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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099864
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】発電セル及び燃料電池スタック
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0258 20160101AFI20240719BHJP
   H01M 8/0273 20160101ALI20240719BHJP
   H01M 8/2483 20160101ALI20240719BHJP
   H01M 8/0267 20160101ALI20240719BHJP
   H01M 8/0271 20160101ALI20240719BHJP
   H01M 8/0284 20160101ALI20240719BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20240719BHJP
【FI】
H01M8/0258
H01M8/0273
H01M8/2483
H01M8/0267
H01M8/0271
H01M8/0284
H01M8/10 101
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003446
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】小山 賢
(72)【発明者】
【氏名】大久保 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 之人
(72)【発明者】
【氏名】安藤 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】江波戸 穣
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 夏海
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA08
5H126AA23
5H126BB06
5H126DD05
5H126EE06
5H126EE11
5H126EE22
5H126FF07
5H126GG18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】形成される反応流路のレイアウトの自由度を高めることができる燃料電池用セパレータを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック12の発電セル10は、樹脂枠付き膜電極構造体22と、第1セパレータ24と、第2セパレータ26とを備える。第2セパレータには、膜電極構造体32の電極面に沿って反応ガスを流通させる第2ガス流路72が形成され、第1セパレータには、酸化剤ガス供給連通孔14aに連通する第1接続流路78が形成され、樹脂枠部材34には、第2ガス流路と第1接続流路とを互いに連通させる第1貫通孔80が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜電極構造体と前記膜電極構造体の外周部に設けられた樹脂枠部とを有する樹脂枠付き膜電極構造体と、
前記樹脂枠付き膜電極構造体の一方の面に積層された第1セパレータと、
前記樹脂枠付き膜電極構造体の他方の面に積層された第2セパレータと、
を備え、
前記第1セパレータ及び前記第2セパレータのそれぞれには、積層方向に貫通して反応ガスが流通する反応ガス連通孔が形成された発電セルであって、
前記第2セパレータには、前記膜電極構造体の電極面に沿って前記反応ガスを流通させる反応ガス流路が形成され、
前記第1セパレータには、前記反応ガス連通孔に連通する接続流路が形成され、
前記樹脂枠部には、前記反応ガス流路と前記接続流路とを互いに連通させる貫通孔が形成されている、発電セル。
【請求項2】
請求項1記載の発電セルであって、
前記反応ガス連通孔は、反応ガス供給連通孔及び反応ガス排出連通孔を含み、
前記接続流路は、
前記反応ガス供給連通孔に連通する第1接続流路と、
前記反応ガス排出連通孔に連通する第2接続流路と、
を含み、
前記貫通孔は、
前記反応ガス流路と前記第1接続流路とを互いに連通させる第1貫通孔と、
前記反応ガス流路と前記第2接続流路とを互いに連通させる第2貫通孔と、
を含む、発電セル。
【請求項3】
請求項2記載の発電セルであって、
前記第2セパレータには、
前記第1貫通孔から導かれた前記反応ガスを前記反応ガス流路に導入する導入流路と、
前記反応ガス流路を流通した前記反応ガスを前記第2貫通孔に導出する導出流路と、
が形成されている、発電セル。
【請求項4】
請求項1記載の発電セルであって、
前記第1セパレータと前記樹脂枠部とを互いに接着する接着剤層を備え、
前記接着剤層は、前記反応ガス流路と前記反応ガス連通孔とを個別に囲むと共に前記反応ガスの流通を阻止する、発電セル。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の発電セルが複数積層された燃料電池スタック。
