(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099874
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】尿溜容器、及び動物用トイレ
(51)【国際特許分類】
A01K 1/01 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A01K1/01 801Z
A01K1/01 801A
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003471
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】321000026
【氏名又は名称】株式会社大貴
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】吉永 隼士
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101AA20
2B101CA08
2B101CB01
2B101GB05
(57)【要約】
【課題】吸水材が配設された状態でも尿検査の精度の低下を防ぐことが可能な尿溜容器、及びそれを備える動物用トイレを提供する。
【解決手段】尿溜容器40は、尿が排泄される本体部を備える動物用トイレに設置され、本体部に排泄された尿を溜める容器である。尿溜容器40は、尿溜部44、及び尿溜部46を備えている。尿溜部44は、所定量の尿が溜まる部分である。尿溜部46は、所定量を超えた分の尿が溜まる部分である。尿溜部46は、尿溜部44と隔離されている。尿溜容器40は、尿溜容器40内に入った尿が、最初に尿溜部44に溜まり、尿溜部44に溜まった尿が所定量に達した後に尿溜部46に溜まるように構成されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿が排泄される本体部を備える動物用トイレに設置され、前記本体部に排泄された前記尿を溜める尿溜容器であって、
所定量の前記尿が溜まる第1の尿溜部と、
前記第1の尿溜部と隔離され、前記所定量を超えた分の前記尿が溜まる第2の尿溜部と、を備え、
当該尿溜容器内に入った前記尿は、最初に前記第1の尿溜部に溜まり、当該第1の尿溜部に溜まった前記尿が前記所定量に達した後に前記第2の尿溜部に溜まるように構成されていることを特徴とする尿溜容器。
【請求項2】
請求項1に記載の尿溜容器において、
前記第1の尿溜部の容積は、前記第2の尿溜部の容積よりも小さい尿溜容器。
【請求項3】
請求項2に記載の尿溜容器において、
前記第1の尿溜部の前記容積は、前記第2の尿溜部の前記容積の50%以下である尿溜容器。
【請求項4】
請求項3に記載の尿溜容器において、
前記第1の尿溜部の前記容積は、前記第2の尿溜部の前記容積の25%以下である尿溜容器。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の尿溜容器において、
前記尿溜容器は、第1の底面部及び第1の側面部を有する箱状をしている尿溜容器。
【請求項6】
請求項5に記載の尿溜容器において、
前記第1の底面部上に立設され、前記第1の尿溜部と前記第2の尿溜部とを隔離する隔離壁を備える尿溜容器。
【請求項7】
請求項6に記載の尿溜容器において、
前記隔離壁の上面は、前記第2の尿溜部に向かって下方に傾斜している尿溜容器。
【請求項8】
請求項5に記載の尿溜容器において、
前記第1の側面部には、第1の開口部が設けられており、
前記尿は、前記第1の開口部を通って当該尿溜容器に達する尿溜容器。
【請求項9】
請求項8に記載の尿溜容器において、
前記第2の尿溜部よりも前記第1の尿溜部の方が、前記第1の開口部の近くに位置する尿溜容器。
【請求項10】
請求項8に記載の尿溜容器において、
前記第1の開口部の底面は、当該尿溜容器の内側に向かって下方に傾斜している尿溜容器。
【請求項11】
請求項5に記載の尿溜容器において、
前記第1の底面部及び前記第1の側面部で囲まれた空間を上方から覆う蓋部を備える尿溜容器。
【請求項12】
請求項1乃至4の何れかに記載の尿溜容器において、
前記第2の尿溜部に配設され、前記尿を吸収する吸水材を備える尿溜容器。
【請求項13】
請求項12に記載の尿溜容器において、
前記吸水材は、シート状をしている尿溜容器。
【請求項14】
請求項12に記載の尿溜容器において、
前記吸水材は、消臭剤又は脱臭剤を含有する尿溜容器。
【請求項15】
請求項12に記載の尿溜容器において、
前記吸水材は、吸水性ポリマーを含有する尿溜容器。
【請求項16】
請求項1乃至4の何れかに記載の尿溜容器において、
前記本体部に対して着脱可能である尿溜容器。
【請求項17】
請求項1乃至4の何れかに記載の尿溜容器において、
前記本体部の外側に設置される尿溜容器。
【請求項18】
請求項1乃至4の何れかに記載の尿溜容器において、
把手を備える尿溜容器。
【請求項19】
請求項1乃至4の何れかに記載の尿溜容器と、
前記本体部と、
を備える動物用トイレ。
【請求項20】
請求項19に記載の動物用トイレにおいて、
前記本体部は、
