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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099830
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】真空掃除機のための掃除機ヘッド
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
A47L9/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024075288
(22)【出願日】2024-05-07
(62)【分割の表示】P 2022520609の分割
【原出願日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】1914226.4
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】アーロン イー ハウ テオ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン コーク
(72)【発明者】
【氏名】ロバート マイケル コックス
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート ルロイド ジェン
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA04
3B061AA06
3B061AA44
3B061AD03
3B061AD05
3B061AD06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、真空掃除機のための掃除機ヘッドに関する。
【解決手段】真空掃除機のための掃除機ヘッドには、筐体(12)、前側撹拌器(14)、および後側撹拌器(16)が含まれる。前側撹拌器と後側撹拌器との間には、吸引チャンバ(26)が配置される。撹拌器間の吸引チャンバ内には、バッフル(52)が配置されている。掃除機ヘッドの使用中、吸引チャンバに向けて引き込まれた空気内に塵埃が取り込まれる。筐体に取り付けられた案内部材が、取り込まれた塵埃を吸引チャンバに向けて案内する一方、バッフルが空気を吸引チャンバの中央吸引ポート(40)に向けて上方に案内する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機のための掃除機ヘッドであって、
筐体と、
第1の回転方向に前記筐体に対して回転するように支持された前側撹拌器と、
前記第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に前記筐体に対して回転するように支持
された後側撹拌器と、
前記前側撹拌器と前記後側撹拌器との間に位置する吸引チャンバと、
前記吸引チャンバ内に位置するバッフルと、
を含み、前記吸引チャンバが、前記バッフルの上に位置する吸引ポートを含み、使用時に
は、前記バッフルが空気を前記吸引ポートに向けて案内する、掃除機ヘッド。
【請求項2】
前記バッフルが前記吸引ポートの真下に配置されている、請求項1に記載の掃除機ヘッ
ド。
【請求項3】
前記バッフルが前記吸引ポートに向けて延在する、請求項1または請求項2に記載の掃
除機ヘッド。
【請求項4】
前記バッフルがほぼ錐形状である、請求項1~3のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド
【請求項5】
前記バッフルが、前記吸引チャンバを横断して延在するバッフル板上に配置されている
、請求項1~4のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項6】
前記バッフル板が前記筐体に取り外し可能に接続されている、請求項5に記載の掃除機
ヘッド。
【請求項7】
前記バッフル板が前記吸引チャンバの底部に配置されている、請求項5または請求項6
に記載の掃除機ヘッド。
【請求項8】
前記バッフル板が、前記バッフル板と前記前側撹拌器との間に位置する前側吸引入口と
、前記バッフル板と前記後側撹拌器との間に位置する後側吸引入口と、を少なくとも部分
的に規定する、請求項5~7のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項9】
前記前側吸引入口および前記後側吸引入口が、ほぼ同一サイズおよび同一形状を有する
、請求項8に記載の掃除機ヘッド。
【請求項10】
前記バッフル板が、前記前側撹拌器に隣接する前縁部と、前記後側撹拌器に隣接する後
縁部とを含み、前記前縁部および前記後縁部の両方が、前記吸引ポートに向けて内側にテ
ーパ状になっている、請求項5~9のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項11】
使用中に塵埃を前記前側撹拌器の端部から前記吸引チャンバに向けて案内するために前
記筐体に取り付けられた前側案内部材と、使用中に塵埃を前記後側撹拌器の端部から前記
吸引チャンバに向けて案内するために前記筐体に取り付けられた後側案内部材とを含む、
請求項1~10のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項12】
前記前側案内部材がそれぞれ、前記第1の撹拌器の各別の端部に隣接して位置し、前記
後側案内部材がそれぞれ、前記第2の撹拌器の各別の端部に隣接して位置する、請求項1
1に記載の掃除機ヘッド。
