(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099868
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】投射方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20240719BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240719BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240719BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240719BHJP
G09G 5/08 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
G03B21/00 D
G09G5/00 510B
G09G5/00 X
G09G5/00 550C
G09G5/37 600
G09G5/37 300
G09G5/00 530H
G09G5/00 550B
G09G5/08 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003458
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 真司
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA82
2K203FB04
2K203GB46
2K203KA56
2K203MA23
5C058AA18
5C058BA27
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA54
5C182AA03
5C182AA04
5C182AC03
5C182AC38
5C182AC39
5C182BA01
5C182BA03
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5C182BA14
5C182CA32
5C182CA54
5C182CB11
5C182CB12
5C182CB42
5C182CC26
5C182DA65
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】投射画像の形状を簡便に調整し、調整された形状を維持する。
【解決手段】投射装置を制御することで、投射面上の領域としての、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、投射画像が表示される表示領域を含む範囲の撮像画像である第1撮像画像を取得することと、第1撮像画像に画像処理を実行することで、第1撮像画像に含まれる表示領域を示す第1の画像の四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、投射装置を制御することで、投射画像の角に位置するとともに投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、ポインター画像を移動するためのユーザー操作に基づいて投射画像の角の位置を変更することで、投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、複数の第1特徴点に基づいて、表示領域の四つの角と、第1の補正によって決定された投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を含む、投射方法。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投射装置を制御することで、投射面上の領域としての、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、
前記投射画像が表示される前記表示領域を含む範囲の撮像画像である第1撮像画像を取得することと、
前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、
前記投射装置を制御することで、前記投射画像の角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、
前記ポインター画像を移動するための前記ユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、
前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、
を含む、投射方法。
【請求項2】
前記第1の画像の四つの角は、第1の角、第2の角、第3の角および第4の角を含み、
前記複数の第1特徴点は、前記第1の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第2の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第3の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第4の角に対応する一以上の第1特徴点と、を含み、
前記投射装置を制御することで、前記複数の第1特徴点と一対一で対応する複数の指示画像を前記投射面に表示することと、
前記投射装置を制御することで、前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することと、
前記投射面に表示される前記複数の指示画像のうちの前記一つの指示画像を選択するユーザー操作に応じて、選択された前記一つの指示画像と対応する一つの第1特徴点を、前記第2の補正を実行するための前記第1特徴点として設定することと、
前記第2の補正を実行するための前記複数の第1特徴点を設定することは、
前記第1の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、
前記第2の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、
前記第3の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、
前記第4の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、
を含む、四以上の第1特徴点を選択するユーザー操作を受け付けることと、
を更に含み、
前記第2の補正を実行することは、
前記第1の補正が実行された前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第2撮像画像を取得することと、
前記第2撮像画像に画像処理を実行することで、前記第2撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第2の画像の有する四つの角の各々に一以上が対応する複数の第2特徴点を検出することと、
前記四以上の第1特徴点の座標と、前記複数の第2特徴点の座標と、に基づいて、前記第2の補正を実行することと、
を含む、請求項1に記載の投射方法。
【請求項3】
前記投射装置を制御することで、前記表示領域の有する四つの角と一対一で対応する四つの角画像を前記投射面に表示することと、
前記第1の角において、一以上の第1特徴点の選択が終了した場合、前記四つの角画像のうち前記第1の角に対応する一つの角画像の表示態様を変更することと、
を更に含み、
前記第1の画像の四つの角は、前記四つの角画像と一対一で対応する、
請求項2に記載の投射方法。
【請求項4】
前記一つの第1特徴点を選択することに応じて、前記一つの指示画像の表示態様を変更することを更に含む、
請求項2または3に記載の投射方法。
【請求項5】
前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することは、時間の経過に応じて表示態様が変化する前記一つの指示画像を表示することを含む、
請求項2に記載の投射方法。
【請求項6】
前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することは、前記一つの指示画像を、前記ポインター画像とは異なる表示態様で表示することを含む、
請求項2に記載の投射方法。
【請求項7】
処理装置に、
投射装置を制御することで、投射面上の領域であって、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、
前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第1撮像画像を取得することと、
前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の有する四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、
前記投射装置を制御することで、前記投射画像の有する角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、
前記ポインター画像を移動するための前記ユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、
前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクター等の装置によって投射面上に表示される画像の位置、および、画像の形状を補正する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、プロジェクターの位置が初期位置からずれた場合に、投射面上に表示される画像を補正することで、プロジェクターが初期位置に位置していた期間において表示されていた位置と同じ位置に画像を表示させるプロジェクターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のプロジェクターが初期位置に位置している補正の基準となる期間において、投射面上に表示された画像の形状がユーザーの所望する形状ではなかった場合、当該形状が維持されることがあった。このため、補正の基準となる期間において投射面上に表示される画像の形状を、予めユーザーの所望する形状に調整する必要がある。当該調整では、ユーザーがプロジェクターの位置、向きおよび角度等を正確に設定する必要があり、ユーザーの手間がかかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る投射方法の一態様は、投射装置を制御することで、投射面上の領域としての、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、
前記投射画像が表示される前記表示領域を含む範囲の撮像画像である第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、前記投射装置を制御することで、前記投射画像の角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、前記ポインター画像を移動するための前記ユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を含む。
【0006】
本発明に係るプログラムの一態様は、処理装置に、投射装置を制御することで、投射面上の領域であって、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の有する四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、前記投射装置を制御することで、前記投射画像の有する角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、ポインター画像を表示することと、前記ポインター画像を移動するための前記ユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の期間において投射画像GP1が表示される様子を図示した模式図である。
【
図2】第2の期間において投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。
【
図3】第3の期間において投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。
【
図4】第4の期間において投射画像GP1が表示される様子を図示した模式図である。
【
図5】第5の期間において投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。
【
図6】第6の期間において投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。
【
図7】第1実施形態に係るプロジェクター1の構成を示すブロック図である。
【
図8】第1実施形態に係る記憶装置10の構成を示すブロック図である。
【
図9】第1投射画像情報102の示す画像の一例を図示した模式図である。
【
図10】第1撮像画像情報105の示す画像の一例を図示した模式図である。
【
図11】第2撮像画像情報106の示す画像の一例を図示した模式図である。
【
図12】第3撮像画像情報107の示す画像の一例を図示した模式図である。
【
図13】第4撮像画像情報108の示す画像の一例を図示した模式図である。
【
図14】第2の補正について説明するための模式図である。
【
図15】第1の期間から第3の期間までを含む時間帯におけるプロジェクター1の動作について説明するためのフローチャートである。
【
図16】第4の期間から第6の期間までを含む時間帯におけるプロジェクター1の動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際と異なる場合があり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0009】
1.第1実施形態
第1実施形態では、投射面上に表示された画像の形状をユーザーからの操作に基づいて補正し、補正された画像を投射面上の所定の位置に表示するプロジェクターを例示して、本発明に係る投射方法およびプログラムについて説明する。すなわち、ユーザーは、本実施形態に係るプロジェクターの向きおよび角度を正確に設定することなく、簡便に、投射面上に表示された画像の形状を調整することができる。
【0010】
1.1.プロジェクターの概要
以下、
図1~
図6を参照しつつ、第1実施形態に係るプロジェクター1の概要について説明する。
【0011】
図1は、第1の期間において投射画像GP1が表示される様子を図示した模式図である。プロジェクター1は、投射面である壁面W1の領域R2に投射光を投射することで、投射画像GP1を表示する。投射画像GP1は、複数の点を含む。なお、第1の期間における投射画像GP1を「投射画像GP1-1」ということがある。
【0012】
プロジェクター1は、投射面の所定の領域を含む範囲を撮像する撮像装置14と、投射面に投射光を投射する投射装置16とを備える。撮像装置14は、集光のための撮像レンズ142と、撮像レンズ142によって集光された光を電気信号に変換することで撮像画像を生成する撮像素子140とを備える。撮像素子140は、複数の画素を備える。投射装置16は、不図示の光源と、光源から発せられた光を投射面上に投射画像を表示するための投射光に変調する光変調器160と、光変調器160によって変調された投射光を投射面に投射する投射レンズ162とを備える。光変調器160は、複数の画素を備える。プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、投射面上に投射画像を表示する。本実施形態において、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、壁面W1上に投射画像を表示する。