前記尿を通過させる貫通孔を有する仕切部と、
前記仕切部の上方に存在し、複数の粒状体が配設される上部空間と、
前記仕切部の下方に存在し、前記貫通孔を通過した前記尿が落下する下部空間と、を含み、
前記下部空間の底面は、当該下部空間に落下した前記尿が前記尿溜容器に向かって流れるように傾斜している動物用トイレ。
【請求項21】
請求項20に記載の動物用トイレにおいて、
前記下部空間の前記底面は、全体が傾斜している動物用トイレ。
【請求項22】
請求項20に記載の動物用トイレにおいて、
前記本体部は、第2の底面部及び第2の側面部を有する箱状の本体容器を含み、
前記本体容器の内部空間は、前記下部空間を含む動物用トイレ。
【請求項23】
請求項22に記載の動物用トイレにおいて、
前記尿溜容器の高さは、前記本体容器の高さよりも小さい動物用トイレ。
【請求項24】
請求項22に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の側面部には、第2の開口部が設けられており、
前記下部空間の前記底面を流れた前記尿は、前記第2の開口部を通って前記尿溜容器に達する動物用トイレ。
【請求項25】
請求項24に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の開口部は、横長の形状をしている動物用トイレ。
【請求項26】
請求項24に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の開口部の横の長さは、当該第2の開口部が設けられた前記第2の側面部の横幅よりも小さい動物用トイレ。
【請求項27】
請求項24に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の開口部の底面は、前記本体容器の外側に向かって下方に傾斜している動物用トイレ。
【請求項28】
請求項24に記載の動物用トイレにおいて、
前記尿溜容器は、前記第2の開口部が設けられた前記第2の側面部に対して隙間なく接した状態で設置される動物用トイレ。
【請求項29】
請求項22に記載の動物用トイレにおいて、
前記本体容器の前記内部空間は、前記上部空間及び前記下部空間の双方を含む動物用トイレ。
【請求項30】
請求項20に記載の動物用トイレにおいて、
前記複数の粒状体は、疎水性を有する動物用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用トイレに設置される尿溜容器、及び当該尿溜容器を備える動物用トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の尿溜容器としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された尿溜容器は、尿が排泄される本体部を備える動物用トイレに設置され、本体部に排泄された尿を溜める。本体部の側面部には、本体部の外に尿を流出させるための開口が形成されている。また、尿溜容器の側面部には、尿溜容器内に尿を流入させるための開口が形成されている。本体部に排泄された尿は、両開口を通って尿溜容器内に導かれる。尿溜容器内には、尿を吸収する吸水材が配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の尿溜容器に溜まった尿を用いることにより、動物の尿検査を行うことも可能である。しかしながら、当該尿は吸水材に吸収された状態で尿溜容器に溜まるため、吸水材の成分が検査結果に影響しやすいという問題がある。このことは、尿検査の精度を低下させる要因となる。この点、尿溜容器内に吸水材を配設しなければ、上記問題を回避することができる。ところが、その場合、尿溜容器を誤って倒したとき等に、尿溜容器から大量の尿がこぼれてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、吸水材が配設された状態でも尿検査の精度の低下を防ぐことが可能な尿溜容器、及びそれを備える動物用トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による尿溜容器は、尿が排泄される本体部を備える動物用トイレに設置され、上記本体部に排泄された上記尿を溜める尿溜容器であって、所定量の上記尿が溜まる第1の尿溜部と、上記第1の尿溜部と隔離され、上記所定量を超えた分の上記尿が溜まる第2の尿溜部と、を備え、当該尿溜容器内に入った上記尿は、最初に上記第1の尿溜部に溜まり、当該第1の尿溜部に溜まった上記尿が上記所定量に達した後に上記第2の尿溜部に溜まるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
この尿溜容器には、互いに隔離された第1及び第2の尿溜部が設けられている。尿溜容器内に入った尿は、最初に第1の尿溜部に溜まり、第1の尿溜部に溜まった尿が所定量に達した後に第2の尿溜部に溜まる。このため、第2の尿溜部にのみ吸水材を配設しておくことにより、第2の尿溜部においては吸水材に吸収された状態で尿を溜めることができる一方で、第1の尿溜部においては吸水材に吸収されない状態で尿を溜めることができる。それゆえ、第1の尿溜部に溜まった尿を検査対象とすることにより、吸水材の成分が検査結果に影響するのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸水材が配設された状態でも尿検査の精度の低下を防ぐことが可能な尿溜容器、及びそれを備える動物用トイレが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明による動物用トイレの一実施形態を示す端面図である。
