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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099841
(43)【公開日】2024-07-25
(54)【発明の名称】洗浄器械用吐水装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/08 20060101AFI20240718BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
D06F39/08 301C
A47L15/42 D
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075832
(22)【出願日】2024-05-08
(62)【分割の表示】P 2021501343の分割
【原出願日】2019-07-16
(31)【優先権主張番号】102018000007257
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】509018786
【氏名又は名称】ビトロン・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】BITRON S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】エンツォ・ブリニョーネ
【テーマコード(参考)】
3B082
3B166
【Fターム(参考)】
3B082BD01
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA32
3B166BA34
3B166BA82
3B166BA83
3B166CA28
3B166DC03
3B166DC45
3B166DC47
3B166FA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安全で信頼できて、生産するのが簡単で経済的な操作性を有する、2つの逆流防止システムを装備した吐水装置を提供する。
【解決手段】洗浄器械用の吐水装置に関し、該装置は、内部キャビティを形成する本体(10)及び蓋を備え、キャビティ内に、入口(28)から出口(30)まで水用の流路(26)を備える。流路(26)には、エアー遮断(32)を有する。さらに、キャビティ内でエアー遮断(32)の上流の流路(26)には、1つ以上の逆止弁(34)が配置されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部キャビティ(18)を形成する本体(10)及び蓋(12)、並びに、内部キャビティ(18)内に入口(28)から出口(30)まで水用の流路(26)を備え、該流路(26)にはエアー遮断(32)を有し、
内部キャビティ(18)内の流路(26)におけるエアー遮断(32)の上流に少なくとも一つの逆止弁(34)が配置されている、
ことを特徴とする、洗浄器械用吐水装置。
【請求項2】
内部キャビティ(18)内の流路(26)におけるエアー遮断(32)の上流に連続して配置された第1及び第2の逆止弁(34)を備える、請求項1に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項3】
少なくとも一つの逆止弁(34)は、流量計(22)の下流に配置されている、請求項1又は2に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項4】
少なくとも一つの逆止弁(34)は、流路(26)内に固定された部分で、コイルばね(42)のような弾性部材によって移動が反対にされるシャッター(40)用の当接座(38)を形成する部分を備える、請求項1から3のいずれかに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項5】
少なくとも一つの逆止弁(34)は、本体(10)及び/又は蓋(12)によってブロックされる固定部分と、本体(10)又は蓋(12)の表面に当接する可動部分とを有し、合成あるいは天然のエラストマーのような弾性材料の単一ピースからなる、請求項1から3のいずれかに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項6】
逆止弁(34)を通る水の流れ方向は、流路(26)における一般的な水の流れ方向に対して実質的に直角である、請求項5に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項7】
弾性材料の単一ピースは、ステム(54)と、その周囲縁部(62)が本体(10)の表面に当接するキャップ(56)とを有する傘のように形作られている、請求項5又は6に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項8】