【請求項13】
前記前側案内部材および前記後側案内部材がそれぞれ、前記筐体に対して回転可能であ
る、請求項11または請求項12に記載の掃除機ヘッド。
【請求項14】
前記前側案内部材および前記後側案内部材がそれぞれ、前記撹拌器の回転軸に垂直な軸
回りに前記筐体に対して回転可能である、請求項13に記載の掃除機ヘッド。
【請求項15】
前記筐体に接続された複数のカートリッジを含み、各カートリッジは、前記カートリッ
ジに対して回転するように取り付けられた前記前側案内部材のうちの1つおよび前記後側
案内部材のうちの1つを含む、請求項13または請求項14に記載の掃除機ヘッド。
【請求項16】
各カートリッジが前記バッフルの各側面に係合する、請求項15に記載の掃除機ヘッド
【請求項17】
前記前側案内部材がそれぞれ、前記前側撹拌器と共に、取り込んだ塵埃を前記前側吸引
入口に向けて案内する各チャネルを画成し、前記後側案内部材がそれぞれ、前記後側撹拌
器と共に、取り込んだ塵埃を前記後側吸引入口に向けて案内する各チャネルを画成する、
請求項1~16のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項18】
前記前側案内部材および前記後側案内部材がそれぞれ、チャネルのうちの対応する1つ
を規定するための凸状案内面を含む、請求項17に記載の掃除機ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空掃除機のための掃除機ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は、主として、塵埃分離器を含む主本体と、主本体に接続されかつ吸引入口
を有する掃除機ヘッドと、含塵空気を吸引入口および掃除機ヘッドを通して主本体内へ引
き込むためのモータ駆動式ファンユニットと、を備える。吸引入口は、清掃される床面を
向くように下方に方向付けられている。含塵空気は、分離器へ搬送され、それにより、塵
埃は、空気が大気へ排出される前に空気から分離され得る。分離器は、フィルタ、フィル
タバッグおよびサイクロン装置のうちの1以上を含み得る。
【0003】
通常ブラシバーの形態にある駆動式撹拌器は、掃除機ヘッドの吸引チャンバ内に回転可
能に装着され得る。ブラシバーは、主として、毛を担持する細長い筒状コアを備えており
、毛は、コアから径方向外方へ延在する。吸引入口は、掃除機ヘッドの基部に位置する底
板によって画成された開口部、通常は細長い矩形状の開口部の形態にあり得る。ブラシバ
ーは、吸引チャンバ内に装着され得、それにより、毛は、吸引入口を通して若干の範囲だ
け突出する。
【0004】
ブラシバーは、真空掃除機を使用してカーペット状面を清掃するときに主として作動さ
れる。ブラシバーの回転は、真空掃除機の主本体から引き出された電源によって電力供給
される電気モータによって、または、掃除機ヘッドを通過するもしくは掃除機ヘッド内に
入る気流によって駆動されるタービンによって、駆動され得る。ブラシバーは、駆動ベル
トを介してモータによって駆動され得、または、モータによって直接駆動され得、それに
より、吸引チャンバ内で回転する。ブラシバーの回転により、毛は、カーペットの表面に
沿って掃かれ、カーペットの繊維並びにカーペットの表面に位置するおよび/またはカー
ペットの繊維間にある埃もしくは他の塵の双方を撹拌し、その結果、十分な量のエネルギ
ーを塵埃に付与する。毛が吸引入口の前縁から後縁に向けて移動するような方向にブラシ
バーが回転する間、回転している毛は、吸引入口を通して後方へかつ吸引チャンバ内へ埃
を掃く。空気の吸引により、空気は、底板の下をそしてブラシバーの周囲を流動し、カー
ペットの表面から塵埃を上昇させ、その後、吸引入口から掃除機ヘッドを通して分離器に
向けて運ぶことを補助する。
【0005】
一対の逆回転するブラシバーを有する掃除機ヘッドを設けることが知られている。例え
ば、特許文献1には、掃除機ヘッドの前方に位置する前側ブラシバーと掃除機ヘッドの後
部に位置する後側ブラシバーとを有する掃除機ヘッドが記載されている。ブラシバーは、
反対の角度方向で回転し、それにより、前側ブラシバーの毛は、床面上を後方へ掃き、後
側ブラシバーの毛は、床面上を前方へ掃く。吸引チャンバは、ブラシバー間に位置し、吸
引ポートは、吸引チャンバの頂部において中央に位置している。
【0006】
使用時において、このような掃除機ヘッドを床面上で前方に移動させると、掃除機ヘッ
ドに向けて引き込まれた空気内に取り込まれている米またはチェリオ(Cheerios
)(登録商標)のような大きな塵埃は、このような塵埃が床面と接触していることに起因
して、ブラシバーの下を通過できず、そのため、前側ブラシバーの端部あたりから吸引チ
ャンバに入る。そこから、大きな塵埃は、吸引チャンバに沿って前側撹拌器の両端部から
吸引ポートに向けて通過する。掃除機ヘッドの移動を反対にすると、このような塵埃は、
後側撹拌器の両端部あたりから吸引チャンバに入り、吸引チャンバに沿って後側撹拌器の
両端部から吸引ポートに向けて通過する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2018/127680号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様では、本発明は、真空掃除機のための掃除機ヘッドを提供し、この掃除機ヘ
ッドは、
筐体と、
第1の回転方向に筐体に対して回転するように支持された前側撹拌器と、
