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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099871
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】景品提供ユニット
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/00 20060101AFI20240719BHJP
   G07F 9/02 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G07F9/00 C
G07F9/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003466
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】396011174
【氏名又は名称】くら寿司株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100166811
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 剛
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 信
(72)【発明者】
【氏名】中村 英俊
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044CB01
3E044CB05
3E044DB05
3E044DE04
3E044EB02
(57)【要約】
【課題】従来とは異なる方法により、自動販売機による商品の販売に応じて購入者に景品を提供できれば有用である。
【解決手段】景品提供ユニット100は、第一自動販売機10及び第二自動販売機20のそれぞれに接続された状態で用いられる。景品提供ユニット100は、景品を収容する景品収容部に収容されている景品を払い出す払出機構と、第一自動販売機10から商品の販売に関する信号を取得する第一信号取得部171と、第二自動販売機20から商品の販売に関する信号を取得する第二信号取得部172と、第一信号取得部171による信号の取得結果と第二信号取得部172による信号の取得結果とに基づいて払出機構の制御を行う払出制御部とを備える。景品提供ユニット100により、従来とは異なる方法により、自動販売機10,20による商品の販売に応じて購入者に景品を提供することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一自動販売機及び第二自動販売機のそれぞれに接続された状態で用いられる景品提供ユニットであって、
景品を収容する景品収容部に収容されている景品を払い出す払出機構と、
前記第一自動販売機から商品の販売に関する信号を取得する第一信号取得部と、
前記第二自動販売機から商品の販売に関する信号を取得する第二信号取得部と、
前記第一信号取得部による前記信号の取得結果と前記第二信号取得部による前記信号の取得結果とに基づいて前記払出機構の制御を行う払出制御部とを備える、景品提供ユニット。
【請求項2】
前記払出機構は、払い出す景品が通過する景品排出経路を2以上有しており、かつ、景品の払出先となる景品排出口が2以上設けられており、
前記払出制御部は、前記第一の場合において前記景品の払い出しが行われるように制御を行う場合と前記第二の場合において前記景品の払い出しが行われるように制御を行う場合とで前記景品排出口が互いに異なるように前記払出機構の制御を行う、請求項1に記載の景品提供ユニット。
【請求項3】
前記払出制御部は、前記第一信号取得部による前記信号の取得結果と前記第二信号取得部による前記信号の取得結果とに基づいて抽選を行う抽選部を有し、前記抽選部の抽選結果に応じて前記払出機構の制御を行う、請求項1に記載の景品提供ユニット。
【請求項4】
ユーザが確認可能となるように画像を表示可能な画像表示装置を備え、
前記払出制御部は、前記抽選部の抽選結果に応じて、前記画像表示装置に表示される画像を出力する、請求項3に記載の景品提供ユニット。
【請求項5】
前記第二信号取得部は、前記第二自動販売機における商品の所定の販売動作が行われる場合の所定の動力源又は機械要素の状態の変化を示す信号を前記商品の販売に関する信号として取得可能に構成されている、請求項1に記載の景品提供ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動販売機とともに用いられてユーザに景品を提供することができる景品提供ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機による商品の販売に応じて、購入者であるユーザに景品を提供することが行われている。このような用途に用いられる自動販売機がある(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
なお、景品の提供手段に関連して、下記特許文献2には、景品を取得するための情報を記録したコードを払い出す装置と、コードを読み取って対応する景品ボックスの施錠を解錠して景品を提供するように構成された景品提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-213221号公報
【特許文献2】特開2022-106312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、自動販売機においてユーザに景品を提供するには、上記特許文献1に記載されているような、景品を提供する機能を内蔵する自動販売機を用いることが考えられる。しかしながら、この場合、対象とする自動販売機毎に、景品を提供可能に構成したり、そのように構成された自動販売機を採用したりする必要があるため、コストが掛かるという問題がある。
【0006】
なお、上記特許文献2に記載されているような景品提供システムにおいては、利用者は、コードを払い出す装置により払い出された物から得たコードを、景品の提供を行う装置に読み込ませる必要があり、景品を得るための手間が掛かるという問題がある。
【0007】
この発明は、従来とは異なる方法により、自動販売機による商品の販売に応じて購入者に景品を提供することができる景品提供ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本第一の発明の景品提供ユニットは、第一自動販売機及び第二自動販売機のそれぞれに接続された状態で用いられる景品提供ユニットであって、景品を収容する景品収容部に収容されている景品を払い出す払出機構と、第一自動販売機から商品の販売に関する信号を取得する第一信号取得部と、第二自動販売機から商品の販売に関する信号を取得する第二信号取得部と、第一信号取得部による信号の取得結果と第二信号取得部による信号の取得結果とに基づいて払出機構の制御を行う払出制御部とを備える、景品提供ユニットである。
【0009】
かかる構成により、1つの景品提供ユニットにより、2以上の自動販売機による商品の販売に基づいて景品を提供することができる。
【0010】
また、本第二の発明の景品提供ユニットは、第一の発明に対して、払出機構は、払い出す景品が通過する景品排出経路を2以上有しており、かつ、景品の払出先となる景品排出口が2以上設けられており、払出制御部は、第一の場合において景品の払い出しが行われるように制御を行う場合と第二の場合において景品の払い出しが行われるように制御を行う場合とで景品排出口が互いに異なるように払出機構の制御を行う、景品提供ユニットである。