本体(10)は、Z字形の突起を有し、該突起は、少なくとも一つの逆止弁(34)が配置された流路(26)の範囲の壁から延在し、かつ、流路(26)における水の流れ方向を実質的に横切る端部分(46a、46b)、及び流路(26)における水の流れ方向に実質的に平行な中間部分(48)を有し、中間部分(48)は、ステム(54)が挿入される貫通穴(50)と、キャップ(56)及び突起の中間部分(48)によって形成される容積(64)内の水の流れを可能にする少なくとも一つの開口(52)とを有する、請求項5から7のいずれかに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項9】
ステム(54)の遠位端(60)は、拡張され、貫通穴(50)の断面よりも大きい断面を有する、請求項7又は8に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項10】
ピン(68)が中間部分(48)に面する蓋(12)の表面部分から突出し、ピン(68)の遠位端は、キャップ(56)の頂上と接触する、請求項8又は9に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項11】
流路(26)は、脱灰樹脂を含み、少なくとも一つの逆止弁(34)の下流でエアー遮断(32)の上流に配置されるチャンバ(45)を通過する、請求項1から10のいずれかに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項12】
更なるエレメントが関連付けられる、脱灰樹脂を含むチャンバ(45)が配置されている、請求項1から11のいずれかに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項13】
チャンバ(45)は、取り外し可能なプラグ(53)によって閉じられる開口(47)を有する、請求項11に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項14】
チャンバ(45)と平行に配置され、通常閉の安全弁(55)を設けたバイパス流路(57)を有する、請求項11又は13に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の洗浄器械用吐水装置の製造プロセスであって、
少なくとも一つの逆止弁(34)は、本体(10)に組み立てられ、続いて、蓋(12)が特に溶着されて本体(10)に固定される、
製造プロセス。
【請求項16】
請求項1から14のいずれかに記載の洗浄器械用吐水装置を備えた洗浄器械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配水管網に接続される皿洗い機及び洗濯機のような洗浄器械用の吐水装置について言及する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は、典型的に、平らで中空のプラスチック本体を備え、これは器械の他の部品に接続されて形作られ、それによって、洗浄槽において形成される蒸気の放出、脱灰装置のイオン交換樹脂の再生塩水を生成するように意図された水の収集、それらのイオン交換樹脂用の容器、逆流防止安全装置などの、種々の機能を実行することができる。
【0003】
特に、逆流防止安全機能は、器械に既に存在して、もはや飲用として分類されない水が配水管網における圧力喪失のときに配水管網へ流れ込むのを防止する。
【0004】
規則によれば、洗浄器械に含まれる水は、番号1-5が付された5つのカテゴリーに分類される。ここで、1は飲用水に相当し、2及び3は、人間に害を及ぼさない塩等の物質を含む液体に相当し、4及び5は、衣類及び食器用の洗剤等の、潜在的に人間に危険な物質を含んでいる液体に相当する。
【0005】
同様に、標準、例えば標準EN 61770は、上述のカテゴリー2-5に分類された液体の配管網への戻りを防止するために、それらの適合性に基づいて逆流防止システムを分類し、それらの特性を明記している。
【0006】
例えば、カテゴリー4及び5の液体用の逆流防止システムでは、集めた水の自由表面とノズルとの間に少なくとも20mmの最小距離を有し大気圧で収集チャンバへ水が自由に落下する非加圧ノズル、あるいは、大気圧で作動する空気中の自由空間から少なくとも20mmの距離で第2ノズルへ水を移動させる第1ノズル、あるいは、非加圧の環境に面する壁のない部分を有し、例えば必ずしも必要ではないが三日月形の水案内エレメント、が設けられる。このようなすべてのシステムは、「エアー遮断(air-breaks)」(あるいは「エアギャップ」)と一般に呼ばれ、大気圧での環境において動作する。したがって、用語「エアー遮断」は、洗浄槽へ供給される水が配水管網へ戻るのを防止する装置を意味する。
【0007】
一方、例えば標準EN 61770によるカテゴリー2及び3の液体用の逆流防止システムに関して、それ自体既知の逆止弁の使用を伴い、特定の操作要件及びロック要件を満たさねばならない装置が容認されている。
【0008】