第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に筐体に対して回転するように支持された後
側撹拌器と、
前側撹拌器と後側撹拌器との間に位置する吸引チャンバと、
吸引チャンバ内に位置するバッフルと、
を含み、吸引チャンバが、バッフルの上に位置する吸引ポートを含み、使用時には、バッ
フルが空気を吸引ポートに向けて案内する。
【0009】
撹拌器それぞれは、ブラシバーを備え、このブラシバーは、ブラシバーの長手方向軸回
りに回転する。前側撹拌器は、第1の回転方向に回転し、それにより、塵埃を吸引チャン
バに向けて後方に掃き、後側撹拌器は、第2の回転方向に回転し、それにより、塵埃を吸
引チャンバに向けて前方に掃く。撹拌器は、好ましくは、同一角速度で回転し、それによ
り、撹拌器によって発生する牽引力は、等しくかつ反対である。撹拌器は、好ましくは、
筒形状である。撹拌器は、好ましくは、撹拌器の長手方向軸が平行であり、かつ好ましく
は、掃除機ヘッドが床面に位置付けられているときに水平であるように配設されている。
筐体は、好ましくは、掃除機ヘッドの前部において第1の撹拌器を露出させる前側開口部
と、掃除機ヘッドの後部において第2の撹拌器を露出させる後側開口部と、を画成する。
【0010】
使用時において、空気は、少なくとも1つの吸引入口を通して吸引チャンバ内に入り、
吸引ポートを通して吸引チャンバから出る。吸引チャンバは、好ましくは、中央吸引ポー
ト、即ち、前側撹拌器と後側撹拌器との間の中間かつ吸引チャンバの側縁部間の中間に位
置するポートを備える。上述したように、掃除機ヘッドは、吸引チャンバ内に、ひいては
撹拌器間に位置するバッフルを備える。バッフルは、好ましくは、吸引ポートの下方に位
置しており、好ましくは、それにより、バッフルは、掃除機ヘッドの使用中に吸引ポート
の垂直下方に位置する。
【0011】
バッフルは、好ましくはバッフル板に配設されており、より好ましくはバッフル板と一
体であり、このバッフル板は、吸引チャンバを横断して延在する、好ましくは吸引チャン
バを横断して長さ方向(撹拌器の長手方向軸に平行に延在する長さ方向)に延在する。バ
ッフル板は、好ましくは、吸引チャンバの底部に位置し、好ましくは、それにより、バッ
フル板の下面は、撹拌器の最下部分とほぼ同一平面である。バッフル板は、好ましくは、
撹拌器それぞれから間隔を開けている。このため、バッフル板は、好ましくは、前側撹拌
器とバッフル板との間に位置する前側吸引入口と、後側撹拌器とバッフル板との間に位置
する後側吸引入口と、を少なくとも部分的に画成する。前側および後側吸引入口は、下方
を向き、同一平面であり、好ましくは、同一形状および同一サイズを有する。
【0012】
バッフル板は、好ましくは、掃除機ヘッドに取り外し可能に接続されている。バッフル
板は、好ましくは、好ましくは製造を容易にし、かつ吸引ポート内で生じる阻害を迅速に
保守することを容易にするためにユーザがアクセス可能なスナップ嵌合接続またはキャッ
チ機構によって、掃除機ヘッドの筐体に直接接続されている。
【0013】
バッフル板は、前側撹拌器に隣接して位置する前縁部と、後側撹拌器に隣接して位置す
る後縁部と、を有する。掃除機ヘッドを床面上で前方に移動させると、大きな塵埃は、掃
除機ヘッドの前方に向けて引き込まれた空気内に取り込まれ、吸引ポートに向けてバッフ
ル板の前縁部に沿って案内される。掃除機ヘッドを床面上で後方に移動させると、大きな
塵埃は、掃除機ヘッドに向けて引き込まれた空気内に取り込まれ、吸引ポートに向けてバ
ッフル板の後縁部に沿って案内される。これにより、取り込まれた塵埃が吸引ポートに向
けて直接移動することを促進させ、このため、掃除機ヘッドの性能を改善する。バッフル
板の前縁部および後縁部は、好ましくは、吸引ポートに向けて内側にテーパ状となり、そ
れにより、バッフル板の中央におけるバッフル板の(バッフル板の長さに垂直に測定した
)幅は、バッフル板の2つの端部におけるバッフル板の幅よりも小さい。
【0014】
上述のように、バッフル板は、バッフルを備え、このバッフルは、使用中に、空気を吸
引ポートに向けて案内する。バッフルは、好ましくは、掃除機ヘッドの使用中に吸引ポー
トの垂直下方に位置する。バッフルは、好ましくは、吸引ポートに向けて延在し、好まし
くは、吸引ポートに向けてテーパ状となり、それにより、気流を案内して吸引ポートに向
けて90°方向変更させる。バッフルは、湾曲し得る、または、錐状あり得る。好ましい
実施形態において、バッフルは、ほぼ角錐状であり、バッフルの面それぞれは、各別の気
流を吸引ポートに向けて案内するように構成されている。使用中において、空気は、撹拌
器の端部から掃除機ヘッドに入り、反対方向で吸引ポートに向けて移動する傾向がある。
バッフルがない場合、反対方向の気流が吸引チャンバ内で衝突して、気流速度が低い「デ
ッドゾーン」および吸引チャンバのすぐ下での大きな乱流を発生させ得る危険性がある。
このようなデッドゾーン内において、デッドゾーン内で捕捉される塵埃を退避させるのに
は速度が不十分であり得、その結果、塵埃は、床面上で停滞し、床面上に塵埃の積み重ね
を残す。バッフルが存在することにより、空気を吸引チャンバ内に案内して吸引ポートに
向けて上方へ方向転換させることによってこのようなデッドゾーンが形成されることを防
止し、吸引チャンバ内において反対方向の気流を滑らかに併合し、取り込んだ塵埃を吸引
ポートに向けて移動させることを促進する。
【0015】
掃除機ヘッドは、好ましくは、使用中に塵埃を前側撹拌器の端部から吸引チャンバに向
けて案内するために筐体に取り付けられた前側案内部材と、使用中に塵埃を後側撹拌器の