【0011】
かかる構成により、第一自動販売機において商品が販売された場合と第二自動販売機において商品が販売された場合とで異なる景品排出口を用いて景品の払出を行うことができる。
【0012】
また、本第三の発明の景品提供ユニットは、第一又は二の発明に対して、払出制御部は、第一信号取得部による信号の取得結果と第二信号取得部による信号の取得結果とに基づいて抽選を行う抽選部を有し、抽選部の抽選結果に応じて払出機構の制御を行う、景品提供ユニットである。
【0013】
かかる構成により、抽選結果に応じて景品を提供することができる。
【0014】
また、本第四の発明の景品提供ユニットは、第三の発明に対して、ユーザが確認可能となるように画像を表示可能な画像表示装置を備え、払出制御部は、抽選部の抽選結果に応じて、画像表示装置に表示される画像を出力する、景品提供ユニットである。
【0015】
かかる構成により、ユーザに、抽選結果に応じた画像を認識させることができる。
【0016】
また、本第五の発明の景品提供ユニットは、第一から四のいずれか1つの発明に対して、第二信号取得部は、第二自動販売機における商品の所定の販売動作が行われる場合の所定の動力源又は機械要素の状態の変化を示す信号を商品の販売に関する信号として取得可能に構成されている、景品提供ユニットである。
【0017】
かかる構成により、容易に、第二自動販売機における商品の販売動作に応じて景品の提供を行うことができる。汎用の第二自動販売機に対して景品提供ユニットを用いて、第二自動販売機における商品の販売にも応じて景品を提供可能な自動販売システムを構成することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明による景品提供ユニット等によれば、従来とは異なる方法により、自動販売機による商品の販売に応じて購入者に景品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施の形態における自動販売システムの構成例を示す図
図2】同景品提供ユニットの正面図
図3】同景品提供ユニットの右側面図
図4】同景品提供ユニットの構成を示す斜視図
図5】同景品提供ユニットの内部構成を示す側断面図
図6】同景品提供ユニットの内部構成を示す側断面図
図7】自動販売システムの構成を説明するブロック図
図8】同景品提供ユニットの動作の一例を示すフローチャート
図9】同景品提供ユニットの画像表示装置の画像の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、景品提供ユニットやそれを用いた自動販売システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0021】
なお、以下において用いる用語は、一般的には次のように定義される。なお、これらの用語の語義は常にここに示されるように解釈されるべきではなく、例えば以下において個別に説明されている場合にはその説明も踏まえて解釈されるべきである。
【0022】
商品とは、価値を有する物である。以下の実施の形態において、商品とは、例えば、自動販売機により販売される、寿司やその他の食品等の飲食物であるが、これに限られない。例えば、商品には、飲料が含まれたり、その他のグッズ等の有体物が含まれたりする。商品の販売とは、有償で販売する場合に限られず、無償で商品を配布することも含まれると解釈してもよい。
【0023】
ユーザとは、ここでは、自動販売機等を使用して商品を購入するためにする利用者である。
【0024】
景品とは、例えば、ユーザに対して景品提供ユニットを用いて無料で提供される、物品等である。景品は、金銭や、その他の経済上の利益であってもよい。
【0025】
ある事項について識別子とは、当該事項を一意に示す文字又は符号等である。識別子は、例えば、IDであるが、対応する事項を識別しうる情報であれば種類は問わない。すなわち、識別子は、それが示すものそのものの名前であってもよいし、一意に対応するように符号を組み合わせたものであってもよい。
【0026】
取得とは、例えば、情報や信号を自装置において処理可能にすることをいう。取得とは、例えば、他の装置において発生した信号を取得することを含んでいてもよい。また、取得とは、例えば、ユーザ等により入力された事項を取得することを含んでいてもよいし、自装置又は他の装置に記憶されている情報(予め記憶されている情報であってもよいし当該装置において情報処理が行われることにより生成された情報であってもよい)を取得することを含んでいてもよい。
【0027】
情報を出力するとは、ディスプレイへの表示、プロジェクタを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0028】
(実施の形態)
【0029】
図1は、本実施の形態における自動販売システム1の構成例を示す図である。
【0030】
本実施の形態において、自動販売システム1は、第一自動販売機10、第二自動販売機20及び景品提供ユニット100を備える。景品提供ユニット100は、第一自動販売機10と第二自動販売機20とのそれぞれに接続された状態で用いられる。換言すると、景品提供ユニット100は、第一自動販売機10と第二自動販売機20とに接続可能であり、これらと共に、景品を提供可能な自動販売システム1を構成する。
【0031】
自動販売機10,20は、例えば食品である商品を販売可能なものである。自動販売機10,20は、例えば、飲料やその他の商品をユーザに販売可能に構成されていてもよい。
【0032】
本実施の形態において、第一自動販売機10は、販売機筐体11、アクチュエータ12、販売制御部13、支払受付部15及び商品取出口17を備える。
【0033】
第一自動販売機10は、例えば、直方体状、箱形の販売機筐体11を有している。販売機筐体11の正面には、ユーザからの金銭等の支払を受け付けるための支払受付部15や、商品が払い出される商品取出口17が設けられている。
【0034】
また、販売機筐体11の内部には、アクチュエータ12や、第一自動販売機10の各部の動作を制御する販売制御部13が設けられている。本実施の形態において、アクチュエータ12は、例えばモータである。アクチュエータ12は、例えば、第一自動販売機10において販売する商品を他の商品とは区別可能な単位であるカラム毎に配置されており、各カラムに収容されている商品が販売される場合に、当該カラムに対応するアクチュエータ12が動作して、商品が払い出されるようになっている。販売制御部13は、例えば、支払受付部15やアクチュエータ12等の動作を制御するように構成されたマイコン等で構成されている。
【0035】
なお、このように構成された第一自動販売機10は、公知である一般的な自動販売機と同様に構成されているものであり、このほかの具体的な説明は省略する。第一自動販売機10は、ユーザによる商品の選択操作や、支払受付部15を用いた代金の支払いを受け付けることで、商品をユーザに販売する。
【0036】
また、第二自動販売機20は、販売機筐体21、アクチュエータ22、販売制御部23、支払受付部25及び商品取出口27を備える。第二自動販売機20の販売機筐体21、アクチュエータ22、販売制御部23、支払受付部25及び商品取出口27の構成は、それぞれ、例えば、第一自動販売機10の販売機筐体11、アクチュエータ12、販売制御部13、支払受付部15及び商品取出口17の構成と略同様である。なお、第二自動販売機20において、第一自動販売機10とは異なる構成を有していてもよい。この場合においても、第二自動販売機20は、公知である一般的な自動販売機と同様に構成されうる。
