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  • 特開-列盤吊り金具 図1
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  • 特開-列盤吊り金具 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099898
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】列盤吊り金具
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20240719BHJP
   H02B 1/30 20060101ALI20240719BHJP
   H02B 1/52 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H05K5/02 Z
H02B1/30 G
H02B1/52 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003505
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100210240
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 友幸
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆之
【テーマコード(参考)】
4E360
5G016
【Fターム(参考)】
4E360AB08
4E360AB18
4E360EA28
4E360ED02
4E360ED18
4E360GA41
4E360GB94
4E360GC02
5G016AA07
5G016EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】列盤を吊り上げる際の傾きを抑制し、作業性の安全性を図る列盤吊り金具を提供する。
【解決手段】吊り金具10は、列盤1の筐体2,3の屋根部8a~8cに固定される一対の金具本体11と、金具本体11間を連結して補強する連結金具12とを備える。この各金具本体11は、それぞれの対称位置に吊り上げ用の孔部14群が形成されている。この各孔部14群のうち任意に選択された孔部14にホイストの係止金具25を係止させて列盤1を吊り上げて所望の位置に移動させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器を収納した筐体を、
列状に連結した列盤を吊り上げる際に用いられる吊り金具であって、
前記各筐体の上部にそれぞれ固定される複数の金具本体を備え、
前記各金具本体は、それぞれの対称位置に前記吊り上げ用の孔部群を備え、
任意に選択された前記孔部に吊り上げ装置の係止部を係止させて前記列盤を吊り上げ可能なことを特徴とする列盤吊り金具。
【請求項2】
前記各金具本体は、前記列盤上の長手方向に沿って並行に配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の列盤吊り金具。
【請求項3】
前記金具本体間を連結して補強する連結部を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の列盤吊り金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器を収容した筐体を列状に連結した列盤の吊り上げ用の吊り金具に関する。
【背景技術】
【0002】
列盤は重量物なため、その移動にはクレーンやホイストなどが用いられ、各筐体に吊り金具が設けられている。この吊り金具の一例として、特許文献1が公知となっている。
【0003】
特許文献1の吊り金具は、配電盤の筐体の外面に結合されている。この吊り金具は、孔部の形成された3枚の平板を備え、各平板が略直角となって四角形状の筐体の隅部を形成するように一体形成されている。
【0004】
この各平板の孔部のいずれかは、吊り金具と筐体とを結合するためのボルト挿通に用いられる。一方、他の2つの孔部は筐体の吊り上げや、隣接する筐体同士の接合、床面への筐体の結合に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07-322425
【特許文献2】特開2002-345112
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
配電盤などの列盤構成については、各筐体の構造によって全体の重心位置が変わる場合がある。そのため、特許文献1など従来の吊り金具では、列盤をクレーンやホイストなどで吊り上げた際に全体が傾き、作業の安全性を損なうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、列盤を吊り上げる際の傾きを抑制し、作業性の安全性を図ることを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、電気機器を収納した筐体を列状に連結した列盤を吊り上げる際に用いられる吊り金具であって、
前記各筐体の上部にそれぞれ固定される複数の金具本体を備え、
前記各金具本体は、それぞれの対称位置に前記吊り上げ用の孔部群を備え、
任意に選択された前記孔部に吊り上げ装置の係止部を係止させて前記列盤を吊り上げ可能なことを特徴としている。
【0009】
(2)本発明の一態様は、前記各金具本体を前記列盤上の長手方向に沿って並行に配置したことを特徴としている。
【0010】