端部から吸引チャンバに向けて案内するために筐体に取り付けられた後側案内部材と、を
備える。
【0016】
案内部材を使用して、塵埃、特に、限定するものではないが、米およびチェリオ(登録
商標)のような大きな塵埃を吸引チャンバに向けて案内することが撹拌器の端部から吸引
チャンバに向けて内方に延在する経路を阻害する危険性を低減し得ることが分かっている
。これら経路の阻害は、大きな塵埃の吸引チャンバへの通過を防止し得、その結果、塵埃
は、機器のスイッチを切ったときに床面に残ったままである。
【0017】
前側および後側案内部材は、好ましくは、撹拌器間に位置する。前側案内部材それぞれ
は、好ましくは、前側撹拌器の各別の端部に隣接して位置する。前側案内部材それぞれは
、好ましくは、前側撹拌器のすぐ後ろに位置する。掃除機ヘッドを床面上で前方に移動さ
せると、前側案内部材それぞれは、好ましくは、少なくとも部分的に前側撹拌器と共に、
各別の前側チャネルを画成し、取り込んだ塵埃は、この前側チャネルに沿って、前側吸引
入口に向けて(ひいては吸引チャンバに向けて)案内される。
【0018】
同様に、後側案内部材それぞれは、好ましくは、後側撹拌器の各別の端部に隣接して位
置している。後側案内部材それぞれは、好ましくは、後側撹拌器のすぐ前方に位置する。
掃除機ヘッドを床面上で後方方向に移動させると、後側案内部材それぞれは、好ましくは
、少なくとも部分的に後側撹拌器と共に、各別の後側チャネルを画成し、取り込んだ塵埃
は、この後側チャネルに沿って、後側吸引入口に向けて(ひいては吸引チャンバに向けて
)案内される。
【0019】
前側および後側案内部材は、好ましくは、硬質な床面またはカーペット状面のような表
面上における掃除機ヘッドの移動方向の変化に応じて筐体に対して回転するように構成さ
れている。掃除機ヘッドは、好ましくは、表面に係合するための複数の車輪を備え、掃除
機ヘッドは、この表面上でユーザによって操縦される。掃除機ヘッドは、好ましくは、一
対の前輪および一対の後輪を備える。車輪は、好ましくは、撹拌器間に位置する。車輪そ
れぞれは、好ましくは、キャスタの形態にあるが、車輪は、ボールまたは他の転動部材の
形態にあり得る。車輪それぞれは、好ましくは、吸引入口に垂直な第1の軸回りで筐体に
対して回転するように構成され、それにより、掃除機ヘッドが表面上を移動する方向の変
化を可能とする。車輪それぞれは、好ましくは、約360°の角度で、第1の軸回りに回
転自在に構成されている。これにより、掃除機ヘッドを床面上で例えばユーザが選択した
方向で操縦することを可能とする。例えば、ユーザは、掃除機ヘッドを前後に、左右に、
および/または、湾曲方向に移動させ得る。車輪それぞれは、同様に、好ましくは、第1
の軸に垂直な第2の軸回りで案内部材に対して回転するように構成されている。
【0020】
前側案内部材および後側案内部材それぞれは、最も好ましくは第1の軸回りに、各別の
車輪と共に回転するように配設されることが好ましい。これにより、案内部材が、取り込
んだ塵埃を吸引チャンバに向けて最適に案内することを許容し得る。掃除機ヘッドを前方
に移動させると、前側案内部材は、前輪と共に回転し、塵埃を吸引チャンバに向けて案内
するための前側チャネルを画成し、掃除機ヘッドを後方に移動させると、後側案内部材は
、後輪と共に回転し、塵埃を吸引チャンバに向けて案内するための後側チャネルを画成す
る。
【0021】
前側および後側案内部材それぞれは、好ましくは、取り込んだ塵埃を吸引チャンバに向
けて案内するための案内面を備える。案内面は、好ましくは、吸引入口に直交して、従っ
て車輪が案内部材に対して回転する第2の軸に直交して配設されている。
【0022】
上述のように、車輪は、好ましくは、キャスタの形態にあり、このキャスタは、好まし
くは、第1の軸回りで筐体に対して回転可能な支持体に装着されている。キャスタ車輪は
、支持体にスナップ嵌合された車軸に装着されており、車輪が第2の軸回りで支持体に対
して回転することを可能とする。キャスタ車輪のための支持体は、吸引チャンバに向けて
塵埃を案内するための案内部材を便利に画成し得る一方、支持体の外面は、吸引チャンバ
に向けて塵埃を案内するための案内面を画成し得る(塵埃と案内面との間の衝突を通して
)。案内面は、好ましくは、塵埃が案内面から跳ね返る際に塵埃が吸引チャンバに向けて
移動するような塵埃の案内面への入射角度とされるように形付けられている。案内面は、
好ましくは、凸形状を有する。例えば、案内面は、湾曲形状および多角形状のうちの一方
を有し得る。湾曲形状は、対称または非対称であり得る。多角形状は、正多角形状または
非正多角形状であり得る。
【0023】
キャスタ車輪のための支持体を使用して吸引チャンバに向けて塵埃を案内するための案
内部材を提供することの代替として、案内部材は、支持体回りに少なくとも部分的に延在
し得る。案内部材は、支持体に装着され得る。あるいは、案内部材および支持体は、筐体
に対して回転可能な共通の基部または他の掃除機ヘッド構成部材に装着され得る。これに
より、案内部材をキャスタ車輪のための支持体とは異なる材料から形成することができる
。例えば、支持体が例えばポリカーボネートのようなプラスチック材料等の比較的硬質な
材料から形成され得る一方、案内部材は、例えばTPUのようなポリウレタン等の比較的
軟質な材料から形成され得る。案内部材を車輪のための支持体とは別個の構成部材として
設けることにより、案内部材を形成する形状および/または材料の選択を通して、衝突す
る塵埃が案内部材から離間するように移動する方向および/または速度をより大きな度合
