートを用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係る道路勾配メータ1が、自転車に装填され、道路勾配を算出するまでの処理を示したフローチャートである。
【0027】
まず、ステップS001において、道路勾配メータ1のCPU10は、道路勾配の算出に用いるデータを、例えば、11回分取得する。本実施例において、道路勾配の算出に用いるデータは、道路勾配メータ1の位置を示す位置情報と気圧情報である。例えば、CPU10は、1秒ごとに気圧センサ12から気圧情報を取得するとともに、GPSユニット15から現在の位置情報を取得する。なお、道路勾配の算出に用いるデータとして、更に速度情報等の別のデータを取得する構成としてもよい。
【0028】
なお、第1の実施形態では、道路勾配を算出しない未計測期間が設けられる。未計測期間は、ステップS001で道路勾配の算出に用いる位置情報と気圧情報のデータを所定のn回(本実施例では、11回)分取得する期間に対応する。未計測期間では、道路勾配の初期値には、「0」を収納しておく。なお、最初の未計測期間には、道路勾配値を表示しなくてもよい。そして、CPU10は、取得した移動状況に基づいて、道路勾配の算出方法を変更する。
【0029】
図3は、第1の実施形態における各種閾値を示した閾値テーブルである。図3に示す閾値テーブルには、行の項目に、更新期間として、位置情報と気圧情報のデータ取得(1秒ごと)、位置情報と気圧情報のデータ取得(5秒ごと)、位置情報と気圧情報のデータ取得(120秒ごと)が設けられ、一方、列の項目に、更新の欄と、位置情報と気圧情報のデータの個数nの欄と、閾値Lsの欄が設けられている。
【0030】
図3に示す閾値テーブルでは、GPSユニット15が1秒ごとに位置情報を取得する場合、新たに取得するデータの個数は、10[個]であり、閾値Lsは、10[m]となっている。また、GPSユニット15が5秒ごとに位置情報を取得する場合、新たに取得するデータの個数は、10[個]であり、閾値Lsは、40[m]となっている。一方、GPSユニット15が120秒ごとに位置情報を取得する場合、CPU10が道路勾配を算出する機能を停止する旨が設定されている。この閾値テーブルは、例えば、RAM14に書き換え可能に格納されている。ここでは、GPSユニット15が、1秒ごとに位置情報を取得する場合について、説明する。
【0031】
図3に示す閾値テーブルについて詳述すると、位置情報は、例えば、1秒ごと、5秒ごと、120秒ごと等、決められたタイミングごと(更新期間)に取得される。暫時距離ΔLは、位置情報から取得されるパラメータであり、同様に1秒ごと、5秒ごと、120秒ごとに算出される。これらのタイミング(更新期間)は、例えば、電池残量やユーザの操作で決めことができる。例えば、低電力モードの時は、最低限の位置情報を得るために120秒ごとに位置情報が取得され、高機能モードの時は、より精密な位置情報をとるために1秒ごとに取得する。
【0032】
また、データの個数10個(n個)は、道路勾配を求める際に使用される暫時距離ΔLの数を表している。つまり、道路勾配を求める際に暫時距離ΔLを、後述のように積算するが、その一つの道路勾配を求める際に積算する暫時距離ΔLの数が10個(n個)である。なお、10個というのは変更可能であり、20個、30個と増やすことにより、より多くのデータを平均化できるので、気圧の誤差による影響が少なくなる。ただし、増やしすぎるとユーザが移動したルート上の傾斜の変化を反映させづらくなる。逆に10個より少なく5個、2個と減らすこともできる。この場合、ユーザが移動したルート上の傾斜の変化を反映させやすくなるが、気圧センサの誤差が大きく含まれてしまう危険性がある。
【0033】
次に距離の閾値Lsは、10m、40mとあるが、これは、暫時距離ΔLの取得間隔が1秒ごとか5秒ごとかによって定められる。距離の閾値Lsは、暫時距離ΔLをn個を積算したときに比較対象となる数値のことであり、過去10回の暫時距離ΔLの積算値(後述する積算距離ΣL)が距離の閾値Lsを超えていれば、ユーザが移動したとみなせるので、過去10回の暫時距離ΔLと過去10回の気圧情報とに基づいて道路勾配を算出する。一方、過去10回の暫時距離ΔLの積算値が距離の閾値Lsを超えていなければ、ユーザは大きく移動していないと見なせるので、前回の勾配を今回の勾配とする処理を行うことで、気圧の誤差による影響を抑止することができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、暫時距離ΔLの取得間隔が1秒ごとか5秒ごとかによって距離の閾値Lsが10m、40mとそれぞれ異なる値に定められているが、これは暫時距離ΔLの取得間隔が1秒ごとか5秒ごとかによってユーザの移動できる距離(積算距離)が大きく違うためである。