(3)本発明の他の態様は、前記金具本体間を連結して補強する連結部を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、列盤を吊り上げる際の傾きを抑制し、作業性の安全性を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る吊り金具を用いて吊り上げられる列盤の斜視図。
図2】同吊り金具を図1の列盤上に固定した状態を示す斜視図。
図3】同吊り金具の孔部を選択する状態を示す正面図の部分拡大図。
図4図3の選択後にホイストの係止金具を孔部に係止させた状態を示す側面図。
図5図4の係止後にホイストを用いて列盤を吊り上げる状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る吊り金具を説明する。この吊り金具は、電気機器が収納された二面一体の列盤(配電盤、制御盤など)を所望の位置に移動させる際に用いられ、ホイスト・クレーンなどの吊り上げ装置による吊り上げ時の強度を確保し、また列盤の重心位置に応じた吊り上げを可能としている。
【0014】
ここでは図1に示す列盤への適用例を説明する。この列盤1は、電気機器を内部に収容したPCS(Power Conditioning System)盤の筐体2と、DC(Direct Current)盤の筐体3とを二面一体の列状に連結して構成されている。この連結の手法としては、例えば特許文献2に示すように、筐体2,3の側板をボルト・ナットにより締め付ける手法を採用することができる。
【0015】
筐体2,3は、それぞれボックス状に形成され、底部4a,4bの両サイドに立設された側板5a,5bと、底部4a,4bの後面に立設された背板6a(図4参照),6bと、底部4a,4bの前面に設置された前扉7a,7bと、上部の屋根部8a~8cと、を備えている。
【0016】
この屋根部8a~8cは、相似の長方形状に形成され、前後端部にそれぞれ一対のボルト固定孔9a~9cが形成されている。このボルト固定孔9a~9cを用いて、図2に示すように、吊り金具10が屋根部8a~8cの上面に固定されている。
【0017】
(1)吊り金具10
図2に基づき吊り金具10の構成例を説明する。この吊り金具10は、略梯子状に形成され、平行に配置された一対の金具本体11と、金具本体11間を連結して補強する二本の連結金具12とを備えている。この各金具本体11は、横断面L字状の長尺状に形成され、水平部11aと垂直部11bとを備えている。
【0018】
水平部11aには4個の固定孔(図示省略)が等間隔に形成され、該固定孔にはボルト15の軸部を挿通した後にナット16が締結されている(図4参照)。これにより吊り金具10が屋根部8a~8cに固定される。
【0019】
一方、各垂直部11bには、吊り上げ用の孔部14群がそれぞれの対称位置に形成されている。ここでは両垂直部11bの孔部14群は、前後端部からの等しい距離の位置にそれぞれ形成されている。
【0020】
ただし、孔部14群の形成位置は、これに限定されることはなく、列盤を構成する筐体の個数や重心位置に応じて定めることができる。例えば3個の筐体を連結した場合には、それぞれの連結箇所に応じた位置に形成してもよい。また、図2では、一例としてそれぞれの垂直部11bに3個の孔部14が形成されているが、これに限らず任意の個数でよいものとする。
【0021】
各孔部14は等間隔に形成され、各孔部14とオフセットした位置に連結金具12を固定するための取付孔17群が形成されている。ここでは3個の取付孔17が形成され、剛性を考慮して連結金具12を固定する取付孔17が選択される。選択された取付孔17にボルト20の軸部を挿通した後にナット21を締結することで連結金具12の両端に両金具本体11が平行に配置される。
【0022】
(2)列盤1の吊り上げ作業
以下、吊り金具10を用いた列盤1の吊り上げ作業を説明する。まず、水平部11aの固定孔にボルト15の軸部を挿通してナット16を締結し、図2に示すように、屋根部8a~8cの上面に吊り金具10を固定する。
【0023】
つぎに列盤1を吊る位置、即ち各孔部14群からホイストなどの係止金具25を係止結合させる孔部14を選択する(図3参照)。このとき中央に配置された孔部14の選択を基本とするが、状況に応じて左右の孔部14を選択してもよい。
【0024】
ここで係止金具25は、図4に示すように、逆U字状のシャックルを用いることができ、上端部がチェーンブロック28と連結されている一方、左右の下端部に図示省略の貫通孔が形成されている。この貫通孔および選択された孔部14にボルト26の軸部を挿通し、該軸部にナット27を締結することで係止金具25が選択された孔部14に回動自在に係止結合される。
【0025】
この状態のままホイストなどによりチェーンブロック28を巻き上げることで列盤1が吊り上げる。その際に列盤1が傾きそうになれば、一旦降ろして他の孔部14を再選択することで列盤1の重心位置に応じた吊り上げ位置に調整し、その後に列盤1を再度吊り上げて所望の位置に移動させる。
【0026】
その結果、吊り金具10によれば、筐体毎に変わる列盤の重心位置を対して最適な吊り上げ位置を探索可能となり、列盤が傾くことなく、バランスの良い姿勢で吊り上げることができ、この点で作業の安全性を確保することができる。
【0027】
これにより事前に工場内で各筐体を連結させて完成させた列盤を安全に工場外に移動することが可能となる。この点で輸送先での筐体同士の連結作業などを削減でき、作業時間の短縮やコストの抑制に貢献することもできる。
【0028】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載された範囲内で変形して実施することができる。例えば列盤1の重量などから補強が不要であれば、連結金具12は設けなくともよい。
【符号の説明】
【0029】
1…列盤
2,3…筐体
10…吊り金具
8a~8c…屋根部(上部)
11…金具本体
12…連結金具(連結部)
14…孔部
25…係止金具(係止部)
図1
図2
図3
図4
図5