【0013】
第1の期間において、プロジェクター1は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1-1が表示された領域R2を含む範囲を撮像する。領域R2は、領域R1を含む。すなわち、プロジェクター1は、領域R1を含む範囲を撮像する。領域R1は、複数の角CN1を含む。複数の角CN1は、角CN1-1、角CN1-2、角CN1-3および角CN1-4を含む。領域R1は、例えば壁面W1上に設置されるスクリーン上における当該スクリーンの枠に囲まれた領域であってもよいし、壁面W1の表面の一部に描かれた枠線に囲まれた壁面W1上の領域であってもよい。また、プロジェクター1は、投射画像GP1-1が表示された領域R2を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像と、投射画像GP1-1が表示される場合にプロジェクター1から投射される画像とに基づいて、光変調器160の備える複数の画素と、撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を示す情報を生成する。
【0014】
領域R1の位置、具体的には領域R1の四隅の位置は、壁面W1上に明示的に示される。
図1において、領域R1の位置は太い直線によって図示されているが、これに限定されない。例えば、領域R1の角の位置を示すマーカーが領域R1の四隅の各々に貼付されることで、領域R1の位置が示されてもよい。
図1において、領域R1の位置を示す太い直線は、スクリーンの枠又は壁面W1の表面の一部に描かれた枠線と対応する。
【0015】
図2は、第2の期間において投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。第2の期間は、第1の期間よりも後の期間である。プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、壁面W1の領域R1に投射画像GP2を表示する。投射画像GP2は、角CN2-1、角CN2-2、角CN2-3および角CN2-4を有する。なお、第2の期間における投射画像GP2を「投射画像GP2-1」ということがある。
【0016】
また、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、角CN2-1の位置を示すポインター画像GC1-1、角CN2-2の位置を示すポインター画像GC1-2、角CN2-3の位置を示すポインター画像GC1-3、および、角CN2-4の位置を示すポインター画像GC1-4を表示する。ポインター画像GC1-1~GC1-4は、例えば、2つの直線が互いに交差する十字形状である。なお、ポインター画像GC1-1~GC1-4を区別しない場合、ポインター画像GC1-1~GC1-4を「ポインター画像GC1」ということがある。
【0017】
ユーザーは、ポインター画像GC1を移動する操作を実行することで、当該ポインター画像GC1が示す投射画像GP2の角の位置を変更する。例えば、ユーザーは、ポインター画像GC1-1を移動する操作を実行することで、ポインター画像GC1-1が示す角CN2-1の位置を変更する。プロジェクター1は、ポインター画像GC1を移動するユーザーからの操作に基づいて投射画像GP2の角の位置を変更することで、投射画像GP2の形状を補正する。ユーザーは、投射画像GP2の角の位置を変更することで、投射画像GP2の形状を所望の形状に修正する。例えば、スクリーン枠と略相似な形状となるように、投射画像GP2の形状がユーザーにより修正される。すなわち、スクリーン枠が矩形なら、投射画像GP2の形状も矩形となるように、ユーザーからの操作に基づいて投射画像GP2の形状が整形される。なお、ユーザーからの操作に基づいて投射画像の形状を補正することを「第1の補正」ということがある。
【0018】
図3は、第3の期間において投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。第3の期間は、第2の期間よりも後の期間である。なお、第3の期間における投射画像GP2を「投射画像GP2-2」ということがある。投射画像GP2-2は、第1の補正が実行された投射画像GP2である。また、投射画像GP2-2は、領域R1に表示される。
【0019】
第3の期間において、プロジェクター1は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP2-2が表示された領域R1を含む範囲を撮像する。また、プロジェクター1は、投射画像GP2-2が表示された領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像に画像処理を実行することで、当該撮像画像に含まれる領域R1を示す画像の有する四つの角に対応する複数の点を検出する。なお、複数の点を検出するために、投射光が領域R1の内側だけでなく、領域R1を示す太い直線(例えばスクリーン枠)にも当たった状態で、領域R1を含む範囲が撮像されることが好ましい。これにより、太い直線、例えばスクリーン枠の明るさが向上し、スクリーン枠に関する複数の点が検出されやすくなる。
【0020】
また、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、角CN1-1の位置を示す角画像GC2-1、角CN1-2の位置を示す角画像GC2-2、角CN1-3の位置を示す角画像GC2-3、および、角CN1-4の位置を示す角画像GC2-4を壁面W1上に表示する。なお、角画像GC2-1~GC2-4を区別しない場合、角画像GC2-1~GC2-4を「角画像GC2」ということがある。
【0021】
また、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、投射画像GP2-2が表示された領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像から検出された複数の点と一対一で対応する複数の指示画像GDを壁面W1上に表示する。複数の指示画像GDは、当該撮像画像から検出された複数の点と、当該撮像画像に含まれる領域R1を示す画像との相対的な位置関係をユーザーに示すための画像である。複数の指示画像GDは、角CN1-1に対応する一以上の指示画像GDと、角CN1-2に対応する一以上の指示画像GDと、角CN1-3に対応する一以上の指示画像GDと、角CN1-4に対応する一以上の指示画像GDとを含む。角CN1-1に対応する一以上の指示画像GDは、指示画像GD-2を含む。角CN1-4に対応する一以上の指示画像GDは、指示画像GD-1を含む。なお、指示画像GDの表示態様は、ポインター画像GC1の表示態様と相違する。
【0022】
ユーザーは、角画像GC2-1~GC2-4の中から、一つの角画像GC2を選択する操作を実行する。換言すれば、ユーザーは、角画像GC2-1~GC2-4のうちの一つの角画像GC2が示す領域R1の角を選択する操作を実行する。プロジェクター1は、ユーザーからの操作に基づいて、角画像GC2-1~GC2-4のうちの一つの角画像GC2を選択する。例えば、ユーザーは、角画像GC2-1~GC2-4の中から、角画像GC2-4を選択する操作を実行する。換言すれば、ユーザーは、角画像GC2-1~GC2-4のうちの角画像GC2-4が示す角CN1-4を選択する操作を実行する。プロジェクター1は、ユーザーからの操作に基づいて、角画像GC2-1~GC2-4のうちの角画像GC2-4を選択する。なお、プロジェクター1は、ユーザーによって選択された一つの角画像GC2の表示態様を変更してもよい。例えば、ユーザーによって角画像GC2-4が選択された場合、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、角画像GC2-4の表示態様を、他の角画像GC2-1~GC2-3の表示態様と異ならせてもよい。これにより、ユーザーは、現在選択されている角画像GC2を容易に確認することができる。
【0023】
角画像GC2-1~GC2-4の中から一つの角画像GC2が選択された場合、ユーザーは、当該一つの角画像GC2が示す領域R1の角に対応する一以上の指示画像GDの中から、選択の候補となる一つの指示画像GDを決定する操作を実行する。プロジェクター1は、ユーザーからの操作に基づいて、選択の候補となる一つの指示画像GDを決定する。また、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、当該一つの指示画像GDを他の指示画像GDと識別可能に表示する。例えば、角画像GC2-1~GC2-4の中から、角画像GC2-4が選択された場合であって、角画像GC2-4が示す角CN1-4に対応する一以上の指示画像GDの中から、選択の候補となる一つの指示画像GDとして指示画像GD-1が決定された場合、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、指示画像GD-1を他の指示画像GDと識別可能に表示する。具体的には、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、時間の経過とともに指示画像GD-1の表示態様を変更する。より具体的には、プロジェクター1は、指示画像GD-1を繰り返し点滅させることで、指示画像GD-1を他の指示画像GDと識別可能に表示する。
【0024】
複数の指示画像GDのうちの一つの指示画像GDが他の指示画像GDと識別可能に表示された場合、ユーザーは、当該一つの指示画像GDを選択する操作を実行する。プロジェクター1は、ユーザーからの操作に基づいて、当該一つの指示画像GDと対応する点であって、投射画像GP2-2が表示された領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像から検出された点を選択する。また、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、当該一つの指示画像GDの表示態様を変更する。例えば、複数の指示画像GDのうちの指示画像GD-2が他の指示画像GDと識別可能に表示された場合、ユーザーは、指示画像GD-2を選択する操作を実行する。プロジェクター1は、指示画像GD-2と対応する点であって、投射画像GP2-2が表示された領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像から検出された点を選択する。また、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、指示画像GD-2の表示態様を変更する。具体的には、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、指示画像GD-2の色を変更する。これにより、ユーザーは、表示態様が変更された指示画像GDと対応する点が選択されたことを容易に確認することができる。
【0025】
なお、他の指示画像GDと識別可能に表示された一つの指示画像GDを選択するユーザーからの操作に基づいて当該一つの指示画像GDと対応する点が選択された場合、ユーザーは、当該一つの指示画像GDとは異なる別の指示画像GDを選択の候補として決定する操作を実行してもよい。プロジェクター1は、ユーザーからの操作に基づいて、当該別の指示画像GDを選択の候補として決定する。すなわち、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、当該別の指示画像GDを他の指示画像GDと識別可能に表示する。また、ユーザーは、他の指示画像GDと識別可能に表示された当該別の指示画像GDを選択する操作を実行してもよい。プロジェクター1は、当該別の指示画像GDと対応する点であって、投射画像GP2-2が表示された領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像から検出された点を選択する。また、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、当該別の指示画像GDの表示態様を変更する。すなわち、ユーザーは、角画像GC2-1~GC2-4の中から選択された一つの角画像GC2が示す領域R1の角に対応する一以上の指示画像GDの中から、一以上の指示画像GDを選択する。プロジェクター1は、ユーザーによって選択された一以上の指示画像GDと一対一で対応する一以上の点であって、投射画像GP2-2が表示された領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像から検出された一以上の点を選択する。
【0026】
角画像GC2-1~GC2-4の中から選択された一つの角画像GC2が示す領域R1の角に対応する一以上の指示画像GDと一対一で対応する一以上の点の中から、一以上の点の選択が終了した場合、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、当該一つの角画像GC2の表示態様を変更する。例えば、角画像GC2-1~GC2-4の中から、角画像GC2-1が選択された場合であって、角画像GC2-1が示す角CN1-1に対応する一以上の指示画像GDと一対一で対応する一以上の点の中からの一以上の点の選択が終了した場合、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、角画像GC2-1の表示態様を変更する。具体的には、プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、角画像GC2-1の色を変更する。これにより、ユーザーは、表示態様が変更された角画像GC2が示す領域R1の角に対応する一以上の指示画像GDと一対一で対応する一以上の点の中から、一以上の点が選択されたことを容易に確認することができる。
【0027】
ユーザーは、領域R1の有する四つの角の各々において、一以上の指示画像GDを選択する。すなわち、ユーザーは、角画像GC2-1が示す角CN1-1に対応する一以上の指示画像GDの中から、一以上の指示画像GDを選択する。また、ユーザーは、角画像GC2-2が示す角CN1-2に対応する一以上の指示画像GDの中から、一以上の指示画像GDを選択する。また、ユーザーは、角画像GC2-3が示す角CN1-3に対応する一以上の指示画像GDの中から、一以上の指示画像GDを選択する。また、ユーザーは、角画像GC2-4が示す角CN1-4に対応する一以上の指示画像GDの中から、一以上の指示画像GDを選択する。従って、プロジェクター1は、ユーザーによって選択された四以上の指示画像GDと一対一で対応する四以上の点であって、投射画像GP2-2が表示された領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像から検出された四以上の点を選択する。
【0028】
図4は、第4の期間において投射画像GP1が表示される様子を図示した模式図である。第4の期間は、第3の期間よりも後の期間である。具体的には、第4の期間は、ユーザーが領域R1の有する四つの角の各々において一以上の指示画像GDを選択した後の期間である。
【0029】
