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特開2024-99763電気エネルギー貯蔵システムの動作方法、及び電力システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099763
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】電気エネルギー貯蔵システムの動作方法、及び電力システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/00 301E
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072789
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2021521095の分割
【原出願日】2019-09-16
(31)【優先権主張番号】16/163,023
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519297300
【氏名又は名称】イーエスエス テック インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】ESS Tech,Inc.
【住所又は居所原語表記】26440 SW Parkway Avenue,Wilsonville,Oregon 97070 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンデルザンデン アーロン
(72)【発明者】
【氏名】アーンスト スティーブ
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気エネルギー貯蔵システムの動作システム及び方法を提供する。
【解決手段】太陽電池セル、水力、風力、又は化学エネルギーを介して生成される電気エネルギーを貯蔵できる電気エネルギー貯蔵システムであって、電鉄気エネルギー貯蔵セルであるレドックスフロー電池(IFB)セル175には、メッキ電解質タンク100に貯蔵されるメッキ電解質160及びレドックス電解質タンク101に貯蔵されるレドックス電解質161が供給される。タンク100は、負反応器122と流体連通し、タンク101は、正反応器124と流体連通し、タンク100及び負反応器122内の電解質は、タンク101及び正反応器124内の電解質から流体的にバリア120で分離される。制御システム150は、入出力154、中央処理装置152、メモリ155、156を含み、光学センサ102、104、プローブ126、128等のセンサから信号を受信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギー貯蔵システムの動作方法であって、
複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体に選択的に結合する複数の接触器を、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の個々の電圧に応じてコントローラを介して順次閉じること、
を含み、
前記複数の接触器は次々に閉じられ、
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上が水でフラッシュされるとき、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの一部を前記複数の接触器のうちの1つ以上の操作を介して選択的に電気的に絶縁すること、
を含む、
方法。
【請求項2】
複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを前記電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体に選択的に結合する複数の接触器を、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の個々の電圧に応じて順次閉じることは、
複数のセルスタックのうち、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックに含まれる他の全てのエネルギーセルスタックの電圧以下の電圧を有するエネルギーセルスタックから始まる順序で前記複数の接触器を閉じることを含み、
前記順序は、前記複数のセルスタックのうち、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックに含まれる他の全てのエネルギーセルスタックの電圧以上の電圧を有するエネルギーセルスタックで終了する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を、前記コントローラを介して決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の接触器のうちの第1の接触器と、前記接触器のうちの第2の接触器とを閉じる間の時間に、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上を、充電器を介して充電することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記充電器が前記電力導体に結合される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の接触器に含まれる追加の接触器を閉じる前に、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上を閾値電圧に充電することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記閾値電圧は、前記電力導体に結合されていない、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上の電圧に基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記閾値電圧が予め決定された電圧である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
電気エネルギー貯蔵システムの動作方法であって、
複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の電圧を、コントローラを介して検知することと、
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々を、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の電圧に応じて電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超えるグループにグループ化することと、
電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超える前記グループのそれぞれを、電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超える前記グループに含まれる電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧に応じて、前記電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体にコントローラを介して順次結合することと、
を含み、
1を超える前記グループは前記電力導体に次々に結合され、
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上が水でフラッシュされるとき、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの一部を複数の接触器のうちの1つ以上の操作を介して選択的に電気的に絶縁すること、
を含む、
方法。
【請求項10】
電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超える前記グループは電圧範囲に基づく、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックに含まれる電気エネルギー貯蔵セルスタックを、前記電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧に基づいて、電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超える前記グループの1つのメンバーとする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループの第1のグループを前記電力導体に結合することと、電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループの第2のグループを前記電力導体に結合することとの間の時間に、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの1つ以上を、充電器を介して充電することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のグループの電気エネルギー貯蔵セルスタックを前記電力導体に結合する前に、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上を閾値電圧に充電することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記閾値電圧は、前記電力導体に結合されていない、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上の電圧に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
電力システムであって、
複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックであって、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々は接触器を含み、前記接触器は、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つを前記電力システム内の電力導体に選択的に結合する複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックと、
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の接触器に電気的に結合されたコントローラと、
を含み、
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを前記電力導体に選択的に結合する複数の接触器が次々に閉じられ、
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上が水でフラッシュされるとき、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの一部が前記複数の接触器のうちの1つ以上の操作を介して選択的に電気的に絶縁される、
電力システム。
【請求項16】
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の個々の電圧に応じて電気エネルギー貯蔵システム内の前記電力導体に順次結合させるための、前記コントローラの非一時的メモリに記憶された実行可能な命令をさらに含む、請求項15に記載の電力システム。
【請求項17】
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々を、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の電圧に応じて電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超えるグループにグループ化するための、前記コントローラの非一時的メモリに記憶された実行可能な命令をさらに含む、請求項16に記載の電力システム。
