(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099889
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20240719BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240719BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20240719BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B41J29/00 H
G03G21/00 370
G03G21/14
G03G15/00 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003493
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 友樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AS02
2C061CK02
2C061CK08
2H072AB09
2H072AB17
2H072GA00
2H270KA57
2H270LC17
2H270MC01
2H270MC55
2H270MC67
2H270MD01
2H270MD02
2H270MD17
2H270PA34
2H270PA83
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】高価なラミネートフィルムの無駄を抑制しつつ、適切な成果物を得ることが可能な画像形成システムを提供する。
【解決手段】枚葉紙である記録媒体に画像を形成する画像形成部13と、画像形成部13に対して記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、画像形成部13により画像が形成された記録媒体をラミネート加工するラミネート加工部22と、ラミネート加工部22におけるラミネート加工速度及び画像形成部13における画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する制御部11と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉紙である記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に対して前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記画像形成部により画像が形成された記録媒体をラミネート加工するラミネート加工部と、
前記ラミネート加工部におけるラミネート加工速度及び前記画像形成部における画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ラミネート加工部によるラミネート加工が実施される場合、前記ラミネート加工部に連続的に搬送される記録媒体の間隔が、前記ラミネート加工部によるラミネート加工が実施されない場合における前記間隔よりも小さくなるように、前記ラミネート加工速度及び前記画像形成速度のうち少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記ラミネート加工速度及び前記画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する際、ラミネート加工可能速度及び画像形成可能速度の選択肢の中から選択することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御部は、「記録媒体搬送時間+ラミネート加工時間」が「記録媒体間時間+画像形成時間+記録媒体搬送時間」に近づくように、前記画像形成速度を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記制御部は、「記録媒体搬送時間+ラミネート加工時間」が「記録媒体間時間+画像形成時間+記録媒体搬送時間」に近づくように、前記ラミネート加工速度を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成部は、電子写真方式により前記記録媒体に画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記ラミネート加工部は、ロール状に巻かれた状態で装着されたラミネートフィルムを用いて、前記記録媒体をラミネート加工することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記ラミネート加工部は、
ラミネートフィルムの接着層を融解する加熱手段と、
前記加熱手段により前記接着層が融解されたラミネートフィルムを前記記録媒体に圧接する加圧手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記ラミネート加工部は、常温で接着可能な接着層を有するラミネートフィルムを前記記録媒体に圧接する加圧手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記ラミネート加工部は、
複数のラミネートフィルムを装着可能に構成され、
前記複数のラミネートフィルムのうち、1つのラミネートフィルムを前記画像が形成された記録媒体の表面に搬送して接着するとともに、他の1つのラミネートフィルムを前記画像が形成された記録媒体の裏面に搬送して接着することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記ラミネート加工部は、
接着層を有するラミネートフィルムと、接着層を有さないアンダーフィルムと、を装着可能に構成され、
