(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009988
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】システム等
(51)【国際特許分類】
H04N 5/77 20060101AFI20240116BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H04N5/77 200
H04N7/18 U
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178635
(22)【出願日】2023-10-17
(62)【分割の表示】P 2019194800の分割
【原出願日】2019-10-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載アドレス https://www.yupiteru.co.jp/products/drive_recorder/s20/ https://www.yupiteru.co.jp/products/drive_recorder/s20/spec.html https://www.yupiteru.co.jp/products/drive_recorder/s20/app.html https://www.yupiteru.co.jp/products/drive_recorder/s20/option.html https://www.yupiteru.co.jp/products/drive_recorder/s20/support.html https://my.yupiteru.co.jp/upload/save_image/manual/pdf/S20.pdf https://my.yupiteru.co.jp/upload/save_image/manual/pdf/S20_Initial_Setup_Manual.pdf https://my.yupiteru.co.jp/upload/save_image/manual/pdf/SQ-700919.pdf(掲載日 平成30年12月21日) 出願人の指定店に、システム等(車載監視カメラ&ドライブレコーダーS20)を卸した。(販売日 平成30年12月17日)
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】片桐 康晴
(72)【発明者】
【氏名】上村 浩司
(57)【要約】
【課題】 駐車録画をしないキャンセルエリアを設定した状態のまま、一時的に駐車録画をし、その後に所定の条件を満たさない状態で当該設定中の駐車位置に駐車した場合は、特別な操作をすることなく元々設定されていた駐車録画をするシステムを提供する。
【解決手段】 駐車位置で撮影した映像を記録する駐車監視機能と、駐車監視機能の作動を抑制する駐車位置を設定する機能を備える。駐車監視機能は、設定中の駐車位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は映像を記録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車位置で撮影した映像を記録する駐車監視機能と、
前記駐車監視機能の作動を抑制する駐車位置を設定する機能と、を備え、
前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は前記映像を記録するシステム。
【請求項2】
前記駐車監視機能の作動を抑制することは、前記映像を記録しないことである請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置でない位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は作動を抑制する請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
駐車中の映像を記録する駐車位置を設定する機能と、
設定中の駐車位置に駐車された場合に、撮影した映像を記録する駐車監視機能と、を有し、
前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は前記映像の記録を抑制するシステム。
【請求項5】
前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置でない位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は駐車中の映像を記録する請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記所定の条件は、前記駐車位置に駐車された際の操作に基づくものである請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記操作に基づき発光部の発光状態を変更させる機能を備えた請求項6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記操作により前記所定の条件を満たすか否かを切り替えるようにし、
駐車してから所定時間を経過するまでに前記操作がない場合に前記所定の条件を満たしたとし、
前記操作があると、前記所定時間を延長し、その延長した時間の経過により前記所定の条件を満たすか否かを確定するようにした請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
前記操作とは異なる操作に応じて前記所定の条件を満たすか否かを切り替える機能と、
前記駐車位置に関する設定の更新を行う機能と、
を備える請求項6から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
表示部を備え、
前記所定の条件は、前記駐車位置に駐車された際の前記表示部の画面に対する操作に基づくものである請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記画面に対する操作がされると、前記所定の条件を満たすことを確定する機能を備える請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記表示部に、前記所定の条件を満たすために操作する第一領域と、現在の駐車位置に関する設定の更新を行うために操作する第二領域を同時に表示する請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
表示部を備え、
前記システムに電力供給する電源が車両のバッテリの場合、前記表示部に前記車両のバッテリ電圧を表示し、別の電源装置の場合、前記バッテリ電圧を表示しない機能を備える請求項1から12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記映像を記録する機能を備えた第一機器と、
前記表示部を備えた第二機器と、
前記第一機器と前記第二機器を接続する接続制御装置を備え、
前記接続制御装置は、電源から供給される電力に基づき、前記第一機器と前記第二機器に電源供給する機能と、前記第一機器と前記第二機器と通信を行う通信制御機能と、前記第一機器と前記第二機器に対して供給する前記電源のON/OFF制御を行う電源制御機能を備えた請求項10から13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
駐車監視機能による映像を記録する機能を備えた第一機器と、前記駐車監視機能に関する画面を表示する第二機器を接続する接続制御装置であって、
電源から供給される電力に基づき、前記第一機器と前記第二機器に電源供給する機能と、前記第一機器と前記第二機器と通信を行う通信制御機能と、前記第一機器と前記第二機器に対して供給する前記電源のON/OFF制御とを行う電源制御機能と、
を備える接続制御装置。
【請求項16】
請求項1から14のいずれかに記載のシステムに用いられる機能、または請求項15に記載の接続制御装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシステム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載機器及びシステムなどに関する発明(段落[0001]等)について、段落[0055]に、「監視バッテリはACC電源からの給電が遮断されると、ドライブレコーダへの給電元を車両から内部バッテリへ切替え、ドライブレコーダへの給電を継続する。」と記載され、また、段落[0076]に、「「マイエリア」とは、「録画モード」が「手動」と設定されている場合であっても、自動で、監視録画を行うエリアである。「マイキャンセルエリア」とは、「録画モード」が「自動」と設定されている場合であっても、自動では、監視録画を行わないエリアである。ユーザは、例えば、セキュリティがない自宅の駐車場などを「マイエリア」に登録すれば、自宅の駐車場に駐車すると、自動で監視録画を行うことができる。「マイキャンセルエリア」は、「設定」にて、予め登録することができる構成となっている。また、ユーザは、例えば、セキュリティがある勤務先の駐車場を「マイキャンセルエリア」に登録すれば、勤務先の駐車場では、監視録画を行わないことができる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば駐車中に監視録画を行ったり、行わなかったりする場合に、設定の登録内容を変更する必要があり煩雑な場合がある。例えば車両を停車してACCをOFFにした場合、早く降車したいという運転者がいると、設定の登録内容の変更を必要とするシステムでは当該運転者の要求を満たせない場合がある。また例えば、運転者は、車両を駐車して降車する際に、面倒な設定の切換などをすることなく降車しつつ、適切な駐車監視機能の作動/抑制をしたい場合がある。
【0005】
従来、駐車中の監視は、監視録画をするか否かというように画一的で、例えばバッテリ残量などの車両の状況、駐車した場所、周囲の状況、駐車時間などに応じた駐車監視が行えない。本発明の目的の一つは、このような駐車中の監視録画に関する課題を解決することである。
【0006】
ところで、ドライブレコーダの録画データの中で、事故をしそうな状態(いわゆるヒヤリハット)の運転時の録画データが、どこに録画されているか分かりにくい、という課題がある。現状のドライブレコーダは、事故の時の記録に特化しているため、Gセンサが閾値を超えるような大きな衝撃があったときは、イベント録画(イベント記録ともいう。)として重要度を高めて保存している。しかし、事故しそうな状態(ヒヤリハット)のときにユーザが、イベントボタン記録を指示する操作を行わなければ、ヒヤリハット時の画像が通常録画の画像に埋もれてしまい、後で分かりにくい場合がある。そのため、ヒヤリハット運転を動画でふりかえってみることが、面倒になっている。そこで、本発明の他の目的の一つは、このような運転中の録画に関する課題を解決するものである。
【0007】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はない。本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、この課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題も開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)駐車位置で撮影した映像を記録する駐車監視機能と、前記駐車監視機能の作動を抑制する駐車位置を設定する機能と、を備え、前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は前記映像を記録するように構成するとよい。
【0009】
所定の条件を満たした場合、駐車監視機能の作動を抑制する駐車位置の設定を維持したまま、駐車位置で撮影した映像を記録する。記録を行わない駐車位置の設定は維持されているので、その後に所定の条件を満たさない状態で当該設定中の駐車位置に駐車した場合は、駐車監視機能の作動が抑制される。例えば、運転者は、車両を駐車して降車する際に、特別な操作(例えば面倒な設定の切換)をすることなく降車しつつ、適切な駐車監視機能の作動/抑制をしたいという課題を解決できる。
【0010】
(2)前記駐車監視機能の作動を抑制することは、前記映像を記録しないこととするとよい。このようにすると、設定された駐車位置に駐車された場合には駐車監視機能は映像を記録しない。予め適宜の駐車位置を設定することで、車両を駐車して降車する際に、所望の位置では駐車監視をし、設定した駐車位置では駐車監視しないようにできる。駐車位置の設定が変わっていないので、その後にその駐車位置に駐車する際には駐車記録をしない。よって、通常は駐車記録しないでよい場所で確実に駐車記録しないようにすることができる。
【0011】
(3)前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置でない位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は作動を抑制するとよい。設定中の駐車位置でない位置に駐車した場合は、駐車監視機能は駐車位置で撮影した映像を記録するが、所定の条件を満たした場合には、駐車監視機能の作動を抑制する。例えば、駐車位置の設定を行うことなく抑制するので、次に駐車した際には特別な操作をすることなく駐車中の映像を記録できる。
【0012】
(4)駐車中の映像を記録する駐車位置を設定する機能と、設定中の駐車位置に駐車された場合に、撮影した映像を記録する駐車監視機能と、を有し、前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は映像の記録を抑制するとよい。
【0013】
このようにすると、設定した駐車位置に駐車した場合には、降車しても駐車中の映像を記録することができる。所定の条件を満たした場合、駐車中の映像を記録する駐車位置の設定を維持したまま、映像の記録を抑制することができる。この場合に駐車位置の設定は維持されているので、その後に所定の条件を満たさない状態で当該設定中の駐車位置に駐車した場合は、駐車中の映像を記録する。これにより、例えば、運転者は、車両を駐車して降車する際に、特別な操作(例えば面倒な設定の切換)をすることなく降車しつつ、適切な駐車監視機能の作動/抑制をすることができる。
【0014】
(5)前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置でない位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は駐車中の映像を記録するとよい。このようにすると、設定を変えることなく、設定中の駐車位置でない位置に駐車した場合に撮影した映像を記録することができる。そして、駐車位置の設定を変えていないので、次に駐車した場合には、特に操作をすることなく駐車記録しない。
【0015】
(6)前記所定の条件は、前記駐車位置に駐車された際の操作に基づくものとするとよい。このようにすると、駐車位置に駐車された際の操作で、設定された駐車位置に駐車した場合に、駐車監視について設定と異なる動作をさせることができる。
【0016】
(7)前記操作に基づき発光部の発光状態を変更させる機能を備えるとよい。このようにすると、例えば、ユーザが操作をした場合に発光状態を確認することで、現在の状態が所定の条件を満たしているか否かが目視でわかる。例えば、ユーザが操作できなかったり、異なる操作をしてしまったりした場合には、操作のし直しなどしてシステムに希望の動作を行わせることができる。
【0017】