【請求項18】
電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超える前記グループの各々を、電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超える前記グループに含まれる電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧に応じて、電気エネルギー貯蔵システム内の前記電力導体に順次結合させる追加の命令をさらに含む、請求項17に記載の電力システム。
【請求項19】
前記電力導体に結合された充電器をさらに含む、請求項15に記載の電力システム。
【請求項20】
前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上を充電するための、前記コントローラの非一時的メモリに記憶された実行可能な命令をさらに含む、請求項19に記載の電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、「電気エネルギー貯蔵システムの動作システム及び方法」と題する、2018年10月17日に出願された米国特許出願第16/163,023号に対する優先権を主張する。上記出願の全内容は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(分野)
本説明は、電気エネルギー貯蔵システムの動作システム及び方法に関する。本方法及びシステムは、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを含む電力システムに特に有用であり得る。
【0003】
(背景と概要)
電気エネルギー貯蔵システムは、直列及び並列に配置された電気エネルギー貯蔵セル(例えば、電池セル)を含み得る。直列に配置された電気エネルギー貯蔵セルは、電気エネルギー貯蔵システムの電位を上昇させる。並列に配置された電気エネルギー貯蔵セルは、電気エネルギー貯蔵システムの電力出力容量を増加させる。1つの電気エネルギー貯蔵セルスタックの電気エネルギー貯蔵セルは、電気エネルギー貯蔵セルを含む上記1つの電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧が、電気エネルギー貯蔵システム内の他の電気エネルギー貯蔵セルスタックのレベルよりも低いか、又は高いレベル(例えば、電圧)に充電され得る。電気エネルギー貯蔵セルスタック間における貯蔵された電荷の差により、より高く充電された電気エネルギー貯蔵セルスタックから、より低い充電レベルを有する電気エネルギー貯蔵セルスタックへ、より多くの電流が流れ得る。これにより、電気エネルギー貯蔵システム内において、劣化の可能性が増大し得る。したがって、電気エネルギー貯蔵システム内での劣化の可能性を低減し得るように、異なる電気エネルギー貯蔵セルスタックの電気エネルギー貯蔵セルを結合する方法を提供することが望ましい場合がある。
【0004】
本発明者らは、上記の問題を認識し、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体に選択的に結合する複数の接触器を、前記複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の個々の電圧に応じてコントローラを介して順次閉じることを含む、電気エネルギー貯蔵システムの動作方法を開発した。
【0005】
複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体に選択的に結合することができる複数の接触器を、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の個々の電圧に応じて順次閉じることによって、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタック間の電流の流れを低減するという技術的結果を提供することができる。一例では、接触器は、複数の電気エネルギーセルスタックを含むシステム内の1つの電気エネルギー貯蔵セルスタックに関連するか、又はその一部であり得る。電気エネルギーセルスタックに関連する又は含まれる接触器は、開放状態から順々に閉じられてもよい。この順序は、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうち最も低い電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックに関連する又はその一部である第1の接触器を閉じることによって開始してもよい。その後すぐに、複数の電気エネルギー貯蔵セルのうち2番目に低い電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルに関連する又はその一部である第2の接触器が閉じられ、その結果2つの電気エネルギー貯蔵セルスタックが結合されてもよい。最も電圧が低い電気エネルギー貯蔵セルスタックを2番目に電圧が低い電気エネルギー貯蔵セルスタックに結合することにより、最も電圧が低い電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を上昇させることができ、最も電圧が高い電気エネルギー貯蔵セルスタックが最も電圧が低い電気エネルギー貯蔵セルスタックに結合される場合と比べて、最も電圧が低い電気エネルギー貯蔵セルスタックへの電流の流れを減少させることができる。したがって、電気エネルギー貯蔵システム内の電流の流れを減少させることができ、それによって電気エネルギー貯蔵システム内の構成要素のライフサイクルを増加させることができる。
【0006】
本説明は、いくつかの利点を提供し得る。特に、この手法は電力システムの構成要素が劣化する可能性を低減できる。さらに、この手法は、電気エネルギー貯蔵セルスタック間に特有の機能を有する電流制限デバイスを含まずに用いることができる。さらに、この手法は、様々な異なるタイプの電気エネルギー貯蔵セルスタックに適用することができる。
【0007】
上述の利点及び他の利点と、本説明の特徴とは、単独で又は添付の図面と関連付けて、以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【0008】
上記の要約は、詳細な説明でさらに説明される概念の抜粋を簡略化した形で紹介するために提供されることを理解されたい。それは請求項に記載された主題の主要な又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、その範囲は、詳細な説明に続く請求項によって独自に定義される。さらに、請求項に記載された主題は、上記又は本開示のいずれかの部分に記載されたいずれかの欠点を解決する実装には限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に記載される利点は、単独で又は図面を参照して、本明細書で詳細な説明と称される実施形態の例を読むことによってより完全に理解されるであろう。
図1図1は、電力貯蔵及び供給システムの単一セルを示す概略図である。
図2図2は、図1に示すタイプの複数の電力セルを含む電力システムの概略図である。
図3図3は、複数の電気エネルギー貯蔵セルを電気的に結合するプロセス中の電気エネルギー貯蔵セルの電圧レベルのいくつかのプロットを示す。
図4図4は、複数の電気エネルギー貯蔵セルを並列に電気的に結合するための第2の例示的なシーケンスを示す。
図5図5は、電力貯蔵システムの動作方法を示す。
【0010】
(詳細な説明)
本説明は、図1に示す電気エネルギー貯蔵システム(例えば、直流(DC)電源)の動作に関する。電気エネルギー貯蔵システムは、太陽電池セル、水力、風力、又は化学エネルギーを介して生成される電気エネルギーを貯蔵できる。電気エネルギー貯蔵システムは、変換プロセスの後に交流ACとして分配され得るDC電力を出力してもよい。電気エネルギー貯蔵システムは、図1及び図2に示すような鉄フロー装置を含むことができる。電気エネルギー貯蔵システムは、図2に示すように、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを並列に組み合わせることができる。電気エネルギー貯蔵システムは、図5の方法に従って、図3及び図4に示すように動作できる。電気エネルギー貯蔵システムの動作方法を図5に示す。
【0011】
図1を参照すると、全鉄レドックスフロー電池(IFB)セルの例が示されている。IFBセル175は、電気エネルギー貯蔵セルである。IFBセルには、メッキ電解質タンク100に貯蔵されるメッキ電解質160(例えば、FeCL)が供給される。IFBはまた、レドックス電解質タンク101に貯蔵されるレドックス電解質161を含むことができる。めっき電解質及びレドックス電解質は、FeCl又はFeClのように、水に溶解した適切な塩であってもよい。めっき電解質及び酸化還元電解質の両方が、異なるモル濃度の同じ塩を使用してもよく、IFBの特徴は、異なる反応性化合物を含む電池では利用できない。タンク100は、負反応器122と流体連通していてもよい。タンク101は、正反応器124と流体連通していてもよい。タンク100及び負反応器122内の電解質は、タンク101及び正反応器124内の電解質から流体的に分離されている。負反応器と正反応器及びそれらのそれぞれの電解質を分離するのはバリア120である。上記バリアは、電解質のクロスオーバーを防止し、イオン伝導性を提供するためにめっき電解質とレドックス電解質との間に配置された、イオン交換膜又は微多孔性膜などの膜バリアとして具現化されることができる。
【0012】
センサ102及び104は、pHを含む、電解質の化学的特性を決定するために使用することができ、光学センサとして具現化されることができる。プローブ126及び128が、電解質の化学的特性(後述する)を決定するために追加的に又は代替的に使用されてもよい。他の例では、めっき電解質プローブ、めっき電解質センサ、レドックス電解質プローブ、レドックス電解質センサ、又はそれらのいくつかの組み合わせを有してもよい。プローブはまた、負反応器122及び正反応器124内のIFBの反応部分内に配置されてもよい。酸添加剤は、追加タンク106及び108に貯蔵され得る。これらは異なる添加剤を含み、異なるルーチンによって制御され得る。他の例では、IFBはまた、正側添加剤又は負側添加剤のいずれかを有してもよく、両方を有していなくてもよい。正側添加剤は、正添加剤ポンプ112によって正反応器124内へ加速され、負添加剤は、負添加剤ポンプ110によって負反応器122内へ加速され得る。あるいは、電解質添加剤は、タンク100及び101内にポンプで注入されてもよい。ポンプ110及び112は、ポンプに通信可能に連結された制御システム150を介して作動させることができる。上記制御システムは、プローブ126、プローブ128、センサ102、センサ104、又はそれらの任意の組み合わせに応答することができる。電解質は、ポンプ131により、負反応器122に注入され又は汲みだされてもよい。電解質は、ポンプ130により、正反応器124に注入され又は汲みだされてもよい。IFBは、負極114と正極116とを含む。
【0013】
制御システム150は、入出力154(例えば、デジタル入力、デジタル出力、アナログ入力、アナログ出力、パルス幅出力など)、中央処理装置152、ランダムアクセスメモリ155、及び読み出し専用(例えば、非一次的メモリ)156を含み得る。コントローラ150は、図1及び図2に示す各種センサからの信号を受信する。コントローラ150は、図1及び図2に示すアクチュエータを使用して、受信信号及びコントローラ150のメモリに記憶された命令に基づいて、電気エネルギー貯蔵システムの動作を調整する。例えば、コントローラ150は、センサ126の出力に応じてポンプ130の速度を調整することができる。
【0014】