前記ラミネートフィルムを前記画像が形成された記録媒体の画像面に搬送して接着するとともに、前記アンダーフィルムを前記画像が形成された記録媒体の非画像面に搬送することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記画像形成部と前記ラミネート加工部との間には、少なくともラミネート加工可能な最短の記録媒体長よりも長い搬送経路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記制御部は、前記画像形成速度、記録媒体間時間、前記ラミネート加工速度、記録媒体搬送速度及び記録媒体長さに基づいて、前記ラミネート加工速度及び前記画像形成速度のうち少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記画像形成部及び前記ラミネート加工部と独立して通信可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上流側に配置された画像形成部により画像が形成された用紙(印刷物)に対して透明合成樹脂フィルム(ラミネートフィルム)を被覆するラミネート加工を行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
枚葉紙である用紙に対して画像を形成しラミネート加工する装置では、画像形成時に用紙間が空いてしまうため、ラミネートフィルムの接着面が搬送部において露出するという課題がある。この課題に対し、ラミネートフィルムの接着面側に別のフィルム(アンダーフィルム)を貼り合わせることで、接着層が露出しないようにした装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成に要する時間とラミネート加工に要する時間とに差がある場合、画像形成からラミネート加工まで一連の工程で実行する際に、ジョブの内容によって連続する用紙間の距離が異なる。用紙間の距離が大きくなりすぎると、用紙間分のラミネートフィルム及びアンダーフィルムに無駄が発生してしまう。一方、用紙間の距離が小さくなりすぎると、適切な成果物を得られないという課題がある。
【0006】
本発明は、高価なラミネートフィルムの無駄を抑制しつつ、適切な成果物を得ることが可能な画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
画像形成システムにおいて、
枚葉紙である記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に対して前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記画像形成部により画像が形成された記録媒体をラミネート加工するラミネート加工部と、
前記ラミネート加工部におけるラミネート加工速度及び前記画像形成部における画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、
前記ラミネート加工部によるラミネート加工が実施される場合、前記ラミネート加工部に連続的に搬送される記録媒体の間隔が、前記ラミネート加工部によるラミネート加工が実施されない場合における前記間隔よりも小さくなるように、前記ラミネート加工速度及び前記画像形成速度のうち少なくとも一方を調整することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、前記ラミネート加工速度及び前記画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する際、ラミネート加工可能速度及び画像形成可能速度の選択肢の中から選択することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、「記録媒体搬送時間+ラミネート加工時間」が「記録媒体間時間+画像形成時間+記録媒体搬送時間」に近づくように、前記画像形成速度を調整することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、「記録媒体搬送時間+ラミネート加工時間」が「記録媒体間時間+画像形成時間+記録媒体搬送時間」に近づくように、前記ラミネート加工速度を調整することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記画像形成部は、電子写真方式により前記記録媒体に画像を形成することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記ラミネート加工部は、ロール状に巻かれた状態で装着されたラミネートフィルムを用いて、前記記録媒体をラミネート加工することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記ラミネート加工部は、
ラミネートフィルムの接着層を融解する加熱手段と、
前記加熱手段により前記接着層が融解されたラミネートフィルムを前記記録媒体に圧接する加圧手段と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記ラミネート加工部は、常温で接着可能な接着層を有するラミネートフィルムを前記記録媒体に圧接する加圧手段を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記ラミネート加工部は、
複数のラミネートフィルムを装着可能に構成され、
前記複数のラミネートフィルムのうち、1つのラミネートフィルムを前記画像が形成された記録媒体の表面に搬送して接着するとともに、他の1つのラミネートフィルムを前記画像が形成された記録媒体の裏面に搬送して接着することを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記ラミネート加工部は、
接着層を有するラミネートフィルムと、接着層を有さないアンダーフィルムと、を装着可能に構成され、