いで制御できる。
【0024】
前側および/または後側案内部材は、塵埃を吸引チャンバに向けて案内するために、他
のタイプの掃除機ヘッドで使用され得る。例えば、受動型掃除機ヘッド、即ち床面から塵
埃を撹拌するための任意の動いている撹拌器を有していない掃除機ヘッドは、吸引チャン
バに向けて塵埃を案内するための車輪および案内部材の配置を有し得る。車輪は、掃除機
ヘッドの吸引入口を画成する底板に装着され得る。例えば、一対の前輪は、掃除機ヘッド
の前縁部に隣接して位置し得、一対の後輪は、掃除機ヘッドの後縁部に隣接して位置し得
る。車輪それぞれは、掃除機ヘッドの前角部に隣接して位置し得、車輪それぞれは、案内
部材と関連付けられ、この案内部材は、筐体に対して車輪と共に回転して吸引入口に向け
て塵埃を案内する。他の例として、掃除機ヘッドは、前輪および後輪を有し、掃除機ヘッ
ドの前方に向けて位置する単一の撹拌器またはブラシバーを備え得、そのため、前側およ
び後側案内部材は、撹拌器の後方に位置する。
【0025】
第2の態様では、本発明は、真空掃除機のための掃除機ヘッドを提供し、この掃除機ヘ
ッドは、
吸引チャンバを画成する筐体であって、吸引チャンバが下向きの吸引入口および吸引ポ
ートを有する、筐体と、
掃除機ヘッドを支持するための複数の車輪であって、各車輪が吸引入口に垂直な第1の
軸回りに筐体に対して回転可能である、複数の車輪と、
吸引入口に向けて引き込まれた空気内に取り込まれた塵埃を吸引チャンバに案内するた
めの複数の案内部材であって、各案内部材が第1の軸回りに各車輪と共に回転するように
配置されている、複数の案内部材と、
を含む。
【0026】
車輪は、筐体に対して回転するために掃除機ヘッドの筐体に直接装着され得る。あるい
は、車輪は、筐体に接続された1以上のカートリッジに回転可能に装着され得る。例えば
、掃除機ヘッドは、吸引入口の一側に位置する第1のカートリッジと、吸引入口の他側に
位置する第2のカートリッジと、を備える。各カートリッジは、前輪のうちの対応する1
つと後輪のうちの対応する1つとを備え得る。
【0027】
掃除機ヘッドが前側撹拌器および後側撹拌器双方を備える実施形態において、各カート
リッジは、好ましくは、前側案内部材および後側案内部材それぞれの対応する1つを備え
る。各カートリッジは、好ましくは、前側撹拌器と後側撹拌器との間に位置し、好ましく
は、吸引チャンバの側部に各別に位置する。各カートリッジは、好ましくは、複数の開口
部を備え、これら開口部それぞれは、撹拌器のうちの1つに各別に隣接して位置し、取り
込まれた塵埃は、この開口部を通して、チャネルのうちの対応する1つに入り、塵埃は、
このチャネルに沿って吸引チャンバに向けて案内される。
【0028】
掃除機が単一の撹拌器を備える場合、カートリッジそれぞれは、同様に、好ましくは、
一対の車輪と、一対の案内部材と、を備え、この一対の案内部材は、それぞれがカートリ
ッジに対して車輪のうちの対応する1つと共に回転可能である。カートリッジそれぞれは
、好ましくは、撹拌器の後方に位置しており、好ましくは、吸引チャンバの各別の側部に
配設されている。
【0029】
カートリッジそれぞれは、好ましくは、そのカートリッジの車輪の第1の軸が吸引入口
に直交する所定平面に位置するように配設されている。掃除機ヘッドが吸引入口に平行な
方向に延在する軸回りに回転する撹拌器を備える場合、この平面は、好ましくは、撹拌器
の回転軸に直交する。
【0030】
本発明の第1の態様に関連して上述した特徴は、本発明の第2の態様に均等に適用可能
であり、その逆も同様である。用語「水平」、「垂直」、「前方」および「後方」は、本
発明に関連して使用されており、通常使用時に掃除機ヘッドの構成部材の相対的な方向付
けまたは位置を言う。
【0031】
次に、本発明の好ましい特徴を、添付の図面を参照して、単なる例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】掃除機ヘッドの斜視図である。
図2】掃除機ヘッドを示す、下方からの斜視図である。
図3】掃除機ヘッドの前面図である。
図4】掃除機ヘッドの後面図である。
図5】掃除機ヘッドの頂面図である。
図6】掃除機ヘッドのキャスタが掃除機ヘッドの筐体に対して第1の向きにある、掃除機ヘッドの底面図である。
図7図6の線A-Aに沿った、掃除機ヘッドの一部の断面図である。
図8図6の線B-Bに沿った、掃除機ヘッドの一部の断面図である。
図9図6の線C-Cに沿った、掃除機ヘッドの一部の断面図である。
図10(a)】掃除機ヘッドの筐体の前面図である。
図10(b)】筐体の底面図である。
図11図10(b)の線D-Dに沿った、筐体の断面図である。
図12(a)】筐体のバッフル板の頂面図である。
図12(b)】バッフル板の側面図である。
図12(c)】バッフル板の底面図である。
図13】掃除機ヘッドのキャスタカートリッジを示す、上方からの斜視図である。
図14】キャスタカートリッジを示す、下方からの斜視図である。
図15】掃除機ヘッドのキャスタが筐体に対して第2の向きにある、掃除機ヘッドの別の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1図15は、真空掃除機のための掃除機ヘッド10の例を示している。掃除機ヘッ
ド10は、筐体12と、それぞれが筐体12に対して回転するように筐体12に取り付け
られた前側撹拌器14および後側撹拌器16と、筐体12に接続された首体18と、を含
む。
【0034】
撹拌器14、16それぞれは、細長い本体20を備えるブラシバーの形態にあり、この