第4の期間において、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等は、第1の期間、第2の期間および第3の期間におけるプロジェクター1の位置、向きおよび角度等と異なる場合を想定する。このような、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等の変化は、例えば、ユーザーのプロジェクター1に対する意図しない接触等に起因して生じ得るものである。すなわち、プロジェクター1は、第1の期間、第2の期間および第3の期間において投射光が投射された壁面W1の領域R2とは異なる領域R3に投射光を投射することで、投射画像GP1を表示する。領域R3は、領域R1を含む。なお、第4の期間における投射画像GP1を「投射画像GP1-2」ということがある。
【0030】
第4の期間において、プロジェクター1は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1-2が表示された領域R3を含む範囲を撮像する。すなわち、プロジェクター1は、領域R1を含む範囲を撮像する。また、プロジェクター1は、投射画像GP1-2が表示された領域R3を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像と、投射画像GP1-2が表示される場合にプロジェクター1から投射される画像とに基づいて、光変調器160の備える複数の画素と、撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を示す情報を生成する。
【0031】
図5は、第5の期間において投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。第5の期間は、第4の期間よりも後の期間である。プロジェクター1は、投射装置16を制御することで、壁面W1上に投射画像GP2を表示する。プロジェクター1の位置、向きおよび角度等の変化に伴い、第5の期間において投射画像GP2が表示される位置は、第3の期間において投射画像GP2が表示されていた位置と相違する。また、第5の期間における投射画像GP2の形状は、第3の期間における投射画像GP2の形状と相違する。なお、第5の期間における投射画像GP2を「投射画像GP2-3」ということがある。すなわち、投射画像GP2-3が表示される位置は、投射画像GP2-2が表示されていた位置と相違する。また、投射画像GP2-3の形状は、投射画像GP2-2の形状と相違する。また、投射画像GP2-3は、領域R1に表示される。すなわち、投射画像GP2-3は、ユーザーが所望する投射画像GP2-2から位置及び形状がずれてしまった投射画像である。
【0032】
第5の期間において、プロジェクター1は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP2-3が表示された領域R1を含む範囲を撮像する。また、プロジェクター1は、投射画像GP2-3が表示された領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像に画像処理を実行することで、当該撮像画像に含まれる領域R1を示す画像の有する四つの角に対応する複数の点を検出する。
【0033】
プロジェクター1は、第1の期間において取得された撮像画像に基づいて生成された、光変調器160の備える複数の画素と、撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を示す情報、第3の期間において取得された撮像画像から検出された複数の点のうちの、ユーザーからの操作に基づいて選択された四以上の点の座標、第4の期間において取得された撮像画像に基づいて生成された、光変調器160の備える複数の画素と、撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を示す情報、および、第5の期間において取得された撮像画像から検出された複数の点のうちの、上記ユーザーからの操作に基づいて選択された四以上の点と一対一で対応する四以上の点の座標に基づいて、投射画像GP2が表示される位置、および、投射画像GP2の形状を補正するための射影変換行列を生成する。ここで、第5の期間における撮像画像から検出された複数の点の中から、第3の期間においてユーザーが選択した四以上の点が探索される。また、プロジェクター1は、当該射影変換行列に基づいて、投射画像GP2を補正する。なお、撮像画像から検出された複数の点の座標に基づいて生成された射影変換行列を用いて投射画像を補正することを「第2の補正」ということがある。
【0034】
図6は、第6の期間において投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。第6の期間は、第5の期間よりも後の期間である。具体的には、第6の期間は、第2の補正が実行された後の期間である。なお、第6の期間における投射画像GP2を「投射画像GP2-4」ということがある。投射画像GP2-4は、第2の補正が実行された投射画像GP2である。また、投射画像GP2-4は、領域R1に表示される。
【0035】
投射画像GP2-4が表示される位置は、投射画像GP2-2が表示されていた位置と同様である。また、投射画像GP2-4の形状は、投射画像GP2-2の形状と同様である。すなわち、プロジェクター1は、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等が変化した場合であっても、投射画像GP2-3に対して第2の補正を実行することで、投射画像GP2-3が表示される位置、および、投射画像GP2-3の形状を、投射画像GP2-2と同様にすること、すなわち投射画像GP2-2の状態にほぼ戻すことができる。換言すれば、プロジェクター1は、投射画像GP2に対して第2の補正を実行することで、領域R1の有する四つの角のそれぞれと、投射画像GP2の有する四つの角のそれぞれとの位置関係を、第3の期間と同様に維持することができる。具体的には、投射画像GP2に対してある周期で第2の補正を実行することで、角CN1-1に対する角CN2-1の位置、角CN1-2に対する角CN2-2の位置、角CN1-3に対する角CN2-3の位置および角CN1-4に対する角CN2-4の位置を、ほぼ一定に維持することができる。したがって、今回(第5の期間)の投射画像GP2に対して第2の補正が実行されることで、今回の投射画像GP2の状態を、前回(第3の期間)の投射画像GP2の状態にほぼ戻すことができる。また、プロジェクター1は、ユーザーからの操作に基づいて第1の補正を行うことで、第2の補正が実行された場合に表示される投射画像GP2の基準となる投射画像GP2-2の形状を、ユーザーの所望する形状に調整する。すなわち、第1の補正が行われた投射画像GP2に対してある周期で第2の補正が実行されることで、ユーザーは、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等を正確に調整することなく、簡便に、投射画像GP2-2の形状を調整することができる。
【0036】
1.2.プロジェクターの構成および機能
以下、
図7~
図14を参照しつつ、第1実施形態に係るプロジェクター1の構成および機能について説明する。
【0037】
図7は、第1実施形態に係るプロジェクター1の構成を示すブロック図である。プロジェクター1は、各種情報を記憶する記憶装置10と、プロジェクター1の動作を制御する処理装置12と、投射面の所定の領域を含む範囲を撮像する撮像装置14と、投射面に投射光を投射する投射装置16と、ユーザーからの入力操作を受け付ける操作装置18とを備える。処理装置12は、投射制御部120、撮像制御部121、検出部122、補正部123、座標管理部124および行列生成部125としての機能を有する。撮像装置14は、前述の通り、撮像素子140と、撮像レンズ142とを備える。また、投射装置16は、前述の通り、不図示の光源と、光変調器160と、投射レンズ162とを備える。
【0038】
記憶装置10は、例えば、RAM等の揮発性メモリーおよびROM等の不揮発性メモリーを含んで構成される。ここで、RAMとは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMとは、Read Only Memoryの略称である。
【0039】
図8は、第1実施形態に係る記憶装置10の構成を示すブロック図である。記憶装置10の有する不揮発性メモリーは、プロジェクター1の動作を規定するプログラム100と、投射面上に投射される画像を表す投射画像情報101と、投射画像が表示された投射面上の領域を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像情報104と、各種画像に含まれる点の座標を表す座標情報109と、二次元の座標変換および画像の補正等に用いられる射影変換行列115とを記憶する。
【0040】
投射画像情報101は、投射画像GP1が表示される際に投射される画像を表す第1投射画像情報102と、投射画像GP2が表示される際に投射される画像を表す第2投射画像情報103とを含む。
【0041】
撮像画像情報104は、第1の期間において取得された撮像画像を表す第1撮像画像情報105と、第3の期間において取得された撮像画像を表す第2撮像画像情報106と、第4の期間において取得された撮像画像を表す第3撮像画像情報107と、第5の期間において取得された撮像画像を表す第4撮像画像情報108とを含む。
【0042】
座標情報109は、第1投射画像情報102の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第1座標情報110と、第1撮像画像情報105の示す画像から検出された複数の点の座標を表す第2座標情報111と、第2撮像画像情報106の示す画像から検出された複数の点の座標を表す第3座標情報112と、第3撮像画像情報107の示す画像から検出された複数の点の座標を表す第4座標情報113と、第4撮像画像情報108の示す画像から検出された複数の点の座標を表す第5座標情報114とを含む。
【0043】
射影変換行列115は、第1の期間における光変調器160の備える複数の画素と、第1の期間における撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を表す第1射影変換行列116、第4の期間における光変調器160の備える複数の画素と、第4の期間における撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を表す第2射影変換行列117、および、第2の補正に用いられる第3射影変換行列118を含む。
【0044】
記憶装置10の有する揮発性メモリーは、プログラム100を実行する際のワークエリアとして処理装置12に利用される。
【0045】
なお、記憶装置10の一部または全部は、外部記憶装置または外部サーバー等に設けられてもよい。また記憶装置10に記憶される各種情報の一部または全部は、予め記憶装置10に記憶されてもよいし、外部記憶装置または外部サーバー等から取得されてもよい。
【0046】
図7に戻り、処理装置12は、1または複数のCPUを含んで構成される。但し、処理装置12は、CPUの代わりに、または、CPUに加えて、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを備えるものでもよい。ここで、CPUとはCentral Processing Unitの略称であり、FPGAとはField-Programmable Gate Arrayの略称である。
【0047】
処理装置12は、処理装置12が有するCPU等がプログラム100を実行することで、
図7に示す投射制御部120、撮像制御部121、検出部122、補正部123、座標管理部124および行列生成部125として機能する。
【0048】
投射制御部120は、投射装置を制御することで、投射面に対して、画像を表示するための投射光を投射させる。具体的には、投射制御部120は、投射画像情報101に基づく投射光を投射装置に投射させることで、投射面上に投射画像を表示させる。換言すれば、投射制御部120は、投射画像情報101の示す画像を投射装置から投射させることで、投射面上に投射画像を表示させる。また、投射制御部120は、投射装置を制御することで、ユーザーの操作を補助するための画像を投射面上に表示させる。
【0049】
本実施形態において、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、壁面W1に対して、画像を表示するための投射光を投射させる。
【0050】
具体的には、投射制御部120は、投射画像情報101に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、壁面W1上に投射画像を表示させる。より具体的には、投射制御部120は、第1投射画像情報102に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、壁面W1上に投射画像GP1を表示させる。また、投射制御部120は、第2投射画像情報103に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、壁面W1上に投射画像GP2を表示させる。
【0051】
また、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、投射画像GP2の有する角に位置するポインター画像GC1を壁面W1上に表示させる。
【0052】
また、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、壁面W1上の領域R1の有する角に位置する角画像GC2を壁面W1上に表示させる。また、投射制御部120は、ユーザーからの操作に基づいて、角画像GC2の表示態様を変更させる。
【0053】
また、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、第2撮像画像情報106の示す画像から検出された複数の点と一対一で対応する複数の指示画像GDを壁面W1上に表示させる。また、投射制御部120は、ユーザーからの操作に基づいて、指示画像GDの表示態様を変更させる。
【0054】
図9は、第1投射画像情報102の示す画像の一例を図示した模式図である。本実施形態において、第1投射画像情報102は、画像GF1を表す。投射制御部120は、第1投射画像情報102に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、壁面W1上に投射画像GP1を表示させる。換言すれば、投射制御部120は、第1投射画像情報102の示す画像GF1を投射装置16から投射させることで、壁面W1上に投射画像GP1を表示させる。
【0055】
画像GF1は、複数の点を含む。画像GF1に含まれる複数の点は、投射画像GP1に含まれる複数の点と一対一で対応する。
【0056】
図7に戻り、撮像制御部121は、撮像装置を制御することで、投射画像が表示された投射面上の領域を含む範囲を撮像させる。また、撮像制御部121は、当該撮像装置から、当該撮像の結果を表す撮像画像を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像を表す撮像画像情報104を記憶装置10に記憶させる。
【0057】
本実施形態において、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1-1が表示された壁面W1上の領域R2を含む範囲を撮像させる。また、撮像制御部121は、撮像装置14から、当該撮像の結果を表す撮像画像を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像を表す第1撮像画像情報105を記憶装置10に記憶させる。