暫時距離ΔLの取得が1秒ごとである場合は、暫時距離ΔLを10個取得するには合計で10秒要する。本実施の形態では、10秒で最低限移動したとみなせる値を、例えば、10mに設定している。また、暫時距離ΔLの取得が5秒ごとである場合は、暫時距離ΔLを10個取得するには、合計で50秒要する。単純計算をすれば、1秒ごと暫時距離ΔLを積算する10秒間よりも5倍はユーザが移動できることになり、最低限距離閾値は、1秒ごとに暫時距離ΔLを積算する時よりも5秒ごとに暫時距離ΔLを積算する時の方が大きく設定することができる。
【0035】
また、10秒ごとに10mというのは、一例として、自転車に乗ったユーザ向けに考えられた数値であり、例えば、歩いているユーザが使う場合、閾値Lsがもう少し低く設定してもよい。また、120秒ごとの時は機能禁止となっているが、これは、120秒ごとに暫時距離ΔLを算出して、道路勾配を算出しても、ユーザが実際に移動した道路勾配をうまく取得できないと考えられ、機能停止の設定になっている。通常、120秒あれば、その間に、道路を登ったり下ったりを繰り返すユーザも多く、ユーザの移動したルートの道路勾配の変化は、ほとんど表すことができないことを考慮している。
【0036】
CPU10は、取得した気圧情報ごとに、標高値Hを算出する(ステップS003)。CPU10は、気圧値(気圧情報)を1秒ごとに取得する。ここで、標高値Hは、式(1)を用いて算出する。
【0037】
【数1】
【0038】
なお、標準大気圧Brは、海面気圧を示しており、現在気圧Brは、CPU10が気圧センサ12から取得した現在の気圧値(気圧情報)を示しており、基準気温Trは、基準となる温度であり、例えば、温度計18で取得した道路勾配メータ1の温度である。
【0039】
次に、CPU10は、算出した標高値Hから、暫時高低差ΔHを算出する(ステップS005)。暫時高低差ΔHは、気圧情報のデータを取得する毎の標高値の高低差である。CPU10は、1秒ごとに気圧情報のデータ取得しているため、式(2)を用いて、1秒間の暫時高低差ΔHを算出する。すなわち、現在の標高値Hから1つ前の標高値Hp-1を引くことで、暫時高低差ΔHが算出される。
【0040】
【数2】
【0041】
なお、pは、最新の状況を示す位置情報と気圧情報のデータのインデックス番号である。具体的には、道路勾配を算出する際に使用される、位置情報と気圧情報のデータの取得された時系列順に割り振られた番号である。なお、pは、新たな位置情報と気圧情報のデータを取得する毎に1つずつ加算される。
【0042】
次に、CPU10は、積算高低差ΣHを算出する(ステップS007)。CPU10は、n個分の暫時高低差ΔHを合計した積算での高低差を算出する。本実施形態の場合、1秒ごとに気圧情報のデータ取得した、10個のデータ(暫時高低差ΔH)を積算した高低差を算出する。なお、下りの勾配において、積算高低差ΣHは、負の値になる。CPU10は、1秒ごとに気圧情報のデータ取得しているため、式(3)を用いて、n個の暫時高低差ΔHの総和を計算する。
【0043】
【数3】
【0044】
なお、nは、道路勾配を算出する際に用いられる位置情報と気圧情報のデータの個数を示しており(図3参照)、この場合、10個の暫時高低差ΔHを積算する。
【0045】
次に、CPU10は、位置情報の変化から、暫時距離ΔLを算出する(ステップS009)。なお、CPU10は、1秒ごとに標高値を算出するようになっているため、暫時距離ΔLについても1秒ごとに取得することが好ましい。なお、暫時距離ΔLは、式(4)を用いて算出することができる。
【0046】
【数4】
【0047】
次に、CPU10は、積算距離ΣLを算出する(ステップS011)。CPU10は、n個分の暫時距離ΔLを合計した積算での移動距離を算出する。本実施形態の場合1秒ごとに位置情報のデータ取得した、10個のデータ(暫時距離ΔL)を積算した距離を算出する。CPU10は、式(5)を用いて、n個の暫時距離ΔLの総和を計算する。
【0048】
【数5】
【0049】
CPU10は、積算距離ΣL(暫時距離ΔLの合計値)が、所定距離(閾値Ls)以上か否かを判定しており(ステップS013)、閾値Ls以上の場合(ステップS013のYes)、積算高低差ΣHを積算距離ΣLで除算して道路勾配を算出し(ステップS015)、次の位置情報と気圧情報のデータを取得する(ステップS019)。
【0050】