【請求項6】
請求項5記載の燃料電池スタックであって、
互いに隣接する前記第1セパレータと前記第2セパレータとの間には、
冷却媒体が流通する冷却媒体流路と、
前記反応ガス連通孔を囲む連通孔シール部と、
前記冷却媒体流路を囲む流路シール部と、
が設けられ、
前記連通孔シール部と前記流路シール部とは、前記第1セパレータと前記第2セパレータとのうちの前記第1セパレータにのみ設けられている、燃料電池スタック。
【請求項7】
請求項6記載の燃料電池スタックであって、
前記連通孔シール部及び前記流路シール部の各々は、ゴム材料によって構成されている、燃料電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電セル及び燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能且つ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する燃料電池に関する研究開発が行われている。
【0003】
特許文献1には、燃料電池スタックの発電セルが開示されている。この発電セルは、樹脂枠付きMEAと、樹脂枠付きMEAの一方の面に積層された第1セパレータと、樹脂枠付きMEAの他方の面に積層された第2セパレータとを備える。第1セパレータ及び第2セパレータには、酸化剤ガス供給連通孔、酸化剤ガス排出連通孔、燃料ガス供給連通孔及び燃料ガス排出連通孔が積層方向に貫通形成されている。
【0004】
第1セパレータには、樹脂枠付きMEAのカソード電極に沿って酸化剤ガスを流通させる第1流路が形成されている。第1流路は、第1セパレータに形成された酸化剤ガス供給連通孔及び酸化剤ガス排出連通孔に連通している。第2セパレータには、樹脂枠付きMEAのアノード電極に沿って燃料ガスを流通させる第2流路が形成されている。第2流路は、第2セパレータに形成された燃料ガス供給連通孔及び燃料ガス排出連通孔に連通している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-287452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した発電セルでは、セパレータに形成する流路のレイアウトの自由度を高めることができない。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、膜電極構造体と前記膜電極構造体の外周部に設けられた樹脂枠部とを有する樹脂枠付き膜電極構造体と、前記樹脂枠付き膜電極構造体の一方の面に積層された第1セパレータと、前記樹脂枠付き膜電極構造体の他方の面に積層された第2セパレータと、を備え、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータのそれぞれには、積層方向に貫通して反応ガスが流通する反応ガス連通孔が形成された発電セルであって、前記第2セパレータには、前記膜電極構造体の電極面に沿って前記反応ガスを流通させる反応ガス流路が形成され、前記第1セパレータには、前記反応ガス連通孔に連通する接続流路が形成され、前記樹脂枠部には、前記反応ガス流路と前記接続流路とを互いに連通させる貫通孔が形成されている、発電セルである。
【0009】
本発明の他の態様は、上述した発電セルが複数積層された燃料電池スタックである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1セパレータに形成する流路のレイアウトの自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明に係る燃料電池スタックの一部省略分解斜視図である。
図2図2は、第1セパレータの平面図である。
図3図3は、第2セパレータの平面図である。
図4図4は、発電セルの酸化剤ガス供給連通孔及びその周辺の一部拡大平面図である。
図5図5は、図4のV-V線に沿った断面図である。
図6図6は、発電セルの酸化剤ガス排出連通孔及びその周辺の一部拡大平面図である。
図7図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態に係る発電セル10及び燃料電池スタック12について図面を用いて以下に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池スタック12は、複数の発電セル10がその厚さ方向(矢印A方向)に積層されて形成される。燃料電池スタック12は、例えば、車載用燃料電池スタックとして燃料電池電気自動車(図示せず)に搭載される。燃料電池スタック12は、地面に設置されてもよい。なお、複数の発電セル10の積層方向は、水平方向及び重力方向のいずれでもよい。
【0013】
発電セル10は、横長の長方形状に形成されている。なお、発電セル10の形状は、特に限定されず、例えば、縦長の長方形状に形成されてもよいし、正方形状に形成されてもよい。発電セル10は、一方の反応ガスである酸化剤ガスと他方の反応ガスである燃料ガスとの電気化学反応により発電する。酸化剤ガスは、例えば、酸素含有ガスである。燃料ガスは、例えば、水素含有ガスである。発電セル10には、発電セル10を冷却するための冷却媒体が流通する。冷却媒体は、例えば、純水、エチレングリコール、オイル等である。