制御システム150は、タンク199内の脱イオン水198を正反応器122及び負反応器124に入れるために、弁を選択的に作動及び停止させることもできる。一例では、コントローラ150は、弁197を開放し、電気エネルギー貯蔵セルのフラッシングプロセス中に、脱イオン水を正及び負の反応器122及び124に流入させることができる。
【0015】
ここで図2を参照すると、複数のIFBセル175a~175x及びコントローラ150を含む電力システムの概略ブロック図が示されている。コントローラ150は、センサ210を介して電気エネルギー貯蔵セルスタック201~204の電圧レベル及び電流を読み取ることができる。コントローラ150は、また接触器220~223、主接触器277、及び充電器277を選択的に動作させることができる。コントローラ150は、表示パネル、遠隔装置、押しボタンパネル、又は他の公知のインターフェースであり得るヒューマン/マシンインターフェース290からの入力を受けることができ、出力を与えることができる。
【0016】
IFBセル175a~175xは、図1に示すセル175と同一である。文字指定は、個々の電気エネルギー貯蔵セルを識別するためだけに設けられている。IFBセル175a~175fは、第1セルスタック201に配置される。IFBセル175g~175lは、第2セルスタック202に配置される。IFBセル175m~175rは、第3セルスタック203に配置される。IFBセル175s~175xは、第4セルスタック204に配置される。図2は、電気エネルギー貯蔵システム200内の4つのセルスタックを示しているが、電気エネルギー貯蔵システム200は、4つの電気エネルギー貯蔵セルスタックに限定されない。むしろ、電気エネルギー貯蔵システム200は、Nを整数として1からN個の電気エネルギー貯蔵セルスタックを含むことができる。さらに、図2に示す各電気エネルギー貯蔵セルスタックは、6つの電気エネルギー貯蔵セル(例えば、175a~175f)を含む。しかしながら、電気エネルギー貯蔵システム200は、各電気エネルギー貯蔵セルスタック内に6つの電気エネルギー貯蔵セルが存在する場合に限定されない。むしろ、電気エネルギー貯蔵システム200は、Mを整数として電気エネルギー貯蔵セルスタック内に1からM個の電気エネルギー貯蔵セルを含むことができる。各電気エネルギー貯蔵セル175a~175xは、正極側116と負極側114とを含む。
【0017】
各電気エネルギー貯蔵セルスタック201~204は、電力導体又はバス260に電気エネルギー貯蔵セルスタック201~204を選択的に1つ1つ結合及び分離する接触器220~223を含む。接触器220は、電力導体260に直接結合された第1の側220aと、電気エネルギー貯蔵セルスタック201に直接結合された第2の側220bとを含む。同様に、接触器221~223は、電力導体260に直接結合された第1の側221a~223aと、電気エネルギー貯蔵セルスタック202~204に直接結合された第2の側221b~223bとを含む。接触器220~223は、電気エネルギー貯蔵システム200が停止されたときに、開いて(例えば、接触器に電流が流れないようにする)いてもよい。さらに、電気エネルギー貯蔵セル175a~175xのうちの1つ以上が脱イオン水でフラッシュされるときに、選択された電気エネルギー貯蔵セルスタック201~204を電力導体260から選択的に電気的に絶縁するために、接触器220~223は、1つ1つ開けたり閉めたり(例えば、接触器を流れる電流を許容する)されてもよい。接触器220~223は、コントローラ150を介して選択的に開閉可能である。
【0018】
充電器277は、コントローラ150によって命令されたとき、電力導体260に電荷を供給できる。電力導体260は、接触器220~223が閉じられたときに、電荷を電気エネルギー貯蔵セルスタック201~204に分配することができる。さらに、充電器277は、個々の電気エネルギー貯蔵セルスタック201~204に個別に電荷を供給できる。例えば、充電器277は、接触器220が閉じられ、接触器221~223が開いているとき、電気エネルギー貯蔵セルスタック201のみを充電できる。電気エネルギーセルスタックを個別に充電する別の例では、充電器277は、接触器220及び223が閉じられ、接触器221及び222が開いているとき、電気エネルギー貯蔵セルスタック201及び204のみを充電できる。充電器277は、コントローラ150を介して、電荷を供給するために選択的に作動されることができ、電荷の供給を停止するために選択的に停止されることができる。充電器277はまた、電力導体260及び電力導体260に電気的に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックが、コントローラ150によって要求される充電又は電圧レベルになるまで、電荷を供給するように命令され得る。
【0019】
電気エネルギー貯蔵システム200はまた、コントローラ150を介して開閉可能な主接触器277を含む。主接触器277を閉じて、電力導体260を外部の電気エネルギー源(例えば、太陽電池セル、風力タービン、水力発電機など)279及び電気エネルギー需要家(例えば、家庭用設備、産業用モーター、車両推進源など)278に電気的に結合できる。主接触器277を開いて、IFBセルの電気エネルギー電力導体260を電気エネルギー源279及び電気エネルギー需要家278から電気的に絶縁できる。電気エネルギー源279及び電気エネルギー需要家278は、電気エネルギー貯蔵システム200の外部にある。
【0020】
したがって、図1及び図2のシステムは、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックであって、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々は、接触器を含み、接触器は、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つを電力システム内の電力導体に選択的に結合する、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックと、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の接触器に電気的に結合されたコントローラと、を含む電力システムを提供する。電力システムは、さらに、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の個々の電圧に応じて電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体に順次結合するための、コントローラの非一時的メモリに記憶された実行可能な命令を含む。電力システムは、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々を、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の電圧に応じて電気エネルギー貯蔵セルスタックの1つ以上のグループにグループ化するための、コントローラの非一時的メモリに記憶された実行可能な命令をさらに含む。
【0021】
いくつかの例では、電力システムは、さらに、電気エネルギー貯蔵セルスタックの1以上のグループの各々を電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超えるグループに含まれる電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧に応じて電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体に順次結合させる追加の命令を含む。電力システムは、電力導体に結合された充電器をさらに備える。電力システムは、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上を充電するための、コントローラの非一時的メモリに記憶された実行可能な命令をさらに含む。
【0022】
次に図3を参照すると、図5の方法による電気エネルギー貯蔵システムを動作させるための予言的な例が示されている。図3は、電気エネルギー貯蔵システムが動作するシーケンス中の電気エネルギー貯蔵システムの動作状態を示す5つのプロットを含んでいる。5つのプロットの各々は、他の4つのプロットの各々に示されるのと同じ動作状態での一時的な動作状態を示す。そこで、簡潔にするために、図3の上から1番目のプロットを詳細に説明し、その後、1番目のプロットと残りのプロットとの差のみを説明する。
【0023】
図3の例では、閉じた接触器を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は、開いた接触器と、開いた接触器を有する電気エネルギー貯蔵セルスタック中の最低電圧とを有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの閾値電圧内にある。したがって、第1の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられてから、第2の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられるまでの間の時間に、閉じた接触器を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックは充電されない。このような条件の間、接触器が閉じられるときの間に充電されないため、第1の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられたときと第2の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられたときとの間の時間がより短くなるように、第1の電気エネルギー貯蔵セルスタック及び第2の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、より早く閉じられることができる。
【0024】
図3の上から1番目のプロット300は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの番号に対する、電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧のプロットである。この例では、電気エネルギー貯蔵システムは、1~4の番号が付けられた、実際の総数が4つの電気エネルギー貯蔵セルスタックを含んでいる。電気エネルギー貯蔵システムのセルスタックは、図1及び図2に示すシステム内に配置される。もちろん、4つの電気エネルギーセルスタックを有するシステムは、図5の方法が適用される唯一の構成ではなく、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。1番目のプロットは、電気エネルギー貯蔵セルスタックの全ての接触器、又は電気エネルギー貯蔵セルスタックに直接電気的に結合された全ての接触器が開放状態にある電気エネルギー貯蔵システムの電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(例えば、電気エネルギー貯蔵セルスタック内で最も高い電位電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルにおいて決定される)を示す。したがって、1番目のプロットは、電気エネルギー貯蔵セル1~4の開回路電圧を示す。縦軸は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を表し、電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は、縦軸矢印方向に増加する。横軸は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの番号を示す。
【0025】