(8)前記操作により前記所定の条件を満たすか否かを切り替えるようにし、駐車してから所定時間を経過するまでに前記操作がない場合に前記所定の条件を満たしたとし、前記操作があると、前記所定時間を延長し、その延長した時間の経過により前記所定の条件を満たすか否かを確定するようにするとよい。
【0018】
このようにすると、仮に誤操作があっても、操作により所定時間が延長されるので、意図しない操作を行った場合に再度正しい操作を行うのに十分な時間が確保できる。また、正しい操作を行った場合には、所定時間が経過すると最後の操作に基づく内容に確定されるので、内容確定のための別途の操作が不要となり、ユーザの操作の手間が削減できるとともに、迅速に降車できる。
【0019】
(9)前記操作とは異なる操作に応じて、前記所定の条件を満たすか否かを切り替える機能と、前記駐車位置に関する設定の更新を行う機能と、を備えるとよい。このようにすると、駐車位置で設定を変えることなく今回だけ設定と異なる動作を行わせるか、設定を更新して次回以降も今回と同じ動作をさせるかの選択が容易にできる。
【0020】
(10)表示部を備え、前記所定の条件は、前記駐車位置に駐車された際の前記表示部の画面に対する操作に基づくものとするとよい。表示部の画面に対する操作で簡単に所定の条件を満たすことができる。
【0021】
(11)前記画面に対する操作がされると、前記所定の条件を満たすことを確定する機能を備えるとよい。このようにすると、早期に所定の条件を満たすことができ、運転者もすぐに降車できるのでよい。表示部を見ることで、押し間違いなどの誤操作をするおそれが少ないため、すぐに確定することでの便利性の向上を図ることにした。
【0022】
(12)前記表示部に、前記所定の条件を満たすために操作する第一領域と、現在の駐車位置に関する設定の更新を行うために操作する第二領域を同時に表示するとよい。このようにすると、駐車位置で設定を変えることなく今回だけ設定と異なる動作を行わせるか、設定を更新して次回以降も今回と同じ動作をさせるかの指示を容易に行える。
【0023】
(13)表示部を備え、前記システムに電力供給する電源が車両のバッテリの場合、前記表示部に前記車両のバッテリ電圧を表示し、別の電源装置の場合、前記バッテリ電圧を表示しない機能を備えるとよい。このようにすると、車両のバッテリから電力供給を受けている場合には、バッテリ電圧が表示されるので、ユーザは、例えばバッテリの状態を認識し、駐車監視をするか否かの決定をすることができ、また、バッテリ電圧の表示の有無から電源の種類を認識できる。
【0024】
(14)前記映像を記録する機能を備えた第一機器と、前記表示部を備えた第二機器と、前記第一機器と前記第二機器を接続する接続制御装置を備え、前記接続制御装置は、接続された電源から供給される電力に基づき、前記第一機器と前記第二機器に電源供給する機能と、前記第一機器と前記第二機器と通信を行う通信制御機能と、前記第一機器と前記第二機器に対して供給する前記電源のON/OFF制御を行う電源制御機能を備えるとよい。このようにすると、接続制御装置が、映像を記録する機能を備えた第一機器、及び表示部を備えた第二機器の各々への電源供給、通信及び電源のON/OFFを制御することができる。
【0025】
(15)上記いずれかの駐車監視機能による映像を記録する機能を備えた第一機器と、前記駐車監視機能に関する画面を表示する第二機器を接続する接続制御装置であって、電源から供給される電力に基づき、前記第一機器と前記第二機器に電源供給する機能と、前記第一機器と前記第二機器と通信を行う通信制御機能と、前記第一機器と前記第二機器に対して供給する前記電源のON/OFF制御とを行う電源制御機能と、を備える接続制御装置である。このようにすると、接続制御装置が、第一機器、及び第二機器の各々への電源供給、通信及び電源のON/OFFの少なくともいずれかを制御することができる。
【0026】
(16)本発明に係るプログラムは、(1)から(14)のいずれかに記載のシステムにおける機能または(15)の接続制御装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとするとよい。
【0027】
(17)また、本発明は、車両の運転者の状態を判定する機能と、前記運転者の状態に応じてイベント録画を行う機能と、を有するシステムによって特定されてもよい。このようにすれば、車両の運転者の状態に応じて自動で録画を行うことができる。
【0028】
上述した(1)から(17)の発明は、任意に組み合わせることができる。例えば(1)に示した発明の全部または一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。本願出願人は、これらの構成を含むものについても、補正・分割出願・意匠登録出願への変更出願等により特許権・意匠権等を取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、例えば以下の少なくともいずれかの効果を奏する。駐車監視機能の作動を抑制したり、駐車中に撮影した映像を録画したりする駐車位置の設定を維持したまま、所定の条件を満たした場合には、一時的に例えば駐車位置の設定がされていない場所と同様の処理を行うことができる。駐車位置の設定は維持されているので、その後に所定の条件を満たさない状態で当該設定中の駐車位置に駐車した場合は、特別な操作をすることなく元々設定されていた処理をすることができる。例えば、運転者は、車両を駐車して降車する際に、面倒な設定の切換などをすることなく降車しつつ、適切な駐車監視機能の作動/抑制をすることができる。
【0030】
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明に係るシステムの好適な一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】そのシステムを構成するドライブレコーダの一例を示す斜視図である。
【
図3】(a)はそのドライブレコーダを示す底面図であり、(b)はドライブレコ ーダの雌コネクタにケーブルを装着した状態を示す斜視図である。
【
図4】ドライブレコーダを車両に装着した状態を示す図である。
【
図5】キャンセルエリアの登録及び削除を説明する図である。
【
図6】キャンセルエリアの登録及び削除を説明する図である。
【
図7】ACCOFFに伴い実行されるドライブレコーダの機能の一例を示すフロー チャートである。
【
図8】ACCOFFに伴い実行される第一制御部と第二制御部のタイムチャートで ある。
【
図9】ACCOFFに伴い実行される第一制御部と第二制御部のタイムチャートで ある。
【
図10】ACCOFFに伴い実行される第一制御部と第二制御部のタイムチャート である。
【
図11】ACCOFFに伴い実行されるドライブレコーダの機能の一例を示すフロ ーチャートである。
【
図12】本発明に係るシステムの第2実施形態の一例を示す図である。
【
図14】レーダー探知機の正面図を示し、(a)は表示部に駐車監視画面の一例を 示した図であり、(b)は表示部に電源OFF画面の一例を示した図である。
【
図15】(a)はレーダー探知機の表示部に表示する駐車監視画面の一例を示す図 であり、(b)は電源OFF画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成や形状等は単なる説明例であり、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0033】
[システムの一実施形態の基本構成]
図1は、駐車中に撮影した映像を記録する駐車監視機能を備えた機器の一形態であるドライブレコーダーシステムの好適な一実施形態を示している。本実施形態のシステム1は、ドライブレコーダ2と、そのドライブレコーダ2に対して電源供給をする電源装置3を備える。
【0034】
このドライブレコーダ2は、本実施形態では当該車両に対して後から設置される機器である。本実施形態のドライブレコーダ2は、走行時等において周囲の所定のエリアを撮影し、記録するドライブレコーダ機能に加え、例えば駐車時等において車両の前方や車室内等の所定のエリアを撮影し、記録する駐車監視機能を備える。この駐車監視機能を実現するため、システム1は、車両の駐車中などイグニッションスイッチがOFF、すなわちACC(アクセサリ電源)がOFFで車両のバッテリからの電力供給が受けられない電源OFFの状態でも、ドライブレコーダ2は、車両とは別に用意した電源装置3から電力供給を受けて動作する。
【0035】
電源装置3は、車両とドライブレコーダ2との間に介在し、ドライブレコーダ2への給電を行う装置である。電源装置3は、ドライブレコーダ2とは別の筐体から構成される。電源装置3は、充電/放電制御部3a、DC-DCコンバータ3b、CPU3c、及び内部バッテリ3d等を備える。充電/放電制御部3aは、内部バッテリ3dへの充電及びドライブレコーダ2への給電を制御する。内部バッテリ3dは二次電池であり、例えばニッケル水素充電池で実現される。DC-DCコンバータ3bは、充電/放電制御部3aを介して、車両のバッテリから給電される12Vもしくは24Vの電圧を5Vの電圧に変換して出力する。CPU3cは、図示せぬメモリ(例えばRAM)をワークエリアとして使用し、充電/放電制御部3aなどの電源装置3の各部を制御する。また、CPU3cは、ケーブル4を介して接続されるドライブレコーダ2と通信を行う。ケーブル4は、電源ラインと通信ラインを備える。
【0036】
充電/放電制御部3aは内部バッテリ3dから給電を受ける。充電/放電制御部3aは車両のバッテリから給電されている間、車両のバッテリから内部バッテリ3d及びDC-DCコンバータ3bへ給電するように給電経路を制御する。これにより、内部バッテリ3dは充電され、DC-DCコンバータ3bは電圧変換した電力をドライブレコーダ2へ供給する。充電/放電制御部3aは、車両のACCのON/OFFを判定して内部バッテリ3dに充電するか放電するかを切り替える。充電/放電制御部3aは、ACCがONであると判定すると車両のバッテリから内部バッテリ3d及びDC-DCコンバータ3bへ給電するように制御する。充電/放電制御部3aは、ACCがOFFであると判定すると、内部バッテリ3dを放電させ、内部バッテリ3dからDC-DCコンバータ3bへ給電するように制御する。
【0037】
上述したように、電源装置3はACCがONの期間、車両のバッテリからの給電を受けて電力をドライブレコーダ2へ出力する。車両のバッテリからの給電が遮断されると、遮断されてからの規定時間、内部バッテリ3dを利用して電力をドライブレコーダ2へ出力する。規定時間が経過すると、電力の出力をOFFする。車両のバッテリからの電力の供給が再開されると、再び、車両のバッテリを使用して電力をドライブレコーダ2へ出力する。
【0038】
これにより、ドライブレコーダ2はACCがOFFして車両のバッテリからの電力供給が遮断された後の規定時間、動作を継続することができる。規定時間は、例えばドライブレコーダ2からのシリアル通信により設定されるとよい。ドライブレコーダ2は電源装置3からバッテリ切替信号を受信すると、規定時間を命令する信号を送信する。CPU3cは受信する規定時間を命令する信号に含まれる規定時間の設定値を規定時間とするとよい。
【0039】
また、電源装置3にディップスイッチその他の操作部を設け、規定時間を設定する機能を備えるとよい。このようにすると、例えば、通信機能を備えないドライブレコーダに対しても車両のバッテリによる供給が遮断されてから、規定時間が経過するまで電源供給をすることができる。
【0040】
電源装置3は、車両のバッテリからの給電が遮断されると、給電元を内部バッテリ3dに切替えて、ドライブレコーダ2へ給電を行う。切替えの前後において、ドライブレコーダ2は給電され続けるため、給電元が車両のバッテリであるのか、内部バッテリ3dであるのかを、ドライブレコーダ2は判断することができない。このため、CPU3cは、給電元を内部バッテリ3dに切替えると、バッテリ切替信号をドライブレコーダ2へ送信する。規定時間が経過して電源装置3が出力をOFFした後、ACCがONされた場合には、ドライブレコーダ2は停止されていた給電が再開されるため、ACCがONしたと判断することができる。一方、規定時間内にACCがONされた場合には、ドライブレコーダ2は給電され続けるため、給電元が車両のバッテリであるのか、内部バッテリ3dであるのかを判断することができない。このため、規定時間内において、ACCがONされた場合には、CPU3cは給電元が車両のバッテリに切替わったことを報知する車両切替信号を送信する。これにより、ドライブレコーダ2は、ACCがONされて、給電元が車両のバッテリに切替わったことを認識することができる。後述するように、ドライブレコーダ2は、バッテリ切替信号及び車両切替信号の入力に応じて、動作モードを切り替える。
【0041】
本形態のドライブレコーダ2は、水平平面の360度と垂直平面の360度の全方位を撮影して得られた全天球映像を、記録可能とし、出力する機能を備えている。
図2~
図4等に示すように、ドライブレコーダ2は、各種の処理を実行する本体部11と、車両への設置状態における本体部11の下方に配置されるカメラ部12とを備える。なお、ドライブレコーダ2は全天球映像を撮影し記録するものに限られない。ドライブレコーダ2は、車両の前方、後方、及び側方の少なくともいずれかを撮影し記録するものとするとよい。
【0042】
本体部11は、扁平な矩形状の本体ケース13を有し、その本体ケース13内に各種の回路基板及び機器を実装する。本体ケース13は、第一ケース14と第二ケース15と連結することで構成される。第一ケース14と第二ケース15は、互いの対向面が開放した箱状であり、互いの先端面同士を付き合わせた状態で、連結手段で連結する。連結手段は、例えば、第一ケース14と第二ケース15の一方に設けた突起と、他方に設けた当該突起と連係する凹部からなり、それら突起と凹部を嵌め合わせる構成とするとよい。
【0043】
第一ケース14は、底浅で、開口面の周縁は、略長方形で4角がR取りされた形状となり、深さは全体にわたりほぼ均一である。ドライブレコーダ2を車両に設置した状態では、この第一ケース14が車両の前方側に位置する。よって、第一ケース14の開口面と反対側の表面は、本体ケース13の前面13aとなる。この前面13aに、ジョイントレール16を備える。ジョイントレール16は、第一ケース14の長手方向に沿って所定の間隔をおいて上下に2本設ける。この2本のジョイントレール16間に、ブラケット17を着脱自在に装着する。
【0044】
第二ケース15は、第一ケース14よりも深い箱形であり、開口面の周縁は、第一ケース14と同様に略長方形で4角がR取りされた形状となる。ドライブレコーダ2を車両に設置した状態では、この第二ケース15が車両の後方側に位置する。よって、第二ケース15の開口面と反対側の表面は、本体ケース13の後面13bとなる。後面13bは、長方形の一対の長辺の一方に隣接する部分は平坦面13b′で、本体ケース13の前面13aと平行な平面となり、一対の長辺の他方に隣接する部分は、傾斜面13b″となる。傾斜面13b″は、短辺の中間側から外側の長辺に向かうにつれて、徐々に第二ケース15の開口面に近づくように形成される。
【0045】
よって、第二ケース15の深さは、平坦面13b′を含む領域では均一で、傾斜面13b″を含む領域では長辺側に行くに従って徐々に浅くなるように形成される。傾斜面13b″を備えることで、本体ケース13の外観形状は、直方体をベースにして、一つの長辺部分を面取りしたような形状となる。面取りする一つの長辺は、ドライブレコーダ2を車両に設置した状態で、車両の後上方である。第一ケース14と第二ケース15を連結した状態では、第一ケース14側の前面13aと、第二ケース15側の平坦面13b′は、平行となる。
【0046】