【0058】
また、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1-2が表示された壁面W1上の領域R3を含む範囲を撮像させる。また、撮像制御部121は、撮像装置14から、当該撮像の結果を表す撮像画像を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像を表す第3撮像画像情報107を記憶装置10に記憶させる。
【0059】
また、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP2-2が表示された壁面W1上の領域R1を含む範囲を撮像させる。また、撮像制御部121は、撮像装置14から、当該撮像の結果を表す撮像画像を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像を表す第2撮像画像情報106を記憶装置10に記憶させる。
【0060】
また、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP2-3が表示された壁面W1上の領域R1を含む範囲を撮像させる。また、撮像制御部121は、撮像装置14から、当該撮像の結果を表す撮像画像を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像を表す第4撮像画像情報108を記憶装置10に記憶させる。
【0061】
検出部122は、各種画像情報の示す画像に対して画像処理を実行することで、当該画像に含まれる点を検出する。すなわち、検出部122は、検出された点の座標を表す座標情報109を取得する。また、検出部122は、取得した座標情報109を記憶装置10に記憶させる。
【0062】
本実施形態において、検出部122は、撮像画像情報104の示す画像に対して画像処理を実行することで、撮像画像情報104の示す画像に含まれる複数の点を検出する。すなわち、検出部122は、撮像画像情報104の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す座標情報109を取得する。また、検出部122は、取得した座標情報109を記憶装置10に記憶させる。
【0063】
具体的には、検出部122は、第1撮像画像情報105の示す画像に対して画像処理を実行することで、第1撮像画像情報105の示す画像に含まれる複数の点を検出する。すなわち、検出部122は、第1撮像画像情報105の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第2座標情報111を取得する。また、検出部122は、取得した第2座標情報111を記憶装置10に記憶させる。
【0064】
また、検出部122は、第2撮像画像情報106の示す画像に対して画像処理を実行することで、第2撮像画像情報106の示す画像に含まれる複数の点を検出する。すなわち、検出部122は、第2撮像画像情報106の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第3座標情報112を取得する。また、検出部122は、取得した第3座標情報112を記憶装置10に記憶させる。
【0065】
また、検出部122は、第3撮像画像情報107の示す画像に対して画像処理を実行することで、第3撮像画像情報107の示す画像に含まれる複数の点を検出する。すなわち、検出部122は、第3撮像画像情報107の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第4座標情報113を取得する。また、検出部122は、取得した第4座標情報113を記憶装置10に記憶させる。
【0066】
また、検出部122は、第4撮像画像情報108の示す画像に対して画像処理を実行することで、第4撮像画像情報108の示す画像に含まれる複数の点を検出する。すなわち、検出部122は、第4撮像画像情報108の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第5座標情報114を取得する。また、検出部122は、取得した第5座標情報114を記憶装置10に記憶させる。
【0067】
検出部122は、第1投射画像情報102の示す画像GF1に対して画像処理を実行することで、画像GF1に含まれる複数の点を検出してもよい。検出部122は、画像GF1に含まれる複数の点を検出した場合、第1投射画像情報102の示す画像GF1に含まれる複数の点の座標を表す第1座標情報110を取得する。また、検出部122は、取得した第1座標情報110を記憶装置10に記憶させる。なお、本実施形態において、第1座標情報110は、予め記憶装置10に記憶されている場合を想定する。
【0068】
点の検出に係る機能において、公知の画像処理技術が用いられてもよい。点の検出に係る公知の画像処理技術として、例えば、テンプレートマッチング、重心検出、および、「AKAZE」と呼ばれるアルゴリズム等が挙げられる。本明細書において、点の検出に係る詳細な技術的説明は省略する。
【0069】
座標管理部124は、ユーザーからの操作に基づいて、撮像画像から検出された点の座標を管理する。また、座標管理部124は、撮像画像から検出された点の座標の管理に係る各種処理を実行する。
【0070】
本実施形態において、座標管理部124は、ユーザーからの操作に基づいて、角画像GC2-1~GC2-4のうちの一つの角画像GC2を選択する。また、座標管理部124は、撮像画像から検出された点の座標の管理に係る操作をユーザーから受け付けたか否か判定する。
【0071】
また、座標管理部124は、壁面W1上において他の指示画像GDと識別可能に表示された一つの指示画像GDを選択するユーザーからの操作に基づいて、当該一つの指示画像GDと対応する点であって、第2撮像画像情報106の示す画像から検出された点を選択する。また、座標管理部124は、当該ユーザーからの操作に基づいて、第3座標情報112を更新する。
【0072】
行列生成部125は、対応関係にある複数の点の座標に基づいて、射影変換行列115を生成する。すなわち、行列生成部125は、座標情報109に基づいて、射影変換行列115を生成する。
【0073】
本実施形態において、行列生成部125は、第1座標情報110と、第2座標情報111とに基づいて、第1射影変換行列116を生成する。また、行列生成部125は、生成した第1射影変換行列116を記憶装置10に記憶させる。
【0074】
第1射影変換行列116は、第1の期間における光変調器160の備える複数の画素と、第1の期間における撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を示す情報である。具体的には、第1射影変換行列116は、第1の期間における撮像素子140の備える画素の座標を、第1の期間における光変調器160の備える画素の座標へ変換するための射影変換行列である。換言すれば、第1射影変換行列116は、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等が変化する前の撮像素子140が備える画素の座標を、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等が変化する前の光変調器160が備える画素の座標へ変換するための射影変換行列である。
【0075】
また、行列生成部125は、第1座標情報110と、第4座標情報113とに基づいて、第2射影変換行列117を生成する。また、行列生成部125は、生成した第2射影変換行列117を記憶装置10に記憶させる。
【0076】
第2射影変換行列117は、第4の期間における光変調器160の備える複数の画素と、第4の期間における撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を示す情報である。具体的には、第2射影変換行列117は、第4の期間における撮像素子140の備える画素の座標を、第4の期間における光変調器160の備える画素の座標へ変換するための射影変換行列である。換言すれば、第2射影変換行列117は、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等が変化した後の撮像素子140が備える画素の座標を、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等が変化した後の光変調器160が備える画素の座標へ変換するための射影変換行列である。
【0077】
また、行列生成部125は、第3座標情報112と、第1射影変換行列116と、第5座標情報114と、第2射影変換行列117とに基づいて、第3射影変換行列118を生成する。また、行列生成部125は、生成した第3射影変換行列118を記憶装置10に記憶させる。
【0078】
第3射影変換行列118は、第3の期間における光変調器160の備える複数の画素と、第5の期間における光変調器160の備える複数の画素との対応関係を示す情報である。具体的には、第3射影変換行列118は、第3の期間における光変調器160の備える画素の座標を、第5の期間における光変調器160の備える画素の座標へ変換するための射影変換行列である。換言すれば、第3射影変換行列118は、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等が変化する前の光変調器160が備える画素の座標を、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等が変化した後の光変調器160が備える画素の座標へ変換するための射影変換行列である。
【0079】
補正部123は、投射面上に表示される投射画像の位置および形状を補正する。具体的には、補正部123は、ユーザーからの操作に基づいて、第1の補正を実行する。また、補正部123は、行列生成部125によって生成された射影変換行列115に基づいて、第2の補正を実行する。
【0080】
本実施形態において、補正部123は、ポインター画像GC1を移動するユーザーからの操作に基づいて投射画像GP2の角の位置を変更することで、投射画像GP2を補正する第1の補正を実行する。換言すれば、補正部123は、ポインター画像GC1を移動するユーザーからの操作に基づいて、投射画像GP2が表示される際に投射される画像を表す第2投射画像情報103を更新する。
【0081】
また、補正部123は、第3射影変換行列118に基づいて、投射画像GP2を補正する第2の補正を実行する。換言すれば、補正部123は、第3射影変換行列118に基づいて、投射画像GP2が表示される際に投射される画像を表す第2投射画像情報103を更新する。
【0082】
図10は、第1撮像画像情報105の示す画像の一例を図示した模式図である。本実施形態において、第1撮像画像情報105は、撮像画像GS1を表す。
【0083】
撮像画像GS1は、画像GS11を含む。画像GS11は、壁面W1を表す画像である。画像GS11は、画像GV11と、画像GV12とを含む。
【0084】
画像GV11は、領域R1を表す画像である。画像GV11は、角CN3-1、角CN3-2、角CN3-3および角CN3-4を有する。角CN3-1は、角CN1-1と対応する。角CN3-2は、角CN1-2と対応する。角CN3-3は、角CN1-3と対応する。角CN3-4は、角CN1-4と対応する。
【0085】
画像GV12は、投射画像GP1-1を表す画像である。画像GV12は、複数の点を含む。第2座標情報111は、画像GV12に含まれる複数の点の座標を表す。画像GV12に含まれる複数の点は、投射画像GP1-1に含まれる複数の点と一対一で対応する。また、画像GV12に含まれる複数の点は、画像GF1に含まれる複数の点と一対一で対応する。
【0086】
図11は、第2撮像画像情報106の示す画像の一例を図示した模式図である。本実施形態において、第2撮像画像情報106は、撮像画像GS2を表す。
【0087】
撮像画像GS2は、画像GS21を含む。画像GS21は、壁面W1を表す画像である。画像GS21は、画像GV21と、画像GV22とを含む。
【0088】
画像GV21は、領域R1を表す画像である。画像GV21は、角CN4-1、角CN4-2、角CN4-3および角CN4-4を有する。角CN4-1は、角CN1-1と対応する。すなわち、角CN4-1は、角画像GC2-1と対応する。角CN4-2は、角CN1-2と対応する。すなわち、角CN4-2は、角画像GC2-2と対応する。角CN4-3は、角CN1-3と対応する。すなわち、角CN4-3は、角画像GC2-3と対応する。角CN4-4は、角CN1-4と対応する。すなわち、角CN4-4は、角画像GC2-4と対応する。画像GV12は、投射画像GP2-2を表す画像である。
【0089】
撮像画像GS2は、複数の点D1を含む。複数の点D1は、複数の指示画像GDと一対一で対応する。また、複数の点D1は、角CN4-1に対応する一以上の点D1と、角CN4-2に対応する一以上の点D1と、角CN4-3に対応する一以上の点D1と、角CN4-4に対応する一以上の点D1とを含む。また、複数の点D1は、点D1-1を含む。点D1-1は、指示画像GD-1と対応する。例えば、ユーザーが指示画像GD-1を選択する操作を実行した場合、座標管理部124は、指示画像GD-1と対応する点D1-1を選択する。また、座標管理部124は、当該ユーザーからの操作に基づいて、第3座標情報112を更新する。ユーザーからの操作に基づいて更新された第3座標情報112は、ユーザーからの操作に基づいて選択された点D1の座標を表す。
【0090】
図12は、第3撮像画像情報107の示す画像の一例を図示した模式図である。本実施形態において、第3撮像画像情報107は、撮像画像GS3を表す。
【0091】
撮像画像GS3は、画像GS31を含む。画像GS31は、壁面W1を表す画像である。画像GS31は、画像GV31と、画像GV32とを含む。
【0092】
画像GV31は、領域R1を表す画像である。画像GV31は、角CN5-1、角CN5-2、角CN5-3および角CN5-4を有する。角CN5-1は、角CN1-1と対応する。角CN5-2は、角CN1-2と対応する。角CN5-3は、角CN1-3と対応する。角CN5-4は、角CN1-4と対応する。
【0093】
画像GV32は、投射画像GP1-2を表す画像である。画像GV32は、複数の点を含む。第4座標情報113は、画像GV32に含まれる複数の点の座標を表す。画像GV32に含まれる複数の点は、投射画像GP1-2に含まれる複数の点と一対一で対応する。また、画像GV32に含まれる複数の点は、画像GF1に含まれる複数の点と一対一で対応する。
【0094】
図13は、第4撮像画像情報108の示す画像の一例を図示した模式図である。本実施形態において、第4撮像画像情報108は、撮像画像GS4を表す。
【0095】
撮像画像GS4は、画像GS41を含む。画像GS41は、壁面W1を表す画像である。画像GS41は、画像GV41と、画像GV42とを含む。
【0096】
画像GV41は、領域R1を表す画像である。画像GV41は、角CN6-1、角CN6-2、角CN6-3および角CN6-4を有する。角CN6-1は、角CN1-1と対応する。角CN6-2は、角CN1-2と対応する。角CN6-3は、角CN1-3と対応する。角CN6-4は、角CN1-4と対応する。画像GV42は、投射画像GP2-3を表す画像である。
【0097】