各電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧レベルは、他の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧レベルとは異なる。特に、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、最も高い電圧351を有する。3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、次に高い電圧352を有し、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの次に高い電圧350を有する。4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、最も低い電圧353を有する。電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧の差は、個々の電気エネルギー貯蔵セルスタックの効率、及び/又は個々の電気エネルギー貯蔵セルスタックの損失に起因し得る。
【0026】
図3の上から2番目のプロット302は、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられたときの、電気エネルギー貯蔵セルスタックの番号に対する電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧のプロットである。4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックが、4つの電気エネルギー貯蔵セルスタックの中で最も低い電圧を有するので、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられる。4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じることにより、1~3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧レベルは変化しない、なぜならば、接触器を閉じることにより、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは電力導体又はバス260に電気的に結合され、他の電気エネルギー貯蔵セルスタックは電力導体又はバス260に結合されず、主接触器277は開いているからである。1~4番の電気エネルギー貯蔵セルスタック電圧レベルは、図3の上から1番目のプロットに示される、以前のレベルのままである。
【0027】
図3の上から3番目のプロット304は、1番及び4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じているときの、電気エネルギー貯蔵セルスタックの番号に対する電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧のプロットである。1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられた後に閉じられるが、これは、全ての電気エネルギー貯蔵セルスタックの全ての接触器が開いていたときに、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックが、4つの電気エネルギー貯蔵セルスタック内で次に低い電圧を有するためである。1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じると、4番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(353)が上昇し、1番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(350)が低下する。1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックから4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに電荷が移動するので、4番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(353)は増加し、1番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(350)は減少する。1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックと4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックとの結合電圧により、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(350)が上昇し、その結果、2番の電気エネルギー貯蔵セルが最終的に4番の電気エネルギー貯蔵セルに電気的に結合されるとき、単純に2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックが4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに結合される場合に比べて、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに流れる電流を低減できる。したがって、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに流れる電流のピーク量を低減できる。2番及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は開放されたままであるため、2番及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧レベルは変化しないままである。
【0028】
図3の上から4番目のプロット306は、4番、1番、及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられたときの、電気エネルギー貯蔵セルスタックの番号に対する電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧のプロットである。3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられた後に閉じられる、なぜならば、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、全ての電気エネルギー貯蔵セルスタックの全ての接触器が開いていたときに、4つの電気エネルギー貯蔵セルスタックの中で次に低い電圧を有するからである。3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じると、4番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(353)及び1番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(350)が上昇し、3番の電気エネルギー貯蔵セル(352)の電圧が低下する。3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックから1番及び4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに電荷が移動するため、4番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(353)及び1番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(350)は上昇し、3番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(352)は低下する。3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックと4番及び1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックとの結合電圧により、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(350)及び4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(353)が上昇し、その結果、2番の電気エネルギー貯蔵セルが最終的に4番の電気エネルギー貯蔵セルに電気的に結合されるとき、単純に2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックが結合される場合と比較して、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタック番号に流れる電流を低減できる。したがって、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに流れる電流のピーク量をさらに低減できる。2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が開いたままであるため、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(351)のレベルは変化しないままである。
【0029】
図3の上から5番目のプロット308は、4番、1番、3番、及び2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられたときの、電気エネルギー貯蔵セルスタック番号に対する電気エネルギー貯蔵セルスタック電圧のプロットである。3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられた後に、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられる、なぜならば、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、全ての電気エネルギー貯蔵セルスタックの全ての接触器が開放されたときに、4つの電気エネルギー貯蔵セルスタック内で最も高い電圧を有するからである。2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じると、4番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(353)、1番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(350)、及び3番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(352)が上昇し、2番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(352)が低下する。2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックから1番、3番及び4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに電荷が移動するため、4番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(353)、1番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(350)、及び3番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(352)は上昇し、2番の電気エネルギー貯蔵セルの電圧(351)は低下する。2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックと、4番、1番、及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックとの結合電圧は、1~4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの全ての接触器が同時に閉じられた場合と比較して、4番及び1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックへの電流の流れが減少する方法で、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(350)、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(353)、及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(352)を上昇させる。その結果、接触器の劣化の可能性を低減できる。