一方、積算距離ΣL(暫時距離ΔLの合計値)が、閾値Ls未満の場合には(ステップS013のNo)、道路勾配を算出しないで、前回の道路勾配を今回の道路勾配として(ステップS017)、次の位置情報と気圧情報のデータを取得する(ステップS019)。
【0051】
ステップS019では、CPU10は、1秒後の道路勾配の算出に用いる気圧情報と位置情報のデータを取得し、その後同様の処理を繰り返す。
【0052】
以上説明したように、第1の実施形態の道路勾配メータ1は、気圧センサ12、GPSユニット15、CPU10を備えて構成されている。CPU10は、積算距離ΣLを算出して、積算距離ΣLが閾値Ls以上であれば、道路勾配を算出し、積算距離ΣLが閾値Ls未満であれば、道路勾配を算出せず、前回の道路勾配を今回の道路勾配に適用する。すなわち、CPU10は、積算距離ΣLに応じての算出方法を変更する。
【0053】
本実施の形態において、道路勾配の算出方法の変更とは、道路勾配を算出する場合と道路勾配を算出しない場合とを切り替えることを意味しており、道路勾配を算出しない場合は、積算距離ΣLが小さく、誤差が大きいため、あえて道路勾配を算出しないという算出方法に変更するものである。換言すれば、積算距離ΣLが閾値Ls以上であれば、道路勾配を算出するが、積算距離ΣLが閾値Ls未満の場合、道路勾配を算出しないことを選択する、とも言える。
【0054】
これにより、積算距離ΣLが閾値Ls以上である時のみ、気圧情報と位置情報を用いて道路勾配を算出するため、気圧情報がアーチファクトを含んでいても、道路勾配に大きな誤差が生じることを抑止することができる。また、積算距離ΣLが閾値Ls未満であるときは、ユーザが大きな移動をしていないため、ユーザが位置する道路の勾配があまり変化していない可能性が高い。そのため、前回の道路勾配を今回の道路勾配に適用することで、道路勾配に大きな誤差が生じることを抑止することができる。
【0055】
したがって、第1の実施形態の道路勾配メータ1は、例えば、自転車の乗車時に速度域が極端に低いとき、又は自転車の停車しているときに生じる、道路勾配の大きな誤差を抑止することができる。
【0056】
なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS003~ステップS011の処理については、処理の順序に限定されるものではなく、処理の順序を入れ替えても同様に実行することができる。また、ステップS003~ステップS011の処理は、同時に並行で処理するようにしてもよい。例えば、ステップS003とステップS005を実行するとともに、同時に並行して、ステップS007とステップS009を実行するようにしてもよい。
【0057】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る道路勾配メータ1のCPU10は、気圧センサ12から気圧情報を繰り返し取得し、移動状況に基づいて、道路勾配の算出に使用する気圧情報の個数を変更することで、道路勾配の算出方法を変更する。
【0058】
第2の実施形態によれば、CPU10は、移動状況に基づいて、道路勾配の算出に使用する気圧情報の個数を変更することができるので、より高精度に道路勾配を算出することができる。
【0059】
なお、第2の実施形態に係る道路勾配メータ1は、第1の実施形態に係る道路勾配メータ1と同一の構成で実現することができ、処理する動作が異なる。そこで、第2の実施形態に対応するフローチャートを用いて、第2の実施形態の処理について、説明する。
【0060】
[道路勾配メータの制御方法]
第2の実施形態に係る道路勾配メータ1の制御方法について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。図4は、第2の実施形態に係る道路勾配メータ1が、自転車に装填され、道路勾配を算出するまでの処理を示したフローチャートである。第2の実施形態の道路勾配メータ1は、位置情報のデータを取得する毎に積算距離ΣLが、閾値Ls以上であるか否かを判定する。
【0061】
まず、道路勾配メータ1のCPU10は、1秒間隔で2回分の気圧情報と位置情報のデータを取得する(ステップS100)。次に、CPU10は、nに1を代入する(ステップS101)。
【0062】
なお、第2の実施形態では、暫時高低差ΔHを動的に変更させるため、道路勾配の計算に用いる暫時高低差ΔHの個数又は暫時距離ΔLの個数を変数nとして説明する。変数pは、位置情報と気圧情報のデータのインデックス番号であり、新たな位置情報と気圧情報のデータを取得する毎に1つずつ加算される。