【
図10】本体部10に尿溜容器40を着脱可能に固定するための構造の一例を説明するための図である。
【
図11】本体部10に尿溜容器40を着脱可能に固定するための構造の一例を説明するための図である。
【
図12】開口部14の一変形例を説明するための正面図である。
【
図13】開口部14の他の変形例を説明するための正面図である。
【
図14】開口部14の他の変形例を説明するための正面図である。
【
図15】尿溜容器40の一変形例を説明するための端面図である。
【
図16】本体部10の一変形例を説明するための端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明による動物用トイレの一実施形態を示す端面図である。動物用トイレ1は、猫や犬等の動物の排泄に用いられるトイレであって、本体部10、及び尿溜容器40を備えている。本体部10は、尿が排泄される便器として機能する。本体部10は、本体容器12、仕切部20、及び複数の粒状体30を含んでいる。本体容器12は、底面部12a(第2の底面部)及び側面部12b(第2の側面部)を有する箱状をしている。本体容器12の外形は、略直方体状である。本体容器12の材料としては、例えば、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、例えば、ポリプロピレン又はポリエチレンが挙げられる。
【0012】
本体容器12は、側面部12bから本体容器12の内側に張り出すように設けられた張出部12cを有している。張出部12cは、突起であってもよいし、突条であってもよい。張出部12cは、側面部12bと一体に成形されてもよいし、側面部12bと別々に成形された後に側面部12bに取り付けられてもよい。張出部12cの張出長さ(当該張出部12cが設けられた側面部12bの内面に垂直な方向の長さ)は、例えば5mm以上15mm以下である。
【0013】
仕切部20は、張出部12c上に載置されている。仕切部20は、本体容器12に固定されていない。仕切部20は、本体容器12に対して着脱可能である。仕切部20は、板状をしており、底面部12aと平行に配置されている。仕切部20は、底面部12a及び本体容器12の上端の双方から離間した位置に設けられている。これにより、仕切部20は、本体容器12内を上下に区画している。すなわち、仕切部20は、本体容器12の内部空間を上部空間24と下部空間26とに区画するように配置されている。それゆえ、本体容器12の内部空間は、少なくとも下部空間26を含んでいる。本実施形態において本体容器12の内部空間は、上部空間24及び下部空間26の双方を含んでいる。
【0014】
上部空間24は、仕切部20の上方に存在し、複数の粒状体30が配設される空間である。下部空間26は、仕切部20の下方に存在し、貫通孔22を通過した尿が落下する空間である。このように、本体部10は、仕切部20によって画された上部空間24及び下部空間26を含んでいる。
【0015】
図2は、仕切部20を示す平面図である。仕切部20は、平面視で、略長方形状をしている。ここで、略長方形とは、長方形に限らず、角丸長方形のように長方形に近い形状も含む趣旨である。仕切部20は、尿を通過させる貫通孔22を有している。仕切部20は、複数の貫通孔22を有している。複数の貫通孔22は、仕切部20において、二次元的に配列されている。各貫通孔22の平面形状は、円形である。各貫通孔22は、尿を通過させる一方、粒状体30は通過させない。仕切部20の材料としては、例えば、プラスチックを用いることができる。
【0016】
図3、
図4及び
図5は、それぞれ、本体容器12を示す端面図、正面図及び平面図である。また、
図6は、
図5のVI-VI線に沿った端面図である。なお、
図1に示した本体容器12の端面は、
図5のI-I線に沿った端面である。本体容器12の側面部12bには、開口部14(第2の開口部)が設けられている。開口部14は、横長の形状をしている。開口部14の縦の長さ(側面部12bの上下方向についての長さ)は、例えば、3mm以上10mm以下である。開口部14の横の長さw1(開口部14が設けられた側面部12bの左右方向についての長さ)は、例えば、30mm以上100mm以下である。長さw1は、開口部14が設けられた側面部12bの横幅(内寸)w2よりも小さい(
図4及び
図5参照)。長さw1は、横幅w2の3分の1以下であることが好ましい。
【0017】
本体容器12が載置される床面を基準としたとき、開口部14の高さh1(
図3及び
図4参照)は、30mm以上であることが好ましい。高さh1は、床面から開口部14の下端までの距離に等しい。