前記ラミネートフィルムを前記画像が形成された記録媒体の画像面に搬送して接着するとともに、前記アンダーフィルムを前記画像が形成された記録媒体の非画像面に搬送することを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記画像形成部と前記ラミネート加工部との間には、少なくともラミネート加工可能な最短の記録媒体長よりも長い搬送経路が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、前記画像形成速度、記録媒体間時間、前記ラミネート加工速度、記録媒体搬送速度及び記録媒体長さに基づいて、前記ラミネート加工速度及び前記画像形成速度のうち少なくとも一方を調整することを特徴とする。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、前記画像形成部及び前記ラミネート加工部と独立して通信可能に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、高価なフィルムの無駄を抑制しつつ、適切な成果物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】画像形成速度を速くしてラミネート加工間時間を短縮する制御の一例を示す図である。
【
図4】ラミネート加工速度を遅くしてラミネート加工間時間を短縮する制御の一例を示す図である。
【
図5】画像形成速度を遅くしてラミネート加工重複時間を削減する制御の一例を示す図である。
【
図6】ラミネート加工速度を速くしてラミネート加工重複時間を削減する制御の一例を示す図である。
【
図7】画像形成速度を遅くしてラミネート加工間時間を延長する制御の一例を示す図である。
【
図8】ラミネート加工速度を速くしてラミネート加工間時間を延長する制御の一例を示す図である。
【
図9】変形例に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
本実施形態に係る画像形成システム1は、
図1に示すように、印刷データに基づいて枚葉紙である用紙(記録媒体)に画像を形成する画像形成装置10と、画像形成装置10(画像形成部13)に対して用紙の搬送方向の下流側に配置され、画像形成部13により画像が形成された用紙の画像面をラミネート加工するラミネート装置20と、を備えて構成されている。
【0025】
画像形成装置10は、
図1及び
図2に示すように、制御部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、記憶部14と、操作パネル15(表示部151、操作部152)と、搬送部16と、給紙部17と、通信部18と、を備えて構成されている。
【0026】
制御部11は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。CPUは、操作部152から入力される操作信号、通信部18により受信される指示信号に応じて、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、画像形成装置10の動作を統括的に制御する。
【0027】
画像読取部12は、原稿台又は自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)に載置された原稿の画像を走査露光装置の光学系により走査露光し、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取り、これにより、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、画像データとして制御部11に入力される。
【0028】
画像形成部13は、印刷データ(画像読取部12により読み取られた画像データ又は外部装置から受信した画像データ)に基づいて、電子写真方式により、枚葉紙である用紙(記録媒体)に画像を形成する。つまり、画像形成部13は、用紙上にトナー画像を形成する。画像形成部13は、画像データの各画素の4色の画素値に応じて、C、M、Y及びKの4色からなる画像を用紙上に形成する。
画像形成部13は、
図1に示すように、4つの書込部131、中間転写ベルト132、2次転写ローラー133、定着部134等を備えて構成されている。
【0029】
4つの書込部131は、中間転写ベルト132のベルト面に沿って直列(タンデム)に配置され、C、M、Y及びKの各色の画像を形成する。各書込部131は、形成する画像の色が異なるだけで構成は同じであり、光走査部131a、感光体131b、現像部131c、帯電部131d、クリーニング部131e及び1次転写ローラー131fを備えて構成されている。
【0030】
画像形成時、各書込部131では、帯電部131dにより感光体131bを帯電させた後、画像データに基づいて光走査部131aにより出射した光束で感光体131b上を走査し、静電潜像を形成する。現像部131cによりトナーを供給して現像すると、感光体131b上に画像(単色のトナー画像)が形成される。
4つの書込部131の感光体131b上にそれぞれ形成した画像を、それぞれの1次転写ローラー131fにより、中間転写ベルト132上に順次重ねて転写(1次転写)する。これにより、中間転写ベルト132上には各色からなる画像(カラートナー画像)が形成される。中間転写ベルト132は、複数のローラーに巻き回されて回動する像担持体である。1次転写後、クリーニング部131eにより感光体131b上に残留するトナーを除去する。
【0031】
画像形成部13では、回動する中間転写ベルト132上の画像が2次転写ローラー133の位置に至るタイミングに合わせて、給紙トレイT1から用紙を給紙する。2次転写ローラー133は、対をなす一方のローラーが中間転写ベルト132に圧接し、他方が中間転写ベルト132を巻き回す複数のローラーのうちの一つを構成している。2次転写ローラー133の圧接により、中間転写ベルト132から用紙上に画像(カラートナー画像)を転写(2次転写)すると、定着部134に用紙を搬送して定着処理を施す。定着処理は、定着ローラー134aにより用紙を加熱及び加圧して画像を用紙に定着させる処理である。用紙の両面に画像を形成する場合、反転経路135に用紙を搬送して用紙面を反転させた後、2次転写ローラー133の位置へ再度用紙を給紙する。