最新世代の家庭用器械用の吐水装置は、典型的に、カテゴリー2/3の液体用の第1の、及びカテゴリー4/5の液体用の第2の、2つの逆流防止システムを連続して(直列に)備えている。
【発明の概要】
【0009】
よって、本発明の目的のうちの1つは、安全で信頼できて、生産するのが簡単で経済的な操作性を有する、上述の2つの逆流防止システムを装備した吐水装置を提供することである。
【0010】
発明によれば、この目的は、洗浄器械用の吐水装置によって達成され、該吐水装置は、内部キャビティを形成する本体及び蓋を含み、内部キャビティ内には入口から出口まで水の流路(水流導管)を有し、該流路にはエアー遮断があり、内部キャビティ内の水流路においてエアー遮断の上流に、少なくとも1つの逆止弁が配置されたことを特徴とする。ここで、表現「少なくとも1つの逆止弁」は、任意の数のバルブを指し、特に第1及び第2のバルブの存在を指すことに注意すべきである。
【0011】
発明の装置の好ましい実施形態は、請求項1に従属する請求項に述べられている。
【0012】
本発明の更なる主題は、上に示されたタイプの吐水装置の製造プロセスであり、ここでは、上述の、少なくとも1つの逆止弁は、上記本体に組み立てられ、そして蓋が、特に本体に溶着されて、取り付けられる。
【0013】
本発明の更なる主題は、上述したタイプの吐水装置を備えた洗浄器械である。
【0014】
本発明の吐水装置は、典型的に溶着によって蓋を本体へ取り付ける前に、一又は複数の逆止弁を内部キャビティに設置することができることから、製造が簡単で経済的である。
【0015】
上述の逆止弁は、カテゴリー2/3の液体用の逆流防止システムである。一方、カテゴリー4/5の液体用の逆流防止システムは、安全で信頼できる操作性を保証するために、逆止弁の下流に位置したエアー遮断の、それ自体既知の態様において構成される。
【0016】
本発明の更なる利点及び特徴は、添付図面を参照して、非限定の例によって提供される以下の詳細な記述から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、発明の装置の第1実施形態の拡大した概略の斜視図である。
図2図2は、図1の装置の拡大された詳細な斜視図である。
図3図3は、発明の装置の第2実施形態の拡大された立面図である。
図4図4は、発明の装置の第2実施形態の拡大された斜視図である。
図5図5は、発明の装置の第2実施形態における本体の平面図である。
図6図6は、図5の拡大された詳細な図である。
図7図7は、発明の装置の第2実施形態の詳細な拡大された断面図である。
図8図8は、図7に示される部品の拡大図である。
図9図9は、発明の装置の第2実施形態の変形例における図7に対応した図である。
図10図10は、発明の装置の第3実施形態の概略図であり、ここでは複数の入口及び出口流路が存在する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
洗浄器械用の吐水装置(図1)は、プラスチック射出成形によって有利に得られる、本体10及び蓋12から構成される。
【0019】
本体10は、縁から立設した交差壁16を有する後壁14が存在する。
【0020】
蓋12は、後壁14の形状に対応する形状を有し、内部キャビティ18を形成するように、交差壁16の上端に、特に溶着されて、固定される。装置は、全体として平らな形状を有し、それぞれの洗浄器械の鉛直面に平行に配置された後壁14及び蓋12によってそれぞれの洗浄器械に装着されるように意図されている。
【0021】
知られているように、後壁14には、装置を器械の洗浄槽へ接続する取入れ穴20が存在し、装置において到達可能な最大水位を規定し、かつ装置を大気圧と連通した状態に置く穴21が存在する。さらに、流量計22が、それによって扱われた水量を測定するために、装置の付属物24に配置される。後壁14及び蓋12の接面から交差壁が延在し、入口スリーブ28から出口スリーブ30まで水流路26を形成する。記されていないが従来の実施形態では、スリーブ28及び30は、異なって作製されていたかもしれない。即ち、例えば、出口スリーブ30は、器械の洗浄槽に直接流れ込む、異なる形状の排水管として作製されてもよい。他の場合には、出口30は、穴20に一致する。したがって、一般的に、流路26は、入口28が配水管網に接続され、出口30が器械の洗浄槽へ接続された状態で、入口28と出口30との間の流路として定義することができる。常にそれ自体既知の方法で、流路26には、特に、以前に定義されたタイプのうちの1つのエアー遮断32が存在し、図1では例示として一つのみが示されている。
【0022】
流路26の範囲(length)には、入口スリーブ28及び流量計22の下流で、エアー遮断32の上流に、通常閉タイプの2つの逆止弁34が連続して、直列に、配列されている。
【0023】
それ自体従来の構造及び動作である各逆止弁34は、流路26内に固定される外側部品であって、例えば金属のコイルばね42のような弾性部材によって移動が阻止されるシャッター40用の当接座38を形成する外側部品36で構成される(図2)。