【0063】
次に、CPU10は、式(4)を用いて、1秒間の位置情報の変化から、暫時距離ΔLを算出する(ステップS103)。そして、CPU10は、式(5)と変数nとを用いて、積算距離ΣLを算出する(ステップS105)。
【0064】
次に、CPU10は、式(2)を用いて、1秒間の気圧高低差の変化から暫時高低差ΔHを算出する(ステップS107)。そして、CPU10は、式(3)と変数nとを用いて、積算高低差ΣHを算出する(ステップS109)。
【0065】
CPU10は、積算距離ΣL(暫時距離ΔLの合計値)が、閾値Ls以上か否かを判定しており(ステップS111)、閾値Ls以上の場合(ステップS111のYes)、積算高低差ΣHを積算距離ΣLで除算して道路勾配を算出し(ステップS113)、1秒後に次の位置情報のデータを取得する(ステップS115)。そして、CPU10は、ステップS101に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0066】
一方、積算距離ΣL(暫時距離ΔLの合計値)が、閾値Ls未満の場合(ステップS111のNo)、CPU10は、暫時距離ΔLの個数nに1を加算して(ステップS117)、暫時距離ΔLの個数nが20以上か否かを判定する(ステップS119)。
【0067】
CPU10は、暫時距離ΔLの個数nが20以上でない場合(ステップS119のNo)、1秒後に次の位置情報のデータを取得する(ステップS123)。CPU10は、ステップS103に戻り、次の暫時距離ΔLの個数n(例えば、n=2)において、ステップS103からステップS111までの処理を繰り返す。
【0068】
一方、暫時距離ΔLの個数nが20以上の場合は(ステップS119のYes)、測定不能と判定し(ステップS121)、CPU10は、次の位置情報のデータを取得し(ステップS115)、ステップS101からステップS115までの処理を繰り返す。なお、測定不能と判断された場合、道路勾配の算出を停止するように制御してもよい。
【0069】
なお、ステップS121において、測定不能と判定された場合、CPU10は、例えば、前回算出された道路勾配を表示部に表示してもよく、計測できなかった旨やエラーが発生した旨を表示部に表示してもよい。
【0070】
このように、第2の実施形態において、CPU10は、道路勾配を算出する際に用いる暫時高低差ΔHの個数n又は暫時距離ΔLの個数nを変更することができる。すなわち、積算距離ΣLが閾値Ls未満の場合に、CPU10は、道路勾配を算出する際に用いる暫時高低差ΔHの個数n又は暫時距離ΔLの個数nを増やすことで、気圧情報の誤差の影響を軽減できるため、ユーザの移動速度が低い場合でも道路勾配を算出できる。
【0071】
以上説明したように、第2の実施形態の道路勾配メータ1のCPU10は、気圧センサ12から気圧情報を繰り返し取得し、移動状況に基づいて、道路勾配の算出に使用する気圧情報の個数nを変更する。
【0072】
これにより、第2の実施形態の道路勾配メータ1は、移動状況に基づいて、道路勾配を算出する際に用いる気圧情報の個数nを変更することができるので、より高精度に道路勾配を算出することができる。
【0073】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る道路勾配メータ1は、GPSユニット15の代わりに、移動状況取得部としての自機の速度情報を取得する速度センサ17(速度情報取得部)および速度情報から移動距離を取得する移動距離取得部を含んで構成される。この場合、CPU10は、移動距離取得部としても機能する。この場合、CPU10は、移動距離取得部が取得した移動距離と、速度情報の取得に対応して気圧センサ12が取得した気圧情報の変化とに基づいて、道路勾配を算出する。
【0074】
第3の実施形態に係る道路勾配メータ1のCPU10は、速度センサ17から自機の速度情報を取得し、速度情報に基づいて道路勾配の算出方法を変更する。CPU10は、速度情報の速度が所定速度未満である場合、道路勾配を算出しない。
【0075】
これより、第3の実施形態によれば、CPU10は、移動距離に限定されず、取得する速度情報に基づいて、自転車の乗車時に速度域が極端に低いとき、又は自転車の停車しているときに生じる、道路勾配の大きな誤差を抑止することができる。
【0076】
なお、第3の実施形態に係る道路勾配メータ1は、第1の実施形態に係る道路勾配メータ1と処理の一部が異なるため、第3の実施形態に対応するフローチャートを用いて、第3の実施形態の処理について説明する。
【0077】
[道路勾配メータの制御方法]