細長い本体には、表面を撹拌するための毛、叩きストリップまたは他の手段22が取り付
けられている。本実施形態において、細長い本体20は、合成繊維からなるプラッシュ2
4で被覆されている。筐体12は、前側撹拌器14の前面を露出させるように、かつ後側
撹拌器16の後面を露出させるように成形されており、それにより、撹拌器14、16は
、掃除機ヘッド10の比較的柔らかい前側および後側バンパを形成し得る。
【0035】
撹拌器14、16は、回転軸X1、X2回りで反対方向に回転するように駆動されてお
り、これら回転軸は、互いに平行であり、それぞれが各別の撹拌器14、16の長手方向
軸と同軸である。掃除機ヘッドを床面または清掃される他の表面上に置くと、回転軸は、
水平である。撹拌器14、16の回転角度方向は、塵埃が床面から撹拌器14、16間に
位置する吸引チャンバ26内へ掃かれるように選択されている。その結果、図7において
、前側撹拌器14は、軸X1回りで時計回り方向で筐体12に対して回転し、後側撹拌器
16は、軸X2回りで反時計回り方向で筐体12に対して回転する。
【0036】
掃除機ヘッド10は、筐体12に対する撹拌器14、16の回転を駆動するための駆動
組立体を備える。駆動組立体は、撹拌器を同じ角速度で筐体12に対して回転するように
構成されている。駆動組立体の特有の詳細は、本発明に付随するものではないが、全体と
して、駆動組立体は、電気モータと、モータによって発生されたトルクを撹拌器14、1
6それぞれに伝達させるための伝達器と、を備える。モータは、筐体12内に装着され得
る。あるいは、モータは、撹拌器14、16のうちの一方に装着され得る。電力は、真空
掃除機からモータに供給される。図3図5に示すように、首体18は、掃除機に位置す
る電気接点に係合するための一対の電気端子28を備えており、電力を掃除機からモータ
に供給する。電気ケーブル30(図9に示す)は、端子28とモータとの間に延在する。
伝達装置は、モータから撹拌器14、16のうちの駆動されている一方までトルクを伝達
させるための歯車列と、駆動された撹拌器から他方の撹拌器までトルクを伝達させるため
のベルト・プーリシステムと、を備える。
【0037】
単一のモータを使用して双方の撹拌器14、16を駆動するのではなく、駆動組立体は
、2つの電気モータを含み得、電気モータそれぞれは、各別の撹拌器14、16を駆動す
る。あるいは、1以上の電気モータを使用するのではなく、駆動組立体は、撹拌器14、
16を駆動するのに必要なトルクを発生させるための空気タービンを備え得る。
【0038】
首体18は、筐体12の頂部に回動式に接続されている。首体18は、撹拌器14、1
6の回転軸X1、X2に平行な回動軸P1を中心に筐体12に対して回動する。首体18
は、撹拌器14、16間の中間位置で筐体12に回動式に取り付けられている。その結果
、首体18の回動軸P1は、撹拌器14、16の回転軸X1、X2から等距離にある。首
体18は、筐体12に回動式に接続された下側首セクション32と、回動軸P1に直交す
る回動軸P2の周りで回動移動するために下側首セクション32に回動式に接続された上
側首セクション34と、を備える。首体18は、首体18の自由端部に位置する出口38
から筐体12の頂部に形成された吸引ポート40まで延在する導管36を含み、この吸引
ポートを通して、空気は、吸引チャンバ26から導管36に入る。吸引ポート40は、中
央に配置されている、即ち、吸引ポートは、撹拌器14、16間の中間に、かつ吸引チャ
ンバ26の側部間の中間に位置している。首体18の自由端部は、真空掃除機(図示せず
)のワンドに取り付け可能である。ワンドは、床面上で掃除機ヘッド10を操縦するため
に、および、電気端子28を介してモータに電力を送達させるために、使用される。
【0039】
掃除機ヘッド10は、吸引チャンバ26内に位置するバッフル板42を備える。バッフ
ル板42は、吸引チャンバ26の底部に位置しており、好ましくは、それにより、バッフ
ル板42の底面は、攪拌器14、16の最下端とほぼ同一平面にある。バッフル板42は
、好ましくは、スナップ嵌合接続を用いて、筐体12に接続されており、このスナップ嵌
合接続は、バッフル板42を掃除機ヘッド10の保守のために筐体12から再配置可能に
取り外すことを可能にする。バッフル板42は、好ましくは、吸引チャンバ26の一側か
ら他側まで、吸引チャンバ26を横断して長手方向に延在する。バッフル板42は、前側
撹拌器14と共に吸引チャンバ26の前側吸引入口46を規定する前縁部44と、後側撹
拌器16と共に吸引チャンバ26の後側吸引入口50を規定する後縁部48と、を有する
。以下でより詳細に説明するように、バッフル板42は、空気を吸引チャンバ26の吸引
ポート40に向けて案内するためのバッフル52を備える。バッフル52は、バッフル板
42の中央に位置しており、それにより、バッフル52は、吸引ポート40の垂直下方に
位置付けられており、好ましくは、バッフル板42と一体的である。バッフル52は、吸
引ポート40に向けて上方に、好ましくは、テーパ状に延在する。本実施形態において、
バッフル52は、ほぼ錐形状であり、複数の等寸法面54を備え、これら等寸法面それぞ
れは、吸引チャンバ26を通過する空気のうち対応する部分を吸引ポート40に向けて案
内する。
【0040】
掃除機ヘッド10は、掃除機ヘッド10を床面上で支持するための複数の車輪を更に備
える。車輪は、前側撹拌器14と後側撹拌器16との間に位置する。本実施形態において
、掃除機ヘッド10は、一対の前輪56および一対の後輪58を備える。前輪56は、前