【0024】
通常、入口スリーブ28から入り、流路26を流れる水は、シャッター40の基部44を押し、ばね42によって提供された抵抗に打ち勝って、当接座38からシャッター40の分離を引き起し、下流へ及びエアー遮断32を通る通路へ水の流出を可能にし、スリーブ30を通る流出を可能にする。
【0025】
シャッター40の基部44に対する水圧がない状態では、逆止弁34は、必然的に閉じ、その下流に位置する流路26の範囲からの水のいかなる逆流も防止する。各弁34は、蓋12と一体の対応する突部13によって、水流の方向においてその座から逆止弁を除去するかもしれない水流の引っぱりに対抗して所定の位置に保持される。
【0026】
以前の図を参照して使用されたものと同じ参照番号が同一又は同等の部品を示す、図3から図8は、本発明のさらなる実施形態を示している。
【0027】
またこの場合、装置は、内部キャビティ18、及び入口スリーブ28から出口スリーブ30への水の流路26、そこには2つの逆止弁34が連続して、直列に、配置されている、を形成するように、互いに溶着される本体10及び蓋12からなる(図3及び図4)。水流路26は、一般に、入口28から出口30まで、これらはスリーブの形態でなくてもよく、延在することができる。例えば、出口30は、いくつかの実施形態では、穴20と一致し、器械の洗浄槽に直接に水を排出することを可能にしてもよい。
【0028】
逆止弁34の下流で、流路26は、樹脂を脱灰するための封じ込めチャンバ45を横断し(図5)、その後、エアー遮断32まで続く。チャンバ45はまた、流路26の拡大によって作製され、その一部であるように見なされてもよい。脱灰樹脂封じ込めチャンバ45を備えたこの解決策は、洗浄水処理システムを必要とする機械に、装置が設置される場合に採用される。エアー遮断32の後に、水は、流路26の最終部分に入り、出口スリーブ30から出る。通常、装置の入口から出口まで水がたどる経路は、参照番号74によって示されている。
【0029】
脱灰樹脂で満たされるために、チャンバ45は、取り外し可能なエレメント49によって閉じられた上部開口部47を有する(図4及び図6)。後者は、チャンバ45を閉じるプラグ53を延長したプレート51と、チャンバ45と平行に配置され、さらなるエアー遮断32bisに通じるバイパス流路57を閉じる安全弁55とを備える。
【0030】
通常、弁55は閉じており、その結果、バイパス流路57には流れがない。しかしながら、チャンバ45内の閉塞の場合には、流路57に存在する水は、安全弁55を開き、それによって代替経路76に従って流出し、望ましくない水漏れを伴うチャンバ45の壁の破損を生じる可能性のある危険な過剰圧力の出現を回避することができる。
【0031】
本体10は、Z字形の突起を有し(図7及び図8)、このZ字形の突起は、各弁34のところで流路の範囲の壁から延在して、流路26の水の流れ方向を実質的に横切る端部分46a、46b、及び流路26の水の流れ方向に実質的に平行な中間部分48を有する。中間部分48は、貫通穴50と、穴50の近くに少なくとも1つの開口52とを有する。典型的には、穴50の周りにクラウンとして配置された複数の円形あるいはスロット付き開口52、又は円周方向にずらされたスポークが交差する環状の開口52が存在する。
【0032】
各逆止弁34は、ステム54及びキャップ56を有する傘のような形状であり、ステム54の長手方向軸58に関して実質的に対称である、合成又は天然のエラストマーなどの単一の弾性材料からなる。
【0033】
ステム54は、穴50内に挿入され、中間部分48を超えて突出する遠位端60を有し、一方、キャップ56は、ステム54の遠位端60に対して反対側において中間部分48の表面に当接する周囲縁部62を有し、その結果、キャップ56の内面と中間部分48との間に容積64を封入する。
【0034】
キャップ56の中央部分は、軸58に沿って延在するブラインドキャビティ66を有し、弁34の弾性を増加させる。
【0035】
この実施形態では、本体10は、弁34内で水流機能を実行する、即ちそれは、弁の構造の基本的な機能を実行する。本体10は、実質的に弁の単純な支持ではなく、むしろその動作に不可欠な機能を実行する。言い換えれば、この実施形態では、図1及び図2に示される弁34の固定部分36は、本体の一部である本体10の材料で作製され、本体10に当接座38を形成している。
【0036】
中間部分48に面する蓋12の表面部分から、ピン68が延在し、その遠位端はキャップ56の頂上と接触し、ステム54を穴50にロックする。蓋12の表面にも突起70が突出しており、これは、本体10の突起の遠位端部分46bの延長部を構成している。
【0037】
今説明したバルブ34の配置、及びそれらが単一の弾性材料で作製されているという事実は、それらの本体10への明らかに単純化された迅速な組み立て(挿入を確実にするために、正面から、そして垂直軸における二重の動きなしで)を可能にし、続いて、参照番号72によって識別される線に沿って蓋12を溶着する。