【0030】
このように、電圧レベルがより低い電気エネルギー貯蔵セルスタックの電位又は電圧を徐々に増加させることができるように、電気エネルギー貯蔵セルの接触器を順次1つずつ閉じてもよい。これにより、全ての電気エネルギーセルスタックの全ての接触器が同時に閉じられた状態と比較して、プロセスが開始されたときにより低い電圧であった電気エネルギー貯蔵セルスタックへのピーク電流の流れを減少させることができる。したがって、個々の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、独立して、電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧に応じて制御され、より低い開回路電圧を示す電気エネルギー貯蔵セルスタックへの電流の流れが低減される。
【0031】
ここで図4を参照すると、図5の方法による電気エネルギー貯蔵システムを動作させる第2の予言的な例が示されている。図4は、電気エネルギー貯蔵システムの動作シーケンス中の制御パラメータの10個のプロットを示す。プロットは同時に生じており、プロットは時間配列されている。縦線t0~t6は、シーケンス内の重要な時間を示している。
【0032】
図4の上から1番目のプロットは、電気エネルギー貯蔵システムの動作状態の時間に対するプロットである。縦軸は、電気エネルギー貯蔵システムの動作状態を表し、トレース402が縦軸矢印の近くでより高いレベルにあるとき、電気エネルギー貯蔵システムが起動される。電気エネルギー貯蔵システムは、トレース402が水平軸の近くでより低いレベルにあるとき、停止される。横軸は時間を表し、時間はプロットの左側からプロットの右側へ増加する。トレース402は、電気エネルギー貯蔵システムの動作状態を表す。
【0033】
図4の上から2番目のプロットは、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(例えば、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの中で最も高い電位電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルにおいて求められる)の時間に対するプロットである。縦軸は、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を表し、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は、縦軸矢印の方向に増加する。横軸は時間を表し、時間はプロットの左側から右側へと増加する。トレース404は、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を表す。
【0034】
図4の上から3番目のプロットは、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する(例えば、電気エネルギー貯蔵セルスタックを電力導体又はバス260に選択的に結合する)接触器の動作状態の時間に対するプロットである。縦軸は、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの動作状態を表し、トレース406が縦軸矢印の近くの高いレベルにあるときに閉じられる。1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、トレース406が水平軸の近くの低いレベルにあるときに開放される。横軸は時間を表しており、時間はプロットの左側からプロットの右側に向かって増加している。トレース406は、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器の動作状態を表す。
【0035】
図4の上から4番目のプロットは、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(例えば、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの中で最も高い電位電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルにおいて求められる)の時間に対するプロットである。縦軸は、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を表しており、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は、縦軸矢印の方向に増加する。横軸は時間を表しており、時間はプロットの左側からプロットの右側に向かって増加している。トレース408は、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を表している。
【0036】
図4の上から5番目のプロットは、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する(例えば、電気エネルギー貯蔵セルスタックを電力導体又はバス260に選択的に結合する)接触器の動作状態の時間に対するプロットである。縦軸は、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器の動作状態を表し、トレース410が縦軸矢印の近くの高いレベルにあるとき、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は閉じられる。2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、トレース410が水平軸の近くの低いレベルにあるときに開放される。横軸は時間を表しており、時間はプロットの左側からプロットの右側に向かって増加する。トレース410は、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器の動作状態を表す。
【0037】
図4の上から6番目のプロットは、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(例えば、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの中で最も高い電位電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルにおいて決定される)の時間に対するプロットである。縦軸は、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を表し、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は、縦軸矢印の方向に増加する。横軸は時間を表し、時間はプロットの左側からプロットの右側に向かって増加する。トレース412は、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を表す。
【0038】
図4の上から7番目のプロットは、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する(例えば、電気エネルギー貯蔵セルスタックを電力導体又はバス260に選択的に結合する)接触器の動作状態の時間に対するプロットである。縦軸は3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器の動作状態を表し、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器はトレース414が縦軸矢印の近くの高いレベルにあるときに閉じられる。3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、トレース414が水平軸の近くの低いレベルにあるときに開放される。横軸は時間を表し、時間はプロットの左側からプロットの右側に向かって増加する。トレース414は、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器の動作状態を表す。
【0039】
図4の上から8番目のプロットは、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(例えば、電気エネルギー貯蔵セルスタック番号4の中で最も高い電位電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルにおいて決定される)の時間に対するプロットである。縦軸は4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を表し、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は縦軸矢印の方向に増加する。横軸は時間を表し、時間はプロットの左側からプロットの右側に向かって増加する。トレース416は、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を表す。
【0040】
図4の上から9番目のプロットは、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する(例えば、電気エネルギー貯蔵セルスタックを電力導体又はバス260に選択的に結合する)接触器の動作状態の時間に対するプロットである。縦軸は4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器の動作状態を表し、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、トレース418が縦軸矢印の近くの高いレベルにあるときに閉じられる。4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、トレース418が水平軸の近くの低いレベルにあるときに開放される。横軸は時間を表し、時間はプロットの左側からプロットの右側に向かって増加する。トレース418は、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器の動作状態を表す。
【0041】
図4の上から10番目のプロットは、電気エネルギー貯蔵システムの主接触器の動作状態の時間に対するプロットである。縦軸は、電気エネルギー貯蔵システムの主接触器の動作状態を表し、電気エネルギー貯蔵システムの主接触器は、トレース420が縦軸矢印の近くの高いレベルにあるときに閉じられる。電気エネルギー貯蔵システムの主接触器は、トレース420が水平軸の近くの低いレベルにあるときに開放される。横軸は時間を表し、時間はプロットの左側からプロットの右側に向かって増加する。トレース420は、電気エネルギー貯蔵システムの主接触器の動作状態を表す。
【0042】
時刻t0において電気エネルギー貯蔵システムはオフであり、全ての電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は開放され、それによって、電気エネルギー貯蔵セルスタックは電力導体又はバス260から電気的に絶縁される。3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(412)は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの最低電圧である。4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(416)は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの最高電圧である。主出力接触器は開放されており、電気エネルギー貯蔵システムは外部電源及び需要家から電気的に絶縁されている。