本体ケース13の後面13bである第二ケース15の開口面と反対側の表面の所定位置には、上下方向に延びるように配置された凹部15bを備える。凹部15bは、底浅であり、その奥面が第二ケース15の表面よりも一段奥まった位置に位置する。また、凹部15bは、その多くの領域が本体ケース13の後面13bの平坦面13b′に位置し、凹部15bの上端が傾斜面13b″に位置し、上端縁が開口する。この凹部15b内に、上から順に、LED36、第一ボタン部37、第二ボタン部38を配置する。第一ボタン部37と第二ボタン部38の高さは、凹部15bの深さよりも高くし、第一ボタン部37及び第二ボタン部38の表面は、第二ケース15の表面(つまり平坦面13b′)よりも外側に若干突出する。
【0047】
LED36は、発光体の一例である。LED36は、ドライブレコーダ2の動作状態に応じて発光状態が変わる。発光状態は、例えば、発光の有無、発光色、及び発光タイミングのうちの1つ以上によって特定されるとよい。第一ボタン部37と第二ボタン部38は、本実施形態では押す操作(プッシュ操作)を受け付ける操作手段である。上側に位置する第一ボタン部37には、例えばスタートボタンの機能を割り当てる。この第一ボタン部37が、録画停止中に押された場合、録画を再開する。下側に位置する第二ボタン部38には、例えばストップボタンの機能を割り当てる。この第二ボタン部38が、録画中に長押しされた場合、録画を停止する。
【0048】
ブラケット17は、平板状のプレート17aを有し、その長辺の一対の側面に、長手方向に沿って溝17bが形成される。この溝17bは、ジョイントレール16と符合し合うように構成される。ユーザは、この溝17bとジョイントレール16を合わせ、ブラケット17と本体ケース13を相対的にスライドさせることで、ブラケット17を本体ケース13に装着したり、離脱させたりする。
【0049】
ブラケット17の本体ケース13に対向する面と反対側の表面には、例えば両面接着テープ19等の接着部材が貼付けられる。ドライブレコーダ2を車両に取り付ける場合、両面接着テープ19を介して自動車のフロントガラス5に貼付けて固定する(
図4(a)等参照)。この取り付けた状態では、本体ケース13の前面13aと平坦面13b′は、フロントガラス5の取付面と平行に配置され、本体ケース13の長辺は水平平面内に位置し、本体ケース13の短辺側の側面は垂直平面内に位置する。よって、本体ケース13は、横長の状態でフロントガラス5に貼り付けられた状態で固定され、カメラ部12は、本体ケース13の底面側に吊り下げられた状態で配置する。
【0050】
第一ケース14の一方の短辺側には、切欠き窓部14aが形成され、その切欠き窓部14aを塞ぐカバー部材20が取り付けられる。カバー部材20は、切欠き窓部14aを閉塞するように配置した状態で、ネジ21で締結して固定する。カバー部材20を取り外した状態では、切欠き窓部14aを介して本体ケース13内に実装されるカードスロット22が露出する。このカードスロット22にマイクロSDカードやSDカード等のメモリカード23を着脱自在に装着する。メモリカード23は映像が記憶される記録媒体に相当する。カードスロット22は、メモリカード23が装着される装着部に相当する。
【0051】
切欠き窓部14aを設けた側と同じ側面には、第二ケース15に窓孔15aを設け、その窓孔15aの奥に、雌型コネクタ24を配置する。この雌型コネクタ24にケーブル4の一端に設けた雄型コネクタ4aを装着する。本形態のケーブル4は、電源ラインと通信ラインを備えており、ドライブレコーダ2は、このケーブル4を介して外部電源からの電力供給を受けたり、外部の機器との間で通信を行ったりする。
【0052】
一方、カメラ部12は、筐体25と、その筐体25内に実装する第一カメラ26及び第二カメラ27と、記録ボタン28を備える。筐体25は、その全体形状は球体であり、二分割される半球状の第一カメラケース25aと第二カメラケース25bを付き合わせた状態で連結して構成される。第一カメラケース25aと第二カメラケース25bとの固定は、上述した第一ケース14と第二ケース15の固定と同様に、例えば第一カメラケース25aと第二カメラケース25bの一方に設けた突起と他方に設けた凹部の嵌め合いを用いるとよい。
【0053】
第一カメラ26と第二カメラ27は、背中合わせに配置され、それぞれが反対向きを撮影するように固定及び連結されてカメラユニットを構成するとよい。そして、第一カメラ26の構成要素の一つであるレンズ部と、第二カメラ27の構成要素の一つであるレンズ部の光軸Lが同一直線上に位置するように設定する。
【0054】
カメラ部12の筐体25は、角度調整機構29を介して本体ケース13に連結される。角度調整機構29は、本体ケース13の底面の前側に、長辺に沿って設けた回転軸周りのみに筐体25を回転させることで、前後方向の首振りは許容するが(
図4参照)、横向きに振ることはないようにするものである。例えば、本体ケース13内の所定位置に当該長辺に沿って平行に配置されるボルトに対し、筐体25をボルトの軸周りに回転自在に装着し、ボルトの雄ねじ部にナット29aを取り付ける。ナット29aは、本体ケース13の一方の側面に設けた孔部13cの奥部に配置され、例えば六角レンチ等の工具を孔部13c内に挿入するとともにナット29aに符合させ、当該六角レンチ等の工具を正逆回転することでナット29aを締め付けたり緩めたりする。そして、ナット29aを緩めると、カメラ部12の筐体25が正逆回転して前後方向に首振りをする。また、首振りをさせて適宜の姿勢でナット29aを締めると、その姿勢で角度、及びカメラ部12の向きが固定される。
【0055】
記録ボタン28は、筐体25の下端中央に配置され、その表面形状は、平面視で略円形で、曲率半径が筐体25の半径と略等しい湾曲面に形成する。例えばこの記録ボタン28が押されると、手動録画を行い、ワンタッチ記録として、押された前後の所定期間の映像をメモリカード23に記録する。例えば、走行中に撮影した映像を常時記録する常時録画中に、記録ボタン28が押されると、例えば、常時録画のファイルと別のファイルと指摘録する。記録ボタン28の背面及び裏面側、すなわち筐体25の内部には、録画ランプを内蔵する。この録画ランプは、点灯により録画状態を報知する。
【0056】
本体ケース13内には、さらに各種の処理回路や機器、部品等を実装する。すなわち、本体ケース13内には、例えば第一制御部31、第二制御部32、音出力部33、マイク34、位置情報記憶部35、異常検知センサ39、GPS受信器40、電源部41及び通信インターフェース42等を備える。
【0057】
第一制御部31は、主に駐車監視機能を実現するために動作し、第二制御部32は、主にドライブレコーダ機能を実現するために動作する。第二制御部32の消費電力は、第一制御部31の消費電力に比べて大きい。そこで、駐車監視機能が動作する駐車中は、通常は第二制御部32の動作をOFF、電源供給をOFFにすることで、電源装置3の内部バッテリ3dの電力消費を抑制し、長時間の動作を可能にする。各制御部の機能については、後述する。
【0058】
マイク34は、ドライブレコーダ2の周囲の音を集音する。マイク34は、例えば車内に乗車している人の音声その他の車室内で発生している音等や、車両に物体が衝突した際の衝撃音などを集音する。マイク34は集音手段に相当する。音出力部33は、例えばスピーカまたはブザーであり、所定の記録時、警報時及び操作時等に所定の音を出力する。カードスロット22は、装着したメモリカード23に対してデータの読み書き等を行う機器である。例えばカメラ部12で撮影した映像やマイク34で集音した音をメモリカード23に記録する。GPS受信器40は、GPS信号を受信し、GPS信号から位置情報、日時情報、及び速度情報を取得する機能を備える。
【0059】
位置情報記憶部35は、不揮発性メモリから構成される。位置情報記憶部35は、例えばGPS受信器40で測位した最終測位位置を記憶保持する最終測位位置記憶エリアを備え、第二制御部32は、GPS受信器40から出力される位置情報を最終測位位置記憶エリアに記憶し、書き換え更新する。
【0060】
さらに本実施形態の駐車監視機能は、登録した「キャンセルエリア」に車両が駐車した場合、録画を行わないキャンセル機能を備える。この「キャンセルエリア」は、例えば、地点登録した駐車位置を中心に、所定の半径(例えば、50m)の円の領域とすると、その駐車位置を特定する駐車位置情報を記憶するだけで実際の駐車位置がキャンセルエリア内か否かを判断できるのでよい。位置情報記憶部35は、当該キャンセル機能を実現するための駐車位置情報を記憶する駐車位置記憶エリアを備える。このキャンセル機能についての詳細は、後述する。
【0061】
異常検知センサ39は、例えば加速度センサ又は6軸センサ(3軸加速度、3軸角速度一体型)であり、車両に加わる衝撃、車両の加速度、傾きなどの車両の状態を検知する。異常検知センサ39は、上記例示したものに限らず、例えば、物体の接近を検知するドップラーセンサー、接近センサその他各種の映像を記録する契機となるイベントを検知するものとするとよい。
【0062】
電源部41は、例えばドライブレコーダ2が備える機器等に対し電源電圧を供給し、動作させる機能を備える。電源部41は、雌型コネクタ24の電源ラインの端子に電気的に接続し、電源装置3から供給される電力を受けて、本体ケース13に実装される各機器に対し、所望の電圧値の電源電圧を供給する。
【0063】
通信インターフェース42は、雌型コネクタ24の通信ラインの端子に接続する。電源装置3のCPU3cと、ドライブレコーダ2の第一制御部31及びまたは第二制御部32との間で通信する。
【0064】
第一制御部31及び第二制御部32は、それぞれCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、及びI/O等を備えるマイクロコンピュータであり、
図1に示すように上述した各部と接続される。本実施形態のドライブレコーダ2における機能は、例えば制御部に有するCPUが実行するファームウェアとして制御部のNANDFlashメモリに格納され、これを制御部に有するCPUが実行することで実現する。NANDFlashメモリに記憶されたファームウェアは、メモリカード23に記憶された新たなファームウェアによって更新することが可能である。
【0065】
第一制御部31、第二制御部32は、単独或いは協働して上記の各種の入力機器(例えば、カメラ部12、マイク34、位置情報記憶部35、第一ボタン部37、第二ボタン部38、異常検知センサ39、GPS受信器40等)から入力される情報に基づいて出力機器(例えば、カードスロット22、位置情報記憶部35、LED36等)の動作を制御し、所定の情報等を出力する。第二制御部32は、例えば、位置情報記憶部35にアクセスし、読み書きを行ったり、GPS受信器40の制御を行って位置情報等を取得したりする。
【0066】
エンジン始動したACCがONの状態では、第一制御部31と第二制御部32はともに起動して動作し、例えばカメラ部12で撮影した映像データと、マイク34で集音した音声データを記録する。この記録は、例えば車両のエンジン始動中などの走行可能な状態では常時記録する常時録画を行いながら、イベント条件に合致した場合に、イベント発生の前後一定時間の映像と音声を別データとして記録するとよい。常時録画のデータとイベント発生時の別データは、ともにメモリカード23に記録される。また、常時録画を行わない場合、第二制御部32は、常時はバッファメモリ等に一定時間の映像と音声を一時的に記録し、イベント条件に合致した場合に、一時的に記録したデータ等を使用しイベント発生の前後一定時間の映像と音声をメモリカード23に記録する。
【0067】
また、車両がエンジン停止(ACCをOFF)した駐車中は、駐車監視モードで動作し、設定された動作条件に従ってカメラ部12で撮影した映像データ等をメモリカード23に記録する。駐車監視モードでの記録は、例えば、所定記録時間(例えば30分)に撮影した画像を常に記録する常時記録や、異常検知センサ39で異常を検知した際に、所定時間連続して映像データを記録するイベント録画等がある。イベント録画は、例えば、「人や車両が近づいたことを検知」、「一定以上の衝撃を検知」、「一定以上の車両の傾斜(例えば、ジャッキアップ)を検知」、「車両のドア開を検知」等のイベント条件を満たしたときに行う。異常検知センサ39は、それらの検知を行うためのセンサを一又は複数備える。
【0068】
常時記録の記録時間を経過後は、イベント録画に自動で切り替わり駐車監視を継続して行うように構成するとよい。また、常時記録を行っている際に、所定のイベント条件を満たした場合には、そのイベント発生の前後の所定時間の映像をイベント録画として別のファイルとして記録するとよい。
【0069】
イベント録画を行う場合、カメラ部12は駐車中動作トリガが無い状態では、動作停止し、例えば、マイクロ波を用いたエリアセンサーの検知エリア内に人や車両などの移動物体を検知したら、カメラ部12を起動し、所定のカメラ待機時間の間、カメラ部12を動作させて撮影を行い、その後、カメラ部12の動作を停止する。そして、そのカメラ待機時間の間で、所定のイベント条件を満たした場合、その満たしたイベント発生の前後の所定時間に撮影した映像を、メモリカード23に記録する。
【0070】
この駐車監視モードの起動は、例えば、車両のエンジンOFF(ACC OFF)後、動作トリガにより開始するようにするとよい。動作トリガは、手動操作に基づき移行する「マニュアル」と、ACCのOFFに伴い自動で移行する「ACC OFF連動」等を備えるとよい。「マニュアル」と「ACC OFF連動」の切換や、駐車監視モードの記録方法(「常時記録+イベント」と「イベントのみ」など)の切換や、各種の記録、動作時間などは、例えば各種のモード設定操作により行うとよい。
【0071】
この駐車監視モードで動作中は、第一制御部31が制御を司り、第二制御部32は必要に応じて起動し第一制御部31と協働して動作し、その後、第二制御部32はOFFになる。例えばGPS受信器40に基づく現在位置の取得機能は第二制御部32が行うため、現在位置を取得する際には第二制御部32を起動し、第一制御部31は、第二制御部32から位置情報を取得する。第二制御部32は、例えば駐車監視モードの動作中に起動する異常検知センサ39等の動作を制御する。
【0072】
[キャンセル機能における駐車録画のキャンセルエリア設定]
上述したように、本実施形態のドライブレコーダは、駐車位置が登録したキャンセルエリア内の場合、上述した駐車録画をしないキャンセル機能を備えている。このキャンセルエリアの登録は、本形態では、駐車位置を地点登録することで行う。そして、記憶した地点の周囲の所定の範囲(例えば50m)をキャンセルエリアとする。駐車録画をしないことは、駐車監視機能の作動を抑制することの一例である。
【0073】
係る地点登録は、登録したい駐車位置に車両を停車した状態で、ドライブレコーダ2が動作中において所定の操作手段が操作されたことを契機として行う。本形態では、エンジンが停止(ACCがOFF)した際に、一定時間以内に行われた第一ボタン部37、及び第二ボタン部38のプッシュ操作に基づき、キャンセルエリアの設定を行ったり、設定したキャンセルエリアを削除したりする機能を備える。一例を示すと、キャンセルエリアでない場所で車両を停車してエンジンをOFFすると、第一制御部31は、
図5(a-1)に示すように電源ランプであるLED36を赤色で点灯させるとともに、音出力部33から「ピロピロピロ」という音を出力する。この音を出力してから所定時間(例えば10秒)以内に第一ボタン部37と第二ボタン部38が同時に押された場合、第一制御部31からの指示に従い第二制御部32は、現在位置を特定する駐車位置情報を位置情報記憶部35の駐車位置記憶エリアに登録させ、登録後に第一制御部31は、
図5(a-2)に示すようにLED36を橙色で点滅すると共にスピーカから「ピピッ・ピピッ……」という音を出力する。