【0037】
なお、本実施の形態において、第一自動販売機10は、商品の冷蔵機能を有し、冷蔵しながら保管された商品を販売可能である。他方、第二自動販売機20は、商品の冷凍機能を有し、冷凍状態で保管している商品を販売可能に構成されている。すなわち、自動販売システム1を用いることで、ユーザは、冷蔵された状態で販売される商品と冷凍された状態で販売される商品とのいずれも購入することが可能となっている。なお、第一自動販売機10と第二自動販売機20とのそれぞれの機能や販売される商品の別については、これに限られない。
【0038】
景品提供ユニット100は、ユニット筐体101と、画像表示装置102と、2つの景品排出口111,112(第一景品排出口111、第二景品排出口112)とを備えている。また、景品提供ユニット100は、それぞれ第一自動販売機10と第二自動販売機20とに配置されて用いられる第一信号取得部171と第二信号取得部172とを備えている。第一信号取得部171と第二信号取得部172との詳細については、後述する。
【0039】
本実施の形態において、景品提供ユニット100のユニット筐体101は、第一自動販売機10と第二自動販売機20との間に配置されている。すなわち、第一自動販売機10と第二自動販売機20とに挟まれるようにして、景品提供ユニット100が配置されている。
【0040】
ユニット筐体101は、例えば、直方体状、箱形である。ユニット筐体101の高さは、例えば、第一自動販売機10や第二自動販売機20と略同じである。これにより、景品提供ユニット100と自動販売機10,20とを並べて配置した場合に、自動販売システム1の外観を、全体として一体感を感じさせるように演出することができる。
【0041】
画像表示装置102は、ユニット筐体101の正面、すなわち景品提供ユニット100の正面に配置されている。画像表示装置102は、景品提供ユニット100に向き合うユーザの目線の高さと同程度となる位置か、それより若干下の位置に配置され、ユーザにとって認識されやすいように配置されている。画像表示装置102は、例えば、いわゆるデジタルサイネージと呼ばれるものであり、ドットマトリクス型の表示パネルである。画像表示装置102は、例えば、液晶ディスプレイであり、画像を表示可能に構成されている。
【0042】
各景品排出口111,112は、ユニット筐体101の下側に配置されている。本実施の形態において、第一景品排出口111は、景品提供ユニット100のうち第一自動販売機10に近い位置に配置されており、第二景品排出口112は、景品提供ユニット100のうち第二自動販売機20に近い位置に配置されている。後述するように、第一景品排出口111は、第一自動販売機10による商品の販売に対応して払い出される景品の払出口となり、第二景品排出口112は、第二自動販売機20による商品の販売に対応して払い出される景品の払出口となる。このように、2つの互いに異なる景品排出口111,112が、それぞれ対応する自動販売機10,20の近くに配置されているため、自動販売機10,20のそれぞれで商品を購入したユーザが、自身の購入に関連して景品が出力されたことを直感的に認識することができるようになっている。同時期に自動販売機10,20のそれぞれで商品を購入したユーザがいる場合に、いずれのユーザ向けに景品が払い出されたかを、景品排出口111,112のいずれに景品が排出されたかを確認することで、ユーザが容易に判別することができる。
【0043】
図2は、同景品提供ユニット100の正面図である。図3は、同景品提供ユニット100の右側面図である。図4は、同景品提供ユニット100の構成を示す斜視図である。図5は、同景品提供ユニット100の内部構成を示す側断面図である。図6は、同景品提供ユニット100の内部構成を示す側断面図である。
【0044】
図5は、図2のA-A線における断面図であり、図6は、図3のB-B線における断面図である。なお、これらの図において、第一信号取得部171と第二信号取得部172との図示は省略されている。
【0045】
景品提供ユニット100のユニット筐体101のうち、側面の下部には、接続孔101Bが設けられている。本実施の形態においては、接続孔101Bを通して、景品提供ユニット100を各自動販売機10,20に接続するためのケーブルを配線することができる。例えば、接続孔101Bを介して、景品提供ユニット100の本体と、自動販売機10,20に配置された信号取得部171,172とを接続する信号線(図示せず)が配線されている。なお、接続孔101Bの位置や数、形状や大きさ等はこれに限られない。接続孔101Bは、ユニット筐体101の底面、上面や背面等に設けられていてもよい。また、景品提供ユニット100と、自動販売システム1を構成する各自動販売機10,20とは、無線通信や、ネットワークを介して、互いに通信可能に接続されていたり、他のサーバ装置等の外部装置を介して、互いに連携動作可能に接続されていたりしてもよい。
【0046】
景品提供ユニット100のユニット筐体101の内部には、第一景品収容部121、第二景品収容部122、払出機構140及び制御装置170が配置されている。払出機構140は、例えば、第一景品排出経路141、第二景品排出経路142、第一払出部151及び第二払出部152を備える。
【0047】
第一景品収容部121及び第二景品収容部122には、それぞれ、景品が収容される。景品収容部121及び景品収容部122には、例えば、2以上の景品が収容可能である。
【0048】
本実施の形態においては、第一景品収容部121及び第二景品収容部122のそれぞれは、例えば、次のように構成されている。すなわち、景品は、レール状の収容経路に連なって収容されるように構成されている。収容経路は、ユニット筐体101の上部から下に向かって折返しながら繋がっている、傾斜した経路である。それぞれ球状のケースに入った複数の景品が、重力により、収容経路の下端となる排出端部を先頭として連なるようにして収容されている。後述のように収容経路の排出端部には払出部151,152が配置されており、払出部151,152の動作に伴って、先頭にある景品から順に、景品収容部121,122内から排出されうる。
【0049】
なお、景品収容部の構成は、このような収容経路を有するものに限られない。例えば、2以上の景品が入る空間を有するケース状の部位であってもよい。この場合、ケース内において景品が順次払出部によりランダムに排出されるようになっていてもよい。
【0050】
払出機構140において、第一払出部151及び第二払出部152は、制御装置170の制御に応じて、景品の払出しを行う。第一払出部151及び第二払出部152は、例えば、それぞれ、景品収容部121,122から景品排出経路141,142へ払い出される景品の通過経路を開閉可能に構成されたアクチュエータである。各払出部151,152は、例えばソレノイドを用いたアクチュエータであるが、払出部151,152の動力源は問わない。各払出部151,152は、景品を1つずつ景品収容部121,122から景品排出経路141,142に取り出すことができる。
【0051】
第一景品排出経路141及び第二景品排出経路142は、払出部151,152により払い出された景品を景品排出口111,112に案内するように構成されている。すなわち、景品排出経路141,142は、景品提供ユニット100により払い出される景品が通過する経路であるといえる。本実施の形態においては、景品排出経路141,142は、払出部151,152から払い出される景品を払出部151,152の下方において受け止める部位と、当該部位から景品排出口111,112に向かって下るように傾斜する部位とを有している。払出部152,152から景品排出経路141,142上に払い出された景品は、景品排出経路141,142を転がって、景品排出口111,112までたどり着く。これにより、ユーザが、払い出される景品を、景品排出口111,112からピックアップすることができるようになる。