【0032】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成される不揮発性の記憶手段であり、各種プログラムや各種設定データ等を制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0033】
操作パネル15は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部151と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部152と、を備えて構成されている。
表示部151は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、制御部11から入力される表示制御信号に従って、操作画面等(各種設定画面、各種ボタン、各機能の動作状況等)を表示する。
操作部152は、表示部151の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部151の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備えて構成されている。操作部152は、画面上に表示されたボタンが手指やタッチペン等で押下された場合、押下された位置の座標を電圧値で検出し、検出された位置に対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。なお、タッチパネルは感圧式に限らず、例えば静電式や光式等であってもよい。また、操作部152は、ハードキーが押下された場合、押下されたキーに対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。
【0034】
搬送部16は、複数のローラー対により構成され、給紙部17から供給された用紙を画像形成部13に搬送し、画像形成部13により画像形成が行われた用紙をラミネート装置20に搬送する。
【0035】
給紙部17は、給紙トレイT1を備え、給紙トレイT1から画像形成部13に用紙を供給する。各給紙トレイT1には、給紙トレイT1ごとに、予め定められた紙種やサイズの用紙が収納されている。
【0036】
通信部18は、画像形成装置10を通信ネットワークに接続するインターフェースである。通信部18は、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクター等を有し、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークに接続されている外部装置と各種情報の送受信を行う。また、通信部18は、USB(Universal Serial Bus)を介して各種情報の入出力を行うことも可能である。
【0037】
ラミネート装置20は、
図1及び
図2に示すように、制御部21と、ラミネート加工部22と、切断部23と、記憶部24と、搬送部25と、を備えて構成されている。
【0038】
制御部21は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、ラミネート装置20の動作を統括的に制御する。
【0039】
ラミネート加工部22は、搬送される用紙の画像形成装置10により画像が形成された面(画像面)側に、接着層を有するフィルム(ラミネートフィルムF1)を重ねてラミネート処理を行う。すなわち、ラミネート加工部22は、画像が形成された用紙の画像面をラミネート加工する。
なお、本実施形態において、画像形成部13とラミネート加工部22との間には、少なくともラミネート加工可能な最短の記録媒体長(ラミネート加工可能な記録媒体のうち最短の記録媒体の長さ)よりも長い搬送経路が設けられている。
【0040】
ラミネート加工部22は、第1のフィルムロール221と、第2のフィルムロール222と、ラミネート定着部223と、を備えて構成されている。
【0041】
第1のフィルムロール221は、透明合成樹脂フィルム層と接着層からなるラミネートフィルムF1がロール状になったものである。ラミネートフィルムF1は、その片面(用紙と接触する側)に、熱溶融する接着剤が塗布され、接着層が形成されている。
ラミネートフィルムF1は、第1のフィルムロール221からラミネート定着部223のニップ部に搬送され、用紙の画像面に接着される。すなわち、ラミネート加工部22は、ロール状に巻かれた状態で装着されたラミネートフィルムF1を用いて、用紙をラミネート加工する。
【0042】
第2のフィルムロール222は、透明合成樹脂フィルム層からなるアンダーフィルムF2がロール状になったものである。すなわち、アンダーフィルムF2には、接着層が形成されていない。
アンダーフィルムF2は、第2のフィルムロール222からラミネート定着部223のニップ部(用紙の非画像面)に搬送される。
【0043】
ラミネート定着部223は、ローラー対を備え、当該ローラー対が形成するニップ部において用紙とラミネートフィルムF1を挟持し熱又は圧力の少なくとも一方を加えることで、ラミネートフィルムF1の接着層を用紙の表面に接着する。これにより、用紙とラミネートフィルムF1とが貼り合わされる。なお、用紙間においては、ローラー対が形成するニップ部においてラミネートフィルムF1とアンダーフィルムF2を挟持することで、ラミネートフィルムF1の接着層にアンダーフィルムF2を接着する。これにより、ラミネートフィルムF1とアンダーフィルムF2とが貼り合わされ、ラミネート定着部223以降の経路において、ラミネートフィルムF1に塗布されている接着剤が経路に接触することを防ぐことができる。
【0044】
本実施形態において、ラミネート定着部223は、加熱ローラー223aと、加圧ローラー223bと、を備え、加熱ローラー223a及び加圧ローラー223bが形成するニップ部において挟持された用紙とラミネートフィルムF1に加熱・加圧を施すことで、ラミネートフィルムF1を用紙に定着させる。
加熱ローラー(加熱手段)223aは、ハロゲンヒーター等を内蔵し、ラミネートフィルムF1と用紙を重ねた状態で加熱することで、ラミネートフィルムF1の接着層を融解する。