撮像画像GS4は、複数の点D2を含む。また、複数の点D2は、角CN6-1に対応する一以上の点D2と、角CN6-2に対応する一以上の点D2と、角CN6-3に対応する一以上の点D2と、角CN6-4に対応する一以上の点D2とを含む。第5座標情報114は、複数の点D2の座標を表す。
【0098】
図14は、第2の補正について説明するための模式図である。
図14では、第2の補正の前後で光変調器160に表示される画像をそれぞれ示している。画像GF2-2は、第3の期間および第5の期間において光変調器160に表示される画像である。すなわち、画像GF2-2は、第1の補正によって更新された第2投射画像情報103の示す画像である。また、画像GF2-2は、第2の補正が実行される前の画像である。画像GF2-4は、第6の期間において光変調器160に表示される画像である。すなわち、画像GF2-4は、第1の補正および第2の補正によって更新された第2投射画像情報103の示す画像である。補正部123は、第3射影変換行列118に基づいて、画像GF2-2を、画像GF2-4へ補正する。
【0099】
点D3-1は、撮像画像GS2に含まれる画像GV21の有する角CN4-1に位置する点の座標を第1射影変換行列116によって変換することで得られる点である。同様に、点D3-2は、撮像画像GS2に含まれる画像GV21の有する角CN4-2に位置する点の座標を第1射影変換行列116によって変換することで得られる点である。また、点D3-3は、撮像画像GS2に含まれる画像GV21の有する角CN4-3に位置する点の座標を第1射影変換行列116によって変換することで得られる点である。また、点D3-4は、撮像画像GS2に含まれる画像GV21の有する角CN4-4に位置する点の座標を第1射影変換行列116によって変換することで得られる点である。領域R4は、点D3-1、点D3-2、点D3-3および点D3-4を頂点とする四角形で囲まれた領域である。すなわち、領域R4は、画像GV21の示す第3の期間における領域R1と対応する、光変調器160上の領域である。画像GF2-2は、領域R4の内側に表示される
【0100】
点D4-1は、撮像画像GS4に含まれる画像GV41の有する角CN6-1に位置する点の座標を第2射影変換行列117によって変換することで得られる点である。同様に、点D4-2は、撮像画像GS4に含まれる画像GV41の有する角CN6-2に位置する点の座標を第2射影変換行列117によって変換することで得られる点である。また、点D4-3は、撮像画像GS4に含まれる画像GV41の有する角CN6-3に位置する点の座標を第2射影変換行列117によって変換することで得られる点である。また、点D4-4は、撮像画像GS4に含まれる画像GV41の有する角CN6-4に位置する点の座標を第2射影変換行列117によって変換することで得られる点である。領域R5は、点D4-1、点D4-2、点D4-3および点D4-4を頂点とする四角形で囲まれた領域である。すなわち、領域R5は、画像GV41の示す第5の期間における領域R1と対応する、光変調器160上の領域である。
【0101】
第2の補正に用いられる第3射影変換行列118は、点D3-1の座標を点D4-1の座標へ、点D3-2の座標を点D4-2の座標へ、点D3-3の座標を点D4-3の座標へ、点D3-4の座標を点D4-4の座標へ、それぞれ変換する行列である。このため、第3射影変換行列118に基づいて、画像GF2-2が画像GF2-4へ補正される場合、画像GF2-2の有する四つの角と、領域R4の有する四つの角との位置関係は、画像GF2-4の有する四つの角と、領域R5の有する四つの角との位置関係に引き継がれる。この結果、第6の期間において、光変調器160に画像GF2-4を表示することで壁面W1上に投射画像GP2-4を表示する場合、領域R1の有する角CN1-1~CN1-4と、投射画像GP2の有する角CN2-1~角CN2-4との位置関係は、第3の期間と同様に維持される。
【0102】
図7に戻り、撮像素子140は、例えば、CCDまたはCMOS等を一例とするイメージセンサーである。ここで、CCDとはCharge Coupled Deviceの略称であり、CMOSとはComplementary Metal Oxide Semiconductorの略称である。
【0103】
撮像装置14は、撮像制御部121の制御により、投射画像が表示された投射面上の領域を含む範囲を撮像する。また、撮像装置14は、投射画像が表示された投射面上の領域を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像情報104を処理装置12へ出力する。換言すれば、撮像装置14は、撮像画像情報104の示す撮像画像を処理装置12へ出力する。
【0104】
光変調器160は、例えば、1または複数の液晶パネルを含んで構成される。なお、光変調器160は、液晶パネルの代わりに、DMDを含んで構成されてもよい。光変調器160は、処理装置12から入力される信号に基づいて、光源から発せられた光を、投射面上に投射画像を表示するための投射光に変調する。光源は、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LEDまたはレーザー光源等を含む。ここで、LEDとはLight Emitting Diodeの略称であり、DMDとはDigital Mirror Deviceの略称である。
【0105】
投射装置16は、投射制御部120の制御により、投射面上に投射画像を表示するための投射光を投射する。換言すれば、投射装置16は、処理装置12から入力された画像を投射面へ投射する。
【0106】
操作装置18は、プロジェクター1のユーザーから、プロジェクター1に対する入力操作を受け付ける。操作装置18は、例えば、プロジェクター1の筐体に設けられたタッチパネルまたは操作ボタン等を含んで構成される。操作装置18がタッチパネルを含んで構成される場合、操作装置18は、検出したタッチ位置を示すデータを処理装置12へ出力する。また、操作装置18が操作ボタンを含んで構成される場合、操作装置18は、押下されたボタンを識別するデータを処理装置12へ出力する。また、操作装置18は、ユーザーの操作に基づいてリモートコントローラーから出力される操作信号を受信するための受信装置を含んで構成されてもよい。操作装置18が受信装置を含んで構成される場合、操作装置18はリモートコントローラーから受信した操作信号の示すデータを処理装置12へ出力する。これにより、プロジェクター1に対する入力操作の内容が処理装置12へ伝達される。
【0107】
1.3.プロジェクターの動作
以下、
図15および
図16を参照しつつ、第1実施形態に係るプロジェクター1の動作について説明する。
【0108】
図15は、第1の期間から第3の期間までを含む時間帯におけるプロジェクター1の動作について説明するためのフローチャートである。
図15のフローチャートに示す一連の動作は、第2の補正に係る準備のための動作である。また、
図15のフローチャートに示す一連の動作は、例えば、プロジェクター1の電源がONになり、操作装置18がプロジェクター1のユーザーから動作開始に関する入力操作を受け付けた際に開始される。
【0109】
ステップS101において、投射制御部120は、第1投射画像情報102に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、壁面W1の領域R2に投射画像GP1-1を表示させる。
【0110】
ステップS102において、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1-1が表示された壁面W1上の領域R2を含む範囲を撮像させる。また、撮像制御部121は、撮像装置14から、当該撮像の結果を表す撮像画像GS1を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像GS1を表す第1撮像画像情報105を記憶装置10に記憶させる。
【0111】
ステップS103において、検出部122は、第1撮像画像情報105の示す撮像画像GS1に対して画像処理を実行することで、撮像画像GS1に含まれる複数の点を検出する。すなわち、検出部122は、撮像画像GS1に含まれる複数の点の座標を表す第2座標情報111を取得する。また、検出部122は、取得した第2座標情報111を記憶装置10に記憶させる。
【0112】
ステップS104において、行列生成部125は、第1座標情報110と、第2座標情報111とに基づいて、第1射影変換行列116を生成する。また、行列生成部125は、生成した第1射影変換行列116を記憶装置10に記憶させる。
【0113】
ステップS105において、投射制御部120は、第2投射画像情報103に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、壁面W1の領域R1に投射画像GP2-1を表示させる。また、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、投射画像GP2-1の有する角に位置するポインター画像GC1を壁面W1上に表示させる。すなわち、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、角CN2-1の位置を示すポインター画像GC1-1と、角CN2-2の位置を示すポインター画像GC1-2と、角CN2-3の位置を示すポインター画像GC1-3と、角CN2-4の位置を示すポインター画像GC1-4とを表示させる。
【0114】
ステップS106において、補正部123は、ポインター画像GC1を移動するユーザーからの操作に基づいて投射画像GP2-1の角の位置を変更することで、投射画像GP2の形状を補正する第1の補正を実行する。換言すれば、補正部123は、ポインター画像GC1を移動するユーザーからの操作に基づいて、第2投射画像情報103を更新する。第1の補正が実行された場合、壁面W1上には、投射画像GP2-2が表示される。
【0115】
ステップS107において、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP2-2が表示された壁面W1上の領域R1を含む範囲を撮像させる。また、撮像制御部121は、撮像装置14から、当該撮像の結果を表す撮像画像GS2を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像GS2を表す第2撮像画像情報106を記憶装置10に記憶させる。
【0116】
ステップS108において、検出部122は、第2撮像画像情報106の示す撮像画像GS2に対して画像処理を実行することで、撮像画像GS2に含まれる複数の点D1を検出する。すなわち、検出部122は、撮像画像GS2に含まれる複数の点D1の座標を表す第3座標情報112を取得する。また、検出部122は、取得した第3座標情報112を記憶装置10に記憶させる。
【0117】
ステップS109において、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、壁面W1上の領域R1の有する角に位置する角画像GC2を壁面W1上に表示させる。すなわち、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、角CN1-1の位置を示す角画像GC2-1と、角CN1-2の位置を示す角画像GC2-2と、角CN1-3の位置を示す角画像GC2-3と、角CN1-4の位置を示す角画像GC2-4とを表示させる。また、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、複数の点D1と一対一で対応する複数の指示画像GDを壁面W1上に表示させる。
【0118】
ステップS110において、座標管理部124は、ユーザーからの操作に基づいて、角画像GC2-1~GC2-4のうちの一つの角画像GC2を選択する。換言すれば、座標管理部124は、ユーザーからの操作に基づいて、角画像GC2-1~GC2-4のうちの一つの角画像GC2が示す領域R1の角を選択する。
【0119】
ステップS111において、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、ユーザーからの操作に基づいて選択された一つの角画像GC2が示す領域R1の角に対応する一以上の指示画像GDの中から決定された、選択の候補となる一つの指示画像GDを繰り返し点滅させることで、指示画像GDを他の指示画像GDと識別可能に表示する。
【0120】
ステップS112において、座標管理部124は、他の指示画像GDと識別可能に表示された一つの指示画像を選択するユーザーからの操作に基づいて、当該一つの指示画像GDと対応する点D1を選択する。また、座標管理部124は、当該ユーザーからの操作に基づいて、第3座標情報112を更新する。
【0121】
ステップS113において、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、ユーザーからの操作に基づいて選択された点D1と対応する指示画像GDの色を変更する。
【0122】
ステップS114において、座標管理部124は、ユーザーからの操作に基づいて選択された一つの角画像GC2が示す領域R1の角における一以上の指示画像GDの選択を終了するユーザーからの操作を受け付けたか否か判定する。換言すれば、座標管理部124は、ユーザーからの操作に基づいて選択された一つの角画像GC2と対応する画像GV21の角における一以上の点D1の選択を終了するユーザーからの操作を受け付けたか否か判定する。ユーザーからの操作に基づいて選択された一つの角画像GC2と対応する画像GV21の角における一以上の点D1の選択を終了するユーザーからの操作を受け付けた場合、すなわち、ステップS114でYESの場合、座標管理部124は処理をステップS115へ進める。また、ユーザーからの操作に基づいて選択された一つの角画像GC2と対応する画像GV21の角における一以上の点D1の選択を終了するユーザーからの操作を受け付けていない場合、すなわち、ステップS114でNOの場合、座標管理部124は処理をステップS111へ進める。
【0123】
ステップS114における判定の結果がNOの場合、処理装置12は、ステップS111~S113における動作を再度実行することで、ユーザーからの操作に基づく点D1の選択を続行する。
【0124】
ステップS115において、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、ユーザーからの操作に基づいて選択された一つの角画像GC2の色を変更する。
【0125】
ステップS116において、座標管理部124は、指示画像GDの選択を終了するユーザーからの操作を受け付けたか否か判定する。すなわち、座標管理部124は、点D1の選択を終了するユーザーからの操作を受け付けたか否か判定する。点D1の選択を終了するユーザーからの操作を受け付けた場合、すなわち、ステップS116でYESの場合、座標管理部124を備える処理装置12は
図15のフローチャートに示す一連の動作を終了させる。また、点D1の選択を終了するユーザーからの操作を受け付けていない場合、すなわち、ステップS116でNOの場合、座標管理部124は処理をステップS110へ進める。
【0126】
処理装置12は、ステップS116における判定の結果がYESとなるまで、ステップS110~S115における動作を繰り返し実行することで、四以上の点D1を選択する。すなわち、処理装置12は、角画像GC2-1が示す角CN1-1と対応関係にある角CN4-1に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択し、角画像GC2-2が示す角CN1-2と対応関係にある角CN4-2に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択し、角画像GC2-3が示す角CN1-3と対応関係にある角CN4-3に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択し、角画像GC2-4が示す角CN1-4と対応関係にある角CN4-4に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択することによって、四以上の点D1を選択する。