【0052】
ここで、本実施の形態において、景品提供ユニット100は、第一自動販売機10と第二自動販売機20とのそれぞれに対応した景品の払出系統を有している。本実施の形態においては、景品提供ユニット100には、2つの景品収容部121,122、2つの払出部151,152、2つの景品排出経路141,142、及び2つの景品排出口111,112が設けられている。第一自動販売機10に対応する払出系統として、第一景品収容部121、第一払出部151、第一景品排出経路141及び第一景品排出口111が設けられている。かかる払出系統を、第一払出系統と呼んでもよい。他方、第二自動販売機20に対応する払出系統として、第二景品収容部122、第二払出部152、第二景品排出経路142及び第二景品排出口112が設けられている。かかる払出系統を、第二払出系統と呼んでもよい。それぞれの払出系統は、後述のように払出制御部180による制御が行われることにより動作し、景品を払い出すことができるようになっている。このように第一自動販売機10に対応する払出系統と第二自動販売機20に対応する払出系統とが分かれていることにより、それぞれの自動販売機10,20に対応して、景品の性質や景品の払出方法等について異なる態様で景品の提供を行うことができるようになっている。
【0053】
なお、上記の払出系統のうち、部分的にのみ2つの系統に分かれている構成が採用されてもよい。換言すると、上記の払出系統のうち、部分的に共通した構造がもちいられていてもよい。例えば、景品収容部として、第一自動販売機10と第二自動販売機20とのそれぞれに対応する系統に分かれていない構造のものが用いられてもよい。また、例えば、払出機構として、第一払出部と第二払出部とが区別されていない1つのハードウェア構成を有するものが用いられてもよい。この場合、払出部として、1つのアクチュエータにより、第一景品排出経路141への景品の払出しと第二景品排出経路142への景品の払出とを区別して行うことができるように構成されていてもよい。景品排出口が1つのみ設けられていてもよい。また、1系統の払出部や排出経路によって、排出経路における景品の通過方向を案内するガイド等を動作させて2つの景品排出口111,112のいずれかに選択的に景品を排出することができるように構成されていてもよい。景品収容部や払出機構の具体的な構成としては、種々の構成を用いることができる。
【0054】
制御装置170は、例えば、ユニット筐体101の内部の上部に配置されている。制御装置170の位置はこれに限られない。制御装置170は、例えば、コンピュータである。制御装置170は、例えば、制御回路やメモリ等が搭載されたロジックボードを用いて構成されているが、これに限られない。
【0055】
図7は、自動販売システム1の構成を説明するブロック図である。
【0056】
図に示されるように、本実施の形態において、各自動販売機10,20には、複数のアクチュエータ12,22が設けられている。各アクチュエータ12,22は、例えばモータであるが、これに限られず、ソレノイド等を用いたものであってもよい。
【0057】
本実施の形態において、景品提供ユニット100は、人感センサ106を備えている。人感センサ106は、自動販売システム1を利用するユーザの存在を検知可能に構成されている。人感センサ106は、例えば、赤外線を利用したセンサであるが、これに限られない。例えば、近接センサ等であってもよい。人感センサ106は、ユーザのほか、人体とは異なる物体が存在する場合にも検知を行うことがあるように構成されていてもよい。制御装置170と共に、人感センサ106の検知結果に基づく情報処理が行われることによりユーザの存在が検知可能であってもよい。例えば、人感センサ106は画像を取得するカメラであってもよい。
【0058】
また、景品提供ユニット100は、第一自動販売機10に対応して設けられる第一信号取得部171と、第二自動販売機20に対応して設けられる第二信号取得部172とを有している。各信号取得部171,172は、アクチュエータ12,22の動作を示す信号を取得可能に構成され、自動販売機10,20に接続されている。すなわち、本実施の形態において、景品提供ユニット100は、各自動販売機10,20に接続されている。
【0059】
第一信号取得部171は、第一自動販売機10から商品の販売に関する信号を取得する。また、第二信号取得部172は、第二自動販売機20から商品の販売に関する信号を取得する。本実施の形態において、より具体的には、第一信号取得部171は、第一自動販売機10において商品の所定の販売動作を行うために設けられているアクチュエータ12の動作に対応する信号を、商品の販売に関する信号として取得可能に構成されている。また、第二信号取得部172は、第二自動販売機20において商品の所定の販売動作を行うために設けられているアクチュエータ22の動作に対応する信号を、商品の販売に関する信号として取得可能に構成されている。
【0060】
本実施の形態において、各信号取得部171,172は、各自動販売機10,20において、複数のアクチュエータ12,22のうちいずれのアクチュエータ12,22が動作したかを判別可能な信号を取得することができるようになっている。上述のように、アクチュエータ12がカラム毎に配置されており、各カラムに収容されている商品が販売される場合に、当該カラムに対応するアクチュエータ12が動作して、商品が払い出されるようになっている。そのため、信号取得部171,172は、各自動販売機10,20において、どの商品が販売されたかを特定することができる信号を取得することができるといえる。すなわち、第一信号取得部171は、第一自動販売機10において販売された商品に対応する信号を取得可能であり、第二信号取得部172は、第二自動販売機20において販売された商品に対応する信号を取得可能である。このような信号としては、例えば、各アクチュエータ12,22を動作させるための電圧の変化を示す信号や、アクチュエータ12,22を動作させるための電圧に対応して変化する信号などを用いることができる。
【0061】
なお、信号取得部171,172の構成はこれに限られない。第一信号取得部171は、第一自動販売機10における商品の所定の販売動作が行われる場合の所定の動力源又は機械要素の状態の変化を示す信号を、商品の販売に関する信号として取得可能に構成されていればよい。また、第二信号取得部172は、第二自動販売機20における商品の所定の販売動作が行われる場合の所定の動力源又は機械要素の状態の変化を示す信号を、商品の販売に関する信号として取得可能に構成されていてもよい。この場合、信号取得部171,172は、どの商品が販売されたかを特定することはできないものの、いずれかの商品が販売されたことを示すような信号を取得可能に構成されていてもよい。
【0062】
例えば、自動販売機10,20において販売される商品が商品取出口17,27まで通過する経路に配置され、商品の通過を検知可能なセンサを有するように、信号取得部171,172が構成されていてもよい。また、商品販売時に自動販売機10,20において発生する部材の動作や、特有の音等の発生を検知するセンサを有するように、信号取得部171,172が構成されていてもよい。
【0063】