加圧ローラー(加圧手段)223bは、ばね等の付勢部材(図示せず)によって上方に付勢されることで加熱ローラー223aに押し当てられ、加熱ローラー223aと加圧ローラー223bとが面接触するニップ部を形成する。加圧ローラー223bは、加熱ローラー223aにより接着層が融解されたラミネートフィルムF1を用紙に圧接する。
加熱ローラー223a及び加圧ローラー223bは、ラミネートフィルムF1の接着層を融解させ、融解した接着層を用紙の表面に接着して、熱圧着する。
【0045】
上記のように、ラミネート加工部22は、接着層を有するラミネートフィルムF1と、接着層を有さないアンダーフィルムF2と、を装着可能に構成され、ラミネートフィルムF1を画像が形成された用紙の画像面に搬送して接着するとともに、アンダーフィルムF2を画像が形成された用紙の非画像面に搬送する。
【0046】
切断部23は、用紙搬送経路においてラミネート加工部22の下流に設けられており、搬送される用紙間のラミネートフィルムF1(アンダーフィルムF2が接着されたラミネートフィルムF1)を切断する。
【0047】
記憶部24は、HDD、SSD等により構成される不揮発性の記憶手段であり、各種プログラムや各種設定データ等を制御部21から読み書き可能に記憶する。
【0048】
搬送部25は、複数のローラー対により構成され、ラミネート装置20内において、画像形成装置10から搬送された用紙を搬送する。用紙にラミネート処理が施される場合には、搬送部25は、用紙を、第1搬送経路251(
図1参照)を経由して、ラミネート加工部22、切断部23に順に搬送し、ラミネート処理が施された用紙を排紙トレイT2に排出する。用紙にラミネート処理が施されない場合には、搬送部25は、ラミネート加工部22、切断部23を通過しない第2搬送経路252(
図1参照)で、用紙を搬送する。
【0049】
次に、本実施形態に係る画像形成システム1の制御について、
図3及び
図4を参照して説明する。なお、本実施形態では、画像形成装置10の制御部11が、ラミネート加工部22におけるラミネート加工速度及び画像形成部13における画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する処理を実行するケースを説明するが、これに限定されるものではない。例えば、ラミネート装置20の制御部21が上記の処理を実行するようにしてもよいし、画像形成装置10の制御部11とラミネート装置20の制御部21とが協働して処理を実行するようにしてもよい。また、各装置とは別個に設けられ、各装置と独立して通信可能に接続された制御部(図示略)に処理を実行させるようにしてもよい。
【0050】
本実施形態において、画像形成装置10の制御部11は、ラミネート加工部22におけるラミネート加工速度及び画像形成部13における画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する。
【0051】
例えば、制御部11は、ラミネート加工部22によるラミネート加工が実施される場合、ラミネート加工部22に連続的に搬送される用紙の間隔が、ラミネート加工部22によるラミネート加工が実施されない場合における間隔よりも小さくなるように、ラミネート加工速度及び画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する。
すなわち、制御部11は、ラミネート加工部22によるラミネート加工が実施される場合、ラミネート加工部22に連続的に搬送される用紙の間隔が、ラミネート加工部による22ラミネート加工が実施されない場合にラミネート加工部22等を通過しない迂回路である第2搬送経路252に搬送される用紙の間隔よりも小さくなるように、ラミネート加工速度及び画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する。
【0052】
また、制御部11は、ラミネート加工速度及び画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する際、ラミネート加工可能速度及び画像形成可能速度の選択肢の中から選択する。ここで、ラミネート加工可能速度とは、選択可能なラミネート加工速度として予め設定されている速度のことであり、画像形成可能速度とは、選択可能な画像形成速度として予め設定されている速度のことである。
【0053】
本実施形態において、制御部11は、画像形成速度、用紙間時間(記録媒体間時間)、ラミネート加工速度、用紙搬送速度(記録媒体搬送速度)及び用紙長さ(記録媒体長さ)に基づいて、ラミネート加工速度及び画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する。
【0054】
具体的には、まず、制御部11は、画像形成装置10及びラミネート装置20から、画像形成速度(Vi)、用紙間時間(Tp)、ラミネート加工速度(Vl)、用紙搬送速度(Vr)、用紙長さ(Lp)を取得する。なお、取得される各情報は、条件(紙種や装置環境等)によって値が変わらない固定値であってもよい。
【0055】
次に、制御部11は、取得した情報に基づいて、画像形成時間(Ti)、ラミネート加工時間(Tl)、用紙搬送時間(Tr)を算出する。具体的には、以下の式(1)~(3)に基づいて、画像形成時間(Ti)、ラミネート加工時間(Tl)、用紙搬送時間(Tr)を算出する。
画像形成時間(Ti)=用紙長さ(Lp)÷画像形成速度(Vi)…(1)
ラミネート加工時間(Tl)=用紙長さ(Lp)÷ラミネート加工速度(Vl)…(2)
用紙搬送時間(Tr)=[「画像形成部13~ラミネート加工部22間距離(Lr)」-用紙長さ(Lp)]÷用紙搬送速度(Vr)…(3)
【0056】
そして、制御部11は、取得した用紙間時間(Tp)と、算出した画像形成時間(Ti)、ラミネート加工時間(Tl)及び用紙搬送時間(Tr)と、に基づいて、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」に近づくように、画像形成速度(Vi)又はラミネート加工速度(Vl)を調整する。
【0057】