【0014】
各発電セル10には、酸化剤ガス供給連通孔14a、酸化剤ガス排出連通孔14b、燃料ガス供給連通孔16a、燃料ガス排出連通孔16b、冷却媒体供給連通孔18a、冷却媒体排出連通孔18bが積層方向(矢印A方向)に貫通形成されている。
【0015】
酸化剤ガス供給連通孔14aは、複数の発電セル10に酸化剤ガスを供給する。酸化剤ガス排出連通孔14bは、複数の発電セル10から導出された酸化剤ガスを排出する。燃料ガス供給連通孔16aは、複数の発電セル10に燃料ガスを供給する。燃料ガス排出連通孔16bは、複数の発電セル10から導出された燃料ガスを排出する。冷却媒体供給連通孔18aは、複数の発電セル10に冷却媒体を供給する。冷却媒体排出連通孔18bは、複数の発電セル10から導出された燃料ガスを排出する。
【0016】
発電セル10の長辺方向の一端縁部(矢印B1方向の端縁部)には、酸化剤ガス供給連通孔14aと、冷却媒体排出連通孔18bと、燃料ガス排出連通孔16bとが設けられている。酸化剤ガス供給連通孔14aと、冷却媒体排出連通孔18bと、燃料ガス排出連通孔16bとは、発電セル10の短辺方向(矢印C方向)に並んでいる。
【0017】
酸化剤ガス供給連通孔14aには、酸化剤ガスが矢印A2方向に向かって流通する。冷却媒体排出連通孔18bには、冷却媒体が矢印A1方向に向かって流通する。燃料ガス排出連通孔16bには、燃料ガスが矢印A1方向に向かって流通する。
【0018】
発電セル10の長辺方向の他端縁部(矢印B2方向の端縁部)には、燃料ガス供給連通孔16aと、冷却媒体供給連通孔18aと、酸化剤ガス排出連通孔14bとが設けられている。燃料ガス供給連通孔16aと、冷却媒体供給連通孔18aと、酸化剤ガス排出連通孔14bとは、矢印C方向に並んでいる。
【0019】
燃料ガス供給連通孔16aには、燃料ガスが矢印A2方向に向かって流通する。冷却媒体供給連通孔18aには、冷却媒体が矢印A1方向に向かって流通する。酸化剤ガス排出連通孔14bには、酸化剤ガスが矢印A2方向に向かって流通する。
【0020】
酸化剤ガス供給連通孔14a、酸化剤ガス排出連通孔14b、燃料ガス供給連通孔16a及び燃料ガス排出連通孔16bは、反応ガス(発電に用いられる酸化剤ガス又は燃料ガス)が流通する反応ガス連通孔である。酸化剤ガス供給連通孔14a、酸化剤ガス排出連通孔14b、燃料ガス供給連通孔16a、燃料ガス排出連通孔16b、冷却媒体供給連通孔18a及び冷却媒体排出連通孔18bの配置、形状及び大きさは、要求される仕様に応じて、適宜設定すればよい。
【0021】
発電セル10は、樹脂枠付き膜電極構造体22と、第1セパレータ24と、第2セパレータ26と備える。第1セパレータ24は、樹脂枠付き膜電極構造体22の一方の面(矢印A1方向の面)に配設されている。第2セパレータ26は、樹脂枠付き膜電極構造体22の他方の面(矢印A2方向の面)に配設されている。第1セパレータ24及び第2セパレータ26は、矢印A方向から樹脂枠付き膜電極構造体22を挟持する。複数の発電セル10が互いに積層された状態で、第1セパレータ24と第2セパレータ26とは互いに接触する(図5及び図7参照)。
【0022】
樹脂枠付き膜電極構造体22は、膜電極構造体32(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、樹脂枠部材34(樹脂枠部)とを有する。膜電極構造体32は、電解質膜36と、第1電極38と、第2電極40とを含む。電解質膜36は、例えば、固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜)である。固体高分子電解質膜は、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜である。電解質膜36は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を使用することができる。電解質膜36は、第1電極38及び第2電極40に挟持される。
【0023】
第1電極38は、電解質膜36の一方の面(矢印A1方向の面)に設けられたアノード電極である。第2電極40は、電解質膜36の他方の面(矢印A2方向の面)に設けられたカソード電極である。第1セパレータ24は、第1電極38に向かい合うように配置されている。第2セパレータ26は、第2電極40に向かい合うように配置されている。
【0024】
燃料ガス供給連通孔16aを流通する燃料ガスは、第1セパレータ24と樹脂枠付き膜電極構造体22との間に導かれることにより第1電極38に供給される。酸化剤ガス供給連通孔14aを流通する酸化剤ガスは、第2セパレータ26と樹脂枠付き膜電極構造体22との間に導かれることにより第2電極40に供給される。発電セル10は、第1電極38に供給された燃料ガスと第2電極40に供給された酸化剤ガスとによって発電する。
【0025】