また、信号取得部171,172のうちいずれか一方(例えば第二信号取得部172)のみが、このように対応する自動販売機10,20において販売された商品に対応する信号を取得可能に構成されていてもよい。すなわち、例えば、第一信号取得部171は、第一自動販売機10においていずれかの商品が販売されたことを示すような信号を取得可能であって、第二信号取得部172が、第二自動販売機20において販売された商品に対応する信号を取得可能であってもよい。また、この逆であってもよい。
【0064】
なお、各信号取得部171,172は、例えば、信号を取得して制御装置170等に出力可能なコンピュータであるが、これに限られない。また、各信号取得部171,172は、ハードウェアとしても主に景品提供ユニット100の内部に設けられていると把握できるような態様で設けられていてもよい。例えば、第一自動販売機10や第二自動販売機20において配線されている電線や機械要素や回路基板等から、信号を取得することができるように、景品提供ユニット100の内部に設けられた信号取得部171,172に配線が行われていてもよい。
【0065】
本実施の形態において、制御装置170は、上述の第一信号取得部171及び第二信号取得部172と、格納部175と、払出制御部180とを有する。
【0066】
格納部175は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。これらには、それぞれの装置において取得された情報などがそれぞれ格納されるが、情報等が記憶される過程はこれに限られない。例えば、記録媒体を介して情報等が記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報等が記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報等が記憶されるようになってもよい。
【0067】
格納部175には、制御装置170の動作に用いられる設定情報等が格納されている。例えば、後述の抽選条件に関する情報や、画像出力部186により出力されうる画像等が格納されている。抽選条件に関する情報とは、例えば、抽選時に当選であると判定する確率を定める情報であってもよい。当選であると判定する確率は、例えば、商品毎に設定されているが、これに限られない。例えば、自動販売機10,20毎に、商品の別を問わずに商品の販売について当選する確率が定められていてもよい。また、当選であると判定する確率として、所定の回数が設定されており、所定の回数の商品の販売毎(商品毎の販売であってもよいし、そうでなくてもよい)に当選であると判定することができるようにしてもよい。
【0068】
また、格納部175には、自動販売システム1の動作の履歴に関する情報が記録されるようにしてもよい。例えば、各自動販売機10,20において販売された商品を識別する識別子が販売時刻等に対応付けて記録されるようにしてもよい。このような情報の記録は、信号取得部171,172により取得された信号に基づいて行うことができる。また、例えば、景品提供ユニット100により景品が払い出された場合に、そのことを示す情報が記録されるようにしてもよい。このような情報の記録結果を、抽選条件に関する判断や、抽選に関する判断に用いるようにしてもよい。
【0069】
払出制御部180は、第一信号取得部171による信号の取得結果と第二信号取得部172による信号の取得結果とに基づいて、払出機構140の制御を行う。すなわち、払出制御部180は、第一自動販売機10の商品の販売に関する信号と、第二自動販売機20の商品の販売に関する信号とに基づいて、払出機構140の制御を行う。これにより、景品提供ユニット100により、第一自動販売機10の商品の販売や第二自動販売機20の商品の販売に応じて、ユーザに景品を提供することができるようになっている。
【0070】
払出制御部180は、通常、MPUやメモリ等から実現されうる。払出制御部180の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0071】
本実施の形態において、払出制御部180は、例えば、抽選部182、払出条件判断部183及び画像出力部186を備える。払出制御部180は、本実施の形態において、一例として、以下のようにして払出機構140の制御を行うように構成されている。
【0072】
抽選部182は、第一信号取得部171による信号の取得結果と第二信号取得部172による信号の取得結果とに基づいて、抽選を行う。ここで抽選とは、所定の処理を行うか否か(当選か否か)を判断することをいう。所定の処理とは、例えば、払出制御部180が景品を払い出すように払出機構140の制御を行う処理をいう。なお、これに限られず、景品の払出を行うことに関するフラグ情報を記録すること(例えば、当選であることを示すフラグを立てること)などを所定の処理であると考えてもよい。
【0073】
抽選部182は、信号取得部171,172により取得された信号に基づいて、所定の抽選実行条件が満たされるか否かを判断する。抽選部182は、例えば、抽選実行手段が満たされると判断した場合に、抽選を行う。
【0074】
本実施の形態において、抽選部182は、抽選において、擬似乱数を用いてランダムに当選又は落選の判断を行うようにしてもよい。この場合、当選確率は、例えば、格納部175に格納されている情報に基づいて設定可能である。なお、抽選は、このような方法に限られず、種々の方法により行うことができる。例えば、所定回数の抽選が行われる毎に当選と判断するようにしてもよい。また、抽選部182は、常に当選するように抽選を行うように構成されていてもよい。すなわち、ここで抽選とは、当選する確率が100パーセントである場合も含むと解釈してもよい。
【0075】
抽選実行条件は、例えば、商品の通算販売数に関する条件(例えば、商品の通算販売数が5の倍数に達したこと、など)である。抽選実行条件は、例えば予め設定されて格納部175に格納されているものであるが、適宜変更されるものであってもよい。抽選実行条件は、例えば、季節、時間帯、天候、景品の在庫数など、種々の要素に応じて、予め設定された設定ルール等に従って払出制御部180などにより設定されたり、ネットワークを通じて通信可能な他の管理装置(図示せず)から送信された情報に応じて設定されたりしてもよい。この場合、制御装置170は、外部の情報処理装置等とネットワーク等を介して通信可能に構成されていてもよい。
【0076】
本実施の形態において、抽選実行条件は、自動販売機10,20で販売される商品毎に、当該商品に対応付けて設定されているものである。例えば、当該商品の通算販売数が所定の数に達したことを、抽選実行条件として設定することができる。この場合、商品毎に、所定の数が設定されていてもよい。例えば、一の商品については2回の販売につき一度抽選実行条件が満たされるように設定されており、他の商品については毎回の販売毎に抽選実行条件が満たされるように設定されていてもよい。抽選部182は、所定の商品について販売されたことを示す信号が取得された場合に、当該商品に対応する抽選実行条件が満たされるか否かを判断可能に構成されている。
【0077】
払出条件判断部183は、抽選部182の抽選結果に応じて、払出条件が満たされるか否かを判断する。そして、払出制御部180は、払出条件判断部183の判断結果に応じて、払出機構140の制御を行う。
【0078】
本実施の形態において、払出条件とは、例えば、抽選に当選したことである。すなわち、例えば、払出条件判断部183は、抽選部182による抽選結果が当選である場合に、払出条件が満たされると判断することができる。すなわち、払出制御部180は、抽選部182の抽選結果に応じて、払出機構140の制御を行うといえる。
【0079】