【0074】
一方、キャンセルエリア内の場所で車両を停車してエンジンをOFFすると、第一制御部31は、
図5(b-1)に示すように電源ランプであるLED36を橙色で点灯させるとともに、音出力部33から「ピピッ・ピピッ……」という音を出力する。この音を出力してから所定時間(例えば10秒)以内に第一ボタン部37と第二ボタン部38が同時に押された場合、第一制御部31からの指示に従い第二制御部32は現在位置のキャンセルエリアを解除し、解除後に第一制御部31は
図5(b-2)に示すようにLED36を赤色で点滅すると共にスピーカから「ピロピロピロ」という音を出力する。
【0075】
このように、第一制御部31は、ACCがOFFになった後、所定時間が経過する間に第一ボタン部37と第二ボタン部38が同時に押された場合、キャンセルエリアの登録と解除を交互に遷移させるとともに、所定時間もリスタートさせる。なお、本形態では、第一制御部31の決定に伴い、位置情報記憶部35の記憶内容の更新は、第二制御部32が行う。そして、第一制御部31は、所定時間の間ボタン操作がない場合に、最後の状態で確定する。よって、例えば駐車位置における現在の状態(例えばキャンセルエリアの設定の有無)のままでよい場合には、ユーザはそのまま降車すれば設定通りの動作を行い、例えば誤った操作をした場合には、第一ボタン部37と第二ボタン部38の同時押しを行うことで、キャンセルエリアの有無について希望する設定の状態にすることができる。
【0076】
従来この種のキャンセルエリアの登録や解除は、ドライブレコーダの動作中にモード設定で行う。そのため、例えばキャンセルエリア内でエンジンをOFFにしたあとで、今回は駐車監視をしたいと考えた場合、一旦エンジンをONにしてドライブレコーダ2をONにし、モード設定でキャンセルエリアを削除した後、再びエンジンをOFFにする必要があり、非常に面倒である場合があった。同様に、キャンセルエリア外でエンジンをOFFにしてモードが確認できたときに、今回駐車監視をしたいと思った場合には、再びエンジンをONにしてドライブレコーダを駆動し、設定を変える必要があり、非常に煩雑である場合があった。
【0077】
これに対し、本実施形態では、エンジンをOFFにした後のボタン操作(例えば同時押し)で現在の設定(例えばキャンセルエリア内/外)を切替えることができるので、キャンセルエリアの登録や解除を簡単かつスムーズに行うことができる。
【0078】
本実施形態のドライブレコーダ2は、例えばカメラ部12で撮影している映像を表示したり、各種の設定を行う際の設定画面などを表示したりする表示部を備えていない。そのため、例えば、現在位置がキャンセルエリア内であるか否かなどの現在の状況を表示して示すことができない。そこで本形態では、現在位置がキャンセルエリアの内か外かにより、LED36の発光状態(例えば発光色)を変え、出力する音も変えるようにした。これにより、ユーザは、例えば、LED36の発光色等を確認したり、報知される音の内容を聞いたりすることで現在の設定状況を確認することができる。よって、ユーザは駐車して降車する際に、LEDの色を確認し、希望の色になっているかを判断し、違っている場合には両ボタン部を同時に押して設定を切り替える。
【0079】
上述したように、本実施形態では、第一ボタン部37と第二ボタン部38の同時押しにより、キャンセルエリアの登録と解除を交互に行うようにした。よって、例えばキャンセルエリアの中ではキャンセルエリアの解除、本形態では駐車位置情報の削除しかできず、同一位置或いは登録した地点から距離r以内の位置についての追加登録はできないようにしている。これにより、例えば同じ駐車場などで複数の駐車位置情報が登録されることがなく、代表した一つの中心地点を登録するので、メモリ容量の削減を図ると共に、異なる場所でのキャンセルエリアの登録を数多くすることができる。
【0080】
キャンセルエリアの登録地点は、ACCがONしてからOFFするまでの間に逐次更新された最終測位地点を使用する。これにより、例えば地下駐車場などのGPS信号を受信できず、測位できない場所に駐車する場合でも、例えば入り口などの最終測位地点を使用して登録することができる。同様にキャンセルエリアか否かの判断をする場合、第一制御部31からの指示に従い第二制御部32は最終測位位置記憶エリアにアクセスし、取得した位置情報に基づき判断するとよい。
【0081】
このようにすると、例えば地下駐車場などの測位できない場所で駐車する場合でも最終測位位置を使用して、キャンセルエリアかどうかを判定し、駐車監視をする/しないの動作をドライブレコーダに設定したユーザが希望する内容で実行することができる。例えば、地下駐車場の場合、駐車場入口付近で測位できなくなることがあるので、当該入口付近で測位した位置情報が最終測位位置記憶エリアに記録保持される。地下駐車場をキャンセルエリアに設定する場合、地下駐車場で停車した状態でキャンセルエリアの設定を行うと、そのときの最終測位位置記憶エリアに格納されている駐車場入口付近の位置情報に基づき設定する。よって、後日、その地下駐車場で駐車する際にGPSが測位できない場合でも、最終測位位置記憶エリアに格納された位置情報(例えば駐車場入口付近)に基づきキャンセルエリア内と正しく判断できる。
【0082】
また例えば地下駐車場でエンジンを始動しても測位できない状態にあり、その状態から屋外などの測位可能な領域に移行することなく再びエンジンを停止して駐車したとしても、最後に記録した地点として駐車場の入り口の位置情報を最終測位位置として記憶しているので、キャンセルエリアかどうかを判定し、駐車監視をする/しないの動作をドライブレコーダに設定したユーザが希望する内容で実行することができる。
【0083】
さらに本形態では、キャンセルエリアの登録地点(駐車位置情報)は、複数(例えば200件)を登録可能とする。位置情報記憶部35に登録したそれぞれの駐車位置情報には、その後の使用で参照された回数を関連付けて登録する機能を備える。すなわち、登録したキャンセルエリアにその後に駐車した回数が関連付けて登録される。そして位置情報記憶部35に登録済のキャンセルエリアの数が、登録可能な最大値(例えば200)の場合に新たにキャンセルエリアの登録を行う場合、最も参照回数が少ないキャンセルエリアのうち、最も登録が古いものを削除して登録を行う。なお、この条件で参照回数も登録日も同じものが複数ある場合は、エリア番号の小さいものを削除する。
【0084】
キャンセルエリアの解除は、例えば
図6(a)に示すように、車両の現在位置Y1が所定の駐車位置情報X1を中心とする半径r以内のキャンセルエリアに存在する場合、そのキャンセルエリアを特定する駐車位置情報X1を位置情報記憶部35から削除することで行う。すなわち、現在位置Y1から距離r以内のエリアの中心位置(駐車位置情報)が存在する場合、その駐車位置情報X1を削除する。
【0085】
また、上述したように、キャンセルエリア内での追加登録が許容されないが、キャンセルエリアの外側であれば現在位置が当該エリアの近くであっても新たなキャンセルエリアとして登録される。その結果、例えば
図6(b)に示すように、それぞれの登録地点である駐車位置情報X2,X3に基づくキャンセルエリアが重複する領域が存在する。係る場合に、両エリアのいずれかの位置に駐車した場合、キャンセルエリアの一方のみの領域並びに重複した共通領域のどこにいても動作し、駐車監視は行わない制御を行う。
【0086】
そして例えば、上述したように
図6(b)に示すように、車両の現在位置Y2が異なる駐車位置情報X2,X3をそれぞれ中心とする半径r以内のキャンセルエリアに存在する場合において、その複数のキャンセルエリアの重複する領域内に駐車した状態でキャンセルエリアの解除が指示された場合、それぞれのキャンセルエリアを特定する駐車位置情報X2,X3を位置情報記憶部35から削除する。つまり、現在位置から半径r以内にキャンセルエリアの中心点が含まれるすべてのキャンセルエリアを削除する。
【0087】
(キャンセルエリア内で一時的に駐車監視及び録画を行う機能等)
本形態では、設定中の駐車位置情報に基づくキャンセルエリア内に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は、キャンセルエリアの設定を変えることなく一時的な駐車監視を行う機能を備える。この一時的な駐車監視モードの起動は、キャンセルエリアの設定/解除と同様に、エンジンOFF(ACCOFF)後の所定期間内に行われる操作手段である所定のボタン部のプッシュ操作に基づいて実行するとよい。
【0088】
例えば、上述したように、キャンセルエリア内の場所で車両を停車してエンジンをOFFすると、電源ランプであるLED36を橙色で点灯させるとともに、音出力部33から「ピピッ・ピピッ……」という音が出力される(
図5(b-1)参照)。この音を出力してから所定時間(例えば10秒)以内に第一ボタン部37のみが操作された場合、第一制御部31は、現在位置のキャンセルエリアを解除することなく、駐車監視モードを起動し、音出力部33から「ピーピロピロピロ」という音を出力する。このようにすると、駐車位置に設定されているキャンセルエリアは解除されずに登録されたままであるので、この回の駐車監視が終了し、その後に再び駐車した場合には、設定されたキャンセルエリアに基づき駐車監視がされない。よって、今回だけの駐車監視を第一ボタン部37へのワンタッチの操作で行うことができる。
【0089】
キャンセルエリアは、例えば、会社の敷地内の駐車場や、自宅の扉・シャッター付のガレージのように別のセキュリティがある場所、コンビニ等のように長時間駐車しないで直ぐに戻るような場所、喫茶店・カフェその他の施設で、滞在場所から駐車している車両を視認・監視できるような場所、外部からの侵入や盗難などのおそれが極めて低い場所、駐車録画しても意味ない場所などを設定するとよい。キャンセルエリアを設定すると、メモリカードの記憶容量の無駄使いや、バッテリの消費を抑制することができる。
【0090】
一方、キャンセルエリアの設定した場所でも、今回に限り記録したい事由・事情が生じた場合には、事前にキャンセルエリアの設定を解除(駐車位置情報の削除)した後に駐車する必要がある。上述したように本形態では、降車時に第一ボタン部37と第二ボタン部38の同時押しをすることで解除できるので、従前のシステムのようにドライブレコーダの動作中に機能設定・モード設定等を用いて行うよりは煩雑さが解消できるものの、次回以降の駐車時には駐車録画をしないようにするためには、次の駐車時に再びキャンセルエリアの再設定を行わなければならないので煩雑である。さらに、係る再設定を行わないと、駐車記録されてしまい意味のない録画処理が行われてしまう。
【0091】
本形態では、駐車監視をしたいときのみ第一ボタン部37を押して、キャンセル機能を一時的にキャンセルし、一時監視エリアを設定して駐車録画をすることができ、キャンセルエリアの設定は解除されずにそのままであるので、次に駐車した際には特に操作をすることなく降車しても確実に駐車録画されないのでよい。このように、キャンセルエリアの登録の解除並びに再設定をすることなく、同等の動作を行わせることができ、しかも、再設定のし忘れがないのでよい。よってユーザである運転者は、エンジンをOFFにした後は、そのまま或いは簡単な操作で降車しても、駐車位置に応じた適切な駐車監視(しないことも含めて)を行うことができる。
【0092】
さらに本形態では、キャンセルエリアの外で、今回のみ駐車録画しない一時キャンセルエリアの登録をする機能を備える。この一時キャンセルエリアの登録は、キャンセルエリアの設定/解除と同様に、エンジンOFF(ACCOFF)後の所定期間内に行われる操作手段である所定のボタン部のプッシュ操作に基づいて実行するとよい。
【0093】
例えば、上述したように、キャンセルエリアでない場所で車両を停車してエンジンをOFFすると、電源ランプであるLED36を赤色で点灯させるとともに、音出力部33から「ピロピロピロ」という音が出力される(
図5(a-1)参照)ので、この音を出力してから所定時間(例えば10秒)以内に第二ボタン部38のみが押された場合、第一制御部31は、現在位置を特定する駐車位置情報を位置情報記憶部35の駐車位置記憶エリアに登録させることなく、一時キャンセルエリアとして登録させる。登録後は、音出力部33から「ピピピッ・ピピピッ……」という音を出力し、LED36を橙色で点滅する。この「ピピピッ・ピピピッ……」という音が出力されている間に再び第一ボタン部37が押されると、第一制御部31は、一時キャンセルエリアを解除する。一時キャンセルエリアに登録した場合、今回の駐車中は駐車監視を行わないが、この駐車位置情報を位置情報記憶部35に登録しないので、次回同じ場所に駐車した場合には、エンジンをOFFしてそのまま降車しても、駐車録画がされる。
【0094】
上述したように、本形態では、キャンセルエリアの登録/解除は、第一ボタン部37と第二ボタン部38を同時に押すことで行い、一時的なもの(一時駐車監視/一時キャンセルエリア)は第一ボタン部37或いは第二ボタン部38を1個押しすることで行う。このようにエンジンを停止してから所定の時間内に所望のボタンを押すだけで、各種の設定・指定をすることができ、最後に押したボタン操作が有効になり、確定するためのボタン操作などが不要なため、ユーザは、所望のボタン部を押した後は、そのまま降車することができる。さらに第一ボタン部37と第二ボタン部38が近接配置され、例えば誤ったボタン部を押したり、例えば1個押しするつもりが両方のボタン部を同時に押したりするなど、意図しない操作をするおそれがあったとしても、本形態では、ボタン操作があると、内容確定のための待機時間がリスタートするので、LEDの発光色や音などから間違いを知った場合には、所定時間以内に改めて正しいボタン操作をすればよく、別途の取消操作も不要なのでよい。
【0095】
このように一時駐車監視モードは、例えば、キャンセルエリア内に駐車する際に、例えば周囲に子供が遊んでてイタズラされそうであったり、比較的長時間駐車する可能性が高かったりするなど、駐車中の状況が通常と異なることが予想される場合などに使用するとよい。また、一時キャンセルエリアの登録は、例えば通常はキャンセルエリアを設定していないが、例えば周囲の人通りが多い場合に、その周囲の人を検知して駐車録画が頻繁に行われるようなことが予測される場合がある。係る場合にそのまま降車すると、余り関係の無い無駄な録画が多くなるため、一時キャンセルエリアを登録してメモリの消費やバッテリの容量低下を抑制するとよい。また、車両のバッテリや内部バッテリの状態から、今回に限り駐車録画をしないようにするとよい。これらの事象は、今回の駐車に伴い一時的に行うもので有るため、次回の駐車時には、運転者等のユーザは、ボタン操作をすることなく降車することで、通常の登録されたキャンセルエリアに基づく処理が行われるのでよい。
【0096】
また運転者は、例えば、車両を駐車して降車する際に、面倒な設定の切換などしたくないという課題、通常は駐車記録しないでよい場所で一時的に駐車関した場合でもその後は面倒な操作等をすることなく確実に駐車記録しないようにしたいという課題等を有するが、本実施形態では、かかる課題を解決できるので良い。
【0097】
図7は、上述したエンジンをOFFにしたACCOFFに伴い実行される処理フローを示している。このフローチャートは、ACCのOFFに伴い自動で駐車監視に移行する「ACC OFF連動」が設定されている場合のものである。また、この
図7に示すフローチャートは、第一制御部31と第二制御部32が協働して動作する。それら第一制御部31と第二制御部32を纏めて、単に「制御部」と称することがある。
【0098】
ACCOFFにともない、制御部は、現在位置がキャンセルエリア内か否かの判定とACCの状態を確認する(S1)。ACCの状態確認は、第一制御部31が行い、ACCONになった場合には、ドライブレコーダ2の電源を起動する。また、ACCOFF後の駐車中の制御は第一制御部31が主に司り、キャンセルエリア内か否かの実際の判定は、位置情報記憶部35に対してアクセスして最終測位位置を更新する第二制御部32が行う。