図3に、画像形成速度を速くしてラミネート加工間時間(Ta)を短縮する制御の一例を示す。なお、
図3(A)は画像形成速度の調整前の状態を示す図であり、
図3(B)は画像形成速度の調整後の状態を示す図である。
例えば、画像形成速度を速くすることが可能な構成の場合は、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」に近づくように、画像形成速度(Vi)を基準となる速度(ラミネート加工が実施されない場合の画像形成速度)よりも速くする調整を行う(
図3(B)参照)。
これにより、画像形成時間(Ti)を短縮することができるので、1枚目の用紙のラミネート加工終了後、2枚目の用紙のラミネート加工開始までの時間(ラミネート加工間時間(Ta))を短縮する(
図3(B)に示す例ではTa=0)ことが可能となり、用紙の間隔を狭めることができる。
【0058】
図4に、ラミネート加工速度を遅くしてラミネート加工間時間(Ta)を短縮する制御の一例を示す。なお、
図4(A)はラミネート加工速度の調整前の状態を示す図であり、
図4(B)は画像形成速度の調整後の状態を示す図である。
例えば、ラミネート加工速度を遅くすることが可能な構成の場合は、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」に近づくように、ラミネート加工速度(Vl)を基準となる速度(ラミネート加工が実施されない場合の画像形成速度)よりも遅くする調整を行う(
図4(B)参照)。なお、速度を速くする又は遅くする際の基準(比較対象)となる画像形成速度とラミネート加工速度とは、基本的に同一の速度である。基準となる画像形成速度は、ラミネート加工が実施されない場合の画像形成速度である。一方、基準となるラミネート加工速度は、本来であればラミネート加工が実施されない場合のラミネート加工速度であるが、ラミネート加工が実施されない場合のラミネート加工速度は存在し得ないため、ラミネート加工速度と同一の速度である画像形成速度で代用するようにしている。
これにより、ラミネート加工時間(Tl)を延長することができるので、1枚目の用紙のラミネート加工終了後、2枚目の用紙のラミネート加工開始までの時間(ラミネート加工間時間(Ta))を短縮する(
図4(B)に示す例ではTa=0)ことが可能となり、用紙の間隔を狭めることができる。
【0059】
なお、ラミネート加工速度(Vl)を遅くする調整の一態様として、一度ラミネート加工時の用紙搬送を停止することでラミネート加工時間を延長した後、用紙搬送を再開する調整を含むようにしてもよい。
【0060】
また、画像形成速度及びラミネート加工速度の両方を調整可能な場合は、両方の速度調整を組み合わせるようにしてもよい。
【0061】
以上のように、本実施形態に係る画像形成システム1は、枚葉紙である記録媒体に画像を形成する画像形成部13と、画像形成部13に対して記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、画像形成部13により画像が形成された記録媒体をラミネート加工するラミネート加工部22と、ラミネート加工部22におけるラミネート加工速度及び画像形成部13における画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する制御部11と、を備える。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、枚葉紙である用紙を連続して搬送する際の用紙間の距離を適切に調整することができるので、高価なラミネートフィルムの無駄を抑制しつつ、適切な成果物を得ることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、制御部11は、ラミネート加工部22によるラミネート加工が実施される場合、ラミネート加工部22に連続的に搬送される記録媒体の間隔が、ラミネート加工部22によるラミネート加工が実施されない場合における間隔よりも小さくなるように、ラミネート加工速度及び画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、ラミネート加工が実施される場合に用紙間の距離を狭めることができるので、高価なラミネートフィルムの無駄を抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、制御部11は、ラミネート加工速度及び画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する際、ラミネート加工可能速度及び画像形成可能速度の選択肢の中から選択する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、予め選択可能に設定された速度の中から調整する速度を決定することができるので、速度調整処理に掛かる負荷を軽減することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、制御部11は、「記録媒体搬送時間+ラミネート加工時間」が「記録媒体間時間+画像形成時間+記録媒体搬送時間」に近づくように、画像形成速度を調整する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、ラミネート加工が実施される場合に用紙間の距離を狭めることができるので、高価なラミネートフィルムの無駄を抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、制御部11は、「記録媒体搬送時間+ラミネート加工時間」が「記録媒体間時間+画像形成時間+記録媒体搬送時間」に近づくように、ラミネート加工速度を調整する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、ラミネート加工が実施される場合に用紙間の距離を狭めることができるので、高価なラミネートフィルムの無駄を抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、ラミネート加工部22は、ロール状に巻かれた状態で装着されたラミネートフィルムを用いて、記録媒体をラミネート加工する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、連続的に繋がっているラミネートフィルムを用いてラミネート加工された用紙間の距離を適切に調整することができるので、高価なラミネートフィルムの無駄を抑制しつつ、適切な成果物を得ることができる。