なお、払出条件は、種々設定可能である。例えば、払出条件として、抽選に当選したことにさらに別の条件が付加された条件が用いられていてもよい。例えば、このような場合の別の条件として、所定の時間帯、曜日、日付等であることや、ユーザから所定の指示が受け付けられたことなどが用いられてもよい。後者の例として、例えば、ユーザにより景品の要否を指示する操作が、景品提供ユニット100等において受け付け可能に構成されており、景品を要することを示す指示がユーザにより受け付けられている場合に、払出条件が満たされると判断されるようにしてもよい。このように構成することにより、ユーザが景品自体は不要であっても、抽選に当選したことを示す動作(例えば、画像表示装置102への所定の画像の表示など)を行うようにすることができる。
【0080】
画像出力部186は、画像表示装置102に画像を出力し、表示させる。本実施の形態において、画像出力部186は、抽選部182の抽選結果に応じてこのような動作を行う。すなわち、払出制御部180は、抽選部182の抽選結果に応じて、画像表示装置102に表示される画像を出力する。例えば、抽選部182の抽選結果が当選である場合は、当選であることを示す当選画像を出力し、そうでない場合には当選画像とは異なる画像を出力するようにしてもよい。
【0081】
なお、本実施の形態において、払出制御部180は、人感センサ106によるユーザの検出結果に応じて、画像表示装置102に表示される画像を出力するように構成されていてもよい。例えば、画像出力部186は、人感センサ106によりユーザの存在が検知された場合に、所定の検知画面を画像表示装置102に表示させ、そうでない場合には所定の待機画面を画像表示装置102に表示させるようにしてもよい。このように構成されていることにより、自動販売システム1を利用するユーザに対して適切な情報を提供したり、特定の商品等についてユーザの注意を惹き付けたりするなど、効果的に画像表示装置102を利用することができる。また、自動販売システム1を利用するユーザがいないときには、自動販売システム1の存在をアピールするような画像を表示したり、その他のコンテンツを表示したりすることができる。なお、自動販売システム1を利用するユーザがいないときには、画像表示装置102による画像の表示動作を限定的にするような、いわゆるスリープモードに設定するなどして、画像表示装置102において消費される電力を低下させたり、周囲が明るくならないようにしたりしてもよい。
【0082】
ここで、本実施の形態において、払出制御部180は、第一自動販売機10において商品が販売されたことを示す信号が第一信号取得部171により取得された第一の場合と、第二自動販売機20において商品が販売されたことを示す信号が第二信号取得部172により取得された第二の場合とで、互いに異なる態様で払出機構140の制御を行うように構成されている。
【0083】
より具体的には、例えば、払出制御部180は、第一の場合において景品の払い出しが行われるように制御を行う場合と第二の場合において景品の払い出しが行われるように制御を行う場合とで景品排出口111,112が互いに異なるように払出機構140の制御を行う。払出制御部180は、第一の場合においては、第一景品排出口111に景品が払い出されるように払出機構140の制御を行い、第二の場合においては、第二景品排出口112に景品が払い出されるように払出機構140の制御を行う。
【0084】
また、より具体的には、例えば、払出制御部180は、第一の場合において景品の払い出しが行われるように制御を行う場合と第二の場合において景品の払い出しが行われるように制御を行う場合とで景品排出経路141,142が互いに異なるように払出機構140の制御を行うと言ってもよい。払出制御部180は、第一の場合においては、第一景品排出経路141を通して景品が払い出されるように払出機構140の制御を行い、第二の場合においては、第二景品排出経路142を通して景品が払い出されるように払出機構140の制御を行う。
【0085】
本実施の形態においては、上述のように、払出機構140が、第一払出系統と第二払出系統とに分かれて構成されており、それぞれ、第一払出部151や第二払出部152を動作させることにより、互いに独立して景品を払出し可能になっている。すなわち、払出制御部180は、第一の場合において払出条件が満たされると判断された場合には、第一払出系統について景品を払い出すように第一払出部151を駆動させる制御を行う。また、払出制御部180は、第二の場合において払出条件が満たされると判断された場合には、第二払出系統について景品を払い出すように第二払出部152を駆動させる制御を行う。なお、このように制御装置170が動作するように構成されている場合において、以下のようにこの構成を捉えてもよい。例えば、払出条件として、第一自動販売機10による商品の販売に応じて行われた抽選で当選したこと(第一払出条件)と、第二自動販売機20による商品の販売に応じて行われた抽選で当選したこと(第二払出条件)とが異なる条件として設定されていてもよい。そして、払出制御部180は、第一払出条件が満たされたと判断された場合に第一払出部151を駆動させ、第二払出条件が満たされたと判断された場合に第二払出部152を駆動させるように構成されていてもよい。第一払出条件は、第一自動販売機10による商品の販売に応じて景品を払い出すことに関する条件と言える。また、第二払出条件は、第二自動販売機20による商品の販売に応じて景品を払い出すことに関する条件と言える。
【0086】
なお、上述のように、本実施の形態においては、第一自動販売機10又は第二自動販売機20において販売された商品毎に、抽選が行われ、その抽選結果に基づいて払出機構140の制御が行われる。すなわち、払出制御部180は、第一自動販売機10又は第二自動販売機20において販売された商品に応じて払出機構140の制御を行うといえる。これにより、商品毎に、販売毎に異なる確率で景品が払い出されるようにすることができ、柔軟に、様々な態様で景品を提供することができるようになる。
【0087】
図8は、同景品提供ユニット100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0088】
以下に、本実施の形態における景品提供ユニット100の動作の流れについて説明する。このような動作の流れは、制御装置170により景品提供ユニット100の各部の動作が制御されることにより実現されうる。また、図に示される動作は、例えば、定期的に実行されうる。その他の所定の条件が満たされた場合に適宜実行されるようにしてもよい。
【0089】
(ステップS11)払出制御部180は、人感センサ106によりユーザの存在が検知されたか否かを判断する。ユーザの存在が検知された場合はステップS12に進み、そうでない場合はステップS13に進む。
【0090】
(ステップS12)払出制御部180は、画像出力部186により、画像表示装置102に検知画面を表示させる。検知画面は、上述のように、存在が検知されたユーザに向けて表示される画面であると言ってもよい。ステップS14に進む。
【0091】
(ステップS13)払出制御部180は、画像出力部186により、画像表示装置102に待機画面を表示させる。ステップS14に進む。
【0092】
なお、ステップS13において、待機画面の表示に変えて、払出制御部180は、所定の消費電力削減動作を行うようにしてもよい。消費電力削減動作は、例えば、画像表示装置102の画像の表示動作を限定的にすることであるが、これに限られない。消費電力削減動作は、例えば、景品提供ユニット100のその他の機能の発揮を限定的にすること(例えば、用いられている照明の消灯や減灯、駆動部への電力供給の停止等)であってもよい。
【0093】