【0038】
図示されていない実施形態において、中間部分48は、流路26内の水の方向74に平行な方向にバルブ34を通る水の流れを得るために、平面14に垂直であり得る。
【0039】
装置の作動中、流路26を流れる水は、開口52を貫通し、次にキャップ56によって囲まれた容積64に進入し、周囲縁部62のみを上昇させ、よって水を下流に流出させる。
【0040】
水が流れる経路は、図4において参照符号74によって示されている。すぐにわかるように、各逆止弁34を通る水の流れの方向は、流路26における水の一般的な流れの方向に実質的に直交している。
【0041】
有利には、本発明の装置の機能は、製造プロセスの最後に直ちに試験されてもよい。
【0042】
前の図を参照して使用されたものと同じ参照番号が同じ又は同等の部品を示す図9は、上述した本発明の装置の実施形態の変形例を示している。
【0043】
この場合、ロッキングピンは、中間部分48に面する蓋12の表面の部分から延在することはない。各弁34のステム54は、拡張された遠位端60、及び貫通穴50の断面よりも大きい断面を有し、その結果、遠位端60が穴50を通過するように付勢された後も、弁34は適所に保持される。
【0044】
弁34の動作は、上述の動作と実質的に同等である。言うまでもなく、記述した2つの異なるタイプの弁は、装置の機能を変更せずに交換可能に使用されてもよい。本発明の装置のさらに別の実施形態は、図10に示され、ここで、前の図を参照して使用されたものと同じ参照番号は、同じ又は同等の部品を示す。
【0045】
ここでは、脱灰樹脂及び再生塩タンク43を含むチャンバ45を有する(それ自体既知の)水処理ユニットが、蓋10に溶着された本体12によって形成された装置と関連する別個のエレメントを構成することから、エアー遮断32の前の流路26内の水経路74は、装置を出てそして再び装置に入る。したがって、2つの追加のスリーブ30’、28’が存在し、そこから水が最初に出て、次に再び装置に入り、そして、流路26で得られた経路74を通りエアー遮断32に送られる。また、この場合、装置から洗浄槽における汚水槽に向かう水の最終的な出口は、スリーブ30又は穴20によってなされてもよい。したがってこの場合、配水装置は、入口28から出口30への水流路26を通るいくつかのエレメントから構成される。
【0046】
本体10と蓋12との間に弁34を挿入することは、これらの弁が入口スリーブ28に挿入される既知の構成では達成することができない、試験段階における利点を提供する。実際に、本体10と蓋12との間に弁34を取り付けることにより、本体10への挿入後に各単一弁34を水圧的に隔離し、蓋12に溶着する前に、本体10の部分のみ、特に単一の弁34が挿入されている流路26の部分のみを含む(空気または水を有する)部分の水圧試験を進める試験手順を実行することが可能である。従来技術によって要求されるように、弁が入口スリーブ28に挿入される場合には、この操作は不可能である。なぜならば、第1弁の挿入及び試験に続いて、第2弁(これは、横方向にアクセスできない単一の流路において先の弁に連続して配列される)の挿入で、その動作を独立して検証することはできない。即ち、密封は、事実上、必然的に先に挿入された第1弁の機能であろう。
【0047】
したがって、要するに本発明の装置は、(直列に)連続して配置された他方の弁の密封特性に関係なく、個々の弁の密封特性を検証することを可能にするという利点を提供する。
【0048】
当然のことながら、本発明の原理を変更することなく、実施及び実施形態の詳細は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、純粋に例として記載されたものに対して大きく変化してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部キャビティ(18)を形成する本体(10)及び蓋(12)、並びに、内部キャビティ(18)内に入口(28)から出口(30)まで水用の流路(26)を備え、該流路(26)にはエアー遮断(32)を有し、
内部キャビティ(18)内の流路(26)におけるエアー遮断(32)の上流に少なくとも一つの逆止弁(34)が配置されており、少なくとも1つの逆止弁(34)は、流路(26)の下流部から入口(28)を通る配水管網への水の逆流を防止し、
流路(26)は、脱灰樹脂を含み、少なくとも一つの逆止弁(34)の下流でエアー遮断(32)の上流に配置されるチャンバ(45)を通過し、少なくとも一つの逆止弁(34)は、流路(26)の入口(28)の下流に配置されている、洗浄器械用吐水装置。
【請求項2】
内部キャビティ(18)内の流路(26)におけるエアー遮断(32)の上流に連続して配置された第1及び第2の逆止弁(34)を備える、請求項1に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項3】