【0067】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、ラミネート加工部22は、接着層を有するラミネートフィルムと、接着層を有さないアンダーフィルムと、を装着可能に構成され、ラミネートフィルムを画像が形成された記録媒体の画像面に搬送して接着するとともに、アンダーフィルムを画像が形成された記録媒体の非画像面に搬送する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、用紙間においてラミネートフィルムF1の接着層にアンダーフィルムF2を接着することができるので、ラミネート定着部223以降の経路において、ラミネートフィルムに塗布されている接着剤が経路に接触することを防ぐことができる。
【0068】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、画像形成部13とラミネート加工部22との間には、少なくともラミネート加工可能な最短の記録媒体長よりも長い搬送経路が設けられている。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、画像形成部13による画像形成中に用紙の先端がラミネート加工部22に侵入することを防ぐことができるので、ラミネート加工速度又は画像形成速度を調整する際に他の構成(ラミネート加工速度調整時の画像形成部13、画像形成速度調整時のラミネート加工部22)の影響を排除することが可能となり、速度調整を適切に実施することができる。
【0069】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、制御部11は、画像形成速度、記録媒体間時間、ラミネート加工速度、記録媒体搬送速度及び記録媒体長さに基づいて、ラミネート加工速度及び画像形成速度のうち少なくとも一方を調整する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、画像形成装置10及びラミネート装置20から取得した情報に基づいてラミネート加工速度や画像形成速度を調整することができるので、装置の設定に応じて速度調整を適切に実施することができる。
【0070】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0071】
例えば、上記実施形態では、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」に近づくように、画像形成速度(Vi)又はラミネート加工速度(Vl)を調整する構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、連続的に搬送される用紙の間隔が近すぎる場合、ラミネート加工時間によっては、ラミネート加工時に1枚目の用紙と2枚目の用紙が重なってしまい、適切な成果物が得られない等の不都合が生じることがある。そこで、連続的に搬送される用紙の間隔が近すぎてラミネート加工時に1枚目の用紙と2枚目の用紙が重複する場合に、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」に近づくように、画像形成速度(Vi)又はラミネート加工速度(Vl)を調整するようにしてもよい。
【0072】
図5に、画像形成速度を遅くしてラミネート加工重複時間(Td)を削減する制御の一例を示す。なお、
図5(A)は画像形成速度の調整前の状態を示す図であり、
図5(B)は画像形成速度の調整後の状態を示す図である。
例えば、画像形成速度を遅くすることが可能な構成の場合は、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」に近づくように、画像形成速度(Vi)を基準となる速度(ラミネート加工が実施されない場合の画像形成速度)よりも遅くする調整を行う(
図5(B)参照)。
これにより、画像形成時間(Ti)を延長することができるので、ラミネート加工時に1枚目の用紙と2枚目の用紙が重複する時間(ラミネート加工重複時間(Td))を削減することが可能となり、ラミネート加工時における用紙の重複を抑制することができる。
【0073】
図6に、ラミネート加工速度を速くしてラミネート加工重複時間(Td)を削減する制御の一例を示す。なお、
図6(A)はラミネート加工速度の調整前の状態を示す図であり、
図6(B)は画像形成速度の調整後の状態を示す図である。
例えば、ラミネート加工速度を速くすることが可能な構成の場合は、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」に近づくように、ラミネート加工速度(Vl)を基準となる速度(ラミネート加工が実施されない場合の画像形成速度)よりも速くする調整を行う(
図6(B)参照)。
これにより、ラミネート加工時間(Tl)を短縮することができるので、ラミネート加工時に1枚目の用紙と2枚目の用紙が重複する時間(ラミネート加工重複時間(Td))を削減することが可能となり、ラミネート加工時における用紙の重複を抑制することができる。
【0074】
なお、連続的に搬送される用紙の間隔が近すぎる場合に、ラミネート加工時に1枚目の用紙と2枚目の用紙が重複しない場合であっても、用紙の間隔を広げる(ラミネート加工間時間(Ta)を延長する)ことを目的として、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」から遠ざかるように、画像形成速度(Vi)又はラミネート加工速度(Vl)を調整する制御を行うことも可能である。
【0075】