図3からわかるように、開口部14の底面は、本体容器12の外側に向かって下方に傾斜している。換言すると、開口部14の底面は、側面部12bの内面から外面に向かって下方に傾斜している。開口部14は、本体容器12内に排泄された尿を本体容器12の外に流出させる出口として機能する。
【0018】
下部空間26の底面28は、下部空間26に落下した尿が後述する尿溜容器40に向かって流れるように傾斜している。具体的には、底面28は、尿が開口部14に流れるように傾斜している。底面28を流れた尿は、開口部14を通って尿溜容器40に達する。底面28は、開口部14の底面に連続している。本実施形態においては、底面28の全体が傾斜している。尿の流れを妨げないように、底面28上には何も敷設されていない。
図5及び
図6からわかるように、底面28は、連続する複数の平面28a,28b,28cからなる。平面28a及び平面28bは、平面28cに向かって下方に傾斜している。平面28cは、開口部14に向かって下方に傾斜している。なお、本実施形態において張出部12cは、平面視で側面部12bの内周の全体にわたって環状に設けられた突条からなる(
図5参照)。
【0019】
図3に示すように、本体容器12は、中間板12dを有している。中間板12dは、底面部12aと仕切部20との間に位置する。中間板12dは、底面部12a及び仕切部20に対して斜めに配置されている。中間板12dの上面が、下部空間26の底面28を構成している。中間板12dの周縁部は、本体容器12の側面部12bに接続されている。本体容器12内において尿が中間板12dの下方の空間(底面部12a、側面部12b及び中間板12dで囲まれた空間)に漏れることがないように、中間板12dの周縁部の全体が側面部12bに対して隙間なく接続されている。中間板12dは、側面部12bと一体に成形されてもよいし、側面部12bと別々に成形された後に側面部12bに取り付けられてもよい。
【0020】
図1に戻って、上部空間24には、排泄物(尿)を処理するための複数の粒状体30が配設される。複数の粒状体30は、仕切部20上に敷設された状態で上部空間24に配設されている。動物用トイレ1の使用時、粒状体30は、排泄された尿を直接に受けることになる。粒状体30は、疎水性を有している。すなわち、粒状体30は、尿等の液体を全く吸収しないか、あるいは吸収するとしても殆ど吸収しない性質を有する。
【0021】
粒状体30が疎水性を有するというには、次の試験により測定される液通過率が60%以上であることが必要である。まず、内径10cm、目開き1mmの篩に50g相当の粒状体30(サンプル)を入れる。篩の下には、空のビーカーを設置する。そして、サンプルに対し、外筒の内径3cm、筒先の内径4mmのシリンジ(テルモ社製60mlシリンジ)を用いて、30mlの水を10秒かけて滴下する。1分間放置した後、ビーカー内の水量を計測する。計測した水量の滴下した水量(30ml)に対する割合をもって液通過率とする。すなわち、ビーカー内の水量が18ml以上であれば、液通過率が60%以上となるため、粒状体30が疎水性を有するといえる。参考として、市販されている一般的な吸水性の猫砂の液通過率は、5%程度である。
【0022】
粒状体30は、粒状に成形されている。かかる粒状の形状としては、例えば、球、円柱、楕円体等が挙げられる。粒状体30の粒径は、例えば、5mm以上30mm以下である。ここで、粒径は、粒状体30を内包することが可能な最小の球の直径として定義される。各粒状体30は、有機物を主材料とすることが好ましい。ここで、粒状体30の主材料とは、粒状体30を構成する1又は2以上の材料のうち、当該粒状体30に占める重量割合が最大のものをいう。かかる有機物としては、例えば、紙類、植物類、プラスチック類、又は有機汚泥類が挙げられる。各粒状体30は、有機物のみからなっていてもよいし、有機物及び無機物からなっていてもよい。
【0023】
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙(紙粉)の他にも、印画紙、剥離紙、フラッフパルプ、塩ビ壁紙由来の紙(塩ビ壁紙の製造時又は分級時に発生する紙)、石膏ボード由来の紙(石膏ボードの製造時又は分級時に発生する紙)、又は衛生用品由来の紙(紙を含む衛生用品の製造時又は分級時に発生する紙)を用いることができる。紙を含む衛生用品としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド、又は衛生用紙(ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオル等)が挙げられる。植物類としては、例えば、木粉、大鋸屑、又は植物性残渣(茶殻、オカラ等)を用いることができる。プラスチック類としては、例えば、通常のプラスチックの他にも、アルミ蒸着フィルム、塩ビ壁紙由来のプラスチック(塩ビ壁紙の製造時又は分級時に発生するプラスチック)、又は衛生用品由来のプラスチック(プラスチックを含む衛生用品の製造時又は分級時に発生するプラスチック)を用いることができる。プラスチックを含む衛生用品としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド、又は衛生マスクが挙げられる。有機汚泥類としては、例えば、製紙スラッジ、又はパルプスラッジを用いることができる。これらの材料には、疎水処理(撥水処理)が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。