【0099】
そこで、このS1の判定処理は、例えば第一制御部31から第二制御部32に対して現在位置がキャンセルエリア内か否かの問い合わせを行い、第二制御部32がその判定結果を第一制御部31に通知することで行う。或いは、
図8~
図10等に示すように、第一制御部31がACCの状態を確認し、ACCOFFと判定したら第二制御部32に対して「ACCOFF」であることを通知する。そして、第二制御部32は、係る「ACCOFF」通知を受信すると、位置情報記憶部35にアクセスし、記憶されている最終測位位置を取得し、その取得した最終測位位置がキャンセルエリア内にあるか否かを判断する。キャンセルエリア内か否かの判断は、例えば、最終測位位置と、記憶しているすべてのキャンセルエリアの中心点(駐車位置情報)との距離をそれぞれ求め、キャンセルエリアを特定する半径r以内のものがあるか否かにより判定するとよい。位置情報記憶部35に記憶したキャンセルエリアを特定するすべての駐車位置情報は、例えば、エンジン始動のACCON時に予め第二制御部32が読み出して記憶保持しておき、その記憶保持した情報と最終測位位置とを比較するようにすると、判定処理が速く行えるのでよい。
【0100】
現在の駐車位置がキャンセルエリアでない、すなわち監視エリアの場合、処理ステップS2に進み、制御部はLED36を赤色で点滅させるとともに、音出力部33から「ピロピロ」という音を3回繰り返し出力する。このLED36及びまたは音出力部33を用いた報知は、エリア判定をした第二制御部32が行ってもよいし、第二制御部32から判定結果を受け取った第一制御部31が行ってもよい。
【0101】
次いで制御部は、現在の状況(キャンセルエリアでない)を報知した後、所定時間(例えば10秒)が経過するのを待つ。そしてその待機中に、第一制御部31は、第一ボタン部37、第二ボタン部38に対するスイッチ操作や、ACCの状態を確認する(S3)。待機中にACCがONになると、ドライブレコーダ2の電源を起動する。所定時間経過してタイムアウトすると、制御部は、LED36を消灯し(S15)、駐車監視モードに移行する(
図8(a)参照)。
【0102】
S3の待機中に、第二ボタン部38(SW2)が単独で押された場合、制御部は、一時キャンセルエリアにし、LEDを所定の色で点滅させるとともに、音出力部33から「ピピピ・ピピピ……」という音を連続出力する(S5)。この処理は、例えば第一制御部31が行ってもよいし、LED36及び音出力部33の制御を第二制御部が行う場合には、第一制御部31は第二制御部32に対して第一ボタン部37が押されたことを通知し、その通知を受けた第二制御部32が所定の処理を行う。一時キャンセルエリアのため、位置情報記憶部35への登録は行わない。
【0103】
この後、処理ステップS6に進み、第一制御部31は、所定時間(例えば10秒)が経過するのを待つ。そしてその待機中に、第一制御部31は、スイッチ操作や、ACCの状態を確認する(S6)。そしてACCONがされた場合にはドライブレコーダ2を起動し、第一ボタン部37(SW1)が単独で押された場合、制御部は、処理ステップS7に進み、監視エリアに設定し、LEDを所定の色で点滅させるとともに、音出力部33から「ピロピロ」という音を3回出力する(S7)。その後、処理ステップS3に戻り、上述した処理を行う。そして、S6待機中に処理が行われずにタイムアウトすると、制御部は、LED36を消灯し(S8)、駐車監視禁止モードに移行する。この駐車監視禁止モードに移行すると、第一制御部31と第二制御部32の何れもOFFになり、ドライブレコーダ2への電源供給を停止する。
【0104】
一方、S3の待機中に、第一ボタン部37と第二ボタン部38が同時に押された場合(SW1+SW2)、第一制御部31は、係る両ボタンが押されたことを第二制御部に通知する(
図9参照)。そして、係る通知を受けた第二制御部32は、現在位置すなわち最終測位位置をキャンセルエリアの駐車位置情報として、位置情報記憶部35に登録する。そして、制御部は、LEDを所定の色で点滅させるとともに、音出力部33から「ピピピ・ピピピ……」という音を連続して出力する(S4)。この処理ステップS4の実行により、現在位置がキャンセルエリアに登録され、駐車位置はキャンセルエリア内となるため、処理ステップS10に進み、当該キャンセルエリア内の処理系統に移行する。
【0105】
また、S1で、現在位置がキャンセルエリア内と判定された場合、制御部は、LEDを所定の色で点滅させるとともに、音出力部33から「ピピピ・ピピピ……」という音を連続して出力する(S9)。次いで、S9で現在の状況(キャンセルエリア内である)を報知した後、所定時間(例えば10秒)が経過するのを待つ。そしてその待機中に、第一制御部31は、第一ボタン部37、第二ボタン部38に対するスイッチ操作や、ACCの状態を確認する(S10)。待機中にACCがONになると、ドライブレコーダ2の電源を起動する。所定時間経過してタイムアウトすると、LED36を消灯し(S8)、駐車監視禁止モードに移行する(
図8(b)参照)。
【0106】
S10の待機中に、第一ボタン部37(SW1)が単独で押された場合、一時監視エリアにし、LEDを赤色で点滅させるとともに、音出力部33から「ピーピロピロピロ」という音を出力する(S12)。この処理は、例えば第一制御部31が行ってもよいし、LED36及び音出力部33の制御を第二制御部32が行う場合には、第一制御部31は第二制御部32に対して第一ボタン部37が押されたことを通知し、その通知を受けた第二制御部32が所定の処理を行う。キャンセルエリアの一時キャンセルで一時監視エリアのため、位置情報記憶部35に登録されている現在位置に対応するキャンセルエリアの解除処理、すなわち、対応する駐車位置情報の削除は行わない。
【0107】
この後、処理ステップS13に進み、第一制御部31は、所定時間(例えば10秒)が経過するのを待つ。そしてその待機中に、第一制御部31は、スイッチ操作や、ACCの状態を確認する(S13)。そしてACCONがされた場合にはドライブレコーダ2を起動し、第二ボタン部38(SW2)が単独で押された場合、処理ステップS25に進み、監視キャンセルエリアに設定し、LEDを赤色で点滅させるとともに、音出力部33から「ピロピロ」という音を3回出力する(S14)。その後、処理ステップS10に戻り、上述した処理を行う。そして、S13の待機中に処理が行われずにタイムアウトすると、LED36を消灯し(S15)、駐車監視モードに移行する。
【0108】
一方、S10の待機中に、第一ボタン部37と第二ボタン部38が同時に押された場合(SW1+SW2)、第一制御部31は、係る両ボタンが押されたことを第二制御部32に通知する(
図10参照)。そして、係る通知を受けた第二制御部32は、現在位置に対応するキャンセルエリアの駐車位置情報を位置情報記憶部35から削除し、キャンセルエリアを解除する。そして、制御部は、LED36を赤色で点滅させるとともに、音出力部33から「ピロピロ」という音を3回出力する(S11)。この処理ステップS11の実行により、現在位置を含むキャンセルエリアが解除されるため、駐車位置はキャンセルエリアの外となるため、処理ステップS3に進み、当該キャンセルエリア外、すなわち、監視エリアの処理系統に移行する。
【0109】
図11は、上述したエンジンOFF・ACCOFFに伴い実行される処理フローの一例を示している。このフローチャートは、手動操作に基づき移行する「マニュアル」が設定されている場合のものである。マニュアルが設定されている場合、ACCOFFしてから所定時間経過するまでの間に、第一ボタン部37がプッシュ操作された場合に駐車監視を行い、プッシュ操作がない場合には駐車監視をしないようにする。このように本形態のマニュアルモードでの駐車監視は、ユーザからの何かしらのアクションがあった場合に行うようにし、そのまま操作することなく降車した場合には駐車監視をしないようにした。
【0110】
ACCOFFにともない、制御部は、LED36を所定の色で点滅発光させるとともに、音出力部33から「ピピッ・ピピッ……」という音を連続して出力する(S21)。次いで制御部は、現在の状況(マニュアル)を報知した後、所定時間(例えば10秒)が経過するのを待つ。そしてその待機中に、第一制御部31は、第一ボタン部37(SW1)に対するスイッチ操作や、ACCの状態を確認する(S22)。待機中にACCがONになると、ドライブレコーダ2の電源を起動する。所定時間経過してタイムアウトすると、LED36を消灯し(S26)、駐車監視禁止モードに移行する。これにより、第一制御部31、第二制御部32をOFFにし、ドライブレコーダへの電源供給を遮断する。
【0111】
また、S22の待機中に、第一ボタン部37(SW1)が単独で押された場合、制御部は、LED36を赤色で点滅させるとともに、音出力部33から「ピロピロ」という音3回出力する(S23)。マニュアルが設定されている状態で第一ボタン部37が押された場合、駐車監視を行う。そして、この後、第一制御部31は、所定時間(例えば10秒)が経過するのを待つ。そしてその待機中に、第一制御部31は、スイッチ操作や、ACCの状態を確認する(S24)。待機中に処理が行われずにタイムアウトすると、第一ボタン部37のプッシュで指定した駐車監視モードが確定する。そして、LED36を消灯し(S25)、駐車監視モードに移行する。
【0112】
一方、待機S24の待機中に第二ボタン部38(SW2)が単独で押された場合、第一ボタン部37のプッシュ操作の取り消し指示であり、S21に戻り、上記の各処理を実施する。なお、待機中にACCONがされた場合にはドライブレコーダ2を起動する。
【0113】
上述した各形態において、駐車監視モードに移行した後は、第一制御部31は、常時ONになり、所定の入力装置・出力装置を制御したり、第二制御部32のON/OFFを制御したりする。そして、第二制御部32がONすると撮影を開始し、録画もする。第一制御部31が録画するか否かを判断する。例えばキャンセルエリア外で駐車監視する場合であって常時録画であれば、第一制御部31は第二制御部32をONしたままにする。一方、イベント録画であれば、一旦第二制御部32をOFFにしてイベント時にONにする。なお、キャンセルエリア内であれば、第二制御部32をOFFにする。また第二制御部32は、ONになると通常の常時録画かフレームレートを遅くした映像を録画するとよい。
【0114】
[第2実施形態]
図12は、システムの第2実施形態の一例を示している。第2実施形態も駐車中の監視録画に関する実施の形態である。本形態のシステムは、ドライブレコーダ51を、ジャンクションユニット52を介して車両や他の機器と接続する。ジャンクションユニット52は接続制御装置に相当する。他の機器は、例えば、GPSアンテナユニット53、レーダー探知機54、DMS(ドライバーモニタリングシステム)ユニット55などがある。ジャンクションユニット52は、例えば矩形などの所定形状の本体ケースを備え、その本体ケースの側面に、上記の各機器と接続するためのコネクタを備える。コネクタは、例えばドライブレコーダ51を接続するための第一コネクタ61a、GPSアンテナユニット53を接続するための第二コネクタ61b、レーダー探知機54を接続するための第三コネクタ61c、DMSユニット55を接続するための第四コネクタ61d等を備える。さらに、ジャンクションユニット52は、OBDアダプタケーブル56を接続するための第五コネクタ61eと、電力供給用の第六コネクタ61fを備える。第六コネクタ61fは、電源装置57と接続する接続ケーブル58或いは車両のバッテリに接続する電源ケーブル59を択一的に装着する。この接続ケーブル58は4芯のもの用い、電源ケーブル59は3芯の電源コードを用いる。レーダー探知機54は、CPUやメモリを有する制御部、ジャンクションユニット52と接続するインターフェース、各種センサ等を備える。レーダー探知機54の各部は制御部が制御する。レーダー探知機54は、所定のレーダーを探知して警報を発する警報機能を有する。レーダー探知機54は、さらに所定のレーザー光を探知して警報を発する機能を有してもよい。レーダー探知機54は、後述するように、駐車監視機能に関する画面を表示する情報表示端末としても機能する。レーダー探知機54は、画面に対する操作を受け付ける手段として、ディスプレイにタッチセンサを重ねたタッチパネルを備えている。レーダー探知機54は、駐車監視機能による録画中は画面オフする。レーダー探知機54は、第二機器に相当する。
【0115】
電源装置57は、例えば上述した実施形態における電源装置3と同じものを用いるとよい。この電源装置57は、充電可能な内部バッテリを有し、図示省略するケーブルを用いて車両のバッテリに接続し、ACCON時には車両のバッテリからの電源供給を受けて内部バッテリを充電し、ACCOFF時にはその内部バッテリを放電してジャンクションユニット52ひいてはジャンクションユニット52に接続された各機器に対して電力供給するとよい。また、電源装置57は、ACCONの状態では、内部バッテリを充電しつつジャンクションユニット52に対しても電力供給する。
【0116】
ジャンクションユニット52は、本体ケース内に電源IC62と、通信制御部63と電源制御部64を備える。電源IC62は、電源から供給される電力に基づきジャンクションユニット52に接続された各機器に電源供給する機能を有する。電源IC62は、その入力部を第六コネクタ61fの電源ライン等の端子に接続し、出力部を第一コネクタ61a~第四コネクタ61dの電源ライン等の端子や、通信制御部63並びに電源制御部64の電源電圧端子部に接続し、第六コネクタ61fを介して外部から供給される入力電圧を所定の電圧値(例えば5V)をそれぞれに供給する。電源制御部64は、ジャンクションユニット52に接続された各機器に対して供給する電源のON/OFF制御を行う電源制御機能を有する。通信制御部63は通信制御機能を有する。電源IC62、通信制御部63及び電源制御部64の機能の機能の一部または全部がプログラムの実行によって実現されてもよい。プログラムの実行によって実現される場合、ジャンクションユニット52においては、CPU等の演算処理装置(コンピュータ)は、RAM等のメモリにプログラム及び必要なデータを読み出し、そのプログラムに従って各種演算処置を行うことで、ジャンクションユニット52の各機能が実現する。
【0117】
ジャンクションユニット52に接続された各機器は、通信制御部63を介して相互に情報及びデータの送受を行う。例えば、ドライブレコーダ51は、GPSアンテナユニット53から現在位置情報を取得する。また、例えばドライブレコーダ51は、レーダー探知機54と通信し、レーダー探知機54のタッチパネル付の表示部65を利用するとよい。
【0118】
ドライブレコーダ51は、車両の例えばフロントガラス等に取り付けて例えば車両の前方等を撮影するフロントカメラユニット66と、車両の例えばリアガラス等に取り付けて例えば車両の後方等を撮影するリアカメラユニット67と、それらフロントカメラユニット66とリアカメラユニット67を接続する接続ケーブル68と、フロントカメラユニット66とジャンクションユニット52を接続する電源ケーブル69等を備える。
【0119】
このドライブレコーダ51は、所定の電源からジャンクションユニット52を経由して電源ケーブル69を介してフロントカメラユニット66に対して電力供給を受け、リアカメラユニット67は、接続ケーブル68を介してフロントカメラユニット66を経由して電力供給を受ける。そして、ドライブレコーダ51は、ACCがONにともない起動し、設定された動作条件に従ってフロントカメラユニット66やリアカメラユニット67が撮影した映像を録画する。設定された動作条件は、例えば、ACCONの時は常時録画する常時録画モードや、常時は録画せず所定のイベント発生時に録画するイベント録画モードや、それらの組み合わせなどがある。また、ドライブレコーダの設定は常時録画モード等であっても、車両の走行中等において手動で録画を止めた場合等もある。よって、エンジンを停止してACCがONからOFFになる際に、録画している状態と、録画していない状態が発生する。