図7に、画像形成速度を遅くしてラミネート加工間時間(Ta)を延長する制御の一例を示す。なお、
図7(A)は画像形成速度の調整前の状態を示す図であり、
図7(B)は画像形成速度の調整後の状態を示す図である。
例えば、画像形成速度を遅くすることが可能な構成の場合は、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」から遠ざかるように、画像形成速度(Vi)を基準となる速度(ラミネート加工が実施されない場合の画像形成速度)よりも遅くする調整を行う(
図7(B)参照)。
これにより、画像形成時間(Ti)を延長することができるので、1枚目の用紙のラミネート加工終了後、2枚目の用紙のラミネート加工開始までの時間(ラミネート加工間時間(Ta))を延長することが可能となり、用紙の間隔を広げることができる。
【0076】
図8に、ラミネート加工速度を速くしてラミネート加工間時間(Ta)を延長する制御の一例を示す。なお、
図8(A)はラミネート加工速度の調整前の状態を示す図であり、
図8(B)は画像形成速度の調整後の状態を示す図である。
例えば、ラミネート加工速度を速くすることが可能な構成の場合は、「用紙搬送時間(Tr)+ラミネート加工時間(Tl)」が「用紙間時間(Tp)+画像形成時間(Ti)+用紙搬送時間(Tr)」から遠ざかるように、ラミネート加工速度(Vl)を基準となる速度(ラミネート加工が実施されない場合の画像形成速度)よりも速くする調整を行う(
図8(B)参照)。
これにより、ラミネート加工時間(Tl)を短縮することができるので、1枚目の用紙のラミネート加工終了後、2枚目の用紙のラミネート加工開始までの時間(ラミネート加工間時間(Ta))を延長することが可能となり、用紙の間隔を広げることができる。
【0077】
また、上記実施形態では、ラミネート定着部223において、加熱ローラー223aにより接着層が融解されたラミネートフィルムF1を用紙に圧接することで、融解した接着層を用紙の表面に接着するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、ラミネートフィルムF1に常温で接着可能な接着層を形成させるようにし、ラミネート定着部223において、常温で接着可能な接着層が形成されたラミネートフィルムF1を用紙に圧接することで、接着層を用紙の表面に接着するようにしてもよい。この場合、加圧ローラー223bは、常温で接着可能な接着層が形成されたラミネートフィルムF1を用紙に圧接する。
【0078】
また、上記実施形態では、第2のフィルムロール222が、接着層が形成されていないアンダーフィルムF2からなる構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、
図9に示すように、第2のフィルムロール222Aが、アンダーフィルムF2の代わりに、第1のフィルムロール221と同様、ラミネートフィルムF1からなる構成としてもよい。
この場合、ラミネート加工部22Aが、複数のラミネートフィルムF1を装着可能に構成され、複数のラミネートフィルムF1のうち、1つのラミネートフィルムF1(第1のフィルムロール221を構成するラミネートフィルムF1)を画像が形成された記録媒体の表面に搬送して接着するとともに、他の1つのラミネートフィルムF1(第2のフィルムロール222Aを構成するラミネートフィルムF1)を画像が形成された記録媒体の裏面に搬送して接着する。
上記のように、ラミネート加工部22Aが、複数のラミネートフィルムを装着可能に構成され、複数のラミネートフィルムのうち、1つのラミネートフィルムを画像が形成された記録媒体の表面に搬送して接着するとともに、他の1つのラミネートフィルムを画像が形成された記録媒体の裏面に搬送して接着することで、用紙の両面を同時にラミネート加工しつつ、用紙間においてラミネートフィルム同士を貼り合わせることができるので、ラミネート加工の生産性を確保しつつ、ラミネート定着部223以降の経路において、ラミネートフィルムに塗布されている接着剤が経路に接触することを防ぐことができる。
【0079】
また、上記実施形態では、本発明を実施するための構成として、画像形成部13を備える画像形成装置10と、ラミネート加工部22を備えるラミネート装置20と、が別体として構成された画像形成システム1を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成部13と、ラミネート加工部22と、が一体の装置(画像形成装置)として構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、画像形成装置10とラミネート装置20とが直接接続されている構成を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置10とラミネート装置20との間に第3の装置(例えば、画像読取装置等)を配置して、画像形成装置10とラミネート装置20とを、第3の装置を介して間接的に接続するようにしてもよい。なお、第3の装置は、1つの装置であっても複数の装置であってもかまわない。
【0080】
その他、画像形成システムを構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 画像形成システム
10 画像形成装置
11 制御部
12 画像読取部
13 画像形成部
131 書込部
131a 光走査部
131b 感光体
131c 現像部
131d 帯電部
131e クリーニング部
131f 1次転写ローラー
132 中間転写ベルト
133 2次転写ローラー
134 定着部
14 記憶部
15 操作パネル
151 表示部
152 操作部
16 搬送部
17 給紙部
18 通信部
20 ラミネート装置
21 制御部
22、22A ラミネート加工部
221 第1のフィルムロール
222、222A 第2のフィルムロール
223 ラミネート定着部
223a 加熱ローラー(加熱手段)
223b 加圧ローラー(加圧手段)
23 切断部
24 記憶部
25 搬送部
251 第1搬送経路
252 第2搬送経路