(ステップS14)払出制御部180は、信号取得部171,172により、自動販売機10,20のいずれかにおいて商品が販売されたことに対応する信号が取得されたか否かを判断する。信号が取得されたと判断された場合はステップS15に進み、そうでない場合はステップS11に戻る。
【0094】
(ステップS15)払出制御部180は、抽選実行条件が満たされるか否かを判断する。抽選実行条件が満たされると判断した場合には、ステップS16に進み、そうでない場合はステップS11に戻る。
【0095】
(ステップS16)払出制御部180は、抽選を実行する。
【0096】
(ステップS17)払出制御部180は、抽選の結果が当選であるか否かを判断する。抽選結果が当選であると判断した場合にはステップS19に進み、そうでない場合にはステップS18に進む。
【0097】
(ステップS18)払出制御部180は、画像出力部186により、画像表示装置102に落選画面を表示させる(落選画像を出力する)。落選画像としては、例えば、抽選の結果が落選であった旨や、その他の案内情報などが含まれるものを表示するようにしてもよい。その後、一連の処理を終了する。
【0098】
(ステップS19)他方、払出制御部180は、画像出力部186により、画像表示装置102に当選画面を表示させる(当選画像を出力する)。当選画像としては、例えば、抽選の結果が当選であった旨や、その他の案内情報などが含まれるものを表示するようにしてもよい。その後、ステップS20に進む。
【0099】
ステップS20以降において、払出制御部180は、払出条件が満たされるか否かに関する判断と、その判断結果に応じた処理を行う。ここでは、払出条件として、上述の第一払出条件と第二払出条件とが設定されている場合を一例として示している。
【0100】
(ステップS20)払出制御部180は、第一払出条件が満たされるか否かを判断する。第一払出条件が満たされると判断した場合にはステップS21に進み、そうでない場合にはステップS22に進む。
【0101】
(ステップS21)払出制御部180は、第一払出部151により景品を払い出すように制御を行う。これにより、第一払出系統が動作し、第一景品排出口111に景品が払い出される。ステップS22に進む。なお、この処理が終了した場合は、一連の処理を終了するようにしてもよい。
【0102】
(ステップS22)払出制御部180は、第二払出条件が満たされるか否かを判断する。第二払出条件が満たされると判断した場合にはステップS23に進み、そうでない場合には一連の処理を終了する。
【0103】
(ステップS23)払出制御部180は、第二払出部152により景品を払い出すように制御を行う。これにより、第二払出系統が動作し、第二景品排出口112に景品が払い出される。その後、一連の処理を終了する。
【0104】
なお、景品提供ユニット100の動作はこれに限られない。結果的に、第一自動販売機10の商品の販売に応じて景品が払い出される場合には第一景品排出口111に景品が払い出され、第二自動販売機20の商品の販売に応じて景品が払い出される場合には第二景品排出口112に景品が払い出されるように、種々の処理手順をとることができる。
【0105】
図9は、同景品提供ユニット100の画像表示装置102の画像の表示例を示す図である。
【0106】
まず、待機画面から説明する。人感センサ106によるユーザの検知が所定時間継続して行われない場合には、画像表示装置102に待機画面が表示される(S101)。待機画面においては、例えば、自動販売システム1において商品を購入することをユーザに勧めるような表示が行われうる。なお、このようにユーザに対して積極的に働きかけるような表示を行うのに代えて、景品提供ユニット100の正面の他の部分と区別がつきにくくなるような壁紙画像等が表示されるようにしてもよい。
【0107】
このような待機画面の表示中において、例えば、人感センサ106によりユーザの存在が検知されると、画像表示装置102に検知画面が表示される(S102)。検知画面においては、例えば、特定の商品についての特別な案内や、抽選等に関する案内を行いうる。ユーザがいずれかの商品の購入について検討中である場合に、このような案内を行うことで、ユーザが検討を効果的に行うことができる。
【0108】
なお、検知画面の表示中において、人感センサ106によるユーザの検知が行われない状態が所定時間継続した場合には、画像表示装置102の画面が待機画面に遷移するようにしてもよい。
【0109】
検知画面の表示中において、商品が販売されたことに対応する信号が取得された場合には、画像表示装置102の画面が、販売後画面に遷移する(S103)。販売後画面においては、例えば、抽選が行われていることや、このあとに抽選結果を表示することなどが表示されうる。なお、抽選が実質的に終了しても、販売後画面を所定時間表示するようにしてもよい。
【0110】
販売後画面が表示されて所定時間が経過し、かつ、抽選結果が当選であった場合には、画像表示装置102の画面が、当選画面に遷移する(S104)。当選画面では、抽選結果が当たりであることや、景品が払い出されることなどを表示することができる。なお、景品が払い出される景品排出口111,112の別を示す情報が当選画面に含まれるようにしてもよい。これにより、ユーザは、迷わずに、払い出された景品を取得することができる。
【0111】
なお、当選画面を表示する場合には、ユーザが当選画面の内容を確実に把握できるように、当選画面の表示を開始してから所定の待ち時間の経過後に払出部151,152により景品の払出しが行われるように、払出制御部180が制御を行うようにしてもよい。これにより、より確実に、ユーザが、払い出される景品を取得することができる。
【0112】
他方、販売後画面が表示されて所定時間が経過し、かつ、抽選結果が落選であった場合には、画像表示装置102の画面が、落選画面に遷移する(S105)。落選画面では、抽選結果がはずれであることなどが表示されうる。
【0113】
当選画面や落選画面が表示されてから所定時間が経過した場合には、例えば、待機画面に戻る。なお、検知画面に遷移したり、他の画面に遷移したりするように構成されていてもよい。
【0114】
また、各画面において表示される画像は、動画像であってもよいし、静止画像であってもよい。
【0115】
以上説明したように、本実施の形態によれば、景品提供ユニット100は、各自動販売機10,20から取得した信号に基づいて、景品の払出機構140の制御を行うことにより、景品を払い出すことができる。景品の払出しは、自動販売機10,20に対して景品提供ユニット100が連動して自動的に行われうる。したがって、ユーザ等に対してコードの読み込みを強いることのない景品の提供を実現することができる。
【0116】
景品の払出のための1つの景品提供ユニット100により2つの自動販売機10,20による商品の販売に基づいて景品を提供することができるため、比較的低コストで、景品の提供を行うことができる自動販売システム1を構成することができる。特に、本実施の形態においては、商品を排出するために自動販売機に設けられたアクチュエータ12,22の動作に対応する信号を用いて、景品の提供に関する動作を行うことができる。したがって、自動販売機10,20として、一般的な構成を有するものをそのまま利用して、全体として景品を提供可能な自動販売システム1を構成することができる。そのため、自動販売システム1を比較的低コストで導入することが可能となる。
【0117】
第一自動販売機10において商品が販売された場合と第二自動販売機20において商品が販売された場合とで異なる態様で景品の払出を行うことができるので、ユーザに対して、多様なユーザ体験を提供したり、多様な景品の提供に関する企画を立案して実行したりすることができる。