第3の実施形態に係る道路勾配メータ1の制御方法について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。図5は、第3の実施形態に係る道路勾配メータ1が、自転車に装填され、道路勾配を算出するまでの処理を示したフローチャートである。第3の実施形態の道路勾配メータ1は、図2のフローチャートと同様に、積算距離ΣLが、閾値Ls以上であるか否かを判定する。
【0078】
まず、図5のフローチャートにおいて、道路勾配メータ1のCPU10は、図2のフローチャートのステップS001からステップS007まで、同様の処理を行う。
【0079】
そして、CPU10は、暫時距離ΔLを算出する(ステップS009A)。CPU10は、第1の実施形態と同様に、1秒間の移動距離を算出する。また、ステップ009Aにおいて算出した1秒間の移動距離は、式(4)における暫時距離ΔLに対応する。
【0080】
具体的には、速度情報と移動距離との間には、相関関係があり、自機の速度情報に時間を乗算することにより移動距離を算出することができる。そのため、1秒ごとに位置情報のデータ取得する場合、速度情報に1秒を乗算することにより、1秒間の移動距離を算出することができ、本実施の形態では、暫時距離ΔLに対応する。
【0081】
【数6】
【0082】
これにより、CPU10は、第1の実施形態と同様に、式(5)により、積算距離ΣLを算出し(ステップS011)、積算距離ΣL(暫時距離ΔLの合計値)が、閾値Ls以上の場合(ステップS013のYes)、積算高低差ΣHを積算距離ΣLで除算して道路勾配を算出し(ステップS015)、次の位置情報のデータを取得する(ステップS019)。
【0083】
一方、積算距離ΣL(暫時距離ΔLの合計値)が、閾値Ls未満の場合には(ステップS013のNo)、道路勾配を算出せず、前回の道路勾配を今回の道路勾配として(ステップS017)、次の位置情報と気圧情報のデータを取得する(ステップS019)。
【0084】
このように、CPU10は、移動距離取得部が取得した移動距離と、速度情報の取得に対応して気圧センサ12が取得した気圧情報の変化とに基づいて、道路勾配を算出することができる。
【0085】
(変形例)
以上説明した本発明の各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。例えば、次の(a)~(d)のようなものがある。
【0086】
(a) 第1の実施形態から第3の実施形態に開示された道路勾配メータの発明について、発明の内容を相互に組み合わせて適用してもよい。
(b) 第1の実施形態から第3の実施形態に開示された道路勾配メータは、ユーザの身体に装着されるリスト機器に備えられてもよい。
(c) 第1の実施形態から第3の実施形態に開示された道路勾配メータは、速度センサ17がケイデンスセンサで構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、速度センサ17は、ドップラー効果を利用した速度計測器であってもよい。ドップラー効果とは、波(音波や電磁波など)の発生源(音源・光源など)と観測者との相対的な速度によって、波の周波数が異なって観測される現象のことを言う。これにより、ドップラー効果を利用した速度センサ17は、速度と比例した光の反射の周波数の変化を検出して、速度を算出してもよい。
【0087】
(d) 第1の実施形態から第3の実施形態に開示された道路勾配メータでは、CPU10は、取得した気圧情報ごとに、標高値Hを算出するようになっていたが、例えば、標高値を直接取得することができる場合は、直接、標高値を取得してもよい。
【0088】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0089】
〔付記〕
<請求項1>
移動状況を取得する移動状況取得部と、
前記移動状況取得部が取得した移動状況に基づいて、道路勾配の算出方法を決定し、決定した前記算出方法に基づいて、道路勾配を算出する制御部と、
を備える
ことを特徴とする電子機器。
<請求項2>
気圧情報を取得する気圧センサを備え、
前記制御部は、
前記気圧センサが取得した前記気圧情報に基づいて、前記道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記制御部は、
前記気圧センサから前記気圧情報を繰り返し取得し、前記移動状況に基づいて、道路勾配の算出に使用する前記気圧情報の個数を変更することで、前記道路勾配の算出方法を変更する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