側吸引開口部46の両側に位置し、前輪それぞれは、前側撹拌器14の対応する端部に隣
接して位置する。後輪58は、前輪56のすぐ後方に、かつ、後側吸引開口部50の両側
に位置する。後輪58それぞれは、後側撹拌器16の各別の端部に隣接して位置する。
【0041】
特に図13および図14を参照すると、本実施形態において、車輪56、58は、キャ
スタの形態にある。前輪56それぞれは、前側支持体60に装着されており、後輪58そ
れぞれは、後側支持体62に装着されている。支持体60、62それぞれは、筐体12に
接続されており、それにより、支持体、ひいては車輪56、58それぞれは、撹拌器14
、16の回転軸X1、X2に直交しそれにより前側および後側吸引入口46、50に直交
する第1の回転軸W1回りに筐体12に対して回転可能である。車輪56、58それぞれ
は、支持体60、62にスナップ嵌合された車軸64によって各別の支持体60、62に
接続されている。これにより、車輪56、58それぞれは、第1の回転軸W1に直交する
第2の回転軸W2回りに支持体60、62に対して回転することが可能となる。車輪56
、58が第1および第2の回転軸W1、W2回りに移動自在であることにより、掃除機ヘ
ッド10は、任意の選択した方向で、例えば前後に、左右に、または、湾曲経路に沿って
、操縦されることが可能となる。
【0042】
支持体60、62を筐体12に直接装着し得る一方、本実施形態において、掃除機ヘッ
ド10は、一対のカートリッジ66、68を備えており、これらカートリッジは、ボルト
70を用いて筐体12に接続されており、それぞれが前輪56のうちの対応する一方と後
輪58のうちの対応する一方とを備える。これら車輪56、58のための支持体60、6
2それぞれは、カートリッジに対して回転するためにカートリッジ66、68に装着され
ている。同様に図6を参照すると、以下で詳述するように、カートリッジ66、68それ
ぞれは、両端壁部72を備えており、これら端壁部それぞれは、各別の開口部74、76
を備える。支持体60、62は、カートリッジ66、68に装着されており、それにより
、前側支持体60それぞれは、各別の前側開口部74に隣接して位置付けられ、後側支持
体62それぞれは、各別の後側開口部76に隣接して位置付けられる。
【0043】
使用時において、外部環境からの空気は、真空掃除機内に位置する吸引発生器の動作の
下で吸引チャンバ26に向けて引き込まれる。掃除機ヘッド10が床面に位置付けられる
と、米またはチェリオ(登録商標)のような大きな塵埃は、このような塵埃が床面と接触
していることに起因して、回転する撹拌器の下を通過できない。その替わりに、この比較
的大きな塵埃は、撹拌器14、16の端部から内方へ吸引ポート40に向けて流れる気流
(以下、「側部気流」と称する)内に取り込まれることを介して、吸引チャンバ26内に
入る。
【0044】
掃除機ヘッド10を床面上に位置する一山の比較的大きな塵埃に向けて前方へ移動させ
ると、一般的にこのような塵埃は、側部気流内に取り込まれ、これら側部気流は、前側吸
引入口46を通して吸引チャンバ26に入る。第1の側部気流は、前側撹拌器14の第1
の端部から、カートリッジ66の前側開口部74を通り、前側吸引入口46を介して吸引
チャンバ26内に入る。第2の側部気流は、前側撹拌器14の第1の端部から、カートリ
ッジ68の前側開口部74を通り、前側吸引入口46を介して吸引チャンバ26内に入る
。2つの側部気流は、同様に、後側撹拌器16の端部あたりから吸引チャンバ26に入る
が、掃除機ヘッドが前方に移動していると、これら更なる側部気流は、比較的大きな塵埃
を含有しない傾向がある。
【0045】
支持体60、62それぞれは、各別の含塵側部気流内に取り込まれている塵埃を吸引チ
ャンバ26に向けて案内するための案内部材を形成する。支持体60、62の外面それぞ
れは、各別の案内面78、80を画成するように成形されている。案内面78、80は、
全体として凸形状であり、塵埃が案内面78、80に衝突すると塵埃が吸引チャンバ26
に向けて跳ね返るように成形されている。
【0046】
まず図6を参照すると、掃除機ヘッド10が床面上を前方に(矢印A1の方向に)移動
しているとき、床面と車輪56、58との間で発生する摩擦力は、車輪56、58、ひい
てはこれら車輪の支持体60、62を図6に示す方向付けで回転させる。前側支持体60
の案内面78は、これら案内面が前側撹拌器14およびカートリッジ66、68と共に前
側開口部74から吸引チャンバ26まで延在する比較的狭いチャネル82を画成するよう
に方向付けられる。含塵側部気流は、チャネル82に入り、前側支持体60の案内面78
は、塵埃を前側吸引入口46に向けて案内する。チャネル82の幅は、気流がチャネル8
2に沿って移動する際に、気流を加速させる傾向を有し、これにより、同様に、塵埃を吸
引チャンバ26内に入れることを促進する機能を有する。
【0047】
掃除機ヘッドの移動方向を反転させて、それにより掃除機ヘッドを残存している塵埃に
向けて後方へ(図15に示す矢印A2の方向に)移動させているとき、後側撹拌器16の
端部あたりから吸引チャンバ26に入る2つの側部気流は、より多くの塵埃を含有してい
る。床面と車輪56、58との間に発生する摩擦力は、車輪56、58、ひいてはこれら
車輪の支持体60、62を図15に示す方向付けで180°回転させる。後側支持体62
の案内面80は、これら案内面が後側撹拌器16およびカートリッジ66、68と共に後
側開口部76から吸引チャンバ26まで延在する比較的狭いチャネル84を画成するよう