【0024】
粒状体30を構成する材料は、1つのみであってもよいし、2つ以上であってもよい。前者の場合、粒状体30を構成する材料は、上述の主材料のみということになる。後者の場合、粒状体30は、主材料と他の材料との混合物によって構成されることになる。他の材料としては、例えば、石膏又は重曹が挙げられる。石膏又は重曹を加えることにより、粒状体30の疎水性を高めることができる。石膏又は重曹の量は、例えば、粒状体30の全体に対して5重量%以上50重量%未満である。
【0025】
粒状体30は、例えば、次の方法により製造することができる。まず、造粒装置を用いて造粒材料(粒状体30を構成する材料)を造粒することにより、粒状体30となる造粒物を形成する。造粒装置としては、例えば押出造粒機を用いることができる。造粒物には、必要に応じて疎水処理を施してもよい。疎水処理は、例えば、造粒物の表面を疎水剤(撥水剤)でコーティングすることにより行うことができる。疎水処理を行わない場合、造粒時に造粒材料に加わる圧力を高めることにより、造粒物内に空隙が極力生じないようにすることが好ましい。かかる空隙は、粒状体30の内部に尿等の水分が浸入する経路となるからである。造粒に先立って、造粒材料には、粉砕、混錬、加水等の前処理が必要に応じて行われる。また、造粒後には、篩分け(分粒)、乾燥等の後処理が必要に応じて行われる。
【0026】
図7、
図8及び
図9は、それぞれ、尿溜容器40を示す端面図、平面図及び正面図である。尿溜容器40は、動物用トイレ1に設置され、本体部10に排泄された尿を溜める容器である。尿溜容器40は、底面部40a(第1の底面部)及び側面部40b(第1の側面部)を有する箱状をしている。尿溜容器40の外形は、本体容器12の外形と同様、略直方体状である。ただし、尿溜容器40の容積は、本体容器12の容積よりも小さい。また、尿溜容器40の高さは、本体容器12の高さよりも小さい。
【0027】
側面部40bには、開口部42(第1の開口部)が設けられている。開口部42は、尿を尿溜容器40内に流入させる入口として機能する。すなわち、開口部14から流出した尿は、開口部42を通って尿溜容器40に達する。開口部42は、開口部14と略同一の形状及び大きさをしている。厳密には、側面部12bの外面における開口部14の形状及び大きさと、側面部40bの外面における開口部42の形状及び大きさとが略一致する。開口部42の底面は、尿溜容器40の内側に向かって下方に傾斜している。換言すると、開口部42の底面は、側面部40bの外面から内面に向かって下方に傾斜している。
【0028】
尿溜容器40は、尿溜部44(第1の尿溜部)、尿溜部46(第2の尿溜部)、及び隔離壁48を備えている。尿溜部44は、所定量の尿が溜まる部分である。所定量は、尿検査に必要最低限の量であることが好ましく、例えば10ml以上30ml以下である。尿溜部46は、上記所定量を超えた分の尿が溜まる部分である。尿溜部46は、尿溜部44と隔離されている。上述の上部空間24及び下部空間26が鉛直方向に隔離されているのとは対照的に、尿溜部44及び尿溜部46は、水平方向に隔離されている。尿溜部46よりも尿溜部44の方が、開口部42の近くに位置している。すなわち、水平方向について、尿溜部44は、開口部42と尿溜部46との間に位置している。尿溜部44の容積(上記所定量に等しい)は、尿溜部46の容積よりも小さい。尿溜部44の容積は、尿溜部46の容積の50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。
【0029】
隔離壁48は、底面部40a上に立設されている。隔離壁48は、底面部40aから鉛直上向きに延びている。また、
図8からわかるように、隔離壁48は、平面視で、1つの側面部40b(開口部42が設けられた側面部40bの隣の側面部40b)から、当該側面部40bと対向する側面部40bまで延びている。これにより、隔離壁48は、尿溜部44と尿溜部46とを隔離している。隔離壁48の上面は、尿溜部46に向かって下方に傾斜している。換言すると、隔離壁48の上面は、尿溜部44から尿溜部46に向かって下方に傾斜している。隔離壁48の高さh2は、開口部42の高さh3よりも小さい。高さh2は、底面部40aから隔離壁48の上端までの距離に等しい。また、高さh3は、底面部40aから開口部42の下端までの距離に等しい。
【0030】
開口部42から尿溜容器40内に入った尿は、まず尿溜部44に落下して尿溜部44に溜まる。尿溜部44に溜まった尿が所定量に達したとき、尿溜部44の全体が尿で満たされた状態となる。このとき、尿の液面の高さは、隔離壁48の高さh2に等しくなる。その後、所定量を超えた分の尿は、隔離壁48を越えて尿溜部46に落下することになる。当該尿は、尿溜部46に溜まる。このように、尿溜容器40は、尿溜容器40内に入った尿が、最初に尿溜部44に溜まり、尿溜部44に溜まった尿が所定量に達した後に尿溜部46に溜まるように構成されている。
【0031】