【0043】
時刻t1において電気エネルギー貯蔵システムが起動され、全ての電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器はまだ開いているが、その後すぐに、電気エネルギー貯蔵システムを介して電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じるための要求に応答し、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられる、なぜならば、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(412)が、電気エネルギー貯蔵セルスタックの最低電圧であるからである。3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じると、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックが、電力導体又はバス260に電気的に結合される。1番、2番、及び4番のエネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、開放されたままである。エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は変化せず、主接触器は開放状態のままである。この例では、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、その接触器が閉じられた後に充電されない、なぜならば、その電圧が、接触器が開放された、最低電圧の電気エネルギー貯蔵セルスタック(例えば、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタック)の閾値電圧内にあるためである。
【0044】
時刻t2において電気エネルギー貯蔵システムは起動されたままであり、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(404)は3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(412)の閾値電圧内であり、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じるための、電気エネルギー貯蔵システムの要求に応じて閉じられる。時間t2の直後、電荷が1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックから3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに移されるにつれ、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(404)は少量だけ減少し、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(412)は少量だけ増加する。今や、3番及び1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、電力導体又はバス260に電気的に結合されている。2番及び4番のエネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、開放されたままである。2番及び4番のエネルギー貯蔵セルスタックの電圧は変化せず、主接触器は開放状態のままである。
【0045】
時刻t3において、3番及び1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、電力導体又はバス260に電気的に結合された充電器から充電され始める(例えば、電荷を受け取る)。3番及び1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは充電される、なぜならば、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧及び4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧が、バス260の電圧(例えば、1番及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧)の閾値電圧内でないからである。2番及び4番のエネルギー貯蔵セルスタックの電圧は変化せず、主接触器は開放状態のままである。
【0046】
時刻t4において電気エネルギー貯蔵システムは起動されたままであり、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は、1番及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧の閾値電圧内であり、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じるための、電気エネルギー貯蔵システムの要求に応じて閉じられる。時間t4の直後、電荷が2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックから1番及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに移るにつれて、2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(408)は少量だけ減少し、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(404)及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧(412)は少量だけ増加する。今や、2番、3番及び1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、電力導体又はバス260に電気的に結合されている。4番のエネルギー貯蔵セルスタックの接触器は開放されたままである。4番のエネルギー貯蔵セルスタックの電圧は変化せず、主接触器は開放状態のままである。
【0047】
時刻t4と時刻t5との間で、1番、3番、及び2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックは、電力導体又はバス260に電気的に結合された充電器から充電され始める。4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧が導体又はバス260の電圧(例えば、1番、2番、及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧)の閾値電圧内にないため、1番、2番、及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックが充電される。4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は変化せず、主接触器は開放状態のままである。
【0048】
時刻t5において電気エネルギー貯蔵システムは起動されたままであり、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧は、1番、2番、及び3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧の閾値電圧内にあり、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じるための、電気エネルギー貯蔵システムの要求に応じて閉じられる。時間t5の直後、4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックから1番、3番、及び2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックに電荷が移るにつれて、電気エネルギー貯蔵セルスタック番号4の電圧(416)は少量だけ減少し、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタック番号の電圧(404)、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタック番号の電圧(414)、及び2番の電気エネルギー貯蔵セルスタック番号の電圧(408)は少量だけ増加する。全ての電気エネルギー貯蔵セルスタックは、電力導体又はバス260に電気的に結合されている。主接触器は開放状態のままであり、全ての電気エネルギー貯蔵セルスタックは充電器を介して充電される。
【0049】
時間t6において、全ての電気エネルギー貯蔵セルスタックの充電が所望の電圧の閾値電圧内にあるとき、主接触器は閉じられ、充電器は停止される。全ての電気エネルギー貯蔵セルスタックの全ての接触器は閉じられたままであり、外部電源が電気エネルギー貯蔵システム200に電気エネルギーを供給することができ、又は外部電力需要家が電気エネルギー貯蔵システム200から電気エネルギーを引き出すことができる。
【0050】
このように、他の電気エネルギー貯蔵セルスタックの1つ以上の接触器が閉じたときに電気エネルギー貯蔵システム全体の電流を所望のレベル未満にすることができるように、電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じ、電気エネルギー貯蔵セルスタックを充電することができる。さらに、電気エネルギー貯蔵セルスタックの充電レベルの間に差がほとんどない場合、充電器を介して電気エネルギー貯蔵セルスタックに電荷を供給することなく、電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じられ得る。
【0051】
ここで図5を参照すると、図1及び図2に示すような電気エネルギーシステムを動作させる方法が示されている。図5の方法は、図1図2のシステムの非一時メモリに記憶された実行可能な命令として含まれてもよい。さらに、図5の方法は、図1及び2のシステムと協働して動作し、データを受信し、アクチュエータを調整して図1及び2のシステムを制御することができる。
【0052】
502において、方法500は、電気エネルギー貯蔵システムの動作が要求されているかどうかを判定する。電気エネルギー貯蔵システムの動作は、ヒューマン/マシンインターフェース、コントローラ、又は他のソースへの入力を介して要求されてもよい。方法500が電気エネルギー貯蔵システムの動作が要求されていると判定した場合、答えはイエスであり、方法500は504に進む。そうでなければ、答えはノーであり、方法500は550に進む。
【0053】
550において、方法500は、電力を節約するために電解質ポンプを停止する。電解質ポンプへの電力供給を停止することにより、電解質ポンプを停止してもよい。方法500は、552に進む。
【0054】
552において、方法500は、電気エネルギー貯蔵システムを外部電源又は需要家から電気的に分離するため、1つ以上の主接触器又は出力接触器を開放する。さらに、方法500は、電気エネルギー貯蔵セルスタックが互いに電気的に分離されるように、電気エネルギー貯蔵セルスタックの全ての接触器を開放する。方法500は、終了に移る。
【0055】
504において、方法500は、電解質ポンプを起動して電気エネルギー貯蔵セルを動作させる。電解質ポンプに電力を供給することにより、電解質ポンプを動作させてもよい。方法500は、506に進む。
【0056】