第1セパレータ24と樹脂枠付き膜電極構造体22との間を流通した燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔16bに導かれる。第2セパレータ26と樹脂枠付き膜電極構造体22との間を流通した酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔14bに導かれる。なお、冷却媒体供給連通孔18aを流通する冷却媒体は、第1セパレータ24と第2セパレータ26との間を流通し、冷却媒体排出連通孔18bに導かれる。
【0026】
第1電極38は、第1電極触媒層と第1ガス拡散層とを有する。第1電極触媒層は、電解質膜36の一方の面に接合される。第1ガス拡散層は、第1電極触媒層に積層される。第1電極触媒層は、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を含む。当該多孔質カーボン粒子は、イオン導電性高分子バインダと共に第1ガス拡散層の表面に一様に塗布されている。
【0027】
第2電極40は、第2電極触媒層と第2ガス拡散層とを有する。第2電極触媒層は、電解質膜36の他方の面に接合される。第2ガス拡散層は、第2電極触媒層に積層される。第2電極触媒層は、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を含む。当該多孔質カーボン粒子は、イオン導電性高分子バインダと共に第2ガス拡散層の表面に一様に塗布されている。第1ガス拡散層及び第2ガス拡散層のそれぞれは、カーボンペーパ、カーボンクロス等からなる。
【0028】
樹脂枠部材34は、膜電極構造体32の外周部を囲む枠状のシートである。樹脂枠部材34は、電気絶縁性を有する。樹脂枠部材34の構成材料としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)又は変性ポリオレフィン等が挙げられる。
【0029】
樹脂枠付き膜電極構造体22の樹脂枠部材34は、電解質膜36を第1電極38及び第2電極40の外周よりも外方に突出させることによって形成してもよい。
【0030】
図1及び図2に示すように、第1セパレータ24は、板状に形成されている。第1セパレータ24は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板又はアルミニウム板等の金属薄板である。第1セパレータ24には、防食処理が施されてもよい。第1セパレータ24は、長方形状に形成されている。第1セパレータ24の一端縁部には、(矢印B1方向の端縁部)には、酸化剤ガス供給連通孔14aと、冷却媒体排出連通孔18bと、燃料ガス排出連通孔16bとが設けられている。第1セパレータ24の他端縁部(矢印B2方向の端縁部)には、燃料ガス供給連通孔16aと、冷却媒体供給連通孔18aと、酸化剤ガス排出連通孔14bとが設けられている。第1セパレータ24は、金属板をプレス成形することにより形成される。
【0031】
図2に示すように、第1セパレータ24は、樹脂枠付き膜電極構造体22を向く表面42と、当該第1セパレータ24に隣接する発電セル10の第2セパレータ26を向く裏面44とを有する。第1セパレータ24の表面42には、一方の反応ガス流路である第1ガス流路46が形成されている。第1ガス流路46は、第1電極38に沿って燃料ガスを流通させる燃料ガス流路である。
【0032】
第1ガス流路46は、複数の第1流路凸部48と複数の第1流路溝50とを含む。第1流路凸部48と第1流路溝50とは、矢印C方向に交互に設けられている。第1流路凸部48及び第1流路溝50の各々は、矢印B方向に直線状に延在している。なお、第1流路凸部48及び第1流路溝50の各々は、矢印B方向に波状に延在してもよい。第1ガス流路46は、燃料ガス供給連通孔16aと燃料ガス排出連通孔16bとに連通する。
【0033】
燃料ガス供給連通孔16aと第1ガス流路46との間には、入口バッファ部52aが設けられている。入口バッファ部52aは、矢印C方向に間隔を空けて配置された複数個のエンボス部を含む。エンボス部は、第1セパレータ24の裏面44から表面42に向かって(図1の矢印A2方向に)膨出している。
【0034】
燃料ガス排出連通孔16bと第1ガス流路46との間には、出口バッファ部52bが設けられている。出口バッファ部52bは、矢印C方向に間隔を空けて配置された複数個のエンボス部を含む。エンボス部は、第1セパレータ24の裏面44から表面42に向かって(図1の矢印A2方向に)突出している。
【0035】
図2に示すように、第1セパレータ24の表面42には、第1セパレータ24と樹脂枠部材34とを互いに接着するための第1接着剤層54が設けられている。第1接着剤層54は、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体の流通を阻止する接着剤56から構成されている。
【0036】
第1接着剤層54は、例えば、液状の接着剤56を第1セパレータ24の表面42に塗布することにより形成される。なお、第1接着剤層54は、樹脂枠部材34(図1参照)の一方の面(第1セパレータ24を向く面)に液状の接着剤56を塗布することにより形成されてもよい。第1接着剤層54は、接着剤56からなる所定形状の接着剤シートを第1セパレータ24と樹脂枠部材34との間に挟むことにより形成してもよい。
【0037】