【0127】
なお、処理装置12は、例えばステップS108より後かつステップS109より前の段階において、複数の点D1を間引く処理を実行してもよい。例えば、角CN1-1に対応する複数の点D1の個数は、実際には数十個ほどであるが、これらと対応する複数の指示画像GDを全て表示すると、ユーザーは数の多さに起因してどの点D1を選択するべきか把握しづらくなる。したがって、処理装置12は、複数の点D1それぞれが、撮像画像GS2における位置に応じた値すなわち特徴量を有することを利用し、複数の点D1を間引く処理を実行してもよい。特徴量は、
図15のステップS108において撮像画像GS2に対して画像処理を実行した結果として算出される。例えば、処理装置12は、所定の閾値未満の特徴量を有する複数の点D1に対応する複数の指示画像GDを表示しないようにする。所定の閾値未満の特徴量を有する複数の点D1は、例えば領域R1の有する角に対応しない点など、投射画像GPの位置及び形状の制御に対する寄与が小さい成分である。
【0128】
図16は、第4の期間から第6の期間までを含む時間帯におけるプロジェクター1の動作について説明するためのフローチャートである。
図16のフローチャートに示す一連の動作は、第2の補正を実行するための動作である。
図16のフローチャートに示す一連の動作は、例えば、一定時間毎に開始されてもよいし、ユーザーから動作開始に関する入力操作を受け付けた際に開始されてもよい。
【0129】
ステップS201において、投射制御部120は、第1投射画像情報102に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、壁面W1の領域R3に投射画像GP1-2を表示させる。
【0130】
ステップS202において、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1-2が表示された壁面W1上の領域R3を含む範囲を撮像させる。また、撮像制御部121は、撮像装置14から、当該撮像の結果を表す撮像画像GS3を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像GS3を表す第3撮像画像情報107を記憶装置10に記憶させる。
【0131】
ステップS203において、検出部122は、第3撮像画像情報107の示す撮像画像GS3に対して画像処理を実行することで、撮像画像GS3に含まれる複数の点を検出する。すなわち、検出部122は、撮像画像GS3に含まれる複数の点の座標を表す第4座標情報113を取得する。また、検出部122は、取得した第4座標情報113を記憶装置10に記憶させる。
【0132】
ステップS204において、行列生成部125は、第1座標情報110と、第4座標情報113とに基づいて、第2射影変換行列117を生成する。また、行列生成部125は、生成した第2射影変換行列117を記憶装置10に記憶させる。
【0133】
ステップS205において、投射制御部120は、第2投射画像情報103に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、壁面W1の領域R1に投射画像GP2-3を表示させる。
【0134】
ステップS206において、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP2-3が表示された壁面W1上の領域R1を含む範囲を撮像させる。また、撮像制御部121は、撮像装置14から、当該撮像の結果を表す撮像画像GS4を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像GS4を表す第4撮像画像情報108を記憶装置10に記憶させる。
【0135】
ステップS207において、検出部122は、第4撮像画像情報108の示す撮像画像GS4に対して画像処理を実行することで、撮像画像GS4に含まれる複数の点D2を検出する。すなわち、検出部122は、撮像画像GS4に含まれる複数の点D2の座標を表す第5座標情報114を取得する。また、検出部122は、取得した第5座標情報114を記憶装置10に記憶させる。
【0136】
ステップS208において、行列生成部125は、第3座標情報112と、第1射影変換行列116と、第5座標情報114と、第2射影変換行列117とに基づいて、第3射影変換行列118を生成する。また、行列生成部125は、生成した第3射影変換行列118を記憶装置10に記憶させる。
【0137】
なお、ステップS207の後かつステップS208の前に、処理装置12は、撮像画像GS4から検出された複数の点D2の中から、第3の期間においてユーザーが選択した四以上の点D1に相当する点を探索するプロセスを実行してもよい。具体的には、処理装置12は、複数の点D2のうちユーザーが選択した四以上の点D1と同じ特徴量を有する点を探索する。これは、処理装置12が第2の補正を実行するにあたり、撮像画像GS2における四以上の点D1が、撮像画像GS4においてどこに移動したのかを精度よく認識する必要があるからである。処理装置12は、点D1が特徴量を有することを利用し、第5の期間における複数の点D2と第3の期間における四以上の点D1との対応付け、すなわちマッチングを精度よく行うことができる。これにより、第5の期間における複数の点D2と第3の期間における四以上の点D1とのマッチングエラーが抑制され、第3射影変換行列118の生成精度がさらに向上する。
【0138】
ステップS209において、補正部123は、第3射影変換行列118に基づいて、投射画像GP2-3を補正する第2の補正を実行する。換言すれば、補正部123は、第3射影変換行列118に基づいて、第2投射画像情報103を更新する。第2の補正が実行された場合、壁面W1上には、投射画像GP2-4が表示される。
【0139】
以上より、第1実施形態によれば、プロジェクター1は、第2の補正を実行することで、表示領域に表示された投射画像の位置および形状を補正する。すなわち、プロジェクター1は、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等が変化した場合であっても、投射画像が表示される位置、および、投射画像の形状を、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等が変化する前と同様に維持することができる。換言すれば、プロジェクター1は、表示領域の有する四つの角と、投射画像の有する四つの角との位置関係を維持することができる。
【0140】
また、第1実施形態によれば、プロジェクター1は、ユーザーからの操作に基づいて第1の補正を実行することで、表示領域に表示された投射画像の形状を補正する。すなわち、プロジェクター1は、ユーザーの所望する形状で投射画像を表示することができる。また、ユーザーは、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等を正確に調整することなく、簡便に、投射画像の形状を調整することができる。
【0141】
以上に説明したように、第1実施形態に係る投射方法は、投射装置16を制御することで、壁面W1上の領域であって、四つの角を有する領域R1の内側に、四つの角を有する投射画像GP2を表示することと、投射画像GP2が表示されている領域R1を含む範囲の撮像画像である撮像画像GS2を取得することと、撮像画像GS2に画像処理を実行することで、撮像画像GS2に含まれる領域R1を示す画像GV21の有する四つの角に一対一で対応する複数の点D1を検出することと、投射装置16を制御することで、投射画像GP2の有する角に位置するとともに投射画像GP2の形状を調整するためのポインター画像GC1を表示することと、ポインター画像GC1を移動するユーザーからの操作に基づいて投射画像GP2の角の位置を変更することで、投射画像GP2の形状を補正する第1の補正を実行することと、複数の点D1に基づいて、領域R1の四つの角と、第1の補正によって決定された投射画像GP2の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を含む。
【0142】
また、第1実施形態に係るプログラム100は、処理装置12に、投射装置16を制御することで、壁面W1上の領域であって、四つの角を有する領域R1の内側に、四つの角を有する投射画像GP2を表示することと、投射画像GP2が表示されている領域R1を含む範囲の撮像画像である撮像画像GS2を取得することと、撮像画像GS2に画像処理を実行することで、撮像画像GS2に含まれる領域R1を示す画像GV21の有する四つの角に一対一で対応する複数の点D1を検出することと、投射装置16を制御することで、投射画像GP2の有する角に位置するとともに投射画像GP2の形状を調整するためのポインター画像GC1を表示することと、ポインター画像GC1を移動するユーザーからの操作に基づいて投射画像GP2の角の位置を変更することで、投射画像GP2の形状を補正する第1の補正を実行することと、複数の点D1に基づいて、領域R1の四つの角と、第1の補正によって決定された投射画像GP2の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を実行させる。
【0143】
すなわち、プロジェクター1は、ユーザーからの操作に基づいて第1の補正を実行することで、投射画像GP2の形状を、ユーザーの所望の形状に補正する。また、プロジェクター1は、第2の補正を実行することで、投射画像GP2が表示される位置、および、投射画像GP2の形状を維持する。従って、プロジェクター1は、投射画像GP2の形状を、ユーザーの所望の形状で維持することができる。また、第1の補正は、ユーザーの操作に基づいて実行される。このため、ユーザーは、プロジェクター1の位置、向きおよび角度等を正確に調整することなく、簡便に、投射画像GP2の形状を調整することができる。
【0144】
なお、第1実施形態において、投射装置16は「投射装置」の一例であり、壁面W1は「投射面」の一例であり、領域R1は「表示領域」の一例であり、投射画像GP2は「投射画像」の一例であり、撮像画像GS2は「第1撮像画像」の一例であり、画像GV21は「第1の画像」の一例であり、点D1は「第1特徴点」の一例であり、複数の点D1は「複数の第1特徴点」の一例であり、ポインター画像GC1は「ポインター画像」の一例であり、プログラム100は「プログラム」の一例であり、処理装置12は「処理装置」の一例である。また、「四つの角を有する表示領域」における四つの角は角CN1-1~CN1-4を一例とする。また、「四つの角を有する投射画像」における四つの角は角CN2-1~CN2-4を一例とする。また、「第1の画像の四つの角」は、角CN4-1~CN4-4を一例とする。
【0145】
また、第1実施形態に係る投射方法において、画像GV21の四つの角は、角CN4-1、角CN4-2、角CN4-3および角CN4-4を含み、複数の点D1は、角CN4-1に対応する一以上の点D1と、角CN4-2に対応する一以上の点D1と、角CN4-3に対応する一以上の点D1と、角CN4-4に対応する一以上の点D1と、を含み、投射装置16を制御することで、複数の点D1と一対一で対応する複数の指示画像GDを壁面W1に表示することと、投射装置16を制御することで、複数の指示画像GDのうちの一つの指示画像GDを他の指示画像GDと識別可能に壁面W1に表示することと、壁面W1に表示される複数の指示画像GDのうちの一つの指示画像GDを選択するユーザー操作に応じて、選択された一つの指示画像GDと対応する一つの点D1を、第2の補正を実行するための点D1として設定することと、第2の補正を実行するための複数の点D1を設定することは、角CN4-1に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択し、角CN4-2に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択することと、角CN4-3に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択することと、角CN4-4に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択することとを、含む、四以上の点D1を選択するユーザー操作を受け付けることと、を更に含み、第2の補正を実行することは、第1の補正が実行された投射画像GP2が表示されている領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像GS4を取得することと、撮像画像GS4に画像処理を実行することで、撮像画像GS4に含まれる領域R1を示す画像GV41の有する四つの角の各々に一以上が対応する複数の点D2を検出することと、当該四以上の点D1の座標と、複数の点D2の座標と、に基づいて、第2の補正を実行することと、を含む。
【0146】
画像処理によって検出される点D1の数が多い場合、点D2との対応付けがうまくいかず、第2の補正に用いられる第3射影変換行列118の生成精度が低下する場合がある。このため、検出された複数の点D1をユーザーが取捨選択することが好ましい。プロジェクター1は、検出された複数の点D1と一対一で対応する複数の指示画像GDを表示する。また、プロジェクター1は、指示画像GDを選択するユーザーからの操作に基づいて、複数の点D1を選択し、選択された複数の点D1の座標に基づいて第2の補正を実行する。従って、プロジェクター1は、第2の補正に用いられる第3射影変換行列118を精度良く生成することが可能となり、より精確に、投射画像GP2の形状をユーザーの所望の形状で維持することができる。
【0147】
なお、第1実施形態において、角CN4-1は「第1の角」の一例であり、角CN4-2は「第2の角」の一例であり、角CN4-3は「第3の角」の一例であり、角CN4-4は「第4の角」の一例であり、複数の指示画像GDは「複数の指示画像」の一例であり、一つの指示画像GDは「一つの指示画像」の一例であり、撮像画像GS4は「第2撮像画像」の一例であり、画像GV41は「第2の画像」の一例であり、点D2は「第2特徴点」の一例であり、複数の点D2は「複数の第2特徴点」の一例である。また、「第2の画像の有する四つの角」は、角CN6-1~CN6-4を一例とする。
【0148】
また、第1実施形態に係る投射方法は、投射装置16を制御することで、領域R1の有する四つの角と一対一で対応する四つの角画像GC2を壁面W1に表示することと、角CN4-1において、一以上の点D1の選択が終了した場合、四つの角画像GC2のうち角CN4-1に対応する角画像GC2-1の表示態様を変更することと、を更に含み、画像GV21の四つの角は、四つの角画像GC2と一対一で対応する。
【0149】
これにより、ユーザーは、点D1の選択が終了した角と、点D1の選択が終了していない角とを容易に見分けることができる。
【0150】
なお、第1実施形態において、四つの角画像GC2は「四つの角画像」の一例であり、角画像GC2-1は「一つの角画像」の一例である。
【0151】
また、第1実施形態に係る投射方法は、一つの点D1を選択することに応じて、一つの指示画像GDの表示態様を変更することを更に含む。