【0120】
またフロントカメラユニット66は、具体的な内部構成の図示等を省略するが、上述した
図1に示した実施形態のブロック図と略同様の構成を備え、例えば、位置情報記憶部に最終測位位置情報を記録したり、キャンセルエリアを登録したりし、駐車位置がキャンセルエリアの場合には駐車監視を行わなかったり、キャンセルエリア内であっても一時的に駐車監視を行ったり、駐車位置がキャンセルエリアの外であっても一時的に駐車録画を行わなかったりするといった、駐車監視に関する各種の機能等を備える。ドライブレコーダ51が第一機器に相当する。
【0121】
図13は、本実施形態のドライブレコーダの機能の一つであるACCがONからOFFになったときにスタートする駐車録画開始フローを示す図である。ドライブレコーダ51、例えばフロントカメラユニット66に実装される制御部は、ACCOFFになったときに録画中か否かを確認する(S31)。録画していなかった場合(S31でNo)、制御部は、駐車監視モードに移行せず、ドライブレコーダ51並びにレーダー探知機54の電源をOFFにする(S32)。レーダー探知機54の電源OFF処理は、例えば、制御部がレーダー探知機54に対して電源OFFにする指示を送り、その指示を受け取ったレーダー探知機54の制御部が、電源OFFにするシャットダウン処理を行うとよい。このように本形態では、エンジンを切った(ACCOFF)ときに常時録画していない場合には、駐車監視を行いないようにした。
【0122】
一方エンジンを切った(ACCOFF)ときに常時録画していた場合(S31でYes)、制御部は、駐車監視モードの設定になっているか否か確認する(S33)。現在の設定が「駐車監視録画をしない」の場合(S33でNo)、制御部は、駐車監視モードに移行せず、ドライブレコーダ51並びにレーダー探知機54の電源をOFFにする(S34)。
【0123】
また、設定が「駐車監視録画をする」の場合(S33でYes)の場合、制御部は、フロントカメラユニット66の位置情報記憶部35にアクセスし、最終測位位置があるかを確認する(S35)。
【0124】
位置情報記憶部に最終測位位置がない場合(S35でNO)には、駐車監視を開始する(S36)。最終測位位置が記録されていない状態は、例えば、システム開始から一度もGPSを測位していない状態であり、例えば、地下駐車場などのGPSが測位できない場所に駐停車している車両に、初めてドライブレコーダを取り付けて電源ONし、そのまま測位することなくACCをOFFにした場合などである。このような場合には、キャンセルエリアか否かが不明であるので、駐車監視をすることとした。この駐車監視の開始に伴い、レーダー探知機54の電源をOFFにし、ドライブレコーダ51の電源をONのまま継続する(S37)。
【0125】
また、最終測位位置がある場合(S35でYes)には、制御部は、現在位置(最終測位位置)がキャンセルエリア内か否かを判断する(S38)。この判断は、上述した実施形態と同様である。なお、ドライブレコーダの起動から一度もGPSが測位できずにドライブレコーダ51ひいてはフロントカメラユニット66の位置情報記憶部に最終測位位置が記録されていない場合に、例えば、レーダー探知機54の不揮発性メモリに保存された最終測位位置があればそれを使用するとよい。このようにすると、ドライブレコーダ51に最終測位位置が記録されていない場合でも、レーダー探知機54が保持する最終測位位置に基づいてキャンセルエリア内か否かの判断ができるのでよい。係るレーダー探知機54側に記憶保持された最終測位位置を使用する場合、フロントカメラユニット66の制御部は、自己の位置情報記憶部にアクセスして最終測位位置が記録されていない場合、ジャンクションユニット52の通信制御部63を経由してレーダー探知機54に対して最終測位位置情報の問い合わせをし、レーダー探知機54からの応答により取得するとよい。
【0126】
そして、最終測位位置がキャンセルエリアでなく、キャンセルエリア外の場合(S38でNO)、制御部は、タイマを10秒にセットしてスタートするともに、レーダー探知機54の表示部65に、「駐車監視画面」を表示し、駐車監視モード待ちにする(S39)。
【0127】
この駐車監視画面は、
図14(a)、
図15(a)に示すように、その上方の領域の左端に「駐車監視」のタイトル項目71aを表示し、右端にカメラのマーク71bを表示する。これにより、ユーザは、文字とイメージから現在駐車監視モードが選択されていることが容易に理解できる。
図15(a)は、実際の表示部65に表示する画面の例を示している。
【0128】
また、駐車監視画面の上方領域の中央には、バッテリ電圧表示部71cを配置する。このバッテリ電圧表示部71cは、車両のバッテリの電圧値であるバッテリ電圧を表示する領域であり、第六コネクタ61fに電源ケーブル59を接続して車両のバッテリからジャンクションユニット52に直接電源供給を受けている場合に、バッテリ電圧を取得して表示する。そして電源装置57を接続している際には、バッテリ電圧を表示しないようにした。バッテリ電圧を表示しない場合は、その電圧値の代わりの情報として「キャンセルエリア内」というメッセージが表示されるので、表示部の画面領域を有効利用できる。電源装置57と車両のバッテリのどちらが接続されているかは、例えば、電源装置57は通信機能を備えるので、例えば、通信が行えるか否かにより判断してもよいが、例えば、第六コネクタ61fへ外部から供給される入力電圧の電圧値により判断すると、簡単に判定できるのでよい。
【0129】
電源制御部64は電源IC62から電源電圧の供給を受ける電源ラインとは別に、第六コネクタ61fに直接接続する配線を有する。電源制御部64は、その配線を介して第六コネクタ61fに介して外部から供給される入力電圧の電圧値を検出する機能を備える。よって電源制御部64は、例えば第六コネクタ61fに車両のバッテリを直接接続した場合、その入力電圧の電圧値を検出する機能により車両のバッテリ電圧を検知する。バッテリ電圧表示部71cにはその検知機能により取得した電圧値を表示するとよい。一方、例えば第六コネクタ61fに電源装置57を接続した場合、その電圧値を検出する機能により電源装置57からの入力電圧、すなわち、電源装置57の内部バッテリの電圧値を検知することになり、車両のバッテリ電圧を直接検知することができない。よって、その検知した電圧値を表示しても車両のバッテリ電圧ではなく意味が無いので、電源装置57を接続した場合には、バッテリ電圧表示部71cを非表示にした。
【0130】
車両のバッテリに接続している場合に、そのバッテリ電圧値を表示するので、ユーザはバッテリの充電状態等を確認し、今回の駐車中に駐車監視をしても大丈夫かなどの判断を行うことができ、駐車監視の有無の適切な設定を行うことができる。バッテリ電圧表示部71cは、車両のバッテリがへたり気味の場合に駐車監視をやめるための指標となり、ユーザが判断するための指標となる。
【0131】
また、ドライブレコーダ51及びフロントカメラユニット66には、駐車監視時にバッテリ電圧がしきい値より低くなったら起動しない機能を備えるとよく、その起動しなくなるしきい値は設定により変更できるようにするとよい。車両のバッテリ電圧は、車両により定常的に低い/高いものもあり、しきい値を画一的に決定することができないため、適宜設定することになり、通常からバッテリ電圧表示部71cに表示されるバッテリ電圧を確認することで、係るしきい値の設定を適切に行うことができる。
【0132】
また、第六コネクタ61fに接続する電源により表示態様を異ならせることで、バッテリ電圧表示部71cの領域の表示態様を見ることで、車両のバッテリに接続しているのか、電源装置57に接続しているのかがわかるのでよい。
【0133】
さらに駐車監視画面の上方領域には、上側に残り時間インジケータ71dを配置する。この残り時間インジケータ71dは、10秒セットされてスタートしたタイマの残り時間を表示するものであり、時間経過に伴いバーが短くなり、10秒経過すると、右端に至る。運転者等のユーザは、この残り時間インジケータ71dを見ることで、モード確定までの残り時間を知ることができる。
【0134】
さらに駐車監視画面には、残り時間インジケータ71dの下側の広い領域を、左右に二分割し、左側に第一領域であるキャンセルエリア設定ボタン領域71eを配置し、右側に第二領域である一時キャンセルボタン領域71fを配置する。それぞれのボタン領域には、内容を表すイメージと、文字を大きく表示し、各ボタン領域に割り当てた内容を直感的に理解できるようにする。各ボタン領域は、表示部65の多くの領域に設けたことで、押し間違いや、誤って同時に押すなどの誤タッチの発生を抑制する。
【0135】
上述したように、制御部は、駐車監視画面を表示し、時間の経過に伴い残り時間インジケータ71dのバーの表示を変えていき、10秒経過してタイムアウトしたら駐車監視を開始する(S40)。そしてこの駐車監視の開始に伴い、レーダー探知機54の電源をOFFにし、ドライブレコーダ51の電源をONのまま継続する(S41)。
【0136】
「駐車監視画面」の表示中に右側の一時キャンセルボタン領域71fがタッチされると、制御部は、今回のみの一時駐車監視キャンセルとして駐車監視モードに移行せず、ドライブレコーダ51並びにレーダー探知機54の電源をOFFにする(S42)。このとき現在位置に基づきキャンセルエリアの登録をしないので、例えば次回に同じ場所に駐車した場合、制御部は駐車監視画面を表示し、駐車監視モードで待機する。上述した実施形態ではボタン操作に伴いタイマをリスタートさせたが、本実施形態では10秒待つこと無く即時に決定する。これは、表示部に両ボタン部を隣り合わせでそれぞれ大きく表示しているため、ボタンを押し間違えることも無いので即時に状態を移行し、すぐに降車できるようにした。
【0137】
また、S39で駐車監視画面を表示し、タイムアウトするまでの待機中の間にキャンセルエリア設定ボタン領域71eがタッチされた場合、レーダー探知機54は、その旨をドライブレコーダに通知し、フロントカメラユニット66の制御部は係る通知に従い、現在位置をキャンセルエリアに設定及び登録する。その後、制御部は、レーダー探知機54の表示部65に、「電源OFF画面」を表示し、10秒の待機時間をリスタートする(S43)。
【0138】
電源OFF画面は、
図14(b)、
図15(b)等に示すように、その上方の領域の左端に「電源OFF」のタイトル項目72aを表示し、右端に電源ボタンを模したマーク72bを表示する。また、電源OFF画面の上方領域の中央には、「キャンセルエリア内」という文字72cを表示するレイアウトを採る。これにより、ユーザは、文字とイメージから現在キャンセルエリア内にいることが容易に理解できる。
図15(b)は、実際の表示部65に表示する画面の例を示している。 さらに電源OFF画面の上方領域には、上側に残り時間インジケータ72dを配置する。この残り時間インジケータ72dは、10秒セットされてスタートしたタイマの残り時間を表示するものであり、時間経過に伴いバーが短くなり、10秒経過すると、右端に至る。運転者等のユーザは、この残り時間インジケータ72dを見ることで、モード確定までの残り時間を知ることができる。
【0139】
さらに電源OFF画面には、残り時間インジケータ72dの下側の広い領域を、左右に二分割し、左側に第一領域であるキャンセルエリア解除ボタン領域72eを配置し、右側に第二領域である一時駐車監視ボタン部72fを配置する。それぞれのボタン領域には、内容を表すイメージと、文字を大きく表示し、各ボタン領域に割り当てた内容を直感的に理解できるようにする。各ボタン領域は、表示部65の多くの領域に設けたことで、押し間違いや、誤って同時に押すなどの誤タッチの発生を抑制する。
【0140】
上述したように、制御部は、電源OFF画面を表示し、時間の経過に伴い残り時間インジケータ72dのバーの表示を変えていき、10秒経過してタイムアウトしたらキャンセルエリア内のため駐車監視を行わない。そしてこの駐車監視の停止に伴い、レーダー探知機54並びにドライブレコーダ51の電源をOFFにする(S44)。
【0141】
「電源OFF画面」の表示中に右側の一時駐車監視ボタン部72fを押すと、今回のみ駐車監視を行うモードとなり、駐車監視をスタートする(S45)。そしてこの駐車監視の開始に伴い、レーダー探知機54の電源をOFFにし、ドライブレコーダ51の電源をONのまま継続する(S46)。この例でも10秒待つこと無く、即時に決定する。ボタンを押し間違えることも無いので、即時に状態を移行することで、すぐに降車できるようにする。
【0142】
一方、「電源OFF画面」の左側のキャンセルエリア解除ボタン領域72eを押すと、現在位置に対応するキャンセルエリアを解除し、「駐車監視画面」を表示し、10秒の待機時間をリスタートする。
【0143】
また、現在位置がキャンセルエリアの場合、S38でYesとなり、「電源OFF画面」を表示する(S43)。そして、以後上記と同様の処理を行う。
【0144】
以上のように、本実施形態においても、「キャンセルエリアの設定」と「キャンセルエリア解除」は、ボタンを押すことでその設定の更新を行うとともに、交互に画面を遷移する(10秒リスタート)。
【0145】
上述したように、本実施形態では、「駐車監視画面」ではバッテリ電圧を表示する機能を付けた。これによりユーザはバッテリ電圧を見て、バッテリが上がりそうなら一時キャンセルしたり、バッテリ電圧と駐車時の状況を両天秤に掛けて、総合的に判断して、適切な使用態様をとったりすることができる。一方、電源OFF画面では、バッテリ電圧を表示しないようにした。キャンセルエリアでは駐車心監視しないためバッテリ電圧を報知する必要性が低く、バッテリ電圧表示部71cを表示す領域を利用して「キャンセルエリア」であることを通知することで、ユーザに対しこの駐車位置ではキャンセルエリアに登録されていてそのままでは駐車監視しないことの意識付けを行い、必要に応じてキャンセルエリアの解除や一時駐車監視を行わせる契機付けを図るようにした。
【0146】
この実施形態では、
図12、
図14~
図16等に示すように、レーダー探知機54の表示部65に操作画面を表示し、キャンセル/一時キャンセルの設定やキャンセルエリアの登録/解除をしやすくした。
図1~
図4等に示すドライブレコーダ2のように、ドライブレコーダの本体ケースにボタン部を備えた単体の機器の場合、表示部を備えていないか、備えていても小さいので、画面タッチの入力部として使用することしづらい。これに対し、本実施形態では、ドライブレコーダと別の機器を用いたため、大きい表示部を備えた機器を用いたり、ダッシュボードなどの運転者に近い位置に設置する機器を用いたりすると、表示内容を見やすく、ボタン部の領域として広い面積を確保できるので操作性がよい。
【0147】
基本は、そのまま降車する。すなわち、例えばレーダー探知機の画面を見て、希望通りか確認し、良ければそのまま降りると例えば10秒後に作動する。また、所定の指示する場合も画面のワンタッチでできる。キャンセルエリアの登録/削除もワンタッチでできる。現在の状況(キャンセルエリア設定済み/否)がわかるので、現在の設定状況が正しいか否かがわかり、その後の正しい運用(操作しないで降車)ができる。通常は、モード設定画面を起動して行うが、簡単にワンタッチでできる。
【0148】
[電源制御部の機能]
電源制御部64は、接続された機器やジャンクションユニット52における電源供給のON/OFFを制御する。