506において、方法500は、電気エネルギー貯蔵システムが、電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する(例えば、電気エネルギー貯蔵セルスタックを電力導体又はバス260に選択的に結合する)全ての接触器を閉じることを要求したかどうかを判定する。電気エネルギー貯蔵システムは、電気エネルギー貯蔵システムが起動された後、電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する全ての接触器を閉じるように要求することができる。方法500が、電気エネルギー貯蔵システムが、電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する全ての接触器を閉じることを要求したと判断した場合、答えはイエスであり、方法500は508に進む。そうでなければ、答えはノーであり、方法500は502に戻る。このとき、電気エネルギー貯蔵システム内の複数の電気エネルギー貯蔵セルスタック内の各電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は開放されている。
【0057】
508において、方法500は、全ての電気エネルギーセルスタックの電圧を決定する。一例では、図1及び図2に示すコントローラ150は、各電気エネルギー貯蔵セルスタックにおける電気エネルギー貯蔵セルの最高電位(例えば、電圧)をサンプリングする。電気エネルギー貯蔵システム内の複数の電気エネルギー貯蔵セルスタック内の各電気エネルギー貯蔵セルスタックの全ての接触器が開放されている場合、電気エネルギー貯蔵セルスタックは互いに電気的に分離され、コントローラは各電気エネルギー貯蔵セルスタックの開回路電圧を受け取る。方法500は、各電気エネルギー貯蔵セルスタックの各電圧をコントローラのメモリに記憶する。さらに、方法500は、電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する、開放された接触器が存在する場合には、どの接触器が開放されているかを決定する。方法500は、コントローラが接触器の開放又は閉鎖を指令したか否かを示す、コントローラのメモリに記憶された変数の値を介して、電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係するどの接触器が開放されているかを判定してもよい。
【0058】
方法500は、電気エネルギー貯蔵システム内の電気エネルギー貯蔵セルスタックの番号又は位置、及び電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧によって、電気エネルギー貯蔵セルスタックのリストをコントローラのメモリ内に並べることができる。リストは、電気エネルギー貯蔵セルスタックを、最も低い電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックから最も高い電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックへと順序付けていてもよい。例えば、電気エネルギー貯蔵システムが、以下の電圧を有する4つの電気エネルギー貯蔵セルスタックを含む場合:1番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(4ボルト);2番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(5ボルト);3番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(1.5ボルト);4番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(3ボルト);、このとき方法500は、セルスタックのリストを以下のように並べてもよい:3番の電気エネルギー貯蔵セルスタック;4番の電気エネルギー貯蔵セルスタック;1番の電気エネルギー貯蔵セルスタック;2番の電気エネルギー貯蔵セルスタック。このセルスタックの配置は、電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する接触器を動作させるための基礎となり得る。具体的には、リスト内の電気エネルギー貯蔵セルスタック番号の順序に従って、接触器を閉じることができる。このリストは、コントローラのメモリの領域に格納することができる。
【0059】
別の例では、方法500は、電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループのリストを、電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧範囲によってコントローラのメモリ内に並べることができる。リストは、電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループを、最も低い電圧範囲を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループから最も高い電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループへと順序付けていてもよい。例えば、電気エネルギー貯蔵システムが、以下の電圧を有する6つの電気エネルギー貯蔵セルスタックを含む場合:1番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(4ボルト);2番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(5ボルト);3番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(1.5ボルト);4番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(3ボルト)、5番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(6ボルト)、及び6番の電気エネルギー貯蔵セルスタック(1ボルト)、そしてグループに含まれる電圧は0~2ボルト(第1範囲);2~4.5ボルト(第2範囲);及び4.5~7ボルト(第3範囲)である場合、方法500は、セルスタックのリスト又は順序を以下のように並べることができる:グループ1(3番及び6番のセルスタック);グループ2(1番及び4番のセルスタック);グループ3(2番及び5番のセルスタック)。次いで、電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器は、グループ1から始まり、グループ3で終わるグループの順序に従って動作され得る。グループは、コントローラのメモリの領域内のリストに格納することができ、グループ内のメンバーは電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧に基づいている。方法500は、510に進む。
【0060】
510において、方法500は、電気エネルギー貯蔵システムにおいて電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係するいずれかの接触器が閉じているか否かを判定する。もしそうであれば、答えはイエスであり、方法500は511に進む。そうでなければ、答えはノーであり、方法500は512に進む。答えがイエスである場合、電力導体又はバス260に電気的に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックは、電力導体又はバス260に電気的に結合されていない電気エネルギー貯蔵セルスタックの閾値電圧以内に充電され得る。代替的に、電力導体又はバス260に電気的に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックは、予め決定されたレベルに充電されてもよい。予め決定されたレベルは、接触器を通ると予想される電流に基づくことができる。
【0061】
512において、方法500は、開放接触器を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックのうち最も低い電圧を示す電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する開放接触器を閉じる。例えば、電気エネルギー貯蔵システムが、リストに並べられた4つの電気エネルギー貯蔵セルスタックを含み、順序が、508で説明したように、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタック;4番の電気エネルギー貯蔵セルスタック;1番の電気エネルギー貯蔵セルスタック;2番の電気エネルギー貯蔵セルスタックであり、他の接触器が閉じていない場合には、3番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じることができる。3番及び4番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器が閉じている場合、1番の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じてもよい。
【0062】
あるいは、電気エネルギー貯蔵セルスタックがグループとして並べられている場合、方法500は、開放接触器を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの最低電圧を有する、電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループに属する又は関係する開放接触器を閉じる。例えば、電気エネルギー貯蔵システムが、グループ1(3番及び6番のセルスタック);グループ2(1番及び4番のセルスタック);グループ3(2番及び5番のセルスタック)の順序でリストに並べられた3つのグループの電気エネルギー貯蔵セルスタックを含む場合、他の接触器が閉じていない場合にはグループ1の電気エネルギー貯蔵セルスタックの接触器を閉じることができる。電気エネルギー貯蔵セルスタックグループのグループ1の接触器が閉じている場合、グループ2は、開放接触器を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの中で最低電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックを含むので、電気エネルギー貯蔵セルスタックグループのグループ2の接触器を閉じることができる。方法500は、514に進む。
【0063】
514において、方法500は充電器を動作させ、電気エネルギー貯蔵セルスタックを充電する。特に、方法500は、電力導体又はバス260に電気的に結合された電気エネルギーセルスタックを充電する。充電器は、電力導体又はバス260に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックを、開放接触器、及び開放接触器を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの中での最も低い電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの閾値電圧内の電圧に充電することができる。代替的に、充電器は、電力導体又はバス260に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックを予め決定された電圧に充電することができる。さらに、電力導体又はバス260に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックが、開放接触器、及び開放接触器を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの中での最も低い電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの閾値電圧内にある場合、充電器は起動されず、電力導体又はバス260に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックに電荷を供給しない可能性がある。方法500は、516に進む。
【0064】