【0152】
これにより、ユーザーは、選択された点D1と対応する指示画像GDと、未選択の点D1と対応する指示画像GDとを容易に見分けることができる。
【0153】
また、第1実施形態に係る投射方法において、複数の指示画像GDのうちの一つの指示画像GDを他の指示画像GDと識別可能に壁面W1に表示することは、時間の経過に応じて表示態様が変化する当該一つの指示画像GDを表示することを含む。
【0154】
例えば、プロジェクター1は、ユーザーの選択の候補となる一つの指示画像GDを繰り返し点滅させたりすることで、時間の経過とともに当該指示画像GDの表示態様を変更する。これにより、ユーザーは、選択の候補となる一つの指示画像GDと、他の指示画像GDとを容易に見分けることができる。
【0155】
また、第1実施形態に係る投射方法において、複数の指示画像GDのうちの一つの指示画像GDを他の指示画像GDと識別可能に壁面W1に表示することは、当該一つの指示画像GDを、ポインター画像GC1とは異なる表示態様で表示することを含む。
【0156】
これにより、ユーザーは、指示画像GDと、ポインター画像GC1とを容易に見分けることができる。
【0157】
2.変形例
以上の実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。また、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が前述の実施形態と同等である要素については、以上の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
【0158】
2.1.変形例1
前述の実施形態において、一つの点D1が選択されることに応じて、当該一つの点D1と対応する指示画像GDの色が変更される場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、一つの点D1が選択されることに応じて、当該一つの点D1と対応する指示画像GDの形状が変更されてもよい。また、一つの点D1が選択されることに応じて、当該一つの点D1と対応する指示画像GDの大きさが変更されてもよい。
【0159】
2.2.変形例2
前述の実施形態および変形例において、ユーザーからの操作に基づいて選択された一つの角画像GC2と対応する画像GV21の角における一以上の点D1の選択を終了するユーザーからの操作を操作装置18が受け付けた場合、当該一つの角画像GC2の色が変更される場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、ユーザーからの操作に基づいて選択された一つの角画像GC2と対応する画像GV21の角における一以上の点D1の選択を終了するユーザーからの操作を操作装置18が受け付けた場合、当該一つの角画像GC2の形状が変更されてもよい。また、ユーザーからの操作に基づいて選択された一つの角画像GC2と対応する画像GV21の角における一以上の点D1の選択を終了するユーザーからの操作を操作装置18が受け付けた場合、当該一つの角画像GC2の大きさが変更されてもよい。
【0160】
2.3.変形例3
前述の実施形態および変形例において、プロジェクター1が本発明に係る投射方法を実現する場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、処理装置12と同様の機能を有する情報処理装置と、当該情報処理装置と通信可能に接続されたプロジェクターとを備える投射システムによって、本発明に係る投射方法が実現されてもよい。
【0161】
2.4.変形例4
前述の実施形態および変形例において、投射画像GP1が、所謂水玉模様を有する画像である場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。投射画像GP1は、例えば、画像の長手方向と平行な複数の直線と、画像の短手方向と平行な複数の直線とが描かれた、所謂格子状のパターンを有する画像であってもよい。また、投射画像GP1は、所謂チェッカーパターンを有する画像であってもよい。
【0162】
2.5.変形例5
前述の実施形態および変形例において、第2撮像画像情報106が、第3の期間において取得された撮像画像、すなわち、第1の補正が実施された後に取得された撮像画像を表す場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。第2撮像画像情報106は、第1の補正が実施される前に取得された撮像画像であってもよい。
【0163】
2.6.変形例6
プロジェクター1によって実行される一部またはすべての制御は、処理装置12によって実行されてもよい。また、処理装置12によって実行される一部またはすべての制御は、プロジェクター1によって実行されてもよい。
【0164】
3.付記
以下、付記として本発明のまとめを記載する。
【0165】
3.1.付記1
投射装置を制御することで、投射面上の領域としての、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、前記投射画像が表示される前記表示領域を含む範囲の撮像画像である第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、前記投射装置を制御することで、前記投射画像の角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、前記ポインター画像を移動するための前記ユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を含む、投射方法。
【0166】
すなわち、付記1に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、ユーザーからの操作に基づいて第1の補正を実行することで、投射画像の形状を、ユーザーの所望の形状に補正する。また、付記1に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、第2の補正を実行することで、投射画像が表示される位置、および、投射画像の形状を維持する。従って、付記1に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、投射画像の形状を、ユーザーの所望の形状で維持することができる。また、第1の補正は、ユーザーの操作に基づいて実行される。このため、ユーザーは、プロジェクターの位置、向きおよび角度等を正確に調整することなく、簡便に、投射画像の形状を調整することができる。
【0167】
3.2.付記2
前記第1の画像の四つの角は、第1の角、第2の角、第3の角および第4の角を含み、前記複数の第1特徴点は、前記第1の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第2の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第3の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第4の角に対応する一以上の第1特徴点と、を含み、前記投射装置を制御することで、前記複数の第1特徴点と一対一で対応する複数の指示画像を前記投射面に表示することと、前記投射装置を制御することで、前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することと、前記投射面に表示される前記複数の指示画像のうちの前記一つの指示画像を選択するユーザー操作に応じて、選択された前記一つの指示画像と対応する一つの第1特徴点を、前記第2の補正を実行するための前記第1特徴点として設定することと、前記第2の補正を実行するための前記複数の第1特徴点を設定することは、前記第1の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、前記第2の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、前記第3の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、前記第4の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、を含む、四以上の第1特徴点を選択するユーザー操作を受け付けることと、を更に含み、前記第2の補正を実行することは、前記第1の補正が実行された前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第2撮像画像を取得することと、前記第2撮像画像に画像処理を実行することで、前記第2撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第2の画像の有する四つの角の各々に一以上が対応する複数の第2特徴点を検出することと、前記四以上の第1特徴点の座標と、前記複数の第2特徴点の座標と、に基づいて、前記第2の補正を実行することと、を含む、
付記1に記載の投射方法。
【0168】
画像処理によって検出される第1特徴点の数が多い場合、第2特徴点との対応付けがうまくいかず、第2の補正に用いられる射影変換行列の生成精度が低下する場合がある。このため、検出された複数の第1特徴点をユーザーが取捨選択することが好ましい。付記2に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、検出された複数の第1特徴点と一対一で対応する複数の指示画像を表示する。また、付記2に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、指示画像を選択するユーザーからの操作に基づいて、複数の第1特徴点を選択し、選択された複数の第1特徴点の座標に基づいて第2の補正を実行する。従って、付記1に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、第2の補正に用いられる射影変換行列を精度良く生成することが可能となり、より精確に、投射画像の形状をユーザーの所望の形状で維持することができる。
【0169】
3.3.付記3
前記投射装置を制御することで、前記表示領域の有する四つの角と一対一で対応する四つの角画像を前記投射面に表示することと、前記第1の角において、一以上の第1特徴点の選択が終了した場合、前記四つの角画像のうち前記第1の角に対応する一つの角画像の表示態様を変更することと、を更に含み、前記第1の画像の四つの角は、前記四つの角画像と一対一で対応する、付記2に記載の投射方法。
【0170】
これにより、ユーザーは、第1特徴点の選択が終了した角と、第1特徴点の選択が終了していない角とを容易に見分けることができる。
【0171】
3.4.付記4
前記一つの第1特徴点を選択することに応じて、前記一つの指示画像の表示態様を変更することを更に含む、付記2または3に記載の投射方法。
【0172】
これにより、ユーザーは、選択された第1特徴点と対応する指示画像と、未選択の第1特徴点と対応する指示画像とを容易に見分けることができる。
【0173】
3.5.付記5
前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することは、時間の経過に応じて表示態様が変化する前記一つの指示画像を表示することを含む、付記2から付記4のうちのいずれか一つに記載の投射方法。
【0174】
例えば、付記5に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、ユーザーの選択の候補となる一つの指示画像を繰り返し点滅させたりすることで、時間の経過とともに当該指示画像の表示態様を変更する。これにより、ユーザーは、選択の候補となる一つの指示画像と、他の指示画像とを容易に見分けることができる。
【0175】
3.6.付記6
前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することは、前記一つの指示画像を、前記ポインター画像とは異なる表示態様で表示することを含む、付記2から付記4のうちのいずれか一つに記載の投射方法。
【0176】
これにより、ユーザーは、指示画像と、ポインター画像とを容易に見分けることができる。
【0177】
3.7.付記7
処理装置に、投射装置を制御することで、投射面上の領域であって、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の有する四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、前記投射装置を制御することで、前記投射画像の有する角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、前記ポインター画像を移動するための前記ユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を実行させる、プログラム。
【0178】
すなわち、付記7に記載のプログラムに従って動作するプロジェクターまたは投射システムは、ユーザーからの操作に基づいて第1の補正を実行することで、投射画像の形状を、ユーザーの所望の形状に補正する。また、付記7に記載のプログラムに従って動作するプロジェクターまたは投射システムは、第2の補正を実行することで、投射画像が表示される位置、および、投射画像の形状を維持する。従って、付記7に記載のプログラムに従って動作するプロジェクターまたは投射システムは、投射画像の形状を、ユーザーの所望の形状で維持することができる。また、第1の補正は、ユーザーの操作に基づいて実行される。このため、ユーザーは、プロジェクターの位置、向きおよび角度等を正確に調整することなく、簡便に、投射画像の形状を調整することができる。
【符号の説明】
【0179】
1…プロジェクター、10…記憶装置、12…処理装置、14…撮像装置、16…投射装置、18…操作装置、100…プログラム、101…投射画像情報、102…第1投射画像情報、103…第2投射画像情報、104…撮像画像情報、105…第1撮像画像情報、106…第2撮像画像情報、107…第3撮像画像情報、108…第4撮像画像情報、109…座標情報、110…第1座標情報、111…第2座標情報、112…第3座標情報、113…第4座標情報、114…第5座標情報、115…射影変換行列、116…第1射影変換行列、117…第2射影変換行列、118…第3射影変換行列、120…投射制御部、121…撮像制御部、122…検出部、123…補正部、124…座標管理部、125…行列生成部、140…撮像素子、142…撮像レンズ、160…光変調器、162…投射レンズ、GP1…投射画像、GC1…ポインター画像、GC2…角画像、GD…指示画像、GF1…画像、GS1…撮像画像、CN1…角、D1…点、R1…領域、W1…壁面。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投射装置を制御することで、投射面上の領域としての、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、
前記投射画像が表示される前記表示領域を含む範囲の撮像画像である第1撮像画像を取得することと、
前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、
前記投射装置を制御することで、前記投射画像の角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、
前記ポインター画像を移動するためのユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、