図17は、レーダー探知機(RD)に対する電源制御状態遷移を示す。電源装置57を「OP電源」と記し、レーダー探知機をRDと記す。また、T1は、電源OFFガードタイマであり、電源装置57が落ちない場合のガード値である。例えば15秒程度とするとよい。T2はレーダー探知機の終了待ちタイマであり、例えば10秒程度とするとよい。
【0149】
電源制御部64は、ACCONでレーダー探知機の電源を入れる。そして、ACCOFF後、電源装置の電源状態を参照し、OP電源ONなら、OP電源OFFになるまで待つ。OP電源OFFなら、RD電源OFF許可を待ち、許可になったら電源OFF状態へ遷移する。RD電源OFF許可は、ドライブレコーダ(DVR)電源状態で判定する。駐車監視のキャンセル/一時キャンセルや、キャンセルエリアの設定/解除の操作の待ち時間(10秒 延長あり)をまち、終わったらOFFにする。レーダー探知機54の表示部65に各画面を表示するため、落とさないためにレーダー探知機54に対して電源供給を続ける。
【0150】
図18は、ドライブレコーダ(DVR)に対する電源制御状態遷移を示している。図においてT1は駐車録画判定問い合わせ応答受信タイマであり、例えば500[ms]程度とするとよい。T2は駐車録画判定結果待ちタイマであり、RDへ駐車監視するかどうかを問い合わせている時間である。例えば15秒程度とするとよい。T3は駐車録画タイマであり、ジャンクションユニット52内のDATA FLASHに保存されている設定値 ある。この設定値は例えばレーダー探知機の設定メニューで変更可能とするとよい。
【0151】
この電源制御状態図は、
図13に示すフローチャートを実行するドライブレコーダに対する制御である。ACCがOFFになり、駐車監視がOFFならすぐに電源もOFFし、判定中なら電源ONを継続する。
【0152】
図中、「駐車録画キャンセル判定中」のブロックでは、駐車監視画面/電源OFF画面をレーダー探知機の表示部に表示し、レーダー探知機からの指示待ちの状態となる。そして、レーダー探知機からの指示及び応答が、駐車録画しない場合には、適宜のタイミングで電源OFFにする。
【0153】
具体的な一例を示すと、ACC ONでDVR電源を入れ、ACC OFF時、駐車録画設定がOFFならDVR電源を切る。一方、ACCOFF時、駐車録画設定がONなら、駐車録画キャンセルするかどうかをレーダー探知機へ問い合わせる。レーダー探知機からの駐車録画の問い合わせの結果により、駐車録画する場合は、ドライブレコーダ(DVR)へ駐車録画を指示し、駐車録画しない場合はDVR電源をOFFする。
【0154】
「駐車録画判定送信」のブロックでは、通信できないときにT1をセットしてリトライし、それでも通信できずタイムアップしたら録画開始するため電源ONを継続する。また、「駐車録画判定結果待ち」のブロックでは、表示部65の画面左側のキャンセルエリア設定ボタン領域71e或いはキャンセルエリア解除ボタン領域72eがタッチされるごとに、レーダー探知機から10秒の延長指示が送られてくる(Timer Extend)、T2(駐車録画判定結果待ちタイマ)をセットしてリスタートする。
【0155】
さらに、駐車録画を行った場合、「駐車録画中」のブロック内に示すように、駐車録画時間終了もしくは電圧低下で、DVR電源をOFFする。また、駐車録画中のフレームレートを変更設定できる機能を備える場合、例えば、1fps設定と、通常設定(例えば30fps)を選択可能とするとよい。駐車録画を例えば1fpsのように通常設定より遅くすることで、バッテリの電力消費を抑え、長時間の録画が可能となる。そして、係る機能を備えた場合、1fps設定の場合のみ、DVRへ駐車録画開始及び停止を送るとよい。駐車録画中は、定期的(例えば3秒ごと)にDVRへ状態通知を要求する。異常(録画停止やSDカードなしなど)を検出した場合は、電源OFFする。さらに、録画中は継続して電源供給するが、設定時間(T3:最大9時間)が経過すると、電源OFFする。
【0156】
本実施形態では、レーダー探知機54とジャンクションユニット52が別ユニットのため、このような電源制御が必要となり、ジャンクションユニット52はレーダー探知機と通信しながら電源の状態をどうするかを判断し、制御する。
【0157】
図19は、ジャンクションユニット(JCT)52に対する電源制御状態遷移を示している。図において自分に対する制御は、繋がっているすべての機器の電源がOFFになったら自分もOFFにする。
【0158】
例えば、ACC ONに伴い、電源がONし、電源自己保持となる。この電源自己保持は、例えば、2入力のORの一方にACCをつなぎ、自己の出力を他方の入力に入れる。よって、ACCのONに伴いJCTがONになると、その後はACCがOFFになってもONを継続する。ACCOFF中は、その他の電源がすべてOFFになったことを確認したら、JCT電源OFFして、電源自己保持を外す。また、自己保持を外した後、電源電圧が降下している最中に再度ACCが入った場合は、JCTのMPUを再起動する。
【0159】
図20、
図21は、システムの設定を行う設定画面等の一例を示している。この設定画面等は、ジャンクションユニット52とレーダー探知機54が通信を行いがら、レーダー探知機54の表示部65に表示し、画面中のタッチされた位置に基づき、ジャンクションユニット52は画面の切換を指示したり、対応する機器に対して設定内容を更新したりするなどの処理を行う。
図20(a)は、図示省略する設定のトップ画面から画面のタッチに伴い遷移して表示される「外部機器設定のメニュー画面」の一例を示す。このメニュー画面は、上端にタイトル表示部80aを配置し、そのタイトル表示部80aの下方の多くの領域を使用して、複数の設定項目表示領域80bを縦に並ぶように所定数配置し、右端の上下にカーソルボタン80cを配置し、右端の中央にページ表示部80dを配置し、左端の下方に戻るボタン80eとトップボタン80fを配置するレイアウトをとる。タイトル表示部80aには、外部機器設定画面であることを表す「外部機器設定」と表示する。
【0160】
戻るボタン80eがタッチされると、ジャンクションユニットの制御部は、画面表示を一つ上の画面に戻す処理を行う。トップボタン80fがタッチされると、制御部は、トップ画面例えば待受画面の表示に切り替える。
【0161】
設定項目表示領域80bは、横長に形成し、その左端側に設定項目のタイトルを表示する。また、例えば
図20(c)~(e)に示すように、設定項目表示領域80bの右端側に、現在の設定内容を表示する。
【0162】
ページ表示部80dは、画面が何枚の頁から構成されるかを示すものである。設定項目表示領域80bは、本形態では、1頁に4個を表示する。設定画面で5以上の項目がある場合には、複数頁に分割して表示する。ページ表示部80dは、全体の総頁数と、今表示している画面の頁数を表示する。例えば
図20(a)の例では、設定対象の外部機器の項目が4つであるため、1頁で構成されるので、ページ表示部80dには「1/1」と表示する。また、例えば
図20(c)の例では、ドライブレコーダの設定画面は、全部で3頁を有し、その1頁目であるので、ページ表示部80dには「1/3」と表示する。カーソルボタン80cは、上記のように設定画面が複数の画面から構成される場合に、各画面への切替を行うためのボタンである。例えば、
図20(c)は、1頁目の画面を示しているので、下向きのカーソルボタン80cがタッチされると、
図20(d)に示すように2頁目の画面を表示する。
【0163】
ドライブレゴーダにおける駐車監視の設定を行う場合、
図20(a)に示すメニュー画面において、1番上の設定項目表示領域80b(DR)をタッチする。制御部は、係るタッチを検知すると、
図20(c)に示すドライブレコーダ用設定画面の表示に切り替える。また、現在録画中の場合は、設定を行うため“録画停止”させる。このとき、
図20(a)から
図20(c)に画面を切り替える前に、
図20(b)に示すように「録画停止」を知らせるための報知画面を表示する。そして、録画が停止すると、ドライブレコーダ51から現在の設定値を取得し、ドライブレコーダ設定画面の1頁目を表示する(
図20(c)参照)。
【0164】
このドライブレコーダ設定画面は、タイトル表示部80aに「DR設定」と表示し、ドライブレコーダの機能設定であることがわかるようにする。また、各設定項目表示領域80bには、左端側に設定項目のタイトルを表示し、右端側に取得した現在の設定内容を表示する。カーソルボタン80cをタッチすることで、
図20(c),(d),(e)の間を相互に遷移する。そして、
図20(d)に示す2頁目の設定画面において、4番目の「駐車監視」の設定項目表示領域80bがタッチされたことを検知すると、ジャンクションユニット52の制御部は、
図20(f)に示す駐車監視設定画面を表示する。
【0165】
1番上の設定項目表示領域80bの「駐車監視録画」の初期値は、例えばOFFとするとよい。この種のシステムを購入したユーザは、初期値のまま使用する人がいる。仮に初期値をONにして駐車監視を行う設定になっていると、車両のバッテリや電源装置の内部バッテリが予期せずに消費されるおそれがある。さらに、駐車監視が行われてることに気がつかないと、メモリ容量を無駄に消費することになる。そこで、初期値をOFFにし、駐車監視を行いたいユーザは、自らの意思及び操作で設定を変えることで、その後の駐車監視を適切な状態で行い、バッテリの管理や、駐車録画した映像の利用も適切に行えるのでよい。
図20(f)は、設定により駐車監視録画を利用することを選択した例を示している(設定項目表示領域80bの右端に「ON」を表示)。
【0166】
駐車監視録画がOFFの場合、下の3つの項目は選択できない、押しても画面切換が起きないようにする。さらに駐車監視設定画面の設定項目の一つである駐車監視時間(
図20(f)では9時間が設定された例を示している)を変更する場合、ユーザは、当該上から2番目の設定項目表示領域80bをタッチする。係るタッチを検知すると、制御部は、
図20(g)に示す駐車監視時間設定画面の1頁目を表示する。カーソルボタン80cのタッチを受けて、制御部は、
図20(g)と
図20(h)の間で画面切換を行い、タッチされた選択項目表示領域に割り当てられた時間を駐車監視時間にセットする。この設定された駐車監視時間が経過すると、駐車録画を停止し、電源OFFの処理を行う。
【0167】
また、駐車監視設定画面の設定項目の一つである駐車監視終了電圧(
図20(f)では12.2Vが設定された例を示している)を変更する場合、ユーザは、当該上から3番目の設定項目表示領域80bをタッチする。係るタッチを検知すると、制御部は、
図20(i)に示す駐車監視終了電圧設定画面の1頁目を表示する。カーソルボタン80cのタッチを受けて、制御部は、
図20(i)と
図20(j)の間で画面切換を行い、タッチされた選択項目表示領域に割り当てられた電圧を駐車監視終了電圧にセットする。外部のバッテリ電圧、例えば、ジャンクションユニット52への入力電圧が設定された駐車監視終了電圧以下になると、ジャンクションユニット52は駐車録画を停止し、電源OFFの処理を行う。なお、車両のバッテリ上がりを防ぐために、終了電圧を高く設定できるように、選択項目の電圧として高い値を割り当てるとよい。
【0168】
なお、ジャンクションユニット52の第六コネクタ61fに所定の電源装置を接続している場合のみ「駐車監視終了電圧」の項目は無効となる。当該所定の電源装置は、駐車監視時間が設定時間を経過するか、電池残量がなくなった時に終了するようにし、電池の電圧を設定して録画終了する仕様にしていないためである。
【0169】
図21(a)は、表示部65に表示するシステム設定画面の一例を示している。このシステム画面を用いて、キャンセルエリアの消去を行う機能を備える。駐車監視キャンセルエリアと表示された上から2番目の設定項目表示領域80bがタッチされたのを検知すると、制御部は表示部65の表示を
図21(b)に示す確認画面に切り替える。この確認画面で、はいボタン80gがタッチされると、位置情報記憶部35に登録したすべてのキャンセルエリアの特定情報(中心位置)を削除する。また、戻るボタン80hがタッチされると、一つ上の階層の画面、例えば
図21(a)の画面に切り替える。このように本形態では、駐車位置に置いて画面タッチに基づいて、現在位置を含むキャンセルエリアの登録/解除を行えるが、設定によっても行えるようになり、適宜の方法で登録/解除ができるので良い。
【0170】
そして、実際に駐車監視を行う場合、この設定画面で設定した内容で駐車監視を行う。キャンセルエリア内や、エリア外でも一時的に駐車監視をキャンセルする場合にはそもそもこの設定を見に行くこともなくOFFになる。
【0171】
図21(c),(d)は、所定の画面操作に伴い表示部に表示するバージョン情報の一例を示している。ジャンクションユニット52のバージョンは、画面の一番下の「ジャンクション」の項目の右側に表示する。このバージョン情報の表示において、ジャンクションのバージョンの末尾に“M”がある場合は、ジャンクションユニットに所定の電源装置が接続されていることを示す。これにより、例えば電源装置が運転席等から見づらい位置にあり、車両のバッテリに接続しているか電源装置に接続しているかをすぐに確認できない状態であっても、このバージョン情報を確認することで容易に理解できるのでよい。
【0172】
[第3実施形態]
本実施形態では、車両の運転者の状態に応じてイベント録画を行う実施形態を説明する。このイベント録画は、録画データの重要度を高める機能を果たすために提供される。ドライブレコーダの録画データの中で、事故をしそうな状態(いわゆるヒヤリハット)の運転時の録画データが、どこに録画されているか分かりにくい、という課題がある。現状のドライブレコーダは、事故の時の記録に特化しているため、Gセンサが閾値を超えるような大きな衝撃があったときは、イベント録画として重要度を高めて保存している。しかし、事故しそうな状態(ヒヤリハット)のときに、ユーザが、イベントボタン記録を指示する操作を行わなければ、ヒヤリハット時の画像が通常録画の画像に埋もれてしまい、後で分かりにくい場合がある。そのため、ヒヤリハット運転を動画でふりかえってみることが、面倒になっている。そこで、ヒヤリハット運転時に、通常の録画よりも、優先度を高めにして区別して保存すれば、新しい価値を付加できると発明者は考えた。
【0173】
本実施形態のシステムの構成は、上述した第2実施形態のシステムの構成を前提とし、以下では相違点を中心に説明する。車両は、一般的な四輪の乗用車、バス等の中型以上の乗用自動車、トラック等の貨物自動車等である。
【0174】
DMSユニット55は、CPUやメモリを有する制御部、画像認識等を行い画像処理部、ユーザの操作を受け付ける操作部、カメラ、ジャンクションユニット52と接続するインターフェース等を備える。DMSユニット55の各部は制御部が制御する。DMSユニット55は、運転者の画像(主に顔)を撮影し、撮影した画像を認識して運転者の状態を判定する。画像認識のアルゴリズムは、例えば、公知の画像認識アルゴリズムを採用するとよい。DMSユニット55は、例えば、ユーザの顔の向きや目線の方向、瞼の開閉を検出し、運転者の状態を判定する。運転者の状態は、運転者の状態としてあらかじめ決められた状態で、本実施形態では、運転者が居眠りまたはわき見運転をしている状態である。運転者が居眠りまたはわき見運転をしている状態には、現にそのような状態である場合のほか、その可能性があるとDMSユニット55が判定した場合も含む。このような運転者の状態は、事故等の危険を誘発する可能性のある状態である。
【0175】