第1接着剤層54は、酸化剤ガス供給連通孔14a、酸化剤ガス排出連通孔14b、冷却媒体供給連通孔18a及び冷却媒体排出連通孔18bを個別に囲む。また、第1接着剤層54は、燃料ガス供給連通孔16a、第1ガス流路46及び燃料ガス排出連通孔16bを含む連続した流路を囲む。
【0038】
図1に示すように、第1セパレータ24の裏面44には、第1冷却媒体流路58が形成されている。第1冷却媒体流路58は、第1ガス流路46の裏面形状を有する。第1冷却媒体流路58と冷却媒体供給連通孔18aとの間には、入口バッファ部60aが設けられている。入口バッファ部60aは、矢印C方向に間隔を空けて配置された複数個のエンボス部を含む。エンボス部は、第1セパレータ24の表面42から裏面44に向かって(図1の矢印A1方向に)膨出している。
【0039】
第1冷却媒体流路58と冷却媒体排出連通孔18bとの間には、出口バッファ部60bが設けられている。出口バッファ部60bは、矢印C方向に間隔を空けて配置された複数個のエンボス部を含む。エンボス部は、第1セパレータ24の表面42から裏面44に向かって(図1の矢印A2方向に)突出している。
【0040】
第1セパレータ24の裏面44には、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体の外部への漏出を防止するめのシール部材62が設けられている。シール部材62は、複数の発電セル10を互いに積層すると共に締付荷重を付与することにより弾性変形した状態で第2セパレータ26の裏面70に密着する(図5及び図7参照)。シール部材62は、弾性を有する樹脂材料によって構成される。具体的には、シール部材62は、ゴム材料によって構成される。
【0041】
シール部材62は、複数の連通孔シール部64と、流路シール部66とを含む。複数の連通孔シール部64は、酸化剤ガス供給連通孔14a、酸化剤ガス排出連通孔14b、燃料ガス供給連通孔16a及び燃料ガス排出連通孔16bを個別に囲む。流路シール部66は、冷却媒体供給連通孔18a、第1冷却媒体流路58及び冷却媒体排出連通孔18bを含む連続した流路を囲む。
【0042】
図1及び図3に示すように、第2セパレータ26は、板状に形成されている。第2セパレータ26は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板又はアルミニウム板等の金属薄板である。第2セパレータ26には、防食処理が施されてもよい。第2セパレータ26は、長方形状に形成されている。第2セパレータ26の一端縁部には、(矢印B1方向の端縁部)には、酸化剤ガス供給連通孔14aと、冷却媒体排出連通孔18bと、燃料ガス排出連通孔16bとが設けられている。第2セパレータ26の他端縁部(矢印B2方向の端縁部)には、燃料ガス供給連通孔16aと、冷却媒体供給連通孔18aと、酸化剤ガス排出連通孔14bとが設けられている。第2セパレータ26は、金属板をプレス成形することにより形成される。
【0043】
図3に示すように、第2セパレータ26は、樹脂枠付き膜電極構造体22を向く表面68と、隣接する発電セル10の第2セパレータ26を向く裏面70とを有する。第2セパレータ26の表面68には、他方の反応ガス流路である第2ガス流路72が形成されている。第2ガス流路72は、第2電極40に沿って燃料ガスを流通させる酸化剤ガス流路である。
【0044】
第2ガス流路72は、複数の第2流路凸部74と複数の第2流路溝76とを含む。第2流路凸部74と第2流路溝76とは、矢印C方向に交互に設けられている。第2流路凸部74及び第2流路溝76の各々は、矢印B方向に直線状に延在している。なお、第2流路凸部74及び第2流路溝76の各々は、矢印B方向に波状に延在してもよい。
【0045】
図1に示すように、第2ガス流路72は、第1接続流路78、第1貫通孔80及び導入流路82を介して酸化剤ガス供給連通孔14aに連通する。図1及び図2に示すように、第1接続流路78は、第1セパレータ24に設けられている。第1接続流路78は、酸化剤ガス供給連通孔14aの矢印B2方向に位置する。第1接続流路78は、第1接着剤層54に囲まれている(図2参照)。
【0046】
図2図4及び図5に示すように、第1接続流路78は、複数の第1トンネル84を有する。複数の第1トンネル84は、矢印C方向に間隔を空けて並んでいる。第1トンネル84は、矢印B方向に延在している。第1トンネル84は、第1セパレータ24の表面42から裏面44に向かって膨出している(図5参照)。第1トンネル84の内部には、酸化剤ガスが流通する第1内孔86が形成されている。
【0047】
図4及び図5に示すように、第1トンネル84は、酸化剤ガス供給連通孔14aに対して矢印B2方向に位置する。第1トンネル84の外面には、酸化剤ガス供給連通孔14aを囲む連通孔シール部64と流路シール部66とが設けられている。なお、以下の説明では、酸化剤ガス供給連通孔14aを囲む連通孔シール部64を「連通孔シール部64a」と称する。
【0048】
第1トンネル84の一端部84a(矢印B1方向の端)は、連通孔シール部64の内側に位置する。第1トンネル84の一端部84aには、第1内孔86に連通する第1開口部88が形成されている。第1開口部88は、酸化剤ガス供給連通孔14aと連通孔シール部64との間の第1連通空間90に連通する。第1トンネル84の他端部84b(矢印B2方向の端)は、流路シール部66の内側に位置する。