<請求項4>
前記制御部は、前記気圧センサから前記気圧情報を取得することに対応して、前記移動状況取得部から移動状況を取得する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子機器。
<請求項5>
前記移動状況は、移動距離に関する情報を含み、
前記制御部は、前記移動距離に関する情報に基づいて前記道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項6>
前記制御部は、
過去の所定区間に対応する前記移動距離の合計値が所定距離以上の場合、前記所定区間に対応する前記道路勾配を算出し、
前記所定区間に対応する前記移動距離の合計値が前記所定距離未満の場合、前記所定区間に対応する前記道路勾配を算出しない、
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
<請求項7>
前記制御部は、
過去の前記移動距離の合計値が所定距離以上の区間を算出し、前記区間に対応する合計値と前記区間に対応する気圧情報の変化とに基づいて、前記道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電子機器。
<請求項8>
前記移動状況取得部は、自機の速度情報を取得する速度情報取得部および速度情報から移動距離を取得する移動距離取得部を含み、
前記制御部は、前記移動距離取得部が取得した移動距離と、前記速度情報の取得に対応して前記気圧センサが取得した気圧情報の変化とに基づいて、道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
<請求項9>
前記制御部は、
前記速度情報取得部から前記自機の速度情報を取得し、
前記速度情報に基づいて、前記道路勾配の算出方法を変更する、
ことを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
<請求項10>
前記制御部は、前記速度情報に基づいて、前記道路勾配の算出に使用する前記気圧情報の個数を変更することで、前記道路勾配の算出方法を変更する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の電子機器。
<請求項11>
前記制御部は、前記速度情報の速度が所定速度未満である場合、前記道路勾配を算出しない、
ことを特徴とする請求項8から10の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項12>
前記制御部は、所定速度よりも前記速度情報の速度以上である場合、前記速度情報の速度が大きくなるに応じて、前記道路勾配の算出に使用する前記気圧情報の個数を減らす、
ことを特徴とする請求項8から11の何れか一項に記載の電子機器。
<請求項13>
請求項1から12のうちいずれか1項に記載の電子機器を備えるリスト機器。
<請求項14>
移動状況取得部と、
制御部と、を備える電子機器の制御方法であって、
前記移動状況取得部が移動状況を取得するステップと、
前記移動状況取得部が取得した移動状況に基づいて、道路勾配の算出方法を決定するステップと、
決定した前記算出方法に基づいて、道路勾配を算出するステップと、
を含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
<請求項15>
コンピュータに、
移動状況を取得させる工程、
前記取得した移動状況に基づいて、道路勾配の算出方法を決定させる工程、
決定された前記算出方法に基づいて、道路勾配を算出させる工程、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0090】
1 道路勾配メータ
10 CPU
11 ROM
12 気圧センサ
13 加速度センサ
14 RAM
15 GPSユニット
16 Bluetooth通信部
17 速度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動距離に関する情報を含む移動状況を取得する移動状況取得部と、
気圧情報を取得する気圧センサと、
道路勾配を算出する制御部と、を備え、
前記制御部は、
所定の条件に基づいて前記移動状況の取得間隔を変更し、
過去の所定区間に対応する前記移動距離の合計値が閾値以上の場合、前記気圧情報と前記移動状況に基づいて前記所定区間に対応する前記道路勾配を算出し、