【0118】
また、例えば、第一自動販売機10において商品が販売された場合には第一景品排出口111から、第二自動販売機20において商品が販売された場合には第二景品排出口112から、それぞれ景品が払い出される。これにより、それぞれの自動販売機10,20で商品を購入したユーザが、直感的に、自身に景品が払い出されたことを知りやすくなる。
【0119】
(その他)
【0120】
上記実施の形態において、一の装置に存在して情報処理に関与する2以上の構成要素は、物理的に一の媒体で実現されてもよい。
【0121】
また、上記実施の形態において、情報処理に関与する各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、又は、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0122】
また、上記実施の形態において、情報処理に関与する各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、又は長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、又は、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、又は、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0123】
また、上記実施の形態において、情報処理に関与する各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、又は、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0124】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
【0125】
上述の実施の形態の構成そのものに限られず、上述の実施の形態のそれぞれの構成要素について、適宜、他の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態のうち、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。
【0126】
なお、景品提供ユニットが、3以上の自動販売機において商品の販売が行われた場合に、それに応じて景品の提供に関する動作を実行可能であってもよい。この場合、3つ目以降の自動販売機においても、商品の販売に関する信号を取得するようにして、上述と同様の処理を実行すればよい。
【0127】
上記実施の形態の開示は、以下のように表される構成を含んでいる。
【0128】
(構成1)第一自動販売機及び第二自動販売機のそれぞれに接続された状態で用いられる景品提供ユニットであって、景品を収容する景品収容部に収容されている景品を払い出す払出機構と、前記第一自動販売機から商品の販売に関する信号を取得する第一信号取得部と、前記第二自動販売機から商品の販売に関する信号を取得する第二信号取得部と、前記第一信号取得部による前記信号の取得結果と前記第二信号取得部による前記信号の取得結果とに基づいて前記払出機構の制御を行う払出制御部とを備える、景品提供ユニット。
【0129】
(構成2)前記払出制御部は、前記第一自動販売機において商品が販売されたことを示す信号が前記第一信号取得部により取得された第一の場合と、前記第二自動販売機において商品が販売されたことを示す信号が前記第二信号取得部により取得された第二の場合とで、互いに異なる態様で前記払出機構の制御を行うように構成されている、構成1に記載の景品提供ユニット。かかる構成により、第一自動販売機において商品が販売された場合と第二自動販売機において商品が販売された場合とで異なる態様で景品の払出を行うことができる。
【0130】
(構成3)前記払出機構は、払い出す景品が通過する景品排出経路を2以上有しており、前記払出制御部は、前記第一の場合において前記景品の払い出しが行われるように制御を行う場合と前記第二の場合において前記景品の払い出しが行われるように制御を行う場合とで前記景品排出経路が互いに異なるように前記払出機構の制御を行う、構成2に記載の景品提供ユニット。かかる構成により、第一自動販売機において商品が販売された場合と第二自動販売機において商品が販売された場合とで異なる態様で景品の払出を行うことができる。
【0131】
(構成4)前記第二信号取得部は、前記第二自動販売機において商品の所定の販売動作を行うために設けられているモータの動作に対応する信号を前記商品の販売に関する信号として取得可能に構成されている、構成1から3のいずれかに記載の景品提供ユニット。かかる構成により、容易に、第二自動販売機における商品の販売動作に応じて景品の提供を行うことができる。汎用の第二自動販売機に対して景品提供ユニットを用いて、第二自動販売機における商品の販売にも応じて景品を提供可能な自動販売システムを構成することが可能となる。
【0132】
(構成5)前記第一信号取得部は、前記第一自動販売機において販売された商品に対応する信号を取得し、前記第二信号取得部は、前記第二自動販売機において販売された商品に対応する信号を取得し、前記払出制御部は、前記第一自動販売機又は前記第二自動販売機において販売された商品に応じて前記払出機構の制御を行う、構成1から4のいずれかに記載の景品提供ユニット。かかる構成により、販売された商品に応じて景品の提供を行うことができる。
【0133】
(構成6)それぞれ商品を販売可能な第一自動販売機及び第二自動販売機と、構成1から5のいずれかに記載の景品提供ユニットとを備える、自動販売システム。かかる構成により、1つの景品提供ユニットにより、第一自動販売機及び第二自動販売機のそれぞれによる商品の販売に応じて景品を提供することができる。
【0134】
(構成7)前記景品提供ユニットの筐体は、前記第一自動販売機と前記第二自動販売機との間に配置されている、構成6に記載の自動販売システム。かかる構成により、第一自動販売機による商品の販売に応じて景品が提供された場合においても、第二自動販売機による商品の販売に応じて景品が提供された場合においても、景品が提供されたことをユーザが容易に認識することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
以上のように、本発明にかかる景品提供ユニットは、景品提供ユニットによって、従来とは異なる方法により、自動販売機による商品の販売に応じて購入者に景品を提供することができるという効果を有し、景品提供ユニット等として有用である。
【符号の説明】
【0136】
1 自動販売システム
10 第一自動販売機
12 アクチュエータ
17 商品取出口
20 第二自動販売機
22 アクチュエータ
27 商品取出口
100 景品提供ユニット
101 ユニット筐体
102 画像表示装置
106 人感センサ
111 第一景品排出口
112 第二景品排出口
121 第一景品収容部
122 第二景品収容部
140 払出機構
141 第一景品排出経路
142 第二景品排出経路
151 第一払出部
152 第二払出部
170 制御装置
171 第一信号取得部
172 第二信号取得部
175 格納部
180 払出制御部
182 抽選部
183 払出条件判断部
186 画像出力部
図1
図2
図3
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図5
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図9