さらに、尿溜容器40は、蓋部52、把手54、及び吸水材56を備えている。蓋部52は、底面部40a及び側面部40bで囲まれた空間(尿溜部44及び尿溜部46を含む空間)を上方から覆う。蓋部52は、開閉可能に設けられている。動物用トイレ1の使用時、蓋部52は閉じられる。蓋部52が閉じられた状態では、尿溜容器40内は、開口部42を除いて密閉される。把手54は、開口部42が設けられた側面部40bと対向する側面部40bに設けられている。尿溜容器40の材料としては、例えば、プラスチックを用いることができる。
【0032】
吸水材56は、尿溜部46に配設される。吸水材56は、尿溜部44には配設されない。吸水材56は、尿を吸収する。吸水材56は、シート状をしている。すなわち、吸水材56は、吸水性シートからなる。吸水材56は、消臭剤又は脱臭剤を含有することが好ましい。また、吸水材56は、吸水性ポリマーを含有することが好ましい。なお、
図8においては、蓋部52及び吸水材56の図示を省略している。
【0033】
動物用トイレ1の使用時、尿溜容器40は、本体部10の外側に設置される(
図1参照)。尿溜容器40は、開口部14が設けられた側面部12bに対して隙間なく接した状態で設置される。このとき、尿溜容器40の開口部42は、本体容器12の開口部14に重なる。本実施形態において開口部14と開口部42とは、互いに完全に重なり合う。すなわち、開口部14の全体が開口部42に重なるとともに、開口部42の全体も開口部14に重なる。側面部40bの上端は、開口部14の上端よりも高い位置にある。
【0034】
尿溜容器40は、本体部10に対して着脱可能に固定されている。ここで、着脱可能とは、本体部10及び尿溜容器40を損傷することなく、本体部10に対する尿溜容器40の取付け及び取外しを繰り返し行えるということである。
【0035】
かかる構成は、例えば
図10に示すように、側面部12bに突条52を設けるとともに、側面部40bに溝54を設けることにより実現することができる。同図は、側面部12b及び側面部40bを上から見た図である。突条52は、側面部12bにおける側面部40bに対向する部分に設けられている。突条52は、側面部12bから遠ざかるにつれて幅が広くなるテーパ状の断面形状を有しており、側面部12bの上下方向(
図10において紙面に垂直な方向)に延在している。他方、溝54は、側面部40bにおける側面部12bに対向する部分に設けられている。溝54は、側面部40bの内部に近づくにつれて幅が広くなるテーパ状の断面形状を有しており、側面部40bの上下方向に延在している。溝54の断面は、突条52の断面と略同一の形状及び大きさを有している。
【0036】
本体容器12に対して尿溜容器40を上下方向にスライドさせて、
図11に示すように突条52と溝54とを嵌合させることにより、本体部10に尿溜容器40を取り付けて固定することができる。また、本体容器12に対して尿溜容器40を上下方向にスライドさせて、突条52と溝54との嵌合を解くことにより、本体部10から尿溜容器40を取り外すことができる。
【0037】
動物用トイレ1の使用時、粒状体30上に排泄された尿は、粒状体30どうしの隙間を通り抜けて下方へと流れる。当該尿は、仕切部20の貫通孔22を通じて、上部空間24から下部空間26に落下する。下部空間26に落下した尿は、底面28を流れた後、開口部14及び開口部42を通って尿溜容器40内に入る。尿溜容器40内に入った尿は、上述のとおり、最初に尿溜部44に溜まり、尿溜部44に溜まった尿が所定量に達した後に初めて尿溜部46に溜まる。
【0038】
本実施形態の効果を説明する。尿溜容器40には、互いに隔離された尿溜部44及び尿溜部46が設けられている。尿溜容器40内に入った尿は、最初に尿溜部44に溜まり、尿溜部44に溜まった尿が所定量に達した後に尿溜部46に溜まる。このため、尿溜部46にのみ吸水材56を配設しておくことにより、尿溜部46においては吸水材56に吸収された状態で尿を溜めることができる一方で、尿溜部44においては吸水材56に吸収されない状態で尿を溜めることができる。それゆえ、尿溜部44に溜まった尿を検査対象とすることにより、吸水材56の成分が検査結果に影響するのを防ぐことができる。したがって、吸水材56が配設された状態でも尿検査の精度の低下を防ぐことが可能な尿溜容器40、及びそれを備える動物用トイレ1が実現されている。
【0039】
また、尿溜部46に溜まった尿は、吸水材56に吸収された状態にあるため、尿溜容器40からこぼれにくい。これにより、万一尿溜容器40が倒れても、尿溜容器40から尿がこぼれることによる被害を小さく抑えることができる。
【0040】
尿溜部44の容積は、尿溜部46の容積よりも小さい。このように尿溜部44の容積を小さくすることにより、吸水材56に吸収されない尿の量を減らすことができる。このことは、尿溜容器40から尿がこぼれることによる被害を小さく抑えるのに有利である。一方、尿溜部46の容積を大きくすることにより、尿溜部44及び尿溜部46に溜めることが可能な尿の総量を増やすことができる。
【0041】
尿溜部44の容積を小さくするほど、吸水材56に吸収されない尿の量を減らすことができる。かかる観点から、尿溜部44の容積は、尿溜部46の容積の50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましい。他方、尿溜部44の容積が小さすぎると、検査に必要な量の尿を尿溜部44から採取するのが困難になりかねない。かかる観点から、尿溜部44の容積は、尿溜部46の容積の10%以上であることが好ましい。