【0049】
図1及び図5に示すように、第1貫通孔80は、樹脂枠部材34に形成されている。第1貫通孔80は、矢印C方向に延在したスリットである。発電セル10の積層方向から見て、第1貫通孔80は、第1トンネル84の他端部84bに重なる(図4参照)。
【0050】
図1及び図3に示すように、導入流路82は、第2セパレータ26に設けられている。導入流路82は、酸化剤ガス供給連通孔14aと第2ガス流路72との間に位置する。導入流路82は、複数の第2トンネル92を有する。
【0051】
図3図5に示すように、複数の第2トンネル92は、矢印C方向に間隔を空けて並んでいる。第2トンネル92は、矢印B方向に延在している。図5に示すように、第2トンネル92は、第2セパレータ26の表面68から裏面70に向かって膨出している。第2トンネル92の内部には、酸化剤ガスが流通する第2内孔94が形成されている。第2トンネル92の第2内孔94は、第1貫通孔80を介して第1トンネル84の第1内孔86に連通している。
【0052】
図4に示すように、発電セル10の積層方向から見て、第2トンネル92の一端部92a(矢印B1方向の端部)は、第1貫通孔80に重なる。換言すれば、発電セル10の積層方向から見て、第1トンネル84の他端部84bは、第2トンネル92の一端部92aと第1貫通孔80とに重なる。第2トンネル92の他端部92b(矢印B2方向の端部)には、矢印B2方向を向く第2開口部96が形成されている(図4及び図5参照)。
【0053】
図3に示すように、導入流路82と第2ガス流路72との間には、入口バッファ部98aが設けられている。入口バッファ部98aは、矢印C方向に間隔を空けて配置された複数個のエンボス部を含む。エンボス部は、第2セパレータ26の裏面70から表面68に向かって(図1の矢印A1方向に)膨出している。
【0054】
図1に示すように、第2ガス流路72は、第2接続流路100、第2貫通孔102及び導出流路104を介して酸化剤ガス排出連通孔14bに連通する。図1及び図2に示すように、第2接続流路100は、第1セパレータ24に設けられている。第2接続流路100は、酸化剤ガス排出連通孔14bの矢印B1方向に位置する。第2接続流路100は、第1接着剤層54に囲まれている(図2参照)。
【0055】
図2図6及び図7に示すように、第2接続流路100は、複数の第3トンネル106を有する。複数の第3トンネル106は、矢印C方向に間隔を空けて並んでいる。第3トンネル106は、矢印B方向に延在している。第3トンネル106は、第1セパレータ24の表面42から裏面44に向かって膨出している(図7参照)。第3トンネル106の内部には、酸化剤ガスが流通する第3内孔108が形成されている。
【0056】
図6及び図7に示すように、第3トンネル106は、酸化剤ガス排出連通孔14bに対して矢印B1方向に位置する。第3トンネル106の外面には、酸化剤ガス排出連通孔14bを囲む連通孔シール部64と流路シール部66とが設けられている。なお、以下の説明では、酸化剤ガス排出連通孔14bを囲む連通孔シール部64を「連通孔シール部64b」と称する。
【0057】
第3トンネル106の一端部106a(矢印B2方向の端)は、連通孔シール部64の内側に位置する。第3トンネル106の一端部106aには、第3内孔108に連通する第3開口部110が形成されている。第3開口部110は、酸化剤ガス排出連通孔14bと連通孔シール部64との間の第2連通空間112に連通する。第3トンネル106の他端部106b(矢印B1方向の端)は、流路シール部66の内側に位置する。
【0058】
図1及び図7に示すように、第2貫通孔102は、樹脂枠部材34に形成されている。第2貫通孔102は、矢印C方向に延在したスリットである。発電セル10の積層方向から見て、第1貫通孔80は、第3トンネル106の他端部106bに重なる(図6参照)。
【0059】
図1及び図3に示すように、導出流路104は、第2セパレータ26に設けられている。導出流路104は、酸化剤ガス排出連通孔14bと第2ガス流路72との間に位置する。導出流路104は、複数の第4トンネル114を有する。
【0060】
図3図5に示すように、複数の第4トンネル114は、矢印C方向に間隔を空けて並んでいる。第4トンネル114は、矢印B方向に延在している。図7に示すように、第4トンネル114は、第2セパレータ26の表面68から裏面70に向かって膨出している(図7参照)。第4トンネル114の内部には、酸化剤ガスが流通する第4内孔116が形成されている。第4トンネル114の第4内孔116は、第2貫通孔102を介して第3トンネル106の第3内孔108に連通している。
【0061】
図6に示すように、発電セル10の積層方向から見て、第4トンネル114の一端部114a(矢印B2方向の端部)は、第2貫通孔102に重なる。換言すれば、発電セル10の積層方向から見て、第3トンネル106の他端部106bは、第4トンネル114の一端部114aと第2貫通孔102とに重なる。第4トンネル114の他端部114b(矢印B1方向の端部)には、矢印B2方向を向く第4開口部118が形成されている。
【0062】