DMSユニット55は、運転者が居眠りまたはわき見運転をしている状態と判定した場合、所定のイベント(以下「DMSイベント」)を発生させ、ジャンクションユニット52に通知する。DMSイベントは、運転者の状態の種類(居眠りまたはわき見運転等)を認識できる信号とするとよい。DMSユニット55は、ユーザの目線よりも高いフロントガラスの上方に所定の取付部材を用いて取り付けられていることが望ましいが、ルームミラー、ダッシュボード、またはその他の場所に取り付けられてもよい。ジャンクションユニット52(通信制御部63)は、DMSイベントの発生を示すDMSイベント信号を、レーダー探知機54に出力する。レーダー探知機54は、DMSイベント信号を受信すると、イベント録画(以下「DMSイベント録画」という。)の実行を指示するDMSイベント録画信号を、ドライブレコーダ51に出力する。
【0176】
ドライブレコーダ51は、DMSイベント録画信号を受信したこと(つまり、運転者が居眠りまたはわき見運転していること)をトリガとして、DMSイベント録画を行う。DMSイベント録画は、DMSイベント録画信号の受信の前後(つまり、DMSイベントの発生前後)の所定期間(例えば、前後30秒間)に撮影した画像データを記憶する処理である。DMSイベント録画が完了すると、レーダー探知機54は再び運転者の状態を判定し、居眠りまたはわき見運転している状態と判定すると、DMSイベント録画信号をドライブレコーダ51に出力し、そうでなければ出力しない。
【0177】
ドライブレコーダ51は、例えば第1の記憶領域を用いて車両の運転中に常時録画を行い、第2の記憶領域を用いてDMSイベント録画を行う。常時録画は、第1の記憶領域に画像データを上書き録画することにより行われる。すなわち、常時録画は、第1の記憶領域の全体に画像データを書き込むと、古い画像データから順に新しい画像データで上書きすることで行われる。よって、常時録画の古い画像データは上書きによって消失することがある。DMSイベント録画により録画された映像は、他の画像データの上書きによって消失しない。このため、DMSイベント録画では、上書き録画は採用されない。第1の記憶領域および第2の記憶領域は、例えば、同一の記憶媒体(例えば、上述したメモリーカード)における記憶領域を論理的に分割することで確保される。この場合、ドライブレコーダ51は、DMSイベント録画により、ヒヤリハット時の画像データを、常時録画の画像データが保存されるフォルダとは別フォルダに保存することによってこの画像データの上書きを防ぐことができる。
【0178】
ただし、第1の記憶領域は第1の記憶媒体に、第2の記憶領域は第2の記憶領域に確保されてもよい。この場合、第1の記憶領域と第2の記憶領域とを物理的に分割していることになる。
【0179】
ユーザのイベントボタン記録を指示する操作に応じて行われるイベント録画(いわゆるマニュアル録画)の画像データは、例えば第2の記憶領域に記憶されるとよい。複数のイベントが発生した場合は、先にイベント状態に入ったものが優先される。本実施形態では、マニュアル録画の最中にDMSイベント録画を行う場合には、ドライブレコーダ51は実行中のマニュアル録画によって、ヒヤリハット時の画像データを記憶する。
【0180】
また、レーダー探知機54は、DMSイベント信号の受信をトリガとして警報を発する。レーダー探知機54は、ドライブレコーダ51によるDMSイベント録画と同時に、警報を発する。警報は、例えば音声による警報で、わき見運転の場合は「ピピ・注意してください」という、居眠り運転の場合は「危険です。危険です。」という、運転者に警告を行うためのメッセージを含むとよい。警報は、例えば画面表示による警報で、わき見運転の場合は
図22(a)の画面表示により、居眠り運転の場合は
図22(b)の画面表示により行われるとよい。
図22(a),(b)の「02/32」の表示は、32ファイルのイベント録画が可能であるのに対し、現状で2ファイルのイベント録画が行われていることを示す。また、警報は、レーダー探知機54に設けられた発光部(例えば、LED)の発光により行われてもよい。この場合、レーダー探知機54は、わき見運転か、または居眠り運転かで発光状態を変化させてもよい。レーダー探知機54は、居眠り運転の場合に、目を閉じた時間および警告した回数の少なくとも一方に応じて、音声および画面表示を変化させるとよい。レーダー探知機54は、運転者が正面を向くと警報を停止させ、目を開いた場合は居眠り運転の警報を停止させる。
【0181】
DMSイベント録画は、レーダー探知機54での警報が一定時間継続した場合にのみ行われてもよい。レーダー探知機54は、警報を開始し、警報を継続したまま一定時間が警告すると、ドライブレコーダ51にDMSイベント録画信号を出力するとよい。この場合、警報が開始して、一定時間の経過後にDMSイベント録画が開始する。これは、居眠りやわき見運転が短時間の場合は、軽度な状態として警報を行い、さらに一定時間以上継続した場合は、重度の状態として、警報とイベント録画を行うという思想に基づくものである。これにより、不要なイベント録画の発生が抑止され、記憶領域の確保の効果も奏する。
【0182】
警報時には、DMSユニット55で検出した、居眠り・わき見情報だけではなく、車の状態と総合的に判断して、警告常態か、通常範囲内なのかを判断するとよい。常時記録は上書き設定にしていても、ヒヤリハット時の記録の優先度を上げるため、上書きをしないように設定することができる。例えば、以下の一つまたは二つ以上を採用することができる。
【0183】
(1)レーダー探知機54は、ジャンクションユニット52を介して車両から車速の情報を取得し、所定の速度以上の場合は警報およびDMSイベント録画を行い、所定の速度未満の場合は警報およびDMSイベント録画を行わないようにするとよい。所定の速度は、例えば、10km/h以下である。車速が低い場合、運転者が駐車場等において駐車スペースを探していたりして周囲を見渡している可能性がある。この場合、わき見運転の警報は適切でないので、不要な警報や録画が抑止される。
【0184】
(2)レーダー探知機54は、例えばジャイロセンサで自車の走行状態を検知し、傾きの変化が大きいことを示す所定の条件を満たす場合は、警報およびDMSイベント録画を行わないようにするとよい。例えば、交差点や駐車場等において運転者が駐車スペースを探していたりして周囲を見渡している可能性がある。この場合、わき見運転の警報は適切でないので、不要な警報や録画が抑止される。
【0185】
(3)DMSユニット55の検出精度を上げるため、急激に明るさが変化した場合には、DMSユニット55のカメラが画像誤検出をする可能性への対策として、レーダー探知機54が備える照度センサにより明るさの変化を判定するとよい。照度の差が大きいと、例えば、カメラで撮影した画像に基づき運転者等の状態を監視するDMSにおける誤動作の原因になる可能性がある。そこで、レーダー探知機54は、照度の差の変化が一定値以上であると判定した場合は、警報およびDMSイベント録画を行わないようにするとよい。このようにすれば、画像誤検出による警報が抑止される。
【0186】
照度が変化しやすい状況は、日中のトンネルで起こりやすい。そこで、情報の補足として、レーダー探知機54は、トンネルの位置を示すデータに基づいて、警報を発しないようにするとよい。このようなデータとして、例えば、マップデータやトンネルPOIがある。レーダー探知機54は、例えば、トンネルの入り口または出口付近では、警報およびDMSイベント録画を行わないようにするとよい。このようにすれば、不要な警報や録画が抑止される。
【0187】
(4)DMSのわき見・居眠り検出は、車線変更時の後方やミラー確認時等の視線の方向を変えることが必要な場合にも実行されてしまう。そこで、レーダー探知機54は、ウインカー線や、OBD2アダプタ等のウインカー情報に基づいて、警報およびDMSイベント録画を行わないようにするとよい。このようにすれば、不要な警報や録画が抑止される。
【0188】
(5)レーダー探知機54は、運転者の顔の認識結果に基づいて、運転者が変わった場合は、ドライブレコーダ51に一定時間録画させるようにするとよい。通常とは違う運転者の場合、不慣れな運転の可能性が高いからである。この場合、レーダー探知機54は、運転者が変わった場合において、運転の開始から所定時間を経過するまで録画を行わせるとよい。この録画は、初めての運転者が認識されたときに行われるとよいが、前回と異なる運転者と認識されたときに行われてもよい。このようにすれば、通常とは違う運転者の場合、不慣れな運転の可能性である場合に、自動でドライブレコーダ51を用いて録画することができる。
【0189】
なお、本実施形態において、設定により、常時録画の上書き録画が禁止されてもよいし、イベント録画への上書き録画が許可されてもよい。車両は、線路またはそれに準じる軌道の上を走行する車両でもよく、このような車両としては、電車やモノレール、リニアモーターカー等がある。
【0190】
[変形例]
上述した各実施形態では、駐車監視機能の作動を抑制することは、駐車位置を記憶したエリア(キャンセルエリア)で駐車録画をしないこととしていたが、撮影を行わないこと、撮影はするが記録しないこと、駐車位置が設定されていない領域に駐車した際に行われる通常の記録よりも質を落として行うことなどでもよい。質を落とした記録は、フレームレートを遅くすること、解像度を落とすこと、常時記録するのではなく所定の条件を満たした場合に記録することなどがある。また、メモリ容量の使用量の削減を図ること、バッテリの消費を抑えることなどがある。
【0191】
また、上述した実施形態並びに変形例では、設定した駐車位置では駐車監視機能の作動を抑制するようにしたが、設定中の駐車位置に駐車された場合に、撮影した映像を記録する駐車監視機能を備え、設定中の駐車位置に駐車された場合でも、所定の条件を満たした場合は映像の記録を抑制する駐車監視機能を備える構成とするとよい。
【0192】
さらにまた、上述した実施形態並びに変形例では、設定した駐車位置のように所定のエリアを記憶し、そのエリア内と外で異なる駐車監視を行うようにしたが、例えば、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをする場合に、係るエリア及びキャンセルエリアを用いる思想は必須ではなく、エリアを登録せず、操作した場合に駐車監視をしたり、及び操作した場合に駐車監視をしなかったりする機能を備えたシステムに適用してもよい。例えば、画面表示、操作、電源制御等において、キャンセルエリアの概念が無い装置にも適用可能である。
【0193】
ドライブレコーダ2が備えるユーザの操作を受け付けるための操作手段は、プッシュ形式のボタン以外の操作子(例えば、スライド形式)、タッチセンサや近接センサなどのセンサ、カメラなどの撮影手段、マイクなどの集音手段等でもよい。操作は、例えば、プッシュ、スライド、タッチ、近接、ジェスチャ、音声操作等がある。
【0194】
「駐車監視機能の作動を抑制する駐車位置」は、一定の範囲を持ったエリアとするとよいが、ピンポイントで特定されるある一点の位置としてもよい。
【0195】
ドライブレコーダ2は表示部を備えないシステムであったが、表示部を備えたシステムであっても、その表示部と別に発光部を設けてもよいし、表示部を発光部として機能させてもよい。例えば、表示部を備えたシステムであっても、その表示部に他に表示する情報がある場合に、例えば表示部の背景や所定領域の発光状態を変えることで、報知できるとよい。例えばシステムがドライブレコーダであって、カメラを備えたケースと一体に表示部を配置したものの場合、ドライブレコーダは小型なものとすると表示部も小さくメッセージやアイコン及びマークなどを表示しても見づらいが、発光色等の発光状態を変えるだけでの表示多様の変化を認識しやすくなる。またドライブレコーダの場合、例えばフロントガラスの上方等、車両の室内空間の上方側に配置されることが多く、設置位置によっては運転席側から見て例えばルームミラーの裏側に配置されることもありうるが、そのような状況でも発光部の発光状態の変化は確認しやすいので良い。このように表示部の有無はいずれでもよいが、表示部を備えないシステムに適用するとより好ましい。LED36等の発光部は、例えば運転席に座った運転者等や、操作をした運転者等のユーザが発光部を視認可能な位置に配置されれば、実施形態以外の位置でもよい。上述した実施形態で説明した操作方法や、発光状態、画面、出力音等の具体的な態様は一例である。上述した実施形態の第一制御部31と第二制御部32との協働の仕方は一例である。第一制御部31及び第二制御部32の機能を単一の制御部(プロセッサ等)が実現してもよい。
【0196】
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例等を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、願書に添付した特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。本願出願人は、そのような箇所・組み合わせについて、補正・分割出願・意匠登録出願への変更出願等により権利を取得する意思を有する。
【0197】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらの構成の発明についても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【符号の説明】
【0198】
1 :システム
2 :ドライブレコーダ
3 :電源装置
4 :ケーブル
11 :本体部
12 :カメラ部
13 :本体ケース
22 :カードスロット
23 :メモリカード
26 :第一カメラ
27 :第二カメラ
31 :第一制御部
32 :第二制御部
33 :音出力部
34 :マイク
35 :位置情報記憶部
36 :LED
37 :第一ボタン部
38 :第二ボタン部
39 :異常検知センサ
40 :GPS受信器
41 :電源部
42 :通信インターフェース
51 :ドライブレコーダ
52 :ジャンクションユニット
53 :GPSアンテナユニット
54 :レーダー探知機
56 :OBDアダプタケーブル
57 :電源装置
58 :接続ケーブル
59 :電源ケーブル
62 :電源IC
63 :通信制御部
64 :電源制御部
65 :表示部
66 :フロントカメラユニット
【手続補正書】
【提出日】2023-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車位置で撮影した映像を記録する駐車監視機能と、
前記駐車監視機能の作動を抑制する駐車位置を設定する機能と、
表示部と、
を有し、
前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置に駐車された場合でも、駐車の際、前記表示部に対する所定の操作を受け付けた場合は前記映像を記録し、
さらに、
前記表示部に、前記所定の操作を受け付けるために操作する第一領域と、前記駐車位置に関する前記設定を行うために操作する第二領域とを同時に表示する機能を有する
システム。
【請求項2】
駐車中の映像を記録する駐車位置を設定する機能と、
設定中の駐車位置に駐車された場合に、撮影した映像を記録する駐車監視機能と、
表示部と、
を有し、
前記駐車監視機能は、設定中の駐車位置に駐車された場合でも、駐車の際、前記表示部に対する所定の操作を受け付けた場合は前記映像の記録を抑制し、
さらに、
前記表示部に、前記所定の操作を受け付けるために操作する第一領域と、前記駐車位置に関する設定の更新を行うために操作する第二領域とを同時に表示する機能を有する
システム。
【請求項3】
前記システムに電力供給する電源が車両のバッテリの場合、前記表示部に前記車両のバッテリ電圧を表示し、別の電源装置の場合、前記バッテリ電圧に代えて前記駐車位置内であることを表示する機能を有する
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のシステムに用いられる機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。