【0042】
尿溜容器40は、底面部40a上に立設された隔離壁48を備えている。これにより、簡易な構成で、互いに隔離された尿溜部44及び尿溜部46が設けられた尿溜容器40を実現することができる。
【0043】
隔離壁48の上面は、尿溜部46に向かって下方に傾斜している。これにより、所定量を超えた分の尿を尿溜部46に円滑に導くことができる。
【0044】
側面部40bには、開口部42が設けられている。これにより、簡易な構成で、本体部10の開口部14から流出した尿を尿溜容器40内に導くことができる。すなわち、開口部14から流出した尿は、開口部14と連続する開口部42を通じて、尿溜容器40内に流入することになる。また、側面部40bから尿を尿溜容器40内に取り込めるようになるため、側面部40bの高さを自由に大きくすることができる。
【0045】
尿溜部46よりも尿溜部44の方が、開口部42の近くに位置している。かかる構成は、尿溜容器40内に入った尿を、尿溜部46よりも先に尿溜部44に導くのに有利である。
【0046】
開口部42の底面は、尿溜容器40の内側に向かって下方に傾斜している。これにより、尿を開口部42を通じて尿溜容器40内に円滑に流入させることができる。
【0047】
尿溜容器40は、底面部40a及び側面部40bで囲まれた空間を上方から覆う蓋部52を有している。これにより、尿溜容器40内に溜まった尿から発生した悪臭が、尿溜容器40の上部から外に漏れるのを防ぐことができる。
【0048】
尿溜容器40は、尿溜部46に配設される吸水材56を備えている。これにより、ユーザ(動物の飼主等)が吸水材56を別途用意しなくても、尿溜部46に吸水材56を配設した状態で尿溜容器40を使用することが可能となる。
【0049】
吸水材56は、シート状をしている。この場合、吸水材56が粒状又は粉状をしている場合に比して、使用済みの吸水材56を新しいものと交換する作業が容易になる。
【0050】
吸水材56が消臭剤又は脱臭剤を含有する場合、吸水材56に吸収された尿からの悪臭の発生を緩和することができる。
【0051】
吸水材56が吸水性ポリマーを含有する場合、吸水材56に大量の尿を吸収させるのに有利である。
【0052】
尿溜容器40は、本体部10に対して着脱可能である。これにより、尿溜部44に溜まった尿の採取、並びに、本体部10及び尿溜容器40の清掃が容易になる。すなわち、本体部10から尿溜容器40を取り外すことにより、尿の採取や清掃を行いやすくなる。
【0053】
尿溜容器40は、把手54を備えている。これにより、本体部10に対する尿溜容器40の着脱が容易になる。
【0054】
尿溜容器40は、本体部10の外側に設置される。この場合、尿溜容器40が本体部10内に設置される場合に比して、尿溜部44に溜まった尿の採取が容易になる。
【0055】
下部空間26の底面28は、貫通孔22を通過して下部空間26に落下した尿が尿溜容器40に向かって流れるように傾斜している。これにより、下部空間26に落下した尿を尿溜容器40に向けて円滑に移動させることができる。
【0056】
下部空間26の底面28は、全体が傾斜している。これにより、尿が底面28上のどの位置に落ちても、当該尿を尿溜容器40に向かって流れるようにすることができる。ただし、底面28の一部のみが傾斜していてもよい。
【0057】
尿溜容器40の高さは、本体容器12の高さよりも小さい。この場合、尿溜容器40は、動物が本体容器12に出入りする際の踏台としても利用することができる。これにより、動物が本体容器12に出入りしやすくなる。
【0058】
本体容器12の側面部12bには、開口部14が設けられている。これにより、簡易な構成で、本体容器12の外側に設置された尿溜容器40に尿を導くことができる。
【0059】
開口部14は、横長の形状をしている。すなわち、開口部14は、横の長さが大きく、縦の長さが小さい。尿のような液体は、横に広がる性質を有する。それゆえ、開口部14の横の長さを大きくすることは、多量の尿を迅速に通過させるのに適している。これにより、多量の尿が排泄された場合であっても、当該尿を開口部14を通じて円滑に本体容器12の外に流出させることができる。他方、開口部14の縦の長さを小さくすることは、当該開口部14を固形物(例えば、崩壊した粒状体30の一部)が通過するのを防ぐ上で有利である。
【0060】
開口部14の横の長さw1は、開口部14が設けられた側面部12bの横幅w2よりも小さい。すなわち、開口部14は、側面部12bの左右方向について、側面部12bの一部分にのみ設けられている。これにより、側面部12bの全体にわたって開口部14を設けた場合に比して、本体容器12の外に流出した尿から発生した悪臭が開口部14を通じて本体容器12内に流れ込むのを抑制しやすくなる。かかる観点から、長さw1は、横幅w2の3分の1以下であることが好ましい。
【0061】
開口部14の底面は、本体容器12の外側に向かって下方に傾斜している。これにより、尿を開口部14を通じて本体容器12の外に円滑に流出させることができる。