図3に示すように、導出流路104と第2ガス流路72との間には、出口バッファ部98bが設けられている。出口バッファ部98bは、矢印C方向に間隔を空けて配置された複数個のエンボス部を含む。エンボス部は、第2セパレータ26の裏面70から表面68に向かって(図1の矢印A1方向に)膨出している。
【0063】
第2セパレータ26の表面68には、第2セパレータ26と樹脂枠部材34とを互いに接着するための第2接着剤層120が設けられている。第2接着剤層120は、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体の流通を阻止する接着剤122から構成されている。接着剤122は、例えば、第1接着剤層54の接着剤56と同じである。
【0064】
第2接着剤層120は、例えば、液状の接着剤122を第2セパレータ26の表面68に塗布することにより形成される。なお、第2接着剤層120は、樹脂枠部材34の他方の面(第2セパレータ26を向く面)に液状の接着剤122を塗布することにより形成されてもよい。第2接着剤層120は、接着剤122からなる所定形状の接着剤シートを第2セパレータ26と樹脂枠部材34との間に挟むことにより形成してもよい。
【0065】
第2接着剤層120は、酸化剤ガス供給連通孔14a、酸化剤ガス排出連通孔14b、燃料ガス供給連通孔16a、燃料ガス排出連通孔16b、冷却媒体供給連通孔18a、冷却媒体排出連通孔18bを個別に囲む。また、第2接着剤層120は、導入流路82、第2ガス流路72及び導出流路104を含む連続した流路を囲む。
【0066】
図1に示すように、第2セパレータ26の裏面70には、第2冷却媒体流路124が形成されている。第2冷却媒体流路124は、第2ガス流路72の裏面形状を有する。複数の発電セル10が積層された状態で、第2冷却媒体流路124は、第1冷却媒体流路58に連通する。
【0067】
図3に示すように、第2冷却媒体流路124と冷却媒体供給連通孔18aとの間には、入口バッファ部126aが設けられている。入口バッファ部126aは、矢印C方向に間隔を空けて配置された複数個のエンボス部を含む。エンボス部は、第2セパレータ26の表面68から裏面70に向かって(図1の矢印A1方向に)膨出している。
【0068】
第2冷却媒体流路124と冷却媒体排出連通孔18bとの間には、出口バッファ部126bが設けられている。出口バッファ部126bは、矢印C方向に間隔を空けて配置された複数個のエンボス部を含む。エンボス部は、第2セパレータ26の表面68から裏面70に向かって(図1の矢印A2方向に)突出している。
【0069】
第2セパレータ26の裏面70には、上述したシール部材62が設けられていない。
【0070】
このように構成される発電セル10は、以下のように動作する。
【0071】
まず、図1に示すように、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔16aに供給される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔14aに供給される。冷却媒体は、冷却媒体排出連通孔18bに供給される。
【0072】
燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔16aから第1セパレータ24の第1ガス流路46に導入される。燃料ガスは、第1ガス流路46を矢印B1方向に流れながら膜電極構造体32の第1電極38に供給される。
【0073】
一方、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔14aから、第1連通空間90、第1接続流路78(第1トンネル84の第1内孔86)、第1貫通孔80及び導入流路82(第2トンネル92の第2内孔94)を介して第2ガス流路72に導入される。酸化剤ガスは、第2ガス流路72を矢印B2方向に流れながら膜電極構造体32の第2電極40に供給される。
【0074】
膜電極構造体32では、第1電極38に供給される燃料ガスと、第2電極40に供給される酸化剤ガスとが、第1電極触媒層及び第2電極触媒層内で電気化学反応により消費される。この結果、発電が行われる。
【0075】
次いで、第1電極38に供給されて一部が消費された燃料ガスは、燃料排ガスとして、第1ガス流路46から燃料ガス排出連通孔16bに排出される。第2電極40で消費された酸化剤ガスは、酸化剤排ガスとして、第2ガス流路72から、導出流路104(第4トンネル114の第4内孔116)、第2貫通孔102及び第2接続流路100(第3トンネル106の第3内孔108)を介して酸化剤ガス排出連通孔14bに排出される。
【0076】
冷却媒体排出連通孔18bに供給された冷却媒体は、第1セパレータ24と第2セパレータ26との間に形成された第1冷却媒体流路58及び第2冷却媒体流路124とに導入される。冷却媒体は、第1冷却媒体流路58及び第2冷却媒体流路124に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、膜電極構造体32を冷却した後、冷却媒体供給連通孔18aから排出される。
【0077】