前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、
を含む、投射方法。
【請求項2】
前記第1の画像の四つの角は、第1の角、第2の角、第3の角および第4の角を含み、
前記複数の第1特徴点は、前記第1の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第2の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第3の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第4の角に対応する一以上の第1特徴点と、を含み、
前記投射装置を制御することで、前記複数の第1特徴点と一対一で対応する複数の指示画像を前記投射面に表示することと、
前記投射装置を制御することで、前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することと、
前記投射面に表示される前記複数の指示画像のうちの前記一つの指示画像を選択するユーザー操作に応じて、選択された前記一つの指示画像と対応する一つの第1特徴点を、前記第2の補正を実行するための前記第1特徴点として設定することと、
前記第2の補正を実行するための前記複数の第1特徴点を設定することは、
前記第1の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、
前記第2の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、
前記第3の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、
前記第4の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、
を含む、四以上の第1特徴点を選択するユーザー操作を受け付けることと、
を更に含み、
前記第2の補正を実行することは、
前記第1の補正が実行された前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第2撮像画像を取得することと、
前記第2撮像画像に画像処理を実行することで、前記第2撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第2の画像の有する四つの角の各々に一以上が対応する複数の第2特徴点を検出することと、
を含み、
前記四以上の第1特徴点の座標と、前記複数の第2特徴点の座標と、に基づいて、前記第2の補正を実行する
請求項1に記載の投射方法。
【請求項3】
前記投射装置を制御することで、前記表示領域の有する四つの角と一対一で対応する四つの角画像を前記投射面に表示することと、
前記第1の角において、一以上の第1特徴点の選択が終了した場合、前記四つの角画像のうち前記第1の角に対応する一つの角画像の表示態様を変更することと、
を更に含み、
前記第1の画像の四つの角は、前記四つの角画像と一対一で対応する、
請求項2に記載の投射方法。
【請求項4】
前記一つの第1特徴点を選択することに応じて、前記一つの指示画像の表示態様を変更することを更に含む、
請求項2または3に記載の投射方法。
【請求項5】
前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することは、時間の経過に応じて表示態様が変化する前記一つの指示画像を表示することを含む、
請求項2に記載の投射方法。
【請求項6】
前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することは、前記一つの指示画像を、前記ポインター画像とは異なる表示態様で表示することを含む、
請求項2に記載の投射方法。
【請求項7】
処理装置に、
投射装置を制御することで、投射面上の領域であって、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、
前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第1撮像画像を取得することと、
前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の有する四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、
前記投射装置を制御することで、前記投射画像の有する角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、
前記ポインター画像を移動するためのユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、
前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を実行させる、
プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明に係る投射方法の一態様は、投射装置を制御することで、投射面上の領域としての、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、
前記投射画像が表示される前記表示領域を含む範囲の撮像画像である第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、前記投射装置を制御することで、前記投射画像の角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、前記ポインター画像を移動するためのユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係るプログラムの一態様は、処理装置に、投射装置を制御することで、投射面上の領域であって、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の有する四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、前記投射装置を制御することで、前記投射画像の有する角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、前記ポインター画像を移動するためのユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を実行させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
画像GV21は、領域R1を表す画像である。画像GV21は、角CN4-1、角CN4-2、角CN4-3および角CN4-4を有する。角CN4-1は、角CN1-1と対応する。すなわち、角CN4-1は、角画像GC2-1と対応する。角CN4-2は、角CN1-2と対応する。すなわち、角CN4-2は、角画像GC2-2と対応する。角CN4-3は、角CN1-3と対応する。すなわち、角CN4-3は、角画像GC2-3と対応する。角CN4-4は、角CN1-4と対応する。すなわち、角CN4-4は、角画像GC2-4と対応する。画像GV22は、投射画像GP2-2を表す画像である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
また、第1実施形態に係る投射方法において、画像GV21の四つの角は、角CN4-1、角CN4-2、角CN4-3および角CN4-4を含み、複数の点D1は、角CN4-1に対応する一以上の点D1と、角CN4-2に対応する一以上の点D1と、角CN4-3に対応する一以上の点D1と、角CN4-4に対応する一以上の点D1と、を含み、投射装置16を制御することで、複数の点D1と一対一で対応する複数の指示画像GDを壁面W1に表示することと、投射装置16を制御することで、複数の指示画像GDのうちの一つの指示画像GDを他の指示画像GDと識別可能に壁面W1に表示することと、壁面W1に表示される複数の指示画像GDのうちの一つの指示画像GDを選択するユーザー操作に応じて、選択された一つの指示画像GDと対応する一つの点D1を、第2の補正を実行するための点D1として設定することと、を含み、第2の補正を実行するための複数の点D1を設定することは、角CN4-1に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択し、角CN4-2に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択することと、角CN4-3に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択することと、角CN4-4に対応する一以上の点D1から一以上の点D1を選択することとを、含む、四以上の点D1を選択するユーザー操作を受け付けることと、を更に含み、第2の補正を実行することは、第1の補正が実行された投射画像GP2が表示されている領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す撮像画像GS4を取得することと、撮像画像GS4に画像処理を実行することで、撮像画像GS4に含まれる領域R1を示す画像GV41の有する四つの角の各々に一以上が対応する複数の点D2を検出することと、当該四以上の点D1の座標と、複数の点D2の座標と、に基づいて、第2の補正を実行することと、を含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0165
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0165】
3.1.付記1
投射装置を制御することで、投射面上の領域としての、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、前記投射画像が表示される前記表示領域を含む範囲の撮像画像である第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、前記投射装置を制御することで、前記投射画像の角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、前記ポインター画像を移動するためのユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を含む、投射方法。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0167
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0167】
3.2.付記2
前記第1の画像の四つの角は、第1の角、第2の角、第3の角および第4の角を含み、前記複数の第1特徴点は、前記第1の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第2の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第3の角に対応する一以上の第1特徴点と、前記第4の角に対応する一以上の第1特徴点と、を含み、前記投射装置を制御することで、前記複数の第1特徴点と一対一で対応する複数の指示画像を前記投射面に表示することと、前記投射装置を制御することで、前記複数の指示画像のうちの一つの指示画像を他の指示画像と識別可能に前記投射面に表示することと、前記投射面に表示される前記複数の指示画像のうちの前記一つの指示画像を選択するユーザー操作に応じて、選択された前記一つの指示画像と対応する一つの第1特徴点を、前記第2の補正を実行するための前記第1特徴点として設定することと、前記第2の補正を実行するための前記複数の第1特徴点を設定することは、前記第1の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、前記第2の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、前記第3の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、前記第4の角に対応する一以上の第1特徴点から一以上の第1特徴点を選択することと、を含む、四以上の第1特徴点を選択するユーザー操作を受け付けることと、を更に含み、前記第2の補正を実行することは、前記第1の補正が実行された前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第2撮像画像を取得することと、前記第2撮像画像に画像処理を実行することで、前記第2撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第2の画像の有する四つの角の各々に一以上が対応する複数の第2特徴点を検出することと、を含み、前記四以上の第1特徴点の座標と、前記複数の第2特徴点の座標と、に基づいて、前記第2の補正を実行する、付記1に記載の投射方法。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0168
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0168】
画像処理によって検出される第1特徴点の数が多い場合、第2特徴点との対応付けがうまくいかず、第2の補正に用いられる射影変換行列の生成精度が低下する場合がある。このため、検出された複数の第1特徴点をユーザーが取捨選択することが好ましい。付記2に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、検出された複数の第1特徴点と一対一で対応する複数の指示画像を表示する。また、付記2に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、指示画像を選択するユーザーからの操作に基づいて、複数の第1特徴点を選択し、選択された複数の第1特徴点の座標に基づいて第2の補正を実行する。従って、付記2に記載の投射方法を実現するプロジェクターまたは投射システムは、第2の補正に用いられる射影変換行列を精度良く生成することが可能となり、より精確に、投射画像の形状をユーザーの所望の形状で維持することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0177
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0177】
3.7.付記7
処理装置に、投射装置を制御することで、投射面上の領域であって、四つの角を有する表示領域の内側に、四つの角を有する投射画像を表示することと、前記投射画像が表示されている前記表示領域を含む範囲を撮像した結果を表す第1撮像画像を取得することと、前記第1撮像画像に画像処理を実行することで、前記第1撮像画像に含まれる前記表示領域を示す第1の画像の有する四つの角に一対一で対応する複数の第1特徴点を検出することと、前記投射装置を制御することで、前記投射画像の有する角に位置するとともに前記投射画像の形状を調整するためのポインター画像を表示することと、前記ポインター画像を移動するための前記ユーザー操作に基づいて前記投射画像の角の位置を変更することで、前記投射画像の形状を補正する第1の補正を実行することと、前記複数の第1特徴点に基づいて、前記表示領域の四つの角と、前記第1の補正によって決定された前記投射画像の四つの角との位置関係を維持するための第2の補正を実行することと、を実行させる、プログラム。