【0062】
尿溜容器40は、開口部14が設けられた側面部12bに対して隙間なく接した状態で設置される。これにより、本体容器12と尿溜容器40との間に尿を移送するための手段を設けることなく、開口部14から流出した尿を尿溜容器40内に直接導くことができる。
【0063】
本体容器12の内部空間は、上部空間24及び下部空間26の双方を含んでいる。この場合、1つの容器(本体容器12)で上部空間24及び下部空間26を有する本体部10を実現することができる。このことは、本体部10ひいては動物用トイレ1の構成を簡易化するのに有利である。
【0064】
各粒状体30は、疎水性を有している。この場合、粒状体30上に排泄された尿の大部分は、粒状体30に吸収されずに、粒状体30どうしの隙間を通過することになる。これにより、多くの尿を尿溜容器40に導くことができる。
【0065】
各粒状体30が有機物を主材料とする場合、焼却処分に適した粒状体30を得ることができる。このことは、使用済みの粒状体30の処分の便宜に資する。特に各粒状体30が有機物のみからなる場合、焼却処分に一層適した粒状体30を得ることができる。
【0066】
仕切部20は、本体容器12に固定されていない。この場合、本体容器12に対する仕切部20の着脱が容易になる。
【0067】
仕切部20は、張出部12c上に載置されている。これにより、本体容器12に固定することなく仕切部20を本体容器12内の所定の位置に留めておくことができる。
【0068】
張出部12cは、平面視で、側面部12bの内周の全体に設けられている。これにより、仕切部20が下部空間26に落下してしまう事態を防ぎやすくなる。
【0069】
ところで、猫は、犬等の他の動物と異なり、排泄後に排泄物を粒状体で隠す習性を有する。それゆえ、上部空間24に複数の粒状体30が敷設される動物用トイレ1は、猫用トイレとして特に好適に用いることができる。
【0070】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態において、開口部14の形状、大きさ、位置及び数は、任意である。例えば、開口部14は、
図12に示すように、複数設けられていてもよい。同図においては、正面視で円形の開口部14が5つ設けられている。これらの開口部14は、側面部12bの左右方向に一直線状に等間隔で配列されている。同様に、開口部42の形状、大きさ、位置及び数も、任意である。
【0071】
上記実施形態において、開口部14には、例えば
図13及び
図14に示すように、開口部14の一部を閉塞する閉塞部材62が設けられていてもよい。
図13において閉塞部材62は、網状をしている。
図14において閉塞部材62は、櫛状をしている。かかる閉塞部材62を設けることにより、開口部14を固形物が通過しにくくすることができる。
【0072】
上記実施形態においては、貫通孔22の平面形状が円形である場合を例示した。しかし、貫通孔22の平面形状は、任意であり、例えば、矩形等の多角形であってもよいし、楕円形であってもよい。
【0073】
上記実施形態においては、尿溜部44の容積が尿溜部46の容積よりも小さい場合を例示した。しかし、尿溜部44の容積は、尿溜部46の容積に等しくてもよいし、尿溜部46の容積より大きくてもよい。
【0074】
上記実施形態においては、吸水材56がシート状をしている場合を例示した。しかし、吸水材56は、粒状又は粉状をしていてもよい。その場合、尿を吸収した吸水材56どうしが接着して固まりになるように構成されていてもよい。
【0075】
上記実施形態においては、尿溜容器40が本体部10の外側に設置される場合を例示した。しかし、尿溜容器40は、例えば
図15に示すように、本体部10内に設置されてもよい。同図において尿溜容器40は、中間板12dの下方に設置されている。尿溜容器40は、引出しのように、本体容器12に対して抜き挿しできるように構成されている。中間板12dの下端は、本体容器12の側面部12bから離間している。尿溜容器40は、底面28上を流れた尿が中間板12dの下端から尿溜部44に流れ落ちるように配置されている。
【0076】
上記実施形態においては、上部空間24及び下部空間26が1つの本体容器12で構成されている場合を例示した。しかし、例えば
図16に示すように、上部空間24を構成する容器72と下部空間26を構成する容器74とが別々に設けられていてもよい。同図において各容器72,74は、底面部及び側面部を有する箱状をしている。容器72は、容器74上に積み重ねられている。そして、容器72の底面部が仕切部20となっている。
【符号の説明】
【0077】
1 動物用トイレ
10 本体部
12 本体容器
12a 底面部(第2の底面部)
12b 側面部(第2の側面部)
12c 張出部
12d 中間板
14 開口部(第2の開口部)
20 仕切部
22 貫通孔
24 上部空間
26 下部空間
28 底面
30 粒状体
40 尿溜容器
40a 底面部(第1の底面部)
40b 側面部(第1の側面部)
42 開口部(第1の開口部)
44 尿溜部(第1の尿溜部)
46 尿溜部(第2の尿溜部)
48 隔離壁
52 蓋部
54 把手
56 吸水材
62 閉塞部材
72 容器
74 容器