に、方向付けされている。含塵側部気流がチャネル84に入ると、後側支持体62の案内
面80は、塵埃を後側吸引入口50に向けて案内する。
【0048】
吸引チャンバ26内において、バッフル板42の前縁部44は、チャネル82を介して
吸引チャンバ26に入った2つの側部気流内に取り込まれている塵埃を吸引ポート40に
向け案内する一方、バッフル板42の後縁部48は、チャネル84を介して吸引チャンバ
26に入った2つの側部気流内に取り込まれている塵埃を吸引ポート40に向けて案内す
る。吸引チャンバ26の中心に向けて、4つの側部気流それぞれは、バッフル52の各別
の面54によって吸引ポート40に向けて上方へ案内され、取り込まれている塵埃を首体
18の導管36に向けて搬送する。側部気流は、バッフル52の下流側で併合し、導管3
6を通過し、塵埃を空気から分離する真空掃除機内に入る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】
図11(a)】
図11(b)】
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機のための掃除機ヘッドであって、
筐体と、
第1の回転方向に前記筐体に対して回転するように支持された前側撹拌器と、
前記第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に前記筐体に対して回転するように支持された後側撹拌器と、
前記前側撹拌器と前記後側撹拌器との間に位置する吸引チャンバと、
前記吸引チャンバ内に位置するバッフルと、
を含み、
前記吸引チャンバが、前記バッフルの上に位置する吸引ポートを含み、使用時には、前記バッフルが空気を前記吸引ポートに向けて案内し、
前記吸引ポートは、前記筐体の頂部に形成されており、上下方向に延在する首体の下端部に接続されており、
前記バッフルが、前記吸引チャンバを横断して延在するバッフル板上に配置されており、
前記バッフル板が、前記前側撹拌器に隣接する前縁部と、前記後側撹拌器に隣接する後縁部とを含み、前記バッフル板の平面視において、前記前縁部および前記後縁部の両方が、前記吸引ポートに向けて内側にテーパ状になっている、掃除機ヘッド。
【請求項2】
前記バッフルが前記吸引ポートの真下に配置されている、請求項1に記載の掃除機ヘッド。
【請求項3】
前記バッフルが前記吸引ポートに向けて延在する、請求項1または請求項2に記載の掃除機ヘッド。
【請求項4】
前記バッフルがほぼ錐形状である、請求項1~3のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項5】
前記バッフル板が前記筐体に取り外し可能に接続されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項6】
前記バッフル板が前記吸引チャンバの底部に配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項7】
前記バッフル板が、前記バッフル板と前記前側撹拌器との間に位置する前側吸引入口と、前記バッフル板と前記後側撹拌器との間に位置する後側吸引入口と、を少なくとも部分的に規定する、請求項のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項8】
前記前側吸引入口および前記後側吸引入口が、ほぼ同一サイズおよび同一形状を有する、請求項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項9】
使用中に塵埃を前記前側撹拌器の端部から前記吸引チャンバに向けて案内するために前記筐体に取り付けられた前側案内部材と、使用中に塵埃を前記後側撹拌器の端部から前記吸引チャンバに向けて案内するために前記筐体に取り付けられた後側案内部材とを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項10】
前記前側案内部材がそれぞれ、前記第1の撹拌器の各別の端部に隣接して位置し、前記後側案内部材がそれぞれ、前記第2の撹拌器の各別の端部に隣接して位置する、請求項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項11】
前記前側案内部材および前記後側案内部材がそれぞれ、前記筐体に対して回転可能である、請求項または請求項10に記載の掃除機ヘッド。
【請求項12】
前記前側案内部材および前記後側案内部材がそれぞれ、前記撹拌器の回転軸に垂直な軸回りに前記筐体に対して回転可能である、請求項11に記載の掃除機ヘッド。
【請求項13】
前記筐体に接続された複数のカートリッジを含み、各カートリッジは、前記カートリッジに対して回転するように取り付けられた前記前側案内部材のうちの1つおよび前記後側案内部材のうちの1つを含む、請求項11または請求項12に記載の掃除機ヘッド。
【請求項14】
各カートリッジが前記バッフルの各側面に係合する、請求項13に記載の掃除機ヘッド。
【請求項15】
前記前側案内部材がそれぞれ、前記前側撹拌器と共に、取り込んだ塵埃を前記前側吸引入口に向けて案内する各チャネルを画成し、前記後側案内部材がそれぞれ、前記後側撹拌器と共に、取り込んだ塵埃を前記後側吸引入口に向けて案内する各チャネルを画成する、請求項1~14のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項16】
前記前側案内部材および前記後側案内部材がそれぞれ、チャネルのうちの対応する1つを規定するための凸状案内面を含む、請求項15に記載の掃除機ヘッド。
【外国語明細書】