発電セル10は、酸化剤ガスと燃料ガスとの流路を入れ替えて構成してもよい。この場合、第1電極38がカソード電極となり第2電極40がアノード電極となる。また、第1セパレータ24の第1ガス流路46には酸化剤ガスが流通し、第2セパレータ26の第2ガス流路72には燃料ガスが流通する。
【0078】
[実施形態から得られる発明]
上記実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
【0079】
本発明の一実施形態は、膜電極構造体(32)と前記膜電極構造体の外周部に設けられた樹脂枠部(34)とを有する樹脂枠付き膜電極構造体(22)と、前記樹脂枠付き膜電極構造体の一方の面に積層された第1セパレータ(24)と、前記樹脂枠付き膜電極構造体の他方の面に積層された第2セパレータ(26)と、を備え、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータのそれぞれには、積層方向に貫通して反応ガスが流通する反応ガス連通孔(14a、14b)が形成された発電セル(10)であって、前記第2セパレータには、前記膜電極構造体の電極面に沿って前記反応ガスを流通させる反応ガス流路(72)が形成され、前記第1セパレータには、前記反応ガス連通孔に連通する接続流路(78、100)が形成され、前記樹脂枠部には、前記反応ガス流路と前記接続流路とを互いに連通させる貫通孔(80、102)が形成されている、発電セルである。
【0080】
このような構成によれば、第2セパレータに形成された反応ガス流路が、樹脂枠部材に形成された貫通孔と第1セパレータに形成された接続流路とを介して反応ガス連通孔に連通している。これにより、第2セパレータに接続流路を形成しなくてもよくなるため、第2セパレータに形成する流路のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0081】
上記の発電セルであって、前記反応ガス連通孔は、反応ガス供給連通孔(14a、16a)及び反応ガス排出連通孔(14b、16b)を含み、前記接続流路は、前記反応ガス供給連通孔に連通する第1接続流路(78)と、前記反応ガス排出連通孔に連通する第2接続流路(100)と、を含み、前記貫通孔は、前記反応ガス流路と前記第1接続流路とを互いに連通させる第1貫通孔(80)と、前記反応ガス流路と前記第2接続流路とを互いに連通させる第2貫通孔(102)と、を含んでもよい。
【0082】
このような構成によれば、第2セパレータに形成する流路のレイアウトの自由度を一層高めることができる。
【0083】
上記の発電セルであって、前記第2セパレータには、前記第1貫通孔から導かれた前記反応ガスを前記反応ガス流路に導入する導入流路(82)と、前記反応ガス流路を流通した前記反応ガスを前記第2貫通孔に導出する導出流路(104)と、が形成されてもよい。
【0084】
このような構成によれば、導入流路によって第1貫通孔から導かれた反応ガスを反応ガス流路に円滑に導くことができる。また、導出流路によって反応ガス流路を流通した反応ガスを第2貫通孔に円滑に導くことができる。
【0085】
上記の発電セルであって、前記第1セパレータと前記樹脂枠部とを互いに接着する接着剤層(54)を備え、前記接着剤層は、前記反応ガス流路と前記反応ガス連通孔とを個別に囲むと共に前記反応ガスの流通を阻止してもよい。
【0086】
このような構成によれば、接着剤層により反応ガスをシールできるため発電セルの構成を簡素にできる。
【0087】
本発明の他の態様は、上述した発電セルが複数積層された燃料電池スタック(12)である。
【0088】
上記の燃料電池スタックであって、互いに隣接する前記第1セパレータと前記第2セパレータとの間には、冷却媒体が流通する冷却媒体流路(58、124)と、前記反応ガス連通孔を囲む連通孔シール部(64)と、前記冷却媒体流路を囲む流路シール部(66)と、が設けられ、前記連通孔シール部と前記流路シール部とは、前記第1セパレータと前記第2セパレータとのうちの前記第1セパレータにのみ設けられてもよい。
【0089】
このような構成によれば、連通孔シール部及び流路シール部を第2セパレータに設けなくてもよくなるため、第2セパレータの構成を簡素にできる。
【0090】
上記の燃料電池スタックであって、前記連通孔シール部及び前記流路シール部の各々は、ゴム材料によって構成されてもよい。
【0091】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0092】
10…発電セル
12…燃料電池スタック
14a…酸化剤ガス供給連通孔
14b…酸化剤ガス排出連通孔
16a…燃料ガス供給連通孔
16b…燃料ガス排出連通孔
22…樹脂枠付き膜電極構造体
24…第1セパレータ
26…第2セパレータ
32…膜電極構造体
34…樹脂枠部材(樹脂枠部)
36…電解質膜
38…第1電極
40…第2電極
46…第1ガス流路(反応ガス流路)
54…第1接着剤層(接着剤層)
56…接着剤
58…第1冷却媒体流路
64…連通孔シール部
66…流路シール部
72…第2ガス流路
78…第1接続流路
80…第1貫通孔
82…導入流路
100…第2接続流路
102…第2貫通孔
104…導出流路
120…第2接着剤層
124…第2冷却媒体流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7