少なくとも一つの逆止弁(34)は、流量計(22)の下流に配置されている、請求項1又は2に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項4】
少なくとも一つの逆止弁(34)は、流路(26)内に固定された部分で、コイルばね(42)のような弾性部材によって移動が反対にされるシャッター(40)用の当接座(38)を形成する部分を備える、請求項1から3のいずれか1つに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項5】
少なくとも一つの逆止弁(34)は、本体(10)及び/又は蓋(12)によってブロックされる固定部分と、本体(10)又は蓋(12)の表面に当接する可動部分とを有し、合成あるいは天然のエラストマーのような弾性材料の単一ピースからなる、請求項1から3のいずれか1つに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項6】
逆止弁(34)を通る水の流れ方向は、流路(26)における水の流れ方向に対して直角である、請求項5に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項7】
弾性材料の単一ピースは、ステム(54)と、その周囲縁部(62)が本体(10)の表面に当接するキャップ(56)とを有する傘のように形作られている、請求項5又は6に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項8】
本体(10)は、Z字形の突起を有し、該突起は、少なくとも一つの逆止弁(34)が配置された流路(26)の範囲の壁から延在し、かつ、流路(26)における水の流れ方向を横切る端部分(46a、46b)、及び流路(26)における水の流れ方向に平行な中間部分(48)を有し、中間部分(48)は、ステム(54)が挿入される貫通穴(50)と少なくとも一つの開口(52)とを有し、該開口(52)は、水が、開口(52)を貫通し、キャップ(56)及び突起の中間部分(48)によって形成される容積(64)内に流れることを可能にする、請求項5から7のいずれか1つに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項9】
ステム(54)のキャップ(56)と反対側の遠位端(60)は、拡張され、貫通穴(50)の断面よりも大きい断面を有する、請求項7又は8に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項10】
ピン(68)が中間部分(48)に面する蓋(12)の表面部分から突出し、ピン(68)の遠位端は、キャップ(56)の頂上と接触する、請求項8又は9に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項11】
灰樹脂を含むチャンバ(45)が配置されている別個の水処理ユニットをさらに備える、請求項1から10のいずれか1つに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項12】
チャンバ(45)は、取り外し可能なプラグ(53)によって閉じられる開口(47)を有する、請求項1~10のいずれか1つに記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項13】
チャンバ(45)と平行に配置され、通常閉の安全弁(55)を設けたバイパス流路(57)を有する、請求項1~10のいずれか1つ又は請求項12に記載の洗浄器械用吐水装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1つに記載の洗浄器械用吐水装置の製造プロセスであって、
少なくとも一つの逆止弁(34)は、本体(10)に組み立てられ、続いて、蓋(12)が溶着されて本体(10)に固定される、
製造プロセス。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか1つに記載の洗浄器械用吐水装置を備えた洗浄器械。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
発明によれば、この目的は、洗浄器械用の吐水装置によって達成され、該吐水装置は、内部キャビティを形成する本体及び蓋を含み、内部キャビティ内には入口から出口まで水の流路(水流導管)を有し、該流路にはエアー遮断があり、内部キャビティ内の水流路においてエアー遮断の上流に、少なくとも1つの逆止弁が配置されており、少なくとも1つの逆止弁(34)は、流路(26)の下流部から入口(28)を通る配水管網への水の逆流を防止し、流路(26)は、脱灰樹脂を含み、少なくとも一つの逆止弁(34)の下流でエアー遮断(32)の上流に配置されるチャンバ(45)を通過し、少なくとも一つの逆止弁(34)は、流路(26)の入口(28)の下流に配置されている。ここで、表現「少なくとも1つの逆止弁」は、任意の数のバルブを指し、特に第1及び第2のバルブの存在を指すことに注意すべきである。