前記閾値は、前記移動状況の取得間隔に応じて設定される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記移動状況の取得間隔が所定の間隔以上である場合、前記道路勾配の算出を停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記閾値は、アクティビティの種類に応じて設定可能である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記所定の条件とは、ユーザの操作又は電池残量に関する条件である、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記移動状況取得部から移動状況を取得することに対応して、前記気圧センサから前記気圧情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記移動距離に関する情報に基づいて、前記道路勾配の算出方法を変更する、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記移動距離に関する情報に基づいて前記道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、
前記所定区間に対応する前記移動距離の合計値が所定距離以上の場合、前記所定区間に対応する前記道路勾配を算出し、
前記所定区間に対応する前記移動距離の合計値が前記所定距離未満の場合、前記所定区間に対応する前記道路勾配を算出しない、
ことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、
過去の前記移動距離の合計値が所定距離以上の区間を算出し、前記区間に対応する移動距離の合計値と前記区間に対応する気圧情報の変化とに基づいて、前記道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項からの何れか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記移動状況取得部は、自機の速度情報を取得する速度情報取得部および速度情報から移動距離を取得する移動距離取得部を含み、
前記制御部は、前記移動距離取得部が取得した移動距離と、前記速度情報の取得に対応して前記気圧センサが取得した気圧情報の変化とに基づいて、道路勾配を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記制御部は、
前記速度情報取得部から前記自機の速度情報を取得し、
前記速度情報に基づいて、前記道路勾配の算出方法を変更する、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
請求項1から11のうちいずれか1項に記載の電子機器を備えるリスト機器。
【請求項13】
移動状況取得部と、
気圧センサと、
制御部と、を備える電子機器の制御方法であって、
前記移動状況取得部が移動距離に関する情報を含む移動状況を取得するステップと、
前記気圧センサが気圧情報を取得するステップと、
所定の条件に基づいて前記移動状況の取得間隔を変更するステップと、
過去の所定区間に対応する前記移動距離の合計値が閾値以上の場合、前記気圧情報と前記移動状況に基づいて前記所定区間に対応する道路勾配を算出するステップと、を含み、
前記閾値は、前記移動状況の取得間隔に応じて設定される、
ことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項14】
コンピュータに、
移動距離に関する情報を含む移動状況を取得させる工程、
気圧情報を取得させる工程、
所定の条件に基づいて前記移動状況の取得間隔を変更させる工程、
過去の所定区間に対応する前記移動距離の合計値が閾値以上の場合、前記気圧情報と前記移動状況に基づいて前記所定区間に対応する道路勾配を算出させる工程、
を実行させ、
前記閾値は、前記移動状況の取得間隔に応じて設定される、
ことを特徴とするプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、
移動距離に関する情報を含む移動状況を取得する移動状況取得部と、
気圧情報を取得する気圧センサと、
道路勾配を算出する制御部と、を備え、
前記制御部は、
所定の条件に基づいて前記移動状況の取得間隔を変更し、
過去の所定区間に対応する前記移動距離の合計値が閾値以上の場合、前記気圧情報と前記移動状況に基づいて前記所定区間に対応する前記道路勾配を算出し、
前記閾値は、前記移動状況の取得間隔に応じて設定される、
ことを特徴とする電子機器である。