516において、方法は、電気エネルギー貯蔵システムにおいて、電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する全ての接触器が閉じているかどうかを判定する。一例では、方法500は、コントローラのメモリに記憶された変数の値に基づいて、電気エネルギー貯蔵システム内の電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する全ての接触器が閉じていると判定することができる。代替的に、接触器は、コントローラが決定を行うことができるように、それらの動作状態をコントローラに直接提示してもよい。方法500が、電気エネルギー貯蔵システム内の電気エネルギー貯蔵セルスタックに属する又は関係する全ての接触器が閉じていると判定した場合、答えはイエスであり、方法500は518に進む。そうでなければ、答えはノーであり、方法500は508に戻る。
【0065】
518において、方法500は、電気エネルギー貯蔵セルスタックが外部の電力需要家及び電力源に結合されるように、電気エネルギー貯蔵システムの主接触器を閉じる。さらに、方法500は、518で充電器を停止することができる。方法500は、終了に進む。
【0066】
511において、方法500は、開放接触器を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの中で最も低い電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧が閾値電圧の所望の範囲内にあるかどうかを判定する。もしそうであれば、答えはイエスであり、方法500は512に進む。そうでなければ、答えはノーであり、方法500は514に進む。
【0067】
一例では、方法500は、電力導体260に電気的に結合されていない電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧が所望の範囲内にない場合に、電力導体260に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックを充電することができる。所望の範囲は、電力導体260に電気的に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックの閾値電圧内の電圧範囲であってもよい。例えば、所望の範囲が5ボルトであり、電力導体260に電気的に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックが50ボルトであり、一方、電力導体260に電気的に結合されていない最低電圧の電気エネルギー貯蔵セルスタックの出力電圧が65ボルトである場合、答えはノーであり、方法500は514に進む。しかしながら、電力導体260に電気的に結合されていない最低電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックの出力電圧が54ボルトであり、電力導体260に電気的に結合されている電気エネルギー貯蔵セルスタックの50ボルトの5ボルト以内である場合、充電器は、電力導体260に電気的に結合されている電気エネルギー貯蔵セルスタックを充電しなくてもよい。
【0068】
代替的に、方法500は、電力導体260に電気的に結合されておらず、電力導体260に電気的に結合されていない電気エネルギー貯蔵セルスタックグループの中で最低電圧レベルを有する電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループの電圧が、電力導体260に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧の所望の範囲内にない場合に、電力導体260に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックを充電することができる。所望の範囲は、電力導体260に電気的に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックの閾値電圧内の電圧範囲であってもよい。例えば、所望の範囲が5ボルトであり、電力導体260に電気的に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックが50ボルトであり、一方、電力導体260に電気的に結合されていないグループの最低電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルのグループの出力電圧が65ボルトである場合、答えはノーであり、方法500は514に進む。しかしながら、電力導体260に電気的に結合されていない中で最低電圧を有する電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループの出力電圧が52ボルトであり、電力導体260に電気的に結合されている電気エネルギー貯蔵セルスタックの50ボルトの5ボルト以内である場合、充電器は、電力導体260に電気的に結合されている電気エネルギー貯蔵セルスタックを充電しなくてもよい。
【0069】
このようにして、方法500は、電力導体260に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧又は電荷を上昇させることができ、その結果、開放されている接触器又は接触器のグループがその後閉じられたとき、電力導体260に結合された電気エネルギー貯蔵セルスタックへの電流の流れは、望まれるよりも大きくならない。
【0070】
したがって、図5の方法は、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体に選択的に電気的に結合する複数の接触器を、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の個々の電圧に従ってコントローラを介して順次閉じることを含む、電気エネルギー貯蔵システムの動作方法を提供する。複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックを電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体に選択的に結合する複数の接触器を、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の個々の電圧に応じて順次閉じることは、複数のセルスタックのうち、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックに含まれる他の全てのエネルギーセルスタックの電圧以下の電圧を有するエネルギーセルスタックから始まる順序で複数の接触器を閉じることを含み、順序は、複数のセルスタックのうち、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックに含まれる他の全てのエネルギーセルスタックの電圧以上の電圧を有するエネルギーセルスタックで終了する。
【0071】
図5の方法は、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧を、コントローラを介して決定することをさらに含む。電力システムは、複数の接触器のうちの第1の接触器と、接触器のうちの第2の接触器とを閉じる間の時間に、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上を、充電器を介して充電することをさらに含む。電力システムは、充電器が電力導体に結合される場合を含む。電力システムは、複数の接触器に含まれる追加の接触器を閉じる前に、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上を閾値電圧に充電することをさらに含む。この方法は、閾値電圧が、電力導体に結合されていない、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上の電圧に基づくことを含む。本方法はまた、閾値電圧が予め決定された電圧である場合を含む。
【0072】
図5の方法は、コントローラを介して複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の電圧を検知することと、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々を、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックの各々の電圧に従って、1以上の電気エネルギー貯蔵セルスタックのグループにグループ化することと、電気エネルギー貯蔵セルスタックの1以上のグループの各々を、電気エネルギー貯蔵セルスタックの1以上のグループに含まれる電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧に応じて、電気エネルギー貯蔵システム内の電力導体にコントローラを介して順次結合すること、を含む電気エネルギー貯蔵システムの動作方法も提供する。この方法は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超えるグループが電圧範囲に基づいている場合を含む。
【0073】
いくつかの例において、本方法は、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックに含まれる電気エネルギー貯蔵セルスタックを、電気エネルギー貯蔵セルスタックの電圧に基づいて、電気エネルギー貯蔵セルスタックの1を超えるグループの1つのメンバーとすることを含む。本方法は、電気エネルギー貯蔵セルスタックの第1のグループを電力導体に結合することと、電気エネルギー貯蔵セルスタックの第2のグループを電力導体に結合することとの間の時間に、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上を、充電器を介して充電することをさらに含む。本方法はさらに、第2のグループの電気エネルギー貯蔵セルスタックを電力導体に結合する前に、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上を、閾値電圧に充電することを含む。この方法は、閾値電圧が、電力導体に結合されていない、複数の電気エネルギー貯蔵セルスタックのうちの1つ以上の電圧に基づくことを含む。
【0074】
本明細書に含まれる例示的な制御及び推定ルーチンは、様々な電気エネルギー貯蔵システム構成と共に使用することができることに留意されたい。本明細書に開示された制御方法及びルーチンは、実行可能な命令として非一時的メモリに格納することができ、種々のセンサ、アクチュエータ、及び他のシステムハードウェアと組み合わせたコントローラを含む制御システムによって実行することができる。本明細書に記載される特定のルーチンは、イベント駆動、割り込み駆動、マルチタスク、マルチスレッドなどの任意の数の処理手順のうちの1つ以上を表すことができる。このように、図示された種々の動作、操作、及び/又は機能は、図示された順序で、並列に、又は場合によっては省略して実行されてもよい。同様に、処理の順序は、本明細書に記載される例示的な実施形態の特徴及び利点を達成するために必ずしも必要ではなく、説明及び説明を容易にするために提供される。例示された動作、操作及び/又は機能のうちの1つ又は複数は、使用される特定の手順に応じて繰り返し実行されてもよい。さらに、記述された動作、操作、及び/又は機能の少なくとも一部は、制御システム内のコンピュータ可読記憶媒体の非一時メモリにプログラムされるコードをグラフィカルに表すことができる。説明された動作が、1つ以上のコントローラと組み合わせて様々な説明されたハードウェア構成要素を含むシステム内で命令を実行することにより行われる場合、制御動作は又、物理世界における1つ以上のセンサ又はアクチュエータの動作状態を変換することができる。
【0075】
以上で説明を終了する。当業者がそれを読み取ることにより、説明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正をもたらすであろう。
図1
図2
図3
図4
図5